1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/21(火) 19:14:19.18 ID:FOuGppq00

 ――昼 東京>白糸台高校 虎姫ルーム


菫「誰に」

淡「そりゃあ不特定多数の皆様方にだよ!」

菫「はぁ……? 何を言ってるんだオマエは」

菫「見た目はそれなりに整っている 空回りがちだが愛嬌もある」

菫「なにより女子高生麻雀界の頂点を謳歌するチームの大将だ
   マスコミの助力もあって 話題性なら
    そこいらのアイドルにだって引けを取らない」

菫「その証拠にファンレターや手作りのグッズもひっきりなしに届いてる
   見ろ 部屋の隅にある五段重ねのダンボールを
   アレは全部オマエに宛てられたモノなんだぞ?」

菫「これ以上のチヤホヤはないだろ」

淡「んふふー、そーゆーことをサラッと言ってのけるスミレは
   のちのち大成するよ! あわあわシール一枚あげるっ」

菫「額に貼り付けるな額に」



3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/21(火) 19:22:08.06 ID:FOuGppq00

淡「スミレの言うことにも一理あります!」

淡「だけどもどっこい!
  その程度のチヤホヤならテルーやスミレだってもらってるからね!」

淡「私はもっともーっと沢山チヤホヤされたいの! 地球の……ううん」

淡「あわよくば宇宙に住んでるみんなにだって持て囃されたい!」

照「淡ならなれる なんなら私が淡のマネージャーに立候補してもいい」

淡・照「いぇーいっ」

菫「オマエらハイタッチしてる暇があるなら牌にタッチしろコラァ!
  さっきから麻雀とかけ離れすぎてるんだよっ私達の会話!」



4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/21(火) 19:27:50.43 ID:FOuGppq00

照「ぷっ、菫……今のダジャレ……だだ滑りだったね
   恥ずかし……ププッ」

菫「なっ!」

淡「ゴメンね……私がテルーの胸を揉みしだいてさえいれば
   パイタッチとか言えたのに……はい 残念賞のあわあわシールあげる」

菫「やめろぉ! 真面目に言ったことをギャグされた挙げ句
  ダメ出しをくう気分を考えてろ! それと太ももにシール貼るな!」

照「ツッコミも冗長で下手」

菫「あ?」

照「なんでもないですゴメンナサイ だから弓ひかないで」



6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/21(火) 19:33:31.85 ID:FOuGppq00

淡「というわけでキンキュー会議を取り行っていこーと思います!」

照「いかに淡が宇宙一のトップスターに上り詰めるのか
  その手段を模索したいと思う」

淡「なお! 計画から実行! そして完遂までの一連の流れを
  オペレーション・クェーサーと名付けます!」

照「気になることがあれば お手元のお菓子をご覧ください」

菫「そうか 遠回しの退部申告なんだな? そうなんだな?」

淡「なんでやー! 桐島カンケーないやろー!」

照「私たち<チーム虎姫>は……見る人みんなを魅了する
  グローバルなチャームの持つで集団であることは周知の事実――だけど」

照「私や淡のように
  人ならざるモノ――すなわち麻雀牌に
  愛される程のフェロモンをもつ人間は世界でも数少ない」

菫「牌に愛されるメカニズムってそんなんだったのか!?」



7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/21(火) 19:39:14.98 ID:FOuGppq00

照「いえす 魅力イコール雀力なのである」

淡「なるほどー 確かに
  ドラゴンに愛されてたアチガの妹さんも
  なかなか人気が高いみたいだもんね」

照「牌という無機物にドラゴンという生命体」

照「これらに愛されるために魅力が必要であるならば
   淡が更なる魅力を身につけていくことで――」

照「ありとあらゆる存在の愛を……一身に受けられるスゴいあわあわに進化するハズ」

淡「ス、スゴいよテルー! それなら宇宙人もメロメロだよ!」

菫「目標が高いのは結構だが
  その意欲を麻雀に向けてくれ頼むから」



8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/21(火) 19:44:14.81 ID:FOuGppq00

