前作
お久しぶりです。新元号一発目のssを投下します
【ぼく勉】成幸「お姉さんを助けたいんです!」
238: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/01(月) 16:21:32 ID:Tfu534GU
美春「で、でも姉さまは諦めると約束してくれるなら…ッ」///
成幸「お姉さんとのことで協力してほしいんです!!!」
美春「へっ!?」
成幸「お姉さん、今もマンションにこもっているんですよね。ならこのまま悩み続けるよりも、とりあえず一度滑ってみれば考えもまとまると思うんです」
美春「そ、それで私が協力…ですか?」
成幸「はい! 美春さんならフィギュアができる場所も衣装も詳しいと思って」
美春「~~~っ!」プルプル…
成幸「美春さん?」
美春「姉さまのために協力!? 当然至極ッ!! 美春に全ておまかせあれですっ!! 最高の衣装とリンクを貸し切り提供しちゃいますよぉ!!」
成幸「え!? いやそこまでは…」アセアセ…
美春「迅速果断。そうと決まればただちに手配です!! さっそく関係者と連絡を取ってきますから待っていて下さい唯我成幸さん!」ダッ!
成幸「あ! ちょっと!?」
成幸(行ってしまった…相変わらずやることが完璧主義というか…)
成幸「でも、美春さんのおかげで場所は何とかなりそうだ。あとは…あの人か」
--音大なんて最初っから…受けなければよかった…
成幸(先生の話に出てきた日野さん…とにかくあの人と一度連絡を取らないと。うちの学園のOGなら、まずは……)ピッピッ
プルルルル-
あすみ「もしもし。どうした後輩?」
成幸「突然すみません先輩。ちょっと訊ねたいことがあるんですが」
あすみ「何だよ藪から棒に。仕方ねーな。スリーサイズだったら上から--」
成幸「違いますって! それ以上言っちゃダメですからね!」
あすみ「わかってる。冗談だよ。で、えらくマジな様子みたいだが何を訊きたいんだ?」
成幸「ちょっと事情があって学園の卒業生を探してまして。先輩が現役時代だったときの上級生で、『日野』って女生徒に心当たりはありますか?」
あすみ「日野…日野なあ………悪いが、ちょっとアタシの記憶にはないな」
成幸「そうですか…」
あすみ「そんなガッカリすんなって。アタシは知らないけど部活…軽音部の先輩なら知ってるかもしれないからな。ちょっと訊いてみてやるよ」
成幸「あ、ありがとうございます!」
--10分後
プルルル ピッ!
成幸「唯我です。どうでした? 先輩!」
あすみ「ああ、『悪いが名字だけじゃ情報が少なすぎる。連絡先を教えるから直接電話してこい』ってさ。そういうことでいいか? 後輩」
成幸「はい。それで十分です。本当に助かりました先輩。また今度お礼をさせて下さい」
あすみ「いーって別に。最近は店の方でも世話になりっぱなしなんだからな。今回はツケといてやるよ」ニッ
成幸「ありがとうございます。先輩」
あすみ「ああ。じゃそろそろ仕事だし切るな。連絡先はすぐに送っておくから」プッ…
♪♪♪~
成幸「はやっ! もう来た」ピッピッ
成幸「ええと…これが番号だな。なんか先輩からのメッセージも続けざまに来てるけど…」ピッピッ
『後輩のことだから、どうせまた女が関係しているんだろ? まったく悩みが尽きないな、このたらし野郎が ( *゚∀゚)⊃) ‘ д’)』
成幸「あーもうあの人は…(しかも決して間違ってはないんだよな…)」ズーン…
成幸(でも…これで取っ掛かりを作ることはできた。感謝します先輩。あとは俺が--)ピッピッ…
「もしもし?」
成幸「もしもし…あ、はい。そうです。小美浪あすみさんの後輩で唯我といいます。突然の電話ですみませんが、どうしても訊きたいことが--」
--数分後
成幸「わかりました。じゃあそちらの方に訊ねてみます。番号はさっきのもので? ……わかりました。本当にありがとうございます。では」プッ…
成幸「ふう…」
成幸(結局わからなかったけど、同級生の番号を教えてもらうことはできた。これを繰り返していけば、必ず日野さんにまでたどり着けるはず)
成幸「………」フゥ…
--わからない。わからないの、唯我くん。私は…どうしたらいいの…?
成幸「先生……」
--「できない」自分を認め、向き合えること--それが、君の長所でしょう?
--この子の前には無限の未来が広がっているのだものね----君もよ、唯我くん
成幸(先生は…悩んでいた俺に道を示してくれました。今度は俺が、先生を助ける番です!)ピッピッ…
プルルルル……
「--はい、もしもし」
成幸「もしもし。いきなりの電話すみません--」
--某所・音楽スタジオ
♪~~♪♪~~♪♪♪~♪
「……ふう。ま、こんな感じかな」
(新曲の演奏も大分サマになってきたし、もうそろそろライブでお披露目してもいい頃かな。次の音合わせでメンバーに相談してみようか)ニッ
♪♪♪~
「はいはい。ちょっと待ってよ、って…わお! 懐かしい名前」ピッ!
日野「もしもし日野だけど。久しぶり、元気してた? ……うん、そっか。で、突然どうしたの? …え? 私を探してる男の子?」
--5分後
「--うん、わかった。じゃあまた連絡よろしくね。それじゃ」プッ…
日野(一ノ瀬学園の男の子が私に用…か。一体何だろ?)
