1: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/16(火) 03:12:43 ID:18zC/GxA

6/15(月)

男「……いくぞ」 グイッ

女「っ~~~!!!」

男「くっ」

女「はっ、くぅ……お、男くん」

男「っ……全部、挿入った」

女「んっ、はぁはぁ」

男「あ……血が……」

女「っ……」

男「……動いていいか?」

女「…………」コクン

男「っ、きつっ」

女「っ~~」



2: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/16(火) 03:14:53 ID:18zC/GxA

男「はぁ、はぁ、うっ、やばっそろそろ」

女「んっ、はぁ、っっ……」

男「くっ!っっ!!」

女「んんっっ!!」

男「っ、はぁはぁ」

女「はぁはぁ……」

男「はぁ」 ドサッ

女「……お、男くん」

男(何してんだ俺)

女「……男くん?」

男(ヤケになって半ば強引に女を誘って)

女「あ、あの……」

男(どうしようもない)

女「あの……その……」



3: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/16(火) 03:18:06 ID:18zC/GxA

女「男くん……」

男「ん?あぁ……ありがと、じゃあ送っていくよ」

女「え……」

男「……」

女「大丈夫です……着替えたら、一人で帰ります」

男「そうか」

女「はい」

男「えと……」

女「……」

男「なんか……ごめん、どうかしてた」

女「そんなこと……言わないでください」



4: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/16(火) 03:18:46 ID:18zC/GxA

男「……」

女「じゃあ帰ります」

男「ああ……」

女「……失礼します」ウル

男「――!」

男「……」



5: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/16(火) 03:37:38 ID:18zC/GxA

6/16(火)

教師「はいこれで授業を終わります」

キーン コーン カーン コーン

男「女、ちょっといいか?」

女「ぇ……は、はい」

男「ここだとあれだから中庭に」

女「う、うん」

――――

男「昨日のことなんだけど」

女「うん……」

男「なんていうか、その」

女「……」



6: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/16(火) 03:39:27 ID:18zC/GxA

男「思い返すと、どうかしてたじゃ済まないくらい女には酷いことをして……本当にごめ――んぐっ」

女「あ、謝らないでっ!」グイッ

男(く、口を塞がれたっ)

女「あっ!ご、ごめんなさい」 パッ

男「あ、ああ」

女「……」

男「……」

女「昨日のこと謝られるのは……その、悲しいです」

男「……そうか」



7: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/16(火) 03:41:10 ID:18zC/GxA

女「それに私は……」

男「ん?」

女「わ、私は」 ジワッ

男「ぅっ……」

女「し、失礼します」 タタタッ

男「……」



8: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/16(火) 03:52:47 ID:18zC/GxA

――放課後

友「男!今日も美少女さんと一緒に帰るの?」

男「……いや」

友「あれ?なんかあった?」

男「別に」

女「……」

友「じゃあこれから遊びにいかない?」

男「すまん、そんな気分に――」

美少女「男くんっ」

男「っ!!」

美少女「昨日は一緒に帰れなくてごめんねっ」

男「あ、あぁ」

女「……」

美少女「よかったら、一緒に帰ろ?」

男「…………」



9: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/16(火) 03:54:13 ID:18zC/GxA

友「おーこれはこれは美少女さん」

美少女「友くん!もしかして男くんと約束してた??」

友「いや、誘ったけど振られちゃったよ」

美少女「男くん、昨日一緒に帰れなかったから今日はどうしても一緒に帰りたいの、だめかな?」

男「……」

美少女「男くん?」

男「昨日……」

美少女「えっ?」

男「いや、なんでもない。用事があるんだ」

美少女「えっ?えっ?」

男「じゃ」タタタ

友「おい、男!って行っちゃった」




10: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/16(火) 03:55:58 ID:18zC/GxA

美少女「……」

友「美少女さんごめんね、男は今日ちょっと様子が変でさー」

美少女「昨日……」 ボソ

友「美少女さん?」

美少女「え?ううん、なら今日は別の子と帰ろっかな」

女「……」



11: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/16(火) 03:59:24 ID:18zC/GxA

――校舎裏

男「はぁ……」

女「……」

男「……」

女「ぁ、あの……」

男「!?」ビクッ

男「な、なんでここに?」

女「えと、その、すみませんっ!」 ペコッ

男「それで、なんか用事でも?」

女「いえ、あの……その……」

男「……」



12: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/16(火) 04:00:51 ID:18zC/GxA

女「ええと……」

男「また、そんな酷い顔してたか?俺は」

女「……はい」

男「そうか……そうだよな」

女「??」

男「女」

女「は、はい?」

男「ちょっと話聞いてくれるか?話したい事があるんだ」

女「……はい」



13: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/16(火) 08:32:51 ID:18zC/GxA

男「俺、最近ある女子と仲良くなってたんだ」

女「……美少女さん……ですよね?」

男「ああ」

女「聞かせてください」

男「前まで全然接点なかったのにさ、ある時から急に話しかけられて」

女「はい」

男「舞い上がっちゃったんだよな。あんな可愛い子に言い寄られて」

女「……」



14: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/16(火) 08:34:19 ID:18zC/GxA

男「昼飯一緒に食べるようになって、一緒に帰るようになって、たまにそのまま遊んだり」

女「……」

男「今まで意識したことなかったけど、いつの間にか……好きになってた」

女「…………はい」

男「向こうも俺に気のある素振りみせてたから勝手に盛り上がって、いつ告白しようか、なんてそんなこと考えるようになってたんだ」

女「……」

男「そして昨日、美少女は友達と用事があるってことで一人で帰ろうとしたんだけど」

女「……」

男「違うクラスで男女数人といる美少女をたまたま見かけたんだ。そこから俺の名前が聞こえたからつい聞き耳をたててしまった」

女「……」



15: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/16(火) 08:53:29 ID:18zC/GxA

美少女『え?男?ちょっと腕組んだだけでキョドっててさ、見るからに童貞って感じでチョロいよ』

美少女『でも意外としぶといんだよね、こっちは早く解放されたいっつーのに』

美少女『は?逆に私がってこと?ないない、それだけは絶対ないから!私が早く終わらせたがってることあんた達が一番よく分かってるでしょ?』

美少女『告られて、振って、はい終わり。これで賭けは私の勝ち。私にとってあいつは人間以下の存在なのよ、わかる?』


男「散々な内容だったよ」

男「まさか自分が賭けの対象になってるなんて思いもしなかった」

女「……」



16: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/16(火) 08:55:15 ID:18zC/GxA

男「男女数人の中には普通に知ってる顔のやつもいて、それもなんかアレだったけど」

女「……」

男「なによりも美少女の本音を聞いてしまったことがショックだった」

男「美少女の事、本気で好きだったから」

女「っ……」

男「それからは女も知ってる通り」

女「……はい。私は忘れ物を取りに教室に戻ったら……男くんがいました」

男「……」

男「悔しいのと悲しいのと怒りとでわけわかんなくなって、お前にその……」

女「男くん……」



17: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/16(火) 08:56:54 ID:18zC/GxA

男「ヤったら何か変わるのかな、吹っ切れるかなって思っていたけど」

女「ぁ……」

男「結局なんも変わらなかったし、ただ女を傷付けただけだ」

女「それは……でも!きっと変わります!!変わるキッカケになって、、ほしいです」

男「どうしてそこまで」

女「それは!……その……」

男「結局、俺もあいつらと同類だ。自分の都合でお前を利用した」

女「そんなこと!!ないです!」

男「そんなことあるんだよ」

女「でもそれは……」



18: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/16(火) 08:59:05 ID:18zC/GxA

男「俺が言えた義理でもないけど、お前ももうちょっと自分を大切にしろよな」

女「え……?」

男「ただのクラスメイトの俺に迫られて簡単に抱かれるってさ」

女「そ、それは!男くんが……その、辛そうで……」

男「可哀想だったから?」

女「ちがっ――」

男「例えば俺じゃなくても辛そうにしてたら誰でも――」

パシンッ

男「っ!」

女「……」 ジワッ

男「あ――」

女「ぐすっ、帰ります」 タタタタッ

男「あっ、ちょ、待っ……」

男「……」

男「痛ぇ……」



19: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/16(火) 10:48:32 ID:18zC/GxA

6/17(水)

友「おーっす!おはよっ」

男「あぁ」

友「ん?昨日に増して様子がおかしいような」

男「……おやすみ」

友「っておい!きて早々寝るとか!?」

男「……」 ムク

友「?」

男「……」 キョロキョロ

友「おーいどうした?」

男「……女はまだ来てないのか?」

友「え?女さん?男の後ろの席の?」

男「ああ」

友「確かにまだ来てないね。いつもならとっくに来てるのはずなのにな、珍しいなー」

男「……そう、か」



20: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/16(火) 10:50:00 ID:18zC/GxA

美少女「おはよっ、男くん!」

男「……おう」

友「あっ、美少女さんおはよー」

美少女「友くんもおはよ」

男「……」 スッ

友「ってまた寝ようとしてるしっ!」

美少女「今日お昼一緒どうかな?」

男「今日は……ごめん」

美少女「そっか……残念」

男「……」

友「美少女さんごめんねー、今日は俺の日なんだっ」

男「友……」

美少女「ううん、じゃあまたね」

男「ああ」



21: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/16(火) 15:26:34 ID:18zC/GxA

男「友、なんか悪いな」

友「気にすんなって!」

男「なにも聞かないのか?」

友「男が話したいなら聞くけど?」

男「……」

友「ははっ、じゃあ一つだけ聞いていい?」

男「ん」

友「美少女さんはともかく、なんで女さんのこと気にしてるのさ?」

男「それは……」

友「答えにくいならいいよ、なんか意外な組み合わせだなーって思ってね」

男「そうだな……今度話すよ」

友「はは、りょーかい」



23: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/16(火) 15:32:04 ID:18zC/GxA

男(結局女は登校してこなかった)

男(合わせる顔もないし、正直ホッとしてる自分がいるのも事実だが……)

男(なんかモヤモヤする)

男(てか俺、あいつの連絡先も住んでる場所もなにも知らないんだな)



24: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/16(火) 16:40:43 ID:18zC/GxA

6/18(木)

友「おはよー」

男「おはよ」

友「今日は女さん来てるよ」 ボソボソ

男「!」 チラッ

女「あ……」

男「……お、おはよ」

女「……お、おはようございます……」

男「……」

女「……」

友「んー?」

男「なんだよ」

友「いーや、なんでもないよ」



25: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/16(火) 16:42:07 ID:18zC/GxA

男(この前の発言は流石に酷かった)

男(いや、発言だけじゃない、これまでの行動もなにもかも)

男(結局あいつらとなんも違わないじゃないかっ、くそっ!)

男(あれ?俺……)

男「!!」 ガタッ

教師「ん?どうした男」

男「あ、いえ、なんでもないです」

教師「授業中だぞ!堂々と船漕ぐな!」

クスクス

男「す、すみません」

男(いつの間にか俺はずっと……女のことばっか考えてる……)

男「はぁ」

男(美少女の次は女か……どうしようもないな)



26: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/16(火) 16:44:47 ID:18zC/GxA

友「おーい、昼休みも寝て過ごす気?」

男「腹減ってない」

友「今日も美少女さん来るかな?」

男「ん」

友「ここ数日は毎日誘いに来てるもんね」

男「ん」

女「あ、あの」

友「女さん、どうしたの?」

男「!」

女「あの、お、男くん」

男「……」

友「おーい男、女さんが呼んでるぞー」

男「聞こえてる」ムク



27: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/16(火) 16:46:07 ID:18zC/GxA

女「お、男くん、ちょっといいですか?」

男「……」

女「……えと、その……」 キョロキョロ

友「男、昼休みだし女さんと一緒に食べてきたら?」

女「あっ」

男「……」

友「屋上前の踊り場なんていいスポットだと思うなー」

女「あ、ありがとうございます」 ペコ

男「……」

友「ほら男!早くしないと昼休み終わっちゃうよ」 グイグイ

男「わかった!わかったから押すな!」

友「じゃあごゆっくり~」

女「男くん、いこ?」

男「あ、あぁ」



28: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/16(火) 16:48:21 ID:18zC/GxA

――廊下


美少女「あれ……アイツは……」

美少女「隣にいるのは……誰?」

美少女「ふーん」



29: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/16(火) 16:49:35 ID:18zC/GxA

男「……」

女「……」

男・女「「あの」」

男「……」

女「……」

男「あー……昨日休んでたけど体調は大丈夫?」

女「え?あ、はい昨日は少し家で用事があったので」

男「そうだったのか」 ホッ

女「はい」



30: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/16(火) 16:51:26 ID:18zC/GxA

男「それと、だな、その……一昨日は酷いこと言ってごめん」

女「ぁ……わ、私も」

女「その、叩いてしまって、本当にごめんなさいっ」 ペコ

男「いや、あれはどう考えても俺が悪い。あれだけじゃない、全部俺は……自分のことばっかで……」

女「でも手を上げたのは私です、ごめんなさい」



31: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/16(火) 16:58:44 ID:18zC/GxA

男「いやでも、叩かれて良かったというか」

男「変な意味じゃないぞ?なんか冷静になれたんだ」

男「それで昨日女が休みだったのもあって、ずっと考えてた、ここ数日のこと、お前のことをずっと」

女「!!」

男「そうしたら……なんていうか、ごめん、としか」

女「ふふっ」

男「えっ」

女「なんだか謝ってばっかですね」

男「た、たしかに」



32: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/16(火) 17:10:02 ID:18zC/GxA

女「さ、時間もないですしお昼食べちゃいましょう!」

男「お、おう」

男(なんか急に機嫌が良くなった?)

女「あれ?男くん、お弁当は??」

男「あぁ食欲なくて」

女「ダメですよ!ちゃんと食べなきゃ」

男「……でも今日はいいよ。今から購買行くのも面倒だし」



33: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/16(火) 17:11:10 ID:18zC/GxA

女「それなら私の食べますか?」

男「いや、ほんと大丈夫だから」

女「んーと……じゃあ半分こしましょう!」

男「だーかーらー食欲ないっつーの」

女「むっ、じゃあ私も食べませんっ!」

男「何故そうなるんだ」

女「うー」

男「わかった、じゃあ少しもらってもいいか?」

女「はいっ」



34: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/16(火) 17:18:52 ID:18zC/GxA

女「あっ!!」

男「ん?」

女「お箸一つしかありませんでした……」

男「どうすんだ?」

女「一本づつとか……?」

男「食えるかっ!」

女「……どうしましょう?」

男「じゃあ女が先に食べて、残りを俺が食うよ」

女「で、でもそれじゃあ……その」

男「じゃあ先に俺が食べて、その後女が食べるか」

女「それも、その、うぅぅ……」



35: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/16(火) 17:19:53 ID:18zC/GxA

男「それくらいの事で……そもそも俺とお前は……ゴホン」

男(危うく失言するところだった)

男(よく考えたら“そういう行為”はしてもキスはしてないな)

男「ん?それ、使えばよくない?」

女「あ、おしぼり」

男「ってことでお先にどうぞ」

女「いえ、男くんからお先にどうぞ」

男「じゃ遠慮なく」 ヒョイ

女「あっ」

男「……」 モグモグ

女「……」 ソワソワ



36: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/16(火) 17:23:38 ID:18zC/GxA

男「んっ、んー!」

女「あ、はい、どうぞお茶です」

男 「」ゴクゴク

男「ぷはー、サンキュー」

女「いえ、それで……その、お口に合いますか?」

男「めっちゃ美味い!特にこの卵焼きの味付けがすごい俺好み!」 モグモグ

女「!」

男「女のとこの親御さん料理上手なんだな」

女「え、えと、実はお弁当は私が……」

男「え?マジで!?すごっ!」

女「えっ、あっ」//

男「お世辞抜きにすごい美味しいよ」

女「あ、ありがとうございます」///



37: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/16(火) 17:39:35 ID:18zC/GxA

女「でも、オカズはほとんど冷凍だったり前日の残りなので……卵焼きは今朝作りましたけど」

男「その卵焼きがほんと美味しかった」

女「本当ですか!?よ、よかったぁ」

男「ご馳走様、ありがとう」

女「え?もういいんですか?」

男「だってほら、半分位だし」

女「もう少し食べてもいいんですよ?」

男「いや、これ以上食べると箸が止まらなくなる」



38: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/16(火) 17:40:53 ID:18zC/GxA

女「ふふ、ありがとうございます」 ニコッ

男「……」

女「どうしました?」

男「あ、いや……ほら、早く食べないと時間なくなるぞ?」

女「あ、そうでした!」

男(笑った顔、初めてちゃんと見たかも……)

女「?」

男「……」 ジー

女「あ、あの、見つめられると食べ辛いです」///

男「あ、ああ、悪い」



39: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/16(火) 22:03:59 ID:18zC/GxA

――放課後

友「久しぶりだね、一緒に帰るの」

男「そうだな」

友「昼休み以降、元気になったみたいだし良かったよ」

男「お前なぁ」

友「あっはっは」

男「でも悪いな、お前にも気を使わせちゃって」

友「お前に“も”?ってことはやっぱり女さんとも何かあったんだ」

男「ぐっ」

友「男は昔から思ったことをポロっと言っちゃうところがあるからね」

男「それは……最近痛いほど痛感してる」

友「あはは、でもそこが良い所でもある」

男「褒めてんのか、それ」

友「もちろん」



40: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/16(火) 22:13:27 ID:18zC/GxA

友「勝手な推測を踏まえた上での個人的な意見だけど」

男「あん?」

友「俺は美少女さんよりも女さんの方が男に合ってると思うな」

男「んん……そういうのじゃないんだ、俺と女は」

友「へー」

男「どちらかというと罪悪感の方が上回ってる」

友「んー、なるほど、男は女さんに負い目を感じているっと、ふむふむ」

男「でた、この推理バカ」

友「はは、推理じゃなくて推測ね!」

男「違いがわからん」

友「調べてみましょう!次会う時までの宿題ですっ」

男「嫌だ」

友「あっははは」



41: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/16(火) 22:14:46 ID:18zC/GxA

男「……」

友「どうしたの?」

男「やっぱり友には話しておこうと思って」

友「お?おお!待ってたよ!」

男「簡単に言うからお得意の推測で察してくれ」

友「善処しますとも」

男「えーっと、美少女でのことでショックを受けて女にその、酷いことをしちまったんだ」

友「うんうん、それで?」

男「それだけだ」

友「男ー、いくらなんでも情報が少なすぎるっ!」 ブーブー



42: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/16(火) 22:15:58 ID:18zC/GxA

男「それ以上は……今は言えない」

友「まぁいいや。んで男」

男「ん?」

友「美少女さんにもう告白した?」

男「え……いや、してない」

友「やっぱり」

男「……」

友「それは美少女さんと男のギャップでわかってたけどね」

男「ん?」

友「そっかそっか、ショックを受けることがあったのか……なるほど……」

男「ん??」



43: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/16(火) 22:17:20 ID:18zC/GxA