照「大丈夫 淡のキューティクルが高まるにつれ
  雀力も伸びしろを増すなら これも立派な麻雀部の活動の一環」

菫「本当だな?
  遊びたくてテキトー言ってるワケじゃないんだな?」

淡「いいからいいからー テルーを信じてー」

菫「部費でプリンを買い込んだり 合宿の行き先を私用して
  ハワイ旅行を申し込んだと思ったら 乗る飛行機を一人で間違えて
  一週間も探し回ってみればマンチェスターの奇抜な髪型コンテストで受賞してた女を信用できるか!」

照「トロフィーあげるから許して欲しい」

菫「いらんわ!」

淡「髪型じゃなく∠の部分だけで受賞できるテルってすごーい!」

照「照れる」

菫「……」



9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/21(火) 19:50:45.76 ID:FOuGppq00

照「菫の許可も得られたので
   手始めに龍門渕へ乗り込もうと思う」

菫「待て待て待てぇー!
   百歩譲ってオペレーション・クェーサーとやらを認めたとしても
   なぜ他校に乗り込まねばならないんだ!」

照「淡の女子力アップに一役買う人物がいるから」

菫「魅力なのかキューティクルなのか女子力なのかハッキリしろ!」

淡「いいからいいからー♪ テルーを信じてー♪」

菫「ちょっ! 待て押すなコラ!
  せめて書け置きをだな――」

照「私が書いておくから行こう行こう」



10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/21(火) 19:55:48.03 ID:FOuGppq00

 五分後――昼 東京>白糸台高校 ろうか


亦野(私の名前は亦野誠子
   今をときめく絶対王者〈虎姫〉チームのナンバー5だ)

亦野(白糸台の一員たるもの
   向上心は人一倍あると自負しているし)

亦野(いつかは虎姫のナンバー1――はムリカナ……でも
   せめて3位に座すことを目標に精進している
   が――いかんせん実力が伴わない未熟者だ)

亦野(昨日の部活動では活躍するどころか
   六万点近くの大量失点という失態を見せてしまう始末)

亦野(このままではいけない! 今日からは
   生まれ変わったNew亦野誠子を先輩達にお見せしよう!)

亦野「ふぅ」

 >ガラッ

亦野「こんにちは! 今日もヨロシクおねが――ってアレ?」

渋谷「……」



12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/21(火) 20:00:50.63 ID:FOuGppq00

 同刻――東京>白糸台高校 虎姫ルーム


亦野「尭深だけ?
    この時間に先輩と淡がいないのって珍しいな」

渋谷「これ」

亦野「ん? なんだこの紙」

  【 ちょっと長野いってくる みんなのてるてるより
     お土産ほしけりゃ電話ぷりーず】

亦野「えぇー……」



15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/21(火) 20:06:10.09 ID:FOuGppq00

 数時間後――夜 長野>駅地下


淡「ついたー!」

照「ふるさとの香りがする」

菫「どんなニオイだ」

淡「んー? クンクン」

淡「なんかコゲ臭いねー!」

照「火事のニオイ」

菫「えっ」



17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/21(火) 20:11:55.21 ID:FOuGppq00

 五分後――夜 長野>駅前


 >出火原因は麻雀牌みたいよ
 >こわいわねー……
 >消防隊はまだかー


淡「ふー……はぁー……なんとか上に逃げてこれたね」

淡「もー! みんなビビってズンドコ走り出すもんだから
  オシクラマンジュウで体中が痛いよー」

照「あのラッシュに巻き込まれたせいで 逃げ遅れた人もいたかもしれない」

菫「マズいな……地下だと煙の逃げ道が――」

京太郎「咲ぃー! いたら返事してくれ!
    おーい!」

菫「……あの男子も
  ツレとはぐれて気が気でないだろう」

照「……」



20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/21(火) 20:17:33.29 ID:FOuGppq00

京太郎「あ、あの! こんな∠した女の子を見ませんでしたか!
    ――そうですか……すいません」

淡「んー こっちに来たねぇ」

京太郎「あのすいません! こんな∠した女の子見ませんでした?」

淡「んーん テルーくらいしか知らなーい」

照「……」

菫「キミのツレは携帯を持っていないのか?」

京太郎「もう何度もかけてます! ――あぁもう!」


 >――オネガイーギュットチカラヲコメルヨー♪



21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/21(火) 20:22:09.11 ID:FOuGppq00

