13: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/11/15(火) 00:55:21.67 ID:p8j/ETHd.net
真姫「うぅ、聞いてよ花陽!」
花陽「どうしたの、真姫ちゃん」
真姫「穂乃果ったら、こないだの路上ライブの日にまた電車賃忘れて来たのよ!」
真姫「それでどうするのかと思ったら、当たり前のように電車賃かしてなんて言うのよ!」
花陽「そういえば、海未ちゃんに叱られてたね」
真姫「私だって怒りたいわよ!普通、後輩からお金なんて借りるかしら!?」キーッ
花陽「真姫ちゃん、いつも大変だね。御苦労様」ナデナデ
真姫「はなよぉ……あなただけよ、慰めてくれるのは」シクシク
こうかな
14: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/11/15(火) 01:06:53.84 ID:p8j/ETHd.net
真姫「花陽!!」
花陽「ど、どうしたの真姫ちゃん」
真姫「凛ったら、また英語の小テストで赤点とったわよ!」
花陽「青息吐息だったね、凛ちゃん」アハハ
真姫「それで再テストのために勉強見てあげたんだけど……」
真姫「何をどうしたらinterestingとindependenceを間違えるのよ!」
真姫「なんかmissionとかenemyとかlauncherとか、変な単語ばっかり覚えてるし!」
花陽「それ、凛ちゃんの好きなゲームに出てくる単語だから……」
真姫「あんたの教育がなってないのよ!こうしてやるわ!」グニグニ
花陽「いはいいはい」
真姫「おまんじゅうみたいなほっぺして!」フニフニ
花陽「はへははふへへー!!」ナミダメ
真姫「うぅ……はーなーよー」
花陽「今日はどうしたの、真姫ちゃん」
真姫「ゆうべエリーからLINEが来たんだけど……」スッ
エリーチカ:【急募】打倒A-RISEのための新曲!!!!
真姫「そんな簡単に新曲が用意できるわけないじゃない!」
真姫「私はドラえもんじゃないのよ!」
花陽「そうだよね、作曲って難しいよね」ナデナデ
真姫「これは列強による搾取よ!南下政策だわ!」キーッ
花陽「ま、真姫ちゃん落ち着いて……」
真姫「……」ズーン
花陽「真姫ちゃん、今日はなんだか元気ないね」
真姫「……いつものように希にセクハラされたから」
真姫「お返しに胸をもみ返してやったのよ」
真姫「格の違いを見せつけられたわ……」シクシク
花陽「希ちゃんは別格だからね。しょうがないよ」
真姫「……」
花陽「?」タユタユ
真姫「花陽に慰められると、なんか腹立つのよね」モミュ
花陽「ぴゃっ!?//」
真姫「やっぱり炭水化物……お米がいいのかしら」モミュモミュ
花陽「ぴゃああああああ////」
キーンコーンカーンコーン
真姫「休み時間ね」
花陽「はい、真姫ちゃんにもおにぎり作ってきたよ!」
真姫「……ごめんね、ありがとう」
花陽「どういたしまして♪」
花陽「凛ちゃんはいつも購買のスナックを買いにいっちゃうから、一緒におにぎりを食べてくれる人がいると嬉しくなっちゃう」
真姫「花陽はいいお嫁さんになれるわよ」
花陽「ちなみに中身は、真姫ちゃんの大好きなプチトマトです!」
真姫「ヴェエ!?」
真姫「……」ムッスー
花陽「今日は機嫌が悪いね、真姫ちゃん」
真姫「こないだの日曜、にこちゃんが一人で映画観に行ったのよ」
真姫「そんなことだから、友達少ないのよね」
真姫「だいたい、受験生なのに自覚が足りないんじゃないかしら」
花陽「……」ニコニコ
真姫「あによ」
花陽「誘ってほしかったんだね」
真姫「……」ペシッ
花陽「……いたい」
真姫「……花陽って」
花陽「……なあに?」
真姫「白いご飯と一緒なら、なんでもおいしく食べられるのよね?」
花陽「……たいていのものは」
