1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/14(金) 00:06:44.40 ID:sxbPtH8K0
京子「あ、このプリント綾乃に出すの忘れてた」
結衣「また? 綾乃もう生徒会室行っちゃったぞ」
京子「生徒会室まで行くのめんどくさいなー。明日でいっか」
結衣「それ昨日まで提出の奴だろ……延ばしてどうすんだ」
3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/14(金) 00:07:38.55 ID:sxbPtH8K0
■生徒会室
京子「しっつぇーしゃーす」
結衣「ちゃんと言え」
綾乃「と、歳納京子!?」
千歳「船見さんもー。どしたん?」
京子「私プリント出し忘れてたからさあ。ほい」
綾乃「そ、そうなの、わざわざありが……じゃなくて、ちゃんと提出期限は守りなさいよね!」
結衣「ごめんねいつも……」
綾乃「ま、まあ、1日くらいは大目に見てあげるわよ」
京子「サンキュー綾乃ー! 愛してるZE♪」
綾乃「んなぁ!?///」
千歳「」ブシャア
結衣「……」
京子「ついでに冷蔵庫のプリンもらってくね~」
結衣「おいこら」
綾乃「ちょ、それ私のプリンよ!」
千歳「あはは~別に歳納さんになら食べられてもええ思っとるくせに~」
綾乃「そっそんなことないわよ!///」
京子「え、冗談のつもりだったんだけど食べていいの?」
綾乃「べっ別にその……き、今日はプリンな気分じゃないから、勝手に持ってきなさいよねっ」
結衣「綾乃、いいの?」
綾乃「こ、今回だけよ!」
千歳「ええなぁ~」
結衣「……」
・ ・ ・
京子「もらっちゃったー♪」
結衣「……」
京子「? 結衣もプリン食べたい?」
結衣「……いや、いいよ。ていうか、あんまり綾乃に迷惑かけるなよ」
京子「まあもらってばっかじゃ悪いし、今度なんか持ってくかー」
結衣「そうだな」
■帰り道
京子「じゃーまた明日ねー」
結衣「うん、また明日」
結衣「……さて」
・ ・ ・
■本屋
結衣「ええと……あった」
結衣「“究極スイーツ調合法”? 何か難しそうだな……もっと簡単そうなのは……」
結衣「“かんたんお菓子レシピ”……よし、これ買おう」
■結衣の家
結衣「ええと、砂糖に水……で、レンジで90秒……」
・
・
・
結衣「うわっ、こげくさ……やり直しだ」
・
・
・
結衣「卵入れて……混ぜて……。ふむふむ……」
・
・
・
次の日
結衣「あ、綾乃」
綾乃「船見さん? 何かしら」
結衣「ええと、昨日京子が綾乃のプリンもらっただろ。それで、あの……」
京子「あっやのー!!」ドタドタ
結衣「!」
綾乃「うえぇ、と、歳納京子!?」
京子「綾乃、昨日プリンあんがとねー」
綾乃「ベっ別にお礼なんて……」
京子「それで、ほいこれ。ラムレーズン、綾乃にあげる」
綾乃「え……」
京子「ありゃ、アイスよりプリンの方が良かった?」
綾乃「え、あ、そんなことは、別に……あ、ありがと……///」
結衣「……」
京子「おう、よろこんでくれてよかったー」
綾乃「よ、喜んでなんかナイナイナイアガラよっ!」
結衣「……よかったね、綾乃」
綾乃「あ、ごめんなさい船見さん、何か用だったかしら……」
結衣「いや、何でもないよ」
京子「?」
■結衣の家
結衣「……結局渡せなかったな、このプリン」
結衣「自分で食うか」
結衣「……」ハム
結衣「……」モグモグ
結衣「あんまりおいしくないな」
結衣「渡さなくて正解だったかも……なんて。……はは」
次の日
京子「結衣ー、部室行こうぜー」
結衣「京子は先に行ってて。私ちょっと用事あるから」
京子「用事?」
結衣「うん、すぐ済むから。私もあとから行くよ。じゃ」タタッ
■生徒会室
ガララ
結衣「失礼します……」
綾乃「船見さん?」
結衣「あ、綾乃。よかった、いた。……あの、ちょっといいかな」
綾乃「え? ええ、構わないけど……」
結衣「あの、こ、コレ……」スッ
綾乃「これって、プリン……?」
結衣「その、京子がいつも迷惑掛けて、悪いから、それだけだから……じゃっ」タタッ
綾乃「あっ、船見さ……」
綾乃「……行っちゃった」
綾乃「ひょっとして、このプリン、手作り……?」
・ ・ ・
結衣「……はぁ」
結衣「けっこう、緊張した……」
・ ・ ・
■ごらく部室
ガララ
結衣「ごめん、遅れた」
京子「おーう遅いぞ結衣ー。用事って何だったの?」
結衣「いや、大したことじゃないよ」
京子「……ふうん? ま~いいけど」
結衣「……」
あかり(結衣ちゃん……?)
・ ・ ・
■帰り道
京子「ちなつちゃ~ん♪」
ちなつ「やめてください~!」
結衣「またやってるよ、懲りないな京子も……」
あかり「あの、結衣ちゃん」
結衣「ん? なに、あかり」
あかり「……結衣ちゃん、何か悩み事、あったりするのかな」
結衣「え……」ドキ
あかり「あ、あかりが勘違いしてるだけかもしれないけど……その、結衣ちゃん、溜めこんじゃうタイプだから」
結衣「い、いや、別に大丈夫だよ。心配してくれてありがと、あかり」
あかり「……そっか」
次の日
綾乃「船見さん、昨日はプリンありがとう。……ところでアレ、ひょっとして船見さんの手作り?」
結衣「えっと、まあ一応……。あんまりおいしくなかったかもしれないけど……」
綾乃「そんなことないわよ、すごくおいしかったわ! 船見さんってお菓子作りも上手なのね」
結衣「そ、そっか……! 良かった、喜んでくれて……。そ、その、良かったらまた作って……」
京子「なになにー? 何の話してるのー?」
結衣「!」
綾乃「ああ、船見さんの……」
結衣「な、なな何でもない、何でもないよ! あはは……」
京子「綾乃、私のラムレーズン食べたー? うまかったっしょ!」
綾乃「え? ああ、そ、それなりにおいしかったわよ!」
綾乃(もったいなくて食べれないなんて言えない……///)
結衣「……まあ、綾乃はプリンの方が好きだし」ボソ
京子「は?」
結衣(し、しまった、つい……!)
