1: 学パロ書きため無しやまなしヘタレ少な目エイラーニャ 2013/01/07(月) 23:36:35.97 ID:oOhBFH+e0

小鳥の鳴き声で目が覚めた。
目覚まし時計の針は、設定しておいた5分前を指していた。

あいにく朝は弱くない。
それほど重くもない身体を持ち上げて
洗面所へと向かう。
ひとしきり整えた私は、コーヒーの香り漂うリビングへ。

母親が用意したトーストにジャムをつけて食べる。
Dronnigholmというところのベリー系のジャムだ。
ウチはスオミの血筋だから、と、フィンランドのものを
わざわざ取り寄せてまで買っているらしい。
甘ったるい塊をコーヒーで流し込み
私は制服に着替えるためにまた自分の部屋に向かう。

ピンポーン。

玄関のチャイムが鳴る。
いつもよりも早いナ。

自分の部屋に歩を進めていた足は、既に玄関に向いていた。



2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/07(月) 23:39:12.24 ID:oOhBFH+e0

ガチャン。

サーニャ「あ…おはよう、エイラ」

エイラ「おはよう、サーニャ」
    「まだ着替えてないんダ。とりあえず上がっててクレ」

サーニャ「うん…」
      「お邪魔します」

エイラ「すぐ着替えるカラ」

バタバタバタ…

サーニャ「…」

サーニャ「あ…おばさん、おはようございます」

「おはよう、サーニャちゃん」
「今日も寒いわね」

サーニャ「はい…」



5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/07(月) 23:42:01.62 ID:oOhBFH+e0

・・・・・・・・・・

エイラ「サーニャ、お待たせ」
    「じゃあ、行こうゼ」

サーニャ「うん…あっ」
      「襟、めくれてる…」ナオシ

エイラ「あっ…アリガトナ」テレ

エイラ「よし、じゃあ行ってきマス」

「行ってらっしゃい、気を付けるのよ」

エイラ「ハイハイ」

サーニャ「…お邪魔しました」

「サーニャちゃんも気を付けてね」

サーニャ「はい、ありがとうございます」

―――ガチャン



7: 芳佳ちゃんはちょっと出るかも 2013/01/07(月) 23:45:54.02 ID:oOhBFH+e0

エイラ「…」

サーニャ「…」

エイラ「今日もなかなか寒いナ」

サーニャ「そうね」

エイラ「こう寒いとさ、家の廊下を歩くのもおっくうダヨナ」

サーニャ「うん…」

エイラ「お手洗い行くの変わってほしいヨナ」

サーニャ「おばあちゃんみたいよ、エイラ」

エイラ「まだピッチピチの高校生だゾ」

サーニャ「知ってるわ」クス

テクテクテク…

ギュ

エイラ「サムイサムイ」

サーニャ「…うん」



9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/07(月) 23:49:12.03 ID:oOhBFH+e0

サーニャ「宿題、ちゃんとやった?」

エイラ「やったゾ、数学面倒だったンダ~」

サーニャ「そうなんだ…」

エイラ「1年はどうダ?そろそろ難しいところ入るんじゃないカ?」

サーニャ「うん…ちょっと難しい」

エイラ「ソッカ…」
   「私に言えよナ、教えられるところは教えるから」

サーニャ「…」ジトォ

エイラ「ナンダヨ、その目は」

サーニャ「冗談よ、ありがとう、エイラ」

エイラ「ン」

ギュー



10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/07(月) 23:55:24.09 ID:oOhBFH+e0

エイラ「おっ」

サーニャ「あ…」


エイラ「オーイ、ミヤフジとリーネ!」

宮藤「ひゃあ!!」パッ

リーネ「きゃあ!!」パッ

エイラ「朝から変な声あげんじゃネーヨ」

宮藤「おっ、おはようゴザイマス!!エイラさん!サーニャちゃん!」

リーネ「おはようございます!」

サーニャ「おはよう」ニコ

エイラ「あっ、その挙動不審」
    「手ぇ繋いでたところ見られそうになったからとか、そういうのダロ?」

宮藤「イヤイヤイヤ!そんなことはないですよ!!」

リーネ「そ、そうです!!つ、繋いでなんか!!」

エイラ「ってか、ガッツリ見えてたゾ」

サーニャ「うん、そうね」



14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/07(月) 23:59:36.10 ID:oOhBFH+e0

