1: 名無しで叶える物語 2020/08/03(月) 23:08:37.64 ID:C56Nvd0i.net

果南「大事なことだからね。しっかり聞いてね」

千砂都「うぃっす!よろしくお願いします!」

海未「それでは……はじめに重要な質問をします」

海未「――あなたは、幼なじみのことが大好きですか?」

千砂都「もちろんです!幼なじみの、かのんちゃんのこと――大好きです!!」

果南「……うむ、いい返事だね」

海未「いいでしょう。それでは、幼なじみの守り方講座を始めますね」



2: 名無しで叶える物語 2020/08/03(月) 23:10:27.66 ID:C56Nvd0i.net

海未「まずは、あなた達に近づく脅威、それは何か?」

海未「そこからお話ししましょう」

千砂都「うぃっす!」

海未「あなたはこの春、最愛の幼なじみと同じ高校に入学したようですが――」

海未「高校には幼なじみをたぶらかす、危険な存在が急増します」

千砂都「危険な存在……?」

果南「うん。潜んでるんだ。高校――特に女子高には大量に……」

千砂都「なんなんですか?その、潜んでいるのって?」

海未「それはですね――――」



「レズです」



3: 名無しで叶える物語 2020/08/03(月) 23:13:05.33 ID:C56Nvd0i.net

千砂都「れず……?」

海未「はい、レズです」

千砂都「…………えっとレズって――」

果南「人間界に潜伏する私たち幼なじみの絆を破壊する大敵だよ!」

海未「そうです。気づかないうちに、幼なじみに近づき――」

海未「純粋な心を惑わし、私たちから引き離そうとする……」

海未「この世の悪です!」

千砂都「こ、この世の悪……いやいや大げさだよね?」

海未「大げさではありません」



4: 名無しで叶える物語 2020/08/03(月) 23:15:47.97 ID:C56Nvd0i.net

果南「いい?レズの好きにさせると、それはそれは大変になるんだよ」

果南「知らぬ間にねチサトちゃんの、好き好き大好き幼なじみが――」

果南「レズの巧みなテクニックによって、籠絡されちゃうの!」

果南「チサトちゃんの幼なじみも、あっという間に…………」

千砂都「そ、そんな…………」

千砂都「でも、そのレズ?なんて見たことないよ?」

海未「………………そうです、普段は分からないのです」

海未「しかし、人の社会に紛れているのです」



5: 名無しで叶える物語 2020/08/03(月) 23:18:47.13 ID:C56Nvd0i.net

海未「気づかないだけで、あなたの周りにもレズは潜んでいます」

海未「こんな有名な言葉があります」

海未「一寸先はレズ。振り向けばレズ」

海未「立てばシャクヤク、座ればボタン、真の姿はレズそのもの」

千砂都「………………」

海未「聞いたことあるでしょう?」

千砂都「……ないです」

海未「……とにかく。憎まレズ、世に憚る――、世の中にはレズにあふれているのです!」

果南「そうだよ!レズは1人見つけたら、10人入ると思わないと」

果南「ネズミ算式にどんどん増えていくからね」

千砂都「ま、まって!どんどん増えるってっどういうこと?」



7: 名無しで叶える物語 2020/08/03(月) 23:21:41.37 ID:C56Nvd0i.net

果南「――るんだよ……」

千砂都「はい?」

果南「うつるんだよ……レズはレズからうつるんだよ!?」

千砂都「え?病気か何かなんですか?」

海未「病気なんて甘いもんではありません!」

海未「レズはあっという間に進行し、気づいたらもう手遅れ。治りません!」

千砂都「治らないの?」

海未「はい。不治です」

海未「レズは一方通行なのです」



8: 名無しで叶える物語 2020/08/03(月) 23:24:08.03 ID:C56Nvd0i.net

千砂都「ところで……どうすると、レズはうつるんですか?」

果南「レズに挟まれるとレズになるよ」

千砂都「……?オセロかなにか?」

果南「オセロ!?そんな甘いもんじゃないよ!?レズは一度に二手三手打つからね!?」

果南「周りにレズがいないと安心してたら、一気に囲まれてひっくり返されるよ!!」

果南「それはもう……くるっと!たこ焼きを焼くように、くるっと!!」



11: 名無しで叶える物語 2020/08/03(月) 23:28:23.56 ID:C56Nvd0i.net

海未「増え続けるレズ……脅かされる幼なじみ……」

千砂都「…………ど、どうすればいいんですか?」

海未「ですが、安心してくださいチサト。私たちはそんなレズから、幼なじみを守るすべを身に着けたのです」

海未「おかげで、私のお腹の中からの幼なじみ――穂乃果は、いまでも無事です」

果南「私のチカも元気だよ」

千砂都「おおっ!!」