先生「席につけー授業始めるぞー」
京子「あ、先生きた」
結衣「ほっ……」
・ ・ ・
結衣(すごくおいしかった、か……)
結衣(上手って言ってくれた)
結衣(また、食べてもらいたいな)
結衣「……♪」
■体育の授業
先生「じゃあ2人組作ってー」
結衣「……あっ、綾n」
京子「結衣~組もうぜぃ!」
結衣「え、あ……」
綾乃「じゃあよろしく、千歳」
千歳「綾乃ちゃんお願いな~」
結衣「……まあ、そうなるよな」
京子「え? 何が?」
先生「じゃあ次は違う人と組んでー」
京子「違う人かー。さらばだ結衣、地獄で会おうぜっ」
結衣「会わねーよ」
京子「次は綾乃にでもしよっかなぁ。おーい綾乃……」
結衣「!」ダッ
結衣「綾乃組もう!!」ガシ
綾乃「うへぇ!? ふ、船見さん? びっくりした……」
京子「んな!? ち、ちょっと結衣、私の綾乃取んないでよ!」
結衣「……別に綾乃はお前のじゃないだろ」
京子「私が先に綾乃に目つけたの!」グイ
結衣「さ、最初に誘ったのは私だっ」グイ
綾乃「え、え、うえええ!!?///」アタフタ
千歳「綾乃ちゃん両手に花やなぁ~」
綾乃「見てないで助けなさいよぉ!!///」
京子「じゃあ綾乃にどっちか決めてもらおーじゃん!」
結衣「なっ……! あ、綾乃は私と……」
京子「ねぇ、綾乃は私を選んでくれるよねっ?」ピト
綾乃「!!!///」ドッキーン
結衣「ひ、卑怯だぞ京子!!」
京子「つーん」
結衣「つーんってお前なあ……! いつもいつもお前ばっかり綾乃と仲良くして! 私だって綾乃がs……」
結衣「っ!!///」バッ
京子「へ?」
結衣「あ、いいいや、あ、綾乃が、そのっ、ははは、あ、あれ~? 千歳あまってんの? 一緒に組もう!!」
千歳「ふ、二人とも、アカンでぇ……」ボタボタ
結衣「はは、ははは~……」
京子「……」
綾乃「はっ! い、意識が飛んでたわ……」
京子「む~……」
綾乃「って、とと歳納京子!? なな何でくっついてるのよおっ!!?///」
■ごらく部室
結衣「……」
京子「……」
あかり(な、なんか二人とも機嫌悪そうだね……)ヒソヒソ
ちなつ(喧嘩でもしたのかな……)ヒソヒソ
あかり(うう、空気が張り詰めてるよぉ……)
ちなつ(ここはひとつ、あかりちゃんが場の雰囲気を和ますのよ!)
あかり(ええっ!? む、無理だよぉ)
ちなつ「」グイグイ
あかり「あわわ……」
あかり「え、えっとぉ……」
ちなつ「……」
あかり「あ、あかり、実は貝柱って好きなんだよねぇ~」
あかり「貝柱かいばしら~、おいしいなぁモグモグ……って、あっ! これあかりのお団子だったぁ~」
あかり「なんちゃって~」
あかり「……」
ちなつ(えっいみがわからないうえにまったくおもしろくない)
結衣「……」
京子「……」
あかり(あ、あれぇー……?)
・ ・ ・
■結衣の家
結衣「ったく……。何だよ京子の奴、やたらと噛みついてきて……」
結衣「せっかく綾乃と二人になれそうだったのに」
結衣「……」イライラ
結衣「って! いかんいかんっ」ブンブン
結衣「はぁ……。何か私ヤな奴になってる」
結衣「……」
結衣「……プリンでも作ろうかな」
・ ・ ・
結衣「出来た」
結衣「名付けて綾乃プリン……。あ、作ったのは私だから結衣プリンか」
結衣「…………綾乃だけの私のプリン」
結衣「///」ジタバタ
結衣「はぁ、な、何やってんだ私……///」
結衣「京子にからかわれたくないから、放課後にこっそり綾乃に渡そう」
結衣「楽しみだな……v」
次の日
結衣「おはよう、京子」
京子「あっ、ゆ、結衣……おはよー」
結衣「?」
京子「えっと……昨日は、ごめん……」
結衣(あ、そういえば喧嘩してたんだっけ)
京子「……」チラッチラッ
結衣「いいよ気にしなくて。私も今まで忘れてたし」
京子「へ?」
結衣「お前と喧嘩してるのすっかり忘れてたよ。あはは」
京子「……」ワナワナ
京子「――――ッ!!」スパコーン!
結衣「って痛っ!?」
京子「結衣のアホー!!」ペチコーン!
結衣「2コンボ!?」
・ ・ ・
■ごらく部
結衣「あ、プリント出すの忘れてた」(わざとだけど……)
京子「結衣が? 珍しいねー」
結衣「うん……ちょっとこれ出しに生徒会室行ってくるよ」
京子「あ、私も行くー!」
結衣「な、何でだよ一人で十分だよっ」
ちなつ「京子先輩、結衣先輩を困らせちゃダメですよ」
結衣(ちなつちゃんGJ!)
京子「……む~」
結衣「じゃあ行ってくるよ」
■生徒会室
コンコン
結衣(……)
結衣(あれ? 誰もいないのかな)
結衣(あ、でもドア開いてる)
キィー.....
結衣「失礼しま~す……」
結衣「……あ」
綾乃「スー……スー……」
結衣(寝てたのか)
結衣(起こさないように……)ソロソロ
綾乃「スー……スー……」
結衣(綾乃の寝顔、初めて見た)
結衣(……もうちょっと見てても、いいよね)
綾乃「……うへへ」
結衣(!?)
