1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/06(木) 21:02:23.13 ID:C4YIIQ4L0
淡「私、宮永照さんのことが好きで好きで仕方ないんですが?」の続編です。
11月に投下したかったのですが規制にやられていました。
遅くなってすみません。
淡の先輩呼びが確定したので一部前回と呼び方をかえています。
9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/06(木) 21:11:52.00 ID:C4YIIQ4L0
淡「たまには屋上でお昼ご飯もいいね」
照「うん。見晴らしは良いし日陰は涼しいし」
淡「食堂とか中庭に比べて、あんまり人もいないもんね」
照「そこに座って食べようか」
淡「うん」
カチャカチャ
モグモグ
淡「テルー頬っぺたにご飯つぶ付いてるよー」
照「ん?」
淡「あっ、待って!」
ペロッ
照「ちょっ…舐めるって」
淡「エヘヘ、一回してみたかったんだ~いいでしょ?誰もいないんだし」
照「もう…」
淡「あ!テルに玉子焼きあげるー」
照「えっ?ありがとう」
淡「はい、じゃあ口あけてー」
照「へっ?」
淡「食べさせてあげるよ!」
照「でも」
淡「大丈夫ー誰も見てないから。ほら口、開けて」
照「あーん」パクッ
淡「美味しい?」
照「うっうん」
淡「ホント?嬉しい!」
淡「ごちそうさまでしたー」
照「ごちそうさま」
淡「はぁ~お腹いっぱいだから次の授業眠くなっちゃうなー」
照「サボるの?」
淡「んーサボりたいけど、テルいっつもダメっていうしー」
照「ねぇ淡」
淡「うん?なーに?」
チュッ
淡「ふふっ、急にどうしたのテルー?」
照「今は誰も見てないし…んっ…んむっ…んぅ」
淡「んん…」
照「んぅはっ…淡」
淡「…うん?」
照「あのさ…」
キーンコーンカーンコーン
淡「あ!予鈴鳴っちゃったね~」
淡「教室、戻ろうか?」
照「あ、うん」
―麻雀部部室―
淡「おっはようございまーす」
照 モグモグモグ
淡「あ!テルーそのクッキー1枚ちょーだい♪」
照「いいよ、ここから取って」グイッ
淡「えーっ!そんなの冷たいよー」
照「?」
淡「テルにそれ、食べさせてほしいな!」
照「たっ!食べさせるって、それはさすがに…周りの目がー」チラッ
尭深「弘世先輩、お茶が入りました」
菫「ありがとう尭深」
誠子「先輩、今度の練習試合ですけど…」
菫「ああ、その話だが―」
淡「ほらー誰も見てないよ?」
照「でも…」
淡「お昼は私がしたんだし、いいでしょう?あーん」
照「…あーん」
淡 モグモグ「美味し~」
照「そっそう」
淡「うん!」
菫「…お前らさ」
照・淡「?」
菫「来て早々イチャつくのは前からのことだし、こちらも慣れているから一向に構わないんだが…」
菫「その勢いそのままにココ(部室)でヤるなよ」
照・淡「えっ??」
尭深・誠子「えっ??」
菫「えっ?」
菫「まさか、もうヤっちゃいましたとか言うなよ」
照「ちょっ!してないよっ!」
菫「いや怪しいな。お前なんか、この前暴走して大星のスカートに手を…んぐんご」ギギギッ
照「すっ少し落ち着こう菫、ここは部室だ、部活前に変な話はよそう」
菫「んぐんぐ…ほのへをふぁなへぇ(この手を離せ)」
照「そうだ、ちょっと準備室に行こうよ菫」
バタン
菫「ぷはぁ~…いきなり口を塞ぐなんて私を殺す気か!?」
照「突然さらりと「やる」とか「した」とか言わないでよ!」
菫「なんで?想像しちゃうから?」
照「グーで殴るよ」
菫「悪かった」
照「そのさ…まだ、してないんだよ私たち」
・・・・・・・・・・
照「菫?大丈夫?」
菫「…ああ、すまない。意識が飛んでた…」
菫「そうか。お前のことだから告白した日に押し倒してそのまま~の流れかとずっと思いこんでいた」
照「そんなに私、野蛮じゃないよ!」
菫「別にやらせてくれないわけじゃないんだろう?」
照「菫っていつからそんな大胆のこと平気で言えるようになったの?」
菫「理性飛んじゃって相手の同意なしにスカートに手を入れるような奴に言われたくないな」
照「もうそれ忘れてくれない?」
菫「まぁ、オブラートに包んでも聞いてること変わらないしハッキリ聞いた方が喋るからな、お前の場合は」
照「…そうかもね」
菫「で、実際どうなんだって?」
照「やらせてくれないも何も『したい』だって言ってないよ」
菫「本当に?」
照「本当に」
菫「へー…それは意外だな」
照「そりゃ私だって狼じゃないんだから、そこのへんはちゃんとわきまえてるよ」
菫「とかなんとか言って、拒否されたらどうしようとか考えて言い出せないだけなんだろう?」
照「……なんで分かったの?」
菫「やっぱりな、そうじゃないかと思った」
菫「言っただろう?お前は隠すのが下手なんだって」
照「こういうのはタイミングがあるの」
菫「傍から見れば、お前らのどこにタイミングなんてもんが存在するのか知りたいがな」
照「今日だって昼に『しよう』って誘うつもりだったけど予鈴鳴っちゃって結局言えなくて」
