1: 名無しで叶える物語 2020/04/21(火) 17:37:02.53 ID:uUGPY1bO.net
千歌「もう1回」
かすみ「ふぇ?」
千歌「もう1回先輩って呼んで」
かすみ「なんでですか……」
千歌「いいからいいから」
かすみ「―千歌先輩」
千歌「かわいく‼」
かすみ「千歌せ~んぱい♪」
千歌「舌っ足らずな感じで!!」
かすみ「千歌しぇんぱい」
千歌「セクシーに!!」
かすみ「うふん。千歌せ、ん、ぱい」
千歌「ついでにお姉ちゃん‼」
かすみ「千歌お姉ちゃん‼」
千歌「くぅ~!!いい!!先輩って呼ばれるの最高~!!」
千歌「かすみちゃんはかわいいなぁ~!!」ムンギューッ
かすみ「ふぎゃっ!?ちょ、いきなり抱き締めないでください!!苦しい~!!」
7: 名無しで叶える物語 2020/04/21(火) 17:45:17.02 ID:uUGPY1bO.net
かすみ「ついノってしまった……よく考えたらここまで言わされた事全部意味不明なんですけど」
千歌「不明じゃないよ、有名だよ」
かすみ「なんですか意味有名って……」
千歌「私はね、Aqoursの1年生からはちゃん付けで呼ばれてるの」
千歌「それはそれでいいんだけど、やっぱりたまには『先輩』って呼ばれるのも嬉しいんだよね」
かすみ「どさくさに紛れてお姉ちゃんっても言わされましたが」
千歌「それはちょっとお姉ちゃん気分を味わってみたくて、私末っ子だからさ」
千歌「と言う訳で、これからはもっと私を頼りに甘えて来てね」
千歌「この千歌『先輩』がなんでも手伝ってあげる‼」
かすみ「はぁ、そうですか……その時はよろしくお願いします」
かすみ(先輩呼びってそんなにいいものなのかな?)
次の日
かすみ(千歌先輩はすごく喜んでたけど他の先輩達もそうなのかな)
かすみ「あ、絵里先輩だ」
かすみ「絵里先輩」
絵里「あらかすみ、私になにか用?」
かすみ「用ってほどの事でもないんですけどちょうど絵里先輩を見かけたので」
かすみ「ちょっと聞きたい事があるんですが、絵里先輩も『先輩』って呼ばれると嬉しいと思いますか?」
絵里「先輩……」ジーンッ
絵里「いい……『先輩』という響き、ハラショーだわ」ニヤニヤ
かすみ「うわぁ、なんかにやけ始めた……」
絵里「そう呼ばれるとついにやけちゃうわねぇ」デレ~
絵里「先輩と呼んでくれるのはあなたとしずくだけだものね、もちろん嬉しいわよ」
絵里「μ'sの間では先輩禁止にしてしまってね、あれはやるべきじゃなかったわ」
かすみ「なるほど、やっぱり嬉しいんですね」
絵里「ねぇ、今度一緒に練習しましょう」
絵里「絵里『先輩』が優しく教えてあげる、うふっ」
かすみ「なんだか禁断の扉を開いてしまった気がしてきましたね……」アトズサリ
かすみの家
かすみ(『先輩』かぁ……)
千歌『この千歌『先輩』がなんでも手伝ってあげる‼』
絵里『絵里『先輩』が優しく教えてあげる、うふっ』
かすみ(ちょっと引いたけど2人共すごく喜んでくれてたな)
かすみ(これってもしかして……)
かすみ「そっかぁ、わかっちゃった」
かすみ「きっと私の溢れ出る後輩オーラが先輩達をメロメロにしてるんだ」
かすみ「あ~やっぱりかすみんは罪な後輩だなぁ、かわいいってのは罪な事」
かすみ「そうだ、せっかくだからいっぱい甘えていっぱい褒めてもらっちゃおっと」
かすみ「千歌先輩、おはようございま~す」
千歌「おはようかすみちゃん、ん?なに持ってるの?」
かすみ「千歌先輩は書道が得意だと噂を聞いて」
かすみ「私に書道を教えてくれませんかぁ?」
千歌「もっちろん‼書道は大会で金賞を取った事があるほど得意なんだ‼」
かすみ「本当ですかぁ?わぁ、すごーい」パチパチ
千歌「えへへ、苦しゅうない。もっと褒めるのだ」
千歌「まずは自分で書いてみて」
かすみ「は、はい」スッ
かすみ(実は割りと本気で苦手なんだよな書道……)
かすみ「―あぁ、やっぱりうまく書けない」
千歌「かすみちゃん力入れ過ぎじゃない?もっとリラックスして」キュッ
かすみ「ひゃっ!?千歌先輩?」ドキッ
かすみ(手握られちゃった)
千歌「ここを……こうやって……トメとハネはしっかりと」スッ……スッ……
かすみ(千歌先輩、いつもと違って真剣な表情。なんだかかっこいいな)
かすみ(これじゃ余計緊張しちゃうよ……)
千歌「こんな感じ、どう?わかった?」
かすみ「そうですね、もう1度やってみます」スッ
かすみ「力を抜いて、リラックス……」スッ…スッ…
