1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/01(月) 09:18:08.17 ID:mEj8aOMn0
※
放課後・・・
綾乃「今日は千歳と会長と大室さんが先生の手伝いで呼び出されていて、生徒会室で仕事するのは私と古谷さんだけか……」
向日葵「よろしくお願いしますわ、杉浦先輩」ニコッ
綾乃「ええ。一緒に頑張りましょう?」ニコッ
~10分後~
向日葵「はぁ……櫻子……」ハァ
綾乃「えっ?」
向日葵「あっ! えっと、なんでもありませんわ!」オロオロ
向日葵「ただ、いつも騒がしいあの子がいないと、仕事がはかどりますわ!って思っただけで……」
綾乃「古谷さんは大室さんといつも一緒ですものね」ウフフ
向日葵「べ、べつに好きで一緒にいるわけでは!」カァァ
向日葵「……あの、杉浦先輩……」
綾乃「何かしら?」
向日葵「悩み事……聞いてもらってもいいですか?」オズオズ
綾乃「ほえっ!?」
7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/01(月) 09:33:04.78 ID:mEj8aOMn0
向日葵「い、いえ! やっぱり忘れてください! 変なこと言って申し訳ありませんでした」
綾乃「何か悩みがあるなら、よかったら話してみてくれないかしら? 私でよかったら、その……力になるわ。微力ながら、ね」ニコッ
向日葵「杉浦先輩……///」
綾乃「古谷さんは私の大事な後輩ですもの。遠慮しないでいいわ」
向日葵「ありがとうございます! えっと、それでは、その……」
向日葵「実は私、恋……しているみたいなんですの」
綾乃「」
綾乃(……れ、れれれれ恋愛相談!?)ガーン
向日葵「はい。ある人のことが頭から離れなくて……いえ、それはもっと前からなんですけど、最近は特に酷くて……寝ても覚めても食事の時もお風呂入るときも勉強しているときも……」
綾乃「」ギクッ
向日葵「そ、その子とはケンカばっかりだったはずなのに、ライバル関係のようなものだったはずなのに、でも、その子のことを考えると心が暖かくなるというか、顔が熱くなるというか……」カァァ
綾乃「」ギクギクッ
向日葵「でも私は、いつも素直になれなくて……」
綾乃「」ギクギクギクッ
向日葵「これはやっぱり、恋なんでしょうか……?」
綾乃(あなたは私かッ!!)
綾乃(ど、どどどどうしよう! ていうか、『ある人』ってどう考えても大室さんよね? その前提で話を進めたほうがいいのかしら?)
綾乃(いやいやいやそれ以前に! この私が恋愛相談!? 相談に乗って欲しいのは私のほうよ!)
綾乃(私だって、四六時中歳納京子のことが頭から離れなくてライバル関係的なはずなのに歳納京子のことを考えると心が暖かくなるしいつも素直になれないし……)
向日葵「杉浦先輩? あの、やっぱり迷惑でした……?」
綾乃「い、いえ? そ、そそそんなことはないないナイアガラよ! つ、続けて続けて」
向日葵「ありがとうございますわ。それで、私は真剣に考えたんですの」
向日葵「あの子が私以外の誰かと結ばれる未来を想像したら、とても悲しくて……あの子が幸せならそれでいいって考えようとしても、嫉妬心を抑えきれなくて……」
向日葵「ですから私は、さk…あの子とお付き合いがしたいって、そう考えて……でも……」
綾乃「な、なるほどね。つまり古谷さんは恋に素直になって、おおm……その人と交際したいんだけれど、恋に踏み出してアプローチする決心がまだつかない、ってことかしら?」
向日葵「そうですわ! さすが杉浦先輩、頼りになりますわ!」キラキラ
綾乃「」
綾乃(……つまり、古谷さんの背中を私が押してあげればいいのね。せ、先輩としてここは……自分のことを棚に上げてでも……!)
綾乃「……古谷さん?」
向日葵「はい、なんでしょうか?」
綾乃「恋というものは……早い者勝ちなのよ!」
向日葵「!?」
綾乃「たしかに、自分の気持ちを真剣に見つめるのは大切だわ。けど、あなたがその人に恋しているように……他の誰かもその人に恋しているかもしれないのよ!」
向日葵「!?」ガーン
綾乃「モタモタしていたら持ってかれる。ウジウジしてたら攫われる。いつまでも素直になれなかったら……負けよ」
向日葵「そ、そうですわよね! さくらk…じゃなかったあの子は、明るくて社交的でクラスの人気者で……そんなあの子ですもの、競争率も高いに違いありませんわ!」
綾乃「そうよ! でも、古谷さんだってきっと競争率は高いはずよ」ニコッ
向日葵「えっ!?」
綾乃「優しくて気が利いて、真面目な頑張り屋さんで……そんなあなたですもの。あなたの想い人も、あなたに良い感情を持っているに違いないわ」
綾乃「私が、保証してあげる」ニコッ
向日葵「す、杉浦先輩……///」
綾乃「だから頑張って! 私はいつでも、あなたに力を貸すわ」ニコッ
向日葵「は、はい! ありがとうございます……本当に、ありがとうございますわ!」ウルッ
※綾乃自宅にて
~その夜~
綾乃「死にたい……」ズーン
綾乃「黒歴史……黒歴史確定だわ……」
綾乃「いくら後輩の背中を押すためとはいえ、自分のことを完ッ全に棚に上げて、あんな……」