綾乃「むにゃ……」
結衣(な、何の夢を見てるんだ)
綾乃「……むにゃむにゃニャンゴマコゲロ村……」
結衣「ぶふっwwww」
結衣(こ、これホントに寝てんのか……)プルプル
綾乃「スー……スー……」
結衣(……ぐっすりだな)
結衣(ポニテとか……さわってみようかな……)
結衣(起きないでね)サワサワ
綾乃「スー……スー……」
結衣(綾乃の髪、さらさらでさわってると気持ちいい)サワサワ
結衣(普段はこんなこと出来ないし……今だけ許してね、綾乃)サワサワ
結衣(…………)サワサワ
結衣(………………ほっぺ、とかも、さわってみようかな)
結衣(ごめんね綾乃っ)プニ
綾乃「ん……」
結衣(や、やわらかい……///)ドキドキ
結衣(……///)フニフニ
結衣(って、ななな何してんだ私はっ!!///)
結衣(はぁ、もう……。プリン渡したいだけだったのに、綾乃が寝てるから……)ドキドキ
綾乃「スー……スー……」
結衣(寝不足なのかな……。綾乃のことだから、京子に負けないように遅くまで勉強してるんだろうな)
結衣(……)チクリ
結衣(別に、勝ち目無いわけじゃ、ないし)
結衣(私だって……)
結衣(そろそろ戻んないと怪しまれそうだ)
結衣(書置きしていくか。“お疲れ様 プリン冷蔵庫に入れておくね 結衣”……と)
結衣(さて、プリン置いて帰ろ……)
ガパ
結衣(え? 冷蔵庫に、ラムレーズン入ってる)
結衣(これって……)
結衣(……)
結衣(……っ)
・ ・ ・
綾乃「ふぁ……」
綾乃「あれ、私……寝ちゃってたのかしら……」
綾乃「あら? 何かしらこのメモ……。冷蔵庫にプリン……。船見さんから?」
ガパ
綾乃「ほんとだ、ラムレーズンの横にプリンが……。後で船見さんに、お礼言わないとね」
京子「結衣遅いなー……」
ちなつ「あ、結衣先輩からメール」
あかり「なになに?」
ちなつ「えっと、用事思い出したから帰る……だって」
京子「ええ? 用事?? 帰る???」
あかり「そっかぁ、残念だねぇ~」
京子「……何だよ結衣の奴」
・ ・ ・
■結衣の家
結衣「……あのラムレーズン、綾乃が京子から貰った奴だ」
結衣「私なら、あんなどこでも売ってるアイスじゃなくて」
結衣「綾乃のためだけに、いろんなもの作ってあげるのに」
結衣「なのに……なんで……」
結衣「なんで、なんで、」
結衣「なんで、私じゃないんだ……!」
結衣「京子より、私の方が……わたしの、方が……っ」
結衣「わたしだって、綾乃のこと、好きなのに……!」
ピンポーン
結衣(……誰? ってどうせ京子だろうな)
結衣(会いたくない……居留守使お)
ピンポーン
結衣(……)
ピンポーン
結衣(……はぁ)ピッ
あかり『結衣ちゃーん? 留守かなぁ……』
結衣「え……あかり!?」
あかり『あっ、よかったぁ、結衣ちゃんいたんだぁ。あの、ちなつちゃんからお菓子預かってきたんだぁ』
結衣「そ、そうか……。今開けるよ」
ガチャ
あかり「はい。これ、ちなつちゃんから」
結衣「ああ、わざわざありがとね」
あかり「……あの、結衣ちゃん」
結衣「うん?」
あかり「何か、辛いこと、あった?」
結衣「!」
あかり「あっ、あの、無いなら無いでいいの! あかりが勝手に思ってるだけで……言いたくなかったら、言わなくていいから」
結衣「……変なところで鋭いな、あかりは」
あかり「だって結衣ちゃん、目が真っ赤なんだもん。……泣いてたみたいに」
結衣「あ……」
あかり「あかりでよかったら、相談に乗るよ。話すだけで楽になるかもしれないし」
結衣「…………」
結衣「……私、好きな人がいるんだ」
あかり「うん」
結衣「でも、その人には私とは別に好きな人がいて……。それで、ちょっと、ね」
あかり「……そっかぁ」
結衣「私じゃ無理なのかなって思って、でも諦めたくなくて……」
あかり「結衣ちゃんは、ほんとにその人が好きなんだね」
結衣「え、あ、うん……まあ……///」
あかり「なら、結衣ちゃんの気持ち、その人に伝えなきゃ」
結衣「伝えるって……! む、無理だよ、そんなの」
あかり「どうして? ちゃんと言わなきゃ伝わらないよ。その人のこと取られちゃってもいいの?」
結衣「言っても困らせるだけだろ! もしかしたらって思ってたけど、やっぱり恋人なんか無理だ。私じゃアイツに勝てないんだよ!」
あかり「でも諦めたくないんでしょ!? ずっと片思いのままでもいいの!?」
結衣「……っ」
あかり「……じゃあ結衣ちゃん。今からお手本、見せてあげる」
結衣「え……」
あかり「……」スッ
あかり「結衣ちゃん、好きです」
結衣「……!」
あかり「結衣ちゃんに誰か好きな人いるのは知ってたけど、でもやっぱりあかりは、結衣ちゃんのことが好き」
結衣「……」
あかり「結衣ちゃん、好きな人のこと諦めて、あかりと付き合ってくれる?」
結衣「あかり……」
あかり「……」
結衣「ごめん」
あかり「…………えへへ、あかり振られちゃったぁ」
結衣「……あかりは、私の大切な“友達”だ」
あかり「そっかぁ。でも結衣ちゃん、あかり、ぜったい諦めないからねっ」
結衣「……ああ」
あかり「結衣ちゃんは、あかりに好きって言われて迷惑だったかな?」
結衣「いや……嬉しかった。そっか、そうだね。本当に好きなら、遠慮なんていらないよな」
あかり「そうだよっ! だから結衣ちゃんも、本気なら諦めちゃダメだよ」
結衣「うん。ありがとう、あかり」
あかり「もし振られちゃったら、あかりがなぐさめてあげるよぉ♪」
結衣「こら」コツ
あかり「あいたっ……えへへぇ」
・ ・ ・
結衣「ほんとに、ありがとな……あかり。今日来てくれて」
あかり「ううん。好きな人のためだもん」
結衣「う……/// あんまり言われると恥ずかしいって」
あかり「えへへぇ♪ それじゃあね結衣ちゃん、また明日ね」
結衣「ああ、また明日」
バタン...
あかり「……」
あかり「…………」テクテク
ちなつ「あかりちゃん」
あかり「あ……。ごめんね、待っててもらって」
ちなつ「ううん」
ぎゅ
あかり「わっ……」
ちなつ「勇気出せたね、あかりちゃん。偉い偉い」
あかり「…………う、ううぅ……ちなつ、ちゃん……」ポロポロ
ちなつ「よしよし」
あかり「やっぱり、ダメ、だったよぉ……」ポロポロ
ちなつ「あかりちゃん……」
あかり「ううっ、うあああああああああああん!!」
次の日
■学校
結衣「昨日はごめんね、いきなり部活抜けちゃって」
京子「ホントだよ! 用事あるならあるで先に言えよな!」プンスカ
結衣「ごめんごめん……ところでさ京子」
京子「ん?」
結衣「京子は好きな人とかいる?」
京子「へ?」
結衣「私はいるよ」
京子「」
結衣「……悪いけど、早い者勝ちだから」
京子「ちょっちょちょちょっちょっちょ!!!??」
結衣「?」
京子「すきな? ひと? えっえっ? えっえっえっ???」
京子「え、なに、どういうこと」
結衣「京子には負けないってこと」
京子「は? え? す、好きな人いんの? 結衣が?」
結衣「そうだけど……」
京子「……」
結衣「……まあ、そういうことだから」
京子「だ、誰! 誰だよ好きなやつ!!」
結衣「……ヒント、京子もよく知ってる人」
京子「あっ私か」
結衣「ねーよ」
京子「……」
結衣「ま、後は自分で考えろよ」
京子「ええっ!? ちょ、ちょっと待ってよ~」
・ ・ ・
■生徒会室
コンコン
綾乃「はーい」
ガチャ
結衣「失礼します」
綾乃「あら? 船見さん?」
結衣「……綾乃、ちょっといいかな?」
綾乃「えーと」チラ
千歳「ええよー、残りはうちがやっとくから」
結衣「ごめんね千歳、綾乃借りるよ」
綾乃「悪いけどお願いね、千歳」
ガララ....
