SS速報VIP:ほむら「いつもの病院じゃない…」



1: 2012/08/15(水) 07:43:52.35 ID:CmT2gfbc0

ほむら「……」

目を開けると真っ白い天井が見える

ほむら「ゥゥゥ……酷く長く寝てた感じがする」チラッ

時計を見ると既に、昼の12時前だ

ほむら「……」

そして時計を見る私に、天井に照明と共に付いているむきだしのファンが、優しく涼しい風を与える

ほむら「ハァ……」

結局、前の世界もうまくいかなかったのね

でも……それより








ほむら「ここはどこ?」


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1344984232




2: 2012/08/15(水) 07:46:53.83 ID:CmT2gfbc0

ここは私の知っている病院ではない

似ているが部屋の構造がちょっと違う

ほむら「……」ゴソソ

ここは、自分がこれまで体験してきたループにない病院。
気味が悪い。

だがその疑問を晴らすのは後にして、今は視力回復の為に、ソウルジェムを取り出そう

ほむら「ええっと……確かこの引き出しの中かしら?」


ガチャッ

「ほむらちゃん!」




3: 2012/08/15(水) 07:47:46.80 ID:CmT2gfbc0

ほむら「!?」

まどか「よかった……ほむらちゃんやっと意識を取り戻したんだね!!!」

やや身長の低いピンクの髪の色をした少女は小走りして、ベットから上半身を起こし、引き出しを開けんとしようとするほむらの元まで来て、抱きしめる

まどか「よかった……本当によかった」ボロボロ

ほむら「……?、?」

何がなんだかさっぱり理解できない

私はいま、どのような状況にいるのか

なぜまどかがここにいるのか

そもそもなぜ『この世界』のまどかが、私を知っているのか

ほむら「まど……か……」




4: 2012/08/15(水) 07:50:47.68 ID:CmT2gfbc0

ただ茫然とするしかなかった。
訳のわからないこの状況に

そしてまどかが自分の為に涙を流してくれる事へのちょっとした嬉しいような

でもまどかを泣かせてしまった妙な罪悪感

そんな感情に襲われつつ、まどかの背中に両手を回す


――随分長い時間抱き合った


ようやく、落ち着きを取り戻したほむらは、まどかの背中から手を離し、まどかの顔を確認する
それと同時に、まどかも両手を離し、ほむらの顔をじっと見つめる

まどか「ほむらちゃん……」

まどか(ああ……やっぱり、まどかの顔を見ると落ち着くわ…)

まどかは泣きはらしたせいで、目が真っ赤に充血しているが、あいも変わらず優しい眼差しでほむらを見つめている

しかしここである一つの疑問が


ほむら「まどか……その、あなたの額に付いてる包帯は……?」


まどか「え……これは」



プツン



――――――――――

――――――

――――




5: 2012/08/15(水) 07:53:28.31 ID:CmT2gfbc0

――――

――――――

――――――――――



「こ~~らぁ~!!いい加減起きろ~~~!!!」

ビシッ

ほむら「ヒャンッ!?」ビクッ

何者かに、デコピンをされ、ほむらは思わず額を押さえる

「まったくもう……あとちょっとで、目的地の海岸前の駅に着くんだから起きなさいよ!」

え……アナタは……

ほむら「美樹……さやか……?」

さやか「はぁ?なんだい…他人行儀みたいに……」

ほむら「……? ?」

まどか「ウェヒヒ、ほむらちゃんったらもう、お寝坊さんなんだから」

ほむら「まどか……あれ?私たち病院に……」

まどか「え?」

ほむら「え」

さやか「ああもう、まどかまでつられてないでさ、早く荷物降ろして準備するよ!」


まどか「あ、そ、そうだ!ほむらちゃん、荷物降ろそう?」

ほむら「え、ええ……」



6: 2012/08/15(水) 07:55:40.28 ID:CmT2gfbc0


またしても状況が飲み込めないが、ひとまず荷物やらを降ろすために、両手を上に挙げ、自分を鞄らしきものを、手にする

その時だった

ほむら「………」

フっと、外を見ると透き通っていて、美しい海が辺り一面に広がっていた

ほむら「綺麗な海ねぇ……」

さやか「だよな~!まるでこのさやかちゃんみたいに、美しく透き通っているねぇ~」ドヤ

ほむら「……」

まどか「ア、ア、ハハ……さやかちゃん……」

さやか「な、なんだよー!ちょっとはノッてくれよ!」

「お前馬鹿じゃねえの?」

さやか「な、なんですとー!!」キィー

ほむら「!?」

「……ん、なんか私の顔についているか?ほむら」

ほむら「佐倉……杏子……」

杏子「あん?なんだ、あたしまで他人行儀かい」

ほむら「……」



7: 2012/08/15(水) 07:57:03.47 ID:CmT2gfbc0


私はさっきまで病院にいた、それも見知らぬ病院に。
そして今度は、見知らぬ海に、死んだはずの仲間と来た

一体何がどうなっているの

ほむら「……ねえ」

杏子「あん?」

ほむら「目的地って……ここは一体……」

ほむらが何気なく疑問を打ち明けるとみんな、顔を見合わせてププッと笑みを浮かべる

さやか「おいおいどうしちゃったんだよこの、あほむら!」

ほむら「!?あほむらって…」

杏子「ハハハ!さやか上手いな、座布団やるよ!」

まどか「ウェヒヒ、惚けたほむらちゃんもかわいいなぁ」


「ウフフフ、暁美さんったら。元々はアナタが行く場所決めた人でしょ?」


ほむら「……」

なんとなく予想はしてたが、やはり『この人』もいた

ほむら「巴マミ……」

マミ「!?あら酷いわ、先輩の私までに呼び捨てなんて」

まどか「ほむらちゃん、今日はね、みんなで沖縄に来ているんだよ」




8: 2012/08/15(水) 08:01:53.55 ID:CmT2gfbc0



ほむら「……え、沖縄……」

まどか「そうだよ!わたしとほむらちゃんで学校のPC使って何処の海に行こうかって、探したじゃない」

まどか「それでほむらちゃんが、ここの海が凄く綺麗そうで良いって言ったから、みんなで夏休みに旅行に行こうって…」

ほむら「……」

とりあえず、適当に話しを合わせよう。またややこしくなる

ほむら「ええ、そうね」



――――

―――

――



さやか「うっひょー!マミさんのオッパイたまんねぇぇぇ!!」モミモミ

マミ「ちょっ!美樹さんやめて!!いろんな人が見てるから」


通行人「///」ゴクリ


色々な人がといっても、今砂浜にいるのは、自分達を含めて、本当に数少ない人数だ。
だからこそ、余計目立ちもするのだが


さやか「そんなけちなこと言わんといてくださいよ!マミさんマミマミさせてくだせえぇ!!」

マミ「わ、訳がわからないわ……」

杏子「おーい、みんなでスイカ割りすっぞ」

ほむら以外全員「いいね!」

ほむら「……ごめんなさい、ちょっと頭が痛いから、私は休んでてもいいかしら」

さやか「ああ、今日はもしかして体調が優れない日だったり?」




9: 2012/08/15(水) 08:03:39.98 ID:CmT2gfbc0


ほむら「ごめんなさい…」

さやか「んじゃ、スイカ割りは、あとにして、ビーチバレーしよう!」

杏子「ok!」

マミ「ごめんね、暁美さん」

ほむら「いえ、お構いなく」

まどか「……」

ほむら「……あれ?まどかは行かないの?」

まどか「ほむらちゃんが可哀想だから、体調が良くなるまで一緒にいてあげる」



ほむら「ありがとう……」

やはりどの時間軸まどかも本当に優しいわ


……でも疑問がある。それこそ挙げたらキリがないが


この時間軸の美樹さやかは、凄く優しい……。
いや、私と仲が良いと言うべきかしら?それは、他のみんなにも言えることだが……

……っというかその前に、なぜ今夏休みに私が?
ワルプルギスは?見滝原は?

……駄目だ、考えれば考えるほど頭が痛くなる

まどか「……ほむらちゃん、本当に大丈夫?」

日陰でシートの上で、バスタオルをかけながら寝ている、私の顔を、覗き込むように、まどかはこちらを見る

ほむら「……」

まどかがこんなに近くにいる

思えば、まどかとこんなに仲良くしていられるのはいつ振りだろうか

ほむら「まどか……」ギュウゥ




10: 2012/08/15(水) 08:06:03.72 ID:CmT2gfbc0


まどか「え」

気が付いたら私はまどかを抱きしめていた

まどか「……?」

ほむら「ごめんね……私でもわからないの。何でこんなことしたか」

まどか「……ウェヒヒ、良いよ。大丈夫だよ」ギュゥ

まどかは優しく微笑んで、ほむらの背中に両手を回す

まどか「……ほむらちゃんはきっと悪い夢を見ていたんだよ」

ほむら「……」

まどか「だから、ほむらちゃんの心の怯えが消えるまで、ずっとこうしていようね」

ほむら「……うん」



――――

――――――

――――――――――




12: 2012/08/15(水) 08:14:18.84 ID:CmT2gfbc0


ほむら「……そろそろ落ち着いてきたわ」パッ

まどか「そっか……それじゃ、そろそろみんなの所いこっか?」パッ

二人は立ち上がると、ビーチサンダルを履いて、小走りで、すっかり日焼けした三人の元に行く

ほむら「みんな待たせてごめん…」

さやか「お!ほむら体調良くなったのか!」

マミ「それじゃ、スイカ持ってきましょ」

杏子「おう、木刀と目隠しのタオル忘れんなよ」

さやか「早くしたまえ~、一番最初にスイカ割るのはこの美少女・さやかちゃんだぁ!」

杏子「はぁ?最初はあたしに決まってんだろ」

マミ「まあまあ」




13: 2012/08/15(水) 08:18:34.27 ID:CmT2gfbc0


――――



さやか「エッヘヘーン!さやかちゃんがいっちばーん!」

杏子「チェッ」

マミ「美樹さんがんばって~」



まどか「ウェヒヒ!」

ほむら「?どうしたのまどか」


まどか「ほむらちゃん笑ってる」


ほむら「え」

まどか「クールなほむらちゃんもかっこよくていいけど、微笑んだほむらちゃんも可愛くていいなぁ!」

ほむら「……///」


さやか「んじゃ、早速いっきまーす!!」

杏子「おうおう外せ、私がスイカ叩き割るんだ」


まどか「実は私、スイカ割り初めてなんだ……」

ほむら「私もよ、まどか…」

まどか「ウェヒヒ、楽しみだね」

ほむら「ええ」


















プツン














なにこれ




まっくら



21: 2012/08/16(木) 05:41:53.89 ID:Wu5kI3q20


――――
―――
――


永い闇から解き放たれ、僅かな光を感じる

何か聞こえる……懐かしい曲だ

これは……ラジオの有線のBGM??