綾乃『恋というものは……早い者勝ちなのよ!』キリッ
綾乃「バカバカバカバカ私のバカァ!」ポカポカ
綾乃「バカバカバカ……バカ……」グスン
※次の日
~廊下の片隅で~
向日葵「杉浦先輩、昨日は本当にありがとうございましたわ」ペコリ
綾乃「い、いえ! 全然気にしないでいいのよ?」
向日葵「感謝してもしきれませんわ。おかげで私、覚悟を決めることができましたの」
綾乃「そ、そう。よかったわ……」ホッ
向日葵「それで、その……手始めに、今から櫻子にクッキーをプレゼントしに行こうと思いますの。よろしかったら、その……見守ってていただけないでしょうか?」オズオズ
綾乃「ほえっ!?」
向日葵「私の好きな人は、実は櫻子なんですの……隠したりしてごめんなさい」
綾乃(うん、知ってたわ)
向日葵「私はよく櫻子にお菓子を作ったりしてあげているんですけど、この気持ちを恋だと意識し始めたら急に照れくさくなって……///」モジモジ
綾乃(古谷さん可愛いなぁ…)フフッ
綾乃(乗りかかった船だし、協力するって約束したし……最後まで応援するわ! ホントはそんな余裕ないんだどね……)トホホ
向日葵「杉浦先輩も自分の恋で忙しいのに、本当にごめんなさい」ペコリ
綾乃「なっ/// べ、べべべべべつに私は恋なんて!!」カァァ
向日葵(バレバレですわ……)
綾乃「わ、私のことはいいから! 古谷さんよ古谷さん!」アワアワ
向日葵(照れ隠しする先輩も可愛いですわ)フフッ
向日葵「でも、正直意外でしたわ」
綾乃「えっ?」
向日葵「失礼ながら……杉浦先輩は恋愛に関しては奥手だとばかり思っていたんですの」
綾乃(そ、それは事実よ!)
向日葵「けど、『恋は早い者勝ち』って……杉浦先輩も真剣に自分の恋路を歩んでいるんですね」ニコッ
綾乃「はうっ!」ズキッ
綾乃(耳が痛い……)
向日葵「
『モタモタしていたらもってかれる。ウジウジしていたら攫われる。いつまでも素直になれなかったら……負けよ』
…この言葉を胸に刻ませてもらいますわ」ニコニコッ
綾乃「はううぅ!」ズキン
綾乃(やめて! それ以上私の傷をほじくらないで!)
綾乃(そんな……そんな尊敬の眼差しで見ないでちょうだい! あれはちょっと見栄張ってみただけなの! 本当の私はウブでヘタレなのよ! ごめんなさい!)
向日葵「? 杉浦先輩?」
綾乃「な、なんでもナイアガラよ! と、とにかく、勇気が出たみたいで、わ、私も嬉しいわ!」オドオド
綾乃「そ、それで、 大室さんにクッキーを渡しに行くんだったわよね?」
向日葵「は、はい! それと一緒に、櫻子をデ、デデデデートに誘おうかなって……///」キャッ
綾乃(いいなぁ、デートかぁ……)
向日葵「ヤダ私ったら! よく2人きりで遊んだりするのに、なんでこんなに緊張するんですの!?」ソワソワ
綾乃「お、落ち着いて古谷さん! 平常心、平常心よ……。あくまで誘うのはいつも通りで、本番はデート当日! ここはさりげなく切り抜けるのよ!」
向日葵「はい、さすが杉浦先輩ですわ!」
綾乃「うぅ……///」
※校舎裏にて
櫻子「なんだよひまわり~、こんなところに呼び出してさ」
向日葵「えっと、その……」モジモジ
綾乃(壁に隠れて見守ってるんだけど……バレたりしないかしら?)
向日葵「…………」チラッ
綾乃(あ、あまりこっち向かないで!)オロオロ
綾乃(え、えっと……頑張れ! 古谷さん!)サムズアップ!
向日葵(ありがとうございますわ!)
向日葵「あの! ク、クッキー作ってきましたの! よかったら食べてくださる?」スッ
櫻子「おおクッキー! ちょうどお腹減ってたところなんだよね! ありがとう!」
向日葵「ど、どういたしまして、ですわ///」
向日葵「そ、それで、来週の日曜日……よかったら、一緒にお出かけでもしません?」オズオズ
櫻子「おへはへ? もぐもぐ……いいおー! おほいく?」モグモグ
向日葵「ちゃんと飲み込んでから喋りなさいな……」ヤレヤレ
向日葵(でも……やりましたわ、杉浦先輩!)チラッ
綾乃(おめでとう、古谷さん!)ホッ
※数分後
向日葵「杉浦先輩、ありがとうございました」ペコリ
綾乃「よかったわね。バッチリだったわよ」ニコッ
向日葵「あの、お礼にこれ、受け取ってください」スッ
綾乃「これ、大室さんに作ったクッキー?」
向日葵「杉浦先輩の分も作らせていただきましたの。お口に合うかわかりませんけど、よかったら召し上がってください」
綾乃「ふふっ、ありがとね、古谷さん」ニコッ
※綾乃自宅
綾乃(古谷さん、上手くいくといいわね……)
綾乃(そういえば、生徒会に入ったおかげで、こうして後輩の子ともお友達になれたのよね)
綾乃(初めは千歳しかお友達がいなかったけど、生徒会のみんなやごらく部のみんなともお友達になれて……)
綾乃(感謝しないとね)フフッ
綾乃(古谷さんがくれたクッキー……)
綾乃(……もぐもぐ……美味しい!)モグシ
※生徒会室
千歳「綾乃ちゃん、最近何かあったん? ため息ついたり肩落としたり、かと思えば嬉しそうな顔したり……あ、まさか歳納さんと!」クワッ
綾乃「ちちち違うわよ! 心配はノンノンノートルダムよ!」
綾乃(言えない……後輩の前で見栄張って偉そうにした黒歴史を思い出して悶々としているなんて!)
