1: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/07/02(日) 01:44:41.235 ID:3Dj0Dy0X0.net
マルティエル「……」
マルティエル「お嬢様、今、なんとおっしゃいましたか?」
ラフィエル「マルティエルを解雇する、と言ったんです」
マルティエル「……?」
マルティエル「すみません、やはりおっしゃる意味が…」
ラフィエル「本当に、わからないんですか?」
ラフィエル「自分の胸に手を当てて、よーく考えてください」
ラフィエル「何か心当たりはありませんか?」
マルティエル「心当たり…」
2: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/07/02(日) 01:45:11.964 ID:3Dj0Dy0X0.net
ラフィエル「私は昨日、久しぶりに天界に帰ってきました」
ラフィエル「疲れた体を休ませるためにお風呂に入りましたね」
マルティエル「はい、衣類は丁寧に洗濯させていただきました」
ラフィエル「無いんですよ」
マルティエル「はい?」
ラフィエル「下着が無いんですよ。考えられる原因としては誰かが盗んだとしか……」チラッ
マルティエル「……」ゾクゾク
マルティエル「申し訳ございません、お嬢様!」ペコリ
ラフィエル「…白状しますか」
マルティエル「盗もうとしたわけではありません!下着はお嬢様の身体に一番密接する衣類、もし洗濯が不十分だったらと思うと居ても立ってもいられなくなり、手洗いをしようと思って分けて置いていただけで…」
ラフィエル「………」プルプル
ラフィエル「そこまでしなくていいんですよー?本当に変態ですね?」
マルティエル「もったいないお言葉です」ゾクゾクッ
ラフィエル「前々から思っていたことですが、あなたの行動は執事として行き過ぎています」
ラフィエル「これからもっとエスカレートして、私やサラちゃんに被害がおよぶ可能性もあります」
ラフィエル「それを考えて、執事を辞めてもらおうというと決めました」
マルティエル「そんな……」
ラフィエル「まだお父様たちには話していませんが、仕事から帰ってきたら言うつもりです」
マルティエル「本気、なんですね…」
ラフィエル「今までの行動を積み重ねてきたら、当然のことですよね?」
マルティエル「わかりました…今日は帰らせていただきます」トボトボ
ラフィエル「……はい。さようなら……」
ラフィエル「……マルティエル……」
ラフィエル「さて、と……」
ラフィエル「新しいお手伝いさんが見つかるまでは、自分のできる範囲で家事をしなくてはいけませんね」
ラフィエル「ええと、今日もお父様とお母様はお仕事…サラちゃんはお友達の家でお泊りですか」
ラフィエル「話し相手もいない、だだっ広いお屋敷に一人…」
ラフィエル「暇ですね…」
ラフィエル「……ガヴちゃんのところにでも行ってみますか」
~ガヴリールの家~
ラフィエル「……ということがあったんですよ」
ガヴリール「へー…。そっちも色々大変なんだな」
ガヴリール「執事がいるなんて、掃除とか楽そうでいいけどなー」
ラフィエル「まあ、業務を全うしてくれるのはいいんですけどね…」
ラフィエル「それ以上に変態的行為が目立つというか…」
ガヴリール「まあ…お前が言うなって感じだけどな」
ラフィエル「え?どういうことですか?」キョトン
ガヴリール「いや、だってさ、ラフィだってサターニャに付きまとってるじゃんか」
ラフィエル「うっ…それは、サターニャさんを観察してると楽しいからで…」
ガヴリール「ふーん…。私からしたら、どっちも大差ないように思えるけどな」
ラフィエル「そう、なんでしょうか……」
ガヴリール「ラフィはサターニャといると楽しいから付きまとってるんだろ?その人もラフィといるのが楽しいんじゃないか?」
ラフィエル「…確かに、私と居る時のマルティエルは生き生きとしてますね」
ガヴリール「ま、その人だって悪気があるわけじゃなさそうだしさ、ちょっと考え直してみてもいいんじゃない?」
ラフィエル「ガヴちゃん…意外とちゃんと相談に乗ってくれるんですね」
ガヴリール「意外とってなんだよ…天界にいる時くらい天使らしくしてみたいんだよ」
ガヴリール「まあとにかく、また何かあったら相談してよ」
ラフィエル「そうですね…これからのこと、ちょっと考えてみます」
~夜~
ラフィエル(家族はみな出かけているので、晩御飯は一人で食べることになります)
ラフィエル(天界で暮らしていたころは料理が苦手でしたが、下界で暮らすようになってからそれなりのものは作れるようになりました)
ラフィエル(同じ食事のはずなのに、大きな広間で一人で食べると冷たくて無機質な感じがします)
ラフィエル(お風呂…着替えを狙うマルティエルはいません)