BGM↓
http://www.youtube.com/watch?v=zUqQDhVwI1g&feature=fvwrel




永く永く続いた静寂と闇が支配し、何も感じられない感覚に陥っていたが、それに終わりがきた


私の頬に何かが落ちたからだ


ほむら「……」


目を覚ますと、あたり一面、まどかと同じ桃色の花びらがひらひらと舞い落ちていた


ほむら「……さくら……なの?」

杏子「あん?あたしが何だって?……ってほむらやっと起きたか」クリクリ

ほむら「え……え?」


声のする方へ顔を向けると、杏子はなぜか見滝原中の制服を着て、ラジオの音量を調整している

ほむら「杏子……これは一体」

杏子「なにっておいおい……花見だよ。は・な・み」



22: 2012/08/16(木) 05:43:52.20 ID:Wu5kI3q20



ほむら「え」

杏子「大丈夫かおまえ?つーかこれは…」

さやか「あんたの歓迎会も含まれてるのよ『転校生』」

ほむら「……歓迎会?」

マミ「そうよ……あなたが見滝原中にきた歓迎会」

ほむら「え……っていうか、あれ?西瓜割りは…?私たち沖縄にいたんじゃ」

さやか「はいぃぃぃ!?!?」

杏子「おいおい……」

マミ「暁美さん……」

ほむら「そ、そんな哀れむ目で見ないでよ」

さやか「……もしかして、転校生ってサイコな電波さん?」

マミ「あらあら、わたしそういうの結構好きよ」

ほむら「ち、ちが」

まどか「みんなおっまたせー!」

杏子「おお!買い物ご苦労!」

マミ「ごめんね鹿目さん、あなただけに買い物おしてけちゃって……」

まどか「いいんです!だって、マミさんたちのように場所の確保するのだって重要な役割じゃないですか」ヨイショ

さやか「う~んでも、でも大変だったでしょジュースとかお菓子買うの」




23: 2012/08/16(木) 05:45:36.20 ID:Wu5kI3q20


まどか「大丈夫だよ!それより早くマミさんお手製のお弁当頂こう?」

さやか「そうだね!ってそうれよりまどか。転校生が変なんだ」

まどか「え?暁美さんが?」

ほむら「……」


―――――


さやか「……っというわけなんだよ」

まどか「ウェ、ウェヒヒ……あ、暁美さんって面白い人なんだね」

ほむら「……」


ああ、そうか

ようやく状況を把握した

いまは、私が転向して間もない時期、そして季節は春といったとこね


……って納得できるわけ無いわ
なにが一体どうなってるの

……というかなんで杏子が見滝原中に

もう頭がおかしくなりそう

ほむら「ゥゥゥ……」

思わず頭を両手で抱える

まどか「暁美さん……もしかして、緊張している?」

ほむら「え……」

まどか「無理もないよね……だって、東京にいたころはあんまり外も出てなかったんでしょ?」

ほむら「ええ……」

まどか「だからさ……少しづつでいいからさ」

ニコッとまどかは微笑む

まどか「私たちと仲良くなって、外の生活になれて行こうね?」

ほむら「……」ジワッ

ほむら「……」コクン



24: 2012/08/16(木) 05:47:09.72 ID:Wu5kI3q20



まどか「それにしても海の夢か……そうだ」

まどか「みんなで、夏休み海に行こうよ」

さやか「いいね!いいね!」

まどか「あとで一緒に、PCでいい場所さがそっか?暁美さん」

ほむら「ええ……。あ、あと私の事はほむらでいいわ。鹿目さん」

まどか「うん!それじゃ、ほむらちゃんも私の事まどかってよんで!」

そういって、互いに握手を交わす





















プツン




そして、テレビ画面が突然途切れるように、再びほむらの視界がブラックアウトする




25: 2012/08/16(木) 05:49:30.64 ID:Wu5kI3q20


――――
―――
――


ほむら「ん……」

ここは……どこ?

ほむら「……」


窓をのぞくと、枯れ葉がひらひらと舞い落ちて、冷たい風が窓の隙間から、吹き出てくる。

カレンダーを見ると、10月になっていた


ほむら「……」ムクリ

ベットから起き上がるが、その部屋は西洋文化を彷彿させる、部屋だった
寝ぼけ眼で扉をあける

ギィィィ

ほむら「これは……」


ほむらの視界に写ったのは、広い教会のだった。
そして壇上の脇で、あまり上手いとはいえない、ピアノの伴奏が響く



http://www.nicovideo.jp/watch/sm14393179
 


あれは……


ほむら「……?」

「あん?ほむらか、やっと起きたな?」

修道服を来た女はそういって、伴奏をやめて、こちらにくる



ほむら「杏子……?」




26: 2012/08/16(木) 05:51:11.21 ID:Wu5kI3q20



杏子「ああ……そういや、この格好は見慣れないよな」

そういって、杏子は修道服をその場で脱ぎ捨て、椅子に放り投げる。
黒服の中身はいつもの服装だ

杏子「駄目だ駄目だ!暑苦しくってしゃあない!」

ほむら「……っていうか、ピアノ弾けたのね」

杏子「あん?たいしたことねえよ。うまくもねえしな」

杏子「それよりみんなが、今食堂で母さんやモモと一緒に朝飯作ってるからいこうぜ」

ほむら「え」

どういうこと


たしか杏子の家族は……




ん?それよりもわたし……なにか根本的なことを忘れているような



杏子「おい、ほむら!」

ほむら「え」

杏子「『え?』じゃ、ねえよ。ボーっとしちまって……さやかにいいつけるぞ?まーた電波さんモードが発病したって」

ほむら「……っていうか、あなたは料理手伝わないの?」

杏子「ああ……実は元々はまどかの奴が、ほむらを待つっていってたんだが」


杏子「何でも、やっぱりほむらちゃんにおいしい朝ごはんを食べさせたいしどうしよう……とか何とかいって、ウジウジなやんだたから、代わりに私が待っているから、飯作って来いっていったんだよ」




27: 2012/08/16(木) 05:54:23.30 ID:Wu5kI3q20




そうか、わたし……いや、私たちはいま、杏子の自宅に泊まりに着ているんだ


杏子「それより……ほら、いくぞ」

ほむら「え、ええ……」


杏子の家族が無事……そして、わたしは秋の時期まで生きていて、みんなと楽しく暮らしている……

嬉しいけど……これは一体











プツン








またはじまった




静寂と闇に何もかもが支配され、身動きもできない、恐怖の一時






――
――――
―――――




28: 2012/08/16(木) 05:57:07.24 ID:Wu5kI3q20


―――――
――――
――


ザー……ザザーン……

穏やかな海の音が耳に、ほのかに香る潮の匂いがする


ほむら「……?」


意識が戻った……?でも相変わらず真っ暗


それに私の手に何か握られている……?


まどか「やったねほむらちゃん!!!」ダキッ


まどかの声と、まどかが抱きついてきたのか、まどかの髪からくるシャンプーの匂い、水着と肌、濡れた感触が、自分の肌と密着しているのがわかる


ほむら「……」

杏子「ちぇっ、ほむらにおいしいとこ取られたなぁ」

さやか「おめでとぅ……って!いつまで目隠ししてるんだいアンタは!!」クイッ

突如視界が明るくなる

熱い日差しが、私を襲う

ほむら「……」ボーゼン

さやか「どうしたのほむら……?ハッ!まさかあんた!?目隠しプレイとか好きなドMな変態さんとかだった!?」

ほむら「あなたと一緒にしないで」

さやか「はいぃぃ!!?」

杏子「はいはいさやかがドMな変態っててことでいいから、西瓜食おうぜ」

さやか「ちょっと杏子!!」

マミ「フフフ、全く元気ねぇあの子達」

まどか「西瓜いっぱい食べようね、ほむらちゃん」

ほむら「………え…ええ、そうね」




29: 2012/08/16(木) 06:02:13.95 ID:Wu5kI3q20


―――その後、西瓜を食べた後、さやかと杏子、マミはビーチバレーをやっていたせいか、疲れていて、眠ってしまった


まどかと私はいま、海上で大きなビーチボートの上で、寝そべりながら、青い空を眺めている

まどか「気持ち良いねぇ……」

ほむら「ええ……」


正直、不可解なことばかりで、頭が本当にどうにかなってしまいそう。
特に、あの暗闇が訪れて、別の世界に意識が行くまでが恐い。


……ただ今のこの瞬間はとても優しくて、私が望んでいた世界でもある


これは夢なのかしら?

仮に夢なら……夢でもいい


このやさしい時間がちょっと続くだけでも、私は、またきっとがんばれる


ほむら「………」


でも何か引っかかる

一体何なのだろう


目まぐるしい程の意識転換の繰り返し


……この繰り返しが私に、何を気づかせろと……


まどか「ねえ……ほむらちゃん」

ほむら「何かしら?」

まどか「冬休みも……どこか行こっか」

ほむら「ええそうね……山でスキーとかどうかしら?」

まどか「ウエヒヒ、いいねぇ。楽しみだな~」ギュ

まどかはそっと、ほむらを抱きしめる

まどか「これからもずっと一緒にいようね?ほむらちゃん…」

ほむら「ええ……ずっと一緒よ」ギュ






プツン





そして幸福の一時も、突然途切れる

まるで私の、至福の時を邪魔するかのように


――
――――
―――――




38: 2012/08/16(木) 18:05:08.63 ID:Wu5kI3q20


―――――
――――
――



ビュォォォォォ……


なんだ

耳に何か風が聞こえる

それものすごく冷たい


まどか「ほむらちゃん起きて!」ユサユサ


ほむら「………っ!」


もうさすがに何も驚かないと思っていたが甘かった。
いきなり視界に映るのは、前が良く見えない猛吹雪と、銀世界だった

起こされた私は、まどかと一緒に、スキー場のリフトの上に座っていた


まどか「もう!吹雪の中で寝るのは危ないよ!ほむらちゃん!」

ほむら「ご、ごめんなさい……」


なるほど、『あの時』スキーに行こうという案が通り、いまここに至るといった所ね


ほむら「……」




39: 2012/08/16(木) 18:07:26.55 ID:Wu5kI3q20


まるで嵐のような吹雪ね
こんな天気を見ていると、あの思い出したくない戦いを彷彿させてしまうわ


―――ウフフフフフ!アハハハハハハハハハハハ!