真姫「……じゃあ、この」
真姫「チーズケーキ入りのお鍋を処理してもらえるかしら」ニッコリ
花陽「ダレカタスケテー」
真姫「……」ゼェゼェ
花陽「真姫ちゃん、今日はお話しする元気もないね」
真姫「……なんでせっかくの合宿なのに、山登りなんてしなくちゃいけないのよ」
花陽「海未ちゃんが楽しみにしてたからね」
花陽「それに、この季節のお山は気持ちいいよ!ほら、紅葉もきれい!」
真姫「花陽って、お人好しよね」
真姫「悪い人に騙されないか、心配になるわ」
花陽「頑張ろう、真姫ちゃん」
花陽「頂上についたら、花陽のおにぎりをわけてあげる」
真姫「……トマト入りはオコトワリよ?」
真姫「……」モグモグ
花陽「私のおにぎりを勝手に食べるのはやめてよぉ……」
真姫「あーっ、もう!」
真姫「にこちゃんったら、本当に頭にきちゃう!」
真姫「せっかくライブの打ち上げ会を企画したのに、出席しないんですって!」
真姫「協調性がないんだから!将来、グループ内でいじめにあっても知りませんよーだ!」
花陽「にこちゃんね」
花陽「お母さんがお留守だから、妹たちの面倒を見に帰らないといけないの」
真姫「……ふーん」
真姫「そうならそうと、言ってくれたらいいのに……」カミノケクルクル
花陽「私から聞いたって、言っちゃダメだよ」
花陽「それより、花陽のお弁当かえしてぇ!」
真姫「ああ、ごめんなさい。はい」
花陽「ひとつしか残ってない……」クスン
真姫「昆布がおいしかったわ」
真姫「……花陽は」
花陽「うん」
真姫「にこちゃんのことは詳しいのね」
花陽「一緒にグッズを見に行ったり、ライブ行ったりしてるからね」
真姫「ふーん……」
花陽「一緒に行ってみたいの?」
真姫「はぁ?べ、別に!」
真姫「私はあなたと違って、にこちゃんのオタクトークなんて付き合ってらんないのよ!」
花陽「そ、そっか……ごめんね」
真姫「……ところで」
真姫「コンビニでチケットが買えるって話を聞いたんだけど」
真姫「売り場に案内してくれるかしら」
花陽「……」ニコニコ
真姫「なによ//」
花陽「この機械を操作するんだよ」
真姫「ふーん」
真姫「てっきり、パンや飲み物みたいにチケットが並んでるんだと思ってたわ」ピッ
真姫「……ふーん、プロ野球や遊園地の券も買えるのね」
花陽「すごいでしょ?」
真姫「あっ、見てみて!飛行機も船舶もあるわよ!」
花陽「飛行機もいいけど、たまにはお船でのんびり旅行したいね」
真姫「酔わないかしら?」
花陽「ちゃんとご飯を食べれば、船酔いしないんだって!」
真姫「花陽はご飯の話ばっかりね」
キャイキャイ
後ろの客(まだかなー)
後ろの客(……まあ、いっか)
真姫「……うう、ちゃんと誘えるかしら」
花陽「大丈夫だよ、にこちゃん喜ぶよ」
真姫「でも、今までこんな風に二人きりでお出かけしたことないのよ」
花陽「じゃあ、練習してみようよ」
花陽「私が真姫ちゃんの役をするね」
真姫「じゃあ、私はにこちゃんの役ね」
真姫「……って、ぬゎんでよぉ!」
花陽「あ、今のすごく似てたよ!」
にこ(花陽)「にっこにっこにー♪」
真姫「に、にこちゃん」
にこ(花陽)「なによ、真姫ちゃん」
真姫「こ、これ……あの、えっと」
にこ(花陽)「ストップ。何も言わなくてもわかってるわよ」
にこ(花陽)「私のために、アイドルのコンサートに誘ってくれるんでしょ?」
にこ(花陽)「嬉しいわ、喜んでお供させていただくわね。……でも、残念」
にこ(花陽)「だって、隣にこんなに可愛いアイドルがいるんだもの。どんなトップアイドルだって霞んじゃ――」
真姫「ストップ」
真姫「にこちゃんは絶対にそんなこと言わないわよ」
花陽「えぇ……」
真姫「鳥肌たったわ」
真姫「……にこちゃん」
真姫「ここに、コンサートのチケットが二枚あるの」
