1: 名無しで叶える物語 2020/10/08(木) 22:49:18.91 ID:qWQkZYVc.net

侑「ふんふんふんふんふ~ん♪ ふ~んふんふ~ん♪」


菜々(あれは確実に、私の曲……確か彼女、私に会いたいと言っていましたね……)


侑「ふ~んふふ~んふ~んふ~ん♪ ……き~みのてを~に~ぎろ~♪」


菜々(あ、歌い始めた……)


侑「な~りたいじ~ぶんを~♪ がまんしな~いで~い~よ~♪」


菜々(可愛らしい……じゃなくて)

菜々(夢中になって、歌っていることに気づいていない様子……ここは)



3: 名無しで叶える物語 2020/10/08(木) 22:49:51.89 ID:qWQkZYVc.net

侑「ゆ~めは~い~つか~♪ ほ~ら」


菜々「こんにちは」ポンポン


侑「かがやっおああああああ!?!?」ビクーン


菜々「!? だ、大丈夫ですか?」


侑「せ、せせせ生徒会長!? な、なんで」


菜々「高咲さん。音楽を聴くのは構いませんが、歌うのはやめたほうがよろしいかと」


侑「えっ、声に出てました!?」


菜々「ええ」コク


侑「う、うわー……うわー///」カァァ



4: 名無しで叶える物語 2020/10/08(木) 22:50:20.93 ID:qWQkZYVc.net

菜々「……今のは、優木せつ菜さんの歌でしたね」


侑「あ、はい……やっぱり何度聞いても、せつ菜ちゃんの歌、素敵だなぁって」


菜々「好きなんですね」


侑「えへへ。私がスクールアイドルのことを知るきっかけになった子だから」


菜々「……そうですか」


侑「でも、知った直後にスクールアイドル辞めちゃうんだもんなぁ……やっぱ残念だな……」


菜々「…………」



5: 名無しで叶える物語 2020/10/08(木) 22:50:41.69 ID:qWQkZYVc.net

菜々「高咲さんからみて、彼女はどうでしたか?」


侑「どう、って?」


菜々「その……いえ、やはり何でもありません。忘れてください」

菜々(私は何を……聞いたところで、どうしようと言うのですか)


侑「うーん……」

侑「……せつ菜ちゃんの動画、色々見てみたんですけど、どれも楽しそうに歌ってるんです」


菜々「楽しそう……」


侑「はい。せつ菜ちゃんが楽しそうにしてると、こっちもワクワクして、ドキドキして」

侑「なんていうか……すっごくときめいたんです、私」

侑「だから、もし会うことが出来たら……彼女にお礼を言いたいな、って」


菜々「…………」



6: 名無しで叶える物語 2020/10/08(木) 22:51:05.66 ID:qWQkZYVc.net

菜々「……しかし彼女は、夢を追うことを辞めてしまいました」

菜々「応援しようとしたあなたからすればそれは、裏切りになるのでは?」


侑「裏切りなんて、思ってないです。きっと、何か理由があったんだと思うから」


菜々「理由……例えば、スクールアイドルが嫌になったとか――」


侑「それは絶対に無いです」


菜々「っ……随分と、言い切りますね」


侑「だって、辞める直前のライブも、すごく楽しそうにしていたんですよ」

侑「作り物じゃない、本当に心の底から楽しんでた。だから私、ときめいたんです」

侑「だから、嫌になったから辞めたんじゃないって、それだけは分かるんです」



7: 名無しで叶える物語 2020/10/08(木) 22:51:34.72 ID:qWQkZYVc.net

菜々「……そうですか」

菜々「高咲さんは本当に……優木せつ菜さんが、好きなんですね」


侑「はい」ニコ


菜々「…………」


侑「それにしても、生徒会長ってせつ菜ちゃんのこと、随分気にかけますね」

侑「アイドル辞めたことも知ってたし、せつ菜ちゃんの事情にも詳しそうだし……」


菜々「っ」ドキッ


侑「もしかして――」



10: 名無しで叶える物語 2020/10/08(木) 22:52:11.56 ID:qWQkZYVc.net

侑「――生徒会長も、せつ菜ちゃんのファンだったんですか?」


菜々「…………」

菜々「……そのようなところでしょうか」メソラシ


侑「やっぱり! もー、それならそうって言ってくれればいいのに」


菜々「生徒会長たるもの、一人の生徒に肩入れするような真似は出来ませんので……」


侑「そんなものですか」


菜々「ええ」



11: 名無しで叶える物語 2020/10/08(木) 22:52:35.06 ID:qWQkZYVc.net

菜々「……少し長話しすぎましたね。私はそろそろ失礼します」

菜々「今度はちゃんと、周りの目も気にしたほうがいいですよ」


侑「う……あの、歌ってたことは忘れてください……///」


菜々「どうしましょうか」


侑「お願いします!///」


菜々「くすっ。分かりました、私の心の中にしまっておきましょう」ニコッ

菜々「では」ペコリ



コツ コツ コツ…



12: 名無しで叶える物語 2020/10/08(木) 22:53:13.47 ID:qWQkZYVc.net

侑「……生徒会長、笑うと可愛いな」

侑「そっか、あの子もせつ菜ちゃんのファンだったんだ。なんか親近感――」



菜々『』ニコッ



侑(――あれ? あの笑顔、どこかで)


歩夢「侑ちゃん、お待たせ!」タッタッタッ


侑「歩夢。ううん、大丈夫。それじゃ、行こっか」

侑(……まあ、いっか)



――――――

――――

――



13: 名無しで叶える物語 2020/10/08(木) 22:53:40.58 ID:qWQkZYVc.net

時は流れて、せつ菜加入後……



侑「――なんてことを話したこと、あったよね」


せつ菜「すみません……」


侑「謝らないで。むしろあの時に正体知っちゃったら、せつ菜ちゃん……というか、菜々ちゃんに迷惑掛けたかもだし」

侑「だから、結果オーライってやつかな?」ピース


せつ菜「侑さん……ありがとうございます」ペコリ



14: 名無しで叶える物語 2020/10/08(木) 22:54:13.91 ID:qWQkZYVc.net

せつ菜「……あの時の侑さんの言葉、すごく嬉しかったです」

せつ菜「アイドルを辞めた身ではありましたが、あんなに真っ直ぐな言葉をぶつけてくれて……私、幸せ者だなって」

せつ菜「だからこそ、今まで正体も辞めた理由も明かせなかったのが、心苦しくて――」


ギュッ


せつ菜「ゆ、侑さん?」


侑「しょうがないよ、理由があったんだもん」ギュゥゥ

侑「だからそんなに落ち込まないで。優木せつ菜は、後ろばっかり気にするアイドルじゃないでしょ?」ナデナデ


せつ菜「……っ」

せつ菜「はいっ……はい!」ギュゥゥ



15: 名無しで叶える物語 2020/10/08(木) 22:54:41.41 ID:qWQkZYVc.net

せつ菜「というわけで、優木せつ菜! これからもアイドルに全力で向き合います!」


侑「うん! これからもよろしく!」

侑「……ところで、お願いがあるんだけど……」モジモジ


せつ菜「はい、なんでしょう?」


侑「その……サイン貰っても、いいかな?」テレテレ


せつ菜「……くすっ。勿論です!」ニコニコ






おわり



16: 名無しで叶える物語 2020/10/08(木) 22:55:49.40 ID:qWQkZYVc.net

侑ちゃんがCHASE!歌ってたら可愛いなぁ、という妄想から勢いで書きました
ご覧いただきありがとうございました


元スレ
侑「ふふ~んふふ~んふ~んふ~ん♪」 菜々(あれは……)