あの憎たらしい笑い声の、舞台装置の魔女を



キィィィィン


ザ……ザザザ…ザー…


―――……願……人に……ずっ…い………

ほむら「!!?」

―――……り……と……まどか……


突如、ほむらの脳内に何かが響き渡る
断片的に、そしてノイズまみれの壊れかけのラジオのように


ほむら「ゥ…ゥゥゥ…なに。……なにこれ……」

ほむらは両手で、頭を抑え、謎の脳の痛みをこらえる

ほむら「私に……一体何を思い出せと……」ガクガク




40: 2012/08/16(木) 18:10:17.87 ID:Wu5kI3q20



まどか「……ほむら……ちゃん?」

まどかが心配そうに頭を抱えた私を覗き込む

まどか「大丈夫?……体調悪いの?」

ほむら「だ、だいじょうぶ……」ガクガク

まどか「でも……」

ほむら「まどかと一緒なら……その……何処へ行っても平気よ」

まどか「///」

まどか「ありがとう…/// でもやっぱり無理は良くないよ?」


そうこう言ってるうちに、私たちのリフトは、山のてっぺんまで来ていた


ほむら「さ、降りましょう」

まどか「うん……」

未だに頭痛と、謎のノイズ交じりの不可解なワードが脳をかけめぐるが、リフトから一旦降りる

ほむら「……」

まどか「……?どうしたの?」

頭痛とノイズで、気がすすまなかったが、まどかのスキーウェアを改めて見直す

ピンクと白をを貴重にした上下に、白のニット帽、スティックは茶色、スキー板は赤で統一されていた

その姿はまるで、魔法少女姿のまどかを連想させるが如くだ


まどか「ほむらちゃん……?」

ほむら「かわいいスキーウェアね。あなたにぴったりよ、まどか」

まどか「……///ありがと。ほむらちゃんも似合っているよ…///」

改めて自らの服装を見ると、上下は紫と黒、少し白も混じった服だった。ニット帽は紫、スティックは銀色、スキー板は黒に統一されたものだ

ほむら「……ありがとう///」

まどか「いこ!後ろの人に迷惑かかっちゃうよ」

ほむら「うん」




41: 2012/08/16(木) 18:12:22.43 ID:Wu5kI3q20


私とまどかはなれない動きで、ぎこちなく、銀色の平面を軽く滑って、移動する

まどか「スキーってさ、ちょっと動くだけでも疲れるよね」

ほむら「ええ…そうね」

まどかと私は、なだらかなそのスキーコースの坂を、見下ろす

まどか「……随分と高いところまで来ちゃったね」

ほむら「うん…」


まどか「それじゃすべろッか」ヨイショ

ほむら「ええ、一緒にね」ヨイショ

雪に深くさしていたスティックを、強く握り、滑り落ちる体勢を作る

まどか「よ~し、いっくぞ~」

まどかが先に滑り降りて、それに続くように、私も滑り落ちる





……やはり何か忘れているような






プツン




そんなことを思っていた矢先、私の視界は再び突如、暗闇に支配されてゆく





ただ、いつもと違うのは




―――キャァァァァァァ!!!




!!?



一瞬、私の脳に、まどかの叫び声が響く



――
――――
―――――




42: 2012/08/16(木) 18:19:38.84 ID:Wu5kI3q20


――――――――――

―――――――

――――

――


まどか「ほむらちゃんが、私を庇って助けてくれたんだよ……」

ほむら「え」



気が付いたら、私は前に見たいつもと違う病院のベットの上にいた
目の前にまどかが、目をウルウルさせながら話している



ほむら「……えと……その……」

まどか「……?ほむらちゃん?」

ほむら「……ごめん……その……状況が良くの見込めなくて……」

まどか「もしかして……ほむらちゃん、『あの時』のこと、覚えてない?」


ほむら「『あの時』……?」


まどか「うん……ほむらちゃん、みんなでスキーに行ったのは覚えてる?」

ほむら「ええと…………あ」


そうだ、わたしはさっきまでスキー場に


ほむら「そ、そうね……そこまでは覚えてるわ」

まどか「それでね、ほむらちゃんは私が危ないところを助けてくれたんだよ?」

まどか「私が急カーブを曲がりきれなくて、コースから派手に、はみ出ちゃって……」

まどか「崖から落ちそうになってね、両手で私は辛うじて、崖の切れ端を掴んでいたの」

まどか「そこに、ほむらちゃんが手を差し伸べてくれたの」

ほむら「……」

まどか「……でも結局、二人とも落ちちゃって、それでもほむらちゃんは私を身を呈して助けてくれたの」

ほむら「でも……そのまどかの頭についている包帯は……」




43: 2012/08/16(木) 18:24:44.03 ID:Wu5kI3q20

まどか「うん、結局落下してわたしも頭を打っちゃって、額が少し割れちゃった」

まどか「でもほむらちゃんは、頭だけじゃなくて、全身を強打しちゃって……わたし……心配で心配で……」ウルウル

以前来たこの世界で、あれほど泣いたのに、まどかはまた両目から水滴が落ちる

ほむら「泣かないで……私は、まどかが助かりさえすれば、それでいいから」ナデナデ

まどか「ほむらちゃん……」ウルウル

私は優しくまどかの頭を撫でる


あれ?


なにかがおかしいい


ケガ……病院……入院……意識の回復?


なんで?



そんなことしなくても私は魔法少女


傷なんていくらでもその場で癒せる



自分自身も……まどかも……


プツン


まただ

闇が私を拘束する




キィィィン!


ザザ……ザ……ザーー……


―――お願い一人にしないで、ずっと私の側にいて


―――大……ずっ……一……れ……よ


!!?


なんだ


またノイズと意味深なワードが


この声は……


私と……まどかの声……


―――

―――――

―――――――



52: 2012/08/17(金) 17:23:05.73 ID:8Ed1skUC0


――――――――――

―――――――

――――

――


ほむら「………ん」


闇とノイズの支配から解き放たれ、静かに目を覚ます

ほむら「ココは……」

大きな時計とその振り子、白を基調とした空間、まるで美術館を彷彿させる変わった部屋

これは紛れも無く

ほむら「私の家……?」

大きなソファの上で、特に掛け布団をかけるまでも無く、無造作に横になっていたようだ

ほむら「……」チラ


この部屋にカレンダーは無い

そして、時計は7時を回っていた。
朝なのか、それとも夜なのかは定かでないが

とにかく今が一体、いつの頃の時期なのかわからない


ほむら「……」ゴソソ…シュルル

ひとまずパジャマから、制服に着替える

今日が学校に行く日なのかは、わからないが、念のために制服を着ておくことにする

私は鞄を持って、扉のノブを捻る


ガチャ

ほむら「っ!!?」




53: 2012/08/17(金) 17:24:38.23 ID:8Ed1skUC0

絶句した


これは……


街が崩壊している!?


ほむら「こ、これは一体……」


間違いない

これはワルプルギスの夜が襲来したときの、曇り空にそっくりだ

そして案の定、見滝原は悉く崩壊し尽されている


ほむら「……うっ!!」クチヲオサエル

道端には沢山の死体が転がっていた

ある者は瓦礫の下敷きに、またある者は焼死体、ある者は水死体……残酷極まりない惨状だ


ほむら「……まさか…もうワルプルギスが去った後……?」


水溜りや瓦礫でグチャグチャになった、道とは表現しにくい道を、漠然と歩き出す


やがて

ほむら「っ!!?」

その死体や瓦礫の中に、見覚えのある人物達を見つける



54: 2012/08/17(金) 17:26:17.97 ID:8Ed1skUC0



金髪縦ロール、青色のショートヘア、赤色のポニーテールの三人の少女だ

ほむら「マミ…さやか…杏子……」

三人の遺体はやけに綺麗だった。だがそれだけに、なぜこんな目に合ってしまったのか、皮肉にも、予想が付いてしまう

ほむらはその場でしゃがんで、3人の手首に触れて、脈を確かめる

ほむら「………」

誰かが近くにいる訳でないが、ほむらは黙って静かに、首を振る

ほむら「……ごめんなさい。私から誘ったのに、応戦できなくて」


不可解な事は山ほどあるが、今一番疑問を抱くことがある。


先ほどまで途切れ途切れとは言え

あんなに楽しい世界にいたのに、なぜ急にこのような悪夢を見なければ……いや、ある意味では現実的な現状に直視しなければならないのか


それにインキュベーターはどうした?


平和の世界線にはいってから、一度も見ていない

それと……あと……

ほむら「っ!!……そうだ、まどかは」

ほむら「まどかは……どこ…?」ガタガタ

急に顔色が青ざめてゆく、ほむらは体をガタガタと震えながら、まどかを探索し始める

ほむら「まどかぁ!!!どこぉぉぉ!!?」キョロキョロ




55: 2012/08/17(金) 17:28:06.21 ID:8Ed1skUC0


――――


ポツ……ポツポツ……


再び、静かに雨が降り始める


ほむら「……」

随分と歩いた

辺りを見回し続けて、それで首が痛くなるほど、隈なく探した

そして声が枯れる程叫んだ

何処にもいない

ただ同じような悪夢の光景

瓦礫と水溜り、死体の山だけが私の視界に入る

ほむら「何処にいるの……まどか……」ガク

歩きつかれて、その場で膝を崩す

ほむら「ぅ…ぅぅ……もういやぁ……こんなの……」グスグス

どうしてこんなに苦しい思いをしなくてはならないの?

