1: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/10/05(木) 00:36:31.087 ID:nE5N1gpj0.net
父「ウイ~……ヒック」
父「おいっ!」
少女「!」ビクッ
少女「な……なに? お父さん……」
父「サケ買ってこいや、クソガキ!」
少女「うううっ……」
父「早く行けやっ!」バリィンッ
少女「分かったよぉ……」
9: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/10/05(木) 00:39:32.085 ID:nE5N1gpj0.net
少女「……」トボトボ…
少年「どうしたの?」
少女「実は、お父さんにサケ買ってこいって怒鳴られたの」
少女「でも、あたしこういうのはじめてで……サケってどこに売ってるのかな?」
少年「うーん……やっぱり魚屋じゃないかな?」
少女「どうもありがとう!」スタタタッ
少年「……」
魚屋――
主人「へい、らっしゃい!」
少女「サケください!」
主人「サケかぁ~、今あいにく売り切れなんだよねえ」
少女「そんなぁ……」
主人「なにしろ今は空前のサーモンブーム」
主人「あのニンテンドースイッチより、遥かに入手困難なんだから」
少女「そんなに品薄なんだ……」
主人「だけど、オイラのいう条件を呑んでくれたら、サケを売ってあげてもいいよ」
少女「ホント!? 呑む呑む!」
主人「その条件はね……お嬢ちゃん、君の体さぁぁぁぁぁっ!」グワッ
主人「ぐひゃひゃひゃひゃ!」ババッ
少女「ひっ!」サッ
主人「なぜ逃げる!? サケが欲しくないのか!?」
少女「うぅ……」
主人「さぁ、キスさせろ! 抱きつかせろ! 脱がさせろ! ヤらせろォ!」ガシッ
少女「やーっ!」バシッ
主人「このメスガキィ……! 魚の支配者たるこのオイラを殴りやがったな!」
主人「だったら、しょうがねえ」
主人「右手に……タイッ!」ジャキッ
主人「左手に……ヒラメッ!」ジャキッ
主人「この二魚流で君を気絶させてから、じっくり体を味わうとしよう!」
主人「ほらほらほらほらほら!」ブンブンブンブンブン
ベチベチベチベチベチッ
少女「きゃーっ! 生臭いーっ!」
少年「落ち着いて、少女ちゃん!」
少女「少年くん!?」
少年「昔話の“浦島太郎”を思い出すんだ!」
少女「あっ、そうか!」
少女「よぉし、だったら……」
少女「手を前に伸ばして! 背中を反って! 足は正座させる!」シャキンッ
主人「あっ! こっ、これは!?」
乙
バーンッ!
主人「あの女の子の体が……“乙”の字を描いているッ!」
少女「そう、私は乙姫……」
主人「!?」ギクッ
少女「タイやヒラメなど、乙姫からすれば一山いくらのバックダンサーに過ぎないわ」
少女「さぁ、跪きなさい! 魚屋ッ!」
主人「ぐ……ぐぬぬぅ……」
主人「参りましたーっ!」ガバッ
主人「フッ……オイラの負けだ。乙姫で来られちゃ、さすがの魚屋も手も足も出ねぇや」
少女「魚屋さん……」
主人「オイラに勝った証として、このあさりの貝殻を持っていくといい!」サッ
少女「わぁっ、きれい!」
少女「ありがとう、魚屋のおじさん!」
少女「よかったぁ~……」
少女「あやうく、魚屋さんで“男”を知っちゃうとこだったよ」
少年「勘弁してよ。君のはじめてはボクが奪う予定なんだから。中古はやだよ」
少女「えへへへ……」
少年「笑ってる場合じゃないよ。まだサケを手に入れたわけじゃないんだから」
少女「そうだね。でも、どこに行けばサケはあるんだろ?」
少年「この町で、あとサケがありそうな場所といえば……水族館しかないね」
少女「水族館か……行ってみよう!」
水族館――
館長「サケが欲しい?」
少女「はいっ!」
館長「じゃあこっちに来なさい」
少女「ありがとうございます!」
少女「どうやら手に入れられそうだね!」
少年「うん……」
チャプン…
館長「それじゃ、この水槽の中に入って」
少女「? ……はい」
ザブッ…
館長「つーかまえたっと!」ガション
少女(あれ!? 水槽に蓋されちゃった!)ブクブク…
少年「なんてことするんです!?」
館長「ククク……私は一度飼ってみたかったのさ、人間の女の子をね!」
ブクブクブクブクブク…
少女(開けて! 開けて!)ドンドンドンドン
少女(息が……できないっ!)ドンドンドンドン
館長「ほっほぉ~、水の中で溺れる少女! なんという芸術(アート)だ!」
館長「そらもっともがけ! 苦しめぇっ! 私を満足させるのだぁっ!」
館長「ご来館の皆さま、あちらをご覧ください!」
少女「ガボッ! ゴボォッ!」ブクブク…
客A「うひょ~、女の子じゃん!」
客B「苦しそうにもがいてやがるぜ!」
客C「こりゃたまんねぇや!」
少年(ボクもいけない性癖に目覚めちゃいそうだけど……なんとか理性を保たないと!)
