6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/27(火) 00:05:14.89 ID:w3gmkYlbO

咲「久しきは世の大気。我が導きに従い、全ての者を地に落とせ―――

和「……え?」

咲「二度は言わぬ。我が半身に語り、その半身を手中に治める。それ故に貴様を我が眷属に加えよう」

和「あの、咲さん」

咲「眷属風情が我が名を呼ぶか。貴様は己を何と心得るのだ」

和「…」

和(咲さんが壊れた…)



9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/27(火) 00:16:20.19 ID:w3gmkYlbO

清澄の麻雀部部室。。。

咲「揃ったか、我が眷属よ」

久「ねぇ、和」

和「言いたいことは分かります。分かりますけど、咲さんに何があったかは私にも分かりません」

久「そう…」

優希「わけがわからないじぇ」

咲「無能が二体。異能が一体。半異能が一体。成程。これでは我が同種の者の率いるところには勝てないだろう」



14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/27(火) 00:30:15.32 ID:w3gmkYlbO

咲「―――仕方ない。そこの愚民」

京太郎「…え? オレのことか?」

咲「貴様以外に誰がいる」

京太郎「はぁ…そうだな。確かにオレは使いものにならないとはいえ、そこまで言うことはないんじゃ」

咲「愚民風情が我に意見するか―――貴様は身の程を弁えろ」

刹那、宮永咲の気圧に耐え切れず、室内の光源の全てが木っ端微塵に砕け散った。

京太郎「ひっ!」

咲「良いか。我が眷属共よ。あの頂を決する大会には我に並ぶ大いなる存在が数名出場するのだ」



17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/27(火) 00:45:05.00 ID:w3gmkYlbO

和「咲さん並に強い猛者ですか。それは楽しみですね」

和(私はインターミドル個人戦の覇者です。その辺の人たちには負けるはずはありません!)

久「そうね。私も楽しみだわ」

まこ「ワシはちょっと怖いのぉ」

優希「わたしは楽しみだじぇ」

咲「―――凡人は天才に惹かれ、天才は我等を畏怖する。それが世の真理だ。恐怖を抱くのも無理はない」



18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/27(火) 01:00:55.26 ID:w3gmkYlbO

咲「―――原村和。貴様に我が直々に説いてやろう」

和「…はい。なんでしょうか、咲さん」

咲「実力の伴わない慢心は身を滅ぼす」

和「…は」

優希「咲ちゃん!のどちゃんは中学チャンプなんだじぇ!」

咲「所詮は童の遊戯。勝利するのは当然の結果だ」

優希「そんなことない!のどちゃんは今の高校一年生の中では間違いなく最強だじぇ」

咲「―――貴様は理解に乏しいようだな、片岡優希」



23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/27(火) 01:15:05.82 ID:w3gmkYlbO

咲「―――我は原村和を圧倒する事が可能だ」

和「…ッ!」

和(それは否定できない。多分、今の私では咲さんに遠く及ばない…)

優希「それは…」

咲「否定は出来まい。純然なる実力の差。それは原村和自らが既に実感していることだろう」

和「うっ…」



25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/27(火) 01:29:53.25 ID:w3gmkYlbO

咲「それに―――この我に匹敵する程の力を備えた新入生が我が半身の所属する白糸台に入学した」

四人「「「「!?」」」」

咲「故に我が眷属には現段階以上の実力を付けてもらう。そこの愚民…!」

京太郎「はっ、はい!」

咲「この我が直々に命じる。貴様には―――」



28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/27(火) 01:44:25.87 ID:w3gmkYlbO

龍門渕高校の校門前の物影に京太郎は潜んでいた。

京太郎「クソッ!なんでオレがこんなことをッ」

彼が龍門渕高校の前に隠れているのには訳がある。

清澄高校の麻雀部を支配する怪物“宮永咲”に、龍門渕高校に在席するある少女の身辺調査をするように命じられたのだ。

京太郎「…チクショウ。まだ標的は出てこな―――ッ」

彼は身を捻り、何者かの鋭い蹴りを何とか回避した。



32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/27(火) 02:01:56.93 ID:w3gmkYlbO

「ほう。私の蹴りを避けるとは大したものです。これは夕食の準備に遅れが生じそうです」

京太郎は心臓が止まるかと思った。今の蹴りが直撃していたら間違いなく即死だっただろう。

京太郎「なっ、あんたは何だ!」

ハギヨシ「申し遅れました。私の名はハギヨシ。あなたが標的にしている少女たちに仕えている執事です」

瞬間、京太郎は自分の太股に鋭い痛みを感じた。京太郎は目の前の青年を警戒しつつも自らの太股に視線を向ける。

京太郎「なッ!」

彼は自らの太股に刺さる数本の針に驚きを隠せなかった。
いつの間にか数本の針が刺さっていた。



33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/27(火) 02:14:23.86 ID:w3gmkYlbO

別に針が刺さっていたことに驚いたわけではない。相手に気付かれずに攻撃する程度の芸当は京太郎にも出来ることだ。

ただ、彼が驚いたのはハギヨシの投擲の速さだ。それも無音の速さ。京太郎の反射能力に反応速度は常軌を逸している。

それはハギヨシの不意打ちを回避したことからも容易に想像できるだろう。

その京太郎の反応速度や反射能力を上回るほどの速さの投擲にも関わらず、一切の音を立てない。

ありえないことだ。

京太郎「ッ!」

京太郎(これはやばい。勝てない。絶対に勝てない。こんな化け物に勝てるわけがない。逃げないと…)