千歳「ふふ、綾乃ちゃんも大変やなぁ」
綾乃「えっと、何の用かしら?」
結衣「ちょっとついてきて」
・ ・ ・
■屋上
綾乃「屋上に何かあるの?」
結衣「まあ定番かなと思って」
綾乃「?」
結衣「……あ、綾乃っ」
綾乃「は、はい」
結衣「すー……はー……」
結衣「……っ」
結衣「…………すっ、好き、です」
綾乃「……」
結衣「……」
綾乃「……え?」
結衣「わっ、私は、綾乃のことが、好き……です」
綾乃「…………あ、え、ええっ!?///」カァァ
結衣「……///」
綾乃「え、あ、あの、えええと……///」アワワ
結衣「あ、綾乃の気持ちは、知ってる……。京子が好きだってこと……」
綾乃「!?/// ベっ別に好きなんかじゃ……!」
結衣「好き……なんだよね?」
綾乃「あ、う…………うん……///」
結衣「やっぱりね。でも、綾乃が誰を好きでも、私の気持ちは変わらないから。だから……綾乃に告白することにしましたっ」
綾乃「あ、あの……。船見さん、私……その、船見さんのこと、まだあんまり、知らなくて……」
結衣「うん。今までは京子や綾乃に遠慮して、あんまり話とかできなかったけど……これからは遠慮しないから」
綾乃「船見さん……」
結衣「それで、今は無理でも、いつか綾乃の気持ちが私に向いてくれるように頑張る」
綾乃「……」
結衣「……こんな話、迷惑だったかな」
綾乃「そ、そんなことないわ! ……す、好きだって言ってくれて……うれしかった、から……///」
結衣「そっか、よかった。嫌われたらどうしようって思っちゃった」
綾乃「嫌うなんてそんな……! 私のこと好いてくれる人を、そんな風に思ったりしないわ……!」
結衣「ありがと、綾乃。……やっぱ私、綾乃のこと大好きだ」
綾乃「なっ……! だだだい、すき、なんて、そんな……///」
結衣「ふふっ」
綾乃「な、なに笑ってるのよっ! こっちは余裕ありま温泉よ!!」
結衣「もし綾乃が良ければ、もうちょっとこのまま綾乃と話してたいんだけど……。いいかな?」
綾乃「……はぁ、もう、今回だけ特別なんだからねっ」
結衣「ありがと」
綾乃「そういえば、船見さんから貰ったプリン……。あれって」
結衣「ああ、えっと、一応、ささやかなアタック……みたいな……///」
綾乃「くすっ。船見さんも意外とかわいいところあるのね」
結衣「うっ……それどういう意味」
綾乃「そのまんまの意味よ。でもお菓子作りもできるなんて、船見さんって結構万能なのね」
結衣「そんなことないよ、本見てレシピ通り作っただけだし。……また食べてもらったりしてもいいかな?」
綾乃「ええ、楽しみにしてるわ」
結衣「それと……お願い、あるんだけど」
綾乃「何かしら?」
結衣「えっと、呼び方……」
綾乃「……あ」
結衣「私は呼び捨てだし……。綾乃が嫌なら、そのままでいいんだけど」
綾乃「ううん、そうね……。えっと、じゃあ……ゆ、結衣、さん」
結衣「……う、うんっ、ありがと……///」
綾乃「ど、どういたし、まして……///」
結衣「あの、綾乃……。これからも、よろしくね」
綾乃「……ええ。よろしく、結衣さんっ」
・
・
・
綾乃「結衣さん、あの、これ。この間のプリンのお礼に」
結衣「マフィン? おいしそう……! ありがとう綾乃!」
綾乃「私も手作りに挑戦してみたんだけど……なかなか難しいのね」
結衣「手作り!? すごいな、ひとつ食べてみていい?」
綾乃「え、ええ」
結衣「……」モグモグ
綾乃「……」
結衣「……おいしい!」
綾乃「ほ、ほんと? よかった……」
結衣「綾乃も料理上手なんだ」
綾乃「そんなこと……ていうか、この前結衣さんが料理教えてくれたおかげよ」
結衣「ううん、綾乃が上手だから――――」
綾乃「あなたの教え方が――――」
京子「なにアレ……」
千歳「歳納さんもうかうかしてられへんなぁ」
京子「むぅ~……!」
京子「おい結衣ー! 綾乃ー! 私にも食わせろおー!」
結衣「うわっ! こ、こら、これは私のだ!」
綾乃「ちょっと、食べかすこぼさないの!」
おわり
元スレ
■生徒会室
京子「しっつぇーしゃーす」
結衣「ちゃんと言え」
綾乃「と、歳納京子!?」
千歳「船見さんもー。どしたん?」
京子「私プリント出し忘れてたからさあ。ほい」
綾乃「そ、そうなの、わざわざありが……じゃなくて、ちゃんと提出期限は守りなさいよね!」
結衣「ごめんねいつも……」
綾乃「ま、まあ、1日くらいは大目に見てあげるわよ」
京子「サンキュー綾乃ー! 愛してるZE♪」
綾乃「んなぁ!?///」
千歳「」ブシャア
結衣「……」
5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/14(金) 00:08:50.89 ID:16gPGL2z0
京子「ついでに冷蔵庫のプリンもらってくね~」
結衣「おいこら」
綾乃「ちょ、それ私のプリンよ!」
千歳「あはは~別に歳納さんになら食べられてもええ思っとるくせに~」
綾乃「そっそんなことないわよ!///」
京子「え、冗談のつもりだったんだけど食べていいの?」
綾乃「べっ別にその……き、今日はプリンな気分じゃないから、勝手に持ってきなさいよねっ」
結衣「綾乃、いいの?」
綾乃「こ、今回だけよ!」
千歳「ええなぁ~」
結衣「……」
7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/14(金) 00:11:22.90 ID:16gPGL2z0
・ ・ ・
京子「もらっちゃったー♪」
結衣「……」
京子「? 結衣もプリン食べたい?」
結衣「……いや、いいよ。ていうか、あんまり綾乃に迷惑かけるなよ」
京子「まあもらってばっかじゃ悪いし、今度なんか持ってくかー」
結衣「そうだな」
9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/14(金) 00:13:51.40 ID:16gPGL2z0
■帰り道
京子「じゃーまた明日ねー」
結衣「うん、また明日」
