1: 名無しさん@おーぷん 20/02/16(日)18:50:01 ID:6Mw
P「歌織さん、少し時間あります?」
桜守歌織「はい、大丈夫ですよ」
P「可奈の勉強を見て貰えませんか? 俺、少し出ないといけなくて……」
歌織「私でお役に立てるかはわかりませんが……わかりました」
P「ありがとうございます。それでは、行ってきます」
矢吹可奈「ぅぅ……」
2: 名無しさん@おーぷん 20/02/16(日)19:07:45 ID:6Mw
歌織「可奈ちゃん、それは?」
可奈「補習の宿題……渡されてるの忘れてて……全然わからない……」
歌織「あらら……」
可奈「ぅぅ……勉強したくないよぉ……ねぇ、歌織さん、なんで勉強しなくちゃいけないの?」
歌織「なんで、ね……」
可奈「数学とか大人になってから使うことってあるんですか?」
歌織「それは……そんなに機会はないわね」
可奈「じゃあなんで? いったい、これに何の意味が……」
歌織「そう、ね……私の個人的な意見だけど、いい?」
可奈「お願いします」
歌織「簡単に言うと、選択肢を増やすため、かな」
可奈「せんたくし?」
歌織「いろいろ選べるようにするため、ってこと。例えば、高校入試があるじゃない?」
可奈「そっかぁ……私、高校行けるかな?」
歌織「行けないことはないと思うけど……今の学力だと、あまり選べないかもしれないよね」
可奈「たしかに……レベルの高いところには行けませんね……」
歌織「逆に、学力が高いといろいろ選べるのよ。好きな所に合格できるから」
可奈「家から近いとか、部活が強いとかで選んでもいいですもんね」
歌織「そうね。そういう意味での選択肢が増えてるの、わかる?」
可奈「ぅぅ……わかります」
歌織「それが、大学や短大、就職と続くの。求められる内容は変わってくるけどね」
可奈「うわぁ……」
可奈「でも、なんで大人になってから使わないような科目があるんですか?」
歌織「それは……いろいろな技能を測るのに必要だからじゃない? 思考力、読解力、応用力とか」
可奈「……難しい」
歌織「大切なのは内容じゃなくて、与えられたことをしっかりこなせるか、かもしれないわね」
可奈「そう、ですか……」
歌織「しっかりこなせるから大学に行ける……って考えると、それだけでいろいろ出来そうじゃない?」
可奈「たしかにそうですね」
歌織「就職の条件で、高卒以上ってなってたり、大学じゃないと取れない資格があったり……」
可奈「……はい」
歌織「それだけで一定の信頼があるから、そういう条件が多いのよ」
可奈「ぅぅ……やっぱり勉強しないとダメなんですね……」
歌織「……」
歌織「実はそうでもないの」
可奈「え?」
歌織「こんなこと言ったら、プロデューサーさんに怒られるかもしれないけど……」
可奈「勉強しなくてもいいんですか?」
歌織「もちろん、した方がいいけど……他にも方法はあるのよ。この社会を生きるために」
可奈「教えてください!」
歌織「一芸を磨いてその代わりにすることも出来るの」
可奈「一芸?」
歌織「例えば、プロスポーツ選手とか、職人さんとか……勉強より、技能が必要な職業がそれね」
可奈「なるほど!」
歌織「その中には、この芸能界も含まれるのよ」
可奈「たしかに、高校卒業してなくて、活躍してる人もけっこう知ってます!」
歌織「芸能界も、学力よりも大切なことが多いじゃない?」
可奈「そっかー。じゃあ、私も勉強せずに、歌やダンスをがんばって……」
歌織「可奈ちゃん、それは危険よ」
可奈「え?」
歌織「アイドルは一生の仕事じゃないの。30歳や40歳になって続けるのはどう思う?」
可奈「……厳しいかも」
歌織「アイドルを引退して、その後の見通しも立ててないとね」
可奈「うーん……」
歌織「歌手、女優、タレント……いろいろな形があるけど、やりたい気持ちだけではどうにもならないのが、芸能界よ」
可奈「たしかに……」
歌織「何か光るものがないと、なかなか生き残れないのよね」
可奈「光るものか……うーん」
可奈「私……みんなに比べて歌もうまくないし、演技もまだまだだし……自信ないな……」
