1: 名無しで叶える物語 2020/03/30(月) 17:24:19.49 ID:DyPLDHZB.net

学校 校庭

エマ「うわぁ~雪沢山積もったねぇ」

凛「わ~い雪だ雪だ~!!」ダダダッ

海未「こら、凛‼走ったら滑って転びますよ‼」

凛「凛はそんな間抜けじゃないもんね~」ズルッ

凛「わにゃっ!?」スッテーン

凛「つ、冷た~い……」

エマ「凛ちゃん大丈夫?ほら立って」グイッ

善子「ふふ、雪ごときではしゃぐなんてまるで子供ね」

海未「まったくです、私達は遊びに来た訳ではないのですよ。雪掻きをして他の生徒が安心して明日登校出来るようにしなくては」

善子「それにしてもさっむ……なんで私達がこんな事を……こんな日は家でゲームしたいわ」

エマ「まぁまぁ、たまにはボランティアもしたらいいんじゃないかな」

海未「そうです、皆でやればその分早く終わるのですから頑張りましょう‼」

凛「よ~し!!テンションあげてくにゃー!!」



2: 名無しで叶える物語 2020/03/30(月) 17:33:38.34 ID:DyPLDHZB.net

凛「それそれそれ~!!」ザクザクザク

エマ「凛ちゃん張り切ってるね~」ザクッ

海未「最初からそんなにペースを上げると体力がなくなりますよ」ザクッ

凛「だから体力がある内に飛ばしてやるんだよ」

海未「はぁ、凛らしい考えですね」

善子「雪って結構重いのね、これは結構重労働だわ……」ザクッ

海未「この雪は割りと湿っていて重いですからね、休みながらやるといいですよ」

善子「あなたは随分軽々と雪掻きするのね」

海未「ふふ、鍛え方が違いますよ」

善子「まっ、エマさんの方がすごいけど」

エマ「よいしょ、よいしょ」コンモリ

海未「おぉ、いつの間にかあんなに……」

凛「エマちゃんすごいにゃ~」

エマ「えへへ、ありがとう~」



5: 名無しで叶える物語 2020/03/30(月) 17:48:34.32 ID:DyPLDHZB.net

善子「はぁ……疲れた……」

善子「あぁ~腰が痛~い」ノビー

凛「ぷぷぷ、善子ちゃんおばあちゃんみたい」

善子「なんですって!?誰がおばあちゃんよ‼」

エマ「善子ちゃん、腕の力だけでやると疲れちゃうよ」

エマ「膝を曲げて体ごと下げてまた上げてみて」

エマ「スクワットをイメージしながらやると楽に出来るよ」

海未「雪掻きは間違ったやり方を続けると体を壊しますからね、無理は禁物です」

善子「えっと、膝を曲げて……体ごと一緒に下げて上げる」ザクッ

善子「へぇ、大分違くなったわね。確かに楽だわ」

凛「エマちゃん、雪掻きに詳しいんだね」

エマ「わたしの故郷も冬は沢山雪が降って雪掻きはよくやってたからね」

エマ「ニッポンとは比べものにならないくらいいっぱい降るんだよ」

海未「スイスは雪国ですからね、それと比べればこの雪は大した事ありませんね」

海未「さぁ、コツも教わった事ですしこの調子で続けますよ」



6: 名無しで叶える物語 2020/03/30(月) 17:59:33.11 ID:DyPLDHZB.net

凛「ねぇ海未ちゃん」

海未「なんですか凛」ザクッ

凛「凛、雪掻き飽きた」

海未「飽きた?1時間もやっていませんよ」

海未「見なさい、まだこんなに雪が残っているでしょう」

凛「だって雪掻きってただスコップですくって投げるだけだからつまらないよ」

海未「なにを言ってるんですか、雪掻きをしないと凛だって明日登校する時に困るのですよ」

凛「そんな事言ったって飽きちゃったし」

海未「そうですか、ならば好きにしなさい」ザクッ




善子「ふぅ……ふぅ……」ザクッ

善子「コツを教わっても疲れるわね……」

エマ「雪掻きは体力勝負だからね、少し休んだら?ここはわたしがやっておくから」ザクッ

善子「ありがとう、少し休んで来るわ……」