結衣「……さて」
・ ・ ・
■本屋
結衣「ええと……あった」
結衣「“究極スイーツ調合法”? 何か難しそうだな……もっと簡単そうなのは……」
結衣「“かんたんお菓子レシピ”……よし、これ買おう」
10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/14(金) 00:15:21.93 ID:16gPGL2z0
■結衣の家
結衣「ええと、砂糖に水……で、レンジで90秒……」
・
・
・
結衣「うわっ、こげくさ……やり直しだ」
・
・
・
結衣「卵入れて……混ぜて……。ふむふむ……」
・
・
・
13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/14(金) 00:17:37.90 ID:16gPGL2z0
次の日
結衣「あ、綾乃」
綾乃「船見さん? 何かしら」
結衣「ええと、昨日京子が綾乃のプリンもらっただろ。それで、あの……」
京子「あっやのー!!」ドタドタ
結衣「!」
綾乃「うえぇ、と、歳納京子!?」
京子「綾乃、昨日プリンあんがとねー」
綾乃「ベっ別にお礼なんて……」
京子「それで、ほいこれ。ラムレーズン、綾乃にあげる」
綾乃「え……」
15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/14(金) 00:19:13.63 ID:16gPGL2z0
京子「ありゃ、アイスよりプリンの方が良かった?」
綾乃「え、あ、そんなことは、別に……あ、ありがと……///」
結衣「……」
京子「おう、よろこんでくれてよかったー」
綾乃「よ、喜んでなんかナイナイナイアガラよっ!」
結衣「……よかったね、綾乃」
綾乃「あ、ごめんなさい船見さん、何か用だったかしら……」
結衣「いや、何でもないよ」
京子「?」
19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/14(金) 00:23:18.48 ID:16gPGL2z0
■結衣の家
結衣「……結局渡せなかったな、このプリン」
結衣「自分で食うか」
結衣「……」ハム
結衣「……」モグモグ
結衣「あんまりおいしくないな」
結衣「渡さなくて正解だったかも……なんて。……はは」
21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/14(金) 00:25:58.43 ID:16gPGL2z0
次の日
京子「結衣ー、部室行こうぜー」
結衣「京子は先に行ってて。私ちょっと用事あるから」
京子「用事?」
結衣「うん、すぐ済むから。私もあとから行くよ。じゃ」タタッ
24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/14(金) 00:28:27.79 ID:16gPGL2z0
■生徒会室
ガララ
結衣「失礼します……」
綾乃「船見さん?」
結衣「あ、綾乃。よかった、いた。……あの、ちょっといいかな」
綾乃「え? ええ、構わないけど……」
結衣「あの、こ、コレ……」スッ
綾乃「これって、プリン……?」
結衣「その、京子がいつも迷惑掛けて、悪いから、それだけだから……じゃっ」タタッ
綾乃「あっ、船見さ……」
綾乃「……行っちゃった」
綾乃「ひょっとして、このプリン、手作り……?」
25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/14(金) 00:29:52.69 ID:16gPGL2z0
・ ・ ・
結衣「……はぁ」
結衣「けっこう、緊張した……」
・ ・ ・
■ごらく部室
ガララ
結衣「ごめん、遅れた」
京子「おーう遅いぞ結衣ー。用事って何だったの?」
結衣「いや、大したことじゃないよ」
京子「……ふうん? ま~いいけど」
結衣「……」
あかり(結衣ちゃん……?)
28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/14(金) 00:34:36.28 ID:16gPGL2z0
・ ・ ・
■帰り道
京子「ちなつちゃ~ん♪」
ちなつ「やめてください~!」
結衣「またやってるよ、懲りないな京子も……」
あかり「あの、結衣ちゃん」
結衣「ん? なに、あかり」
あかり「……結衣ちゃん、何か悩み事、あったりするのかな」
結衣「え……」ドキ
あかり「あ、あかりが勘違いしてるだけかもしれないけど……その、結衣ちゃん、溜めこんじゃうタイプだから」
結衣「い、いや、別に大丈夫だよ。心配してくれてありがと、あかり」
あかり「……そっか」
29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/14(金) 00:36:32.19 ID:16gPGL2z0
次の日
綾乃「船見さん、昨日はプリンありがとう。……ところでアレ、ひょっとして船見さんの手作り?」
結衣「えっと、まあ一応……。あんまりおいしくなかったかもしれないけど……」
綾乃「そんなことないわよ、すごくおいしかったわ! 船見さんってお菓子作りも上手なのね」
結衣「そ、そっか……! 良かった、喜んでくれて……。そ、その、良かったらまた作って……」
京子「なになにー? 何の話してるのー?」
結衣「!」
綾乃「ああ、船見さんの……」
結衣「な、なな何でもない、何でもないよ! あはは……」
京子「綾乃、私のラムレーズン食べたー? うまかったっしょ!」
綾乃「え? ああ、そ、それなりにおいしかったわよ!」
綾乃(もったいなくて食べれないなんて言えない……///)
30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/14(金) 00:39:34.84 ID:16gPGL2z0
結衣「……まあ、綾乃はプリンの方が好きだし」ボソ
京子「は?」
結衣(し、しまった、つい……!)
