1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 20:12:55.42 ID:6hkhAeGD0
――姫松勢、愛宕家にお泊まりちゅう
漫「いやー、おいしかった!」
由子「絹ちゃんお料理上手なのよー」
絹恵「えへへ」
恭子「お、カレンダーに『ほっかいどう』って書いてありますね、字がウキウキしとる」
洋榎「ああ、今日からの千里山の合宿めっちゃ楽しみにしとったみたいや、うちのオカン」
恭子「その下の『おとまり!』って字もウキウキしとりますけど」
洋榎「え、あ、いや、それはべつにそういうんちゃうから…」
絹恵「あはは、お姉ちゃんもめっちゃ楽しみそうにしてましたよ」
洋榎「ばっ…!?」
恭子「へえーかわいい」
漫「かわいい!」
由子「かわいいのよー洋榎」
洋榎「や、やめや!この話やめっ!」
絹恵「あはははは」
4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 20:21:26.37 ID:6hkhAeGD0
恭子「あはは……ん?」
洋榎「ま、まだなんかあるんか…?」
恭子「あ、いえ、そういうんじゃなくて…」ジー
絹恵「…?」
恭子「絹ちゃんのメガネのふち」
絹恵「あ、気付きました?」
漫「え、なんですか?」
恭子「いや、なんかコメカミ辺りんとこがカクカクしてて、おもろいなあと思って」
漫「え?…あ、ほんまや!」
由子「彫ってあるのよー?」
絹恵「ううん、これは透明の素材と赤い素材とを組み合わせて作ってあるんですわ」
絹恵「こっちの左だけなんやけど、ワンポイントで、2センチ」
絹恵「迷宮を意識したデザインなんですよ、一発で一目惚れしてもうて」
洋榎「絹の趣味はへんてこりんやからな」
絹恵「変やないもん!」
洋榎「えー、へんてこやって」
絹恵「むー…変やないですよね…?」
恭子「え?えっと、おもろいで?」
絹恵「ほら!」
洋榎「いやあ、おもろいって、ファニーやろ?」
絹恵「え、インタレスティングですよね?」
恭子「えー…ファニーとはちょっと、ちゃうかな」
絹恵「ほら!お姉ちゃん!」
洋榎「恭子は優しいなあ…」
絹恵「むーっ」プクーッ
由子「あの、質問いい?」
洋榎「ん?なんやゆーこ」
由子「じゃあさっきごはん食べたときのお箸も?」
絹恵「そうなんです!かたっぽ赤で目立たせて、もうかたっぽは極く極く透明に近い白にした」
絹恵「消失がコンセプトのお箸なんですわ!」
漫「ほー、お洒落やなあ」
絹恵「えへへへへ」
由子「確かに、たまにごはんに溶けこむように見失ったのよー 買ったん?」
絹恵「バラバラに買って、組み合わせは自分で作りました」
恭子「凝っとるんやなあ」
洋榎「な?よう分からんやろ?」
恭子「え、ええと」
絹恵「えへへ」
恭子(あ、分からない、はええんや)
洋榎「絹がおみやげで買ってくるもんなんかもっとよう分からんで」
絹恵「喜んでくれるやん」
洋榎「そら嬉しいは嬉しいし」
絹恵「あ、ほんま?」
洋榎「そらそやろ、そこはホントや、嘘つかへん」
絹恵「あはは、嬉しい」
洋榎「これが沖縄のおみやげやな」コトン
漫「? なんですか、これ」
洋榎「ちんすこうジェンガ」
絹恵「……これは自分でもちょっと失敗したかなって思いましたよ」
恭子「そうなん?おもろいけど」
由子「あとでやりたいのよー」
洋榎「これが東京みやげやな」コトン
漫「かわいい!サボテンですか、これ?」
絹恵「サボテンのミニチュアや、たくさん種類があって好きなのを選べるんや」
恭子「台と一緒に買うわけやな」
絹恵「台も1つしか置けんやつとか7つくらい乗るやつとかあるんですけど、このにょきにょきした3つのが気に入ってもうて」
洋榎「これも東京やっけ」コトン
絹恵「うん」
恭子「綺麗なガラス細工やね」
漫「水道から金魚が出とるん?おもろいなあ」
恭子「そんな変でもないやないですか、もっと突き抜けた子いくらでもいますで」
洋榎「そらそうやけど」
絹恵「せやから、へんてこちゃいますもん」
洋榎「常にへんてこなら読めるんやけど、へんてこ具合の塩梅もへんてこっちゅーか」
絹恵「それが人間ってもんやん」
洋榎「すぐ人間とか世界とか言うんやめえって」
絹恵「わたしは自分がええと思ったもんを好いとるだけやから、へんてこ期待されても困るで」
洋榎「…まあ、そらそやな」
絹恵「でしょ?」
洋榎「うん、ごめん」
絹恵「ええよ」
由子「せっかくだから絹ちゃんのお部屋も見たいのよー」
絹恵「ええですよ!部屋にはちょっと自信あるんですわ!」
漫「なにが置いてあるんやろ」ワクワク
恭子「『きぬえのへや』…「え」だけ左右逆なんやね」
絹恵「はい、かわいいでしょう?」
恭子「うん、こういうん好きや」ガチャ
漫「おじゃましまーす」
由子「わあ、お洒落なお部屋なのよー」
絹恵「へへ」
恭子「これは?カレンダーみたいやけど…」
絹恵「日付がぜんぶガラスの管になってて、そのなかを色のついた液体がちょっとずつちょっとずつ流れるんです」