歌織「……そんなことないわよ」
可奈「そうですか? でも、私に光るものなんて……」
歌織「……可奈ちゃん、今から言うことで、勉強しない言い訳にはしないでね」
可奈「え?」
歌織「私は、可奈ちゃんは歌手でも、女優でも、タレントでも、充分やっていけると思う」
可奈「え?え?」
歌織「可奈ちゃんの歌は一生懸命さと、好きな気持ちに溢れていて、すごく心地いいの」
可奈「でも、そんなにうまくないし……」
歌織「歌の良さは歌唱力だけじゃないわ。それに、どんどんうまくなってるわよ」
可奈「あ、ありがとう」
歌織「演技もそう。この前のスタエレは鳥肌立ったわ」
可奈「本当ですか?」
歌織「ええ。それに、まだ私が入る前の劇場版……一ファンとして、素晴らしかったわ」
可奈「あ、ありがとうございます!」
歌織「そもそも、メンバー入った上に、その中で主役級だったじゃない」
可奈「あれは本当、運がよかったです」
歌織「運も大切だけど……メンバーはプロデューサーさんが選んだのよね?」
可奈「そうですね」
歌織「ライブの中心にいる未来ちゃんや静香ちゃんでもなく……メンバーの中でも、志保ちゃんや百合子ちゃんでもなく、可奈ちゃんを主役に抜擢」
可奈「おお……」
歌織「きっと、プロデューサーさんが、可奈ちゃんの中にあるカリスマ性を感じ取ったのよ」
可奈「えへへ……こんなにほめられていいのかな?」
歌織「だから、自信持って。可奈ちゃんには、光るものがたくさんあるわ」
可奈「ありがとうございます!本当に嬉しいです!」
歌織「これからも磨けばまだまだ光ると思うし、純粋に楽しみよ」
可奈「はい!私、もっともっと、歌も演技もうまくなりたいです……うん、だから勉強ももう少しがんばります!」
歌織「え?」
可奈「だって、追試の追試とか、補習とかやってたら、時間がもったいないですよね。だから、次は追試で止まるようにします!」
歌織「ふふ……そうね、頑張って」
可奈「あ、レッスンの時間だ……歌織さん、貴重なお話、ありがとうございました!」
歌織「ごめんなさい、宿題進められなくて……」
可奈「いえいえ、レッスン終わったあとにやりますから……また教えてくださいね」
歌織「ええ、もちろん」
可奈「それでは、行ってきま~す!」
歌織「いってらっしゃい」
歌織「……」
豊川風花「歌織さん、お疲れ様」
歌織「風花ちゃん……聞いてた?」
風花「ごめんね、聞き耳たてて……でも、熱くて良い話だったよ」
歌織「……多感な時期の子に、こんな話しても良かったかな?」
風花「大丈夫だよ。可奈ちゃん、いい笑顔だったよね」
歌織「それなら良かった」
風花「それに……私も聞いて頑張らないと、と思ったよ。可奈ちゃんよりもアイドルとしては先が短いし」
歌織「それは私もそう……芸能界で生きるために、今の仕事を一生懸命頑張らないと」
風花「人気商売だもんね……求められるうちが花ってことかな」
歌織「本当、その通りよね」
ガチャ
P「ただいま戻りました……あ、風花さん、グラビアの仕事決まりましたよ」
風花「ええっ、そんな~」
歌織「ふふ……求められるうちが花、でしょ?」
おわり
ちょっと勉強できなくて、鼻唄音痴くらいでちょうど良いかもしれない。
他の特技もたくさんあるし、可奈万能プレーヤー説。
完結報告してきます。
元スレ
歌織「可奈ちゃん、それは?」
可奈「補習の宿題……渡されてるの忘れてて……全然わからない……」
歌織「あらら……」
可奈「ぅぅ……勉強したくないよぉ……ねぇ、歌織さん、なんで勉強しなくちゃいけないの?」
3: 名無しさん@おーぷん 20/02/16(日)19:16:27 ID:6Mw
歌織「なんで、ね……」
可奈「数学とか大人になってから使うことってあるんですか?」
歌織「それは……そんなに機会はないわね」
可奈「じゃあなんで? いったい、これに何の意味が……」
歌織「そう、ね……私の個人的な意見だけど、いい?」
可奈「お願いします」
4: 名無しさん@おーぷん 20/02/16(日)19:28:01 ID:6Mw