千歌「おぉっ‼かすみちゃん上手‼さっきよりキレイに書けてるよ‼」
かすみ「えへっ、そうですかぁ~?」
かすみ(本当だ、さっきより上手に書けてる)
千歌「うんうん、かすみちゃんは飲み込みが早いね」
かすみ「千歌先輩の教え方がいいんですよ~」
千歌「なっはっは‼そんなに褒められると照れるなぁ」
千歌「かすみちゃんいい子いい子、後輩はこうでなくちゃね~」ナデナデ
かすみ「もう、やめてくださいよ千歌せんぱ~い」デレデレ
かすみ(くふふ、書道で甘える作戦大成功。この調子でもっとやるぞ~)
かすみ「絵里先輩、今日は練習よろしくお願いしま~す」
絵里「来たわねかすみ。楽しみにしてたわ、よろしくね」
絵里「まずは柔軟から始めましょう」
絵里「足を広げて床に胸を付けるくらい伸ばして」ペターン
かすみ「わぁ、絵里先輩流石ですぅ」
かすみ「絵里先輩ってバレエをやってたんですよね、だから体が柔らかいんだ」
絵里「あら、よく知ってるわね。小さい頃に習っていたのよ」
絵里「……」
かすみ「絵里先輩?」
絵里「ごめんなさい、ちょっと昔を思い出して」
かすみ「なにかあったんですか?」
かすみ「あ、もしかして私がバレエの話をしたから……」
絵里「いいの、気にしないで。今はなんともないから」
絵里「さ、かすみもやってみなさい」
かすみ「あ、はい」
かすみ(私、絵里先輩の辛い過去を思い出させちゃったのかな……)
かすみ(ダメだな、もう少し気を付けないと)
かすみ「よっと……」ググッ
絵里「え?それしか曲がらないの?冗談でしょ?」
かすみ「じょ、冗談じゃないですよ……これが限界です~」
絵里「体が固いとダンスにも支障が出るのよ」
絵里「ほら、もっと曲げなさい」グイッ
かすみ「ぎゃあっ!?痛い痛い痛い‼もう無理ですよぉ」ナミダメ
かすみ「もっと優しくしてくださ~い、優しく教えてくれるって言ったじゃないですかぁ」
絵里「もう、しょうがないわね」
絵里「それじゃ、少しづつ曲げていきましょうかね」グゥ~
かすみ「あぁ~痛たたた」
絵里「ガマンしなさい、これもスクールアイドルになる為には必要な事なの」
絵里「かわいいアイドルは皆体が柔らかいのよ」
かすみ「ふぇ?それ本当ですかぁ?」
絵里「本当よ、だから頑張りましょ」
かすみ「……よし、わかりました。かわいいアイドルになる為頑張ります‼」
かすみ「ふにゅにゅにゅにゅ~!!」グググ~
かすみ「ほっ‼」ペターン
絵里「ハラショー‼胸が床に付くようになったわね‼よく頑張ったわ‼」
かすみ「やった……やりました……」
かすみ「絵里先輩のおかげです~‼ありがとうございま~す!!」ギュウッ
絵里「かすみが頑張った成果よ、えらいえらい」ギュウッ
かすみ「これでかすみんのかわいさが一段と上がりましたね‼嬉しいです!!」
かすみ「絵里先輩、今日はありがとうございました。一緒に練習出来て本当によかったですぅ」
絵里「私も役に立てて嬉しかったわ、ありがとう」
かすみ「絵里先輩、今日は一緒に帰りましょう」ピトッ
かすみ「かわいいアイドルになる秘訣、かすみんにもっと教えてくださぁい」
絵里「うふふ、かすみはおねだり上手ねぇ」デレッ
絵里「いいわよ、あなたにだけ特別に教えてあげる」
かすみ「絵里先輩からかわいいアイドルになる秘訣聞いたら『かすみは今のままでも十分かわいいわよ』だって、でへへ~」
かすみ「お返しに絵里先輩を褒めたら赤くなってたなぁ、絵里先輩もかわいい」
かすみ「千歌先輩も絵里先輩も私にとても優しくしてくれる」
かすみ「私、後輩でよかったなぁ」
かすみ「私をかわいがってくれた先輩達になにか恩返ししてあげないと」
かすみ「う~ん……なにをしようかなぁ」
かすみ「千歌先輩と絵里先輩ではタイプが全然違うから……」
かすみ「―そうだ、いい事思い付いちゃった」
かすみ「よ~し、それじゃ千歌先輩から始めよう」
次の日
かすみ「千歌先輩」
千歌「なぁにかすみちゃん」
かすみ「これ、書道を教えてもらったお礼にあげます」スッ
千歌「なにこれ?手紙?」カサッ
千歌「『妹になってあげます券』?」
かすみ「そのチケットを使うとかすみんが千歌先輩の妹に」
千歌「使っていい?」グワッ
かすみ「へっ?もう使っちゃうんですかぁ?」
千歌「だからくれたんじゃないの?」
かすみ「そりゃもちろんそのつもりでしたが」
かすみ(まさかこんなすぐに食い付くとは思わなかったよ……)
千歌「決まりね、さっそく使うよ」
かすみ「わかりましたよ千歌せん」
千歌「せん?」
かすみ「あわわわ……先輩じゃなかった」