絹恵「色がついた最新日が今日、ってなるように」
漫「あ、ほんまや!今日の日付まで色がついとる!かっこええ!」
絹恵「でしょ!ネットで見て速攻買ったんや!」
由子「おおー時計も変わってるのよー」
絹恵「文字盤が穴の開いた板に隠されとるんやけど、その板に開いた丸い穴が針の代わりに回るんです」
洋榎「見づらいと思うんやけどなあ…」
絹恵「時計見づらくてもそんな困らんもんやって」
恭子「あれ、これ回転書架やん」
絹恵「かっこええでしょう?」
恭子「へえー、これは普通に羨ましいなあ…」グルグル
絹恵「本とか漫画とかCDとかはそこに入れとります」
由子「壁にフックでいろんなお店の袋が引っかけてあるのはなんなのよー?」
絹恵「なかに映画のパンフとか入れとるんです、本棚とはちゃうかな、って」
恭子「あれ、この人ってジャニーズやっけ?」
漫「え?あ、ほんまや、山ピーや」
恭子「これはまた普通の女の子っぽいものが出てきたんちゃう?」
洋榎「と、思うやろ?」
恭子「え?」
絹恵「ええ歌ですよ、聴いてみます?」スチャ
由子「グランドピアノの模型?」
絹恵「CDプレイヤーです、この蓋開けてCD入れるんですわ」
洋榎「それはうちも好きやで、操作は鍵盤でやるんや」
絹恵「再生ー」
山ピー『つめ、を噛むしーぐさがー記憶に影を落とす♪』
漫「ん?なんやこの歌」
絹恵「『愛、テキサス』や」
山ピー『あいつのこーえが鳴り響く、あたまんなーかで「撃ちまくれ」♪』
由子「なんか思ってたのと違うのよー」
絹恵「鈍痛去ってはくれないがーどんな、いたーみも愛おしい♪」
山ピー『ドンチューシンクソーどん底に、希望、があーれば十分さ♪』
恭子(ええ曲やん…)シミジミ
洋榎「なんやジャニーズまでたどりついてこれ選ばんでもって選曲やろ?」
絹恵「ええー!ジャニーズはこれENDLICHERI☆ENDLICHERIの二強やんかー!」
山ピー『あの日、俺らはいつものようにテキーラを飲みながら、もうすぐ結婚するってあいつの話を笑って聞いていた』
漫「語り入った!」
絹恵「ここ!ここがめっちゃええんや!」
恭子(うん、これはええわ…言いだせんけど…)
由子「えっと、さっき言ってた…えんどり……?」
絹恵「ENDLICHERI☆ENDLICHERIですか?」
由子「うん、それはどんな曲なのよー?」
絹恵「あ、これは曲名ちゃうくて、歌手名なんですわ」
洋榎「ちゅーか堂本剛やで」
由子「のよっ!?」
絹恵「『空が泣くから』とかええですよ」
恭子「あ…」
洋榎「うん?どないしたんや、恭子」
恭子「いや…『空が泣くから』はわたしも好きやったなあ、って」
絹恵「ですよね!さすが末原先輩や!」
洋榎「えー…キンキみたいなほうがええと思うんやけどなあ…」
ゴーン…ゴーン…
絹恵「あ、目覚ましかけっぱなしやった」
漫「え、いまの鐘の音が目覚ましなん!?起きれへんやんこんなん!」
恭子(回転書架おもろい…)グルグル
恭子「あ…ドカベンや」
由子「へえー渋いのよー」
恭子「ドカベンで好きなキャラとかおるん?」
絹恵「中ですね」
恭子「まさかやな」
漫「?? 誰でしたっけ?」
恭子「ほら、コントロール派のピッチャーで、山田を5連続敬遠した」
絹恵「ああ、らしいですね」
恭子「…らしい?」
洋榎「高校までは知らへんで、絹はプロ野球編しか読んでへんから」
恭子「は…!?」
絹恵「あと知三郎が好きですわ」
恭子「ちょ、ちょお待ちや!プロ野球編だけ読んで楽しめるもんなんか!?そんなわけないやろ!」
洋榎「無駄や、そういう話はうちとオカンがし尽くした…その結果がいまなんやから…」
恭子「ほんまですか…そら、そらあかんわ…」
由子「じゃあミスフルでは?」
絹恵「帥仙がええです」
漫「誰?」
恭子「ふーん…それで?が口癖のやつや…」
漫「うーん分からんですわ…うちが分かる漫画あらへんかな」グルグル
漫「あ、武装錬金あるやん!好きな武装錬金は?」
絹恵「激戦とモーターギアやな」
漫「激戦…?」
恭子「自動回復の槍や」
漫「ああ、あれですか、たしかにカッコよかったなあ」
由子「WORSTもあるのよー」
恭子「…誰が好きなん?」
絹恵「…光政」テレッ
恭子「そこは普通なんかい!」
洋榎「ちなみにこっちはちゃんとCROWSから読んでるで」
恭子「ちょっと安心しましたわ…」
絹恵「あはは、当たり前やないですか、読んでへんと分からんですもん」
恭子「せ、せやな…そうやんな…」
漫「あ、烈火の炎もある、好きな魔道具!」
絹恵「神慮思考」
由子「好きなARMS!」
絹恵「眠りネズミ、帽子屋、白兎」
恭子「読めてきたで…!好きな斬魄刀は?」
恭子(清虫か千本桜かあるいは逆撫か…でなければ残火の太刀…破面なら邪淫妃か…聖哭螳蜋もあり得るで…あとはなんやろな、ルピのとか、暴風男爵、車輪鉄燕…)
恭子(完現術からブック・オブ・ジ・エンド、ダーティーブーツもいちおう警戒しとこか…!)
恭子(完璧や!一部の隙もない予想や!)