綾乃(……でも、後輩に頼られて嬉しいなぁ、なんて思っちゃってることは……もっと言えない!)
向日葵「ふふっ」ニコニコ
向日葵(杉浦先輩、ありがとうございますわ)
櫻子「なんだよ向日葵、ニヤニヤしてて気持ち悪いなぁ」
向日葵「な、なんですって!?」
櫻子「あ、そうそう、そういえば日曜どこ行くかまだ決めてないじゃん! どーする?」
向日葵「あ、えっと…/// い、今は仕事中ですから、後にしましょう///」
ガラッ
京子「綾乃いるー?」
綾乃「ととと、としのーきょーこー!?」
千歳「あら、歳納さん。どうしたん?」
京子「綾乃……ちょっと来てもらっていいかな?」
綾乃「えっ?」
※校舎裏
京子「突然呼び出したりしてごめん」
綾乃「ど、どうしたっていうのよ。何か用かしら?」ワクワク
綾乃(こっちから茶道部室に行く手間が省けたわ!)
京子「あのさ、悩み事……聞いてもらってもいいかな?」
綾乃「……えっ?」
京子「実は私……結衣に恋してるのかもしれない」
綾乃「………………………」
綾乃「………………………………!?」
京子「ごめん、突然こんな……」
京子「でももう限界で、最近ずっと気持ちがぐちゃぐちゃしてて気持ち悪くて、すぐに誰かに相談したくて……綾乃だけが頼りなんだ! あかりやちなつちゃんには言いにくくてさ……」
京子「まだよくわかんないんだ! 恋かどうかなんて。けど、どうにか気持ちを落ち着けたくて……」
京子「……? 綾乃……?」
綾乃「……え、ええ。なんでもないわ。続け……て……」
京子「迷惑かけてごめんね。……このままじゃ私、ごらく部のみんなと会えないよ……」
綾乃「…………………」
綾乃「こ、恋というものは……は、早い者勝ち、な、なのよ……」
京子「綾乃……?」
綾乃「た、たしか…に、自分…の気…持ちを、しし、真剣に見つめるのは…大切…だわ」
綾乃「け、けど……」ガクガク
綾乃(見栄を……張りなさいよ! 古谷さんのときみたいに、カッコつけてみせなさいって!)
綾乃「あ、ああ、あなたがその人に恋しているように……」ブルブル
綾乃(歳納京子が他の人に恋するんなら……応援して、あげなくちゃ……)
綾乃(応援して……応援して……)
綾乃「他の誰かも……『あなた』に恋しているかもしれないのよ!!」ダッ
京子「綾乃!? 待ってよ! どこ行くんだよ!」
モタモタしていたから持ってかれた。
ウジウジしていたから攫われた。
いつまでも素直になれなかったから……負けたんだわ
※
向日葵「まだ負けだなんて……はぁはぁ……決まって、い、いません……わよ……」ハァハァ
綾乃「ふ、古谷さん!? どうしてここに……?」ビクッ
向日葵「は、走って追いかけて……来たんですの……」ハァハァ
向日葵「探しましたわよ……そこら中……」ハァハァ
向日葵「まさか、学校からこんなに離れた公園にいるなんて……」
綾乃「な、なんで私を追いかけて……」
向日葵「歳納先輩が来たとき、なんだか嫌な予感がしたから……すみません、あとをつけてしまいました」ペコリ
綾乃「じゃ、じゃあ全部見てたの!?」
向日葵「はい。本当に申し訳ありませんわ。けど……」
綾乃「謝らなきゃいけないのは私よ!」
向日葵「」ビクッ
綾乃「偉そうにあれこれ言ってごめんなさい! 私は本当は、どうしようもないヘタレなの!」
綾乃「好きな人に素直になれなくて意地はったり、自分からはなんもアプローチなんかできなくて、話しかけられるだけで顔が赤くなっちゃって……」
綾乃「私に、あなたの恋を応援する資格なんて……」
向日葵「杉浦先輩!!」
ギュッ
綾乃「!?」
向日葵「私が杉浦先輩からたくさん勇気をいただいたのは……紛れもない事実ですわ」
向日葵「私は櫻子のことが大好き。その気持ちを行動に移すことができたのは……全部杉浦先輩のおかげ。杉浦先輩は私の……」
向日葵「私の自慢の先輩ですわ」ニコッ
綾乃「ふ、古谷……さん……」ウルッ
向日葵「それだけじゃないですわ。入学したてで右も左もわからなかった私と櫻子を辛抱強く指導してくださったのも、他ならぬ杉浦先輩。優しくて頼りになる……私の憧れです」
向日葵「……歳納先輩は、『これが恋かはまだわからない』って、言っていましたよね?」
向日葵「それなのに諦めてしまっては……もったいないです」
向日葵「杉浦先輩にとってもったいないだけじゃなくて……杉浦先輩みたいな人を恋人にできないなんて、歳納先輩にとってももったいないことだと思いますの」ニコッ
綾乃「も、もうっ/// 褒めすぎよ、古谷さんは!」プイッ
綾乃「……ありがとっ///」
向日葵「どういたしまして」ニコニコ
向日葵「……どうやら、私の出番はここまでのようですわね」
綾乃「えっ?」
ダッダッダッ
京子「あやのー!」
綾乃「と、歳納京子!?」
京子「あ、綾乃! ……ここに……いたんだ…………って、あ、あれ? なんでおっぱいちゃんが…ここ…に?」ハァハァ
向日葵「帰り道で偶然会ったんですの……って、その呼び方はちょっと……」
綾乃「歳納京子……突然逃げ出したりして、ごめんなさい」
京子「ううん、いいの。それより綾乃! 大丈夫? 私、もしかして何か酷いこと……」
綾乃「ねえ、歳納京子……」
綾乃(今すぐ伝えたい。古谷さんからたくさん勇気をもらった今なら……)
向日葵(杉浦先輩……!)チラッ
綾乃(……古谷さん!)