エイラ「今更隠す必要ナイダロ?」
    「お前らの関係なんて知れたことダゾ」

宮藤「あ、あはは…」

リーネ「うぅ…」

エイラ「手をつなぐことがそんなに恥ずかしいのかよ」

宮藤「…エイラさんやサーニャちゃんじゃないんですよ、私たちは」

エイラ「なんだソレ。私らが変みたいじゃないカ」

サーニャ「私はまだ、恥ずかしいわ」

リーネ「エイラさんがちょっと変わっているだけなのかも…」



16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/08(火) 00:05:27.74 ID:TJh9fkBh0

宮藤「あ、そうだ!宿題やった?サーニャちゃん」

エイラ「ソレさっき話してたヤツダナ」

サーニャ「うん、やったわ」
      「科学と、英語」

宮藤「えっ!?」
   「英語も宿題なんてあったっけ…」

サーニャ「…忘れたの?」

宮藤「わあああ、忘れてた!!」
   「どうしよう、リーネちゃん!!」

リーネ「だ、大丈夫だから!落ち着いて、芳佳ちゃん」
    「学校に着いたら私のを見せてあげるから」

宮藤「ありがとぉ…リーネちゃん!」ギュー

リーネ「ひゃあ!?」

エイラ「往来で抱き着く方が手ぇ繋ぐよりも恥ずかしいと思うんだけどナ」
    「ってか、宿題移してたら自分の力にならないゾ」

宮藤「…」
   「エイラさんがそれを言うんですか?」

エイラ「私の経験談ダヨ」



17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/08(火) 00:10:18.65 ID:TJh9fkBh0

学校ダヨ。

宮藤「うわ~、学校の中に入っても寒いよ…」

リーネ「そうだね、芳佳ちゃん」
    「教室に行けばストーブがついてるよ、きっと」

宮藤「教室までの廊下って長いよ…」

エイラ「ミヤフジも結構グータラダナ」

サーニャ「…エイラもね」

…ぱっ。

宮藤「それじゃあエイラさん!また!」

リーネ「失礼します~」

エイラ「ンー」

サーニャ「エイラ…」

エイラ「ン?」

サーニャ「…またね」

エイラ「ン、またナ」



18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/08(火) 00:15:25.17 ID:TJh9fkBh0

エイラ「…」

エイラ「確かに教室までの廊下って長いナ」

一人だと、ダケド。

シャーリー「おー、エイラー」

エイラ「お、オッス」

シャーリー「オッス~」
       「今日もお姫様と?」

エイラ「ナンダヨ、悪いかヨ」

シャーリー「別にぃ~?いやぁ、寒いってのにおアツイなぁなんて思ってさ」

エイラ「お前だってどうせルッキーニと一緒に来たんだロ?」

シャーリー「まぁな!」
       「それはそうと、宿題やってきたか?」

エイラ「私は何度そのワードを聞けばいいんだヨ」
    「やってきた」

シャーリー「おー!マジ!?じゃあみせ」
エイラ「ナイゾ」

シャーリー「」



19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/08(火) 00:23:00.13 ID:TJh9fkBh0

シャーリー「何でだよ!?いいじゃん!」

エイラ「お前のためにならないダロ」
    「ならバルクホルンあたりにでも見せてもらえヨ」

シャーリー「今日は諦めるわ…」

エイラ「ドンマイダナ」

――――――――――――

バルクホルン「なにぃ!?宿題を忘れたのか貴様!!」

シャーリー「うるせー!耳元でデカイ声出すなよ!」

バルクホルン「何度宿題を忘れれば気が済むんだ!」
        「これで全員提出不達成記録が連続14日目だぞ!?」

シャーリー「なら見せてくれよ~カタブツ~」
       「私だって忙しいんだよ!!」

バルクホルン「バイトで!だろう!勉強する時間もとれないなら辞めてしまえ!!」

ギャーギャー

ハルトマン「朝から元気だねぇ…」

エイラ「ソウダナ」



20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/08(火) 00:28:12.03 ID:TJh9fkBh0

