1: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/12/12(月) 21:10:18.044 ID:apjljWZ701212.net
面接官「それでは、ただいまより集団面接を始めます」
人事部長「皆さん、リラックスして質問に答えて下さい」
就活娘「はいっ!」
就活生A「はいっ!」
就活生B「はいっ!」
就活生C「はいっ!」
4: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/12/12(月) 21:13:15.692 ID:apjljWZ701212.net
面接官「では最初は、一分程度で自己PRをお願いします」
面接官「それでは、そちらの女性からどうぞ」
就活娘「……」ジーッ
面接官「なんです? 人の顔をジロジロ見て」
就活娘「……あなた、もしかして」
面接官「?」
就活娘「……お兄ちゃん!?」
面接官「え!?」
就活娘「やっぱりそうだ! お兄ちゃんだ!」
就活娘「お兄ちゃん、あたしだよ! あたし!」
面接官「!」ハッ
面接官「お前は……妹!」
面接官「まさか……そんな……! こんなところで会えるなんて……!」
就活娘「あたしもだよ……ビックリしちゃった!」
面接官「あれからもう、15年にもなるのか――」
面接官(俺たち兄妹は本当に仲が良かった……誰もがうらやむほどに……)
~ 回想 ~
妹「あたし、将来はおにいちゃんのお嫁さんになるーっ!」
兄「アハハ、嬉しいな」
兄「だけどぼくたちは兄妹だから、結婚できないんだよ」
妹「ええっ、そんなのやだぁ!」
兄「ぼくだって残念だよ。でも、決まりだからね」
兄「だからこそ……今のうちにいっぱい遊ぼうな!」ナデナデ
妹「うんっ!」
兄「ただいまー!」
妹「ただいまー!」
母「はい……では、よろしくお願いします」
男「ええ、必ず幸せにしてみせます」
女「どうかご安心下さい」
兄妹「?」
兄「どうしたの? ……このおじさんとおばさんは誰?」
母「あのね……今日から妹は、この人たちの養子になるんだよ」
男「よろしくね」
女「大切に育てますから」
兄「ええっ!?」
兄「なんで!? なんでだよ! なんでこんなことを!」
母「ごめんね、お父さんが亡くなって、もう女手一つじゃ二人は育てられないんだよ……」
母「そんな時、子供がいないこのご夫婦から、養子縁組の話をいただいてねえ……」
兄「だからって……妹がよその家の子になっちゃうなんて!」
兄「やだよーっ! やだやだっ!」
男「さ、行こうか」
女「行きましょうか」
妹「やだっ! はなしてっ! 助けて、おにいちゃーん!」
兄「連れてかないでーっ!!!」
……
…………
面接官「あれから15年、たとえ会えなくても、お前を忘れたことは一日もなかったよ」
面接官「だけど、お前のことが一目で分からなかったのは、不覚だったな」
面接官「だって、こんなにキレイになってるとは思わなかったからね」
就活娘「やだ、お兄ちゃんったら……!」
就活娘「ねえ、お兄ちゃん……もうちょっと近づいてもいい?」
面接官「もちろんいいとも!」サッ
就活娘「おにいちゃああああああああん!!!」ギュッ
就活娘「お兄ちゃん、お兄ちゃん、おにいちゃあああああああん!!!」
就活娘「会いたかったよ、ずっと会いたかったよぉ……!」
面接官「俺だってそうさ!」ギュッ…
就活娘「15年分、ナデナデして」
面接官「もちろんさ!」ナデナデ
就活娘「お兄ちゃん……大きくなったね。すっごくたくましいよ」
面接官「お前こそな……特に胸が」
就活娘「えへへ~、お兄ちゃんのエッチ」
面接官「引き取ってくれたご両親は、親切だったかい?」
就活娘「うん……とても優しかった」
就活娘「最初は大嫌いだったけど、今はとても感謝してるわ」
面接官「そうか、よかった。すっかりご無沙汰してるから、後日俺も挨拶に行くよ」
面接官「――おっと、そろそろ席に戻るんだ。今は面接中だぞ」
就活娘「あ、そっか!」
面接官「妹だからって面接に手心は加えないぞ! 頑張れよ!」
就活娘「うんっ!」
面接官「では、面接を再開しましょう」
面接官「そちらの方、自己PRをお願いします」
就活生A「……」
面接官「どうしました? 緊張してしまいましたか?」
就活生A「いや……そうではない」
面接官(敬語が使えない……マイナスしとこう。だけど、どこかで聞いたことある声だな……)
就活生A「……立派になったな」
面接官「!」ハッ
面接官(この声……この顔……まさか!?)