真姫「べ、別に他の誰でもいいんだけど!にこちゃんなんかと一緒じゃなくてもいいんだけど!」カミノケクルクル
真姫「……ただ」
真姫「にこちゃん、このアイドルグループ好きだって言ってたから」
真姫「どうしてもって言うなら」
真姫「一緒に行ってあげても、いいわよ?//」
真姫「どう?」
真姫「もう少し、素直になった方がいいかしら?……って」
花陽「////」ホケー
真姫「なんで赤くなってんのよっ!////」
当日……
花陽「真姫ちゃん、楽しんでるかなぁ」ニギニギ
花陽「きっと楽しんでるよね!私もあのグループは大好きだもん!」ニギニギ
花陽「ちなみに、にこちゃんの妹さんだけど、今夜はことりちゃんが面倒を見てくれるそうです」ニギニギ
花陽「誰に向けて説明してるのかな、私?」ニギニギ
花陽「さて、お夜食のおにぎりもできたし、明日の予習をしないと」
花陽「……あ」
花陽「真姫ちゃんの分まで作っちゃった……」
真姫「花陽!花陽!」
花陽「おはよう。ご機嫌だね、真姫ちゃん……」
真姫「昨日はとっても楽しかったわ!コンサートっていいものね!」
花陽「……真姫ちゃん、あのグループ気に入ってくれたんだ」
真姫「気に入ったわ!」
花陽「じゃあ、今度ファーストアルバム貸してあげるね……」
真姫「なによ、今日の花陽は元気ないのね」
花陽「実はゆうべ、お夜食におにぎり作ったんだけど」
花陽「ついうっかり、真姫ちゃんの分まで握っちゃって、それで……」
真姫「……みんな食べちゃったのね」
花陽「またダイエットしないと……」グスッ
花陽「今日はいい天気だね」
真姫「そうね」
花陽「どこか遠くにお出かけしたい気分だね」
真姫「そうね」
花陽「考えてみれば、真姫ちゃんと知り合って、もうすぐ一年になるんだね」
真姫「そうね」
花陽「あ!この間貸したファーストアルバムはどうだったかな?」
真姫「……花陽」
真姫「相談が、あるんだけど」
花陽「大丈夫だよ、真姫ちゃんなら」
真姫「……うん」
花陽「女の子同士なんて、今時当たり前だよ」
真姫「……そうかしら」
花陽「だって、私にも真姫ちゃんの気持ち……わかるから」
真姫「……じゃあ、花陽も?」
花陽「と、ともかく頑張ってね」
花陽「私、応援してるから」
真姫「ありがとう……花陽には助けられっぱなしね」
真姫「今度、私がお弁当作ってくるわ」
花陽「真姫ちゃんのおにぎり、楽しみにしてるね」
花陽「あっ、もうこんな時間!にこちゃんが待ってるよ!」
真姫「うん……行ってくる」
花陽「行ってらっしゃい!」
花陽「……」
花陽「本当に、いいお天気」
花陽「絶好の、告白日和だね」
花陽「真姫ちゃん……頑張ってね」
花陽「……ううん」
花陽「真姫ちゃん、いつも頑張ってるもんね」
花陽「私と違って、勇気があるもんね……」
花陽「……」
キーンコーンカーンコーン
カーンコーンソーウサーイ
花陽「……はっ」
花陽「もうこんな時間」
花陽「ついつい、にこちゃん秘蔵のDVDを観すぎちゃった」
花陽「帰らないと……」
花陽「……あれ」
花陽「真姫ちゃん?」
真姫「……」
真姫「花陽」
真姫「まだ、学校にいたのね」
花陽「うん」
花陽「アイドル動画、観すぎちゃった」
花陽「そうだ、にこちゃんは?」
花陽「いいお返事、聞けたよね?」
真姫「……」フルフル
花陽「えっ」
花陽「……ダメ、だったの?」
真姫「……」コク
花陽「どっ、どうして!?」
花陽「あんなに、仲良しだったのに!」
花陽「こないだのコンサートだって、大成功だったのに!」
真姫「私はアイドルだから、一人の子だけ贔屓するわけにはいかない」
真姫「――それが、にこちゃんの答えだった」
真姫「にこちゃん、喜んでくれた。ちょっぴり泣いてくれた」
真姫「でも……ダメだった」
花陽「……」
真姫「まあ、何となくこうなる気はしたのよね」
真姫「私もにこちゃんの、そんなひたむきなところに惹かれたんだもの」
