1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/30(土) 01:09:59.83 ID:sY6XHHW80

シロ「ダル…」

塞「でも出ないと、学校閉まっちゃうよ?」

シロ「…」ダルーン

胡桃「ほら立つ!」

エイスリン「オイテッチャウヨ?」

シロ「…置いてかないで」

塞「じゃあ行こうよ、ほら」

シロ「うーん…」

豊音もん「だったらいい道具があるよー」

シロ「…?」

豊音もん「どこでもドアー」

塞「出しちゃうかーついにそれをー」

胡桃「甘やかさない!」

エイスリン「New Zealand」ガチャ

シロ「ニュージーランド……初めてみた…」



3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/30(土) 01:16:15.45 ID:sY6XHHW80

エイスリン「ドコダロウ、ココ」クグリ

塞「え」クグリ

胡桃「知らないの!?」クグリ

エイスリン「シッテルトコ、ジャナイ」フルフル

シロ「……海岸?」クグリ

豊音もん「そっかあー、ニュージーランドも広いも ゴッツンコ!

エイスリン「!」

豊音もん「いたたー…頭ドアにぶつけちゃったよー」テヘヘ

シロ「…だいじょうぶ?」

豊音もん「だいじょーぶ、なんともないよー」

塞「よかったー」

胡桃「気を付けて!」

豊音もん「えへへ、ごめんねー」

エイスリン「!」

エイスリン「ナガレボシ!」ユビサシッ



5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/30(土) 01:21:51.18 ID:sY6XHHW80

豊音もん「わあああー流れ星いっぱいだよー」

塞「きれーっ」

胡桃「あれ、流星群来るなんて言ってたっけ?」

シロ「…知らない、ニュージーランドだから」

胡桃「あ、そっか」

エイスリン「……ア」

塞「ん、どうしたの?」

エイスリン「トシサン、ニモ…ミセテアゲタイ」

塞「!」

胡桃「呼んでくる?」

塞「そうだね、どこにいるかな?」

豊音もん「すぐ見つけられるよー 尋ね人ステッキー」

塞「出しちゃうかーついにそれをー」

胡桃「毎度言うの、それ?」

塞「い、いいでしょ別に…!」



7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/30(土) 01:30:20.46 ID:sY6XHHW80

豊音もん「トシさん、どーこだ!えいっ」

…パタン

塞&胡桃&エイスリン「…」

シロ「…」

シロ(日本、あっちなんだ)

塞「ここで倒してもダメだって、ここニュージーランドなんだから」

胡桃「日本で探さないと!」

豊音もん「そ、そっかあーそうだよね、うっかりしてたよー」

豊音もん「じゃあ、日本に戻ってー……あれ?」

塞「ん?どしたの?」

豊音もん「…どこでもドア、壊れてる」

塞「え……え?なんで!?」

エイスリン「ゴッツンコ!」

塞「あ、そっか!さっき豊音がぶつかったときのあれで…!」

豊音もん「え?ええっ!?」



9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/30(土) 01:35:10.99 ID:sY6XHHW80

豊音もん「うわーん、これじゃ帰れないよー!」ポロポロ

シロ「…」

塞「と、豊音っ」オロロロ

豊音もん「ごめんなさいー!!」ポロポロ

シロ「…」

シロ(タイムふろしきで直せば…)

エイスリン「ダイジョウブ!」

豊音もん「!」

胡桃「泣かないそこ!」

豊音もん「で…でも…」

エイスリン「カエレル!」

豊音もん「えっ…」

エイスリン「ウミヲアルイテ、カエロウ!」

シロ「!?」

豊音もん「なるほどー テキオー灯ー」



12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/30(土) 01:43:23.86 ID:sY6XHHW80

