1: 名無しで叶える物語 2021/01/11(月) 13:56:45.46 ID:WqVDpfMb.net
部室
侑「………」
歩夢「………」
愛「…ゆうゆ?」
侑「……」
愛「歩夢ー?」
歩夢「……」
愛「……おーい」
せつ菜「…愛さん」
愛「うおっ」ビクッ
せつ菜「びっくりした…せっつーいたんだ」
せつ菜「はい…」
2: 名無しで叶える物語 2021/01/11(月) 13:58:09.77 ID:WqVDpfMb.net
せつ菜「……」チョイチョイ
愛「…?」テクテク
せつ菜「……」
せつ菜「実はですね……」コソコソ
せつ菜「…」チラッ
せつ菜「………」ボソボソ
愛「ええーっ!?うっそー!!あの2人喧嘩してんの!?」
せつ菜「愛さんっ…声が大きいですっ…」コソコソ
愛「ああごめん……」
愛「………」
愛「…せっつーに声のボリュームを指摘される日が来るとは思わなかった」ボソッ
せつ菜「?何か言いました?」
愛「いや…なんでもない……」
愛「…てか……それマジなの?」
せつ菜「マジです…」
愛「マジか……」チラッ
侑「………」ツ-ン
歩夢「………」ツ-ン
愛「マジだ……」
愛「…」
愛「何で喧嘩してんの…?」
せつ菜「さあ…私が部室に来たときには既にこうでしたから……」
愛「…」
愛「そっかー……」チラッ
せつ菜「…まあでも」
せつ菜「おふたりのことですし……きっと明日には元に…」
愛「……」
せつ菜「…愛さん?」
愛「…………はー」
愛「甘いよせっつー…」
せつ菜「…?」
愛「…歩夢とゆうゆと知り合って早半年以上」
愛「2人のあんな状態見たことある?」
愛「そりゃ……なんか気まずそうにしてたことはあったけどさ」
せつ菜「まあ……初めて見ますけど…」
せつ菜「それが何か?」
愛「……」
愛「……あの2人、あんま喧嘩しなさそうじゃん」
愛「事実、愛さんたち見たことないんだし」
せつ菜「そうですね……」
愛「だからさ……普段しない分の反動というか…」
愛「…時たま喧嘩したときには」
愛「溜まりに溜まった鬱憤がぶつかって……」
愛「…」
せつ菜「……」
せつ菜「…つまり?」
愛「…」
愛「この喧嘩」
愛「愛さんによると」
愛「超長引く」
せつ菜「………えぇ…」
せつ菜「…」チラッ
侑「………」ツ-ン
歩夢「………」ツ-ン
せつ菜「……これがですか?」
愛「…うん」
せつ菜「…まずいですね」
せつ菜「こんな雰囲気じゃ、練習も何もあったものじゃないですよ……」
せつ菜「……どうしますか…?」
愛「……」
愛「どうってねえ……」
愛「…どうしようもなくない?」
せつ菜「諦めが早いですよ……」
せつ菜「…幸い今日は1年生と3年生は休みですし……」
せつ菜「今のうちになんとか……」
歩夢「せつ菜ちゃん」
せつ菜「……!」ビクッ
歩夢「愛ちゃんも」
愛「…」ピク
歩夢「ちゃんと聞こえてるからね、会話」
せつ菜「あ…あはは、ほんとですか……えへへ」アセアセ
愛「……」
愛「………ねえ」
愛「歩夢さあ…」
愛「なんでゆうゆと喧嘩してんの?」
せつ菜(おお…単刀直入ですね……)
歩夢「……」
歩夢「…喧嘩?してないよ」
愛「いやしてんじゃん」
愛「さっきから2人全然喋ってないし」
歩夢「…別に話してないだけだよ」
歩夢「…え…なに?」
歩夢「私が侑ちゃんといっつも話してないとおかしい?」
愛「いや…おかしいってわけではないけどさ……」
歩夢「だから別に喧嘩なんてしてないよ」
愛「…そっかー……」
せつ菜「…」
せつ菜「…でも歩夢さん……」
せつ菜「やっぱり…おふたりが一切話してないとなると……」
せつ菜「ちょっと……心配です」
せつ菜「……」
せつ菜「…よければ……」
せつ菜「何があったか…話してくれませんか…?」
歩夢「……」
侑「……」
侑「…………歩夢が悪いんだよ」ボソッ
歩夢「…」
歩夢「……」
歩夢「……はあ?」
歩夢「…いやいや、それはおかしいよ」
歩夢「今回は完全に侑ちゃんが悪いじゃん」
歩夢「勝手に機嫌損ねてさ」
侑「……」
歩夢「ねえ!!」バン!