少年(少女ちゃんを助けなきゃ!)
少年「この水槽のガラスを壊せば……!」ガンガンッ
館長「無駄だッ! この水槽のガラスは強化ガラスなんだ!」
館長「もっとも刃物には弱く、傷をつければ水圧も手伝って、ガラスを破ることは可能かもしれん」
館長「しかし、君たちのような子供が刃物を持ってるわけないからね……」ニヤ…
少年「ご丁寧にどうも」
少年(少女ちゃん、あさりの貝殻を使うんだ!)サッサッ
少女(うん、分かった!)ボコボコ…
少女(貝殻で……ガラスに傷をつける!)ガッガッ
ピシッ
館長「――ん?」
少女(もっともっともっと!)ガッガッガッガッガッ
ピシピシッ
館長「い、いかんっ! ガラスにヒビがッ!」
少女(トドメよっ!)ガッ
館長「や、やめろぉぉぉぉぉっ!!!」
バリィィィンッ!!!
ザバァァァァァッ!!!
館長「中の水がっ……! うっ、うわぁぁぁぁぁっ!!!」
客A「ぎゃああああっ!」
客B「ひいいいっ!」
客C「助けてぇぇぇぇぇっ!」
少女「あたしの勝ちね!」
館長「ぐ……私の負けだ……」
少女「ご褒美になにかちょうだい!」
館長「この水族館を半分やろう」
少女「いらない」
館長「即答かよ。だったらうーむ……そうだな」
館長「私は装飾品のデザイナーでもあってね……その貝殻を貸しなさい」
少女「いいけど」
サササッ
館長「できた! 純白の貝のイヤリングの完成だ!」
少女「わぁっ、ステキ!」
少年「よかったね、少女ちゃん!」
少女「魚屋も水族館もダメなら、次はどこへ行けばいいんだろう?」
少年「こうなったら、自力でサケを獲るしかないね」
少女「サケってどこにいるの?」
少年「サケといえば北海道だ……北海道しかない」
少年「北海道へ行こう!」
少女「北海道はでっかいどー!」
北海道編、開幕っ・・・!
北海道――
マタギ「お前たち、どこへ行く?」
少女「森へ入って、川に行くの!」
少年「彼女のお父さんがサケを欲しがってるんです」
マタギ「やめとけ……ヒグマに食われて死ぬのがオチだ」
少女「そんなことないもん!」
マタギ「ならば、ここで射殺するのがせめてもの情けッ!」
ズドォン!
少女「!」シャッ
マタギ「避けた!?」
ズドォン! ズドォン!