友「ゴホン、ではご静聴下さい」

男「……」

友「男の態度の変化、それに美少女さんと一緒下校しなかった日を照らし合わせると」

友「恐らく三日前、それも放課後に男は知ってしまったんじゃない?美少女さん達グループが企てる“遊び”を」

男「!」

友「絶望に打ちひしがれた男はたまたま居合わせた女さんに八つ当たりをしてしまい、負い目を感じてしまうことになる」



44: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/16(火) 22:18:50 ID:18zC/GxA

友「そして男は今、女さんや美少女さんに対してどう接するべきか悩んでいる」

友「と、まぁざっとこんな感じかな?」

男「相変わらず、お前はすごいな……」

友「え?当たってた?」

男 「」 コクコク

友「おー!やったね!!」

男「てか、おい、友!」

友「なぁに?」

男「お前、美少女たちのこと知ってたのか?」
友「知ってたよー。ってもほんとたまたま知ったんだけどね」

男「お前なぁ……最初に教えろよ!!」

友「だって聞いてこなかったじゃん」

男「んなの分かるかっ!」

友「物事はまず疑うことから始めないと」



45: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/16(火) 22:20:18 ID:18zC/GxA

男「ったく」

友「だって男さー、俺を蔑ろにして美少女さんに鼻の下伸ばしちゃってさー、俺だって寂しかったんだから」

男「んぐ、それは」

友「それに美少女さんに告白する前にちゃんと止めるつもりだったし」

男「信じられるかっ!」

友「あはは、でも告白する兆候がみられなかったからさ。まさか先に事実を知ってしまうとはね」

男「はぁ、なんでもお見通しってわけか、相変わらず恐ろしい奴」

友「最高の褒め言葉だね」

男「褒めてねーよ」



46: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/16(火) 22:21:57 ID:18zC/GxA

友「でも俺は男と女さんとの間に何かあったのかわからないし、想像もつかない。パズルみたいにピースが揃ってなきゃ推測は成り立たないんだよ」

男「そうですか」

友「だから言うね、美少女さんには気を付けた方がいい」

男「……ああ」

友「彼女に告白した男子のその後を知ってる?」

男「いや、そんなこと考えたこともない」



47: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/16(火) 22:23:20 ID:18zC/GxA

友「まず告白の現場は取り巻きによって動画撮影されるんだ」

男「動画……」

友「それをネタに脅されて、強請られて、奴らのいいオモチャにされる」

男「……」

友「それで不登校になった男子もいる、男子だけじゃない。違う形で不登校になった女子もいる」

男「マジか……」

友「親友である男にはそんな目にあって欲しくないからね、ちゃんと止めるつもりだったよ」

男「……」

友「でも奴らに目を付けられていることには変わりないんだ、だから気をつけて」



48: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/16(火) 22:25:14 ID:18zC/GxA

男「具体的にどう気を付けたらいい?」

友「それは自分で考えなきゃ」

男「そう、だな」

友「……」

男「……」

男「美少女には告白せずに前までの関係を続ける……のが一番か」

友「うん、俺もそれがベストだと思う」

男「……」

友「下手に美少女さんを拒むと違う形で被害に遭いかねない」

男「むぅ……その時はいっそのこと」

友「男それはダメだよ」

男「……」



49: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/16(火) 22:27:03 ID:18zC/GxA

友「たしかに男ならそれが可能だろうけど、でもそういうの一番嫌ってるのは他の誰でもない男だろ?」

男「大丈夫、わかってるよ」

友「まぁでもさ、男からの告白は奴らにとって“遊び”でしかない」

友「期限内に告白させることができたら美少女側の勝ち。期限を過ぎたら美少女側の負け、仲間内で賭けて遊んでいるんだ」

友「期限が過ぎるまで無難に過ごせば、男も標的から解除されて被害もなく解放されるんじゃないかな?」

男「……」

友「間違っても告白だけは絶対しちゃ駄目だからね!」

男「ああ、わかってるし、そんな気はさらさらない」



50: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/16(火) 22:28:37 ID:18zC/GxA

友「でもなぁ……美少女さん、男の態度の変化に気付いてるっぽいから面倒なことにならなきゃいいけど」

男「……」

友「それと……期限が過ぎるまで女さんともあまり親しくしない方がいいと思う」

男「ああ」

友「美少女さんプライド高そうだから女さんにヘイトが向かないようにしなきゃ」

男「それだけは絶対阻止する」

友「じゃあ無事過ごせるように頑張ろう!俺も色々調べてみるよ」

男「なんか、悪いな。正直お前がいてよかった、心強いよ」

友「全然!感謝するのはこっち方さ!第三者でこんな面白いことに参加できるんだもんっ」

男「お前なぁ!」

友「あはは、それじゃあね!」

男「ああ、また明日」



51: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/16(火) 22:31:58 ID:18zC/GxA

6/19(金)

女「おはようございます」

男「おう、おはよ」

男(女にも事情を話しておいた方が……いいよな?)

女「あ、あの、男くん?」

男「ん?」

女「今日もしよろしければ……その」 モジモジ

男「??」

友「おっはよーお二人さんっ」

男「おー友おはよ」

女「あ、おはようございます」

男「……」

女「……」

友「あれ?もしかしてタイミング悪かった感じ?」



52: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/16(火) 22:33:47 ID:18zC/GxA

女「い、いえ!そんなことは……」

男「そうだ、なんか言いかけてなかったか?」

女「えっと、それは、また後で……」

男「?」

友「あちゃー、ごめんね女さん!ほんと悪気はなかったんだ」

女「そ、そんな!とんでもないです」

友「あはは、女さんっていつも敬語だよね!気にしなくてもいいのに」

女「え、えと、その」



53: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/16(火) 22:35:09 ID:18zC/GxA

友「同じクラスなのに距離感じちゃって寂しいなー」

女「あ、あの、その……ごめんなさい」シュン

男「からかってるだけだ、気にすんな」

友「あはは!ごめんごめん」

女「そ、そうですか」ホッ

友「……ふむふむ、なるほど」

男「なに勝手に納得してるんだ?」

友「ま、頑張ってよ」ポン

男「……」

女「?」



54: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/16(火) 22:36:30 ID:18zC/GxA

教師「えー、これがこうだからして、こうなのである」

男(女に事情を話したいところだけど、学校だと美少女グループに見られる可能性もある)

男(考え過ぎかもしれないが、できるだけ不安要素は排除したい)

男(俺は女に酷いの事をした。これ以上酷い目に合わせたくない)

男(なんとか事情を話して俺と関わらないようにできれば……)

男(どうすっかなぁ)

男(すぐ後ろの席には女がいるのに……もどかしい)

男(そうか!すぐ後ろにいるのか)



55: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/16(火) 22:39:54 ID:18zC/GxA

男「……」 スッ

男『話したいことがある、昼休み昨日の場所集合で』カキカキ

男(これをこうして)ビリッ

男(周りにバレないように……手だけうしろに)ヒラヒラ

男(気付いてくれ)

スッ

男(よし!)

男「……」

女「……」

チョンチョン

男「?」



56: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/16(火) 22:44:50 ID:18zC/GxA

スッ

女『わかりました。実は今日、お弁当オカズを作り過ぎてしまったのでよろしければ如何ですか?』

男「……」

男『ありがとう、また貰っちゃっていいのか?』カキカキ

スッ

チョンチョン

女『はい。でも……あまり期待しないで下さい』

男「……」

男『楽しみにしてる。じゃあまた後で』

男(あ……美少女が昼誘いにきたらどうしよう……)



57: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/16(火) 22:47:07 ID:18zC/GxA

男「友!実は、女に事情を説明するために昼を一緒に過ごすことになった」

男「ということでもし美少女がきたら口裏合わせ頼む!」

友「えー!!ちょっと男!第三者の俺を巻き込まないでよー!」

男「今回だけ、頼むよ」

友「はぁ、しょうがないなぁ。わかった今回だけね!」

男「サンキュー、助かる!」

友「上手いこと言っておくから任せておいて」

男「上手いこと?」

友「そうと決まればほら、早く行った行った」

男「お、おう」



58: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/16(火) 22:49:18 ID:18zC/GxA

男「女は……あれ?まだ来てない」

男「俺より先に教室でていったはずなのに」

男「まさか!?」

女「お、お待たせしました~」

男「女!大丈夫か?」

女「へ?」

男「あれ?」

女「どうかしましたか?」 キョトン

男「あ、いやなんでもない」

女「??」

女「では準備しますね!」

男「準備?」

女「はい!」



59: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/16(火) 22:51:15 ID:18zC/GxA

男(可愛い柄のシートを広げて、水筒置いて、弁当箱が二つ)

男「……なんというか……用意周到だな」

女「っ!!」

女「そ、そうですよね!?じ、自分でもやりすぎかなぁ、ご迷惑かなぁって……その、ごめんなさい」 シュン

男「いや昼用意してなかったし、助かるよ」

女「ほ、ほんとうですか……?」

男「ああ、それにありがとな、嬉しいよ」 ポンポン

女「ぁ……」

男「あ、悪い、つい」

女「い、いえ……」

男「さて早速頂きますか」

女「はいっ」



60: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/16(火) 22:52:29 ID:18zC/GxA

――――
――

男「ご馳走様、大変美味しゅうございました」

女「ふふふ、お粗末様でした」

男「ほんとありがとう、だけど作ってくれるのは今日だけで大丈夫だから」

女「え……やっぱりご迷惑でしたか……?」

男「違う!そんなことないんだ。ただ暫くは美少女と食べることになるかもしれない」

女「!?」

男「その話をしたくてここに呼び出した」

女「……男くんは、やっぱり美少女さんのことを……」 ボソ

男「ん?」

女「……いえ」



61: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/16(火) 22:55:28 ID:18zC/GxA

男「昨日話したこと覚えてるか?」

女「」コクン

男「今の俺は美少女たちグループのターゲットになっているんだ」

女「……」

男「俺と関わっていると女も巻き込まれる可能性がある」

女「……」

男「最初に巻き込んだ俺がいうのもなんだけど、女にはこれ以上迷惑かけたくない」

女「そんな!私は迷惑だなんて!」

男「ごめん」



62: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/16(火) 22:57:13 ID:18zC/GxA

女「……また」

男「……?」

女「また私の感情は無視ですか?」

男「……」

女「私、私は……なんなんですか……」 ジワッ

男「女……」

女「……ぐすっ……」

男「美少女たちのゲームには期間がある。その期間を終えれば俺は解放されるはずだ」

女「……」

男「だから……」

女「……」



63: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/16(火) 22:59:50 ID:18zC/GxA

男(だからなんだ?)

男(待っててくれと?)

男(自惚れるな、俺)

男(まるで女が俺に好意を抱いてる前提の考えじゃないか)

男(それに俺のこの気持ちは……女に対する罪悪感からくるものかもしれない)

男「片付けてもう行こうか」

女「……はい」

男「先に行っててくれ、後から俺も行くから」

女「……はい、わかりました」



64: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/16(火) 23:01:57 ID:18zC/GxA

――教室

友「あ、おかえり~」

男「ああ」

友「どうしたのさ暗い顔して」

男「ちょっとな」

友「ふーん、あ、そういえば美少女さん来てたよ」

男「マジか」

友「上手く断っておいたからね!」

男「おお!流石!サンキュー」

友「ふふふ、お安い御用さ」



65: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/16(火) 23:03:52 ID:18zC/GxA

男「ふぁぁ!一週間終わったー」

友「たまんないよねっ!金曜日の放課後のこの開放感!」

男「ああ、本当にな」

美少女「やっほー男くん」

男「!?」

美少女「男くん、ごめんね?まさか男くんがそんなに私を想ってくれてるなんて」

男「はい??」

美少女「ね、早く一緒に帰ろ?」

女「……」

男「お、おい、友!どういうことだ?」 コソコソ

友「エー?ナニガー?」

男「なんだその棒読みは!」



66: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/16(火) 23:05:38 ID:18zC/GxA

美少女「…………」チラッ

女「?」

美少女「さ、行きましょ、男くん」

男「あ、ああ……」

スタスタ スタスタ

女「……」

友「行っちゃったね」

女「……」

友「女さん、ちょっと時間あるかな?」

女「え……?」



67: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/16(火) 23:07:43 ID:18zC/GxA

美少女「友くんから聞いたよっ、この前私と一緒に帰れなくて拗ねちゃったって」

男(あの野郎……)

美少女「最近男くんの様子がおかしかったからずっと心配してたんだよ?」

男「……」

美少女「でもそこまで私の事、考えてくれてたってことだよね?」

男「ああ、そうだな考えてたよ」

男(違う意味で考えてたから嘘は言っていない)

美少女「嬉しい」

男「……」



68: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/16(火) 23:10:10 ID:18zC/GxA

男(そういえば告白の現場は動画撮影するって言ってたな)

男(今は周りに取り巻きがいる気配もないし、ちょっとカマかけてみるか)

男「美少女、ちょっといいか?」

美少女「なぁに?男くん」 キュッ

男(俺の裾を掴みながら小首を傾げて上目遣い……冷静になってみるとすげぇなこいつ)

男「その冷たくしちゃってごめんな」

美少女「ううん、いいの。今こうして男くんといるだけで幸せだから」

男(よくもまぁ、そんな言葉がスラスラ出てくるもんだ)



69: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/16(火) 23:12:04 ID:18zC/GxA

男「どうして美少女みたいに可愛い子が俺に構ってくれるのか、そう考えたら不安になったんだ」

美少女「男くん……」

男「いっそ離れようと思った。だけどそう思えば思うほど……」

美少女「……」

男(俺もよくこんな言葉スラスラ出せるな、自分でも驚きだ)

男「美少女、聞いてくれ。大切な話がある」

美少女「!」

男「俺はずっとお前のことが…………」

美少女「待って!」

男「え?」

美少女「その、ごめん、緊張しちゃって」

男「……」



70: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/16(火) 23:19:06 ID:18zC/GxA

美少女「心の準備がしたいの、明日……はお休みだから来週の月曜日、放課後に続きを聞かせてほしいな……だめ?」 ウルウル

男(準備……ね、なるほど)

男「いや、なんでもないんだ、忘れてくれ」

美少女「え……?」

男「ちょっと俺も軽率過ぎたっていうか、今のこの時間も大切にしたい」

美少女「じゃ、じゃあ月曜日は……」

男「ごめん、それも一旦白紙にしてくれ」

美少女「……わかった、待ってるね。もし、男くんに決心がついたら事前に教えてほしいな」



71: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/16(火) 23:21:04 ID:18zC/GxA

男「事前に?」

美少女「女の子には色々あるのっ」

男「そうなの?」

美少女「だって少しでも可愛く見せたいじゃない……メイクとか、可愛い下着とか……」 ボソ

男(おー、わざと聞こえる位の小声で喋るとかすげーテクニック)

男「そ、そうか」

美少女「私、待ってるから……」 キュッ

男「!」

男(ここで小指と小指を絡ませてくる……だと!?)

美少女「じゃあ私、こっちだから……また来週学校でね」

男「お、おう、またな……」



72: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/16(火) 23:25:20 ID:18zC/GxA

――自宅

男「はぁぁぁ……疲れたぁぁ」

男(ヤバい……事情を知ってたからよかったものの)

男(ちょっと前まで本気で惚れてたんだ……あの小技連発は……すげぇ破壊力だな)

男「ん?友からメールが……」

友『明日、男の家に遊びに行っていい??』

男『好きな時間にきていいよ』

友『りょーかい!』



75: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/17(水) 08:16:16 ID:VrmJkNro

6/20(土)

友「男の家にくるのも久しぶりだー」

男「そうだっけ?」

友「そうだよ、最近男は美少女さんとばっかり一緒だったじゃないか」

男「たしかに」

友「で、昨日はどうだった?」

男「おかげさまで」

友「ナイスフォローだったでしょ?」

男「ああ、おかげさまで」

友「ならよかった。一肌脱いだ甲斐があったよ」

男「すげー疲れたけどな」

友「あははっ、それは是非見学したかったなぁ」

男「はぁ」



76: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/17(水) 08:26:39 ID:VrmJkNro

友「なんだかんだ言っても俺ってば男に頼られると嬉しくてさ、ついついお節介焼いちゃうんだよねー」

男「そうですか」

友「だから女さんの方にもバッチリフォローしておいたよっ」

男「はぁぁぁ!?」

友「ははは」

男「おい、友!お前、女になにを吹き込んだ?」

友「吹き込んだなんて人聞き悪いなぁ」

男「いいから答えろ」

友「ほら男ってさ、思ってたことすぐ口に出す割には口下手でしょ?」

男「ぐっ……」

友「昨日二人して暗い顔してたからさ、俺の方から改めて説明しただけだよ」



77: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/17(水) 08:29:05 ID:VrmJkNro

友「美少女さん達グループについて、と」

友「今、男が置かれている状況、女さんに及ぶ危険の可能性」

友「もちろん余計なことは言わずに事実だけを伝えたよ」

男「そうか……」

友「あと誤解がないように言っておくけど、美少女さんへのフォローの件も悪意はないからね?」

男「大丈夫、それはわかってる」

男「美少女たちの賭けに気付いてることを悟られないように、だろ?」

友「うん。賭けのことで口封じに何されるかわからない怖さがある。美少女さんとその取り巻きはちょっと厄介な相手だからさ」



78: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/17(水) 08:30:35 ID:VrmJkNro

友「あとは男の演技力次第かな」

男「演技力?」

友「ほら態度変えちゃったら怪しまれるでしょ?惚れてる設定はそのまま引き継がなきゃ」

男「あーわかってる、わかってはいるが……うーん」

友「難しいよね、男は不器用だから」

男「……」

男「友、突っ掛かってごめん、それにありがとう」

友「いいって、慌てる男が見れて楽しかったし」



79: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/17(水) 08:31:44 ID:VrmJkNro

男「それと……女から何か聞いたか?」

友「何かって?」

男「……いや、なんでもない」

友「男と女さんの間に何があったかは聞いてないし、知らないよ」

男「そう、か……」

友「でも女さんの事は色々聞いちゃったかな~」

男「どんなことを?」

友「それは女さんのプライバシーに関わることだから教えられないね」

男「……むぅ」

友「気になる?」

男「別に……」



80: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/17(水) 08:32:36 ID:VrmJkNro

友「女さんってさ、すごくいい子だよね」

男「ああ、そうだな……本当に」

友「彼女、見た目は敢えて地味にして目立たないようにしてると思う」

男「ん?どういうことだ?」

友「根拠はないけど、なんとなく?」

男「んー」

友「ここだけの話、女さんを狙ってる人は結構いるよ」

男「そうなのか?」

友「やっぱり知らなかったのか。どんな地味にしても可愛い子は可愛いからね」

男「……」

友「ははっ、じゃあこの話は置いておいてゲームしようゲーム!」

男「ああ」



81: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/17(水) 08:33:44 ID:VrmJkNro

