1: ◆ORDERq/08U 2018/10/13(土) 13:34:26 ID:cRiesukw




このスレは膝神様に監視されています



あと、割となんでもありです



2: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/13(土) 13:36:49 ID:cRiesukw

1

モバP「雪美ってもしかして、俺のことが好きなのか?」

雪美「……ん……何……?」

モバP「隙あらば膝の上に座るからさ」

雪美「…………そういうつもりじゃ……ない……」

モバP「じゃあ今はどんなつもりでおられるのかな?」

雪美「……背中を……預けられる……我が友……」

モバP「おう?」

雪美「……別に……好きとか……そんなんじゃ……ないんだから……」

モバP「ハハッ、こやつ、愛いのう」ナデナデ

雪美「……ふふ」


ちひろ「こやつら遊んでますね」



3: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/13(土) 13:38:48 ID:cRiesukw

2

モバP「よく思うことを一つ」

雪美「……ん」

モバP「俺がイスになり雪美が普通に座る、それが当たり前だ」

雪美「……じゃあ、Pも……私に……座りたい……の?」

雪美「…………がんばる……」

モバP「神に誓ってそうではないのでそんな悲壮感のある目をしないでくれ」

雪美「……」ホッ

モバP「で、いつもそうだから、たまには対面で座ったりしないのか?」

雪美「! ……へんたい」

モバP「そんなつもりじゃないんだがな」

雪美「……冗談。……でも……ちょっと……恥ずかしい……」

モバP「こやつ、いちいち愛いのう」ナデナデ

雪美「……んんっ」


ちひろ「なぁにやってるんですかねえ」



4: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/13(土) 13:40:55 ID:cRiesukw

3

モバP「雪美、目を閉じてごらん」

雪美「……うん」

モバP「何も見えないな?」

雪美「……見えない」

モバP「でも俺は雪美を見つけられる」ポン

モバP「これが超能力だ」

雪美「……すごい」

雪美「……なんて……言うとでも……思った……?」

雪美「……Pは……目……開けてる……」

モバP「冗談です、はい」



5: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/13(土) 13:42:44 ID:cRiesukw

モバP「だが子どもの頃は、自分の見えないものは周りにも見えないと思っていた」

モバP「客観的な視点に立つ、というのは大人になってもなかなか難しいものだ」

モバP「頭隠して尻隠さず――と、そんなことが多いなと自省するよ」

雪美「……目、閉じて……?」

モバP「はい」

雪美「……ん」チュ

モバP「……?」

雪美「……見えなくても……守ってくれてる……気がする……」

雪美「……Pの、そんなところは……超能力? かも……」

モバP「良いこと言うね」ナデナデ

雪美「……」ムフー


ちひろ「周りは見えていないようですね」



6: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/13(土) 13:44:27 ID:cRiesukw

4

モバP「ふう……少し休憩するかな」 ガチャ

モバP「ん、誰か帰ってきたみたいだな」 パタン

雪美「……」テクテク

モバP「お、雪美か」

モバP「……!」

雪美「P……ただいま……」

雪美「……?」

モバP「おっと。雪美、おつかれさん」

モバP「珍しい格好だな。ドキッとした」

雪美「……」キラキラ

モバP「……やだ破廉恥」

ちひろ「何てこと言ってんだ」



7: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/13(土) 13:46:18 ID:cRiesukw

モバP「髪はツインテール、服はキャミソールとパーカー、ミニのプリーツスカートにストライプのニーハイ」

モバP「小悪魔っぽさが出ているな。何となく梨沙や美玲の好みそうな感じのコーディネイトだ」

雪美「悪魔……それなら、私は……あなたの……使い魔……かも……?」

モバP「俺の使い魔か。それなら何か命令をしても良いのか?」

雪美「……どんな……命令……?」

モバP「さあねえ……あんなことこんなこと凄いこと、何をしてもらおうか」

雪美「……」ドキドキ

モバP「よし。そんな挑発的な格好をしている君には膝上に座して貰おう」オイデオイデ

雪美「……任せて……」 ポスッ

モバP「まあ普段から雪美さんは膝上にいるんだけどねえ」

雪美「……P……これ……似合って、いる……?」

モバP「勿論だとも。この私を誘惑するとは実に怪しからん」

雪美「……誘惑……成功……///」カァッ

モバP「恥ずかしかったのね」ナデナデ



8: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/13(土) 13:49:25 ID:cRiesukw

モバP「ところでその服を選んだのは誰かな」

雪美「ちひろさん」

ちひろ「わたしがやりました」

モバP「即答ですか」

雪美「……ぐっしょぶ……」b

ちひろ「☆」b

モバP「しかし、露出は衣装で見慣れているはずなのにガツンと来るなあ」

雪美「……?」

モバP「それでいて雪美にしか出せない独特のクールな雰囲気が良い」

雪美「……ふふ……うふふっ」

モバP「どうした?」


雪美「……こういうのは……あなたにだけ……見せる……」ニコ



9: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/13(土) 13:50:36 ID:cRiesukw

5

モバP「よし……んー」ノビー

ちひろ「お疲れ様です、プロデューサーさん」

モバP「恐れ入ります」

ちひろ「エネルギー補給に各種ドリンクはいかがですか?」

モバP「今日は遠慮しておきます。たった今アイドルからの差し入れでバナナを貰いましたので」

ナターリア「あげタ!」ヒョコッ

ちひろ「おー」

ちひろ「ってどこから出てきたんですか」

モバP「ただ仕事帰りに寄っただけらしいです」

ナターリア「アイジンカンケイってやつですナ!」

ちひろ「穏やかじゃねえな」



10: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/13(土) 13:51:53 ID:cRiesukw

ちひろ「皮が黒くなってますよこのバナナ」

モバP「バナップルとかいう品種でそれが普通みたいです」

ナターリア「そうだヨー。オイシイものは山分けするノ」

モバP「おすそ分けじゃなくて山分けなんだ。家族みたいだな」

ナターリア「カゾク! ファミリア! ソクシツ!」

ちひろ「何かとんでもない単語が最後に聞こえましたけど」

モバP「それはそうと、ちひろさんもどうですか?」

ちひろ「良いんですか? それじゃあいただきます」

パクッ

モバP「名前の通りちょっとリンゴに近い味がするんだな」

ナターリア「面白いでショ?」



11: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/13(土) 13:53:26 ID:cRiesukw

雪美「……P……何、食べてるの……?」

モバP「雪美か。ちょっと変わったバナナだよ、食べてみるか?」

雪美「……」コク

モバP「はい、あーん」

雪美「……あーん」パク

雪美「……おいしい……」

ちひろ「自分の食べかけを普通に食べさせるのはどうかと」

ナターリア「いいナ! ナターリアにもシテ!」

モバP「良かろう。さあ口を開けたまえナターリア君」

ナターリア「ンッ♪」ハムハム

ナターリア「Pの……おいシイ」トロン

ちひろ「ここでその顔は駄目です」



12: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/13(土) 13:54:45 ID:cRiesukw

モバP「美味しかったよ。ありがとうな、ナターリア」

ナターリア「ン。また面白いバナナ見つけたラ持ってくるヨ」

雪美「……ナターリア、ありがとう」

ナターリア「!」

ナターリア「……ユキミは可愛いナ」ナデナデ

雪美「んっ」

ナターリア「ネ、ナターリアがPのソクシツになってもイイ?」ヒソ

雪美「……?」

ナターリア「ユキミがセイシツで良いからサ」

ちひろ「ナターリアちゃ~ん?」

ナターリア「なんてネ。チャオ!」


雪美「……??」



13: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/13(土) 13:56:44 ID:cRiesukw

6

カタカタ

モバP「何々……自分とは真逆の人に憧れを持つことは普通にあることなのか」

ちひろ「相補性の法則、というやつですか」

モバP「つまりキャラクリエイトや主人公の性別選択制ゲームで女の子を選ぶのは当然と」

ちひろ「何かちょっと違う気もしますけど。逆に類似性の法則というのもありますし」

モバP「自分と似てない人が好きだったり、似てる人が好きだったり、これもうわかんねぇな」

ちひろ「まあ心理学ってそういうものですからねえ」

雪美「……P……ちひろさん……調べ物……?」

モバP「おお雪美さん。なに、休憩時間のちょっとした雑談だよ」

モバP「……しかし、俺は雪美さんに憧れているのかもしれないな」

雪美「……私に……憧れ……?」

モバP「凛とした佇まいとか、猫のような繊細さとか、良いよね」

雪美「……やだ……照れる……」



14: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/13(土) 13:58:13 ID:cRiesukw

ちひろ「プロデューサーさんは結構体格がある方ですよね」ジー

モバP「おかげで雪美をいつでも膝に乗せていられます」

雪美「……」(つ゚ー゚)つ

モバP「ん、ほいっと」ヒョイ ポスン

モバP「このまま仕事するのも良いもんですよ。意外と捗りますし」

雪美「……♪」

ちひろ「……ある意味で相補性が完成してますね」

モバP「…………雪美……」

雪美「何?」

モバP「……このまま……寝ていい……?」

雪美「うん。おやすみ」


ちひろ「寝るな。というかキャラ逆転しないでください怖いですから」



15: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/13(土) 14:01:00 ID:cRiesukw

7

ニャー

モバP「おう、ペロか。調子はどうだい」

ニャ?

雪美「P……その子は……ペロじゃない……」

モバP「ん? ……なるほど。よく見たら違うな。首輪が無いし」

モバP「すまなかったチビさん。お前さんの名前は何て言うんだい」

ンニャー

雪美「この子は……Mr.Midnight……」

モバP「飼い主の女の子が壮絶な冒険をしそうな名前だなあ」

雪美「……?」

モバP「知らないなら知らないでおこう。ちょっとエグい元ネタだ」



16: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/13(土) 14:03:02 ID:cRiesukw

モバP「それにしても、この子は一体どこの子?」

雪美「……ペロの……友だち……」

モバP「同じ黒猫の友人か」 ニャー ニャ? ミュウ

モバP「って何か黒いのが一斉に集まってきたな」

雪美「……ジジ……ゴウト……ベルンカステル……。久しぶり……ね」

モバP「なかなか貫禄あるお名前の方ばかりで」

雪美「今日は……ここが……集会場……だって」

モバP「黒猫の集会とは壮観だなあ。サバトかな?」

モバP「しかし、肝心のペロの姿が見当たらないな」

フナー アーオ

雪美「……ペロ……ポポイと……いっしょ……? ……分かった」

モバP「どうやら連れと遅れて来るみたいだな。待たせてやろうか」 コク


モバP(何かそれから猫たちに触られまくってるんですが) ニャーニャーニャーニャー



17: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/13(土) 14:03:57 ID:cRiesukw

8

モバP「俺がクイズ番組に出るとする」

雪美「……うん」

モバP「問題が出題される」

モバP「科学は英語でサイエンス、では化学は英語で何という?」

雪美「……?」

モバP「……」

モバP「……分かんないなあ、と今ふと思った」

雪美「……Pにも……分からないこと……ある……」

モバP「普段使わないと分からないんだよな」

ありす「はい! 化学はケミストリーですよ。もっと勉強しましょうねPさん」ドヤ

モバP「今タブレットで調べたでしょ」


ありす「ちっばれたか」 ソリャソウダ



18: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/13(土) 14:05:07 ID:cRiesukw

おまけ1

雪美「……これが……Pの……卒業アルバム……」

『将来のゆめ 4年1組 モバP』

『ぼくはえだ豆のうす皮のような人になりたいです』

雪美「…………ノーコメント……」

モバP「全くふざけた小学生だな。どこのどいつだか」

ちひろ「お前じゃい」


おまけ2

モバP「ナターリアのくれたバナナは美味しかった」

モバP「でも普通のバナナなら熟す前のちょっと青いくらいの時が好きですね」

ちひろ「うわぁ……ロリコン」

モバP「そんなひどい」



22: ◆ORDERq/08U 2018/10/20(土) 15:29:52 ID:bo1joFDE

9

雪美(……P……)

モバP(ファミチキください?)

雪美「……違う……」

モバP「冗談です。ふむ……お姫様抱っこを体験してみたいのか?」

雪美「……」コク

モバP「任せろ。でもどうしてだ?」

雪美「……膝には……乗れるのに……してもらったこと……ない……」

モバP「雪美が寝落ちした時にはよくそれで運んでいるぞ」

雪美「えっ……。覚えて……ない……」

モバP「あらら、そう気を落とさない。この仕事が片付いたら思う存分やってあげよう」

雪美「……分かった……約束……」


ちひろ(あれ、このブラックコーヒー甘くね?)



23: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/20(土) 15:33:08 ID:bo1joFDE

10

モバP「おや、雪美さん」

雪美「……P」

モバP「宿題とはえらいね。今終わった所かな?」

雪美「……うん」

雪美「……P……こんなことでも……褒めてくれる……」

モバP「些細なことで褒めてくれる人ってなかなか少ないからな」

モバP「心に余裕がないと人を褒めるのは難しいもんです」

雪美「……心に……余裕……」

モバP「効果の保証はできないが、自分なりの簡単に心に余裕を作る方法を教えてやろう」

モバP「お腹を満たすことさ。雪美、ご飯食べに行かない? 中華料理」

雪美「! ……うん」

モバP「ぼかぁ、炒飯は山型をレンゲで食べたいお年頃なのよね」


ちひろ「余裕持ちすぎてもいけませんけどね」 チヒロサンモドウデス? エ? ア、イキマスイキマス



24: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/20(土) 15:35:19 ID:bo1joFDE

11

雪美「……P……もっと……このまま……」

モバP「おやあ、お姫様抱っこがそんなに気に入ったか?」

雪美「……うん」

モバP「それは良かった」

モバP「にしても雪美は軽いなぁ。そして意外と体が柔軟だよな」

雪美「……アイドル……だから……」フンス

モバP「さすが。それに、いつもの服装じゃないのも新鮮だな」

モバP「今日はカラーシャツにショートパンツとラフな格好、後ろ髪はお団子でさっぱりスポーティー」

雪美「……」キラキラ

モバP(雪美のきれいで華奢な膝が、俺の左腕を挟んでカーブしている)

モバP「そなたは美しいな」

雪美「……それは……あなたのせい……」



25: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/20(土) 15:37:41 ID:bo1joFDE

――

モバP「ついでに肩車もやってみたが、怖くないか?」

雪美「……平気……。繋がってる……感じ……」

モバP「俺は組体操で上側をやったことがないから怖さが分からん」

雪美「……高い……でも……あなたになら……体を……委ねられる……」

モバP「委ねてくれるなら俺もしっかり支えようぞ」

モバP「しかし、こういうのは信頼だな。半端にヤンチャで仲が良い奴だと、上でふざけてくる」

雪美「……そう?」ペタペタ

モバP「そう。頭や顔に触るくらいなら良いが、目隠しとかしてくるんだよな」

雪美「……する……?」

モバP「今はしても良いぞ。少しだけ悪い子になってみるか?」

スッ

雪美「……悪い子……だ……にゃー」


ちひろ「……スカートじゃあんなことできないですね」



26: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/20(土) 15:40:06 ID:bo1joFDE

12

七海「プロデューサー、何してるんれすか~」

モバP「見ての通り、糸にイチゴを括りつけて釣りをしているんだ」ドーン

七海「……ええー」

モバP「なぁに、うちの娘たちは皆ノリが良いから食いついてきてくれるさ」

ガチャリンコ

凛「こんにちは」

モバP「ヨーウ」

凛「…………ちょっとそれはフリが適当すぎない?」

モバP「そう言うな。ほれほれ」プラプラ

凛「ふーん? 分かった」ツカツカ

七海「おおっと~、凛さんイチゴには目もくれず、プロデューサーの方へ!」

モバP「……何だ?」 ジッ

凛「ネクタイ、曲がってはいないけど私流に結び直してあげるよ」シュルシュル キュッキュ



27: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/20(土) 15:43:32 ID:bo1joFDE

――

モバP「何かプレーンノットがしぶりんノットになった所で次行ってみましょうか」

七海「どうでも良いれすが、プロデューサーってお魚は何が好きれすか~?」

モバP「………………サーモン?」 エッ

ガチャ

ありす「夕方でも、おはようございます。橘です」

モバP「おっすおっす」

ありす「……見なかったことにして、立ち去っても良いですか?」

モバP「さあ来いアリス・タチバナ」プラプラ

ありす「橘ありすです。……イチゴ?」

七海「おおっと~、ありすちゃん興味を示しました!」

ありす「……」 パシッ

ありす「仕方ないので、釣られてあげます。えへへ」 チョロイ! ダレガチョロインデスカ!



28: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/20(土) 15:45:25 ID:bo1joFDE

――

モバP「俺は一度、桃薫というピンク色のイチゴを食べてみたいんだ」

ありす「桃華さんと薫さんが隠れていそうな、名前ですね。あっ、おいしそう」

七海「タブレット便利れすね~。あ、あすかルビーなんてのもあります~」

ガチャリ

飛鳥「ボクを呼ぶ”声”が聞こえたが、その微かな響きもやがてはセカイの喧騒に埋もれてしまうのか?」

モバP「開口一番からキレがあるな。さすがは飛鳥」

飛鳥「やあ、プロデューサー。また特異な催しかい?」

モバP「イチゴで釣りをしてるのさ。実に風刺的だろう? 特に意味はないが」プラプラ

飛鳥「……ボクを試しているようだね。良いさ、ならそこに意味を見出してみせるよ」

七海「おおっと~、飛鳥ちゃんやる気れす!」

飛鳥「釣り糸にイチゴ一つ。それはまるで蜘蛛の糸だ。”上”と”下”を隔てる境界を通れるのは一人だけ」

飛鳥「……キミは、ボクにその手を汚せというのかい?」



29: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/20(土) 15:46:48 ID:bo1joFDE

――

モバP「とりあえず飛鳥にはイチゴを食べさせておいた。飛鳥はルビー、はっきりわかんだね」

ありす「何を言ってるんですか、この人は」

七海「いつものことれす」

パタン

雪美「……こんにちは……」

モバP「おう、雪美じゃないか。まあゆっくりしていってくれ」

雪美「……?」

モバP「どうした? これが気になるか?」プラプラ

雪美「…………」ウズウズ

七海「おおっと~、雪美ちゃん気になってしょうがない様子!」

雪美「……!」スカッ

雪美「……っ! ……っ!!」スカッ パシッ



30: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/20(土) 15:49:32 ID:bo1joFDE

――

雪美「……イチゴ……おいしい……」モグモグ

ありす「雪美さん、こっちも美味しいですよ?」モグモグ

七海「しかし雪美ちゃんが猫みたいな動きをするとは~」

モバP「猫に好かれる人って割と本人が猫属性なこと多いよな。みくとか」

七海「それ今考えたやつれすか? じゃあ私は魚属性れすか~?」

モバP「七海が魚を好きでも魚が七海を好きかは分からんぞ? 釣って食っちまったりする訳だから」

七海「むー、そんなこと言わないでくださいよ~。いじわる」

雪美「……P……めっ」ピシ

モバP「申し訳ございませんでした」

ありす「これは手綱を握られていますね」

ありす「しかしPさん、こんなことをしていつまでも遊んでいて良いんですか?」

モバP「ん?」


ちひろ「はぁい、(プロデューサーさんの公開処刑)よーいスタート」ユラァ



31: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/20(土) 15:52:21 ID:bo1joFDE

13

ちひろ「プロデューサーさんは大人のコスプレってどう思います?」

モバP「良いと思いますよ――って、あらまあ。今日は巫女さんですねちひろさん」

ちひろ「改造巫女ですけどね。正統派って案外少なかったりしますよ」

モバP「最近は改造多いですね。巫女も浴衣もメイドもミニスカートになったりして」

ちひろ「ちなみに、厳しい意見もいただいて結構ですよ?」

モバP「そうですね……大人がやるとどうしてもあざとさが出てきてしまうのが辛い所でしょう」

ちひろ「まあ、そこが難しいというか挑戦し甲斐があるというか」

雪美「……あ……巫女さん……」

雪美「……」ポー

ちひろ「あはは……年少の子に見られると結構気恥ずかしいんですよね」

モバP「大人よりも痛い所を突いてきたりしますからねえ」 クイクイ


雪美「……Pは……神主さん……しないの……?」 エッ



32: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/20(土) 15:57:59 ID:bo1joFDE

14

モバP「……はー、疲れましたな。ちょいと仮眠しますか」

モバP「こういう時に座敷の仮眠室があるのは良いね。ちょいとお布団敷きまして、と」

モバP「……zzz」

ガチャ

雪美「……P……ここにいた……。……寝ているの……? …………」ピトッ

雪美「…………すぅ……すぅ……」

ガチャ

こずえ「ふわぁ……あれー、ゆきみとぷろでゅーさー…………」スッ

こずえ「……こずえも…………」スヤスヤ

ガチャ

ライラ「甘い匂いがする気がしますですねー。おぉ、プロデューサー殿と仲間たちですかー」ジッ

ライラ「ライラさんも仲間に…………」ムニャムニャ



33: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/20(土) 16:02:00 ID:bo1joFDE

ガチャ

千秋「あら、佐城さんはここにいたのね。それにプロデューサーに、ライラさんに遊佐さん」

千秋「みんなで仲良く休息、か。走り続けるばかりではいけないと、アナタは教えてくれたけど」

千秋「それにしても気を抜きすぎかしら? まあ良いわ。何事もチャレンジよ」イソイソ

千秋「…………」スヤァ

ガチャ

巴「相談があるのに一体どこにおるんじゃP……おう、ここか」

巴「……こりゃあ起こせんのぉ。全く暢気なもんじゃ」

巴「しかし、こうして見ると昔、若い衆と雑魚寝をしとった頃を思い出すわ」

巴「…………ちぃとだけ、うちも……」ゴロン

巴「……くー……くー」


ちひろ「なんだこれはたまげたなぁ」



36: ◆ORDERq/08U 2018/10/27(土) 17:02:00 ID:xBIYpb/A

15

ペロ「……」

雪美「……」

モバP「……」
 
ちひろ「あ、三段重ねだ」

モバP「鏡餅みたいに言わないでくださいよ」

雪美「……Pと……私が……おもち……?」

モバP「じゃあ、ペロが橙か」 ハハハ フフ ウナー

ちひろ「いかん。この人ら完全に寛いでますわ」

モバP「橙と言えば、正月に余った物を消費しようと絞って水割りジュースにしたことがある」

雪美「……どんな……味……?」

モバP「酸っぱ苦い」

雪美「……それは……私も……苦手……」 ハハハ フフ ウナー


ちひろ「こっちは甘ったるいんですけどね」



37: ◆ORDERq/08U 2018/10/27(土) 17:04:20 ID:xBIYpb/A

16

モバP「……ふぅー」

雪美「……P……お仕事……疲れた……?」

モバP「しんどいわぁ。雪美さんも無理したらあきまへんで」

雪美「……うん……。……一緒にいても……良い……?」

モバP「かまへんよぉ」

雪美「……周子……みたい……」クスッ

雪美「……」

雪美「…………」ギュッ

雪美「………………」ニギニギ

雪美「……………………」モミモミ スススッ

雪美「あっ…………いけず」パシッ スリスリ

モバP「人のおててで遊んでくれる雪美さんに癒されます」ヨシヨシ


ちひろ「これって撮影して売っても良いんですかね?」



38: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/27(土) 17:08:40 ID:xBIYpb/A

17

ちひろ「そういえばプロデューサーさんって、あまり可愛いって言葉を使いませんよね」

雪美「……!」

モバP「カワイイなら使いますがね」

ちひろ「でもそれは幸子ちゃん専用でしょう?」

モバP「独自の意味を持つ専売特許みたいなものですからね。他の子に軽々しく使ってあげたくないです」

ちひろ「プロデューサーとしての意地みたいなものですか?」

モバP「そうですね。変な所にこだわって意地を張るのが男なのかもしれません」

雪美「……」

モバP「仕事で知り合って交流の多いコラムニストさんから聞いたんですが」

モバP「可愛い、というのは古くから弱い物に対する憐れみの意味が含まれているそうです」

モバP「それを聞くと何にでもやたら可愛い可愛いと言うのは違うかなと思い至ってですねえ」

モバP「ただ、代わるしっくりくる褒め言葉をなかなか見つけられません」

ちひろ「それはまた難儀な」



39: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/27(土) 17:10:47 ID:xBIYpb/A

ちひろ「みんな、本当はもっと褒めてほしいんだと思いますよ?」

モバP「そこは悪いと思っています。なるべく態度で伝わるようにしているつもりですがね」

雪美「……P」

モバP「雪美……膝に来るか?」

雪美「……」コク

ちひろ「まあ、態度で伝わっていますかね?」

モバP「だと良いんですが」 ストン

雪美「……P……私……可愛く……ない……?」

モバP「雪美はな、見た目は決して大きくないし、大人しい性格だ。異性からすれば守ってあげたいタイプのか弱い女の子に見えるかもしれない」

モバP「でも、雪美は本当は強いし、成長しようとする頑張り屋だから、可愛いという言葉で上から押さえつけたくない気持ちがある」

モバP「普段の言動と矛盾していたらすまない。確実に言えるのは、雪美はとても魅力的だってことだ」ポン


雪美「……あなたの……心……感じられた……」ギュッ



40: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/27(土) 17:13:39 ID:xBIYpb/A

18

モバP「いつかマンションに住みたいなあ」

ちひろ「戸建住宅じゃないんですか? 庭付きの」

モバP「いや、マンションかな。それも一室に階段があって二階まであるやつに憧れますねえ」

ちひろ「メゾネットタイプですか。確かにオシャレで高級感はありますけど」

雪美「……P……眺めが……良い所……好き……?」

モバP「好きだね。高所恐怖症だけど」

ちひろ「ダメじゃないですか」

モバP「三、四階くらいなら良い。タワーの端から下を見下ろすのはおまたがきゅっとなります」

ちひろ「おまた言うな」

雪美「……じゃあ……幸子に……鍛えて……もらおう……」

モバP「……そりゃあ、ヘリからパラシュートつけて飛び降りさせるようなお仕事もさせましたけどさ」

雪美「……いつか……タンデムで……私を……飛ばせて……?」


ちひろ「プロデューサーさん、スカイダイビングの練習頑張ってくださいね?」ニコ



41: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/27(土) 17:15:25 ID:xBIYpb/A

19

雪美「……だーれ……だ……?」スッ

モバP「んー? 誰かなー? わっかんねーなー」

雪美「……残念……私……」

モバP「何だ雪美さんかー。……ん?」

雪美「……」キラキラ

モバP「……黒のミニドレスとは粧しているな。フリルがあってリボンがあって、裾がシースルーとはまた大胆だ」

雪美「……///」

モバP「恥ずかしがるのに俺に見せたがるの好きなのね」ナデナデ

モバP「頭のミニハットと、目元のタトゥー(シール)がまた遊び心があって良いアクセントだ」

ちひろ「わたしがやりました」

モバP「よくやった褒めて遣わす」



42: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/27(土) 17:17:19 ID:xBIYpb/A

モバP「ところで今回のコンセプトは?」

雪美「……とりっく……おあ……とりーと……」

モバP「ちょっと早いハロウィンか。良いぞ良いぞトリックで頼む」

雪美「……」ジッ

モバP「冗談です。いやあ、いたずらかお菓子かって面白い二択だよ」

モバP「今はちょうどよくグミがある。では、はい……あーん」

雪美「……あーん」

雪美「…………んく。……りんご味……?」

モバP「アップルグミだな。体力が30%回復するぞ」

ちひろ「テイルズオブシリーズかな?」

雪美「…………」ジーッ

モバP「……何なら、いたずらもして良いぞ? 若い内は欲張ることも必要だ」


雪美「……Pに……いたずら……///」カァッ



43: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/27(土) 17:19:04 ID:xBIYpb/A

20

モバP「今日はとっても楽しかったね」

モバP「明日はもーっと楽しくなるよね、雪美」

雪美「…………へけっ……」

モバP「……ハハハッ」

雪美「……!///」ペシペシ

モバP「ごめんごめん」

モバP「……」

雪美「……」

モバP「……今日は早く帰らないで良いのか?」

雪美「……パパもママも……今日は……忙しい……」

モバP「親には一緒にいてほしいけど、好きだから無理言えないか」

雪美「……うん」



44: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/27(土) 17:20:13 ID:xBIYpb/A

モバP「どーれ、膝においでな」

雪美「…………どっきんぐ……完了……」

モバP「寂しいならいつでも……は難しいかもしれないがなるべく一緒にいるよ」

雪美「……」

モバP「見守ってもらえるって幸せだよな。口うるさく言われると煩わしくなったりもするが」

モバP「親元を離れているとたまに自分の孤独さが身に染みることがある」

雪美「……Pでも……寂しい……?」

モバP「ああ。だからその代わり、というのも変だが、賑やかで楽しいここが好きだな」

雪美「……私も……」

モバP「みんなには助けられている。勿論、雪美にもな」

雪美「……じゃあ……手も……繋いで……」

モバP「良いぞー。ほい」ギュッ



45: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/27(土) 17:22:35 ID:xBIYpb/A

モバP「……」

雪美「……」

モバP「お主、安心しきっておるな?」

雪美「……P……だから……ね」

モバP「俺だから……か。あまり素直じゃない俺なんかでよろしいか」

雪美「……素直に……なろう……?」

モバP「おうふ、イインダヨとは言ってもらえませんか。雪美さんは厳しいなあ」

モバP「……ありがとう」

雪美「……どういたしまして」

雪美「…………私も……感謝……してる……」

モバP「……雪美」

雪美「……P」


ちひろ「見張り台のシータとパズーの会話を聞いてるドーラの気持ちになるですよ」



46: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/27(土) 17:28:08 ID:xBIYpb/A