ほむらは気が付いたら、両目から水滴が滴り落ちていた

ほむら「まどか……寂しいよう……」グスグス

涙を拭きながら、再び立ち上がり、フラフラとした足取りで、歩き始める


ほむら「まどかぁ……会いたいよう……」

ほむら「どこなの……」

ほむら「寂しいよう……」

ほみら「恐いよう……」

ほむら「胸が苦しいよう……」


いつもの凛とした、透き通った声でなく、擦れてガラガラになった声で、力なくまどかの事を呼び続ける




56: 2012/08/17(金) 17:31:18.38 ID:8Ed1skUC0

ほむら「……ウ……ゥゥ……」フラフラ


徐々に足取りに、力を感じなくなると同時に、視界までもが霞み始める

雨の音と、ノイズが混じった思考と共に


前までは、視界が途切れるのに、テレビのスイッチを消すようにして、いきなり視界が途切れていたが、今回は違う


徐々に徐々に

体内に毒がじわじわと回るように

ほむらの衰弱に合わせる様に、視界を奪ってゆく


ドサ


なんだ

歩けない

まるで下半身ごと、ごっそり持っていかれたように

私は力なく、倒れ付す

前を向くが、もうほとんど何も見えない

闇がまたしても私を拘束して、支配する


寂しいよう……


辛いよう……


恐いよう……


胸が苦しいよう……


もうこんなの嫌だ


まどか……お願い






私の側にいて


――

――――

―――――――

――――――――――



67: 2012/08/20(月) 09:18:22.41 ID:8qKtL9NO0


闇が私を支配する

沈黙と闇が

私を恐怖させる

拘束して苦しめる

私は動けない

叫ぶことすら許されない

何も見えない

まるで狭い箱に閉じ込められたように

なにも出来ない

これは現実なのか

夢なのか

全くわからない

闇が私をあざ笑う

思い出せない

私はどうしてしまったの

死を覚悟して闘ってきたのに

今さら死なんて恐くも無いと思っていたのに

まどかさえ無事ならそれで良かったのに

生への執着なんて、とうに捨てていたはずなのに

闇が私の身も心も全てを蝕む


死んでいるのか

生きているのかもわからない

生死のわからぬこの闇に

私は自分の行く末すら理解できず

それが痛みと恐怖に変わる




まどか

助けて

まどか

寂しいよう

まどか

傍にいて

まどか……まどか……まどか……




68: 2012/08/20(月) 09:20:15.85 ID:8qKtL9NO0

――『ワルプルギスの夜』襲来より五年後の見滝原


かつてない程の酷い災害に見舞われ、街が半壊状態に陥った見滝原

あれから五年が経ち

その持ち前の技術力の高さで、見事なまでの復興を遂げる


だがしかし


街が復興しても、人々には深い傷痕が残り、未だ苦しむ者も少ない

そしてここにも傷痕を背負ってた者が一人

か弱い『19歳の少女』がいる




69: 2012/08/20(月) 09:21:31.89 ID:8qKtL9NO0

【鹿目家】


まどか「……」ギュ


時刻は既に午後2時

天気の色は、今にも雨が降りそうな曇り空

まどかはピンクの布団にくるまって、大きなぬいぐるみを抱きしめている

抱きしめている大きなぬいぐるみと、まどかの身長がほぼ一緒で変わらない

まどかは、身長が中学2年以来ほとんど変わってない


そう……あの日常が一変してしまったあの時から


コンコン


詢子「まどか、起きてるかい?」

ドアをノックするのはママだ

まどか「……」

詢子「起きてるのなら……黙っててもいいから聞いてくれないか」

まどか「……」

詢子「まどか……いつまでこんな生活続けるつもりだ?」




70: 2012/08/20(月) 09:22:46.29 ID:8qKtL9NO0

いつかは言われる時が来るとはわかっていた

むしろ、行動派なママがずっとここまで、私の事を静観し様子を見守ってきてた事自体、意外に思えるほどだ


詢子「わかるよ……あんたがどれだけ辛い思いをしてるか」

詢子「あの災害以来……お前は別人の様に、すっかり笑わなくなった」

詢子「5年前……さやかちゃんが死んだって聞いたとき、私だって物凄く辛かった」

詢子「それこそ、家族を失うくらいにな」

まどか「……」

詢子「お前は黙っているが……私にはわかる」

詢子「さやかちゃん以外にもいるんだろ?あの『大災害』で死んじまった友達が」

まどか「……」

詢子「それに、まだ生きているが……ほむらちゃんもな」

まどか「……」ビクッ

ほむらちゃん……

詢子「あの美人なほむらちゃんが『あんな』姿になって病院にたどり着いた時……あたしだって戦慄が走ったものさ」

詢子「でもあの子は、まだ生きている」

詢子「必死に生きてるんだよ」

まどか「……」




71: 2012/08/20(月) 09:25:57.26 ID:8qKtL9NO0

詢子「……なあ、まどか。もう一度言う。辛いのはわかる」

詢子「だけど、いつまで引きこもっているんだ?」

詢子「お前が外に出なければ何かが解決するのか?」

詢子「仮に今のお前の姿を見て、死んだ友達は、ほむらちゃんは喜ぶのか?」

詢子「今のお前の姿は、友達が望んだ事なのか?」

詢子「どうなんだ、まどか」

まどか「…ち…がう……」ボソ

自分でも聞き取れないくらい声で、否定する

詢子「……言っておくが、私はお前のことを弱いなんて思ってないさ」

詢子「なんだかんだ良いながらお前は」

詢子「高校を卒業したからな」

詢子「医者から『うつ病』と診断されてもな」

詢子「大学受験には失敗したが、最低限高校は卒業できるようにと、お前はうつ病と闘いながら勉強を頑張ったモンな」

詢子「そこは褒めてやる。さすが私の娘だ」

まどか「あり…が……と」ボソ

詢子「……だけど、形式的とはいえ、予備校に通わせている以上、私はお前をこれ以上無視するわけにはいかない」

詢子「親としてな」

まどか「……」




72: 2012/08/20(月) 09:26:53.54 ID:8qKtL9NO0

詢子「胸が苦しくて、勉強に身が入らないのは仕方ない」

詢子「だが、家に篭って現実から逃避しているお前を、見逃すわけにもいかない」

詢子「まどか」

詢子「本当に友達を想うなら」

詢子「お前が幸せになれ」

詢子「そしてその為に、努力しろ」

詢子「二浪、三浪位許す」

詢子「いや、十浪は許す」

詢子「だから、まずは外に出る努力をしろ」

詢子「……下のリビングで待っている」

詢子「ゆっくり二人でお茶でもしよう」

詢子「外に出るのはそれからだ」ドッドッ


ママが下の階に戻るのを、足音で確認する




ガチャ


まどか「……」


ドッドッドッ……

まどか「ママ……」

詢子「まどか……」

リビングで二人分のお茶がおいてある

まどか「……ゥ……ゥゥゥ……」

詢子は2階から降りてきたまどかを、抱きしめる

互いに言葉を交わすことは無いが、詢子は黙って、涙を流すまどかを自分の懐に顔を埋めさせる





73: 2012/08/20(月) 09:28:17.66 ID:8qKtL9NO0

詢子「それでまずは、どこに行く?」

まどか「うん……やっぱり病院かな」

わたしは、ある事が原因で、高校の途中からほむらちゃんのお見舞いに行かなくなった。


いや、行けなくなった


そして連動するように、私のうつ病が酷くなり、徐々に成績は落ち、受験勉強に手が付かなくなった

でも『あの時』から私が、お見舞いにいけなくなったのは、紛れも無く私の弱さが原因

だからこそ


私は、再びあの病室に行く必要がある

湯飲み茶碗を静かにおいて、軽く深呼吸を済まし、私は意を決する

まどか「それじゃぁママ、私いくね」

詢子「ふふふ……」

まどか「どうしたの?」

詢子「……ひさしぶりに良い顔しているよ」ニヤ

まどか「ウェヒ、ありがとう」ニコッ


ピンポーン


詢子「ん?誰だ。ハーイ!」


ガチャ


詢子「えと……どちら様で」

「ああ、すいません。まどかちゃんいらっしゃいますか?」

詢子「はぁ……まどかぁぁ!知り合いだぞ!」

まどか「はーい……あ!えと確か」オジギ

「お久しぶりですまどかちゃん。暁美ほむらの母です」




74: 2012/08/20(月) 09:30:04.64 ID:8qKtL9NO0


まどか「こ、こんにちは。お久しぶりです……えと、前に病院であった以来ですかね」

ほむママ「そうね……じつは、ほむらちゃんが大変なの……」

まどか「え、大変って……」

ほむママ「……危篤状態なの」

詢子&まどか「!!?」

ほむママ「さっきまで病院にいたんだけどね、ほむらちゃん小さな声で、ずっとあなたの名前を呼んでるのよ」

ほむママ「『まどか、助けて!側にいて……』って」

ほむママ「まどかちゃん……車で送ってくから、ほむらちゃんを励ましてもらえるかしら?」

まどか「……はいっ!!」


―――車中にて


ほむママ「……ごめんね、突然呼び出しちゃって」

まどか「いえいえ、そんな!」

ほむママ「……じつはここ最近ほむらちゃんが危篤になりかけたのは何度もあったの」

まどか「!!?」

ほむママ「でも今まではすぐに様態が回復に向かっていた……あなたの名前を呼びながらね」

まどか「……」

ほむママ「その度にね、あなたを呼ぼうか悩んだのだけど」

ほむママ「その……まどかちゃんも、いろいろ大変だったって聞いてたから……呼び出し辛くて」

まどか「……すいません。わたしが不甲斐ないばかりに」

ほむママ「あなたは悪くないわ」


まどか(ほむら……ちゃん……)



――

――――

―――――――

――――――――――




75: 2012/08/20(月) 09:47:03.43 ID:8qKtL9NO0


――5年前・見滝原【避難所】


詢子「まどか、どこ行くんだ?」

まどか「ちょっとトイレ……」

詢子「……そうか」

まどか(……)



QB「行かないのかい?まどか」

まどか「私は契約しない」

まどか「ほむらちゃんを信じてるから」

QB「じゃあ、どうして避難所の玄関口にいるんだい?」

まどか「……ほっといて」

QB「いてもたってもいられないんだろ?本当は」

まどか「出てって」

QB「はっきり言おう、『彼女達』じゃ無理だ」

QB「このままだと」

QB「ほむらだけでなく、マミや杏子、さやかも危ない」

まどか「出てって!!!」

QB「……」テクテク

まどか「……」グス

詢子(まどかの奴、誰と話しているんだ?)カゲカラミル

まどかはしばらく玄関前をウロウロしてから、トイレに入った




76: 2012/08/20(月) 09:50:01.24 ID:8qKtL9NO0


まどか「……フゥ」


パリーン!


まどか「!?」


突如、避難所玄関前のガラス張りの壁が、風圧で割れる

まどか「きゃぁ!!」

ゴォォォォォォ

まどか「……」ガクガク

QB「ほむら以外の三人が死んだ」

まどか「!!?え……」
QB「嘘じゃない。事実だ」

QB「だが悲しんでいる余裕なんてない」

QB「このままだとほむらも危ない」

QB「まどか、契約するんだ!」

まどか「……」

まどか「わ、わかった」

まどか「でも、まずはほむらちゃんのところに」

漸く、意を決したその時だった

ボォォォォォォォォォォン!!!

