1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/13(火) 22:45:46.67 ID:kl0mVA0M0

屋上

淡「渋谷先輩こんにちは」

尭深「淡ちゃんこんにちは。今日も屋上来るかと思って待ってたの。一緒にお弁当食べようか。今お茶いれるね」

淡「はい。いつもお茶淹れてもらってありがとうございます。渋谷先輩が淹れるお茶とっても美味しいですよ」

尭深「ありがとう淡ちゃん」

淡「あ、その唐揚げ美味しそうです。私のおかずと交換しませんか?」

尭深「いいよ。はい唐揚げ」

淡「おいしーー」モグモグ

淡「渋谷先輩は将来絶対いいお嫁さんになりますよ」

尭深「またまたそんな事言って/////」ズズー

淡「はぁ~ごちそうさまでした」

尭深「お粗末さまです」

淡「じゃあ私は図書館行きますね」スタスタ

尭深「それじゃあね」フリフリ



2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/13(火) 22:49:46.25 ID:kl0mVA0M0

図書館

淡「さて昨日読み始めた本の続き読もっと」ペラッ

照「あーわーいー」

淡「宮永先輩じゃないですか。こんにちは」

菫「図書館では静かにしろバカ照」

淡「今日はどうされたんですか?」

菫「照の推薦入試で小論文があってな、それの対策のために本を探しに来たんだ」

照「勉強嫌だよー。菫代わりにやってー」

菫「おいおい誰の入試だと思っているんだ?だいたい推薦入試なんてほぼ合格が決まっているようなものじゃないか。普通の受験生はなセンター試験を受けてさらに」ウンタラカンタラ

菫「とにかく、さっさと小論文の対策始めるぞ」ヒキズリ

照「淡またねー」ヒキズラレ

淡「宮永先輩頑張ってくださいね」

淡「5限目は体育だっけ。そろそろ移動しないと」



4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/13(火) 22:53:46.61 ID:kl0mVA0M0

校庭

淡「今日は2年生と合同かー」

淡「ってことはまさか」

誠子「あーーわーーいーー」ダダダダダ

淡「げえー、やっぱり亦野先輩だ」

誠子「そんなあからさまに嫌な反応するなよー。私だって少しは気づくんだぞ」

淡「だって亦野先輩と一緒に体育やると次の日体が悲鳴をあげるんですよ…」

誠子「それは淡の鍛え方が足りないからだ。さあ今日も私と一緒に鍛えるぞ」

誠子「まずは校庭10周だな。付いて来い淡」

淡「校庭10周も体力が持ちませんよー。あーもー待ってください。そんなにペース上げないでくださいよー」

20分後

淡「ぜーはーぜーはー。死ぬ、もう無理、足動かないですよ」

誠子「まあ淡にしてはよく頑張ったかな。さあストレッチして筋トレやるぞ。腕立て1000回だ」

淡「まだやるんですかー。もう嫌ですー」



6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/13(火) 22:57:46.23 ID:kl0mVA0M0

数日後屋上

淡「渋谷先輩こんにちは…」

尭深「淡ちゃんこんにちは。何かあったの元気無いみたいだけど」

淡「はい…。実は先日受けた模試が帰って来たんです」

尭深「そっかー。じゃあその成績があんまりよくなかったんだね」ズズー

淡「はい…。第一志望D判定でした…」

尭深「さすがにD判定はきついよね。最低でもC判定はないと」ズズー

淡「うわぁ頑張ろう。トップになろう」

尭深「それより淡ちゃんは大学で何かしたい事があるの?」

淡「私は大学で医療の勉強がしたいんです」

尭深「って事は医学部志望なんだ。淡ちゃん頑張ってるんだね。すごいなぁ」ズズー

淡「いえいえ、まだ全然実力が及びませんよ。渋谷先輩は大学に行くんですか?」



8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/13(火) 23:01:46.23 ID:kl0mVA0M0

尭深「私は大学で農業の勉強がしたいなぁ。お茶っ葉一つとってもそれは地域や気候によって生産方法は全然違うからねー。そういうのを調べているうちに興味もっちゃって。大学ではいろんな作物の生産方法を勉強して美味しい野菜を作りたいな」

