1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/19(月) 01:05:39.81 ID:IbpFtrMiO
妹「いつものお兄ちゃんじゃん」
母「…違うの…一か月間部屋から一歩も出て来ないの…」
妹「え!?…ご飯はどうしてるの?」
母「毎日部屋の前に置いてるけど取りに来ないの……」
妹「えっ!?……」
母「どうしよう…」
妹「………どうしようって……」
3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/19(月) 01:13:48.18 ID:IbpFtrMiO
母「…外に行ったのかな…」
妹「一年以上引き込もってるお兄ちゃんが何の相談なしに外に出る訳がないでしょ……」
母「じゃあ………」
妹「…なんでもっと早く教えなかったの!」
母「だってこわくて…」
妹「………」
母「……あんた見てきてくれない?」
妹「な、なんであたしがっ!」
母「……私こわくて……」
妹「………」
妹「…ねえ!死んでるのっ!?お兄ちゃん死んでるの!?」
母「………」
妹「ねえ!なんとか言ってよっ!」
母「…し、知らないわよっ!(泣)」
スタスタスタスタスタスタスタスタ
妹「あっ!お母さん!待って!」
妹(……な、なんて親だ……)
妹(お兄ちゃん……死んでるの…?…)
【兄部屋前】
妹(クンクン…クンクン…
妹(腐敗臭とかはしない……)
妹「…お……お兄ちゃーん…?…」
……………
妹「……お兄ちゃん!?」
……………
妹「お兄ちゃん!?生きてるのっ!?」
……………
妹「は、入るよ!いいの!?」
……………
妹「は、入るからね!?」
……………
………………
妹(何の音もしない……)
妹(これもう本当にやばいな………)
妹(でも開けるしかないっ)
妹(………こわいけどっ!)
妹「ド、ドア開けるからねっ!お兄ちゃん!」
ガチャ
妹「!!!」
妹「い、いない!?」
妹「お兄ちゃんがいない!?」
妹(な、なんでっ!?)
妹(本当に外に出たのっ!?)
妹「………あれっ?」
妹「畳にちょっと落ちてるこれ………土?…」
妹(まさか……)
ガバッ!
妹「!?」
妹「た、畳の下に……穴!?」
妹(な、なんでお兄ちゃんの部屋に穴が開いてるのっ!?)
妹(こ、この穴の中にお兄ちゃんがいるのっ!?)
妹「……おーいお兄ちゃーん」
穴「………」
妹「おーい!お兄ちゃーん!」
穴「………」
妹「………」
穴「………」
妹(お兄ちゃんはこの穴の中に隠れてるのっ!?)
妹「は、入るよ!お兄ちゃん!この穴に入るからね!」
穴「………」
妹(よっ、よし!)
ズササササ-…
妹(ああ…もー…制服が汚れちゃった……)
妹(って暗っ……)
妹「そうだ…携帯の光でっ…」
ピカ
妹「!?」
妹(まだ奥が続いている!?)
ノソノソ…
妹「……お兄ちゃーんー?」
ノソノソ…
妹「…いるんでしょー?」
ノソノソ…
妹「…へ、返事しなさーい…」
ノソノソ…
妹「…いるのは分かってるんだからぁー…」
ノソノソ……ズサササササササササ-!!
妹「キャ!キャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
パラ…パラ…
妹「…いてててて…………なんかあたし…落ちた…?…」
妹「…?…照…明…?」
妹(なんかちょっと広い道に出た……)
妹(ここは…発掘現場とか…?)
妹(あたし帰れるかな……)
妹(よ、よしっ!早くお兄ちゃん探して帰ろっ!)
妹「お、お兄ちゃーん!」
スタスタ
妹(なんかしばらく歩いたけど、全然見つからない……)
妹(でも足跡があるから人はいるんだ……)
妹(ああ…誰でもいいから誰かに会いたいよぉ……)
妹(………え?)
妹(…あれっ?あれは人影だよね…!?)
妹(や、やった!誰かいたっ!)
妹(お兄ちゃんかなっ!?)
タッタッタッタッタッタッ
妹「…………え…?!…」
妹「!!!?」
妹(か、顔が………!)
妹(顔が動物っ!?)
妹(あれは…マスク!?)
妹(身体は人間なのに…もぐらみたいな顔してるっ!!)
妹(…ああ…!目が合った…!)
妹(こ、恐過ぎて足が動かない!…………)
妹(…あ、あたし殺されるっ!?)
妹(あ、ああっ!もうすぐそこに!)
妹(来たっ!来たっ!来たっ!)
妹(………うっ!!)
スタスタスタスタ
妹(…………?)
妹(………と、通り過ぎて行った?…)
妹(……た、助かった………)
妹(…に、逃げなきゃ!!)
タッタッタッタッタッタッタッタッ
トボトボ…
妹「ハア…ハア…疲れた……」
妹「なんなのよっここは!」
妹「どこが出口なのよっ!」
妹「………!?」
妹「あー!!」
妹「あれお兄ちゃんの後ろ姿だっ!」
妹「やっと見つけた!!」
タッタッタッタッタッタッ
兄「お前はそれでいいのかよっ!!」
妹「!?」
妹(お、お兄ちゃんが怒ってる!?)
妹(って、ってゆーか!隣りにいるのあのモグラ人間じゃん!!)
モ「いや、いいんだよ………」
兄「お前の気持ちはそんなもんだったのかよっ!」
モ「もう終わった事なんだよ………」
妹「お…お兄ちゃん!」
兄「お?おお、妹か。ちょっと待ってくれ。」
モ「あの人は…?」
兄「俺の妹だ」
妹(な、なんかお兄ちゃんモグラ人間と普通に喋ってる!!!)
兄「お前がいいならいいんだけどそうは見えねえよ」
モ「あいつなら大丈夫だからもういいんだよ!」
兄「悔しくねえのかよっ!!」
モ「………」
兄「好きな奴を友達に奪われて黙って見てんのかよっ!」
モ「………それは……!…」
兄「………だろ…」
妹(お、お兄ちゃんがモグラ人間の恋愛に首を突っ込んでる!?)
モ「…あ、もうバイトの時間だ…」
兄「そうか…またな…」
モ「ああ…」
スタスタスタスタスタスタスタ
妹「…お…お兄ちゃん?」
兄「待たせてすまん」
妹「…お兄ちゃん何してるの…?」
兄「ちょっとな…」
妹「ちょっとじゃないよ!!ちゃんと説明して!」
兄「…分かった」
兄「俺は学校が嫌だった……」
妹「…」
兄「人付き合いが死ぬほど嫌いだった…だから学校を休んだ…」
妹「……それは知ってる」
兄「そして引き込もってたら……だんだん親と話すのも嫌になってきたんだ……」
妹「………それで?」
兄「だから俺は部屋を掘ったさ」
妹「………なんで掘るの……?」
兄「人と全ての関わりを断とうと思ってな……」
妹(…なんでそれが掘るに繋がるの?)
兄「俺は部屋を掘って掘って掘りまくったさ…」
妹「………」
兄「そしたらある日、広い道路に出た」
妹(……あたしも出た)
兄「そしたらモグラの顔をした化け物が向こうから歩いてきた」
妹(………あたしもそうだった)
兄「だから僕は【元気かい?】って声をかけたんだ」
妹「な!なんでそうなるのよっ!!?」
兄「だってそいつは涙ぐんでいたからさ…」
妹「な、涙ぐんでたからって良く話しかけれたわねっ!」
兄「ああ…一人で穴掘るってのは死ぬほど寂しい行為だったからついな…」
妹(じゃあ穴なんか掘るなよ…!!…)
兄「そしたらそいつはポツリポツリ悩みを話しだしたんだ…」
妹「………」
兄「俺はたまに相槌を打ちながら黙って聞いたんだ………」
妹「お兄ちゃんの適応能力なんなのっ…!?」
兄「そしたら友達に好きな子がいると相談したら…」
妹「…」
兄「その好きな子と友達がいい感じになったらしいんだ…」
妹「…」
兄「で、俺は思ったんだ」
妹「…なんて思ったねよ…」
兄「俺…こいつほっとけねえや…って」
妹「なんでそんな積極性があるやつが引き込もるのよ…!…」
妹「お兄ちゃんっ、帰るよ」
兄「いや…それはできない」
妹「!?…な、なんでよっ!」
兄「あいつが自然にな笑顔を見せてくれるまではな…」
妹「…お、お兄ちゃん引き込もりすぎて頭おかしくなったのねっ!!」
兄「…」
妹「あんな化け物の事なんかほっとこうよっ!!!」
パンッ!