菫「待てお前、学校でするつもりだったのか?」
照「だって淡は寮だし私もお母さんいるし、する場所がなくて…」
菫「だからって学校でしようという考えに行きつくなよ」
菫「全く、お前ら本気でそのうち部室でしそうだから怖い」
照「さすがに部室ではしないよ」
菫「学校でもするな!」
菫「というか、嫌われて当然のようなことして付き合えてるんだから、どう考えてもその悩みは今更だな」
照「分からないでしょう、もしかしたらそういうの大事にしてるかもしれないし」
菫「まあ、確かにそれは個人の考え方もあるから一概には言えないけど」
照「もしかしたら、あのことでちょっとトラウマになってるかもしれないし…」カタカタ
菫「なんで自分から過去を蒸し返してるんだよ」
照「そうなるとやっぱり言えない、どうしよう」ゴンゴンゴン
菫「知らん。そんな壁に頭打ちつけたらバカになるぞ」
―その頃―
淡「テルたち遅いね~何してるんだろう?」
尭深「ねぇ、淡ちゃん」
淡「なんですか?」
尭深「宮永先輩とはどこまでいってるの?」
誠子「ちょっ!尭深!それはいくらなんでもストレート過ぎるって!!」
尭深「でも、ここは直球勝負でいかないと…」
淡「あの~どこまでと言いますと?」
尭深「さっき弘世先輩がおっしゃってた『やる』までしたのかってこと」
淡「あーなるほど、えーっと…してないです、まだ。チューまでです私たち」
誠子「じゃあホントにしてないんだ!」
尭深「キスからいい感じにはならないの?」
淡「いい感じ…」
淡(いい感じ?う~ん、いつも―
淡『テル』
照『淡』
淡『んっ…んちゅっ…んんむっ…』
照『はむっ…んん…ん』
淡『んっ…照』
照『淡…』
淡『じゃあ、また明日学校でね!』
って感じだったしなー)
淡「それはなったことないですねー」
尭深「うーん、あのね淡ちゃん」
淡「はい」
尭深「もしかしてそのー宮永先輩、したいんじゃないの本当は?」
淡「テルが私と?」
尭深「うん」
淡「いや~そんな感じ全く…あれ?」
照『キスしよう淡』
照『首は苦手?』ペロッ
淡『ふぅぁっ…』ビクン
照『次は胸』
淡『っ…そこ触っちゃ…』
照『じゃあスカートの中にしようか?』
淡『えっ…ちょっあっ…ダメ!やだ!!』ドン
淡(そういえば、未遂とはいえキス以上してたんだ私たち…)
淡(もしかして、テル本当はめちゃくちゃしたかったとか?…いやいや、そんな―)
淡(思い返せばあれとかそれとか、それっぽいムードだったような…)
淡(うわ~どうしよう!どうしよう!どうしよう!!全然分かんなかった!)ゴンゴンゴン
誠子「何か思い当たる節があったみたいだね」
尭深「そうみたい」ズズズッ
ガチャ
淡「うわ~~~」ゴンゴンゴンゴン
菫「なんだ、こっちでも同じことやってるのか。本当似た者同士だな」
菫「そんなに頭打ってると、ますますバカになって本当に留年するぞー」
―部活終わり―
淡(まあ色々やっちゃったのは仕方がないわけで、要はムードを盛り上げればいいわけだし!よしっ!)
淡「ねぇ~テルー」
照「何?」
淡「あのさ、今度の土曜日映画見に行こうよ」
照「どうしたの急に?何か見たいものでもできた?」
淡「うん!『オスロの森』って映画なんだけどね」
照「!…淡は、あれが見たいの?」
淡「うん、なんかすっごく有名な恋愛小説を映画化したって雑誌に書いてあったよ」
照「へぇーそうなんだ」
淡「いいでしょ?」
照「うっうん、じゃあ見に行こうか」
淡「アハッ やった~デートデート♪」
照「今日一緒に帰る?」
淡「あーごめん。今日は亦野先輩とたかみ先輩と甘いもの食べに行くんだ」
照「そっか…甘いものか」
淡「テルも来る?」
照「ううん、私も今日はやることがあるし平気」
淡「そっか、じゃあまたねテルー」
照「というわけで、映画に誘われた」
菫「何が『というわけで』なんだ?お前の話はさっき聞いただろう」
菫「それに私は今度の練習試合のチーム構成作りで忙しいんだが?」
照「それは知ってる。けど、こっちも一大事なんだ」
菫「お前らは付き合う前も後もいつも全部一大事なんだな」
照「そりゃそうだよ…やっと付き合えたんだから」
菫「まあ、それもそうだな」
菫「で、何が問題なんだ?デートなんて普通のことだろう?」
照「うん。デートはもう何回もしてる、けど淡が見たいって言った映画が『オスロの森』なんだ」
菫「オスロ…ああ、あの恋愛小説のやつか、いいんじゃないか恋人たちが見るにはもってこいの映画だ」
照「全然よくないよ!」
菫「なんで?」
照「あれ…その、そういうシーンがあるんだろう?」
菫「そういうシーン?どういうシーンだ?」
照「だから、そのっ…恋人が交わるシーン、あるんだろう?」
菫「お前、あの本読んだことないのか?有名なのに」
照「だって、私は普段外国の本しか読まないし」
菫「ああ、そういえばそうだったな」
菫「まぁ、映画は知らないが確かに小説にはそういう描写はあったよ」
照「やっぱり…どうしよう」
菫「別にいいじゃないか?お前ら付き合ってるんだし」
