1: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/08(月) 22:32:49.684 ID:0/LTT+5P0.net
私にはライバルがいる
それは、天使。
2: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/08(月) 22:33:15.254 ID:0/LTT+5P0.net
……いや、天使というには、あまりにも……
そう、例えるなら、彼女は悪魔
大悪魔である私が言うのだからよっぽどだ
……まあ彼女が天使か悪魔かは今は置いておくことにしましょう
とりあえず、その天使は私のライバル
私は毎日彼女に勝負をしかける
勝負はだいたい私が負ける
どうしてだろう
でも、勝負というのはなかなか勝てない相手に挑む方が燃えるというもの
……次こそは勝ってやるんだから
今日も私は彼女に勝負をしかける
だいたい彼女は最初はめんどくさそうにする
だが、最終的には彼女も楽しんでいるように感じる
……これがツンデレってやつかしら
もちろん今日も私は負けた
当然のように私は勝負を挑む
彼女はやはりめんどくさそうに勝負を受ける
ふと、気になる
……本当にただの照れでめんどくさそうにしてるのか
……本当は彼女は私の勝負を受けたくはないのではないか
でも、やはり彼女は勝負を楽しんでるように……
ここで私は思い出した
彼女は天使であるということを
最初に、彼女は悪魔ではないか、と言った
確かに彼女は悪魔のようだ
……しかし、彼女はきちんと天使な1面を持ち合わせている
ヴィネットが風邪の時、彼女は御見舞に行ったらしい
翌日完治したヴィネットに長い惚気話を聞かせられたのは懐かしい思い出
……それに、マスターに聞いた話だが、私の部屋がペット持ち込みOKになったのも彼女のおかげらしい
普段からは想像できないが、ちゃんと彼女にも天使の1面がある
……その天使の1面が、私との勝負を楽しんでいるかのように見せているのではないか
私を悲しませないために
考えたらとまらない
本当に彼女は私のことをライバルだと思っているのか
私が悲しむと思って、仕方なく私との勝負を受けているのではないか
ふと思い出す
ドアごと足蹴にされた私
喫茶店に入った瞬間腹パンされた私
スイカの代わりに割られる所だった私
……そもそも私は彼女に嫌われてるのではないか?
「おい!サターニャ!!!」
その一声で私は現実に戻された
どうやら私は勝負の途中で考え込んでいたらしい
彼女からすれば、考え込むのは私らしくないらしく、珍しく心配してくれている
……もしかしてそれも演技?
なんだかもやもやする
急に目の前の笑みが作り笑いに見えてくる
……彼女に聞いてみようか
真正面から
それならもやもやする事はなくなるだろう
だが、もし、私の期待とは違う答えが帰ってきたら
……私の日常が壊れる気がする
もう彼女とライバルでいる事はできない
勝負することはできない
そして、一度聞いたら、もう戻る事はできない
どうしよう、私はどうすれば……
「おい!!!サターニャ!!」
私は再び彼女の声によって現実に引き戻された
「本当にお前どうしたんだ??なにか悩み事か?」
……彼女は私を本当に心配してくれている
これを演技だとは……思いたくない
少し勇気を出してみることにする
「前から思ってたけど……」
「ん?どうしたんだ?」
「どうして私と勝負してくれるの?」
「お前が勝負を挑んでくるから」
……なるほどね、私と勝負したいわけじゃないんだ