少女「なんの!」シャシャッ
マタギ「また避けた!?」
少女「サケを獲るなら、ピストルの弾ぐらい“避け”られなきゃね」
マタギ「ワッハッハ! こりゃ一本取られたわい!」
少年「行こう」
少女「うん!」
マタギ「なるほど……あの二人ならサケを獲ることも夢ではないかもしれん……」
森の中――
少年「ここらへんでイヤリングを落とすんだ」
少女「うん、分かった」
ボトッ
すると――
ガサガサ…
ヒグマ「お嬢さん、お待ちなさい」
少女「出たっ!」
ヒグマ「白い貝殻の小さなイヤリングを落としましたよ」
少女「ありがとう!」
ヒグマ「さぁ、お嬢さん、お逃げなさい」
少女「やだっ!」
ヒグマ「なに……?」ピクッ
少女「お願いがあります!」
ヒグマ「お願いですって?」
少女「あたしにサケの獲り方を……伝授して下さいませ!」
少年「ボクからもお願いします!」
ヒグマ「……」
ヒグマ「一つ質問をしましょう」
少女「なんなりと」
ヒグマ「旅は道連れ、世はな?」
少女「サケ!」
ヒグマ「おみごと、この問いを正解できた人間はあなたたちがはじめてです」
ヒグマ「あなた方を弟子にしてあげましょう」
少年「あ、ボクは結構です」
ヒグマ「いいですか、サケの捕獲は一日にしてならずです」
少女「オス!」
ヒグマ「サケを獲るには、サケを弾き飛ばす“腕力”、チャンスを待つ“持久力”」
ヒグマ「そして一瞬のチャンスを逃さない“反射神経”が必要なのです」
少女「オスッ!」
ヒグマ「いい返事です。さっそくトレーニングを始めましょうか」
ヒグマ「この岩を持ち上げるのです!」
少女「オス!」ググッ…
ヒグマ「滝浴び開始!」
少女「オス!」ザババババ…
ヒグマ「この石を避けるのです!」
少女「オス!」シャシャッ
半年後――
少女「どう?」
少年「う、美しい……!」
少年「まるでミロのヴィーナスのような、完璧に整った裸体……!」
少年「しなやかで、艶やかで、それでいてまったりとしてコクがある……!」ゴクッ…
少女「やだ~、褒めすぎだってば!」
ヒグマ「今のあなたなら、サケにも通用するでしょう。さぁ、ゆくのです!」
少女「オス!」
川――
ザババ…
少年「サケが来たよ!」
ヒグマ「焦ってはなりません。狩りにおいて焦りは百害あって一利なし、頭を冷やすのです」
ヒグマ「そして、北海道の大自然と自身を一体化するのです」
ヒグマ「目で見るのではなく感じるのです……北海道の愛を! 北海道の絶望を! 北海道の全てを!」
少女「師匠、ちょっとうるさい」
ヒグマ「あ……」
ザバババババ…
少女(一瞬のチャンスを逃さない!)クワッ
ザバァッ!!!
少女「獲ったどーっ!」ビチビチッ
ヒグマ「みごとです。もう私から教えることはなにもありませんよ」
少女「ありがとうございました……師匠!」
少年「帰ろう……君のお父さんのもとへ!」
少女「うん!」ビチビチッ
ヒグマ(北海道の神よ……あの二人に幸運をもたらさんことを……アーメン、味噌ラーメン)
少女「ただいまー!」
父「おお、お帰り」
父「半年もどこ行ってたんだ? 心配したんだぞ?」
少女「ごめんなさい……」
少女「でもね、ちゃんと獲ってきたよ……サケ!」ビチビチッ
父「おおっ! ありがとう!」
父「じゃあさっそくサケ料理を振る舞うとしようか! この“クッキングファザー”がね!」
二人「わーいっ!」
父「ほらっ、サーモンの刺身だ!」
少女「おいしいっ!」モグモグ
父「鮭のムニエルだ!」
少年「素材の味を生かしつつ、それを絶妙に昇華させた一品だ……!」ムシャムシャ
父「メインディッシュ、石狩鍋だっ!」グツグツ…
二人「おいしそーっ!!!」
グツグツ… グツグツ…
少女「お鍋、おいしいね!」ハフハフ
少年「うん、ダシがよくきいてて、骨から温まるようだよ」ハフハフ
父「喜んでもらえて嬉しいよ、ハッハッハ」
少年「北海道まで行ったかいがあったね」
少女「うんっ! はじめてのおつかい、大成功!」
おわり
元スレ
少女「……」トボトボ…
少年「どうしたの?」
少女「実は、お父さんにサケ買ってこいって怒鳴られたの」
少女「でも、あたしこういうのはじめてで……サケってどこに売ってるのかな?」
少年「うーん……やっぱり魚屋じゃないかな?」
少女「どうもありがとう!」スタタタッ
少年「……」
12: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/10/05(木) 00:42:15.541 ID:nE5N1gpj0.net
魚屋――
主人「へい、らっしゃい!」
少女「サケください!」
主人「サケかぁ~、今あいにく売り切れなんだよねえ」
少女「そんなぁ……」
主人「なにしろ今は空前のサーモンブーム」
主人「あのニンテンドースイッチより、遥かに入手困難なんだから」
少女「そんなに品薄なんだ……」
主人「だけど、オイラのいう条件を呑んでくれたら、サケを売ってあげてもいいよ」
少女「ホント!? 呑む呑む!」
主人「その条件はね……お嬢ちゃん、君の体さぁぁぁぁぁっ!」グワッ
14: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/10/05(木) 00:46:08.173 ID:nE5N1gpj0.net
主人「ぐひゃひゃひゃひゃ!」ババッ
