1: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/09/28(金) 01:25:53.748 ID:QMu8umNT0.net
<家>
男(俺の嫁は今時珍しい純和風な女性だ。いつも和服で、清楚で、夫を立ててくれて……)
嫁「あなた、朝食の用意ができております」
男「お、ありがとう」
男(毎朝、朝食にはご飯にみそ汁、おかずが用意してくれてある。全くできた嫁だよ)
嫁「!」ハッ
嫁「あなた……動かないで」チャキッ
男(え、日本刀!?)
4: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/09/28(金) 01:28:51.469 ID:QMu8umNT0.net
嫁「はっ!」シュバッ
男「ぎょえっ!!!」
ハラ…
嫁「鼻毛が出ておりましたので……」
男「あ、ありがと……」
男(危うく漏らすとこだった……)
男「行ってきます」
嫁「行ってらっしゃいませ」カチッカチッ
男「いつも火打石をカチカチしてくれるけど、これどういう意味があるの?」
嫁「これは“切り火”と申しまして、厄除けの効果があるといわれております」
男「へぇ~」
男「一度、スーツに火がついて、大変なことになったけどね」
嫁「あれは……一生の不覚でございました……」
スタスタ…
男「……あ。忘れ物しちゃった」
男(どうしても必要ってわけじゃないけど、まだ時間あるし、取りに戻るか)クルッ
嫁「ふん! ふん! ふんっ!」ワシャワシャワシャワシャワシャ
男(洗濯板ですげえスピードで洗濯してらっしゃる!)
男(……見なかったことにしよう)クルッ
<会社>
男「おはようございまーす!」
ホカホカ…
男(あれ? 椅子があったかい……)
男「机にメモが置いてある……」
『温めておきました 妻より』
男(……どうやって!?)
昼休み――
男「お昼だー、お弁当食べよう」
同僚「おっ、愛妻弁当か。いいよなぁ、こちとらコンビニ弁当だぜ」
男「しかも……」
ドンッ!
同僚「重箱ときたか……!」
男「ただし中身は――」パカッ
同僚「あれ、意外と質素……」
男「このところ、出費がかさんでたし、給料前だからな」
同僚「それでも重箱に入れるあたり、夫への愛情を感じさせるな……」
男「そして、爪楊枝だけはどんな時でも高級品だ」
男「…………」シーシー
同僚「“武士は食わねど高楊枝”ってやつか……」
男(そういや、今度正式発表する新製品の資料、もらっておかないとな)
男(技術部にメール入れておこう)カタカタ…
シュコンッ!
ビィィィィン…
男「!?」
男(矢……!? 矢文!? いったいどこから――)
男(えぇっと……)ガサゴソ…
『お夕飯は何がよろしいですか? 妻より』
男(う~ん、達筆だなぁ)
男「晩飯は焼き魚がいいかなぁ」
男「って、これどう返事したらいいんだ……?」
シュコンッ!
ビィィィィン…
男「また!?」
ガサガサ…
『焼き魚、承りました』
男「どこ!? どこにいるの!?」キョロキョロ
<家>
男「ただいまー」
嫁「お帰りなさいませ」シズシズ…
男「あのさ、あの矢文はどこから撃ってたの?」
嫁「お風呂になさいます? それともご飯?」
男「矢文は……」
嫁「お風呂? それともご飯?」
男「矢文……」
嫁「お風呂? ご飯?」
男(どうやら答えるつもりはないようだ……)
嫁「耳掃除でもいかがです?」
男「ありがとう……」
男「すぅ、すぅ……」
嫁「あらあら、眠ってしまわれて」ホジホジ…
チュンチュン…
男「朝までやってたの!?」
嫁「はい……どうせやるなら徹底的にやろうと……」
男(――ん!?)
コラオキナサーイ… アトゴフーン…
男(隣の家の声が聞こえる……どんだけ俺、耳よくなってんだ……!?)
休日――
<家>
男(休みの日、俺の嫁はさまざまな“道”に取り組む)
男「あれ、今日は茶道かい?」
嫁「はい」シャカシャカシャカ
男「じゃあ、俺は軽くジョギングしてくるよ」
嫁「行ってらっしゃいませ」
男「ただいまー」
男「今日は思ったより暑くて、いっぱい汗かいちゃった」
嫁「こちらをどうぞ」スッ
男(今はお茶よりスポーツドリンクが飲みたいんだけどな……)ゴクッ
男「!」
男「ポカリだこれ!」
嫁「ポカリスエッ茶でございます」
男「ポカリスエッ茶!?」
プーン…
男「あっ、どこからか蝿が入り込んだな」
嫁「お任せ下さい」シュバババッ
男(花を活けてる!?)