♪♪♪~
日野「…と、早速かな」ピッ
日野「…もしもし日野です。君が私を探している男の子?」
成幸「はい。一ノ瀬学園三年の唯我といいます」
日野「うん、初めまして。聞いたよ。なんか私を探す為に色んな人に掛け合ってたんだって?」
成幸「はい。どうしても日野さんとお話がしたかったんです」
日野「そ、それってどういう…」ドキッ
成幸「桐須…真冬先生を覚えていますか?」
日野「え!?」ドクン…
成幸「…桐須先生が話してくれました。昔、自分のせいで一人の生徒の人生を狂わせてしまったと。それが日野さんのことだと聞いて……間違いないですか?」
日野「ちょ、ちょっと待ってよ。桐須せんせーが私の人生を狂わせた? 一体どういうこと?」
成幸「先生は…日野さんが音大に落ちてしまったことをずっと後悔していました。安易に応援なんてせずに、最初に引き止めておけばって…」
日野「え……」
成幸「だから日野さんが卒業した後、先生は指導方針を180°変えたそうです。今では才能や能力だけで判断を下すリアリストな教師になって…いえ、そうなろうとして自分を偽り続けてるんです」
日野「……」
成幸「先生が最近、動画サイトで有名になったのは知ってますか?」
日野「あ、うん……せんせー、昔はフィギュアなんてやってたんだね。びっくりしたよ」
成幸「ええ。それで…今回の騒ぎがきっかけで先生にアイスショーのオファーが来たらしくて」
日野「そうなんだ。せんせー可愛かったもんね。フィギュアに戻ってもまた人気出るかも」
成幸「そうかもしれません。けど先生は、どちらも選べないまま悩んでるみたいで…」
成幸「先生は…教師になるためにそれまでのフィギュアのキャリアを全て捨て去ったそうです。両親や周囲からの猛烈な反対を押し切って教師になり、一ノ瀬学園に帰ってきました。けれど--」
日野「私が…せんせーを追い詰めて…」
成幸「……第三者の俺には正直、何が正しかったなんてわかりません。でも先生が、今も日野さんのことを引き摺っていることは確かなんです」
日野「!」
成幸「お願いします日野さん。どうか桐須先生を…助けて下さいっ!!!」バッ!!
日野「…………」
成幸「…………っ」ギュッ…
日野「……顔、上げてよ」
成幸「え…?」
日野「電話越しでもわかるよ。必死に頭下げてるんだよね。お互い顔なんて見えっこないのに」
成幸「す、すみません。つい」
日野「ううん。それだけ人の為に一生懸命になれるってことだよ。本当に真っ直ぐなんだね。桐須せんせーと、おんなじ」
成幸「え?」
日野「…………私、今インディーズバンドでピアノやってるんだ。めちゃくちゃ忙しいし毎日色んなことがあって大変だけど。すごく充実してる」
成幸「……」
日野「あの日…せんせーに酷い言葉を言ったことに、後で気付いたんだ。何度も謝ろうと思ったけど、結局きっかけが掴めずに卒業してしまって…」
日野「私のせいでせんせー…ずっと苦しんでいたんだね」
成幸「日野さん……」
日野「……唯我くん」
成幸「はい」
日野「私を探してくれて本当にありがとう。私からもお願い。桐須せんせーと話をさせてほしい。協力してくれる?」
成幸「はい! 任せて下さい!」
成幸「--ええ。じゃあその手筈でよろしくお願いします。では--」プッ…
美春「唯我成幸さん!」
成幸「あ、美春さん! どうでしたか?」
美春「はあ…はあ…ええ、準備万端。ばっちりです。七緒アイスアリーナを貸し切りにして、姉さまの現役時代の衣装もこのバッグに」ポンッ
成幸「ありがとうございます美春さん。それじゃ早速お姉さんを迎えに--」
美春「…………いえ」
成幸「え?」
美春「私は…遠慮しておきます。姉さまを迎えに行くのは唯我成幸さん。あなたお一人でお願いします」
成幸「な、なんで…?」
美春「……私がいると、きっと姉さまは本当の気持ちをさらけてはくれません。悔しいですがそれができるのは、きっと--」ギュッ…
--生徒思いのとことか可愛らしいとこもたくさんあって。俺はいい先生だと思ってますよ
--優しくて頑張り屋さんの、先生自慢の生徒よ
美春(唯一無二。唯我成幸さん。あなたしかいないと思いますから…)
成幸「美春さん?」
美春「で、ですが! まだお二人の禁断の仲を認めた訳ではありませんので。勘違いしないで下さいね!!!」ビシッ!
成幸「は、はい(え、何のこと!?)」
美春「ではそろそろ行きましょう。姉さまのマンションの前まで送りますから車に乗って下さい」
成幸「わ、わかりました」
--数時間後・七緒アイスアリーナ
成幸「俺は先生を…幸せにしたいです!」
真冬「--っ!」/// ハッ!?
\\チャーン チャーッチャ チャーチャッ チャーチャッ//
日野「色々茨の道だと思うけど…ちゃんと卒業してからお幸せにね、せんせー!!」ヒャーッ!