エイラ「ハルトマンは疲れないのカ?」

ハルトマン「何が?」

エイラ「イヤ、堅物とまではいわないケドさ」
    「やっぱり、真面目ダロ?アイツ」

ハルトマン「あー…まぁね」

エイラ「いろいろ細かいところで注意されて、面倒にならないカ?」

ハルトマン「もう、慣れたし」

エイラ「ソッカ」

ハルトマン「それに、根は優しいんだよ、トゥルーデは」
      「あぁいう風に注意するのだって、相手のことを考えてるからだし」
      「相手がどうでも良いんだったら、普通無視するじゃん」

エイラ「そうかもナ」

ハルトマン「そうだよ!」

エイラ「…そう言ってやるお前も、優しいヨナ」

ハルトマン「まぁね」ニコッ



21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/08(火) 00:34:54.03 ID:TJh9fkBh0

――――――――――――――――


エイラ「ふぅ、疲れタ」

ペリーヌ「まったく、まだ午後が残っていますわよ」

エイラ「ゲ」

ペリーヌ「なんですの、ゲって」

ペリーヌ「コホン、そんなことより、お昼」

エイラ「悪い私サーニャと」

ペリーヌ「…まだ全部言っていないのですけど」

エイラ「どうせ、お昼一緒に食べて差し上げてもよろしくてよ?っていうんダロ」
    「わかってるぞ、ツンツンメガネ」

ペリーヌ「…」

エイラ「まったく、回りくどい良い方すんなヨナ」
    「一緒に食べようゼ」



23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/08(火) 00:40:31.88 ID:TJh9fkBh0

ガラガラッ

サーニャ「…失礼します」

エイラ「お、来たナ」

宮藤「失礼しまーす」

リーネ「し、失礼します…」

エイラ「って、お前らもカヨ!?」

サーニャ「ダメだった…?」

エイラ「いや、別にイイケドサ…」

ルッキーニ「シャーリー!!おっひる~!」

シャーリー「お、ルッキーニまで来たか!」
       「こっちに来い!」


エイラ「…このクラス人口密度ハンパナイゾ…」

バルクホルン「ほ、ほかのクラスの奴らがなぜ普通に入ってくるんだ…」ワナワナ

ハルトマン「にぎやかでいいじゃ~ん!」
       「私たちも混ざろうよ!」

バルクホルン「…うぅむ…」



25: 英語が標準語、授業でいう英語は語学系のつもり 2013/01/08(火) 00:47:38.26 ID:TJh9fkBh0

ルッキーニ「お~!シャーリー、コレおいしい!」
       「食べてみる~?」

シャーリー「マジ?じゃあ食べようかな~」

ルッキーニ「じゃあ、あ~ん!」

シャーリー「あ~…ん」パクン
       「お、本当にウマイなこれ!」

ルッキーニ「でしょ~!」
       「あっ、芳佳のもおいしそ~!」

宮藤「私が作った奴だから、あんまり自信ないけど、食べてもいいよ?」

ルッキーニ「やた~!」

バルクホルン「…宮藤」

宮藤「はい、何ですか?」

バルクホルン「あー…その、だな」

ハルトマン「ミヤフジ!トゥルーデもあーんしてもらいたいって!」

バルクホルン「なっ!!ち、違うぞ!私はただ、味見させてもらおうと…」

宮藤「えっ、あ~んですか?良いですy

リーネ「だ、駄目~!」



27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/08(火) 00:52:30.16 ID:TJh9fkBh0