7: 名無しで叶える物語 2020/03/30(月) 18:12:02.25 ID:DyPLDHZB.net

善子「よっこいしょ」

善子「あ、『よっこいしょ』なんて言ったらまた凛に笑われるわね」

善子「それにしても雪掻きがこんなに苛酷だったなんて」



海未「雪掻きは……いいトレーニングになりますね」ザクッ ザクッ

エマ「ふんふんふ~ん♪」ザクッザクッ



善子「あの2人はなんであんな平気な顔でやってるの……?」

善子「人間じゃないわ、きっとビックフットの生まれ変わりなのね」

善子「あ~」ボケーッ

ベチャッ

善子「ぶっ!?―ぺっぺっ‼」

善子「な、なによ一体!?」

凛「大当たり~」ニヤニヤ

善子「なにするのよいきなり‼」

凛「善子ちゃんも雪合戦するにゃ」

善子「ほう……人間の分際でこのヨハネに勝負を挑むと言うのね」

善子「いいでしょう‼格の違いを見せてあげるわ」ギランッ



8: 名無しで叶える物語 2020/03/30(月) 18:23:13.53 ID:DyPLDHZB.net

凛「それーっ‼」ポイッ

善子「ふっ、甘いわ‼」サッ

善子「喰らいなさい‼アイシクルエッジ‼」ポイッ

凛「へへーんだ、そんな遅い雪玉当たらないよ~」サッ

善子「くっ、すばしっこいわね……」

善子「あっ、凛の後ろに海未さんが」

凛「えっ?海未ちゃん?」クルッ

凛「―っていない!?」

善子「隙あり!!ダイヤモンドダスト‼」ポイッ

凛「にゃあっ!?」ベチャッ

凛「善子ちゃんずるいよ‼」

善子「騙される方が悪いのよ、これもまた戦略のひとつ」

凛「もう~凛怒ったにゃ~!!」ダダダッ

善子「ちょ、なにをこっちに向かって来て」

凛「喰らえ~!!」

善子「速っ‼ま、待ってそんな近くからなんて卑怯」

善子「―モガッ!?」ズボッ



9: 名無しで叶える物語 2020/03/30(月) 18:44:41.63 ID:DyPLDHZB.net

エマ「ふふふ、ねぇ海未ちゃん見て」

海未「ん?なんですか?―まぁ」

海未「2人ったら雪掻きが終わっていないのに遊ぶなんて、なにをやっているのですか」

エマ「まぁずっと雪掻きばかりじゃ飽きちゃうのも無理はないよね~楽しそう」

エマ「かわいいなぁ~わたしの妹弟達もあぁやって雪合戦してたなぁ」

海未「和んでる場合ではありません、ちゃんと雪掻きするように注意してきます」

エマ「あっ、海未ちゃん」




善子「ブリザードジャベリン‼」ポイッ

凛「なんの‼にゃんにゃんボール!!」ポイッ

海未「こら‼凛、善子!!」

善子「げっ!?海未さん」

凛「海未ちゃんも雪合戦やりに来たの?」

海未「違います、あなた達遊んでる場合ではありませんよ。真面目にやりなさい」

善子「私は悪くないわよ、凛が雪玉をぶつけてきて」

凛「善子ちゃんだってノッてきたじゃない」

善子「なによ‼雪合戦やろうって言ってきたのは凛でしょ‼」

凛「だって退屈だったんだもん‼えいっ‼」ポイッ

善子「なっ!?不意討ちとは卑怯な」サッ

凛「あ」

善子「へっ?」

ベチャッ

海未「―あなた達……」ゴゴゴゴゴ……

海未「そんなに雪合戦がしたいのですか……?」

海未「ならばいいでしょう、少しお仕置きをしてあげます」

凛「ひぃっ!?しまったにゃ!?」

善子「氷雪の魔女が目覚めてしまった……!!」

海未「いきますよ?覚悟はいいですか?」



10: 名無しで叶える物語 2020/03/30(月) 19:05:00.15 ID:DyPLDHZB.net

エマ「よいしょ、よいしょ」ザクッザクッ

エマ「―ふぅ~結構集まってきたかな」

エマ「わたしもちょっと休憩しよっと」

エマ「ん?―あはは。海未ちゃん、注意しに行ったんじゃなかったの?」




海未「ラブスノーシュートぉ‼」ビュウッ‼

凛「んにゃあっ!?」バチコーンッ‼