絹恵「斬月」
恭子「なんでやねん!」
洋榎「無駄やって、絹の好みは絶対読めへん」
漫「あ、リカちゃんにんぎょ、う?」
絹恵「うん」
漫「え、なんや、これ…?」
絹恵「うん?」
洋榎「あーそれな…なんで午後の紅茶のラベル着とんねんって思うやろ?」
漫「やっぱ、午後の紅茶ですよね、あったかいやつ」
絹恵「せや、今年の午後の紅茶のあったかいやつはペットボトルがマフラー巻いてるデザインになっててめっちゃかわいいんや」
絹恵「せやから、そのまま取って、押入れの奥からリカちゃん人形だしてきて着せてみました」
漫「ほ…ほう…」
絹恵「あったかそうで、ちょっとデザインチックで、ええかんじやと思うんやけど…」
由子「わたしは好きよー」
絹恵「あ、ありがとうございますっ!」
由子「でも成分表がちょっとジャマやね」
絹恵「そうなんですよね、せやから今度切りとって、かわいい部分だけ熱で溶かしてくっ付けようかと思っとるんです」
由子「おおーナイスアイデアよー」
恭子「…? この天井からぶらさがっとるんは?」
絹恵「貯金箱です」
恭子「…なんで?」
絹恵「おもろいやないですか」
恭子「うーん…ちょっと休憩させてもらうわ…」パタン
恭子「ん…ソファー…やわらか……Zzz」
絹恵「あら、寝てもうた」
恭子「ぐう…ぐう…」
洋榎「寝るん早っ!起きてんちゃうか?」プニプニ
恭子「ぐうぐう」
漫「おもろいなあ、写真撮っちゃお」パシャ
由子「ねえねえ、最後に訊いてみたいんやけど」
絹恵「はい?」
由子「絹恵ちゃん的には、このなかで誰がいちばんイケてるのよー?」
絹恵「えっ?」
漫「おおっ、確かに気になるとこですね!」
絹恵「え、えっと…」
由子「別に結果に傷ついたりしないから、素直にどうぞなのよー?」
絹恵「うーん…でも…恥ずかしいですし…」
洋榎(うちはこれ知っとるから黙っとこ)
絹恵「…えっと」
漫「うんうん」
絹恵「わたしがいっちゃんイケてる思うんは…」
由子「うんうん」
絹恵「……」
絹恵「末原先輩ですっ!」
漫&由子(やっぱり)
洋榎「せやr…………あれ……ちょ、ちょお待て!うちとちゃうんか!?」
絹恵「お姉ちゃんはセンスないもん」
洋榎「なんやって!!?」
絹恵「見てください、末原先輩のこのファッション」
漫「よお分からん髪と」
由子「パジャマ代わりのジャージやね」
絹恵「むっちゃイケてないですか?」
絹恵「これで足首んとこだけ小っちゃいスカートみたいにひらひらさせたら最高なんやけどなあ…」
由子(ちょっと想像できないのよー)
絹恵「裾のあたり絵の具とかでよごしたいなあー」
漫(末原先輩も大変やなあ)
絹恵「去年とか、先輩学校でもジャージ着てたでしょう」
由子「ああ、スカートの下に着てたのよー」
絹恵「あれ、最高でしたわ、一発で惚れました」
洋榎「え…?え!?ラヴ!?ラヴなんか!!?」
絹恵「え?いやいや、んなアホな…そういうんちゃうやん」
絹恵「普通に部屋にひとり置いておきたいとか、そんなかんじやで?」
洋榎「ふつう……?」
絹恵「部屋の角っこに、こう、テディベアみたいに、ぽてん、って」
漫「あ、かわいいかも」
絹恵「でしょ?」
由子「置いとくだけでいいのよー?」
絹恵「うーん…とりあえずは置いとくとこからってかんじで」
洋榎「次の段階はどうなるんや…」
絹恵「服はやっぱりスカートジャージで、スカートは白く薄めたピンクから黒へのグラデーションにしたいですね」
漫「うん?混ぜてくん?」
絹恵「それやと濁りそうやから…こう、黒地にピンクの水玉をつけてって…下に行くに連れてだんだん数を大きさを増していって…」
漫「ああ、それでいっちゃん下はピンク一色になる感じの?」
絹恵「そうそう!」
由子「面白そうだから絵に描いてこうなのよー」
絹恵「ええですね!」スチャ
由子「おおっ、無地のルーズリーフなのよー」
絹恵「まずはなんとなくの末原先輩像を描いて、っと」サラサラ
漫「スカートは黒地に白で薄めたピンクの水玉」
由子「ジャージは?」
絹恵「ジャージは逆に今着てるのでいいと思います、なんでもイジればいいってもんやないし」
漫「上はどうするん?」
絹恵「制服でええんちゃうかな?大会で着てたような…でも一工夫ほしいな」
漫「うんうん」
絹恵「うっすい蛍光グリーンで、片側だけなんか描くとかどやろ?」
漫「おお、ええやん!」
由子「羽根にしようなのよー」
絹恵「羽根ですか?」
由子「そう、肩から袖を伝うかたちで羽根の絵を描いて、それが半袖を通り越して恭子の腕までつづくのよー」
絹恵「なるほど…じゃあ胸から腰にかけてもうひとつ羽根を足しましょう、四枚羽根の天使の片側みたいに」サラサラ
漫「おおお!めちゃめちゃかっこええやん!」
洋榎(ああ…恭子が寝てる間に珍妙なインテリアにされていく…)
漫「髪留めは?どうするんや?」
絹恵「わたしとしては普段通り後ろで止めるスタイルを、リボンでやってほしいかな」
由子「つまり去年のスタイルなのよー?」
絹恵「そうそう、それでそのリボンを」
漫「リ、リボンを…?」
絹恵「炎の写真プリントにするんはどうでしょう!」
漫「くっそかっこええやん!!」
洋榎(スズ、おもしろがっとんやないやろな…)
由子「髪が燃えてるみたいなのよー」ケラケラ
洋榎(ゆーこは完全おもしろがっとるでこれ…)
絹恵「……あ、思いついた」
由子「なんなのよー?」
絹恵「あの、靴下なんですけどね」
漫「うんうん」
絹恵「木の根の写真プリントにするんです」
漫「うーん、ちょっと分からへん」
由子「おもしろいけど、すこし象徴性に走りすぎてる気もするのよー」
絹恵「ですかね」
由子「うん、まあ靴下は採用するとして…」サラサラ
洋榎(するんかい)
由子「そろそろ機能性にも拘りたいところなのよー」
絹恵&漫「!!」
洋榎(ああ、思いだすで…昔、うちとオカンもこんなふうに、絹の溢れ出るセンスをオモチャにして遊んどったもんや…)