ペリーヌ「ま、全く!貴女たちは!」
     「他人様のお箸やフォークで食べさせ合うなんて…マナーがなっていませんわ!」

ハルトマン「そんな硬いこと言わないの~」
       「はい、ペリーヌあーん」

ペリーヌ「んぐっ!?」
     「んん~~~!!」

ハルトマン「おいしいっしょ?」ニヘラ


ワイワイ…


エイラ「…ニギヤカダナ」

サーニャ「そうね…」

エイラ「1年の方はいっつもこんな感じなのカ?」

サーニャ「うん…」

エイラ「大変だな、サーニャも」

サーニャ「そんなことないわ」
      「…楽しい、と思う」

エイラ「…ソッカ」
    「なら、良いんだ」



28: トゥルーデ3年にすればよかったわ 2013/01/08(火) 00:55:56.89 ID:TJh9fkBh0

サーニャ「…エイラ」

エイラ「ン?」

サーニャ「…あーん」

エイラ「あ、ウン」
    「あーん」パクッ

エイラ「美味いナ」ニコ

サーニャ「そう?」


シャーリー・ルッキーニ・ハルトマン「」ニヤニヤニヤ

エイラ「はっ」

エイラ「ナンナンダオマエラ!見世物じゃないんだゾー!!」ガーッ



32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/08(火) 01:04:36.80 ID:TJh9fkBh0

お昼の時間はあっという間に過ぎていった。
賑やかすぎたかもしれないけど、クラスのほかの奴らも笑ってたし
まぁ、良いかって思ってしまった。

次の授業の教師が教室に入ってきて、大きな咳払いをすると
1年生組はそそくさと教室から出ていった。

ルッキーニだけは、シャーリーの頬にキスをするという
何とも大胆な行動をぶちかまして去っていったが、
私とサーニャは、いつも通りに「またね」で別れた。

退屈な授業が過ぎていく。1分1分が長い。
クラスには寝ている者も、真面目にノートをとっている者も
机に落書きをしているものもいる。

窓の外を見ると、ほかのクラスの体育の授業が行われていた。
陸上だろうか。寒い中ご苦労なことだ。

空を見上げれば、飛行機が、長い雲を引き連れて飛んでいた。
明日は、雪でも降るのかもしれない。


こう、周りを見回してみると、いろんな奴がいる。
いろんな奴が、いろんなことをしながら、そいつの時間を過ごしているんだ。
同じ時間を一緒に歩いているようで、その道はどれも、異なっている。

私と、サーニャも同じだ。
同じ時間を歩いているけど、全く同じ道は歩けない。
出来るだけ、近くでいっしょに歩いていけたらいいな、と思うけれど。
そんなことを考えていたら、今日の授業が終わったことを知らせるチャイムが鳴り響いた。



34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/08(火) 01:08:50.01 ID:TJh9fkBh0

ルッキーニ「シャーーリーー!!」

シャーリー「おぉ、早いなぁ!待っとけ今すぐ用意する!」

シャーリー「じゃあな!エイラ!」

エイラ「おう、ジャアナー」

さて…私もサーニャを迎えに行くカナ。

ブルブル…。

エイラ「っと…メールか」
    「…」

サーニャ『今日は、掃除当番なので、さきに帰っていてください』

エイラ「んー」
    「寂しいコトイウナ」

ま、サーニャは私のことを思って
待たせるのが悪いって思ってるから、こう言うんだろうけど。

エイラ「…」

エイラ「ちょっとブラブラしてるカナ」



37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/08(火) 01:14:32.57 ID:TJh9fkBh0

授業が終わって、人影がまばらになる校内。
グラウンドでは、運動部が練習していたり
音楽室からは、金管楽器の音が鳴り響いたりしているけれど
人の声が少なくなった校内は、なんだか静かに思える。

エイラ「ンー…」

夕日が射す校内、神秘的なようで、とても不気味だナ。

坂本「おっ、エイラじゃないか」

エイラ「ん?あぁ、先輩カ」

坂本「どうした、こんな時間にこんな場所で」
   「お前なら、真っ先にサーニャを迎えに行くだろうに」

エイラ「今日サーニャは掃除当番なんダ」

坂本「成程な」

エイラ「先輩こそどうしたんダヨ」

坂本「私か?私は、生徒会だ」
   「アイツが書類が沢山あって受験勉強どころじゃないわ、なんて嘆いていたからな」

エイラ「アイツ…あぁ、ミーナ先輩のことカ」

坂本「その通り」



38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/08(火) 01:22:21.21 ID:TJh9fkBh0