「……私のことをライバルと思ってる?」
「え?思ってないけど」
……あぁ
もう、これ以上は聞きたくない
「ライバルっていうか……」
「……そっか」
「……今まで勝負したくなかったのに……無理やり受けてくれてたのね」
「ん?いきなり何言ってんだ?」
「……今までありがとう、そして、ごめん」
「えっ、ちょ、おい!待て!」
後ろで彼女が私を呼んでいる
……でも、もう立ち止まれない
これ以上は、堪えられない
私の日常が、壊れてゆく
思いを聞かなければよかった
もっと勝負とか関係なく仲良くすればよかった
……こんな思いをするのなら出会わなければ
後悔の念が押し寄せてくる
走りながら、涙をこぼす私
家まで耐えることもできなかった
ドアを開き、力なく倒れ込む
もう、なにもしたくない
ただ、泣いていたい
今、きっと酷い顔をしているだろう
……もう、なんでもいいや
ふと、私の携帯から着信音がしていることに気付く
だが、今はそれを見る気力もない
考えたくない
だが、無理にでも考えてしまう彼女との思い出
……思い返せば勝負勝負
私は勝負ばかり、今までの全てが彼女にとっては迷惑だったなんて
……どうしてもっと友達らしい付き合いをして来なかったのか
そっちの方が楽しかったのに
……私の中のちっぽけなプライドが、それを許さなかったのか
……そんな事なら大悪魔なんて
そんな事を考えても、もう日常は戻ってこない
さすがに、これ以上彼女に迷惑をかけることは出来ない
日常は……彼女との明日は、もう私の手の届かない所へ言ってしまった
まだ涙が溢れてくる
でもこぼれ落ちる涙をふく気力すらない
目を閉じる
闇を感じる
このまま闇にとけてしまいたい
闇の中で彼女が微笑む
駄天使とは思えない暖かい、天使の微笑み
……もうその微笑みを見る事はできないのかな
ふと、彼女がどこかに指を指していると気付く
そこを見つめてみると……
闇の奥深くに少しだけ、光があるのを見つけた
この光は?
私は光を追い求める
光は、少しずつ、だが着実に私の元に近付いてくる
もう少し……もう少し!
私は手を伸ばす
あそこ……あそこには私の望む日常がある気がする……
あとちょっとで光にたどり着く……
そこで私の目は覚めた
……夢か
まだ私は何かを期待して……
手に感触を覚えた
何故か携帯がにぎりしめられていた
……どうして?
小刻みに震える携帯
……何気なく開いてみた携帯には2件のメッセージが
そのメッセージを読んで、私は
目から涙がこぼれた
もう私は彼女を疑わない
昨日読んだ2件のメッセージ
『どうしたんだ?サターニャ』
1件は、私を心配する彼女からのメッセージ
そして、もう1件は……
「あ、ガヴリール!」
「おう、サターニャ、もう大丈夫か?」
「……えぇ、私はもう大丈夫。ありがとね」
「お前が素直にお礼を言うなんて珍しいな」
「……そうね、フフッ」
「……なんか怖いぞ」
「あら、そうかしら」
天使と悪魔として、ではない
「それで、今日も勝負するのか?」
「もちろんよ!」
ライバルとして、でもない
ただの友達として、彼女に勝負を挑む
なんたって
『よく分からないけど、お前はライバルじゃない、私の友達だ、友達との勝負が嫌なわけないだろ?だから元気だせよ、な?』
らしいから
……友達としての勝負なら……いいんだよね
……ふと、彼女を見ると、やはりめんどくさそうな顔……
いや、よく見たらいつもより、少しだけ、本当に少しだけ
彼女が幸せそうにしてるように思えた
おわり
綺麗なガヴサタを書きたかったんです
ありがとうございました!