洋榎(そうしてるうちに、絹のセンスは手が付けられないとこまで行ってもうた…)
洋榎(歴史は繰り返すで…ほんま…)
絹恵「そうか…たしかにそやな…部屋に末原先輩を置く以上、何か機能があったほうがええ…」
由子「なのよー」
漫「何かを持ってもらうんはどうですか?」
絹恵「採用っ!」
漫「やった!」
絹恵「問題は何をどう持ってもらうかや」
漫「ティッシュ箱とかどう?」
絹恵「うーん…ティッシュは今の水槽っぽい入れ物が気に入っとるからなあ…」
漫「え?あれティッシュ箱なん?すごっ!」
由子「帽子掛けはー?」
絹恵「ええですね あ…でも髪見えなくなってまう」
由子「あ」
絹恵「手に引っかけるんでもええですけど…それは先輩つらいやろし」
由子「絹ちゃん優しいのよー」
絹恵「え、えへへ、そんな」
洋榎「……」
絹恵「あ、こんなんどうでしょう」サラサラ
漫「うん?」
由子「紐を持ってるのよー?」
絹恵「そうです、これはこの部屋の電気の紐ですわ」
絹恵「いまこの部屋の電気紐は2本プラプラさせてて、両方一緒に引っぱると電気が消える仕組みになってるんやけど」
漫「へえ、おもろい」
絹恵「これを末原先輩のためにやめて、新しい形にします!」
由子「おおー!痛みを伴う改革なのよー!」
絹恵「ふふ…えっと、まず長い長い一本の紐にして、床まで垂らします」サラサラ
漫「うんうん」
絹恵「そんで床に輪っかのついた楔みたいのを刺しまして」サラサラ
由子「のよのよ」
絹恵「これに紐を通して、末原先輩のほうへ持ってくる」
漫&由子「おおーっ!」
絹恵「これで完成や!あとは末原先輩に紐を持ってもらって、電気を消したい時には紐引っぱってくださいって言うだけ!」
由子「すごいのよー!機能的なのよー!」
漫「こらあ違和感ないで!部屋の一部や、末原先輩!」
絹恵「ふふ、紐は何色にしよかな…」
絹恵「透明やな、見えないくらい透明、それで電気が消えたら魔法みたいや…!」
絹恵「あ、オッドアイにしよ」サラサラ
由子「何色にするのよー?」
絹恵「片目だけエメラルドグリーンのカラコン入れるとかどうでしょ、夜だけそっちの目を開けるんです」
漫「あかん、もうかっこいいばっか言うとるわ、うち」
絹恵「そんで部屋の壁に末原先輩の名言を描くんや、漫画みたいに、吹きだしにして」サラサラ
由子「おお、部屋と恭子の親和性が増すのよー」
絹恵「あ、あとペン立ても持っといてもらいましょか」
漫「ああ、末原先輩やもんね」
絹恵「直でペン立てやったらおもんないな…コップにペン入れて持っといてもらいましょう」サラサラ
由子「おしゃれよー」
絹恵「それで、ここ、末原先輩の近くに船を模した手紙入れを置いとくんや」
漫「手紙?」
絹恵「うん、いつもありがとうございますって、書いて、入れるんや」
由子&漫「絹ちゃん…」ジーン
洋榎(いやいや、感動するとこちゃうて…)
絹恵「ふう、こんなもんかな」
由子「うん、なかなかいいプランなのよー」
絹恵「えへへ、末原先輩インテリア化計画、っと」サラサラ
漫「おおー感動や!」
絹恵「あ、そろそろお風呂沸くころやな」
漫「やたっ」
由子「お風呂入ったら恭子起こして借りてきた映画見ようなのよー」
絹恵「ええですね、じゃあ行きましょか」ガチャ
漫「ドアノブ、レゴみたいになっとるんや」
絹恵「これは絵やけどね」
由子「おもしろいのよー」
洋榎「……」マジマジ
洋榎(こんな恭子でもこの部屋にはピッタリな気がしてくるから怖いでほんま)
絹恵「お姉ちゃーん?」
洋榎「あ、いま行くで」ガチャン
恭子「ぐうぐう……ん…ううん…」
恭子「ふああ……あれ…?」
恭子「あ、そうや、絹ちゃんのセンスに当てられて、寝てもうたんや…」
恭子「みんなリビングかな…よっこいしょ」
恭子「……ん?」
恭子「なんやろこの紙…えっと…すえはらせんぱいいんてりあかけいかく?」
恭子「……」
恭子「末原先輩インテリア化計画!!?」
恭子「…あ、ああ……なんやこれ…絹ちゃん……こんな…こんな計画書を隠し持って…?」カタカタ
恭子「絹ちゃんは…わたしを…こんなおもろいもんにする気なんか…?」カタカタ
恭子「ま、待て待て、わたしやない…この末原なるもんがわたしやない可能性も、無きにしも非ずや…そうや…もっとちゃんと見んと…」
恭子「吹きだしの台詞…「少し追いついたで、絹ちゃん」など…?……言った…これ、わたし、絹ちゃんに、言った…」カタカタカタカタ
恭子「やっぱりわたしや…この部屋のインテリアにされてまうんは…わたしや…!」
ガチャ
恭子「ひゃうっ!?」
絹恵「あ、先輩起きてたんですね、これからみんなで借りてきた映画みよう言うてるんですけど……先輩?」
恭子「は、はいっ!」
絹恵「…? なんかあったんですか?」
恭子「う、ううん、なんもないで、なんも、見つけてなんかあらへん」
絹恵「? そうですか?ならええんですけど」
恭子「う、うん」
絹恵「……」ジー
絹恵(やっぱ先輩はこうして動いてるんがいちばんええなあ)
絹恵(今度はインテリアやなくて普通にファッションとか考えてみたいなあ)
絹恵(…ふふふ)
恭子「……」ビクッ
恭子(なんやろ…なんか一瞬ゾクッときたで…)
恭子「…で、なんやっけ?映画?」
絹恵「はい、観ます?」
恭子「う、うん、みよか」
絹恵「…」テクテク
恭子「き…絹ちゃん」
絹恵「はい?」
恭子「え、ええと、映画って、どんな映画なん…?」
絹恵「え?えっと、たしか…」
恭子「う、うん…」
絹恵「なんやホラーで、悪い、泥棒かなんかが出てくるんですけど」
恭子「うん」
絹恵「そいつがちょっとアカン、ホラーな家、幽霊屋敷に、泥棒に入って」
恭子「うん」
絹恵「それでね、そこの家に、子どもがいるんやけど、その子に、捕まってもうて……」
恭子「…」
絹恵「お人形にされちゃうんやって」
恭子「ひっ」
カン!