京太郎「この着信音……咲――!」

 ――ぴっ

京太郎「おい咲! 今どこに……おいお前なんで
    なんでそんなに咳き込んで……地下にいんのか!?」

京太郎「おい! 咲! ――くそっ!」

菫「まてどこに行く!」

京太郎「地下に決まってるでしょう! 離してくれよ!」

菫「ふざけるな! この黒煙がみえないのか!
  目の前で死に急ぐヤツをみすみす見過ごせるか!」

淡「あわわわ! テルぅー! どうしよぉ……」

淡「ってアレ? テルー! テルー!」

淡「……」

淡「あわわわぁスミレ大変! テルーも迷子だー!」



22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/21(火) 20:29:07.09 ID:FOuGppq00

 同刻――夜 長野>駅地下


照「……」

 >カガヤイテーココイチバーン

照「もしもし……ゴホッ」

照「ん? 駅前のラーメン屋だけど?
  湯気が多くてむせただけだし」

照「……ゴメンね菫 一つだけ謝っておく」



23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/21(火) 20:31:22.43 ID:FOuGppq00

照「ハンカチがなかったから 菫の旅行カバンから
  菫のパンツぱくってマスク代わりにしてる それじゃ」


 >カガヤイテーココイチ


照「しつこい――しばらく電話しないで」

照「……ゴホッ」

照「急がなくちゃ」


 同刻――東京>亦野の部屋


亦野「お土産の電話してっていったの先輩なのに……」

渋谷「どんまい」



24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/21(火) 20:36:51.44 ID:FOuGppq00

 十分後――夜 長野>駅前


京太郎「離してくれよ! てかアンタ力強すぎんだろゴリラか!」

菫「じょ、女子を捕まえてゴリラとはなんだ!」

京太郎「いま男子を捕まえてるのはアンタだろうが!」

淡「テルー! テルーどこぉー! うぅぅ……テルー」


 >中から女の子が出てきたぞ
 >∠っ娘が二人いるぞー!
 >顔面にパンツかぶった変態がお姫様だっこしてる……


照「……」

淡「テルー!」



25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/21(火) 20:41:39.06 ID:FOuGppq00

菫「なにっ!?」

照「私は救助には明るくないから
  ここにいるみなさんに――この子をお願いします」

京太郎「咲!」

咲「はぁ……は……ゴホゴホッ」

照「ここに小さな毛布があるから使ってください」

菫「おいソレ私の」

淡「スミレ空気読んで!」



30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/21(火) 20:47:48.34 ID:FOuGppq00

照「それじゃ私はこれで」

照「ずらかれー」

菫「ま、待てお前コラ!」

淡「あはははー! にげろにげろぉー」

京太郎「ちょっ……アンタ達は――!」

咲「……ゴホッ――きょう……ちゃん? わたし
   助かった……の――ゴホッ」

京太郎「……あぁ 助けてくれたよ」

京太郎(お前の大好きなお姉ちゃんが)



31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/21(火) 20:49:46.61 ID:FOuGppq00

照「ここまでくればひと安心」

菫「ま……まったくオマエはいつもいつも」

淡「まーまー あの場にいてもメンドーだったし
  オッケーオッケー 私服だし学校もバレてないよきっと
  みんなテルの顔を見てたのもあるけど」

菫「オッケー、か……」

菫「……良かったのか? 照」

照「……うん」

照「私が助けたのは……見ず知らずの女の子
  ただそれだけだから」

照「それに今日は助けることが出来た
  今は……それだけで満足」

菫「そうか……」

菫「それだけでいいなら私のパンツは返せるな?」

照「これは別腹」



34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/21(火) 20:54:50.52 ID:FOuGppq00

 一時間後――夜 長野>旅館 照たちの部屋


淡「テルーのほっぺプニプニー」

照「あばばばばー」

淡「そーいえばスミレは?」

照「渋谷たちに連絡しにいった」

淡「なんのー?」

照「お風呂にはいって最初に洗う部分」

淡「私は足からだよー」

照「私は∠から」

淡・照「きっとスミレはお尻から」

菫「違うわぁ! 射抜くぞおのれら!」

淡「おかえりぃスミレー」



37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/21(火) 20:58:08.81 ID:FOuGppq00