凛「う、う~ん……」バタッ

善子「ま、まったく雪玉が見えなかった」

善子「あの凛が避ける事も出来ないなんて……」

善子「ラブとか付けてるけど凶悪過ぎぃっ‼」

海未「さて、次はあなたの番ですよ。善子」

善子「くっ、こうなったら結界を」

善子「リフレクションガード‼」バッ

海未「ぬるいですね」

海未「ラブスノーシュート!!」ビュウッ‼

善子「ぬわぁっ!?」ビッターンッ‼

善子「そんな……私の結界を破るなんて……」

海未「私の必殺技の前に防御など無意味です」

善子「お、おのれ……人間のくせにぃ……」バタッ

海未「ふふふ、まだ雪合戦は終わりではありませんよ」

海未「雪はまだまだあります。さぁ、立ってください2人共」

凛・善子「ぎいぃぃぃぃやぁぁぁぁ~!!」



エマ「海未ちゃんもなんだかんだノリノリだね、楽しそ~」

エマ「いいもの見られたし、もうひと頑張りしちゃおうかな」

エマ「ふんふんふふ~ん♪」ザクッザクッ



11: 名無しで叶える物語 2020/03/30(月) 19:15:12.77 ID:DyPLDHZB.net

凛「エマちゃ~ん!!」バッ

善子「助けてっ‼氷雪の魔女に殺される‼」バッ

エマ「あらら、こっちに逃げて来たの?よしよし」ナデナデ

海未「エマ……そこをどきなさい、2人にはまだお仕置きをしなければ」ギュピ…ギュピ…

エマ「あはは……海未ちゃん、お仕置きもそのくらいにしてそろそろ雪掻きやろうか」

善子「そ、そうね‼そうしましょう‼」コクコク

凛「凛、まだやれる気がするにゃ‼」ウンウン

海未「―まったく、最初から真面目にやってくださいよ」

凛「海未ちゃんも人の事言えないけどね」ボソッ

海未「は?」

凛「な、なんでもないで~す」

海未「エマ、申し訳ありませんでした。私達が雪合戦をしてる間に1人でこんなにやってくれたのですね」

エマ「いいんだよ、これから皆で頑張ろう」

善子「エマさんにばかり苦労させる訳にはいかないわね」

凛「遊んじゃった分、凛達で取り返すにゃ‼」



13: 名無しで叶える物語 2020/03/30(月) 19:34:52.15 ID:DyPLDHZB.net

エマ「やっと終わったね~皆、お疲れ様」

海未「ふぅ、やはり皆で力を合わせればあっと言う間に終わりますね」

善子「つ、疲れた……海未さんとエマさんがいなかったら終わらなかったわ」

凛「よーし、雪掻きも終わったし皆で遊ぶにゃ‼」

海未「凛、あなた随分余裕が残っているのですね。まさか手を抜いていたのでは?」

凛「凛は遊ぶ事になると元気いっぱいになるんだよ」

エマ「そうだねぇ、せっかくこんなに雪が集まったんだもん。スノーマンでも作ろうか」

善子「スノーマン?雪男?」

エマ「ニッポンで言う雪だるまだよ」

善子「雪だるまの事を海外ではスノーマンって言うのね‼イカすわ~!!」

凛「おお~雪だるま、いいね作ろう作ろう」

海未「雪だるま……懐かしいですね。子供の頃を思い出します」



14: 名無しで叶える物語 2020/03/30(月) 19:50:38.21 ID:DyPLDHZB.net

善子「せっかくだし、2組に別れて勝負しない?」

海未「勝負?なにを競うのです?」

善子「もちろん、スノーマンの見た目よ。どちらのスノーマンが優れているか」

善子「勝者にはもれなく神の祝福が……」

凛「よくわからないけど面白そ~」

凛「それじゃ凛はエマちゃんと組むにゃ」ダキッ

エマ「ふふ、かわいい雪だるまにしようね~」

善子「ならば私は海未さんと」

善子「氷雪の魔女の実力、期待しているわ」

海未「なんですかそれは……まぁ、頑張りましょうね」




エマ「ゆきだるまつく~ろ~ドアをあけて~」

凛「あ、凛その歌知ってるよ。アナ雪だよね」

エマ「うん、わたしこの歌大好きなの。凛ちゃんも一緒に歌おう」

