1: 名無しで叶える物語(もんじゃ)@\(^o^)/ 2015/07/18(土) 22:08:53.65 ID:DmyEZNwY.net
にこ「かしこまりました、東條希ですね――って絵里!」
絵里「あら、にこじゃない。なにしてるの?」
にこ「なにって、見ての通りよ。ここでアルバイトしてんの」
絵里「へーすごいじゃない!こんなおしゃれなお店で働いてるのね」
にこ「みんなには言うんじゃないわよ。メンドウになりそうだし」
絵里「わかってるわ」
にこ「お願いよ?」
2: 名無しで叶える物語(もんじゃ)@\(^o^)/ 2015/07/18(土) 22:11:48.55 ID:DmyEZNwY.net
にこ「ところで、しっかりオーダーは考えてきた?」
にこ「この店、オーダーが複雑だから予め決めてこないと大変よ?」
絵里「え、あ、大丈夫よ!こういうおしゃれな店って、私のテリトリーみたいなものだし……」
にこ「ホントに大丈夫?」
絵里「大丈夫大丈夫!予習済みよ!」
にこ「わかったわ。…………っと、お客様、東條希一人でよろしいでしょうか?」
絵里「はい」
にこ「サイズはいかがなさいますか?」
絵里「サイ……ズ……?」
にこ「ショート、トール、グランデ、ベンティがございますが」
絵里「うん?」
にこ「ショート、トール、グランデ、ベンティがございますが」
絵里「え、ええっと」
絵里(そもそもサイズってなんなのよ……ちっちゃい希とか、おっきい希が出てくるの?)
絵里(私がほしいのは普通サイズ!こういうのは、真ん中を選んどけば――)
絵里「ぐ、グランデで!」
にこ「かしこまりました、グランデですね」
絵里「グランデって160cmくらいの、普通の希よね?」
にこ「…………グランデですと、腰当たりまでになりますが」
絵里「腰あたりしかないの!?じゃあベン……ベンで!」
にこ「ベンティでよろしいですか……?」
絵里「そうそれ、ベンティで。これなら私くらいの背丈に……」
にこ「ベンティですと、臀部くらいまでの長さになります」
絵里「で、で、臀部!?待って、フルサイズの希はないの?」
にこ「……絵里、あんたさ、なんか勘違いしてない?」
絵里「え、サイズでしょ?つまりそれって身長よね?」
にこ「髪の長さなんだけど」
絵里「は?」
にこ「髪の長さ」
絵里「あー!髪の長さ!」
にこ「身長は159cmで固定よ」
絵里「そ、そうだったわね」
にこ「…………」
絵里「いや知ってたわよ……?」
にこ「…………はぁ。それでベンティでいいの?」
絵里「髪の長さは……グランデ、グランデで!」
にこ「グランデですね。かしこまりました」
絵里「……ふぅ」
にこ「グレードはいかがなさいますか?」
絵里「グレード……グレード……?」
にこ「二年生と三年生から選べますが」
絵里「ああ!グレードって、それね!学年ね!」
にこ「…………」
絵里「希は当然三年でしょ!三年で!」
にこ「カンサイデンシティはどうされます?」
絵里「か、カンサイデンシティ……」
絵里(なによそれ)
絵里(シティでしょ?街よね。出身地――とか?)
絵里(カンサイデン。聞いたことないわね……)
にこ「お客様?」
絵里「え、ええとそうね、カンサイデンでお願いするわ」
にこ「カンサイデンシティは、会話でどれくらい関西弁を使うかを表しておりまして……」
絵里「…………」
にこ「絵里、あんたこういうの慣れてないでしょ」
絵里「今のはジョークよ!ほら私、ロシアンクウォーターだし!」
にこ「意味わかんないんだけど」
絵里「関西弁よね…………」
絵里(関西弁交じりだけど、そんなにいっぱい使ってるわけでもないし――)
絵里(そもそも、関西弁なのかしら?)
絵里「うーん…………そこそこ。そう、そこそこで」
にこ「そこそこ、といいますと? あっさり、こっさり、こってりから選べますが」
絵里(あっさり…………いや、こっさりくらい……?うーん……?)