綾乃「私はね、歳納京子……あなたのことが……あなたのことが大好きなの!」
京子「……え、ええっ!?」
京子「ちょっと待って、それどういう……」
綾乃「ずっと前から、あなただけを見つめてきた! あなたは私の憧れで、時々目を逸らしたくなるくらい眩しくて、私は素直になれなくて……」
綾乃「それでもあなたは、いつだって気さくに話しかけてくれた! 私に笑顔をくれた! そんなあなたのことが、世界中の誰よりも……」
綾乃「好き……好きなの!」
京子「そ、そんな……私、そんなの知らなくて、綾乃にあんな……」
綾乃「歳納京子は悪くない!」
京子「えっ!?」
綾乃「私がいつまでも、ウジウジしていたから。言葉にしなきゃ、行動にしめさなきゃ……伝わるわけないのにね……」
京子「綾乃……」
綾乃「だ、だから、私の気持ちを……受け取って欲しい」
綾乃「お願いします!」ペコッ
京子「ま、待って待って待って! 私やっぱりまだ、頭がこんがらがって……///」オロオロ
京子「えっ……綾乃が私を、す、好!?」カァァ
向日葵(おや? これはもしかして……)
京子「え? ウソ? ど、どうしようどうしようどうしよう/// ちょ、ま、……ええ!?」
綾乃「と、歳納京子……?」ドキドキ
向日葵(脈アリですわ!)クワッ
京子「嬉しい……すごく嬉しいよ綾乃!」
京子「でも、ちょっとだけ待って……私まだ、気持ちの整理がつかないっていうか……もう少しよく考えたいっていうか……///」
綾乃「待つわ。歳納京子が、ちゃんと返事をくれるなら……」
京子「うん。ありがと……///」
京子「あー、えっと……学校、戻ろっか///」
綾乃「え、ええ! そうね///」カァァ
綾乃(私……しちゃったんだ! 歳納京子に、こ、ここここ告白……///)プシュー
綾乃(い、今更ながら、恥ずかしくなってきたわ///)
綾乃(……ありがとね、古谷さん)ニコッ
向日葵「…………」ニコッ
※茶道部室にて
~数日後~
ガラッ
綾乃「とーしのーきょーこー!」
京子「あ、綾乃///」
綾乃「えっ/// あっ///」
京子「……お、おはよー///」
綾乃「い、今は昼間よ///」
ちなつ(京子先輩と杉浦先輩……)
結衣(最近何かあったのかな?)
あかり(2人とも顔真っ赤だなぁ)
ガラッ
向日葵「失礼しますわ」
京子「あれ? おっぱいちゃんじゃん、どーしたの?」
向日葵「すみません、櫻子来ていませんでしょうか?」
結衣「ここには来てないよ」
あかり「櫻子ちゃんなら、『石焼き芋の屋台の声が聞こえたから行ってくる』って言ってたよぉ」
向日葵「まったく、あの子ったら……」ハァ
向日葵(せっかくパンケーキ焼いてきましたのに……)
綾乃「あ、そうそう歳納京子! またあなたプリント出し忘れてたじゃない! 提出日今日までよ!」
京子「あっ、いっけね! 忘れてた!」
綾乃「まったく、歳納京子ったら……」ヤレヤレ
向日葵(どうやら、歳納先輩からまだ返事はもらっていないようですけど……)
京子「そういえば、今度の日曜どこ行くかまだ決めてなかったよね。どーする?」
綾乃「えっ!?」
京子「あっ……」
ちなつ「あれ? もしかして2人っきりでお出かけするんですか?」
京子「え、えっと……」
綾乃(バ、バカ! みんなのいる前で!)
結衣(めちゃめちゃ焦っとる……)
向日葵(……どうやら、順調に関係は進展中のようで……なによりですわ)ニコッ
ガラッ
櫻子「ひまわりいるかーい?」
向日葵「あら、櫻子」
櫻子「ほら、焼き芋買ってきてやったぞ! ありがたく食べるがよい!」エッヘン
向日葵「あ、ありがとうございますわ///」
綾乃(古谷さんの恋も、まだまだこれから。……けれど順調そうね)ニコッ
向日葵(……お互い頑張りましょうね? 杉浦先輩)ニコッ
おわり
読んでいただき、ありがとうございました
恋愛要素よりは友情要素のほうが多くなったかもしれない
元スレ
向日葵「い、いえ! やっぱり忘れてください! 変なこと言って申し訳ありませんでした」
綾乃「何か悩みがあるなら、よかったら話してみてくれないかしら? 私でよかったら、その……力になるわ。微力ながら、ね」ニコッ
向日葵「杉浦先輩……///」
綾乃「古谷さんは私の大事な後輩ですもの。遠慮しないでいいわ」
向日葵「ありがとうございます! えっと、それでは、その……」
向日葵「実は私、恋……しているみたいなんですの」
綾乃「」
綾乃(……れ、れれれれ恋愛相談!?)ガーン
9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/01(月) 09:47:04.87 ID:mEj8aOMn0
向日葵「はい。ある人のことが頭から離れなくて……いえ、それはもっと前からなんですけど、最近は特に酷くて……寝ても覚めても食事の時もお風呂入るときも勉強しているときも……」
綾乃「」ギクッ
向日葵「そ、その子とはケンカばっかりだったはずなのに、ライバル関係のようなものだったはずなのに、でも、その子のことを考えると心が暖かくなるというか、顔が熱くなるというか……」カァァ
綾乃「」ギクギクッ
向日葵「でも私は、いつも素直になれなくて……」
綾乃「」ギクギクギクッ
向日葵「これはやっぱり、恋なんでしょうか……?」
綾乃(あなたは私かッ!!)