ちゃぷんちゃぷん

豊音もん「わあー水のなかで息ができるって、なんかふしぎだねー」

塞「ふふっ、自分の道具なのに」

シロ「…」

エイスリン「サカナ、イッパイ!」

胡桃「結構よく見えるね」

塞「月と星々のひかりが、わたしたちの海を蒼く照らしてくれてるからね」

塞「ほらみて、魚たちの鱗、まるで無数の水面が鏡となって、そこに流れるかのように…」

エイスリン「サエ?」

塞「はっ…!」

胡桃「トリップしないそこ!」

塞「ご、ごめん、つい…」

エイスリン「チュチュチュチュッ」

豊音もん「わー、魚がエイスリンさんの周りに寄ってくるよー」

エイスリン「チュチュッチュッ、チュッ」



14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/30(土) 01:51:51.70 ID:sY6XHHW80

エイスリン「チュチュッチュ」

塞「かわいいね」

エイスリン「エヘヘ」

胡桃「!」

胡桃「みんな、あっち!」

塞「え?」

豊音もん「わ…わああー!!」

エイスリン「サメ!」

シロ「…」

鮫「…」スイーッ

胡桃「こ、こっち来るよ…」

塞「やばいよこれ、どうしよう、逃げらんないよ」

シロ「豊音……もも太郎じるしのキビ団子を」

エイスリン「…マッテ、シロ」

エイスリン「マズハ、ホンヤクコンニャク…!」



15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/30(土) 01:58:26.06 ID:sY6XHHW80

シロ「エイスリン…?」

エイスリン「ハナセバ、ワカルカモシレナイ」

シロ「…」

エイスリン「コトバガチガウコワサ、シッテル」

塞「エイスリン…」

エイスリン「デモ、ミンナ、タイセツナトモダチ、ナッタ!」

胡桃「エイちゃん…」

エイスリン「ワタシハ…ワタシハ、モモタロジルシノキビダンゴ、タベテナイ!」

シロ「……」

シロ「…わかった、それでいこう」

シロ「豊音」

豊音もん「うんっ!翻訳こんにゃくー!」

豊音もん「えいっ」ポイッ

ぷかぷか

鮫「…?」パクッ



17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/30(土) 02:02:21.62 ID:sY6XHHW80

鮫「ん~?あんたら、見ない顔やな~お魚~?」

エイスリン「ウウン、サカナジャナイ」フルフル

鮫「それじゃあ、えっと~海藻~?」

エイスリン「ウウン、ニンゲン」フルフル

鮫「にんげん?知っとるで~うまいんやろ~?」

エイスリン「ウウン、マズイ」フルフル

鮫「…じつはな~おなかペッコペコやねん」

エイスリン「…」

鮫「たべてええ?」

エイスリン「…」フルフル

鮫「なんで?」

エイスリン「…トモダチニ、ナリタイ」

鮫「ええよ~」

エイスリン「!」パアァ

鮫「そんで、たべてええ~?」



19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/30(土) 02:06:13.60 ID:sY6XHHW80

エイスリン「!」

鮫「どうしたん?」

エイスリン「ト、トモダチデモ、タベルノ?」

鮫「おなかがすいとるんやって~」

エイスリン「…」

鮫「ともだちやって、ええやろ?」

エイスリン「…」ポロッ

シロ「エイスリン…」

エイスリン「チガウ、コノナミダハ…コノコガ、カナシクテナイテルノ…」

シロ「…」

エイスリン「トモダチタベタコト、アルノ…?」

鮫「そんなんしょっちゅうやって、なんで~?」

エイスリン「…ソッカ」

鮫「じゃあ」

エイスリン「マッテ …トヨネ!」



21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/30(土) 02:11:52.39 ID:sY6XHHW80

豊音もん「な、なにかなー…?」

シロ(もも太郎じるし、使うのかな)

エイスリン「…グルメテーブルカケヲ」

シロ「!」

豊音もん「りょうかいだよー グルメテーブルかけー」

鮫「ん~?なにそのペラペラ、海藻~?」

エイスリン「…チガウ」フルフル

エイスリン「コレニタベタイモノイウ、デテクル」

鮫「!」

エイスリン「ミテテ……『カルボナーラ』!」

ポンッ!…バラバラ、バラ……

鮫「すごい!」

エイスリン「コレヲアゲル…ダカラモウ、トモダチハタベナイデ…」

鮫「うん、うんっ!わかったで~!ありがとな~!」スイスイッ

鮫「『にんげん』っ!」



24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/30(土) 02:19:20.81 ID:sY6XHHW80