かすみ「千歌お姉~ちゃん‼」キャピルーン
千歌「はぁう~かぁいいよぉ~!!」ズッキューン
千歌「かすみちゃん、おっ持ち帰り~!!」ガシッ
かすみ「うわぁっ!?ちょ、どこに行くんですかぁ~!?」
千歌の家
千歌「ただいま~」
かすみ「お、お邪魔します……」
千歌「やだなぁかすみ、自分の家に帰って来たんだから『ただいま』でしょ」
かすみ「えぇ……?そこまでやるんですか?」
千歌「お姉ちゃんに敬語使うのはおかしいなぁ」
かすみ「わ、わかっ……たよお姉ちゃん」
かすみ(うぅ……なぜこんな事に……)
志満「おかえり千歌ちゃん、あら?」
美渡「なんだ、後輩も連れて来たの」
かすみ「あ、はじめまして。私中須」
千歌「この娘は千歌の妹のかすみだよ‼」
美渡「はぁ?妹ぉ?」
志満「千歌ちゃんより下に妹はいないはずだけど」
かすみ「あはは……実はですね」
千歌「ほらほら行くよかすみ、ぼさっとしてない」ガシッ
かすみ「ふぎゃっ!?また~!?」ズルズル
美渡「行っちゃった、なに言ってんだ千歌の奴。変な物でも食ったか」
志満「そのせいでよその女の子を連れて来るのは困るわねぇ」
志満「それともあの娘は腹違いの妹なんじゃ……」
美渡「いやいや、んな訳ないでしょ。千歌の後輩だって」
志満「そうよね、妹の訳ないわよね。きっと2人で遊んでるのよね」
千歌「ほぉらかすみ、あ~ん」
かすみ「あ、あ~ん」パクッ
千歌「おいしい?」
かすみ「うん、おいしい」
かすみ(確かに夕食はおいしいんだけど……)
千歌パパ「……?」
かすみ「ど、どうも~あははは……」
志満「千歌ちゃんの後輩よ」
美渡「2人で姉妹ごっこして遊んでるんだと」
千歌パパ「……!!」コクコク
千歌「お姉ちゃんが背中洗ってあげる‼」ゴシゴシ
かすみ「ちょ、痛いってばぁ」
千歌「ごめ~ん、嬉しくてつい」
かすみ「あの、今度は私が洗ってあげるよ」
千歌「本当?お願い」
かすみ「気持ちいい?」ゴシゴシ
千歌「はぁ~極楽極楽、こうやって妹に背中洗ってもらうの夢だったんだぁ」
かすみ「そうだったんだ……」
かすみ(なんだか、妹になりきるの少し慣れてきたかも)
かすみ(こうやって誰かと一緒にお風呂に入るの、いいな……)
かすみ「それじゃ、流しま~す」ザバァ
かすみ「ほ、本当に泊まってもいいの?」
千歌「いいのいいの、妹なんだから当然‼」
千歌「今夜は離さないよ~」ムギュー
かすみ「結局泊まって一緒に寝るはめに……どうしてこうなった」
かすみ「て言うかお姉ちゃん、顔が近い……」カァァ
千歌「これでいいのだ、これがいいのだ」
千歌「おやすみ、かすみ」
千歌「あ、今のはやすみとかすみをかけた」
かすみ「まったくかかってないからね」
夜中
かすみ「ん……」
かすみ(なんだか眠れない……千歌先輩がくっついてるせいかもしれないけど)
千歌「眠れないの?」
かすみ「う、うん。お姉ちゃんと一緒だからかな」
千歌「ふふ、もう妹になりきらなくてもいいよ」
千歌「私のわがままに付き合ってくれてありがとう。お姉ちゃんになってみたかったけど、やっぱり私は末っ子だった」
千歌「でも十分お姉ちゃん気分を味わえた、もう満足だよ」
かすみ「千歌先輩……」
かすみ「あの、もしよかったら」
かすみ「また妹になっても……いいですか?」
千歌「かすみちゃん……」
千歌「もちろん‼いつでも千歌お姉ちゃんに甘えなさーい」ギュウッ
かすみ「えへへ、ありがとう。お姉ちゃん」ギュウッ
かすみ「まさか千歌先輩の家に泊まる事になるなんて、千歌先輩恐るべし」
かすみ「でも……姉妹ってあんな感じなのかな、妹キャラって言うのも悪くないかも~」
かすみ「さてとお次は絵里先輩、絵里先輩にはかすみんの新たな一面を見せてあげようかな」
かすみ「絵里先輩」
絵里「かすみ、どうしたの?」
かすみ「柔軟を教えてもらったお礼にこれを絵里先輩に」スッ
絵里「ん?これは?」カサッ
絵里「『専属パティシエになってあげます券』?」
かすみ「絵里先輩、チョコが好きなんですよね?私、パンだけじゃなくお菓子作りも得意なんですよぉ」
絵里「へぇ~いいわねこれ、さっそく使わせてもらうわ」
かすみ(やっぱり絵里先輩もすぐに使ったか)
かすみ(そう来ると思って準備はしてきたもんね~流石は私、抜かりない)
かすみ「それではスイーツハウスかすみんカフェへご案内しま~す」
かすみの家
かすみ「いらっしゃいませ~ようこそお越しくださいましたぁ」
絵里「かわいいおうちねぇ、あなたのイメージにぴったり」