照「いいよ ただし矢じゃなく」

照「枕で勝負」


 >ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


菫「……」

淡「……」

照「……」

淡「絶対安全圏!」

照「コークスクリューツモ」

菫「シャープシュート!」


 >三人の戦いは丑三つ時までつづいた――



38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/21(火) 21:03:25.27 ID:FOuGppq00

  数時間後――夜 長野>旅館 照たちの部屋


照「……」

照「……」

照「……」←自宅の枕じゃないと寝つけないタイプ

淡「テルー 起きてる?」

照「うん」

淡「とつぜんですが発表です! 防災標語〈あわあわ〉ぁー!」

照「お さない
  は しらない
  し ゃべらないみたいなやつ?」

淡「うん!」



40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/21(火) 21:09:37.85 ID:FOuGppq00

淡「あ わてない!

  わ めかない!

  あ わよくば!

  わ んこそば!」

照「ふ、ぷふふっ」

照「なにそれっ……なんでわんこそば?」

淡「こーゆー標語っていざ火災だーって時に思い出すもんでしょー?」

淡「おはし って他人の事を考えての行動ばかりじゃん」

淡「だからカンペキに自分本位な項目が
   一つくらいあってもいいかなーって思いました!」

照「そ、それでわんこそば……? ふ、ふふっ」



41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/21(火) 21:13:44.85 ID:FOuGppq00

淡「いざって時は『あれしたいこれ食べたい』って
   考えた方がパワーも出そうじゃない? だからさ――」

淡「……テルーも次 いざって時がきたら思い出してほしいな」

淡「私のために長野まできて 着いてすぐ女の子を助けてさ
   いつも誰かのために一生懸命なテルが――」

淡「少しでも自分のことを考えて 大切にできるように」

淡「わ、わたしをっ……グスッ
  一人にしないで……? テルがいなくなったら私っ――わたし」

照「……」

照「おいで 淡」



43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/21(火) 21:18:44.99 ID:FOuGppq00

照「ゴメンね 心配かせて」

淡「うん……! うん……!」

照「よしよし」

淡「えへへ……テルーあったかい」

照「このままでも……眠れる?」

淡「うんっ……抱きテルまくらギュッとしながら寝るー」

照「おやすみ 淡」

淡「おやすみー」

菫「……」

菫「……」

菫「……」

菫(宥ちゃん枕持ってきておいてよかった)



45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/21(火) 21:24:54.02 ID:FOuGppq00

 次の日――朝 長野>龍門渕高校 校門前


淡「ふぁー……ねむねむ」

照「淡 今から潜入するんだからシャキッとしなきゃ」

淡「あいあいさー! 大星淡!
  超星淡となるべく今日も頑張りまーす!」

菫「なんだそれ――じゃなくて照!
  今オマエなんて言った!」

淡「テルーならもう中に入ってったよ?
  じゃー私も行くから まったねぇースミレ」

菫「あぁもう! こんな広い敷地内にあのバカを放ったら
  迷子になるなという方が無理難題だろうが――」



46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/21(火) 21:30:06.11 ID:FOuGppq00

 五分後――朝 長野>龍門渕高校 食堂


純(ハギヨシさんの作るランチもいいけど
   たまにはこーいう所で食うメシも悪くねーよな……っと)

純「あむっ――うん ウマいな」

 >ざわざわ


純(ん? イヤにざわついてんな
  なに見てんだあの野次馬ども)

照「みそラーメンください」

純(なんだぁ……?
  食券売機スルーして直に注文するバカがいるだけじゃねぇか)

照「――あ、はい」

純(気付いてションボリしてるな)

純(それにしてもあの∠ どっかで見たことあるような)

純「……」

純「……」

純「ぶほっ」



48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/21(火) 21:37:00.35 ID:FOuGppq00

純(チャ、チャンピオン!? 宮永照……だよな?
  なにしてんだこんな所で!)