成幸「ウェディングテーマ!?」
真冬「誤解ッ!!! 決してそういうのではないわよ日野さんっ!!」カァアア
日野「そんなこと言っても。顔が赤くなってるよ。せんせー」ニヤニヤ
真冬「きっ禁止! からかうのは止めなさいっ!!」
日野「あははっ…! 懐かしーねそれ。確かせんせーが初めて教壇に立った時にも言ってたっけ」ハハッ
以上です。
日野「……………うん、もう大丈夫かな(--唯我くん)」チラッ
成幸(--わかりました)コクリ
成幸「先生」
真冬「?」
成幸「ちょっと喉が渇いたので飲み物を買って来ようと思います。先生はコーヒーで良かったですか?」
真冬「え、ええ…」
成幸「わかりました。では(頑張って下さい。日野さん)」
日野「…さてと」
真冬「?」
日野「唯我くんも気を遣ってくれたことだし、そろそろせんせーに伝えておかないとね」スッ…
日野「………ずっと、言いそびれてた。桐須先生、あの時は本当にごめん」
真冬「日野…さ」
日野「音大に落ちたこと、先生に八つ当たりしちゃったこと…ずっと、後悔してたんだ。卒業した後もしばらく何も考えられないくらい。けれど--」スッ…
♪♪~
真冬「その…曲。確か…」
日野「うん。せんせーとずっと練習したよね。ある日、たまたまピアノが目についてさ、何となく弾いてみたんだ。そしたら…思い出せた。自分が何のためにピアノを続けてきたのかを」
--上達。この前よりずいぶんと良くなったわ
--毎日練習につきあうから頑張りましょう!!!
日野「…どんなに下手でも、自分の演奏を聞いてくれる人がいた。上手くなったわね、と褒めてくれる人がいた。だから自分はピアノが本当に好きになれたんだって!」
--いつも頑張っていてえらいわね!
日野さん!
日野「ありがとう! 桐須せんせーと出会えて、本当に良かった!」
真冬「………っ」
日野「……言いたかったことはこれで全部。なんかしんみりさせちゃったかな。ごめんね、せんせー」テヘッ
真冬「いえ………私も、感謝。ありがとう日野さん」
日野「うん……ずいぶん長引いちゃったけど、これでようやく胸のつかえが下りた気がする。唯我くんのおかげだね」
真冬「……そうね」
日野「彼…本当にあちこちに電話をかけて私を捜してたみたいでさ。そんなことしなくても学園にある卒業アルバム見たら簡単に連絡つけられたのに。要領が悪いって自分で言ってたから、不器用なのは間違いないんだろうけどね。でも……」フフッ
真冬「?」
日野「それが却って良かったのかな。クラスメートにも彼から電話がかかってきたみたいでさ。それがきっかけで連絡を取り合って、今度同窓会やろうって話になったの」
真冬「そ、そうなの」
日野「なーんか私に片思いしてる男の子がいるって、すっかり盛り上がってるみたい。いい迷惑だよね。こっちはたった今その子がせんせーにプロポーズしてる光景を見せられたのに」ニッ
真冬「なっ!? そ、相違! 彼はたまにああいう誤解を招きやすい物言いをするのよ!」
日野「あはは、せんせー。たまにしか出てこないような特徴まで知ってるとか、もう仲が良いって自白してるようなものだよ」
真冬「~~~っ!」カァアア
日野「…まあ、その話はおいとくとして。連絡を取り合ってるときにみんな言ってたみたい『同窓会やるんだったら、桐須せんせーも呼ばないと』って」
真冬「え…?」
日野「みんな覚えてるんだよ。ちょっとドジだけど、いつも一生懸命に私たちのことを想い続けてくれた、優しい先生のこと」
真冬「……っ」
日野「だから、せんせーも同窓会に来てね。私たちの過ごしたあの青春は、桐須先生も確かに入ってるんだから」
真冬「……………ええ」
--もう一度、ちゃんとやり直せるだろうか。ずっとずっと憧れ続けた。青春の学園生活を
真冬「約束。その時は…きっと顔を出すようにするから…!」
日野「うん…………せんせー、やっと笑ってくれた。やっぱりせんせーには、笑顔が一番よく似合ってるよ!」
--七緒アイスアリーナ出口
店員「ありがとうございましたー」
成幸「ふう…なんだかんだで、結構滑ってたんですね。すっかり日が落ちてますよ」
真冬「不吉。滑るとか落ちるとか、そんな言葉を受験生があまり口にするものではないわよ。唯我くん」ジロッ
成幸「あはは、気を付けます。それで…少しは気が楽になれましたか? 先生」
真冬「そうね…とりあえず、明日は学園に復帰するつもりだから。課題の方はしっかりやっておくように」
成幸「はい! 先生」ニコッ
真冬「………」フゥ…
--間違ってるかどうかなんて、本当に終わっちまうまでわからねーもんさ
--楽しいかどうかも選択が間違いかどうかも…結局、終わってみなきゃわからないじゃないですか
真冬(…ほんと、そうね)フッ…
真冬「………唯我君」
成幸「はい……え?」
--黄昏を過ぎた空は暗くなりつつあり、ともすれば見間違えたのかもしれない。けれど
真冬「感謝。ほんとうに--ありがとう」
--そう告げた先生の表情は本当にきれいで…どこか笑っているようにも見えた
了
幕間
--もしもの話
美春「で、でも姉さまは諦めると約束してくれるなら…ッ」///
成幸「お姉さんとのことで協力してほしいんです!!!」
美春「…してくれるのならっ、返事をして下さい! 唯我成幸さん! !」///
成幸(だめだ、聞いていない…よくわからないけど、とりあえず美春さんに同調すればいいのか?)