せつ菜「…!」ビクッ
侑「……急に机叩くのやめなよ」ボソッ
侑「…せつ菜ちゃんびっくりしてるじゃん」ボソボソ
歩夢「は?侑ちゃんのせいでしょ!」
侑「いや今のは私関係ないじゃん」
歩夢「ある!侑ちゃんが人の話無視するから!」
侑「………」
侑「……」
侑「………歩夢と私が」
侑「いっつも話してないとだめなんてこと…ないんでしょ」
歩夢「なっ……」
侑「…」
侑「さっき歩夢が言ってたことじゃん」
歩夢「いやそうだけど…!」
侑「じゃあ別に歩夢のこと無視したっていいんじゃないの」
歩夢「そ…そんなの屁理屈だよ!」
侑「事実だし」
歩夢「っ……」
侑「…歩夢は私と話すよりも、他の子と話す方が楽しいくせに」ボソボソ
歩夢「なに?」
歩夢「聞こえない!」
歩夢「もっとはっきりしゃべってよ!」
侑「……」
歩夢「………侑ちゃんって昔っからそうだよね!」
歩夢「自分が不利になるとボソボソしゃべってごまかして!!」
歩夢「……」
歩夢「前…学校で侑ちゃん勝手に機嫌悪くなって」
歩夢「教室から抜け出して…迷惑かけたことあったよね!!」
歩夢「みんなで探してようやく見つけても」
歩夢「侑ちゃん、何言ってるか全然聞こえないし!!」
歩夢「ちゃんと言ってくれなきゃわかんないよ!!!」
侑「……それって小学生のときの話でしょ」
侑「………よくそんな昔のこと覚えてるよね」
歩夢「っ…それは……だって………」
歩夢「……」
歩夢「………侑ちゃんのばか!!」
歩夢「私帰る!!」ガタッ
愛「ちょちょちょ!!待って待って!」グイッ
愛「愛さんたち完璧に置いてかれてるから!!」
愛「てかやっぱ喧嘩してんじゃん!」
歩夢「してない!!」
愛「してるでしょ!!」
愛「なんでそこそんな否定すんの!?」
歩夢「っ……」
侑「………」
愛「…」
愛「まあ…とりあえずさ、落ち着こうよ……」
歩夢「……」
侑「……」
愛「ほら…歩夢そこ座って……」
歩夢「……」ポスン
侑「…」
愛「……」トスン
愛「…まずゆうゆからさ」
愛「……何でこんなことになってるか話してよ」
侑「………」
侑「……言いたくない」
歩夢「ほらまたそうやって…」
せつ菜「歩夢さん」
歩夢「…」
侑「……」
愛「ゆうゆ…」
侑「…言わない」
愛「……」チラッ
歩夢「……」
歩夢「…私が…話すよ……」
―――――――――――――――――――――
音楽科に転科してから、侑ちゃん忙しくて…
朝は学校に早く行って勉強したり…
同好会休むことも増えたし…
夜は遅くまで居残りして……
最近…侑ちゃんと一緒にいる時間少なかったんだ
でも昨日は…勉強がひと段落したみたいで…
久しぶりに…ほんとに久しぶりに侑ちゃんと帰ったの
歩夢「最近…大変そうだね、侑ちゃん」
侑「そうなんだよねー…」
侑「……」
侑「やっぱこの年齢からずぶの素人が音楽始めるって」
侑「…だいぶキツくって」
侑「………」チラッ
侑「…」
侑「……でも…私には歩夢がい
あっ!!あのっ!!!
侑「て……」
歩夢「……?」
うっ…上原歩夢ちゃん……ですよね…?