照「……」

純(み、みそラーメンのボタンを連射してる
  あん? 小銭が戻ってきたな……)

照「キョロキョロ」

純(まさか――金が足んねーのか?)

照「キョロキョロ」

純(周りの奴らも金かしてやれよ
  いや……恐れ多いかチャンピオンだし)



49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/21(火) 21:43:08.31 ID:FOuGppq00

照「……あっ」

純(……う)

照「ジー」

純(ヤバい……めっちゃこっち見てる)

照「ジー」

純(俺が井上純だって気付いてるのか? 気付いてんだよなアレ)

純(なにせあの龍門渕四天王の一人なんだからな俺は)

純(知らないヤツはそうそういないハズ……)

照「亦野ー お金かしてー」

純「誰だよ!」



53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/21(火) 21:48:27.94 ID:FOuGppq00

照「ズルズル」

照「おいしい」

純「そりゃよーございました」

照「この借りは麻雀で返す」

純「いや金で返してくれ頼むから 下手したら死ぬ」

照「ところで ウチの亦野とはどういう関係?」

純(そんなに似てるか? オレとあの副将
  なんかショックだわ……)


 同刻――朝 東京>白糸台 虎姫ルーム


亦野「へ、ヘクション! ――あ」

渋谷「牌山崩し……チョンボ……」



54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/21(火) 21:53:51.79 ID:FOuGppq00

純「――それで チャンピオン様がウチに何の用なんだ?」

純「わざわざ東京から来たんだ 
  名高いアンタらに相応しい そりゃあ大層な目的があんだろ?」

照「甘え子供ちゃん」

純「天江衣な」

照「天江衣ちゃんを見にきた」

純「ふぅん――まぁおおよそ見当通りだな」

照「スゴい なんで分かったの?」

純「そこいらのザコならまだしも アンタ程の打ち手が選ぶ対戦相手に
  オレらじゃ役不足だろ なら衣と透華くらいなモンだぜ」

照「……? 私たちは別に麻雀をしにきたワケじゃない」

純「えっ」



58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/21(火) 21:58:20.63 ID:FOuGppq00

純「衣を見に来たんだよな?」

照「うん」

純「麻雀をして見(けん)に徹したいって意味じゃ?」

照「ない」

純「えーと……つまりだ」

純「アンタははるばる東京から
   動物園でたわむれるパンダを視線で愛でるスタンスで
   長野在住の一女子高生を見つめたいがためにココに来たと」

照「うん」

純「変態か!」

照「おかわり」

純「オマケに大飯喰らいか……」



61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/21(火) 22:03:57.72 ID:FOuGppq00

 同刻――朝 長野>龍門渕高校 麻雀部室


透華「――事情は分かりましたわ! 行方不明になったチャンピオンの
   捜索を手配すればいいのでしょう? ハギヨシ」

ハギヨシ「承知」

菫「ほんと こんな形でお邪魔してすいません」

一「まぁ事前にアポ取りはしてたんだし 気にしないでよ」

菫「それを照に伝え忘れてたのもそうですが
   そもそもココにお邪魔させてもらった理由も
   照のやつを律するべき立場にある私自身も
   なぁなぁとしてここにいる事実も……なにもかもお恥ずかしい限りです」

一「あはは……苦労してるんだね」

智紀(あ……私も今日のこと
   純に伝え忘れてた……まぁいっか)



62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/21(火) 22:07:50.56 ID:FOuGppq00

淡「ねーねー! アレやってよ!
  子鹿の音が聞こえるか!(ドヤッ)ってヤツ」

衣「ば、馬鹿者! 子鹿さんではない! コジミだ!
  子鹿さんを泣かせるでない!」

淡「乞食?」

衣「こ・じ・みっ!!!! 貴様の耳は壅塞(ようそく)の極致にあるようだな!」

淡「遠足の局地にあるよーだな!(ドヤッ)」

衣「うわぁあああああん! とぉかぁああああああ!!!
   あわいがイジメるゥウウウウウウウ」

透華「あらあら」



65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/21(火) 22:12:45.59 ID:FOuGppq00