21

モバP「街はハロウィン一色だな」

雪美「……あ、あの仮装……可愛い……」

晴「え? いやー、アレほぼビキニじゃん」

モバP「どれ……あれはロッティ・トップスのコスプレかな。この寒いのに凄いな」

雪美「……ぞんび……青い肌……すごい……」

晴「あんな格好、オレはとてもできねーな」

モバP「フリかな?」

晴「何でだよ。着せたら怒るからな」キッ

雪美「……私は……着てみたい……」

モバP「二人とももうお仕事でいろんな衣装を経験しているからな。度胸も付いたろう」

晴「そんな度胸があってたまるか」

モバP「無いのか? まあいつまでも初々しさが残るならそれはそれで良いぞ。ハハッ」

晴「うっせーバカ」



47: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/27(土) 17:32:50 ID:xBIYpb/A

モバP「しかしこの時期の定番として、カボチャアレンジされた期間限定パンやお菓子とかが出回るよな」

晴「何かアニキがそういうの好きで毎年、よく買ってきてた」

モバP「良い兄さんじゃないか。まあでもイチゴとかブドウなら分かるが、”カボチャ”って訴求力微妙じゃね?」

晴「んー、そうか? あ、もしかしてアンタ、カボチャ嫌いなのか?」

モバP「やあ実は、食感がどうもな。天ぷらは許容できるんだがゴロッとしたのは、あまり」

晴「子どもみてーだな」アハハハ

モバP「くそっ、小学生に子どもみたいとか言われてしまった」

雪美「……好き嫌い……ダメ」

モバP「ごめんなさい」

モバP「ただ、ああいうのが売れ残ってワゴンされているのを見ると悲しくなる」

晴「ワゴンされるって何だよ。まあ気持ちは分かるけどさ」

モバP「見捨てられずについつい買ってしまうのですよ。フードロス削減に貢献ですよ」


雪美「……P……体……壊さないか……心配……」 ウッ キヲツケマス



48: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/27(土) 17:35:09 ID:xBIYpb/A

22

ペロ「……」

モバP「ペロが精悍な顔つきをしておられる。一体何を見ているんだ?」

モバP「猫は幽霊が見える説なんてロマンがあるもんだが」

ペロ「……」スクッ

モバP「おっ、何だ? 俺の膝に……」 トスン

モバP「ペロさん意外と人懐こいよねー。……ん? 誰……」

「……P……」

モバP「何だ……? 雪美……か? いや、それにしては古代エジプトのような服装……」

モバP「もしやバステト……バステトなのか? 顔がよく見えないが、雪美に似ている?」

モバP「つまり雪美はバステトだった……?」

――

モバP「うーん……うーん……Zzz」


ちひろ「あら、プロデューサーさんとペロが仲良く寝てますね」



51: ◆ORDERq/08U 2018/11/03(土) 16:28:49 ID:w6TDll8E

23 

モバP「雪美さんは意外とかっこいいの好きだね」

雪美「……次元大介……好き……」

モバP「それはもうかっこいいを超えてハードボイルドでシブい感じだが」

雪美「……でも……ちょっと……憧れ……」

モバP「そうかぁ」

モバP「……髪をミディアムまで短くしてソフト帽被った目隠れな雪美さんを想像してしまった」

雪美「……短い方が……良い……?」

モバP「いつまでも変わらずにいてくれ、とは言わないが、今は今の雪美が一番だよ」

雪美「……なら……ずっと……あなたに……梳かしてほしい……」

モバP「頼んでくれたら引き受けるさ。特別サービスだぞ?」

モバP「しかし、アイドルにぱっつんはいるのに両目隠れは見ないな。文香は軌道修正してしまったし」

雪美「……みんな……Pに……目を見て……もらいたい……から……」


ちひろ「恥ずかしがり屋な子は多いんですけどね」



52: ◆ORDERq/08U 2018/11/03(土) 16:32:17 ID:w6TDll8E

24

モバP「”シートベルト”をしてほしい?」

雪美「……」コクコク

モバP「運転中はちゃんとしてるぞ」

雪美「……!」プンスカ

モバP「冗談だよ。では、腕を掛けるぞ」

雪美「……」ドキドキ

モバP「そして軽くクロスさせながらハグします」

雪美「……///」

雪美「……しばらく……このまま……」ギュッ

モバP「じゃあ、このまま雪美を捕まえているから、どこにも行くなよ」

雪美「……うん……行かない……」トロン


ちひろ「遠くへ行きたい」



53: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/11/03(土) 16:33:47 ID:w6TDll8E

25

モバP「雪美さんや」

雪美「……?」

モバP「ソファーに座っているとよく隣に来て、もたれかかってきますね?」

雪美「……ふふ。……にゃーん」

モバP「何だ猫か。じゃあ仕方ないな」

モバP「最近は積極的なスキンシップが多いから発情期なのではと思ったのだが」

雪美「……へんたい」

モバP「言葉を改めますね。何か欲求不満でもある?」

雪美「……上手く……言えない……」

雪美「……心配……しなくていい……。少し……甘えたいだけ……」

モバP「そんなことを言わせるのはデリカシーがなかったな。ごめんな」

雪美「……」



54: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/11/03(土) 16:34:41 ID:w6TDll8E

雪美「……あのね……P……」

モバP「ん?」

雪美「……私……邪魔に……なってる……?」

モバP「……」

ガシッ ギュッ

モバP「そんなことは微塵もない。むしろ俺が邪魔させてるんじゃないか?」

雪美「……なら……安心……」

雪美「……Pは……放っておけないオーラ……出てる……」

モバP「うわあ、それは何とも恥ずかしい」

雪美「……♪」スリスリ

モバP「こっちから抱き寄せた手前、この状態を解除できないなぁ」


ちひろ「そろそろ仕事してくださいね(半ギレ)」



55: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/11/03(土) 16:36:59 ID:w6TDll8E

26

悪魔「ケケケ、テメエにはここで死んでもらうぜ!」

モバP「くそ、ここまでか」

雪美「……P!」

モバP「雪美、来るな逃げろ!」

悪魔「嬢ちゃんはコイツの後だ。まずは大事な男の情けない死に様を見てな」

雪美「……!」

ザクッ

モバP「ぐっ……!」ガクッ

悪魔「おっと、急所は外したか。だが次でおしまいだ」

雪美「P……血が……!」

雪美「やめて……私が……代わりに……なるから……」

悪魔「おお、その迫真の表情はガキながら名女優だ」



56: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/11/03(土) 16:38:55 ID:w6TDll8E

悪魔「だがな、テメエの代わりなんてここには山といるぜ?」

雪美「……!」

悪魔「正確には、”いた”んだがな。ギャハハハ」

雪美「」

ツー

悪魔「ショックで放心状態か。最高の眺めだ」

悪魔「おっと、話が長くなっちまった。じゃあな、あの世でアイドル達と仲良くやってな」

雪美「……」ズズズズズ

悪魔「あん?」

雪美「……ゆるさない」

雪美「ザンマ!」ドウン

悪魔「げえっ!?」

グシャッ



57: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/11/03(土) 16:40:19 ID:w6TDll8E

パラパラ

雪美「P……P……」フラフラ

雪美「お願い……死なないで……」ギュッ

モバP「うう……雪美……?」

雪美「P……!」

その時の雪美は碧眼で、髪先が翼のように変化し、まるで魔物のような雰囲気を漂わせていた。

――

モバP「こうして雪美はモー・ショボーとして覚醒したのでした。続く」

雪美「///」テレテレ

千佳「雪美ちゃんかっこいい!」

仁奈「ワクワクするでごぜーます! 早く続きを聞きてーです!」

薫「せんせぇ! それ本当なの? 本当なの?」


ちひろ「小学生たちにいいかげんな話をするな」



58: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/11/03(土) 16:41:50 ID:w6TDll8E

27

ガヤガヤ ワイワイ

モバP「最近は日が落ちるのも早くなったなあ」

プロデューサー マタネー カゼヒクナヨー ハモミガケヨー ワハハ

モバP「歯くらい磨くよ! おー、じゃーな」

パタン

シーン

モバP「……アイドル達が帰ってしまうと部屋の温度が一気に下がってしまう気がするな」

モバP「さて、仕事すっぺか」

ガサッ

モバP「ん?」

雪美「……!」ビクッ

モバP「えっと……佐城、だったか。どうした?」



59: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/11/03(土) 16:42:52 ID:w6TDll8E

――

モバP「なるほど。まだここの雰囲気に溶け込めていない感じがする、か」

雪美「……」

モバP「まだ入って間もない新人さんなら仕方もあるまい」

モバP「かくいう俺もまだプロデューサー歴は浅い方でな。慣れないことも多いよ」

雪美「……」

モバP「共に精進していこう、友よ。……なんつってな」

雪美「……?」キョトン

モバP「ああくそ、オヤジギャグにするつもりじゃなかったのについ言葉の流れで」

雪美「……ふふっ」

モバP「ん? 佐城、今笑ったな?」

雪美「……?」キョトン

モバP「はぐらかされてしまった」



60: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/11/03(土) 16:44:09 ID:w6TDll8E

モバP「……」

雪美「……」ジッ

モバP「……?」

雪美「…………あの……」

モバP「ん?」

雪美「……私……喋るの……苦手……ダメ……?」

モバP「そんなことはないよ。静かなりの空気感というのも良いもんだ」

モバP「仕事柄、あまり好き嫌いを挟むと差し支えるから公言はしないが、どちらかと言えば俺は静かな方が好きだし、喋るの苦手よ」

雪美「……」ジトッ

モバP「これだけ一方的に喋ってたら信用ないかぁ」

雪美「……変人……」

モバP「澄ました顔して言ってくれるなぁ」



61: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/11/03(土) 16:49:05 ID:w6TDll8E

雪美「……はー……」

モバP「佐城も寒いのか。どうも俺だけじゃなかったようだ」

雪美「……」ジッ

モバP「この膝掛けに何か用か? いやいや分かってる。ここは名残惜しいが世の為人の為レディーの体の為――」

雪美「……でも……あなたの……」

モバP「アイドルに貰ったから使ってるだけだ。遠慮しないで良いぞ」

雪美「……なら……一緒に……使おう……」ススス

モバP「やけに積極的だな。まあ良いか」パサッ

雪美「……」

モバP「こうしてじっくり話をするのは初めてだったが、なかなか楽しいもんだな」

雪美「…………ありがとう……」



62: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/11/03(土) 16:51:22 ID:w6TDll8E

――

雪美「……P?」

モバP「ん……雪美か。何か白昼夢でも見ていたのかな? ボーっとしてたわ」

雪美「……大丈夫……?」

モバP「ああ」

モバP「しかし、もうすっかり秋も深まったなあ。雪美との出会いも秋だった」

雪美「……?」

モバP「秋だったよな? ずいぶん昔のことのように感じるが……何年前か」

雪美「…………」

モバP「ん……いてて、思い出そうとすると頭痛がする。大事なことのはずなのに」

雪美「……私も……よく……思い出せない……Pと……あれ……?」


モバP「やめよう。目の前にいる雪美が消失しそうな気がする」



63: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/11/03(土) 16:54:13 ID:w6TDll8E

28

モバP「もやしって意外と美味いよな」

みく「にゃ? もやしってサカナ?」

モバP「えぇ……。あのねぇみくさん、いくら俺が意地悪だからって何でも魚の話題から振る訳じゃないって」

みく「分かってるよ! というか意地悪は改めるべきだけどにゃ。……えっと、あのもやしだよね?」

モバP「そう。手軽に調理できて、シンプルな味付けにも合うし、最近よく食べ――」

みく「Pチャン……みくで良かったら今度ごはん奢ろうか?」

モバP「それはありがたいが、別にもやしだけしか食ってない訳じゃないぞ」

みく「アイドルもプロデューサーも体が資本だにゃ。偏った食生活は良くないよ」

モバP「袋入りの蒸し焼きそばとかも好きです。あれ安くてねぇ。あとは豆苗?」

みく「あああ~ダメダメダメ」

モバP「コスパ良い割には美味しいから大丈夫だよ」b

みく「かな子チャンのアイデンティティがやんわり汚されているにゃ!」



64: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/11/03(土) 16:57:48 ID:w6TDll8E

みく「もう! Pチャンはお嫁さんいるんだから、もっと自分を大事にするべきにゃ!」

モバP「お嫁さん?」 ガチャ

雪美「……P……と……みく……お話、してるの……?」

みく「噂すれば本人登場。そう、お嫁さん」ポン

雪美「……」 ←お嫁さん

モバP「そうなの?」

雪美「嫁さん……違います……」

みく「息ぴったりだにゃ」

モバP「じゃあみく、魚料理食いに行こうぜ。偏った食事は良くないからな」

みく「……そう来る?」ガシッ

モバP「……こう来ます」ガシッ

ググググ


雪美「……かっこいい……」



65: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/11/03(土) 16:59:41 ID:w6TDll8E

29

ガチャ

モバP「ただいま戻りました」

雪美「……戻りました……」

ちひろ「あっ、お疲れ様です」

ちひろ「おや、また仕事の合間に手繋ぎデートですか?」

モバP「安心してくださいちひろさん。もはや日常なので」

ちひろ「大丈夫かなこの人」

雪美「……手……繋ぐと……脈まで……一緒に、なれる……感じ……」

雪美「ちひろさんも……手を……繋いで……まぁるく、なろう……」

ちひろ「えっ、それはちょっと恥ずかしいです」

モバP・雪美「……」


ちひろ「無言で期待の眼差しを向けるのはやめてください」



66: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/11/03(土) 17:04:21 ID:w6TDll8E

30

モバP「今日の雪美さんは伊達メガネとベレー帽か」

モバP「カーディガンとチェックのロングスカートも洒落てるな」

雪美「……」キラキラ

モバP「どれ、まだ時間があるからそこらの店でカフェラテでも飲んでいくか」

雪美「……」コクリ

雪美「……P……」

モバP「何ざんしょ?」

雪美「……ふふっ、……やっぱり……なんでもない……」

モバP「そうか」

雪美「……」ジッ

モバP「……お手をどうぞ」スイッ

雪美「……うん」ギュッ


通りすがりの美嘉「うわあ……///」



69: ◆ORDERq/08U 2018/11/10(土) 16:59:27 ID:DBLZ./m2

31

雪美「……」

モバP「……」

雪美「……」チョイチョイ

モバP「……?」

雪美「……」チラッ

モバP「……」b

ナデナデ

雪美「……♪」

サラサラ

雪美「……」ハフー

ヨシヨシ

雪美「……」ウットリ


ちひろ(喋れねえ)



70: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/11/10(土) 17:01:21 ID:DBLZ./m2

32

モバP「おお、そんなに目を細めて」サスサス

ペロ「ゴロゴロ」

雪美「……ペロ……気持ち良さそう……」

モバP「喉を撫でられると俺でも多分こうなるな」サワサワ

雪美「…………」

雪美「……P……私も……のど……」

モバP「撫でたいのか?」

雪美「…………なでて……ほしい……」

モバP「そいつぁ予想外だ。いいぞ」

ツツッ

雪美「……あっ……んっ……」


ちひろ「いやらしいのでアウトと判定しました」



71: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/11/10(土) 17:07:31 ID:DBLZ./m2

33

雪美「……」パラッ

ちひろ「雪美ちゃん、お膝の上で本を読んでいるんですね」

モバP「没頭していて文香モードですよ」

ちひろ「一つ疑問なんですけど、膝ってそんなに座り心地が良いものなんでしょうか?」

モバP「どうですかね。小さい時はよく父親の胡座に乗っけてもらっていました」

ちひろ「物心つく前ですか。確かに入園前までくらいなら収まりも良いと思うんです」

モバP「そう言うならちひろさん、後で試してみますか?」

ちひろ「嫌ですよ」

モバP「一応、暑くない時は間にクッション挟んでみたり工夫はしています」

ちひろ「……プロデューサーさんは順調にイス化していっていますね」

モバP「イスというか、電話子機の充電器みたいだと言われます」


雪美「……♪」パラッ



72: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/11/10(土) 17:16:38 ID:DBLZ./m2

34

コロッ

モバP「おっと、ペン落としてしまった。奥に行ったか? んーこの辺かな」ピトッ

乃々「そこは私のすねなんですけど……」

モバP「」

モバP「」

モバP「――はっ……!? びっくりした。素で気づかんかった。心臓止まるかと思ったわ」

乃々「すみません……でも、あの……もりくぼ、狭い所落ち着くんです」

モバP「乃々の生態は面白いな。机の下が好きな生物は他にもいるが」

乃々「プロデューサーさんに珍妙な動物扱いされるなんて、ううう……生きてく勇気をください」

モバP「そこに居場所を構えられるだけで充分逞しいから自信を持ちたまえ」

モバP「で、どうした? 用事? というか床に座るのは体冷えないか? あ、座布団敷いてるか。でもせっかくだから出てきな森久保ォ!」

乃々「むーりぃー……」



73: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/11/10(土) 17:18:59 ID:DBLZ./m2

――

チャリン

モバP「おっと、小銭落としてしまった。どれ、この辺なら良いんだが」サワッ

美玲「そこはウチの手だッ!」

モバP「」

モバP「」

モバP「――はっ……!? まさか二日連続で来るとは思いも寄らずよ。金切り声を上げそうになったわ」

美玲「オマエ結構臆病だな。おばけとか苦手か?」

モバP「お言葉ですが、怖いのと吃驚するのはちょっと違うからな。不意打ちは卑怯だ。大抵誰でもこうなる」

美玲「なら訂正してやる。オマエはもっと身の周りを警戒しろ」

モバP「いやぁ、さすがにここに儂のタマまで取ろうなんて奴ぁおらんやろ~」

美玲「本当にそうか……?」 エッヤダコワイ



74: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/11/10(土) 17:22:21 ID:DBLZ./m2

――

コロリン

モバP「おっと、ツナマヨおむすびを落としてしまった。開封前で良かったぜ」ムニ

輝子「そこは、私のふともも……」

モバP「」

モバP「」

モバP「――はっ……!? いや何となく予想はしてたがまさかね。というかすまない親友」

輝子「別に、いいぞ……。侵入されるの、好きだから……」ヤメロォ

モバP「というか何で太ももに手が当たってしまった?」

輝子「……Pが、手を伸ばしてくると思って、わざと正座していたんだ。……ハニートラップ……フヒ」

モバP「しかもミニスカか。……あまりそっち方向に誘い受けしないでくれよ。セクハラだぞ。俺が」

輝子「すまない……でも、情熱的なストロークだった」ヤメロッテバ



75: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/11/10(土) 17:25:40 ID:DBLZ./m2

――

モバP「あたしゃすっかり身に染みたよ。もう机の下をよく見ないまま手を突っ込んだりしないぞ」

美玲「賢明だな」

乃々「……でも」

輝子「……うん」

モバP「さあ、今日から席に着く前に中を確認だ。どれどれ、っと」ジロ

雪美「……」

雪美「……」ウルウル

モバP「」

モバP「」

モバP「――はっ……!? 雪美の涙目を見てしまうなんて罪悪感に満たされる……!」

モバP「あのー……雪美、さん?」

雪美「……私には……インディヴィジュアルズと……同じこと、させて……くれない……の?」

モバP「そんなことないぞ! ……よし、何も無かった! じゃあ仕事するか!」



76: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/11/10(土) 17:28:02 ID:DBLZ./m2

――

ニャッ

モバP「おっとペロよどこへ行く。机の下か……そんな所に入るのは良くないぞっと」

モバP「んー、そこにいるのかー? 手で探っちゃうぞー?」パシッ

モバP「おうっ!? 捕まった?」

グイグイ

モバP「わわっ、引っ張るな引っ張るな。こんないたずらをする奴はどいつだぁ?」ジロ

雪美「……きて」 エッ

ズルズル ワー ニャー

美玲「……プロデューサーが」

乃々「机の下に……」

輝子「引きずり込まれた……」


美玲・乃々・輝子「見なかったことにしよう」 ガタッ ンッ モット...



77: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/11/10(土) 17:30:13 ID:DBLZ./m2

35

キャッキャ ワイワイ

ちひろ「小学生たちは元気が良いですよねえ」

モバP「薫とかみりあとかバイタリティに溢れている感じですね」

雪美「……ちょっと……羨ましい……」

モバP「でも雪美さんも本気を出せばすっげーヤバいっすからね。マジパネェっすよ?」

ちひろ「どういうリスペクトの仕方ですかそれは」

モバP「スタミナあるんですよ。お仕事のご褒美で一日フリーで付き合った時は大変でした。健脚です」

雪美「……アイドル……だから……」フンス

ちひろ「アイドルこわい」

モバP「アイドルとはいったい……うごごご」

ちひろ「そういうあなたもそのアイドルたちを一人で面倒見ているんですから、人間離れしていますけどね」



78: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/11/10(土) 17:32:02 ID:DBLZ./m2

雪美「……P」

モバP「ん?」

雪美「……長生き……して……?」

モバP「何かそう心配されると不安にならなくもないが、そのつもりだよ」ナデナデ

モバP「みんなに対して大人と子どもという区別をして話をするのはあまり好きじゃないんだが」

モバP「子どもの時間と大人の時間は感じ方が違うと思う」

モバP「若ければ若いほど積み上げた人生経験が少ない分、一日が長くなる」

モバP「だから雪美。もし一日が長くて元気を持て余しているのなら、また遊びに行こう」

雪美「……いいの?」

モバP「なるべく付き合うよ」

雪美「……約束」ギュッ

ちひろ「またそうやって甘やかすんですから」


ちひろ「末永く爆発しろ」



79: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/11/10(土) 17:33:57 ID:DBLZ./m2

36

モバP「ふむ、今日のステージ衣装はナース……じゃないな」

雪美「……」キラキラ

モバP「ナースキャップにパジャマっぽいワンピースに、ポニーテール」

モバP「夢核かな?」

雪美「……ふふっ」

モバP「ここなんて小梅みたいな袖余りだな。これが巷で言う萌え袖ってやつか」

雪美「……こういうの……好き……?」

モバP「ブカブカでルーズ、でもそれに癒される。たまんねえぜ」

モバP「それにしても、雪美も夢の中ではハイテンションだったりするのか?」

雪美「……そこそこ……ハイテンション……」

モバP「そっかー。見てみたいな、そんな雪美も」


雪美「Pと……夢で、会えたら……それはもう……あんなことや……こんなこと……する」



80: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/11/10(土) 17:38:43 ID:DBLZ./m2

37

モバP「食パンを牛乳にひたします」ヒタヒタ

モバP「次に溶き卵にひたします」スッ

モバP「バターを温めたフライパンで表裏、焼きます」ジュー

モバP「お皿にとってナイフで斜め半分に切り、ハチミツでもかけます」トローリ

モバP「めしあがれ」コト

雪美「……いただきます」

雪美「…………」モクモク

雪美「……Yummy……」グッ

ちひろ「唐突に何やってるんですか」

モバP「雪美と英語の勉強がてらクレイマー・クレイマーを視聴していたらフレンチトーストが食べたくなりまして」

ちひろ「この人たちは……」


みちる「美味しいですね」モグモグ オマエイツノマニ!?



83: ◆ORDERq/08U 2018/11/17(土) 17:27:16 ID:jbsntewE

38

モバP「やあゆきみさんゆきみさん」

雪美「……?」

モバP「スタミナドリンクはあるかい?」

雪美「……はい……」つ赤まむし

モバP「にょろーん……ヘビだけに」

雪美「…………く……くくっ」プルプル

モバP「あっ……」

雪美「……! ……っ!」ペシペシ

モバP「すまない。ちょっとした出来心だったんだ」

雪美「……ふー……はー……、……ゆるさない」

モバP「膝を貸すからどうか勘弁してくりゃれ」

雪美「………………ゆるす……」ポスッ


ちひろ「そのドリンクは回収します」ハイライトオフ



84: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/11/17(土) 17:29:09 ID:jbsntewE

39

雪美「……P」

モバP「あら、雪美はん。どないしはったん?」

雪美「……私を……かっこよく……誘って……?」

モバP「おお、なかなか難題を吹っ掛けてくるようになったな。良いだろう」

モバP「……」コホン

モバP「佐城雪美さん――俺と最悪な時間(bad time)を過ごさないか?」キリッ

雪美「……」

モバP「……」

雪美「……30点」

モバP「Oh! Mamma Mia!」

雪美「……やっぱり……いつもみたいに……気さくな方が……好き……」


ちひろ「気さくすぎるんだよなぁ……」



85: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/11/17(土) 17:32:38 ID:jbsntewE

40

モバP「雪美さん」

雪美「……なぁに……?」

モバP「雪美さんっていいにおい……ってね」

ちひろ「そんな童謡ありましたね」

雪美「……どんな……におい……?」

モバP「洗濯、シャボンの泡、分かりやすく言うと石鹸の香りがするね」

雪美「……当たり」

モバP「今はフレグランスもいろいろあるが、やっぱりこの香りは風呂上がりを想起させるな」

雪美「……確かに……」

ちひろ「お風呂上がりの女の子は必殺の威力がありますからね」

モバP「泊まりの仕事で旅館、温泉、浴衣、しっとり潤った髪……条件付けられそうです」

ちひろ「一体何に刷り込まれているんですかね」



86: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/11/17(土) 17:34:09 ID:jbsntewE

雪美「……Pは……他に……どんなにおいが……好き……?」

モバP「王道だが柑橘系かな。ふとした時にパッと香ってくるととても爽やかだ」

雪美「……みかん……むいた時……好き」

モバP「良いよなあ、あれ」

ちひろ「はい! 私今日は柑橘系です!」

雪美「……本当だ……いいにおい……」

モバP「ちひろさん+柑橘系だと、酢橘、カボス、シークヮーサー、ライム、ヘベス、スウィーティーってイメージですね」

ちひろ「何で皮が緑色のやつばかり並べるんですか。緑色は好きですけど」

雪美「……ヘベス? ……フォボス……ディモス……」

モバP「それは火星の衛星やないかーい」

雪美「……てへぺろ」

モバP「」キュン



87: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/11/17(土) 17:35:44 ID:jbsntewE

ちひろ「ちなみにヘベスとは宮崎で栽培されている香酸柑橘です」

ちひろ「この前、礼さんに作ってもらったヘベスサワー、美味しかったなあ」

モバP「礼さんは地元が宮崎ですからねえ。じゃあ、緑分を補給して元気出たんじゃないですか?」

ちひろ「私を緑色の何かが構成している集合体みたいに言わないでください」

雪美「……Pは……においで……元気に……なれる……?」

モバP「なれる。でもにおいはあくまで補助の役割であってほしいかな」

モバP「言葉よりも行動、というのと似たようなもので、みかんの香りがするならみかんを食べたい」

雪美「……ふふっ、……花より……団子……」

ちひろ「言葉よりも行動、ですか。例えば?」

モバP「”愛してる”の、その響きだけで僕は強くなれる気がしていたのかなぁ……ということです」

ちひろ「チェリーとスラムダンクの谷沢を混ぜないでください」

雪美「……P」 ン?