ラフィエル(本当に静か…これが普通のことなのに、なんだか違和感がありますね)
ラフィエル(夜の暗さも相まって、少し怖くなってきました…)
ラフィエル(今夜、一人で寝られるでしょうか…)
~寝室~
ラフィエル(この大きな屋敷に、今夜は私一人)
ラフィエル(月明りだけが不気味に照らす部屋。どことなく不安を煽る夜)
ラフィエル(心細いです…)
ラフィエル「うっ…ぐすっ…」
ラフィエル「なんだか、やっぱり、……寂しいです」
ラフィエル「一人でいるのが、こんなにも寂しいことだったなんて…」
ラフィエル「マルティエル…」
マルティエル「はい、お嬢様」
ラフィエル「たしか昔は、こういう眠れないときに絵本を読んでくれてましたね……」
ラフィエル「ううっ………ぐすっ……」
ラフィエル「家にいるのにホームシックにかかるなんて、おかしいですね…」
ラフィエル「マルティエル……帰ってきてください…」
マルティエル「はい、ここにいますよ、お嬢様」
ラフィエル「解雇するなんて言ってごめんなさい……今すぐ戻ってきて……」
ラフィエル「………」
ラフィエル「え?マルティエル?」
マルティエル「はい」
ラフィエル「…暗くてよくわからないけれど、そこにいるんですか?」
マルティエル「はい、お嬢様のそばにいます」
ラフィエル「………」
ラフィエル「きゃああああああああああああ!!」ガバッ
マルティエル「お嬢様!?どうしたんですか!?」
ラフィエル「急に現れないでください!!びっくりするじゃないですか!!」ドキドキ
マルティエル「申し訳ございません!」
部屋の電気をつけて、マルティエルの淹れた紅茶を飲む二人。
ラフィエル「……で」ニッコリ
マルティエル「はい」ゾクゾク
ラフィエル「どうしてここにいるんですか?」
マルティエル「はい…どうしてもお嬢様の様子が気になってしまって」
マルティエル「今日はご両親も妹さんもお留守、屋敷にはお嬢様一人になってしまいます」
マルティエル「もしものことがあったら、と思うと心配で…すみません、勝手なことをしました」
ラフィエル「…私のためを想ってのことです。責めるつもりはありません」
マルティエル(責められたい)
ラフィエル「ですが、勝手にこの屋敷に、この部屋に忍び込んだのも事実」
ラフィエル「この処分、どうしましょうか……」ジロッ
マルティエル「ゾクゾク」ゾクゾク
ラフィエル「マルティエル」
マルティエル「…はい」
ラフィエル「私は一度、あなたを解雇しようとしました」
マルティエル「……はい」ショボン
ラフィエル「ですが、それでは色々と不具合が生じるとわかりました。……主に私の心に」ボソッ
ラフィエル「…仕方ないですね。本当に、これだけはしたくなかったんですが」
ラフィエル「再雇用……ということで、もう一度ここで働いてもらえませんか?」
マルティエル「……!!」パァァ
マルティエル「お嬢様……!本当ですか…?」
ラフィエル「変態的行為を抑えてくれるなら……ですけどね」
マルティエル「…善処します」
ラフィエル「…その様子じゃ、あまり信用できませんが」
ラフィエル「まあ、これからもよろしくお願いしますね」ニコッ
マルティエル「はいっ!」キラキラ
ラフィエル「ところで、さっきから気になっていたんですが」
ラフィエル「小脇に抱えている本は何ですか?」
マルティエル「ああ、これはですね……昔読んでいた童話集です」ピラッ
ラフィエル「わあ、懐かしい…よく寝る前に読んでくれていましたね」
マルティエル「これをお読みすれば、少しでも不安を和らげられるかと思って…」
ラフィエル「もう、私はもうそんな子供じゃありませんよ?」プクーッ
ラフィエル「…まあでも、今回はその心遣いに感謝して…私の枕元で朗読することを許可します」
マルティエル「ありがとうございます、お嬢様…ふふっ」
ラフィエル「何を笑っているんですか?私はベッドに入るんで、早く読んでください」
マルティエル「はい、わかりました。お嬢様が一番好きだったお話を読ませていただきます……」
~朝~
ラフィエル「ふぁあ…」
ラフィエル(なんだか、いつもよりよく眠れましたね…本を読んでもらって、安心したからでしょうか)
ラフィエル(ワガママを聞いてくれたマルティエルには感謝しなくちゃですね…)
ラフィエル(んん?隣に誰かいるような気配が…)ゴソゴソ
ラフィエル「……」
マルティエル「おはようございます、お嬢様」
ラフィエル「マルティエル?」
マルティエル「はい、お嬢様」
ラフィエル「どうして一緒のベッドで寝ているんですか?」ピキピキ
マルティエル「お嬢様がお一人で寂しいかと思って…」
ラフィエル「…………」プルプル
ラフィエル「早く出てください、この変態執事!」
マルティエル「申し訳ございません、お嬢様っ」ゾクゾクゾクッ
ラフィエル「申し訳ないと思うなら、今すぐ起きて朝食を作ってきてください!」