先生「席につけー授業始めるぞー」
京子「あ、先生きた」
結衣「ほっ……」
・ ・ ・
結衣(すごくおいしかった、か……)
結衣(上手って言ってくれた)
結衣(また、食べてもらいたいな)
結衣「……♪」
35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/14(金) 00:44:06.73 ID:16gPGL2z0
■体育の授業
先生「じゃあ2人組作ってー」
結衣「……あっ、綾n」
京子「結衣~組もうぜぃ!」
結衣「え、あ……」
綾乃「じゃあよろしく、千歳」
千歳「綾乃ちゃんお願いな~」
結衣「……まあ、そうなるよな」
京子「え? 何が?」
38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/14(金) 00:47:32.04 ID:16gPGL2z0
先生「じゃあ次は違う人と組んでー」
京子「違う人かー。さらばだ結衣、地獄で会おうぜっ」
結衣「会わねーよ」
京子「次は綾乃にでもしよっかなぁ。おーい綾乃……」
結衣「!」ダッ
結衣「綾乃組もう!!」ガシ
綾乃「うへぇ!? ふ、船見さん? びっくりした……」
京子「んな!? ち、ちょっと結衣、私の綾乃取んないでよ!」
結衣「……別に綾乃はお前のじゃないだろ」
京子「私が先に綾乃に目つけたの!」グイ
結衣「さ、最初に誘ったのは私だっ」グイ
綾乃「え、え、うえええ!!?///」アタフタ
42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/14(金) 00:49:59.96 ID:16gPGL2z0
千歳「綾乃ちゃん両手に花やなぁ~」
綾乃「見てないで助けなさいよぉ!!///」
京子「じゃあ綾乃にどっちか決めてもらおーじゃん!」
結衣「なっ……! あ、綾乃は私と……」
京子「ねぇ、綾乃は私を選んでくれるよねっ?」ピト
綾乃「!!!///」ドッキーン
結衣「ひ、卑怯だぞ京子!!」
京子「つーん」
結衣「つーんってお前なあ……! いつもいつもお前ばっかり綾乃と仲良くして! 私だって綾乃がs……」
結衣「っ!!///」バッ
44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/14(金) 00:53:21.51 ID:16gPGL2z0
京子「へ?」
結衣「あ、いいいや、あ、綾乃が、そのっ、ははは、あ、あれ~? 千歳あまってんの? 一緒に組もう!!」
千歳「ふ、二人とも、アカンでぇ……」ボタボタ
結衣「はは、ははは~……」
京子「……」
綾乃「はっ! い、意識が飛んでたわ……」
京子「む~……」
綾乃「って、とと歳納京子!? なな何でくっついてるのよおっ!!?///」
46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/14(金) 00:55:46.77 ID:16gPGL2z0
■ごらく部室
結衣「……」
京子「……」
あかり(な、なんか二人とも機嫌悪そうだね……)ヒソヒソ
ちなつ(喧嘩でもしたのかな……)ヒソヒソ
あかり(うう、空気が張り詰めてるよぉ……)
ちなつ(ここはひとつ、あかりちゃんが場の雰囲気を和ますのよ!)
あかり(ええっ!? む、無理だよぉ)
ちなつ「」グイグイ
あかり「あわわ……」
47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/14(金) 00:58:28.21 ID:16gPGL2z0
あかり「え、えっとぉ……」
ちなつ「……」
あかり「あ、あかり、実は貝柱って好きなんだよねぇ~」
あかり「貝柱かいばしら~、おいしいなぁモグモグ……って、あっ! これあかりのお団子だったぁ~」
あかり「なんちゃって~」
あかり「……」
ちなつ(えっいみがわからないうえにまったくおもしろくない)
結衣「……」
京子「……」
あかり(あ、あれぇー……?)
49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/14(金) 01:00:47.49 ID:16gPGL2z0
・ ・ ・
■結衣の家
結衣「ったく……。何だよ京子の奴、やたらと噛みついてきて……」
結衣「せっかく綾乃と二人になれそうだったのに」
結衣「……」イライラ
結衣「って! いかんいかんっ」ブンブン
結衣「はぁ……。何か私ヤな奴になってる」
結衣「……」
結衣「……プリンでも作ろうかな」
・ ・ ・
結衣「出来た」
結衣「名付けて綾乃プリン……。あ、作ったのは私だから結衣プリンか」
結衣「…………綾乃だけの私のプリン」
結衣「///」ジタバタ
50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/14(金) 01:03:37.83 ID:16gPGL2z0
結衣「はぁ、な、何やってんだ私……///」
結衣「京子にからかわれたくないから、放課後にこっそり綾乃に渡そう」
結衣「楽しみだな……v」
52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/14(金) 01:06:41.13 ID:16gPGL2z0
次の日
結衣「おはよう、京子」
京子「あっ、ゆ、結衣……おはよー」
結衣「?」
京子「えっと……昨日は、ごめん……」
結衣(あ、そういえば喧嘩してたんだっけ)
京子「……」チラッチラッ
結衣「いいよ気にしなくて。私も今まで忘れてたし」
京子「へ?」
結衣「お前と喧嘩してるのすっかり忘れてたよ。あはは」
京子「……」ワナワナ
京子「――――ッ!!」スパコーン!
結衣「って痛っ!?」
京子「結衣のアホー!!」ペチコーン!
結衣「2コンボ!?」
55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/14(金) 01:09:20.29 ID:16gPGL2z0
・ ・ ・
■ごらく部
結衣「あ、プリント出すの忘れてた」(わざとだけど……)
京子「結衣が? 珍しいねー」
結衣「うん……ちょっとこれ出しに生徒会室行ってくるよ」
京子「あ、私も行くー!」
結衣「な、何でだよ一人で十分だよっ」
ちなつ「京子先輩、結衣先輩を困らせちゃダメですよ」
結衣(ちなつちゃんGJ!)
京子「……む~」
結衣「じゃあ行ってくるよ」
56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/14(金) 01:11:30.98 ID:16gPGL2z0
■生徒会室
コンコン
結衣(……)
結衣(あれ? 誰もいないのかな)
結衣(あ、でもドア開いてる)
キィー.....
結衣「失礼しま~す……」
結衣「……あ」
綾乃「スー……スー……」
結衣(寝てたのか)
57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/14(金) 01:12:33.79 ID:16gPGL2z0
結衣(起こさないように……)ソロソロ
綾乃「スー……スー……」
結衣(綾乃の寝顔、初めて見た)
結衣(……もうちょっと見てても、いいよね)
綾乃「……うへへ」
結衣(!?)