照「よくないよ!多分、淡は知らないで見ることになる、見終わった後に気まずくなったらどうするの!?」
菫「そんなの私が知ったことか!」
照「でも…これはもしかして『して欲しい』っていう淡からのサインなんじゃ?」
菫「もうお前の思考回路にはついて行けない」
照「だって、急に映画に誘ってきて内容がそういうのじゃ、ちょっとは考えるでしょう?」
菫「考えない。第一、そうやって捉えるのは無理がある」
照「どうして?」
菫「アイツは映画に自分の思惑を詰め込むようなタイプじゃない。本当に『して欲しい』と思っているなら自分の口で言うんじゃないか?お前と違ってな」
照「一言余計だよ」
菫「本当のことだろう。前も言ったけどお前さ、そういうのは大星自身にちゃんと聞いたり言ったりしろって、私に話したところで何にも解決しないだろう」
照「でも…」
菫「お互いの気持ちがあってこそのものなんだから」
菫「とりあえず、自分の気持ちを伝える段階はもう越えたんだ、次はお互いの気持ちを伝えていく段階だろう」
菫「それに、そういう系の映画見に行くわけじゃないんだ、気まずいシーンがあったってほんの一瞬なんだからあまり考えすぎるなよ」
照「分かった…頑張ってみる」
―女子会―
淡「はぁ~…いいねいいよねーミルクレープ!このね何層にも重なる薄い生地の間に挟まるクリームがなんとも言えなくて絶妙なの!」
誠子「毎度の淡ミルクレープ論か」
淡「亦野先輩はレアチーズだもんね」
誠子「まぁ、シンプルだしケーキの中で一番さっぱりしてて店によって違いがあるからね」
淡「たかみ先輩はいつも違うよね」
尭深「ええ、本当は抹茶が好きなんだけど、あまり置いてる店がないからモンブランにしたりロールケーキにしたり…」
淡「みんな違ってみんないい!」
誠子「淡が言うと、どんな言葉もアホっぽく聞こえるこの不思議」
淡「え~なんでー?」
誠子「…」モグモグモグ
淡「あ!そういえば、今度の土曜にテルと映画見に行くことになったんだ!」
誠子「ほ~そりゃーめでたいめでたい」
尭深「いいね、何の映画?」
淡「『オスロの森』っていう映画なんだけどね~」
誠子 ブッ
尭深 カランカラン
淡「えっ、なに?大丈夫2人とも?たかみ先輩スプーン落ちたよ」
尭深「うん、ちょっと手が滑っちゃって」
誠子「淡、その映画はどっちが先に見たいって言い出したの?」
淡「ん?私だよ~」
淡「なんか有名な恋愛小説なんでしょ?テルはいつも本読んでるから、ちょうどいいかな~って!」
誠子「じゃあ淡は映画の内容知らないわけか…」
淡「知ってるよー。幼なじみを亡くしたことで疎遠になった2人が偶然、東京で再会して恋に落ちるお話でしょ?」
尭深「間違ってはいないけど」
誠子「それあらすじだから」
淡「えー違うのー?」
誠子「まあ、いいよ。楽しんでくれば」
淡「うん!今度こそテルといい感じになってくる!!」
誠子「いい感じになる前に宮永先輩が爆発しそうだけど…」
―土曜日・映画館―
ワイワイガヤガヤ
淡「わ~結構ひと入ってる」ヨッコイショ
照「先週公開されたばかりだし有名な作品だからね」ヨッコイショ
淡「そっかー楽しみだね~早く始まらないかな」
照「うん」
淡「そういえば、いっつも気になってたんだけどテルって座席の肘掛け、どっち使ってる?」
照「んー右利きだし右使ってるかな」
淡「じゃあ、私は左利きだから丁度いいね!」ギュッ
照「えっ?」
淡「見てる間はこうやって手つないでよう!」
照「あっ…うん」
照「あのさ、淡」
淡「何?」
照「この映画、実は…」
ブー
淡「あ、始まるみたいだよ」
照「……」
…………………………
…………………
……………
『セーラ。あんな、私のこと覚えててほしいんや、ずっと…』
『何言うてんねん。何やそのお願い、俺が怜のこと忘れるわけない、覚えてるで!ずーっとずーっとな』
『ありがとう』
照「……」
照 チラッ(淡、真剣に見てる。やっぱり自分で誘ってきたくらいだし楽しみにしてたんだろうな、この映画)
『なんや自分、麻雀するんか?』
『そやで、こう見えてインハイ出てるんや』
『ほんまか!どこの高校なん?』
『ウチは三箇牧やで』
淡「……」
………………………
…………………
…………
……
『セーラ、私とまたしたい?』
『なんや突然』
『質問してるのは私や、答えて』
『したいで、いつも思ってる』
『じゃあ、しよか?』
照(この展開はもしや―)
照(ぬっ脱ぎ始めちゃった…よ)
照「!?」ビクッ
照(淡、急に手を…えっ?えっ??)
照(なんで急に自分の太ももにのせたの?)
照(えっ?どういうこと?)
…………
………………
……………………
…………………………
『おう憩…元気やったか?』
『元気も何もないで、突然連絡取れなくなって』
『悪い悪い。あんな…俺、憩に会いたいわ。会ってたくさん話したい』
『それは構わんけど、セーラいま何処にいるん?』
『俺か?それは俺、俺は…俺は今、どこにいるんやろう?』
『どこでもない場所から俺は、憩の名を呼び続けた』
END.