エイスリン「…」

シロ「…気を落とすことない」

エイスリン「…」

塞「そ、そうだよっ、しかたないって!」

エイスリン「…ウン」

豊音もん「お、おなかすいてたんだもん、あれでよかったんだよー!」

胡桃「こ、こらっ」

豊音もん「ご…ごめんなさい…」

エイスリン「ウウン…イイノ」フルフル

エイスリン「ダイジョウブ……イコウ!」

シロ「……」

グルメテーブルかけをもらうと、あいつは、わたしたちに目もくれず『にんげん』を食べつづけた
いくつもいくつも、なくなれば、また注文して
豊音は言った グルメテーブルかけが出すのは本物じゃないから、と
偽物のにんげんって、なんだろう
あいつはいったい、なにを食べつづけているんだろう


いっこ、カン



25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/30(土) 02:23:14.05 ID:sY6XHHW80

エイスリン「チュチュッチュッチュ」

塞「あはは、ついてくるね、魚」

胡桃「かわいいね」

シロ「…」

豊音もん「どうしたの、シロ?」

シロ「いや…ちょっと、ダルくなってきたなあ…って」

豊音もん「元気が出る薬出そっかー?」

シロ「…いい」フルフル

塞「いやーでもさ、こんな広い夜の海底に5人ってのは、いいんだけど、ちょっと心細い気もするよね」

胡桃「さみしいの?」

塞「ちょ、そういうわけじゃ…!」

胡桃「ふーん?」

塞「もう、じゃあいいよ!さみしくありませんー!」

エイスリン「サエ、カワイイ!」

豊音もん「じゃあだれか呼ぼっかー」



27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/30(土) 02:29:29.38 ID:sY6XHHW80

胡桃「呼ぶって?」

豊音もん「取り寄せバッグー」

塞「出しちゃ……あっ」

胡桃「…言えばいいのに」クスッ

塞「う、うるさいな…」

豊音もん「誰かお取り寄せして一緒に行こー!誰がいい?」

エイスリン「トヨネ!キメテ!」

豊音もん「え…いいの?」

エイスリン「ウンッ!」

塞「うん、いいと思うよ、誰って相手もいないし」

豊音もん「じゃあー……末原さん」グイッ

恭子「ぐうぐう…ぐう……ごぱっ!??」ブクブクブクブク

恭子「!????!? !?!? ????????」ブクブクブクブクブクブク

豊音もん「あ、テキオー灯テキオー灯」

恭子「もがががががっがががあが!!!!!!!!!」



28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/30(土) 02:34:57.90 ID:sY6XHHW80

恭子「……」ジィィィィーッ

豊音もん「ご…ごめんなさい…」

恭子「……」

塞「どうしよう、すっごい涙目でにらんでるよ…」ヒソヒソ

胡桃「それはまあそうだよ、妥当だよ…」ヒソヒソ

エイスリン「パジャマ、カワイイネ」ヒソヒソ

シロ「…」

恭子「……」

シロ「…謝ろう、みんなで」

豊音もん「ごめんね、末原さん…わたし、末原さんに会いたくなっちゃって…」

恭子「…!」

シロ&エイスリン&塞&胡桃「ごめんなさい!!!」

塞「ほんとごめんなさい!!!!」

恭子「…」

恭子「まあ…ええわ、ゆるしたる」



31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/30(土) 02:39:36.15 ID:sY6XHHW80

恭子「許したるけど…ここはどこや」

豊音もん「海だよー」

恭子「海……どこの?」

エイスリン「New Zealand」

恭子「え、なんて?」

塞「ニュージーランド、と日本のあいだ」

シロ「……の、ニュージー寄り、かな」

恭子「……あの」

胡桃「なに?」

恭子「…おうち、かえりたいんやけど」

豊音もん「!」

恭子「おうち……かえり、たいんやけど…」ポロポロ

エイスリン「ナイチャッタ…!」

シロ「……だいじょうぶ」

恭子「…?」ポロポロ



33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/30(土) 02:43:52.43 ID:sY6XHHW80