かすみ「かわいいだなんてそんなぁ、ありがとうございます~」ヤンヤン
かすみ「おまたせしました、当店のおすすめ『スイーツワンダーランドセット』でございま~す」カチャ
絵里「わぁ、かわいい~ひと口サイズの色々なチョコが沢山!!」パァァ
絵里「どれを食べようか迷っちゃうわね~」
かすみ「まだまだあるのでお好きなだけ食べてくださいね」
絵里「それじゃ遠慮なく」パクッ
絵里「―う~ん!!生クリームの濃厚な味が堪らな~い」
絵里「あ、こっちはイチゴの味がする。甘酸っぱ~い」モグモグ
絵里「これはオレンジ……これは塩が入ってる‼」ヒョイパクヒョイパク
絵里「こんなに沢山のチョコが食べられるなんて幸せ~」ホワワ~ン
かすみ(絵里先輩、本当に幸せそうに食べてくれる。私も嬉しくなってきた)
絵里「かすみも一緒に食べましょ」
かすみ「は~い、いただきまぁす」パクッ
かすみ「―う~ん!!我ながら最高の出来~!!」
絵里「はぁ、もうしばらくチョコは食べなくてもいいわね」
かすみ「満足していただけましたか?」
絵里「えぇ、大満足よ。かすみにこんな才能があったなんて知らなかったわ」
かすみ「お菓子作りはかわいい女の子には必要不可欠なスキルですから」
絵里「あなたは随分かわいいにこだわるのね」
かすみ「かわいくなければ私じゃありませんから」
かすみ「私はいつでもかわいくなければいけないんです」
絵里「かすみ?どうしたの?なんだか険しい顔をしているけど」
かすみ「えっ?そうでしたかぁ?かすみんにそんな顔は似合わないのに~てへっ」
絵里「かすみ……」
絵里(なにかしら……今のかすみの表情、まるで昔の私を見ていたような)
絵里「かすみ、あなたにどんな事情があるかは知らないしあえて聞いたりはしないけど」
絵里「かわいさっていうのは取り繕うものなのかしら」
かすみ「……それはどういう意味ですか?」
絵里「私もうまくは言えないんだけど、そういうのって自然ににじみ出るものだと思うの」
絵里「それにかわいいだけがかすみの魅力じゃないわよ」
絵里「あなたは柔軟を頑張って克服したように努力して向上した、それもひとつの魅力だし」
絵里「あの時私に見せてくれた自然な笑顔、かすみは意識なんかしなくてもかわいい表情を出せるわ」
かすみ「そう、なんですかね」
絵里「そうよ、変に考えるよりありのままのあなたが1番かわいい。自信を持って」
かすみ「ありのままの私が1番かわいい……」
かすみ「……」
かすみ「絵里先輩、ありがとうございます」
かすみ「恩返しするつもりがまたひとつ秘訣を教えてもらっちゃいましたね」
絵里「ふふふ、その秘訣がわかればかすみに怖いものはないわ」
絵里「ねぇ、おかわりお願いしてもいい?」
かすみ「はい!!今持って来ますね‼」
かすみ「ふっふふんふんふんふ~ん♪」
その後
千歌「―絵里さん」
絵里「―千歌」
千歌「なんだか嬉しそうな顔してるね」
絵里「そう言うあなたこそ、顔がにやけてるわよ」
千歌「あ、わかる?かわいい後輩が甘えてきてさ」
絵里「奇遇ね、私もかわいい後輩と一緒にスイーツを食べたのよ」
千歌「スイーツ?いいなぁ私も食べたかったぁ」
絵里「それじゃ、今度2人でお邪魔しましょ。きっと歓迎してくれるわ」
千歌「いいね~楽しみ!!」
千歌「―ふふっ」
絵里「―うふっ」
千歌「ねぇ絵里さん、『先輩』っていいよね」
絵里「わかるわ、『先輩』と呼ばれて慕われるのは本当に素晴らしい事だわ」
かすみ「あ、千歌せんぱ~い!!絵里せんぱ~い」タタタッ
千歌「さ、今日もかわいい後輩の為に」
絵里「先輩としてしっかり導いてあげましょう」
終わりです、最後まで読んでいただきありがとうございました。
元スレ
かすみ「ついノってしまった……よく考えたらここまで言わされた事全部意味不明なんですけど」
千歌「不明じゃないよ、有名だよ」
かすみ「なんですか意味有名って……」
千歌「私はね、Aqoursの1年生からはちゃん付けで呼ばれてるの」
千歌「それはそれでいいんだけど、やっぱりたまには『先輩』って呼ばれるのも嬉しいんだよね」
かすみ「どさくさに紛れてお姉ちゃんっても言わされましたが」
千歌「それはちょっとお姉ちゃん気分を味わってみたくて、私末っ子だからさ」
千歌「と言う訳で、これからはもっと私を頼りに甘えて来てね」
千歌「この千歌『先輩』がなんでも手伝ってあげる‼」
かすみ「はぁ、そうですか……その時はよろしくお願いします」
かすみ(先輩呼びってそんなにいいものなのかな?)