歩夢「あ…うん、そうだけど…」
わ…私っ!ファンなんです!!歩夢ちゃんの!!
歩夢「えっ、ほんと!」
はいっ!スクフェス でステージ見てから……
歩夢「えへへ…照れちゃうな」テレテレ
侑「…」
あのっ…しゃ…写真!写真…一緒に撮ってもらえますか…?
歩夢「あ…うん」チラッ
侑「……撮ってあげなよ、私シャッター切るから」
歩夢「…うんっ!」
わーっ!ありがとうございます!じゃあ…
歩夢「……ちょっと遠いんじゃない?」
へっ…?
歩夢「ほらっ、もっと寄ってっ!」グイッ
侑「…!」
えっ/// ちかっ……えっ…えへへ///
侑「……」
侑「…はい、チーズ」パシャー
あっ…ありがとうございました///家宝にします…///
歩夢「家宝って…」フフッ
歩夢「これからも応援…よろしくね!」ニコッ
はいっ!/もちろんです!//でっでは…///タッタッタッタッ…
ハーッヤバイ...ナマアユムチャンムッチャカワイイ.......
歩夢「ふふっ」バイバイ
侑「…」
侑「……」
侑「……歩夢って…」
侑「……普段からこうやって…声…かけられてたりすんの…?」
歩夢「…?うん」
歩夢「…特に…スクフェス終わってからは…かなり」
歩夢「……あ、そっか」
歩夢「今まで侑ちゃんがいるときに声かけられたことって」
歩夢「ほとんどなかったもんね」
歩夢「最近一緒に帰ってなかったし……」
侑「…そう……そうだね…」
歩夢「でもさ、こういうのって」
歩夢「すごい……勇気貰えるよね」
侑「……うん」
歩夢「こんな私でも好きになってくれる人がいるんだ…って」
歩夢「……応援してくれる人のために頑張らなきゃって…」
侑「……うん…そうだね…」
歩夢「あ、ほかのみんなも結構声かけられてるらしいよ?」
歩夢「『かすみん、昨日校門で声かけられちゃいました!!』」コエマネ
歩夢「って、かすみちゃん喜んでた」
歩夢「愛ちゃんはおうちのお店宣伝してて笑っちゃったよ」フフッ
侑「…」
歩夢「あ、りなちゃんなんてね、ファンの子がボード自作してきて」
歩夢「一緒にボードつけて撮ったんだって」
歩夢「この前写真見せてもらったけど」
歩夢「なんかこう…りなちゃん!って感じで」
歩夢「かわいかったなあ…」
侑「…へえ……」
歩夢「果林さんとかも凄いけど…」
歩夢「でもやっぱりせつ菜ちゃんがダントツだね」
歩夢「いっつも声かけられてるもん」
歩夢「せつ菜ちゃんって基本衣装でしか活動してないから」
歩夢「制服着てるのが珍しいのもあるのかな」
歩夢「ギャップ萌えってやつだね」エヘヘッ
…思えばずっと…侑ちゃんの様子が変だった…
すごい静かだし…私の話に相槌打つだけで……
…思えばこの辺りから…侑ちゃんの様子が変だった…
すごい静かだし…私の話に相槌打つだけで……
でも私は……
みんなと楽しくやってるよって…
スクールアイドル頑張ってるよって伝えたくて……
歩夢「私…今すっごく楽しい!」
歩夢「同好会のみんながいて…ファンのみんながいて…」
だから…侑ちゃんは私の心配しなくていいよって…
私は侑ちゃんに頼りっきりの存在じゃなくなったよって…
歩夢「私、今まで侑ちゃんに支えられっぱだったけど…」
歩夢「これからは……!」
……これからは私が侑ちゃんを支えてくって…
一緒に助け合って行こうって……
そう…言おうと思ったのに……
侑「…………もう歩夢に私は必要ないんだね」
歩夢「………え…?」
侑「……私がいなくても楽しそうだし…」
侑「ファンに声もかけられるようになってさ…」
歩夢「いや…でも私は……」
侑「…さっき凄い嬉しそうにみんなの話して…」
侑「………」
侑「……同好会のみんなと仲良くなれてよかったじゃん」
侑「……………歩夢のくせに……」ボソッ