少女「ひっ!」サッ
主人「なぜ逃げる!? サケが欲しくないのか!?」
少女「うぅ……」
主人「さぁ、キスさせろ! 抱きつかせろ! 脱がさせろ! ヤらせろォ!」ガシッ
少女「やーっ!」バシッ
主人「このメスガキィ……! 魚の支配者たるこのオイラを殴りやがったな!」
主人「だったら、しょうがねえ」
16: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/10/05(木) 00:48:12.775 ID:nE5N1gpj0.net
主人「右手に……タイッ!」ジャキッ
主人「左手に……ヒラメッ!」ジャキッ
主人「この二魚流で君を気絶させてから、じっくり体を味わうとしよう!」
主人「ほらほらほらほらほら!」ブンブンブンブンブン
ベチベチベチベチベチッ
少女「きゃーっ! 生臭いーっ!」
19: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/10/05(木) 00:51:37.642 ID:nE5N1gpj0.net
少年「落ち着いて、少女ちゃん!」
少女「少年くん!?」
少年「昔話の“浦島太郎”を思い出すんだ!」
少女「あっ、そうか!」
少女「よぉし、だったら……」
少女「手を前に伸ばして! 背中を反って! 足は正座させる!」シャキンッ
主人「あっ! こっ、これは!?」
23: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/10/05(木) 00:55:14.755 ID:nE5N1gpj0.net
乙
バーンッ!
主人「あの女の子の体が……“乙”の字を描いているッ!」
少女「そう、私は乙姫……」
主人「!?」ギクッ
少女「タイやヒラメなど、乙姫からすれば一山いくらのバックダンサーに過ぎないわ」
少女「さぁ、跪きなさい! 魚屋ッ!」
主人「ぐ……ぐぬぬぅ……」
主人「参りましたーっ!」ガバッ
26: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/10/05(木) 00:57:21.481 ID:nE5N1gpj0.net
主人「フッ……オイラの負けだ。乙姫で来られちゃ、さすがの魚屋も手も足も出ねぇや」
少女「魚屋さん……」
主人「オイラに勝った証として、このあさりの貝殻を持っていくといい!」サッ
少女「わぁっ、きれい!」
少女「ありがとう、魚屋のおじさん!」
29: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/10/05(木) 01:02:08.761 ID:nE5N1gpj0.net
少女「よかったぁ~……」
少女「あやうく、魚屋さんで“男”を知っちゃうとこだったよ」
少年「勘弁してよ。君のはじめてはボクが奪う予定なんだから。中古はやだよ」
少女「えへへへ……」
少年「笑ってる場合じゃないよ。まだサケを手に入れたわけじゃないんだから」
少女「そうだね。でも、どこに行けばサケはあるんだろ?」
少年「この町で、あとサケがありそうな場所といえば……水族館しかないね」
少女「水族館か……行ってみよう!」
31: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/10/05(木) 01:05:25.004 ID:nE5N1gpj0.net
水族館――
館長「サケが欲しい?」
少女「はいっ!」
館長「じゃあこっちに来なさい」
少女「ありがとうございます!」
少女「どうやら手に入れられそうだね!」
少年「うん……」
34: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/10/05(木) 01:07:36.921 ID:nE5N1gpj0.net
チャプン…
館長「それじゃ、この水槽の中に入って」
少女「? ……はい」
ザブッ…
館長「つーかまえたっと!」ガション
少女(あれ!? 水槽に蓋されちゃった!)ブクブク…
少年「なんてことするんです!?」
館長「ククク……私は一度飼ってみたかったのさ、人間の女の子をね!」
35: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/10/05(木) 01:10:56.083 ID:nE5N1gpj0.net
ブクブクブクブクブク…
少女(開けて! 開けて!)ドンドンドンドン
少女(息が……できないっ!)ドンドンドンドン
館長「ほっほぉ~、水の中で溺れる少女! なんという芸術(アート)だ!」
館長「そらもっともがけ! 苦しめぇっ! 私を満足させるのだぁっ!」
36: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/10/05(木) 01:13:17.682 ID:nE5N1gpj0.net
館長「ご来館の皆さま、あちらをご覧ください!」
少女「ガボッ! ゴボォッ!」ブクブク…
客A「うひょ~、女の子じゃん!」
客B「苦しそうにもがいてやがるぜ!」
客C「こりゃたまんねぇや!」
少年(ボクもいけない性癖に目覚めちゃいそうだけど……なんとか理性を保たないと!)