淡「終わったー」
照「外、出よう」
淡「うん」
照(見終わったけど、一瞬じゃないよ全然…ガッツリやってるし他にもあんなんとかこんなんとか…菫の嘘つき、バカ)
淡「映画すごく素敵だったなー」
照「えっ?あーそうだね」
淡「難しかったけど、ああいう風に愛せたらいいな私も、照のことー」
照「…あっありがとう」
照(案外、平気だった?のかな?)
淡「どっかお店入ろっか」
照「うん」
淡「私は怜とセーラが雪遊びしてるシーンが好き。あの時の2人はすごく楽しそうだったし」
淡「テルはどこがよかった?」
照「同じ部屋に住んでた寮生の話も面白かったけど、気になったのはやっぱり1番最後かな」
淡「最後って、電話かけてるところ?」
照「うん。もし、ああやって主人公みたいにどこでもない場所に1人立ちつくすことになったらどうしようかな~って」
淡「テル、そんなこと考えてたの?」
照「もしもの話だよ?」
淡「もしもでも、それは絶対ないよ」
照「なんで?」
淡「だって、私が照のそばにずっといるんだから1人になることなんてないでしょう?」
淡「だからまず、そういう状況にならない!」エッヘン
照「すごい自信だね」
淡「もちろん」
照「…そういえばさ、淡はいつも誰かと映画見に行く時ああいうことするの?」
淡「ああいうこと?」
照「そのー人の手を自分の太ももに持っていくこと…とか?」
淡「…あーアレね。うーん…してるかなー皆に」
照「えっ?」
淡「なーんて言ったらどうする?」
照「淡、ふざけないで」
淡「アハハごめんごめん」
淡「映画集中しちゃってテルの手握ってるの忘れてただけ。普通そんなことしないよ」
照「…なら、いいや」
淡「もしかしてドキドキした?」
照「そりゃドキドキしたよ」
照「映画に集中できなかった、といっても映画の方も2人が丁度してるところだったし一緒なんだけどさ」
照「って…あっ…ごめん、そういうことじゃない、一緒じゃない誤解違うから」
淡「ねぇ、テル」
照「ん?」
淡「私とそういうこと、したい?」
照「いや、さっきのは言葉のあやだから」
淡「今のことじゃなくてテルの気持ちを聞いてるの」
照「…」
淡「ねぇ?私としたいの?」
ガタッ
淡「!」
淡「どうしたの急に立ち上がって?」
照「淡、ここ出よう」
淡「えっ?でもまだ私、テルの返事聞いてない」
照「いいから」グイッ
淡「ちょっ、手引っ張らないで危ないよ」
淡「ねぇ、どうしたのいきなり!」
照「突然ごめん、そういう話お店の中でしたくなかったんだ」
淡「あーそっか。じゃあ、もう一回聞くよ」
淡「テルは私としたい?」
照「……うん、したい」
淡「じゃあ、しようよ」
照「…嫌じゃないの?最低とか思わない?」
淡「なんで?照がしたいこと、私もして欲しいもん」ギュッ
照「淡…」
淡「ごめんねテル。ずっと気が付かなくて」
淡「本当は言いたかったんでしょう?」
照「ううん、もういいんだ。私こそちゃんと言わなくてごめん」
淡「いいよ、テルなら何でも許しちゃう」
淡「でもさ、するってどこでするの?」
照「えーっと…あーとりあえずついてきて」
淡「ふーん、言えないようなところに連れて行くつもりなんだ~」
照「ちっ違うよ!うちの家!今日…お母さんいないからさ」
淡「なんだ、なら始めからそう言えばいいのに」
照「それは…」
淡「まあ、私はテルとできるならどこでもいいんだけどね」
照「そういう恥ずかしいこと言わないで」
淡「アハッ 照れてる照れてる」
照「からかわないで!」
淡「ごめんなさーい」
照「行こう、淡」ギュ
淡「うん」
淡「ねぇテル」
照「ん?」
淡「私ね、テルのこと大好きだよ!」
おわり
以上です。
支援してくださった方々、作品を覚えていてくださった方々
ありがとうございました。
少しバカップルのようになってしまったかもしれませんが
気にいってくれたら幸いです。
本当にありがとうございました。
元スレ
淡「たまには屋上でお昼ご飯もいいね」
照「うん。見晴らしは良いし日陰は涼しいし」
淡「食堂とか中庭に比べて、あんまり人もいないもんね」
照「そこに座って食べようか」
淡「うん」
カチャカチャ
モグモグ
淡「テルー頬っぺたにご飯つぶ付いてるよー」
照「ん?」
淡「あっ、待って!」
ペロッ
照「ちょっ…舐めるって」
淡「エヘヘ、一回してみたかったんだ~いいでしょ?誰もいないんだし」
照「もう…」
11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/06(木) 21:17:07.43 ID:C4YIIQ4L0
淡「あ!テルに玉子焼きあげるー」
照「えっ?ありがとう」
淡「はい、じゃあ口あけてー」
照「へっ?」
淡「食べさせてあげるよ!」
照「でも」
淡「大丈夫ー誰も見てないから。ほら口、開けて」
照「あーん」パクッ
淡「美味しい?」
照「うっうん」
淡「ホント?嬉しい!」
13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/06(木) 21:23:53.19 ID:C4YIIQ4L0
淡「ごちそうさまでしたー」
照「ごちそうさま」
淡「はぁ~お腹いっぱいだから次の授業眠くなっちゃうなー」
照「サボるの?」
淡「んーサボりたいけど、テルいっつもダメっていうしー」
照「ねぇ淡」
淡「うん?なーに?」
チュッ
15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/06(木) 21:28:06.12 ID:C4YIIQ4L0
淡「ふふっ、急にどうしたのテルー?」
照「今は誰も見てないし…んっ…んむっ…んぅ」
淡「んん…」
照「んぅはっ…淡」
淡「…うん?」
照「あのさ…」
キーンコーンカーンコーン
淡「あ!予鈴鳴っちゃったね~」
淡「教室、戻ろうか?」
照「あ、うん」