凄まじい、光と轟音、爆風が辺りを覆う

まどか「い、いまのは……」

QB「いこ!まどか!!」


―――見滝原・繁華街


荒廃と化したその町を歩くまどかとQB

途上、3人の遺体を発見して、泣き崩れるまどかだが、QBに促され、やむなく探索を再開する

瓦礫と洪水、死体の山があちこちで見られる

そんな道とは言いがたい、道を歩む中、QBはある疑問が

QB「……おかしいな」

まどか「え?」

QB「さっきまでいた、ワルプルギスの巨大な魔力の波動が感じられない」

まどか「え、どういうこと……」

QBの言動を理解できずにいたと同時に、まどかはとうとう見つけだす

まどか「……!!!!」

だが、その捜していた彼女は、あまりに変わり果てていて

一瞬わが目を疑う

まどか「う…うそ……でしょ」

両足が切断され、両腕も酷い損傷を受け、仰向けに倒れ付す、ほむらの姿だった

まどか「ほむらちゃん!!!!!!」ダッ

全力で走って、ほむらのもとまで向かい、ボロボロになった体を支える



77: 2012/08/20(月) 09:55:42.64 ID:8qKtL9NO0

ほむら「まど……か……私ね、やったよ……」

ほむら「ワルプルギスの夜を倒したよ……」

まどかはほむらの力ない言葉に、「うん、うん」と頷きながら、涙を流す

QB「……驚いたよ暁美ほむら」

QB「まさか、本当に倒してしまうとは」

ほむら「ざまあ……見ろね、インキュベーター」

QB「でも君はどの道ここで死ぬんだろ?」

まどか「え……どういう事?」

QB「君の願いは『まどかとの出会いをやり直す』」

QB「たしか、僕にそういってたね?」

QB「でもそのスケールの大き過ぎる願いには」

QB「反動に、まどかの因果値を増やし」

QB「さらには」

QB「これより、君の固有魔法も使えなくなる」

ほむら「……」

まどか「!?」

QB「君の魔法少女としてのステータスは歴代最弱レベル」

QB「時間停止の魔法が君を支えてた」

QB「時間停止が使えなければ、君はもう戦場で生きていくことは出来ない」

QB「なにより、もうグリーフシードも底を尽きているんだろ?」

QB「だったら、君はもう魔女になるしかない」

ほむら「むかつくほど、名推理ね」

ほむら「ご名答、勝っても負けても、私はこれまで」

まどか「そ、そんな……」

ほむら「まどか……お願いが」スチャ

ほむらは、傷だらけの腕をガクガクさせながら、盾の中より、サプレッサー付きの拳銃を取り出して、まどかに渡す

ほむら「まどか……わたしね。やっと約束守れたよ」

まどか「ほむらちゃん……」





78: 2012/08/20(月) 09:57:09.73 ID:8qKtL9NO0


ほむら「以前の会った世界で、私はあなたに頼まれの」


――わたし、魔女になりたくない


ほむら「いくら私だって、魔女になってもまどかを守れるなんて保証はない」

ほむら「なぜなら、魔女は人間を不幸にし、喰らって生きているから」

ほむら「だからお願い……」

ほむら「私の最後のお願い」

まどか「……」

ほむら「お願い……殺して」

まどか「……ウ……ゥゥ……」クビヲフル

まどか「出来ないよ……」

まどか「ほむらちゃん……私、ずっと一緒にいるから!離れないから!だから!」


ほむら「ありがとう……でも私もう駄目だわ……」

まどか「そんな……」

ほむら「でもありがとう、その言葉が聞けて」

ほむら「おかげで、死んでもあなたがいつも、側にいる気がしそうだわ」

まどか「……」

ほむら「悔いは無い」

ほむら「……最後に一言」

まどか「え……」

ほむら「あなたと友達になれて、本当に良かった」

ほむら「……」ガク






―――でも結局、私はほむらちゃんを撃てなかった



79: 2012/08/20(月) 10:05:00.96 ID:8qKtL9NO0


―――暁美ほむらの現状はかなり深刻だ


ほむらのソウルジェムは既に、7割程濁りきっており、残った魔力で人体の再生出切るほどの余裕などない



元々彼女の能力は、さやかやマミと違い、回復には特化していない



まして、臓器や脳に生じた一部損傷

完全に失われた聴覚や嗅覚、視力、そして手足を再生させることなど


不可能である


だが、ワルプルギスの夜を倒した時に落とした、グリーフシードは特殊で

何回でも使える

勿論、消費物である以上、いつかは切れるが

そんな特殊なグリーフシードを使っても

ソウルジェムは時を重ねるに従って

濁りが浄化されにくくなる

そうなると後は魔女になるか

殺(や)られるか

自決か

魔法少女の宿命だ




80: 2012/08/20(月) 10:06:21.73 ID:8qKtL9NO0


【数日後・見滝原病院】


ほむらちゃんのソウルジェムを撃てず、崩壊した町の最中、私は一人、ほむらちゃんと同じく死を決意していた。

わたしには、ほむらちゃんを殺せないからだ

ほむらちゃんを抱きしめ、伏せていたら、私はいつの間に寝ていた





しかし、奇跡がおきた

それはジェムを浄化せずに、数日が経ったのに、ほむらちゃんが生きている

理由はわからないけど確かに生きている

さらに、意識を取り戻した私は、あることに気づく

それは、ほむらちゃんの倒れていたすぐ近くに、少し大きめのグリーフシードが落ちていた

多分、ワルプルギスのものだろう

QBも本当は私が気づく前に、絶対にグリーフシード落ちてたの気づいてたと思う

本当に、どうしようも無い子だよQBは

ほむらちゃんが入院してからも、私は念のために、グリーフシードでジェムを浄化し続けた

奇跡が起きたとはいえ、その奇跡が持続するとも限らないからだ

さすが、ワルプルギスのグリーフシード、何回でも使える

私は毎日欠かさずお見舞いに行っていた

毎日毎日……身の回りのお世話もしてあげた




81: 2012/08/20(月) 10:07:40.72 ID:8qKtL9NO0



親切な看護婦さんと一緒に

体を拭いたり

チューブで栄養を送るのを手伝ったり

綺麗な長い髪を、シャンプーとトリートメントを髪に馴染ませ、やかんで程よく暖めたお湯を使って、洗ってあげた

良い匂いがするのを、厳選して値段が高くても私は買ってきた


同時にわたしは、ある『本』を書き始めた


ほむらちゃんを幸せにするための魔法のような本を


ある程度まで書いたら、ほむらちゃんにもわかるように朗読してあげるつもりだ


QBは相変わらず、私に付きまとい、『契約すればほむらは勿論、みんな生き返る』って行ってくるけど、わたしは契約しない


そこで契約したら、ほむらちゃんの意志を蔑ろにしてしまうからだ

そういえば一つ気がかりだったのは『お医者さん』

私が、いつものようにほむらちゃんのソウルジェムを浄化していると、それを見られて、凄く驚いた様子でこちらをみていた

私は、『おまじないです、日課なんで気にしないでください』って誤魔化したけど、終始、お医者さんは、凝視してきた


――その後、ほむらちゃんの腕が切断されたことがわかった


理由は酷い壊死がはじまっていたからだ

体中に壊死が転移しない為にも止む終えなかったらしい

両腕を失ったほむらちゃんを見るのは辛いけど

わたしはそれでも、わたしの出来ることをし続ける





82: 2012/08/20(月) 10:09:43.56 ID:8qKtL9NO0

【見滝原病院・ほむらの病室】


院長「……それで、なんだい?医学者A君」

医学者A「先日入院した、患者の暁美ほむらなんだが」

医学者A「彼女から面白いことが、多く判明した」

院長「……ほう」

医学者A「まず彼女の様態だが」

医学者A「はっきり言おう、普通ならもう死んでいる」

院長「……だが生きている」

医学者A「そうだ……四肢断裂、臓器と脳の一部損傷、視覚、聴覚、嗅覚を失いながらもだ」

医学者A「なにより、病院に搬送された時に判明したが」

医学者A「あの時点で既に彼女の体内の血液は、人間が生存するに最低限必要な血液量に達していなかった」

院長「……彼女は普通の人間ではない?」

医学者A「……へたをしたら人間ですらないかも知れない」

院長「どういうことだ?」

医学者A「これを見たまえ」

医学者Aは、半分以上濁ったソウルジェムと少し大きなグリーフシードを、手に乗せて、院長に見せ付ける

院長「宝石に、黒曜石……?」

医学者A「ただの綺麗な石ころではない」カチッ

シュゥゥゥ

院長「!?宝石が少し綺麗になった!!?」

医学者A「実は桃色の髪をした、暁美ほむらの友人が、このような謎の作業をしていてな」

医学者A「私も大変驚いた……何をしているのかと、伺うと―――」

―――大事なおまじないです

院長「……」

医学者A「院長に一つ提案が」

院長「……その『オカルト』を研究したいと?」

医学者A「本来ならこの『オカルト』を科学的に研究したいが」

医学者A「なにぶん、得体が知れない」

医学者A「何が起きるのか、私にも予測がつかない……ひとまず『オカルト』の研究は後回しだ」

医学者A「そこで」

医学者A「異常な生命力を持つ『植物人間』たる彼女を」

医学者A「人体実験に利用したい」

医学者A「医学の発展の為にな」

院長「素晴らしい」





83: 2012/08/20(月) 10:11:52.10 ID:8qKtL9NO0

医学者A「まずは生物兵器を投入したい」

医学者A「無難に、サリンや枯葉剤といった辺りを考案しているんだが」

院長「……いや、それはまだ後々に投入しよう」

医学者A「では何がいい?」

院長「薬物なんてどうだ?」

医学者A「……誰が購入する?」

院長「私は犯罪に手を染めたくない」

医学者A「私もだ」

院長「……」

医学者A「……そうだ、作れば良い」

院長「なんだと?」

医学者A「我々は医者だ。その気になれば即席の薬など容易い」

院長「なるほど」

院長「ならば、手始めにシンナーなんてどうだ」

医学者A「……まあ、無難に最初はそうなるだろな」

医学者A「あとで、わたしが他の薬物の製造法も調べておこう」

医学者A「……それと暁美ほむらの友人も、どこと無く気になる所だ」

医学者A「院長よ、心理学者を雇って、友人と患者のやり取りを記録、調査し、彼女の状態をまとめたい……できるかい?」

院長「任せたまえ。ばれないように音声をも記録できるカメラでも設置しておこうか?」


医学者A「……そうだな。そのカメラから学者に記録をとってもらおう」

院長「……では見滝原大災害の生存者・暁美ほむら計画を実行しよう」

院長「他の職員と患者には……隠密に……な」



――入院1年目


医学者A「心理学者Aよ、暁美ほむらの様子はどうだ」

心理学者A「興味深いものばかりだ」

医学者A「ほう」

心理学者A「まずは友人の M・Kだが……彼女は、暁美ほむらに毎日のように『日記』を朗読している」

心理学者A「聴覚を失っている為、彼女の腹部に、指で文字をなぞって、内容を伝えている」