歩夢「…………………ねえ、それってどういう意味」
侑「…」
侑「別に」
歩夢「……」
歩夢「…私が……友達作るの下手ってこと?」
侑「……」
歩夢「…なんなの……?」
歩夢「私がみんなと仲良くしたらおかしい…?」
侑「……そんなこと言ってないじゃん」
歩夢「私のくせにって言ったよね?」
侑「………言ってないし」
歩夢「言ったよ!」
侑「………今まで私にべったりだったのに」ボソボソ
侑「……なんで…急に……」ボソボソ
歩夢「何!何て言ったの!!」
歩夢「聞こえる声で話してよ!」
侑「………」
侑「……知らない」
歩夢「はあ?」
侑「歩夢なんて…もう知らない」
侑「………っ!」タッ
歩夢「ちょっ、侑ちゃん!!」
歩夢「……」
歩夢「…なんなの……もう…」
―――――――――――――――――――――
侑「………」
歩夢「………」
愛「………」
せつ菜「……えっ、それってつまり」
せつ菜「侑さんが歩夢さんにしっ
愛「せっつー待った」
せつ菜「…はい」
愛「……」
愛「…歩夢さ…なんでゆうゆが怒ってるか…」
愛「うすうすわかってるでしょ」
歩夢「………」
愛「ゆうゆもさ」
愛「……ちゃんと言わなきゃ伝わんないよ」
侑「………」
歩夢「……」
愛「……」
愛「……せっつーさ、生徒会の仕事あるって言ってなかった?」チラッ
せつ菜「へ?なんのことで……あー、いや、はい」
せつ菜「あります、生徒会の仕事」
せつ菜「…1人だと大変な量なので…誰か手伝ってくれると嬉しいですね…」チラッ
愛「…愛さん手伝うよ」
せつ菜「すみません…ありがとうございます」
愛「……じゃあ…愛さんとせっつーちょっと行ってくるから…」ガタッ
愛「…量多いんだっけ?」チラッ
せつ菜「………はい、とても」
愛「……なら結構時間かかるか」
愛「…しばらく留守番お願いね、2人とも」
愛「…いこっか、せっつー」ガチャ
せつ菜「はい…」テクテク
バタン…
歩夢「………」
侑「………」
歩夢「…………」
侑「………」
歩夢「………ごめんね」
侑「……なんで…歩夢が謝るの」
歩夢「…………侑ちゃんの気持ち…わかってなかったから」
侑「………」
歩夢「…久しぶりに侑ちゃんと一緒で…嬉しくて……」
歩夢「………私の話ばっかしちゃって…」
歩夢「……それに…」
歩夢「自分で言うと…はずかしいんだけど……」
歩夢「侑ちゃん……嫉妬…してたんだよね…」
歩夢「…同好会のみんなとか…ファンのみんなとかに……」
侑「………」
侑「………うん」
侑「………私はさ」
侑「……………歩夢が私を好きだってこと…よくわかってる」
歩夢「……うん」
侑「………いつでも私を必要としてくれてるって…」
歩夢「……」
侑「………だから…なんだろ…」
侑「………」
侑「…………歩夢が私から離れてくって思うと…」
侑「……やっぱり…すっごいもやもやする…」
侑「………おかしいことだってのはわかってる…」
侑「………」
侑「…あのとき……転科決めたときに…私……」
侑「………別々の道でも……離れていても一緒だって…」
侑「……だから…私は私の道を進もうって…」
侑「…………そう…思ったはずなのにな…」
歩夢「……」
歩夢「……………」スタッ
歩夢「………」テクテク
ギュッ
侑「……歩夢?」
歩夢「……嬉しい…」
侑「………え…?」
歩夢「侑ちゃんが……私を必要としてくれてたこと…」
歩夢「……」
歩夢「………昨日言えなかったこと…言うね」
歩夢「……これからは…私が…」
歩夢「…私が侑ちゃんを支えていくよ」
歩夢「………だから」
歩夢「…だから侑ちゃんは…今までと一緒で…私を支えててほしい」
侑「……歩夢」
歩夢「……私はスクールアイドル、侑ちゃんは音楽」
歩夢「……………この先…進む道は違うと思う」