元スレ
……いや、天使というには、あまりにも……
そう、例えるなら、彼女は悪魔
大悪魔である私が言うのだからよっぽどだ
……まあ彼女が天使か悪魔かは今は置いておくことにしましょう
3: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/08(月) 22:33:51.086 ID:0/LTT+5P0.net
とりあえず、その天使は私のライバル
私は毎日彼女に勝負をしかける
勝負はだいたい私が負ける
どうしてだろう
でも、勝負というのはなかなか勝てない相手に挑む方が燃えるというもの
……次こそは勝ってやるんだから
4: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/08(月) 22:34:13.875 ID:0/LTT+5P0.net
今日も私は彼女に勝負をしかける
だいたい彼女は最初はめんどくさそうにする
だが、最終的には彼女も楽しんでいるように感じる
……これがツンデレってやつかしら
もちろん今日も私は負けた
5: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/08(月) 22:35:41.350 ID:0/LTT+5P0.net
当然のように私は勝負を挑む
彼女はやはりめんどくさそうに勝負を受ける
ふと、気になる
……本当にただの照れでめんどくさそうにしてるのか
……本当は彼女は私の勝負を受けたくはないのではないか
でも、やはり彼女は勝負を楽しんでるように……
ここで私は思い出した
彼女は天使であるということを
7: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/08(月) 22:36:41.157 ID:0/LTT+5P0.net
最初に、彼女は悪魔ではないか、と言った
確かに彼女は悪魔のようだ
……しかし、彼女はきちんと天使な1面を持ち合わせている
ヴィネットが風邪の時、彼女は御見舞に行ったらしい
翌日完治したヴィネットに長い惚気話を聞かせられたのは懐かしい思い出
……それに、マスターに聞いた話だが、私の部屋がペット持ち込みOKになったのも彼女のおかげらしい
12: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/08(月) 22:37:50.515 ID:0/LTT+5P0.net
普段からは想像できないが、ちゃんと彼女にも天使の1面がある
……その天使の1面が、私との勝負を楽しんでいるかのように見せているのではないか
私を悲しませないために
13: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/08(月) 22:38:21.795 ID:0/LTT+5P0.net
考えたらとまらない
本当に彼女は私のことをライバルだと思っているのか
私が悲しむと思って、仕方なく私との勝負を受けているのではないか
14: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/08(月) 22:38:48.126 ID:0/LTT+5P0.net
ふと思い出す
ドアごと足蹴にされた私
喫茶店に入った瞬間腹パンされた私
スイカの代わりに割られる所だった私
……そもそも私は彼女に嫌われてるのではないか?
15: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/08(月) 22:39:28.416 ID:0/LTT+5P0.net
「おい!サターニャ!!!」
その一声で私は現実に戻された
どうやら私は勝負の途中で考え込んでいたらしい
彼女からすれば、考え込むのは私らしくないらしく、珍しく心配してくれている
……もしかしてそれも演技?
16: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/08(月) 22:39:57.213 ID:0/LTT+5P0.net
なんだかもやもやする
急に目の前の笑みが作り笑いに見えてくる
……彼女に聞いてみようか
真正面から
それならもやもやする事はなくなるだろう
17: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/08(月) 22:40:35.045 ID:0/LTT+5P0.net
だが、もし、私の期待とは違う答えが帰ってきたら
……私の日常が壊れる気がする
もう彼女とライバルでいる事はできない
勝負することはできない
そして、一度聞いたら、もう戻る事はできない
どうしよう、私はどうすれば……
18: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/08(月) 22:41:21.792 ID:0/LTT+5P0.net
「おい!!!サターニャ!!」
私は再び彼女の声によって現実に引き戻された
「本当にお前どうしたんだ??なにか悩み事か?」
……彼女は私を本当に心配してくれている
これを演技だとは……思いたくない
少し勇気を出してみることにする
19: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/08(月) 22:42:53.900 ID:0/LTT+5P0.net
「前から思ってたけど……」
「ん?どうしたんだ?」
「どうして私と勝負してくれるの?」
「お前が勝負を挑んでくるから」
……なるほどね、私と勝負したいわけじゃないんだ
「……私のことをライバルと思ってる?」
「え?思ってないけど」
……あぁ
もう、これ以上は聞きたくない
20: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/08(月) 22:44:07.988 ID:0/LTT+5P0.net
「ライバルっていうか……」