兄「…」
妹(痛っ!……えっ!?なんであたし殴られたの!?)
兄「友達を悪く言うなっ!」
妹「はっ!?あいつと友達なの!?」
兄「当たり前だ」
妹「な、何なの!信じらんない!せっかく心配してやったのにっ!あたしより化け物をとるんだっ!」
兄「ああ…あいつは困ってるからな…」
妹「もう知らないっ!あたし帰るっ!」
兄「好きにしろっ!」
スタスタスタ
妹(……でも……ちょ、ちょっと待ってよ……)
兄失踪→110→警察が穴捜索→モグラの化け物と友達の兄が発見→あたしはモグラの化け物と友達の兄の妹→連日ワイドショーで取り上げられる→イジメられる
妹(……………)
兄「どうしたんだ、行かないのか?」
妹「…本当にそれが解決したらお兄ちゃんも帰るんでしょうね…」
兄「ああ」
妹「じゃああたしも手伝う」
兄「はっ!?」
妹「お兄ちゃんだけにまかせたらいつまでも解決しないわっ!」
兄「な、何でだよっ!」
妹「だってお兄ちゃん恋愛経験0じゃん!」
兄「…うっ!」
妹「ただの○貞じゃん!!」
兄「…うううっ!」
妹「そんな人にまかせてられないのっ!」
兄「……………ってお前は恋愛経験あるのかよっ!!」
妹「…うっ!」
妹「なくてもいいのっ!女目線の意見ってのは重要なのっ!」
兄「…………そうかも…な…」
妹「でしょ?」
兄「お前熱くなりすぎて首突っ込み過ぎるなよっ!」
妹「そ、それはお兄ちゃんでしょ!」
兄「………とりあえずアパートに帰るか…」
妹「…え?アパート?」
兄「俺ここでアパート借りてるんだ」
妹「…は?嘘でしょ?」
兄「ついて来い」
スタスタ
妹「えっ?もっと奥に行けるの?」
スタスタ
妹(だんだん穴が広くなってる…)
スタスタ
妹(っえ?穴がなくなった?)
妹(違うっ!すごく大きい穴に出たんだ……)
スタスタ
妹(っえ!?何これ!?)
妹(街………?)
スタスタ
妹(茶色い街…?建物も茶色い)
スタスタ
妹(触ってみよ…)
妹(土だ…!この建物全部土でできてるんだっ!)
スタスタ
妹「ってゆーか何これ!………空?!」
妹「なんで地下に空があるの!?」
兄「これは空じゃない」
妹「えっ?」
スタスタ
兄「星に見えるのは天井に光る石が埋まってるだけだ」
妹「あ…だから夜空に見えたのか…」
兄「朝の時間になればライトがついて空みたいに見える」
妹「へー………ってお兄ちゃんなんでそんなに詳しいの!?」
兄「一か月近く住んでるからな」
妹(…お兄ちゃんってこんなに冷静なやつだっけ…?)
妹「………キャ!」
兄「どうした?」
妹「ど、どうしたって…!あっちから化け物が集団で歩いて来るじゃん!」
兄「ああ、なんだろ、飲み会の帰りかな」
妹「なんでそんなに冷静なのよっ!」
兄「ハハハ、お前はなんでそんなに恐がってるんだ」
妹「こ、こんな所誰だって恐いよっ!こんな所を恐がってないお兄ちゃんも恐いよっ!」
兄「ハハハ」
妹(…笑われた…!?…)
-兄アパート-
妹「へ、部屋の中も土でできてるっ!」
兄「ああ」
妹「テレビもトイレも何もかも土でできてる…」
兄「びっくりしたか?」
妹「だ、誰だってびっくりするわよっ!」
兄「俺も最初ちょっとびっくりしたさ」
妹「な、なんでちょっとだけですんでるのよっ!」
兄「やっぱり自分の家は落ち着くなぁ……」
-しばらくして-
兄「慣れたか?」
妹「…ちっとも慣れてないっ!」
兄「びっくりするのは最初だけだ」
妹「てゆーか…なんかおかしい…」
兄「何が?」
妹「…なんであいつらは私達を見てもびっくりしないの?」
兄「ああ…、ここの人達は違うんだ…」
妹「…え?違う?」
兄「見た目で差別するっていう概念がないんだ」
妹「え?どういう事…?」
兄「見た目がどうかなんて口笛が吹けるかぐらいにしか考えてないんだ」
妹「え?何言ってるか分かんないっ!」
兄「見た目を全然気にしないって事」
妹「そうなんだ…」
兄「うん」
妹「じゃあ恋愛ってどうやってしてるの?」
兄「え?」
妹「何でその人を好きになるの?」
兄「ああ…それは…ダンスだ」
妹「ダンス?ダンスで好きになるの?」
兄「ああ、求愛のダンスな」
妹「な、何それ動物じゃん!」
兄「人間も好きな人の為に見た目を良くしようと思ったり、お金を貢いだりするだろう。ただそれがダンスに濃縮しているってだけだ」
妹「…おかしい事だらけでもう訳分かんないっ…」
兄「ダンス見てみるか?」
妹「えっ?」
兄「求愛のダンスのDVDがあるんだ」
妹「……うん…じゃあ見てみる…」
兄「深呼吸しとけよ」
妹「な、なんでよ?」
兄「すごいから」
妹「大丈夫っ!いいから早く見せて」
兄「じゃあ見せるぞ」
パチッ
ポチッ
~♪~♪~♪
妹「!!!」
-DVD観賞後-
妹「ハア…ハア…」
兄「どうだった?」
妹「…見た事もないすっごい気持ち悪い動きだった…」
兄「それだけか?」
妹「…でもなんか…」
兄「…うん」
妹「…感動した気もする…」
兄「だろっ!?俺も見た時ものすごく感動したんだ」
妹「てゆーかちょっと待って…!…」
兄「どうした?」
妹「レッスン1レッスン2レッスン3…求愛ダンス初心者入門…って…」
兄「…」
妹「お兄ちゃんなんでダンス覚えようとしてるのよっ!!」
兄「…」
妹「なんでお兄ちゃん求愛しようとしてるのよっ!」
兄「…」
妹「なんでお兄ちゃんこの世界でモテようとしてるのよっ!!」
兄「…寝る」
妹「ちょ、ちょっと答えなさいよ!お兄ちゃーん!」
兄「………Zzz」
妹「ごまかして寝ないでよお兄ちゃん!お兄ちゃーーーん!!」
-朝-
兄「フンッ!フンッ!」
妹「むにゃむにゃ………お兄ちゃん?」
兄「ハア…ハア…起きたか…」
妹「なに…何してるの?」
兄「目を覚ます為の運転さっ!」
妹「ってそれ求愛ダンスでしょ!!」
兄「違う違うっ!」
妹「そのステップ昨日見たもん!!」
兄「気のせい気のせいっ!ハハハハハ!」
妹「練習してたんでしょっ!!」
兄「いやぁ、これは運動不足にならないようにさっ!ハハッ!」
妹「そんなに爽やかに言ってもダメッ!」
兄「いやぁ、ちょうどいいDVDを見つけてねぇ!ハハッ!」
妹「嘘だっ!お兄ちゃん帰る気ないんだっ!」
兄「そんな訳ないだろっ!ハハハハハハハハハハハハハ」
妹(お兄ちゃん目が笑ってない…!!…)
-しばらくして-
兄「ハア…ハア…よし朝の運動も終わったぁー」
妹(嘘だ!運動じゃない!あれは練習だ!絶対毎朝やってるだ……!…)
兄「おい…妹」
妹「何…お兄ちゃん…」