面接官「先生!?」
就活生A「……ふふ、やっと気づいたか」
面接官「どうして先生がこんなところに!?」
就活生A「そりゃもちろん、社会人になったお前を一目見たかったからさ」
就活生A「なにしろ私の40年近い教員生活で、一番手間がかかった生徒だったからな」
面接官「アハハ、お恥ずかしい限りです」
面接官(先生……白髪増えたな……だけど元気そうで何よりだ)
面接官(10年前、俺はまだ高校生だった)
面接官(家が貧しく、妹を連れてかれるなんて経験をした俺は荒れていた)
面接官(札付きの不良になった俺を、みんなが怖がり、見捨てていた。だけど――)
~ 回想 ~
不良「オラァッ!」
ドゴォッ!
チンピラ「ぐはぁっ!」
不良「口ほどにもねえ野郎だ。どれ、足の一本も折ってやるよ」
チンピラ「ひ、ひいっ! おめえは強えっ! もう勘弁してくれぇ……」
不良「あ? だったら金出せや。有り金全部出したら、腕を折るだけで済ませてやるよ」
チンピラ「やめてくれよぉ……」
教師「――やめないかッ!」
不良「!」ビクッ
チンピラ「ひえぇぇぇっ!」タタタタタッ
不良「ちっ、またてめえかよ……おかげでサンドバッグ兼金ヅルを逃がしちまったじゃねーか!」
不良「いくら手柄立てたいからって、俺みてーな落ちこぼれによくかまうよな、てめえも」
教師「手柄? ちがう! 私はお前を心配していってるんだ!」
教師「そうやって暴れてたら、他人はもちろん、自分自身をも不幸にするだけだ!」
不良「あ~……うぜえ。てめえはいつも口だけだから、全然心に響かねえよ」
教師「ということは……もしお前にケンカで勝ったら、真面目になってくれるんだな?」
不良「は? てめえ、俺に勝てるつもりかよ!」
教師「ああ、これでも武道をやってたからな。たかが高校生の小僧などに負けはせん!」バサッ
不良「上等だぁっ!」
バキッ! ドカッ! ドスンッ! ドゴッ! ガッ!
不良「ダラァッ!」ブオンッ
ドカッ!
教師「ぐはっ!」
教師「なんの、背負い投げっ!」グイッ
不良「うおおっ!?」ドシンッ
不良「ハァ、ハァ、ハァ……」
教師「ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ……」
不良「てめえ……やるじゃねえか。そこらの奴よりよっぽど気合入ってやがる」
教師「ふふっ、お前こそな」
不良「へ、へへへ……」
不良「わぁーったよ! 俺の負けでいいや、俺の負け!」ドサッ
不良「今度……いや明日からは……真面目に学校行って、ちゃんと勉強するよ」
教師「本当か?」
不良「本当だとも。俺はバカだけど、ウソはつかねえ」
教師「よぉ~し、ならお前の新しい門出に、ラーメンでもおごってやるか!」
不良「ったく、どうせならもうちょっといいもんおごれよな」
教師「安月給に無茶いうもんじゃないぞ」
……
…………
面接官「先生がいたから……先生が体を張ってくれたから、今の私があるんです」
就活生A「教師冥利に尽きる言葉だ。嬉しいよ」
面接官「ところで先生は……今はなにを?」
就活生A「教員を定年退職して、子供向けの小さな個人塾をやってるよ」
就活生A「子供の相手は高校生とはまた違った大変さがあるが、やりがいがあるよ」
面接官「そうだったんですか……」
就活生A「それにしても、本当に立派になった。背広がよく似合っている」
面接官「……ありがとうございます」
就活生A「面接官というのは大勢の人と出会う大変な仕事だろうが、頑張れよ!」
面接官「はいっ!」
面接官「では先生、名残惜しいですが、時間も押してるので面接を再開します」
就活生A「うむ、そうしてくれ」
面接官「さて、それでは次の方、自己PRを……」
就活生B「クックック……」
面接官「なにがおかしいんですか?」
就活生B「これが笑わずにいられるか」
就活生B「ようやく……憎き復讐すべき相手に出会えたのだからな」ニヤ…
面接官「!」ハッ
面接官「バカな……!」
面接官「お前は、お前は……五年前に死んだはず!」
面接官(五年前、俺は不良時代に培ったケンカの強さを生かして、勇者をやってた時期があった)
面接官(世界征服を目論んだ、宿敵である魔王はたしかにこの手で――)
~ 回想 ~
勇者「いくぞっ! 正義の剣を受けてみよっ!」
勇者「だりゃあっ!」シュバッ
ザシュッ!
魔王「ぐはぁっ! このワシが……たかが人間ごとき、に……!」ボシュゥゥゥ…
面接官(この手で倒した!)
面接官「お前はたしかに消滅したはずだ!」
就活生B「ククク、詰めが甘いな。ワシはかろうじて生きていたのだ!」
就活生B「カァッ!」ズアッ
ズガァンッ!
面接官「机が粉々に……!」
面接官(今の魔力……あの時より数段キレが増している……!)