17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/06(木) 21:34:36.48 ID:C4YIIQ4L0
―麻雀部部室―
淡「おっはようございまーす」
照 モグモグモグ
淡「あ!テルーそのクッキー1枚ちょーだい♪」
照「いいよ、ここから取って」グイッ
淡「えーっ!そんなの冷たいよー」
照「?」
淡「テルにそれ、食べさせてほしいな!」
照「たっ!食べさせるって、それはさすがに…周りの目がー」チラッ
18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/06(木) 21:38:29.62 ID:C4YIIQ4L0
尭深「弘世先輩、お茶が入りました」
菫「ありがとう尭深」
誠子「先輩、今度の練習試合ですけど…」
菫「ああ、その話だが―」
淡「ほらー誰も見てないよ?」
照「でも…」
淡「お昼は私がしたんだし、いいでしょう?あーん」
照「…あーん」
淡 モグモグ「美味し~」
照「そっそう」
淡「うん!」
20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/06(木) 21:43:15.72 ID:C4YIIQ4L0
菫「…お前らさ」
照・淡「?」
菫「来て早々イチャつくのは前からのことだし、こちらも慣れているから一向に構わないんだが…」
菫「その勢いそのままにココ(部室)でヤるなよ」
照・淡「えっ??」
尭深・誠子「えっ??」
菫「えっ?」
菫「まさか、もうヤっちゃいましたとか言うなよ」
照「ちょっ!してないよっ!」
菫「いや怪しいな。お前なんか、この前暴走して大星のスカートに手を…んぐんご」ギギギッ
照「すっ少し落ち着こう菫、ここは部室だ、部活前に変な話はよそう」
菫「んぐんぐ…ほのへをふぁなへぇ(この手を離せ)」
照「そうだ、ちょっと準備室に行こうよ菫」
21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/06(木) 21:49:39.15 ID:C4YIIQ4L0
バタン
菫「ぷはぁ~…いきなり口を塞ぐなんて私を殺す気か!?」
照「突然さらりと「やる」とか「した」とか言わないでよ!」
菫「なんで?想像しちゃうから?」
照「グーで殴るよ」
菫「悪かった」
照「そのさ…まだ、してないんだよ私たち」
・・・・・・・・・・
照「菫?大丈夫?」
菫「…ああ、すまない。意識が飛んでた…」
菫「そうか。お前のことだから告白した日に押し倒してそのまま~の流れかとずっと思いこんでいた」
照「そんなに私、野蛮じゃないよ!」
23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/06(木) 21:57:07.01 ID:C4YIIQ4L0
菫「別にやらせてくれないわけじゃないんだろう?」
照「菫っていつからそんな大胆のこと平気で言えるようになったの?」
菫「理性飛んじゃって相手の同意なしにスカートに手を入れるような奴に言われたくないな」
照「もうそれ忘れてくれない?」
菫「まぁ、オブラートに包んでも聞いてること変わらないしハッキリ聞いた方が喋るからな、お前の場合は」
照「…そうかもね」
菫「で、実際どうなんだって?」
照「やらせてくれないも何も『したい』だって言ってないよ」
25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/06(木) 22:03:12.17 ID:C4YIIQ4L0
菫「本当に?」
照「本当に」
菫「へー…それは意外だな」
照「そりゃ私だって狼じゃないんだから、そこのへんはちゃんとわきまえてるよ」
菫「とかなんとか言って、拒否されたらどうしようとか考えて言い出せないだけなんだろう?」
照「……なんで分かったの?」
菫「やっぱりな、そうじゃないかと思った」
菫「言っただろう?お前は隠すのが下手なんだって」
27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/06(木) 22:08:41.49 ID:C4YIIQ4L0
照「こういうのはタイミングがあるの」
菫「傍から見れば、お前らのどこにタイミングなんてもんが存在するのか知りたいがな」
照「今日だって昼に『しよう』って誘うつもりだったけど予鈴鳴っちゃって結局言えなくて」
菫「待てお前、学校でするつもりだったのか?」
照「だって淡は寮だし私もお母さんいるし、する場所がなくて…」
菫「だからって学校でしようという考えに行きつくなよ」
菫「全く、お前ら本気でそのうち部室でしそうだから怖い」
照「さすがに部室ではしないよ」
菫「学校でもするな!」
29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/06(木) 22:15:00.97 ID:C4YIIQ4L0
菫「というか、嫌われて当然のようなことして付き合えてるんだから、どう考えてもその悩みは今更だな」
照「分からないでしょう、もしかしたらそういうの大事にしてるかもしれないし」
菫「まあ、確かにそれは個人の考え方もあるから一概には言えないけど」
照「もしかしたら、あのことでちょっとトラウマになってるかもしれないし…」カタカタ
菫「なんで自分から過去を蒸し返してるんだよ」
照「そうなるとやっぱり言えない、どうしよう」ゴンゴンゴン
菫「知らん。そんな壁に頭打ちつけたらバカになるぞ」
31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/06(木) 22:21:22.93 ID:C4YIIQ4L0
―その頃―
淡「テルたち遅いね~何してるんだろう?」
尭深「ねぇ、淡ちゃん」
淡「なんですか?」
尭深「宮永先輩とはどこまでいってるの?」