マルティエル「はい、かしこまりましたっ!」タタタッ
ラフィエル「……はあ」
ラフィエル「まったく、マルティエルには困ったものです」
ラフィエル「…でも」
ラフィエル「ずっと私のそばにいて、見守っていてくれていたんですよね」
ラフィエル「今までは気にしたことがありませんでしたが…大切な、かけがえのない存在だったんですね」
ラフィエル「これからもずっと、私の執事でいてくだs……」
ラフィエル「……」
マルティエル「……」ジーッ
ラフィエル「カメラを持って何を覗いているんですか、マルティエル?」
マルティエル「お嬢様の心からの告白を、大事な思い出として記録しておこうと……」
ラフィエル「…………」プルプル
ラフィエル「もうっ、やっぱりマルティエルなんて解雇ですーっ!!」
完
ありがとうございました。ラフィエルもマルティエルのこと好きそうだと思います。
元スレ
ラフィエル「私は昨日、久しぶりに天界に帰ってきました」
ラフィエル「疲れた体を休ませるためにお風呂に入りましたね」
マルティエル「はい、衣類は丁寧に洗濯させていただきました」
ラフィエル「無いんですよ」
マルティエル「はい?」
ラフィエル「下着が無いんですよ。考えられる原因としては誰かが盗んだとしか……」チラッ
マルティエル「……」ゾクゾク
3: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/07/02(日) 01:45:43.875 ID:3Dj0Dy0X0.net
マルティエル「申し訳ございません、お嬢様!」ペコリ
ラフィエル「…白状しますか」
マルティエル「盗もうとしたわけではありません!下着はお嬢様の身体に一番密接する衣類、もし洗濯が不十分だったらと思うと居ても立ってもいられなくなり、手洗いをしようと思って分けて置いていただけで…」
ラフィエル「………」プルプル
ラフィエル「そこまでしなくていいんですよー?本当に変態ですね?」
マルティエル「もったいないお言葉です」ゾクゾクッ
5: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/07/02(日) 01:46:35.143 ID:3Dj0Dy0X0.net
ラフィエル「前々から思っていたことですが、あなたの行動は執事として行き過ぎています」
ラフィエル「これからもっとエスカレートして、私やサラちゃんに被害がおよぶ可能性もあります」
ラフィエル「それを考えて、執事を辞めてもらおうというと決めました」
マルティエル「そんな……」
ラフィエル「まだお父様たちには話していませんが、仕事から帰ってきたら言うつもりです」
マルティエル「本気、なんですね…」
ラフィエル「今までの行動を積み重ねてきたら、当然のことですよね?」
マルティエル「わかりました…今日は帰らせていただきます」トボトボ
ラフィエル「……はい。さようなら……」
ラフィエル「……マルティエル……」
6: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/07/02(日) 01:47:04.230 ID:3Dj0Dy0X0.net
ラフィエル「さて、と……」
ラフィエル「新しいお手伝いさんが見つかるまでは、自分のできる範囲で家事をしなくてはいけませんね」
ラフィエル「ええと、今日もお父様とお母様はお仕事…サラちゃんはお友達の家でお泊りですか」
ラフィエル「話し相手もいない、だだっ広いお屋敷に一人…」
ラフィエル「暇ですね…」
ラフィエル「……ガヴちゃんのところにでも行ってみますか」
7: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/07/02(日) 01:48:20.458 ID:3Dj0Dy0X0.net
~ガヴリールの家~
ラフィエル「……ということがあったんですよ」
ガヴリール「へー…。そっちも色々大変なんだな」
ガヴリール「執事がいるなんて、掃除とか楽そうでいいけどなー」
ラフィエル「まあ、業務を全うしてくれるのはいいんですけどね…」
ラフィエル「それ以上に変態的行為が目立つというか…」
ガヴリール「まあ…お前が言うなって感じだけどな」
ラフィエル「え?どういうことですか?」キョトン
9: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/07/02(日) 01:51:21.380 ID:3Dj0Dy0X0.net
ガヴリール「いや、だってさ、ラフィだってサターニャに付きまとってるじゃんか」
ラフィエル「うっ…それは、サターニャさんを観察してると楽しいからで…」
ガヴリール「ふーん…。私からしたら、どっちも大差ないように思えるけどな」