エイラ「先輩も好きだよナ」

坂本「?手伝いのことか?」

エイラ「…どっちもダヨ」

坂本「…んん、まぁ、そうだな」

エイラ「先輩だって、受験勉強しなきゃダロ?」

坂本「あぁ、当然だ」

エイラ「だったら手伝いしなくてもいいんじゃナイカ?」

坂本「ふふ、そうかもしれんな」
   「きっとミーナも、同じことを言うのだろう」
   「手伝わなくていい、自分のことを優先しろ、と」

坂本「でもな、それでも私は、ミーナと少しでも一緒の時間を過ごしたいと思っているんだ」

坂本「いつ、どんなことがあるかわからない…それが人生だからな」

坂本「その、万が一。運命の悪戯があった時のために、少しでもともに、道を歩んでいきたい」
   「そう思った、相手なんだ。ミーナは」

エイラ「…なんだか、年寄りくさいゾ」

坂本「ふっ、そうかもしれん」

エイラ「でもマァ、わからなくもないカナ、その気持ち」



41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/08(火) 01:33:06.07 ID:TJh9fkBh0

坂本「っと、そうだった」
   「コーヒーを買っていたんだった」

エイラ「アァ、差し入れカ」

坂本「そうだ。せっかく温まっているものが冷めてしまうな」
   「じゃあ、私は失礼する」

エイラ「おー、頑張れヨナ」
    「ミーナ先輩にも伝えておいてクレ」

坂本「あぁ、わかった」
   「気を付けて帰れよ!」



少しでも一緒にいたい、ヨナ。
明日には、この、歩いている道が途切れてるかもしれないんだ。

いつだって、真っ暗な道だ。
一寸先も見えない、真っ暗闇。
その道を、皆歩いているんだ。

…あっ。
でも。
もしかしたら。
歩いている道が、真っ暗闇で、何もわからないんだとしたら
この道は、どこかで、誰かとつながっているのかもしれないナ。



42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/08(火) 01:36:12.08 ID:TJh9fkBh0

――――――――――1年生の教室

サーニャ「ふぅ…」

サーニャ「…」

パタン…

ガラガラ…

サーニャ「あっ」

エイラ「お疲れ、サーニャ」

サーニャ「エイラ…」
      「先に帰っていてって言ったのに」

エイラ「ン?そうだったっけ?」

サーニャ「もう…」

エイラ「へへっ」

エイラ「…サーニャ」

サーニャ「ん?」

エイラ「ちょっと、急ごうゼ」

サーニャ「…えっ?」



44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/08(火) 01:41:30.91 ID:TJh9fkBh0

カシャン、カシャン…
規則的な、タイヤの音が響いている。
自転車と、それに乗る二人の影が、長く伸びている。

サーニャ「…エイラ」

エイラ「ハァ…ハァ、んー?ナンダ?」

サーニャ「自転車、学校に置いたままだったの…?」

エイラ「うん、ハァ、ハァ…マアナ」

サーニャ「どうして?」

エイラ「何となくカナ、ッ、ハァ、ハァ」

サーニャ「…ふぅん」

サーニャ「…疲れない?」

エイラ「だ、大丈夫ダッ」

サーニャ「…」
      「どこへ行くの…?」

エイラ「秘密ダ!」

カシャン、カシャン



45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/08(火) 01:45:56.57 ID:TJh9fkBh0

エイラ「ハァー、ハァー」

平坦な住宅街を走っていると思っていたら
いつの間にか目の前には急な上り坂が見えてきた。

サーニャ「こ、ここをのぼるの?」

エイラ「ウン」
    「ダカラ、しっかりつかまってロ!」

サーニャ「う、うん…」

ギュゥ…

エイラ「ぬおぉぉぉ…!!」

カシャン、カシャン…

エイラ「ふんぬぬぬ…ググググ…!!」

サーニャ「…降りる…?」

エイラ「ダイッ、ジョブ…ダァァァァ!!」

カシャン…
      …カシャン…



46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/08(火) 01:51:45.33 ID:TJh9fkBh0

暑い。
熱い。
身体が熱い。
サーニャの腕が振れている部分が熱い。

私は必死で自転車をこいだ。
いつもは、自分一人だって、途中であきらめる坂。
長く、急な上り坂。
それは辛くて、苦しい上り坂。

でも、この上り坂を二人で…
サーニャと二人でのぼりきったら、きっと
もっと、ずっと。一緒にいられる。そんな気がしたんだ。


エイラ「オラアアアアアアアア!!!」


カシャン



48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/08(火) 01:56:39.15 ID:TJh9fkBh0