兄「お前の意見を聞きたい」
妹「え?」
兄「俺の友達の恋愛についてだ」
妹「そ、そう!それよっ!あたしはそれを解決しに来たのよっ!」
兄「俺の友達をAとして、Aの友達をB、そしてAの好きな人をCとする。」
妹「…分かりずらいけど…続けて…」
兄「AはCがずっと好きだったんだ、そりゃあもうガキの頃から」
妹「…うん」
兄「そしてAはCへの好きな気持ちが限界を越えて、付き合いたくなったんだ」
妹「…うん」
兄「でもAは恋愛もした事もないし、臆病だしで、恋愛マスターのBに相談したんだ」
妹「うん…それで?」
兄「そしたらBとCがいい感じになってきたんだ」
妹「それから?」
兄「それだけだ」
妹「え!?ふっつーーー!」
兄「普通ってどういう事だ」
妹「…いや……化け物の恋愛だからもっと異常な話だと思ってた…」
兄「そうか…」
妹「なんか人間でもありそうな話じゃん!」
兄「ああ……でも…俺も…恋愛した事ないし…俺は…ただ友達を応援する事しかできないんだ……」
妹「……お兄ちゃん…」
兄「どうすれば…いいんだろう……」
妹「………そんなの…とっゃえばいいんだよっ!」
兄「…え?」
兄「お前今なんて……」
妹「だからっ、BからCをとっちゃえばいいのっ!」
兄「お前…そんなに簡単に言うなよ…」
妹「だってBより先にAが好きだったんでしょ?だったらとっていいじゃん!」
兄「……Bは…Bは手強いんだ…」
妹「えっ?手強いって…気持ちで負けてないならいいんじゃないの!?」
兄「…Bは…Bはダンサーだぞ…!…」
妹「!」
兄「…求愛ダンスだけが…重要なこの世界で…ダンサーやってるんだぞ…」
妹「そ、そんなにダンスが重要なの…?…」
兄「…ああ…この世界は…ダンスが全てなんだ………」
妹「じゃあAも踊ればいいじゃん!!」
兄「…あいつは踊れないんだ…」
妹「えっ?」
兄「あいつは……踊った事がないんだ……」
妹「えっ……」
兄「本来なら中学からちょこちょこ求愛ダンスを始めるらしいんだ……」
妹「こ、ここにも中学校があるの……?」
兄「ああ…見た目以外は人間と何も変わらないんだ…」
妹「…そうなんだ……それで?」
兄「あいつは………みんなステップを踏み始めたというのに……」
妹「…」
兄「ステップのスの字も覚えようとしなかった…!…」
妹「……」
兄「このダンスが全てのこの世に…Aは嫌気がさしていたらしい………」
妹「…」
兄「俺はダンスなんかに頼らなくても…気持ちを伝えられると…!…」
妹「……」
兄「流れに逆らったんだ………」
妹「………でも実際好きな人取られてるじゃん!!」
兄「………ああ…、でもアイツのそんな不器用なとこも…俺は好きなんだ…」
妹「…………」
妹「バカじゃん…」
兄「え?…」
妹「ダンスが全てならAも踊ればいいじゃん!」
兄「だからあいつは…」
妹「一人よがりだよ……」
兄「………」
妹「ダンスが全てならもう踊るしかないじゃん!!」
兄「………………」
妹「そのほうがCも嬉しいんじゃないの!?」
兄「…………ああ…」
妹「でしょ!」
兄「……そうかも………知れない……」
兄「…でもあいつは……踊れないんだよ………」
妹「…そんなの関係ないっ!大事なのは努力する気持ちよっ!」
兄「…お前……恋愛した事ないのによくそんな事分かるな……」
妹「っわ、分かるのっ!あたしもそれくらい分かるの!」
兄「でも…本当にそうかも知れないっ!……あいつにダンスの練習させるか…」
妹「っうん!絶対そのほうがいいっ!あ、あたしに作戦があるっ!」
兄「え?」
-ダンスルーム-
兄「違うっ!もっと足をこうっ!」
A「…ハア…ハア…分かんねえ…」
兄「もう一回俺がやるから良くみるんだっ!」
スタタタタタタ
A「なっ、なんでそんなに足を早く動かせるんだ!?」
兄「練習すればできるようになるっ!」
妹(てゆーかなんでお兄ちゃんが教えれてるのよ…!?…)
妹(ここに来て一か月でしょ…?)
妹(お兄ちゃん…何者なの…!?…)
兄「違うっ!そうじゃないっ!」
-しばらくして-
妹(だんだんあのモグラ人間にも慣れてきた)
妹(あっちもあたしを警戒してないせいかな)
妹(なんか見ようによってはカワイイかも)
A「ハア…ハア…無理だ…」
兄「無理じゃないっ!ちょっとずつだがうまくなってるっ!」
A「ハア…ハア…でも…こんなんじゃあいつには……」
兄「今は自分の足元だけに集中しろっ!ほらもう一回っ!」
A「よ、よっし!」
妹(そろそろかな……)
カチャ
C「…あのぉ…」
妹(あっ!来た!Cさんかな?Aさんと同じ顔してるけど……)
妹《シッ!○○さんですか?》
C《は、はい…うるさくしちゃいけないんですか?》
妹《はい…まだ気付かれたくないんで!一緒に見てましょう!》
C《は、はい…》
兄「よしっ!だんだんうまくなってきたっ!」
スタタタタスタスタ
A「よっしゃ!」
兄「ほらっ、もっとここで胸を押し出すんだっ!」
ドイーン
A「ハア…ハア…くっそ…なんどやってもできない…!…無理だ…」
兄「諦めるのかっ!お前の気持ちはそんなもんだったのかよっ!?」
A「ハア…ハア…そ、そんな訳ねえだろっ!!」
ドイーン
兄「そうだっ!できるじゃないかっ!」
C《……A……》
妹(よしっ、CさんAさんに釘付けだよっ!)
C子《A君はいったい誰の為にあんなにダンスを………》
妹《誰の為でしょうね、エヘヘ》
A「ああ!どうしてもこの14ステップができない…ハア…ハア…」
兄「おいっ!できないって言うなっ!」
A「ハア…ハア…こんなのずっとやってないとできないんだ…」
兄「そうか…なら、これを見てみろっ…!…」
タタタタタタタタタタタタタタタン!
A「じゅ、15ステップだと…!?…」
兄「ハア…ハア…俺はこれを3週間でマスターした…ハア…ハア…」
A「……これを三週間で…?…男の俺でも惚れそうだったぜ…」
兄「できるっ!好きな子を思い浮かべながらステップを踏むんだっ!」
A「よっよし!C子ーーー!」
タタタタタタタタタタタタタン!
兄「おっおしい!13半までいってたっ!」
A「ハア…ハア…くっそぉ…!…」
兄「これだっ!こうやって空気を切るんだっ!」
タタタタタタタタタタタタタタタン!
A「すっ、すげぇ!」
妹(C子さん…Aさんの気持ちに気付いたよね?)
C《あなたはお友達?》
妹《え?…いえ、右のほうの男の妹です》
C《そう…カッコイイお兄さんね》
妹《…えっ》
兄「違うっ!こうだっ!」
タタタタタタタタタタタタタタタタン!