医学者A「……それで?その日記とは、M・K自身の一日を伝えているということか?」

心理学者A「それが……あの『日記』だが厳密には日記ではない」




心理学者A「日記という名の『物語』……もとい『妄想』であり『願望』だ」



84: 2012/08/20(月) 10:13:38.83 ID:8qKtL9NO0



心理学者A「医学者Aよ、まずはこれを君にお見せしよう」カチッ

そういって、心理学者Aは録音ビデオを再生する


『ほむらちゃん、こんにちは』


桃色の少女は声を出しながら、ほむらの腹部に指で、文字をなぞり、挨拶を済ます

手には日記と書かれたノートを、持っている


『ほむらちゃん、今日は楽しかったね?みんなでお花見に行って』

『マミさんの手作り弁当おいしかったね。杏子ちゃんが半分くらい食べちゃったけど』


医学者A「これは……」


『そのあと、みんなでカラオケ行ったね』


心理学者A「因みに医学者Aよ、今の季節だが、6月な訳だが」

医学者A「ああ……なぜ花見……?」

心理学者A「暁美ほむらは、2ヶ月前に東京都から来た転校生らしい」

心理学者A「恐らく季節順に……出合った頃の事をイメージして朗読しているのだろう」

医学者A「彼女は……毎日、病院にきているようだが、あの朗読をいつも?」

心理学者A「そうだ……そして見よ暁美ほむらの『口元』を」

ほむら「…………」ニッコリ

顔は鼻から目まで、包帯で覆われている

暁美ほむらの表情が唯一、確認できる方法は、この口元しかない

そのほむらの表情は穏やかに、微笑んでいた

医学者A「……」

心理学者A「M・Kはきっと、夢の中だけでもと、彼女を幸せにさせてやりたいのだろう」

心理学者A「そういえば、話は変わるが」

心理学者A「薬物はどれ位の量を投入してるのかね?」

医学者A「……一日に3回。量は少なめ」

医学者A「今はな」

心理学者A「……『今は』か」


―――――――




85: 2012/08/20(月) 10:15:03.01 ID:8qKtL9NO0


――わたしはそれからもほむらちゃんのために、『日記』の朗読を中心に、あらゆることをしてきた


ほむらちゃんの笑顔を見るたびに、これで夢の中だけでも、幸せになれたんだと

でもそれは、あることをキッカケに崩れ去った


――見滝原高校前


【下校時】


学生A「ねえ、帰りカラオケいかない?」

学生B「いいね!」

学生C「今日はCD買いに行こう」

学生D「んじゃ、駅前の……」


まどか「………」

カップル(男)「今週日曜は、どこにいこっか?」

カップル(女)「どこでもいいよ///あなたとなら////」ギュ

カップル(男)「……///」ギュ

まどか「……」




まどか「いいなぁ……」ボソ




86: 2012/08/20(月) 10:16:45.33 ID:8qKtL9NO0

――病院


ガララ


まどか「ほーむーらちゃん!」

ほむら「………」

まどか「今日も『日記』で一日を振り返ろうね」

ほむら「………」

そういって、いつも通り声を出しながら、腹部に指を当てて文字をなぞり、メッセージを送る

まどか「今日はね!みんなで……」

――ねえ、帰りカラオケいかない?


――いいね!

まどか「カラ…オケ…行ってね…いっぱい歌って……」

自分でも声のトーンが下がってるのが、著しくわかる


まどか「帰り道……ほむらちゃんと……たまには二人っきりでどこか……」

――今週日曜は、どこにいこっか?

――どこでもいいよ///あなたとなら////

まどか「どこか……」

まどか「どこ……か……」ポタポタ

あれ、なんだろう

どうして私泣いてるんだろう

目の前にいるほむらちゃんはあんなに幸せそうなのに

どうして……

うれしき泣き?

違う

そんな訳ない

まどか「ほむらちゃん……」ポタポタ

私は、日記を一旦閉じて、お腹に文字をなぞるのをやめる

そしてほむらちゃんの耳元で、呟いてみせる

まどか「ほむらちゃん聞こえる?まどかだよ?」

ほむら「……」ニコニコ

まどか「聞こえてたら返事してみて?」

ほむら「……」ニコニコ

まどか「……今度さ、水族館行こうよ」

まどか「車イスに乗せてくからさ?ね?行こうよ」

ほむら「………」ニコニコ

まどか「ねえ……お願い……返事して……」

ほむら「……」ニコニコ

まどか「……」



87: 2012/08/20(月) 10:19:21.48 ID:8qKtL9NO0

――数日後・放課後


学生A「今度の修学旅行楽しみだね」

学生B「そうだね!カメラ忘れるなよ?」

学生A「あんたもね!夜は恋バナするから覚悟しとけぇ~?」

まどか「……」

カップル(男)「好きだ///」ギュ

カップル(女)「ここじゃまずいって///」ギュ

カップル(男)「ん……///」チュッ

カップル(女)「ハァハァ……///」レロレロ







まどか「………」



88: 2012/08/20(月) 10:21:12.36 ID:8qKtL9NO0


――病室


ガララ

まどか「……」

ほむら「……」

まどか「ねえ……ほむらちゃん」

ほむら「……」

朗読もせず、今日は直接語りかけてみる

まどか「ほむらちゃん……こんど水族館一緒に行こう?」

懲りずに、昨日と同じ事を語ってみる

ほむら「……」

まどか「ほむらちゃん」

ほむら「………」

まどか「ねえほむらちゃん」ユサユサ

ほむら「………」

まどか「ねえってば……」ユサユサ

ほむら「……」

まどか「……」ポロポロ

ほむら「……」

まどか「もうイヤだ……」ポロロロ


まどか「もうイヤだ!!もうイヤだよこんなのぉ……!!!」ポロポロ

まどか「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ…はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……!」ポロポロ


何も伝わらない

何も聞こえないから

声にしても思いを伝えることが出来ない

苦しいよ

辛いよ

お願いだから目を覚まして

ほむらちゃん

それから私は程なくして医者から、重度のうつ病と診断を受ける

さらに

お見舞いに行かなくなってしまった

辛い現実から逃れるように













89: 2012/08/20(月) 10:25:12.65 ID:8qKtL9NO0

【ほむらの病室】

心理学者A「医学者Aよ、変動が起きたぞ」

医学者A「ほう、興味深い」

心理学者A「先日、M・Kが突如病室で発狂して」

心理学者A「以来姿を見せない……あの病室ではな」

医学者A「原因は?」

心理学者A「……恐らくはストレス。彼女に幸せを提供する一方、意思疎通が出来ないことに、虚しさをおぼえたのだろう」

心理学者A「あの年頃の女子は気難しい物だ。自分と他者の境遇の違いに苛立ちを覚えたのだろう」

ココで言う他者とは、暁美ほむらでなく、赤の他人
他の高校生はみな、友人やら、恋人やらと楽しくやっていることに、まどかは自身と他者の違い過ぎる環境下に嫉妬と虚しさが出ていた

医学者A「……、暁美ほむらはどうだ?」

心理学者A「ああ、彼女が来なくなってから、当然笑わなくなった。そして最近奇妙な言動を発するようになった」カチッ

録音ビデオの再生ボタンを押す

『えへへへ……今日は、海水浴ね』

『私も西瓜割り始めてよ、まどか』

『……あれ?なんでスキーウェアなんか?』

『え!?今日はスキーにきたですって!?』

『……どういうこと』

『……あれ?背景が……』

何も見えない』

『ここはどこ……?』

『何も見えない』

『動けない……』

『こんなのイヤだ……まどか……助けて……』

カチッ

心理学者A「このように、彼女の様々な記憶が混在化し、まとまりがきかなくなりつつある」

心理学者A「いま彼女は」

心理学者A「夢と現実の境目を」

心理学者A「完全に失いつつある」

入院した時からそれは同じことであったが、鹿目まどかの朗読がなくなった影響と、クスリの影響で、ほむらの意識は完全に、夢と現実の壁が無くなってしまった

心理学者A「症状は日に日に悪化している」

医学者A「ふむ……なるほど」

医学者A「心理学者Aよ、そろそろ実験の第二段階に移行しよう」

心理学者A「クスリの投入を終えるのか?」

医学者A「ああ……彼女に現実を理解してもらうためにな」

医学者A「そう絶対的な現実をな」

医学者A「クスリを抜いて、幻覚症状を抑えるのだよ」

心理学者A「……あの状態じゃ、クスリをやらなくても脳内幻覚を起こしてそうだが」

医学者A「かまわん……それと」

心理学者A「それと……?」

医学者A「明日より、生物兵器投入を開始する」マジキチスマイル



90: 2012/08/20(月) 10:27:02.85 ID:8qKtL9NO0


――――――――――

―――――――

――――

――


―――そして現在に至る


【見滝原病院・ほむらの病室】


ガララ!

まどか「ほむらちゃん!!」

医学者A「!」

院長「君は…」

心理学者A「まどかちゃんじゃないか……」

まどか「先生、こんにちは」

心理学者A「……ここにきて平気なのか?精神安定剤はちゃんと飲んでるかい?」

まどか「はい飲んでます!久しぶりにお外でたから、平気なのかどうかわからないけど」

まどか「ほむらちゃんが危篤って聞いて、いてもたってもいられなくて……」

心理学者A「…そうか」


心理学者A(……人間とは面白いものだ)

心理学者A(薬ですら簡単に治らないというのに、本当に追い詰められると、こうも価値観を変えてくる)

心理学者A(鹿目まどか……トラウマを自らほじくってまで、彼女の死を見届けたい、君のその深層心理はいかなるものか?)

心理学者A(……見せてもらおうじゃないか)マジキチスマイル


まどか「ほむらちゃん……」


ピ……ピ……ピ……

心拍数がかなりやばいところまで来ている

ほむら「まどか……まどか……まどか……」

まどか「ほむらちゃん!私はここにいるよ!」

ほむら「まどか……胸が苦しいよ……寂しいよ……辛いよ……」

まどか「ほむらちゃん……」

何気なくほむらの長い髪の毛を触る

あれ……?




91: 2012/08/20(月) 10:28:34.95 ID:8qKtL9NO0

まどか「……?」

髪がガサガサして、かなり痛んでいる

ブチチ

まどか「!!」

いとも容易く、長い髪が切れた

まどか「……?、?」

このとき、私はある気づいた

ほむらちゃん……物凄く痩せた?

いや、栄養チューブだから無理なないが、3年前まではこんなに、異常なやせ細り方はしなかった

それになんだろう

まどか「……」ギュ

ほむらの頬にふれる 

肌荒れが酷い

いや、酷いってレベルじゃない

少し触っただけで、なんで皮膚が切れて、血が出るの?

それにこの血の色は何?

人間の血の色じゃない

皮膚の色も紫っぽい色をしていて

この三年間の間に、一体何があったの?