歩夢「…でもさ」
歩夢「……道が違ったって…離れてたってできることはあると思う」
歩夢「……私と侑ちゃんの関係は…そんな簡単に途切れたりしない」
歩夢「………」
歩夢「それにね……侑ちゃん」
歩夢「………」
歩夢「同好会のみんなも…ファンのみんなも大切だけど……」
歩夢「……でも」
歩夢「私は……私は侑ちゃんのことが1番大切だから」
歩夢「だから……その…」
歩夢「……嫉妬なんかしなくても…いいんだよ」
歩夢「私の1番は…いつだって侑ちゃんだから…」
侑「……………うん」
歩夢「………」
歩夢「……これからもよろしくね、侑ちゃん」ニコッ
侑「………うんっ!」
廊下
愛「とりあえず収まりそうでよかったよー…」テクテク
せつ菜「ですね…一時はどうなることかと……」テクテク
せつ菜「……でも…ちょっとびっくりしましたね」
愛「なにが?」
せつ菜「…侑さんです」
せつ菜「あんなあからさまに嫉妬して…」
せつ菜「子供みたいに拗ねるなんて……」
せつ菜「…イメージになかったので……」
愛「あー、確かにね……」
せつ菜「歩夢さんから侑さんは言わずもがなですが…」
せつ菜「侑さんも…やっぱり歩夢さんのことは特別なんだなって……」
愛「………」
せつ菜「………うらやましいです」
愛「………」
愛「…え…せっつー……ゆうゆのこと好きなの?」
せつ菜「はい?」
愛「いや…今の言い方だと…歩夢に妬いてるみたいな感じに…」
せつ菜「ああっ!違いますよ!」
せつ菜「いや侑さんのことは好きですけど!そう言う意味ではなくて!」
せつ菜「……おふたりの関係性が…うらやましいなって…」
愛「………」
せつ菜「小さい頃から一緒にいて…支え合って…」
せつ菜「……お互いがお互いを…大好きで………」
せつ菜「…それってすごく素敵じゃないですか?」
愛「………」
愛「…そうだね」
せつ菜「………」
せつ菜「……私には…そんな人、いませんから…」
せつ菜「………」
愛「……」
愛「………だったら作ればいいんだよ」
せつ菜「…へ?」
愛「…」
愛「……それとも」
愛「………愛さんじゃさ…そういう関係になれないかな」
せつ菜「………」
せつ菜「……急に何言いだすんですか」
せつ菜「……え…愛さん私のこと好きなんですか?」
愛「ちょ、違う違う、そうじゃなくて!!」
愛「………せっつーと…愛さん」
愛「…歩夢とゆうゆみたいな……特別な友達になれたらって」
愛「ちっさい頃から一緒ってのは無理でもさ…」
愛「………」
愛「…」
愛「……せっつーは」
愛「…私の…憧れのスクールアイドルだから……」
せつ菜「……」
せつ菜「………ふふっ」
愛「……なんで笑うの」
せつ菜「いえ……」
せつ菜「…顔、真っ赤ですよ?」チョンチョン
愛「……改まってこんなこと言うと…流石にはずい」
愛「………はーっ」
愛「あの2人のせいだよ…愛さん変なこと言っちゃった」
せつ菜「変じゃないですよ」
せつ菜「…嬉しいです、私」
せつ菜「………」
せつ菜「…私も…愛さんのこと尊敬してますよ」
せつ菜「…特別な友達は……そう遠くないのかもしれませんね」
愛「……」
愛「…そうかもね」
――――――部室
歩夢「この度はご迷惑、ご心配をおかけし」ドゲザ
侑「誠に申し訳ございませんでした」ドゲザ
せつ菜「そんなっ…」アセアセ
せつ菜「…私たちは別に……」
愛「…」
愛「……愛さんはゆうゆの意外な一面が見れて」
愛「ちょっと面白かったけどね」
侑「もう…愛ちゃん……からかわないでよ…」カオマッカ
愛「へへっ」
侑「…」ドゲザ
歩夢「…」ドゲザ
愛「…顔、あげなよ」
愛「仲直りは済んだんでしょ?」
歩夢「…はい、おかげさまで……」
侑「……おかげさまで…」