果南「それじゃあ今から教えるから、しっかり覚えてね」

千砂都「うぃっす!」



12: 名無しで叶える物語 2020/08/03(月) 23:32:52.67 ID:C56Nvd0i.net

海未「まずはレズ対処三原則です」

海未「レズにならない、作らない、近づかせない」

海未「この三つをおさえてください」

果南「はい、それじゃあいくよ!レズに?」

千砂都「えっと……ならない、作らない、近づかせない」

果南「もっと大きな声で!」

千砂都「レズにならない、作らない、近づかせない!」

果南「よし!覚えたね?」

千砂都「はい!」



13: 名無しで叶える物語 2020/08/03(月) 23:35:17.05 ID:C56Nvd0i.net

海未「解説もしておきましょう。まずは『ならない』」

海未「これは言うまでもありませんね。自分がレズになってしまってはダメです」

千砂都「そりゃそうだよね……」

果南「次に『作らない』。実は、自分のせいで周りをレズにしてしまうことがあるんだ」

果南「周りのレズが増えると、幼なじみの脅威も増える」

果南「だから、無自覚に周りをレズにしないように、気をつけようね」

千砂都「なるほど……」

海未「そして、『近づかせない』。これは大事な大事な幼なじみを、レズに近づかせないということです」

海未「接触機会が多いと、それだけリスクが高くなります。レズは遠ざける、常に意識しましょう」

千砂都「はい!忘れないようにします!」



16: 名無しで叶える物語 2020/08/03(月) 23:38:06.15 ID:C56Nvd0i.net

海未「それでは、次にレズの見分け方をお教えしましょう」

海未「まずは分かりやすい、外見から」

海未「金髪。金髪はレズです」

千砂都「金髪…………」

海未「はい。周りにいますか?」

千砂都「い、います……だけど、悪い子じゃないよ……?」

海未「再三言っている通り、レズは狡猾な生き物です。普段はその本性を見せないのです」

海未「金髪はレズ。レズです」

海未「しかも、アグレッシブタイプのレズです」

果南「まちがいない」



17: 名無しで叶える物語 2020/08/03(月) 23:40:31.32 ID:C56Nvd0i.net

千砂都「でも……でも、すみれちゃんは……」

海未「疑いたくなる気持ちもわかります。しかし、私は調べたのです」

海未「独自の調査の結果、私の周りの金髪のレズ率は――100%です」

千砂都「ひゃくぱーせんと!?」

海未「ええ」

千砂都「100人いたら――」

海未「100人がレズです」



18: 名無しで叶える物語 2020/08/03(月) 23:42:02.59 ID:C56Nvd0i.net

果南「次に、髪がグレーっぽい子もレズ」

千砂都「…………いる。グレーっぽい髪の娘いる……!」

果南「……さらにその娘、服が好きだったりしない?」

千砂都「!……確かにその娘、シブヤ・ハラジュクのキュートな服が好きで、着てみたいって…………」

海未「ああ……それはファッショナブルタイプのレズですね」

果南「まちがいない」



20: 名無しで叶える物語 2020/08/03(月) 23:44:02.35 ID:C56Nvd0i.net

千砂都「で、でも……クゥクゥちゃんも悪意のかけらもない娘だし……」

果南「悪意がないのは、さらに危険だよ。」

果南「そもそも善悪なんてないんだ。穢れのない純粋なレズにとってはね」

千砂都「………………」



23: 名無しで叶える物語 2020/08/03(月) 23:46:21.41 ID:C56Nvd0i.net

千砂都「あ、あ、あの……まずは、レズじゃないこの特徴を教えて!」

千砂都「このままレズの特徴を言われちゃうと、みんながレズかもしれないって不安で……」

果南「なるほど、確かに不安になっちゃうよね」

海未「わかりました。レズ率が低い特徴」

海未「それは――――黒い髪です」

千砂都「黒い髪……」

海未「ええ。私たちの髪を見てください」

千砂都「……ああっ!二人とも髪が黒い!」

海未「そうです。黒髪のレズ率は低いのです!!」

果南「私たちのようにね!!」



25: 名無しで叶える物語 2020/08/03(月) 23:49:00.41 ID:C56Nvd0i.net

千砂都「黒い髪の子……いるよ!」

果南「それなら、その子は大丈夫そうだね」

千砂都「よかった……恋ちゃんはしっかりしてるし、頼りになりそうだしね!」

海未「…………今なんと?」

千砂都「え?頼りになるって――」

海未「その前です」

千砂都「恋ちゃんはしっかりしてるし、のとこ……?」

海未「恋……それがその子の名前ですね?」

千砂都「うん。恋ちゃんはねー文武両道ってカンジで――」

海未「果南」