誠子「ちょっ!尭深!それはいくらなんでもストレート過ぎるって!!」
尭深「でも、ここは直球勝負でいかないと…」
淡「あの~どこまでと言いますと?」
尭深「さっき弘世先輩がおっしゃってた『やる』までしたのかってこと」
淡「あーなるほど、えーっと…してないです、まだ。チューまでです私たち」
誠子「じゃあホントにしてないんだ!」
尭深「キスからいい感じにはならないの?」
淡「いい感じ…」
33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/06(木) 22:27:27.16 ID:C4YIIQ4L0
淡(いい感じ?う~ん、いつも―
淡『テル』
照『淡』
淡『んっ…んちゅっ…んんむっ…』
照『はむっ…んん…ん』
淡『んっ…照』
照『淡…』
淡『じゃあ、また明日学校でね!』
って感じだったしなー)
34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/06(木) 22:33:29.50 ID:C4YIIQ4L0
淡「それはなったことないですねー」
尭深「うーん、あのね淡ちゃん」
淡「はい」
尭深「もしかしてそのー宮永先輩、したいんじゃないの本当は?」
淡「テルが私と?」
尭深「うん」
淡「いや~そんな感じ全く…あれ?」
37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/06(木) 22:39:48.84 ID:C4YIIQ4L0
照『キスしよう淡』
照『首は苦手?』ペロッ
淡『ふぅぁっ…』ビクン
照『次は胸』
淡『っ…そこ触っちゃ…』
照『じゃあスカートの中にしようか?』
淡『えっ…ちょっあっ…ダメ!やだ!!』ドン
淡(そういえば、未遂とはいえキス以上してたんだ私たち…)
38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/06(木) 22:45:10.73 ID:C4YIIQ4L0
淡(もしかして、テル本当はめちゃくちゃしたかったとか?…いやいや、そんな―)
淡(思い返せばあれとかそれとか、それっぽいムードだったような…)
淡(うわ~どうしよう!どうしよう!どうしよう!!全然分かんなかった!)ゴンゴンゴン
誠子「何か思い当たる節があったみたいだね」
尭深「そうみたい」ズズズッ
ガチャ
淡「うわ~~~」ゴンゴンゴンゴン
菫「なんだ、こっちでも同じことやってるのか。本当似た者同士だな」
菫「そんなに頭打ってると、ますますバカになって本当に留年するぞー」
40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/06(木) 22:52:57.05 ID:C4YIIQ4L0
―部活終わり―
淡(まあ色々やっちゃったのは仕方がないわけで、要はムードを盛り上げればいいわけだし!よしっ!)
淡「ねぇ~テルー」
照「何?」
淡「あのさ、今度の土曜日映画見に行こうよ」
照「どうしたの急に?何か見たいものでもできた?」
淡「うん!『オスロの森』って映画なんだけどね」
照「!…淡は、あれが見たいの?」
淡「うん、なんかすっごく有名な恋愛小説を映画化したって雑誌に書いてあったよ」
照「へぇーそうなんだ」
42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/06(木) 23:01:05.71 ID:C4YIIQ4L0
淡「いいでしょ?」
照「うっうん、じゃあ見に行こうか」
淡「アハッ やった~デートデート♪」
照「今日一緒に帰る?」
淡「あーごめん。今日は亦野先輩とたかみ先輩と甘いもの食べに行くんだ」
照「そっか…甘いものか」
淡「テルも来る?」
照「ううん、私も今日はやることがあるし平気」
淡「そっか、じゃあまたねテルー」
45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/06(木) 23:07:17.25 ID:C4YIIQ4L0
照「というわけで、映画に誘われた」
菫「何が『というわけで』なんだ?お前の話はさっき聞いただろう」
菫「それに私は今度の練習試合のチーム構成作りで忙しいんだが?」
照「それは知ってる。けど、こっちも一大事なんだ」
菫「お前らは付き合う前も後もいつも全部一大事なんだな」
照「そりゃそうだよ…やっと付き合えたんだから」
菫「まあ、それもそうだな」
菫「で、何が問題なんだ?デートなんて普通のことだろう?」
48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/06(木) 23:14:19.26 ID:C4YIIQ4L0
照「うん。デートはもう何回もしてる、けど淡が見たいって言った映画が『オスロの森』なんだ」
菫「オスロ…ああ、あの恋愛小説のやつか、いいんじゃないか恋人たちが見るにはもってこいの映画だ」
照「全然よくないよ!」
菫「なんで?」
照「あれ…その、そういうシーンがあるんだろう?」
菫「そういうシーン?どういうシーンだ?」
照「だから、そのっ…恋人が交わるシーン、あるんだろう?」
菫「お前、あの本読んだことないのか?有名なのに」
照「だって、私は普段外国の本しか読まないし」
菫「ああ、そういえばそうだったな」
51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/06(木) 23:21:33.93 ID:C4YIIQ4L0
菫「まぁ、映画は知らないが確かに小説にはそういう描写はあったよ」
照「やっぱり…どうしよう」
菫「別にいいじゃないか?お前ら付き合ってるんだし」
照「よくないよ!多分、淡は知らないで見ることになる、見終わった後に気まずくなったらどうするの!?」
菫「そんなの私が知ったことか!」