成幸「わ、わかりました! だからとにかく話を聞いて下さい! お姉さんのことなんです!!」
美春「へっ?」
--数分後
成幸「…というわけで美春さんに協力を」
美春「わかりました。他ならぬ姉さまの為にも、最高の環境を用意しちゃいますよぉ」フンス!
成幸「良かった…じゃあよろしくお願いしますね、美春さん!」
美春「はい…確かに言質は取りましたから。こちらこそよろしくお願いしますね。唯我成幸さん」
成幸「……? は、はい」
--数日後
うるか「そういえば、桐須センセー元気になったんだってね。よかったー!」
成幸「だいぶ例のブームも落ち着いたみたいだし。何よりだな」
真冬「そうね、唯我君」
うるか「わっ!?」
成幸「せ、先生!?」
真冬「喧騒。二人とも声が大きいわよ」
うるか「すみません。先生もう体調は大丈夫なんですか?」
真冬「ええ、問題無いわ。ありがとう武元さん。唯我君も」チラッ
成幸「はい。先生」
真冬「それと…話は聞いたわ。正直かなり驚いたのだけれど」
成幸「へ?」
真冬「………」フッ
成幸・うるか「!」
真冬「……美春のこと、よろしく頼むわね。唯我君」ボソッ
成幸(…え?)
--下校中
うるか「しかし今日はびっくりしたなー。桐須先生が笑うところ見たのって初めてかも。けど…なんか寂しそうな感じだったよね。成幸何か知ってる?」
成幸「え? いや…さっぱり心当たりがないけど…」
成幸(でも先生が言った言葉…美春さんを頼むって、どういう--)
うるか「あり? こんな時間内に校門前に誰かいるよ……って、なんか成幸に手を振ってるみたいだけど?」クイッ
成幸「え? …ってあの人は!?」
美春「一日千秋。お待ちしておりました。唯我成幸さん」ニコッ
成幸「え?(変装してるけど…美春さん?)ど、どうしてここに!?」
うるか「(年上かな? キレイな人)やっぱり成幸の知り合いだったんだ。初めまして、武元うるかです。お姉さんのお名前は?」
美春「名乗るほどの者ではありません。ですが、彼との関係を説明するのであればそうですね。婚約者(フィアンセ)…と言うべきでしょうか」ポッ…
成幸「はあっ!?」
うるか「くぁwせdrftgyふじこlp」ズガーン!!!
成幸「ちょっ! 何言ってるんですか美春さん! うるかが誤解するでしょ--はっ!?」クルッ
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
うるか「…………」グッ …グッ…
成幸「えっと、うるか…さん?(何故ストレッチを?)」タラーッ
うるか「う…………うわあああああん。成幸のばかああああああ! でもお幸せにいいいいいいいい」ダッーー
成幸「う、うるかああああ!!!」ズガーン!
美春「諸行無常…彼女には申し訳ないことをしましたが仕方ありません。とにかくこれで私達を遮るものはなくなりました。それでは行きましょうか。唯我成幸さん」
成幸「え? ど…どこへ?」
美春「私の実家です。お付き合いを始めたのですから、まずは父さま母さまに報告しないと」
成幸「お付き合いッ!? 何で!?」
美春「両親を説得するのは中々骨が折れると思いますが、比翼連理。これから二人で力を合わせて頑張りましょう! …それと、言い遅れましたが」
成幸「?」
美春「ふつつか者ですが…これからよろしくお願いしますね。唯我成幸さん」/// ポッ
成幸「……どうしてこうなった」ズーン…
美春エンド -完-
--お疲れさまでした。実績を達成したことにより次のシナリオが新たに開放されます。
・関城沙和子ルート
・桐須姉妹丼ルート
--ぼく勉ポータブル鋭意開発中--
以上です。ネタ元は神回こと101・102話から
理珠捜索ssと同じテイストで
・成幸はどうやって日野さんを探しだしたのか?
・何故美春は現場にいなかったのか?
・日野さんがウェディングテーマを弾いた後の流れは?
辺りの部分を自己補完してみました。幕間についてはエイプリルフールネタということで。嘘から出た実であってほしいですが
長編で先生のヒロイン力がめきめき上がって嬉しい限りです。ヒロイン力に応じたSSを書けるよう頑張ります。
ではまた
元スレ
美春「で、でも姉さまは諦めると約束してくれるなら…ッ」///
成幸「お姉さんとのことで協力してほしいんです!!!」
美春「へっ!?」
成幸「お姉さん、今もマンションにこもっているんですよね。ならこのまま悩み続けるよりも、とりあえず一度滑ってみれば考えもまとまると思うんです」
美春「そ、それで私が協力…ですか?」
成幸「はい! 美春さんならフィギュアができる場所も衣装も詳しいと思って」
美春「~~~っ!」プルプル…
成幸「美春さん?」
239: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/01(月) 16:22:17 ID:Tfu534GU
美春「姉さまのために協力!? 当然至極ッ!! 美春に全ておまかせあれですっ!! 最高の衣装とリンクを貸し切り提供しちゃいますよぉ!!」
成幸「え!? いやそこまでは…」アセアセ…
美春「迅速果断。そうと決まればただちに手配です!! さっそく関係者と連絡を取ってきますから待っていて下さい唯我成幸さん!」ダッ!