真姫「だいたい、考えてみれば、にこちゃん風情がこの私と釣り合うわけがないのよね!」
真姫「そうだ、この間のお礼がまだだったわね。どこかでパーっと美味しいものでも食べ」
ヒシッ
真姫「……花陽?」
花陽「真姫ちゃん」
花陽「……頑張ったね、よしよし」ナデナデ
真姫「……っ」ジワッ
真姫「……っ、ひっ……」
真姫「ぁあああああ……」ボロボロ
花陽「……」ナデナデ
花陽「……落ち着いた?」
真姫「……ええ」グズッ
花陽「……」トントン
真姫「……花陽は」
真姫「いつだって、優しいわね」
真姫「いつも私の話を聞いてくれる。困った時はなんでもお手伝いしてくれる」
真姫「私、花陽の優しさに……甘えてばっかりね」
花陽「……違うよ」
真姫「……花陽?」
花陽「ここで嘘ついちゃったら、永遠に後悔すると思うから、正直に言うね」
花陽「真姫ちゃん、私ね」
花陽「本当は……心のどこかで、失敗しちゃえって思ってたの」
花陽「真姫ちゃんがフラれたって聞いた時も、ちょっぴり嬉しくなっちゃったの」
花陽「……最低だよね」
花陽「私、真姫ちゃんが思ってるような……優しい子なんかじゃ、ないの」
真姫「それって、もしかして」
花陽「……」コク
真姫「……それなのに」
真姫「それなのに、ずっと私のこと、応援してくれたのね」
ギュッ
花陽「わっ」
真姫「花陽……あなたはバカよ!大バカ!」
真姫「バカで、お人好しで……」
真姫「どこまでも、優しいんだから……」ギュー
花陽「……私のこと、許してくれる?」ジワッ
真姫「許すもなにも……あなたには感謝してるわ。ほんとよ」
花陽「でも、私は……」
真姫「じゃあ、こうしましょう」
真姫「明日もまた、おにぎり作ってきなさいよ」
真姫「……トマト抜きでね」ニコッ
花陽「……うっ、うっ……」ポロポロ
数日後……
花陽「真姫ちゃんおはよう!」
真姫「花陽、おはよう」
花陽「すっかり寒くなっちゃったね」
真姫「ほんとね。またピアニストにとって辛い季節がきたわ」
花陽「手が荒れるもんね」
真姫「ちょうどいいわ、こっち来なさい」
花陽「?」
ギュッ
花陽「ぴゃっ//」
真姫「思った通りね。あなたの手、あったかいわ」
真姫「それにこの柔らかさ……花陽はどこもぷにぷにで気持ちいいわ」
花陽「ううぅ……///」
真姫「……ちょっと、何を赤くなってるのよ///」
花陽「……ねえ、真姫ちゃん」
真姫「なによ」
花陽「一つだけ聞いていい?」
花陽「私のこと――」
おしまい
すまんなかよちん(推し)
俺は孤独なHeavenが好きなんじゃ
悲恋かよちんが好きだにゃ~
この真姫ちゃんはシラフで酔眼気味なイメージ
元スレ
真姫「花陽!!」
花陽「ど、どうしたの真姫ちゃん」
真姫「凛ったら、また英語の小テストで赤点とったわよ!」
花陽「青息吐息だったね、凛ちゃん」アハハ
真姫「それで再テストのために勉強見てあげたんだけど……」
真姫「何をどうしたらinterestingとindependenceを間違えるのよ!」
真姫「なんかmissionとかenemyとかlauncherとか、変な単語ばっかり覚えてるし!」
花陽「それ、凛ちゃんの好きなゲームに出てくる単語だから……」
真姫「あんたの教育がなってないのよ!こうしてやるわ!」グニグニ
花陽「いはいいはい」
真姫「おまんじゅうみたいなほっぺして!」フニフニ
花陽「はへははふへへー!!」ナミダメ
19: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/11/15(火) 01:22:12.87 ID:p8j/ETHd.net
真姫「うぅ……はーなーよー」
花陽「今日はどうしたの、真姫ちゃん」
真姫「ゆうべエリーからLINEが来たんだけど……」スッ
エリーチカ:【急募】打倒A-RISEのための新曲!!!!
