3: 名無しで叶える物語 2020/11/05(木) 23:35:38.98 ID:Pp6VFAe1.net

花陽 モグモグ

穂乃果 「……今日も花陽ちゃん、おにぎり食べてるね」

海未 「はぁ、またダイエットすることにならないか心配です」

凛 「そこは大丈夫だよ! 凛がかよちんのおにぎり量を管理してるから!」

にこ 「おにぎり量って」

希 「それにしても花陽ちゃんは本当にお米が好きなんやなぁ……美味しいってのはもちろんだろうけど、それにしてもお米ばっか食べてるイメージやね。なんでそんなに好きなん?」

絵里 「あっ、それ私も気になってた。もしかして特別なエピソードでもあるの?」



4: 名無しで叶える物語 2020/11/05(木) 23:36:32.00 ID:Pp6VFAe1.net

花陽 モグモグ

花陽 パクッ

花陽 「ごちそうさまでした!」 テアワセテ

花陽 「ありますよ、エピソード」

絵里 「えっ、本当!?」

花陽 「あれは私が小学三年生の頃のピクニックのことだったかなぁ……私、みんなとはぐれちゃって、遭難してしまったんです」

凛 「あれは凛も慌てたにゃ」

花陽 「当時はまだまだ子供で、遭難したらその場を動かない方がいい、というのも知らなくて。途方もなく彷徨ってしまって……気が付いたら見知らぬ湖に辿り着いてました」

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6: 名無しで叶える物語 2020/11/05(木) 23:37:26.53 ID:Pp6VFAe1.net

花陽(9) 「うぇぇーーん!! 凛ちゃーーん! ママーー!!」 ポロポロ

花陽(9) 「もう私……死んじゃうのかなぁ。死んじゃうならせめて美味しいもの、たらふく食べたかったなぁ」

??? 「大丈夫かい、お嬢さん?」

花陽(9) 「えっ!? ……あ、あの、どちら様ですか?」

??? 「私かい? 私は」

米神 「お米の神様だよ」

花陽(9) 「あべひろし……?」

米神 「ああ、またその名前を聞くとは。そんなに似てるかなぁ……阿部寛さんではないよ。私はお米の神様、お米の素晴らしさを布教して回る神様さ」

花陽(9) 「お米の神様……?」



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7: 名無しで叶える物語 2020/11/05(木) 23:38:21.58 ID:Pp6VFAe1.net

にこ 「ちょっと待ちなさいよ!?」

花陽 「えっ?」

にこ 「お米の神様ってなに!? しかも普段食べてる主食の神様が阿部寛似なの!?」

凛 「凛もこの話はじめて聞いたとき同じところで同じ反応したなぁ」

花陽 「はい、今でも鮮明に覚えてます。阿部寛さんにそっくりでした」

絵里 「ハラショー!! 神様に実際会えるなんてとんでもないエピソードよ! すごいじゃない!!」

花陽 「あはは……照れちゃいます///」

希 「神様かぁ……スピリチュアルやね。続き聞かせてよ!」

にこ 「えっ、なに、みんな適応してる感じなの? えっ、色々とツッコミ所ありすぎじゃないの? そう思うのにこだけなの?」

花陽 「分かりました……えっと、それからですね」

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8: 名無しで叶える物語 2020/11/05(木) 23:39:20.07 ID:Pp6VFAe1.net

花陽(9) 「お米の神様なんて……!! すごいです!!」 キラキラ

米神 「ははっ、喜んでくれたなら良かった。しかし、どうやら君は遭難してしまったようだね」

花陽(9) 「あっ……そういえばそうでした」 ドヨーン

米神 「とりあえずお腹も減っただろう。このおにぎりを食べなさい」 ヒョイ

花陽(9) 「ありがとうございます……もぐっ、す、すごく、美味しいっ!?」

米神 「お米の神様だからね、それはもちろん私が用意したおにぎりは美味しいさ」

花陽(9) 「お米ってこんなに美味しかったんですね……!!」 パァァ

米神 「ふふ、お米の良さが伝わったかな?」

花陽(9) 「はい!! ……あっ、でも」

米神 「ん? どうかしたのかい?」

花陽(9) 「今更なんですけど……ママから知らない人から物を貰っちゃいけないって言われてました。どうしよう、貰うどころか食べちゃったよぉ……」

米神 「うーん、ならこのパソコンの画面見てみて?」

花陽(9) 「あっ、はい! 分かりました!」



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9: 名無しで叶える物語 2020/11/05(木) 23:40:38.03 ID:Pp6VFAe1.net