淡「なんだかすごく渋谷先輩ってぽいですね」

尭深「そうかな////」ズズー

淡「ああそうだ、宮永先輩が推薦入試のために小論文の勉強始めたみたいですね」

尭深「そうそう。菫先輩が付きっきりで教えてるみたいだよ。毎日のように照先輩が部室に逃げ込んで来て、大騒ぎ」

淡「あはは、宮永先輩らしいですね」

淡「お弁当食べ終わったし私もう行きますね。それじゃあまた」

尭深「じゃあね淡ちゃん」フリフリ



9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/13(火) 23:06:21.93 ID:kl0mVA0M0

図書館

淡「宮永先輩、弘世先輩こんにちは」

照「淡助けて、もうシャーペン握りたくない」プルプル

菫「こら照さぼるな、最後までちゃんと文章書け。それじゃあ文字数足りないぞ」

照「うぅ…」

菫「ほら今週は試験なんだし。頑張れよ。みんな応援してるんだ」

淡「そうですよー。宮永先輩頑張ってください」

照「淡に応援されたからやる気出てきた」カリカリ

菫「よーしその意気だ」

淡「弘世先輩は大学どうするんですか?」

菫「私は照が受かった所を一般で受けるよ。こいつとは大学でも一緒に麻雀したいしな」

淡「なんだかんだで二人とも、とっても仲良しですよね」

菫「そ、そんな事はない。照は手間がかかるんだ。こいつは一人にしとくと何やらかすか分からん」

照「菫それは言い過ぎー」

淡「じゃあ私は行きますね」



12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/13(火) 23:10:20.98 ID:kl0mVA0M0

校庭

淡「今日も体育は二年生と」

誠子「合同だな」スッ

淡「うわ、亦野先輩どこから現れたんですか!?」

誠子「うん?空中だが何か問題あるか?」

淡「ありまくりですよ。普通に現れてくださいよ」

誠子「そうか、次からは気をつけるよ」

淡「今日の体育はサッカーですね」

誠子「今日はたっぷり淡にサッカーの極意を教えてやるからなー」

淡「必要ないですよ、私はディフェンスに徹しますし」



15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/13(火) 23:15:24.13 ID:kl0mVA0M0

誠子「だめだめ、さあ行くぞ。どっちが先にハットトリックできるか競争だ」

淡「あーもー待ってください。それと人の話はちゃんと聞いてくださいよ」

試合後

淡「ぜーはーぜーはーぜーはー」

淡「亦野先輩一人で30点も取るなんて人じゃないですよ。麻雀やめてサッカー部に入ったらどうですか?」

誠子「今日は調子悪かったな…。次はもっと頑張らないと、それに私の趣味は釣りだからサッカー部には入らない」

淡「そうですか。もう好きにしてください」



16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/13(火) 23:19:25.14 ID:kl0mVA0M0

数日後屋上

淡「だいぶ寒くなってきましたね。渋谷先輩こんにちは」

尭深「そうだねー。淡ちゃんこんにちは」ズズー

淡「そろそろ別の場所でお昼食べませんか?」

尭深「うーん。じゃあ私の教室でいいかな?」

淡「渋谷先輩の教室かー。なんだか緊張しますよ」

尭深「大丈夫、淡ちゃん可愛いから全然大丈夫だよ」ズズー

淡「ですよねー。って違うやろ!」ビシッ

尭深「淡ちゃんが突っ込んだ」

淡「あーすみません、ほんとにすみません。これはつい」



19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/13(火) 23:23:26.45 ID:kl0mVA0M0

尭深「それより今日は淡ちゃんに良いお知らせがあります」

淡「良いお知らせですか」

尭深「照先輩が大学に無事合格しました」

淡「おおー。やったー。宮永先輩受かったんですか。弘世先輩と勉強頑張ってたし本当によかったです。今度会ったらおめでとうって言わないと」

尭深「本当によかったよー。私嬉しくって泣いちゃったもん」

淡「後は弘世先輩ですね。まああの人なら心配いりませんよね」

尭深「菫先輩だもんね」ズズー

淡「じゃあ私そろそろ戻りますね」

尭深「じゃあね淡ちゃん」フリフリ



21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/13(火) 23:27:38.71 ID:kl0mVA0M0