就活生B「この五年間、ワシは貴様への復讐だけを考えて生きてきた」
就活生B「そして、こうして就活生に化けることで、ようやく貴様のもとにたどり着いた!」
就活生B「ワシは五年前より強くなったが、はたして貴様はどうかな?」ニヤ…
面接官「ぐっ……!」
就活生B「喰らえ、魔炎咆哮波ッ!!!」ゴォアァァァッ
面接官「うわっ――」
ズガァァァァァンッ!!!
就活娘「お兄ちゃんっ!」
就活生A「なんという恐ろしい技だ!」
就活生B「フハハハハ……終わりだ! 肉片すら残っておらんだろう!」
就活生B「この爆炎、勇者を引退し、聖闘気(セインとうき)を失った貴様では耐えられぬ!」
面接官「ぐっ……!」シュゥゥゥ…
就活生B「――バカな!? 生きているだと!?」
就活生B「勇者をやめ、聖闘気を纏っていない貴様が、なぜ今の爆破に耐えられる!?」
面接官「あまり俺をバカにするなよ」プスプス…
面接官「俺だって、お前みたいなのがまた現れた時のために、ちゃんと準備してあったのさ!」
就活生B「準備だと……!?」
就活生B「――ん!?」
就活生B(スーツが破れ、露出したヤツの肉体……金属らしき光沢がある!)
就活生B「さては貴様……すでに生身の肉体ではないな!?」
面接官「そのとおり、俺はすでに肉体の85%を機械化している」
面接官「ねえ、部長? いえ……博士!」
人事部長「その通りじゃ!」
人事部長「面接官は私の部下であり、最高傑作でもあるのじゃ!」
面接官「今度はこっちから行くぞ!」ウイーン
面接官「ロケットパンチ!」シュボッ
ドゴォッ!
就活生B「ぐげっ!?」
面接官「背中のバーニアを噴射して……ジェットタックル!」ギュオッ
ズガァンッ!
就活生B「ぐはぁぁぁ……っ!」
就活娘「いっけー、お兄ちゃん! 悪者をやっつけろ!」
就活生A「ふふ……あの頃からケンカは強かったものなぁ」
人事部長「彼は面接官にして、地上最強のサイボーグなのじゃ!」
面接官「下半身を回転させ……トルネードキック!」ギュルルルッ
バキィッ!
就活生B「ぶげぇっ!」ドザッ
就活生B「お、おのれぇ! おのれぇぇぇ……!」
就活生B「かくなる上はッ!」ギュンッ
ドゴォンッ!
面接官(天井を破壊して上空へ飛んだ!? なにをする気だ!?)
就活生B「はあああああああああああ……!」グゴゴゴゴゴ…
面接官(なんだ、この暗黒波動は……!? とんでもないパワーだ……!)
就活生B「貴様……大した強さよ」
就活生B「元々非の打ちどころのない強さだったのが、サイボーグ化で更に磨きがかかっておる」
就活生B「まともにぶつかれば……ワシとて分が悪いようだ」
就活生B「――ならば!」
就活生B「ワシの暗黒波動を凝縮したこの『暗黒球』で、地球もろとも滅ぼしてくれる!」ゴゴゴゴゴ…
就活娘「空に真っ黒なボールが出来上がってく!」
就活生A「あんなエネルギーが地球にぶつかれば、ひとたまりもない!」
面接官「ならばこちらも最終兵器で応じよう!」ジャキーンッ
面接官「出力……100%!」ウイーン…
就活生B「地上に落ちろ、暗黒球ッ!!!」ズオオオオッ
面接官「闇を押し返せ、セイント・ホープ・キャノン!!!」バシュゥッ
ズオッ!!!
就活娘「おにいちゃーん!」
就活生A「聖なるエネルギーと暗黒のエネルギーが、ぶつかり合い、押し合っている!」
人事部長「二人のパワーは一見すると互角! ……じゃが!」
グゴゴゴゴゴ……!
就活生B「クックック……」
面接官「ぐぐっ……! ぐぐぐっ……!」ミシミシ…
就活生B「ワシの暗黒球は、人間どもの負の感情を吸い取ってどんどん巨大化する」
就活生B「人間は薄汚い生き物だからな……際限なく成長することができる!」
就活生B「しかし、貴様の技はどうかな?」
面接官(ダ、ダメだっ! 押し負ける! 押し負けたら……地球がなくなる!)ミシミシ…
面接官(出力を……上げるしかない!)ミシミシ…
人事部長「いかん! いかんぞ! 100%以上の力を出しては――」
面接官「出力……200%ッ!!!」
ズアアアッ!!!
グゴゴゴゴゴ……!