元スレ
恭子「あはは……ん?」
洋榎「ま、まだなんかあるんか…?」
恭子「あ、いえ、そういうんじゃなくて…」ジー
絹恵「…?」
恭子「絹ちゃんのメガネのふち」
絹恵「あ、気付きました?」
漫「え、なんですか?」
恭子「いや、なんかコメカミ辺りんとこがカクカクしてて、おもろいなあと思って」
漫「え?…あ、ほんまや!」
由子「彫ってあるのよー?」
絹恵「ううん、これは透明の素材と赤い素材とを組み合わせて作ってあるんですわ」
絹恵「こっちの左だけなんやけど、ワンポイントで、2センチ」
絹恵「迷宮を意識したデザインなんですよ、一発で一目惚れしてもうて」
洋榎「絹の趣味はへんてこりんやからな」
絹恵「変やないもん!」
6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 20:28:15.20 ID:6hkhAeGD0
洋榎「えー、へんてこやって」
絹恵「むー…変やないですよね…?」
恭子「え?えっと、おもろいで?」
絹恵「ほら!」
洋榎「いやあ、おもろいって、ファニーやろ?」
絹恵「え、インタレスティングですよね?」
恭子「えー…ファニーとはちょっと、ちゃうかな」
絹恵「ほら!お姉ちゃん!」
洋榎「恭子は優しいなあ…」
絹恵「むーっ」プクーッ
由子「あの、質問いい?」
洋榎「ん?なんやゆーこ」
由子「じゃあさっきごはん食べたときのお箸も?」
絹恵「そうなんです!かたっぽ赤で目立たせて、もうかたっぽは極く極く透明に近い白にした」
絹恵「消失がコンセプトのお箸なんですわ!」
10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 20:34:27.91 ID:6hkhAeGD0
漫「ほー、お洒落やなあ」
絹恵「えへへへへ」
由子「確かに、たまにごはんに溶けこむように見失ったのよー 買ったん?」
絹恵「バラバラに買って、組み合わせは自分で作りました」
恭子「凝っとるんやなあ」
洋榎「な?よう分からんやろ?」
恭子「え、ええと」
絹恵「えへへ」
恭子(あ、分からない、はええんや)
洋榎「絹がおみやげで買ってくるもんなんかもっとよう分からんで」
絹恵「喜んでくれるやん」
洋榎「そら嬉しいは嬉しいし」
絹恵「あ、ほんま?」
洋榎「そらそやろ、そこはホントや、嘘つかへん」
絹恵「あはは、嬉しい」
12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 20:39:45.15 ID:6hkhAeGD0
洋榎「これが沖縄のおみやげやな」コトン
漫「? なんですか、これ」
洋榎「ちんすこうジェンガ」
絹恵「……これは自分でもちょっと失敗したかなって思いましたよ」
恭子「そうなん?おもろいけど」
由子「あとでやりたいのよー」
洋榎「これが東京みやげやな」コトン
漫「かわいい!サボテンですか、これ?」
絹恵「サボテンのミニチュアや、たくさん種類があって好きなのを選べるんや」
恭子「台と一緒に買うわけやな」
絹恵「台も1つしか置けんやつとか7つくらい乗るやつとかあるんですけど、このにょきにょきした3つのが気に入ってもうて」
洋榎「これも東京やっけ」コトン
絹恵「うん」
恭子「綺麗なガラス細工やね」
漫「水道から金魚が出とるん?おもろいなあ」
15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 20:44:32.35 ID:6hkhAeGD0
恭子「そんな変でもないやないですか、もっと突き抜けた子いくらでもいますで」
洋榎「そらそうやけど」
絹恵「せやから、へんてこちゃいますもん」
洋榎「常にへんてこなら読めるんやけど、へんてこ具合の塩梅もへんてこっちゅーか」
絹恵「それが人間ってもんやん」
洋榎「すぐ人間とか世界とか言うんやめえって」
絹恵「わたしは自分がええと思ったもんを好いとるだけやから、へんてこ期待されても困るで」
洋榎「…まあ、そらそやな」
絹恵「でしょ?」
洋榎「うん、ごめん」
絹恵「ええよ」
由子「せっかくだから絹ちゃんのお部屋も見たいのよー」
絹恵「ええですよ!部屋にはちょっと自信あるんですわ!」
漫「なにが置いてあるんやろ」ワクワク
19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 20:52:35.88 ID:6hkhAeGD0
恭子「『きぬえのへや』…「え」だけ左右逆なんやね」
絹恵「はい、かわいいでしょう?」
恭子「うん、こういうん好きや」ガチャ
漫「おじゃましまーす」
由子「わあ、お洒落なお部屋なのよー」
絹恵「へへ」
恭子「これは?カレンダーみたいやけど…」
絹恵「日付がぜんぶガラスの管になってて、そのなかを色のついた液体がちょっとずつちょっとずつ流れるんです」
絹恵「色がついた最新日が今日、ってなるように」
漫「あ、ほんまや!今日の日付まで色がついとる!かっこええ!」
絹恵「でしょ!ネットで見て速攻買ったんや!」
由子「おおー時計も変わってるのよー」
絹恵「文字盤が穴の開いた板に隠されとるんやけど、その板に開いた丸い穴が針の代わりに回るんです」
洋榎「見づらいと思うんやけどなあ…」
絹恵「時計見づらくてもそんな困らんもんやって」
22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 20:59:19.02 ID:6hkhAeGD0
恭子「あれ、これ回転書架やん」
絹恵「かっこええでしょう?」
恭子「へえー、これは普通に羨ましいなあ…」グルグル
絹恵「本とか漫画とかCDとかはそこに入れとります」
由子「壁にフックでいろんなお店の袋が引っかけてあるのはなんなのよー?」
絹恵「なかに映画のパンフとか入れとるんです、本棚とはちゃうかな、って」
恭子「あれ、この人ってジャニーズやっけ?」
漫「え?あ、ほんまや、山ピーや」
恭子「これはまた普通の女の子っぽいものが出てきたんちゃう?」
洋榎「と、思うやろ?」
恭子「え?」
絹恵「ええ歌ですよ、聴いてみます?」スチャ
由子「グランドピアノの模型?」
絹恵「CDプレイヤーです、この蓋開けてCD入れるんですわ」
洋榎「それはうちも好きやで、操作は鍵盤でやるんや」