廊下

照「おーい淡ー」

淡「あ、宮永先輩」フリムキ

淡「大学受かったんですって?おめでとうございます」

照「誰に聞いたのー?淡には私から教えようと思ったのに」プンスカ

淡「秘密です。とにかくおめでとうございます。勉強頑張ってよかったですね」

照「なぁに私くらい実力あれば楽勝さ」

菫「どの口が言うんだ?どの口が」グニグニ

照「菫痛いれふ」



24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/13(火) 23:31:39.17 ID:kl0mVA0M0

菫「前日まで勉強見てやったのは私だと言うのにほんとにこいつは」

照「菫には感謝しているよ。ありがと菫」

菫「そ、そうか」カオマッカ

照「あれ?菫顔が赤いよ?」

菫「そんな事ない、そんな事ないぞ。次の授業あるし私はもう行く」スタスタ

照「あ、菫ちょっと待ってよー」

照「じゃあね淡また今度」スタスタ



25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/13(火) 23:35:42.49 ID:kl0mVA0M0

数週間後食堂

淡「こんにちは渋谷先輩」

尭深「こんにちは淡ちゃん」ズズー

淡「すっかり寒くなりましたねー。もう雪が降ってもおかしくないですよこれ」

尭深「そうだねー。こたつでみかん食べながらお茶を飲む季節だねー」

尭深「今日は淡ちゃんに一つお誘いがあります」

淡「おお、何かあるんですか?」

尭深「クリスマスに照先輩の家でパーティをやることになりました。淡ちゃんも是非来てって」

淡「照先輩の家ですかー。面白そうだし私も行きたいです」

尭深「よかったー。照先輩の妹の咲ちゃんも来るんだって。照先輩その事ばっかり話してて、すごい楽しみにしてるよ」

淡「私もとっても楽しみにしておきますね」



26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/13(火) 23:39:46.90 ID:kl0mVA0M0

クリスマスパーティー当日

照宅

淡「お邪魔しまーす」

照「おお来たか。みんな待ってたぞ」

咲「淡ちゃん久しぶり。インハイ以来だねー。まさか5万点差つけたのに逆転されるなんて思わなかったよ。今日はそのリベンジさせてもらうからね」ゴッ

淡「あ、うん。久しぶりだね…」

咲「淡ちゃん…?」

照「今日は折角のクリスマスなんだし麻雀以外の事をやろう」

咲「えー、お姉ちゃんや淡ちゃんと麻雀したいよー」

照「麻雀はいつでもできるんだから、たまにはこういうのもいいだろ?」

咲「むぅ…お姉ちゃんがそう言うなら仕方ないか」



29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/13(火) 23:43:47.99 ID:kl0mVA0M0

淡「それにしてもこのクリスマスツリーすごい豪華ですね。いったいいくらしたんですか?」

照「ああこれか、これはな亦野が海外から調達してきてくれたんだ」

誠子「こんなのお安い御用ですよ。頼んでくれれば世界各国どこでも行ってきますよ」

淡「さすが亦野先輩。もう私達とは住んでる世界が違いますよ」

誠子「そんなに褒めるな照れる」

菫「ケーキできたぞー。後は冷蔵庫で冷やすだけだ」

照「おつかれ菫。まさか菫がケーキ作れるなんてね」

菫「私だって簡単なお菓子やケーキくらい作れるさ。そ、その女の子だしな」ボソ

照「菫が女の子ねー」ニヤニヤ

菫「う、うるさいな。文句があるなら食べなくていいんだぞ」

照「菫ごめんってばー。そんなに怒らないでー」



30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/13(火) 23:47:48.16 ID:kl0mVA0M0

