1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/12(月) 21:15:55.96 ID:npBG7qAb0

P「よっと、企画はこれでいいかな。ちょうどいい感じに終わったし、少し休憩するかな」

伊織「あら、あんたが事務所にいるなんて珍しいわね」

P「伊織……珍しいな、一人か?」

伊織「ううん、さっき律子と帰ってきたところ。でっ、これから雑誌の取材」

P「竜宮小町としてじゃなくて、水瀬伊織単独の取材か」

伊織「そういうこと。あんたはこれから何するつもりだったの?」

P「俺は仕事に一区切りがついたから休憩にな。ちょっとコンビニで買ってくる」

伊織「それはちょうどよかったわ。私、いま喉が渇いてるの」

P「へえ、そうか……ポッドにお湯が入っているからお茶なり紅茶なり飲んでくれ。それじゃ」



4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/12(月) 21:21:46.93 ID:npBG7qAb0

伊織「ちょっと、私が喉を渇かしてるのよ! これがどういう意味か、わからないの!」

P「ええ~、買ってこいっていうのかよ」

伊織「当然じゃない。果汁100%のオレンジジュース、お願いね」

P「わざわざオレンジジュースじゃなくてもいいだろ」

P「みかんだったらたくさんあるぞ。この間、千早が○媛みかんのCMでみかん星人役をやったおかげでな」

P「やよいなんて嬉々としてダンボールごと持って帰ったぞ」

伊織「そんなこと知らないわよ! とにかく、さっさと行ってきなさい!」

P「人使いの荒いことで」



6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/12(月) 21:28:09.63 ID:npBG7qAb0

P「伊織、買ってきた……ぞ」

伊織「……」

P(あれは書類、いやプリントか。伊織のやつ……なんでそんなものをジッと見てるんだ?)

伊織「はぁっ……こんなもの見せたってしょうがないわよね」

伊織「こんな紙切れ、こうやって丸めて……えいっ!」ポイッ

伊織「あっ……」

P(あっ、外した。ダサ……)

伊織「もう! ムカつくわね!」

律子「伊織―! もうすぐ記者の人が来るから、少し打ち合わせするわよ」

伊織「はーい、わかったわ」



8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/12(月) 21:35:23.78 ID:npBG7qAb0

P「あのプリントを見たときの伊織の顔……表情から見てあまりいいものじゃないみたいだな」

P「もしかして、学校のテストで悪い点取ったとか?」

P「ふふふ、ちょうどいい。普段から人にあれこれ命令したり、パシリに使いやがって……」

P「これで弱みでも握って、少しはお灸を据えてやるか」

P「さてと、伊織の見てたプリントは……おっ、あったあった」

P「俺に見られたことを後悔しろよ、伊織! それっ!」バッ

『授業参観のお知らせ』

P「……」

P「……」クシャ

P「見るんじゃなかった……」



11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/12(月) 21:43:12.08 ID:npBG7qAb0

P(授業参観ね……)

P(伊織のお父さんは、水瀬グループの総帥)

P(お母さんはお花や舞踊やら色々と嗜んでいるとか)

P(どっちにしろ、忙しいんだろうな)

こんなもの見せたってしょうがないわよね……

P(そんなわけない!とは言えないよなあ)

P(でも、伊織はけっこう寂しがり屋だしな)

P「どうしたものかな」



12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/12(月) 21:52:21.82 ID:npBG7qAb0

伊織「ああ~、終わったおわった」

P「いっ、伊織!? お疲れ様!」

伊織「どうしたの? そんなに驚いて変な奴……って、元から変なやつよね、あんたは」

P「人の気も知らないで……ひどい言い草だ」

伊織「なんのこと? まあ、いいわ。オレンジジュース、ちょうだい」

律子「伊織、今日の取材は大丈夫だった?」

伊織「私を誰だと思っているの。もちろんバッチリよ」

律子「そう……それならいいんだけど」

P「なんか言いたそうだな。伊織、何かやらかしたのか?」

伊織「馬鹿言わないでよ。あんたじゃないんだから」

律子「伊織、あなた打ち合わせの時、なんだか元気がなさそうだったわよ?」

P(ああ~、多分それは)

律子「……伊織、なにか悩み事があるなら言ってちょうだいね」

伊織「へ? 何言ってるの律子。そんなのあるわけないでしょー!」

P「!?」



15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/12(月) 22:00:13.05 ID:npBG7qAb0