恭子「ほんま…?」

シロ「うん… 豊音」

豊音もん「は、はいっ」

シロ「どこでもドア、あるよね」

豊音もん「え…うん、いちおう持ってきてはいるけどー…」

塞「で、でも、あれは壊れちゃって…」

シロ「…タイムふろしきで戻せば」

豊音もん「!」

胡桃「え、気付いてなかったの?」

豊音もん「み、みんな気付いてたの!?」

エイスリン「フロシキ…?」

塞「き、きづいてたよ、あははは」

シロ「末原さん…帰れるよ」

恭子「あ……ありがとう…」

シロ「ううん…勝手に呼び出したのは、こっちだから」



35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/30(土) 02:48:51.45 ID:sY6XHHW80

豊音もん「タイムふろしきー と、どこでもドアー」

豊音もん「てやっ!」

エイスリン「オオー、コレガ、フロシキ…」

豊音もん「なおったよー!」

塞「やったあー!すごいじゃん!」

豊音もん「えへへへー」

エイスリン「ヒメマツコウコウマエ」ガチャ

ざばあああああああああああ…

胡桃「わ、わあっ、なに!?ながされるっ!」

シロ「…海のなかだから」

塞「海の水が、ドアを通して姫松高校前に流れ出てるんだ…!」

塞「蒼いブラックホールのように!」

エイスリン「アオ、スキナノ?」

恭子「ちょ、とじて、はよ閉じて!」

豊音もん「み、水がどんどん溢れ出て…閉じられそうにないよー!」



38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/30(土) 02:55:00.09 ID:sY6XHHW80

恭子「あかん、あかんて…このままじゃ姫松どころか、大阪が海に沈んでまう!」

シロ「…」

恭子「わたしが…わたしが、帰りたいて、言ったから…」

シロ「…」

シロ「豊音っ!」

豊音もん「なにー!?」

シロ「取り寄せバッグを、こっちに…!」

豊音もん「…? どうぞー」ポイッ

シロ「…」パシッ

エイスリン「Nice catch!」

恭子「…どうする気や?」

シロ「…月の、大岩」グイッ

ポロッ…ドスーン!

恭子「!!?」

シロ「ふさがった」



40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/30(土) 03:02:40.73 ID:sY6XHHW80

塞「ふ、ふさがったって言うか…」

胡桃「らんぼう!」

豊音もん「わー、ちょーおっきいよー」

恭子「ええんか…これないと、帰れないんじゃ…?」

シロ「…だいじょうぶ」

恭子「でも…」

シロ「もう日本だし…なんとでもなる」

シロ「ダルいけど」

恭子「…そっか」

エイスリン「ドア、ドウスルノ?」

シロ「いまはまだ海につながってるみたいだけど…そのうち壊れるよ」

豊音もん「じゃあ、それからまた取りに来よっかー」

セコム「おい!あんたらなにしてんねん!」

恭子「!」

塞「セコムだ!逃げようみんな!」



43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/30(土) 03:09:01.62 ID:sY6XHHW80

セコム「まてやー!」

胡桃「お、追って来るよ!」

シロ「…地面に逃げよう」

豊音もん「わかったよー! モグラ手袋ー」

胡桃「塞、掘って!」

塞「え、わたしが!?」

エイスリン「セコム、クル!」

恭子「は、はよ!」

塞「わ、分かったよ!掘るよ!」スチャッ

モグモグモグモグ

セコム「な…あいつらどこへ…!」

もうひとりのセコム「お、おい、来てみい!」

セコム「おまえ、なにやってんねん、逃がしてもうたや…」

もうひとりのセコム「いいから来てみいって!あかんでこれ!ごっついで!」

もうひとりのセコム「校庭、海みたいになっとる!」



46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/30(土) 03:16:55.89 ID:sY6XHHW80

塞「末原さんち、このへんかな?」モグモグ

恭子「うん、たぶん…地面やから判らんけど」

塞「じゃあ、出るよ!」モグッ

バキーン!