10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/01(月) 09:54:05.11 ID:mEj8aOMn0
綾乃(ど、どどどどうしよう! ていうか、『ある人』ってどう考えても大室さんよね? その前提で話を進めたほうがいいのかしら?)
綾乃(いやいやいやそれ以前に! この私が恋愛相談!? 相談に乗って欲しいのは私のほうよ!)
綾乃(私だって、四六時中歳納京子のことが頭から離れなくてライバル関係的なはずなのに歳納京子のことを考えると心が暖かくなるしいつも素直になれないし……)
向日葵「杉浦先輩? あの、やっぱり迷惑でした……?」
綾乃「い、いえ? そ、そそそんなことはないないナイアガラよ! つ、続けて続けて」
12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/01(月) 10:05:17.81 ID:mEj8aOMn0
向日葵「ありがとうございますわ。それで、私は真剣に考えたんですの」
向日葵「あの子が私以外の誰かと結ばれる未来を想像したら、とても悲しくて……あの子が幸せならそれでいいって考えようとしても、嫉妬心を抑えきれなくて……」
向日葵「ですから私は、さk…あの子とお付き合いがしたいって、そう考えて……でも……」
綾乃「な、なるほどね。つまり古谷さんは恋に素直になって、おおm……その人と交際したいんだけれど、恋に踏み出してアプローチする決心がまだつかない、ってことかしら?」
向日葵「そうですわ! さすが杉浦先輩、頼りになりますわ!」キラキラ
綾乃「」
13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/01(月) 10:12:17.65 ID:mEj8aOMn0
綾乃(……つまり、古谷さんの背中を私が押してあげればいいのね。せ、先輩としてここは……自分のことを棚に上げてでも……!)
綾乃「……古谷さん?」
向日葵「はい、なんでしょうか?」
綾乃「恋というものは……早い者勝ちなのよ!」
向日葵「!?」
17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/01(月) 10:23:12.87 ID:mEj8aOMn0
綾乃「たしかに、自分の気持ちを真剣に見つめるのは大切だわ。けど、あなたがその人に恋しているように……他の誰かもその人に恋しているかもしれないのよ!」
向日葵「!?」ガーン
綾乃「モタモタしていたら持ってかれる。ウジウジしてたら攫われる。いつまでも素直になれなかったら……負けよ」
向日葵「そ、そうですわよね! さくらk…じゃなかったあの子は、明るくて社交的でクラスの人気者で……そんなあの子ですもの、競争率も高いに違いありませんわ!」
綾乃「そうよ! でも、古谷さんだってきっと競争率は高いはずよ」ニコッ
向日葵「えっ!?」
19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/01(月) 10:32:06.90 ID:mEj8aOMn0
綾乃「優しくて気が利いて、真面目な頑張り屋さんで……そんなあなたですもの。あなたの想い人も、あなたに良い感情を持っているに違いないわ」
綾乃「私が、保証してあげる」ニコッ
向日葵「す、杉浦先輩……///」
綾乃「だから頑張って! 私はいつでも、あなたに力を貸すわ」ニコッ
向日葵「は、はい! ありがとうございます……本当に、ありがとうございますわ!」ウルッ
※綾乃自宅にて
~その夜~
綾乃「死にたい……」ズーン
21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/01(月) 10:40:33.01 ID:mEj8aOMn0
綾乃「黒歴史……黒歴史確定だわ……」
綾乃「いくら後輩の背中を押すためとはいえ、自分のことを完ッ全に棚に上げて、あんな……」
綾乃『恋というものは……早い者勝ちなのよ!』キリッ
綾乃「バカバカバカバカ私のバカァ!」ポカポカ
綾乃「バカバカバカ……バカ……」グスン
24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/01(月) 11:01:41.32 ID:mEj8aOMn0
※次の日
~廊下の片隅で~
向日葵「杉浦先輩、昨日は本当にありがとうございましたわ」ペコリ
綾乃「い、いえ! 全然気にしないでいいのよ?」
向日葵「感謝してもしきれませんわ。おかげで私、覚悟を決めることができましたの」
綾乃「そ、そう。よかったわ……」ホッ
向日葵「それで、その……手始めに、今から櫻子にクッキーをプレゼントしに行こうと思いますの。よろしかったら、その……見守ってていただけないでしょうか?」オズオズ
綾乃「ほえっ!?」
29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/01(月) 11:13:46.72 ID:mEj8aOMn0
向日葵「私の好きな人は、実は櫻子なんですの……隠したりしてごめんなさい」
綾乃(うん、知ってたわ)
向日葵「私はよく櫻子にお菓子を作ったりしてあげているんですけど、この気持ちを恋だと意識し始めたら急に照れくさくなって……///」モジモジ
綾乃(古谷さん可愛いなぁ…)フフッ
綾乃(乗りかかった船だし、協力するって約束したし……最後まで応援するわ! ホントはそんな余裕ないんだどね……)トホホ
向日葵「杉浦先輩も自分の恋で忙しいのに、本当にごめんなさい」ペコリ
綾乃「なっ/// べ、べべべべべつに私は恋なんて!!」カァァ
34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/01(月) 11:37:24.36 ID:mEj8aOMn0
向日葵(バレバレですわ……)
綾乃「わ、私のことはいいから! 古谷さんよ古谷さん!」アワアワ
向日葵(照れ隠しする先輩も可愛いですわ)フフッ
向日葵「でも、正直意外でしたわ」
綾乃「えっ?」
36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/01(月) 11:42:07.57 ID:mEj8aOMn0
向日葵「失礼ながら……杉浦先輩は恋愛に関しては奥手だとばかり思っていたんですの」
綾乃(そ、それは事実よ!)