エマ「ゆきだるまつく~ろ~ドアをあけて~」

凛「いっしょにあそぼう、どうして、でてこないの~」

エマ「あはは、上手上手」

凛「エマちゃんと歌歌いながら雪だるま作るの楽しいにゃ~」



15: 名無しで叶える物語 2020/03/30(月) 20:01:07.94 ID:DyPLDHZB.net

善子「アナ雪……私も見たわね」

善子「エルサの氷を操る能力に憧れたわ」

善子「こうやって‼」アリノー

善子「手をかざすだけで‼」ママノー

善子「なんでも凍らせる事が出来るのよ」ドヤァ

海未「いや、私も見た事があるのでわかりますが」

善子「海未さんも見たのね、流石は氷雪の魔女だわ」

海未「その呼び方、そろそろやめてもらえませんか」

海未「それで、私達はどうしますか?」

善子「任せなさい、私には既にイメージが出来上がっているわ」スッ

善子「こういうデザインを考えているんだけど」ガリガリ

海未「これは、またあなたらしいデザインですね……」

善子「くくくっ……素敵でしょう?」

善子「さぁ、さっそく作るわよ‼」

海未「うまくいけばいいのですが……」



17: 名無しで叶える物語 2020/03/30(月) 20:15:26.48 ID:DyPLDHZB.net

凛「エマちゃん、もっと大きくしよう」

エマ「大丈夫かなぁ、あまり大きくしちゃうと頭を乗せるのが大変だよ」

凛「大丈夫大丈夫、転がせば大きくなるよね」ゴロゴロ

凛「ゆきだるまつく~ろ~あはははっ」

エマ「もう、仕方ないなぁ」クスッ

エマ「それじゃ、善子ちゃん達に負けないくらい大きな雪だるま作ろうか」

エマ「ゆきだるまつく~ろ~」ゴロゴロ

エマ「うふふふっ」




善子「海未さん、そこをもう少し削って」

海未「こう、ですか?本当にこれでいいのでしょうか……」カリカリ

海未「これを雪だるまと呼べるのか、まるで雪像ですよ」

善子「ふふっ、スノーマンがまん丸だと誰が決めたのかしら?」

善子「既存の観念に囚われていては新時代の扉は開かれないのよ」

海未「なにやら難しい言葉を使っているようですが意味がわかりませんよ」

善子「あなたにはまだ早かったようね」

善子「―ふむふむ、悪くないわね。あとはこの羽を頭に」プスッ

善子「おおっ、我ながらこれは素晴らしいスノーマンが出来たわね‼」

海未「前衛的な雪だるまですね、善子のセンスは独特です……」



19: 名無しで叶える物語 2020/03/30(月) 20:59:41.15 ID:DyPLDHZB.net

凛「凛達の雪だるま出来たよ~」

善子「私達のスノーマンも完成したわ」

エマ「おぉ~」

海未「これは……」

凛「凛達はね、とにかく大きな雪だるまにしたの‼」

善子「なにこれ?これのどこがスノーマンなのよ。ただの大きな雪玉が2つ並んでるだけじゃない」

エマ「あはは……どんどん大きくしていったら頭が重くて乗せられなくなって」

海未「エマがついていながらこんな事になるとは」

エマ「あぅ、わたしも凛ちゃんと一緒に夢中になっちゃった……てへ」

凛「これは凛とエマちゃんなんだよ」

海未「ほう、よく見れば2人の顔にそっくりですね」

海未「大きな丸い姿もある意味だるまを表しているのかもしれませんね」

善子「よくそんなこじつけが思い浮かぶわね」

善子「まっ、あなた達にしては頑張ったんじゃないかしら」



21: 名無しで叶える物語 2020/03/30(月) 21:20:39.60 ID:DyPLDHZB.net

凛「て言うか、善子ちゃん達の雪だるまも意味わからないにゃ」

エマ「これはなんだろう?まるで彫刻のような」

善子「やはり凡人には理解出来ないようね」

海未「一緒に作ってはいましたが私にもよくわかりませんよ」

善子「ふっ。これはね、雪と氷を司る精霊……」