――夜

男(すごくいい子……か)

男(その通りだ、最近一緒に過ごすことが増えたから実感してる)

男(そんな子を俺は……)

男「はぁ……」 ゴロン

男「そういえばこのベッドだったな……」

男「むー」



82: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/17(水) 08:52:08 ID:VrmJkNro

6/22(月)

友「よっ!また1週間始まったね、男っ」

男「おはよ友」

友「おはよー」

男「はぁ」

友「朝から溜め息なんて縁起悪いよ、男っ」

男「そうはいってもなぁ」

友「ところで男は美少女さん達の“遊び”の期限、いつまでか考えたことある?」

男「いや、漠然としか」

友「ある情報筋の話からすると期限は1ヶ月じゃないかと思ってる」

男「1ヶ月……え、ってことは……」

友「そう、もう期限はかなり近いよ」



83: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/17(水) 08:53:22 ID:VrmJkNro

男「え、ちょっと待て、そんな経ってたっけ?」

友「よく思い出してごらんよ」

男「えーと、あれ?」

友「しょーがないなー」

友「えーと、美少女さんが男に接触してきたのを1週目だとすると」

友「美少女さんにメロメロになったのが2週目」

男「メロメロって……」

友「美少女さんの秘密を知って女さんと面識を持つようになったのが3週目、先週だね」

友「ってことは今週は?」

男「4週目」

友「うん、美少女さんが男に接触しはじめたのがちょうど今月6月1日だったから6月30日が最終日になるね」



84: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/17(水) 08:54:25 ID:VrmJkNro

男「接触した日とか、よく覚えてるな」

友「だって疑問だったし、なんで美少女さんが?って」

男「記憶力がすごい」

友「あはは、勉強には活かせてないけどね」

友「とにかく今週は美少女さんにとって追い込みの週になるから覚悟した方がいいかもよ?」

男「マジか」

友「美少女さんの誘惑に耐えられるか俺は男が心配だよ」

男「それはない、絶対に」

友「でもボロださないように気を付けてね」

男「……努力はする」



85: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/17(水) 08:58:06 ID:VrmJkNro

――昼休み 教室

美少女「だ~れだっ」

男「美少女」

美少女「正解っ!」 ギュッ

男「正解もなにもこっちくるの見えてたし」

美少女「えへへ、バレてたか~」

男「あと離れてくれ……」

美少女「えーなんでー?」

男(後ろから抱きつかれて、クラスメイトの視線が……)

男「昼飯だろ?ほら行こう」



86: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/17(水) 09:01:59 ID:VrmJkNro

美少女「そうそう!なんと今日は!じゃじゃーん!」サッ

美少女「お弁当作ってきましたー!勿論男くんにだよっ」

男(弁当だと!?そんな事までするのか!?)

男(しかも大声で言うもんだから周りの視線が痛い……)

男「とりあえず行こう」

美少女「へ?私は別にここで食べてもいいけど」チラッ

女「……」

男「中庭に行こう」

美少女「はーい」

女「……」

男(視線が痛い……)



87: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/17(水) 09:03:32 ID:VrmJkNro

――中庭

男(惚れてる設定で)

美少女「それでね、モブ美ったらさー」

男(惚れてる演技で……)

美少女「ウケるよねー」

男「ははは」

美少女「あ、この前これ買ったんだ~」

男(なんでこいつは上手く笑えるんだ?)

美少女「じゃーん!どう?可愛くない?」

男「すげーなお前」

美少女「え?なにが??」

男「すげー楽しそうにできるのな」

男(……あ、やべっ、失言!)

美少女「……どういうこと?」

男「あ……いや……毎日楽しそうで羨ましいなって」



88: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/17(水) 09:05:19 ID:VrmJkNro

美少女「…………楽しいよ、友達といるのも男くんといるのも」

男「……」

美少女「男くんは私と一緒じゃ楽しくない?」

男「俺は」

美少女「それとも、あの子と一緒の方が楽しい?」

男「え?」

美少女「あなたの後ろの席の子」

男「――!」

美少女「……」

男「なに言ってるかよくわからんが」

美少女「私だけ見てくれなきゃイヤだよ?男くん」 ニコッ

男「……」

美少女「じゃあまた放課後迎えに行くね」

男「あ、ああ」



89: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/17(水) 09:07:16 ID:VrmJkNro

男「なぁ友」

友「どうしたの?」

男「美少女が怖いんだが」

友「え、なにかあったの?」

男「女のことを、釘刺された」

友「女さん?」

男「私だけを見てねって」

友「もしかして女さんと一緒にいるところを見られた?」

男「わからない……ただ昼飯のときは周囲を警戒してたから見られてはいないはず」

友「踊り場のスポットは人がきたら足音ですぐに分かるからね」

男「ああ」



90: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/17(水) 09:09:42 ID:VrmJkNro

友「だとすると……そこに行くまでの間かな」

男「この前の金曜は別々に行ったけど」

友「…………ん?」

友「あっ!!」

男「??」

友「その前の日、木曜日だ!俺が屋上前の踊り場を教えた日!」

男「……あの日はたしかに女と踊り場に行ったな」

友「あの日の昼休み、廊下に美少女さんの姿を見た気がするんだ……」

友「男を誘いに教室にこなかったから少し気になってたんだ」

男「マジか……」



91: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/17(水) 09:11:01 ID:VrmJkNro

友「美少女さんは男と女さんの関係を怪しんでる。これは確定だね」

男「……」

友「美少女さん達の“遊び”を男が知ってしまったことには気付かれてないよね?」

男「実はこの前、美少女にカマかけた」

友「えっ!?」

男「かくかくしかじか」

友「男~、お前ってやつはなんて危ない橋を渡るんだ!」

男「だって気になるだろ?告白を動画撮影なんてそう都合良くできるものなのかって」

友「それは俺も疑問だったけど……」



92: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/17(水) 09:12:04 ID:VrmJkNro

友「いや、待てよ」

友「考え方によっては思わぬ収穫だったかもしれない」

男「だろ?」

友「でも危険すぎる!美少女さんがどこまで気付いてるのか、それは俺にもわからないけど侮っちゃだめだよ」

男「……」

友「男、確認だけど、穏便に済ませるベストな方法は?」

男「美少女に惚れてる体で期間が過ぎるのを待つことだろ?」

友「その通り!」

男「難しいなぁ」

友「あ、やべ、もう授業始まるっとりあえず教室に戻ろう」



93: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/17(水) 10:40:13 ID:VrmJkNro

――放課後

友「男!放課後だよ!」

男「言われなくても分かってる」

友「今日、美少女さんは?」

男「迎えにくるらしい」

友「すごい執念だなぁ。ここまでくると一体何を賭けてるのか気になるところだね」

男「あ、そうだ女!」 クル

女「?」

男「これ、俺のID。何かあったら連絡して」 スッ

女「えっ!?は、はい……」



94: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/17(水) 10:41:30 ID:VrmJkNro

友「男は寂しがりだから用事なくても連絡してあげてね」

男「おい」

女「え、えと……」

友「女さん、男にメッセージ送るとすぐ既読つくから面白いよ」

男「そんなことないだろ」

友「そんなことあるよ」

女「ふふ」

友「あ、美少女さんがくるよ」 ボソ

男「え?あー……」

女「……」



95: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/17(水) 10:43:33 ID:VrmJkNro

ガラガラ

美少女「男くんっ、一緒に帰ろ?」

男「……」

友「おーこれはこれは美少女さん、今日も男と一緒に帰るのかな?」

美少女「うん、そうだよ」

友「最近男が構ってくれなくて寂しいからさ、たまには俺にも貸してよー」

美少女「えー、だめー!男くんは渡さないもん」ウデギュー

男「……」

ザワザワ ザワザワ

美少女「行こっ、男くん!」グイ

男「」コクン

友「裏切り者ー!」



96: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/17(水) 10:44:40 ID:VrmJkNro

美少女「じゃあね友くん、それと女さん」

女「!」

男「……」

友「じゃあねお二人さん、また明日ー」

女「……」

友「すごいなー、昼休みの時もそうだったけど以前にも増して積極的だ」

友「さて俺も帰ろっかな、女さんはどうするの?」

女「……」

友「女さん?」

女「え!?あ、はい!えと、私はお友達と約束があるので」

友「それじゃあ女さんもまた明日ね」

女「はい」



97: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/17(水) 10:45:41 ID:VrmJkNro

――帰り道

美少女「ねー、男くんは女さんと仲良いの?」

男「……ただのクラスメイトだよ」

美少女「でもお互い気にしてる感じがする」

男「それこそ気のせいだろ」

美少女「えー、女の子はそーゆーのすぐ分かるんだからっ」

男「でも本当になにもないから」

美少女「ふーん」

男「……」

美少女「ねぇ、私と女さん、どっちが男くんのタイプ?」

男(なんだこの質問は……美少女と答えるべきなんだろうが本性知っちゃってるし)



98: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/17(水) 10:47:01 ID:VrmJkNro

男「……そんなの言わなくても分かるだろ?」

美少女「ちゃんと言葉にして欲しいのっ!」

男「お前だよ……」

美少女「っ、嬉しい……」ウデギュッ

男(なんだこの茶番……)

男「美少女は何で俺と一緒にいるんだ?」

美少女「え?」

男「お前くらい可愛ければ選びたい放題だろ」

男(さあなんて答える)

美少女「むー、選びたい放題って言い方は好きじゃないな」プンプン

男「そうだな、すまん」



99: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/17(水) 10:49:48 ID:VrmJkNro

美少女「男くんと一緒にいる理由は、今の関係じゃ教えてあげないもーん」ウデギュー

男「はは、は……」

男(答えをはぐらかしつつ遠回しに告白を催促するとは……逆に感心するわ)

美少女「男くん、なんか変わったね」

男「え?」

美少女「うん、前はどっちかというと可愛い感じ」

男(腕組まれただけでキョドるチョロい童貞とか言ってたな)

美少女「今は落ち着いてるというか余裕がある感じ」

男(本性知って夢から覚めただけです)



100: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/17(水) 13:28:24 ID:VrmJkNro

美少女「私は今の男くんの方が好き、かな」///

男(こいつ赤面まで自由自在かよっ!)

男「美少女にそんな風に言われて光栄だな」

美少女「……」シュン

男「?」

美少女「でも少し寂しい……」

男「……」

美少女「男くんとの距離が離れてる気がして……不安なの」ウル

男(気のせいじゃないですよとは口が裂けても言えない、なんて答えるべきか)



101: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/17(水) 13:29:30 ID:VrmJkNro

男「……」

美少女「黙ってちゃ余計不安になっちゃうよ」

男(なんも思いつかねー)

美少女「!!」

男「ん?」

美少女「男くんっ!」ぎゅっ

男「なっ!?」

男(なんでハグ?意味がわからな――)

男「えっ……」

女「……あっ」

メガネ娘「どうしたの?女ちゃん」

女「う、ううん、なんでもないよっ、いこっ」

メガネ娘「?」



102: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/17(水) 13:30:28 ID:VrmJkNro

美少女「……」バッ

男「なんで急に抱きついた?」

美少女「女さんがいたからつい、見せつけちゃった、てへ」

男「……」

美少女「怒ってる?」

男「まさか、怒る理由がない」

美少女「ほんと?よかったー」

男「でもビックリするから急に抱き付くのは勘弁してくれ」

美少女「はーい、じゃ帰ろっ、男くん」ニコッ



103: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/17(水) 15:25:57 ID:VrmJkNro

――自宅

男「はぁ……疲れた……」ドサッ

男「…………」

ピロン

男「ん?」スッ

女『女です、登録よろしくお願いします。』

男『了解』

女『本当にすぐ既読つきました。』

男『たまたまだ』

女『あの、、』

女『通学路でああいう事するのは良くないと思います。教室では論外です。』

男『あれは美少女が急に抱き付いてきたんだ』

女『それでも良くないと思います。』

男『次から気を付ける』



104: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/17(水) 15:27:52 ID:VrmJkNro

女『美少女さん、私がいたからわざとあんな事したんですよね?』

男『ああ、本人もそう言ってた。どうやら俺の態度が変わった原因は女にあると思ってるみたいだ』

女『男くん、あの、非常に言いにくい事ですが……あの事、誰かに話しましたか?』

男『?』

女『なんでもありません。』

男「ん?どういうこと――あ、そういうことか」

男『誰にも話してない、もちろん友にも。そっちは?』

女『私もです。ではなぜ美少女さんは私に原因があると思ったんでしょう?』



105: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/17(水) 15:32:04 ID:VrmJkNro

男『美少女は女の勘って言ってたが、友曰く昼休みに俺と女が一緒にいる所を目撃されたらしい』

女『あの場所をですか?』

男『いや、それは恐らく大丈夫。その道中じゃないか?』

女『そうでしたか。』

男『すまん、なるべく迷惑かけないように努力する』

女『謝らないで下さい。私は大丈夫です。』

男『そうか。じゃあまた明日学校で』

女『はい。お時間取らせてすみませんでした。失礼します。』

男「ぷっ、女は文面だとより堅いな」

男「はぁ」ゴロン

男(俺の態度が変わった原因……か)



106: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/17(水) 15:34:32 ID:VrmJkNro

6/23(火)

美少女「男くんっ、おはよ!」ヒョコ

男「え?なんでここに……」

美少女「男くんと登校したくて、駅で待ってたんだ」

男「そ、そうか」

美少女「もしかして……迷惑だった?」シュン

男「……いや、驚いただけだ」

美少女「ほんとに?」

男「ああ」



107: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/17(水) 15:36:12 ID:VrmJkNro

美少女「よかったー、じゃ行こっ?」ウデギュー

男「別にくっつかなくてもいいだろ」バッ

美少女「きゃっ」

男「あ、ごめ――」

美少女「…………」

男「……」

美少女「もー男くんってば、恥ずかしいの?」

男「あ、ああ、人前ではやめてほしい、かな」

美少女「私は全然気にしないのになぁ」

男「……」



108: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/17(水) 15:39:07 ID:VrmJkNro

――昼休み

男「はぁぁぁ……やっと昼休みだ……」

友「お疲れ様、まさか全ての休憩時間に顔出してくるとはね」

男「授業中が一番幸せと思える日がくるとは」

友「ははは、学生の本分を全うしてるね!」

男「はぁ」

友「お、早速来たみたいだよ」ボソ

男「!!」



109: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/17(水) 15:40:09 ID:VrmJkNro

男「……」ガタ

友「ん?どうしたの?」

男「これ以上、教室で注目を浴びたくないからこっちから出迎える!」

友「おお、頑張って!」

ガラッ

美少女「男く――」

男「よし、行こうか」

美少女「えっ?ちょっと待ってよー」



110: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/17(水) 15:41:59 ID:VrmJkNro

――放課後

友「今日も終わったねー、男はまた美少女さんと帰るんだろ?」

男「ああ」

友「そんな一緒にいてよく話題が尽きないよね、美少女さんは」

男「そこは素直に感心してるよ」

友「一体どんな話をしてるのさ?」

男「うーん、よくわからん。内容なんてないようなものだし」

友「……男がサラッとダジャレを……しかも面白くない」

男「別に狙って言ったわけじゃないよう」

女「ぷっ」

友「ウソっ!?女さんにはウケてる!!」

男「ふ」ドヤァ

友「なにそのドヤ顔!」

女「ぷっ、くふふ」



111: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/17(水) 15:45:27 ID:VrmJkNro

美少女「男くんっ!」ガラガラ

友「やー、美少女さん」

美少女「なんか盛り上がってたみたいだけど、何かあったの?」

友「ああ、男がオヤジギャグ連発しててね」

美少女「オヤジギャグ?なにそれ聞きたーい、ねぇねぇ男くん」

男「勘弁してくれ……」

美少女「女さんには言って私には言ってくれないんだ……」

男「別にそういうわけじゃ……」

美少女「……」

男「ジョニーは向かった便所にー」

美少女「……え……」

友「うわぁ、やっちゃったね、男……」

女「ぷっ!!くふふふ」

友「女さん!?」

美少女「……」ジー



112: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/17(水) 15:49:41 ID:VrmJkNro

美少女「男くん、帰りながらもっと聞かせて」ウデギュッ

男「は!?嫌だっ!てかくっつくなって」グイッ

友「男は恥ずかしがり屋だからね~ごめんね美少女さん」

美少女「朝も照れてたよね?可愛いっ」ギュゥゥゥゥ

男(友、余計なことを!)