淡「怖くないよー タダのあわあわだよー」

衣「グスッ……ほんと? あわあわ?」

淡「あわあわ」

衣「あわあわ?」

淡「あわあわー」

衣「あわあわワーイ!」

淡「わーい!」

智紀「……何故か通じ合ってる」

菫「魔物の共通言語かおのれの名前は……」



67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/21(火) 22:18:03.76 ID:FOuGppq00

透華「二人は意気投合してるようですし
    菫さんは私達と打ちませんこと?」

菫「えっ! その……いいんですか?
   これ以上手間をとらせてもらって」

透華「構いませんわ! チャンピオンの従者に甘んじたまま
    なんの旨味もなく帰りたいのであれば 断っても結構ですけれど」

一「ちょっと透華!」

菫「……フフッ なかなか人を乗せるのが上手いですね
   その半荘一回――受けて立つ」

智紀「じゃあ私も」

一「はぁ……やっぱりこうなるんだよねー
   血気盛んな主人をもつと大変だ」

透華「では――スタートですわ!」



68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/21(火) 22:24:32.15 ID:FOuGppq00

淡「コロモって髪キレーだねー 触っていい?」

衣「あわいの髪も風光明媚がごとき代物
   衣の髪で満足いくか?」

淡「むふー、私の髪って麻雀打つ度に痛んじゃうから
  ほらっ、100年生オーラで!」

衣「なるほど……世知辛いな
  オマエも自分の力に翻弄されし禍い者か」

淡(あ、この子 冗談が通じないタイプだ)



69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/21(火) 22:29:16.44 ID:FOuGppq00

淡(でも――そーゆー所が可愛いな)

 >ギュッ

衣「はわっ」

淡(無垢っていうのかなこーゆーの
  掴みどころがないのはテルも一緒だけど
  意識してやってないんだろうなって感じがかーわいいー)

衣「やめろー! はなせー!」

淡(うん、分かってきたよテルー!
   私とコロモを引き合わせたかった理由が)

衣「聞いてるのか!? あぁあ……!
   アタマ撫でるなぁぁ……」



71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/21(火) 22:36:03.10 ID:FOuGppq00

 同刻――朝 長野>龍門渕高校 大浴場


純「ふぅ……あっつ」

照「……食後の朝風呂は格別」

純「まぁな――で」

純「何でオレ達ここでくつろいでんだっけ」

照「ジャグジーであわあわ成分を補給したいから」

純「泡々成分ねぇ……」

照「お腹減った」

純「おいおい 別の成分ぬけ落ちてんぞ
  てかラーメン3杯も食ったろうが……」



74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/21(火) 22:41:55.45 ID:FOuGppq00

純「それともアレか
   その暴食癖が強さの秘訣だったりすんのか?」

照「ううん」

純「……」

照「……」

純「いや違うなら教えてくれよ! そういう流れじゃんコレ!」

照「流れなら鳴いて断ち切ってください」

純「オマエ絶対オレのこと覚えてただろ!
  さっきわざと間違えただろ!」



76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/21(火) 22:46:39.93 ID:FOuGppq00

照「まぁまぁ……教えるから」

照「淡がさ……本気になると髪の毛……
  ぶわぶわドヒューン……ってなるよね」

純「あぁアレな ダブリーの予兆みてぇーなヤツだろ」

照「アレね……実は――汗とかで髪が
   ……ベタついてると……あんまり……フワフワしない」

純「……」

照「……」

純「え!? 話終わり!?」

照「うん」

純「オレの質問はどこ行ったんだよ!」

照「うん」

純「『うん』じゃねええええええええええええええええええ」



77: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/21(火) 22:51:43.48 ID:FOuGppq00

照「……」

純「……」

照「……」

純「……」

照「……」

純「……」

照「……何の話だっけ」

純「もういいよ……諦めた」

照「ごめん なんか……もお……眠くて」

純「寝るなよ! 絶対寝るなよ!? 振りじゃねえからな!?」


 同刻――朝 長野>龍門渕高校 脱衣場


ハギヨシ「……ふむ」

ハギヨシ「さすがにあの場に溶け込む器量も
     水を差す度量もこのハギヨシには不足しています」

ハギヨシ「透華お嬢様――今しばしお待ち下さい」



79: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/21(火) 22:58:09.42 ID:FOuGppq00