8: 名無しで叶える物語(東日本) 2020/04/21(火) 18:00:16 ID:uUGPY1bO.net
次の日
かすみ(千歌先輩はすごく喜んでたけど他の先輩達もそうなのかな)
かすみ「あ、絵里先輩だ」
かすみ「絵里先輩」
絵里「あらかすみ、私になにか用?」
かすみ「用ってほどの事でもないんですけどちょうど絵里先輩を見かけたので」
かすみ「ちょっと聞きたい事があるんですが、絵里先輩も『先輩』って呼ばれると嬉しいと思いますか?」
絵里「先輩……」ジーンッ
絵里「いい……『先輩』という響き、ハラショーだわ」ニヤニヤ
かすみ「うわぁ、なんかにやけ始めた……」
絵里「そう呼ばれるとついにやけちゃうわねぇ」デレ~
絵里「先輩と呼んでくれるのはあなたとしずくだけだものね、もちろん嬉しいわよ」
絵里「μ'sの間では先輩禁止にしてしまってね、あれはやるべきじゃなかったわ」
かすみ「なるほど、やっぱり嬉しいんですね」
絵里「ねぇ、今度一緒に練習しましょう」
絵里「絵里『先輩』が優しく教えてあげる、うふっ」
かすみ「なんだか禁断の扉を開いてしまった気がしてきましたね……」アトズサリ
11: 名無しで叶える物語 2020/04/21(火) 18:14:29.00 ID:uUGPY1bO.net
かすみの家
かすみ(『先輩』かぁ……)
千歌『この千歌『先輩』がなんでも手伝ってあげる‼』
絵里『絵里『先輩』が優しく教えてあげる、うふっ』
かすみ(ちょっと引いたけど2人共すごく喜んでくれてたな)
かすみ(これってもしかして……)
かすみ「そっかぁ、わかっちゃった」
かすみ「きっと私の溢れ出る後輩オーラが先輩達をメロメロにしてるんだ」
かすみ「あ~やっぱりかすみんは罪な後輩だなぁ、かわいいってのは罪な事」
かすみ「そうだ、せっかくだからいっぱい甘えていっぱい褒めてもらっちゃおっと」
12: 名無しで叶える物語(東日本) 2020/04/21(火) 18:31:22 ID:uUGPY1bO.net
かすみ「千歌先輩、おはようございま~す」
千歌「おはようかすみちゃん、ん?なに持ってるの?」
かすみ「千歌先輩は書道が得意だと噂を聞いて」
かすみ「私に書道を教えてくれませんかぁ?」
千歌「もっちろん‼書道は大会で金賞を取った事があるほど得意なんだ‼」
かすみ「本当ですかぁ?わぁ、すごーい」パチパチ
千歌「えへへ、苦しゅうない。もっと褒めるのだ」
千歌「まずは自分で書いてみて」
かすみ「は、はい」スッ
かすみ(実は割りと本気で苦手なんだよな書道……)
かすみ「―あぁ、やっぱりうまく書けない」
千歌「かすみちゃん力入れ過ぎじゃない?もっとリラックスして」キュッ
かすみ「ひゃっ!?千歌先輩?」ドキッ
かすみ(手握られちゃった)
千歌「ここを……こうやって……トメとハネはしっかりと」スッ……スッ……
かすみ(千歌先輩、いつもと違って真剣な表情。なんだかかっこいいな)
かすみ(これじゃ余計緊張しちゃうよ……)
15: 名無しで叶える物語(東日本) 2020/04/21(火) 18:43:48 ID:uUGPY1bO.net
千歌「こんな感じ、どう?わかった?」
かすみ「そうですね、もう1度やってみます」スッ
かすみ「力を抜いて、リラックス……」スッ…スッ…
千歌「おぉっ‼かすみちゃん上手‼さっきよりキレイに書けてるよ‼」
かすみ「えへっ、そうですかぁ~?」
かすみ(本当だ、さっきより上手に書けてる)
千歌「うんうん、かすみちゃんは飲み込みが早いね」
かすみ「千歌先輩の教え方がいいんですよ~」
千歌「なっはっは‼そんなに褒められると照れるなぁ」
千歌「かすみちゃんいい子いい子、後輩はこうでなくちゃね~」ナデナデ
かすみ「もう、やめてくださいよ千歌せんぱ~い」デレデレ
かすみ(くふふ、書道で甘える作戦大成功。この調子でもっとやるぞ~)
21: 名無しで叶える物語 2020/04/21(火) 19:05:50.77 ID:uUGPY1bO.net
かすみ「絵里先輩、今日は練習よろしくお願いしま~す」
絵里「来たわねかすみ。楽しみにしてたわ、よろしくね」
絵里「まずは柔軟から始めましょう」
絵里「足を広げて床に胸を付けるくらい伸ばして」ペターン
かすみ「わぁ、絵里先輩流石ですぅ」
かすみ「絵里先輩ってバレエをやってたんですよね、だから体が柔らかいんだ」
絵里「あら、よく知ってるわね。小さい頃に習っていたのよ」
絵里「……」
かすみ「絵里先輩?」