男(そうか拒絶しすぎると不審に思われるからか)

男(でも教室では……)チラッ

女「……」ムス

男「はぁ、わかった帰ろう美少女」

美少女「うんっ」



113: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/17(水) 15:51:57 ID:VrmJkNro

6/24(水)

男「おはよ」

友「おはよー」

女「おはようございます」

友「今日も朝からお勤めご苦労様」

男「なぁ友、聞きたいことがある」

友「なに?あ、場所変える?」

男「いやここでいい、下手にコソコソするのもどうかと思うし」

友「一理あるね。それで聞きたいことって?」

男「俺と美少女の仲って噂になってたりするか?」

友「うん、そりゃね!昨日と一昨日でかなり噂になってるよ」



114: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/17(水) 15:53:27 ID:VrmJkNro

男「やっぱりか……過去のターゲットの時も4週目はこんな感じだったのか?」

友「その事なんだけどあれから美少女さんについて少し調べてみたんだよね」

男「?」

友「今回の男のように美少女さんが誰かと親しくしていたって情報はみつからなかったんだよ」

男「どういうことだ?」

友「美少女さんがこんなに接触したのは男が初めてかもしれないってこと」

男「え?でも過去に被害を受けた男子がいるって」

友「うん、いる。告白現場の動画撮られてたってのも本当だよ」



115: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/17(水) 15:55:16 ID:VrmJkNro

男「えーと、ろくに接触もせずに惚れさせたってことか?」

友「うーん……それか標的にしたわけじゃなく、たまたま美少女さんに告白してきた男子が被害にあったか……」

男「うん?なぜ?」

友「それはまだわからないけど、気になるよね」

男「告白しただけで奴らグループの被害に遭うなんてたまったもんじゃないな」

友「それに面白いことがわかった。美少女さん過去に取り巻きの連中といざこざがあったみたい」

友「クラスを巻き込んでの騒動だったから当時俺も気にしてたけど、まさかそれに美少女さんが絡んでいたとはね」



116: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/17(水) 15:58:01 ID:VrmJkNro

男「なにがなんだかよく分からなくなってきた」

友「ま、変わらず美少女さんグループには要注意ってことかな」

男「うーん」

友「あのグループはいわばスクールカーストの上位だから」

女「ぁ……」

男「スクールカースト……そんなのあるんだな」

友「スクールカースト上位の彼女と、賭けの対象になるほど下に見てる男」

男「……」

友「そんな彼女が男に対して媚び諂うような真似をする事にすごく違和感がある」

男「なんか必死というか、焦ってる感じがするんだよなぁ」

友「なりふり構っていられない理由があるのかもしれないね。んーますます賭けの内容が気になるなぁ」



117: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/17(水) 16:01:02 ID:VrmJkNro

女「あの……美少女さんが男くんのこと本当に好きな可能性は……」

男「は?ないない」

友「それは俺も考えたことあるけど、男の言う通り可能性は低いと思う」

女「でも抱きついたりとか……」

友「参考程度に聞きたいんだけど、女さんは好きな人じゃなきゃそういう事に抵抗ある?」

女「ふぇ!?私!?えと……その」チラッ

男「……」

友「……」

女「ノ、ノ、ノーコメントで……ぅぅ」カァァァ

友「……男……女さんに何したのさ……」

男「ノーコメントで」



118: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/17(水) 16:20:28 ID:VrmJkNro

――放課後 教室

美少女「男くん、今日は寄りたいところがあるんだけどいいかな?」

男「いや、できたら真っ直ぐ帰りたいんだが」

美少女「うん、男くんはそれでいいよ!」

男「??」

男「まぁ帰っていいなら俺のことは気にせず美少女は好きにしたらいいさ」

美少女「うん!ありがと!」



119: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/17(水) 16:22:19 ID:VrmJkNro

――――
――

男「ん?こっちの電車?向こうじゃなくて?」

美少女「うん、こっち方面に用事があるの!」

男「そうか」

――――
――

男「……」

美少女「~♪」

男「俺の最寄駅だが……」

美少女「うん、知ってるよっ」

男「俺は帰るぞ?」

美少女「うん、いいよ!」

男「…………」



120: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/17(水) 16:37:36 ID:VrmJkNro

――――
――

男「おい」

美少女「?」

男「どういうつもりだ?」

美少女「??」

男「もう俺んちだぞ、ここ」

美少女「うん、ちょっとドキドキしちゃう」

男「…………」

男「じゃあな、また明日学校で」

美少女「え?なんで?」

男「なんでってなんで?」



121: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/17(水) 16:39:18 ID:VrmJkNro

美少女「お茶でも飲んでいくか?とかじゃない 、普通」

男「いやいやいや、俺は真っ直ぐ帰るって言ったはず」

美少女「美少女の好きにしたらいい、とも言ってたよね?」ニコ

男「お前始めからそのつもりで」

美少女「うんっ」

男「絶対ダメだ、帰ってくれ」

美少女「やだ、帰らないもん」

男「親がいるんだよ」

美少女「親は深夜にならないと帰ってこないって前話してくれたよね?」

男「ぐ……」



122: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/17(水) 16:41:05 ID:VrmJkNro

美少女「ねえ、だめ?」

男「ダメなもんはダメ、ていうか家にくるって……もうちょっと警戒心を持てよな」

美少女「ドキドキはしてるよ?」

男「はぁ……お前を置いて俺は帰るぞ」

美少女「どうして……」ジワ

男「げっ……」

美少女「そんなに、私のこと嫌い?」ツー

男(涙まで自由自在かよっ!)

男「ちょ、それは反則だろ」

美少女「ぐすっ、うっ、うぅ……」ポロポロ

男「わかったから泣くなって」

美少女「ぐすっ、じゃあ入れてくれる?」

男「それはダメ」



123: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/17(水) 16:43:28 ID:VrmJkNro

美少女「うぅぅ……」ポロポロ

近所「あら男くんおかえりって、どうしたの!?」

男「あ、近所さん!違うんですこれには事情が!」

美少女「ぐすっ、うぅ……」ポロポロ

男「あー、わかったわかったからもう泣くな!」

美少女「ほんと?」ピタッ

男「あ、ああ」

近所「大丈夫?おばさんでよければ話聞くけど」

美少女「大丈夫です、もう解決したので」ニコ

近所「あら、本当に?」

美少女「はい!ご心配おかけしました」ペコリ



124: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/17(水) 16:48:47 ID:VrmJkNro

近所「おばさんは行くけど男くん、こんな可愛い子泣かせたらダメよ?」

男「……はい」

近所「それにしても本当可愛い子ね……彼女かしら?」

男「いえ違います」

近所「ふふふ、それじゃあ私は行くから男母さんによろしくね」

男「はい」

美少女「ね、早くいこ?」クイ

男「はぁ……」

男(なんて恐ろしいやつだ)



127: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/17(水) 21:55:11 ID:VrmJkNro

――自室

美少女「へぇ~、ここが男くんの部屋……」キョロキョロ

男(この短期間で女子を二人も……)ズーン

美少女「意外と片付いてるね」

男「それで、何の用だ?」

美少女「わー、男くんのベッド」ポフッ

男「おい」

美少女「男くんの匂いがする」スリスリ

男「……はぁ」

美少女「男くんもこっちくる?」

男「いい、ていうか降りろ」

美少女「はーい」

男「ったく」

美少女「と見せかけて、えいっ!」グイ

男「おわっ!!」ドサッ



128: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/17(水) 21:56:57 ID:VrmJkNro

美少女「……」

男「……っ!」

男(美少女を押し倒すような形に!)

美少女「男くん」ウル

男「っ!」

男(こいつ可愛すぎるだろ……でも)

男(でも、このシチュエーションは)

女『男くん……』

男「!!」ガバッ

美少女「男くん?」

男「悪いけどもう帰ってくれ」

美少女「どうして?」

男「この部屋にいて欲しくない」

美少女「なんでそんな事言うの?」

男「出ていってくれ、頼むから」



129: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/17(水) 21:58:37 ID:VrmJkNro

美少女「………………」

男「……」

美少女「……んなよ」ボソッ

男「……?」

美少女「ふっざけんなよっ!!」ダンッ

男「!?」

美少女「てめー、マジいい加減にしろよ!!」

美少女「私が好き好んでこんな場所にいるはずねーだろ、ああ!?」

男「……」

美少女「さっさと私に告ればそれで終わりなのにズルズルとさぁ!!」

美少女「お前なんなんだよ!!あの日から急に態度変えやがって!!マジふざけんな!!」

男「……」



130: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/17(水) 22:06:31 ID:VrmJkNro

美少女「途中まで順調だったのに!!なんで!?どうして!!!」ジワッ

男(え??涙??)

美少女「これでやっと終わるのに!!このままじゃ……ううぅぅ」ボロボロ

男「…………」

美少女「告白してよ!!もう私を解放してよ!!」ボロボロ

男「美少女、俺知ってるんだ。お前らが何してるのか」

美少女「!!?」

男「偶然聞いてしまったんだ」

美少女「ぐすっ……まさか!!やっぱりあの時!?」

男「お前もおかしいと思ってたろ?友に上手い具合に騙されたみたいだけど」

美少女「…………」



131: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/17(水) 22:07:41 ID:VrmJkNro

男「俺は期限切れを狙ってお前と過ごしてた。もし知っているのがバレたらそれはそれで面倒なことになりそうだと思ってな」

美少女「そっか、そうだよ!!……あいつらに全部言ってやる!そうしたらお前も終わりだ!!」

男「……」

美少女「告白しろ、私に!そうしたら黙っててやる!」

男「よく分からんけど告白したら俺も終わりだろ?あいつらに良い様に扱われるなんてまっぴら御免だね」

美少女「じゃあ言ってやる!!あいつら新しいオモチャだと思ってすぐ飛んでくるぞ!」

男「言えばいいさ、その代わりお前の“賭け”も負け確定だけどな」

美少女「!!」



132: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/17(水) 22:09:28 ID:VrmJkNro

男「……」

美少女「……」

男「俺は今まで、この“遊び”はお前ら仲間内の悪ノリみたいなもんだと思ってた」

男「悪ノリにしちゃ度が過ぎてるし、ターゲットにされた方はたまったもんじゃないけど」

男「でもあの時も今もお前は『解放されたい』と言っていた」

美少女「……」

男「賭けってなんだ?なにか事情があるのか?」

美少女「は?なに?あんたに言ってどうなるわけ?それでどうにかなってるなら苦労しないわよ」

男「解放されたいってことはお前は縛られてるんだろ、奴等に」

美少女「そうよ!それがなに?あんたが告白して私を解放してくれるの?は、冗談は顔だけにしてよ」



133: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/17(水) 22:10:44 ID:VrmJkNro

男「理由次第だ、だから訳を聞かせろ」

美少女「バカじゃないの、私を哀れんでヒーロー気取りのつもり?」

男「どちらにしろお前がチクれば俺は奴等の直接的な標的になる。告白しても標的になる。だったらわざわざ二人とも被害を被る必要はないと思うが?」

美少女「そ、それは……」

男「お前が解放されるかされないか、その鍵は俺が握っている。違うか?」

美少女「………………」

男「じゃあ理由を聞かせろ、下らない理由なら俺はお前に告白しない」

美少女「……」

男「ただ理由によってはお前を解放してやる」

美少女「……上から目線ムカつく……」

男「あ、すまん、つい。本当のことを聞かせてくれ。じゃなきゃどうにもこうにも収まりが悪い」

美少女「……はぁ……どちらにしろもう終わりだし……」



134: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/17(水) 22:13:08 ID:VrmJkNro

美少女「いいわ、教えてあげる。何があったのか」

男「ああ」

美少女「DQNとヤンキーとギャルは知ってる?」

男「ああ、あの見るからに柄の悪い」

美少女「その3人があのグループのトップ」

男「見たまんまだな、驚きもない」

美少女「ちょっと茶化さないでくれる?」

男「悪い、真面目に聞く」

美少女「きっかけは……私が可愛過ぎたことが原因」

男「はっ!真面目に聞こうとした俺が馬鹿だった」

美少女「……」ジト

男「……続きをどうぞ」



135: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/17(水) 22:14:47 ID:VrmJkNro

美少女「去年、1年の頃から私はDQNに目を付けられてたのよ」

美少女「何故かあいつは間接的に私から色々なもの奪っていった」

男「間接的?」

美少女「あいつは直接動かないの。周りに指示をだすだけ」

美少女「そしてその時付き合ってた彼氏も、友達も私を避けるようになったわ」

美少女「そして気付いたら一人ぼっちになってた。クラスメイトからありもしない陰口を叩かれて無視されて……」

美少女「それでも一人だけ私と友達で居続けてくれる子がいたの。友子ちゃんってあんた知ってる?」



136: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/17(水) 22:15:55 ID:VrmJkNro

男「いや、知らない」

美少女「そう……すごく優しい子でね、自分も孤立しちゃうのにずっと一緒にいてくれて……」

美少女「そんな中、友子とお揃いで買ったペンケースとか筆記用具とか日記帳、別に高い物じゃないけど私たち……私にとって宝物だった」

男「お揃いの物が宝物?」

美少女「そう。どんな辛くてもそれを持ってると私は1人じゃないんだって思えて……なによ、笑いたきゃ笑いなさいよ」

男「笑わないよ」

美少女「ふーん……」



137: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/17(水) 22:22:21 ID:VrmJkNro

美少女「それでね、ある日の放課後……ほう、かご……」ジワッ

男「??」

美少女「クラスの皆が私と友子を囲む様にしてて、ニヤニヤしてた男子が早くやれよーって私たちに言って……ぐすっ」

美少女「私、訳が分からなくて……友子早く帰ろうって友子を見たら目にいっぱい涙ためてて……うっ、うう」

男「…………」

美少女「ぐすっ……友子は泣きながらずっと謝ってたの……ごめんね、美少女ごめんねって……私、やっぱり訳がわからなくて、なんで謝るの?って聞いたら……」

美少女「友子が泣きながら、謝りながら、自分が持ってるお揃い宝物を……壊しはじめた」



138: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/17(水) 22:23:33 ID:VrmJkNro

美少女「日記帳をビリビリに引き裂いてペンケースをカッターでボロボロにして……ずっと泣きながらごめんね、ごめんねって言いながら……」

美少女「頭が真っ白になった……なにも考えられなくなって言葉もでなくて……ぐすっ」

美少女「うっ、ううぅぅ」

男「……」

――――
――

男「落ち着いたか?」

美少女「……」コクン

男「続きを聞かせてくれ」

美少女「ふぅ……はぁ……」



139: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/17(水) 22:34:45 ID:VrmJkNro

美少女「教室の外にニヤついてるDQNの姿があったの、その瞬間悟ったわ。こいつが仕組んだことだって」

美少女「友子は次の日から学校にこなくなった。『私は気にしてないよ、誰が悪いか分かってるから大丈夫だよ』って連絡しても返事はこなかった」

男「今も学校にきてないのか?」

美少女「うん……」

男「そう、か……」

美少女「“条件”と“解放”。DQNがよく口にする言葉。本人はギブ&テイクだとか言ってるけどあんなの等価交換じゃないわ」



140: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/17(水) 22:35:51 ID:VrmJkNro

美少女「1年の頃付き合ってた彼氏はDQN達に目を付けられて嫌がらせをされるようになった。私と別れることを条件に解放された」

美少女「他の友人達もそう」

美少女「きっと友子にもなにかしたに違いないと思った私はDQNに詰め寄った。そうしたらなんて言ったと思う?『ちょっと仲間たちが可愛がっただけだ』ですって」

男「まさか!?それって」

美少女「最後まではしてないって、それは俺が止めたって得意気に言ってたわ。それで私の評価が変わるとでも思ってたのかしらね」

美少女「私は許せなかった。DQNのこともそれに従ってるやつらのことも。でも私にはどうしようもできない」



141: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/17(水) 22:37:02 ID:VrmJkNro

美少女「ならせめて!二度と私と友子に干渉しない様にできたら、友子はまた学校に来てくれるはず!って考える様になったの」

美少女「そうしてDQNに解放を求めることになったってわけ」

男「解放の条件は?」

美少女「この1ヶ月で男、あんたを落として告白させること」

男「え?」

美少女「もっと酷いこと覚悟してたから拍子抜けしちゃった」

男「え?どういうことだ?」

美少女「なによ、知ってたんでしょ?」

男「知ってたけど、俺だけ?他の男は?」

美少女「条件として指定されたのはあんただけよ」



142: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/17(水) 22:39:27 ID:VrmJkNro

男「俺が指定された?誰に?」

美少女「だーかーらー、DQNに!」

男「なんで?」

美少女「そんなもん私が聞きたいわよ!」

男「じゃあ他の男は?」

美少女「私に告白してきた男子のこと?」

男「あ、ああ」

美少女「あれは別に私はなにもしてないわ」

男「えぇぇ……」

美少女「ぼっちの私ってそんな簡単そうに見えるのかしら?以前にも増して告られるのよね」



143: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/17(水) 22:40:52 ID:VrmJkNro

男「動画撮影は?」

美少女「そんな事まで知ってるの?」

男「ああ、友から聞いた」

美少女「友?ああ……あいつね、ほんと油断できない奴……」

美少女「告白の場面を動画で撮ってたのは本番に備えての練習だって言ってた」

男「本番ってなんだ」

美少女「あんたが私に告白する時にしっかり撮影できるようにって」

男「あー」

美少女「私がしょっちゅう告白されてることはDQNも知ってたから、『そういう状況になったら校舎裏に場所を移して俺に伝えろ』って言われてたのよ」



144: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/17(水) 22:42:00 ID:VrmJkNro

男「その動画をネタに相手を揺すってたことは?」

美少女「してたみたいね。と言っても後から聞かされたんだけど。動画を消す条件がなにかは知らないけど告白してくれた人には申し訳ないと思ってるわ」

男「ほんとか?」

美少女「ここまでぶっちゃけて今更嘘ついてどーすんのよ」

男「ふむ」

美少女「てかあんたってDQNのなんなの?」

男「いや?話したこともないし知らない」

美少女「じゃあなんであいつは男に固執してるわけ?」

男「だから知らないっつーの!」

美少女「むー」



145: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/17(水) 22:44:22 ID:VrmJkNro

男(DQN達が俺を狙ってる、ということは……いずれ友や女も……)

男「……」ジー

美少女「なによ?」

男「……」ジー

美少女「だからなに?言いたいことあるならハッキリ言って!」

男「30日の放課後、校舎裏でいいか?」

美少女「え?」

男「美少女に告白する日」

美少女「な、なんで……」

男「美少女のこと勘違いしてた部分もある」

美少女「それは……事情を知らなかったんだし仕方ないでしょ」

男「まぁそういうことでDQNに言っておいてくれ」



146: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/17(水) 22:46:22 ID:VrmJkNro

美少女「で、でも、それじゃあ……男が」

男「俺のことは……まぁなんとかする」

美少女「それに恩を売るようなことされても私は……」

男「別に見返りとか求めてないから。それを求めたらDQNと同じだろ」

美少女「でも……」

男「DQNが俺に固執してるならどちらにしろ避けられない問題だしな。だったらお前だけでも解放した方がいいだろ」

美少女「私、酷いことしたのに……どうして」ジワ

男「なぁ美少女」

美少女「な、なによ!」ゴシゴシ

男「辛かったか?」

美少女「……別に……」

男「ずっと1人でよく頑張ったな」

美少女「っ!!」ブワッ

美少女「う、あ、ぁぁ、ううぅぅぅ……」ポロポロ

男「さぁ、どうすっかなぁ」



147: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/17(水) 22:48:47 ID:VrmJkNro

――――
――

美少女「」チーン

男「……」

美少女「はぁぁ、一生分の涙流した気分」

男「それは大袈裟だろ」

美少女「メイクもほとんど落ちちゃったし、ほんと最悪」

男「そうか」

美少女「でも……ありがと」ボソ

男「え?聞こえなかった、もう一回言って」

美少女「ありがとうって言ったの!聞こえてたでしょ!」

男「ふっ」

美少女「それと……今まで騙しててごめんなさい」

男「それは、まぁ、過ぎたことだから気にすんな」



148: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/17(水) 22:50:20 ID:VrmJkNro

美少女「あのさ、男は……」

男「?」

美少女「んーん、なんでもない」

男「途中まで言いかけてそれはないだろ」

美少女「男は前までは、えと、私のこと好きだったの?」

男「……ノーコメントで」

美少女「否定しないってことは私に惚れてたんだぁ?」ニヤ

男「だってしょうがないだろ……あんなに言い寄られたことなかったし、お前猫被ってたし」

美少女「へーそうなんだー」ニヤニヤ

男「言っとくけど、今は全然そういう気持ちはないからな」

美少女「でも借りを作りっぱなしっていうのも性に合わないから」スッ

男「?」



149: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/17(水) 22:52:54 ID:VrmJkNro