咲「お姉ちゃんと菫さんって本当に仲良いよねー」

照「私は菫より咲のほうが好きだし」

咲「お姉ちゃん絶対照れてるよね」

照「照れてなんかないぞ、別に照だからって照れてないぞ」

咲「お姉ちゃん寒いよ…」

尭深「あの、私はケーキに合うような紅茶を見繕ってきました」

誠子「尭深が紅茶なんて珍しいね。もしかしたら飲んでる所初めて見るかも」

尭深「実は紅茶も飲むんだよ。部室では日本茶ばっかりだけどね」ズズー

照「じゃあボードゲームでもやろうか。亦野が世界中のボードゲームを揃えてくれたぞ」

菫「このメンバーで麻雀以外の事をやるなんて新鮮でなんかいいなー」

淡「負けませんよー」



32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/13(火) 23:51:49.38 ID:kl0mVA0M0

数時間後

咲「また私の最下位だよぉ」

淡「咲弱すぎー」

咲「違うよ、誠子さんが強すぎるんだよ。どのゲームでダントツの一位ってもうやだー」

誠子「咲ちゃんすまない。ただ私の中の血が騒ぐだけなんだ、許してくれ」

菫「そろそろ夕飯の準備するか」

照「私と咲でとっておきの料理作るから任せて!」

菫「いやお前は確実に足引っ張るだけだろ」

照「そんな事ないよね?咲?」

咲「あー菫さん手伝ってもらっていいですか?」

菫「もちろん構わないぞ」

咲「ありがとうございます」



35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/13(火) 23:54:39.39 ID:kl0mVA0M0

照「咲に振られた、もうだめ。私生きていけない」ズーン

淡「そんなに落ち込まないでくださいよ宮永先輩」サスサス

菫「こうなった照は1時間は何しても無駄だからな。ほっといていいぞ大星」

尭深「一緒にお茶でも飲もっか」ズズー

淡「そうしましょう」ズズー



39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/13(火) 23:58:40.17 ID:kl0mVA0M0

数時間後

菫「夕飯できたぞー」

照「おつかれー。もうお腹ぺこぺこだよ」

淡「二人だけでこんな豪華な料理作ったんですか?すごいですね」

照「さすがは私の妹」

咲「さあ冷めないうちに食べてくださいねー」

一同「いただきまーす」

尭深「美味しい」

誠子「ワインがあれば完璧だな」

菫「ちょっと照落ち着いて食べろって、そんなに慌てなくてもおかわりはたくさんあるぞ」

照「だってすごく美味しいんだもん」モグモグ

咲「みなさんに喜んでもらえてよかったです」



40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/14(水) 00:02:41.07 ID:+4mO6NAP0

帰り道

淡「今日はすごく楽しかったです」

尭深「そうだねー。みんなでこうやって集まると楽しいよね」

淡「楽しかったんですが…」

尭深「ん?」

淡「なぜかとても怖くなるんです。得体の知れない恐怖に襲われるんです。やっぱり私が…」

尭深「淡ちゃん…」ギュー

淡「ちょ、渋谷先輩」

尭深「怖くなんかないよ。いつだって私たちは側にいるんだから」

淡「うぅ…渋谷先輩」

淡「こうやって抱きしめられてると、なんだかすごく落ち着きます。あともう少しだけこうしてていいですか?」

尭深「いいよ。好きなだけこうしていいんだからね?」

尭深「ごめんね淡ちゃん、私にできるのはこれくらいで」



42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/14(水) 00:06:51.21 ID:+4mO6NAP0

冬休み明け

食堂

淡「渋谷先輩あけましておめでとうございます」

尭深「おめでとう。今年もよろしくね」

淡「こちらこそよろしくお願いします」

淡「今月は弘世先輩の試験ですね」

尭深「菫先輩ならきっと大丈夫」ズズー

淡「ですよね」

淡「一年後は渋谷先輩で二年後は私が受験かぁ。なんだかあっという間に時間が過ぎそうです」

尭深「そうだねー。私もそろそろ頑張らないと」

淡「じゃあ私行きますね」

尭深「じゃあね淡ちゃん」フリフリ



43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/14(水) 00:11:04.51 ID:+4mO6NAP0