照「でも…これはもしかして『して欲しい』っていう淡からのサインなんじゃ?」
菫「もうお前の思考回路にはついて行けない」
照「だって、急に映画に誘ってきて内容がそういうのじゃ、ちょっとは考えるでしょう?」
菫「考えない。第一、そうやって捉えるのは無理がある」
53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/06(木) 23:28:12.51 ID:C4YIIQ4L0
照「どうして?」
菫「アイツは映画に自分の思惑を詰め込むようなタイプじゃない。本当に『して欲しい』と思っているなら自分の口で言うんじゃないか?お前と違ってな」
照「一言余計だよ」
菫「本当のことだろう。前も言ったけどお前さ、そういうのは大星自身にちゃんと聞いたり言ったりしろって、私に話したところで何にも解決しないだろう」
照「でも…」
菫「お互いの気持ちがあってこそのものなんだから」
菫「とりあえず、自分の気持ちを伝える段階はもう越えたんだ、次はお互いの気持ちを伝えていく段階だろう」
菫「それに、そういう系の映画見に行くわけじゃないんだ、気まずいシーンがあったってほんの一瞬なんだからあまり考えすぎるなよ」
照「分かった…頑張ってみる」
55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/06(木) 23:36:26.96 ID:C4YIIQ4L0
―女子会―
淡「はぁ~…いいねいいよねーミルクレープ!このね何層にも重なる薄い生地の間に挟まるクリームがなんとも言えなくて絶妙なの!」
誠子「毎度の淡ミルクレープ論か」
淡「亦野先輩はレアチーズだもんね」
誠子「まぁ、シンプルだしケーキの中で一番さっぱりしてて店によって違いがあるからね」
淡「たかみ先輩はいつも違うよね」
尭深「ええ、本当は抹茶が好きなんだけど、あまり置いてる店がないからモンブランにしたりロールケーキにしたり…」
淡「みんな違ってみんないい!」
誠子「淡が言うと、どんな言葉もアホっぽく聞こえるこの不思議」
淡「え~なんでー?」
誠子「…」モグモグモグ
56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/06(木) 23:42:48.62 ID:C4YIIQ4L0
淡「あ!そういえば、今度の土曜にテルと映画見に行くことになったんだ!」
誠子「ほ~そりゃーめでたいめでたい」
尭深「いいね、何の映画?」
淡「『オスロの森』っていう映画なんだけどね~」
誠子 ブッ
尭深 カランカラン
淡「えっ、なに?大丈夫2人とも?たかみ先輩スプーン落ちたよ」
尭深「うん、ちょっと手が滑っちゃって」
誠子「淡、その映画はどっちが先に見たいって言い出したの?」
淡「ん?私だよ~」
61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/06(木) 23:56:35.38 ID:C4YIIQ4L0
淡「なんか有名な恋愛小説なんでしょ?テルはいつも本読んでるから、ちょうどいいかな~って!」
誠子「じゃあ淡は映画の内容知らないわけか…」
淡「知ってるよー。幼なじみを亡くしたことで疎遠になった2人が偶然、東京で再会して恋に落ちるお話でしょ?」
尭深「間違ってはいないけど」
誠子「それあらすじだから」
淡「えー違うのー?」
誠子「まあ、いいよ。楽しんでくれば」
淡「うん!今度こそテルといい感じになってくる!!」
誠子「いい感じになる前に宮永先輩が爆発しそうだけど…」
63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/07(金) 00:02:25.95 ID:bviXrti70
―土曜日・映画館―
ワイワイガヤガヤ
淡「わ~結構ひと入ってる」ヨッコイショ
照「先週公開されたばかりだし有名な作品だからね」ヨッコイショ
淡「そっかー楽しみだね~早く始まらないかな」
照「うん」
淡「そういえば、いっつも気になってたんだけどテルって座席の肘掛け、どっち使ってる?」
照「んー右利きだし右使ってるかな」
淡「じゃあ、私は左利きだから丁度いいね!」ギュッ
照「えっ?」
淡「見てる間はこうやって手つないでよう!」
照「あっ…うん」
65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/07(金) 00:10:12.30 ID:bviXrti70
照「あのさ、淡」
淡「何?」
照「この映画、実は…」
ブー
淡「あ、始まるみたいだよ」
照「……」
…………………………
…………………
……………
『セーラ。あんな、私のこと覚えててほしいんや、ずっと…』
『何言うてんねん。何やそのお願い、俺が怜のこと忘れるわけない、覚えてるで!ずーっとずーっとな』
『ありがとう』
照「……」
照 チラッ(淡、真剣に見てる。やっぱり自分で誘ってきたくらいだし楽しみにしてたんだろうな、この映画)
69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/07(金) 00:26:20.68 ID:bviXrti70
『なんや自分、麻雀するんか?』
『そやで、こう見えてインハイ出てるんや』
『ほんまか!どこの高校なん?』
『ウチは三箇牧やで』
淡「……」
………………………
…………………
…………
……
『セーラ、私とまたしたい?』
『なんや突然』
『質問してるのは私や、答えて』
『したいで、いつも思ってる』
『じゃあ、しよか?』
照(この展開はもしや―)
71: 支援ありがとう、もう少しで終わりです 2012/12/07(金) 00:35:45.95 ID:bviXrti70
照(ぬっ脱ぎ始めちゃった…よ)
照「!?」ビクッ
照(淡、急に手を…えっ?えっ??)