就活生B「ほう、多少押し返してきたか」
就活生B「だがしょせん、焼け石に水だったな! ワシの暗黒球の成長の方が早い!」
面接官(ついに……俺の腕が動かなくなり始めた……!)ミシミシ…
面接官「ここまで……か……」メキメキ…
人事部長「やはり……200%ではボディが持たん!」
就活娘「おにいちゃーんっ!」
就活生A「かつての教え子の危機だというのに、私には何もできないのか……!」
就活娘「いいえ、応援くらいはできるよ!」
就活娘「お兄ちゃん、ファイトーッ!」
面接官(――そうだ! ファイトだ! この戦いには妹や先生、みんなの命運がかかってるんだ!)
面接官(考えろ……ヤツを倒す方法を!)
面接官(暗黒球には……ヤツの暗黒波動に加え、人間の負の感情が混ざっている……)
面接官(つまり……人の心が混ざっている!)
面接官(その心に呼びかけ、俺の味方にすることができれば……!)
面接官「暗黒球よ、聞いてくれ!」
面接官「たしかに……この世には嫌なこと、理不尽なことが沢山ある!」
面接官「負の感情がそれほどまでに、積もり積もってしまうほどに!」
面接官「だけど……だけど!」
面接官「信じて欲しい……希望を!」
面接官「どうか……諦めないでくれ! この地球で暮らしていくことを!」
面接官「だから――俺に力を貸してくれ!」
就活生B「な、なんだ……!? 暗黒球がしぼんでいく! なぜだァ!?」
面接官「地球のみんなが諦めなかったように……俺も諦めない!」
面接官「俺に残るパワーを……全部くれてやるッ!」ウイーン
面接官「うおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!!!」ブッピガン
面接官「セイント・ホープ・キャノン!!!」
ズオオオオッ!!!
就活生B「ひ、ひいぃっ! ヤツのエネルギーが、暗黒球を呑み込んで――」
就活生B「ぐああああああああ……!」
就活生B「こんな、バカな……!」ボロ…
就活生B「最強の魔族であるワシが……悪の中の悪であるこのワシ、が……」ボロ…ボロ…
就活生B「ほ……ホロボサレル、トハァ……!!!」
ボウッ!!!
面接官「ハァッ、ハァッ、ハァッ……」ガクッ
就活娘「やったね、お兄ちゃん!」
就活生A「よくやった! お前は世界の救世主だ!」
面接官「がはっ……!」バチバチッ
面接官(体が……動かな……い……)バチバチッ
就活娘「――お兄ちゃん!? どうしたの!?」
人事部長「出力を上げすぎて、オーバーヒートを起こしたんじゃ……」
人事部長「もはや、二度と動けぬじゃろう……」
就活生A「あなたの力で、なんとかならないんですか!?」
人事部長「残念ながら、私の手ではどうにも……」
就活生C「私にお任せ下さい」スッ
人事部長「なんだ、君は? 君のような素人が出る幕では――」
就活生C「失礼します」ポタッポタッ…
面接官「!」ビクビクビクッ
面接官「あ、あれ……動ける!」ガバッ
面接官「出力の上げすぎで完全に故障したボディが、前よりも滑らかに動く!」ウイーン
就活娘「やったーっ! お兄ちゃんが完全回復した!」
就活生A「おおっ! 奇跡だ!」
人事部長「信じられん……!」
人事部長「あの就活生がほんの少し体液を垂らしたら、面接官がよみがえりおった……!」
面接官(そうか……この就活生は……まさか!?)
面接官(さっそく質問してみよう!)