にこ 「ちょっと待てぇぇぇ!! なんで神様がPC持ってるのよ!?」

花陽 「いわく神様業界でもネット社会に適応してて、みんなパソコンを最低一台は所有してるらしいです」

真姫 「神様業界でもネット社会なのね」 クルクル

絵里 「神様が掲示板とかに悪口書いてたら嫌ねぇ……」

希 「【悲報】福の神、集めたお金をギャンブルに溶かしてた! とか?」

穂乃果 「それは嫌だなぁ」

ことり 「それで花陽ちゃんは一体パソコンで何を見せてもらったの?」

花陽 「ああ、それはですね……」



10: 名無しで叶える物語 2020/11/05(木) 23:41:26.27 ID:Pp6VFAe1.net

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花陽(9) 「わぁぁ! ホームページだ!!」



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11: 名無しで叶える物語 2020/11/05(木) 23:42:13.43 ID:Pp6VFAe1.net

にこ 「いやおかしいでしょ!?」

絵里 「ちょっと、にこ! 今いいところなのに遮らないでよ!」

にこ 「いやいや! なんで神様がホームページ作ってるのよ!? もはやその人神様のフリした一般人でしょ!?」

花陽 「ちなみに阿部寛さん似の神様でしたけど、ホームページを開くのは遅かったです」

にこ 「それはどうでもいい!!」

花陽 「それに一般人なんかじゃありません! あれは間違いなくお米の神様でした。あんなに美味しいおにぎり、食べたことなかったですから!!」 キリッ

にこ 「だからそれはおにぎりを作るのがめっちゃ上手なおっさんでしょぉぉ!?」

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12: 名無しで叶える物語 2020/11/05(木) 23:43:05.14 ID:Pp6VFAe1.net

花陽(9) 「あっ、正式名称は米神来酢さんって言うんですね!」

米神 「ライスって今思えばキラキラネームだよなぁ。母もひどいことをしたもんだ」

花陽(9) 「でも花陽は好きですよ? その名前! 最初から最後までお米って感じで!」 ニコッ

米神 「そう言ってくれると嬉しいよ」

花陽(9) 「あれ? プロフィールなのに写真がないのはなんでですか? あべひろしさんと間違われちゃうから?」

米神 「いや私、偶像崇拝禁止なんですよ」



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13: 名無しで叶える物語 2020/11/05(木) 23:44:15.17 ID:Pp6VFAe1.net

にこ 「いやもう色々とツッコミが足りないっ!!」

にこ 「なによ、米神来酢って!? キラキラネームを神様が悔やむってどういう状況よ!? そんなこと言ったら、昔の神様なんて読みにくいし長いしでみんなキラキラネームでしょ!?」

凛 「懐かしいなぁ。凛もはじめてこの話を聞いたとき同じツッコミをしたよ」

絵里 「凛はもう驚かないのね」

凛 「何回も聞いてるから別に驚かないにゃ」

にこ 「それに偶像崇拝禁止って何よ!? ならホームページも作らないでよ!!」

花陽 「もう! にこちゃん! お米の神様にだって表現の自由はありますよ!」 プンプン

にこ 「そういう問題じゃないでしょぉぉ!?」

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14: 名無しで叶える物語 2020/11/05(木) 23:45:06.57 ID:Pp6VFAe1.net