ラフィエル「そう、なんでしょうか……」
ガヴリール「ラフィはサターニャといると楽しいから付きまとってるんだろ?その人もラフィといるのが楽しいんじゃないか?」
ラフィエル「…確かに、私と居る時のマルティエルは生き生きとしてますね」
ガヴリール「ま、その人だって悪気があるわけじゃなさそうだしさ、ちょっと考え直してみてもいいんじゃない?」
ラフィエル「ガヴちゃん…意外とちゃんと相談に乗ってくれるんですね」
ガヴリール「意外とってなんだよ…天界にいる時くらい天使らしくしてみたいんだよ」
ガヴリール「まあとにかく、また何かあったら相談してよ」
ラフィエル「そうですね…これからのこと、ちょっと考えてみます」
10: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/07/02(日) 01:52:19.075 ID:3Dj0Dy0X0.net
~夜~
ラフィエル(家族はみな出かけているので、晩御飯は一人で食べることになります)
ラフィエル(天界で暮らしていたころは料理が苦手でしたが、下界で暮らすようになってからそれなりのものは作れるようになりました)
ラフィエル(同じ食事のはずなのに、大きな広間で一人で食べると冷たくて無機質な感じがします)
ラフィエル(お風呂…着替えを狙うマルティエルはいません)
ラフィエル(本当に静か…これが普通のことなのに、なんだか違和感がありますね)
ラフィエル(夜の暗さも相まって、少し怖くなってきました…)
ラフィエル(今夜、一人で寝られるでしょうか…)
11: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/07/02(日) 01:53:06.489 ID:3Dj0Dy0X0.net
~寝室~
ラフィエル(この大きな屋敷に、今夜は私一人)
ラフィエル(月明りだけが不気味に照らす部屋。どことなく不安を煽る夜)
ラフィエル(心細いです…)
ラフィエル「うっ…ぐすっ…」
ラフィエル「なんだか、やっぱり、……寂しいです」
ラフィエル「一人でいるのが、こんなにも寂しいことだったなんて…」
ラフィエル「マルティエル…」
マルティエル「はい、お嬢様」
12: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/07/02(日) 01:54:12.446 ID:3Dj0Dy0X0.net
ラフィエル「たしか昔は、こういう眠れないときに絵本を読んでくれてましたね……」
ラフィエル「ううっ………ぐすっ……」
ラフィエル「家にいるのにホームシックにかかるなんて、おかしいですね…」
ラフィエル「マルティエル……帰ってきてください…」
マルティエル「はい、ここにいますよ、お嬢様」
ラフィエル「解雇するなんて言ってごめんなさい……今すぐ戻ってきて……」
13: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/07/02(日) 01:55:04.211 ID:3Dj0Dy0X0.net
ラフィエル「………」
ラフィエル「え?マルティエル?」
マルティエル「はい」
ラフィエル「…暗くてよくわからないけれど、そこにいるんですか?」
マルティエル「はい、お嬢様のそばにいます」
ラフィエル「………」
ラフィエル「きゃああああああああああああ!!」ガバッ
マルティエル「お嬢様!?どうしたんですか!?」
ラフィエル「急に現れないでください!!びっくりするじゃないですか!!」ドキドキ
マルティエル「申し訳ございません!」
14: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/07/02(日) 01:56:31.375 ID:3Dj0Dy0X0.net
部屋の電気をつけて、マルティエルの淹れた紅茶を飲む二人。
ラフィエル「……で」ニッコリ
マルティエル「はい」ゾクゾク
ラフィエル「どうしてここにいるんですか?」
マルティエル「はい…どうしてもお嬢様の様子が気になってしまって」
マルティエル「今日はご両親も妹さんもお留守、屋敷にはお嬢様一人になってしまいます」
マルティエル「もしものことがあったら、と思うと心配で…すみません、勝手なことをしました」
ラフィエル「…私のためを想ってのことです。責めるつもりはありません」
マルティエル(責められたい)
ラフィエル「ですが、勝手にこの屋敷に、この部屋に忍び込んだのも事実」
ラフィエル「この処分、どうしましょうか……」ジロッ
マルティエル「ゾクゾク」ゾクゾク
16: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/07/02(日) 01:57:31.685 ID:3Dj0Dy0X0.net