面接官「では、自己PRをお願いします」
就活生C「はい、私は潤滑油のような人間です」
―おわり―
元スレ
面接官「では最初は、一分程度で自己PRをお願いします」
面接官「それでは、そちらの女性からどうぞ」
就活娘「……」ジーッ
面接官「なんです? 人の顔をジロジロ見て」
就活娘「……あなた、もしかして」
面接官「?」
就活娘「……お兄ちゃん!?」
面接官「え!?」
5: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/12/12(月) 21:16:10.798 ID:apjljWZ701212.net
就活娘「やっぱりそうだ! お兄ちゃんだ!」
就活娘「お兄ちゃん、あたしだよ! あたし!」
面接官「!」ハッ
面接官「お前は……妹!」
面接官「まさか……そんな……! こんなところで会えるなんて……!」
就活娘「あたしもだよ……ビックリしちゃった!」
面接官「あれからもう、15年にもなるのか――」
8: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/12/12(月) 21:18:28.854 ID:apjljWZ701212.net
面接官(俺たち兄妹は本当に仲が良かった……誰もがうらやむほどに……)
~ 回想 ~
妹「あたし、将来はおにいちゃんのお嫁さんになるーっ!」
兄「アハハ、嬉しいな」
兄「だけどぼくたちは兄妹だから、結婚できないんだよ」
妹「ええっ、そんなのやだぁ!」
兄「ぼくだって残念だよ。でも、決まりだからね」
兄「だからこそ……今のうちにいっぱい遊ぼうな!」ナデナデ
妹「うんっ!」
10: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/12/12(月) 21:20:56.450 ID:apjljWZ701212.net
兄「ただいまー!」
妹「ただいまー!」
母「はい……では、よろしくお願いします」
男「ええ、必ず幸せにしてみせます」
女「どうかご安心下さい」
兄妹「?」
11: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/12/12(月) 21:22:34.483 ID:apjljWZ701212.net
兄「どうしたの? ……このおじさんとおばさんは誰?」
母「あのね……今日から妹は、この人たちの養子になるんだよ」
男「よろしくね」
女「大切に育てますから」
兄「ええっ!?」
13: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/12/12(月) 21:25:22.196 ID:apjljWZ701212.net
兄「なんで!? なんでだよ! なんでこんなことを!」
母「ごめんね、お父さんが亡くなって、もう女手一つじゃ二人は育てられないんだよ……」
母「そんな時、子供がいないこのご夫婦から、養子縁組の話をいただいてねえ……」
兄「だからって……妹がよその家の子になっちゃうなんて!」
兄「やだよーっ! やだやだっ!」
男「さ、行こうか」
女「行きましょうか」
妹「やだっ! はなしてっ! 助けて、おにいちゃーん!」
兄「連れてかないでーっ!!!」
18: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/12/12(月) 21:29:17.067 ID:apjljWZ701212.net
……
…………
面接官「あれから15年、たとえ会えなくても、お前を忘れたことは一日もなかったよ」
面接官「だけど、お前のことが一目で分からなかったのは、不覚だったな」
面接官「だって、こんなにキレイになってるとは思わなかったからね」
就活娘「やだ、お兄ちゃんったら……!」
就活娘「ねえ、お兄ちゃん……もうちょっと近づいてもいい?」
面接官「もちろんいいとも!」サッ
19: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/12/12(月) 21:32:28.773 ID:apjljWZ701212.net
就活娘「おにいちゃああああああああん!!!」ギュッ
就活娘「お兄ちゃん、お兄ちゃん、おにいちゃあああああああん!!!」
就活娘「会いたかったよ、ずっと会いたかったよぉ……!」
面接官「俺だってそうさ!」ギュッ…
就活娘「15年分、ナデナデして」
面接官「もちろんさ!」ナデナデ
就活娘「お兄ちゃん……大きくなったね。すっごくたくましいよ」
面接官「お前こそな……特に胸が」
就活娘「えへへ~、お兄ちゃんのエッチ」
20: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/12/12(月) 21:35:35.888 ID:apjljWZ701212.net
面接官「引き取ってくれたご両親は、親切だったかい?」
就活娘「うん……とても優しかった」
就活娘「最初は大嫌いだったけど、今はとても感謝してるわ」
面接官「そうか、よかった。すっかりご無沙汰してるから、後日俺も挨拶に行くよ」
面接官「――おっと、そろそろ席に戻るんだ。今は面接中だぞ」
就活娘「あ、そっか!」
面接官「妹だからって面接に手心は加えないぞ! 頑張れよ!」
就活娘「うんっ!」
21: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/12/12(月) 21:39:17.257 ID:apjljWZ701212.net
面接官「では、面接を再開しましょう」
面接官「そちらの方、自己PRをお願いします」
就活生A「……」
面接官「どうしました? 緊張してしまいましたか?」
就活生A「いや……そうではない」
面接官(敬語が使えない……マイナスしとこう。だけど、どこかで聞いたことある声だな……)
就活生A「……立派になったな」
面接官「!」ハッ
面接官(この声……この顔……まさか!?)
24: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/12/12(月) 21:42:28.933 ID:apjljWZ701212.net
面接官「先生!?」
就活生A「……ふふ、やっと気づいたか」
面接官「どうして先生がこんなところに!?」
就活生A「そりゃもちろん、社会人になったお前を一目見たかったからさ」
就活生A「なにしろ私の40年近い教員生活で、一番手間がかかった生徒だったからな」
面接官「アハハ、お恥ずかしい限りです」
面接官(先生……白髪増えたな……だけど元気そうで何よりだ)
25: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/12/12(月) 21:45:44.213 ID:apjljWZ701212.net
面接官(10年前、俺はまだ高校生だった)
面接官(家が貧しく、妹を連れてかれるなんて経験をした俺は荒れていた)
面接官(札付きの不良になった俺を、みんなが怖がり、見捨てていた。だけど――)
~ 回想 ~
不良「オラァッ!」
ドゴォッ!