食虫植物「キシャァァァァァッ!!!」バクンッ
嫁「うふふ、よくできました」
男(華道も極めてやがる!)
……
<家>
男「三日ほど出張してくるよ」
嫁「行ってらっしゃいませ」
嫁「あなたの無事を祈って、冷や水を浴びて祈願いたします」
男「そこまでしなくても、といいたいところだけど、それで君の気が済むなら……」
男「ただいまー」
嫁「あー……なー……たー……」ビッショリ…
男「おわっ!?」
嫁「お帰りな、さ……」ドシャッ…
男(体が冷えきってる……どんだけ水浴びしたんだ!?)
男「きゅ、救急車! 救急車ァ!」
そんなある日――
<電車>
ガタンゴトン…
男(今カバンの中には新製品の極秘資料が入ってる……)
男(絶対なくさないようにしなくちゃ……)
ドンッ!
男「わっ!」
乗客「すみません!」
男「こちらこそ、すみません!」
男(あー……ビックリした!)
<会社>
男「――あれ!? ない! ない!」
男「資料がなくなってる! ちゃんとカバンの中に入れておいたのに!」
課長「資料がない? 何をやっておるんだ!」
課長「あの資料がもしライバル社の手に渡りでもしたら、大変なことになるぞ!」
男「な、なんとか探し出しますっ!」
男(とはいえ、あてなんかあるわけない……どうしよう……)
<家>
男「ああ、このままじゃクビだ……」ガクッ
嫁「…………」
男「ダメな夫ですまない……」
嫁「諦めないで下さい、あなた」
男「しかし……」
嫁「機密資料、この私が見つけ出してみせますわ!」
男(見つかるわけないけど、励ましてくれてありがとう……)
嫁「…………」ガラッ
嫁「何年ぶりかしら、この装束を着るのは……」
嫁「鎖帷子を身につけると、なんだか闘志が湧いてくるわ……」チャラ…
嫁「いざ!」
シュタタタタタッ
嫁(あの人に限って、置き忘れたりなんてミスをするはずがない)
嫁(誰かに盗まれたに違いない)
嫁(となると、犯人は見えてくる……!)
ピョンッ ピョンッ ピョーンッ
通行人A「な、なんだ!? 屋根の上を誰かが走ってるぞ!」
通行人B「なにいってんだ? 忍者じゃあるまいし……」
通行人A「本当に見たんだって!」
<ライバル社>
上司「……よくやった」
産業スパイ「楽勝でしたよ。重要な資料を持っているというのに、スキだらけでした」
産業スパイ「電車の乗客に扮して、スリ取ってやりましたよ」
上司「あとはこの資料から、奴らの製品の情報を盗み取り、奴ら以上のものを作れば……」
「そこまでよ」
産業スパイ「だ、誰だ!?」
シュココココンッ
産業スパイ「手裏剣!?」
嫁「…………」シュタッ
上司「部外者がどうやってここまで入った!?」
嫁「重要な資料を盗んだっていうのに、スキだらけなセキュリティだったわね」
嫁「あなたたちが盗み取った資料……返してもらうわ」
産業スパイ「誰が返すか……。それより自分が無事に帰れるかどうかの心配をした方がいいぞ」パキポキ
産業スパイ「俺はこう見えて、肉体派なんでなァ!」ダッ
シュッ! ブンッ! ブオンッ!
嫁「たしかにいい動きだわ……。でも私から見れば」
嫁「素人(アマチュア)だわ」シュバッ
ドガッ!
産業スパイ「ぐ、ぐえぇ……」ドサッ
嫁「安心なさい、峰打ちよ」チャキッ
上司「あわわわ……!」
嫁「あなたたちは何も盗まなかった。私もここには来なかった。全てを忘れなさい」
嫁「死にたくなかったら、ね」
上司「は、はい……」
上司(はうう……忍者怖いよぉ……)ジョボボ…
<家>
嫁「あなた、資料を見つけましたよ」
男「ホント!? どこにあった!?」
嫁「えーと……家の中にございました。冷蔵庫の裏に落ちておりました」
男「あんなところに……。どうりで見つからないわけだ」
男「どうもありがとう! おかげでクビにならずに済むよ!」
嫁(私もおかげで久々にハッスルできました……)
数ヶ月後――
男(新製品は無事発売できたし、おかげでボーナスもたんまり出た!)
男(明細見たら、きっと喜ぶ――)
ヒュルルルル…
パァァァァン… パァァァァン…
男(俺の家から花火!?)