米神 「これで知らない人ではなくなったかな?」

花陽(9) 「はい! これでおにぎりを食べたことも許されます!」 ニコッ

米神 「なら良かった。しかし、このまま遭難していては、結局なんの解決にもならない。どうにか手を考えないと……」

花陽(9) 「うーん……せめてここにいることを周りに知らせることさえできれば……」

米神 「ならここ一帯を私の力で田んぼにしてあげよう。そうすれば遠くから見てここが目立つ。もしかしたら先生たちが気付いてくれるかもしれない!」

花陽(9) 「なるほど!」

米神 「しかし仮にも私は神様だ。神様は手助けはしても、ただ一方的に協力し救うことはあまり推奨されていない。君も、君なりに、努力をしなければいけないんだ」

花陽(9) 「努力……それはいったい!?」 ゴクッ

米神 「……」

花陽(9) 「……」 ドキドキ

米神 「田植えだ」



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15: 名無しで叶える物語 2020/11/05(木) 23:46:02.83 ID:Pp6VFAe1.net

花陽 「そのときに教えてもらったので、いざとなれば花陽は田植えができます」

にこ 「もうツッコまないわよ……」 ヘトヘト

花陽 「しかし、お米を作るというのはそれだけではありません。まず土地も必要ですし、水汲みのシステムも必要です。何より時間がかかります。それを全て神様の力で省いた上で、田植えだけをやったからこそ、腰が痛いくらいで済んだんです」

穂乃果 「ためになるなー」

花陽 「そして何時間もかけて田植えをしました。そのおかげで山の中でもかなり目立つようになって、先生にも無事に見つかりました。今こうして私が無事に生きているのは……お米の神様、米神さんのおかげと言っても過言ではないでしょう」

希 「それで米神さんはどうなったん? まさか先生と普通に喋ったりしたの?」

花陽 「いいえ……米神さんは私が発見される直前に、いつのまにかいなくなってしまいました。感謝も言えなかった……それだけが私の後悔です。これが、小学三年生の時に私が体験した、お米の神様の話のすべてです」



16: 名無しで叶える物語 2020/11/05(木) 23:47:06.22 ID:Pp6VFAe1.net

真姫 「それで花陽はそんなにお米が好きなのね」

花陽 「はい! あのときのお米の味が忘れられないのもそうですけど、なにより、私をあのとき救ってくれた神様への感謝として、お米を食べることが大好きなんです!!」 ニコッ

海未 「……」

ことり 「あれ、そういえば海未ちゃんずっと黙ってるよね? どうしたの?」

にこ 「まさか海未、あんたも私と同じ気持ちなの!?」 パァァ

海未 「……園田海未、感動しました!! 助け助けられ、思いやりの精神はここに受け継がれていたんですね!!」 ポロポロ

にこ 「はぁ……」 ドンヨリ



17: 名無しで叶える物語 2020/11/05(木) 23:48:05.12 ID:Pp6VFAe1.net

絵里 「私も感動したわ!! 会ってみたいわね~お米の神様!!」

にこ 「ホームページやってるって言うなら調べれば出るんじゃない? 偶像崇拝禁止だから顔は見れないだろうけど……」

希 「そうやね、ちょっと部室のパソコン使って調べてみる!」

カチ カチカチ

希 「『お米の神様』と……検索!」

絵里 「いくつか出てきたわね」

真姫 「【悲報】 お米の神様、農業投資に失敗する! ってスレが立ってるわね」

希 「あっ、その上にホームページがあるよ!」

絵里 「押してみるわね」

カチッ

絵里 「……」

希 「……」

真姫 「……」

絵里 「なかなか開かないわね」

おわり



18: 名無しで叶える物語 2020/11/05(木) 23:50:13.49 ID:Pp6VFAe1.net

ということで、かよちんのお米愛はすごいなぁ……という話でした。
なかなか慣れない中、とても楽しく書かせてもらいました。ありがとうございます。
また機会がありましたら、ここで書かせてもらいます。
ここまで読んでいただきありがとうございました!


元スレ
花陽 「お米の神様」