美少女「男……」ギュッ

男「!!?」

美少女「」チュッ

男「!!!??」

男「お、お、お、おま」パクパク

美少女「なによ、ほっぺじゃなくて口がよかった?もう欲しがりだなぁ男は」ぎゅぅぅ

男「違っ!な、なにしてんだよっ」

美少女「つい最近まで好きだった相手だし悪い気はしないでしょ?」スリスリ

男「わかった、降参だ!もう離れてくれ……」

美少女「はーい」スッ

男「お前なぁ……」

美少女「恩を売られっぱなしじゃこっちだって嫌だし、これでチャラになったとは全然思ってないけど他に思い付かなかったし……」



150: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/17(水) 22:54:14 ID:VrmJkNro

男「いいよ、これでチャラ。貸し借りなしだ」

美少女「男……」

男「時間ももう遅い、今日は帰った方がいい」

美少女「ん……わかった」

男「30日の件、ちゃんとDQNに伝えておけよ」

美少女「」コク

男「あ!あともう学校で俺のとこに来なくてもいいから」

美少女「そうね、理由もないし。そうさせてもらうわ」

男「じゃあ今度は30日の放課後、校舎裏で会おう」

美少女「うん……またね、男」

男「ああ、気を付けて帰れよ」

美少女「うん」



152: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/18(木) 08:22:20 ID:pdLtShs6

6/25 (木)

友「珍しいね、今日は美少女さんのこと一度も見てないや」

男「あー、それな。飯食いながら話すから一緒にどうだ?」

友「いいねー、久しぶりだ」

男「女にも来てほしいんだがいいか?」

女「え、あ、はい!いいんですか?」

男「むしろ聞いてほしいんだ」

友「どこで食べる?屋上前の踊り場でいい?」

男「そうしよう」



153: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/18(木) 08:24:07 ID:pdLtShs6

――昼休み 踊り場

男「まぁ端的にいうと、美少女に告白することにした」

女「!!!!???」

友「ええぇぇぇ!!?」

友「ちょっと男!どうしてそうなったのさ!」

男「実は昨日、俺の家に美少女がきてな」

女「!!男くんのおウチに美少女さんが……」

男「まぁそこで一悶着あったわけだ」

男「ざっくり説明すると」

男「かくかくしかじか」

男「とまぁそんな流れで告白することにした」

女「…………」

友「うーん……美少女さんのこと信用できるの?それが作り話だって可能性も」

美少女「別に信じてもらえなくても結構よ」

女「!?」
友「!?」



154: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/18(木) 08:25:42 ID:pdLtShs6

男「なんでここに……」

美少女「お邪魔させてもらうわね」ストン

男「お前――」

美少女「昨日あれだけ醜態見せたもの、今更どうこうするつもりはないわ。安心して」

男「一体何の用だ?」

美少女「男の気持ちが変わってないか確認しに来ただけよ」

女「よ、呼び捨て……」ボソ

男「俺の気持ちは昨日伝えた通りだ」

美少女「そう……じゃあ本当にDQNに言っちゃうけどいいのね?」

男「ああ」

友「待って美少女さん!」

美少女「なに?」



155: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/18(木) 08:30:06 ID:pdLtShs6

友「DQNが男を指名したって話は本当なの?」

美少女「そうよ。理由はわからないわ」

友「なんでだろう……」

美少女「あと男に聞きたいことがあるんだけど」

男「?」

美少女「なんでそんな余裕なの?」

男「余裕っていうか、なんで偉そうに条件とか決められて従わなきゃならないんだ?」

美少女「私も最初はそう思ってたわよ!けどあいつらは人の弱点を見つけるのが上手いの!」

男「うーん」



156: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/18(木) 08:31:16 ID:pdLtShs6

美少女「私にとって友子がそうだったように、男がもし従わなかったらその矛先は友くんや女さんに向かうことになるの!それでも耐えられるの!?」

男「その時は全力で抗う。そんな事は絶対にさせない」

美少女「あんたは分かってないのよ!!あいつらがどれだけ卑劣か!」

友「まあまあ二人とも落ち着いて」

男「俺は落ち着いているが?」

美少女「っ!……」ムス

友「男の話だけじゃ半信半疑だったけど、俺も美少女さんを信用するよ」

美少女「別に信用してくれなくても結構よ」

友「男のためを思ってわざわざ警告しにきてくれたんでしょ?もしこれも演技だったらお見事としか言いようがないね」

美少女「……」



157: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/18(木) 08:59:44 ID:pdLtShs6

友「男は言い出したら聞かないところがあるから何を言っても無駄だし、ここは一つ、男の決断に身を委ねるのはどうかな?」

美少女「……」

友「もしDQNたちの矛先が俺や女さんに向いたら、その時は男に全力で守ってもらうから」

男「ああ」

美少女「何を根拠にそう言い切れるの!?」

友「男は幼い頃から色んな習い事をやらされてたからね。例えば格闘技とか」

女「!?」

友「全力で守るってそう言う事でしょ?」

男「あくまでも最終手段だけどな」

美少女「男ってケンカ強いの……?」

男「自慢じゃないがケンカは一度もしたことがない」ドヤ

美少女「え?……はぁ、なにそれ」



158: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/18(木) 09:00:51 ID:pdLtShs6

友「男の親父さん、今時珍しい古風な人でね。男たるもの強くあれ!を地で突き進むような人なんだ」

友「男の友人って理由だけで俺も少し付き合わされたことがあるくらい」

男「ああ、あったなぁ」

友「あははは!」

女「だから男くん、ガッチリしてるんだ……」ボソ

美少女「そう?服の上からじゃよく分からないけど」

女「あ……あれ?そうかな、あはは……」

美少女「言われてみれば抱きついた時、胸板厚かったような……」

男「ゴホン」



159: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/18(木) 09:02:07 ID:pdLtShs6

友「案外男に任せるのは悪くないかもよ?もしかしたらDQNたちに一泡吹かせられるかもしれないし」

男「あくまでも自衛できる手段を持ってるってことだ。暴力で解決とかは好きじゃない。でも脅しには屈しないし、もし友や女が危険に晒されるその時は……暴力を使わずになんとかしてみる」

友「動画とか撮っちゃう連中だしね。下手に殴っちゃうと相手に餌を与えちゃうようなもんだからね」

男「でも、それでもどうにもならなそうなら……その時は遠慮なく行かせてもらう」

女「そんな!どうしてそこまで……」

美少女「それほど友くんと女さんが大切なんでしょ?いいわね、愛されてて」

女「……」

友「あはは、男は友達少ないからね~」

男「……」



160: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/18(木) 09:03:13 ID:pdLtShs6

友「男がそうならないように俺も出来る限りのことは協力するよ」

男「ああ、お前がいると心強い」

友「そうと決まれば色々考えなきゃねー、さあてどうしようか……くふふふ」

美少女「なにこいつら……悩んでた私がバカみたい……」

女「……男くん」

男「ん?」

女「でも危険なことは……してほしくないです……」

男「相手のご指名だからな。遅かれ早かれそうなる運命だと思えば」

女「……」シュン



161: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/18(木) 09:05:02 ID:pdLtShs6

美少女「ねぇ、あんたらって結局どういう関係なの?」

女「!?」

男「……」

友「前に美少女さんのことでショックを受けた男は女さんに八つ当たりしちゃったんだって。それに男は負い目を感じてるんだよ」

女「……」

男「友……お前なぁ……」

友「あれ?言っちゃまずかった?」

美少女「じゃあ二人は特別そういう関係じゃないのね?」

男「あ、ああ、まぁ」

美少女「へぇ……。でも男、ショックを受けるほど私に本気だったんだ~」

男「……」



162: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/18(木) 09:06:29 ID:pdLtShs6

友「あはは!男は今まで色恋沙汰には無縁だったからね」

男「うっさい」

美少女「ねぇねぇ男」ピト

女「!?」

男「なんだよ」

美少女「30日、告白してくれるんだよね?」

男「そのつもりだけど」

美少女「そのとき、もしオッケーしちゃったら男は付き合ってくれる……?」ウデギュッ

女「!!!?」

友「ぷっ」



163: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/18(木) 09:07:38 ID:pdLtShs6

男「それじゃあ告白する意味がないだろ」

美少女「恋人になったら守ってくれるんでしょ?ね、男……私じゃダメかな……?」ウルウル

男「お前なぁ」

女「あ、あのっ!」

美少女「ね、男……恋人同士になって昨日の続きしよ?」

女「!!!???」

美少女「……ぷっ、あはははは!ごめんごめん冗談よ!ごめんね、女さん」

女「……」ムス

美少女「だって女さんの反応が可愛いんだもん!前から思ってたけど女さんって超可愛いよね!そんな子に八つ当たりするなんて男ってばサイテー」

男「んぐっ。……その通りです」



164: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/18(木) 09:09:03 ID:pdLtShs6

女「私は酷いことされたなんて思ってません!」

美少女「へぇ……ふーん」

男「お前はなんでニヤついてるんだ?」

友「いやぁ、珍しいものが見れたなぁって思ってね」ニヤニヤ

男「なんだそれ」

友「まさか男が女性関係で振り回される日がくるとは思ってもなかったからさ」ニヤニヤ

男「はぁ……そろそろ昼も終わりだ。戻ろう」



165: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/18(木) 09:10:31 ID:pdLtShs6

――放課後

ガラガラ

美少女「女さんっ一緒に帰ろっ!」

女「へっ!?」

男「どういう風の吹き回しだ?」

美少女「ちょっとそう警戒しないでよ」

男「お前まさか、DQNたちに何か言われて?」

美少女「違うっつーの!女の子同士で色々お話したいことってあるじゃない」

女「!」

美少女「だから今日だけちょっと時間くれる?女さん」

女「……わかりました」コク

男「お、おい、大丈夫なのか?」

美少女「じゃっ、そういうことで~、行きましょ女さん」

女「はい」



166: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/18(木) 09:11:16 ID:pdLtShs6

男「……」

友「心配しなくても平気じゃないかな」

男「そうは言っても……うーん」

友「俺も調べたいことが山積みだよ。男にも手伝って欲しいんだけどいいかな?」

男「当たり前だろ、元々俺の問題だしな」

友「そうだね。じゃあちょっと手伝ってもらおうかな」



167: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/18(木) 10:48:19 ID:pdLtShs6

6/26(金)

男「はー平和だ」

友「そうだね」

男「放課後まで何事もなく過ごせた」

友「最近色んなことがあったからねぇ」

男「友は今日どうするんだ?また手伝うが」

友「んー。今日は俺一人で大丈夫!」

男「そうか、何かあったら連絡くれ」

友「そうさせてもらうね。じゃ俺は行くから、ばいばーい」

男「おう、また来週」



168: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/18(木) 10:48:53 ID:pdLtShs6

男「俺も帰るか」

女「あ、あの!男くん!」

男「ん?どうした?」

女「あ、あの、き、今日のご予定をお伺いしてもよろしいでしょうか?」

男「へ?別になにもないけど……」

女「えと、夜とかどこかに出かけるご予定は……?」

男「特にないなぁ」

女「そうですか……わかりました。では失礼します!」

男「???」



169: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/18(木) 15:45:54 ID:pdLtShs6

――自宅

男「ふわぁぁー」

男(もうこんな時間か。夕飯どうすっかな)

男(あーー食材買いに行かなきゃダメか……インスタントでいいかな)

ピンポーン

男「ん?なんだ珍しい」

ピッ
男「はい」

女『あ、あの私、男くんの同級生の女と申します!お、男くんはご在宅でしょうか?』

男「……」
ピッ
ダダダ ガチャ
男「どうした――ってなんだその荷物!」

女「えと、夜ご飯を作りに……す、す、すみみせん!やっぱりご迷惑でしたよねっ!か、帰ります、失礼しましたっ」



170: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/18(木) 15:47:30 ID:pdLtShs6

男「ちょ!待て待て!」ガシッ

女「はうぅぅぅ」

男「とりあえず家に入れ」

女「は、はい」

――――
――

男「なるほど、美少女の入れ知恵か」

女「すみません」シュン

男「たしかにこの時間は両親いないから一人だが……それにしても無茶が過ぎるというか」

女「はぅ……」シュン

男「まぁその、なんだ、驚いたけど夕飯を迷っていたのは事実だから作ってくれるなら助かる」

女「本当ですか!?」

男「あ、うん」



171: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/18(木) 15:48:33 ID:pdLtShs6

女「で、では早速作りたいんですがキッチンと調味料をお借りしてもよろしいですか?」

男「自由に使ってくれて構わないよ」

女「ではお言葉に甘えて」ササッ

男「おー、エプロン持参か」

女「はい、一度家に帰って準備してからきました」

男「だから私服なんだな。いつも制服だからこうして見ると新鮮だ」

女「あ、あの、おかしいですか?」

男「いや?可愛いと思うよ」

女「か、かわ……うぅ」///

男(これは美少女がからかいたくなる気持ちもわかる気がする)



172: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/18(木) 15:51:10 ID:pdLtShs6

女「……」スス サッ

男「ポニーテール……」

女「はい、お料理をするときに邪魔になるので」

男(髪を束めてエプロン姿……なんか、これはなかなかくるものがあるな)

男「……」ジー

女「あ、あの、そんなに見られると集中できないので寛いでて下さい」//

男「あ、ああ、じゃあ頼むよ」

女「はいっ」



173: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/18(木) 15:52:56 ID:pdLtShs6

女「えと、包丁は……」

男「ああ、それならこっちに」

女「ありがとうございます」

男「調味料はこっちにあるから」

女「はい!」

男(自宅のキッチンにエプロン姿の女が……しかもポニーテール)

男(なんか、いいな、うん、凄く良い)

女「もー、そんなに心配ですか?」

男「いや、ポニー……ゴホン、手慣れてるなぁと思って感心してた」

女「お料理するのは好きですから。あ、お味は保証しませんよ?」ニコ

男「大いに期待して待ってよう」



174: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/18(木) 15:54:06 ID:pdLtShs6

女「ふふ、といっても無難にカレーなので失敗はしないと思います」

男「カレーか、しばらく食べてなかった気がする」

女「あ!中辛ですが大丈夫でしたか?」

男「全然問題ない」

女「わかりました、ではもう少しお待ち下さい」

男「あい」

――――
――

男「んー、良い匂いだ」

女「もうすぐで出来ますよー」

男「なにか手伝うことあるか?」

女「じゃあ食器をお願いしてもよろしいですか?」

男「はいよ」



175: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/18(木) 15:58:28 ID:pdLtShs6

女「大変お待たせしました!」

男「おお!!美味そうだ!」

女「簡単なものですみません」

男「カレーにサラダに卵焼き!……十分だろ」

女「卵焼きはカレーに合うか微妙だったんですが、前に男くんに褒めてもらえたので」

男「合わないはずがない!」

女「ふふっ」

男「早速食べてもいいか?」

女「はい、もちろんです!」

男「いただきます!」

女「では私も、いただきます」パチ



176: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/18(木) 16:00:18 ID:pdLtShs6

――――
――

男「改めてご馳走様!片付けまでしてもらって悪いな」

女「いえ!私が言い出したことですし、それに美味しそうに食べてくれたので私も嬉しかったです」

男「ほんと美味しかったよ。ありがとう」

女「えへへ」

男「あ、そういえば女に聞きたいことがあったんだ」

女「はい?なんでしょう?」

男「前に友が『女さんはあえて目立たないようにしてるっぽい』って言ってたんだが、そうなのか?」

女「え、と……元々目立つのが苦手ではあります」

男「ああ」

女「でもオシャレとかは人並みに興味ありますよ?」



177: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/18(木) 16:01:29 ID:pdLtShs6

男「そうか。じゃあ学校では敢えて地味にしてると?」

女「あ、それは!……ふふ、大した理由ではありませんが」

男「うん」

女「中学生の頃にちょっと勇気を出して制服のスカートを少し短くして髪型を変えた時期がありまして、それがある女子グループの反感を買ったんです」

男「おお、スクールカーストってやつか」

女「そうですね。あ、別にそれが原因でイジメられたとかありませんよ?」

男「そうか、ならよかった」

女「以前の格好に戻したら、文句も言われなくなりました」

男「……なんか大変なんだな、女子って」

女「ふふ、そうなんです」



178: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/18(木) 16:06:01 ID:pdLtShs6

男「今は高校生なんだから自分の好きなようにしたらいいんじゃないか?」

女「男くんは美少女さんみたいにちょっと派手な感じの方がお好みですか?」

男「俺か?俺は一緒にいるなら今の女の方がいいな」

女「ふふふ、ありがとうございます」

男「……」

女「それに私、内向的な性格なので、そういう意味で敢えて目立たないようにしている部分はあるかもしれません」

男「そうか」



179: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/18(木) 16:08:12 ID:pdLtShs6

女「あの、男くん」

男「ん?」

女「お話ししたい事があるんですが……」

男「ああ、どうした?」

女「その……」

男「?」

女「男くんのお部屋行ってもいいですか?」

男「それは……」

男「俺はいいけど、女はいいのか?」

女「はい」

男「わかった」



180: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/18(木) 16:09:21 ID:pdLtShs6

女「失礼します」

男「どうぞ」

女「……」

男「……」

女「あの日以来です」

男「そう、だな」

女「男くんは美少女さんに告白するんですよね?」

男「ああ……うん」

女「美少女さんのことまだ好きなんですか?」

男「それはない」

女「でも前まで好きだったんですよね?」

男「……ああ」

女「美少女さんの事情を知った今、また好きになったりしないんですか?」

男「やけに質問してくるな。今あいつに恋愛感情はないよ」

女「そうですか……」



181: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/18(木) 16:11:13 ID:pdLtShs6

男「何か話があるんだろ?」

女「……はい」

女「男くんが告白する前にどうしても話しておきたい事があるんです」

男「そうか」

女「男くんは私と初めて会った日のこと覚えていますか?」

男「2年で同じクラスになってそれが初めてじゃないのか?」

女「ふふ、いえ、覚えてなくても仕方ないと思います」

男「??」

女「私と男くんが初めて会ったのは中学3年生の頃です」

男「ええ!!?」



182: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/18(木) 16:13:28 ID:pdLtShs6

女「ちょっとイジワルな言い方しちゃいました。えへへ」

男「ん??」

女「高校受験の朝、初めて男くんと出会いました」

男「受験の朝……?」

男「…………あ!あの時の改札の!?」

女「はい!」

男「マジか!」

女「マジです!えへへ」

男「そっかぁ、合格してたのかぁ。実はちょっと気になってたんだ」

女「おかげさまで合格することができました」

男「今まで全然気が付かなかった……」

女「あの時は私マスクしてたので気付かなくて当然ですよ」



183: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/18(木) 16:15:33 ID:pdLtShs6