廊下

淡「弘世せんぱーーい」

菫「大星か」

菫「実はな照が3限から保健室で授業をさぼってて、今からロン(物理)しに行くところだ」メラメラ

菫「いくら大学に受かってるからと言って調子に乗りすぎだ。今日という今日は許さないからな」ゴッ

淡「菫先輩の試験は今月でしたよね。頑張ってください。応援してます」

菫「ああ任せてくれ。マークシートだからどんな問題が来ても大丈夫だ」

淡「そ、そうなんですか。さすが弘世先輩ですね」

菫「ああ、私はもう行く。それじゃ」スタスタ



45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/14(水) 00:15:06.29 ID:+4mO6NAP0

部室

菫「おい亦野どうした?…………部室が…滅茶苦茶じゃないか……」

亦野「菫先輩…」

菫「いったい誰がこんな事を…」

亦野「尭深が…。私が来た時に尭深が部室で暴れてて…」

菫「渋谷が…?渋谷が本当にこんな事を?」

亦野「はい…。私が止めて、今日はもう家に返しました」

菫「あの渋谷がこんな事するなんて信じれない…」

亦野「はい。私もかなり焦っちゃって、なんとかあいつを落ち着かせました」

菫「すまなかったな…」



46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/14(水) 00:19:54.51 ID:+4mO6NAP0

亦野「尭深今でもあの事が相当ショックみたいで、たまに泣き出したりするんです。こんな風に暴れるの初めてでしたが…」

亦野「菫先輩、本当に何も知らないんですか?なんであいつは…」

菫「本当に私は何も知らないんだ、すまない」

亦野「いや謝らないでくださいよ。私達は誰も悪くない。誰も責められないですよ…」

菫「とりあえず部室の片付けしないとな」

亦野「受験前だっていうのに先輩にこんな事させちゃって本当に申し訳ないです」

菫「いやいいんだ、これは私達の問題なんだから」

菫…(本当にどうしてこんな事になってしまったんだよ…大星…)



48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/14(水) 00:23:57.73 ID:+4mO6NAP0

菫の試験一週間前

公園

照「こんな場所に呼び出して何の用なの菫」

菫「どうしてもはっきりさせておきたい事がある。今のままの気持ちで試験を受けたくないんだ」

照「そっか。淡の事だよね?」

菫「そうだ、いい加減教えてくれ照。あいつに何があった?お前は全て分かってるんだろ?」

照「バレてたか。本当に聞きたいの?聞いて後悔しない?」

菫「じれったいな、ああ聞かせてくれ。この気持ちのモヤモヤに決着をつけたいんだ」

菫「なあ、どうして大星は記憶喪失になったんだ?」



50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/14(水) 00:27:59.81 ID:+4mO6NAP0

照「じゃあお望み通り全てを話すよ」

照「淡の能力の代償は記憶だ。あいつは能力を使うたびに記憶の一部を失っていく。それも本人にとって一番大切な記憶の一部だ」

菫「そんな…。本当なのか照?」

照「間違いない。照魔鏡で確認した」

菫「ど、どうして教えてくれなかったんだ?」

照「言えるわけないだろ。私だって初めて知った時はショックだったんだ。何かの間違いじゃないかと、その後の対局で何度も確認したけど決して変わる事はなかった」

照「それに私がどうこう言える問題じゃないだろう?淡本人から話してもらわないと」

菫「でももう手遅れじゃないか!そんな、あいつの記憶が失われるなんて分かってれば能力を使わせることだって、一年からレギュラーに選ぶ事だってなかったのに!照!お前は!大星を利用したのか!!」



51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/14(水) 00:32:01.53 ID:+4mO6NAP0

照「ちょっと菫落ち着いて」

菫「これが落ち着いていられるか!お前は早かれ遅かれ大星がこうなる事を知っていたわけだ!それなのに全国の決勝で大将なんていう魔物達と戦わせて!お前は!大星の事なんてどうでもよかったのか!」

照「…………そんな……………わけないだろ」

照「そんなわけないだろ!菫!」

照「私だって悔しかったさ!全て分かってるのに、私は淡に何もしてやれない。ただ指を咥えて見てるだけなんて」

照「生まれて初めてこんな能力なんてなければよかったって思ったさ。私は淡に何ができるんだろうってずっと悩んで悩んで悩み続けてきて、でも淡から相談してくれなきゃ何もできないじゃないか!」