A「す、すげえよっ!…っていうか今…16ステップ踏んでなかったか?」
兄「え?マジ?」
C《じゃあ私はこれで失礼するね…》
妹《…えっ?もう帰っちゃうんですか…?》
C《これ以上ここにいたら…あたし…》
ガチャ
バタン
妹「ちょ、ちょっとC子さんっ、待ってよ!」
-しばらくして-
兄「ハア…ハア…3回に1回は14ステップできるようになったじゃねえか…」
A「ハア…ハア…ありがとな…お前のお陰だ…」
兄「ハア…ハア…お前には幸せになって欲しいからな…ハア…ハア…」
A「もっとやりたいが…もう足が動かない…ハア…ハア…」
兄「俺もだ…ハア…ハア…」
妹「お兄ちゃん…終わったの?」
スタスタ
兄「ハア…ハア…、終わったぞ。あれ?Cは?」
妹「…なんか帰っちゃったよ」
兄「帰ったのか!?Aの気持ちは伝わったか?」
妹「分かんない…真剣には見てたけど…」
兄「そうか…お前の作戦良いと思ったんだけどな…」
妹「で、でもきっと伝わったよ!」
兄「……だよなっ!」
-次の日-
兄「え?これからかっ?」
兄「いいぞ…分かった…」
ポチッ
妹「お兄ちゃん誰から電話?」
兄「Aに呼び出された…」
妹「えっ?」
兄「怒ってた感じだった……」
妹「………」
兄「ちょっと行ってくるっ」
妹(なんか嫌な予感がする……)
兄「話ってなんだ?」
A「お前……!昨日Cを呼んだだろっ!」
兄「え?……ああ…」
A「なんで俺に黙ってそんな事したんだよっ!!」
兄「い、いやそれは…お前の気持ちをC子に伝えたかったんだ…」
A「あんな無様な俺の姿Cに見せてどういうつもりだよっ!」
兄「っち、違う!俺はお前の真剣な気持ちとか、努力をっ」
A「結果が全てなんだよっ!!」
兄「………」
A「お前昨日Cが見ててどう思ったと俺に言ったと思う……?」
兄「な、なんて言ったんだ?」
A「お前が好きになりそうだったってよっ!!」
兄「…な、なんだって!?」
A「…お前は最初っからそういうつもりでCをっ!」
兄「ちっ違う!」
A「もういいっ!言い訳は聞きたくないっ!」
兄「………違うんだ」
A「お前も結局Bと同じじゃねえかっ!!」
兄「そ、そんな訳ねえだろっ!!」
A「じゃあどう違うか説明しろよっ!!」
兄「…………」
妹「違うもんっ!!」
兄A「!?」
妹「お兄ちゃんは本当にAさんが幸せになって欲しいって思ってたもんっ!」
兄「妹…ついてきてたのか…」
A「………」
妹「だからあたしがCさんを呼んだらってアドバイスしたのっ!」
A「うまくいってねぇじゃねぇか………」
妹「…」
A「うまくいってねえじゃねえかあああ!泣」
兄「A……」
A「お前らうざいんだよっ!!」
妹「う、うざいって何よっ!こっちも頑張ったのにっ!」
兄「もういい…やめろ…妹…」
妹「だ、だってこいつがっ!」
A「………もう二度と顔も見たくないっ!」
兄「…おい…A!」
スタスタスタスタスタスタ
兄「お、おい!A!」
妹「ほっとこうよ!あんなやつ!お兄ちゃん!」
兄「……顔見たくないって言ってたな……」
妹「…お兄ちゃん………」
兄「ハァ………友達だと思ってたんだけどな………」
妹「……………」
兄「………地下でも地上でも友達できないかぁ……」
妹「……お兄ちゃん純粋過ぎるんだよっ!適当でいいじゃん適当でっ」
兄「えっ」
妹「あたしも別に友達の事信用してるわけじゃないよっ」
兄「妹……」
妹「友達なんてどーでもいいじゃん」
兄「…」
妹「友達のせいでそんなに落ち込むなら意味ないよ」
兄「……ハァ、そうかもなっ……」
妹「もう帰ろーよ」
兄「……俺この地下に肩までつかってたな」
妹「完全に全身漬かってたよ」
兄「……帰るか…」
妹「うんっ、帰ろー」
トボトボ…
パチン
妹「?」
パチン
妹「なんの音?」
パチン
妹「え?なんでお兄ちゃん指鳴らしてるのっ?」
パチン
兄「…」
パチン
パチン
兄「お前に伝えたい事がある」
妹「えっ?」
パチン
兄「でも俺はそれを言葉にする事ができない」
妹「お、お兄ちゃん?」
パチン
兄「だからこうするしかない」
妹「え?」
パチン
スタタタタン!
妹「!?」
たたったたたん!!
スタタタたん!タッタッ!
ドイーン!タッタッ!ドイーン!
タッタッタタンッ!
兄「俺は踊るしかないっ!!!」
スタタタタタスタスタン!
たんタタッタタン!
タンタタタタタタンタタ!
ドイーン!ドイーン!ドイーン!
兄「これが俺の真骨頂だっ!」
スタタタタタタタタタタタタタタタタン!
妹「………」
兄「ハア…ハア…」
妹「お兄ちゃん…」
兄「ハア…ハア…どうだ?」
妹「キモーイ!!!」
タッタッタッタッタッタッタッタッ
兄「お、おい待てよっ!」
END
>>1です
ありがとうございました
元スレ
母「…外に行ったのかな…」
妹「一年以上引き込もってるお兄ちゃんが何の相談なしに外に出る訳がないでしょ……」
母「じゃあ………」
妹「…なんでもっと早く教えなかったの!」
母「だってこわくて…」
妹「………」
母「……あんた見てきてくれない?」
妹「な、なんであたしがっ!」
母「……私こわくて……」
妹「………」
4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/19(月) 01:18:02.55 ID:IbpFtrMiO
妹「…ねえ!死んでるのっ!?お兄ちゃん死んでるの!?」
母「………」
妹「ねえ!なんとか言ってよっ!」
母「…し、知らないわよっ!(泣)」
スタスタスタスタスタスタスタスタ
妹「あっ!お母さん!待って!」
妹(……な、なんて親だ……)
妹(お兄ちゃん……死んでるの…?…)
5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/19(月) 01:24:05.61 ID:IbpFtrMiO
【兄部屋前】
妹(クンクン…クンクン…
妹(腐敗臭とかはしない……)
妹「…お……お兄ちゃーん…?…」
……………
妹「……お兄ちゃん!?」
……………
妹「お兄ちゃん!?生きてるのっ!?」
……………
妹「は、入るよ!いいの!?」
……………
妹「は、入るからね!?」
……………
7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/19(月) 01:28:46.67 ID:IbpFtrMiO
………………
妹(何の音もしない……)
妹(これもう本当にやばいな………)
妹(でも開けるしかないっ)
妹(………こわいけどっ!)
妹「ド、ドア開けるからねっ!お兄ちゃん!」
ガチャ
妹「!!!」
9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/19(月) 01:33:58.44 ID:IbpFtrMiO
妹「い、いない!?」
妹「お兄ちゃんがいない!?」
妹(な、なんでっ!?)
妹(本当に外に出たのっ!?)
妹「………あれっ?」
妹「畳にちょっと落ちてるこれ………土?…」
妹(まさか……)
ガバッ!
妹「!?」
妹「た、畳の下に……穴!?」
11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/19(月) 01:38:34.78 ID:IbpFtrMiO
妹(な、なんでお兄ちゃんの部屋に穴が開いてるのっ!?)
妹(こ、この穴の中にお兄ちゃんがいるのっ!?)