女「男くんのおかげで合格して、今こうして過ごすことができています。本当にありがとうございました」ペコ

男「合格したのは女の実力で俺は関係ないだろ」

女「いえ、そんなことないですよ?」

女「あの日、私は朝から緊張していて……電車を降りて改札へ向かう時、切符がないことに気付きました」

男「あー、だからあの時バッグの中を……」

女「はい。今でも鮮明に思い出せます」

女「あの時……」



184: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/18(木) 16:17:34 ID:pdLtShs6

女『あれ?ココに仕舞ったはずなのに……』ガサガサ

女『なんでないの?』ゴソゴソ

ドンッ

女『きゃっ!』

ドサッ バサバサバサ

女(バッグの中身が“落ちた”)ガーン

通行人『ボーっと突っ立って邪魔なんだよっ!!』

女『すみません、すみません!』ペコペコ



185: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/18(木) 16:19:07 ID:pdLtShs6

男『よいしょっと』サササ

女『!!』

男『大丈夫か?』

女『は、はい、大丈夫です』

男『これで全部……かな』

女『うぅ……すみません……』

男『あと、この切符はお前の?』

女『あっ!そうです!あぁ……本当にありがとうございます』ペコペコ

男『そっちも受験?』

女『は、はい』

男『…………』

女『??』



186: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/18(木) 16:22:06 ID:pdLtShs6

男『そうか、じゃ気を付けて』

女『はい、ありがとうございました』

ドサッ バサバサバサ

男『あ、しまった。俺も手が滑ってバッグを落としてしまったー』

女『え……』

男『演技悪いなー』

女『……』

男『これは意地でも合格するしかないな、お互いに』

女『……!!』

女『は、はい!』



187: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/18(木) 16:24:31 ID:pdLtShs6

女「男くんがバッグ落とした時のセリフが棒読みで思い返すと笑っちゃって。ふふふ」

男「今思い出すと……恥ずかしい事をしてるな、俺は」

女「そんなことないです!!そのおかげで緊張が解けてリラックスできたんです」

男「そうか」

女「本当に……本当にありがとうございました」ペコ

男「いやいや、そんな大袈裟な」

女「高校に入学して、私は真っ先に男くんのことを探しました」

女「合格して同じ高校にいるなら、どうしても直接お礼が言いたかったんです」

男「ああ」



188: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/18(木) 16:26:41 ID:pdLtShs6

女「そして、わりとすぐ男くんのことを見つけることが出来ました」

男「そうなの?」

女「はい」

女「違うクラスでしたが、あの人も合格してたんだ!って凄く……嬉しかった」

男「うん」

女「お礼を言わなきゃ、でもどうやって話しかけよう……そう葛藤してるうちに自然と男くんの事を目で追うようになりました」

男「……」

女「毎日男くんの事を考えて、いつも目で追って、そしてある日私は気付いたんです」

男「……」



189: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/18(木) 16:28:08 ID:pdLtShs6

女「男くん」

男「……ん?」

女「私……」

女「私は、男くんの事が好きです」

男「……」

女「助けてくれたあの日からずっと、ずっと好きでした」

男「女……」

女「えへへ、言っちゃった」



190: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/18(木) 16:29:31 ID:pdLtShs6

女「2年生になった時、男くんと同じクラスになって驚きました。だけど嬉しいはずなのに少し不安もあったんです」

男「不安?」

女「はい、自分でもよくわかりませんけど……どうせ私なんかって気持ちが強かったんだと思います」

男「そうか……」

女「そして偶然後ろの席になりました。男くんの後ろ姿を見れるだけで毎日幸せで……」

女「お礼を言うタイミングは掴めないままでしたが、こうして近くにいれるだけでも嬉しくて」

男「面と向かって言われると恥ずかしいな……」

女「私も恥ずかしいです!赤裸々に告白しちゃってます!」



191: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/18(木) 16:31:51 ID:pdLtShs6

女「でも、美少女さんが男くんの元へやってきました」

男「……」

女「片想いでもいいと半ば諦めかけていたんですが、美少女さんの存在によって私の中にある感情が芽生えたんです」

男「感情?」

女「嫉妬と焦りです。でも美少女さんは同性の私から見てもすごく綺麗で可愛くて……」

男「……」

女「どうせ叶わない恋ならせめてお礼だけでも言おうと毎日タイミングを伺ってました」

男「……」

女「でも男くんほぼ毎日美少女さんといて、しかも男くんも嬉しそうで」

男「あの時は……うん」



192: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/18(木) 16:34:18 ID:pdLtShs6

女「そしてあの日です。私が初めてこのお部屋にきた日」

男「うん」

女「その日の放課後、男くんが一人で帰る事を知った私は男くんを追いかけました」

男「……」

女「実は男くんが美少女さん達の会話を偶然聞いてしまった時、私も近くにいたんです」

男「え!?」

女「男くんは気が動転してるようで私には気付いていない様子でしたが……私もあの時の会話を聞いてたんです」

男「そう……だったのか」

女「あの時の男くん、本当に辛そうで……しばらく色んなところをフラフラしてました」

男「え、フラフラって俺が?」

女「はい」

男「全く記憶にないんだが……」

女「それほどショックを受けてたんです、男くんは」



193: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/18(木) 16:35:55 ID:pdLtShs6

女「そして校舎に人気が少なくなった頃、男くんは教室に戻って行きました」

男「……」

女「私も偶然を装って男くんのいる教室に行きました」

男「……そして俺は女に……」



194: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/18(木) 16:37:22 ID:pdLtShs6

男『なんの用だ』

女『あの、忘れ物を取り……』

男『…………』

女『大丈夫ですか?』

男『あ?』

女『すごく辛そうな顔してます』

男『ほっとけ』

女『で、でも』

男『俺のことはいいから帰ってくれ!』

女『……嫌、です』



195: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/18(木) 16:38:18 ID:pdLtShs6

男『なに、じゃあ慰めてくれんの?』

女『えっ?』

男『抱かせてくれんの?』

女『っ!!そんな……』

男『じゃあ俺のことは放っておいて帰れ、帰ってくれ、頼むから……』

女『…………』

男『一人にさせてくれ……』

女『嫌、です』

男『おま――』

女『私でよければ……いいですよ』



196: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/18(木) 16:39:35 ID:pdLtShs6

女「男くん、酷いのは私の方なんですよ?」

女「男くんが傷付いてるのを知って、男くんに誘われて、私は今しかないと思ったんです」

男「……」

女「男くんを美少女さんから私に、振り向かせるチャンスは今しかない、って」

女「だから男くんが私に対して罪悪感を持つのは間違ってます」

男「それは違う!」

女「違わないです!私は全てを知った上で男くんに近付いたんです」

男「……」



197: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/18(木) 16:41:48 ID:pdLtShs6

女「でも男くんは私を見てなかった。行為が終わっても男くんは私を見てくれなかった」

女「それが悲しかった。ここまでしても視界にすら入らない存在なんだって思い知らされたから」

男「あの時は……うん、そうだな」

女「その次の日に男くんに謝られそうになった時、慌てて口を塞いでしまったのは……『ごめん』で昨日のことを終わらせて欲しくなかったからなんです……」

女「私とのことを過ちにしてほしくなかったからなんです」

男「……」

女「その日の放課後、美少女さんから逃げ出した男くんを見て私はまた追いかけました」

女「あの時の会話覚えていますか?」

男「あの時の?」



198: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/18(木) 16:44:18 ID:pdLtShs6

男『だからヤったら何か変わるのかな、吹っ切れるかなって思っていたけど』
女『ぁ……』
男『結局なんも変わらなかったし、ただ女を傷付けただけだ』
女『それは……でも!きっと変わります!!変わるキッカケになって、、ほしいです』
男『どうしてそこまで』

女「あの変わるキッカケって私自身に言い聞かせてたんですよ」

男「そうだったのか」

女「その後すぐビンタしちゃいましたけど」

男「あれは俺が悪かった」

女「本当です!デリカシーなさすぎです!」

男「す、すまん」



199: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/18(木) 16:45:52 ID:pdLtShs6

女「でもそのおかげで、男くんが少しづつ私を見てくれるようになりました」

男「ああ。ビンタされて以降ずっと考えてたよ」

女「…………」

女「男くん、私ね」

女「私、あのとき男くんに抱かれてよかった」

男「!」

女「ちゃんと変わるキッカケになったよ?」

女「こうやってお話できるのも、受験のときのお礼を言えるのも、今こうして想いも告げられたのもあの日があったからなんだよ?」

女「ありがとう、男くん。大好き」

男「女……」

女「えへへ」



200: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/18(木) 16:46:50 ID:pdLtShs6

女「あ、返事はいらないよ!今大変な時だし、いい返事がもらえるなんて、私そこまで自惚れてないから」

男「いつの間にか敬語じゃなくなってるのな」

女「え?あ、ほんとだ!えへへ、ずっと溜め込んでた想いを伝えられてスッキリしたからかな?」

男「これを機に敬語は卒業してくれ」

女「はい、わかりました!」

男「言ってるそばから……わざとか?」

女「あはは、すみません、この喋り方も染みついちゃって……」

男「まぁ話しやすい方でいいよ」

女「ふふ、そうさせてもらいますね!」



201: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/18(木) 16:47:43 ID:pdLtShs6

男「でもなんだ、お礼を言うのはこっちの方だよ」

女「?」

男「女がいてくれたから、美少女のこと引き摺らずにいられた」

男「だからありがとう」

女「男くん……」

男「最初は罪悪感でいっぱいだった。それが負い目になってたけど、それを含めて毎日女のことを考えるようになったんだ」

女「!」

男「今ならハッキリ分かる。この気持ちは……」

男「俺は女のことが――」

女「わー!わー!わーー!」///

男「!!?」ビクッ



202: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/18(木) 16:49:12 ID:pdLtShs6

女「ちょ、ちょ、ちょっと待ってください!!き、緊張して、こ、心の準備が……はー、ふー」

男「なんでお前の方が緊張してるんだよ……告白は平気でしてたくせに」

女「だって!まさか!そんな!ありえないと思ってたんです!だって男くんがまさか……はぅぅ」//

男「今の俺の気持ちを聞いてほしいんだ。他の誰でもない女に……ダメか?」

女「だ、だめ……じゃ、ないです……」ウル

男「俺も好きだよ」

女「う、う、うぅぅ……」ポロポロ

男「女のことが好きだ」ぎゅっ

女「わ、わたしも……ぐすっ……だ、いすき、です!」ぎゅぅぅ



204: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/18(木) 22:52:47 ID:pdLtShs6

男「落ち着いたか?」

女「は、はい」//

男「なんていうか……照れ臭いな」

女「は、はい」//

男「抱きしめたいままだけど苦しくないか?」

女「は、はい」//

男「女」

女「は、はい?」

男「はい、以外なにか言ってくれ」

女「そう言われましても……」

男「とりあえず離れるか」

女「だ、だめです!今はまともに顔見れません!」

男「なんで?」

女「恥ずかしくて……」//

男「そっか」



205: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/18(木) 22:58:49 ID:pdLtShs6

女「もう少しこのままでいさせて下さい」

男「ああ」

女「……」

男「はぁ……」

女「ため息、ですか?」

男「自分がちょっと軽薄な気がして嫌になる。この短期間で美少女と女に惚れることになるなんて」

女「それは、、結果オーライです」

男「それに女には色々と情けない姿を見せてきたなぁと思って」

女「普段気丈に振る舞ってますもんね、男くん」

男「あんな情けない姿見せたのはお前くらいだよ」

女「私だけ……ふふっ」

男「なんだよ」

女「ううん、そんな些細な事でも嬉しいなぁって」

男「……」



206: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/18(木) 23:01:19 ID:pdLtShs6

男「そういえば昨日美少女となにしてたんだ?」

女「あ!」バッ

男「急に離れてどうした?」

女「男くんこそ……昨日美少女さんとここでなにしてたんですか」ジト

男「なにって、修羅場になってた」

女「昨日の続きってなんのことですか?」ジト

男「そ、それはあいつが勝手に……」

女「」ジー

男「ただ話を聞いて解決方法を提示しただけだ」

女「それだけですか?」ジト

男「そのあとほっぺにキスされたくらいでそれ以上……あ」

女「!?」



207: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/18(木) 23:02:47 ID:pdLtShs6

女「ほっぺにキス!?それがその“くらい”の事なんですか!?」

男「海外では挨拶として当たり前の行為だろ?」

女「どこの国ですか!?」

男「えと、イタリア……とか?」

女「ここは日本です!良くないと思います!」

男「そんなこと言ったら俺と女なんてどうなるんだよ。それ以上のことしてるぞ?」

女「そ、それは……でも!むー……」

男「……」

女「……」ムス



208: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/18(木) 23:06:19 ID:pdLtShs6

男「あ、そうだ!俺も一つ女としたいことがあったんだ」ズイ

女「な、なんですか?」

男「少し、目を閉じてくれると……ありがたい」

女「え!?は、はいっ!!」キュッ

チュッ

女「!!」

男「なんか順番があべこべになったけど、キスはしてなかったなって思って」

女「あぅ……」///

男「俺はちゃんと女だけを見てるから、信じてほしい」

女「うぅ……ごめんなさい、自分がこんなに嫉妬深いなんて思いもしなかったです」



209: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/18(木) 23:11:04 ID:pdLtShs6

男「前にも言ったけど体を重ねたのはお前が初めてだ。もちろんキスも」

女「わ、私もです!」

女「キスしたのも、その、アレも、ビンタしたのも男くんが初めてです」

男「俺も異性にビンタされたのは初めての経験だったな、ははは」

女「ご、ごめんなさいっ!」

女「でもこれから色んな初めてを男くんと経験していけたら……嬉しいです」

男「他の初めて……え、マジか。女って意外と大胆なんだな」

女「違います!!デートとかそういうのです!!バカバカ!」ポコポコ

男「あははは、冗談だって」

女「もー……」



210: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/18(木) 23:12:47 ID:pdLtShs6

男「全部片付いたら改めて俺の方から女に告白したい」

女「……」

男「それまで待っててくれるか?」

女「……嫌です」

男「へ?」

女「その前に美少女さんに告白するんですよね?」

男「あー…………でもそれは――」

女「わかってます。それならせめて安心させて下さい」

男「安心?」

女「はい」

男「ん……えーと」

女「……」ジー



211: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/18(木) 23:16:58 ID:pdLtShs6

男「女のことが好きだ。だから待っててくれ」

女「ま、まだ足りません」

男「女……大好きだ」

女「はぅぅ」///

男「……」

女「こ、言葉だけじゃ、まだ足りません」

男「……あー」ポリポリ

チュッ

女「っ!」///

男「こ、これで安心できるか?」

女「ま、まだ、ぜ、全然安心できません……」

男「そうはいってもこれ以上は……」

女「……」

男「女……まさか……」

女「……」カァァァァ



212: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/18(木) 23:19:00 ID:pdLtShs6

男「えと、つまり……そういう事……だよな?」

女「は、は、はい」///

男「あ、でも俺シャワーとかまだ……」

女「え、えと……その、男くんの匂い、好きです。だからそのままでも……」

男「女……」

女「あ、わ、私はおウチでシャワー浴びてからきたので!で、でも嫌ですよね?い、今から帰って――」

男「……」ぎゅぅぅ

女「はぅぅ……」///

ドサッ

女「っ!」

男「女……」

女「あっ……男、くん……」



213: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/18(木) 23:20:50 ID:pdLtShs6

――――
――

女「お家まで送ってくれてありがとう、男くん」

男「ああ、こちらこそありがとうな」

女「えへへ……ちょっと名残惜しいです」

男「そうだな」

女「もっと一緒に居たいです」

男「うん、そうだな」

女「全部終わったら、いっぱい構って下さい」

男「ああ」コク

女「約束ですよ?」

男「もちろん」

女「デートもしましょうね」

男「ああ」

女「えへへ」



214: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/18(木) 23:28:04 ID:pdLtShs6

女「全部終わるまで……我慢します」

男「ああ、待っててくれ」ポンポン

女「……」

男「じゃあ俺は帰るから」

女「はい……」

男「おやすみ」

女「……おやすみなさい」シュン

男「そんな顔されると帰り辛いんだが」

女「だって……うう……でも……ううう……」

男「まぁ明日は休みだしもう少し一緒にいても――」

女「いえ!もう十分幸せな時間を過ごせました!」

女「なので今のうちに帰って下さい!じゃなきゃ今日は帰しません!」

男「お、おう、またな」

女「はいっ!おやすみなさい」



215: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/18(木) 23:30:54 ID:pdLtShs6

6/29(月)

男「おはよう」

友「おはよっ男!いよいよ明日だね」

男「そうだな」

友「俺の考えは土、日で伝えた通り!プランAで行こう!」

男「貴重な休日を俺のために使ってくれて悪いな。感謝してるよ」

友「水臭いなぁ、俺と男の仲じゃないか」

チョンチョン

男「ん?」



216: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/18(木) 23:32:28 ID:pdLtShs6

女「お、おはよう、ございます」

男「ああ、おはよ」ニコ

女「はぅぅ」///

友「おはよ女さん……ってどうしたの!?顔真っ赤だよ!?」

女「いえ、これは、その、えっと」///

友「…………男」ポン

男「頼む、今は何も言わないでくれ」

友「わかった。でも後でたっぷり聞かせてもらうよ、いいね?」

男「あ、ああ」



217: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/18(木) 23:34:24 ID:pdLtShs6

――昼休み 屋上前踊り場

美少女「男、明日の件DQNに伝えたよ」

男「おーご苦労さん」

美少女「ねーねー、本当に大丈夫なの?」

男「それはわからないが、出来る限りのことはしてみる」

美少女「なにか作戦があるの?」

友「ふっふっふ。それは美少女さんにも言えないな。まぁ目には目を歯には歯をってね!当日を楽しみにしててよ」

美少女「そんな上手くいくかなぁ」

男「なんとかなるだろ」

美少女「あっ!上手くいくと言えば!」

男「?」



218: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/18(木) 23:35:47 ID:pdLtShs6

美少女「金曜の夜、私ナイスアシストだったでしょ」

男「さぁなんのことだ?俺には何言ってるのかさっぱりだ」

美少女「とぼけても無駄よ。一部始終全部聞き出したから」

男「……」チラッ

女「っ!」

美少女「まあほとんどは惚気話だったけど」

友「それは是非俺も聞きたいなぁ」

女「うぅ……」



219: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/18(木) 23:37:31 ID:pdLtShs6

男「別に隠す気はないんだ。ただ友にはもっとちゃんとした形で報告したいと思って」

美少女「あー、もー面倒臭いわねー」

『好きです』『俺も好きだ』
『うふふ』 『女!』ガバッ
『きゃー♪』

美少女「って感じよ」

友「なるほど!わかりやすい!」

男「うぐ……。否定できないのが腹立つ……」

女「はぅ」///

友「じゃあ二人は晴れて恋人同士になったわけだね」

男「いや?なってないぞ」

友「え?なんで?」



220: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/18(木) 23:42:13 ID:pdLtShs6