照(なんで急に自分の太ももにのせたの?)
照(えっ?どういうこと?)
…………
………………
……………………
…………………………
『おう憩…元気やったか?』
『元気も何もないで、突然連絡取れなくなって』
『悪い悪い。あんな…俺、憩に会いたいわ。会ってたくさん話したい』
『それは構わんけど、セーラいま何処にいるん?』
『俺か?それは俺、俺は…俺は今、どこにいるんやろう?』
『どこでもない場所から俺は、憩の名を呼び続けた』
END.
72: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/07(金) 00:40:12.15 ID:bviXrti70
淡「終わったー」
照「外、出よう」
淡「うん」
照(見終わったけど、一瞬じゃないよ全然…ガッツリやってるし他にもあんなんとかこんなんとか…菫の嘘つき、バカ)
淡「映画すごく素敵だったなー」
照「えっ?あーそうだね」
淡「難しかったけど、ああいう風に愛せたらいいな私も、照のことー」
照「…あっありがとう」
照(案外、平気だった?のかな?)
淡「どっかお店入ろっか」
照「うん」
74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/07(金) 00:47:27.30 ID:bviXrti70
淡「私は怜とセーラが雪遊びしてるシーンが好き。あの時の2人はすごく楽しそうだったし」
淡「テルはどこがよかった?」
照「同じ部屋に住んでた寮生の話も面白かったけど、気になったのはやっぱり1番最後かな」
淡「最後って、電話かけてるところ?」
照「うん。もし、ああやって主人公みたいにどこでもない場所に1人立ちつくすことになったらどうしようかな~って」
淡「テル、そんなこと考えてたの?」
照「もしもの話だよ?」
淡「もしもでも、それは絶対ないよ」
照「なんで?」
75: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/07(金) 00:52:11.82 ID:bviXrti70
淡「だって、私が照のそばにずっといるんだから1人になることなんてないでしょう?」
淡「だからまず、そういう状況にならない!」エッヘン
照「すごい自信だね」
淡「もちろん」
照「…そういえばさ、淡はいつも誰かと映画見に行く時ああいうことするの?」
淡「ああいうこと?」
照「そのー人の手を自分の太ももに持っていくこと…とか?」
淡「…あーアレね。うーん…してるかなー皆に」
照「えっ?」
76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/07(金) 00:57:25.34 ID:bviXrti70
淡「なーんて言ったらどうする?」
照「淡、ふざけないで」
淡「アハハごめんごめん」
淡「映画集中しちゃってテルの手握ってるの忘れてただけ。普通そんなことしないよ」
照「…なら、いいや」
淡「もしかしてドキドキした?」
照「そりゃドキドキしたよ」
照「映画に集中できなかった、といっても映画の方も2人が丁度してるところだったし一緒なんだけどさ」
78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/07(金) 01:02:21.98 ID:bviXrti70
照「って…あっ…ごめん、そういうことじゃない、一緒じゃない誤解違うから」
淡「ねぇ、テル」
照「ん?」
淡「私とそういうこと、したい?」
照「いや、さっきのは言葉のあやだから」
淡「今のことじゃなくてテルの気持ちを聞いてるの」
照「…」
淡「ねぇ?私としたいの?」
79: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/07(金) 01:07:27.71 ID:bviXrti70
ガタッ
淡「!」
淡「どうしたの急に立ち上がって?」
照「淡、ここ出よう」
淡「えっ?でもまだ私、テルの返事聞いてない」
照「いいから」グイッ
淡「ちょっ、手引っ張らないで危ないよ」
81: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/07(金) 01:13:41.45 ID:bviXrti70
淡「ねぇ、どうしたのいきなり!」
照「突然ごめん、そういう話お店の中でしたくなかったんだ」
淡「あーそっか。じゃあ、もう一回聞くよ」
淡「テルは私としたい?」
照「……うん、したい」
淡「じゃあ、しようよ」
照「…嫌じゃないの?最低とか思わない?」
淡「なんで?照がしたいこと、私もして欲しいもん」ギュッ
照「淡…」
淡「ごめんねテル。ずっと気が付かなくて」
淡「本当は言いたかったんでしょう?」
照「ううん、もういいんだ。私こそちゃんと言わなくてごめん」
84: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/07(金) 01:23:56.11 ID:bviXrti70
淡「いいよ、テルなら何でも許しちゃう」
淡「でもさ、するってどこでするの?」
照「えーっと…あーとりあえずついてきて」
淡「ふーん、言えないようなところに連れて行くつもりなんだ~」
照「ちっ違うよ!うちの家!今日…お母さんいないからさ」
淡「なんだ、なら始めからそう言えばいいのに」
照「それは…」
淡「まあ、私はテルとできるならどこでもいいんだけどね」
86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/07(金) 01:30:28.40 ID:bviXrti70
照「そういう恥ずかしいこと言わないで」
淡「アハッ 照れてる照れてる」
照「からかわないで!」
淡「ごめんなさーい」
照「行こう、淡」ギュ
淡「うん」
淡「ねぇテル」
照「ん?」
淡「私ね、テルのこと大好きだよ!」
おわり
88: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/07(金) 01:35:15.78 ID:bviXrti70
以上です。
支援してくださった方々、作品を覚えていてくださった方々
ありがとうございました。
少しバカップルのようになってしまったかもしれませんが
気にいってくれたら幸いです。
本当にありがとうございました。
淡「恋は続くよ」照「どこまでも」