エイラ「ハァ、ハァ…上りきったゾ…」

サーニャ「…エイラ」
      「無理しちゃ…ダメじゃない」

エイラ「無理してない!」
    「これくらい、ナンテコトナイッテ!」

サーニャ「汗びしょびしょで言われても、説得力が無いわ…」

エイラ「アウ…」
    「そ、それより!ここで終わりじゃないんダヨ!」

エイラ「行くゾ!」

ギュッ

サーニャ「あっ…」
     「うん…」


ザッザッザッ…

舗装された坂の頂上から、脇道に入る。
そこは、夏には草が生い茂っていそうな道だ。
あいにく、冬だから、ただ地面の茶色だけが見えている。


時間、ちょうどよさそうダナ。



49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/08(火) 02:01:54.17 ID:TJh9fkBh0

しばらく軽く坂になっている道を歩くと、少しだけ開けた場所に出た。

エイラ「サーニャ」

エイラ「これ、見せたかったんだ」

サーニャ「…」
      「わぁ…」

その開けた場所からは、私たちが住んでいる町が一望できた。
正面には、夕日が沈んでいくのが見える。
夕日が、ゆっくりと沈んでいくと
町の灯りがだんだんときらびやかになっていって
それはまるで、夜空の星が地上に降り注いだみたいだった。

サーニャ「…きれい」

エイラ「ダロ?」

その間にした会話はそれだけだった。
でも、嫌な沈黙じゃなかった。
とても、心地いい、二人だけの世界だ。


…あたりは完全に暗くなり、空の星もだんだんと光を強めていく。



50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/08(火) 02:07:21.72 ID:TJh9fkBh0

エイラ「暗くなってきたナ」
    「星が、めちゃくちゃ見えるゾ」

サーニャ「そうね」

エイラ「…冬は暗くなるのが早いからナー」

サーニャ「うん…」


サーニャ「私ね、暗いのは嫌いじゃないの」

エイラ「そうなのカ?」

サーニャ「うん」

サーニャ「なんだか、落ち着くの」

サーニャ「真っ暗で、何も見えないけど」

サーニャ「…なんだか、ずっと昔、そのの中で生きていたみたいに」

サーニャ「この真っ暗が、私の生きる場所だったみたいに」

サーニャ「すぅ、っと私の周りを包み込んでくれる気がする」

エイラ「…私も」

エイラ「なんだろう、そんな気がスル」



51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/08(火) 02:11:24.18 ID:TJh9fkBh0

エイラ「よくわかんないけどサ」

エイラ「この、暗い中を、漂っていた気がするンダヨナ」

サーニャ「エイラも?」

エイラ「ウン…」

サーニャ「そっか」

サーニャ「なんだか…不思議ね」

エイラ「もしかしたら、私たち」

エイラ「別の世界でも一緒だったのカモナ」

サーニャ「…うん」

サーニャ「そうね」



53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/08(火) 02:20:19.92 ID:TJh9fkBh0

サーニャ「私、思うの」

エイラ「ん?」

サーニャ「きっと、私一人だったら、この真っ暗闇が、怖くてたまらないだろうなって」

エイラ「でも、落ち着くんダロ?」

サーニャ「うん」

サーニャ「だって、隣にエイラがいるから」

サーニャ「ずっと、私の隣にいてくれたから」

エイラ「サーニャ…」

サーニャ「だからきっと、別の世界の私も、真っ暗闇が好きなの」

エイラ「…」

エイラ「私たちって、もう、一緒にいる運命なんダナ」

サーニャ「うん」ニコ



54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/08(火) 02:26:18.34 ID:TJh9fkBh0

エイラ「…サーニャ」

サーニャ「ん?」

エイラ「これからもずっと、私は隣にいるよ」

エイラ「サーニャと一緒に、真っ暗な道を歩いていくよ」

エイラ「それならきっと…」
    「ううん、絶対に怖くないンダ」

サーニャ「…エイラ」

エイラ「…ン?」

サーニャ「…約束」
      「約束よ」

エイラ「わかってるッテ」


「ずっと、いっしょだよ」



…おわりナンダナ。


元スレ
サーニャ「エイラ」エイラ「ン?」