綾乃「むにゃ……」
結衣(な、何の夢を見てるんだ)
綾乃「……むにゃむにゃニャンゴマコゲロ村……」
結衣「ぶふっwwww」
結衣(こ、これホントに寝てんのか……)プルプル
59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/14(金) 01:14:44.77 ID:16gPGL2z0
綾乃「スー……スー……」
結衣(……ぐっすりだな)
結衣(ポニテとか……さわってみようかな……)
結衣(起きないでね)サワサワ
綾乃「スー……スー……」
結衣(綾乃の髪、さらさらでさわってると気持ちいい)サワサワ
結衣(普段はこんなこと出来ないし……今だけ許してね、綾乃)サワサワ
結衣(…………)サワサワ
結衣(………………ほっぺ、とかも、さわってみようかな)
結衣(ごめんね綾乃っ)プニ
綾乃「ん……」
結衣(や、やわらかい……///)ドキドキ
結衣(……///)フニフニ
60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/14(金) 01:15:55.42 ID:16gPGL2z0
結衣(って、ななな何してんだ私はっ!!///)
結衣(はぁ、もう……。プリン渡したいだけだったのに、綾乃が寝てるから……)ドキドキ
綾乃「スー……スー……」
結衣(寝不足なのかな……。綾乃のことだから、京子に負けないように遅くまで勉強してるんだろうな)
結衣(……)チクリ
結衣(別に、勝ち目無いわけじゃ、ないし)
結衣(私だって……)
62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/14(金) 01:18:48.58 ID:16gPGL2z0
結衣(そろそろ戻んないと怪しまれそうだ)
結衣(書置きしていくか。“お疲れ様 プリン冷蔵庫に入れておくね 結衣”……と)
結衣(さて、プリン置いて帰ろ……)
ガパ
結衣(え? 冷蔵庫に、ラムレーズン入ってる)
結衣(これって……)
結衣(……)
結衣(……っ)
・ ・ ・
綾乃「ふぁ……」
綾乃「あれ、私……寝ちゃってたのかしら……」
綾乃「あら? 何かしらこのメモ……。冷蔵庫にプリン……。船見さんから?」
ガパ
綾乃「ほんとだ、ラムレーズンの横にプリンが……。後で船見さんに、お礼言わないとね」
63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/14(金) 01:22:21.28 ID:16gPGL2z0
京子「結衣遅いなー……」
ちなつ「あ、結衣先輩からメール」
あかり「なになに?」
ちなつ「えっと、用事思い出したから帰る……だって」
京子「ええ? 用事?? 帰る???」
あかり「そっかぁ、残念だねぇ~」
京子「……何だよ結衣の奴」
64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/14(金) 01:24:25.24 ID:16gPGL2z0
・ ・ ・
■結衣の家
結衣「……あのラムレーズン、綾乃が京子から貰った奴だ」
結衣「私なら、あんなどこでも売ってるアイスじゃなくて」
結衣「綾乃のためだけに、いろんなもの作ってあげるのに」
結衣「なのに……なんで……」
結衣「なんで、なんで、」
結衣「なんで、私じゃないんだ……!」
結衣「京子より、私の方が……わたしの、方が……っ」
結衣「わたしだって、綾乃のこと、好きなのに……!」
66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/14(金) 01:26:17.36 ID:16gPGL2z0
ピンポーン
結衣(……誰? ってどうせ京子だろうな)
結衣(会いたくない……居留守使お)
ピンポーン
結衣(……)
ピンポーン
結衣(……はぁ)ピッ
あかり『結衣ちゃーん? 留守かなぁ……』
結衣「え……あかり!?」
あかり『あっ、よかったぁ、結衣ちゃんいたんだぁ。あの、ちなつちゃんからお菓子預かってきたんだぁ』
結衣「そ、そうか……。今開けるよ」
67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/14(金) 01:27:42.04 ID:16gPGL2z0
ガチャ
あかり「はい。これ、ちなつちゃんから」
結衣「ああ、わざわざありがとね」
あかり「……あの、結衣ちゃん」
結衣「うん?」
あかり「何か、辛いこと、あった?」
結衣「!」
あかり「あっ、あの、無いなら無いでいいの! あかりが勝手に思ってるだけで……言いたくなかったら、言わなくていいから」
結衣「……変なところで鋭いな、あかりは」
あかり「だって結衣ちゃん、目が真っ赤なんだもん。……泣いてたみたいに」
結衣「あ……」
あかり「あかりでよかったら、相談に乗るよ。話すだけで楽になるかもしれないし」
結衣「…………」
68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/14(金) 01:29:23.20 ID:16gPGL2z0
結衣「……私、好きな人がいるんだ」
あかり「うん」
結衣「でも、その人には私とは別に好きな人がいて……。それで、ちょっと、ね」
あかり「……そっかぁ」
結衣「私じゃ無理なのかなって思って、でも諦めたくなくて……」
あかり「結衣ちゃんは、ほんとにその人が好きなんだね」
結衣「え、あ、うん……まあ……///」
あかり「なら、結衣ちゃんの気持ち、その人に伝えなきゃ」
結衣「伝えるって……! む、無理だよ、そんなの」
70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/14(金) 01:31:02.87 ID:16gPGL2z0
あかり「どうして? ちゃんと言わなきゃ伝わらないよ。その人のこと取られちゃってもいいの?」
結衣「言っても困らせるだけだろ! もしかしたらって思ってたけど、やっぱり恋人なんか無理だ。私じゃアイツに勝てないんだよ!」
あかり「でも諦めたくないんでしょ!? ずっと片思いのままでもいいの!?」
結衣「……っ」
あかり「……じゃあ結衣ちゃん。今からお手本、見せてあげる」
結衣「え……」
あかり「……」スッ
あかり「結衣ちゃん、好きです」
71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/14(金) 01:32:01.05 ID:16gPGL2z0
結衣「……!」
あかり「結衣ちゃんに誰か好きな人いるのは知ってたけど、でもやっぱりあかりは、結衣ちゃんのことが好き」
結衣「……」
あかり「結衣ちゃん、好きな人のこと諦めて、あかりと付き合ってくれる?」
結衣「あかり……」
あかり「……」
結衣「ごめん」
あかり「…………えへへ、あかり振られちゃったぁ」
結衣「……あかりは、私の大切な“友達”だ」
あかり「そっかぁ。でも結衣ちゃん、あかり、ぜったい諦めないからねっ」
結衣「……ああ」
73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/14(金) 01:33:29.40 ID:16gPGL2z0
あかり「結衣ちゃんは、あかりに好きって言われて迷惑だったかな?」
結衣「いや……嬉しかった。そっか、そうだね。本当に好きなら、遠慮なんていらないよな」
あかり「そうだよっ! だから結衣ちゃんも、本気なら諦めちゃダメだよ」
結衣「うん。ありがとう、あかり」
あかり「もし振られちゃったら、あかりがなぐさめてあげるよぉ♪」
結衣「こら」コツ
あかり「あいたっ……えへへぇ」
75: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/14(金) 01:36:30.29 ID:16gPGL2z0
・ ・ ・
結衣「ほんとに、ありがとな……あかり。今日来てくれて」
あかり「ううん。好きな人のためだもん」
結衣「う……/// あんまり言われると恥ずかしいって」
あかり「えへへぇ♪ それじゃあね結衣ちゃん、また明日ね」
結衣「ああ、また明日」
バタン...