ラフィエル「マルティエル」
マルティエル「…はい」
ラフィエル「私は一度、あなたを解雇しようとしました」
マルティエル「……はい」ショボン
ラフィエル「ですが、それでは色々と不具合が生じるとわかりました。……主に私の心に」ボソッ
ラフィエル「…仕方ないですね。本当に、これだけはしたくなかったんですが」
ラフィエル「再雇用……ということで、もう一度ここで働いてもらえませんか?」
マルティエル「……!!」パァァ
マルティエル「お嬢様……!本当ですか…?」
ラフィエル「変態的行為を抑えてくれるなら……ですけどね」
マルティエル「…善処します」
ラフィエル「…その様子じゃ、あまり信用できませんが」
ラフィエル「まあ、これからもよろしくお願いしますね」ニコッ
マルティエル「はいっ!」キラキラ
18: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/07/02(日) 01:58:18.157 ID:3Dj0Dy0X0.net
ラフィエル「ところで、さっきから気になっていたんですが」
ラフィエル「小脇に抱えている本は何ですか?」
マルティエル「ああ、これはですね……昔読んでいた童話集です」ピラッ
ラフィエル「わあ、懐かしい…よく寝る前に読んでくれていましたね」
マルティエル「これをお読みすれば、少しでも不安を和らげられるかと思って…」
ラフィエル「もう、私はもうそんな子供じゃありませんよ?」プクーッ
ラフィエル「…まあでも、今回はその心遣いに感謝して…私の枕元で朗読することを許可します」
マルティエル「ありがとうございます、お嬢様…ふふっ」
ラフィエル「何を笑っているんですか?私はベッドに入るんで、早く読んでください」
マルティエル「はい、わかりました。お嬢様が一番好きだったお話を読ませていただきます……」
19: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/07/02(日) 01:59:05.806 ID:3Dj0Dy0X0.net
~朝~
ラフィエル「ふぁあ…」
ラフィエル(なんだか、いつもよりよく眠れましたね…本を読んでもらって、安心したからでしょうか)
ラフィエル(ワガママを聞いてくれたマルティエルには感謝しなくちゃですね…)
ラフィエル(んん?隣に誰かいるような気配が…)ゴソゴソ
ラフィエル「……」
マルティエル「おはようございます、お嬢様」
ラフィエル「マルティエル?」
マルティエル「はい、お嬢様」
21: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/07/02(日) 01:59:28.563 ID:3Dj0Dy0X0.net
ラフィエル「どうして一緒のベッドで寝ているんですか?」ピキピキ
マルティエル「お嬢様がお一人で寂しいかと思って…」
ラフィエル「…………」プルプル
ラフィエル「早く出てください、この変態執事!」
マルティエル「申し訳ございません、お嬢様っ」ゾクゾクゾクッ
ラフィエル「申し訳ないと思うなら、今すぐ起きて朝食を作ってきてください!」
マルティエル「はい、かしこまりましたっ!」タタタッ
23: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/07/02(日) 02:00:20.398 ID:3Dj0Dy0X0.net
ラフィエル「……はあ」
ラフィエル「まったく、マルティエルには困ったものです」
ラフィエル「…でも」
ラフィエル「ずっと私のそばにいて、見守っていてくれていたんですよね」
ラフィエル「今までは気にしたことがありませんでしたが…大切な、かけがえのない存在だったんですね」
ラフィエル「これからもずっと、私の執事でいてくだs……」
ラフィエル「……」
マルティエル「……」ジーッ
ラフィエル「カメラを持って何を覗いているんですか、マルティエル?」
マルティエル「お嬢様の心からの告白を、大事な思い出として記録しておこうと……」
ラフィエル「…………」プルプル
ラフィエル「もうっ、やっぱりマルティエルなんて解雇ですーっ!!」
完
25: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/07/02(日) 02:02:08.024 ID:3Dj0Dy0X0.net
ありがとうございました。ラフィエルもマルティエルのこと好きそうだと思います。
ラフィエル「マルティエルを解雇します」
ヴィーネ「どうしたのサターニャ?地上に帰ってくるなり困った顔してるけど」
サターニャ「なんか知らない天使にいきなり"頑張ってください、期待しています"とか言われたわ…」
ヴィーネ「ふーん?」