23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 21:05:13.95 ID:6hkhAeGD0
絹恵「再生ー」
山ピー『つめ、を噛むしーぐさがー記憶に影を落とす♪』
漫「ん?なんやこの歌」
絹恵「『愛、テキサス』や」
山ピー『あいつのこーえが鳴り響く、あたまんなーかで「撃ちまくれ」♪』
由子「なんか思ってたのと違うのよー」
絹恵「鈍痛去ってはくれないがーどんな、いたーみも愛おしい♪」
山ピー『ドンチューシンクソーどん底に、希望、があーれば十分さ♪』
恭子(ええ曲やん…)シミジミ
洋榎「なんやジャニーズまでたどりついてこれ選ばんでもって選曲やろ?」
絹恵「ええー!ジャニーズはこれENDLICHERI☆ENDLICHERIの二強やんかー!」
山ピー『あの日、俺らはいつものようにテキーラを飲みながら、もうすぐ結婚するってあいつの話を笑って聞いていた』
漫「語り入った!」
絹恵「ここ!ここがめっちゃええんや!」
恭子(うん、これはええわ…言いだせんけど…)
26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 21:11:16.64 ID:6hkhAeGD0
由子「えっと、さっき言ってた…えんどり……?」
絹恵「ENDLICHERI☆ENDLICHERIですか?」
由子「うん、それはどんな曲なのよー?」
絹恵「あ、これは曲名ちゃうくて、歌手名なんですわ」
洋榎「ちゅーか堂本剛やで」
由子「のよっ!?」
絹恵「『空が泣くから』とかええですよ」
恭子「あ…」
洋榎「うん?どないしたんや、恭子」
恭子「いや…『空が泣くから』はわたしも好きやったなあ、って」
絹恵「ですよね!さすが末原先輩や!」
洋榎「えー…キンキみたいなほうがええと思うんやけどなあ…」
ゴーン…ゴーン…
絹恵「あ、目覚ましかけっぱなしやった」
漫「え、いまの鐘の音が目覚ましなん!?起きれへんやんこんなん!」
27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 21:16:54.99 ID:6hkhAeGD0
恭子(回転書架おもろい…)グルグル
恭子「あ…ドカベンや」
由子「へえー渋いのよー」
恭子「ドカベンで好きなキャラとかおるん?」
絹恵「中ですね」
恭子「まさかやな」
漫「?? 誰でしたっけ?」
恭子「ほら、コントロール派のピッチャーで、山田を5連続敬遠した」
絹恵「ああ、らしいですね」
恭子「…らしい?」
洋榎「高校までは知らへんで、絹はプロ野球編しか読んでへんから」
恭子「は…!?」
絹恵「あと知三郎が好きですわ」
恭子「ちょ、ちょお待ちや!プロ野球編だけ読んで楽しめるもんなんか!?そんなわけないやろ!」
洋榎「無駄や、そういう話はうちとオカンがし尽くした…その結果がいまなんやから…」
31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 21:24:22.37 ID:6hkhAeGD0
恭子「ほんまですか…そら、そらあかんわ…」
由子「じゃあミスフルでは?」
絹恵「帥仙がええです」
漫「誰?」
恭子「ふーん…それで?が口癖のやつや…」
漫「うーん分からんですわ…うちが分かる漫画あらへんかな」グルグル
漫「あ、武装錬金あるやん!好きな武装錬金は?」
絹恵「激戦とモーターギアやな」
漫「激戦…?」
恭子「自動回復の槍や」
漫「ああ、あれですか、たしかにカッコよかったなあ」
由子「WORSTもあるのよー」
恭子「…誰が好きなん?」
絹恵「…光政」テレッ
恭子「そこは普通なんかい!」
34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 21:31:00.17 ID:6hkhAeGD0
洋榎「ちなみにこっちはちゃんとCROWSから読んでるで」
恭子「ちょっと安心しましたわ…」
絹恵「あはは、当たり前やないですか、読んでへんと分からんですもん」
恭子「せ、せやな…そうやんな…」
漫「あ、烈火の炎もある、好きな魔道具!」
絹恵「神慮思考」
由子「好きなARMS!」
絹恵「眠りネズミ、帽子屋、白兎」
恭子「読めてきたで…!好きな斬魄刀は?」
恭子(清虫か千本桜かあるいは逆撫か…でなければ残火の太刀…破面なら邪淫妃か…聖哭螳蜋もあり得るで…あとはなんやろな、ルピのとか、暴風男爵、車輪鉄燕…)
恭子(完現術からブック・オブ・ジ・エンド、ダーティーブーツもいちおう警戒しとこか…!)
恭子(完璧や!一部の隙もない予想や!)
絹恵「斬月」
恭子「なんでやねん!」
洋榎「無駄やって、絹の好みは絶対読めへん」
37: >>35 前ネットでみた、買ってはないけど 2013/01/27(日) 21:36:23.87 ID:6hkhAeGD0
漫「あ、リカちゃんにんぎょ、う?」
絹恵「うん」
漫「え、なんや、これ…?」
絹恵「うん?」
洋榎「あーそれな…なんで午後の紅茶のラベル着とんねんって思うやろ?」
漫「やっぱ、午後の紅茶ですよね、あったかいやつ」
絹恵「せや、今年の午後の紅茶のあったかいやつはペットボトルがマフラー巻いてるデザインになっててめっちゃかわいいんや」
絹恵「せやから、そのまま取って、押入れの奥からリカちゃん人形だしてきて着せてみました」
漫「ほ…ほう…」
絹恵「あったかそうで、ちょっとデザインチックで、ええかんじやと思うんやけど…」
由子「わたしは好きよー」
絹恵「あ、ありがとうございますっ!」
由子「でも成分表がちょっとジャマやね」
絹恵「そうなんですよね、せやから今度切りとって、かわいい部分だけ熱で溶かしてくっ付けようかと思っとるんです」
由子「おおーナイスアイデアよー」
39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 21:42:35.69 ID:6hkhAeGD0
恭子「…? この天井からぶらさがっとるんは?」
絹恵「貯金箱です」
恭子「…なんで?」
絹恵「おもろいやないですか」
恭子「うーん…ちょっと休憩させてもらうわ…」パタン
恭子「ん…ソファー…やわらか……Zzz」
絹恵「あら、寝てもうた」
恭子「ぐう…ぐう…」
洋榎「寝るん早っ!起きてんちゃうか?」プニプニ
恭子「ぐうぐう」
漫「おもろいなあ、写真撮っちゃお」パシャ