成幸「あ! ちょっと!?」
成幸(行ってしまった…相変わらずやることが完璧主義というか…)
成幸「でも、美春さんのおかげで場所は何とかなりそうだ。あとは…あの人か」
240: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/01(月) 16:24:49 ID:Tfu534GU
--音大なんて最初っから…受けなければよかった…
成幸(先生の話に出てきた日野さん…とにかくあの人と一度連絡を取らないと。うちの学園のOGなら、まずは……)ピッピッ
プルルルル-
あすみ「もしもし。どうした後輩?」
成幸「突然すみません先輩。ちょっと訊ねたいことがあるんですが」
あすみ「何だよ藪から棒に。仕方ねーな。スリーサイズだったら上から--」
成幸「違いますって! それ以上言っちゃダメですからね!」
あすみ「わかってる。冗談だよ。で、えらくマジな様子みたいだが何を訊きたいんだ?」
成幸「ちょっと事情があって学園の卒業生を探してまして。先輩が現役時代だったときの上級生で、『日野』って女生徒に心当たりはありますか?」
あすみ「日野…日野なあ………悪いが、ちょっとアタシの記憶にはないな」
成幸「そうですか…」
あすみ「そんなガッカリすんなって。アタシは知らないけど部活…軽音部の先輩なら知ってるかもしれないからな。ちょっと訊いてみてやるよ」
成幸「あ、ありがとうございます!」
241: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/01(月) 16:25:22 ID:Tfu534GU
--10分後
プルルル ピッ!
成幸「唯我です。どうでした? 先輩!」
あすみ「ああ、『悪いが名字だけじゃ情報が少なすぎる。連絡先を教えるから直接電話してこい』ってさ。そういうことでいいか? 後輩」
成幸「はい。それで十分です。本当に助かりました先輩。また今度お礼をさせて下さい」
あすみ「いーって別に。最近は店の方でも世話になりっぱなしなんだからな。今回はツケといてやるよ」ニッ
成幸「ありがとうございます。先輩」
あすみ「ああ。じゃそろそろ仕事だし切るな。連絡先はすぐに送っておくから」プッ…
270: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/01(月) 17:42:15 ID:Tfu534GU
♪♪♪~
成幸「はやっ! もう来た」ピッピッ
成幸「ええと…これが番号だな。なんか先輩からのメッセージも続けざまに来てるけど…」ピッピッ
『後輩のことだから、どうせまた女が関係しているんだろ? まったく悩みが尽きないな、このたらし野郎が ( *゚∀゚)⊃) ‘ д’)』
成幸「あーもうあの人は…(しかも決して間違ってはないんだよな…)」ズーン…
成幸(でも…これで取っ掛かりを作ることはできた。感謝します先輩。あとは俺が--)ピッピッ…
「もしもし?」
成幸「もしもし…あ、はい。そうです。小美浪あすみさんの後輩で唯我といいます。突然の電話ですみませんが、どうしても訊きたいことが--」
243: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/01(月) 16:26:42 ID:Tfu534GU
--数分後
成幸「わかりました。じゃあそちらの方に訊ねてみます。番号はさっきのもので? ……わかりました。本当にありがとうございます。では」プッ…
成幸「ふう…」
成幸(結局わからなかったけど、同級生の番号を教えてもらうことはできた。これを繰り返していけば、必ず日野さんにまでたどり着けるはず)
成幸「………」フゥ…
--わからない。わからないの、唯我くん。私は…どうしたらいいの…?
成幸「先生……」
--「できない」自分を認め、向き合えること--それが、君の長所でしょう?
--この子の前には無限の未来が広がっているのだものね----君もよ、唯我くん
成幸(先生は…悩んでいた俺に道を示してくれました。今度は俺が、先生を助ける番です!)ピッピッ…
プルルルル……
「--はい、もしもし」
成幸「もしもし。いきなりの電話すみません--」
244: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/01(月) 16:27:14 ID:Tfu534GU
--某所・音楽スタジオ
♪~~♪♪~~♪♪♪~♪
「……ふう。ま、こんな感じかな」
(新曲の演奏も大分サマになってきたし、もうそろそろライブでお披露目してもいい頃かな。次の音合わせでメンバーに相談してみようか)ニッ
♪♪♪~
「はいはい。ちょっと待ってよ、って…わお! 懐かしい名前」ピッ!
日野「もしもし日野だけど。久しぶり、元気してた? ……うん、そっか。で、突然どうしたの? …え? 私を探してる男の子?」
--5分後
「--うん、わかった。じゃあまた連絡よろしくね。それじゃ」プッ…
日野(一ノ瀬学園の男の子が私に用…か。一体何だろ?)