向日葵「けど、『恋は早い者勝ち』って……杉浦先輩も真剣に自分の恋路を歩んでいるんですね」ニコッ
綾乃「はうっ!」ズキッ
綾乃(耳が痛い……)
40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/01(月) 11:50:57.05 ID:mEj8aOMn0
向日葵「
『モタモタしていたらもってかれる。ウジウジしていたら攫われる。いつまでも素直になれなかったら……負けよ』
…この言葉を胸に刻ませてもらいますわ」ニコニコッ
綾乃「はううぅ!」ズキン
綾乃(やめて! それ以上私の傷をほじくらないで!)
綾乃(そんな……そんな尊敬の眼差しで見ないでちょうだい! あれはちょっと見栄張ってみただけなの! 本当の私はウブでヘタレなのよ! ごめんなさい!)
向日葵「? 杉浦先輩?」
綾乃「な、なんでもナイアガラよ! と、とにかく、勇気が出たみたいで、わ、私も嬉しいわ!」オドオド
41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/01(月) 12:00:26.70 ID:mEj8aOMn0
綾乃「そ、それで、 大室さんにクッキーを渡しに行くんだったわよね?」
向日葵「は、はい! それと一緒に、櫻子をデ、デデデデートに誘おうかなって……///」キャッ
綾乃(いいなぁ、デートかぁ……)
向日葵「ヤダ私ったら! よく2人きりで遊んだりするのに、なんでこんなに緊張するんですの!?」ソワソワ
綾乃「お、落ち着いて古谷さん! 平常心、平常心よ……。あくまで誘うのはいつも通りで、本番はデート当日! ここはさりげなく切り抜けるのよ!」
向日葵「はい、さすが杉浦先輩ですわ!」
綾乃「うぅ……///」
44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/01(月) 12:08:32.02 ID:mEj8aOMn0
※校舎裏にて
櫻子「なんだよひまわり~、こんなところに呼び出してさ」
向日葵「えっと、その……」モジモジ
綾乃(壁に隠れて見守ってるんだけど……バレたりしないかしら?)
向日葵「…………」チラッ
綾乃(あ、あまりこっち向かないで!)オロオロ
綾乃(え、えっと……頑張れ! 古谷さん!)サムズアップ!
向日葵(ありがとうございますわ!)
46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/01(月) 12:16:54.80 ID:mEj8aOMn0
向日葵「あの! ク、クッキー作ってきましたの! よかったら食べてくださる?」スッ
櫻子「おおクッキー! ちょうどお腹減ってたところなんだよね! ありがとう!」
向日葵「ど、どういたしまして、ですわ///」
向日葵「そ、それで、来週の日曜日……よかったら、一緒にお出かけでもしません?」オズオズ
櫻子「おへはへ? もぐもぐ……いいおー! おほいく?」モグモグ
向日葵「ちゃんと飲み込んでから喋りなさいな……」ヤレヤレ
向日葵(でも……やりましたわ、杉浦先輩!)チラッ
綾乃(おめでとう、古谷さん!)ホッ
51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/01(月) 12:47:09.43 ID:mEj8aOMn0
※数分後
向日葵「杉浦先輩、ありがとうございました」ペコリ
綾乃「よかったわね。バッチリだったわよ」ニコッ
向日葵「あの、お礼にこれ、受け取ってください」スッ
綾乃「これ、大室さんに作ったクッキー?」
向日葵「杉浦先輩の分も作らせていただきましたの。お口に合うかわかりませんけど、よかったら召し上がってください」
綾乃「ふふっ、ありがとね、古谷さん」ニコッ
52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/01(月) 12:53:00.76 ID:mEj8aOMn0
※綾乃自宅
綾乃(古谷さん、上手くいくといいわね……)
綾乃(そういえば、生徒会に入ったおかげで、こうして後輩の子ともお友達になれたのよね)
綾乃(初めは千歳しかお友達がいなかったけど、生徒会のみんなやごらく部のみんなともお友達になれて……)
綾乃(感謝しないとね)フフッ
綾乃(古谷さんがくれたクッキー……)
綾乃(……もぐもぐ……美味しい!)モグシ
55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/01(月) 13:02:17.15 ID:mEj8aOMn0
※生徒会室
千歳「綾乃ちゃん、最近何かあったん? ため息ついたり肩落としたり、かと思えば嬉しそうな顔したり……あ、まさか歳納さんと!」クワッ
綾乃「ちちち違うわよ! 心配はノンノンノートルダムよ!」
綾乃(言えない……後輩の前で見栄張って偉そうにした黒歴史を思い出して悶々としているなんて!)
綾乃(……でも、後輩に頼られて嬉しいなぁ、なんて思っちゃってることは……もっと言えない!)