由子「ねえねえ、最後に訊いてみたいんやけど」
絹恵「はい?」
由子「絹恵ちゃん的には、このなかで誰がいちばんイケてるのよー?」
絹恵「えっ?」
41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 21:48:20.94 ID:6hkhAeGD0
漫「おおっ、確かに気になるとこですね!」
絹恵「え、えっと…」
由子「別に結果に傷ついたりしないから、素直にどうぞなのよー?」
絹恵「うーん…でも…恥ずかしいですし…」
洋榎(うちはこれ知っとるから黙っとこ)
絹恵「…えっと」
漫「うんうん」
絹恵「わたしがいっちゃんイケてる思うんは…」
由子「うんうん」
絹恵「……」
絹恵「末原先輩ですっ!」
漫&由子(やっぱり)
洋榎「せやr…………あれ……ちょ、ちょお待て!うちとちゃうんか!?」
絹恵「お姉ちゃんはセンスないもん」
洋榎「なんやって!!?」
46: >>44 ちょっとさがしてみる 2013/01/27(日) 21:54:11.06 ID:6hkhAeGD0
絹恵「見てください、末原先輩のこのファッション」
漫「よお分からん髪と」
由子「パジャマ代わりのジャージやね」
絹恵「むっちゃイケてないですか?」
絹恵「これで足首んとこだけ小っちゃいスカートみたいにひらひらさせたら最高なんやけどなあ…」
由子(ちょっと想像できないのよー)
絹恵「裾のあたり絵の具とかでよごしたいなあー」
漫(末原先輩も大変やなあ)
絹恵「去年とか、先輩学校でもジャージ着てたでしょう」
由子「ああ、スカートの下に着てたのよー」
絹恵「あれ、最高でしたわ、一発で惚れました」
洋榎「え…?え!?ラヴ!?ラヴなんか!!?」
絹恵「え?いやいや、んなアホな…そういうんちゃうやん」
絹恵「普通に部屋にひとり置いておきたいとか、そんなかんじやで?」
洋榎「ふつう……?」
48: >>44 見つからんかった・・・なんか勘違いしたのかも、すまん 2013/01/27(日) 21:59:56.28 ID:6hkhAeGD0
絹恵「部屋の角っこに、こう、テディベアみたいに、ぽてん、って」
漫「あ、かわいいかも」
絹恵「でしょ?」
由子「置いとくだけでいいのよー?」
絹恵「うーん…とりあえずは置いとくとこからってかんじで」
洋榎「次の段階はどうなるんや…」
絹恵「服はやっぱりスカートジャージで、スカートは白く薄めたピンクから黒へのグラデーションにしたいですね」
漫「うん?混ぜてくん?」
絹恵「それやと濁りそうやから…こう、黒地にピンクの水玉をつけてって…下に行くに連れてだんだん数を大きさを増していって…」
漫「ああ、それでいっちゃん下はピンク一色になる感じの?」
絹恵「そうそう!」
由子「面白そうだから絵に描いてこうなのよー」
絹恵「ええですね!」スチャ
由子「おおっ、無地のルーズリーフなのよー」
53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 22:06:47.63 ID:6hkhAeGD0
絹恵「まずはなんとなくの末原先輩像を描いて、っと」サラサラ
漫「スカートは黒地に白で薄めたピンクの水玉」
由子「ジャージは?」
絹恵「ジャージは逆に今着てるのでいいと思います、なんでもイジればいいってもんやないし」
漫「上はどうするん?」
絹恵「制服でええんちゃうかな?大会で着てたような…でも一工夫ほしいな」
漫「うんうん」
絹恵「うっすい蛍光グリーンで、片側だけなんか描くとかどやろ?」
漫「おお、ええやん!」
由子「羽根にしようなのよー」
絹恵「羽根ですか?」
由子「そう、肩から袖を伝うかたちで羽根の絵を描いて、それが半袖を通り越して恭子の腕までつづくのよー」
絹恵「なるほど…じゃあ胸から腰にかけてもうひとつ羽根を足しましょう、四枚羽根の天使の片側みたいに」サラサラ
漫「おおお!めちゃめちゃかっこええやん!」
洋榎(ああ…恭子が寝てる間に珍妙なインテリアにされていく…)
57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 22:11:46.26 ID:6hkhAeGD0
漫「髪留めは?どうするんや?」
絹恵「わたしとしては普段通り後ろで止めるスタイルを、リボンでやってほしいかな」
由子「つまり去年のスタイルなのよー?」
絹恵「そうそう、それでそのリボンを」
漫「リ、リボンを…?」
絹恵「炎の写真プリントにするんはどうでしょう!」
漫「くっそかっこええやん!!」
洋榎(スズ、おもしろがっとんやないやろな…)
由子「髪が燃えてるみたいなのよー」ケラケラ
洋榎(ゆーこは完全おもしろがっとるでこれ…)
絹恵「……あ、思いついた」
由子「なんなのよー?」
絹恵「あの、靴下なんですけどね」
漫「うんうん」
絹恵「木の根の写真プリントにするんです」
60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 22:16:55.67 ID:6hkhAeGD0
漫「うーん、ちょっと分からへん」
由子「おもしろいけど、すこし象徴性に走りすぎてる気もするのよー」
絹恵「ですかね」
由子「うん、まあ靴下は採用するとして…」サラサラ
洋榎(するんかい)
由子「そろそろ機能性にも拘りたいところなのよー」
絹恵&漫「!!」
洋榎(ああ、思いだすで…昔、うちとオカンもこんなふうに、絹の溢れ出るセンスをオモチャにして遊んどったもんや…)
洋榎(そうしてるうちに、絹のセンスは手が付けられないとこまで行ってもうた…)
洋榎(歴史は繰り返すで…ほんま…)
絹恵「そうか…たしかにそやな…部屋に末原先輩を置く以上、何か機能があったほうがええ…」
由子「なのよー」
漫「何かを持ってもらうんはどうですか?」
絹恵「採用っ!」
漫「やった!」
61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 22:22:49.56 ID:6hkhAeGD0
絹恵「問題は何をどう持ってもらうかや」
漫「ティッシュ箱とかどう?」
絹恵「うーん…ティッシュは今の水槽っぽい入れ物が気に入っとるからなあ…」
漫「え?あれティッシュ箱なん?すごっ!」
由子「帽子掛けはー?」
絹恵「ええですね あ…でも髪見えなくなってまう」