雪美「……じゃあ……私の……におい……つけて良い……?」 キュン



88: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/11/17(土) 17:40:41 ID:jbsntewE

41

モバP「一張羅のスーツがくたびれてきたなあ」

凛「新しいの買うの?」

モバP「そろそろな。どんなの買おうかな」

雪美「……白……?」

モバP「結婚式かな? 目立ちすぎるよ」

凛「中は赤シャツでね、かなりワルい感じで行こうよ」

モバP「桐生一馬かな? 仕事できねえよ」

紗枝「髪は角刈りにして、黒地に白のピンストライプでどうですやろ?」

モバP「君らは俺をその筋の人に仕立て上げたいのかい」

ありす「いっそ、前面スーツで背面全裸で行きましょうか」

モバP「びんぼっちゃまくん!?」


雪美「それは……恥ずかしい……///」 イメージスルナ



89: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/11/17(土) 17:43:01 ID:jbsntewE

42

モバP「雪美さんや、学校は楽しいかい」

雪美「……うん……みんな……よくしてくれる……」

モバP「そっかー。俺も、学校に行っていた頃があったんだよなあ……」

雪美「……どんな子……だった……? 聞きたい……」

モバP「大人しく過ごしていたよ。図書館が好きでねえ、本をよく読んでいた」

文香「ほうほう……」

モバP「ひょっとしたら文香は分かるかもしれないが、高校の図書館はカタくて合わなかったな」

文香「……そうですか? ……まあ、参考書とか専門書とか、大人向け・勉強向けが増えますから」

雪美「……絵本とかは……ない……?」

モバP「それはね。中学校には多かった小説も少なくてがっかりした記憶がある」

文香「……読まず嫌いは勿体無いです。どのジャンルの本でも、そこから得られる知識は大切ですから」

モバP「そうだな。高校の頃は少し荒んでいたか」



90: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/11/17(土) 17:49:16 ID:jbsntewE

モバP「ああそうだ、小学校前半はよく覚えていないが後半は、歌うことも好きだったな」

雪美「……音楽の……授業……」

文香「……今のお仕事に通じるものがあるのでしょうか?」

モバP「うん。でもな、男子は声変わりしてしまうんだよ」

モバP「女の子のような高い声が出せなくなって、その時は変わらない女子が羨ましいと思った」

モバP「合唱ではソプラノが主旋律で男声がハモりなのは個人的に不満だったし」

モバP「今でも邦楽のキーの高い挑戦的な曲とか聞くと、歌ってやろうという対抗意識が疼いてしまう」

文香「……えと、あ、熱い、ですね」

雪美「……でも……低い声も……かっこいい……」

モバP「……ヒトって自分に無い物を求めてしまうのかねえ。声高いと低さを、低いと高さを」

文香「……かもしれません」

文香「あ、プロデューサーさん。今度みなさんと一緒に……カラオケに、行ってみませんか?」

モバP「カラオケかぁ……良いぞ。現役アイドルには負けん!」


雪美「……一緒に……ホウキ雲……歌おう……」



91: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/11/17(土) 17:52:45 ID:jbsntewE

43 

モバP「世間ではぶどうの飲み物が解禁したな」

杏「そこはボジョレーって言いなよ」

モバP「という訳で我々はぶどうジュースでも飲もうか。乾杯」

雪美「……乾杯」

杏「乾杯。プロデューサーのユルさは折り紙付きだね」

ゴクゴク

モバP「ぶどうにはポリフェノールが含まれているぞ。ワインよりは劣るらしいがな」

モバP「だが諸君、私は多数派には屈しない。ワインを飲めない人用にジュースを用意してくれる人の気遣いが好きだからな」

雪美「……?」

杏「ああは言うけどねー、この前なんてライチジュース飲んでぶどうっぽいなとか言ってたよ」

モバP「やめたまえ恥ずかしいではないか」


雪美「……ふふ……楽しい……」ゴクゴク



92: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/11/17(土) 17:55:10 ID:jbsntewE

44 

ありす「外を歩けば、冷え込みを感じる今日この頃ですね」

モバP・雪美「……」ジッ

ありす「どうしたんですか、Pさんに雪美さんも」

モバP「……女性ってさ、マフラーやハイネックコートで首から顎、口元あたりまで隠していると、こう、ミステリアスな感じがしない?」

雪美「……する。……マフラーのありす……大人っぽい……」

ありす「えっ……と、唐突に何ですか!」

モバP「昔から、首元は女性の魅力を感じるポイントの一つだな。うなじとか鎖骨とかも含む」

ありす「うう……///」

ありす「ゆ、雪美さんも、かなりミステリアスですから」

雪美「……ありがとう。……でも……そう言われるのは……慣れている……」

ありす「うっ、これが熟練者の余裕ですか……」



93: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/11/17(土) 17:57:07 ID:jbsntewE

ありす「そもそも隠しているのにそれが魅力だなんて……」

モバP「隠すから燃え上がる――良いじゃないか」

ありす「何だかいやらしいです。小学生をそんな目で見ているんですか? 通報しますよ?」

モバP「おう、生意気なことを」ワシャワシャ

ありす「むぎゃー!」

雪美「……P……私は……どう……?」

モバP「ニットワンピースだもんな。そりゃあ、ねえ?」

ありす「はい」

雪美「……」キラキラ

モバP「率直に言って」

ありす「興奮しますね」

雪美「……」


雪美「……///」ポッ



94: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/11/17(土) 17:59:50 ID:jbsntewE

45

モバP「仕事で行き詰まった時、外を歩いてみると、良い発想が生まれることがある」

モバP「気分転換自体が薬になるし、新たな発見があれば尚良しだ」

雪美「……P……行き詰まり……?」

モバP「気分転換したいだけっス」

雪美「……転換……しすぎに……気をつけて……」

モバP「ああ。やりすぎると大事なことまで頭から抜けてしまいかねないからな」

ブーン パー ブロロロロ

雪美「……Pは……いつも……車道側……」

モバP「別に相手に因る訳じゃないぞ。俺は室内では窓側、屋外では車道側が好きなんだ」

雪美「……」ジーッ

雪美「……そういうことに……しておく……」ギュッ


通りすがりの美嘉「……いい……」



96: ◆ORDERq/08U 2018/11/24(土) 19:50:39 ID:rsww8ZHw

46

モバP「これがかの有名な○○○○しないと出られない部屋か」

雪美「……」

モバP「全体的に白くて無機質感があるな。コールドスリープカプセルとかありそうだ」

ガチャン

モバP「……あれま」

雪美「……開かない……」ガチャガチャ

モバP「閉まったねー。こりゃしまった」

雪美「……」ペシ

モバP「多分隠しカメラでこっちを見ているんだろう? 仕方ない。ちょっと○○○○するか」

雪美「……本当に……する……の?」

モバP「ああ。こうなったら、大人の○○○○を見せてやる」


モバP「このたびは羽目を外し過ぎまして、本当に申し訳ございませんでした」

は ん せ い



97: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/11/24(土) 19:53:20 ID:rsww8ZHw

47

モバP「……気がつけば雪美が膝に乗っているのが当たり前になったなあ」

雪美「…………」

雪美「………………」

モバP「今日の雪美はやけに静かだな。まあ、良いが」

雪美「……」スッ

モバP「……ん、降りるのか?」

トッ

ペロ「ニャー」

モバP「……??? 膝から降りた雪美がペロになっちまった? 何で?」

――

モバP「うーん……ペロ……待ておま……Zzz」 ニャー


ちひろ「プロデューサーさんのお腹の上に乗っているペロ、ペーパーウェイトみたい」



98: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/11/24(土) 19:55:27 ID:rsww8ZHw

48

雪美「……」ヒシッ

ちひろ「雪美ちゃん、どうしたんですか?」

モバP「怖い夢を見たらしいです。家に帰り着けなくて独りぼっちだったと」ナデナデ

ちひろ「なるほど。何か漠然と怖いですね、そういうの」

モバP「意味ありげに思えちゃうんですよね。それで夢占いを調べてみたりして」

ちひろ「でも、実際はただの記憶の整理なんでしょうけどね」

モバP「夢がないこと言いますね。夢ですが」

ちひろ「くだらないこと言わない」

雪美「……P……もっと……」

モバP「おーよしよし」ナデナデ

モバP「帰れなくなると言えば、ドラえもんの”すて犬ダンゴ”を思い出しますね」

ちひろ「”どくさいスイッチ”とか”うつつまくら”のようなじわじわくるトラウマ回ですか」



99: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/11/24(土) 19:57:36 ID:rsww8ZHw

ちひろ「プロデューサーさんはすて犬ダンゴされても生き延びますよね?」

モバP「やめてくださいよ。ジプシー生活には憧れが無くもないですが、家に帰れなくなるとか泣きます」

雪美「……Pも……泣くこと……ある……?」

モバP「理由は様々だがそれはあるとも。特に夢の中では大泣きしたり、喜怒哀楽が激しくなるね」

ちひろ「それ、感情を発散できない現実に不満を溜め込んでいるんじゃないですか?」

モバP「それっぽいこと言わないでくださいよ。発散しちゃいますよ?」

ちひろ「おっ、図星ですかぁ?」

雪美「……ふふっ」

モバP「どうやら、少しは元気が出てきたか」

雪美「……まだ……足りない……。……今日は……いっしょに……いて」

モバP「しょうがないにゃあ……」

ちひろ「やめい」


雪美「……あと……お風呂と……布団も……いっしょに……」ボソ



100: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/11/24(土) 19:59:07 ID:rsww8ZHw

49

モバP「あぁ……一度猫を飼ってみたいな。名前は画鋲丸にするんだ」

ちひろ「ネーミングセンスが酷すぎる。まず、責任持って飼えますか?」

モバP「お母さんみたいなこと言わないでくださいよ。今の生活だとなかなか難しいのは分かっています」

ペロ「ふなー」

雪美「……Pは……飼わない方が……良い……って……言ってる……」

モバP「ペロに言われちゃ仕方ないか。でもどうしてだい?」

ペロ「みゃ」

雪美「…………猫と……心の距離が……近い……から」

モバP「やたら懐かれるからなあ。適度な距離感で世話するのには向いていないか」

ペロ「みゃーみゃー」

雪美「……!」

モバP「どうした?」



101: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/11/24(土) 20:01:15 ID:rsww8ZHw

雪美「……」

雪美「……でも、仕方ないから……私が……飼われてやっても……いい……」

雪美「……べ、別に……あんたのことが……好きだとか……そんな訳じゃ……ないんだからね……」

モバP「このこまさかの」

雪美「…………後半は……盛った……」

モバP「驚かせおって。そもそもペロは雪美が面倒を見ているのだからな。俺が取り上げる訳にはいかん」

雪美「……」ジッ

ちひろ「……」ジトッ

モバP「えっ」

ちひろ「……はぁ」

雪美「……みんなで……いっしょに……暮らせば……飼える……」

モバP「そうかその手が! ……ちひろさん、佐城家に婿入りしても良いですかね?」


ちひろ「良い訳ないでしょ?」 デスヨネ



102: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/11/24(土) 20:02:50 ID:rsww8ZHw

50

モバP「有無を言わさない事後承諾ってあるよな」

あやめ「ありますね」

雪美「……例えば……?」

モバP「おお、あやめさん。ちょうど良かった。おめえさんに頼みてぇことがあるんだ」

あやめ「おやPさん。わたくしで良ければ、何なりと」

モバP「ちょいとなぁ……」

ブスリ

あやめ「」

モバP「死んでもれえてぇ」

ドサッ

あやめ「って何であやめが殺られるんですか!」シュタッ

モバP「おお、あやめは跳ね起きが上手だな。スカートでやるのは感心しないが」

あやめ「っ!? ///」バッ



103: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/11/24(土) 20:05:06 ID:rsww8ZHw

あやめ「」プシュー

モバP「というような感じかな」

雪美「……心得た……」

雪美「……P……ここに……座れ」

モバP「はい」

ポスン

雪美「……この膝は……妾のものじゃ……よいな?」

モバP「はっ」

雪美「……」

雪美「……何か……恥ずかしい……///」

モバP「これは良い事後承諾だな」

イチャイチャ


あやめ「むむむ、ずるいですよ! あやめも雪美ちゃんを膝に!」 エ、ソッチ?



104: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/11/24(土) 20:06:45 ID:rsww8ZHw

51

雪美「……P!」タタタ

ガバッ

モバP「おーおー雪美よ、久しいな。レッスン帰りかな」

雪美「……うん」

モバP「最近会う時間がなくてごめんな? 寂しかったろう」

雪美「……アイドル……楽しいから……平気」

モバP「そりゃあ良かった。どれ、楽しい表情をよく見せてごらん」

雪美「……」ニカ

モバP「おお眩しい眩しい。……ところで今日はプルオーバー、ショートパンツ、レギンスか。活発でよろしい」

雪美「……」パサッ

雪美「……にゃー」キラキラ

モバP「何と、猫耳フード付き! ありがたやありがたや」


ちひろ「拝むな」



105: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/11/24(土) 20:08:48 ID:rsww8ZHw

52

雪美「……」(-_-)ウトウト

ちひろ「プロデューサーさんってウサミン好きなんですか?」

モバP「えっ」

ちひろ「さっき偶然目に入ったスマートフォンのロック画面が菜々さんになっていましたけど」

モバP「いや、あれは只のうちのおばあちゃんです」

ちひろ「ええっ!?」

雪美「っ!」ビクッ

モバP「しーっ」

ちひろ「あっ……ごめんなさい雪美ちゃん」

ちひろ「若すぎるでしょ……エルフか何か? そんなオカルトありえません」

モバP「メイクと角度と照明と編集でそれっぽく見せているだけです。実は本人でしたなんてファンタジー展開はありません。安心しました?」

ちひろ「安心しました」


雪美「……」ウツラウツラ



108: ◆ORDERq/08U 2018/12/01(土) 18:34:45 ID:9K6yUtHg

53

モバP「雨が降っているね」

雪美「……うん」

モバP「こういう秋の物悲しさに雨とくると、頭の中に大抵、あるBGMが流れる」

雪美「何……?」

モバP「エリック・サティのグノシエンヌ第1番」

雪美「……?」

モバP「ピンと来ないか。まあ聞いてみると良い」 ハイ、スマホ

――

雪美「……」

雪美「……膝、良い……?」ズーン

モバP「良いよ。雪美も結構感受性が豊かだなあ」ポスン


ちひろ「私はジムノペディの方が好きです」



109: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/12/01(土) 18:36:29 ID:9K6yUtHg

54

雪美「気づいて……私……ここにいる……」コソッ

モバP「ん? どうした雪美。物陰からこちらを見つめて」

雪美「……」

雪美「……Pは……発見が……早い……」

モバP「もし死角で気配を消されたらそうは見つけられないよ。雪美は加減上手だ」

雪美「見つけて……もらえないと……こわい……から」

モバP「強く自己主張したくないけど見つけてほしい、という気持ちは分かる。相手に通じたら嬉しいもんな」

雪美「うん……」

モバP「しかし、かくれんぼは人によって性格が出るな」

モバP「見つけてもらうのが好きなタイプ、完璧に隠れきることを探求するタイプ、ギリギリのスリルを楽しむタイプなどな」

雪美「Pは……?」

モバP「隠れきりたいが途中で気力が尽きてやけくその鬼ごっこを始めるタイプだ」


ちひろ「私はいつお二人に気づいてもらえるでしょうか」



110: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/12/01(土) 18:43:50 ID:9K6yUtHg

55

モバP「まゆ。今日の仕事、よくこなしてくれた」

まゆ「うふふ……プロデューサーさんこそ」

パシッ パシッ グッ

雪美「……かっこいい」ジッ

――

モバP「それで雪美もハイタッチがしたいのか」

雪美「……」コク

モバP「では、まずは手遊びでもして息を合わせることから始めようか」

雪美「……」コク

モバP「せーの」

セッセッセーノヨイヨイヨイ アーループースーイチマ

モバP「……ん?」

雪美「……ん」



111: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/12/01(土) 18:46:29 ID:9K6yUtHg

「……」

モバP「おお、いきなりやれと言われても戸惑うか。そりゃそうだ、ガッハッハ」

雪美「手取り足取り……教えて……」

モバP「うちに任しときんさい!」

――

モバP「ふう……こんなもんか」

雪美「……楽しかった」

モバP「やったね! ハイターッチ!」スッ

パシッ パシッ グッ

モバP「おー、何か勢いで出来てしまったな!」

雪美「……うれしい」ニヘラ

モバP「雪美さんが嬉しいと、俺も嬉しいなぁ」


雪美「でも……これは、まゆの……。私だけの……欲しい……」 ヨッシャ! ヤッタロヤナイカイ!



112: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/12/01(土) 18:48:09 ID:9K6yUtHg

56

雪美「先輩……」

モバP「おや、雪美くんか。僕に何か用かな?」

雪美「先輩は……今年の……クリスマス……、空いて……いますか……?」

モバP「現在は予定は入っていない」フフン

雪美「……胸を張る……ところじゃ……ないです……」

雪美「だったら……私が……よ……予約……入れても……良いですか?」

モバP「分かった」

雪美「えっ……、そ、そんなに……軽く……請け負って……」

モバP「僕の一日を私にください、と言うのだろう? 快く受けようじゃないか」

雪美「……先輩…………、ふふっ……じゃあ、楽しみに……してますよ?」

モバP「良い笑顔だ。では、一緒に部活へ行くとしようか」

雪美「……はいっ」



113: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/12/01(土) 18:50:22 ID:9K6yUtHg

モバP「――演技の練習に付き合うのはなかなか恥ずかしいな」

雪美「……P……真剣に……やってくれた……」

モバP「そうかい? 他のアイドルとこれやるとキャラを勝手に濃くするなとか言われるが」

モバP「それにしても、敬語後輩良いよなあ。ましてや雪美みたいな子に誘われたらホイホイ付いて行っちゃう」

雪美「……Pと……同じ学校……イメージ……」

モバP「そして制服同士か……あぁ、雪美の先輩になりたかった」

雪美「……でも……先に卒業されると……寂しい」

モバP「じゃあ、雪美と同級生なら……?」

雪美「P……学校に……遅れるよ?」

モバP「幼馴染か。良いなそれ」

雪美「手を繋いで……登校……」

モバP「やだ滾るわ」

雪美「……でも……けんかも……しそう」



114: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/12/01(土) 18:52:04 ID:9K6yUtHg

モバP「じゃあ、雪美より年下だったら……」

雪美「……Pくん……ふふっ」

モバP「雪美おねえちゃん」

雪美「……」

雪美「……もう一回……言って」

モバP「雪美おねえちゃん?」

雪美「……」

雪美「……も、もう一回……」

モバP「もうダメです。恥ずかしい」

雪美「残念……」

モバP「雪美先輩、好きっス!」

雪美「! も、もう……Pくんったら……」


ちひろ「いっそ赤ちゃんまで若返ってしまえば良いんじゃないですかね」



115: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/12/01(土) 18:53:02 ID:9K6yUtHg

57

雪美「……ふー」

モバP「レッスン、頑張っているようだな」

雪美「!」サッ

モバP「むっ、いかがなされた?」

雪美「……汗……かいてる……」

モバP「はは、お年頃だな。なら先にこっちを渡そう。タオルだ」

雪美「ありがとう……」

モバP「……」

雪美「……」ジッ

モバP「拭いてほしいのか?」

雪美「……せくはら」

モバP「あっしが悪うござんした」



116: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/12/01(土) 18:56:42 ID:9K6yUtHg

雪美「ふふ……分かってる。……軽く、拭いて……ほしい」

モバP「合点承知の助」

――

モバP「そしてこれが水分補給用のドリンクだ」

雪美「感謝……」

モバP「夏場に比べて疎かになりがちだが、水分はこまめに取ろう」

雪美「ん……」チューチュー

加蓮「冬は乾燥するからね」

モバP「お、加蓮か。体調はもう良いのか?」

加蓮「大丈夫。それにしても、拭いてあげるなんて献身的だね」

モバP「見ていたのか」

加蓮「貧血の時の私にも遠慮なく、してくれたもんね?」ニヤ


雪美「……せくはら」 エエッ!?



117: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/12/01(土) 18:59:05 ID:9K6yUtHg

58

モバP「雪美が俺の席に座っている」

モバP「育ちの良いお嬢さんが着ていそうな白ブラウスと黒スカート」

雪美「……」キラキラ

モバP「雪美といえばこれ。物静かで清楚なイメージにしっくりくる格好だ」

モバP「膝に猫を乗せ優しく撫でる様は実に絵になる」

奈緒「ピアノとか弾きそうだな」

モバP「”猫踏んじゃった”とか?」

雪美「……猫は……踏んだり……しない……」

モバP「気づかれちった」

奈緒「ちった♪」

奈緒「……って、何言わせんだよ」 ノリノリジャネーカ



118: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/12/01(土) 19:00:55 ID:9K6yUtHg

雪美「……Pと、奈緒……どうしたの?」

モバP「せっかくそこに座っていらっしゃるので、こっちは隠れつつどこまで接近できるかを調査していた」

雪美「……いつもの……私と……同じ……ね」

奈緒「そうなのか? 半分は隠れる気なかっただろ」

モバP「わざと見つかりやすい不利な行動を起こして、ハイスコアを狙うって寸法よ」

奈緒「ハイスコアって何だよ」

雪美「それで……この状態は……?」

モバP「何とかグレイズかパリィできたかな?」

奈緒・雪美「……できてないです」

ストッ

モバP「どうした雪美。こっちに来て、手を取って、自分に誘導して……」

雪美「……P……つかまえた」ギュッ


奈緒「掴ませてるんだよなぁ……」



119: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/12/01(土) 19:03:24 ID:9K6yUtHg

59

モバP「仮眠室にプロデューサーがやってくる~♪」

のあ「」バーン

モバP「ああっ! のあさんがありすポーズで横たわっている!」

のあ「うっ……」

モバP「大丈夫そうですが一応大丈夫ですか!?」

のあ「不躾なことを言うのね……」スクッ

モバP「もしかして待ち伏せってやつですか?」

のあ「渇きよ……貴方はいつも揺蕩う小舟の様」

のあ「微かな……雪美の、蘭麝」ダキッ

モバP「」

のあ「魂筥に 木綿とりしでて たまちとらせよ 御魂上り 魂上りましし神は 今ぞ来ませる」



120: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/12/01(土) 19:04:52 ID:9K6yUtHg

ゾワッ

モバP「っ!?」

キョロキョロ

雪美「どうしたの……?」

モバP「お、雪美か……。何か今、変な”隙間”があった気がするんだよな」

雪美「……隙間? ……夢?」

モバP「そうかなあ。まあ、よく分からんが頭はすっきりしている」

ニャー

モバP「ん、猫の声か。ペロとは違うな」

雪美「……猫……いない……」

モバP「そうか? ……雪美さんが言うのなら、そうかなあ」


フフッ



121: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/12/01(土) 19:06:19 ID:9K6yUtHg

60

モバP「もう今年もあと一ヶ月か……」

ちひろ「あっという間ですね」

雪美「……」

モバP「まあそんなことを言っていられる内が華だな。師走は仕事も忙しい」

ちひろ「ですね」

モバP「雪美もこれから大変だろうが、思う存分、暴れてくださいよ?」

雪美「……まかせろー」

モバP「ははは、こやつめ」

ちひろ「仲睦まじいのは結構ですけど、他の子もきちんとフォローしてあげてくださいよ?」

モバP「分かっています。いざとなりゃ分身でも逆藍子でもしてやります」

モバP「あ、逆藍子ってのは精神と時の部屋みたいなもんですね」


ちひろ「えぇ……」



124: ◆ORDERq/08U 2018/12/08(土) 18:31:52 ID:Zr0AerXE

61

モバP「雪美さんにちょっと難しいことをやってもらおう」

雪美「何……?」

モバP「ホワイトボードにこのペンで”あまがみ”と声に出しながら”おむれつ”という字を書いてください」

雪美「了解……」キュポン

雪美「あ……ま……が……み……」キュッキュ

雪美「……上手く書けなかった……」

モバP「これはな、誰でもそうなるんや。多分」

雪美「……不思議」

モバP「マルチタスクが何だ。人間、シングルタスクでも良いじゃないか……と、勝手ながら思う訳です」

雪美「……じゃあ……シングルタスク……。Pに……あまがみ……する」

モバP「こらこら。なら、せっかくなんであまがみしながらおむれつは作れるのか調査してみるか」


ちひろ「タスクよりリスクを考えるべきですね」



125: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/12/08(土) 18:34:26 ID:Zr0AerXE

62

モバP「あらかじめ言うと、これはちょっと倫理・衛生的に問題がある発言になるかもしれないが」

雪美「……何?」

モバP「俺がこうして人差し指を立てます」

雪美「……うん」

モバP「そこにイチゴジャムを垂らすとします」

雪美「……うん?」

モバP「そしたら雪美はパクッと食いついてきてくれるのか、ふと好奇心が湧いたんだ」

雪美「……」

雪美「……P……そんな子に……育てた覚えは……ないのに」

モバP「おお神よ、私は何と罪深いことを。どうかお赦しください」


ちひろ「デスソース垂らして自分で舐めてな、ボーイ」



126: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/12/08(土) 18:37:20 ID:Zr0AerXE

63

ちひろ「プロデューサーさん、コスプレのアイデアをください」

モバP「自分から聞いてくるのか……」

モバP「希望で良いなら、じゃあ結月ゆかりで」

ちひろ「固有のキャラですか。難易度高いですけど何でまた」

モバP「直感ですがちひろさんならゆかりさんの雰囲気にアジャストしそうな気がします」

ちひろ「喜ぶべきか疑うべきか複雑ですね」

雪美「P……私も……」

モバP「じゃあ琴葉葵でどうかな」

雪美「……?」

ちひろ「こんなのです」 ハイ、スマホ

雪美「……ほー」

モバP「何なら水本ゆかりでも良いですよ」

ちひろ「所属アイドルのコスプレしてどうすんだ」



127: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/12/08(土) 18:39:10 ID:Zr0AerXE

ちひろ「まず、結月ゆかりってよく見たら結構煽情的な服ですよね?」

モバP「はい」

ちひろ「はいじゃないが」

雪美「Pは……首周りや……脇とか……好き……」メモメモ

モバP「そのメモを何に使う気だ」

ちひろ「もうちょっと制服、とか水着、とかそういう方向で無いですか? イベントと季節感に合わせて」

モバP「ありきたりだとこの時期ならミニスカサンタですか? でもなあ」

モバP「……よし。なら、しばらく前に流行った”アレ”なんてどうでしょう」ニヤリ

ちひろ「……な、なんですか?」ゴクリ

\童貞を殺すセーター/

ちひろ「……」

ちひろ「……」ハイライトオフ


雪美「……これ……背中……寒そう」 ギャー イタイデスチヒロサン!



128: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/12/08(土) 18:41:12 ID:Zr0AerXE

64

モバP「今年は戌年、来年が亥年」

モバP「アイドルを十二支に例えるなら誰なんだろう」

ちひろ「そういうのはチョコレート菓子やRPGの嫁論争みたいに不毛な争いを生みませんかね」

モバP「そうかな。じゃあ今パッと思いついた犬系アイドルと猪系アイドルだけ挙げてみよう」

モバP「召喚」

凛「犬飼ってる系アイドルだよ」

茜「今年いろいろありましたのでプロデューサーへのタックルは自重気味の猪系アイドルです!」

雪美「好きなもの……ベスト3は……ペロ……イチゴ……P……の猫系、アイドル……です」

ちひろ「十二支に猫はいないんですよねぇ」

雪美「……虎は……ネコ科……だから……」

モバP「虎だ! 虎だ! お前は虎になるのだ!」

雪美「がおー……」



129: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/12/08(土) 18:43:42 ID:Zr0AerXE

ちひろ「雪美ちゃんが虎系アイドルに進化するかもしれないことが分かったところで」

ちひろ「凛ちゃんは犬系じゃないんですか?」

凛「ハナコは好きだけど、私自身が犬系という自覚はあまりないかな」

凛「というか人によっては失礼になったりするからね。犬はまだしも猪系ってどうなのと」

茜「私は光栄です! 猪は鍋にすれば牡丹鍋、つまり私は牡丹系ということでもあります!」

凛「牡丹の花言葉は高貴・富貴・王者の風格、か」

モバP「猪のバイタリティーと牡丹の貴さを兼ね備えた素晴らしいアイドルという訳だな」

茜「照れますね! この情熱を昇華させる為にここは一つ、走ってきます! ボンバー!!」

「……」

モバP「茜が王様だったら多分前線で戦う王様なんだろうなあ」

雪美「……P、今夜は……鍋料理……食べたくなった」

モバP「おっ良いね。仕事終わったら買い出し行くか!」


凛・ちひろ「君たち同棲でもしてるの?」



130: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/12/08(土) 18:45:52 ID:Zr0AerXE

65

モバP「おはよう」

雪美「おはよう……」

モバP「ハハハ、今日も調子良さそうだな」

雪美「ハハハ……今日も……調子……良さそう……だな」

モバP「むむっ!」

雪美「むむっ……」

モバP「……ヘーイ! 今日も世界レベルに酔い痴れなさい!」

雪美「……ヘーイ、……今日も……世界レベルに……酔い痴れなさい……」

モバP「……」

雪美「……」

ポスン

モバP・雪美「……ふー」マッタリ


ちひろ「真似しない方が良いタイプの大人ですね」



131: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/12/08(土) 18:49:18 ID:Zr0AerXE

66

モバP「……」ナデナデ

雪美「……」ニコニコ

ありす「……」ムー

ありす「雪美さん。髪は女の命、というのに遠慮なく触らせすぎじゃないですか?」

雪美「……そう?」

ありす「決して私も、撫でてほしいとか、そういう訳じゃないですからね」

モバP「素直じゃない奴よのう、橘はん」

ありす「ありすです! ……おっと間違い、橘で良いんでした? ……いや良くないです!」

ありす「とにかく! 私も撫でてください!(錯乱)」

モバP「即落ち良いぞ~」オイデオイデ

ナデナデ

ありす「ううう……///」



132: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/12/08(土) 18:53:32 ID:Zr0AerXE

ありす「……これ、良いですね。Pさんは太陽の手の持ち主ですか」

モバP「俺はパン職人じゃないぞ」

雪美「P……私も……もっと……」

モバP「よしよし。いやあ、両手に花とはこのことよ」ナデナデ

ありす「で、実際のところPさんには、遠慮とか無いんですか?」

モバP「そりゃあ、撫でるのはこういうことを許してくれる親密な女性だけだな」

ありす「親密……悪い気は、しませんね」

雪美「私は……Pに……命を……預けている……だけ」

ありす「上には上がいる……」トオイメ

ガチャ

桃華「あら、いらしたのPちゃま。おや……わたくしも撫でてくださいまし」

莉嘉「あっ、いーなー! 私もPくんに撫でてもらうっ!」

ありす「……”親密な女性”、多いですね?」ジトッ


ちひろ「ここまで雪美ちゃんを膝に座らせていることについてはツッコミないんですねえ」



133: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/12/08(土) 18:55:25 ID:Zr0AerXE

67

モバP「雪美、イベントおつかれさま」

雪美「……」ニコ

モバP「コラボでPSO2のフォニュエールの格好だもんな。よく似合っているよ」

雪美「……」キラキラ

モバP「しかしまあ、よく作られてはいるが動き辛くなかったか?」

雪美「大丈夫……軽い……」

モバP「なるほどな……特殊メイクで耳なんかこんなに長くなっちゃって」

雪美「……ドキドキ……する?」

モバP「ドキドキ……どちらかというとワクワクかな。夢が広がる」

雪美「……なら、このままで……ちょっとだけ……」スリスリ

モバP「……そこまでされると、ドキドキもするなあ」 フフッ ハハハ


事務所のちひろ「お茶がうめェ」ズズズ



136: ◆ORDERq/08U 2018/12/15(土) 18:27:24 ID:AoEhmHFU

68

雪美「……」ジー

モバP「アンニュイというか、ポーカーフェイスな雪美さん」

モバP「見惚れるねえ」

雪美「……私も……あなたに……見惚れている……」

モバP「しかも所作が優雅」

雪美「……そう?」

モバP「こうして見つめ合っていても、飽きないものだね」

モバP「……その目の色は何と形容したら良いのか。茜色?」

雪美「赤茶……?」

モバP「レッドアゲートっぽくもある……どれ、もっと近くで見せておくれ」スッ

雪美「うん……」ドキドキ

モバP「……綺麗だなあ」


ちひろ「それ以上やると白目を剥くことになるかもしれませんよ?」



137: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/12/15(土) 18:29:35 ID:AoEhmHFU

69

モバP「ペロ、ゴキゲンかい?」

ペロ「ニャー」

モバP「ふぅ~む、なるほどなるほどなるほどー」

ペロ「ンギャア」

モバP「そうですね。確かにそう思います」

ペロ「……」

雪美「……」

雪美「……分かったふり……ダメ」

モバP「さすがに雪美さんにゃバレちまいやすか」

ペロ「ニャーゴ」

雪美「ぼくと……話をするには……まだ……LOVEが足りない……、だって……」

モバP「LOVE……Level Of ViolencE?」


ちひろ「愛だよ愛!」



138: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/12/15(土) 18:31:03 ID:AoEhmHFU