歌織「簡単に言うと、選択肢を増やすため、かな」
可奈「せんたくし?」
歌織「いろいろ選べるようにするため、ってこと。例えば、高校入試があるじゃない?」
可奈「そっかぁ……私、高校行けるかな?」
歌織「行けないことはないと思うけど……今の学力だと、あまり選べないかもしれないよね」
可奈「たしかに……レベルの高いところには行けませんね……」
5: 名無しさん@おーぷん 20/02/16(日)19:35:26 ID:6Mw
歌織「逆に、学力が高いといろいろ選べるのよ。好きな所に合格できるから」
可奈「家から近いとか、部活が強いとかで選んでもいいですもんね」
歌織「そうね。そういう意味での選択肢が増えてるの、わかる?」
可奈「ぅぅ……わかります」
歌織「それが、大学や短大、就職と続くの。求められる内容は変わってくるけどね」
可奈「うわぁ……」
6: 名無しさん@おーぷん 20/02/16(日)20:05:48 ID:6Mw
可奈「でも、なんで大人になってから使わないような科目があるんですか?」
歌織「それは……いろいろな技能を測るのに必要だからじゃない? 思考力、読解力、応用力とか」
可奈「……難しい」
歌織「大切なのは内容じゃなくて、与えられたことをしっかりこなせるか、かもしれないわね」
可奈「そう、ですか……」
歌織「しっかりこなせるから大学に行ける……って考えると、それだけでいろいろ出来そうじゃない?」
可奈「たしかにそうですね」
7: 名無しさん@おーぷん 20/02/16(日)20:13:04 ID:6Mw
歌織「就職の条件で、高卒以上ってなってたり、大学じゃないと取れない資格があったり……」
可奈「……はい」
歌織「それだけで一定の信頼があるから、そういう条件が多いのよ」
可奈「ぅぅ……やっぱり勉強しないとダメなんですね……」
歌織「……」
8: 名無しさん@おーぷん 20/02/16(日)20:14:26 ID:6Mw
歌織「実はそうでもないの」
可奈「え?」
9: 名無しさん@おーぷん 20/02/16(日)20:17:18 ID:6Mw
歌織「こんなこと言ったら、プロデューサーさんに怒られるかもしれないけど……」
可奈「勉強しなくてもいいんですか?」
歌織「もちろん、した方がいいけど……他にも方法はあるのよ。この社会を生きるために」
可奈「教えてください!」
10: 名無しさん@おーぷん 20/02/16(日)20:21:16 ID:6Mw
歌織「一芸を磨いてその代わりにすることも出来るの」
可奈「一芸?」
歌織「例えば、プロスポーツ選手とか、職人さんとか……勉強より、技能が必要な職業がそれね」
可奈「なるほど!」
歌織「その中には、この芸能界も含まれるのよ」
可奈「たしかに、高校卒業してなくて、活躍してる人もけっこう知ってます!」
11: 名無しさん@おーぷん 20/02/16(日)20:25:59 ID:6Mw
歌織「芸能界も、学力よりも大切なことが多いじゃない?」
可奈「そっかー。じゃあ、私も勉強せずに、歌やダンスをがんばって……」
歌織「可奈ちゃん、それは危険よ」
可奈「え?」
歌織「アイドルは一生の仕事じゃないの。30歳や40歳になって続けるのはどう思う?」
可奈「……厳しいかも」
12: 名無しさん@おーぷん 20/02/16(日)20:33:54 ID:6Mw
歌織「アイドルを引退して、その後の見通しも立ててないとね」
可奈「うーん……」
歌織「歌手、女優、タレント……いろいろな形があるけど、やりたい気持ちだけではどうにもならないのが、芸能界よ」
可奈「たしかに……」
歌織「何か光るものがないと、なかなか生き残れないのよね」
可奈「光るものか……うーん」
13: 名無しさん@おーぷん 20/02/16(日)20:44:59 ID:6Mw
可奈「私……みんなに比べて歌もうまくないし、演技もまだまだだし……自信ないな……」
歌織「……そんなことないわよ」
可奈「そうですか? でも、私に光るものなんて……」
歌織「……可奈ちゃん、今から言うことで、勉強しない言い訳にはしないでね」