真姫「そんな簡単に新曲が用意できるわけないじゃない!」
真姫「私はドラえもんじゃないのよ!」
花陽「そうだよね、作曲って難しいよね」ナデナデ
真姫「これは列強による搾取よ!南下政策だわ!」キーッ
花陽「ま、真姫ちゃん落ち着いて……」
21: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/11/15(火) 01:27:26.50 ID:p8j/ETHd.net
真姫「……」ズーン
花陽「真姫ちゃん、今日はなんだか元気ないね」
真姫「……いつものように希にセクハラされたから」
真姫「お返しに胸をもみ返してやったのよ」
真姫「格の違いを見せつけられたわ……」シクシク
花陽「希ちゃんは別格だからね。しょうがないよ」
真姫「……」
花陽「?」タユタユ
真姫「花陽に慰められると、なんか腹立つのよね」モミュ
花陽「ぴゃっ!?//」
真姫「やっぱり炭水化物……お米がいいのかしら」モミュモミュ
花陽「ぴゃああああああ////」
23: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/11/15(火) 01:36:02.67 ID:p8j/ETHd.net
キーンコーンカーンコーン
真姫「休み時間ね」
花陽「はい、真姫ちゃんにもおにぎり作ってきたよ!」
真姫「……ごめんね、ありがとう」
花陽「どういたしまして♪」
花陽「凛ちゃんはいつも購買のスナックを買いにいっちゃうから、一緒におにぎりを食べてくれる人がいると嬉しくなっちゃう」
真姫「花陽はいいお嫁さんになれるわよ」
花陽「ちなみに中身は、真姫ちゃんの大好きなプチトマトです!」
真姫「ヴェエ!?」
25: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/11/15(火) 01:46:02.51 ID:p8j/ETHd.net
真姫「……」ムッスー
花陽「今日は機嫌が悪いね、真姫ちゃん」
真姫「こないだの日曜、にこちゃんが一人で映画観に行ったのよ」
真姫「そんなことだから、友達少ないのよね」
真姫「だいたい、受験生なのに自覚が足りないんじゃないかしら」
花陽「……」ニコニコ
真姫「あによ」
花陽「誘ってほしかったんだね」
真姫「……」ペシッ
花陽「……いたい」
26: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/11/15(火) 01:49:47.42 ID:p8j/ETHd.net
真姫「……花陽って」
花陽「……なあに?」
真姫「白いご飯と一緒なら、なんでもおいしく食べられるのよね?」
花陽「……たいていのものは」
真姫「……じゃあ、この」
真姫「チーズケーキ入りのお鍋を処理してもらえるかしら」ニッコリ
花陽「ダレカタスケテー」
42: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/11/15(火) 19:57:11.01 ID:PEi4ilcn.net
真姫「……」ゼェゼェ
花陽「真姫ちゃん、今日はお話しする元気もないね」
真姫「……なんでせっかくの合宿なのに、山登りなんてしなくちゃいけないのよ」
花陽「海未ちゃんが楽しみにしてたからね」
花陽「それに、この季節のお山は気持ちいいよ!ほら、紅葉もきれい!」
真姫「花陽って、お人好しよね」
真姫「悪い人に騙されないか、心配になるわ」
花陽「頑張ろう、真姫ちゃん」
花陽「頂上についたら、花陽のおにぎりをわけてあげる」
真姫「……トマト入りはオコトワリよ?」
43: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/11/15(火) 20:15:02.90 ID:PEi4ilcn.net
真姫「……」モグモグ
花陽「私のおにぎりを勝手に食べるのはやめてよぉ……」
真姫「あーっ、もう!」
真姫「にこちゃんったら、本当に頭にきちゃう!」
真姫「せっかくライブの打ち上げ会を企画したのに、出席しないんですって!」
真姫「協調性がないんだから!将来、グループ内でいじめにあっても知りませんよーだ!」
花陽「にこちゃんね」
花陽「お母さんがお留守だから、妹たちの面倒を見に帰らないといけないの」
真姫「……ふーん」
真姫「そうならそうと、言ってくれたらいいのに……」カミノケクルクル
花陽「私から聞いたって、言っちゃダメだよ」