あかり「……」
あかり「…………」テクテク
79: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/14(金) 01:38:45.95 ID:16gPGL2z0
ちなつ「あかりちゃん」
あかり「あ……。ごめんね、待っててもらって」
ちなつ「ううん」
ぎゅ
あかり「わっ……」
ちなつ「勇気出せたね、あかりちゃん。偉い偉い」
あかり「…………う、ううぅ……ちなつ、ちゃん……」ポロポロ
ちなつ「よしよし」
あかり「やっぱり、ダメ、だったよぉ……」ポロポロ
ちなつ「あかりちゃん……」
あかり「ううっ、うあああああああああああん!!」
80: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/14(金) 01:40:31.12 ID:16gPGL2z0
次の日
■学校
結衣「昨日はごめんね、いきなり部活抜けちゃって」
京子「ホントだよ! 用事あるならあるで先に言えよな!」プンスカ
結衣「ごめんごめん……ところでさ京子」
京子「ん?」
結衣「京子は好きな人とかいる?」
京子「へ?」
結衣「私はいるよ」
京子「」
結衣「……悪いけど、早い者勝ちだから」
京子「ちょっちょちょちょっちょっちょ!!!??」
結衣「?」
京子「すきな? ひと? えっえっ? えっえっえっ???」
81: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/14(金) 01:41:51.20 ID:16gPGL2z0
京子「え、なに、どういうこと」
結衣「京子には負けないってこと」
京子「は? え? す、好きな人いんの? 結衣が?」
結衣「そうだけど……」
京子「……」
結衣「……まあ、そういうことだから」
京子「だ、誰! 誰だよ好きなやつ!!」
結衣「……ヒント、京子もよく知ってる人」
京子「あっ私か」
結衣「ねーよ」
京子「……」
結衣「ま、後は自分で考えろよ」
京子「ええっ!? ちょ、ちょっと待ってよ~」
・ ・ ・
85: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/14(金) 01:44:08.41 ID:16gPGL2z0
■生徒会室
コンコン
綾乃「はーい」
ガチャ
結衣「失礼します」
綾乃「あら? 船見さん?」
結衣「……綾乃、ちょっといいかな?」
綾乃「えーと」チラ
千歳「ええよー、残りはうちがやっとくから」
結衣「ごめんね千歳、綾乃借りるよ」
綾乃「悪いけどお願いね、千歳」
ガララ....
千歳「ふふ、綾乃ちゃんも大変やなぁ」
86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/14(金) 01:47:11.85 ID:16gPGL2z0
綾乃「えっと、何の用かしら?」
結衣「ちょっとついてきて」
・ ・ ・
■屋上
綾乃「屋上に何かあるの?」
結衣「まあ定番かなと思って」
綾乃「?」
結衣「……あ、綾乃っ」
綾乃「は、はい」
結衣「すー……はー……」
結衣「……っ」
結衣「…………すっ、好き、です」
87: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/14(金) 01:47:35.85 ID:16gPGL2z0
綾乃「……」
結衣「……」
綾乃「……え?」
結衣「わっ、私は、綾乃のことが、好き……です」
綾乃「…………あ、え、ええっ!?///」カァァ
結衣「……///」
綾乃「え、あ、あの、えええと……///」アワワ
結衣「あ、綾乃の気持ちは、知ってる……。京子が好きだってこと……」
綾乃「!?/// ベっ別に好きなんかじゃ……!」
結衣「好き……なんだよね?」
綾乃「あ、う…………うん……///」
結衣「やっぱりね。でも、綾乃が誰を好きでも、私の気持ちは変わらないから。だから……綾乃に告白することにしましたっ」
88: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/14(金) 01:48:44.77 ID:16gPGL2z0
綾乃「あ、あの……。船見さん、私……その、船見さんのこと、まだあんまり、知らなくて……」
結衣「うん。今までは京子や綾乃に遠慮して、あんまり話とかできなかったけど……これからは遠慮しないから」
綾乃「船見さん……」
結衣「それで、今は無理でも、いつか綾乃の気持ちが私に向いてくれるように頑張る」
綾乃「……」
結衣「……こんな話、迷惑だったかな」
綾乃「そ、そんなことないわ! ……す、好きだって言ってくれて……うれしかった、から……///」
結衣「そっか、よかった。嫌われたらどうしようって思っちゃった」
綾乃「嫌うなんてそんな……! 私のこと好いてくれる人を、そんな風に思ったりしないわ……!」
結衣「ありがと、綾乃。……やっぱ私、綾乃のこと大好きだ」
綾乃「なっ……! だだだい、すき、なんて、そんな……///」
結衣「ふふっ」
綾乃「な、なに笑ってるのよっ! こっちは余裕ありま温泉よ!!」
89: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/14(金) 01:49:47.01 ID:16gPGL2z0
結衣「もし綾乃が良ければ、もうちょっとこのまま綾乃と話してたいんだけど……。いいかな?」
綾乃「……はぁ、もう、今回だけ特別なんだからねっ」
結衣「ありがと」
綾乃「そういえば、船見さんから貰ったプリン……。あれって」
結衣「ああ、えっと、一応、ささやかなアタック……みたいな……///」
綾乃「くすっ。船見さんも意外とかわいいところあるのね」
結衣「うっ……それどういう意味」
綾乃「そのまんまの意味よ。でもお菓子作りもできるなんて、船見さんって結構万能なのね」
結衣「そんなことないよ、本見てレシピ通り作っただけだし。……また食べてもらったりしてもいいかな?」
綾乃「ええ、楽しみにしてるわ」
90: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/14(金) 01:51:24.74 ID:16gPGL2z0
結衣「それと……お願い、あるんだけど」
綾乃「何かしら?」
結衣「えっと、呼び方……」
綾乃「……あ」
結衣「私は呼び捨てだし……。綾乃が嫌なら、そのままでいいんだけど」
綾乃「ううん、そうね……。えっと、じゃあ……ゆ、結衣、さん」
結衣「……う、うんっ、ありがと……///」
綾乃「ど、どういたし、まして……///」
結衣「あの、綾乃……。これからも、よろしくね」
綾乃「……ええ。よろしく、結衣さんっ」
91: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/14(金) 01:53:32.55 ID:16gPGL2z0
・
・
・
綾乃「結衣さん、あの、これ。この間のプリンのお礼に」
結衣「マフィン? おいしそう……! ありがとう綾乃!」
綾乃「私も手作りに挑戦してみたんだけど……なかなか難しいのね」
結衣「手作り!? すごいな、ひとつ食べてみていい?」
綾乃「え、ええ」
結衣「……」モグモグ
綾乃「……」
結衣「……おいしい!」
綾乃「ほ、ほんと? よかった……」
94: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/14(金) 01:57:01.48 ID:16gPGL2z0
結衣「綾乃も料理上手なんだ」
綾乃「そんなこと……ていうか、この前結衣さんが料理教えてくれたおかげよ」
結衣「ううん、綾乃が上手だから――――」
綾乃「あなたの教え方が――――」
京子「なにアレ……」
千歳「歳納さんもうかうかしてられへんなぁ」
京子「むぅ~……!」
京子「おい結衣ー! 綾乃ー! 私にも食わせろおー!」
結衣「うわっ! こ、こら、これは私のだ!」
綾乃「ちょっと、食べかすこぼさないの!」
おわり
結衣「片思い授業中・・・」