チンピラ「ぐはぁっ!」
不良「口ほどにもねえ野郎だ。どれ、足の一本も折ってやるよ」
チンピラ「ひ、ひいっ! おめえは強えっ! もう勘弁してくれぇ……」
不良「あ? だったら金出せや。有り金全部出したら、腕を折るだけで済ませてやるよ」
チンピラ「やめてくれよぉ……」
26: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/12/12(月) 21:49:41.399 ID:apjljWZ701212.net
教師「――やめないかッ!」
不良「!」ビクッ
チンピラ「ひえぇぇぇっ!」タタタタタッ
不良「ちっ、またてめえかよ……おかげでサンドバッグ兼金ヅルを逃がしちまったじゃねーか!」
不良「いくら手柄立てたいからって、俺みてーな落ちこぼれによくかまうよな、てめえも」
教師「手柄? ちがう! 私はお前を心配していってるんだ!」
教師「そうやって暴れてたら、他人はもちろん、自分自身をも不幸にするだけだ!」
不良「あ~……うぜえ。てめえはいつも口だけだから、全然心に響かねえよ」
教師「ということは……もしお前にケンカで勝ったら、真面目になってくれるんだな?」
不良「は? てめえ、俺に勝てるつもりかよ!」
教師「ああ、これでも武道をやってたからな。たかが高校生の小僧などに負けはせん!」バサッ
不良「上等だぁっ!」
27: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/12/12(月) 21:52:28.066 ID:apjljWZ701212.net
バキッ! ドカッ! ドスンッ! ドゴッ! ガッ!
不良「ダラァッ!」ブオンッ
ドカッ!
教師「ぐはっ!」
教師「なんの、背負い投げっ!」グイッ
不良「うおおっ!?」ドシンッ
不良「ハァ、ハァ、ハァ……」
教師「ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ……」
不良「てめえ……やるじゃねえか。そこらの奴よりよっぽど気合入ってやがる」
教師「ふふっ、お前こそな」
不良「へ、へへへ……」
28: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/12/12(月) 21:55:34.136 ID:apjljWZ701212.net
不良「わぁーったよ! 俺の負けでいいや、俺の負け!」ドサッ
不良「今度……いや明日からは……真面目に学校行って、ちゃんと勉強するよ」
教師「本当か?」
不良「本当だとも。俺はバカだけど、ウソはつかねえ」
教師「よぉ~し、ならお前の新しい門出に、ラーメンでもおごってやるか!」
不良「ったく、どうせならもうちょっといいもんおごれよな」
教師「安月給に無茶いうもんじゃないぞ」
31: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/12/12(月) 21:58:51.607 ID:apjljWZ701212.net
……
…………
面接官「先生がいたから……先生が体を張ってくれたから、今の私があるんです」
就活生A「教師冥利に尽きる言葉だ。嬉しいよ」
面接官「ところで先生は……今はなにを?」
就活生A「教員を定年退職して、子供向けの小さな個人塾をやってるよ」
就活生A「子供の相手は高校生とはまた違った大変さがあるが、やりがいがあるよ」
面接官「そうだったんですか……」
34: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/12/12(月) 22:02:08.936 ID:apjljWZ70.net
就活生A「それにしても、本当に立派になった。背広がよく似合っている」
面接官「……ありがとうございます」
就活生A「面接官というのは大勢の人と出会う大変な仕事だろうが、頑張れよ!」
面接官「はいっ!」
面接官「では先生、名残惜しいですが、時間も押してるので面接を再開します」
就活生A「うむ、そうしてくれ」
35: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/12/12(月) 22:05:18.482 ID:apjljWZ70.net
面接官「さて、それでは次の方、自己PRを……」
就活生B「クックック……」
面接官「なにがおかしいんですか?」
就活生B「これが笑わずにいられるか」
就活生B「ようやく……憎き復讐すべき相手に出会えたのだからな」ニヤ…
面接官「!」ハッ
面接官「バカな……!」
面接官「お前は、お前は……五年前に死んだはず!」
39: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/12/12(月) 22:10:31.055 ID:apjljWZ70.net
面接官(五年前、俺は不良時代に培ったケンカの強さを生かして、勇者をやってた時期があった)
面接官(世界征服を目論んだ、宿敵である魔王はたしかにこの手で――)
~ 回想 ~
勇者「いくぞっ! 正義の剣を受けてみよっ!」
勇者「だりゃあっ!」シュバッ
ザシュッ!
魔王「ぐはぁっ! このワシが……たかが人間ごとき、に……!」ボシュゥゥゥ…
面接官(この手で倒した!)
面接官「お前はたしかに消滅したはずだ!」
就活生B「ククク、詰めが甘いな。ワシはかろうじて生きていたのだ!」
41: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/12/12(月) 22:13:29.426 ID:apjljWZ70.net
就活生B「カァッ!」ズアッ
ズガァンッ!
面接官「机が粉々に……!」
面接官(今の魔力……あの時より数段キレが増している……!)