妹「……おーいお兄ちゃーん」
穴「………」
妹「おーい!お兄ちゃーん!」
穴「………」
妹「………」
穴「………」
妹(お兄ちゃんはこの穴の中に隠れてるのっ!?)
13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/19(月) 01:45:34.91 ID:IbpFtrMiO
妹「は、入るよ!お兄ちゃん!この穴に入るからね!」
穴「………」
妹(よっ、よし!)
ズササササ-…
妹(ああ…もー…制服が汚れちゃった……)
妹(って暗っ……)
妹「そうだ…携帯の光でっ…」
ピカ
妹「!?」
妹(まだ奥が続いている!?)
16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/19(月) 01:51:41.08 ID:IbpFtrMiO
ノソノソ…
妹「……お兄ちゃーんー?」
ノソノソ…
妹「…いるんでしょー?」
ノソノソ…
妹「…へ、返事しなさーい…」
ノソノソ…
妹「…いるのは分かってるんだからぁー…」
ノソノソ……ズサササササササササ-!!
妹「キャ!キャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/19(月) 01:57:32.15 ID:IbpFtrMiO
パラ…パラ…
妹「…いてててて…………なんかあたし…落ちた…?…」
妹「…?…照…明…?」
妹(なんかちょっと広い道に出た……)
妹(ここは…発掘現場とか…?)
妹(あたし帰れるかな……)
妹(よ、よしっ!早くお兄ちゃん探して帰ろっ!)
妹「お、お兄ちゃーん!」
23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/19(月) 02:04:01.16 ID:IbpFtrMiO
スタスタ
妹(なんかしばらく歩いたけど、全然見つからない……)
妹(でも足跡があるから人はいるんだ……)
妹(ああ…誰でもいいから誰かに会いたいよぉ……)
妹(………え?)
妹(…あれっ?あれは人影だよね…!?)
妹(や、やった!誰かいたっ!)
妹(お兄ちゃんかなっ!?)
タッタッタッタッタッタッ
妹「…………え…?!…」
妹「!!!?」
27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/19(月) 02:08:25.60 ID:IbpFtrMiO
妹(か、顔が………!)
妹(顔が動物っ!?)
妹(あれは…マスク!?)
妹(身体は人間なのに…もぐらみたいな顔してるっ!!)
妹(…ああ…!目が合った…!)
妹(こ、恐過ぎて足が動かない!…………)
妹(…あ、あたし殺されるっ!?)
30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/19(月) 02:12:45.14 ID:IbpFtrMiO
妹(あ、ああっ!もうすぐそこに!)
妹(来たっ!来たっ!来たっ!)
妹(………うっ!!)
スタスタスタスタ
妹(…………?)
妹(………と、通り過ぎて行った?…)
妹(……た、助かった………)
妹(…に、逃げなきゃ!!)
タッタッタッタッタッタッタッタッ
32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/19(月) 02:16:29.71 ID:IbpFtrMiO
トボトボ…
妹「ハア…ハア…疲れた……」
妹「なんなのよっここは!」
妹「どこが出口なのよっ!」
妹「………!?」
妹「あー!!」
妹「あれお兄ちゃんの後ろ姿だっ!」
妹「やっと見つけた!!」
タッタッタッタッタッタッ
兄「お前はそれでいいのかよっ!!」
妹「!?」
36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/19(月) 02:23:55.09 ID:IbpFtrMiO
妹(お、お兄ちゃんが怒ってる!?)
妹(って、ってゆーか!隣りにいるのあのモグラ人間じゃん!!)
モ「いや、いいんだよ………」
兄「お前の気持ちはそんなもんだったのかよっ!」
モ「もう終わった事なんだよ………」
妹「お…お兄ちゃん!」
兄「お?おお、妹か。ちょっと待ってくれ。」
モ「あの人は…?」
兄「俺の妹だ」
妹(な、なんかお兄ちゃんモグラ人間と普通に喋ってる!!!)
39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/19(月) 02:31:11.56 ID:IbpFtrMiO
兄「お前がいいならいいんだけどそうは見えねえよ」
モ「あいつなら大丈夫だからもういいんだよ!」
兄「悔しくねえのかよっ!!」
モ「………」
兄「好きな奴を友達に奪われて黙って見てんのかよっ!」
モ「………それは……!…」
兄「………だろ…」
妹(お、お兄ちゃんがモグラ人間の恋愛に首を突っ込んでる!?)
42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/19(月) 02:37:18.99 ID:IbpFtrMiO
モ「…あ、もうバイトの時間だ…」
兄「そうか…またな…」
モ「ああ…」
スタスタスタスタスタスタスタ
妹「…お…お兄ちゃん?」
兄「待たせてすまん」
妹「…お兄ちゃん何してるの…?」
兄「ちょっとな…」
妹「ちょっとじゃないよ!!ちゃんと説明して!」
兄「…分かった」
43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/19(月) 02:42:21.43 ID:IbpFtrMiO
兄「俺は学校が嫌だった……」
妹「…」
兄「人付き合いが死ぬほど嫌いだった…だから学校を休んだ…」
妹「……それは知ってる」
兄「そして引き込もってたら……だんだん親と話すのも嫌になってきたんだ……」
妹「………それで?」
兄「だから俺は部屋を掘ったさ」
妹「………なんで掘るの……?」
48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/19(月) 02:50:58.52 ID:IbpFtrMiO
兄「人と全ての関わりを断とうと思ってな……」
妹(…なんでそれが掘るに繋がるの?)
兄「俺は部屋を掘って掘って掘りまくったさ…」
妹「………」
兄「そしたらある日、広い道路に出た」
妹(……あたしも出た)
兄「そしたらモグラの顔をした化け物が向こうから歩いてきた」
妹(………あたしもそうだった)
兄「だから僕は【元気かい?】って声をかけたんだ」
妹「な!なんでそうなるのよっ!!?」
51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/19(月) 02:58:23.98 ID:IbpFtrMiO
兄「だってそいつは涙ぐんでいたからさ…」
妹「な、涙ぐんでたからって良く話しかけれたわねっ!」
兄「ああ…一人で穴掘るってのは死ぬほど寂しい行為だったからついな…」
妹(じゃあ穴なんか掘るなよ…!!…)
兄「そしたらそいつはポツリポツリ悩みを話しだしたんだ…」
妹「………」
兄「俺はたまに相槌を打ちながら黙って聞いたんだ………」
妹「お兄ちゃんの適応能力なんなのっ…!?」
52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/19(月) 03:03:20.64 ID:IbpFtrMiO
兄「そしたら友達に好きな子がいると相談したら…」
妹「…」
兄「その好きな子と友達がいい感じになったらしいんだ…」
妹「…」
兄「で、俺は思ったんだ」
妹「…なんて思ったねよ…」
兄「俺…こいつほっとけねえや…って」
妹「なんでそんな積極性があるやつが引き込もるのよ…!…」
53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/19(月) 03:08:47.18 ID:IbpFtrMiO
妹「お兄ちゃんっ、帰るよ」
兄「いや…それはできない」
妹「!?…な、なんでよっ!」
兄「あいつが自然にな笑顔を見せてくれるまではな…」
妹「…お、お兄ちゃん引き込もりすぎて頭おかしくなったのねっ!!」
兄「…」
妹「あんな化け物の事なんかほっとこうよっ!!!」
パンッ!
兄「…」
妹(痛っ!……えっ!?なんであたし殴られたの!?)