男「それは全部片付いたらって思ってて」

美少女「変なところで律儀よねぇ。最初からあんな事したくせに」

男「……女さん?」チラッ

女「す、すみません……うう」

男「はぁ……いや、俺がとやかく言う筋合いはない」

男「友」

友「なになに?」

男「俺が女に対して負い目を感じていた理由なんだけどな」

友「おっ!ついに!!」

男「俺が女に迫って肉体関係を持ったからなんだ」

友「えっ?ええぇぇ!!!??」

友「うわー、それは想像の斜め上だったなぁ……男に限ってそれはないと思ってたけど」



221: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/18(木) 23:43:53 ID:pdLtShs6

男「あの時は自暴自棄になってたとはいえ、人として最低なことをした」

女「違います!私が望んで受け入れたことです!」

男「それでも――」

美少女「ね、こいつら面倒臭いでしょ?」

友「あはは!そうだね。それにしても驚いたなぁ。まさか男がそんなことしてたなんて」

男「……返す言葉もない」

美少女「二人してウジウジしてるもんだからこの前、女の背中を押してあげたのよ」

友「なるほどー」

美少女「きっかけも後押しも私!いわば二人のキューピット!もっと感謝しなさい」

男「……うーん?」

女「あ、ははは」



222: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/18(木) 23:45:51 ID:pdLtShs6

――放課後

友「男!最後の大仕事があるんだ、悪いけど付き合ってくれる?」

男「ああアレか……もちろん手伝うぞ」

友「そんなわけで女さん、こいつ借りていくね」

女「あ、はい!」

美少女「私は何か手伝うことないのかしら?」

友「美少女さんは……特にないね」

美少女「そう?じゃあ女は私がもらっていくね」

女「うん、美少女ちゃん一緒に帰ろ」

友「二人ともいつの間にか仲良くなったんだね」

美少女「ふふ、女の子は色々あるのよ」



223: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/18(木) 23:46:54 ID:pdLtShs6

友「いやぁ可愛い子が二人並ぶと絵になるなぁ。眼福だよ!」

美少女「でしょ?私はもちろんだけど、女も男には勿体ないくらい可愛いよね」

女「えぇぇぇ、私はそんな……」

美少女「男もそう思ってるんでしょ?ね?どうなのよ、ほらほら」

男「友、時間が惜しい。行こうか」

美少女「ぶーぶー、つまんない奴」

友「あはは!そういうわけでお二人さん、また明日ね」



225: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/19(金) 15:12:48 ID:tNx8jJ56

6/30(火)

――朝 教室

友「いよいよだね」

男「ああ」

友「ごめん男。プランAは……なかなか難しいかもしれない……。一応ギリギリまで粘ってはみるけど」

男「いや、もう一つの案でいこう。流石にもう時間が足りない」

女「?」

友「んー……。もう一つの案は多少強引な手段になるし男の負担がかかる可能性が高いからできれば避けたいんだけどなぁ」

女「えっ!?」



226: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/19(金) 15:14:04 ID:tNx8jJ56

男「俺の事は……まぁなんとかなるだろ。上手くやるよ」

友「男はそれでいいの?」

男「ああ」

女「あ、あの!」

男「ん?」

友「どうしたの?女さん」

女「もしよければお話を聞かせてもらえますか!?」

男「え?」

友「え?」

女「お願いします!」



227: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/19(金) 15:14:55 ID:tNx8jJ56

――昼休み

男「俺は反対だ!」

女「私も少しはお役に立ちたいんです!」

友「んー…………」

男「これ以上お前を巻き込みたくないんだ!」

女「ただ準備のお手伝いをするだけです!危険なことはしません!」

友「んー…………」

男「……いやでも……」

女「お願いします」

友「ねぇ男。この三人の中では女さんが適任だと思う。というか実際俺ら二人じゃ無理だったし……ここは任せてみるのはどうだろう?」

男「…………」



228: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/19(金) 15:15:52 ID:tNx8jJ56

友「女さんの言うように危険はないよ。ちょっと無茶はしてもらうけど」

女「男くん、お願いします……」

男「……」

女「男くん……」

男「どちらにしろ時間が足りない」

友「このままじゃそうだね」

友「女さん、学校終わってからじゃ多分……いやきっと間に合わない。もし協力してくれるなら早退してもらうことになるけど」

女「はい。そのつもりです。間に合わせてみせます!」

男「はぁ……そこまでしなくても……本気なのか?」

女「男くんだけじゃない、美少女ちゃんにとってもきっといい方向に向かうと思うんです」

女「なので男くんが止めても私は行きます」

男「………………はぁ」



229: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/19(金) 15:18:16 ID:tNx8jJ56

男「わかった。だけど女が関わるのは準備段階までだ。本番の放課後には関わらないでくれ」

女「はい。わかりました」

友「…………」

女「では失礼します!なんとか間に合わせてみせます!」

男「……すまん、頼んだ」

友「…………」

男「はぁ」

友「女さんって意外と意志が強いんだね、ちょっと驚いたよ」

男「むー」

友「あのさ男……いっその事……」

男「なんだ?」

友「いや、なんでもない」

男「??」



230: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/19(金) 15:20:52 ID:tNx8jJ56

――放課後 教室

友「女さんと連絡は?」

男「ダメだ。電話もメッセージも気付いてない」

友「女さん間に合わなかったか……」

男「ああ。でも問題ない」

友「ちゃんとアレ持ってる?」

男「あるぞ」スッ

友「よし。男、確認だけど殴っちゃだめだよ。例え正当防衛でも」

男「わかってる。そんなつもりは一切ない」

友「そうか、ならいいんだ……頑張ってね」

男「友はまだ準備残ってるのか?」

友「んー、あとはマットを借りるくらいかな」

男「マット??」

友「念のための保険に……って、ほら時間がもうないよ!」

男「そうだな、さっさと済ませてくるか」



231: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/19(金) 15:23:18 ID:tNx8jJ56

――校舎裏

男(お、美少女いた。DQN達ははあの辺に隠れてんのか?)

美少女「!」

男「よぉ美少女。元気か?」

美少女「ねぇ……大丈夫なの?」ボソ

男「ああ。ちゃんと告白するから遠慮せずにフッてくれ」ボソ

美少女「男……」

男「じゃあするぞ」ボソ

美少女「うん」ボソ

男「美少女、大事な話があるんだ」

美少女「……」

男「俺はお前のことがす――」

女「ちょ、ちょっと待って下さいっ!!はぁはぁ」



232: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/19(金) 15:25:37 ID:tNx8jJ56

男「女!!?」

美少女「え…………!!!!?」

男「!!!」

美少女「な、んで……ど、うして、ここに……」ジワッ

女「はぁはぁ、ま、間に合いました~」ブイッ

男「お前なぁ……ここには顔出すなって言ったよな?」

女「そうでしたっけ?えへ」

男「ったく……でも、まぁよくやった」

女「はい、頑張りましたっ」

美少女「う、う、うぅぅ」ボロボロ

男「こうやって顔合わせるのは初めてだな」

男「よく来てくれた、友子さん」



233: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/19(金) 15:28:03 ID:tNx8jJ56

友子「うっ、ぐすっ……美少女……ごめ、ごめんね」

美少女「ぐすっ、ううん……やっと会えた……会い、たかった!」ポロポロ

友子「美少女っ!」ぎゅっ

美少女「うぅぅ……うわぁぁぁん」

ヤンキー「おい、こらぁぁ!!」ガサッ

ヤンキー「感動の再会か?マジでなにしてんのお前ら」

友子「っ!!」ビクッ

男「……」

ヤンキー「それともあの時の“続き”をしに戻ってくれたの?友子ちゃん」ニタァ

友子「ひっ」ビクビク

男「女、美少女と友子さんを連れて下がっててくれ」

女「は、はい」



234: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/19(金) 15:29:29 ID:tNx8jJ56

ヤンキー「おめーが仕組んだのか?どーすんだこれ?」

男「だったらどうする?」

ヤンキー「こっちが聞いてんだ、答えろやボケ!!」

男「そうだ、俺が仕組んだ。もうあの二人を解放しろ」

ヤンキー「あっははは!バカだな!お前が告白してれば解放されてたっつーの!自分から破棄してんじゃザマァねぇな!」

男「本当に俺が大人しく告白していれば解放してたのか?」

ヤンキー「それが条件だからな。てかおめーどこまで知ってんだ?」



235: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/19(金) 15:32:20 ID:tNx8jJ56

男「解放するために条件をつけている事くらいしか知らないが、どうせ美少女のこと解放するつもりなんて端からないんだろ?」

美少女「え……?」

ヤンキー「はははっ!ちゃんと約束は守るつもりだったぜ!でもこいつはDQNのお気に入りだからなぁ」

美少女「……何が言いたいのよ?」

ヤンキー「この二人以外なら関わっていいんだよなぁ?例えば美少女の妹ちゃんとか」ニヤァ

美少女「!!この、クズが……!!」

ヤンキー「あっははは!そうしたらお前からまた俺らのところに戻るだろ?もう諦めろよ!」



236: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/19(金) 15:35:34 ID:tNx8jJ56

男「ははっ、本当救いようがないほどのクズだな」

ヤンキー「ああ?なにテメー喧嘩売ってんの?」

男「別に売ってるつもりはないが……そう聞こえてしまったなら謝るよ」

ヤンキー「人様に接するマナーがなってねぇんじゃねぇか!?おい!」

グイッ

男「胸倉掴むのが人様に対するマナーなのか?」

ギュゥゥゥゥ

ヤンキー「っってぇぇぇ!!指がっ!!てめぇ!!ブッコロす!!」

ブン

男「!!」ヒョイ


男「いきなり殴りかかってくるとは、穏やかじゃないな」



237: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/19(金) 15:38:44 ID:tNx8jJ56

ヤンキー「おめーが吹っかけてきたんだろ!!死ねやごらぁぁ!!」

ブン ブン
ヒョイ ヒョイ

男「当てるつもりあるのか?」

ヤンキー「てんめぇぇ!!」

ジャリ バッ

男(ふーん目眩しで砂ね。で、すぐに大振りの右ストレート……)

男(面倒くさいな……少し黙らせるか)

ヤンキー「オラしねやぁぁぁぁ!」

ブンッッ
ガシッ

ヤンキー「なっ!!?」

男(相手の右を掴んで……カウンターでこいつの顔面に――)

ビュン ピタ

男「ってやるわけないだろ、寸止めだ」

ヤンキー「!!」ストン



238: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/19(金) 15:40:28 ID:tNx8jJ56

美少女「……す、すごっ……」

女「お、男くん……」ハラハラ

ヤンキー「な、な、なんだよこいつ……はぁはぁ」

男「まだやるか?」

ヤンキー「て、てめぇぇ!!」

DQN「はははは、ヤンキー。そいつはお前にゃ無理だ、やめとけ」

ヤンキー「DQN!」

男「なんつー登場の仕方だよ……漫画の世界かここは」

DQN「よぉ男、会いたかったぜ」

男「初めまして、だよな?同じ学校なんだからいつでも会えただろ」

DQN「そうやって相手を挑発して自分のフィールドに持ち込む戦法だろ?姑息だねぇ」

男「いや、正直な感想なんだが」



239: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/19(金) 15:42:13 ID:tNx8jJ56

ヤンキー「てめぇぇぇ!舐めてんのかごらぁぁ!!」

ブン
ヒョイ

男「てかこいつを黙らせてくれ、まともに話も出来ない」

ヤンキー「じゃあおめーの負けってことでいいんだよなぁぁ!!」

ブン
ヒョイ

DQN「ヤンキー、ちょっと黙ってろや」

ヤンキー「あぁ!?命令してんじゃねーよ」

DQN「二度目はないぞ」

ヤンキー「…………ちっ」

男(本当なんだよこのノリ……)



240: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/19(金) 15:44:37 ID:tNx8jJ56

DQN「美少女、俺が提示した条件忘れてねぇよな?」

美少女「……」

DQN「賭けは俺の勝ちだ。約束通り卒業まで俺に服従してもらうぜ」

美少女「嫌よ」

DQN「はぁ?」

美少女「アンタなんかに服従するくらいなら死んだ方がマシ!」

DQN「嫌なら条件を満たせばよかっただろ?お前は失敗したんだよ。逆らう権利はない。家族を不幸にされたいなら話は別だが」

美少女「なによ条件って解放って……アンタ達が作った勝手なルールで私達を縛り付けないで!!」

美少女「そもそも最初に色々やってきたのはアンタ達でしょ!私は普通に暮らしてただけ!!」

美少女「そうよ!元を辿れば全部アンタ達が仕組んだことじゃない!なにが条件よ!理不尽にも程があるわ!!」

DQN「いいねぇ、その威勢の良さ」

美少女「は?」



241: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/19(金) 15:46:21 ID:tNx8jJ56

DQN「人間って面白いよなぁ。そう思わないか男」

男(いきなり俺に振るなよ)

DQN「俺はよぉ、学校を舞台にした群像劇を特等席で見たいんだよ」

男(なんか語りだしてるし)

DQN「特に絶望した表情が好きでなぁ」

DQN「なんも苦労を知らねぇような幸せそうな奴によ、ちょっと手を加えてやるだけでこの有り様だぜ?」

男「……」

DQN「だけど俺も鬼じゃない。絶望した奴が俺に救いを求めて懇願してくるから、条件を提示して救ってやってる」



242: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/19(金) 15:47:22 ID:tNx8jJ56

男「救ってやってるとは随分上から目線だな」

DQN「俺にはその力がある」

美少女「なにが力よ……全ての元凶なだけじゃない」

DQN「ちゃんとそいつに合った適切な条件を提示してるつもりだぜ?無理難題はふっかけてない」

美少女「……」

男「俺が美少女に告白してもどうせ解放する気はなかっただろ?さっきそこのバカがペラペラ喋ってたぞ」

ヤンキー「 ああ!??やんのかゴルァァ!!」

DQN「解放してやるとな、安堵な表情を浮かべるだよ。そこでまたちょっと手を加えてやるとどうなると思う?」

男「……」

DQN「前以上に絶望した表情が見られるってわけだ!ははは!たまんねぇよな!」



243: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/19(金) 15:49:29 ID:tNx8jJ56

男「どちらにしろ美少女を解放する気はないんだな?」

DQN「お前が俺の条件を飲むなら解放してやってもいい、どうする?」

男「くだらない」

DQN「は?」

男「悪いが俺はお前のいう条件には乗らない。その上で言わせてもらう。美少女たちには二度と手を出すな」

男「いや、言い方が悪いな。こんな下らないこと二度とするな」

DQN「はははは!いいねぇ。俺が目を付けただけの事はある」

DQN「なんとなくわかるんだよな。脅しに屈しない奴って。そして俺はそんな奴の絶望した顔が見たい」

男「だから俺を狙ってたのか?」

DQN「ああ。だがもうこの遊びも飽きてきた事だし辞めてやってもいいぞ」



244: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/19(金) 15:50:58 ID:tNx8jJ56

男「……」

DQN「元々お前で最後にするつもりだったんだ」

美少女「嘘よ!騙されないで男!」

DQN「ははは!それでどうする?お前が俺の条件を呑むならこんな事は二度としないと誓うが」

女「男くん……」

男「だーかーらー、俺は乗らない。でも辞めてもらう」

DQN「そりゃそうだよな。こんな簡単に乗ってくるような奴じゃないよな」

男「……」

DQN「実はよぉ、男が絶望するような事……正直なにも思いつかなくて参ってたんだぜ?」

男「……」

DQN「なにをエサにしたら男が釣れるか考えて美少女を送り込んだがそれも失敗」

美少女「!?」

男「……」



245: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/19(金) 15:52:42 ID:tNx8jJ56

DQN「でもよ、お前最近ある女子と仲良くなってるんだってな?極上のエサがノコノコ自分から現れてくれて助かったぜ」ニタァ

男「……まさかっ!」

女「きゃっ!!」

ギャル「大人しくしてな」グイ

男「女っ!!」

DQN「はっはははは!!この顔、たまんねぇぇな!!」

DQN「へぇ結構上玉じゃねぇか。あいつらが好きそうな顔してるぜ」

ギャル「オヤジ受けも良さそうだし“バイト”させる??」

ヤンキー「へっへっへ、その前に味見させてくれよ」

DQN「ああ、お前らの好きにしていいぞ!」



246: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/19(金) 15:56:40 ID:tNx8jJ56

男「おい、女には手を出すな」ギロ

DQN「ははははっ!お前が乗ってこないから代わりにこの女に頑張ってもらうだけだ!」

男「ああ、そうか分かった。お前らがその気なら俺も遠慮はしない」スッ

女「男くん!!?」

DQN「はははやる気か?いいぜ!おいヤンキー!俺が“一方的に暴行されてる”ところちゃんと撮影しとけよ?」

ヤンキー「りょーかい!」

DQN「さあ、こいよ男!!停学か退学か?俺が被害届けを出せば警察案件か?どちらにしろお前は終わりだ!お前のいない学校でこの女を好きにさせてもらう!!」

女「男くん!!ダメっ!!!」

男「……」

男「そうか」

男「なるほど……友の奴ここまで計算して」ボソ



247: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/19(金) 15:57:43 ID:tNx8jJ56

男「おい」

DQN「あ?」

男「そうやって他の人たちも陥れていったのか?」

DQN「はははは!そうだ!!美少女だけじゃない、色んな奴をな!!」

男「いったいどれくらいの人を脅迫したんだ?」

DQN「お前は踏みつけた蟻を一々数えてるのか?数えねぇよな!ははは」

男「…………」

DQN「これこれ、これだよ……過去一番唆るぜ、お前の絶望したその表情がよぉ!!」

男「……」

DQN「だけどな、お前が俺の条件を呑むなら女を解放してやる」

DQN「二度と手を出さないことを誓う」

DQN「どうだ?お前が頷くだけで女は解放されるんだ」



248: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/19(金) 16:03:06 ID:tNx8jJ56

男「一つ聞きたい」

DQN「なんだ?」

男「そんな絶望してるように見えるか?」

DQN「あ……?」

男「ちゃんと録れてるかな」ササッ ピッ

DQN「なんだそれは」

男「見たことないか?ボイスレコーダー」

DQN「……!」

男「おーい!もうこれくらいで十分だろ?友」

友「よいしょっと……」 ガサガサ

友「まぁ本人の自供もたっぷり撮れたしオッケーかな」

DQN「!?」

友「男、ご苦労様!女さんも巻き込んじゃってごめんね」

男「お前なぁ……こうなる事がわかってて女をこの場に送り込んだろ」

友「ごめんって!でもおかげで証拠映像はバッチリ撮れたよ!」



249: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/19(金) 16:04:44 ID:tNx8jJ56