菫「じゃあなんであいつをレギュラーにした?大星ほどではないが全国レベルで戦える奴は他にもうちにはいただろ!」

照「それは淡が前に進み続けていたから。あいつは自分の能力の代償を知っていながら、なおそれを使うことを躊躇わず前に進み続けていた。だから私はあいつを認めてやりたかった。なあ菫はどう思う?自分の記憶が失われると分かってて、それでも勝ちにこだわれる?」

菫「わ、私は…」



53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/14(水) 00:37:56.45 ID:+4mO6NAP0

照「即答できないってことは結局覚悟が足りないって事だよ。淡は強い。私達の誰よりもきっと強いよ。あいつは今までも前に進むためにいろいろな犠牲を払ってきたんだと思う。それはもう私達が想像できないような苦しみだって味わってきたはずだ」

照「でもあいつは私達に弱音一つ上げなかった。それどころか真正面から私に向かってきた」

照「淡はとっても生意気で私達上級生にもお構いなしにタメ口は聞くわ、イタズラするわ、最初はとんでもない奴かと思ったよ。でもそれは私たちに忘れて欲しくないって事の裏返しだったんだと思う」

照「あいつは麻雀部に入った時にすでにこうなる事を少なからず感じていたのかもしれない。だからあいつは私達との思い出を一つでも多く作りたくて、毎日を必死に、噛み締めるように生きていたんだ」

菫「そんな…うぅ、私はあいつにいつも説教してばっかりで…嘘だろ…。私は最低の先輩じゃないか…。あいつのこと何も気づいてやれなかった…」ポロポロ



55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/14(水) 00:42:02.57 ID:+4mO6NAP0

照「菫落ち込まないで。淡は私達と過ごした時間が何よりも大切だと感じていたんだから」

菫「な、なんでそんな事が?」

照「最初に言ったでしょ。能力の代償は一番大切な記憶の一部って」

菫「じゃあ大星は、決勝で逆転するために、私達との思い出全てを犠牲にしてまで戦ったっていうのか?」

照「そうだ。いつも通り能力を使っていたら決して逆転できる点差じゃなかった。限界まで全ての力を使えば勝てるって判断したんだ。その結果私達は三連覇を成し遂げ、淡は私達との記憶を全て失った」

菫「なあ、これから私はどうすればいいんだ…?これからどんな顔して大星に会えばいいんだ…?」

照「そんなの簡単だよ菫。私達が卒業するまでずっと淡の側にいてあげよう。きっとそれを何よりあいつは望んでいたはずだ」



57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/14(水) 00:46:03.70 ID:+4mO6NAP0

菫の試験後

食堂

淡「渋谷先輩こんにちは」

尭深「淡ちゃんこんにちは」

淡「やっぱ寒い日はお茶に限りますよねー」ズズー

尭深「淡ちゃんもすっかりお茶飲むようになったね」

淡「もう、誰のせいですか誰の」

尭深「お茶はいいね。心が安らぐよ」ズズー

尭深「それと菫先輩が大学合格したよ」

淡「お茶>先輩の受験!?」

尭深「そういうわけじゃなかったんだけど、菫先輩だし絶対受かるかなって」

淡「まあ弘世先輩ですもんね。いやーこれで宮永先輩と同じ大学かー。本当によかったです」

尭深「うん。菫先輩に会ったらおめでとうって言ってあげてね」



60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/14(水) 00:50:21.95 ID:+4mO6NAP0

廊下

照「あーーーわーーーいーーー」

淡「宮永先輩こんにちは」

菫「隣で大声出すな照」

照「ごめんごめん」

淡「弘世先輩合格おめでとうございます」

菫「ああ、ありがとう」

照「誰に聞いたのー?淡には私から教えようと思ったのに」

菫「いや私からだろ」

淡「まあとにかくこれで大学でも二人一緒ですね」



62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/14(水) 00:54:01.30 ID:+4mO6NAP0

照「はぁ今度は四年間菫の面倒みないといけないのか」

菫「それ私の台詞」

淡「それにしても来月で先輩もいよいよ卒業ですね」

照「そうだなぁ。卒業したらこうやって淡とも話せなくなるんだよね」

菫「………」

淡「もうそんな寂しい事言わないでくださいよ」

照「うん、ごめんね淡」



64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/14(水) 00:58:03.41 ID:+4mO6NAP0