向日葵「ふふっ」ニコニコ
向日葵(杉浦先輩、ありがとうございますわ)
櫻子「なんだよ向日葵、ニヤニヤしてて気持ち悪いなぁ」
向日葵「な、なんですって!?」
櫻子「あ、そうそう、そういえば日曜どこ行くかまだ決めてないじゃん! どーする?」
向日葵「あ、えっと…/// い、今は仕事中ですから、後にしましょう///」
ガラッ
京子「綾乃いるー?」
58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/01(月) 13:16:52.88 ID:mEj8aOMn0
綾乃「ととと、としのーきょーこー!?」
千歳「あら、歳納さん。どうしたん?」
京子「綾乃……ちょっと来てもらっていいかな?」
綾乃「えっ?」
59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/01(月) 13:22:42.38 ID:mEj8aOMn0
※校舎裏
京子「突然呼び出したりしてごめん」
綾乃「ど、どうしたっていうのよ。何か用かしら?」ワクワク
綾乃(こっちから茶道部室に行く手間が省けたわ!)
京子「あのさ、悩み事……聞いてもらってもいいかな?」
綾乃「……えっ?」
京子「実は私……結衣に恋してるのかもしれない」
綾乃「………………………」
綾乃「………………………………!?」
64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/01(月) 13:33:02.62 ID:mEj8aOMn0
京子「ごめん、突然こんな……」
京子「でももう限界で、最近ずっと気持ちがぐちゃぐちゃしてて気持ち悪くて、すぐに誰かに相談したくて……綾乃だけが頼りなんだ! あかりやちなつちゃんには言いにくくてさ……」
京子「まだよくわかんないんだ! 恋かどうかなんて。けど、どうにか気持ちを落ち着けたくて……」
京子「……? 綾乃……?」
綾乃「……え、ええ。なんでもないわ。続け……て……」
京子「迷惑かけてごめんね。……このままじゃ私、ごらく部のみんなと会えないよ……」
綾乃「…………………」
綾乃「こ、恋というものは……は、早い者勝ち、な、なのよ……」
京子「綾乃……?」
68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/01(月) 13:42:15.51 ID:mEj8aOMn0
綾乃「た、たしか…に、自分…の気…持ちを、しし、真剣に見つめるのは…大切…だわ」
綾乃「け、けど……」ガクガク
綾乃(見栄を……張りなさいよ! 古谷さんのときみたいに、カッコつけてみせなさいって!)
綾乃「あ、ああ、あなたがその人に恋しているように……」ブルブル
綾乃(歳納京子が他の人に恋するんなら……応援して、あげなくちゃ……)
綾乃(応援して……応援して……)
綾乃「他の誰かも……『あなた』に恋しているかもしれないのよ!!」ダッ
京子「綾乃!? 待ってよ! どこ行くんだよ!」
80: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/01(月) 14:42:35.70 ID:mEj8aOMn0
モタモタしていたから持ってかれた。
ウジウジしていたから攫われた。
いつまでも素直になれなかったから……負けたんだわ
※
向日葵「まだ負けだなんて……はぁはぁ……決まって、い、いません……わよ……」ハァハァ
綾乃「ふ、古谷さん!? どうしてここに……?」ビクッ
向日葵「は、走って追いかけて……来たんですの……」ハァハァ
向日葵「探しましたわよ……そこら中……」ハァハァ
向日葵「まさか、学校からこんなに離れた公園にいるなんて……」
83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/01(月) 14:50:44.92 ID:mEj8aOMn0
綾乃「な、なんで私を追いかけて……」
向日葵「歳納先輩が来たとき、なんだか嫌な予感がしたから……すみません、あとをつけてしまいました」ペコリ
綾乃「じゃ、じゃあ全部見てたの!?」
向日葵「はい。本当に申し訳ありませんわ。けど……」
綾乃「謝らなきゃいけないのは私よ!」
向日葵「」ビクッ
綾乃「偉そうにあれこれ言ってごめんなさい! 私は本当は、どうしようもないヘタレなの!」
86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/01(月) 15:04:46.36 ID:mEj8aOMn0
綾乃「好きな人に素直になれなくて意地はったり、自分からはなんもアプローチなんかできなくて、話しかけられるだけで顔が赤くなっちゃって……」
綾乃「私に、あなたの恋を応援する資格なんて……」
向日葵「杉浦先輩!!」
ギュッ
綾乃「!?」
向日葵「私が杉浦先輩からたくさん勇気をいただいたのは……紛れもない事実ですわ」
向日葵「私は櫻子のことが大好き。その気持ちを行動に移すことができたのは……全部杉浦先輩のおかげ。杉浦先輩は私の……」
向日葵「私の自慢の先輩ですわ」ニコッ
89: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/01(月) 15:13:28.71 ID:mEj8aOMn0
綾乃「ふ、古谷……さん……」ウルッ
向日葵「それだけじゃないですわ。入学したてで右も左もわからなかった私と櫻子を辛抱強く指導してくださったのも、他ならぬ杉浦先輩。優しくて頼りになる……私の憧れです」
向日葵「……歳納先輩は、『これが恋かはまだわからない』って、言っていましたよね?」
向日葵「それなのに諦めてしまっては……もったいないです」
向日葵「杉浦先輩にとってもったいないだけじゃなくて……杉浦先輩みたいな人を恋人にできないなんて、歳納先輩にとってももったいないことだと思いますの」ニコッ
92: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/01(月) 15:27:46.73 ID:mEj8aOMn0
綾乃「も、もうっ/// 褒めすぎよ、古谷さんは!」プイッ
綾乃「……ありがとっ///」
向日葵「どういたしまして」ニコニコ
向日葵「……どうやら、私の出番はここまでのようですわね」
綾乃「えっ?」
ダッダッダッ
京子「あやのー!」
95: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/01(月) 15:38:28.22 ID:mEj8aOMn0
綾乃「と、歳納京子!?」
京子「あ、綾乃! ……ここに……いたんだ…………って、あ、あれ? なんでおっぱいちゃんが…ここ…に?」ハァハァ
向日葵「帰り道で偶然会ったんですの……って、その呼び方はちょっと……」
綾乃「歳納京子……突然逃げ出したりして、ごめんなさい」
京子「ううん、いいの。それより綾乃! 大丈夫? 私、もしかして何か酷いこと……」
綾乃「ねえ、歳納京子……」
98: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/01(月) 15:54:44.02 ID:mEj8aOMn0
綾乃(今すぐ伝えたい。古谷さんからたくさん勇気をもらった今なら……)
向日葵(杉浦先輩……!)チラッ
綾乃(……古谷さん!)