ほむら「ぅぅぅ…まどか…頭が痛いよ……」

まどか「!!?」

絶句した

ほむらちゃんの頭部から、出血が起きていた

看護婦さんが、手馴れた手つきで、包帯を交換し、巻きなおす

ほむら「ガハッ!」

今度は勢い良く吐血した

その人間とは思えない血の色を吐いて

まどか「院長先生……この3年間の間に、ほむらちゃんの身に一体何が……」

院長「フム……説明を頼む、A先生」

医学者A「実は、彼女は謎の疫病に侵されていてね」

医学者A「我々も治療に全力を注いでいるのだよ」

まどか「そ、そうだったんですか」



看護婦A「……嘘ばっかり」



看護婦以外全員「!!?」



92: 2012/08/20(月) 10:30:22.79 ID:8qKtL9NO0

看護婦A「見損ないましたよ。先生方々」

看護婦A「私は、ずっと先生達を信頼していたのに」

看護婦A「つい先日まで」

そういうと、録音テープを取り出す

看護婦A「本当は、黙って警察に届ける予定でしたが……もう我慢の限界です」

院長「!?なんだいそれは!!いつ録音なんかっ……」

看護婦A「この病室と会議室においといたんですよ」

看護婦A「以前から、先生達の様子がおかしいから、試しに傍聴させていただきました」カチッ

『強化型枯葉剤を注入した結果はどうだ?』

『驚くことばかりだ……なぜ彼女はいまだに生きている』

『フム……今度は、再び薬物の投入するのはどうだろう?』

『彼女が、幻覚と傷みにどこまで耐えられるか……』

『確かに……見物だな』

『心理学者Aよ、彼女の様子は?』

『以前として、現実と夢の狭間を行き来し、その境界線を理解できずにいる』

『だが、近頃はなぜ自分がこうなったのかを自問自答しているようにも見える』

『……やはりまだ、薬物の件は置いておこう』

『彼女がどこまでもがくか、この目に焼き付けるのだ』

カチッ

まどかはただ、後悔の念から涙を流している

そして、ほむらの母親、看護婦が憤慨に満ちた表情で後ろ振り向くが、病院のMADサイエンティスト達は、姿を消していた

ほむママ「まどかちゃん」

まどか「グスグス……はい」

ほむママ「わたし、他にやるべきことがあるわ」

ほむママ「だからほむらちゃんをお願い」

まどか「……はい」グスグス

ほむママ「それと一言だけ言わせて」

ほむママ「あなたは、悪くない。むしろ感謝しているくらい」

まどか「そんな……」グスグス

ほむママ「頼んだわよ。私は勇気ある看護婦さんと行く場所があるから」

そういって、看護婦とほむらの母親は、病室を後にする




93: 2012/08/20(月) 10:32:00.31 ID:8qKtL9NO0


ほむら「まどか……恐いよ……痛いよ……」

ほむら「お願い一人にしないで……ずっと私の側にいて」

まどか「ごめんねほむらちゃん、ずっと一人にしてしまって」ギュ

私は久しぶりに、ほむらの腹部に指で文字をなぞる

まどか「大丈夫だよほむらちゃん。今度こそずっと一緒だよ……絶対離れないよ!」

その瞬間、ほむらちゃんはピクっと、勢い良く反応を示す

ほむら「まどか…まどかなのね!?私の側にいてくれてるのね!!?」

人体実験の繰り返しで、もはや別人の声になっている

体をピクピクさせながらも、声は完全につぶれた声で、小さく、呟く程度だが、一生懸命大きな声で話そうとする、気持ちが伝わる


まどか「そうだよ。もう恐い思いしなくていいんだよ」

ほむら「まどか……もう私何も恐くない」

ピシシシシ

ようやく再び気持ちが一つになった矢先、その空気を壊すように、嫌な音がする

なに?

今の音

私は自分でも顔が急激に青ざめてゆくのがわかる

イヤだ

見たくない

せっかくまた一つになれたのに

QB「もう臨界点だね」


まどか「QB……あなた……いたの……?」

QB「最初からね」

まどか「……」

QB「それよりも、あれを」

QBが向いている方へと顔を向けると、ほむらのソウルジェムが既に、半分までヒビ割れていた

まどか「……」

QB「人間に寿命があるように、魔法少女もまた寿命がある」

QB「例え希望を持とうとも、ワルプルギスのグリーフシードのような特殊なグリーフシードを使っても」

QB「これは避けられない運命だ」

ピシシシ

QB「さあ、まどか!僕と契約して魔法少女になってよ!」

まどか「……いやだ」

そういって、まどかは、震える手でポケットの手を入れる

ゴソソ……チャキッ

QB「!?鹿目まどか……きみは……」




94: 2012/08/20(月) 10:35:26.26 ID:8qKtL9NO0


まどかはほむらから介錯用に受け取った、サプレッサー付きの拳銃をまず片手で構え、テーブルの上においてある、ソウルジェムに照準を合わせる

そしてもう片方の手で、グリーフシードを握り、QBの方を向く

まどか「QB……はい」ポイ

QB「……」パカ…シュルル

ピシシシ

QB「……はぁ、どうあがいても契約する気は無いようだね」

まどか「うん」

QB「はぁ……わかったよ」ヒョコ

そういうと、QBはほむらの顔面に手を当てる


まどか「何やっているのQB?」


QB「……サービスだよ。魔法少女・暁美ほむらに敬意を表してね」パァァ

小さな光が一瞬生じる、やがて光が止むと、驚くべき事に

QB「まどか、ほむらの顔面の包帯とってごらん」

シュルル

ほむら「……」ニッコリ

まどか「ほむらちゃんの顔が元通り綺麗になっている……!!」

まどか「それだけじゃない……髪も健康的で、綺麗に!」

QB「まあさすがに、視覚、嗅覚、聴覚、両手両足までは再生できなかったけど」

QB「充分だろ?」

まどか「うん……QBありがと」

QB「……僕はその代わり、君を一生かけて追い続ける」

QB「絶対に諦めないからね」

まどか「うん……契約はしないけど、QBのことは見直したよ」

まどか「ありがとう」

そういって私はQBを抱きしめる

ピシシシ

QB「まどか」

まどか「うん」

まどかは再びテーブル台に向き合う

そして、震える手で、拳銃を崩壊寸前のソウルジェムの目の前まで、引き付け照準を合わす




まどか「……」ガタガタ

まどか「やっぱり……出来ない……」ウルウル




95: 2012/08/20(月) 10:36:48.91 ID:8qKtL9NO0

ほむら「……まどか」

QBは教えてくれなかったけど、今聞こえたほむらちゃんの声は、昔のように透き通った綺麗な声だった

ほむら「……これからも、ずっと一緒だよ?」ニコッ

まどか「っ!!」








――私の最後のお願い

――お願い……殺して

――ほむらちゃん……私、ずっと一緒にいるから!離れないから!だから!

――でもありがとう、その言葉が聞けて

――おかげで、死んでもあなたがいつも、側にいる気がしそうだわ

――悔いは無いわ

――あなたと友達になれて、本当に良かった


















パァン







ほむらのソウルジェムは粉々に砕け散る



96: 2012/08/20(月) 10:39:13.72 ID:8qKtL9NO0



ピィィィィィィィィ――――


非情とも思える、鼓動が止まった心電図の音が、部屋中に響く


まどか「ぅぅぅぅ………ぅぅぅぅう……」グスグス

今どんな表情しているか自分でも想像が付く

泣き過ぎて、ぐしゃぐしゃになってるんだろな

まどか「……ぅぅ……」ゴシゴシ

私は片腕で、力強く涙を拭く

いつまでもメソメソしてじゃ駄目だ

変わるんだ

ほむらちゃんの意志を受け継いで

私は真っ当に人生を歩むんだ

今はまだ弱くて、未練がましいけど

それでも

ほむらちゃんがもがき続けたように

私もがんばる

まどか「……」

ほむらの表情は実に穏やかで

今もまだ、息をして寝ているように

そして微笑んでいるように目を瞑っている


そんな穏やかに眠る、ほむらちゃんを私は


そっと抱きしめる


まどか「おやすみ、ほむらちゃん」

ed.曲(元ネタ)→http://www.nicovideo.jp/watch/sm12575426
 




97: 2012/08/20(月) 10:55:49.61 ID:8qKtL9NO0

あとがき


ここまで見てくれて、ありがとう

元ネタは>>96の一番下に貼ったURL先を、行ってみてもわかるように


洋楽バンドのMetallica の 『One』って曲

それと、そのPVの中に出てくる映画『ジョニーは戦場へ行った』が元ネタ


元々はマジキチ物のSS(まどマギで)を書こうと思ってたが、煮詰まってイライラしてたとき、メタリカでも聞いてスカッとするかと思って、偶然
『One』のPV見たのがきっかけ

主人公はマミさんかほむらどちらにしようか悩んだ

でもマミさんだとすぐに、元ネタばれしそうな気がしたから、時間遡行できて読み手に、色々トリックを起こせそうだからほむらにした。


ほむら「SFものだと思った?残念!絶対的現実でした!!」


因みに『ジョニーは戦場へ行った』本編はより物凄く暗くて、かつ色々と考えさせらる作品



休憩したら【後日談】を書くけど、タイプは3つ程(バッド、グッド、ノーマルの順で書く)

てなわけでもうちょっとお付き合い願いたい



103: 2012/08/20(月) 11:24:42.71 ID:8qKtL9NO0

あとこのSSのもう一つのタイトル(裏タイトル)は


まどか『ほむらちゃんは戦場に行った』



122: 2012/08/21(火) 09:56:49.37 ID:82QVjyUN0


【後日談(1)】


――ほむらが亡くなって数ヵ月後


まどか「……」カキカキ

まどか「……よし」

わたしは、ある手紙を書き終えると、その手紙を封筒に入れ、机の上においておく

ガチャ

詢子「おや?まどかお出かけかい?」

まどか「うん、仁美ちゃんにお勉強教わりにね」

詢子「そうか、がんばれよ」

まどか「ママ」

詢子「ん?」

私は黙ってママに抱きつく

まどか「大好き」

詢子「なんだ急に……」

まどか「それじゃ」

詢子「…?」

和久「まどか、どうしちゃったんだろね。さっき僕とタツヤも同じことされたんだ」

詢子「え……」

詢子「まどか……?」


――とある墓地


まどか「………」

私はいま、『暁美家』と書かれたお墓の前にいる

まどか「……」

まどか「ごめんね、ほむらちゃん」

まどか「わたし、やっぱり弱いや…」

まどか「ママやパパに迷惑かけまいと」

まどか「ほむらちゃんの分まで幸せになるって決めて」

まどか「ずっとがんばって勉強して」ウルウル

まどか「成績だって上がったのに」ポタポタ

気がついたら、私の頬に水滴が零れていた

まどか「ヒック……ヒック……」

まどか「やっぱり辛いよ……」

まどか「杏子ちゃんも、マミさんも、さやかちゃんもいない」

まどか「そのうえ」

まどか「大好きなほむらちゃんまでいないなんて」

まどか「もう考えただけで、息が詰まりそうなの……」ポタポタ



123: 2012/08/21(火) 09:58:17.92 ID:82QVjyUN0

私は、ゴソゴソとポケットの中からあるものを出す

ほむらちゃんから以前、受け取った

黒くて硬い、あるものを指に掛け、頭部の横側に押し当てる

まどか「やっぱりほむらちゃん無しの人生なんて、私には考えられない」

まどか「だから」

















まどか「いま、そっちにいくよ。ほむらちゃん」



















パァン












バッドエンド



124: 2012/08/21(火) 10:00:23.44 ID:82QVjyUN0

バッド書いたばかりで、雰囲気ぶち壊すようですまないが。

ちょっとしたくだらないアンケート

最後に書くグッドエンドで、オリキャラ(??)が登場
一応大事な役割を担う。
どれが良い?↓

① ウロブチさん(ちょっぴりドSな天才作家)
② ジョニーさん(元兵士。心優しいパン工場のお兄さん)
③ イヌカレさん(少し変わった性格な天才画家)