花陽「それより、花陽のお弁当かえしてぇ!」
真姫「ああ、ごめんなさい。はい」
花陽「ひとつしか残ってない……」クスン
真姫「昆布がおいしかったわ」
44: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/11/15(火) 20:20:26.61 ID:PEi4ilcn.net
真姫「……花陽は」
花陽「うん」
真姫「にこちゃんのことは詳しいのね」
花陽「一緒にグッズを見に行ったり、ライブ行ったりしてるからね」
真姫「ふーん……」
花陽「一緒に行ってみたいの?」
真姫「はぁ?べ、別に!」
真姫「私はあなたと違って、にこちゃんのオタクトークなんて付き合ってらんないのよ!」
花陽「そ、そっか……ごめんね」
真姫「……ところで」
真姫「コンビニでチケットが買えるって話を聞いたんだけど」
真姫「売り場に案内してくれるかしら」
花陽「……」ニコニコ
真姫「なによ//」
46: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/11/15(火) 20:30:14.07 ID:PEi4ilcn.net
花陽「この機械を操作するんだよ」
真姫「ふーん」
真姫「てっきり、パンや飲み物みたいにチケットが並んでるんだと思ってたわ」ピッ
真姫「……ふーん、プロ野球や遊園地の券も買えるのね」
花陽「すごいでしょ?」
真姫「あっ、見てみて!飛行機も船舶もあるわよ!」
花陽「飛行機もいいけど、たまにはお船でのんびり旅行したいね」
真姫「酔わないかしら?」
花陽「ちゃんとご飯を食べれば、船酔いしないんだって!」
真姫「花陽はご飯の話ばっかりね」
キャイキャイ
後ろの客(まだかなー)
後ろの客(……まあ、いっか)
47: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/11/15(火) 20:37:36.02 ID:PEi4ilcn.net
真姫「……うう、ちゃんと誘えるかしら」
花陽「大丈夫だよ、にこちゃん喜ぶよ」
真姫「でも、今までこんな風に二人きりでお出かけしたことないのよ」
花陽「じゃあ、練習してみようよ」
花陽「私が真姫ちゃんの役をするね」
真姫「じゃあ、私はにこちゃんの役ね」
真姫「……って、ぬゎんでよぉ!」
花陽「あ、今のすごく似てたよ!」
49: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/11/15(火) 20:47:06.65 ID:PEi4ilcn.net
にこ(花陽)「にっこにっこにー♪」
真姫「に、にこちゃん」
にこ(花陽)「なによ、真姫ちゃん」
真姫「こ、これ……あの、えっと」
にこ(花陽)「ストップ。何も言わなくてもわかってるわよ」
にこ(花陽)「私のために、アイドルのコンサートに誘ってくれるんでしょ?」
にこ(花陽)「嬉しいわ、喜んでお供させていただくわね。……でも、残念」
にこ(花陽)「だって、隣にこんなに可愛いアイドルがいるんだもの。どんなトップアイドルだって霞んじゃ――」
真姫「ストップ」
真姫「にこちゃんは絶対にそんなこと言わないわよ」
花陽「えぇ……」
真姫「鳥肌たったわ」
51: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/11/15(火) 20:53:49.73 ID:PEi4ilcn.net
真姫「……にこちゃん」
真姫「ここに、コンサートのチケットが二枚あるの」
真姫「べ、別に他の誰でもいいんだけど!にこちゃんなんかと一緒じゃなくてもいいんだけど!」カミノケクルクル
真姫「……ただ」
真姫「にこちゃん、このアイドルグループ好きだって言ってたから」
真姫「どうしてもって言うなら」
真姫「一緒に行ってあげても、いいわよ?//」
真姫「どう?」
真姫「もう少し、素直になった方がいいかしら?……って」
花陽「////」ホケー
真姫「なんで赤くなってんのよっ!////」
52: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/11/15(火) 21:05:00.03 ID:PEi4ilcn.net
当日……
花陽「真姫ちゃん、楽しんでるかなぁ」ニギニギ
花陽「きっと楽しんでるよね!私もあのグループは大好きだもん!」ニギニギ
花陽「ちなみに、にこちゃんの妹さんだけど、今夜はことりちゃんが面倒を見てくれるそうです」ニギニギ