由子「あ」
絹恵「手に引っかけるんでもええですけど…それは先輩つらいやろし」
由子「絹ちゃん優しいのよー」
絹恵「え、えへへ、そんな」
洋榎「……」
絹恵「あ、こんなんどうでしょう」サラサラ
漫「うん?」
由子「紐を持ってるのよー?」
絹恵「そうです、これはこの部屋の電気の紐ですわ」
64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 22:29:00.10 ID:6hkhAeGD0
絹恵「いまこの部屋の電気紐は2本プラプラさせてて、両方一緒に引っぱると電気が消える仕組みになってるんやけど」
漫「へえ、おもろい」
絹恵「これを末原先輩のためにやめて、新しい形にします!」
由子「おおー!痛みを伴う改革なのよー!」
絹恵「ふふ…えっと、まず長い長い一本の紐にして、床まで垂らします」サラサラ
漫「うんうん」
絹恵「そんで床に輪っかのついた楔みたいのを刺しまして」サラサラ
由子「のよのよ」
絹恵「これに紐を通して、末原先輩のほうへ持ってくる」
漫&由子「おおーっ!」
絹恵「これで完成や!あとは末原先輩に紐を持ってもらって、電気を消したい時には紐引っぱってくださいって言うだけ!」
由子「すごいのよー!機能的なのよー!」
漫「こらあ違和感ないで!部屋の一部や、末原先輩!」
絹恵「ふふ、紐は何色にしよかな…」
絹恵「透明やな、見えないくらい透明、それで電気が消えたら魔法みたいや…!」
68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 22:33:15.87 ID:6hkhAeGD0
絹恵「あ、オッドアイにしよ」サラサラ
由子「何色にするのよー?」
絹恵「片目だけエメラルドグリーンのカラコン入れるとかどうでしょ、夜だけそっちの目を開けるんです」
漫「あかん、もうかっこいいばっか言うとるわ、うち」
絹恵「そんで部屋の壁に末原先輩の名言を描くんや、漫画みたいに、吹きだしにして」サラサラ
由子「おお、部屋と恭子の親和性が増すのよー」
絹恵「あ、あとペン立ても持っといてもらいましょか」
漫「ああ、末原先輩やもんね」
絹恵「直でペン立てやったらおもんないな…コップにペン入れて持っといてもらいましょう」サラサラ
由子「おしゃれよー」
絹恵「それで、ここ、末原先輩の近くに船を模した手紙入れを置いとくんや」
漫「手紙?」
絹恵「うん、いつもありがとうございますって、書いて、入れるんや」
由子&漫「絹ちゃん…」ジーン
洋榎(いやいや、感動するとこちゃうて…)
73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 22:37:43.22 ID:6hkhAeGD0
絹恵「ふう、こんなもんかな」
由子「うん、なかなかいいプランなのよー」
絹恵「えへへ、末原先輩インテリア化計画、っと」サラサラ
漫「おおー感動や!」
絹恵「あ、そろそろお風呂沸くころやな」
漫「やたっ」
由子「お風呂入ったら恭子起こして借りてきた映画見ようなのよー」
絹恵「ええですね、じゃあ行きましょか」ガチャ
漫「ドアノブ、レゴみたいになっとるんや」
絹恵「これは絵やけどね」
由子「おもしろいのよー」
洋榎「……」マジマジ
洋榎(こんな恭子でもこの部屋にはピッタリな気がしてくるから怖いでほんま)
絹恵「お姉ちゃーん?」
洋榎「あ、いま行くで」ガチャン
74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 22:41:37.14 ID:6hkhAeGD0
恭子「ぐうぐう……ん…ううん…」
恭子「ふああ……あれ…?」
恭子「あ、そうや、絹ちゃんのセンスに当てられて、寝てもうたんや…」
恭子「みんなリビングかな…よっこいしょ」
恭子「……ん?」
恭子「なんやろこの紙…えっと…すえはらせんぱいいんてりあかけいかく?」
恭子「……」
恭子「末原先輩インテリア化計画!!?」
恭子「…あ、ああ……なんやこれ…絹ちゃん……こんな…こんな計画書を隠し持って…?」カタカタ
恭子「絹ちゃんは…わたしを…こんなおもろいもんにする気なんか…?」カタカタ
恭子「ま、待て待て、わたしやない…この末原なるもんがわたしやない可能性も、無きにしも非ずや…そうや…もっとちゃんと見んと…」
恭子「吹きだしの台詞…「少し追いついたで、絹ちゃん」など…?……言った…これ、わたし、絹ちゃんに、言った…」カタカタカタカタ
恭子「やっぱりわたしや…この部屋のインテリアにされてまうんは…わたしや…!」
ガチャ
恭子「ひゃうっ!?」
77: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 22:46:11.49 ID:6hkhAeGD0
絹恵「あ、先輩起きてたんですね、これからみんなで借りてきた映画みよう言うてるんですけど……先輩?」
恭子「は、はいっ!」
絹恵「…? なんかあったんですか?」
恭子「う、ううん、なんもないで、なんも、見つけてなんかあらへん」
絹恵「? そうですか?ならええんですけど」
恭子「う、うん」
絹恵「……」ジー
絹恵(やっぱ先輩はこうして動いてるんがいちばんええなあ)
絹恵(今度はインテリアやなくて普通にファッションとか考えてみたいなあ)
絹恵(…ふふふ)
恭子「……」ビクッ
恭子(なんやろ…なんか一瞬ゾクッときたで…)
恭子「…で、なんやっけ?映画?」
絹恵「はい、観ます?」
恭子「う、うん、みよか」
79: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 22:50:32.15 ID:6hkhAeGD0
絹恵「…」テクテク
恭子「き…絹ちゃん」
絹恵「はい?」
恭子「え、ええと、映画って、どんな映画なん…?」
絹恵「え?えっと、たしか…」
恭子「う、うん…」
絹恵「なんやホラーで、悪い、泥棒かなんかが出てくるんですけど」
恭子「うん」
絹恵「そいつがちょっとアカン、ホラーな家、幽霊屋敷に、泥棒に入って」
恭子「うん」
絹恵「それでね、そこの家に、子どもがいるんやけど、その子に、捕まってもうて……」
恭子「…」
絹恵「お人形にされちゃうんやって」
恭子「ひっ」
カン!
洋榎「絹の趣味はへんてこりんやからな」絹恵「変やないもん!」