照「……りょーかい」

純「はぁ……なんだかねぇ」

純(チャンピオンつっても 麻雀してなきゃタダの人か
   無防備極まりねぇもんだ)

純「ふぁあ……」

純(っといけねぇ オレまで寝落ちしたら
  本格的に事件だっての)

純「おい そろそろあがろうぜ
   衣に会いたいなら案内するから……よ」

純「……」

純「……」

純「いねぇし」



82: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/21(火) 23:04:21.92 ID:FOuGppq00

 三十分後――昼 長野>龍門渕高校 部室


純「ただいまーっと
   ここにチャンピオンはいたり……しねえか」

透華「あら 宮永さんなら先ほどここに来て
    今さっきお連れの方と一緒に帰ったばかりですわよ」

純「えっ あのポンコツが!?
   自力でここにたどり着けたのか!?」

一「ううん ハギヨシさんが一緒だったよ っていうか
   ポンコツ呼ばわりはヒドいんじゃない?
    いくら方向音痴だからって」

純「そーだな……あー探し回って損した」

衣「じゅん! ころもは今日から高校100ねんせーだ!
   今までの100倍くらいお姉さんとして敬うといい!」

純「えっ」



86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/21(火) 23:11:12.66 ID:FOuGppq00

透華「ふふっ 衣ったら
    新しい背伸びの仕方を覚えましたのよ」

智紀「子供はみんな日進月歩 成長をやめない」

衣「こどもじゃない! ころもだ!」

純(成長してるというより、子供寄りに退行してるような)

純(……)

純(……でも、ま 気の持ちようなのかね)


 同刻――昼 長野>みちばた


淡「とゆーわけで! 高校200年生に大躍進しました
   新生あわあわだよ! テルー!」

照「倍満をちゃっかりかつしっかりかます
   さすがは私の淡 よーしよしよしよしよし」

淡「あはははっ くすぐったいよぉ」

 >ズドーンズドーン

菫「往来でじゃれあうな魔物ども 道路が揺れる」



87: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/21(火) 23:16:41.96 ID:FOuGppq00

淡「ほいしょっと」

照「おうふ」

淡「わぁー いつ乗っても高いね
  テルーの目線のさらに上!」

菫「肩車してれば高いだろうさ」

照「今なら届きそう?
   淡のなりたかったものに」

淡「うーん――どうでしょうかねぇ
   でも昨日よりは全然イケそーだよ!」

照「そう それなら良かった」

菫「そうでなくては困るけどな
   わざわざ長野に来て収穫なしときたら笑うしかない」

照「菫も妙に満足そうに見えるけど 気のせい?」

菫「き、気のせいだろ」



88: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/21(火) 23:20:52.37 ID:FOuGppq00

淡「でも、まだまだ足りなかったりするのかなぁ?
   チヤホヤ指数はしばらくしないと計算できないし」

菫「なんだその未知の分野」

淡「重複された正と否に押し潰されそうなシュレディンガーの猫を
   撫で回したい淡ちゃん状態だからね! 箱を開けるまで答えは不明瞭なんです」

菫「お前は一体何を言っているんだ」

照「答えを見て足りないなら 何度でも重ねればいい」

照「私はいくらでも淡に付き合うよ」

淡「ありがとう! テルー大好き!」

照「あんまり私の∠プニプニすると 指が切れるから気をつけてね」

淡「なんと!」



91: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/21(火) 23:24:52.60 ID:FOuGppq00

菫「……」

照「どうしたの菫 眉間にシワ寄せて」

菫「こんなバカげた小旅行が 再び訪れるかと思うと頭が痛くてな……」

照「もう少しで空港だから 頭痛の薬あげる」

菫「少しは省みろ頭痛の種」

淡「レッツゴー東京ー! バイバイ長野――って痛ぁー!
   指切っちゃった……」

照「絆創膏も追加っと」



92: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/21(火) 23:28:49.05 ID:FOuGppq00

照「……」

照(長野……いつか)

照(淡に会わせたかったもう一人に
  淡を会わせてあげることが出来るのかな)