花陽「誰に向けて説明してるのかな、私?」ニギニギ
花陽「さて、お夜食のおにぎりもできたし、明日の予習をしないと」
花陽「……あ」
花陽「真姫ちゃんの分まで作っちゃった……」
53: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/11/15(火) 21:18:50.54 ID:PEi4ilcn.net
真姫「花陽!花陽!」
花陽「おはよう。ご機嫌だね、真姫ちゃん……」
真姫「昨日はとっても楽しかったわ!コンサートっていいものね!」
花陽「……真姫ちゃん、あのグループ気に入ってくれたんだ」
真姫「気に入ったわ!」
花陽「じゃあ、今度ファーストアルバム貸してあげるね……」
真姫「なによ、今日の花陽は元気ないのね」
花陽「実はゆうべ、お夜食におにぎり作ったんだけど」
花陽「ついうっかり、真姫ちゃんの分まで握っちゃって、それで……」
真姫「……みんな食べちゃったのね」
花陽「またダイエットしないと……」グスッ
54: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/11/15(火) 21:24:22.34 ID:PEi4ilcn.net
花陽「今日はいい天気だね」
真姫「そうね」
花陽「どこか遠くにお出かけしたい気分だね」
真姫「そうね」
花陽「考えてみれば、真姫ちゃんと知り合って、もうすぐ一年になるんだね」
真姫「そうね」
花陽「あ!この間貸したファーストアルバムはどうだったかな?」
真姫「……花陽」
真姫「相談が、あるんだけど」
55: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/11/15(火) 21:41:22.22 ID:PEi4ilcn.net
花陽「大丈夫だよ、真姫ちゃんなら」
真姫「……うん」
花陽「女の子同士なんて、今時当たり前だよ」
真姫「……そうかしら」
花陽「だって、私にも真姫ちゃんの気持ち……わかるから」
真姫「……じゃあ、花陽も?」
花陽「と、ともかく頑張ってね」
花陽「私、応援してるから」
真姫「ありがとう……花陽には助けられっぱなしね」
真姫「今度、私がお弁当作ってくるわ」
花陽「真姫ちゃんのおにぎり、楽しみにしてるね」
花陽「あっ、もうこんな時間!にこちゃんが待ってるよ!」
真姫「うん……行ってくる」
花陽「行ってらっしゃい!」
56: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/11/15(火) 21:46:42.41 ID:PEi4ilcn.net
花陽「……」
花陽「本当に、いいお天気」
花陽「絶好の、告白日和だね」
花陽「真姫ちゃん……頑張ってね」
花陽「……ううん」
花陽「真姫ちゃん、いつも頑張ってるもんね」
花陽「私と違って、勇気があるもんね……」
花陽「……」
57: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/11/15(火) 21:51:18.94 ID:PEi4ilcn.net
キーンコーンカーンコーン
カーンコーンソーウサーイ
花陽「……はっ」
花陽「もうこんな時間」
花陽「ついつい、にこちゃん秘蔵のDVDを観すぎちゃった」
花陽「帰らないと……」
花陽「……あれ」
花陽「真姫ちゃん?」
真姫「……」
59: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/11/15(火) 21:54:36.01 ID:PEi4ilcn.net
真姫「花陽」
真姫「まだ、学校にいたのね」
花陽「うん」
花陽「アイドル動画、観すぎちゃった」
花陽「そうだ、にこちゃんは?」
花陽「いいお返事、聞けたよね?」
真姫「……」フルフル
花陽「えっ」
花陽「……ダメ、だったの?」
真姫「……」コク
60: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/11/15(火) 21:58:56.24 ID:PEi4ilcn.net
花陽「どっ、どうして!?」
花陽「あんなに、仲良しだったのに!」
花陽「こないだのコンサートだって、大成功だったのに!」
真姫「私はアイドルだから、一人の子だけ贔屓するわけにはいかない」
真姫「――それが、にこちゃんの答えだった」
真姫「にこちゃん、喜んでくれた。ちょっぴり泣いてくれた」