善子「その名も『アイスブランドオブスノーマン』!!」

エマ「へぇ、こんな雪だるまもあるんだぁ」

凛「善子ちゃんの趣味が全開だね、なぜか投げキッスしてる」

海未「そ、それは私がやったのです……」

善子「まったく、せっかくかっこよく作っていたのに海未さんがどうしてもかわいくしたいなんて言うから」

凛「ちょっと全体的に寒くないかにゃ~」

善子「んなっ!?私達のセンスをバカにするな‼」

海未「いいのです、私が悪かったんです……」

エマ「2人の雪だるまも変わっていて面白いよ」

エマ「うん、エモいエモい」



22: 名無しで叶える物語 2020/03/30(月) 21:32:45.03 ID:DyPLDHZB.net

凛「それで、どうやって勝負をつけるの?」

善子「そんなの、私達のスノーマンの圧勝に決まっているじゃない」

凛「えぇ~なにそれ、凛達も頑張ったのに~」

エマ「まあまあ2人共」

海未「お互いに今までにない雪だるまを作れたのですからいいではないですか」

海未「この勝負は引き分けという事にしましょう」

善子「むぅ……まぁぶっちゃけどうやって勝負つけようか迷っていたし」チラッ

善子「よく見たら凛とエマさんの作ったスノーマンも悪くないわね」

善子「私達が作ったスノーマンの眷属にしてあげるわ、光栄に思いなさい」

エマ「そうだね、みんな違ってみんないいって言葉もあるし」

海未「おや、それは金子みすゞの詩の一節ですね」

エマ「うん、わたしこの言葉好きなんだ」

凛「雪だるま作り楽しかったね~」

凛「次はなにしようか?まだ遊び足りないよ」

海未「そうですね……あ、そうだ」

海未「かまくらでも作りますか」



23: 名無しで叶える物語 2020/03/30(月) 21:43:22.17 ID:DyPLDHZB.net

エマ「かまくら……?なにそれ?幕府?」

海未「鎌倉幕府とは関係ありません、かまくらとは雪で作るドーム状の小屋の事です」

エマ「あぁ、スノードーム。スイスでも作るよ」

善子「なぜ海外の呼び方は中二心をくすぐるのかしら、スノーマンにスノードーム……はぁ、素敵」

凛「今度は皆で作ろうよ‼」

善子「ならば神が住まうような宮殿を」

海未「そんな複雑な物作れる訳ないでしょう、普通に作るのだって簡単ではないんですよ」

エマ「そうなんだ、私達だけで作れるかな」

海未「ふふ、かまくらに関しては人より多少自信があります」

海未「ねっ、ですよね凛?」

凛「えっと……あっ」ゾクッ

凛「かまくら……スキー旅行……雪に埋められて……うっ、頭が」

善子「なにがあったのよ一体……」

エマ「いい思い出じゃ、なさそうだね……」



24: 名無しで叶える物語 2020/03/30(月) 22:00:32.73 ID:DyPLDHZB.net

海未「かまくらを作るには雪だるまよりも多くの雪が必要です」

海未「幸い私達で集めた雪がまだ沢山残っているのでこれで間に合いそうですね」

海未「まずは地面に円を描いてかまくらの大きさを決めます」ガリガリ

海未「―こんなものですかね、次にこの円の中に雪を積み上げていきます」

エマ「えいっ、それっ」バッバッ

善子「これじゃ雪掻きと変わらないじゃない……」バッバッ

海未「ただ積み上げるだけではダメです、積み上げながら踏み固めるのです」

海未「凛、ちょっとその雪の上で跳び跳ねてください」

凛「そういう事なら任せるにゃ‼」

凛「よっ、ほっ、とりゃっ」ドスドス

海未「いいですね、更に水をかけるとよく固まって頑丈になります」

海未「今水を汲んで来ますので続けていてください」

エマ「どんなかまくらが出来るんだろうね~楽しみ」

善子「だんだん腕が……明日は筋肉痛だわ」

凛「善子ちゃん頑張れ~ファイトだよ」ドスドス

善子「あなたは楽でいいわよね……」