照(私自身――向き合うことが出来るのかな)

照「……」

照「バイバイ――長野 またね」



93: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/21(火) 23:32:07.82 ID:FOuGppq00

 数時間後――夜 長野>上空
飛行機の中


淡「むにゃむにゃ……」

菫「……いいのか? あんな約束して」

照「亦野のお土産なら心配ない 
  東京で売ってるテキトーな釣具を渡すから」

菫「いやそっちじゃなくて……ていうかそんな約束してたのか」



95: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/21(火) 23:37:46.03 ID:FOuGppq00

菫「淡のことだよ 何度でも協力するって話」

照「……」

照「チヨホヤされたいってことは
   他人の意識を自分に向けたいってこと」

照「でもそれは
   淡の意識も他人に向いてる証だから」

菫「……寂しかったりしないのか? あんなにテルーテルーって
   オマエにしか興味を示さなかった淡が
   オマエ以外に興味をもったこと――そして」

菫「苦しくはないか? そんな淡の仲介に回るような真似は」

照「……」

照「菫は優しいね」



97: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/21(火) 23:42:12.81 ID:FOuGppq00

菫「優しさを示すべき立場なだけだ 優しいわけじゃない」

照「私は淡が好き」

照「だから……淡には私だけを見ていて欲しいとも思ってる――でも」

照「淡の中に……私以外の誰かが息づくことはきっと
   淡にとってプラスに終わると思うから」

照「それに……」

照「私はどんな淡も好き それが今はハッキリと分かる」

淡「スー……スゥー……盛りそばいっちょー……むにゃむにゃ」



100: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/21(火) 23:47:37.56 ID:FOuGppq00

菫「そうか」

照「それに……」

照「たとえ全国のアイツやコイツに会わせても
   この宮永照 淡の想い人として君臨し続ける自信がある」

菫「あーオマエはそうゆうヤツだったな思い出した思い出した」

照「恋も部活もチャンピオン」

菫「ゴシップの見出しに使えそうなタイトルだな
   こんど記者に頼んでおいてやる」



101: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/21(火) 23:50:23.70 ID:FOuGppq00

照「照れる」

菫「皮肉だったんだけどな……ん?」

菫「照! 流れ星だ流れ星!」

照「……? 見えないけど」

菫「うっすらだけど……ホラ! また流れた!」

菫「三連覇の悲願を願え! ほら早く早く!」

照「……」



104: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/21(火) 23:53:11.84 ID:FOuGppq00

照(今度はどこに行こうか? 淡)

照(海があるところ? それとも雪がいいかな)

淡「……むにゃむにゃ テルーといっしょなら……どこでもいいよ……うーん」

照「……ふふっ」

照(私は――淡がいれば流れ星いらずかな)

照(いつも手の届くところにいて
  私の願いをケロッと叶えてくれる 可愛い可愛いお星様)

照「大好きだよ 淡」




カン!!!!



109: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/22(水) 00:00:49.90 ID:qnz/6ZSV0

 次の日――東京>白糸台高校 ろうか


亦野(昨日 連絡をくれた部長の話によると――今日!)

亦野(ついに!)

亦野(先輩たちが長野から戻ってくる!)

亦野(待ちわびた一局の中を――再びしのげるんだ!)

亦野(う、ううんっ? なんだか緊張してきたな
   こういう気分はいつもの茶目っ気の効いた挨拶で流してしまおう)

亦野「すう……はぁ……」

亦野「おかえりさまさまですっ! 失礼します!」

 >しーん

渋谷「長野のお茶……美味しい」



110: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/22(水) 00:03:36.78 ID:qnz/6ZSV0

  同刻――東京>白糸台高校
  ルーム虎姫


亦野「あ、あれ? 部長たちは」

渋谷「はい……書き置き――とお土産だって」

亦野「……」


   【 ちょっとどこかの市に行ってくる あわいのてるてるより 】


亦野「えぇー……」


    【 追伸 お土産の釣具はえんりょなくつかってね 】


亦野「えぇえ……」

亦野「……」

亦野「これ船釣りバッテリーじゃぁん……」



もいっこカン!


元スレ
淡「チヤホヤされたい!」