1~2時間位まってるね

その間、ノーマルエンド書くわ



136: 2012/08/21(火) 14:44:40.05 ID:82QVjyUN0


【後日談(2)】


――ほむらが無くなって一年後


~~見滝原大学・講義終了後~~


モブ子「鹿目さん、帰りにカラオケ行きましょう」

まどか「うん、いいよ」


あれから、わたしは大学に合格した

うつ病もだいぶ改善された

いま私は、隣町の風見野の小さな病院で診療を受けてる


――例の酷いお医者さん達は、結局捕まらなかった


理由は、QBがほむらちゃんの様態を回復させてしまったから

『証拠不十分』として結局、罪に問われなかった

でも、あの勇敢な看護婦さん以外にも、あのお医者さんたちの様子がおかしいことに、気づいてたらしく

結局、彼らの不祥事は院内に響き渡り

さらにはネットや週刊誌に叩かれる有様で

質の悪い嫌がらせも相当受けたとか

結局、院長は辞職

心理学者の先生と、医学者の先生もあの病院をやめて

無名な片田舎の小さな診療所を経営し始めたと噂が立っている




137: 2012/08/21(火) 14:47:20.51 ID:82QVjyUN0


――


モブ子「楽しかったですね、鹿目さん」

まどか「うん!あ……一応、『同級生』なんだから敬語はいいよ……」

モブ子「あ…ごめんね、それじゃまたね」

まどか「うん、じゃあね」




まどか「………」

まどか「何だろう」

大学にも合格して

友達もできて

わたしは未だに、今の環境が幸せなのかわからない

毎日がただやけに穏やかで

ぽっかり心に穴が開いたような

そんな感じ

そして未だ穴は埋まってない

まどか「ほむらちゃん……」




まどか「あ」

まどか「そうだ、モブ子ちゃんから借りたCD返してなかった」

まどか「たしか『コネクト』だったけかな?演歌ばっかり聞く私だけど、良い曲だったな~」

まどか「まだ走れば、モブ子ちゃんに会えるかな」ダダッ




モブ子「イヤァァァァァ!!!」



138: 2012/08/21(火) 14:48:52.27 ID:82QVjyUN0


まどか「!!?モブ子ちゃんの悲鳴!!!」ダダッ

なんだろ

物凄く嫌な予感がする


まどか「え」

なんだ

背景が変わった

やたら美味しそうなお菓子がいっぱい置いてある

ここは……?

そういえば、以前にもこんな世界に来たっけ

まどか「マミさんが危なかった場所に似てる……ってまさか!!?」


魔女……結界?


私は、嫌な汗をかきながらクッキーで出来た扉を、開ける

ガチャ

モブ子「鹿目さん!!!!」

まどか「モブ子ちゃん!!?」

モブ子ちゃんをあざ笑うように、大きな恵方巻きの魔女が、追いかける

あの魔女……恐らく、使い魔が成長して育った魔女だ

モブ子「危ないから!早く逃げry」


バクッ


まどか「っ!!!!!!!!!!!!!」


モブ子ちゃんは魔女に丸呑みされてしまった



139: 2012/08/21(火) 14:50:02.25 ID:82QVjyUN0


まどか「ぁ……ぁぁ……」ガクガク


いつもそうだ

日常は崩れ去る

突然に

悪夢を忘れかけた頃に

私の心を弄ぶ


QB「もういい加減わかったんじゃないか?」


まどか「QB……!!?」ガクガク

QB「久しぶりだねまどか」

QB「僕は言ったよね?君を一生掛けて追い続けるって」

まどか「……」

QB「これが君の『運命』なんだよ、まどか」

まどか「……」

QB「さあ!契約を」

まどか「……なら私はここまでだね」

QB「!!?」

まどか「ここで私が契約したら、ほむらちゃんの『意志』はどうなるの?」

まどか「私は」

まどか「死を受け入れる」




140: 2012/08/21(火) 14:52:46.34 ID:82QVjyUN0


QB「……フム」

シャルロッテ「……」ニヤ

まどか「……」

私は、静かに目を瞑る

QB「なら……僕からも一言良いかい」

まどか「……」

QB「ほむらは君に生きて欲しかった、幸せになってもらいたかった」

まどか「っ!!!」ビクッ

QB「君は、ほむらの意志を受け継ぐといいながら」

QB「ただ、今のこの現状から逃げ出すための、放棄する理由付けにしているだけじゃないか?」

まどか「……」

QB「それに」

QB「君の因果値なら」

QB「みんなとの出会いをやり直すくらい容易いんじゃ?」

まどか「!!!!!」

シャルロッテ「キシャァァァ!!」クワッ

QB「さあ、契約を!」

まどか「QB……わたし」















まどか「さやかちゃん、マミさん、杏子ちゃん……ほむらちゃんとの出会いをやり直したい!!みんなを守りたい!!」パァァ

QB「……」ニヤッ

まどか「あと」

まどか「うつ病を完治させて」

QB「……っ!!?契約は成立だ」パァァ



141: 2012/08/21(火) 14:55:08.08 ID:82QVjyUN0


―――自分で言うのもなんだけど、本当に魔女が弱く感じた

一瞬で片付いてしまった

まどか「……」


私の左腕には、ほむらちゃんと同じ『銀色の異次元の盾』

そして右手には、鉄や宝石より硬いんじゃないかと思う、綺麗な可愛らしい『弓』

驚いた

漫画みたいに瞬間移動が使えて

わざわざ『時間停止』なんかする必要も無いほどに

強力な桃色の弓矢で一瞬だった


まどか「……」

QB「……行くのかい?」

まどか「うん」

QB「そうか、でも道は険しいよ?」

まどか「……」

QB「みんなとの出会いをやり直すということは……つまり」

まどか「わかってるよ」


まずは、さやかちゃんとの出会いから

小学校時代に逆戻りだ


QB「暁美ほむらと違い、一ヶ月なんてもんじゃない」



142: 2012/08/21(火) 14:57:02.45 ID:82QVjyUN0


QB「君の精神は果たして耐えられるかい?」


まどか「だから『うつ病を完治させて』って祈ったんだよ?」


QB「……なるほど、あの状況下で良く機転利かせた祈りができたね」


まどか「だって、うつ病完治しないまま魔法少女になったら、すぐに魔女化しちゃうでしょ?」


まどか「……QBはそれが狙いだったんだろうけど」


QB「……君を見くびってた、やられたよ」

まどか「……」カチリ

私は、銀の盾を回す

QB「行くんだね」

まどか「うん、次の世界でまた会おうね、QB」


ごめんねほむらちゃん


でも


こんどこそ


救って見せるから




リトライエンド(ノーマルエンド)



146: 2012/08/21(火) 15:28:32.34 ID:82QVjyUN0

【後日談(3)】


―――ほむらが亡くなってより、十数年後


【見滝原病院・病室】


ガチャッ


ジョニー「マドカ!!」

まどか「……あなた、見て。私とあなたの子供」ニコッ

私は、生まれたての子供を夫に見せる

ジョニー「oh……可愛ラシイジャナイカ!!」

まどか「ウェヒヒ」

ジョニー「マドカ二ソックリダ」チュッ

まどか「……///」チュッ

私達は軽く唇を重ねた後、子供を愛らしく見つめる

ジョニー「……ソレデ、君ハ既二、名前ヲ決メテルンダッケ?」

まどか「うん……『ほむら』っていうだけど」

ジョニー「『ホムラ』……タシカ君ノ、ベストフレンドノ?」

まどか「うん……どうかな?」

ジョニー「決マッテルジャナイカ!ベリーグッド!!」チュッ

まどか「ウェヒヒ…」チュッ




147: 2012/08/21(火) 15:30:45.62 ID:82QVjyUN0

ジョニーさんとは、見滝原パン工場で就職した時に知り合った

元軍人さんで4年間勤務した後、23才の時、日本の大学に入学


彼は当時、私の就職先のパン工場でアルバイトしていて、私に一目惚れしたとかで、猛アプローチされて、私と付き合うことに


心優しく愛国心が強く

同時に日本を心から愛し

私の事を本当に愛してくれている人

この人と出会えて本当によかった


まどか「それじゃ、この子の名前は『ジョニー・ほむら』だね」


ジョニー「イアー!」


ほむらちゃん見ていますか

私は幸せです

みんなの分まで

あなたの分まで

絶対幸せになります


ジョニーエンド(グッドエンド)



151: 2012/08/21(火) 15:56:26.22 ID:82QVjyUN0

あとがき(その2)

ここまで読んでくれて、そして多くのコメント、どうもありがとう


丁度、あの映画を見直していて『これじゃジョニーが報われない』と思ってた矢先、アンケートもジョニーが良いと言う意見も多く、彼に決定した。

考えてみると、ジョニーは彼女がいるにも関わらず、彼女から「逃げよう」と促されても、『民主主義』の名の下に、命を賭して使命を全うしたんだよな…

アメリカは今も昔の超経済大国
俺ならその恵まれた環境に甘んじて、自堕落な心を生み、彼女と逃避行してただろうな…

男だ。そしてすげえぇ泣いた

でも感謝されることも無く、全く報われてない……まるで魔法少女のように

話がそれるが、『fate /zero』の雁夜おじさんを思い出した

だから、せめてこのSSだけでも救ってやりたいと思ってた矢先、まあ良い感じに話が行った(皆、困惑してるようだが……www)



因みに、ノーマルエンドの続きだが、ネタが思いついたら、続編として書く
今はまだ話が思いつかんから、手につけない

その……もしよければ、誰かが書いても良いのよ続編(チラチラ
いやマジでさ



最後に

もう一度言う。ここまでありがとう


追伸:

>>121

もしかしてこれ?↓

ジグソウ『魔法少女だと?』
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1340449162/

これ書いたの実は……



ぼくだったり……



折角だからおまけに
これも俺が前に書いた


http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1338315537/


元スレ
SS速報VIP:ほむら「いつもの病院じゃない…」