絵里「ごめんなさい、ちょっと昔を思い出して」
かすみ「なにかあったんですか?」
かすみ「あ、もしかして私がバレエの話をしたから……」
絵里「いいの、気にしないで。今はなんともないから」
絵里「さ、かすみもやってみなさい」
かすみ「あ、はい」
かすみ(私、絵里先輩の辛い過去を思い出させちゃったのかな……)
かすみ(ダメだな、もう少し気を付けないと)
25: 名無しで叶える物語(東日本) 2020/04/21(火) 19:34:06 ID:uUGPY1bO.net
かすみ「よっと……」ググッ
絵里「え?それしか曲がらないの?冗談でしょ?」
かすみ「じょ、冗談じゃないですよ……これが限界です~」
絵里「体が固いとダンスにも支障が出るのよ」
絵里「ほら、もっと曲げなさい」グイッ
かすみ「ぎゃあっ!?痛い痛い痛い‼もう無理ですよぉ」ナミダメ
かすみ「もっと優しくしてくださ~い、優しく教えてくれるって言ったじゃないですかぁ」
絵里「もう、しょうがないわね」
絵里「それじゃ、少しづつ曲げていきましょうかね」グゥ~
かすみ「あぁ~痛たたた」
絵里「ガマンしなさい、これもスクールアイドルになる為には必要な事なの」
絵里「かわいいアイドルは皆体が柔らかいのよ」
かすみ「ふぇ?それ本当ですかぁ?」
絵里「本当よ、だから頑張りましょ」
かすみ「……よし、わかりました。かわいいアイドルになる為頑張ります‼」
かすみ「ふにゅにゅにゅにゅ~!!」グググ~
27: 名無しで叶える物語(東日本) 2020/04/21(火) 19:47:53 ID:uUGPY1bO.net
かすみ「ほっ‼」ペターン
絵里「ハラショー‼胸が床に付くようになったわね‼よく頑張ったわ‼」
かすみ「やった……やりました……」
かすみ「絵里先輩のおかげです~‼ありがとうございま~す!!」ギュウッ
絵里「かすみが頑張った成果よ、えらいえらい」ギュウッ
かすみ「これでかすみんのかわいさが一段と上がりましたね‼嬉しいです!!」
かすみ「絵里先輩、今日はありがとうございました。一緒に練習出来て本当によかったですぅ」
絵里「私も役に立てて嬉しかったわ、ありがとう」
かすみ「絵里先輩、今日は一緒に帰りましょう」ピトッ
かすみ「かわいいアイドルになる秘訣、かすみんにもっと教えてくださぁい」
絵里「うふふ、かすみはおねだり上手ねぇ」デレッ
絵里「いいわよ、あなたにだけ特別に教えてあげる」
28: 名無しで叶える物語 2020/04/21(火) 20:04:59.88 ID:uUGPY1bO.net
かすみ「絵里先輩からかわいいアイドルになる秘訣聞いたら『かすみは今のままでも十分かわいいわよ』だって、でへへ~」
かすみ「お返しに絵里先輩を褒めたら赤くなってたなぁ、絵里先輩もかわいい」
かすみ「千歌先輩も絵里先輩も私にとても優しくしてくれる」
かすみ「私、後輩でよかったなぁ」
かすみ「私をかわいがってくれた先輩達になにか恩返ししてあげないと」
かすみ「う~ん……なにをしようかなぁ」
かすみ「千歌先輩と絵里先輩ではタイプが全然違うから……」
かすみ「―そうだ、いい事思い付いちゃった」
かすみ「よ~し、それじゃ千歌先輩から始めよう」
31: 名無しで叶える物語 2020/04/21(火) 20:57:51.29 ID:uUGPY1bO.net
次の日
かすみ「千歌先輩」
千歌「なぁにかすみちゃん」
かすみ「これ、書道を教えてもらったお礼にあげます」スッ
千歌「なにこれ?手紙?」カサッ
千歌「『妹になってあげます券』?」
かすみ「そのチケットを使うとかすみんが千歌先輩の妹に」
千歌「使っていい?」グワッ
かすみ「へっ?もう使っちゃうんですかぁ?」
千歌「だからくれたんじゃないの?」
かすみ「そりゃもちろんそのつもりでしたが」
かすみ(まさかこんなすぐに食い付くとは思わなかったよ……)
千歌「決まりね、さっそく使うよ」
かすみ「わかりましたよ千歌せん」
千歌「せん?」
かすみ「あわわわ……先輩じゃなかった」
かすみ「千歌お姉~ちゃん‼」キャピルーン
千歌「はぁう~かぁいいよぉ~!!」ズッキューン
千歌「かすみちゃん、おっ持ち帰り~!!」ガシッ
かすみ「うわぁっ!?ちょ、どこに行くんですかぁ~!?」
35: 名無しで叶える物語 2020/04/21(火) 21:12:59.18 ID:uUGPY1bO.net
千歌の家
千歌「ただいま~」
かすみ「お、お邪魔します……」