就活生B「この五年間、ワシは貴様への復讐だけを考えて生きてきた」
就活生B「そして、こうして就活生に化けることで、ようやく貴様のもとにたどり着いた!」
就活生B「ワシは五年前より強くなったが、はたして貴様はどうかな?」ニヤ…
面接官「ぐっ……!」
44: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/12/12(月) 22:17:08.664 ID:apjljWZ70.net
就活生B「喰らえ、魔炎咆哮波ッ!!!」ゴォアァァァッ
面接官「うわっ――」
ズガァァァァァンッ!!!
就活娘「お兄ちゃんっ!」
就活生A「なんという恐ろしい技だ!」
就活生B「フハハハハ……終わりだ! 肉片すら残っておらんだろう!」
就活生B「この爆炎、勇者を引退し、聖闘気(セインとうき)を失った貴様では耐えられぬ!」
47: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/12/12(月) 22:20:27.520 ID:apjljWZ70.net
面接官「ぐっ……!」シュゥゥゥ…
就活生B「――バカな!? 生きているだと!?」
就活生B「勇者をやめ、聖闘気を纏っていない貴様が、なぜ今の爆破に耐えられる!?」
面接官「あまり俺をバカにするなよ」プスプス…
面接官「俺だって、お前みたいなのがまた現れた時のために、ちゃんと準備してあったのさ!」
就活生B「準備だと……!?」
49: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/12/12(月) 22:23:29.175 ID:apjljWZ70.net
就活生B「――ん!?」
就活生B(スーツが破れ、露出したヤツの肉体……金属らしき光沢がある!)
就活生B「さては貴様……すでに生身の肉体ではないな!?」
面接官「そのとおり、俺はすでに肉体の85%を機械化している」
面接官「ねえ、部長? いえ……博士!」
人事部長「その通りじゃ!」
52: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/12/12(月) 22:28:34.654 ID:apjljWZ70.net
人事部長「面接官は私の部下であり、最高傑作でもあるのじゃ!」
面接官「今度はこっちから行くぞ!」ウイーン
面接官「ロケットパンチ!」シュボッ
ドゴォッ!
就活生B「ぐげっ!?」
面接官「背中のバーニアを噴射して……ジェットタックル!」ギュオッ
ズガァンッ!
就活生B「ぐはぁぁぁ……っ!」
就活娘「いっけー、お兄ちゃん! 悪者をやっつけろ!」
就活生A「ふふ……あの頃からケンカは強かったものなぁ」
人事部長「彼は面接官にして、地上最強のサイボーグなのじゃ!」
53: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/12/12(月) 22:31:46.349 ID:apjljWZ70.net
面接官「下半身を回転させ……トルネードキック!」ギュルルルッ
バキィッ!
就活生B「ぶげぇっ!」ドザッ
就活生B「お、おのれぇ! おのれぇぇぇ……!」
就活生B「かくなる上はッ!」ギュンッ
ドゴォンッ!
面接官(天井を破壊して上空へ飛んだ!? なにをする気だ!?)
就活生B「はあああああああああああ……!」グゴゴゴゴゴ…
面接官(なんだ、この暗黒波動は……!? とんでもないパワーだ……!)
54: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/12/12(月) 22:35:04.560 ID:apjljWZ70.net
就活生B「貴様……大した強さよ」
就活生B「元々非の打ちどころのない強さだったのが、サイボーグ化で更に磨きがかかっておる」
就活生B「まともにぶつかれば……ワシとて分が悪いようだ」
就活生B「――ならば!」
就活生B「ワシの暗黒波動を凝縮したこの『暗黒球』で、地球もろとも滅ぼしてくれる!」ゴゴゴゴゴ…
就活娘「空に真っ黒なボールが出来上がってく!」
就活生A「あんなエネルギーが地球にぶつかれば、ひとたまりもない!」
55: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/12/12(月) 22:38:15.617 ID:apjljWZ70.net
面接官「ならばこちらも最終兵器で応じよう!」ジャキーンッ
面接官「出力……100%!」ウイーン…
就活生B「地上に落ちろ、暗黒球ッ!!!」ズオオオオッ
面接官「闇を押し返せ、セイント・ホープ・キャノン!!!」バシュゥッ
ズオッ!!!
57: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/12/12(月) 22:41:39.998 ID:apjljWZ70.net
就活娘「おにいちゃーん!」
就活生A「聖なるエネルギーと暗黒のエネルギーが、ぶつかり合い、押し合っている!」
人事部長「二人のパワーは一見すると互角! ……じゃが!」
グゴゴゴゴゴ……!