女「は、離して下さいっ」バッ

ギャル「あっ!?」

女「男くん!」タタタ

男「怪我はないか?」

女「はい!私は大丈夫です」

友「美少女さんたちもこっちに来て!」

美少女「うん!行こ、友子」

友子「う、うん」

DQN「それで、どういうつもりだ?」

男「お前らの脅迫現場を撮ることが目的だった」

DQN「へぇ……それで逆に俺たちを脅そうってか」

男「ああ。これが出回ったらどうなるかくらい想像できるだろ?」

DQN「……」

男「今回の証拠映像と音声データ。さらに過去の被害者たちの証言もこっちにはあるんだ。言い逃れは出来ない」



250: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/19(金) 16:05:46 ID:tNx8jJ56

ギャル「ね、ねぇDQN、これってヤバいんじゃない!?」

ヤンキー「別にヤバくねーだろっ!こんなことくらいで!なぁDQN!」

DQN「……」

男「他にもあるけど聞きたいか?例えば……」

男「いや、こういうのはお前に任せる」ポン

友「任されましょう」

ヤンキー「ああん!?部外者は引っ込んでろ!!」



251: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/19(金) 16:07:44 ID:tNx8jJ56

友「では、ゴホン」

友「ギャルさん」

ギャル「……なによ」

友「裏垢で身バレできるようなモノ載せるのは危険だよ?」

ギャル「なっ!!?」

友「承認欲求強いんだね。まさかあんな姿を……」

ギャル「うそ……なんで……」

友「そんなに身体を見られたいならさ」

ギャル「!!?」

友「全校生徒に見てもらう?」

ギャル「い、、いや……!!やめてっ!!」

友「それは今後のギャルさん次第かな」ニコッ



252: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/19(金) 16:08:57 ID:tNx8jJ56

友「ヤンキーくん」

ヤンキー「な、なんだよ」

友「俺、ばあちゃん子なんだ。君と同じで」ニコ

ヤンキー「っ!!」

友「人は見かけによらないなぁ。いや、漫画のヤンキーキャラってこんな感じのイメージかも!」

ヤンキー「……」

友「ヤンキーくんのおばあちゃん、初対面なのに凄く良い人でさ」

ヤンキー「おま、会ったのか!?」

友「男と二人で訪ねたら快く招き入れてくれてね。俺はそんな良い人の悲しむ顔は見たくないなぁ」

ヤンキー「てめぇぇ!!脅しのつもりか!?」

友「脅しだよ。過去に君たちがしてきたモノと同じね」

ヤンキー「くっ……」



253: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/19(金) 16:10:33 ID:tNx8jJ56

友「次は」チラッ

DQN「……」

友「この情報はあえて男には黙ってたんだけど」

友「男さ、昔大会でDQNくん会ってるんだけど覚えてない?」

男「どの大会?……空手?キック?」

友「違うよ、柔道の方」

男「あー……あぁ……うん?」

美少女「アンタどれだけやってんのよ……」

男「親父の趣味だ。高校までの約束だからもう辞めたけど」

友「DQNくんは二回戦で男と戦って負けてるんだよ」

友「しかもその試合の後すぐに男は残りの試合を棄権して帰っちゃって」

男「あー!そんな事もあったなぁ」

DQN「……」ピキピキ

友「その理由に納得できずに未だに根に持ってるんだよね?」ニコ



254: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/19(金) 16:12:16 ID:tNx8jJ56

美少女「ねぇ、なんで棄権したの?」

男「見たいテレビ番組の録画を忘れてたんだ」

女「え……男くん……」

美少女「あー……そりゃ怒るわ」

友「あはは!親父さんもカンカンだったよね!」

男「イヤイヤやらされてたから反抗したかったのもあるな」

DQN「てめーら談笑してんじゃねぇよ!!」ガンッ

友「あ、ごめんごめん、ぷっくく」

DQN「人のことコソコソ嗅ぎ回って弱味握ったつもりか?」

友「あはは!そのセリフそっくりそのままお返しするよ」



255: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/19(金) 16:13:30 ID:tNx8jJ56

DQN「あー、なんかもう面倒くせぇな……証拠、証言?それがどうした?今ここでお前らごとぶっ潰せば済む話だろ!!」

男「そんなことさせないが?」

DQN「ヤンキー、怖モテさんのところの仲間に連絡しろ」

ヤンキー「!!」

男「怖モテさん?」

友「」ニヤ

ヤンキー「名前くらい聞いたことあるだろ??お前らもう街歩けなくなるぜ」

DQN「ははは、まぁそういう事だ!美少女たちは巻き込まれちまうけどしょうがないよなぁ」

DQN「まぁお前らがその証拠を全部破棄するなら穏便に済ませてやってもいいが……どうする?」



256: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/19(金) 16:14:34 ID:tNx8jJ56

友「連絡したらいいんじゃない?俺らも久しぶりに会いたいし。ね、男!」

男「やっぱりあの怖モテさんか!元気してるのかな」

ヤンキー「!?」

DQN「つまんねぇハッタリだ!もういい、怖モテさんに直接確認しろ!!」

ヤンキー「お、おう!」

ピッ

ヤンキー「もしもし、お久しぶりっす!ちと聞きてぇんすが、男ってやつ知ってます?」

ヤンキー「え?あ、いや、知り合いっていうか、ちょっと今、その男と揉めてまして……」

ヤンキー「え!?は、はい、すんません……分かりました。失礼しゃっす」



257: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/19(金) 16:17:54 ID:tNx8jJ56

DQN「……怖モテさんはなんて?」

ヤンキー「……男のこと弟みたいなモンだから手を出すなって」

DQN「……」

友「ま、そういうこと。あとバックに怖モテさんが付いてるとか冗談でもやめてくれない?」

DQN「あ?」

友「面識があるのは確かだろうけど、君らがつるんでるのはその末端たちでしょ?」

DQN「……」

男「その事についてあとで怖モテさんに連絡して確認してみるかな」

友「あ、それは大丈夫!もう俺から怖モテさんに確認済みだし、対処するってさ」

男「お前……恐ろしいな……」

DQN「チッ、くそ……」ガンガンッ

友「俺の仕事はここまで。この後どうするかは男が決めてね」



258: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/19(金) 16:19:37 ID:tNx8jJ56

男「そうだなぁ」

男「まぁ俺も鬼じゃない。条件を呑むならお前らを解放してやってもいいがどうする?」ニヤ

DQN「……」

ヤンキー「こいつ!!」

ギャル「ね、ねぇ条件って……私たちに何させる気!?」

男「何させる気かって?逆だ逆」

男「何もするな」

DQN「……」

ヤンキー「ああん?どういうことだ!?」

男「こんなバカな事は二度とするな。俺は一貫してそう言ってたはずだが」



259: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/19(金) 16:26:37 ID:tNx8jJ56

ギャル「そ、それだけでいいの?」

男「ああ。でも言葉の揚げ足とりはやめろよ?」

男「暴力、脅迫、恐喝、強要。迷惑行為全般、それ等をしないと誓え」

男「もし誓えないなら、お前らには然るべき措置を講じる」

男「仮に誓ったとして今後お前らとその仲間たちが迷惑行為を行った場合も同様だ」

男「まぁ普通に学校生活を送れってことだ。そんな難しいことは要求してないつもりだが」

友「こちらの条件に従うなら誓約書にサインをお願いしまーす!」 ペラペラ



260: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/19(金) 16:28:30 ID:tNx8jJ56

ギャル「ねぇヤンキー、DQN、こいつらの言う通りにした方がいいんじゃない?」

ヤンキー「……あぁ」

DQN「……」

男「あ、それと迷惑かけた奴にちゃんと謝罪しろよ。その場は設けてやるから」

DQN「――ざけやがって」

男「?」

DQN「ふざけやがって!!調子に乗ってんじゃねぇぇぇぇ!!」

男「!!」

ガシ

男「おい!!ここだと投げられた方はただじゃ済まないぞ!?」

DQN「うおぉぉぉぉぉ!!」

男「くっ!!」



261: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/19(金) 16:33:48 ID:tNx8jJ56

女「男くんっっ!!!」

男「大丈夫だ!離れてろ!!」

DQN「ぶっ殺してやる!!おおぉぉぉ!!」

男「っ!!!」

男(ヤバい!こいつは経験者だ!このまま消耗戦に持ち込むか!?くそ、せめて投げられれば)

友「今だ!皆!持ってきて!!」

ザザザッ
サッ

美少女「え!?アンタたちはっ!!なんで!?」

男「マット!!友、お前って奴は!!」

友「ぶちかましちゃえ男!!」

DQN「おぉぉらぁぁ!!死ねぇぇぇ!!」

男「はぁぁ!!」



262: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/19(金) 16:35:06 ID:tNx8jJ56

男「あぁ思い出したわ。お前のこと、試合のこと」

グイッ

DQN「!?」

男「この技で俺の勝ちだったよな!?ちゃんと受け身とれよ!!」

DQN「なっ!!」

男「ふん!!!」

ガッ
フワッ

DQN「!!!??」

ドンッ

DQN「くはっ!」

友「おお!!内股っ!!綺麗に決まったね!」



263: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/19(金) 16:37:03 ID:tNx8jJ56

女「す、すごい……」

男「はぁはぁ……ふぅ……」

DQN「くそ、くそぉぉぉがぁぁぁ!!」ガンガン

男「もう諦めろ。大人しく過ごしてればこっちからは何もしない」

男「ただ、また悪さしてみろ……その時は遠慮なくいかせてもらう」

男「それが俺たちから出す条件だ。守れるなら解放してやる。どうだ?」

DQN「く、くそ…………」



264: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/19(金) 16:41:39 ID:tNx8jJ56

美少女「てか、あんた達ここまで用意してたわけ!?」

友「あらゆる事態を想定してね。備えあれば憂いなしっていうし」

友「目には目を歯には歯を、だよ」ニコ

美少女「はぁ……あの時の言葉はそういう事だったのね」

友「他にも用意してたのあるけど知りたい??」

美少女「今はやめておくわ。それにしても……彼らまで呼んでたなんて……」

友「キモオタくん、ガリ勉くん、モブ男くん、成金くん、君に振られて被害に遭った人達だよ」

美少女「…………」

友「あ、大丈夫!事情は説明してあるし、彼らは美少女さんのことを恨んでるわけじゃないよ!」

スタスタスタ

美少女「ずっと謝りたいと思ってたの……みんな、あの、本当にごめんなさい」



265: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/19(金) 16:46:42 ID:tNx8jJ56

――――
――

男「美少女は?」

友「友子さんと一緒に帰ったよ」

男「そうか……」

友「お疲れ様、男」ポン

男「ああ、疲れた」

友「とりあえず今できることは終わったね。後は今日いなかった仲間達にもこれを書かせれば解決かな」ヒラヒラ

女「誓約書まで作ってたんですね」

友「だってあいつら口約束だけじゃ信用できないしさ」

友「それに、友子さんが安心して学校生活を送れるようにならなきゃ意味ないじゃない?」

男「本当お前が味方で心強いよ。助かった、ありがとう。友」

友「何言ってんのさ、俺がしたのは補助だけ。男が行動しなかったらここまでの成果は上がらなかったよ」



266: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/19(金) 16:48:49 ID:tNx8jJ56

男「女も怖い思いさせて悪かったな」

女「全然大丈夫です!」

友「それにしてもよく友子さんを連れ出してこれたね!」

男「俺ら二人じゃ門前払いだったからな」

女「ふふっ、いきなり知らない男の子が家にきたら誰だって警戒しますよ」

男「本当よくやった、女」ナデ

女「えへへ……あ、あれ?」ペタン

男「!?」

女「なんか気が抜けちゃって……あはは」

友「大丈夫?あんな場面に遭遇したし無理もないか」

男「ちょっといいか?」

女「はい?」

ヒョイ

女「え、あ、えぇぇぇ!!?」///

友「おー!お姫様抱っこ!!」



267: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/19(金) 16:50:00 ID:tNx8jJ56

女「あ、あの!だ、大丈夫なので降ろして下さいっ」///

男「歩けるのか?」

女「そ、それは……」

男「なら家まで送っていくよ」

女「で、でも……その、重いですよね?それに周りに人が……」

男「全然重くない……むしろもうちょっと食べた方がいいんじゃないか?」

女「う~!それってどういう意味ですか!?」

男「いや……」チラッ

女「!?」

男「……別に深い意味はない」

女「う~~~!!今どこ見てました!?」ポコポコ

男「あはは、冗談だ冗談!」

カシャ

女「!?」



268: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/19(金) 16:50:36 ID:tNx8jJ56

友「おお!これはいいショットが撮れたっ!後で男に送るね!」

男「それは是非頼む」

女「も~~!!」

友「でもすごいよこの写真!男がこんなに愛しそうに微笑むなんてレアだよ!超レア!!女さん、愛されてるねっ」

男「むっ……」

女「え?……お、男くん、あとで私にも送ってください……」

男「……嫌だ」

友「あっははは」



269: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/19(金) 16:58:14 ID:tNx8jJ56

――帰り道 公園

男「ったく、友のやつ散々からかいやがって」

女「ふふっ……でもお二人は本当仲良いですよね。お互いを信頼し合ってるのが伝わってきます」

男「まぁ幼馴染だしな」

女「前に友さんと二人でお話しした時に、男くんの事を親友だって言ってましたよ?」

男「あいつは恥ずかしげも無くそういこというからな」

女「でも男くんも思ってますよね?」

男「はは、思ってるよ。わざわざ口に出して言わないが」

女「ふふふ」



270: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/19(金) 16:58:53 ID:tNx8jJ56

男「それよりもう大丈夫なのか?」

女「はい!もう歩けると思います」

男「別にあのまま家まで送ってもよかったんだが」

女「わ、私がよくないです!」

男「そうか」

女「美少女ちゃん、友子ちゃんと仲直りできたかな?」

男「あの二人ならきっと大丈夫だ」

女「そうですね」

男「でも、どうしてあんな無茶をしてまで連れ出したんだ?」



271: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/19(金) 17:00:16 ID:tNx8jJ56

女「それは……。友子ちゃんを解放したかったんです」

男「解放?」

女「友子ちゃんは……美少女ちゃんに対する罪悪感や、あの人達に対する恐怖心に縛られてしまっていて自力じゃ抜け出せなくなってたと思うんです」

女「もし私が同じ立場だったら……そうなっていたと思いますから……」

男「そうか……」

女「なので、友子ちゃんにはあの場で新しい一歩を踏み出して欲しかったんです」

男「そんなこと考えてたのか……俺は友子さんの気持ちまで頭が回らなかったな」

女「……というのは建前で……」

男「え?」

女「本当は……」

女「本当は嘘でも告白して欲しくなかったんです」



272: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/19(金) 17:03:36 ID:tNx8jJ56

男「あ……」

女「ごめんなさい、幻滅しましたよね?」

男「……いや、そんなことないぞ」

女「え?」

男「なんで俺がDQN達と徹底的に争ったのか、わかるか?」

女「美少女ちゃんを解放する為……ですよね?」

男「ああ。それも理由の一つだ。だがもう一つの理由の方が俺にとって大きかった」

女「……」

男「女との関係を先に進める為に、女と平穏に過ごす為に、DQN達を徹底的に潰してやろうと思ったんだ」

女「……」

男「幻滅したか?」

女「……」ブンブン



273: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/19(金) 17:04:55 ID:tNx8jJ56

男「だから……なんだ、その……随分遠回りした気がするが……」

女「……」

男「女の事が好きだ。俺と付き合ってくれ」

女「はいっ……こんな私でよろしければ」

ぎゅぅぅ

男「そんなお前がいいんだ」

女「はい……好きです男くん、大好きです!」



274: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/19(金) 17:12:16 ID:tNx8jJ56

7/1(水)

――昼休み 踊り場

男「どういうことだ!?」

友「あははは」

男「お前の仕業か!?」

友「まさか!そんな事するわけないじゃないか」

美少女「別にいいじゃない、ちょっと有名になったくらい」

男「よくない!」

友「恐らく解放されたキモオタくん達が男の武勇伝を語り回ってるんだろうね」

男「勘弁してくれよ」

女「私も朝から友達に色々質問されて……」

友「あはは!なんたって女さんはこの学校の“番長”の“女”だからね」

女「うぅぅ……」



275: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/19(金) 17:13:26 ID:tNx8jJ56

男「なんかすまん、女」

女「ううん、付き合ってる事を知られるのは全然いいの!むしろ嬉しいんだけど……ちょっと斜め上過ぎて……」

友「あっははは!」

美少女「あら?アンタもちょっとした有名人よ?」

友「俺?知ってる知ってる!“番長”の“右腕”だってね、くふふ」

男「随分楽しそうだな?」

友「いやぁ、噂って面白いよね!どんどん尾ひれがついてさ!美少女さんもそのうち“番長”の“愛人”とかになるんじゃない?」

美少女「ぷっ、それも悪くないわね」ニヤ

女「それは悪いです!否定すべきです!」プンプン



276: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/19(金) 17:15:29 ID:tNx8jJ56

美少女「えー、正妻と妾で仲良くしようよ!男だって悪い気はしないでしょ?両手に華だよっ」ウデギュ

女「あーー!!ダメです!離れて下さいっ!!」

男「勘弁してくれ……」

友「ま、人の噂も七十五日っていうじゃない?飽きたらすぐ忘れられるよ」

男「……まぁそうだな」

友「じゃあ来たる夏休みの計画について話し合おうか!」

美少女「いいね!友子誘っていい?」

友「もちろんっ!」

美少女「じゃあさ――――」

友「――――」

美少女「――――」

男「……」スッ



277: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/19(金) 17:17:34 ID:tNx8jJ56

女「男くん、どうかしました?」

男「いや……女がいて、友がいて、いつの間にか美少女もいて、こういう賑やかなのも悪くないなと思ってさ」

女「そうですね」

女「でも……浮気はダメですよ?」

男「するかっ!」

女「えへへ、冗談です」



278: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/19(金) 17:18:15 ID:tNx8jJ56

男「女との始まりはあんな感じだったけど、俺は今幸せだよ」

女「あ……。私もです!中学生の頃からですからね!男くんとは年季が違いますよ!」

男「ははは、その差は埋められそうにないな」

女「はい。ずっと、埋められなくていいです。そのかわり――」

男「ああ。これからも宜しくな」

女「はいっ!!」

美少女「あー!そこ、イチャついてるーー!!」

友「しー!黙って見守らなきゃ」

男「別にイチャついてないぞ」

女「ふふふ」

おしまい。



279: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/19(金) 17:22:23 ID:tNx8jJ56

思った以上に長くなりましたが、なんとか終わらせることができてホッとしてます
ありがとうございました!


元スレ
SS深夜VIP:男「本当にいいんだな?」女「は、はい」