恭子「すごい…コンクリ、突き破ってもうた…」

シロ「…」

胡桃「ここみたい、表札」

恭子「あ…うん、うちや、ここ」

エイスリン「オカエリ!」

恭子「うん…ただいま」

恭子「あ……鍵かかっとる」

豊音もん「だいじょうぶだよー 通り抜けフープー」

恭子「あ、ありがとう、ほんまにお世話んなって…」

シロ「…」

シロ(コンクリに穴、空けることなかったんじゃないかなあ…)



47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/30(土) 03:21:27.35 ID:sY6XHHW80

恭子「ほんとに、泊まってかなくてええんか?」

塞「いいのいいの、これ以上迷惑かけらんないしさ」

恭子「そんな、ええのに…」

エイスリン「ゲンキデネ!」

恭子「うん、そっちも」

豊音もん「またあそぼーねー」

胡桃「こんどはアポとるから」

恭子「うん、そうしてくれると助かるわ」

シロ「…バイバイ」

恭子「…うん、じゃあ」

後になって末原さんから聞いた話によると、次の日の姫松は大騒ぎだったらしい
それはそうだろう
校庭は海のようで、そのなかに見たこともない巨大な岩がゴツンとそびえたっているのだから
その異様に、生徒たちは口々に言ったという あの岩が、お風呂の栓のように、水の流れていくのを堰き止めてるのだ、と
そっか、そう見えるんだ、とわたしは笑った
本当は、その真逆なのに


もいっこカン



49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/30(土) 03:24:39.98 ID:sY6XHHW80

豊音もん「なんとか東京までは来れたねー」

塞「タケコプターって意外とスピードあるんだね」

胡桃「電池がもてば言うことないのにね」

豊音もん「ごめんねー充電し忘れちゃっててー…」

塞「いやーここまで来れたら上等っしょ」

エイスリン「ジョウトウ!」

豊音もん「え、えへへへー」

シロ「始発、待とうか」チョコン

胡桃「あ、シロ座った!充電充電っ」チョコン

シロ「…ダル」

塞「ふうーさすがに疲れたねー」

エイスリン「ウンッ!」

豊音もん「あははっ、ちょーつかれたよー」

シロ「…」

シロ(いま、何時くらいなんだろう)



51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/30(土) 03:28:26.80 ID:sY6XHHW80

エイスリン「…」シュン

シロ「…? どうかしたの?」

エイスリン「コノマチ…ゲンキナイ…」

豊音もん「夜だからじゃなくてー?」

エイスリン「…」フルフル

塞「あー、わたし、エイスリンが言いたいことなんとなく分かるよ」

塞「なんか、倦んでるよね、東京の朝って」

胡桃「ぷっ、生まれも育ちも岩手なのに!」

塞「い、いいでしょ!なんかそういうイメージなんだもん!」

塞「ほ、ほら、見てよ!こんな時間から、もうスーツ着てるんだよ!」

胡桃「え、嘘?」

塞「ほんとだって!ほらあれ!」

シロ「…」

シロ(…ダルそうだなあ)

塞「あれが東京の朝だよ!溜息の沈殿した、東京の朝!」



52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/30(土) 03:32:30.79 ID:sY6XHHW80

エイスリン「…」スクッ

シロ「…エイスリン?」

胡桃「どうしたの、エイちゃん」

エイスリン「…ユキ」

塞「雪?」

エイスリン「…」コクン

シロ「…?」

エイスリン「ユキガ、ミタイ」

シロ「!」

エイスリン「トヨネ、オテンキBOXヲ…」

豊音もん「え、う、うんっ」

シロ「…エイスリン」

エイスリン「…アゲヨウ」

エイスリン「トウキョウニ、ユキヲ」

豊音もん「お天気ボックスー」



53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/30(土) 03:38:45.61 ID:sY6XHHW80

