2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/19(火) 21:47:19.64 ID:wzx9X5+20
代行ありがとうございます
貴音「…んっ……あなた様?」
P「お、悪い。起こしちゃったか」
貴音「そのように頬に触れられてはこそばゆくて、目も覚めようというものです」
P「だから悪かったって。あまりにも気持ちよさそうに寝てるもんで、ついな」
3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/19(火) 21:49:40.07 ID:wzx9X5+20
貴音「普段はアイドルとプロデューサーだからと言うくせに、やはりあなた様はいけずです」
P「それは事務所だったり仕事中だからだろ。……二人の時間でまで野暮なことは言わないさ」
貴音「ふふふっ」
P「笑うところではなかったと思うんだがな……」
貴音「いえ、笑うところですよ」
貴音「嬉しいときには、笑うべきでしょう?」
P「……ああ、そうだな。その通りだ」
貴音「けれど」
P「?」
貴音「寝ているわたくしの頬を触るのはこれっきりにしてくださいませんか?」
P「理由を聞いても?」
貴音「もちろん、とっぷしぃくれっとです」
P「貴音は変わらないな。根本の部分でまったくぶれがないというか……」
貴音「そうでしょうか? わたくしとしては自分がずいぶん変わったと自負しているのですが」
P「確かに昔の貴音のままだったら、俺は今ごろ投げ飛ばされてるんだろうな」
P「なにせ担当プロデューサーになった時の握手も払われたぐらいだ」
貴音「あの時のことは……もう! あまりいじめないでくださいまし」
P「ははっ、いい思い出だよ。掛け値なしに」
貴音「……もうっ」
P「おっと、抱きついてくるなんて珍しいじゃないか」
貴音「わたくしにだって鼻先であなた様の呼吸を感じたくなる、そのような夜があるのです」
P「それはまた新しい発見だ。それとも新しい変化なのかな?」
貴音「かつてのわたくしならこのようなこと考えもしなかったでしょうし、やはりこれも変化であるかと」
P「そうか。うん、良いアイドルになったな貴音は」
貴音「褒めてもなにも出ませんよ?」
P「これ以上なにか貰っても潰れるだけだし、重い男っていうのは格好悪いだろ?」
貴音「軽薄な殿方よりはいくらかマシかと思いますけれど」
P「ぐ……一本取られたかなこれは」
貴音「ふふっ、これで先ほどの分はチャラにして差し上げます」
P「きっとトータルで見ると俺の負け越しも良いところだと思うんだけどな」
貴音「ところであなた様は、運命を信じますか?」
P「運命って、あの運命だよな?」
貴音「あなた様が他にどのような運命を知っているのかわたくしには知り得ませんが、恐らくそれで正しいかと」
P「やたらと唐突だな……。まあ、今貴音とこうしていることに感謝しているぐらいは信じているよ」
貴音「それなら、――たとえば」
P「?」
貴音「わたくし達をこうして惹きあわせた力と同じだけの力が、いつかわたくし達を引き離すとしたら?」
P「それは、気持ちの問題でか?」
貴音「おや、もっと返事に時間が掛かるかと思いました。……どちらかと言えば、物理的な方であるかと」
貴音「そしてそれがきっと、わたくしが生まれる前から決まっていたことなのだとしたら」
P「貴音が普通とはちょっと違うなんてのは、俺じゃなくたって765プロなら誰でも少しは知っているさ」
貴音「確かに、そうかもしれません。少々あなた様を易く見すぎていました。申し訳ありません」
P「そんなことはどうでもいいんだ。それより、言葉の真意が知りたい」
貴音「それは……言ったまま聞いたまま、です」
P「いつもの答えじゃ、ないんだな」
P「……それでも」
P「それでも今こうして俺が貴音を抱きしめているのが運命で、そしてそれが変わらないことが運命だと信じてるよ」
貴音「やはりあなた様はまこと、優しいのですね」
P「優しすぎるって律子に今朝怒られたばっかだけどな」
貴音「ですが――」
貴音「ずっと続く愛など、あるのでしょうか」
P「……っ」
貴音「きっとわたくし達はこの答えを求めて彷徨い続けるのでしょうね。まるで、盲目の夏の魚のように」
P「――月灯りを僅かな道標として、か?」
貴音「……あなた様も、中々に変わりましたね」
P「そりゃ、パートナーがどんどんいい女になってるのに俺だけが変わらないわけにもいかないだろ」
貴音「ええ。その通りかもしれませんね」
貴音「だからわたくしは愛しくて、切なくて。今あなた様が欲しいのでしょう、わたくしのすべてを預けたいほどに」
終わり.