70

ちひろ「最近、お二人って割と息が合っているというか、本質が似ているような気がしてきました」

雪美・モバP「……?」

ちひろ「兄妹とかじゃないですよね」

雪美「違う……」

モバP「何を仰いますかちひろさん。雪美が妹……ひらめいた!」

ちひろ「通報した。……ってそりゃそうか」

雪美「実は……Pは……私の……操り人形」

ちひろ「まさかそんな。いくら雪美ちゃんの手にリモコンがあって、プロデューサーさんの頭にアンテナが刺さっているからって……ん?」

雪美「……ふふっ」

モバP「あなたは誰の意思で動いているんですか、ちひろさん?」ニヤ

――

ちひろ「――はわっ!?」ガバッ


ちひろ「……おのれ、こんな夢を見てしまうとは」



139: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/12/15(土) 18:33:01 ID:AoEhmHFU

71

モバP「別館のトレーニングジムに温水プールができたらしいな。雪美さんは泳ぎの方は?」

雪美「……泳げますん」

モバP「はぐらかすか。大丈夫だ、幸子だって泳げるようになったぞ」

雪美「……鬼コーチ?」

モバP「スパルタ希望ならね。こう見えても昔、少し水泳をやっていたのだ」

雪美「……ふふ、……私も……泳げる」

モバP「あら残念。それなら雪美のインストラクターにならなくても良いか」

雪美「だめ……いっしょに……泳ぐ……」ギュッ

モバP「じゃあ、時間がある時に一緒に行くか」

雪美「うん……今でも……良い」

モバP「おお、やる気だな。えー、水着やタオルは買えるんだったかなっと」

雪美「……」ドキドキ



140: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/12/15(土) 18:36:31 ID:AoEhmHFU

――

モバP「おまたせ」

雪美「……」キラキラ

モバP「競泳水着……ええのう!」

雪美「……///」

モバP「恥じらって顔を背けるところがレディーだねえ」

櫂「来て早々イチャついてるね。良いけど、準備運動はしっかりね」

モバP「おお、櫂か。水ある所に櫂ありとはよく言ったもんだ」

櫂「やっぱりあたしは水を得てこそ魚になれる気がするんだ」

雪美「……櫂……水着……似合う……」ポー

櫂「……競技とかでずっと着てきたタイプでも、改めて言われると恥ずかしいなあ」アハハ

モバP「例えば体育系と文化系でも、それぞれに無い良さがある。雪美も似合っているぞ」

雪美「……うれしい」 オオアツイアツイ



141: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/12/15(土) 18:38:24 ID:AoEhmHFU

――

モバP「ふー、泳いだ泳いだ。カロリーばっちし消費しましたよ」

雪美「P……」ピトッ

モバP「ひゃうんっ!」

七海「何気持ち悪い声を出しているのれすか」

モバP「七海か。不意打ちに弱くて悪いかい」

雪美「……ふふふ……水も滴る……P」ツツー

モバP「雪美、気分が乗ると体が熱くなるのは分かるが、頭も熱くなってないよな?」

七海「止めた方が良いんれすかね?」

モバP「いや、大丈夫だ。それより七海もカナヅチだったが、そこそこは泳げるようになったんだな」

七海「本当にそこそこれすね~。浮いてる方が合っています~」

モバP「まあバラエティーだとまだ泳げないことになってたりするな。幸子とか」

七海「その方がキャラが立ちますからね~」



142: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/12/15(土) 18:39:37 ID:AoEhmHFU

七海「ところで温水プールに魚は泳いでいないのれすね~」

モバP「一体何を放流させるつもりだ。熱帯魚とか?」

七海「ちょっとしたマリンジョークれすよ。何ならイルカと一緒に泳げませんかね~♪」

モバP「イルカは哺乳類だろ」 テヘヘ

雪美「……P」ユサユサ

モバP「どした」

雪美「……Pに……乗せてほしい……」

モバP「プールサイドとはいえ、滑り落ちたりしないよな?」

七海「それ以前の問題れす」

ポスン ダキッ

雪美「……///」パシャパシャ

モバP「雪美さんはとてもうれしそうだ」

七海「むーっ……海の女は嫉妬深いのれすよ~。ふぅっ!」

モバP「あぁっ、耳やめて」ゾクゾク



143: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/12/15(土) 18:40:59 ID:AoEhmHFU

――

シャー キュッキュッ

モバP「シャワーが気持ち良かったな」

雪美「うん……」

モバP「着替えたら、何か飲もうか」

雪美「うん……。疲れたけど……さっぱり……した」

モバP「良かった。まあ、程々に、また来ような」

雪美「……?」

モバP「本格的に水泳やると肩幅が広くなる子もいて、女子はそういうのを嫌がる場合もある」

雪美「……なるほど……。でも……潜るなら……たぶん……大丈夫」

モバP「雪美は泳ぎより潜りメインか。肺活量あるからなあ」

雪美「潜水は……得意」フンス

モバP「競泳水着で胸を張る、濡れた髪の雪美さん――控えめに言って女神ですね」


雪美「……それ、いいすぎ」ニコ



144: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/12/15(土) 18:42:56 ID:AoEhmHFU

72

モバP「お便りが来ているのでご紹介したいと思います」

モバP「神奈川県T.Mさん。……雪美ちゃん、ちひろさん、白と黒が無いパンダ、こんにちは」

雪美「こんにちは……」

モバP「白と黒が無いパンダって何が残るんですかね?」

モバP「……えー、お二人は大変仲が宜しいようですが、質問です。雪美ちゃんが反抗期になったらどうしますか? 私は一時期荒れていて、そのことを少し後悔しています」

雪美「反抗期……」

モバP「うちの雪美さんに限ってそんなことは……」

雪美「無いと……言える?」

モバP「……まあ、今を知っているだけに、例えばやさぐれて髪を染めたり、大声で罵られたりすれば、独り泣くかもしれない」

モバP「それでも、跳ね返りには上手く合わせて接していきたい」

モバP「反抗期も始まりがあればいつかは終わりもある。その時までに見放していたら、きっと後悔してしまう」

雪美「……じゃあ……ずっと……見ていて」

ちひろ「こういうノロケがある内は大丈夫なんでしょうけどね」



145: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/12/15(土) 18:45:02 ID:AoEhmHFU

モバP「次のお便りです」

モバP「兵庫県K.Sさん。……雪美ちゃん、ちひろさん、前世はポルターガイスト、こんにちは」

雪美「こんにちは……」

モバP「前世なのに心霊現象なのか……」

モバP「……えー、雪美ちゃんは猫と話ができますが、ある日突然、猫の言葉が分からなくなったらどうしますか? 私は幽霊が見えるのですがふとそんな心配が過ぎります」

雪美「……そうなったら……とても……悲しい…………」

モバP「ねぇ……雪美。おとなになるってかなしいことなの……」

ちひろ「ヨヨはやめれ」

モバP「幼い頃は不思議な力がある、でも心の成長の中でそれが突然失われる――そんな物語はよく見かけるな」

雪美「……成長は……うれしいこと……、でも……素直に……喜べない……」

モバP「原因不明でコミュニケーションが取れなくなると困るのは人間関係でも同じ。相手と、そして周囲と、しっかり信頼関係を作っておきたいな」

雪美「理解……すること……してもらうこと……大事」

モバP「猫と話をしたり、幽霊が見えるようになりたいんだがなあ。そうすればそういう時も力になれるのに」

雪美「……やさしい」



146: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/12/15(土) 18:49:34 ID:AoEhmHFU

モバP「次のお便りです」

モバP「山梨県S.Hさん。……雪美ちゃん、ちひろさん、期限切れポイントカード、こんにちは」

雪美「こんにちは……」

モバP「財布の中にあります。すいません」

モバP「……えー、アイドルはバラエティー番組にも出ますが、もし自分の顔の木彫り像を五万円で売って来いなんて言われたらどうしますか?」

志乃「ブラックビスケッツね……わかるわ」

モバP「本人登場でセルフツッコミ入れないでください。というかそのセリフは瑞樹さんのです」

志乃「じゃあ……わかるってばよ」

モバP「それはうずまきナルトです。……酔っていませんよね?」

モバP「人間、いろいろな経験も必要だとは思います……でも自分の顔の木彫り像やクリスタル像や信楽焼のたぬきや鷹村守ばりの銅像を売って来いなんて、鬼ですよ! 鬼!」

雪美「はっきり……いいすぎ……。……でも……根性がないと……確かに……無理」

志乃「貴方のだったら、ひょっとしたら売れるかもしれないわよ……ふふ」

モバP「忘れた頃に出先で偶然見かけたりしたら恐怖なので嫌です」


ちひろ「今回紹介させていただいた方にはP画伯謹製のイラスト色紙をプレゼントします」



147: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/12/15(土) 18:51:36 ID:AoEhmHFU

73

モバP「古い屋敷などにある、ゴーンゴーンと鐘が鳴り響く、昔ながらの振り子時計」

モバP「良いですよね」

ちひろ「あの低いトーンが静けさの中では不気味なんですけど」

モバP「ベートーベンの月光とかを聴いていてもこう、重低音は心を揺さぶってきます」

ちひろ「ちなみにボイロは?」

モバP「あの抑揚を抑えた低血圧な感じに出す調声が好きですね」

ちひろ「低血圧に失礼だぞ。……でも、プロデューサーさんは高い声にも憧れるんでしょう?」

モバP「はい。つまり何というか、”音”って良いなあと」

ちひろ「音フェチだったか」

モバP「ちょっと静かにしてみてください」 ハイ

雪美「……すー、すー」

モバP「ほら、微かに聞こえる雪美の寝息。癒されませんか?」


ちひろ「……癒されますね」



148: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/12/15(土) 18:53:58 ID:AoEhmHFU

74

モバP「擬人化ってあるじゃないですか」

ちひろ「よくありますね。小さい子でも知っているようなものだと、鶴の恩返しとか」

モバP「はい。では、あなたと身近な関係の猫――ペロが人間の姿に変身したとしたら、どんな見た目だと思いますか?」

ちひろ「心理テストみたいな聞き方をしますね。そうですね……雪美ちゃんと瓜二つ」

モバP「それがあなたにいつか子どもが生まれた時、将来こんな風に育ってほしいと思う姿です」

ちひろ「心理テストだったんですか……」

モバP「まあ今適当に考えただけですが」

ちひろ「そんなこったろうと思ったよ」

モバP「ちなみに自分はですね、黒短髪の中性的でクールな女の子をイメージします」

ちひろ「雪美ちゃんいわく、ペロはぼくっ娘らしいですからね。場に合わせて”私”とか”我”とかも使い分けるようですけど」

ちひろ「じゃあ、アイドルで言えばあいさんや留美さんを少年っぽくした感じですか?」

モバP「良いですねえ」



149: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/12/15(土) 18:57:52 ID:AoEhmHFU

ペロ「ふんにゃ」

雪美「話は……聞かせて……もらったぞー」

モバP「おお雪美さんとペロさん」

ペロ「Ph'nglui mglw'nafh Cthulhu R'lyeh wgah'nagl fhtagn」

雪美「人の姿になれるのなら、私が良い……って」

ちひろ「ペロ今とんでもないこと呟いていませんでした?」

ペロ「ニャー、うー! にゃー!」

雪美「大丈夫だ……問題ない……」

モバP「猫がゴニャゴニャ意味深に聞こえるようなことを言うことはよくあるからな」

雪美「……深く……考えては……ダメ……。好きなものと……いっしょになるのが……夢……」

モバP「ペロの考えは深いな」


ちひろ「あまり深淵は覗かない方が良いってことですかね? 深く考えないでおきましょう」



150: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/12/15(土) 18:59:45 ID:AoEhmHFU

75

雪美「……ばいばい」

モバP「おう。また明日な」

ガチャ パタン

モバP「今日は家まで送ったが、お母さんは相変わらずお綺麗だったなあ」

モバP「お父さんは何か色気があって、声をかけられると妙にドキドキするし」

モバP「……その気は無いのに何か倒錯的なんでこれ以上は止そう」

モバP「しかし、親か……人の親を見ると、実家が恋しくなるな」

モバP「元気にしているかなあ、二人とも」

モバP「こんな寒い日には、味噌汁が美味いんだよな」

モバP「おっと、いつまでもこうしちゃいられない。帰るか」

ガチャ タッタッタ ギュッ


雪美「……ごはん……食べていく……?」



153: ◆ORDERq/08U 2018/12/22(土) 18:23:19 ID:0uVCwCkY

76

モバP「……」

雪美「……」

モバP「よし、ここだ」パチ

雪美「…………」

雪美「……王手」パチ

モバP「あっ」

雪美「……」

モバP「……負けました。つみです」ペコリ

雪美「……」ペッコリン

モバP「雪美さん、思ったよりも強くて負けちったぜ」

モバP「さすがに将棋入門番組のレギュラーをやっているだけはあるな」

雪美「……」ムフー


ちひろ「プロデューサーさんも本業まで詰まないように仕事してくださいね」 ハイ



154: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/12/22(土) 18:28:23 ID:0uVCwCkY

77

モバP「雪美さんは、好きな物と苦手な物、どちらから先に食べる?」

雪美「……苦手な物……の時が、多い……」

モバP「俺と同じだな」

雪美「Pと……同じ……」

モバP「まあ、時と場合にもよるから一概に言えないというのが正直な所か」

モバP「ならばイチゴのショートケーキ。イチゴから食べる? それとも最後に残す?」

雪美「……イチゴから……先に……食べる……。……たぶん」

モバP「俺と同じだな」

雪美「! ……我が友……」ギュッ

モバP「まあ、甘いケーキの後にイチゴだとイチゴの酸味が割増しになるのが嫌、という単純な理由なんだが」

モバP「あれで後味がさっぱり締まるから良いと思う人もいるのだろう」


ちひろ「話に夢がないですね。イチゴはロマンなんですよ?」 ←最後に残す派



155: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/12/22(土) 18:34:03 ID:0uVCwCkY

78

モバP「”名物猫ラリー”の収録、おつかれさま」

雪美「楽しかった……」ツヤツヤ

雪美「白猫が……寄ってきて……抱かせてくれた……」

モバP「雪美はロケで遠征しても地猫にすぐ懐いてもらえるからなあ」

雪美「……あの子……オッドアイだった……」

モバP「楓さん系猫か」

雪美「青と黄色の……きれいな……目……」

モバP「ほう……ひょっとしたら片耳が悪くなかったか」

雪美「! ……どうして……分かったの? ……知り合い?」

モバP「知り合いだったら世間は狭いと思うが、残念ながら違う」

モバP「白猫の青黄オッドアイはそういう子が多いことで比較的知られているんだ」

雪美「……びっくりした……P、物知り……」



156: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/12/22(土) 18:37:49 ID:0uVCwCkY

雪美「……楓さんは……何ともないの?」

モバP「ヒトが何ともあるような話は聞いたことがないな。大丈夫さ」

雪美「……良かった……」

モバP「猫とはどんな話をしたんだ?」

雪美「……私と話ができる人は……あなたで七人目……って」

モバP「雪美以外に六人もいるのか……」

雪美「お仕事だったから……あまり長くは……お話……できなかった……」

モバP「また会いに行けると良いな」

雪美「うん……オッドアイ……」

モバP「惹かれたか。ちなみに創作の世界ではよく3Dメガネのように鮮やかな青と赤のオッドアイがいるな」

モバP「コントラストで大したインパクトだが、現実では見たことがない」

雪美「……見たこと……ある」

モバP「それはもしかしてカラーコンタクトというやつでは?」

雪美「……うん」



157: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/12/22(土) 18:50:26 ID:0uVCwCkY

モバP「いや、でも確かに人工とはいえ、見たことがないというのは間違いだったな」

雪美「……他にも……写輪眼とか……いる……」

モバP「技術の進歩は凄いな。俺なんてコンタクト入れるのも怖いというのに」

モバP「それにコスプレ会場とかならともかく、予期せぬ場所で写輪眼持ちと出会ったら……」

モバP「まず二度見はすると思う」

雪美「佐城雪美が……命じる……膝に……乗せろ」カッ

モバP「それは写輪眼じゃなくてギアスですよ」

雪美「……そらが……あおいなー」シレッ

モバP「待たんかい」

ヒョイ ポスン

雪美「……ふふ……あなたにとって……私は猫のようでも……ある……?」

モバP「気まぐれな猫だな、とても」


ちひろ「雪美ちゃんにコードギアスなんて見せているのは誰ですかね」



158: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/12/22(土) 18:54:08 ID:0uVCwCkY

79

雪美「クリスマスイベント……おわった……」

こずえ「ふわぁ……ぷろでゅーさー……いそがしいのー」

芳乃「そうですともー。しかし、かのかたはー、必ずどこかで見守っていましょうー」

雪美「芳乃……わかるの?」

芳乃「もちろんですともー」

こずえ「ぷろでゅーさーのくれたおまもり……あったかい……えへへー」

スタッフ「えっと……このほんわかトリオで帰還は大丈夫?」

芳乃「わたくしがー、責任を持って引率しますゆえー」

スタッフ「じゃあ、お任せしますね。お疲れ様でした」

雪美・こずえ・芳乃「おつかれさまでしたー」

テクテク テクテク テクテク



159: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/12/22(土) 18:56:54 ID:0uVCwCkY

チャラ男「おやあんな所にロリアイドル三人衆がいるやん。声かけたろ」

ワル男「いいねぇ。その後はしっぽりやりまひょか」

サンタ「駄目です」

チャラ男「何だ駄目か」

チャラ男「って誰だお前」

サンタ「サンタです」

チャラ男「見りゃ分かるよ。さてはお前、あの子たちを襲う気だな?」

サンタ「地域の安全、笑顔を守るのが儂の役目でしてね」

ワル男「あほらし……不審者かな? 通報してやる」

エラー

チャラ男「お前のお電話壊れてるじゃねーか。……ん? いないぞ?」

ワル男「しもた、どこ行きはったんやあん子ら。はよ捕まえんと」



160: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/12/22(土) 19:04:53 ID:0uVCwCkY

サンタ「ここにいるぞ!」

雪美・こずえ・芳乃「……」

チャラ男・ワル男「!?」

芳乃「お仕事後はー、高揚していながらも危機察知には鋭敏でしてー」

こずえ「わるいこと、しちゃ……だめー」

雪美「……」スゥー

チャラ男・ワル男「?」

雪美「……あなたも……あなたにも……幸せな……クリスマスに……なってほしい……」

チャラ男・ワル男「」

チャラ男「……俺たちは一体何をしていたんだ」

ワル男「……感動しました。雪美ちゃんのファンになります」

サンタ「雪美……」スッ コク

雪美「……これ……あげる」



161: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/12/22(土) 19:07:50 ID:0uVCwCkY

――

サンタ「感激して泣きながら帰って行きおったわい。こういう時の為のケーキじゃ」

こずえ「ないすあしすとー……」

雪美「……Pは……何をしているの……?」

サンタ(モバP)「ばれたか」

芳乃「隠す気はありましてー?」

モバP「一応は、ねえ?」

雪美「……心配……した」モフッ

モバP「すまなかった。この時期は毎年、近所の幼稚園や老人ホームでサンタさんをやっているんだ」

芳乃「よき心掛けですー」ヨシヨシ

こずえ「ぷろでゅーさー……せいぎのみかただねー」

モバP「正義の味方になりたかった名残だねえ」



162: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/12/22(土) 19:10:34 ID:0uVCwCkY

モバP「ここからは一緒に帰ろうか。報酬としてケーキも貰っておいたぞ」

雪美「イチゴ……?」

芳乃「チョコレート……?」

こずえ「ちーず……?」

モバP「開けてビックリ玉手箱、中身は見てのお楽しみだ」

モバP「……或いはモンブランかも?」

芳乃「そなたも楽しみなのですねー」

雪美「……ふふ……クーラーバッグを持った……サンタさん……」

モバP「さすがにケーキは大きな袋では運べないからな」

モバP「ちなみに今夜はケーキとは別に、本場のノルウェーサンタを参考におかゆを食べるつもりでな」

こずえ「ひとつぶだけ……あーもんどをいれるんだねー」

モバP「そうそう、洒落ているのよ。で、幸運のアーモンドを当てるチャレンジャーをただいま募集中だ」


雪美「チャレンジ……する」 ワタシモデシテー コズエモー



163: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/12/22(土) 19:13:43 ID:0uVCwCkY

80

モバP「クリスマスと言えばサンタですが、この前見たんですよ」

ちひろ「何をですか?」

モバP「グリーンサンタです」

ちひろ「環境保全をテーマにしたそういう方々もいますね」

モバP「一般的に赤だったり別の色のものが、稀に緑だったりするとワクワクしませんか?」

ちひろ「スポーツカーとか某新聞の題字とかですか? ……ちなみに私は?」

モバP「ちひろさんは普段から緑基調なので特には。目には優しいですね」

ちひろ「言ったな? じゃあ赤いドレスでも着たら平伏しますか?」

モバP「赤は攻撃色でもありますからねえ。赤が緑に変わるとゴーサインですが、逆は……」

ちひろ「私が年中ゴーサインみたいに聞こえますけど」

モバP「えっ、ちひろさんにゴーしても良いんですか?」

ちひろ「馬鹿言っちゃいけねえや」



164: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/12/22(土) 19:19:03 ID:0uVCwCkY

雪美「また二人……いちゃいちゃ……している」

ちひろ「していません。雪美ちゃん側からそう言われる日が来るとは思いませんでした」

ちひろ「ふん、いいですよーだ。プロデューサーさんには私のサンタ姿見せてあげませんから」

雪美「……」キラキラ

ちひろ「って、雪美ちゃんがサンタしてる!?」

モバP「ああ~」

雪美「……ちひろさんも……サンタに……なろう」

ちひろ「うう……かわいい」

――

ちひろ「なっちゃいました」キラキラ

モバP「即落ちいいですね!」 ソクオチイウナ

モバP「しかし、こうして揃うと仲の良い姉妹みたいです」

雪美「ちひろ……姉さん?」


ちひろ「……///」 ナゼテレル



165: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/12/22(土) 19:21:01 ID:0uVCwCkY

81

モバP「こうして乗せて抱き締めていると、雪美はぬくいな」

雪美「……」

モバP「賢者の時間か」

ちひろ「言い方」

ちひろ「それにしてもお二人はスキンシップが好きですね」

モバP「言葉にされると恥ずかしいです」

ちひろ「言葉にされなくてももう少し羞恥心を持った方が良いかもしれませんよ?」

モバP「そうですね。実際そんなに質量を感じたいとか、体の繋がりを求めているという訳ではないです」

ちひろ「言い方」

モバP「やっぱり心……ですか。心が近い所にあるから安心すると言いますか」

ちひろ「率直に言って変態だと思います」 エー


雪美「…………落ち着く……」



166: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/12/22(土) 19:26:26 ID:0uVCwCkY

82

モバP「雪美、おはよう」

雪美「! ……P、どうしたの……? 胸、大きいし……髪、長いし……美人さん……」

モバP「俺って人外じゃない? 実は割とその通りで、性転換もできることを失念していた」

モバP「ほら。体格は少し頼りないが、乗ってみるか?」ポンポン

ポスン

雪美「…………ママ……みたい……不思議……」

モバP「やっぱりこっちだと雪美はちょっと大きいなあ。じゃあ、今度は膝枕はどうだ?」

雪美「……」ゴクリ

――

ハッ

雪美「……夢……? ……でも……わるくない……かも……?」ポー


ちひろ「雪美ちゃんが今まで見たことない類の恍惚な顔をしていますね……」



168: ◆ORDERq/08U 2018/12/29(土) 20:01:56 ID:M1wEoXf.

83

モバP「冬は外を歩く猫を見かけなくなる季節だ」

モバP「温暖な頃にはよく見かけたあの子も、寒くなると消える」

モバP「あの子は冬を越せるのだろうか……」

雪美「不吉なモノローグ……だめ」

モバP「ごめんな。しかし雪美さんも、ある時ふいっとどこかに旅立ってしまわないだろうか」

雪美「……私は……どこにも行かない……」

雪美「だから……Pも……どこにも行かないで……」ギュッ

モバP「行くつもりはないよ。大人は止むを得ず嘘を吐かなくてはいけない時もあるが、俺の意思はその一点だ」

雪美「これだけは……絶対……約束……」

モバP「ああ。この約束が儚いものとならないように」

雪美「……はかない?」


ちひろ「人の夢と書いて、儚い」 オイ



169: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/12/29(土) 20:04:08 ID:M1wEoXf.

84

モバP「必要ないのに”あ、これ欲しい”と思うことがあるよな」

雪美「……ある」

モバP「以前そう思って、でも持ち合わせが無くて結局諦めた物をある日見つける」

雪美「……?」

モバP「買ってしまったんだよ……天空の城ラピュタの飛行石」ホラ

雪美「それが……欲しかったの……?」

モバP「飛行石だよ? ロマンがあると思いませんか? 浪漫飛行ですよ?」

ちひろ「米米CLUB知らないでしょ」

雪美「……でも……かっこいい」

モバP「ラピスラズリ、つまり翡翠で作られているらしいな。あ、ちょっと石の上に手を重ねてもらって良い?」

ポン

雪美・モバP「……バルス!」


ちひろ「目が、目がー! って、何言わせるんですか」



170: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/12/29(土) 20:05:27 ID:M1wEoXf.

85

モバP「冬と言えばこたつだぁ」ヌクヌク

雪美「うん……」ヌクヌク

モバP「小さい頃は潜り込んで隠れるのが好きだった」ミカンドウゾ

モバP「知らずに入って来た親を脅かしてみたりしてな」

雪美「息……苦しく……なかった?」ムキムキ

モバP「平気だった。体が大きくなってしまった今ではそんなことも難しいなあ」

雪美「……」パク

モバP「思えば好奇心が強かったんだな。そして自分のスペースを求めていたというか」

モバP「狭い所が落ち着くから押入れで寝てみたり、段ボールのトンネル迷路や隠れ家に憧れたり」

雪美「……男の子……ね」クス

モバP「そういう雪美さんも満更でもないのでしょう?」

雪美「……私も……隠れるのは……好き……」



171: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/12/29(土) 20:08:22 ID:M1wEoXf.

雪美「……P……そこにいて」フキフキ

モバP「どうした? あっ……ふーん」

ゴソゴソ ゴソゴソ

雪美「……ばあっ」

モバP「……おいっす」

雪美「……こんにちは」

モバP「……ははは」

雪美「……ふふ」

――

モバP「そしてこたつに入っていても俺の上に座る雪美さんであった」

雪美「……みかん……おいしい」アム


ちひろ「私も子どもの頃はああして伯父さんに……って、何してるんですか!」



172: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/12/29(土) 20:09:56 ID:M1wEoXf.

86

杏「おっす」

モバP「おう、杏か。どうした?」

杏「……雪美ちゃん、今日はいないんだね」

モバP「そうだな。寂しい寂しい」

杏「ダメだよー。最近プロデューサー、雪美ちゃんの時間を独占しすぎてない?」

モバP「……そう言われると、そうかもなぁ……いや、そうだ」

杏「いくら親しくても、親子、家族との時間はしっかり過ごさせてあげるべきだよ」

杏「個人差、環境差はあると思うけど、まだ小学生だもん。甘えたい、甘えさせたい時期だよね」

モバP「ああ。俺がわがまま言っちゃいけないな」

杏「ということで今日のプロデューサーは杏の貸し切りね」

モバP「寝取りですか」

杏「サボりだな」



173: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/12/29(土) 20:11:54 ID:M1wEoXf.

杏「よっと」ポスン

モバP「杏は雪美とほとんどサイズ変わらないよな。おいくら?」

杏「企業秘密なんでお答えは差し控えさせていただきます」

杏「……プロデューサーはさ」

モバP「ん?」

杏「親の言うことやることが何でも正しい訳ではないと知った時、どうした?」

モバP「そうだなあ。今思えばすぐ収まった気がするが、反抗期になった、かな」

杏「……そっか」

モバP「杏の場合は?」

杏「無気力になっちゃった」

モバP「ある意味反抗だが、達観しちゃったという方が近いか」

杏「どうかなあ」



174: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/12/29(土) 20:14:46 ID:M1wEoXf.

モバP「いわゆる典型的なダメ親ならいざ知らず、ずっと尊敬できる親だったならそれこそ」

モバP「ある時に”これは間違っている”という部分を感じ取ってしまうと、辛いんだろうな」

杏「分かんない。今でも尊敬する気持ちはあるんだけど、揺らぎやすくなったっていうかね」

モバP「親じゃないが俺に対しては?」

杏「プロデューサーは子どもが反面教師にするタイプの親だろうね」

モバP「おお、もう……」

杏「保護者がよく出来過ぎてると甘えたまま成長しないかもしれないし、頼りないくらいが良いよ」

杏「まあ、プロデューサーが頼りないとダメか」

モバP「せやな」

モバP「もし親がコミュ力の塊で、でも自分がコミュ障で孤立してるなんて知ったら」

杏「あっ」

モバP「悲しみそうだから、俺は恐らくそういう外でのことは親に相談しないな」

杏「それダメなやつ」



175: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/12/29(土) 20:16:11 ID:M1wEoXf.

モバP「自分なりにいい顔を作ろうとして、小さな無理がどんどん積み重なって、やがて自己破綻を招く」

杏「あー」

モバP「結局ね、あたしに言わせりゃ、親より優れた子はいないし、子より優れた親もいないのよ」

杏「矛盾してるよ」

モバP「だから周りに期待し過ぎず、期待させ過ぎずに生きていくのが一番さ」

ニャニャニャンニャニャニャン

モバP「おっと、雪美からメールだ」

杏「変な着信音だね」

モバP「双子のケットシーだよ。何々……浮気してない? だって?」

杏「……」ジッ

モバP「……」ジッ

モバP「してないよなあ?」


杏「飴で手を打とうか」ニヤッ



176: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/12/29(土) 20:17:59 ID:M1wEoXf.