245: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/01(月) 16:28:17 ID:Tfu534GU
♪♪♪~
日野「…と、早速かな」ピッ
日野「…もしもし日野です。君が私を探している男の子?」
成幸「はい。一ノ瀬学園三年の唯我といいます」
日野「うん、初めまして。聞いたよ。なんか私を探す為に色んな人に掛け合ってたんだって?」
成幸「はい。どうしても日野さんとお話がしたかったんです」
日野「そ、それってどういう…」ドキッ
成幸「桐須…真冬先生を覚えていますか?」
日野「え!?」ドクン…
246: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/01(月) 16:28:49 ID:Tfu534GU
成幸「…桐須先生が話してくれました。昔、自分のせいで一人の生徒の人生を狂わせてしまったと。それが日野さんのことだと聞いて……間違いないですか?」
日野「ちょ、ちょっと待ってよ。桐須せんせーが私の人生を狂わせた? 一体どういうこと?」
成幸「先生は…日野さんが音大に落ちてしまったことをずっと後悔していました。安易に応援なんてせずに、最初に引き止めておけばって…」
日野「え……」
成幸「だから日野さんが卒業した後、先生は指導方針を180°変えたそうです。今では才能や能力だけで判断を下すリアリストな教師になって…いえ、そうなろうとして自分を偽り続けてるんです」
日野「……」
成幸「先生が最近、動画サイトで有名になったのは知ってますか?」
日野「あ、うん……せんせー、昔はフィギュアなんてやってたんだね。びっくりしたよ」
成幸「ええ。それで…今回の騒ぎがきっかけで先生にアイスショーのオファーが来たらしくて」
日野「そうなんだ。せんせー可愛かったもんね。フィギュアに戻ってもまた人気出るかも」
成幸「そうかもしれません。けど先生は、どちらも選べないまま悩んでるみたいで…」
247: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/01(月) 16:29:28 ID:Tfu534GU
成幸「先生は…教師になるためにそれまでのフィギュアのキャリアを全て捨て去ったそうです。両親や周囲からの猛烈な反対を押し切って教師になり、一ノ瀬学園に帰ってきました。けれど--」
日野「私が…せんせーを追い詰めて…」
成幸「……第三者の俺には正直、何が正しかったなんてわかりません。でも先生が、今も日野さんのことを引き摺っていることは確かなんです」
日野「!」
成幸「お願いします日野さん。どうか桐須先生を…助けて下さいっ!!!」バッ!!
日野「…………」
成幸「…………っ」ギュッ…
日野「……顔、上げてよ」
成幸「え…?」
248: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/01(月) 16:29:59 ID:Tfu534GU
日野「電話越しでもわかるよ。必死に頭下げてるんだよね。お互い顔なんて見えっこないのに」
成幸「す、すみません。つい」
日野「ううん。それだけ人の為に一生懸命になれるってことだよ。本当に真っ直ぐなんだね。桐須せんせーと、おんなじ」
成幸「え?」
日野「…………私、今インディーズバンドでピアノやってるんだ。めちゃくちゃ忙しいし毎日色んなことがあって大変だけど。すごく充実してる」
成幸「……」
日野「あの日…せんせーに酷い言葉を言ったことに、後で気付いたんだ。何度も謝ろうと思ったけど、結局きっかけが掴めずに卒業してしまって…」
日野「私のせいでせんせー…ずっと苦しんでいたんだね」
成幸「日野さん……」
日野「……唯我くん」
成幸「はい」
日野「私を探してくれて本当にありがとう。私からもお願い。桐須せんせーと話をさせてほしい。協力してくれる?」
成幸「はい! 任せて下さい!」
249: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/01(月) 16:33:16 ID:Tfu534GU
成幸「--ええ。じゃあその手筈でよろしくお願いします。では--」プッ…
美春「唯我成幸さん!」
成幸「あ、美春さん! どうでしたか?」
美春「はあ…はあ…ええ、準備万端。ばっちりです。七緒アイスアリーナを貸し切りにして、姉さまの現役時代の衣装もこのバッグに」ポンッ
成幸「ありがとうございます美春さん。それじゃ早速お姉さんを迎えに--」
美春「…………いえ」
成幸「え?」
美春「私は…遠慮しておきます。姉さまを迎えに行くのは唯我成幸さん。あなたお一人でお願いします」
成幸「な、なんで…?」
美春「……私がいると、きっと姉さまは本当の気持ちをさらけてはくれません。悔しいですがそれができるのは、きっと--」ギュッ…
250: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/01(月) 16:33:56 ID:Tfu534GU
--生徒思いのとことか可愛らしいとこもたくさんあって。俺はいい先生だと思ってますよ
--優しくて頑張り屋さんの、先生自慢の生徒よ
美春(唯一無二。唯我成幸さん。あなたしかいないと思いますから…)
成幸「美春さん?」
美春「で、ですが! まだお二人の禁断の仲を認めた訳ではありませんので。勘違いしないで下さいね!!!」ビシッ!
成幸「は、はい(え、何のこと!?)」
美春「ではそろそろ行きましょう。姉さまのマンションの前まで送りますから車に乗って下さい」
成幸「わ、わかりました」
271: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/01(月) 17:48:25 ID:Tfu534GU
--数時間後・七緒アイスアリーナ
成幸「俺は先生を…幸せにしたいです!」
真冬「--っ!」/// ハッ!?
\\チャーン チャーッチャ チャーチャッ チャーチャッ//
日野「色々茨の道だと思うけど…ちゃんと卒業してからお幸せにね、せんせー!!」ヒャーッ!