果南「…………………」コクン



27: 名無しで叶える物語 2020/08/03(月) 23:50:33.74 ID:C56Nvd0i.net

海未「残念ですが、その子はレズです」

千砂都「ええっ!?なんでなんで!?」

果南「下の名前がね…………『レン』はアウトだね……」

千砂都「どういうこと?」

果南「下の名前にら行がつく、これはたちの悪いレズなんだよ」

海未「私の遭遇した、ら行が名前に入る娘ですが――」

海未「知らぬ間に他人の下着を頂戴している、おつまみ感覚でキスをしようとする、など……」

海未「とりわけ危険な上級レズぞろいです」

千砂都「そ、そんな…………」



28: 名無しで叶える物語 2020/08/03(月) 23:52:06.38 ID:C56Nvd0i.net

千砂都「………………」

果南「その娘の『レン』って、どんな漢字を書くの?」

千砂都「ええと……恋愛の恋、です……」

果南「あー……名前からもにじみ出てるタイプのレズだね」

千砂都「でも……でも、その子は下着をとったり、キスしたりなんてゼッタイしないよ!」

千砂都「どちらかというと、おとなしい子だし!」

果南「あのね…………」

果南「おとなしそうとか、関係ないよ!?むしろ危険なんだよ!?」

果南「レズの中でも、抑えていたものが突然あふれ出ちゃうタイプは、とっても危険だからね!!」

果南「それはもう……プシュッと!振ったコーラのふたを開けたように、プシュッっと!!」



30: 名無しで叶える物語 2020/08/03(月) 23:54:15.96 ID:C56Nvd0i.net

海未「――さて、次は特徴から見るレズの判別方法です」

海未「まず――ピアノが得意な娘」

千砂都「ピアノ…………」


恋『習い事はさまざましてきましたが、特にピアノは得意であるといってもいいかもしれませんね』


千砂都「あぁ……いる。ピアノ得意な娘いる。ピアノいるよー……」

海未「いいですか?ピアノが得意な方は……白魚のような白く細い、きれいな手をした――――レズです」

千砂都「し、白魚のようなきれいな手をした――――」

海未「レズです」

千砂都「レズなんだぁ……」



31: 名無しで叶える物語 2020/08/03(月) 23:55:59.45 ID:C56Nvd0i.net

果南「それに、血液型がAB型」

千砂都「AB型…………」


すみれ『私の血液型?AB型です。ギャラクシーカリスマにふさわしいでしょう?』


千砂都「いる……AB型いる……!ちょっとへんな子!AB型!」

果南「レズだね」

千砂都「レズかぁ……」



32: 名無しで叶える物語 2020/08/03(月) 23:57:14.86 ID:C56Nvd0i.net

海未「さらに、ここ数年のうちに引っ越してきた娘」

千砂都「引っ越し…………」


可可『スクールアイドルに憧れて、上海から日本からやって来マシタ!』


千砂都「引っ越してきた娘いる!思いっきりいる!!ザ引っ越しって娘いるぅ!」

千砂都「この娘もやっぱり……?」

海未「レズ」

千砂都「レズ」



33: 名無しで叶える物語 2020/08/03(月) 23:58:55.23 ID:C56Nvd0i.net

果南「あと、いっつも白いソックスだとか――」

海未「加えて、ごはんが好きというのも――」

果南「そうそう、変わった語尾の娘も――」

海未「それから、神社で働いていて――」

果南「それと、ネット配信をしてるっていう娘も――」



千砂都「………………」



34: 名無しで叶える物語 2020/08/04(火) 00:00:49.08 ID:ZANEgCgV.net

千砂都「ど、どどうしよう…………かのんちゃん……」

千砂都「私たち、レズに囲まれてるんだ…………」

海未「落ち着いてください、チサト」

果南「チサトちゃん。その幼なじみの――かのんちゃんを守るのは誰?」

千砂都「………………それは……そっか、私が守らないと……」

果南「そう、思い出して。大好きな幼なじみを自分の手で守るんでしょ」

海未「忘れないでください。あなたが守るのです、最愛の幼なじみを」

海未「それでは、次にレズを見つけた場合の対処法を――――」

――――――――
――――――



35: 名無しで叶える物語 2020/08/04(火) 00:02:45.58 ID:ZANEgCgV.net

千砂都「――――レズにならない、作らない、近づけさせない…………」ブツブツ

千砂都「金髪のあの娘はレズ……」

千砂都「グレーがかった髪のあの娘もレズ」

千砂都「ピアノが得意なあの娘も………」

千砂都「でもね大丈夫だよ、かのんちゃん」

千砂都「私が守ってあげるからね……」



おわり


元スレ
海未「いいですか、千砂都。これから幼なじみの守り方をお教えしましょう」