87

雪美「……」キラキラ

モバP「ヘッドドレスから裾までリボンとフリルたっぷりのゴスロリのドレス」

モバP「この雪美さん膝に乗せたい。いやむしろその姿で仰向けに寝た俺の上に覆い被さってほしい」

雪美「! ……」ササッ

ちひろ「警戒してるでしょ。あまり変なこと言うと拘束しますよ」

モバP「ごめんよ。いやぁ、いつ見てもお人形さんみたいで見事な姿だが、若干メイドっぽくもあるな」

モバP「年末と言えば大掃除、掃除と言えばメイド。この時期にぴったりだ」

ちひろ「ヘッドドレスがメイドを連想させるんですかね」

雪美「……」チョンチョン

モバP「自分で触ってみているな。しかしヘッドドレスやヘアバンド、良いですなあ」

雪美「……カチューシャ、は?」

モバP「カチューシャとかカチュームとかはヘアバンドの一種らしいね」



177: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/12/29(土) 20:20:35 ID:M1wEoXf.

モバP「それにしても昔ほどヘアバンドでおでこを見せる子をあまり見かけなくなった気がする」

ちひろ「普通に七三分けのような髪型で見せている子はよくいますがね」

モバP「髪を下ろす時のように、外した時に女の武器になるのに」

ちひろ「もう結構前ですけど、けいおんの田井中律とかですか」

ちひろ「でも、そういう世の男性方が求めるいわゆるギャップ萌えって、女の子の本質が見えていないのでは?」

モバP「そんなつもりじゃないんですがね。アクセサリーとしても良いと思いますよ」

ちひろ「まあ、時代の移り変わりはありますから、もしかしたらまた流行るかもしれませんね」

雪美「……私の……髪型は……?」

モバP「雪美さんは、言うならぱっつんかな? 髪型って様々だから一言で説明するのは大変だよ」

雪美「……ぱっつん……」

モバP「どれ、じゃあ話のついでにちょっとおでこ見せてごらん? ふひひ」

雪美「! ……」ササッ


ちひろ「とりあえずあなたの額には冷えピタ貼っときましょうかね」 ギャーツメタイ!



178: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/12/29(土) 20:24:57 ID:M1wEoXf.

88

モバP「足を蹴り合う仲って羨ましいと思わないか?」

悠貴「足癖が悪いのは良いことじゃないですっ」

モバP「そうだけども。ほら、向かい合った机の下でつんつくつんつんと」

悠貴「つんつくって……私はもっとキック的なそれかと思いましたっ」

モバP「昔聴いていたラジオの男女コンビのパーソナリティーが」

『こうやって話をしていますけど、机の下では足を蹴り合っていますから。ふふ』

モバP「それを聴いてすごいほんわかしてしまったのが忘れられないの」

悠貴「じゃれ合う感じですねっ! 良いっ!」

雪美「……足の長さが……足りない……」

雪美「……悠貴……任せた」

悠貴「任されたっ! ……えいっ! えいっ!」コツッコツッ

モバP「やったなこいつぅ」


ちひろ「何か違うけどこれはこれで微笑ましい」



179: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/12/29(土) 20:26:41 ID:M1wEoXf.

89

モバP「君たちの今年やり残したことを聞こう」

モバP「まずありす」

ありす「はい。大晦日に、Pさんと過ごせないことですね」

モバP「ありす……」ブワッ

モバP「でも、時系列的にまだ訪れていないことをやり残したと言うのはどうなんざんしょ?」

ありす「それもそうですね。では、去年の大晦日に、Pさんと過ごせなかったことです」

モバP「ごめんなぁ……」ブワッ

モバP「次に凛」

凛「はい。私は、プロデューサーを犬派に引き込めなかったことかな」

モバP「いや、犬も好きなんすよ。好きなんすけど、だけどやっぱりマ・マーのスパゲティ」

モバP「ねぇ知ってる? スーパーマリオの大好物って、キノコじゃなくてスパゲティなんだって」

凛「知ってるよ」 マーイーニーチーヒトーツー



180: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/12/29(土) 20:29:40 ID:M1wEoXf.

モバP「……」

凛「……」

モバP「……凛の目は優しいな」

凛「……ふふっ、何言ってんの」

モバP「次に輝子」

輝子「フヒ。私は……プロデューサーと初体験できなかったことだぜ! ヒャッハー!」

モバP「してはいけない(戒め)」

輝子「いけないのか……? 初体験……」

モバP「おっと、変な意味での初体験でないなら良いんだぞ? おかわりもいいぞ!」

輝子「……親友の……おかわり……お腹いっぱい……フヒヒ」

モバP「一体何の初体験なんだ」

輝子「……その時が来たら、な」



181: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/12/29(土) 20:31:36 ID:M1wEoXf.

モバP「次にあやめ」

あやめ「はっ! あやめはですね、ダーツがあまり上達しなかったことですね」

モバP「お前……みんな俺関係のことばかり言うのに、しっかり自分のことを言うとは」

あやめ「えっ、えっ? もしかして今回はそういうアレですか!?」

モバP「偉いぞ。このまま俺ネタで埋め尽くされるのかちょっと怖かったんだ」

あやめ「えへへ♪ 嬉しいです――って、ダーツに突っ込んでくださいっ!」

モバP「またまた、君の得物は手裏剣とクナイでしょ」

あやめ「投げる練習ですよっ!」

モバP「次にこずえ」

こずえ「はーい……とっぷあいどるに、なれなかったことー……」

モバP「真面目だぁ!? 力不足ですまない!」

こずえ「でもー……とっぷあいどるって……ひとりだけー?」



182: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/12/29(土) 20:34:22 ID:M1wEoXf.

モバP「ナンバーワンじゃなくてオンリーワン。誰か歌っていたがな」

モバP「同じ方向性からトップを超えられる一人だけしか成れないものではあってほしくない」

モバP「てっぺんがいくつもあるタイプの王冠のように、それぞれが個性でトップに立てば良い」

こずえ「こせい……よーし、がんばるのー」

モバP「次にみく」

みく「はい。Pチャンにご飯作ってあげられなかったことかにゃ」

モバP「気持ちだけ受け取っておくさ。ありがとう」

みく「照れるよ……って、素直だね。嫁さんと似てきたかな?」

モバP「似てると言っても伊吹吾郎と宇梶剛士並に似てる訳じゃない」

みく「その例え分かんないよ!」

モバP「ちなみにお魚の克服は?」

みく「やっぱこの人ダメだにゃ」



183: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/12/29(土) 20:39:10 ID:M1wEoXf.

モバP「七海ちゃん」

七海「七海ちゃん言うな。そうれすね~、プロデューサーと海で泳ぎたかった!」

モバP「普通だな。……今から泳ぎに行くか?」

七海「行けるかい! ……って、何水着に着替えてるんれすか! え? もう出番終わり!?」 

モバP「今から海に行くことになったが、最後に雪美」 エエッ!?

雪美「私は……仁奈と……お泊まり……したかった」

モバP「結構個人的なことだったかー。今度それとなく掛け合ってみておこう」

雪美「……ありがとう……そして……水着……寒そう」

モバP「何のピロシキ。……雪美さんは、今年は良い一年だったかい?」

雪美「うん……!」

モバP「ああ~、キラキラしているなあ」

モバP「ということで今回は強引にお開き。また来年」


雪美「ばいばい……」



184: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/12/29(土) 20:41:33 ID:M1wEoXf.

90

モバP「今年もこれで仕事納めか。はい、終わり」

ちひろ「お疲れ様でした。これ、元気が出るように、サービスです」

モバP「ドリンクですか。ありがとうございます」

キュリッ ゴクゴク

モバP「優しい味がしますね。お姉ちゃんの味というか」

ちひろ「何を頓狂なことを言ってるんですか」

ちひろ「そしてこれは雪美ちゃんからです。一年の労いの気持ちをなるべく簡素に表してもらいました」

モバP「イチゴ大福! 大好物なんですよこれ。あんこの甘さとイチゴの酸味の不思議な出会いが」

ちひろ「はいはい。どうぞおあがりよ」

パク

モバP「……イチゴ、美味しいなあ」ホロリ


ちひろ「では、良いお年をお迎えください」



187: ◆ORDERq/08U 2019/01/05(土) 21:34:35 ID:8uEoDXrg

91

モバP「あけましておめでとうございます、佐城雪美さん」

雪美「あけまして……おめでとう」

モバP「今年もよろしくお願いします」ペコリ

雪美「……うん」

モバP「さて、皆にも渡していますが、はい――心ばかりのお年玉です」

雪美「……ありがとう……」

モバP「さて、目上的なことはここまで。おかえり雪美」

雪美「……」(つ゚-゚)つ

ヒョイ ポスン

モバP「定位置に戻ってきたな。これぞ実家のような安心感」

雪美「……重くなって……ない?」

モバP「ないよ。でも正月太りが心配なら後で一緒にトレーニングしようか」 ウン


ちひろ「ああ、日常に帰ってきたんだなって」



188: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/01/05(土) 21:35:58 ID:8uEoDXrg

92

モバP・雪美「……」 ←合体中

雪美「……P、……少し……姿勢を変えたい」

モバP「分かった」

ゴソゴソ モゾモゾ

雪美「……ここは……もう少し……こう」

モバP「あっ、そこはやめろくすぐったい」

雪美「……動かないで」

ゴソゴソ モゾモゾ

雪美「……できた」

\理想の座り心地/

雪美「……♪」スリスリ


ちひろ「寝床を整える猫みたいですね」



189: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/01/05(土) 21:38:59 ID:8uEoDXrg

93

モバP「雪美は初詣には行ったのか?」

雪美「うん……着物で……」

雪美「おみくじは……大吉」

モバP「それは良かったな。業界人たるもの、やっぱり行かないとな」

雪美「……行ってない……の?」

モバP「あああああああああ!! 忘れてたああああ!」

ちひろ「ええ……」

モバP「まあ、絶対に行かなくちゃいけないものでもないと思うんだ」

ちひろ「おいおい」

モバP「なので、行ったつもりになってこの梅ヶ枝餅でも食べましょうか」

雪美「おお……おいしそう……」

ちひろ「どちらに行ったつもりですかそれは。あ、温めましょうね。それとお茶も」



190: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/01/05(土) 21:41:00 ID:8uEoDXrg

――

雪美「おいしい……」モグモグ

ちひろ「熱いお茶請けに良いですね」

鈴帆『年始に大宰府天満宮に行ったけん、Pしゃんへのお土産たい』

モバP「って渡されましてね。ありがたいことです」

モバP「しかし大宰府みたいな大きい所に初詣、良かですなあ」

ちひろ「今から行けば良いじゃないですか。三が日は過ぎましたけど」

モバP「おみくじとかまだ買えるんですかね? 露店はもう無いだろうなあ」

雪美「……P……私……Pの分……持ってきた」ハイ

モバP「なんと! ありがとう……おっ、これは招き猫おみくじじゃないか。開けるぞ?」

雪美「……」コク

テレレレテレレレテレレレテレレレ ゴマダレー

モバP「おお、黒猫だ」



191: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/01/05(土) 21:42:24 ID:8uEoDXrg

モバP「黒は家内安全か。一人暮らし中ではあるが、大切なことだな」

雪美「私たちも……Pの……家族のつもりで……いる……」

モバP「嬉しいこと言ってくれるじゃないの」ナデナデ

ちひろ「その家族には私も含まれているんですか?」

雪美「うん……」

ちひろ「……雪美ちゃんが言うなら仕方ないですね」

モバP「照れちゃってー。ちひろさん、雪美には甘いですよね」

ちひろ「あなたにも充分甘いつもりですよ? プロデューサーさん」

ハハハハ フフ

雪美「それにしても……Pは……黒猫に……好かれる……」

モバP「本当になあ。でもそれは多分、雪美に出会ってからだぞ?」

雪美「……あっ」


ちひろ「お二人の甘々な関係には今年も敵いそうにないですね」



192: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/01/05(土) 21:43:53 ID:8uEoDXrg

94

ペチャクチャ

茄子「あ、自動販売機ですね。何か飲んで帰りましょうか」

ほたる「そうですね……」

雪美・モバP「賛成」

茄子「私はなっちゃんにしまーす」チャリン ピッ ゴトッ

ピピピピピ オオアタリ! モウイッポンエランデネ

茄子「ナイスですね~、雪美ちゃん選んで良いですよ♪」

雪美「ありがとう……。カルピス……」ピッ ゴトッ

モバP「良かったな雪美」 ウン

ほたる「さて、私は……お茶にしようかな」チャリン ポチッ

シーン

ほたる「…………えっ」



193: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/01/05(土) 21:46:07 ID:8uEoDXrg

ガチャ ガチャ シーン

モバP「釣りも出ない……飲まれたか。おのれウチのほたるを曇らせるな自販機めが」

ほたる「良いんです……このくらい」

モバP「このお茶が欲しかったんだな?」チャリン ピッ ゴトッ

モバP「はい。……コイツには後で俺からきつく言っておく、……なんてな」

ほたる「あ、ありがとう……ございます。……えへへ」パアッ

モバP「良い笑顔だぞ」

ゴクゴク

モバP「茄子は当たりを雪美にあげた、ほたるはお金を飲まれた、俺は代わりに一本買った」

モバP「これで三方一両損。大岡越前の名裁きと相成った訳だな。ハッハッハ」

茄子「でも、プロデューサーは飲まないんですか?」

雪美「はい……P」

モバP「てんきゅー」ゴクゴク


茄子・ほたる「何て自然な回し飲み……良いなぁ」



194: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/01/05(土) 21:48:54 ID:8uEoDXrg

95

奈緒「Pさんは年末年始は何をしていたんだ? 初詣に行かなかったとは聞いたが」

モバP「もう広まっているのか……年末は七海と一緒に南半球の海に泳ぎに行った」

奈緒「本当に行ったのか……」

モバP「時間が時間だけに強行日程だったがな」

七海「本当、何させてるんれすかね~、この人は」

雪美「……照れてる?」

七海「……///」

モバP「後は仕事して、休みは実家に顔出して、しっかり食べて、寝て、楽しんで来たよ」

奈緒「七海に変なことしてないよな?」

モバP「甘やかしはしたな。二人きりだと結構デr」

七海「プロデューサー?」ツネリ

モバP「あう」



195: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/01/05(土) 21:53:23 ID:8uEoDXrg

奈緒「……まあこの人なら大丈夫か。普段は雪美とベタベタだし、人外だし」

雪美「……人外……」ジー

モバP「公然と人外呼ばわりはやめてくださる?」

雪美「奈緒は……休みは、何をする……?」

奈緒「積みアニメの消化をな……」

モバP「忙しくても趣味に妥協をしない所はさすが奈緒だな」

奈緒「あたしは時間の使い方が上手すぎるPさんが羨ましいんだけどな!」

モバP「そりゃ人外だからな」

七海「自分では言うのか……」

雪美「……P……今度、奈緒にも……付き合ってあげて」

奈緒「いや、別にいいよ。一緒に見るのは恥ずかしいだろ?」

モバP「はたらく細胞にする? それともちおちゃんの通学路?」

奈緒「ガッツリ見る気だな!? いいってば!」


七海「……真に恐ろしいのは人外を手中に置く雪美ちゃんかもしれないれすね~」



196: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/01/05(土) 21:57:57 ID:8uEoDXrg

96

礼「P君になぞなぞよ」

モバP「はい」

礼「Hになるほどかたくなるものは何だ」

モバP「鉛筆」

礼「男性が体の真ん中にぶら下げてるものは何だ」

モバP「ネクタイ」

礼「刺激を与えたりすると大きさが六倍になることもある体の器官は何だ」

モバP「瞳孔?」

礼「……こういうのは真顔で解答しちゃダメよ?」

モバP「アイドルがからかってくることも多いので、変に取り乱して墓穴を掘りたくないんです」

雪美「……P……パスポートの、性別・SEXがFって……どういう意味……?」

モバP「えっ/// えっと、その……」


礼「でも不意打ちには弱いのね」



197: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/01/05(土) 22:08:40 ID:8uEoDXrg

97

モバP「何だかんだあって成人式。雪美も大きくなったなあ」

モバP「大正浪漫な女子袴も良いが、やはり振袖よな」

雪美「……」キラキラ

モバP「はんなり京美人、よう似合うてはりますわ。あ、皮肉やあらしまへんよ」

雪美「……またそうやって、茶化すんだから……いけず」

モバP「しかし俺も十年も経てばすっかり中年のおっさん。歳は取りたくないもんだよ」

雪美「……ごめんね……Pと……結婚……できなくて」

モバP「そんな顔しない。楽しかったこれまでの時間を気まずい思い出にはしたくないだろ?」

雪美「うん……行ってくるね」 テクテク

――

モバP「うーん……雪美、幸せになれよぉ……zzz」

鈴帆「起きんしゃいPしゃん、鈴帆が来たばい?」ユサユサ


ちひろ「いや、そこに跨るのはまずいですよ鈴帆ちゃん……」



199: ◆ORDERq/08U 2019/01/12(土) 18:52:28 ID:BVLF.r9M

98

雪美「P……」スッ

モバP「あっ」ピクッ

雪美「……耳……冷たい」

モバP「外歩いて来たからな。雪美はどうだ?」スッ

雪美「……」キョトン

モバP「おっと、こっちは猫耳か。自然過ぎて思わず間違えたよ」スッ

雪美「やっ……」ピクッ

モバP「お互い様だ。……雪美は全体的に温かいな」

雪美「……Pは……二回さわった……おかえし」ギシッ

モバP「近いよ雪美さん」

雪美「……耳……温めてあげる」ハー


ちひろ「私も拳を温めといた方が良いですかねえ?」



200: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/01/12(土) 18:53:46 ID:BVLF.r9M

99

モバP「レッスンが上手くこなせなかったか」

雪美「……うん」

モバP「そんな日もあるさ」

雪美「……」

モバP「前を向いて行こうぜ。きっと君なら乗り越えられる」

モバP「……と、無責任な言い草かもしれないな」

雪美「……そんなことは……ない」

モバP「技術的にあまり突っ込んだアドバイスはできないが、大切なのは失敗から目を背けないことだ」

モバP「何でもこなせて当たり前、ではないからな。目標ができたと思おう」

雪美「……うん。……目標……」

モバP「それを超えた先に、達成感があるはずだ」


ちひろ「良いことは言っている風でも膝の上に座らせていると絵面がね……」



201: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/01/12(土) 18:56:15 ID:BVLF.r9M

100

雪美「……」ジッ

モバP「……?」

雪美「……P……高い……」

モバP「それは何というか……ごめんなさい?」

ちひろ「何でもすぐ謝るのは良くないですよ」

モバP「はい」

雪美「……」

モバP「確かにこうして立って面と向かい合うと、俺は視線を下げ、雪美さんは見上げることになる」

モバP「……ならば、しゃがんでみる」ストン

オイデオイデ

ちひろ「犬を呼ぶ飼い主の図」

雪美「違う……そうじゃない……」



202: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/01/12(土) 18:57:50 ID:BVLF.r9M

雪美「……Pと……入れ替わって……みたい……」

モバP「君の中に入ってその目から僕を覗いたらちょっとは物分かりが良くなるのかしら的な?」

ちひろ「今夜月の見える丘にかな?」

モバP「入れ替わることはできないが、代わりにこの脚立に乗ってみないか?」

ちひろ「それは年末の掃除に使ったやつですね」

トン トン トン

雪美「おお……高い」

モバP「今の雪美さんは俺より高いぞ。足元は気をつけてな」

雪美「うん……。……でも……P……来て」

モバP「ただいま参りまする。……ここで良いかな。……ん?」

ナデナデ

モバP「ああ……何と心地良い」

雪美「……Pのように……上から……こうしてみたかった……」


ちひろ「念の為に脚立を支える係やめても良いですかね?」



203: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/01/12(土) 19:03:18 ID:BVLF.r9M

101

モバP「クラリスさんじゃないですが、糸目の人って底知れない怖さがあるキャラにされがちですよね」

ちひろ「そんなこと言って良いんですか? クラリスさんがこっち見ていますけど」

モバP「えっ」

雪美「……?」

ちひろ「本気にしましたか?」

モバP「驚かさないでくださいよちひろさん」

ちひろ「まあ、そうやって勝手にイメージを膨らませて怖がったりからかったりするのは良くないのでは」

ちひろ「そういうの、風評被害って言うんですよ」

雪美「……ふうひょうひがい……ダメ……」

モバP「一理あるな。クラリスさんはクラリスさんだ」

ちひろ「でも、どうして糸目がそういうイメージになるのかは興味ありますよね」

モバP「下敷きとなるインパクトの強いキャラクターがどこかにいるんでしょうが」



204: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/01/12(土) 19:05:35 ID:BVLF.r9M

モバP「糸目にもカーブ系とまっすぐ系と釣り目系があって、怖いイメージを作るのは釣り目な気がします」

ちひろ「キツネ目ってやつですか。キツネは昔から人を化かす動物とされてきましたからね」

モバP「タヌキもそうなんですが、どうも見た目のせいか大らかなキャラクターにされがちと言いますか」

ちひろ「キツネはシャープですからね。更にはお稲荷さんとか九尾とか格の高そうな伝承が多いですし」

雪美「……私は……キツネと……タヌキ……どっちだと……思う?」

モバP「雪美さんは、強いて言うならキツネに近い動物なんじゃないかな」

ちひろ「動物言うなし」

モバP「でもキツネを擬人化すると大体金か、銀髪寄りになりますねえ。塩見の周子さんのような」

ちひろ「周子ちゃんがこっち見ていますよ」

モバP「二度も人を担ごうとしたってそうはいかねえや」

周子「お腹すいたーん♪」

モバP「今度は本当にいたよ」



205: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/01/12(土) 19:09:27 ID:BVLF.r9M

周子「なになに、何の話してるの?」

モバP「教えてあげるから、ちょいと薄く目を閉じて笑ってみて」

周子「何されるのかなー? はい、これでいい?」

モバP「ん、穏やかで優しい顔に見えるな」

少女説明され中……

周子「なるほどねー、糸目かー。……んー、シューコちゃんもと思ったけどダメ。前が見えねェ」

モバP「やろうと思ったら大変なんだよな糸目って」

ちひろ「クラリスさん、あれで普通にしているのはやっぱり凄いのかもしれませんね」

周子「……糸目とは違うけど、雪美ちゃんの目も、強く訴えかける力を持っているよね」

雪美「……」ジッ

周子「むむ……おやつ食べたい? あたしもなんだよねー。という訳でPさんどこか連れてって?」

モバP「君が食べたいだけなんとちゃいます?」


雪美「たいやき……食べたい……」 ホラ



206: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/01/12(土) 19:12:12 ID:BVLF.r9M

102

モバP「見よ、この筋肉美を」

雪美「……」(゚△゚)

モバP「栗みたいな口しやがって」

ちひろ「呆れているんですよ。というか事務所で服を脱ぐな」

モバP「いや、話の流れで見たいと頼まれたものですから」

ちひろ「自重してください」

雪美「……ちひろさん」

ちひろ「どうしましたか?」

雪美「……私も……あんな風に……なれる……?」

ちひろ「やめておいた方が良いですよ」

雪美「……いつか……Pを、肩車……してあげたい……」


ちひろ「雪美ちゃん。その志はともかく優しい心だけは捨てないでね」トオイメ



207: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/01/12(土) 19:16:43 ID:BVLF.r9M

103

比奈「プロデューサー。今ちょっとネタに詰まっていまして……何か会心のアイデアはないっスかね」

モバP「触手純愛なんてどうだい」

比奈「アイドルに何てものを描かせる気っスか」

モバP「いや、荒木先生はR指定系もいけないことはないのでしょう?」

比奈「割とダメです」

モバP「なら、純愛なんで健全ソフト路線でも良いのよ」

比奈「プロデューサー、そういう性癖をお持ちなんっスね……」

モバP「モンスターと心通わせる系のが好きなだけで他意はないよ?」

比奈「本当っスか……? 描くとしたらギャグっぽく、ですかねえ」

モバP「良いね。今時は女騎士とオークなんかもギャグに走ることが多いし」

比奈「ただ、そういうのは結局エグい本元をリスペクトした上での面白さではないかと」



208: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/01/12(土) 19:19:52 ID:BVLF.r9M

比奈「例えば触手とじゃれ合うにしてもどうするか、ですねえ」

モバP「まずは服を脱ぎます」

比奈「えっちぃのは嫌いです」

モバP「液でじわじわ溶かす触手くんは三下ですよ。服が勿体無いじゃないですか」

比奈「そういう問題ですか」

モバP「そしてお風呂で体を丁寧に洗ってあげましょう」

比奈「ペットか何かっスか」

モバP「あとはリラックスしてきたところにお酒でも勧めれば、気分よく絡んできてくれます」

比奈「絡み酒っスね」

モバP「……」

比奈「……もうちょっと真面目に考えてもらえませんかね」


雪美「みんな……仲良しが……一番」



209: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/01/12(土) 19:21:53 ID:BVLF.r9M

104

カチカチ

雪美「P……何を……調べているの?」

モバP「日本海側の天気と学力の関係」

ちひろ「また結構どうでも良いことを調べていますねえ」

モバP「特に北陸ですね。金沢では弁当忘れても傘忘れるな、なんて言うそうで」

ちひろ「天気が悪い日が多いとインドア活動が中心になって勉強に熱が入るのでは? ですか」

モバP「はい。石川県は学力テスト一位だそうで、ひょっとしたらそういう関連性も? ……と」

雪美「P……」

モバP「何ですか雪美さん」

雪美「真面目に……お仕事した方が……良いと思う……」

モバP「よし、やるぞ! まずはこの書類を片づけるんだ!」


ちひろ「雪美ちゃんが煽ってくれると素直なんですよねえ」



210: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/01/12(土) 19:24:49 ID:BVLF.r9M

105

モバP「雪が積もったので雪合戦でもしないか?」

ペロ「ニャー」

雪美「お断りします……」モゾ

モバP「しまった、そういえば雪美さんは猫属性だった。道理でコタツで丸くなる訳だよ」

モバP「……しんしんと舞い降る雪……美しい光景だな」

モバP「雨は地面に当たって音が出るが、それがない。静かだ」

雪美「雪……美しい……」

モバP「雪美……か」

モバP「小学校の宿題で自分の名前の由来を親に聞かされた記憶だけあるなあ」

モバP「その時に聞いたはずの肝心の由来はもう忘れてしまったが」

モバP「……ねーねー雪美、どうして雪美は雪美って名前なの?」

雪美「……秘密」


ちひろ「しかしペロちゃんは知っています」 ニャー



213: ◆ORDERq/08U 2019/01/19(土) 18:50:12 ID:BqwEcGeE

106

モバP「今日は給食に好きな物が出たのか」

雪美「うん……イチゴのムース……」

雪美「……Pにも……食べさせたかった……」

モバP「気持ちだけでも嬉しいよ。ありがとう」

モバP「デザート回は得した気分になれるんだよな。イチゴでもジャムだったら出現率は高いが」

雪美「あれも……ビュッフェのとは……違う……」

モバP「給食のは袋が透明だが、ビュッフェのはポーションタイプだな。あれはちょっとリッチな気分になる」

雪美「分かる……」

モバP「ああ、でも給食かぁ。また食べたいなあ」

モバP「でも、調べてみると今の給食は以前より相対的に質素になっているようだな」

雪美「……私には……ちょうどいい……量……」

モバP「君たちアイドルは な ぜ か 体重が軽すぎる子が多いので気になります」


ちひろ「タブーに触れちゃいかんよキミィ」



214: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/01/19(土) 18:53:24 ID:BqwEcGeE

107

モバP「雪美は落ち着いた、良い声だよな」

雪美「……どう聞こえるかは……人による……」

モバP「謙遜しているな」

モバP「例えば、深夜や早朝ラジオの独特の静けさの中で淡々と喋っていたら、俺が視聴者なら惹き込まれる」

モバP「勿論、現状その時間帯に仕事をさせる訳にはいかないんだがな」

雪美「……ラジオは……あまり……聴かない……」

雪美「……でも……朗読は……好き……」

モバP「ラジオドラマも良いが”朗読!”というのもオツだね」

雪美「……私でも……できる……?」

モバP「時間があるなら、お仕事ではないが、ボイスレッスンがてらちょっとやってみるか」

モバP「雪美の感覚でこの、銀河鉄道の夜を読んでもらおう」

――


ちひろ「その後、プロデューサーさんはトリップして倒れたそうです」



215: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/01/19(土) 18:55:32 ID:BqwEcGeE

108

雪美「いつもの……」

モバP「膝の上……」

モバP「はぁ~、疲れている時はやっぱりユキミニウムの摂取が一番だ」

雪美「……私……吸い取られて、いる……?」

モバP「早く抜け出さないとカラカラに干からびてしまうかもなぁ~?」

雪美「……!」

モバP「……!!」

雪美「……そんなわけ……ない……」ペシ

モバP「あろうはずがございませんわな」

モバP「まあ、あまりにも長くこの姿勢のままでいればエコノミークラス症候群にはなるかもな」

雪美「……じゃあ……降りる」ピョン

モバP「あらあら」


ちひろ「そりゃ人間は何時間も膝の上に誰かを乗せることを想定して作られていませんからね」



216: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/01/19(土) 18:57:50 ID:BqwEcGeE

109

幸子「プロデューサーさん!」

モバP「何だい幸子」

幸子「プロデューサーさんは女の子の扱いを分かっていませんね!」

モバP「そんなことはないぞ」

幸子「ほう、ではお手本を見せてもらいましょうか」

モバP「構わんぞ。――雪美さん」

雪美「うん……」 ヨジヨジ ポスン

モバP「よしよし」ナデナデ

雪美「……」(*゜-゜*)