58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/19(月) 03:18:30.58 ID:IbpFtrMiO
兄「友達を悪く言うなっ!」
妹「はっ!?あいつと友達なの!?」
兄「当たり前だ」
妹「な、何なの!信じらんない!せっかく心配してやったのにっ!あたしより化け物をとるんだっ!」
兄「ああ…あいつは困ってるからな…」
妹「もう知らないっ!あたし帰るっ!」
兄「好きにしろっ!」
61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/19(月) 03:24:16.18 ID:IbpFtrMiO
スタスタスタ
妹(……でも……ちょ、ちょっと待ってよ……)
兄失踪→110→警察が穴捜索→モグラの化け物と友達の兄が発見→あたしはモグラの化け物と友達の兄の妹→連日ワイドショーで取り上げられる→イジメられる
妹(……………)
兄「どうしたんだ、行かないのか?」
妹「…本当にそれが解決したらお兄ちゃんも帰るんでしょうね…」
兄「ああ」
妹「じゃああたしも手伝う」
兄「はっ!?」
62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/19(月) 03:30:16.11 ID:IbpFtrMiO
妹「お兄ちゃんだけにまかせたらいつまでも解決しないわっ!」
兄「な、何でだよっ!」
妹「だってお兄ちゃん恋愛経験0じゃん!」
兄「…うっ!」
妹「ただの○貞じゃん!!」
兄「…うううっ!」
妹「そんな人にまかせてられないのっ!」
兄「……………ってお前は恋愛経験あるのかよっ!!」
妹「…うっ!」
77: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/19(月) 11:51:17.09 ID:IbpFtrMiO
妹「なくてもいいのっ!女目線の意見ってのは重要なのっ!」
兄「…………そうかも…な…」
妹「でしょ?」
兄「お前熱くなりすぎて首突っ込み過ぎるなよっ!」
妹「そ、それはお兄ちゃんでしょ!」
兄「………とりあえずアパートに帰るか…」
妹「…え?アパート?」
兄「俺ここでアパート借りてるんだ」
妹「…は?嘘でしょ?」
78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/19(月) 11:58:10.40 ID:IbpFtrMiO
兄「ついて来い」
スタスタ
妹「えっ?もっと奥に行けるの?」
スタスタ
妹(だんだん穴が広くなってる…)
スタスタ
妹(っえ?穴がなくなった?)
妹(違うっ!すごく大きい穴に出たんだ……)
スタスタ
妹(っえ!?何これ!?)
妹(街………?)
81: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/19(月) 12:08:16.12 ID:IbpFtrMiO
スタスタ
妹(茶色い街…?建物も茶色い)
スタスタ
妹(触ってみよ…)
妹(土だ…!この建物全部土でできてるんだっ!)
スタスタ
妹「ってゆーか何これ!………空?!」
妹「なんで地下に空があるの!?」
兄「これは空じゃない」
妹「えっ?」
82: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/19(月) 12:17:21.14 ID:IbpFtrMiO
スタスタ
兄「星に見えるのは天井に光る石が埋まってるだけだ」
妹「あ…だから夜空に見えたのか…」
兄「朝の時間になればライトがついて空みたいに見える」
妹「へー………ってお兄ちゃんなんでそんなに詳しいの!?」
兄「一か月近く住んでるからな」
妹(…お兄ちゃんってこんなに冷静なやつだっけ…?)
妹「………キャ!」
83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/19(月) 12:24:01.47 ID:IbpFtrMiO
兄「どうした?」
妹「ど、どうしたって…!あっちから化け物が集団で歩いて来るじゃん!」
兄「ああ、なんだろ、飲み会の帰りかな」
妹「なんでそんなに冷静なのよっ!」
兄「ハハハ、お前はなんでそんなに恐がってるんだ」
妹「こ、こんな所誰だって恐いよっ!こんな所を恐がってないお兄ちゃんも恐いよっ!」
兄「ハハハ」
妹(…笑われた…!?…)
86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/19(月) 12:33:59.17 ID:IbpFtrMiO
-兄アパート-
妹「へ、部屋の中も土でできてるっ!」
兄「ああ」
妹「テレビもトイレも何もかも土でできてる…」
兄「びっくりしたか?」
妹「だ、誰だってびっくりするわよっ!」
兄「俺も最初ちょっとびっくりしたさ」
妹「な、なんでちょっとだけですんでるのよっ!」
兄「やっぱり自分の家は落ち着くなぁ……」
87: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/19(月) 12:45:36.13 ID:IbpFtrMiO
-しばらくして-
兄「慣れたか?」
妹「…ちっとも慣れてないっ!」
兄「びっくりするのは最初だけだ」
妹「てゆーか…なんかおかしい…」
兄「何が?」
妹「…なんであいつらは私達を見てもびっくりしないの?」
兄「ああ…、ここの人達は違うんだ…」
妹「…え?違う?」
兄「見た目で差別するっていう概念がないんだ」
妹「え?どういう事…?」
88: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/19(月) 12:57:12.45 ID:IbpFtrMiO
兄「見た目がどうかなんて口笛が吹けるかぐらいにしか考えてないんだ」
妹「え?何言ってるか分かんないっ!」
兄「見た目を全然気にしないって事」
妹「そうなんだ…」
兄「うん」
妹「じゃあ恋愛ってどうやってしてるの?」
兄「え?」
妹「何でその人を好きになるの?」
89: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/19(月) 13:06:04.51 ID:IbpFtrMiO
兄「ああ…それは…ダンスだ」
妹「ダンス?ダンスで好きになるの?」
兄「ああ、求愛のダンスな」
妹「な、何それ動物じゃん!」
兄「人間も好きな人の為に見た目を良くしようと思ったり、お金を貢いだりするだろう。ただそれがダンスに濃縮しているってだけだ」
妹「…おかしい事だらけでもう訳分かんないっ…」
兄「ダンス見てみるか?」
妹「えっ?」
91: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/19(月) 13:16:43.53 ID:IbpFtrMiO
兄「求愛のダンスのDVDがあるんだ」
妹「……うん…じゃあ見てみる…」
兄「深呼吸しとけよ」
妹「な、なんでよ?」
兄「すごいから」
妹「大丈夫っ!いいから早く見せて」
兄「じゃあ見せるぞ」
パチッ
ポチッ
~♪~♪~♪
妹「!!!」
92: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/19(月) 13:21:06.46 ID:IbpFtrMiO
-DVD観賞後-
妹「ハア…ハア…」
兄「どうだった?」
妹「…見た事もないすっごい気持ち悪い動きだった…」
兄「それだけか?」
妹「…でもなんか…」
兄「…うん」
妹「…感動した気もする…」
兄「だろっ!?俺も見た時ものすごく感動したんだ」
妹「てゆーかちょっと待って…!…」
兄「どうした?」
94: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/19(月) 13:26:54.34 ID:IbpFtrMiO
妹「レッスン1レッスン2レッスン3…求愛ダンス初心者入門…って…」
兄「…」
妹「お兄ちゃんなんでダンス覚えようとしてるのよっ!!」
兄「…」
妹「なんでお兄ちゃん求愛しようとしてるのよっ!」
兄「…」
妹「なんでお兄ちゃんこの世界でモテようとしてるのよっ!!」
兄「…寝る」
妹「ちょ、ちょっと答えなさいよ!お兄ちゃーん!」
兄「………Zzz」
妹「ごまかして寝ないでよお兄ちゃん!お兄ちゃーーーん!!」
96: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/19(月) 13:36:20.08 ID:IbpFtrMiO
-朝-
兄「フンッ!フンッ!」
妹「むにゃむにゃ………お兄ちゃん?」
兄「ハア…ハア…起きたか…」
妹「なに…何してるの?」
兄「目を覚ます為の運転さっ!」
妹「ってそれ求愛ダンスでしょ!!」
兄「違う違うっ!」
妹「そのステップ昨日見たもん!!」
兄「気のせい気のせいっ!ハハハハハ!」
妹「練習してたんでしょっ!!」
97: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/19(月) 13:46:17.93 ID:IbpFtrMiO