就活生B「クックック……」
面接官「ぐぐっ……! ぐぐぐっ……!」ミシミシ…
就活生B「ワシの暗黒球は、人間どもの負の感情を吸い取ってどんどん巨大化する」
就活生B「人間は薄汚い生き物だからな……際限なく成長することができる!」
就活生B「しかし、貴様の技はどうかな?」
面接官(ダ、ダメだっ! 押し負ける! 押し負けたら……地球がなくなる!)ミシミシ…
58: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/12/12(月) 22:44:46.051 ID:apjljWZ70.net
面接官(出力を……上げるしかない!)ミシミシ…
人事部長「いかん! いかんぞ! 100%以上の力を出しては――」
面接官「出力……200%ッ!!!」
ズアアアッ!!!
59: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/12/12(月) 22:48:39.032 ID:apjljWZ70.net
グゴゴゴゴゴ……!
就活生B「ほう、多少押し返してきたか」
就活生B「だがしょせん、焼け石に水だったな! ワシの暗黒球の成長の方が早い!」
面接官(ついに……俺の腕が動かなくなり始めた……!)ミシミシ…
面接官「ここまで……か……」メキメキ…
人事部長「やはり……200%ではボディが持たん!」
就活娘「おにいちゃーんっ!」
就活生A「かつての教え子の危機だというのに、私には何もできないのか……!」
就活娘「いいえ、応援くらいはできるよ!」
就活娘「お兄ちゃん、ファイトーッ!」
面接官(――そうだ! ファイトだ! この戦いには妹や先生、みんなの命運がかかってるんだ!)
面接官(考えろ……ヤツを倒す方法を!)
61: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/12/12(月) 22:52:35.077 ID:apjljWZ70.net
面接官(暗黒球には……ヤツの暗黒波動に加え、人間の負の感情が混ざっている……)
面接官(つまり……人の心が混ざっている!)
面接官(その心に呼びかけ、俺の味方にすることができれば……!)
面接官「暗黒球よ、聞いてくれ!」
面接官「たしかに……この世には嫌なこと、理不尽なことが沢山ある!」
面接官「負の感情がそれほどまでに、積もり積もってしまうほどに!」
面接官「だけど……だけど!」
面接官「信じて欲しい……希望を!」
面接官「どうか……諦めないでくれ! この地球で暮らしていくことを!」
面接官「だから――俺に力を貸してくれ!」
就活生B「な、なんだ……!? 暗黒球がしぼんでいく! なぜだァ!?」
62: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/12/12(月) 22:55:26.595 ID:apjljWZ70.net
面接官「地球のみんなが諦めなかったように……俺も諦めない!」
面接官「俺に残るパワーを……全部くれてやるッ!」ウイーン
面接官「うおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!!!」ブッピガン
面接官「セイント・ホープ・キャノン!!!」
ズオオオオッ!!!
64: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/12/12(月) 22:59:11.008 ID:apjljWZ70.net
就活生B「ひ、ひいぃっ! ヤツのエネルギーが、暗黒球を呑み込んで――」
就活生B「ぐああああああああ……!」
就活生B「こんな、バカな……!」ボロ…
就活生B「最強の魔族であるワシが……悪の中の悪であるこのワシ、が……」ボロ…ボロ…
就活生B「ほ……ホロボサレル、トハァ……!!!」
ボウッ!!!
67: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/12/12(月) 23:03:35.589 ID:apjljWZ70.net
面接官「ハァッ、ハァッ、ハァッ……」ガクッ
就活娘「やったね、お兄ちゃん!」
就活生A「よくやった! お前は世界の救世主だ!」
面接官「がはっ……!」バチバチッ
面接官(体が……動かな……い……)バチバチッ
就活娘「――お兄ちゃん!? どうしたの!?」
人事部長「出力を上げすぎて、オーバーヒートを起こしたんじゃ……」
人事部長「もはや、二度と動けぬじゃろう……」
就活生A「あなたの力で、なんとかならないんですか!?」
人事部長「残念ながら、私の手ではどうにも……」
就活生C「私にお任せ下さい」スッ
71: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/12/12(月) 23:07:10.644 ID:apjljWZ70.net
人事部長「なんだ、君は? 君のような素人が出る幕では――」
就活生C「失礼します」ポタッポタッ…
面接官「!」ビクビクビクッ
面接官「あ、あれ……動ける!」ガバッ
面接官「出力の上げすぎで完全に故障したボディが、前よりも滑らかに動く!」ウイーン
就活娘「やったーっ! お兄ちゃんが完全回復した!」
就活生A「おおっ! 奇跡だ!」
人事部長「信じられん……!」
人事部長「あの就活生がほんの少し体液を垂らしたら、面接官がよみがえりおった……!」
面接官(そうか……この就活生は……まさか!?)
面接官(さっそく質問してみよう!)
73: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/12/12(月) 23:10:05.015 ID:apjljWZ70.net
面接官「では、自己PRをお願いします」
就活生C「はい、私は潤滑油のような人間です」
―おわり―
面接官「面接を始めます」就活娘「あなた、もしかして……お兄ちゃん!?」