幸子「ボクが言いたいのはそういうことじゃありません!」

雪美「……幸子も……座ってみる……?」

幸子「い、良いんですか?」



217: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/01/19(土) 19:02:54 ID:BqwEcGeE

【交代タイム】

幸子「……ふ、フフーン。悪くないですね!」

モバP「幸子はいつも体を張って頑張っているのに、俺はこのくらいでしか労えないな」ナデナデ

幸子「プロデューサーさんは、いろいろボクたちを楽しませようとしてくれるじゃないですか」

幸子「自分を卑下しないでください? この、撫でる手でしか伝わらないこともあるんです」

モバP「男の子の扱いをよく分かっているようだな」

幸子「当然です! アナタはボクがどんな時でもカワイイを保つ為に欠かせない存在ですから、無下に扱えるはずがないでしょう?」

モバP「優しいな。とりあえず、無理はするなよ? 俺も無理をすることになるから」ナデナデ

幸子「んっ……分かりました」

モバP「しかし幸子も膝の上に乗るのに抵抗が無いんだなあ」

幸子「何ですか、いけませんか?」

モバP「育ちの良さが普段の所作で感じられるから、こういうのははしたないとか思わないのかなと」

幸子「……背徳感はないこともないです」



218: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/01/19(土) 19:07:58 ID:BqwEcGeE

幸子「パパ以外の異性、それも年上の膝の上で落ち着けるって何でしょうね?」

モバP「落ち着くのか?」

幸子「普段の雪美さんの気持ちが分かります」

雪美「……幸子も……ひざ教に……入ろう」

幸子「怪しい宗教ですね! でも雪美さんが教祖様なら……いえ、冗談ですよ?」

幸子「……手が止まっていますよ? もっとなでてください」

モバP「分かりましてごぜーます」ナデナデ

幸子「あっ」ピクン

モバP「どうした」

幸子「そこはちょっと、敏感なので……優しくしてください///」

モバP「外ハネに神経が通っているのか君は」

幸子「……プロデューサーさん、女の子の体のことも知らないなんて可哀想ですね」ハァ


ちひろ「謎多き乙女の構造よ」



219: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/01/19(土) 19:13:55 ID:BqwEcGeE

110

モバP「想像すると怖いものってありますよね」

ちひろ「改まって何ですか? リアルには想像しなくても怖いものだらけですけど」

モバP「ちひろさんの怖いの基準がよく分からないですが」

モバP「例えば、偶然入ったカフェが何と男の娘カフェで、しかもその日は島風デーだったら」

ちひろ「耐性がない人への精神攻撃はやめようね」

雪美「……また、変な話……している?」

モバP「聞かれた?」

音葉「雪美さんの耳は、ヘッドホンで塞いでいたから大丈夫……」

モバP「気を利かせてくれてありがとう、音葉」

音葉「いえ……。Pさんの声、やはり直接が良いですね……」

モバP「やはりって、そのヘッドホンで何を聴かせているのかな?」

音葉「録音したPさんボイス、です……。ふふ……」



220: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/01/19(土) 19:20:48 ID:BqwEcGeE

雪美「Pも……聴く……? これ……気持ちいい……」

モバP「いや、自分の録音された声を聴きたいとは特に思わないなあ」

音葉「心地良い波長……。そして、照れの感情が20%……」

モバP「人の声の成分分析するのか。いつか声を聴いてミックスジュースを作ったり曲を作ったりしないだろうな?」

雪美「……面白そう」

モバP「それはそうと、君たちは想像したら怖いものはあるかな?」

音葉「…………」モンモン

雪美「…………!」ピキーン

音葉・雪美「うう……」ブルブル

モバP「先にイメージしてしまったか。君たちは想像力豊かだから注意しないといけなかった」

音葉「手を握って、もらえますか……」

モバP「分かった。……雪美もな」ギュッ ギュッ


ちひろ「一体何をイメージしたんですかねえ」



221: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/01/19(土) 19:26:22 ID:BqwEcGeE

111

モバP「こういう仕事柄か、アイドルによくお土産を貰うんですよね」

ちひろ「プロデューサーさんがしてあげるから、みんなお返しをしてくれるだけですよ」

モバP「嬉しいことなんですが……という訳で、お菓子です」ドサ

ちひろ「ウチのお菓子のストック棚が盛況していますね」

モバP「ちょこちょこつまめるのは良いんですが、太らないか心配です」

ちひろ「私もです。あと、お菓子ばかりでなく、ドリンクも飲んでくださいよ」

モバP「野菜も食べなさいみたいに言いますね? 後ろ向きに検討します」

ちひろ「ケチー」

モバP「ドリンク、効くには効くんですが、こういうのは適度に頼らないと、耐性的なものが出来て効果が薄まるんですよ」

ちひろ「本当かなー?」

モバP「まあ薬なんかは欠かさず飲み続けないと効果がリセットされるとも言いますが」

ちひろ「それは本当でしょう」



222: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/01/19(土) 19:34:30 ID:BqwEcGeE

ちひろ「それはそうと、ここにある巨大な箱は何なんですか?」

モバP「”開けてください”と書いてありますし、大方予想はつきますが」

ちひろ「開けてみましょうか。良いですよね?」 ハイ

ババーン!

雪美「……お菓子かと……思った? 残念……私でした……」

モバP「……」

ちひろ「……」

雪美「……?」

モバP「……! こんな所に居たのか雪美、会いたかったぞ!」ダキッ

雪美「P……苦しい……///」

ちひろ「さっきの間は何なんですか」

モバP「誰か入っているとは読めましたが、中身が意外過ぎて固まってしまいました」

ちひろ「予想していなかったのか……」



223: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/01/19(土) 19:36:40 ID:BqwEcGeE

モバP「全く。雪美が幸子みたいな茶目っ気を見せるとは思わなんだよ」ギュー

雪美「……///」

ちひろ「いつまでやってるんですか」

モバP「おっとやりすぎた」パッ

雪美「……おどろいた?」

モバP「ああ、驚かされたぞ。そして、その衣装は黒猫の着ぐるみか」

雪美「似合う……?」キラキラ

モバP「似合う似合う、お似合いですよお嬢さん。またモフモフさせろ」

雪美「本音……出てる」

バタバタ キャー

ちひろ「あれ? もう一個、怪しげな容器がある」 パカッ

ペロ「ニャ!」


ちひろ「サザエさんかな?」



224: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/01/19(土) 19:38:30 ID:BqwEcGeE

112

モバP「小学生の諸君、寒いと朝はお布団から出るのが辛くないか?」

晴「いや? 起きたばかりで布団にこもっていても何にもならねーし」

モバP「二度寝したいとかは思わない?」

晴「何だそれ? 大人ってそんなにダルいのか?」

モバP「わたくし、疲れた大人なのでしてー」

雪美「添い寝……したら……疲れ……取れる……?」

モバP「してくれたら安心してリラックスのデトックスで疲れも取れるだろうな」

晴「何する気だよ」

モバP「でも雪美は普段、ひょっとしてペロが布団の中に入ってきたりするのかな」

雪美「……うん、する」

晴「柔らかくて温かそうだなー。オレはさすがにサッカーボール抱いては寝られねーし」


ちひろ「においが付きそう、というのは野暮ですか」



227: ◆ORDERq/08U 2019/01/26(土) 20:25:27 ID:gdlJR4/2

113

雪美「……」パチッ

モバP「?」

雪美「……」パチパチッ

モバP「……うっふん」バチンッ

雪美「……ペロ」

ペロ「ニャー!」バッ

モバP「むごっ! ぐぐ、ふざけて悪かったから顔は堪忍してやあ」

雪美「……ふふ」パチッ

モバP「アイコンタクトも様々だが、今日は瞬きで来るか」

雪美「両目を……パチパチ、させると……猫は……リラックス……する……」

モバP「大島弓子の古い漫画に確かそんなことが描かれていたな」

雪美「Pも……リラックス……しよう……」


ちひろ「ひょっとしてプロデューサーさんって、ヒトととして認識されていないんですかね?」



228: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/01/26(土) 20:34:25 ID:gdlJR4/2

114

モバP「寝起きの雪美さんは夢現でいることがあるね」

雪美「……うん」

モバP「大抵は無反応無表情のクール分全開だが、たまに夢と勘違いしたような行動を取るから面白い」

雪美「……してる?」

モバP「してるとも。愛を囁いてきたり抱き着いてきたり、結構大胆不敵だ」

雪美「……覚えて……ない……」

モバP「よく考えればそんな状態やそもそも寝顔なんて、たくさん見ているんだな」

雪美「もう……。……私も……Pの寝顔……知ってる……」

モバP「一緒に仮眠とかするからなあ。俺の寝ている時ってだらしなかったりしていないか?」

雪美「ううん……。でも……手を握ると……うれしそうにする……」

モバP「その時の俺はきっと良い夢を見られているんだろうな」

雪美「Pと……楽しい夢……見たい……」


ちひろ「プロデューサーさんは割と常時夢現なところありますよね」



229: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/01/26(土) 20:36:44 ID:gdlJR4/2

115

モバP「本日の雪美さんは度なし眼鏡を付けているな」

雪美「大人の……変装」フンス

雪美「……これで……Pと……デート……し放題」

モバP「やったね!」

ちひろ「やらせません」

モバP「しかし、眼鏡をかけたくらいでは意外とバレないようでバレるんですよね」

ちひろ「経験がおありですか?」

モバP「休日にちょっと格好つけて歩いていたら道路向こうの遠目から美嘉に見破られました」

雪美「Pは……雰囲気が……出てるから……」

モバP「しかしウィッグ付けたり帽子被ったりすると結構判別が難しくなることはありますね」

モバP「雪美さん、こっち」オイデオイデ

雪美「……何?」トコトコ



230: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/01/26(土) 20:40:08 ID:gdlJR4/2

モバP「君にはこの帽子を被せてあげよう」

雪美「……お……」

モバP「もふもふパンダのニット帽です。今日のチェックと黒柄のレイヤードのコーディネートに似合うと思います」

雪美「……ちひろさん……どう?」キラキラ

ちひろ「可愛いです。頭に何か被るとまた雰囲気変わりますね。雪かきを思い出します」

モバP「よし、デート行こうか雪美」

ちひろ「プロデューサーさんは仕事中に遊びに行かないでください」

雪美「……!」ピコーン

雪美「……変装……Pは……私が……」

モバP「おっ、俺を変身させてくれるのか? いいやつで頼む」

【コーディネート中】

雪美「……できた」

ガチャ

馬マスクP「どうですかね? これじゃ目立って仕方なさそうですが」アッハッハ


ちひろ「アフォガードかな?」



231: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/01/26(土) 20:41:33 ID:gdlJR4/2

116

雪美「P……宇宙人って……いるの……?」

モバP「おうどうした雪美さん」

雪美「学校……クラスで……議論……してる……」

雪美「私は……いると……思う……」

モバP「俺もいると思うぞ」

雪美「……本当?」

モバP「ああ。現にウサミン星人なんてのもいるしな」

雪美「………………うん……」

モバP「そうディレイのある反応をしないでくれ。言った自分が申し訳なくなった」

モバP「コホン……宇宙人はいると思う。これだけ宇宙が広そうなのだからな」

モバP「ただそれは我々人間に認識が可能なものであるかは分からない」

雪美「……認識」



232: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/01/26(土) 20:43:12 ID:gdlJR4/2

雪美「……宇宙人は……見えない……の?」

モバP「普通の人は幽霊が見えないのと同じように、宇宙人も五感では分からないかもな」

モバP「基本違う次元にいて、何かの拍子でチャンネルが合ったりでもしない限り」

雪美「……今、ここに……隠れているかも……しれない……?」

モバP「しれないね。第一、水に覆われたちょっと寒めの青い星で酸素で生きている生物という存在だ」

モバP「これが宇宙全体からすると割とイレギュラーすぎて、規格に合わせられない気がする」

雪美「……」

モバP「生物は宇宙空間では生きていけない。なら宇宙人は生物形ではない別の何かとして存在しているのかもしれない」

モバP「……そんな風に一般のイメージとは違う方向で思いを巡らすのも面白いな」

雪美「……未知の世界……難しい」

モバP「専ら変な話ばかりして申し訳ないね。良かったらここに座るかい?」

雪美「……うん。……頭を……リフレッシュ……しよう」 ポスン

モバP「……まあ何を隠そう、俺こそ実は宇宙人なんだがね。自慢して良いぞ」 エー


ちひろ「もうちょっと真面目な宇宙人はいないものですかね」



233: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/01/26(土) 20:45:03 ID:gdlJR4/2

117

雪美「P……徹夜……したの?」

モバP「気象関係でトラブルに見舞われてな。大変だったよ」

雪美「意識は、大丈夫……? ……眠くない? 何か……食べる……?」

モバP「世話を焼いてくれるのは嬉しいなあ」ナデナデ

モバP「だが大丈夫だ。今から仮眠室でゆっくり休むよ。あ、相手出来なくてごめんな。おやすみ~」

雪美「……マイペース……」

――

モバP「……zzz」

雪美「眠くない……でも……Pと、一緒にいたい……」

モバP「……ん……う……」

雪美「……苦しい、の? ……スーツのまま……だから……」

雪美「……!」ピコーン

雪美「……脱がせて……あげよう……」



234: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/01/26(土) 20:47:07 ID:gdlJR4/2

――

雪美「……」

雪美「……無理……。……緩める、くらいしか……できない……」

雪美「こんなに……重くなる……の……?」

モバP「……zzz」

雪美「……いつも……おつかれ……さま」ナデナデ

雪美「……」ジーッ

雪美「……目……開かない……?」

雪美「……」ソーッ

雪美「…………」

雪美「……///」

――

モバP「……!」パチリ


雪美「……すー、すー」 ア、アッタカイ



235: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/01/26(土) 20:48:39 ID:gdlJR4/2

118

ズズズ プハー

モバP「熱い緑茶が美味しいですね」

雪美「……」 ←冷ましてる

ちひろ「今の子の多くは、茶柱が立つ、と言ってもピンと来ないらしいですね」

モバP「雪美はどう? 知っている?」

雪美「……知ってる……」

モバP「かしこい」

モバP「まあ、自分も現象としては知っていますが実際に見たことはありません」

ちひろ「注いだお茶に、その元になる茎が紛れ込むことが今はほとんど無いですからね」

ちひろ「ただ、必ず茶柱が立つお茶、というのが販売されているとは聞きますけど」

モバP「へぇ……でもそれは偶然立つからありがたいもののような気がしますよ」

ちひろ「でも一度は生で立った茶柱、見てみたくありませんか?」

モバP「そうですねえ」



236: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/01/26(土) 20:52:34 ID:gdlJR4/2

ちひろ「ペットボトルやお湯を注ぐだけの粉末も良いですけど、やっぱり急須を使って淹れたいものです」

モバP「ですが若い時分は花より団子、趣より量、という感じでお茶はガブガブ飲みたい主義でした」

モバP「丸い茶椀に慎ましやかに注がれたくらいでは物足りなかったんですね」

ちひろ「男の子ですねえ」

雪美「……んっ…………ほのかな……苦味」

雪美「……ちひろさんの……お茶……好き」

ちひろ「ありがとう雪美ちゃん」

ちひろ「ちなみに私が雪美ちゃんくらいの時はジュースとか大好きでしたね」

モバP「家では家族行事の時でもないとジュースは無かったです」

ちひろ「健康志向で良いじゃないですか。若い内からお茶に慣れておきましょう」

モバP「ただ牛乳はあったのでお茶代わりにやはりガブガブと」

ちひろ「牛乳はあまりがぶ飲みには向かない飲み物だと思うんですけど……」


雪美「……だからPは……こんなに大きい……」フムフム



237: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/01/26(土) 20:54:19 ID:gdlJR4/2

119

雪美「P……手を……貸して……」

モバP「何か手伝うのか? ……あ、本当に”手”を貸すのか」

雪美「Pの手……大きいから……塗りやすい」

モバP「保湿クリームだな……雪美の手の動きがマッサージみたいだ」

雪美「……終わり」

雪美「今度は……顔を……寄せて」

モバP「はい」

ヌリヌリ

雪美「……できた」

モバP「至れり尽くせりで俺はお坊ちゃまかな?」

モバP「リップクリームで唇も瑞々しくなったぞ。ありがとう」

雪美「お世話……楽しい……」

モバP「ああ……もし雪美さんが専属メイドになったら俺は温室育ちのダメ男になりそうだ」



238: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/01/26(土) 20:55:57 ID:gdlJR4/2

モバP「しかし最近は乾燥しているから、保湿ケアはしないとな」

雪美「うん……」

モバP「寒い=天気が悪い=雪=湿気ありと思いやすいが冬場は乾燥しがちだ」

モバP「乾燥時ほど猛威を振るうインフルエンザにも注意が必要」

雪美「手洗い……うがい……欠かさずに」

モバP「そうだな。最近見かけるアイドルたちはマスクを着用している者も少なくない」

モバP「幸い、感染者はまだ出ていないが気を付けていても罹るものは罹るから怖い」

雪美「体を大事に……ね」

モバP「ああ。俺が倒れるとみんなが困ることになるからな」

雪美「うん……あなただけの……体じゃない……から」

モバP「よし。じゃあ行ってくるよ」

雪美「P……行ってらっしゃいの……キス……」

モバP「リップクリームを塗ったばかりでするのかい?」

雪美「……あっ」


ちひろ「……こんな時どんな顔をすればいいか分からないの」



239: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/01/26(土) 20:57:44 ID:gdlJR4/2

120

モバP「体が冷えるこの時期、熱い湯に浸かりたいならやっぱり銭湯だなあ」チャプ

モバP「まだ時間の早い今は他に人がいないし、貸し切り状態だ」

モバP「ふー……」

モバP「普段、俺とコミュニケーションを取るのにいろいろと遠慮がないアイドルたちもいるが」

モバP「公共の場ではさすがに分別をつけるから、まさか男湯に侵入してくるはずもなく、安心だ」

ガラッ

モバP「!」

近所の爺さん「……おう兄ちゃん、また来とるんかあ」

モバP「どうも」

モバP「と、フラグも立て放題だ」

――

モバP「上がりましたよっと」

雪美「P……温かくなった……ね」ホカホカ


ちひろ「まあ、一緒に来てはいるんですけどね」ホカホカ



242: ◆ORDERq/08U 2019/02/02(土) 18:57:50 ID:TEyoqEKA

121

モバP「最近は雪美に触発されてか膝に乗ってきたがる子が増えてきた気がする」

雪美「……大変……?」

モバP「体のことなら大丈夫だ」

モバP「撫でるオプションとかを付けると仕事はやや滞るが大したことではない」

雪美「……ご苦労を……かける……」キリッ

モバP「ハハハ、良いってこと」

モバP「……それより雪美は、他人を乗せることで嫉妬したりはしないのか?」

雪美「……しない。……それより……良さを……知ってほしい」

モバP「ならばその良さに惹かれてお客さんが増えているのは本望か」

雪美「でも……Pと……一番深く……繋がっているのは……私」

雪美「……良さを……一番、分かっているのも……私」ギュッ


ちひろ「雪美ちゃんはクールだなぁ(白目)」



243: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/02/02(土) 18:59:31 ID:TEyoqEKA

122

モバP「アイドルには様々なお仕事があるし、企画によっては様々な衣装が用意される」

雪美「……にゃー」キラキラ

モバP「こうして雪美が幼稚園児のようなチャイルドスモックを試着しているのもその一つだ」

雪美「……にゃー」ワキワキ

モバP「ネコミミと、襟元に鈴も付いていますし」

雪美「……にゃー?」

モバP「意図せずまじまじと観察してしまう。良いぞ良いぞ」デレデレ

モバP「雪美はこういうぶかっとしたものもフィットするなあ」

雪美「ンギャア」

モバP「……俺もしかして幻覚を見ていて、ペロに話しかけたりしていないよな?」

雪美「……ふふ……ごめんなさい……大丈夫……私……だから」


ちひろ「あら、尻尾まで付いているんですね。……何か今動いた気がしますけど」



244: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/02/02(土) 19:03:45 ID:TEyoqEKA

123

モバP「久々の何もしない休日も良いものだ」

モバP「どこにも行かず、家でのんびりと過ごす」

加蓮「そうだね」

雪美「一理ある……」

モバP「本来そこに”誰とも会わず”も付け加えられるはずなんだがな」

モバP「お聞きの通り、今日はどこにも連れて行かないぞ」

加蓮「良いよ。ただPさんと、ダラダラ過ごしたいだけだもん。ねっ?」

雪美「……」コクン

モバP「なら構わん。ただプロデューサーの男の家に女子アイドルが居て大丈夫か?」

加蓮「あまりにいろんなアイドルが頻繁に出入りしているから、お咎めなしだね」

モバP「謎理論。社宅に格安で住まわせてもらっているから贅沢は言えないが」

モバP「みんなが近くに寄った時の休憩所になっているのは確かだな」

雪美「……便利」



245: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/02/02(土) 19:15:55 ID:TEyoqEKA

モバP「まあ俺は家に居ないことの方が多いし、物置になるよりは、節度を守って利用してもらうのも良いさ」

加蓮「……お父さ――じゃなくてっ、Pさん」

モバP「おやおや、リラックスし過ぎて間違えたか? あるあるだな」

加蓮「違うの! もうっ! そんなに歳離れてないのに!」

雪美「……P……休み……邪魔して……迷惑じゃ……ない……?」

モバP「いんや? 誰か居る方が楽しいからな。共にぐうたらしようじゃないか」

モバP「加蓮や雪美とは充分打ち解けていると思っているから、気疲れもしないよ」

雪美「……良かった」

モバP「ところで、小腹空いたろう。実家の実家から送られてきたポテトを今フライにした」コト

加蓮「わーい! Pさん分かってる~♪」

雪美「……いいの?」

モバP「俺が好きでサービスしているんだから気にしない!」

モバP「さ、箸もディップ皿もレタスサラダも出したし、手を合わせて」


「「「いただきます」」」



246: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/02/02(土) 19:19:38 ID:TEyoqEKA

124

モバP「はぁ」

莉嘉「どうしたのPくん」

モバP「以前は平気だった虫を触るのが苦手になって歳を取ったなと実感して」

莉嘉「そういうのいけないんだよー? 心の老化は体の老化! これお母さんの格言!」

莉嘉「Pくんは若いじゃん! 何ならアタシがそれを実感させてあげよーか?」ガバッ

莉嘉「わはははー☆」グルングルン

モバP「目が回るわ~……パッショナブルな励ましありがとうございます」

モバP「莉嘉は虫さん平気なんだよね」

莉嘉「平気だよ☆ 大したもんでしょー?」

モバP「ああ。だがこの先もそのままでいられるかな? 若さゆえの蛮勇・無敵感といったものは誰にもあるものだ」

莉嘉「それまで平気だったことが大人になってダメになるのってさ」

莉嘉「それ、ただキョーミ無くしただけなんじゃないかな?」

モバP「そこに気づくとは大した奴だ……」ナデナデ エヘヘー



247: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/02/02(土) 19:22:33 ID:TEyoqEKA

モバP「しかし、カブトムシなんかはまあ良いとして、どんな虫でもって訳にはいかないだろう」

莉嘉「まーそこはねー。触ると危ないのはいるし、キライな虫だっているけど」

モバP「直接触る訳ではなくても、害虫にも臆さない男勝り婆ちゃんや肝っ玉母ちゃんみたいなのは凄いよなあ」

莉嘉「それはちょーすごいってゆーか、迫力ある!」

雪美「……」テクテク

モバP「おう雪美さん。雪美さんは昆虫とか触ったりできるかい?」

雪美「……」ニコッ

雪美「……できない」

ズコー

モバP「余裕の表情と見せかけてフェイントか」

モバP「しかし、成長してから抵抗が無くなるような人もいるだろうし分からんな」

雪美「Pが……怖がってたら……私も……怖い……」


莉嘉「じゃあ、苦手は克服しないとねっ☆ Pくん?」 ウッス



248: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/02/02(土) 19:25:50 ID:TEyoqEKA

125

モバP「街は早くもバレンタイン商戦といった風でチョコレートが嫌でも目につくな」

雪美「限定品……おいしそう」

晴「実際うまいんだろうぜ。テレビで北欧の専門店を特集していたけど、すげー気合い入ってた」

モバP「海外デザインのチョコレートって我々の感覚からすると結構ファンシーだ」

晴「町並みからして何かカラフルだったりするよなー」

雪美「……マーブルチョコレート……みたいに……鮮やか……」

モバP「最近食べてないなあ。あれを見ると碁石を思い出すよ」

晴「形は似てるけどさあ……」

モバP「マーブルチョコレートと言えば、お皿に並べてお湯をかけてカラーアートを作る動画があるな」

晴「えっ何だそれ」

モバP「色が溶け出して面白いグラデーションになるんだ。本家はチューイングキャンディーだが」

晴「へー……まあやってみたいとは思わねーや」

雪美「食べないの……もったいない……」



249: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/02/02(土) 19:29:24 ID:TEyoqEKA

モバP「とにかくビビッドカラーは日本にはあまり馴染みきらないところがあって新鮮ではあるな」

モバP「レインボーケーキやギャラクシーケーキなんて食べ物なのか一瞬疑ってしまうよ」

晴「それはこの前のロケで見たな。確かに体に悪そうな色してたぜ」

雪美「晴は……チョコレートや……ケーキより……ガムの……イメージ……」

晴「昔から好きだからな。でもPにアイドルに誘われてから、何て言うのかな」

晴「もうガムで変にボーイッシュ? 気取らなくても良いやって思うようにはなってきたな」

モバP「晴にとってはガムは嗜好品であると同時に、自分をアピールする物でもあったんだな」

晴「かもな。まずいろんな人と交流するのにガム噛んでたらちゃんと喋れねーからな」

モバP「ハハッ、ちげえねえ」

雪美「晴……プロ意識……かっこいい」

晴「よせやい、照れるぜ」ヘヘッ

雪美「言葉選びが……Pっぽくは……なってる……」

晴「責任取れP」



250: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/02/02(土) 19:32:19 ID:TEyoqEKA

モバP「それはそうと、ガムも最近食べないねえ。俺は口寂しい時は飴派だし」

晴「オレの好感度が2ポイント減って杏の方に行ったぞオイ」

モバP「ガムは味なくなるとペッしないといけないのがなあ。チョコと一緒に食べると溶けてくれるが」

雪美「……初耳」

晴「どっからそういう知識を仕入れてくるんだアンタは」

モバP「大人の雑学だよ。尚、口の中はあまり愉快なことにはならない」

晴「だろーな」

晴「……Pは、バレンタインはチョコレート以外でも貰えたら嬉しいもんか?」

モバP「うれしいよ! 晴がくれるものは何でもうれしい!」

晴「あげるとは言ってねーだろ。……そっかー良いこと聞いたぜ」

モバP「世間では贈るお菓子によってそれぞれ意味があるらしいが、細かいことを気にし過ぎてもな」

モバP「後でフォローが要るならそれはそれでお互いをよく知り合うきっかけになるってもんさ」

雪美「……ポジティブ……すてき」


モバP「よせやい、照れる」 オイマネスンナ



251: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/02/02(土) 19:35:25 ID:TEyoqEKA

126

薫「おにはーそとー!」

仁奈「ふくはーうちー!」

モバP「マッチ一本火事の元ー!」

ちひろ「それは違うやろ」

雪美「鬼は……どこ……?」

モバP「鬼とはな、我々人間の心の中に潜むものだ」

雪美「私の中にも……いるの……?」

モバP「ああ。そして心が弱った隙に雪美を乗っ取って悪さをするかもしれない」

薫「大変だー!」

仁奈「一体どうしたら良いんでやがりましょーか?」

モバP「節分豆は体の中に投げる、つまり食べて鬼を追っ払えば良いのだ」

ちひろ「何か慣習を曲解しているように見えますけど」



252: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/02/02(土) 19:39:13 ID:TEyoqEKA

モバP「という訳で小袋入りの炒り豆どうぞ」

ちひろ「……いただきます」

雪美「……」ポリポリ

モバP「よし、これでこの二人は救われた。次行くか小鬼一号二号」

薫・仁奈「世直しじゃー!」

ちひろ「想像を遥か超えてフリースタイルだった……あなたたち鬼側だったんですか」

モバP「鬼に身を窶して鬼気迫る感をですね……うっ!」ガクッ

薫「せんせぇ!」

仁奈「隊長!」

モバP「二人ともすまない。ここまで頑張ってきたが……オラもう力が出ねぇ……」

薫「死なないでせんせぇ!」

仁奈「あなたが死んだら一体誰がこの星を守りやがるんですかリーダー!」

雪美「薫、仁奈……これを……食べさせて」

薫「分かった!」



253: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/02/02(土) 19:41:17 ID:TEyoqEKA

仁奈「はい、あ~んしやがりください」

カリッ モグモグ ゴクン

モバP「……」

モバP「……ふ」

モバP「ふっかあああああつ!」

薫「せんせぇ!」ガバッ

仁奈「ボス!」ガバッ

雪美「……」ポリポリ

ちひろ「茶番グダグダですけど。あと呼称統一しましょう仁奈ちゃん」

モバP「仙豆食べてる気持ちになるでごぜーますよ」

ちひろ「やかましい」

薫「はいはーい! 次はかおるに食べさせてー♪」

仁奈「その次は仁奈にもおねげーします!」


雪美(……仙豆?)ポリポリ



254: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/02/02(土) 19:44:35 ID:TEyoqEKA

127

ナターリア「P! エホウマキという訳でもナイ、ノリマキ食べヨ!」

雪美「一緒に……作ってきた」

モバP「お、ありがとう。どれどれ……?」

モバP「……すごく……太くて長いです……」

ナターリア「男の子はタクサン食べテ、大きくならないとネ! ムフフ」

モバP「最後の笑いが意味深だな。では早速いただこうか」

モグモグ

モバP「美味い。この具は、納豆、アボカド、玉子に穴子? か」

モバP「ちょっと変わった取り合わせではあるが、即効で元気が出るようだよ」

雪美「……ふふ」モクモク

ナターリア「Pに元気になってもらいたいからナ!」ニコニコ


ちひろ「地味に精の付く物を詰め込んでますね……あ、おいしい」



257: ◆ORDERq/08U 2019/02/09(土) 20:23:15 ID:bDoH2qvU

128

モバP「……」(-_-)

雪美「……」(-_-)

ちひろ「ちょっと、額と額くっつけて何してるんですか!」

モバP「静かに……」

雪美「…………」

モバP「…………」

雪美「……ん……同期……完了……」パチッ

モバP「良し。これで例えどちらかが斃れたとしても、心は共にある」

雪美「……P……行ってくる」

タタタ

モバP「ちょっとしたSFごっこです」


ちひろ「真顔で言わないでください」



258: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/02/09(土) 20:25:34 ID:bDoH2qvU

129

モバP「雪美」

雪美「何……?」

ツン

雪美「……?」

モバP「雪美の頬、柔らかいな」

雪美「……P」

グニグニ

モバP「あっあっ、ほっぺた引っ張らないで」

雪美「Pのも……やわらかい……楽しい」グニグニ

モバP「止めないのならこっちからももう一度だ」

雪美「……だめ。……大人しく……して……」グニグニ


ちひろ「雪美ちゃん、意外とやり返しますよね」



259: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/02/09(土) 20:27:47 ID:bDoH2qvU

130

雪美「……P」

モバP「おっ、どうした雪美」

雪美「……あげる」

モバP「チョコレートかぁ! 嬉しいな、ありがとう……って」

タタタタッ

モバP「何も恥ずかしがることはないと思うが、行っちゃったよ」

ちひろ「受け取り方が普通過ぎてつまらない-346点」

モバP「どうしろと」

ちひろ「捕まえてハグしてキスの一つでもすれば良いじゃないですか?」

モバP「して良いんですか?」

ちひろ「勿論早苗さんには通報しますけどね」

モバP「まあ、また後で会うでしょうからそこでしっぽりと」

ちひろ「置き早苗さんしておきましょうか?」



260: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/02/09(土) 20:29:13 ID:bDoH2qvU

ちひろ「しかし、見れば可愛らしい手作りですねえ」

モバP「本当ですよ。俺はつくづく幸せ者です」

ちひろ「大人はあまり相手に渡す為に手作りを、とはなりませんからね」

ちひろ「市販の高給なやつや珍しい物をチョイスして、それをどうぞと渡す感じです」

モバP「例えは変ですが自由課題みたいなもので、センスが試されますね」

ちひろ「作るにしても買うにしても、か」

ちひろ「……で、食べないんですか?」

モバP「雪美に貰った手作りチョコレートですよ? あまりに尊くてどう手を付けたものか」

ちひろ「勿体無くて食べずにいつまでも持っておく……ベタですね」

モバP「……ちょっとだけ」

――

モバP「……食べちゃったぁ」スッカラカン


ちひろ「自制心そんなに無かったですね」



261: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/02/09(土) 20:33:14 ID:bDoH2qvU

131

モバP「雪美さんや」

雪美「……どうした……の?」

モバP「宮本フレデリカ直伝のビズをしても良いかい」

雪美「……? ビズ……知らない……」

モバP「ヒントは挨拶の一種だ。何をやるかはお楽しみ。やるかい?」

雪美「…………」コク

スッ

チュッ チュッ

モバP「ビズはフランス語、英語ならチークキスとも言うかな」

モバP「正面から相手の左頬に右頬を、右頬に左頬をそれぞれ合わせる。That's it!」

雪美「……///」ポー


ちひろ「明らかにキスまでしていましたよね?」



262: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/02/09(土) 20:45:13 ID:bDoH2qvU

132

巴「強くなったのう、雪美」

雪美「……ありがとう……巴」

モバP「おっ、将棋教えていたのか」

巴「おう、Pか。見ての通りじゃ」

モバP「若いもんは上達が早いけぇの」

巴「何言っとるん、うちもまだ若いわ」

モバP「しかし教える側ってのも良いもんだろ? 自分にもフィードバックされるというか」ポン

巴「人の髪を気安くさ・わ・る・な・や」バシッ

モバP「まあ教えるのも良いけど後輩として可愛がられる経験も良いよなー」ワシャワシャ

巴「やめろ言うとるんに……雪美、こいつ取り押さえてイタズラするか」

雪美「する……!」


ちひろ「若いっていいものですね。参加はしませんけど」 チョマッ ドコサワッテンデイ!