35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/27(火) 02:30:34.59 ID:w3gmkYlbO

京太郎が背後を向いた瞬間、背筋に悪寒が走った。京太郎は自分でも気が付かない内に身を屈めていた。

瞬間、頭上を何かが通過したような気配がした。

ハギヨシ「今のを避けますか。正直、キミの事を“反射能力と反応速度”がずば抜けてるだけの素人だと甘くみていました」

京太郎「…あっ…なっ…なんだ今の」

京太郎は自らの身に起きた現象が理解できなかった。

彼の反応速度は見えないものには適用されない。反射能力も見えないことには機能しない。彼の戦闘スタイルは視ることだ。

だから彼がハギヨシに背を向け、逃げる道を選んだ瞬間に彼の敗北決していたはずだった。



38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/27(火) 02:45:18.45 ID:w3gmkYlbO

にも関わらず京太郎は生きていた。視ることに特化した京太郎が視ずに避けた。本人に自覚はないが、これは異能に位置する力だろう。

京太郎「……ッ」

何かがくる。そう理解する前にもう体が動いていた。彼の顔の真横を数本の針が通過した。針を見切ってるわけではないが、京太郎は幾多にも襲い掛かる針の猛襲を次々と回避していく。

ハギヨシ「成程。それがキミの“異能”というわけですか」

京太郎「異…能?」



40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/27(火) 03:00:48.47 ID:w3gmkYlbO

ハギヨシ「どうやら自覚はないようですね。まだ完璧に異能を使いこなせてはいない」

京太郎「…何が言いたいんだ、あんたは」

ハギヨシ「おめでとうございます。どうやらキミは異能者になれたようですね」

京太郎「オレが異能者…?」

ハギヨシ「ですが、それだけに残念です。キミを始末しなければならないのは…」

…視認できなかった。いや、それどころか彼の異能すらも発動せずに京太郎は倒れた。

何が起きたのかは理解できなかった。ただ、いつの間にかハギヨシが京太郎の眼前に出現した。あまりの速さにハギヨシの存在を認識できず、そのまま彼の手刀に貫かれた。



45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/27(火) 03:18:57.17 ID:w3gmkYlbO

京太郎は地に伏せ、貫かれた脇腹から溢れ出す大量の血液に意識が朦朧としていた。

ハギヨシ「これ以上、彼女の元に異能者を集めるのは我が主の意に反するので…これでトドメです」

ハギヨシは京太郎の首を掴み上げ、そのまま高速の手刀を彼の心臓部に向けて叩き込んだ。かに見えたが、いつの間にかハギヨシの手元から京太郎の姿は消えていた。

「雑兵風情が。これは我の所有物だ。生殺の権利は我にのみ与えられている」



50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/27(火) 03:36:13.75 ID:w3gmkYlbO

ハギヨシ「宮永…咲…」

常に冷静沈着なハギヨシが宮永咲の存在を目にした瞬間、明確な敵意が露になる。

咲「成程。我に敵意を向けるか、面白い。魔物の域を垣間見た程度の雑兵が我に勝てると思っているのか?」

彼女の言葉が終わると同時にハギヨシの姿が消えた。かのように見えたが次の瞬間、ハギヨシの真後ろに宮永咲は立っていた。

ハギヨシは高速移動を駆使して宮永咲の背後を取り、高速の手刀を叩き込もうとしたのだが、いつの間にか宮永咲がハギヨシの背後に移動していた。



52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/27(火) 03:51:12.81 ID:w3gmkYlbO

咲「どうしたのだ、雑兵。我は歩いただけだが、貴様はどうだ」

ハギヨシは異能を使っていた。自らの触れた物質を高速移動させる力。その力は肉体にも適用される。その異能を使い、音を立てずに針を投擲したり、自らの肉体を高速移動させたりもできる。

そんな彼の高速移動を上回る速さで宮永咲は移動した。それも彼女は異能の力を使わずに移動しただけだ。

ハギヨシは何度も何度も何度も何度も―――宮永咲に挑んだ。けれども結果は全て同じだった。

何度挑んでも宮永咲には勝てない。



53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/27(火) 04:00:17.91 ID:w3gmkYlbO

ハギヨシ「ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…くっ…」

ハギヨシはもう限界だった。異能とは万能の力ではない。人知の限界を超えた力を使えば相応の疲労が蓄積されるのは至極当然のことだろう。

咲「所詮は程度の低い雑兵が」

その時、彼らの争いを止める言葉が龍門渕高校の校内から飛んできた。

「ハギヨシ、おやめなさい!」



54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/27(火) 04:08:52.00 ID:w3gmkYlbO

和「―――というのが原稿です。どうでしょうか?」

咲「ボツ」

和「えっ!」

咲「書き直し」

和「はい、分かりました。それでは次の作品はやはり咲さんと私のラブコメとかどうでしょう」

咲「うん。何度も言うけど、それはボツね。とにかくもっとマトモなのを持ってきてよ。文化祭まであんまり時間がないんだよ?」

和「分かりました。次こそは」

咲(本当に大丈夫かな?)

―カン―


元スレ
和「咲さんが中二病を拗らせた」