エイスリン「オオユキノcard…エイッ!」

ファサー ファサー

サラリーマン「え、雪…?」

別のサラリーマン「お、おい、積もりだしたぞ…!」

エイスリン「シロ…」

シロ「…うん」

駅のアナウンス『エー、ユキデデンシャガウゴケナクナリマシタ…クリカエシャース、ユキデデンシャガ…』

塞「わああーすっごい降ってるよ」

胡桃「なんか…なんていうか……」

胡桃「馬鹿みたいっ!」

塞「あははっ、ほんとっ!」

テレビ『東京全域で大雪警報が出ましたー今日は家であったかくして寝ててください』

サラリーマン「え…帰っていいの…?」

ほかのサラリーマン「……そっかー」

シロ「……」



55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/30(土) 03:42:35.70 ID:sY6XHHW80

豊音もん「あ…みてみて、みんなっ!」

塞「ん? …あっ!」

胡桃「日の出!」

シロ「…」

エイスリン「…」クスッ

シロ「…どうしたの?」

エイスリン「トウキョウ、マッシロ!」

シロ「…うん」

シロ「そうだね」

塞「でも、やっぱ宮守の雪のほうがいいね」

胡桃「電車止まって、帰れないけどねっ!」

エイスリン「!」

塞「あははっ、どうしよっか」

胡桃「あはっ、野宿?」

エイスリン「ド、ドウシヨウ…」オロオロ



58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/30(土) 03:45:04.15 ID:sY6XHHW80

大星家

淡「もしもしテルー?ねー、学校おやすみだってねー」

淡「うん、うんうんっ」

淡「あはっ、でもさー」

淡「そうそう、すっごいよ、雪って」

淡「雪だるま作ったんだけどね、いつの間にか呑みこまれてた」

淡「もうあれみたい、なんだっけ、アンソニーみたいなやつ」

淡「あ……あん、あん…」

淡「…あんあんあん、とってもだいすき」

淡「あははっ、ちがうよー、ドラえもんじゃなくってねー」

淡「なんかあったじゃん、あんなんとかって、神さまがどうこう…」

淡「えっとー…テルー、ほんとにわかんない?」

淡「!」

淡「それだよそれっ、もー、やっぱ分かってたんじゃーん!きょうはきっとそれなんだよ、えっと」

淡「あんそくびっ!」



59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/30(土) 03:50:16.09 ID:sY6XHHW80

豊音もん「お天気解除するよー」

塞「え、あ、あれ虹じゃない!?」

胡桃「ほんとだ…なんで、雪なのに…!」

シロ「…道具で作った雪だから、かもね」

豊音もん「へええー、ふしぎだねー」

エイスリン「ヘンナニジ!」フフッ

塞「…ふっ、ふふっ、そうだね、なんかへん!」

胡桃「あははっ、へんな虹!きもちわるいっ!」

豊音もん「ちょーへんだよー!」

シロ「…」クスッ

トシ「やっと見つけた…」

シロ「!」

エイスリン「トシサン!」

トシ「あんたたち…ほんとにもう、なにやってんの」ハァ

シロ「…」



61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/30(土) 03:54:12.19 ID:sY6XHHW80

塞「迎えに来てくれたんですか?」

トシ「そろって帰ってないっていうからね、もう、探し回っちゃったわよ」

胡桃「見つけるのはやっ!」

トシ「まあ、そのへんは年の功って言うかねえ」

豊音もん「ごめんなさい…」

トシ「まあ、無事でよかったわ」フッ

エイスリン「カエロ、トシサン!」

トシ「そりゃーね、帰るわよ」

シロ「…」

トシ「ほら、車乗って乗って、ちょっと狭いけど我慢しなさいね」

シロ(…ダル)ギューッ

宮守に帰って、人語を話すクジラの話を聞いた
ニュージーランドからちょっと北上したあたりの海でみつかったらしい
あのとき、鮫が食べ残した翻訳こんにゃくが、流れ流れてクジラのおなかに辿りついたののかもしれない
テレビはそのニュースで持ちきりで、東京の雪なんかは、次の日にはすっかり忘れ去られていた
もちろん、そのあとに架かった、虹のことも


もいっこカン サンカンツ



62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/30(土) 03:54:52.18 ID:sY6XHHW80

おわりっす
支援とかありがとう


元スレ
豊音もん「どこでもドアー」塞「出しちゃうかーついにそれをー」