263: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/02/09(土) 20:47:11 ID:bDoH2qvU

133

モバP「ただいま戻りましたー」

モバP「あれ? 電気消してあるし誰もいない? でも戸締りしていないとは不用心だな」

ガサガサ ガサガサ

モバP「ん、何の音だ? まさか泥棒じゃないよな?」 カチッ

カチッ

モバP「蛍光灯が切れているじゃないか。参ったな」

ガサガサ

モバP「俺の机の方から聞こえるな」

モバP「――そこにいるのは誰だっ」

クルッ

ペストマスクの怪人「……ミタナ」

モバP「ひっ!?」



264: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/02/09(土) 20:49:23 ID:bDoH2qvU

モバP「! お、おい……そこに倒れているのは、雪美……か?」

怪人「……」

モバP「お前がやったのか? 畜生、何てことだ。そこをどけっ!」

ダッ

モバP「あっ、おい!」

ガシャーン!

モバP「待て! ここは五階だぞ!」ダッ

モバP「……!」

モバP「いない……窓の外には、誰も……一体どこに……」

モバP「いや、とりあえず雪美だ。……雪美!」

モバP「――う、う、う、う、嘘だろ……血だらけ……体っ……冷たい……」

モバP「雪美いいいっ!!」



265: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/02/09(土) 20:50:35 ID:bDoH2qvU

――

モバP「うわあっ!」ガバッ

チク タク チク タク

モバP「……ここは……俺の家か」

モバP「生々しい夢だったなあ。ここ何年かあんな類のは見ていなかった」

トットットッ

カラス「カー」

モバP「うへっ!?」

ビクッ

モバP「あっ、驚かせてすまん」

モバP「……おいおいおい、どうして家の中にカラスが入り込んでいるんだ。どっから入ってきた?」

モバP「アイドルの誰かが手引きしたとも思い難いし……」

pipipi



266: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/02/09(土) 20:52:39 ID:bDoH2qvU

モバP「ん? 朋からのメールか」

 身近な異性の友人が大切な人の死に目に会うかもしれない
 今朝の占いだよ。
 こんなのが出てきたの初めてで、あたし嫌な予感がしたから一応Pに教えておくね。

モバP「……ゾッとするな」

カラス「……カー」

モバP「おっと待ってろ、今外に出してやるから」

ジッ

モバP「空きっ腹か? しかし野生のカラスに餌付けなんてして良いものか」

ジーッ

モバP「……みんなには内緒で、一回きりだぞ?」

 カラスくんはリンゴを食わせてからベランダに出すと何事も無かったように飛び立っていった。
 妙な胸騒ぎがしていた俺は、その後すぐに身支度をして家を出た。
 冬ながら春さながらの陽気に恵まれた、そんな朝だった。



267: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/02/09(土) 20:53:49 ID:bDoH2qvU

モバP「おはようございます」

ちひろ「プロデューサーさん、おはようございます」

モバP「ちひろさん、何かおかしなことはありませんでした?」

ちひろ「いえ。どうかしたんですか?」

モバP「無かったなら良いんです。今朝からちょっと奇妙な目に遭っていまして」

ちひろ「あなたは年がら年中奇妙ですからね。さあ、仕事しましょう」

 それから、プロデューサーとしての仕事に追われながら何事も無い一日が過ぎていった。
 何か引っかかる感覚がありながらも時間が経つごとにそれも薄れていく。
 夕方になり、雪美が事務所に顔を出す。

雪美「……P」

モバP「どうした? 雪美」

雪美「……」プイッ

スタスタ パタン

モバP「おっ、おい雪美っ!」



268: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/02/09(土) 20:55:21 ID:bDoH2qvU

ちひろ「どうしたんですか? 構い過ぎて遂に嫌われました?」

モバP「……」ダッ バタン

モバP「雪美! 待ってくれ!」

モバP「はぁ、はぁ……一体、どうしたんだ?」

雪美「……」

雪美「……P……怖い……来ないで」

モバP「なっ……!?」

 初めて見る冷たい目だったかもしれない。
 俺の足は一歩踏み出そうとしたままで動けず、彼女が視界から去るのを見送る以外に出来ることは無かった。
 事務所に戻るとちひろさんが備品が足りないが手が離せないと言う。
 俺は外までひとっ走り買いに行くこととなった。

モバP「……考えても分からん」

カーカーカー

モバP「まだ冬やのにカラスが仰山飛んではるわ」



269: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/02/09(土) 20:56:22 ID:bDoH2qvU

バサバサバサッ!

モバP「わっ、何だ一斉にこっちに!? 鳥葬か? 鳥葬なのか!?」

カーカーカー

『……オモイダセ』

モバP「う、うわあああああっ!」

――

ハッ

モバP「……あれ? カラス……」

 気づくと俺は、店の中で買い物かごを持って立っていた。
 白昼夢を見るとはいよいよどこかおかしくなったのだろうか。
 とりあえず買うものを買って戻る。

モバP「ただいま戻りましたー」

モバP「あれ? 電気消してあるし誰もいない? でも戸締りしていないとは不用心だな」



270: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/02/09(土) 20:57:24 ID:bDoH2qvU

ガサガサ ガサガサ

モバP「ん、何の音だ? まさか泥棒じゃ……待て、……俺は知っている」

モバP「夢だ。あれと同じことが……雪美!?」ダッ

ガサガサ

モバP「――おいっ!」

クルッ

雪美「……どうして」

モバP「えっ……!?」

雪美「どうして……ペロを……殺したの……」

モバP「! お、おい……そこに倒れているのは、ペロ……か?」

雪美「……」

モバP「違う! 俺がペロを殺したりなんかするものか!」

雪美「……」ツー

モバP「雪美、口から血が……あっ」 ドサッ



271: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/02/09(土) 20:58:18 ID:bDoH2qvU

「な、何かの間違いだ。こんなの……俺は……俺は……!」

「……!?」

 俺は窓ガラスを見た。
 反射して自分の姿が映っていた。
 黒づくめの、ペストマスクをした怪人だった。

「俺は……Pでは……無かっタ……?」

「俺は……ダレダ……?」

「オレ……? ワタシ……?」

「コレハ……ナニ……? アアアア」

「――そこにいるのは誰だっ」

クルッ

「……ミタナ」

「ひっ!?」



272: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/02/09(土) 20:59:00 ID:bDoH2qvU

「! お、おい……そこに倒れているのは、雪美……か?」

「……」

「お前がやったのか? 畜生、何てことだ。そこをどけっ!」

ダッ

「あっ、おい!」

ガシャーン!

「待て! ここは五階だぞ!」ダッ

「……!」

「いない……窓の外には、誰も……一体どこに……」

「いや、とりあえず雪美だ。……雪美!」

「――う、う、う、う、嘘だろ……血だらけ……体っ……冷たい……」

「雪美いいいっ!!」



273: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/02/09(土) 21:00:16 ID:bDoH2qvU

 私はどこかの草むらの上にいた。
 目の前にある澄んだ湖が、私の姿を映し出す。
 黒づくめでペストマスク、そして黒い翼を持った、小さな体。

「……」

 煩わしくなり、マスクを外す。
 宵闇の帳が下りる前の僅かな光が、私の貌を見せてくれる。
 ……そうだ……私は……佐城雪美だった……。

「……ふふ……ふふふ……」

――

モバP「こうして哀れなPは夢と現実の境を見失い、佐城雪美に変貌してしまったのでした。続く」

雪美「怖く……ない、よ……? まかふしぎ……ただ……それだけ……」

紗南「プレイグナイト風の雪美ちゃんかあ……そのイベントどうすれば発生するの?」

光「Pは闇堕ち怪人マスクだったか! 安心しろ、アタシがきっと救い出してみせる!」

飛鳥「迷宮に囚われたヒトはやがて自我崩壊する……山月記の様だね」


ちひろ「中学生たちにもいいかげんな話をするな」



274: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/02/09(土) 21:02:16 ID:bDoH2qvU

134

裕子「むむむ……む~ん……きえええぇいっ!」

シーン

モバP・雪美「……」サクサク モグモグ

裕子「……」

裕子「サイキック・ツッコミ!」ピシッ

モバP「あたっ! 何だよー」

裕子「お菓子食べながら見ていないでプロデューサー、何か助言をください!」

モバP「そうだな……音楽をかけながら作業をすると仕事の効率が良くなることがある」

モバP「こいつでリズムに乗りながらパワーを高めてみたまえ」カチッ

エッビバリダンスナーウ!

裕子「おっ? おっ? 何だかノッてきたかも? しれません!」

裕子「行きますよー、ムムムムーン……サイキック・Everybody Dance Now!」


早苗「何? ポールダンスでもしてるの?」

【さなえがしょうかんされた!】



275: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/02/09(土) 21:03:48 ID:bDoH2qvU

135

モバP「雪美さんマジ天使」

雪美「……」キラキラ

モバP「比喩ではなく本当に天使のような衣装なんだよな」

モバP「白で統一されたドレスにふわふわの翼、足は白タイツ、頭にはご丁寧に輪っかまで」

雪美「……天使って……何をすれば……良い……?」

モバP「人の側にいて加護を与えるのはどうですかね」

雪美「……かご……分かった……」

ポスン

雪美「これで……私は、どこへも……行けない……」

雪美「あなたを……守る……」

モバP「ははは、頼もしい奴じゃ……おふっ」

雪美「……?」


ちひろ「輪っかがプロデューサーさんの顔に当たってますね」



277: ◆ORDERq/08U 2019/02/16(土) 21:06:29 ID:GjwPqNuo

136

モバP「世のお菓子には割とアルコールが含まれている物が多い」

雪美「……」クンクン

モバP「例えばこの美味しいラムレーズンサンドとかもな」

雪美「……」プイッ

モバP「幸い雪美さんはアルコールに敏感でこういうものには口を付けない」

モバP「児童が興味本位で食べて体調を崩すようなこともあるから、自分の判断で忌避してくれるのは助かる」

雪美「……」

モバP「でも一度酔った雪美さんを見てみたいと思ったこともない訳ではない」

雪美「……えっ」

モバP「……十年後な」

雪美「……うん……。それまで……一緒にいて……ね?」


ちひろ「志希ちゃんなら疑似的に酔う薬とか作れそうですけど、そこは言わぬが花ですね」



278: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/02/16(土) 21:11:26 ID:GjwPqNuo

137

モバP「志希は最近失踪しないよな」

志希「正直キミから逃げ切れる気がしないんだよねー。すぐ捕まる」

モバP「またまたご謙遜を」

志希「確かにヒントは残すし遠くには行かないし本気で逃げてる訳じゃないけどさ~」

モバP「完璧に逃げようと思えばいつでも可能だが、それじゃつまんない! だろ」

志希「そーゆーこと。縛りの中で導き出すから楽しいのだ。……それ、どう?」

雪美「イチゴの……フレグランス……いい」

志希「それは良かった♪ にゃはは」ナデナデ

志希「こうして雪美ちゃんとキミをのんびり観察してるだけで、満足な最近のあたし。焼きが回ったねー」

モバP「じゃあ、発想を変えて新しいことにチャレンジしようぜ。筋トレとかさ」

モバP「志希がそういうこと言い出すのは、退屈になってきて現状打破したい時だろ? 知ってるぞ」

志希「そういうとこ分かってるからキミはズルいんだよねー。でも、よりによって筋トレ推すー?」


ちひろ「インテリ脳筋に目覚めた志希ちゃんは見たくないですねえ……」



279: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/02/16(土) 21:13:30 ID:GjwPqNuo

138

モバP「雪美さんはトレンチコートも似合うんですね。実にオシャレさんです」

雪美「……」キラキラ

モバP「帽子と合わせるとアンニュイな表情が実によく決まるな」

モバP「しかしおてては」

雪美「……猫の手」

モバP「ここにきて肉球手袋がカジュアルな方向に突き抜けているな」

雪美「これ……あったかい……」

モバP「触ってみても?」

雪美「うん……」

モフモフ

モバP「やだ柔らかい……」



280: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/02/16(土) 21:23:40 ID:GjwPqNuo

モバP「でも指が使えないのが不便だな。どうやって抜くんだ?」

雪美「…………がんばる」

モバP「まあ押さえて抜くしかないか。手伝おうか?」

雪美「まだ……このままで、いい……」

モバP「そっか。……それにしてもトレンチコートはベルトで腰をきゅっと見せるのも良いが」

モバP「こうやって前を開いて、ミニスカートとコートの裾の長さの対比に耽るのも――」

ちひろ「思春期かお前は」

雪美「……そんなPは……こうする……」バッ

モバP「うおっ、肉球手袋で対面目隠しとは! ありがとうございます!」

ちひろ「Mの素質ありかお前は」

雪美「……ふふ……これで私は……見えない……」

モバP「肉球がプニプニして面白いっすねこれ」

雪美「……じゃあ……もっと……してあげる……」グイグイ


ちひろ「日常エンジョイ勢かお前は」



281: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/02/16(土) 21:26:40 ID:GjwPqNuo

139

ちひろ「あら、チョコレートを食べているんですね」

モバP「バレンタインにアイドルから貰ったりイベントで配られたりで山とありますよ」

モバP「チョコレートなどは幸い日持ちしますから、ゆっくり消費しています」

ちひろ「大人の方たちとかは配慮してチョコレート以外を渡されたりもしたようですね?」

モバP「違うお菓子であったり、日本酒、ワイン、焼酎。食べ物以外をくれた方もいました」

ちひろ「責任持って、平らげる訳ですか?」

モバP「勿論。男モバP、出されたものは残さず食べる!」

ちひろ「モテる男はお辛いですねぇ」

モバP「自分もアイドルだったならそれこそトラックいっぱい貰えたりするんでしょうか?」

ちひろ「まあチェック入ってそれらが口に入るかは知りませんけどね」

まゆ「プロデューサーさぁん。チョコレートが減らないようなら、加勢しましょうか?」

モバP「やぁ、まゆ。イベントで配られた奴なら良いが、アイドルから貰った物は俺が食べきるよ。ごめんな」

まゆ「いえ。貴方に渡したチョコレートなのに、食べてもらえない立場はまゆも嫌ですからね」



282: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/02/16(土) 21:29:39 ID:GjwPqNuo

ちひろ「それにしても、プロデューサーさんがアイドルから貰う分にも、どうなんでしょう?」

モバP「どうと言いますと?」

ちひろ「疑うつもりはないんですけど、例えば媚薬とか毒とか入れられていたりしませんか?」

まゆ「割とはっきり言いますねぇ」

モバP「毒……効かない体質なんだよね、俺」

ちひろ「キルアじゃないんですからそんなところで特異体質を発揮しないでください」

モバP「まゆ。これはA社からのだけど……はい、あーん」

まゆ「あーん……ん……おいひい」

ちひろ「話の合間にイチャつくのも止めてもらえませんかねえ……」

モバP「さて、俺はこれを……」パク

モバP「……ふむ。――うまい。だが毎年調合を変えて精力剤を入れてくるのはやめようね? と」カキカキ

まゆ「誰ですかぁ?」

モバP「志希」

ちひろ「バレンタインに託けて人体実験されていませんかね?」



283: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/02/16(土) 21:32:50 ID:GjwPqNuo

ちひろ「しかし、手紙に一枚一枚、貰ったチョコレートの感想を書くんですね」

モバP「そして怪盗のようにアイドルの枕元にこっそり置いてきます」

ちひろ「アイドルの寝床に忍び込んでいるんですか!?」

まゆ「ロマンチックじゃないですか」ウットリ

モバP「まゆには気づかれましたけどね」

ちひろ「本当に警察呼ばれてもおかしくない事案ですよ」

まゆ「そんなことしませんよぉ。プロデューサーさんは紳士ですから……うふふ」

ちひろ「含みがありますねえ」

雪美「P……アナトール……みたい」

モバP「やぁ雪美。……ネズミがチーズの味を鑑定してくれる話か。あれ良いよなあ」

モバP「まあ基本は感謝と、どこが良かったかを素直な気持ちで書き綴ります」

ちひろ「本当、マメですね。暇な奴とも言いますけど」

モバP「お酒なら一緒に宅飲みして直接感想を言いますので無駄がありませんが」



284: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/02/16(土) 21:36:04 ID:GjwPqNuo

ちひろ「二人とも、手紙貰えるのは嬉しい?」

まゆ「はい♪ 褒めてもらえれば張り合いが出ます」

雪美「次はもっと……おいしいのを……作ろうって……思える」

モバP「( ;∀;)イイハナシダナー」

ちひろ「ソウナノカナー?」

まゆ「まゆも最初は、惚れ薬とか入れていました。今は味にこだわるようになりましたけど」

雪美「ほれ薬……Pには……効かない」

ちひろ「雪美ちゃんは既に知っているのか……」

ちひろ「あ。ちょっと疑問なんですけど、惚れ薬と媚薬ってどう違うんですかね?」

まゆ「惚れ薬は惚れるだけ、媚薬は……ちょっぴり如何わしい意味も含む、という理解ですね……」

モバP「まゆの口から如何わしいなんて言葉が……変な気分だ。チョコレートのせいかな?」

まゆ「あっ……貴方に意識してもらえた……」

雪美「私も……意識して……」


ちひろ「よく考えたら何でドリンクは効くんだろうこの人」



285: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/02/16(土) 21:38:34 ID:GjwPqNuo

140

りあむ「うう……」

モバP「新人は最初はなかなか上手く行かないよなあ」

りあむ「ぼくはクソザコナメクジのスローロリスだよ! もうダメぽ」

モバP「少しは開き直れそうかい?」

りあむ「りあむちゃんのガラスハートはクラック。10代終わりかけでこれだよう。やむ!」

モバP「なに、年齢幅広いアイドルの子たちと接していれば自然と強心臓になれるよ」

りあむ「ここのPサマが言うとめっちゃ不安だけど大丈夫かな? かな?」

モバP「困ったら助けになるよ」

モバP「ただ油断しているといつの間にか常識人枠に入れられているかもしれないから気を付けて」

りあむ「えっなにそれこわい。ぼくが冷静にツッコミに回るとか、草も生えない! よ!」

雪美「こんにちは、りあむ……。私を……すこれ」

りあむ「早速やみ感染者がいる!? ぼくみたいになっちゃいけないよ! でも真似されたい!」


ちひろ「……また一人アイドルが変な方向に捻じ曲がった音がした気がする」



286: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/02/16(土) 21:42:46 ID:GjwPqNuo

141

あかり「あきらちゃん! りんごをあげるんご!」ハイ

あきら「自分に? ありがとう」クイッ

ガブガブガブ シャクシャクシャク

あかり「丸かじりとはワイルドですね! だがそれがいい!」

あきら「ごちそうさまデス」フキフキ クイッ

あかり「マスク戻しちゃうなんてそんなぁ、みんな大好き顔出しタイムが」

あきら「持ち芸みたいに言うなし」

ンゴ! デス

雪美「……仲、良さそう……。……あきらは……クール?」

モバP「ああ。……ギザ歯をマスクやマフラーで隠してるのって立派な属性だよねえ」

モバP「兄ぃくんと会ったことあるんだが彼いわく、懐くと指とかガジガジしてくるらしいぞ?」

雪美「あまがみ……愛情表現……」


あきら「こらPサン! それはガセ、いいね?」



287: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/02/16(土) 21:44:51 ID:GjwPqNuo

142

モバP「冬は夏が恋しいもんだね」

雪美「……そう?」

モバP「そう言いつつ夏になると冬が恋しくなるという逆もありきか」

モバP「様々なことに当てはまるが、気温的な意味でね」

ちひろ「現代は以前より夏はより暑く、冬はより寒くなっている実感がありますからどちらもしんどいです」

ちひろ「気温なら過ごしやすい春や秋くらいを望むべきでは?」

モバP「それが正解なんですが、やっぱり冬と対になるのは夏って認識がありまして」

モバP「こんな日に都合良く夏の時の暑さを借りてきて、打ち消し合うことが出来たら良いのになあ、と考えます」

雪美「……P……たまに……変なこと……考える……」

ちひろ「小学生でもしないような発想ということです。残念でしたね」

モバP「あっ、そっかぁ……」


雪美「でも……良いと思う……がんばれPくん……」 ガンバリマス



290: ◆ORDERq/08U 2019/02/23(土) 19:39:05 ID:/XNEm2fA

143

雪美「ふふっ……つかまえて……ごらんなさーい……」

モバP「あははっ、雪美、待て待てー」

雪美「こっちよ……はやくはやくー……」

モバP「お転婆な奴めー、逃がさないぞー」

雪美「……ふふっ」ギュンッ

モバP「……っ!?」

モバP「雪美っ! ちょっ、まっ! 速いって! 足速っ!」

モバP「ふんぬっ! 負けるものかぁああ!」ダッ

モバP「ぬおおおおおおおおお!」

――

モバP「夢の中って上手く走れませんよねえ。いつも雪美に追いつけません」


ちひろ「夢でまでいつも雪美ちゃんに会えるなんて羨ましい」



291: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/02/23(土) 19:41:11 ID:/XNEm2fA

144

モバP「おや……雪美、おはよう」

雪美「……うん……おはよう……」ポー

モバP「ぼんやりしているなあ。珍しく髪がハネているし」

雪美「えっ……本当……?」

モバP「おっちょこちょいさんめ。待ってろ、髪様を鎮めてあげよう」

――

モバP「はい。これでいつものクールに決まった雪美だ」

雪美「ありがとう……でも……」

モバP「何だ?」

雪美「Pも……髪が……はねてる……」

モバP「……あらー」

雪美「……座って……。Pのは……私が……鎮める……」


ちひろ「私の心も鎮めてほしいなあ」



292: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/02/23(土) 19:46:50 ID:/XNEm2fA

145

モバP「バニーガールは欧米だと性の象徴とされ場によっては規制対象だ」

モバP「ましてや未成年にバニーの衣装なんて着せていたら」

モバP「日本ってクレイジーやな、と外国の人は思うのだろうか?」

雪美「……猫と……そんなに……違わない……」キラキラ

モバP「しかし雪美は着たがりさんだった」

モバP「頭にウサ耳、バニースーツの上に薄手のスラックスを重ね穿き……何か鼻がツンとするな」ムー

ちひろ「ちょっと刺激感じ過ぎじゃないですか? でも前髪の横分けでグッと大人っぽくなりますねえ」

雪美「……ドキドキ……してきた」

モバP「雪美が爆発しないか不安だ……これ一体どこから持ってきたんですか?」

ちひろ「コスプレ好きを侮るべからず。私のルートですよ。いろんなサイズあります」ジャン

モバP「あんたも好きやのう……」

ちひろ「あら、でも雪美ちゃんで見られて嬉しいでしょう?」

モバP「本当に感謝しかないです。一体何を企んでいる?(錯乱)」



293: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/02/23(土) 19:50:07 ID:/XNEm2fA

モバP「これ、スラックスの下は普通にレオタードなんですか?」

雪美「……見る……?」

ちひろ「ダメですよ~。愛梨ちゃんのような直レオタードはお見せできません。想像で補完してくださいね」

雪美「……ダメ……だって。……ふふっ」

モバP「ぐぬう」

モバP「しかしアイドルと言えど小学生、お仕事であまり煽情的な衣装は風紀上NGな訳で」

モバP「これは実質、激レア雪美だな。よく目に焼き付けておこう」

雪美「……これを見た……あなたは……ラッキー……♪」クルン

ちひろ「ドリンクなど買っていただければ後で写真送りますよ?」

モバP「商売すな! ……言い値で買います」

千秋「私にもください」

ちひろ「千秋ちゃんいつの間に……」

雪美「千秋……! ……千秋も、一緒に……バニーに……なろう……」


千秋「えっ……それは……///」



294: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/02/23(土) 19:51:57 ID:/XNEm2fA

146

モバP「雪美さん雪美さんあそぼじゃないか」

雪美「……今は……ダメ」プイッ

モバP「……しょぼん」

千秋「誰だって一人になりたい時はあるものよ。仲睦まじい人でも例外ではないわ」

モバP「そうだな……」

――

雪美「P……かまって……」

モバP「雪美すまない。今はどうしてもこの作業を終わらせねばならんのだ。今度にしてくれ」

雪美「……分かった……」

雪美「……」ジッ

モバP「……ここをこうして……ああ、いかん。やり直しじゃないか……」

雪美「……またね……」 パタン



295: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/02/23(土) 19:53:26 ID:/XNEm2fA

――

モバP「話をしようと思ったが、ハードスケジュールでくたびれて寝てしまったか」

雪美「……すー、すー」

モバP「こんな社用車ですが、家まで送っていきますよお姫様。ゆっくりお休みになられてください」

モバP「ふわぁあ……っと、いかんいかん。俺も疲れているのかな。気を付けよう」

――

ギィ

雪美「……P……?」

ちひろ「あら、雪美ちゃん。もしかしてプロデューサーさんに用があるの?」

ちひろ「残念ですけど、打ち合わせに付き添いにで、今日も夜まで帰って来ないと思いますよ」

雪美「……」

ちひろ「そんな悲しい顔をされると辛いです……」

ちひろ「そうだ、お菓子でも食べていきませんか?」



296: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/02/23(土) 19:56:48 ID:/XNEm2fA