絵里「んー………………」ポケー
にこ「……絵里、ちょっと待ってて。たしか、レジ下の棚にプレートが――」ゴソゴソ
にこ「あった。ほら、それぞれの参考が書いてあるから。これ見て決めなさい」
絵里「ありがとう、にこ。なになに――――」
『あっさり:ウチ、東條希!あんまり悩まないタイプの高校二年生ですっ!ウチの自慢は―――――』
絵里(関西弁、しゃべってないじゃない!)
絵里(ならばこってりは――――)
『こってり:あかーん!何か悩み事があるねんな!?この、のぞみんにお任せやわ♡』
絵里(これは――違うわね、うん……)
絵里「こっさりで」
にこ「かしこまりました」
にこ「サジェッツァはどうされますか?」
絵里「さ、さぜった?」
絵里(なにそれ……ロシア語じゃないわよね……)
にこ「ホワイト、グレー、ブラックからお選びいただけます」
絵里(…………色?ああ!肌の色とか?)
絵里(いや、待ちなさいエリーチカ。スマートに考えるのよ)
絵里(肌の色でこの選択肢なら、間違いなく人種差別問題に発展するわ)
絵里(従って、これは肌の色ではない!)
絵里「………………ふっ」フフン
にこ「なに得意げな顔してんの」
にこ「サジェッツァはかしこさよ、かしこさ」
にこ「ホワイトが勉強できない。ブラックがかなりできる、になってるの」
絵里「かしこさ…………あー……そうね。さぜったって、かしこさよね」
にこ「サジェッツァ」
絵里「さ、さじぇつぁでしょう?」
にこ「…………それで、いかがなさいます?」
絵里(そうね、希は勉強はそこそこできたような――あれ、どうだったっけ?)
絵里(…………というか、何で白と黒なの?)
絵里(灰色の脳細胞は聞いたことあるけど、白とか黒は聞いたことないわよ!?)
絵里「………………」
にこ「……ホワイトはノートが真っ白。ブラックがノートが真っ黒になっております」
絵里「あー………………グレーで」
―――――――――
――――――
にこ「――――でよろしいでしょうか」
絵里「はい!」
絵里(ふぅ、何とか注文し終えたわ)
絵里(あとは、希ができあがるまで待つだけ)
絵里(ふふっ♪これで夢の花園生活ができるってわけよね!)
絵里(それにしても、注文難しいすぎない?)
絵里(リリホワの三人が、ウチの近くで買えるのは嬉しいけど…………)
絵里(あの注文方法はいただけないわ。わかりにくいわよ……)
花陽「えへへ♪やっと凛ちゃんが買えるよぉ!」
絵里「あれ、花陽じゃない」
絵里「花陽!」
花陽「あ、絵里ちゃん!絵里ちゃんも凛ちゃん買いに来てたの?」
絵里「私は希を。それより花陽、この店、やたら注文が細かくて大変なの」
絵里「しっかり調べてから来た方がいいわ」
花陽「でも、凛ちゃんのことならよく知ってるし…………」
絵里「そうじゃないわ!わかりにくい表現で惑わしてくるのよ!?」
花陽「……一応軽く調べてきたから……うん、大丈夫!」
花陽「心配してくれてありがとうね、絵里ちゃん」
絵里(あ、ああ…………花陽が、レジの方へ向かって――)
絵里(花陽、緊張しやすいから……不安だわ)
絵里(にこが店員だから、優しくサポートはしてくれるだろうけど……)
にこ「今度は花陽じゃない。あんたは凛を買いに来たんでしょ?」
花陽「うん!」
にこ「いい?ここは、ちょっと注文が複雑で――」
花陽「凛ちゃん一つ。グランデニャッターコイズユウエンチビューンテパッショネーナキリンガベースノゥダルマジエンジェナミダマシマシで!」
にこ「………………」
にこ「………………か、かしこまりました」
絵里「ハラッショ」
おわり
元スレ
にこ「ところで、しっかりオーダーは考えてきた?」
にこ「この店、オーダーが複雑だから予め決めてこないと大変よ?」
絵里「え、あ、大丈夫よ!こういうおしゃれな店って、私のテリトリーみたいなものだし……」
にこ「ホントに大丈夫?」
絵里「大丈夫大丈夫!予習済みよ!」
にこ「わかったわ。…………っと、お客様、東條希一人でよろしいでしょうか?」
絵里「はい」
にこ「サイズはいかがなさいますか?」
絵里「サイ……ズ……?」
にこ「ショート、トール、グランデ、ベンティがございますが」
絵里「うん?」
3: 名無しで叶える物語(もんじゃ)@\(^o^)/ 2015/07/18(土) 22:15:56.92 ID:DmyEZNwY.net
にこ「ショート、トール、グランデ、ベンティがございますが」
絵里「え、ええっと」
絵里(そもそもサイズってなんなのよ……ちっちゃい希とか、おっきい希が出てくるの?)