真姫「でも……ダメだった」
花陽「……」
61: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/11/15(火) 22:05:46.71 ID:PEi4ilcn.net
真姫「まあ、何となくこうなる気はしたのよね」
真姫「私もにこちゃんの、そんなひたむきなところに惹かれたんだもの」
真姫「だいたい、考えてみれば、にこちゃん風情がこの私と釣り合うわけがないのよね!」
真姫「そうだ、この間のお礼がまだだったわね。どこかでパーっと美味しいものでも食べ」
ヒシッ
真姫「……花陽?」
花陽「真姫ちゃん」
花陽「……頑張ったね、よしよし」ナデナデ
真姫「……っ」ジワッ
63: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/11/15(火) 22:11:42.29 ID:PEi4ilcn.net
真姫「……っ、ひっ……」
真姫「ぁあああああ……」ボロボロ
花陽「……」ナデナデ
花陽「……落ち着いた?」
真姫「……ええ」グズッ
花陽「……」トントン
真姫「……花陽は」
真姫「いつだって、優しいわね」
真姫「いつも私の話を聞いてくれる。困った時はなんでもお手伝いしてくれる」
真姫「私、花陽の優しさに……甘えてばっかりね」
花陽「……違うよ」
64: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/11/15(火) 22:18:56.13 ID:PEi4ilcn.net
真姫「……花陽?」
花陽「ここで嘘ついちゃったら、永遠に後悔すると思うから、正直に言うね」
花陽「真姫ちゃん、私ね」
花陽「本当は……心のどこかで、失敗しちゃえって思ってたの」
花陽「真姫ちゃんがフラれたって聞いた時も、ちょっぴり嬉しくなっちゃったの」
花陽「……最低だよね」
花陽「私、真姫ちゃんが思ってるような……優しい子なんかじゃ、ないの」
真姫「それって、もしかして」
花陽「……」コク
真姫「……それなのに」
真姫「それなのに、ずっと私のこと、応援してくれたのね」
66: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/11/15(火) 22:30:56.75 ID:PEi4ilcn.net
ギュッ
花陽「わっ」
真姫「花陽……あなたはバカよ!大バカ!」
真姫「バカで、お人好しで……」
真姫「どこまでも、優しいんだから……」ギュー
花陽「……私のこと、許してくれる?」ジワッ
真姫「許すもなにも……あなたには感謝してるわ。ほんとよ」
花陽「でも、私は……」
真姫「じゃあ、こうしましょう」
真姫「明日もまた、おにぎり作ってきなさいよ」
真姫「……トマト抜きでね」ニコッ
花陽「……うっ、うっ……」ポロポロ
67: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/11/15(火) 22:38:10.99 ID:PEi4ilcn.net
数日後……
花陽「真姫ちゃんおはよう!」
真姫「花陽、おはよう」
花陽「すっかり寒くなっちゃったね」
真姫「ほんとね。またピアニストにとって辛い季節がきたわ」
花陽「手が荒れるもんね」
真姫「ちょうどいいわ、こっち来なさい」
花陽「?」
ギュッ
花陽「ぴゃっ//」
真姫「思った通りね。あなたの手、あったかいわ」
真姫「それにこの柔らかさ……花陽はどこもぷにぷにで気持ちいいわ」
花陽「ううぅ……///」
真姫「……ちょっと、何を赤くなってるのよ///」
68: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/11/15(火) 22:42:34.86 ID:PEi4ilcn.net
花陽「……ねえ、真姫ちゃん」
真姫「なによ」
花陽「一つだけ聞いていい?」
花陽「私のこと――」
おしまい
71: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/11/15(火) 22:48:17.53 ID:PEi4ilcn.net
すまんなかよちん(推し)
俺は孤独なHeavenが好きなんじゃ
悲恋かよちんが好きだにゃ~
この真姫ちゃんはシラフで酔眼気味なイメージ
花陽「真姫ちゃんはいつも頑張ってるよね、よしよし」ナデナデ 真姫「はなよぉ……//」ギュー