――

杏「最近雪美ちゃんの相手してる?」

モバP「それが近頃は間が悪くて、なかなかね」

杏「雪美ちゃん、気を抜くと自分のことは後回しで良いからって遠慮し始めるからね」

モバP「最初の頃はそうだったな。分かっているつもりではあるんだ」

杏「分かってるつもりで相手の気持ちの確認を怠っていると、すれ違いが起きるよ」

モバP「疲れや忙しさに気を回しすぎず、俺から話しかけるべきだったか」

杏「でもボタンのかけ違いに気づいた時には、大切な人は寝取られていた」

モバP「鬱展開の王道はやめてくれ」

りあむ「Pサマ~! めっちゃやむ! 本当にやんじゃうぞ! 良いのか!?」

モバP「おーよすよすどうした」

杏「……うちのプロデューサーって替えが利かないのがシステムとしては致命的だよねえ」

モバP「システム言ってやるな」

杏「ここは杏が面倒見るから、行ってあげなよ。――りあむ、一緒にサボろうぜ!」 オイコラ



297: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/02/23(土) 19:58:26 ID:/XNEm2fA

――

雪美「……」

ガチャ

ちひろ「はい、あとは若い二人でね」 エッ

バタン

モバP「いきなり休憩室に連れて来られた……雪美か?」

雪美「……P!」ダキッ

モバP「おお……不安がらせていたみたいだな。ごめんな」ナデナデ

雪美「違う……私が……Pの誘い……断ったのが……」

モバP「そんなことで雪美と距離を置いたりしないよ。後でフォローしなかった俺の慢心だった」

モバP「雪美は俺が思っている以上に、俺のことを考えてくれているんだな」ギュッ

雪美「……」ギュー

モバP「……」ヨシヨシ



298: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/02/23(土) 20:00:52 ID:/XNEm2fA

雪美「………………ふぅ……ありがとう」

モバP「いい顔だねえ。解決したら気持ちの切り替えが早い、さすがだ」

雪美「……でも……Pに、かまってもらいすぎ……良くない……?」

モバP「どうかな……雪美は俺に構ってほしいんだな?」

雪美「……うん」

モバP「良かった。俺もよく雪美に構ってほしくて誘ったりしているから、お互い様だ」

雪美「……なるほど……」

モバP「そして今はお互いに受け入れる余裕もある。このままゆっくりしよう」 ウン

――

ガチャ

モバP「……戻りました」

雪美「……///」ポーッ


ちひろ「事後っぽい雰囲気を醸し出すのやめましょうね」



299: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/02/23(土) 20:07:36 ID:/XNEm2fA

147

モバP「美味しそうなドーナツがいっぱいだな」

雪美「……カラフル」

法子「おひとつどーぞ♪」

モバP「このグリーンはメロンチョコかな? それともアイシングかな? いただきます」ヒョイ

法子「雪美ちゃんも、選んでね?」

雪美「ピンク色……貰う……」

モグモグ

モバP「美味しいなあ。こんな見て良し味良しの市販ドーナツ、幼い頃はたまにしか食べられなかった」

法子「じゃあ、反動が来ていたりする? よくドーナツを大人買いしちゃうとか」

モバP「いや、代わりにカーチャンがよく揚げドーナツを作ってくれていたから満たされていたよ」

モバP「ホットケーキミックスか何かを使っていたのかな? 型抜きした穴の部分の丸ドーナツも食べたなぁ」

法子「家庭の味ドーナツ……何だかそれはそれで羨ましいかも」


ちひろ「もしかして:アメリカンドッグ」モグモグ



300: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/02/23(土) 20:12:34 ID:/XNEm2fA

148

モバP「たまにボウリングに行くと筋肉痛になりません?」

ちひろ「……本格的に歳ですかあなたは」

モバP「普段使わない所を動かしているせいなんでしょうが、人間の体って面白!」

ちひろ「客観的に言いますねえ」

モバP「それとはまた違いますが、昨日は雪美と張り切り過ぎまして若干腰が痛いのです」

ちひろ「……」チラッ

雪美「……?」キョトン

モバP「ダンスのことなんですが、何を想像して雪美の方を見たんですか」

ちひろ「いや何しでかしたのかと。まあプロデューサーさん、身持ちが堅いと身内から評判ですからね」

モバP「それは女性に対して使う言葉な気が」

ちひろ「それにしても破天荒な存在のあなたでも人並に体を痛めたりはするんですね」

モバP「いや~それほどでも~」 ホメテナイ


雪美「……Pの腰使い……激しいから……」 イミシンデスネ イミシンイウナ



301: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/02/23(土) 20:15:05 ID:/XNEm2fA

149

こずえ「ぷろでゅーさー……だっこしてー」

モバP「……すまないこずえ。見ての通りだ」

杏「おっす」

仁奈「えへへ」

モバP「右に杏、左に仁奈と小脇に抱えていて俺の手は塞がってしまっているのだ」

雪美「……」ヒソヒソ

こずえ「……んー……なるほどー」

こずえ「だったらー……かたぐるまで、たのむー」

モバP「よっしゃ、それだったら良いぞ!」

【合体】

モバP・杏・仁奈・こずえ「わっはっはっはー」

雪美「P……とても……立派……」パチパチパチパチ


ちひろ「アイドル三刀流とは腕を上げたなあいつ……」



302: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/02/23(土) 20:20:53 ID:/XNEm2fA

150

雪美「私は……Pにとって……どんな存在……?」

モバP「一つに絞れないが、とりあえず神様みたいな側面はあるな」

雪美「……神様……?」

モバP「膝の上に御座す神様――膝神様とでも言おうか」

雪美「……」

モバP「徳の高い神様だよ。雪美さんが俺に乗ってくれていると、何もかも上手く行く気にさせてくれる」

雪美「させてくれる……だけ?」

モバP「神様はきっかけをくれるだけ。人は最後は自らの手で切り開かなくてはならない」

モバP「でも、だけでも心強い。ここで護ってもらっているという安心感があるというかね」

雪美「……私の方が……護られて……いるのに……変なの……」

モバP「まあそれで言うと俺の膝は神様を祀る神棚ってことになるのかな」


ちひろ「プロデューサーさんには榊の代わりにイチゴの葉でも飾りましょうか」



305: ◆ORDERq/08U 2019/03/02(土) 21:07:54 ID:1CVGQRWc

151

モバP「雪美。クッキー作ってきたんだが一つ食べるか?」

雪美「うん……」

サクッ

雪美「おいしい……形も……P……上手……」

モバP「些細なことでも褒められると本当に嬉しいな~このやろ~」クネクネ

ちひろ「トナカイかな?」

雪美「……でもP……失敗……しない……」

モバP「それは表に出さないからそう見えるだけだよ。お仕事も多くは本番の成功のみを見せる」

モバP「裏で多くの失敗や過程があっても、身も蓋もない言い方をすれば結果だけが残るんだ」

雪美「……みんな……努力、してる……Pも……」

モバP「そう。人の見えない所まで想像して理解するのは難しいが、そうなれたら立派だな」


ちひろ「でも私には訳ありの割れクッキーいっぱいくれますよね」サクサク



306: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/03/02(土) 21:12:34 ID:1CVGQRWc

152

雪美「……どう……?」キラキラ

モバP「雪美さんはどうして何を着させても、俺のハートを射抜いてしまうのかしら?」

モバP「ノースリーブとミニスカートのチア衣装、良いぞ。ロングポニーでステージでも必ず目立つ」

雪美「……私が……チア……。……変な……気分……」

モバP「チアリーディングをやっている女子はアメリカのスクールカーストでは上位とか聞いたことがある」

モバP「海外学園ドラマによくいる勝気系ボンキュッボンな子がこれだったりそうじゃなかったり」

雪美「……Pは……私より……智香みたいな……体……好き……?」

モバP「本場を理想としてチアを追い求めるなら成長して鍛えられた体の方が見映えする」

モバP「ピラミッドを組んだり、跳ね上げたり、受け止めたり、アクロバティックなことをするからな」

モバP「だが、今の雪美は雪美として出来るチアをやれば良い。それが一番だ」

雪美「……了解……私のチアを……やってくる……」

雪美「……がんばれ……がんばれ…………と、がんばる……」フレフレシャンシャン


モバP「この独特のローテンションが好きなの」



307: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/03/02(土) 21:17:13 ID:1CVGQRWc

153

モバP「……俺は今、夢の中か」

雪美「……P」

モバP「お、雪美だ。何の用事かな」

雪美「……今日こそ……私と……契りを……交わして……」

モバP「そうだったな。何がそうなのか知らんが夢はそういう設定で動くもんだからな」

モバP「うーむ、こんな明晰夢を見るのはいつ以来か」

雪美「……キス……して」

モバP「夢とはいえ知り合いとストレートなキスをするのは気が引けるが……流れに従うか」

チュッ

モバP「……」

チュチュ

雪美「……もっと……んっ」



308: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/03/02(土) 21:19:56 ID:1CVGQRWc

雪美「ん……んん……」

モバP(うわあ、何か罪悪感と情けなさを自覚する)

モバP(でも柔らかくて悪くない心地だ……)

雪美「……ぷは……」

ガバッ

モバP(雪美、俺に乗りかかっているのに軽いなあ。俺の頭の中にある仮想の存在だからか)

雪美「もっと……深く……繋がりたい……」トロン

モバP「! ……ごめんよ。俺はもう――」

――

モバP「……」パチリ

モバP「――目が覚めてしまったんだ」

晶葉「おはようP。夢の映像化実験、終了だ……雪美が好きなのは分かるぞ? だが……」

モバP「うわ、よりによってこんな時にあんな夢を見たのか」


晶葉「……雪美に扮したショゴスを愛でるのはどうかと思う」 エッナニソレハ



309: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/03/02(土) 21:21:23 ID:1CVGQRWc

154

モバP「ひな祭りイベントもこれにて一段落。皆さんお疲れ様でした」

モバP「……ふぅ……春の陽気が一気にやって来て活気づくとはこのことか」

雪美「……P」ヒョコッ

モバP「何だ雪美さんか。どうした? 私をさらって一緒に遠くまで逃げてくれるとか?」

雪美「……変なこと……言わない。……Pも……おつかれさま……」

モバP「基本的に自分たちは裏方だから最後もアイドルの皆を労う立場だ」

モバP「じゃあ裏方は誰に労ってもらえば良いのか? という時にアイドル側から一言でも声をかけてもらえるのはとても嬉しい」

モバP「ありがとう、佐城雪美さん」

雪美「……P……まっすぐ……見てくれるから……好き」

モバP「……雪美」

雪美「……P」


ちひろ「先に恥ずかしくなって目を逸らした方が負けなのか、ずっと見つめ合っていますね」



310: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/03/02(土) 21:24:45 ID:1CVGQRWc

155

モバP「ちょっと早いが春はイチゴの季節だな」

雪美「……イチゴ狩り……行きたい……」

ありす「良いですね。行きましょうよ、Pさん」

モバP「イチゴガールズよ、その手のお仕事はしっかり受けてあるぞ」

雪美「……ノー、お仕事」

ありす「イエス、家族サービス」

モバP「俺はお父さんじゃないから。……まあ、誘ってもらったら行かなくてはな」

ありす「さすがPさん、話が分かりますね。下調べは任せてください」

雪美「……勝負下着……何にしよう……?」

モバP「堂々と勝負下着言うな。オフで一泊遠征はさすがに時間が取れないので近場日帰りでお願いできませんか」

ありす・雪美「……残念」

ちひろ「お父さん、仕事してください」


モバP「あ、今の”お父さん”は熟練度高いですね」 ハ?



311: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/03/02(土) 21:26:02 ID:1CVGQRWc

156

モバP「……」テキパキテキパキ

美優「Pさん、今日はいつにも増して真剣ですね……」ポー

ちひろ「普段から真剣みたいな言い方ですけど、最近暖かくなってきたせいかポンコツ化していましてね」

ちひろ「ちょっとコレで気合いを入れてもらいました」

早苗「ちひろさん特製ドリンクを授けたと。あらま献身的だこと」

ちひろ「私もたまには楽をしたいんです。他意はありません」

早苗「そんなこと言って随分と仲良いじゃあ~りませんか」

ちひろ「まあ日常で異常なハードワークをこなしている友人ではありますね」

美優「基本ほぼ二人で二百人アイドルの事務所を回しているって非常識ですよね……」

ちひろ「鬼や悪魔の方がもう少し良い職場にいるんじゃないかと思いますよ。見たことないですけど」

美優「少し、手伝いますね……」 アリガトウゴザイマス

早苗「確かにそれで相方に気を抜かれちゃうと死活問題だわね。でも、気候の問題かな?」



312: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/03/02(土) 21:30:09 ID:1CVGQRWc

ちひろ「と言いますと?」

早苗「P君って暖かくても寒くてもアイドルたちとよく遊んで食べて眠ってない?」

美優「ふふっ……そう言えば」

ちひろ「食う寝る遊ぶの三大欲求に正直なのは羨ましいことです」

早苗「でも大人向けの”遊ぶ”だったらシメなきゃいけないんだけどね」

ちひろ「じゃあ、あれは片桐判定としてはどうです?」

雪美「……P……お仕事……?」

モバP「……雪美……ちょっと懐に来い」ヒョイ

雪美「えっ……あ……」ポスン

雪美「…………仕方ない、にゃー……」

美優「カンガルーの子どもみたいですね」ホワホワ

早苗「満更でもなさそうなのがなー。でもあれはなー」


早苗「あたしもやってもらったことあるからアウトにできない……」 オオ、モウ……



313: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/03/02(土) 21:31:54 ID:1CVGQRWc

157

モバP「紗南の番組にゲストとして出るからゲームに慣れたい?」

雪美「……」コク

モバP「なるほど、雪美はテレビゲームの類はやらないタイプだよなあ……わかるわ」

モバP「じゃあ、畳部屋だがここで、少しマリオカートでもやってみるか」

雪美「……じゃあ……Pが……私の……コックピット……」ポスン

モバP「雪美は大胆だなあ」

【レース中】

モバP「…………ふふふ」

雪美「……何……笑って……」

モバP「コーナーで体が傾くタイプか。親近感が湧いてつい。すまん」

モバP「俺の体まで一緒に傾いてしまった。そういう特徴は好きだぞ」

雪美「……それなら……許す。……♪」


ちひろ「女の子を乗せているとはいえ、胡座でゲームしている後姿は何とも哀愁が」



316: ◆ORDERq/08U 2019/03/09(土) 19:23:59 ID:.Yv.3BRI

158

モバP「日常の一風景」

モバP「ボルダリングをする雪美さん」

雪美「んっ……」

雪美「……ほっ……」ヒョイッ

雪美「……うう」

雪美「…………よっ」パシッ

雪美「やった……P……見て……!」

モバP「見てるぞー。雪美さんは今日も絶好調だな」ニコニコ

雪美「……ふう」

ストン

雪美「……これ……伝わりにくい……」

モバP「でも雪美さんの掛け声を聴いているだけで耳が幸せ」


ちひろ「ここの社内ジム何でもあるな」



317: ◆ORDERq/08U 2019/03/09(土) 19:30:05 ID:.Yv.3BRI

159

モバP「雪美さんは水着でも薄着でもあまり気にせず俺の上に座るじゃないですか?」

雪美「……うん」

モバP「俺も何でもないかのように平然と座らせているじゃないですか?」

雪美「……うん」

モバP「……毎回理性を保っている自分が怖い」

雪美「……怖くない、よ……? 大丈夫……」

雪美「……あなたは……私の……Pだから……変なことは……しない」

モバP「雪美は俺を誘惑するがな。しかも俺はそれを楽しみにしてしまっている」

雪美「……でも……この繋がりは……もっと……崇高な……ものだから」

モバP「崇高、か。難しい言葉を知っているなあ」

モバP「ちなみに今日の、チュニックワンピース&スパッツという格好も、結構クるものがあるね」

雪美「……それは……ほめてるの……?」キラキラ


ちひろ「変に溜め込む人は破局的な爆発をしたりしますからね」



318: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/03/09(土) 19:31:44 ID:.Yv.3BRI

160

モバP「温水プールで雪美を見ていて思ったんだがな」

雪美「……うん?」

モバP「ゴーグル女子って良いね。陳腐な言い回しをするなら、萌えるってやつだ」

雪美「萌え萌え……?」キョトン

モバP「雪美にそれをやられると感情が芽吹くというより燃え滾ってしまうな」

雪美「P……気をつけて。……燃えすぎると……灰になる……」

モバP「ハイにはなっても灰にはならんさ」

雪美「……はい?」

モバP「……それはともかく、ゴーグルだ。スイマー系、ライダー系、スノースポーツ系、エンジニア系など様々だが」

モバP「目を保護する装備感、それを女性が着ける凛々しさ。何かに立ち向かう感じがする」

モバP「ちょうどここにバイク用のがあるんだ。良かったら着けてみたまえ」

雪美「……」スチャッ

モバP「雪美はこっちのゴーグルも似合うね」



319: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/03/09(土) 19:34:22 ID:.Yv.3BRI

雪美「でも……外した方が……Pは……見やすい」

モバP「普段は外す、そのオンオフがまた魅力だな。……いつか二人でバイク旅しない?」

雪美「……Pは……バイク……乗れるの……?」

モバP「お恥ずかしながら、免許は持っているが趣味のレベルにまでは昇華出来ていない」

雪美「……免許……いいな……」

モバP「でも自分の為じゃなくて誰かの為に趣味に入れ込めるのってちょっと憧れなのよ」

雪美「……Pの場合……ただ旅を、したいだけ……かも……」

モバP「見透かされているな。……二人で旅する時は、雪美さんが運転、俺は喋るモトラドかな」

雪美「運転するの……私……?」

モバP「冗談だよ。でも雪美に運転や整備してもらえるのなら俺はエルメスになっても良いや」

雪美「……P……バイクに、なると……困る」

雪美「抱きしめて……もらえない……」

モバP「……そういうことをさらっと言っちゃう雪美にはかなわんな。悶えるぞ?」


ちひろ「そういうとこだぞ」



320: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/03/09(土) 19:37:37 ID:.Yv.3BRI

161

みく「Pチャン、また袋ラーメン食べてる」ガサガサ

モバP「ゴミ箱を調べるでない。猫かお前は」

みく「心配なの。アイドルのセーフハウスと化したPチャン家だけど、独りの時は食事が雑だもん」

モバP「孤食はつい作るのも手抜きをしてしまいがちだな。社会問題とされるのも分かる。健康に悪そう」

みく「他人事みたいに言わないの。……これはチキンラーメンだね」

モバP「同じラーメンでも鍋汚して洗わなくて済むから楽なのよ。最悪お湯入れずに齧っても良いし」

みく「想像以上に酷い不精だにゃ……早く何とかしないと」

モバP「外食でなく自宅で孤食という機会自体はそんなに多くないんだがな」

モバP「男メシとか、やる気がある時は作るんだよ。キャベツの千切り丼とか」

みく「それは男メシじゃなくて貧乏飯!」

モバP「李衣菜には、ロックですね! と言われたぞ」

みく「ロックされるのはこっちの食欲にゃ。ええい、今からみくがご飯作る!」



321: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/03/09(土) 19:41:10 ID:.Yv.3BRI

モバP「……」

みく「あ、サカナ料理は作らないよ」

モバP「まだ何も言っていない。……でも以心伝心って凄いなー」

みく「図星かっ!」

雪美「……みく。……Pも……どうしたの?」

みく「雪美チャン! 聞いてよ~、またPチャンが堕落してるの!」

雪美「いつものこと……」ニコ

モバP「」ガーン

みく「人をもてなしてばかりで自分を大切にしないPチャンにはおしおきが必要にゃ!」

モバP「何か理不尽」

雪美「おしおき……プロレス……?」ワクワク

みく「いや、ご飯を作ってあげたいんだけど……Pチャンは普段お嫁さんに何を仕込んでいるの」

モバP「雪美さん意外とアグレッシブなの……」



322: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/03/09(土) 19:45:16 ID:.Yv.3BRI

――

みく「という訳で買い出しに出た訳だけれども」

未央「みくにゃんの手料理楽しみだなあ。不肖本田未央、ご相伴に与らせていただきます!」

卯月「未央ちゃんったら。私たちも手伝うんですよ?」

凛「働かざる者食うべからずってね。ただしプロデューサーは台所に立つの禁止」

みく「何か増えた」

モバP「仕事終わりのニュージェネに出くわすとは、犬も歩けば棒に当たるもんだ」

雪美「……にぎやか……楽しい……」

みく「みくがPチャンにご飯作ってあげる予定が、何か趣旨がズレて行きそうだにゃあ」

藍子「あっ、一際目立つ集団がいると思ったら、Pさん御一行じゃないですか!」

響子「また何か面白いことでも企んでいるんですね? 私たちも乗りますよっ!」

みく「どんどん増えるよ!?」


雪美「……町は……アイドルで……いっぱい」



323: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/03/09(土) 19:51:16 ID:.Yv.3BRI

162

ちひろ「今日は一日、忙しそうでしたね」

モバP「ホワイトデーの贈り物を皆さんに渡して回っていまして」

ちひろ「数が多いのに手渡しにこだわるところが律儀ですね」

モバP「そこが自分の唯一の取り柄ですから」

ちひろ「勉強できる子がテスト日に全然勉強してないよって言うのに似た嫌味に聞こえますけど」

モバP「では、嫌味ついでにお菓子も受け取ってください」ハイ

ちひろ「ありがとうございます。……手作りなんですね。まさか全員に?」

モバP「基本はそうですね。知り合いの櫻井君の屋敷の大きな厨房を借りて作りました」

ちひろ「櫻井……屋敷……あっ」

雪美「……P……やっぱり……ここにいた……」

モバP「おっと雪美さん! 実はな、雪美さんに渡したいものがあって」

雪美「……! ……えっ……なぁに……?」 ハイコレ ワァ


ちひろ「……私の扱い軽くないですか?」



324: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/03/09(土) 19:54:04 ID:.Yv.3BRI

163

モバP「先日他所の事務所のプロデューサーと話す機会がありまして、情報交換などしたんです」

モバP「何でもあちらさんは家が頻繁に燃えるらしいですね」

ちひろ「それは尋常じゃありませんね」

雪美「……どういうこと……?」

モバP「車が突っ込んできて炎上したり、延焼に巻き込まれたり、火の玉が降ってきたり、とにかく運が悪いと」

モバP「憐れんだアイドルの家に居候するようになってからはそんなことも起きなくなったそうだ」

雪美「……良かった……火事……怖い」

モバP「別のプロデューサーも対人運が悪いようで、よく担当アイドルに刺されるとか」

ちひろ「よく刺されるってその方のアイドルは蚊か何かですか」

モバP「でも強靭な肉体と豪運で事なきを得て、今では壁を乗り越えてハーレムを作っているそうです」

ちひろ「……プロデューサー界は魔境ですね。それらの話が本当であるならですけど」

モバP「まあ自分もアイドルと懇ろになるなんてオチは都合が良すぎるとは思いますが」 ソッチジャナイ


雪美「Pは……Pだから……良い……」



325: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/03/09(土) 19:55:53 ID:.Yv.3BRI

164

モバP「本格的に温かくなってきましたねえ」

ちひろ「エルニーニョ現象のターンでは暖冬冷夏だとか言いますね」

モバP「厳寒猛暑は辛いのでその方が助かると言えば助かりますが」

雪美「……同意」

モバP「ただ温暖化の影響で冷夏も冷夏になりきらないんじゃないかって天気予報士が言っていました」

ちひろ「次にまたラニーニャ現象のターンが来た時を考えると憂鬱ですねえ」

モバP「それはそうと沖縄では三月からもう海開きだそうで」

ちひろ「へぇ、早いですね。私も一度はプライベートで泳ぎに行ってみたいものです」

雪美「……いっしょに……行く……?」

ちひろ「うん、行く」

モバP「即答か」

ちひろ「何だったら有給取りますよ? アイドルと一緒に素の旅行なんて贅沢は滅多に味わえません」

雪美「……でも……Pも……いっしょに……来てもらう……」


ちひろ「二人して休んだら会社回らないですね……」 カナシイナァ



326: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/03/09(土) 19:57:51 ID:.Yv.3BRI

165

ペロ「ニャー」

モバP「おうペロっち。元気にしていたか? 良い気候になってきたな!」

ペロ「フシャー!」

雪美「……ペロっちは……馴れ馴れしい……だって」

モバP「それはすまなんだ。では改めて……ペローンちゃんおっは!」

ペロ「ンギャギャ!」

雪美「……ぼくを……ドローンみたいに……呼ぶな……」

モバP「分かった。……ペロお嬢様、湯浴みなどなさいませんか? どうぞこちらへ」

ペロ「…………うー」フイッ

ペロ「……」チラッ

雪美「……普通に呼んでよ……ばか……」

モバP「ペロ」 ニャ!


ちひろ「通訳雪美ちゃんが割と迫真なんですよね」



329: ◆ORDERq/08U 2019/03/16(土) 18:21:49 ID:diGaG1SM

166

モバP「世の中にはドールというものがあり、表情のバリエーションの一つに眠り目がある」

雪美「……」ウトウト

モバP「眠りかけのような薄目の状態――ちょうど今の雪美さんみたいな」

雪美「……ん……」カクッ カクッ

モバP「雪美……?」

雪美「……!」ピクッ

雪美「…………P……?」

モバP「仮眠室に行こうか」

雪美「……ん」コク

ちひろ「おねむな雪美ちゃんは口数が減りますねえ。まあ誰でもそうでしょうけど」

モバP「学校で体育の後の授業中とか、一度こうなるとなかなか起きていられないんですよね」

モバP「では、ちょいと夢の旅に行ってきます」


ちひろ「あ、プロデューサーさんは添い寝なんてせずに早く戻ってきてください」



330: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/03/16(土) 18:28:32 ID:diGaG1SM

167

モバP「日常の一風景」

モバP「宵の空の星を眺める雪美さん」

雪美「……いい……天気……」

雪美「暗く……なっていく……」

雪美「空気も……冷たく……」

雪美「…………」

モバP「?」

雪美「……さみしい……」

モバP「スケールの大きな存在に臨むと圧倒されるよな。そして孤独感を覚えたりする」

モバP「もしも倒れそうになっても、俺が雪美を受け止めてやるさ」

雪美「……頼りに……してる……」


ちひろ「私を受け止めてくれるのはこの土手の原っぱだけでしょうか」



331: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/03/16(土) 18:34:23 ID:diGaG1SM

168

モバP「雪美よ、世界は広いか?」

雪美「……うん」

モバP「俺が少年の頃も、世界は広かった。そう見えたよ」

雪美「……今は……違うの……?」

モバP「今は世界は狭まった。技術の発展が理由じゃない。それもあるのかもしれないが」

モバP「肝心なのは自分の体が大きくなって、頭の容量、もとい知識も増えたこと」

雪美「……」

モバP「単純に体の大きさが二倍になればスペースの感じ方も変わる」

モバP「広かった実家の部屋も今では小さなものさ。広さは変わっていないのにな」

雪美「……Pも……いつか……小さく……見えるように、なる……?」ペタペタ

モバP「ああ、相対的にな。そして老いると今度はまた世界が広く、遠くなっていくのかもな」

雪美「……ふくらんで……しぼむ……風船……みたい……」



332: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/03/16(土) 18:36:56 ID:diGaG1SM

モバP「風船か……そんな膨らむ前の雪美さんだが、今は今を心行くまで楽しんでほしい」

モバP「歳なりの制約はあるだろうが、様々な経験をしてほしいんだ」

雪美「……校長先生が……そういうこと……言う……」

モバP「それがいつか、懐古する楽しみになる。それは悪いことではないと思う」

雪美「……Pは……楽しかったの……ね」

モバP「うん。昔は良かった昔に戻れたら、ではなく楽しかった過去があるから今と未来がある」

雪美「……思い出が……支えに……なる……」

モバP「個人的見解だがな。でももし良かったら、一緒に楽しい思い出を作ろうや」

雪美「……良かったら、なんて……分かりきってる……くせに……」

ギュッ

雪美「……Pは……私にとって……あまり、プロデューサー……らしくはない……かも」

モバP「そこはちょっと危惧する所ではあります」

雪美「でも……大事な……友達……、……それ以上…………」


ちひろ「プロデューサーらしさも取り戻してください」



333: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/03/16(土) 18:39:30 ID:diGaG1SM

169

かな子「Pさんは食べるの好きですよね」

モバP「これだけが楽しみなんですよ――ってのは冗談だが、異論はない」

かな子「何で太らないんですか?」

モバP「いろいろ削ぎ落した実にスリムな質問だな」

モバP「端的に返すと、その分だけ頭と体を働かせているんだヨ☆」

かな子「……」ジーッ

モバP「疑いの眼差しを向けるのはやめたまえ。……もしかして、少しはぽっちゃりしていた方が好き?」

かな子「そんなことはないですよ。ただ、ちょっと羨ましいなって」

モバP「自己管理も仕事の内だが、あまり気にし過ぎると体に毒だぞ」

モバP「自分も以前、ちょっと増えたことに焦って食事の量を減らしたことがあるが、体調が悪くなった」

かな子「それはいけないですね。ケーキ食べます?」

モバP「いただきます! 飲み物はコーヒーにする? それとも紅茶?」



334: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/03/16(土) 18:45:51 ID:diGaG1SM

――

モバP「かな子の作るケーキは美味しいな。夕飯が食べられなくなりそうだ」

かな子「Pさん、いつも美味しそうに食べてくれますね♪」

モバP「美味しく作ってきてくれるんだもの。当たり前だ」

かな子「でも、夕飯を食べられなくなるのはちょっと、良くないかな?」

モバP「そういう時は時間を空けた上で軽いものでバランスを取るから俺は平気だよ」

雪美「イチゴ……イチゴ……♪」ハムッ

雪美「んん…………おいしい……!」ニマー

モバP「雪美がトロットロに蕩けておるよ。いい仕事してますねぇ」

かな子「えへへ、うれしいなぁ」

モバP「さて。食べた分はしっかりパフォーマンスに変換してみせるぞ」

雪美「カロリーは……レッスンで……使う……! かな子も……やる……?」

かな子「う、うん。……いっぱい食べる人はフットワークも軽い、かぁ」


ちひろ「そこの二人は代謝が良いというか、燃焼効率が良いんですよね」









元スレ
SS深夜VIP:モバP「雪美さんといっしょ」