卒業式後部室

誠子「先輩方卒業おめでとうございます」

尭深「おめでとうございます。今お茶淹れますね」

菫「ああ悪いな」

照「私達が三年間過ごした部室。最後に来れてよかった」

菫「ほんとにこの三年間いろいろな事があったよ。私はお前たちの面倒見るので毎日大変だったけどな」

照「できれば虎姫の『5人』と卒業を迎えたかった」

菫「………」

誠子「………」

尭深「………」

尭深「淡ちゃん…」ポロポロ

菫「大星…」ポロポロ

誠子「淡…」ポロポロ



68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/14(水) 01:03:23.67 ID:+4mO6NAP0

照「史上初のインハイ三連覇なんていらないよ…。ただ淡がこの場にいて、一緒に下らないことをして、菫が怒ってみんなが笑って。それだけでいいんだ、たったそれだけの事ができれば私は」ポロポロ

ガチャ

淡「あ、みなさんこんな所にいたんですかー?」

淡「宮永先輩と弘世先輩卒業おめでとうございます。麻雀部をやめた後も何かと構ってもらうことが多かったんでお礼とお祝いを言いに来ました」

照「うええええええん淡ぃぃぃぃぃ」ポロポロ

淡「ちょっと落ち着いてくださいよ宮永先輩。はいこれハンカチです。顔拭いてください」



71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/14(水) 01:07:24.52 ID:+4mO6NAP0

淡「落ち着きましたか?」

照「うん…だいぶ」

淡「もうらしくないですよ。いつもの宮永先輩はどこにいったんですか?宮永先輩は卒業式でも絶対泣かないタイプだと思ってたんですけどね」

照「ごめん淡…………ごめん」

淡「もー謝らないでくださいよー。私が泣かせてみたいじゃないですかー」

淡「それと宮永先輩と皆さんに聞いて欲しいことがあるんです」

照「うん、話してみて」

淡「夢を見たんです」

照「夢?」

淡「はい。私が白糸台の麻雀部に入ってインターハイで優勝する夢です」

照「淡……それって」



73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/14(水) 01:11:25.96 ID:+4mO6NAP0

淡「夢の中の私はとにかく生意気でイタズラばっかりしてて、いつも弘世先輩に怒られてました。でもそうするとみんなが笑って、弘世先輩もなんだかんだで私の事許してくれて、そんな暖かな日々が続いていました。とても居心地がよかったです」

淡「記憶を失う前の私もこんな風にみなさんと過ごしていたのでしょうか。そして時間は流れてインターハイに出ました。宮永先輩は圧倒的な火力で全く他校を引き寄せず、本当にかっこよかったです」

淡「そして決勝で私は大将をやってました。その時の私はとても苦しんでいるようでした。何かとても重大な選択を迫られているようでした。私は決めました。みなさんの笑顔のために諦めないって事をです。それと同時にその笑顔がどこか遠のいていくような感覚に襲われました」

淡「そして最後に逆転で優勝を決めて目が覚めました」



74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/14(水) 01:15:50.82 ID:+4mO6NAP0

淡「おしまいです。私は夢の中で、決勝で諦めないで優勝できて本当によかったと思います。今はその記憶はないですけど、みなさんと過ごした日々はきっと私の中の宝物です」

淡「短い間でしたが、こんな私の面倒を見てくれて本当にありがとうございました。宮永先輩、弘世先輩、渋谷先輩、亦野先輩これからも頑張ってください」











照「淡」 
菫「大星」
尭深「淡ちゃん」
誠子「淡」

照菫尭誠「ありがとう」

【カン】



75: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/14(水) 01:16:33.27 ID:+4mO6NAP0

終わりです。ここまで読んでくれてありがとうございました。「能力の代償」という言葉を使いましたが、怜や塞が能力を使うと体力を消費するみたいな感じに捉えて貰えればいいかと思います。
前に書いたSSです。こちらもよかったら読んでみてください→淡「中間試験?」
それではまた


元スレ
淡「夢を見たんです」