律子「本当に?」

伊織「律子に心配されなくても平気よ! プロデューサー、ジュースちょうだい」

P「……」

伊織「ねえ、ちょっと聞いてるの?」

P「ふん!」

伊織「きゃっ!? いきなりなによ……って」

伊織「ああーっ! 私のオレンジジュース!」

伊織「ちょっとなんで勝手に飲むのよ!」

P「うるさい、金を出して買ったのは俺だ。伊織はみかんでも食べてろ!」

伊織「なんですってー!」

P「伊織は、俺の世話になるんだからな!」

伊織「はあ!? わけわかんないんだけど!」



16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/12(月) 22:08:10.57 ID:npBG7qAb0

学校

伊織(今朝、事務所に寄った時にゴミ箱を見たら……)

伊織(捨てたはずの授業参観のお知らせがなかった)

伊織「何かすごく嫌な予感がする」

伊織は俺の世話になるんだからな!

伊織「……」

伊織「まさかね」



17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/12(月) 22:15:30.75 ID:npBG7qAb0

ねぇ、あそこにいる人……伊織ちゃんのお父さんとお母さんじゃない?

伊織「!?」ビクッ

きっと、そうだよ。伊織ちゃんのことずっと見てるし。

伊織(間違いない……あいつだ!)

そうなると隣にいるのは伊織ちゃんのお母さん? 嘘、わかーい!

伊織(だ……誰を連れてきたのよぉ~~!)

伊織ちゃん、手ふってあげなよ!

伊織(ふ……振り向きたくない)



18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/12(月) 22:24:39.10 ID:npBG7qAb0

社長「伊織―! 頑張れー!」

小鳥「伊織ちゃーん!」

伊織「えっ、ええええ!? 社長に、小鳥!?」

社長? あの人、伊織ちゃんのお父さんじゃないの?

それじゃあ、隣にいる女の人は誰?

社長「えっと、それは……」

社長「そういう名前なんです。そう、水瀬社長。私は伊織の父、水瀬社長なんです!」

小鳥「社長……いくらなんでも、それは無理がありすぎです」



19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/12(月) 22:35:53.20 ID:npBG7qAb0




伊織「社長! 小鳥!」

社長「おおっ! 伊織くん……ダメだぞ、ちゃんと「パパ」って呼んでくれないとバレてしまう」

伊織「……もうバレバレよ」

社長「なんと、それは本当かね?」

伊織「気づいてなかったの?」

小鳥「ごめんなさいね、伊織ちゃん。こんな余計なことしちゃって、実は……」

伊織「わかってるわよ」

小鳥「ピヨ?」

伊織「社長と小鳥に余計なこと頼んだやつは……」

小鳥「……屋上にいるわよ」



20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/12(月) 22:45:40.11 ID:npBG7qAb0

屋上

伊織「ねえ……」

P「ん……」

伊織「なんであんたが直接来なかったの?」

P「俺が行ったら迷惑だっただろ?」

伊織「……そんなこと」

P「伊織はもう少し甘えていいと思うぞ。子供らしく……さ」

伊織「……」

伊織「ところで、あんた今日の仕事は? 休みじゃないでしょ?」

P「律子に投げてきた」

伊織「あんたこそ、大人らしく真面目に働きなさいよ!」

P「お、大人には色々とあるんだよ!」



22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/12(月) 23:01:31.32 ID:npBG7qAb0

P「今日はもう帰るだけか?」

伊織「うん……」

P「じゃあ、帰ろうか」

伊織「待って!」

P「うん?」

伊織「……今日だけだからね」スッ

P「つくづく……素直じゃないな」

伊織「うるさい!」

伊織「今日は……」

P「どうした、伊織?」

伊織「なんでもないわよ」

……

いつか、あんたが忘れた頃に言ってあげるわ

ありがとう……って


fin



25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/12(月) 23:05:05.24 ID:npBG7qAb0

後日

P「うん、あれは千早じゃないか?」

千早「こんなもの……くっ」

P「ゴミ箱に何か捨てたようだけど」

P「一体、なにを捨てたとのやら」

『三者面談のお知らせ』

P「……」


fin


元スレ
伊織「ありがとうの言葉は……」