絵里(私がほしいのは普通サイズ!こういうのは、真ん中を選んどけば――)
絵里「ぐ、グランデで!」
にこ「かしこまりました、グランデですね」
絵里「グランデって160cmくらいの、普通の希よね?」
にこ「…………グランデですと、腰当たりまでになりますが」
絵里「腰あたりしかないの!?じゃあベン……ベンで!」
5: 名無しで叶える物語(もんじゃ)@\(^o^)/ 2015/07/18(土) 22:18:46.04 ID:DmyEZNwY.net
にこ「ベンティでよろしいですか……?」
絵里「そうそれ、ベンティで。これなら私くらいの背丈に……」
にこ「ベンティですと、臀部くらいまでの長さになります」
絵里「で、で、臀部!?待って、フルサイズの希はないの?」
にこ「……絵里、あんたさ、なんか勘違いしてない?」
絵里「え、サイズでしょ?つまりそれって身長よね?」
にこ「髪の長さなんだけど」
絵里「は?」
にこ「髪の長さ」
絵里「あー!髪の長さ!」
6: 名無しで叶える物語(もんじゃ)@\(^o^)/ 2015/07/18(土) 22:22:26.32 ID:DmyEZNwY.net
にこ「身長は159cmで固定よ」
絵里「そ、そうだったわね」
にこ「…………」
絵里「いや知ってたわよ……?」
にこ「…………はぁ。それでベンティでいいの?」
絵里「髪の長さは……グランデ、グランデで!」
にこ「グランデですね。かしこまりました」
絵里「……ふぅ」
にこ「グレードはいかがなさいますか?」
絵里「グレード……グレード……?」
にこ「二年生と三年生から選べますが」
絵里「ああ!グレードって、それね!学年ね!」
にこ「…………」
絵里「希は当然三年でしょ!三年で!」
8: 名無しで叶える物語(もんじゃ)@\(^o^)/ 2015/07/18(土) 22:26:53.25 ID:DmyEZNwY.net
にこ「カンサイデンシティはどうされます?」
絵里「か、カンサイデンシティ……」
絵里(なによそれ)
絵里(シティでしょ?街よね。出身地――とか?)
絵里(カンサイデン。聞いたことないわね……)
にこ「お客様?」
絵里「え、ええとそうね、カンサイデンでお願いするわ」
にこ「カンサイデンシティは、会話でどれくらい関西弁を使うかを表しておりまして……」
絵里「…………」
にこ「絵里、あんたこういうの慣れてないでしょ」
絵里「今のはジョークよ!ほら私、ロシアンクウォーターだし!」
にこ「意味わかんないんだけど」
9: 名無しで叶える物語(もんじゃ)@\(^o^)/ 2015/07/18(土) 22:30:25.17 ID:DmyEZNwY.net
絵里「関西弁よね…………」
絵里(関西弁交じりだけど、そんなにいっぱい使ってるわけでもないし――)
絵里(そもそも、関西弁なのかしら?)
絵里「うーん…………そこそこ。そう、そこそこで」
にこ「そこそこ、といいますと? あっさり、こっさり、こってりから選べますが」
絵里(あっさり…………いや、こっさりくらい……?うーん……?)
絵里「んー………………」ポケー
にこ「……絵里、ちょっと待ってて。たしか、レジ下の棚にプレートが――」ゴソゴソ
にこ「あった。ほら、それぞれの参考が書いてあるから。これ見て決めなさい」
10: 名無しで叶える物語(もんじゃ)@\(^o^)/ 2015/07/18(土) 22:34:17.56 ID:DmyEZNwY.net
絵里「ありがとう、にこ。なになに――――」
『あっさり:ウチ、東條希!あんまり悩まないタイプの高校二年生ですっ!ウチの自慢は―――――』
絵里(関西弁、しゃべってないじゃない!)