可奈「え?」
14: 名無しさん@おーぷん 20/02/16(日)20:52:37 ID:6Mw
歌織「私は、可奈ちゃんは歌手でも、女優でも、タレントでも、充分やっていけると思う」
可奈「え?え?」
歌織「可奈ちゃんの歌は一生懸命さと、好きな気持ちに溢れていて、すごく心地いいの」
可奈「でも、そんなにうまくないし……」
歌織「歌の良さは歌唱力だけじゃないわ。それに、どんどんうまくなってるわよ」
可奈「あ、ありがとう」
15: 名無しさん@おーぷん 20/02/16(日)21:01:05 ID:6Mw
歌織「演技もそう。この前のスタエレは鳥肌立ったわ」
可奈「本当ですか?」
歌織「ええ。それに、まだ私が入る前の劇場版……一ファンとして、素晴らしかったわ」
可奈「あ、ありがとうございます!」
歌織「そもそも、メンバー入った上に、その中で主役級だったじゃない」
可奈「あれは本当、運がよかったです」
16: 名無しさん@おーぷん 20/02/16(日)21:07:03 ID:6Mw
歌織「運も大切だけど……メンバーはプロデューサーさんが選んだのよね?」
可奈「そうですね」
歌織「ライブの中心にいる未来ちゃんや静香ちゃんでもなく……メンバーの中でも、志保ちゃんや百合子ちゃんでもなく、可奈ちゃんを主役に抜擢」
可奈「おお……」
歌織「きっと、プロデューサーさんが、可奈ちゃんの中にあるカリスマ性を感じ取ったのよ」
可奈「えへへ……こんなにほめられていいのかな?」
17: 名無しさん@おーぷん 20/02/16(日)21:45:29 ID:6Mw
歌織「だから、自信持って。可奈ちゃんには、光るものがたくさんあるわ」
可奈「ありがとうございます!本当に嬉しいです!」
歌織「これからも磨けばまだまだ光ると思うし、純粋に楽しみよ」
可奈「はい!私、もっともっと、歌も演技もうまくなりたいです……うん、だから勉強ももう少しがんばります!」
歌織「え?」
可奈「だって、追試の追試とか、補習とかやってたら、時間がもったいないですよね。だから、次は追試で止まるようにします!」
歌織「ふふ……そうね、頑張って」
18: 名無しさん@おーぷん 20/02/16(日)21:49:43 ID:6Mw
可奈「あ、レッスンの時間だ……歌織さん、貴重なお話、ありがとうございました!」
歌織「ごめんなさい、宿題進められなくて……」
可奈「いえいえ、レッスン終わったあとにやりますから……また教えてくださいね」
歌織「ええ、もちろん」
可奈「それでは、行ってきま~す!」
歌織「いってらっしゃい」
19: 名無しさん@おーぷん 20/02/16(日)21:54:40 ID:6Mw
歌織「……」
豊川風花「歌織さん、お疲れ様」
歌織「風花ちゃん……聞いてた?」
風花「ごめんね、聞き耳たてて……でも、熱くて良い話だったよ」
歌織「……多感な時期の子に、こんな話しても良かったかな?」
風花「大丈夫だよ。可奈ちゃん、いい笑顔だったよね」
20: 名無しさん@おーぷん 20/02/16(日)22:01:07 ID:6Mw
歌織「それなら良かった」
風花「それに……私も聞いて頑張らないと、と思ったよ。可奈ちゃんよりもアイドルとしては先が短いし」
歌織「それは私もそう……芸能界で生きるために、今の仕事を一生懸命頑張らないと」
風花「人気商売だもんね……求められるうちが花ってことかな」
歌織「本当、その通りよね」
ガチャ
21: 名無しさん@おーぷん 20/02/16(日)22:03:22 ID:6Mw
P「ただいま戻りました……あ、風花さん、グラビアの仕事決まりましたよ」
風花「ええっ、そんな~」
歌織「ふふ……求められるうちが花、でしょ?」
おわり
22: 名無しさん@おーぷん 20/02/16(日)22:08:29 ID:6Mw
ちょっと勉強できなくて、鼻唄音痴くらいでちょうど良いかもしれない。
他の特技もたくさんあるし、可奈万能プレーヤー説。
完結報告してきます。
矢吹可奈「勉強したくないよぉ」