短いですが、以上です
初めてSSを書きましたが台詞だけって難しい
元ネタは坂本真綾さんの名曲blind summer fishそのまんまです
千早と雪歩も候補でしたが、別れとか似合うのはなんだかお姫ちんなのでこうなりました
しかし指摘された通り、お姫ちんに流暢な英語っていう究極のミスマッチ
これは反省…
またいつか何か書いてみたいなあ
元スレ
貴音「普段はアイドルとプロデューサーだからと言うくせに、やはりあなた様はいけずです」
P「それは事務所だったり仕事中だからだろ。……二人の時間でまで野暮なことは言わないさ」
貴音「ふふふっ」
P「笑うところではなかったと思うんだがな……」
貴音「いえ、笑うところですよ」
貴音「嬉しいときには、笑うべきでしょう?」
P「……ああ、そうだな。その通りだ」
4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/19(火) 21:52:04.22 ID:wzx9X5+20
貴音「けれど」
P「?」
貴音「寝ているわたくしの頬を触るのはこれっきりにしてくださいませんか?」
P「理由を聞いても?」
貴音「もちろん、とっぷしぃくれっとです」
5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/19(火) 21:54:10.69 ID:wzx9X5+20
P「貴音は変わらないな。根本の部分でまったくぶれがないというか……」
貴音「そうでしょうか? わたくしとしては自分がずいぶん変わったと自負しているのですが」
P「確かに昔の貴音のままだったら、俺は今ごろ投げ飛ばされてるんだろうな」
P「なにせ担当プロデューサーになった時の握手も払われたぐらいだ」
貴音「あの時のことは……もう! あまりいじめないでくださいまし」
P「ははっ、いい思い出だよ。掛け値なしに」
6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/19(火) 21:56:22.15 ID:wzx9X5+20
貴音「……もうっ」
P「おっと、抱きついてくるなんて珍しいじゃないか」
貴音「わたくしにだって鼻先であなた様の呼吸を感じたくなる、そのような夜があるのです」
P「それはまた新しい発見だ。それとも新しい変化なのかな?」
8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/19(火) 22:01:36.64 ID:wzx9X5+20
貴音「かつてのわたくしならこのようなこと考えもしなかったでしょうし、やはりこれも変化であるかと」
P「そうか。うん、良いアイドルになったな貴音は」
貴音「褒めてもなにも出ませんよ?」
P「これ以上なにか貰っても潰れるだけだし、重い男っていうのは格好悪いだろ?」
貴音「軽薄な殿方よりはいくらかマシかと思いますけれど」
P「ぐ……一本取られたかなこれは」
貴音「ふふっ、これで先ほどの分はチャラにして差し上げます」
P「きっとトータルで見ると俺の負け越しも良いところだと思うんだけどな」
9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/19(火) 22:04:19.96 ID:wzx9X5+20
貴音「ところであなた様は、運命を信じますか?」
P「運命って、あの運命だよな?」
貴音「あなた様が他にどのような運命を知っているのかわたくしには知り得ませんが、恐らくそれで正しいかと」
P「やたらと唐突だな……。まあ、今貴音とこうしていることに感謝しているぐらいは信じているよ」
貴音「それなら、――たとえば」
P「?」
貴音「わたくし達をこうして惹きあわせた力と同じだけの力が、いつかわたくし達を引き離すとしたら?」
14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/19(火) 22:06:52.62 ID:wzx9X5+20
P「それは、気持ちの問題でか?」
貴音「おや、もっと返事に時間が掛かるかと思いました。……どちらかと言えば、物理的な方であるかと」
貴音「そしてそれがきっと、わたくしが生まれる前から決まっていたことなのだとしたら」
P「貴音が普通とはちょっと違うなんてのは、俺じゃなくたって765プロなら誰でも少しは知っているさ」
貴音「確かに、そうかもしれません。少々あなた様を易く見すぎていました。申し訳ありません」
P「そんなことはどうでもいいんだ。それより、言葉の真意が知りたい」
貴音「それは……言ったまま聞いたまま、です」
P「いつもの答えじゃ、ないんだな」
16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/19(火) 22:09:48.96 ID:wzx9X5+20
P「……それでも」
P「それでも今こうして俺が貴音を抱きしめているのが運命で、そしてそれが変わらないことが運命だと信じてるよ」
貴音「やはりあなた様はまこと、優しいのですね」
P「優しすぎるって律子に今朝怒られたばっかだけどな」
貴音「ですが――」
18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/19(火) 22:12:57.86 ID:wzx9X5+20
貴音「ずっと続く愛など、あるのでしょうか」
P「……っ」
貴音「きっとわたくし達はこの答えを求めて彷徨い続けるのでしょうね。まるで、盲目の夏の魚のように」
P「――月灯りを僅かな道標として、か?」
貴音「……あなた様も、中々に変わりましたね」
P「そりゃ、パートナーがどんどんいい女になってるのに俺だけが変わらないわけにもいかないだろ」
貴音「ええ。その通りかもしれませんね」
貴音「だからわたくしは愛しくて、切なくて。今あなた様が欲しいのでしょう、わたくしのすべてを預けたいほどに」
終わり.
20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/19(火) 22:16:36.59 ID:wzx9X5+20
短いですが、以上です
初めてSSを書きましたが台詞だけって難しい
元ネタは坂本真綾さんの名曲blind summer fishそのまんまです
千早と雪歩も候補でしたが、別れとか似合うのはなんだかお姫ちんなのでこうなりました
しかし指摘された通り、お姫ちんに流暢な英語っていう究極のミスマッチ
これは反省…
またいつか何か書いてみたいなあ
貴音「blind summer fish」