絵里(ならばこってりは――――)
『こってり:あかーん!何か悩み事があるねんな!?この、のぞみんにお任せやわ♡』
絵里(これは――違うわね、うん……)
絵里「こっさりで」
にこ「かしこまりました」
13: 名無しで叶える物語(もんじゃ)@\(^o^)/ 2015/07/18(土) 22:37:43.21 ID:DmyEZNwY.net
にこ「サジェッツァはどうされますか?」
絵里「さ、さぜった?」
絵里(なにそれ……ロシア語じゃないわよね……)
にこ「ホワイト、グレー、ブラックからお選びいただけます」
絵里(…………色?ああ!肌の色とか?)
絵里(いや、待ちなさいエリーチカ。スマートに考えるのよ)
絵里(肌の色でこの選択肢なら、間違いなく人種差別問題に発展するわ)
絵里(従って、これは肌の色ではない!)
絵里「………………ふっ」フフン
にこ「なに得意げな顔してんの」
14: 名無しで叶える物語(もんじゃ)@\(^o^)/ 2015/07/18(土) 22:42:37.97 ID:DmyEZNwY.net
にこ「サジェッツァはかしこさよ、かしこさ」
にこ「ホワイトが勉強できない。ブラックがかなりできる、になってるの」
絵里「かしこさ…………あー……そうね。さぜったって、かしこさよね」
にこ「サジェッツァ」
絵里「さ、さじぇつぁでしょう?」
にこ「…………それで、いかがなさいます?」
絵里(そうね、希は勉強はそこそこできたような――あれ、どうだったっけ?)
絵里(…………というか、何で白と黒なの?)
絵里(灰色の脳細胞は聞いたことあるけど、白とか黒は聞いたことないわよ!?)
絵里「………………」
にこ「……ホワイトはノートが真っ白。ブラックがノートが真っ黒になっております」
絵里「あー………………グレーで」
―――――――――
――――――
17: 名無しで叶える物語(もんじゃ)@\(^o^)/ 2015/07/18(土) 22:48:39.48 ID:DmyEZNwY.net
にこ「――――でよろしいでしょうか」
絵里「はい!」
絵里(ふぅ、何とか注文し終えたわ)
絵里(あとは、希ができあがるまで待つだけ)
絵里(ふふっ♪これで夢の花園生活ができるってわけよね!)
絵里(それにしても、注文難しいすぎない?)
絵里(リリホワの三人が、ウチの近くで買えるのは嬉しいけど…………)
絵里(あの注文方法はいただけないわ。わかりにくいわよ……)
18: 名無しで叶える物語(もんじゃ)@\(^o^)/ 2015/07/18(土) 22:52:24.89 ID:DmyEZNwY.net
花陽「えへへ♪やっと凛ちゃんが買えるよぉ!」
絵里「あれ、花陽じゃない」
絵里「花陽!」
花陽「あ、絵里ちゃん!絵里ちゃんも凛ちゃん買いに来てたの?」
絵里「私は希を。それより花陽、この店、やたら注文が細かくて大変なの」
絵里「しっかり調べてから来た方がいいわ」
花陽「でも、凛ちゃんのことならよく知ってるし…………」
絵里「そうじゃないわ!わかりにくい表現で惑わしてくるのよ!?」
花陽「……一応軽く調べてきたから……うん、大丈夫!」
花陽「心配してくれてありがとうね、絵里ちゃん」
20: 名無しで叶える物語(もんじゃ)@\(^o^)/ 2015/07/18(土) 22:56:09.12 ID:DmyEZNwY.net
絵里(あ、ああ…………花陽が、レジの方へ向かって――)
絵里(花陽、緊張しやすいから……不安だわ)
絵里(にこが店員だから、優しくサポートはしてくれるだろうけど……)
にこ「今度は花陽じゃない。あんたは凛を買いに来たんでしょ?」
花陽「うん!」
にこ「いい?ここは、ちょっと注文が複雑で――」
23: 名無しで叶える物語(もんじゃ)@\(^o^)/ 2015/07/18(土) 22:59:11.85 ID:DmyEZNwY.net
花陽「凛ちゃん一つ。グランデニャッターコイズユウエンチビューンテパッショネーナキリンガベースノゥダルマジエンジェナミダマシマシで!」
にこ「………………」
にこ「………………か、かしこまりました」
絵里「ハラッショ」
おわり
絵里「東條希一つください」