26: 名無しで叶える物語 2020/03/30(月) 22:24:17.58 ID:DyPLDHZB.net

海未「おまたせしました」

海未「うむ、だんだん形になってきましたね。水をかけて固めていけば私達が入っても問題無さそうです」

海未「善子、大丈夫ですか?変わりますよ」

善子「あ、ありがとう……」

海未「お願いがあるのですが、コンビニに行って甘酒とおでんを買って来てくれませんか」

善子「え?どうして?」

凛「あ、わかった‼かまくらの中でおでん食べるんだね。海未ちゃんナイスアイディア」

エマ「善子ちゃん1人じゃ大変だから私も一緒に行くよ」

海未「そうですね、では私と凛は最終調整をしています。凛、いきますよ」

凛「よーし、いっくにゃー‼」




コンビニ

エマ「甘酒とおでん、だったよね」

エマ「ところで、甘酒ってなに?」

善子「エマさん甘酒を知らないのね。―あった、これよ。お米と麹で作られているの」

善子「甘酒と言ってもアルコールはほとんど入っていないから私達でも飲めるわ」

エマ「お米でこんな物まで作れるんだ、すご~い」

エマ「おいしそうだね、早く飲みたいな」

善子「おでんはどうしましょうかね……」ジーッ

善子「まっ、海未さんに多目にお金預かったから全種類買って行きましょ」



27: 名無しで叶える物語 2020/03/30(月) 22:36:23.39 ID:DyPLDHZB.net

エマ「ただいま~」

善子「買って来たわよ」

凛「おかえりなさ~い」

海未「ありがとうございました、かまくらもいよいよ完成ですよ」ザックザック

海未「―これでよし。さぁ、中に入って甘酒とおでんを楽しみましょう」




エマ「わぁ~結構広いねぇ」

善子「とは言え4人も入れば少し窮屈だけど……」

凛「でも皆でくっついてるから暖かいにゃ~」

海未「真ん中を空ければおでんが置けますね」

善子「エマさん、甘酒飲んでみたら?」

エマ「うん、いただきま~す」ゴクッ

エマ「―はぁ、甘~い!!このとろみも優しいねぇ。暖まる~」

善子「本当ね……たまに飲むとおいしいわ」ゴクッ

凛「あ、凛の好きなウインナー巻きがある!!いっただき~」パクッ

海未「全種類買って来たのですね、私の好きな餅巾着もあります」パクッ

海未「―あぁ、かまくらの中で食べるおでん……最高です」



28: 名無しで叶える物語 2020/03/30(月) 22:55:46.50 ID:DyPLDHZB.net

凛「甘酒とおでんおいしかったね~」

エマ「また皆で食べたいねぇ」

海未「雪掻きをするつもりが雪合戦に雪だるま、かまくらまで作って」

海未「こんなはずではなかったんですが」

海未「雪は私達を子供に戻しますね」

善子「私も、年甲斐もなくはしゃいでしまったけど」

善子「最近あまり雪も降らなくなったし、そんな時くらいはこういう事をするのも悪くないわね」

エマ「ニッポンの冬を満喫出来てわたしも楽しかったよ」

凛「最初に雪合戦を始めた凛のおかげだね、えっへん」

海未「それとこれとは話が別ですよ、凛」

海未「―ですが、いい思い出になりましたね」

海未「また、雪が積もったら集まって遊びましょうか」

凛「今度はエマちゃんも雪合戦やろうね‼」

エマ「うん、楽しみにしてるね」

善子「次こそ神の住まう宮殿を作ってみせるわ、くっくっく……」

海未「まだ諦めてなかったんですね……」

海未(今度雪が降るのはいつでしょうか)

海未(季節外れの雪に感謝しなくては)

海未(雪よ、私達の仲を深めてくれてありがとうございました)



29: 名無しで叶える物語 2020/03/30(月) 22:58:11.32 ID:DyPLDHZB.net

終わりです、昨日雪が降ったので書いてました。支援、最後まで読んでくださった方ありがとうございました。


元スレ
海未「雪は私達を子供に戻しますね」