兄「いやぁ、これは運動不足にならないようにさっ!ハハッ!」
妹「そんなに爽やかに言ってもダメッ!」
兄「いやぁ、ちょうどいいDVDを見つけてねぇ!ハハッ!」
妹「嘘だっ!お兄ちゃん帰る気ないんだっ!」
兄「そんな訳ないだろっ!ハハハハハハハハハハハハハ」
妹(お兄ちゃん目が笑ってない…!!…)
99: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/19(月) 13:51:52.54 ID:IbpFtrMiO
-しばらくして-
兄「ハア…ハア…よし朝の運動も終わったぁー」
妹(嘘だ!運動じゃない!あれは練習だ!絶対毎朝やってるだ……!…)
兄「おい…妹」
妹「何…お兄ちゃん…」
兄「お前の意見を聞きたい」
妹「え?」
兄「俺の友達の恋愛についてだ」
妹「そ、そう!それよっ!あたしはそれを解決しに来たのよっ!」
106: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/19(月) 14:19:47.04 ID:IbpFtrMiO
兄「俺の友達をAとして、Aの友達をB、そしてAの好きな人をCとする。」
妹「…分かりずらいけど…続けて…」
兄「AはCがずっと好きだったんだ、そりゃあもうガキの頃から」
妹「…うん」
兄「そしてAはCへの好きな気持ちが限界を越えて、付き合いたくなったんだ」
妹「…うん」
兄「でもAは恋愛もした事もないし、臆病だしで、恋愛マスターのBに相談したんだ」
妹「うん…それで?」
兄「そしたらBとCがいい感じになってきたんだ」
妹「それから?」
兄「それだけだ」
妹「え!?ふっつーーー!」
108: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/19(月) 14:26:54.46 ID:IbpFtrMiO
兄「普通ってどういう事だ」
妹「…いや……化け物の恋愛だからもっと異常な話だと思ってた…」
兄「そうか…」
妹「なんか人間でもありそうな話じゃん!」
兄「ああ……でも…俺も…恋愛した事ないし…俺は…ただ友達を応援する事しかできないんだ……」
妹「……お兄ちゃん…」
兄「どうすれば…いいんだろう……」
妹「………そんなの…とっゃえばいいんだよっ!」
兄「…え?」
120: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/19(月) 15:03:39.91 ID:IbpFtrMiO
兄「お前今なんて……」
妹「だからっ、BからCをとっちゃえばいいのっ!」
兄「お前…そんなに簡単に言うなよ…」
妹「だってBより先にAが好きだったんでしょ?だったらとっていいじゃん!」
兄「……Bは…Bは手強いんだ…」
妹「えっ?手強いって…気持ちで負けてないならいいんじゃないの!?」
兄「…Bは…Bはダンサーだぞ…!…」
妹「!」
121: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/19(月) 15:08:14.51 ID:IbpFtrMiO
兄「…求愛ダンスだけが…重要なこの世界で…ダンサーやってるんだぞ…」
妹「そ、そんなにダンスが重要なの…?…」
兄「…ああ…この世界は…ダンスが全てなんだ………」
妹「じゃあAも踊ればいいじゃん!!」
兄「…あいつは踊れないんだ…」
妹「えっ?」
兄「あいつは……踊った事がないんだ……」
妹「えっ……」
122: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/19(月) 15:13:31.12 ID:IbpFtrMiO
兄「本来なら中学からちょこちょこ求愛ダンスを始めるらしいんだ……」
妹「こ、ここにも中学校があるの……?」
兄「ああ…見た目以外は人間と何も変わらないんだ…」
妹「…そうなんだ……それで?」
兄「あいつは………みんなステップを踏み始めたというのに……」
妹「…」
兄「ステップのスの字も覚えようとしなかった…!…」
妹「……」
123: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/19(月) 15:19:49.08 ID:IbpFtrMiO
兄「このダンスが全てのこの世に…Aは嫌気がさしていたらしい………」
妹「…」
兄「俺はダンスなんかに頼らなくても…気持ちを伝えられると…!…」
妹「……」
兄「流れに逆らったんだ………」
妹「………でも実際好きな人取られてるじゃん!!」
兄「………ああ…、でもアイツのそんな不器用なとこも…俺は好きなんだ…」
妹「…………」
125: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/19(月) 15:35:27.87 ID:IbpFtrMiO
妹「バカじゃん…」
兄「え?…」
妹「ダンスが全てならAも踊ればいいじゃん!」
兄「だからあいつは…」
妹「一人よがりだよ……」
兄「………」
妹「ダンスが全てならもう踊るしかないじゃん!!」
兄「………………」
妹「そのほうがCも嬉しいんじゃないの!?」
兄「…………ああ…」
妹「でしょ!」
兄「……そうかも………知れない……」
126: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/19(月) 15:43:03.84 ID:IbpFtrMiO
兄「…でもあいつは……踊れないんだよ………」
妹「…そんなの関係ないっ!大事なのは努力する気持ちよっ!」
兄「…お前……恋愛した事ないのによくそんな事分かるな……」
妹「っわ、分かるのっ!あたしもそれくらい分かるの!」
兄「でも…本当にそうかも知れないっ!……あいつにダンスの練習させるか…」
妹「っうん!絶対そのほうがいいっ!あ、あたしに作戦があるっ!」
兄「え?」
127: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/19(月) 15:50:23.87 ID:IbpFtrMiO
-ダンスルーム-
兄「違うっ!もっと足をこうっ!」
A「…ハア…ハア…分かんねえ…」
兄「もう一回俺がやるから良くみるんだっ!」
スタタタタタタ
A「なっ、なんでそんなに足を早く動かせるんだ!?」
兄「練習すればできるようになるっ!」
妹(てゆーかなんでお兄ちゃんが教えれてるのよ…!?…)
妹(ここに来て一か月でしょ…?)
妹(お兄ちゃん…何者なの…!?…)
兄「違うっ!そうじゃないっ!」
129: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/19(月) 16:04:38.09 ID:IbpFtrMiO
-しばらくして-
妹(だんだんあのモグラ人間にも慣れてきた)
妹(あっちもあたしを警戒してないせいかな)
妹(なんか見ようによってはカワイイかも)
A「ハア…ハア…無理だ…」
兄「無理じゃないっ!ちょっとずつだがうまくなってるっ!」
A「ハア…ハア…でも…こんなんじゃあいつには……」
兄「今は自分の足元だけに集中しろっ!ほらもう一回っ!」
A「よ、よっし!」
妹(そろそろかな……)
130: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/19(月) 16:14:09.51 ID:IbpFtrMiO
カチャ
C「…あのぉ…」
妹(あっ!来た!Cさんかな?Aさんと同じ顔してるけど……)
妹《シッ!○○さんですか?》
C《は、はい…うるさくしちゃいけないんですか?》
妹《はい…まだ気付かれたくないんで!一緒に見てましょう!》
C《は、はい…》
兄「よしっ!だんだんうまくなってきたっ!」
スタタタタスタスタ
A「よっしゃ!」
131: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/19(月) 16:32:37.22 ID:IbpFtrMiO
兄「ほらっ、もっとここで胸を押し出すんだっ!」
ドイーン
A「ハア…ハア…くっそ…なんどやってもできない…!…無理だ…」
兄「諦めるのかっ!お前の気持ちはそんなもんだったのかよっ!?」
A「ハア…ハア…そ、そんな訳ねえだろっ!!」
ドイーン
兄「そうだっ!できるじゃないかっ!」
C《……A……》
妹(よしっ、CさんAさんに釘付けだよっ!)
146: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/19(月) 19:36:51.65 ID:IbpFtrMiO
C子《A君はいったい誰の為にあんなにダンスを………》
妹《誰の為でしょうね、エヘヘ》
A「ああ!どうしてもこの14ステップができない…ハア…ハア…」
兄「おいっ!できないって言うなっ!」
A「ハア…ハア…こんなのずっとやってないとできないんだ…」
兄「そうか…なら、これを見てみろっ…!…」
タタタタタタタタタタタタタタタン!