千歌「やだなぁかすみ、自分の家に帰って来たんだから『ただいま』でしょ」
かすみ「えぇ……?そこまでやるんですか?」
千歌「お姉ちゃんに敬語使うのはおかしいなぁ」
かすみ「わ、わかっ……たよお姉ちゃん」
かすみ(うぅ……なぜこんな事に……)
志満「おかえり千歌ちゃん、あら?」
美渡「なんだ、後輩も連れて来たの」
かすみ「あ、はじめまして。私中須」
千歌「この娘は千歌の妹のかすみだよ‼」
美渡「はぁ?妹ぉ?」
志満「千歌ちゃんより下に妹はいないはずだけど」
かすみ「あはは……実はですね」
千歌「ほらほら行くよかすみ、ぼさっとしてない」ガシッ
かすみ「ふぎゃっ!?また~!?」ズルズル
美渡「行っちゃった、なに言ってんだ千歌の奴。変な物でも食ったか」
志満「そのせいでよその女の子を連れて来るのは困るわねぇ」
志満「それともあの娘は腹違いの妹なんじゃ……」
美渡「いやいや、んな訳ないでしょ。千歌の後輩だって」
志満「そうよね、妹の訳ないわよね。きっと2人で遊んでるのよね」
36: 名無しで叶える物語 2020/04/21(火) 21:27:36.25 ID:uUGPY1bO.net
千歌「ほぉらかすみ、あ~ん」
かすみ「あ、あ~ん」パクッ
千歌「おいしい?」
かすみ「うん、おいしい」
かすみ(確かに夕食はおいしいんだけど……)
千歌パパ「……?」
かすみ「ど、どうも~あははは……」
志満「千歌ちゃんの後輩よ」
美渡「2人で姉妹ごっこして遊んでるんだと」
千歌パパ「……!!」コクコク
千歌「お姉ちゃんが背中洗ってあげる‼」ゴシゴシ
かすみ「ちょ、痛いってばぁ」
千歌「ごめ~ん、嬉しくてつい」
かすみ「あの、今度は私が洗ってあげるよ」
千歌「本当?お願い」
かすみ「気持ちいい?」ゴシゴシ
千歌「はぁ~極楽極楽、こうやって妹に背中洗ってもらうの夢だったんだぁ」
かすみ「そうだったんだ……」
かすみ(なんだか、妹になりきるの少し慣れてきたかも)
かすみ(こうやって誰かと一緒にお風呂に入るの、いいな……)
かすみ「それじゃ、流しま~す」ザバァ
37: 名無しで叶える物語 2020/04/21(火) 21:47:53.58 ID:uUGPY1bO.net
かすみ「ほ、本当に泊まってもいいの?」
千歌「いいのいいの、妹なんだから当然‼」
千歌「今夜は離さないよ~」ムギュー
かすみ「結局泊まって一緒に寝るはめに……どうしてこうなった」
かすみ「て言うかお姉ちゃん、顔が近い……」カァァ
千歌「これでいいのだ、これがいいのだ」
千歌「おやすみ、かすみ」
千歌「あ、今のはやすみとかすみをかけた」
かすみ「まったくかかってないからね」
夜中
かすみ「ん……」
かすみ(なんだか眠れない……千歌先輩がくっついてるせいかもしれないけど)
千歌「眠れないの?」
かすみ「う、うん。お姉ちゃんと一緒だからかな」
千歌「ふふ、もう妹になりきらなくてもいいよ」
千歌「私のわがままに付き合ってくれてありがとう。お姉ちゃんになってみたかったけど、やっぱり私は末っ子だった」
千歌「でも十分お姉ちゃん気分を味わえた、もう満足だよ」
かすみ「千歌先輩……」
かすみ「あの、もしよかったら」
かすみ「また妹になっても……いいですか?」
千歌「かすみちゃん……」
千歌「もちろん‼いつでも千歌お姉ちゃんに甘えなさーい」ギュウッ
かすみ「えへへ、ありがとう。お姉ちゃん」ギュウッ
41: 名無しで叶える物語 2020/04/21(火) 22:05:31.93 ID:uUGPY1bO.net
かすみ「まさか千歌先輩の家に泊まる事になるなんて、千歌先輩恐るべし」
かすみ「でも……姉妹ってあんな感じなのかな、妹キャラって言うのも悪くないかも~」
かすみ「さてとお次は絵里先輩、絵里先輩にはかすみんの新たな一面を見せてあげようかな」
かすみ「絵里先輩」
絵里「かすみ、どうしたの?」
かすみ「柔軟を教えてもらったお礼にこれを絵里先輩に」スッ
絵里「ん?これは?」カサッ
絵里「『専属パティシエになってあげます券』?」
かすみ「絵里先輩、チョコが好きなんですよね?私、パンだけじゃなくお菓子作りも得意なんですよぉ」
絵里「へぇ~いいわねこれ、さっそく使わせてもらうわ」
かすみ(やっぱり絵里先輩もすぐに使ったか)
かすみ(そう来ると思って準備はしてきたもんね~流石は私、抜かりない)
かすみ「それではスイーツハウスかすみんカフェへご案内しま~す」