綾乃「私はね、歳納京子……あなたのことが……あなたのことが大好きなの!」
京子「……え、ええっ!?」
京子「ちょっと待って、それどういう……」
綾乃「ずっと前から、あなただけを見つめてきた! あなたは私の憧れで、時々目を逸らしたくなるくらい眩しくて、私は素直になれなくて……」
綾乃「それでもあなたは、いつだって気さくに話しかけてくれた! 私に笑顔をくれた! そんなあなたのことが、世界中の誰よりも……」
綾乃「好き……好きなの!」
104: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/01(月) 16:04:51.54 ID:mEj8aOMn0
京子「そ、そんな……私、そんなの知らなくて、綾乃にあんな……」
綾乃「歳納京子は悪くない!」
京子「えっ!?」
綾乃「私がいつまでも、ウジウジしていたから。言葉にしなきゃ、行動にしめさなきゃ……伝わるわけないのにね……」
京子「綾乃……」
107: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/01(月) 16:17:22.27 ID:mEj8aOMn0
綾乃「だ、だから、私の気持ちを……受け取って欲しい」
綾乃「お願いします!」ペコッ
京子「ま、待って待って待って! 私やっぱりまだ、頭がこんがらがって……///」オロオロ
京子「えっ……綾乃が私を、す、好!?」カァァ
向日葵(おや? これはもしかして……)
111: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/01(月) 16:32:39.29 ID:mEj8aOMn0
京子「え? ウソ? ど、どうしようどうしようどうしよう/// ちょ、ま、……ええ!?」
綾乃「と、歳納京子……?」ドキドキ
向日葵(脈アリですわ!)クワッ
京子「嬉しい……すごく嬉しいよ綾乃!」
京子「でも、ちょっとだけ待って……私まだ、気持ちの整理がつかないっていうか……もう少しよく考えたいっていうか……///」
綾乃「待つわ。歳納京子が、ちゃんと返事をくれるなら……」
京子「うん。ありがと……///」
京子「あー、えっと……学校、戻ろっか///」
綾乃「え、ええ! そうね///」カァァ
綾乃(私……しちゃったんだ! 歳納京子に、こ、ここここ告白……///)プシュー
綾乃(い、今更ながら、恥ずかしくなってきたわ///)
113: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/01(月) 16:46:11.75 ID:mEj8aOMn0
綾乃(……ありがとね、古谷さん)ニコッ
向日葵「…………」ニコッ
※茶道部室にて
~数日後~
ガラッ
綾乃「とーしのーきょーこー!」
京子「あ、綾乃///」
綾乃「えっ/// あっ///」
京子「……お、おはよー///」
綾乃「い、今は昼間よ///」
116: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/01(月) 16:57:46.34 ID:mEj8aOMn0
ちなつ(京子先輩と杉浦先輩……)
結衣(最近何かあったのかな?)
あかり(2人とも顔真っ赤だなぁ)
ガラッ
向日葵「失礼しますわ」
京子「あれ? おっぱいちゃんじゃん、どーしたの?」
向日葵「すみません、櫻子来ていませんでしょうか?」
結衣「ここには来てないよ」
あかり「櫻子ちゃんなら、『石焼き芋の屋台の声が聞こえたから行ってくる』って言ってたよぉ」
向日葵「まったく、あの子ったら……」ハァ
向日葵(せっかくパンケーキ焼いてきましたのに……)
119: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/01(月) 17:11:17.97 ID:mEj8aOMn0
綾乃「あ、そうそう歳納京子! またあなたプリント出し忘れてたじゃない! 提出日今日までよ!」
京子「あっ、いっけね! 忘れてた!」
綾乃「まったく、歳納京子ったら……」ヤレヤレ
向日葵(どうやら、歳納先輩からまだ返事はもらっていないようですけど……)
京子「そういえば、今度の日曜どこ行くかまだ決めてなかったよね。どーする?」
綾乃「えっ!?」
京子「あっ……」
ちなつ「あれ? もしかして2人っきりでお出かけするんですか?」
121: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/01(月) 17:22:21.84 ID:mEj8aOMn0
京子「え、えっと……」
綾乃(バ、バカ! みんなのいる前で!)
結衣(めちゃめちゃ焦っとる……)
向日葵(……どうやら、順調に関係は進展中のようで……なによりですわ)ニコッ
ガラッ
櫻子「ひまわりいるかーい?」
向日葵「あら、櫻子」
櫻子「ほら、焼き芋買ってきてやったぞ! ありがたく食べるがよい!」エッヘン
向日葵「あ、ありがとうございますわ///」
綾乃(古谷さんの恋も、まだまだこれから。……けれど順調そうね)ニコッ
向日葵(……お互い頑張りましょうね? 杉浦先輩)ニコッ
おわり
125: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/01(月) 17:28:40.01 ID:mEj8aOMn0
読んでいただき、ありがとうございました
恋愛要素よりは友情要素のほうが多くなったかもしれない
綾乃「恋愛相談?」向日葵「はい……」