少年(少女ちゃんを助けなきゃ!)
38: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/10/05(木) 01:17:53.950 ID:nE5N1gpj0.net
少年「この水槽のガラスを壊せば……!」ガンガンッ
館長「無駄だッ! この水槽のガラスは強化ガラスなんだ!」
館長「もっとも刃物には弱く、傷をつければ水圧も手伝って、ガラスを破ることは可能かもしれん」
館長「しかし、君たちのような子供が刃物を持ってるわけないからね……」ニヤ…
少年「ご丁寧にどうも」
少年(少女ちゃん、あさりの貝殻を使うんだ!)サッサッ
少女(うん、分かった!)ボコボコ…
39: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/10/05(木) 01:20:21.695 ID:nE5N1gpj0.net
少女(貝殻で……ガラスに傷をつける!)ガッガッ
ピシッ
館長「――ん?」
少女(もっともっともっと!)ガッガッガッガッガッ
ピシピシッ
館長「い、いかんっ! ガラスにヒビがッ!」
少女(トドメよっ!)ガッ
館長「や、やめろぉぉぉぉぉっ!!!」
41: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/10/05(木) 01:22:24.370 ID:nE5N1gpj0.net
バリィィィンッ!!!
ザバァァァァァッ!!!
館長「中の水がっ……! うっ、うわぁぁぁぁぁっ!!!」
客A「ぎゃああああっ!」
客B「ひいいいっ!」
客C「助けてぇぇぇぇぇっ!」
45: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/10/05(木) 01:27:04.483 ID:nE5N1gpj0.net
少女「あたしの勝ちね!」
館長「ぐ……私の負けだ……」
少女「ご褒美になにかちょうだい!」
館長「この水族館を半分やろう」
少女「いらない」
館長「即答かよ。だったらうーむ……そうだな」
館長「私は装飾品のデザイナーでもあってね……その貝殻を貸しなさい」
少女「いいけど」
サササッ
館長「できた! 純白の貝のイヤリングの完成だ!」
少女「わぁっ、ステキ!」
少年「よかったね、少女ちゃん!」
47: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/10/05(木) 01:30:45.833 ID:nE5N1gpj0.net
少女「魚屋も水族館もダメなら、次はどこへ行けばいいんだろう?」
少年「こうなったら、自力でサケを獲るしかないね」
少女「サケってどこにいるの?」
少年「サケといえば北海道だ……北海道しかない」
少年「北海道へ行こう!」
少女「北海道はでっかいどー!」
北海道編、開幕っ・・・!
50: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/10/05(木) 01:34:09.289 ID:nE5N1gpj0.net
北海道――
マタギ「お前たち、どこへ行く?」
少女「森へ入って、川に行くの!」
少年「彼女のお父さんがサケを欲しがってるんです」
マタギ「やめとけ……ヒグマに食われて死ぬのがオチだ」
少女「そんなことないもん!」
マタギ「ならば、ここで射殺するのがせめてもの情けッ!」
52: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/10/05(木) 01:37:23.545 ID:nE5N1gpj0.net
ズドォン!
少女「!」シャッ
マタギ「避けた!?」
ズドォン! ズドォン!