44: 名無しで叶える物語 2020/04/21(火) 22:19:46.24 ID:uUGPY1bO.net
かすみの家
かすみ「いらっしゃいませ~ようこそお越しくださいましたぁ」
絵里「かわいいおうちねぇ、あなたのイメージにぴったり」
かすみ「かわいいだなんてそんなぁ、ありがとうございます~」ヤンヤン
かすみ「おまたせしました、当店のおすすめ『スイーツワンダーランドセット』でございま~す」カチャ
絵里「わぁ、かわいい~ひと口サイズの色々なチョコが沢山!!」パァァ
絵里「どれを食べようか迷っちゃうわね~」
かすみ「まだまだあるのでお好きなだけ食べてくださいね」
絵里「それじゃ遠慮なく」パクッ
絵里「―う~ん!!生クリームの濃厚な味が堪らな~い」
絵里「あ、こっちはイチゴの味がする。甘酸っぱ~い」モグモグ
絵里「これはオレンジ……これは塩が入ってる‼」ヒョイパクヒョイパク
絵里「こんなに沢山のチョコが食べられるなんて幸せ~」ホワワ~ン
かすみ(絵里先輩、本当に幸せそうに食べてくれる。私も嬉しくなってきた)
絵里「かすみも一緒に食べましょ」
かすみ「は~い、いただきまぁす」パクッ
かすみ「―う~ん!!我ながら最高の出来~!!」
45: 名無しで叶える物語 2020/04/21(火) 22:27:32.30 ID:uUGPY1bO.net
絵里「はぁ、もうしばらくチョコは食べなくてもいいわね」
かすみ「満足していただけましたか?」
絵里「えぇ、大満足よ。かすみにこんな才能があったなんて知らなかったわ」
かすみ「お菓子作りはかわいい女の子には必要不可欠なスキルですから」
絵里「あなたは随分かわいいにこだわるのね」
かすみ「かわいくなければ私じゃありませんから」
かすみ「私はいつでもかわいくなければいけないんです」
絵里「かすみ?どうしたの?なんだか険しい顔をしているけど」
かすみ「えっ?そうでしたかぁ?かすみんにそんな顔は似合わないのに~てへっ」
絵里「かすみ……」
絵里(なにかしら……今のかすみの表情、まるで昔の私を見ていたような)
46: 名無しで叶える物語 2020/04/21(火) 22:41:34.13 ID:uUGPY1bO.net
絵里「かすみ、あなたにどんな事情があるかは知らないしあえて聞いたりはしないけど」
絵里「かわいさっていうのは取り繕うものなのかしら」
かすみ「……それはどういう意味ですか?」
絵里「私もうまくは言えないんだけど、そういうのって自然ににじみ出るものだと思うの」
絵里「それにかわいいだけがかすみの魅力じゃないわよ」
絵里「あなたは柔軟を頑張って克服したように努力して向上した、それもひとつの魅力だし」
絵里「あの時私に見せてくれた自然な笑顔、かすみは意識なんかしなくてもかわいい表情を出せるわ」
かすみ「そう、なんですかね」
絵里「そうよ、変に考えるよりありのままのあなたが1番かわいい。自信を持って」
かすみ「ありのままの私が1番かわいい……」
かすみ「……」
かすみ「絵里先輩、ありがとうございます」
かすみ「恩返しするつもりがまたひとつ秘訣を教えてもらっちゃいましたね」
絵里「ふふふ、その秘訣がわかればかすみに怖いものはないわ」
絵里「ねぇ、おかわりお願いしてもいい?」
かすみ「はい!!今持って来ますね‼」
かすみ「ふっふふんふんふんふ~ん♪」
48: 名無しで叶える物語 2020/04/21(火) 22:53:32.32 ID:uUGPY1bO.net
その後
千歌「―絵里さん」
絵里「―千歌」
千歌「なんだか嬉しそうな顔してるね」
絵里「そう言うあなたこそ、顔がにやけてるわよ」
千歌「あ、わかる?かわいい後輩が甘えてきてさ」
絵里「奇遇ね、私もかわいい後輩と一緒にスイーツを食べたのよ」
千歌「スイーツ?いいなぁ私も食べたかったぁ」
絵里「それじゃ、今度2人でお邪魔しましょ。きっと歓迎してくれるわ」
千歌「いいね~楽しみ!!」
千歌「―ふふっ」
絵里「―うふっ」
千歌「ねぇ絵里さん、『先輩』っていいよね」
絵里「わかるわ、『先輩』と呼ばれて慕われるのは本当に素晴らしい事だわ」
かすみ「あ、千歌せんぱ~い!!絵里せんぱ~い」タタタッ
千歌「さ、今日もかわいい後輩の為に」
絵里「先輩としてしっかり導いてあげましょう」
49: 名無しで叶える物語 2020/04/21(火) 22:54:30.51 ID:uUGPY1bO.net
終わりです、最後まで読んでいただきありがとうございました。
かすみ「千歌先輩」千歌「せ、先輩……」