嫁「お帰りなさいませ」ベンベンベベンベンベベン
嫁「賞与を祝して、三味線を弾かせていただいております」ベベベンベベベン
嫁「半年間、お疲れ様でございました」ベンベンベベベベベンベンベン
ベンベンベベベン ベンベベン
男「あ、ありがとう……」
男「ふぅ~、ビールがうまい!」プハッ
嫁「今夜はご一緒させて頂きます」
男「あれ、珍しい。君も飲むのかい。いつもは俺が誘っても遠慮するのに」
嫁「たまにはよろしいかと思いまして。日本酒を……」チビッ
嫁「……おいし」
男(飲んでる姿も色っぽいなぁ、オイ)
嫁「…………」ホワァン…
嫁「あら……体が火照ってきちゃった」
男「無理ないよ。めったに飲まないから」
嫁「ううん……」
男「…………」ドキッ
嫁「ねえ、あなた、今夜は一緒に寝ましょう」
男「え、それってまさか――」ドキドキドキ…
嫁「寝技でございます!」
男「わぁーっ、やっぱりィ!」
嫁「えーいっ! 片羽絞め!」ガシッ
男「わーっ、絞まってる絞まってる! タップタップ!」パンパンッ
嫁「うふふふ、次はもっとすごい技を……」
男「ひぃええええっ!!!」
パンパンッ パンパンッ
おわり
元スレ
嫁「はっ!」シュバッ
男「ぎょえっ!!!」
ハラ…
嫁「鼻毛が出ておりましたので……」
男「あ、ありがと……」
男(危うく漏らすとこだった……)
9: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/09/28(金) 01:40:08.305 ID:QMu8umNT0.net
男「行ってきます」
嫁「行ってらっしゃいませ」カチッカチッ
男「いつも火打石をカチカチしてくれるけど、これどういう意味があるの?」
嫁「これは“切り火”と申しまして、厄除けの効果があるといわれております」
男「へぇ~」
男「一度、スーツに火がついて、大変なことになったけどね」
嫁「あれは……一生の不覚でございました……」
10: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/09/28(金) 01:41:23.391 ID:QMu8umNT0.net
スタスタ…
男「……あ。忘れ物しちゃった」
男(どうしても必要ってわけじゃないけど、まだ時間あるし、取りに戻るか)クルッ
嫁「ふん! ふん! ふんっ!」ワシャワシャワシャワシャワシャ
男(洗濯板ですげえスピードで洗濯してらっしゃる!)
男(……見なかったことにしよう)クルッ
11: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/09/28(金) 01:43:35.298 ID:QMu8umNT0.net
<会社>
男「おはようございまーす!」
ホカホカ…
男(あれ? 椅子があったかい……)
男「机にメモが置いてある……」
『温めておきました 妻より』
男(……どうやって!?)
12: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/09/28(金) 01:45:06.359 ID:QMu8umNT0.net
昼休み――
男「お昼だー、お弁当食べよう」
同僚「おっ、愛妻弁当か。いいよなぁ、こちとらコンビニ弁当だぜ」
男「しかも……」
ドンッ!
同僚「重箱ときたか……!」
13: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/09/28(金) 01:46:33.272 ID:QMu8umNT0.net
男「ただし中身は――」パカッ
同僚「あれ、意外と質素……」
男「このところ、出費がかさんでたし、給料前だからな」
同僚「それでも重箱に入れるあたり、夫への愛情を感じさせるな……」
男「そして、爪楊枝だけはどんな時でも高級品だ」
男「…………」シーシー
同僚「“武士は食わねど高楊枝”ってやつか……」
14: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/09/28(金) 01:48:29.872 ID:QMu8umNT0.net
男(そういや、今度正式発表する新製品の資料、もらっておかないとな)
男(技術部にメール入れておこう)カタカタ…
シュコンッ!
ビィィィィン…
男「!?」
男(矢……!? 矢文!? いったいどこから――)
16: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/09/28(金) 01:51:05.748 ID:QMu8umNT0.net
男(えぇっと……)ガサゴソ…
『お夕飯は何がよろしいですか? 妻より』
男(う~ん、達筆だなぁ)
男「晩飯は焼き魚がいいかなぁ」
男「って、これどう返事したらいいんだ……?」
17: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/09/28(金) 01:53:17.622 ID:QMu8umNT0.net
シュコンッ!