A「じゅ、15ステップだと…!?…」
兄「ハア…ハア…俺はこれを3週間でマスターした…ハア…ハア…」
149: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/19(月) 19:51:24.07 ID:IbpFtrMiO
A「……これを三週間で…?…男の俺でも惚れそうだったぜ…」
兄「できるっ!好きな子を思い浮かべながらステップを踏むんだっ!」
A「よっよし!C子ーーー!」
タタタタタタタタタタタタタン!
兄「おっおしい!13半までいってたっ!」
A「ハア…ハア…くっそぉ…!…」
兄「これだっ!こうやって空気を切るんだっ!」
タタタタタタタタタタタタタタタン!
A「すっ、すげぇ!」
妹(C子さん…Aさんの気持ちに気付いたよね?)
C《あなたはお友達?》
妹《え?…いえ、右のほうの男の妹です》
C《そう…カッコイイお兄さんね》
妹《…えっ》
152: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/19(月) 20:02:07.65 ID:IbpFtrMiO
兄「違うっ!こうだっ!」
タタタタタタタタタタタタタタタタン!
A「す、すげえよっ!…っていうか今…16ステップ踏んでなかったか?」
兄「え?マジ?」
C《じゃあ私はこれで失礼するね…》
妹《…えっ?もう帰っちゃうんですか…?》
C《これ以上ここにいたら…あたし…》
ガチャ
バタン
妹「ちょ、ちょっとC子さんっ、待ってよ!」
153: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/19(月) 20:09:50.56 ID:IbpFtrMiO
-しばらくして-
兄「ハア…ハア…3回に1回は14ステップできるようになったじゃねえか…」
A「ハア…ハア…ありがとな…お前のお陰だ…」
兄「ハア…ハア…お前には幸せになって欲しいからな…ハア…ハア…」
A「もっとやりたいが…もう足が動かない…ハア…ハア…」
兄「俺もだ…ハア…ハア…」
妹「お兄ちゃん…終わったの?」
154: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/19(月) 20:14:16.41 ID:IbpFtrMiO
スタスタ
兄「ハア…ハア…、終わったぞ。あれ?Cは?」
妹「…なんか帰っちゃったよ」
兄「帰ったのか!?Aの気持ちは伝わったか?」
妹「分かんない…真剣には見てたけど…」
兄「そうか…お前の作戦良いと思ったんだけどな…」
妹「で、でもきっと伝わったよ!」
兄「……だよなっ!」
157: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/19(月) 20:24:27.65 ID:IbpFtrMiO
-次の日-
兄「え?これからかっ?」
兄「いいぞ…分かった…」
ポチッ
妹「お兄ちゃん誰から電話?」
兄「Aに呼び出された…」
妹「えっ?」
兄「怒ってた感じだった……」
妹「………」
兄「ちょっと行ってくるっ」
妹(なんか嫌な予感がする……)
158: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/19(月) 20:33:30.13 ID:IbpFtrMiO
兄「話ってなんだ?」
A「お前……!昨日Cを呼んだだろっ!」
兄「え?……ああ…」
A「なんで俺に黙ってそんな事したんだよっ!!」
兄「い、いやそれは…お前の気持ちをC子に伝えたかったんだ…」
A「あんな無様な俺の姿Cに見せてどういうつもりだよっ!」
兄「っち、違う!俺はお前の真剣な気持ちとか、努力をっ」
A「結果が全てなんだよっ!!」
159: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/19(月) 20:45:43.59 ID:IbpFtrMiO
兄「………」
A「お前昨日Cが見ててどう思ったと俺に言ったと思う……?」
兄「な、なんて言ったんだ?」
A「お前が好きになりそうだったってよっ!!」
兄「…な、なんだって!?」
A「…お前は最初っからそういうつもりでCをっ!」
兄「ちっ違う!」
162: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/19(月) 20:52:47.00 ID:IbpFtrMiO
A「もういいっ!言い訳は聞きたくないっ!」
兄「………違うんだ」
A「お前も結局Bと同じじゃねえかっ!!」
兄「そ、そんな訳ねえだろっ!!」
A「じゃあどう違うか説明しろよっ!!」
兄「…………」
妹「違うもんっ!!」
兄A「!?」
163: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/19(月) 21:04:02.16 ID:IbpFtrMiO
妹「お兄ちゃんは本当にAさんが幸せになって欲しいって思ってたもんっ!」
兄「妹…ついてきてたのか…」
A「………」
妹「だからあたしがCさんを呼んだらってアドバイスしたのっ!」
A「うまくいってねぇじゃねぇか………」
妹「…」
A「うまくいってねえじゃねえかあああ!泣」
兄「A……」
166: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/19(月) 21:14:22.61 ID:IbpFtrMiO
A「お前らうざいんだよっ!!」
妹「う、うざいって何よっ!こっちも頑張ったのにっ!」
兄「もういい…やめろ…妹…」
妹「だ、だってこいつがっ!」
A「………もう二度と顔も見たくないっ!」
兄「…おい…A!」
スタスタスタスタスタスタ
兄「お、おい!A!」
妹「ほっとこうよ!あんなやつ!お兄ちゃん!」
168: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/19(月) 21:33:40.42 ID:IbpFtrMiO
兄「……顔見たくないって言ってたな……」
妹「…お兄ちゃん………」
兄「ハァ………友達だと思ってたんだけどな………」
妹「……………」
兄「………地下でも地上でも友達できないかぁ……」
妹「……お兄ちゃん純粋過ぎるんだよっ!適当でいいじゃん適当でっ」
兄「えっ」
妹「あたしも別に友達の事信用してるわけじゃないよっ」
兄「妹……」
171: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/19(月) 21:38:14.79 ID:IbpFtrMiO
妹「友達なんてどーでもいいじゃん」
兄「…」
妹「友達のせいでそんなに落ち込むなら意味ないよ」
兄「……ハァ、そうかもなっ……」
妹「もう帰ろーよ」
兄「……俺この地下に肩までつかってたな」
妹「完全に全身漬かってたよ」
173: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/19(月) 21:43:18.61 ID:IbpFtrMiO
兄「……帰るか…」
妹「うんっ、帰ろー」
トボトボ…
パチン
妹「?」
パチン
妹「なんの音?」
パチン
妹「え?なんでお兄ちゃん指鳴らしてるのっ?」
パチン
兄「…」
パチン
175: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/19(月) 21:47:08.71 ID:IbpFtrMiO
パチン
兄「お前に伝えたい事がある」
妹「えっ?」
パチン
兄「でも俺はそれを言葉にする事ができない」
妹「お、お兄ちゃん?」
パチン
兄「だからこうするしかない」
妹「え?」
パチン
スタタタタン!
妹「!?」
179: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/19(月) 21:55:50.68 ID:IbpFtrMiO
たたったたたん!!
スタタタたん!タッタッ!
ドイーン!タッタッ!ドイーン!
タッタッタタンッ!
兄「俺は踊るしかないっ!!!」
スタタタタタスタスタン!
たんタタッタタン!
タンタタタタタタンタタ!
ドイーン!ドイーン!ドイーン!
兄「これが俺の真骨頂だっ!」
スタタタタタタタタタタタタタタタタン!
妹「………」
兄「ハア…ハア…」
妹「お兄ちゃん…」
兄「ハア…ハア…どうだ?」
妹「キモーイ!!!」
タッタッタッタッタッタッタッタッ
兄「お、おい待てよっ!」
END
190: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/19(月) 22:07:22.74 ID:IbpFtrMiO
>>1です
ありがとうございました
母「お兄ちゃんが部屋から一歩も出て来ないの」