「……そっか」
「……今まで勝負したくなかったのに……無理やり受けてくれてたのね」
「ん?いきなり何言ってんだ?」
「……今までありがとう、そして、ごめん」
「えっ、ちょ、おい!待て!」
後ろで彼女が私を呼んでいる
……でも、もう立ち止まれない
これ以上は、堪えられない
私の日常が、壊れてゆく
21: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/08(月) 22:44:38.583 ID:0/LTT+5P0.net
思いを聞かなければよかった
もっと勝負とか関係なく仲良くすればよかった
……こんな思いをするのなら出会わなければ
後悔の念が押し寄せてくる
走りながら、涙をこぼす私
家まで耐えることもできなかった
22: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/08(月) 22:45:04.691 ID:0/LTT+5P0.net
ドアを開き、力なく倒れ込む
もう、なにもしたくない
ただ、泣いていたい
今、きっと酷い顔をしているだろう
……もう、なんでもいいや
ふと、私の携帯から着信音がしていることに気付く
だが、今はそれを見る気力もない
23: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/08(月) 22:46:16.294 ID:0/LTT+5P0.net
考えたくない
だが、無理にでも考えてしまう彼女との思い出
……思い返せば勝負勝負
私は勝負ばかり、今までの全てが彼女にとっては迷惑だったなんて
……どうしてもっと友達らしい付き合いをして来なかったのか
そっちの方が楽しかったのに
……私の中のちっぽけなプライドが、それを許さなかったのか
……そんな事なら大悪魔なんて
24: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/08(月) 22:46:58.999 ID:0/LTT+5P0.net
そんな事を考えても、もう日常は戻ってこない
さすがに、これ以上彼女に迷惑をかけることは出来ない
日常は……彼女との明日は、もう私の手の届かない所へ言ってしまった
まだ涙が溢れてくる
でもこぼれ落ちる涙をふく気力すらない
25: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/08(月) 22:47:29.318 ID:0/LTT+5P0.net
目を閉じる
闇を感じる
このまま闇にとけてしまいたい
26: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/08(月) 22:49:52.109 ID:0/LTT+5P0.net
闇の中で彼女が微笑む
駄天使とは思えない暖かい、天使の微笑み
……もうその微笑みを見る事はできないのかな
ふと、彼女がどこかに指を指していると気付く
そこを見つめてみると……
闇の奥深くに少しだけ、光があるのを見つけた
27: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/08(月) 22:50:30.237 ID:0/LTT+5P0.net
この光は?
私は光を追い求める
光は、少しずつ、だが着実に私の元に近付いてくる
もう少し……もう少し!
私は手を伸ばす
あそこ……あそこには私の望む日常がある気がする……
あとちょっとで光にたどり着く……
28: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/08(月) 22:51:14.369 ID:0/LTT+5P0.net
そこで私の目は覚めた
……夢か
まだ私は何かを期待して……
手に感触を覚えた
何故か携帯がにぎりしめられていた
……どうして?
小刻みに震える携帯
……何気なく開いてみた携帯には2件のメッセージが
そのメッセージを読んで、私は
目から涙がこぼれた
29: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/08(月) 22:51:58.042 ID:0/LTT+5P0.net
もう私は彼女を疑わない
昨日読んだ2件のメッセージ
『どうしたんだ?サターニャ』
1件は、私を心配する彼女からのメッセージ
そして、もう1件は……
30: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/08(月) 22:52:44.454 ID:0/LTT+5P0.net
「あ、ガヴリール!」
「おう、サターニャ、もう大丈夫か?」
「……えぇ、私はもう大丈夫。ありがとね」
「お前が素直にお礼を言うなんて珍しいな」
「……そうね、フフッ」
「……なんか怖いぞ」
「あら、そうかしら」
天使と悪魔として、ではない
31: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/08(月) 22:53:53.854 ID:0/LTT+5P0.net
「それで、今日も勝負するのか?」
「もちろんよ!」
ライバルとして、でもない
ただの友達として、彼女に勝負を挑む
なんたって
『よく分からないけど、お前はライバルじゃない、私の友達だ、友達との勝負が嫌なわけないだろ?だから元気だせよ、な?』
らしいから
……友達としての勝負なら……いいんだよね
……ふと、彼女を見ると、やはりめんどくさそうな顔……
いや、よく見たらいつもより、少しだけ、本当に少しだけ
彼女が幸せそうにしてるように思えた
おわり
32: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/08(月) 22:54:17.152 ID:0/LTT+5P0.net
綺麗なガヴサタを書きたかったんです
ありがとうございました!
サターニャ「天使のライバル、悪魔の友達」