ビィィィィン…
男「また!?」
ガサガサ…
『焼き魚、承りました』
男「どこ!? どこにいるの!?」キョロキョロ
19: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/09/28(金) 01:56:31.006 ID:QMu8umNT0.net
<家>
男「ただいまー」
嫁「お帰りなさいませ」シズシズ…
男「あのさ、あの矢文はどこから撃ってたの?」
嫁「お風呂になさいます? それともご飯?」
男「矢文は……」
嫁「お風呂? それともご飯?」
男「矢文……」
嫁「お風呂? ご飯?」
男(どうやら答えるつもりはないようだ……)
20: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/09/28(金) 01:59:06.238 ID:QMu8umNT0.net
嫁「耳掃除でもいかがです?」
男「ありがとう……」
男「すぅ、すぅ……」
嫁「あらあら、眠ってしまわれて」ホジホジ…
チュンチュン…
男「朝までやってたの!?」
嫁「はい……どうせやるなら徹底的にやろうと……」
男(――ん!?)
コラオキナサーイ… アトゴフーン…
男(隣の家の声が聞こえる……どんだけ俺、耳よくなってんだ……!?)
21: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/09/28(金) 02:01:04.203 ID:QMu8umNT0.net
休日――
<家>
男(休みの日、俺の嫁はさまざまな“道”に取り組む)
男「あれ、今日は茶道かい?」
嫁「はい」シャカシャカシャカ
男「じゃあ、俺は軽くジョギングしてくるよ」
嫁「行ってらっしゃいませ」
23: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/09/28(金) 02:03:56.287 ID:QMu8umNT0.net
男「ただいまー」
男「今日は思ったより暑くて、いっぱい汗かいちゃった」
嫁「こちらをどうぞ」スッ
男(今はお茶よりスポーツドリンクが飲みたいんだけどな……)ゴクッ
男「!」
男「ポカリだこれ!」
嫁「ポカリスエッ茶でございます」
男「ポカリスエッ茶!?」
24: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/09/28(金) 02:06:12.133 ID:QMu8umNT0.net
プーン…
男「あっ、どこからか蝿が入り込んだな」
嫁「お任せ下さい」シュバババッ
男(花を活けてる!?)
食虫植物「キシャァァァァァッ!!!」バクンッ
嫁「うふふ、よくできました」
男(華道も極めてやがる!)
26: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/09/28(金) 02:10:13.628 ID:QMu8umNT0.net
……
<家>
男「三日ほど出張してくるよ」
嫁「行ってらっしゃいませ」
嫁「あなたの無事を祈って、冷や水を浴びて祈願いたします」
男「そこまでしなくても、といいたいところだけど、それで君の気が済むなら……」
27: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/09/28(金) 02:12:09.256 ID:QMu8umNT0.net
男「ただいまー」
嫁「あー……なー……たー……」ビッショリ…
男「おわっ!?」
嫁「お帰りな、さ……」ドシャッ…
男(体が冷えきってる……どんだけ水浴びしたんだ!?)
男「きゅ、救急車! 救急車ァ!」
28: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/09/28(金) 02:15:04.437 ID:QMu8umNT0.net
そんなある日――
<電車>
ガタンゴトン…
男(今カバンの中には新製品の極秘資料が入ってる……)
男(絶対なくさないようにしなくちゃ……)
ドンッ!
男「わっ!」
乗客「すみません!」
男「こちらこそ、すみません!」
男(あー……ビックリした!)
29: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/09/28(金) 02:17:18.507 ID:QMu8umNT0.net
<会社>
男「――あれ!? ない! ない!」
男「資料がなくなってる! ちゃんとカバンの中に入れておいたのに!」
課長「資料がない? 何をやっておるんだ!」
課長「あの資料がもしライバル社の手に渡りでもしたら、大変なことになるぞ!」
男「な、なんとか探し出しますっ!」
男(とはいえ、あてなんかあるわけない……どうしよう……)
30: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/09/28(金) 02:19:48.340 ID:QMu8umNT0.net
<家>
男「ああ、このままじゃクビだ……」ガクッ
嫁「…………」
男「ダメな夫ですまない……」
嫁「諦めないで下さい、あなた」
男「しかし……」
嫁「機密資料、この私が見つけ出してみせますわ!」
男(見つかるわけないけど、励ましてくれてありがとう……)
31: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/09/28(金) 02:22:39.019 ID:QMu8umNT0.net
嫁「…………」ガラッ
嫁「何年ぶりかしら、この装束を着るのは……」
嫁「鎖帷子を身につけると、なんだか闘志が湧いてくるわ……」チャラ…
嫁「いざ!」
34: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/09/28(金) 02:26:01.801 ID:QMu8umNT0.net
シュタタタタタッ
嫁(あの人に限って、置き忘れたりなんてミスをするはずがない)
嫁(誰かに盗まれたに違いない)
嫁(となると、犯人は見えてくる……!)