少女「なんの!」シャシャッ
マタギ「また避けた!?」
少女「サケを獲るなら、ピストルの弾ぐらい“避け”られなきゃね」
マタギ「ワッハッハ! こりゃ一本取られたわい!」
少年「行こう」
少女「うん!」
マタギ「なるほど……あの二人ならサケを獲ることも夢ではないかもしれん……」
56: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/10/05(木) 01:40:01.015 ID:nE5N1gpj0.net
森の中――
少年「ここらへんでイヤリングを落とすんだ」
少女「うん、分かった」
ボトッ
すると――
58: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/10/05(木) 01:43:52.208 ID:nE5N1gpj0.net
ガサガサ…
ヒグマ「お嬢さん、お待ちなさい」
少女「出たっ!」
ヒグマ「白い貝殻の小さなイヤリングを落としましたよ」
少女「ありがとう!」
ヒグマ「さぁ、お嬢さん、お逃げなさい」
少女「やだっ!」
ヒグマ「なに……?」ピクッ
60: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/10/05(木) 01:47:28.089 ID:nE5N1gpj0.net
少女「お願いがあります!」
ヒグマ「お願いですって?」
少女「あたしにサケの獲り方を……伝授して下さいませ!」
少年「ボクからもお願いします!」
ヒグマ「……」
ヒグマ「一つ質問をしましょう」
少女「なんなりと」
ヒグマ「旅は道連れ、世はな?」
少女「サケ!」
ヒグマ「おみごと、この問いを正解できた人間はあなたたちがはじめてです」
ヒグマ「あなた方を弟子にしてあげましょう」
少年「あ、ボクは結構です」
64: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/10/05(木) 01:52:40.113 ID:nE5N1gpj0.net
ヒグマ「いいですか、サケの捕獲は一日にしてならずです」
少女「オス!」
ヒグマ「サケを獲るには、サケを弾き飛ばす“腕力”、チャンスを待つ“持久力”」
ヒグマ「そして一瞬のチャンスを逃さない“反射神経”が必要なのです」
少女「オスッ!」
ヒグマ「いい返事です。さっそくトレーニングを始めましょうか」
65: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/10/05(木) 01:55:05.478 ID:nE5N1gpj0.net
ヒグマ「この岩を持ち上げるのです!」
少女「オス!」ググッ…
ヒグマ「滝浴び開始!」
少女「オス!」ザババババ…
ヒグマ「この石を避けるのです!」
少女「オス!」シャシャッ
69: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/10/05(木) 01:58:32.216 ID:nE5N1gpj0.net
半年後――
少女「どう?」
少年「う、美しい……!」
少年「まるでミロのヴィーナスのような、完璧に整った裸体……!」
少年「しなやかで、艶やかで、それでいてまったりとしてコクがある……!」ゴクッ…
少女「やだ~、褒めすぎだってば!」
ヒグマ「今のあなたなら、サケにも通用するでしょう。さぁ、ゆくのです!」
少女「オス!」
72: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/10/05(木) 02:02:40.121 ID:nE5N1gpj0.net
川――
ザババ…
少年「サケが来たよ!」
ヒグマ「焦ってはなりません。狩りにおいて焦りは百害あって一利なし、頭を冷やすのです」
ヒグマ「そして、北海道の大自然と自身を一体化するのです」
ヒグマ「目で見るのではなく感じるのです……北海道の愛を! 北海道の絶望を! 北海道の全てを!」
少女「師匠、ちょっとうるさい」
ヒグマ「あ……」
ザバババババ…
少女(一瞬のチャンスを逃さない!)クワッ
ザバァッ!!!
73: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/10/05(木) 02:06:28.413 ID:nE5N1gpj0.net
少女「獲ったどーっ!」ビチビチッ
ヒグマ「みごとです。もう私から教えることはなにもありませんよ」
少女「ありがとうございました……師匠!」
少年「帰ろう……君のお父さんのもとへ!」
少女「うん!」ビチビチッ
ヒグマ(北海道の神よ……あの二人に幸運をもたらさんことを……アーメン、味噌ラーメン)
76: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/10/05(木) 02:09:51.583 ID:nE5N1gpj0.net
少女「ただいまー!」
父「おお、お帰り」
父「半年もどこ行ってたんだ? 心配したんだぞ?」
少女「ごめんなさい……」
少女「でもね、ちゃんと獲ってきたよ……サケ!」ビチビチッ
父「おおっ! ありがとう!」
父「じゃあさっそくサケ料理を振る舞うとしようか! この“クッキングファザー”がね!」
二人「わーいっ!」
77: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/10/05(木) 02:12:44.041 ID:nE5N1gpj0.net
父「ほらっ、サーモンの刺身だ!」
少女「おいしいっ!」モグモグ
父「鮭のムニエルだ!」
少年「素材の味を生かしつつ、それを絶妙に昇華させた一品だ……!」ムシャムシャ
父「メインディッシュ、石狩鍋だっ!」グツグツ…
二人「おいしそーっ!!!」
81: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/10/05(木) 02:16:23.624 ID:nE5N1gpj0.net
グツグツ… グツグツ…
少女「お鍋、おいしいね!」ハフハフ
少年「うん、ダシがよくきいてて、骨から温まるようだよ」ハフハフ
父「喜んでもらえて嬉しいよ、ハッハッハ」
少年「北海道まで行ったかいがあったね」
少女「うんっ! はじめてのおつかい、大成功!」
おわり
父「おいっ! サケ買ってこいや、クソガキ!」少女「ううっ……」