成幸「ウェディングテーマ!?」
真冬「誤解ッ!!! 決してそういうのではないわよ日野さんっ!!」カァアア
日野「そんなこと言っても。顔が赤くなってるよ。せんせー」ニヤニヤ
真冬「きっ禁止! からかうのは止めなさいっ!!」
日野「あははっ…! 懐かしーねそれ。確かせんせーが初めて教壇に立った時にも言ってたっけ」ハハッ
以上です。
252: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/01(月) 16:35:45 ID:Tfu534GU
日野「……………うん、もう大丈夫かな(--唯我くん)」チラッ
成幸(--わかりました)コクリ
成幸「先生」
真冬「?」
成幸「ちょっと喉が渇いたので飲み物を買って来ようと思います。先生はコーヒーで良かったですか?」
真冬「え、ええ…」
成幸「わかりました。では(頑張って下さい。日野さん)」
日野「…さてと」
真冬「?」
日野「唯我くんも気を遣ってくれたことだし、そろそろせんせーに伝えておかないとね」スッ…
日野「………ずっと、言いそびれてた。桐須先生、あの時は本当にごめん」
真冬「日野…さ」
日野「音大に落ちたこと、先生に八つ当たりしちゃったこと…ずっと、後悔してたんだ。卒業した後もしばらく何も考えられないくらい。けれど--」スッ…
253: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/01(月) 16:37:09 ID:Tfu534GU
♪♪~
真冬「その…曲。確か…」
日野「うん。せんせーとずっと練習したよね。ある日、たまたまピアノが目についてさ、何となく弾いてみたんだ。そしたら…思い出せた。自分が何のためにピアノを続けてきたのかを」
--上達。この前よりずいぶんと良くなったわ
--毎日練習につきあうから頑張りましょう!!!
日野「…どんなに下手でも、自分の演奏を聞いてくれる人がいた。上手くなったわね、と褒めてくれる人がいた。だから自分はピアノが本当に好きになれたんだって!」
--いつも頑張っていてえらいわね!
日野さん!
日野「ありがとう! 桐須せんせーと出会えて、本当に良かった!」
真冬「………っ」
254: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/01(月) 16:37:43 ID:Tfu534GU
日野「……言いたかったことはこれで全部。なんかしんみりさせちゃったかな。ごめんね、せんせー」テヘッ
真冬「いえ………私も、感謝。ありがとう日野さん」
日野「うん……ずいぶん長引いちゃったけど、これでようやく胸のつかえが下りた気がする。唯我くんのおかげだね」
真冬「……そうね」
日野「彼…本当にあちこちに電話をかけて私を捜してたみたいでさ。そんなことしなくても学園にある卒業アルバム見たら簡単に連絡つけられたのに。要領が悪いって自分で言ってたから、不器用なのは間違いないんだろうけどね。でも……」フフッ
真冬「?」
255: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/01(月) 16:38:20 ID:Tfu534GU
日野「それが却って良かったのかな。クラスメートにも彼から電話がかかってきたみたいでさ。それがきっかけで連絡を取り合って、今度同窓会やろうって話になったの」
真冬「そ、そうなの」
日野「なーんか私に片思いしてる男の子がいるって、すっかり盛り上がってるみたい。いい迷惑だよね。こっちはたった今その子がせんせーにプロポーズしてる光景を見せられたのに」ニッ
真冬「なっ!? そ、相違! 彼はたまにああいう誤解を招きやすい物言いをするのよ!」
日野「あはは、せんせー。たまにしか出てこないような特徴まで知ってるとか、もう仲が良いって自白してるようなものだよ」
真冬「~~~っ!」カァアア
日野「…まあ、その話はおいとくとして。連絡を取り合ってるときにみんな言ってたみたい『同窓会やるんだったら、桐須せんせーも呼ばないと』って」
真冬「え…?」
256: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/01(月) 16:38:53 ID:Tfu534GU
日野「みんな覚えてるんだよ。ちょっとドジだけど、いつも一生懸命に私たちのことを想い続けてくれた、優しい先生のこと」
真冬「……っ」
日野「だから、せんせーも同窓会に来てね。私たちの過ごしたあの青春は、桐須先生も確かに入ってるんだから」
真冬「……………ええ」
--もう一度、ちゃんとやり直せるだろうか。ずっとずっと憧れ続けた。青春の学園生活を
真冬「約束。その時は…きっと顔を出すようにするから…!」
日野「うん…………せんせー、やっと笑ってくれた。やっぱりせんせーには、笑顔が一番よく似合ってるよ!」
257: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/01(月) 16:39:27 ID:Tfu534GU
--七緒アイスアリーナ出口
店員「ありがとうございましたー」
成幸「ふう…なんだかんだで、結構滑ってたんですね。すっかり日が落ちてますよ」
真冬「不吉。滑るとか落ちるとか、そんな言葉を受験生があまり口にするものではないわよ。唯我くん」ジロッ
成幸「あはは、気を付けます。それで…少しは気が楽になれましたか? 先生」
真冬「そうね…とりあえず、明日は学園に復帰するつもりだから。課題の方はしっかりやっておくように」
成幸「はい! 先生」ニコッ
真冬「………」フゥ…
258: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/01(月) 16:40:04 ID:Tfu534GU
--間違ってるかどうかなんて、本当に終わっちまうまでわからねーもんさ
--楽しいかどうかも選択が間違いかどうかも…結局、終わってみなきゃわからないじゃないですか
真冬(…ほんと、そうね)フッ…
真冬「………唯我君」
成幸「はい……え?」
--黄昏を過ぎた空は暗くなりつつあり、ともすれば見間違えたのかもしれない。けれど
真冬「感謝。ほんとうに--ありがとう」
--そう告げた先生の表情は本当にきれいで…どこか笑っているようにも見えた
了
259: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/01(月) 16:42:12 ID:Tfu534GU
幕間
--もしもの話
美春「で、でも姉さまは諦めると約束してくれるなら…ッ」///
成幸「お姉さんとのことで協力してほしいんです!!!」
美春「…してくれるのならっ、返事をして下さい! 唯我成幸さん! !」///
成幸(だめだ、聞いていない…よくわからないけど、とりあえず美春さんに同調すればいいのか?)