ピョンッ ピョンッ ピョーンッ
通行人A「な、なんだ!? 屋根の上を誰かが走ってるぞ!」
通行人B「なにいってんだ? 忍者じゃあるまいし……」
通行人A「本当に見たんだって!」
35: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/09/28(金) 02:29:09.977 ID:QMu8umNT0.net
<ライバル社>
上司「……よくやった」
産業スパイ「楽勝でしたよ。重要な資料を持っているというのに、スキだらけでした」
産業スパイ「電車の乗客に扮して、スリ取ってやりましたよ」
上司「あとはこの資料から、奴らの製品の情報を盗み取り、奴ら以上のものを作れば……」
「そこまでよ」
36: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/09/28(金) 02:31:09.203 ID:QMu8umNT0.net
産業スパイ「だ、誰だ!?」
シュココココンッ
産業スパイ「手裏剣!?」
嫁「…………」シュタッ
上司「部外者がどうやってここまで入った!?」
嫁「重要な資料を盗んだっていうのに、スキだらけなセキュリティだったわね」
嫁「あなたたちが盗み取った資料……返してもらうわ」
39: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/09/28(金) 02:34:19.768 ID:QMu8umNT0.net
産業スパイ「誰が返すか……。それより自分が無事に帰れるかどうかの心配をした方がいいぞ」パキポキ
産業スパイ「俺はこう見えて、肉体派なんでなァ!」ダッ
シュッ! ブンッ! ブオンッ!
嫁「たしかにいい動きだわ……。でも私から見れば」
嫁「素人(アマチュア)だわ」シュバッ
ドガッ!
産業スパイ「ぐ、ぐえぇ……」ドサッ
嫁「安心なさい、峰打ちよ」チャキッ
40: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/09/28(金) 02:36:08.100 ID:QMu8umNT0.net
上司「あわわわ……!」
嫁「あなたたちは何も盗まなかった。私もここには来なかった。全てを忘れなさい」
嫁「死にたくなかったら、ね」
上司「は、はい……」
上司(はうう……忍者怖いよぉ……)ジョボボ…
42: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/09/28(金) 02:40:13.188 ID:QMu8umNT0.net
<家>
嫁「あなた、資料を見つけましたよ」
男「ホント!? どこにあった!?」
嫁「えーと……家の中にございました。冷蔵庫の裏に落ちておりました」
男「あんなところに……。どうりで見つからないわけだ」
男「どうもありがとう! おかげでクビにならずに済むよ!」
嫁(私もおかげで久々にハッスルできました……)
43: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/09/28(金) 02:43:09.374 ID:QMu8umNT0.net
数ヶ月後――
男(新製品は無事発売できたし、おかげでボーナスもたんまり出た!)
男(明細見たら、きっと喜ぶ――)
ヒュルルルル…
パァァァァン… パァァァァン…
男(俺の家から花火!?)
44: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/09/28(金) 02:45:08.052 ID:QMu8umNT0.net
嫁「お帰りなさいませ」ベンベンベベンベンベベン
嫁「賞与を祝して、三味線を弾かせていただいております」ベベベンベベベン
嫁「半年間、お疲れ様でございました」ベンベンベベベベベンベンベン
ベンベンベベベン ベンベベン
男「あ、ありがとう……」
45: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/09/28(金) 02:48:03.416 ID:QMu8umNT0.net
男「ふぅ~、ビールがうまい!」プハッ
嫁「今夜はご一緒させて頂きます」
男「あれ、珍しい。君も飲むのかい。いつもは俺が誘っても遠慮するのに」
嫁「たまにはよろしいかと思いまして。日本酒を……」チビッ
嫁「……おいし」
男(飲んでる姿も色っぽいなぁ、オイ)
46: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/09/28(金) 02:51:38.500 ID:QMu8umNT0.net
嫁「…………」ホワァン…
嫁「あら……体が火照ってきちゃった」
男「無理ないよ。めったに飲まないから」
嫁「ううん……」
男「…………」ドキッ
嫁「ねえ、あなた、今夜は一緒に寝ましょう」
男「え、それってまさか――」ドキドキドキ…
48: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/09/28(金) 02:54:16.088 ID:QMu8umNT0.net
嫁「寝技でございます!」
男「わぁーっ、やっぱりィ!」
嫁「えーいっ! 片羽絞め!」ガシッ
男「わーっ、絞まってる絞まってる! タップタップ!」パンパンッ
嫁「うふふふ、次はもっとすごい技を……」
男「ひぃええええっ!!!」
パンパンッ パンパンッ
おわり
男「俺の嫁が和風すぎて困る」