成幸「わ、わかりました! だからとにかく話を聞いて下さい! お姉さんのことなんです!!」
美春「へっ?」
260: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/01(月) 16:42:45 ID:Tfu534GU
--数分後
成幸「…というわけで美春さんに協力を」
美春「わかりました。他ならぬ姉さまの為にも、最高の環境を用意しちゃいますよぉ」フンス!
成幸「良かった…じゃあよろしくお願いしますね、美春さん!」
美春「はい…確かに言質は取りましたから。こちらこそよろしくお願いしますね。唯我成幸さん」
成幸「……? は、はい」
261: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/01(月) 16:43:34 ID:Tfu534GU
--数日後
うるか「そういえば、桐須センセー元気になったんだってね。よかったー!」
成幸「だいぶ例のブームも落ち着いたみたいだし。何よりだな」
真冬「そうね、唯我君」
うるか「わっ!?」
成幸「せ、先生!?」
真冬「喧騒。二人とも声が大きいわよ」
262: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/01(月) 16:44:07 ID:Tfu534GU
うるか「すみません。先生もう体調は大丈夫なんですか?」
真冬「ええ、問題無いわ。ありがとう武元さん。唯我君も」チラッ
成幸「はい。先生」
真冬「それと…話は聞いたわ。正直かなり驚いたのだけれど」
成幸「へ?」
真冬「………」フッ
成幸・うるか「!」
真冬「……美春のこと、よろしく頼むわね。唯我君」ボソッ
成幸(…え?)
263: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/01(月) 16:45:14 ID:Tfu534GU
--下校中
うるか「しかし今日はびっくりしたなー。桐須先生が笑うところ見たのって初めてかも。けど…なんか寂しそうな感じだったよね。成幸何か知ってる?」
成幸「え? いや…さっぱり心当たりがないけど…」
成幸(でも先生が言った言葉…美春さんを頼むって、どういう--)
うるか「あり? こんな時間内に校門前に誰かいるよ……って、なんか成幸に手を振ってるみたいだけど?」クイッ
成幸「え? …ってあの人は!?」
264: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/01(月) 16:45:48 ID:Tfu534GU
美春「一日千秋。お待ちしておりました。唯我成幸さん」ニコッ
成幸「え?(変装してるけど…美春さん?)ど、どうしてここに!?」
うるか「(年上かな? キレイな人)やっぱり成幸の知り合いだったんだ。初めまして、武元うるかです。お姉さんのお名前は?」
美春「名乗るほどの者ではありません。ですが、彼との関係を説明するのであればそうですね。婚約者(フィアンセ)…と言うべきでしょうか」ポッ…
成幸「はあっ!?」
うるか「くぁwせdrftgyふじこlp」ズガーン!!!
成幸「ちょっ! 何言ってるんですか美春さん! うるかが誤解するでしょ--はっ!?」クルッ
265: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/01(月) 16:46:23 ID:Tfu534GU
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
うるか「…………」グッ …グッ…
成幸「えっと、うるか…さん?(何故ストレッチを?)」タラーッ
うるか「う…………うわあああああん。成幸のばかああああああ! でもお幸せにいいいいいいいい」ダッーー
成幸「う、うるかああああ!!!」ズガーン!
美春「諸行無常…彼女には申し訳ないことをしましたが仕方ありません。とにかくこれで私達を遮るものはなくなりました。それでは行きましょうか。唯我成幸さん」
成幸「え? ど…どこへ?」
266: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/01(月) 16:46:55 ID:Tfu534GU
美春「私の実家です。お付き合いを始めたのですから、まずは父さま母さまに報告しないと」
成幸「お付き合いッ!? 何で!?」
美春「両親を説得するのは中々骨が折れると思いますが、比翼連理。これから二人で力を合わせて頑張りましょう! …それと、言い遅れましたが」
成幸「?」
美春「ふつつか者ですが…これからよろしくお願いしますね。唯我成幸さん」/// ポッ
成幸「……どうしてこうなった」ズーン…
美春エンド -完-
267: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/01(月) 16:47:52 ID:Tfu534GU
--お疲れさまでした。実績を達成したことにより次のシナリオが新たに開放されます。
・関城沙和子ルート
・桐須姉妹丼ルート
--ぼく勉ポータブル鋭意開発中--
268: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/01(月) 16:48:26 ID:Tfu534GU
以上です。ネタ元は神回こと101・102話から
理珠捜索ssと同じテイストで
・成幸はどうやって日野さんを探しだしたのか?
・何故美春は現場にいなかったのか?
・日野さんがウェディングテーマを弾いた後の流れは?
辺りの部分を自己補完してみました。幕間についてはエイプリルフールネタということで。嘘から出た実であってほしいですが
長編で先生のヒロイン力がめきめき上がって嬉しい限りです。ヒロイン力に応じたSSを書けるよう頑張ります。
ではまた
SS深夜VIP:【ぼく勉】成幸 「桐須先生と結婚か…」
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1544096645/