愛「よし!じゃあこの話はおしまい!!」
愛「ほらほら!いつまでそうしてんの!!」ポンポン
侑「…うん」
歩夢「…」
せつ菜「……ではこれにて一件落着ということで!!」
せつ菜「みなさんでどっか行きましょう!!」
歩夢「……え…練習は…」
愛「もう今日はそんな感じじゃないでしょ」
愛「なんかあった日は!ぱーっと騒いで!寝て!」
愛「んで明日頑張る!!」
愛「…」
愛「それが愛さん流『問題への向き合い方』!」
愛「愛だけにっ、つってね!!」
侑「……へへっ」
せつ菜「……やっと笑ってくれましたね」
愛「やっぱりさ、ゆうゆは笑顔が似合うよ」
侑「え…えへへ」テレテレ
歩夢「ふふっ」ニコニコ
せつ菜「……さて!どこ行くか決めましょう!!」
せつ菜「より魅力的な場所を提示できた人が勝ちです!!」
愛「…何そのルール……」
せつ菜「おや、愛さんは不参加ですか?」
愛「んなわけないでしょ!!愛さんはね愛さんはね…!!」
侑「………うーん、私はー……」
歩夢「…え、じゃあ私は……」
おわり
沢山のレスありがとうございました
2年生組には数多の可能性があると思います
お粗末様でした
元スレ
せつ菜「……」チョイチョイ
愛「…?」テクテク
せつ菜「……」
せつ菜「実はですね……」コソコソ
せつ菜「…」チラッ
せつ菜「………」ボソボソ
愛「ええーっ!?うっそー!!あの2人喧嘩してんの!?」
せつ菜「愛さんっ…声が大きいですっ…」コソコソ
愛「ああごめん……」
愛「………」
愛「…せっつーに声のボリュームを指摘される日が来るとは思わなかった」ボソッ
せつ菜「?何か言いました?」
愛「いや…なんでもない……」
4: 名無しで叶える物語 2021/01/11(月) 14:00:26.07 ID:WqVDpfMb.net
愛「…てか……それマジなの?」
せつ菜「マジです…」
愛「マジか……」チラッ
侑「………」ツ-ン
歩夢「………」ツ-ン
愛「マジだ……」
愛「…」
愛「何で喧嘩してんの…?」
せつ菜「さあ…私が部室に来たときには既にこうでしたから……」
愛「…」
愛「そっかー……」チラッ
5: 名無しで叶える物語 2021/01/11(月) 14:02:58.41 ID:WqVDpfMb.net
せつ菜「…まあでも」
せつ菜「おふたりのことですし……きっと明日には元に…」
愛「……」
せつ菜「…愛さん?」
愛「…………はー」
愛「甘いよせっつー…」
せつ菜「…?」
愛「…歩夢とゆうゆと知り合って早半年以上」
愛「2人のあんな状態見たことある?」
愛「そりゃ……なんか気まずそうにしてたことはあったけどさ」
7: 名無しで叶える物語 2021/01/11(月) 14:05:01.38 ID:WqVDpfMb.net
せつ菜「まあ……初めて見ますけど…」
せつ菜「それが何か?」
愛「……」
愛「……あの2人、あんま喧嘩しなさそうじゃん」
愛「事実、愛さんたち見たことないんだし」
せつ菜「そうですね……」
愛「だからさ……普段しない分の反動というか…」
愛「…時たま喧嘩したときには」
愛「溜まりに溜まった鬱憤がぶつかって……」
愛「…」
せつ菜「……」
8: 名無しで叶える物語 2021/01/11(月) 14:07:23.71 ID:WqVDpfMb.net
せつ菜「…つまり?」
愛「…」
愛「この喧嘩」
愛「愛さんによると」
愛「超長引く」
せつ菜「………えぇ…」
せつ菜「…」チラッ
侑「………」ツ-ン
歩夢「………」ツ-ン
せつ菜「……これがですか?」
愛「…うん」
9: 名無しで叶える物語 2021/01/11(月) 14:09:58.61 ID:WqVDpfMb.net
せつ菜「…まずいですね」
せつ菜「こんな雰囲気じゃ、練習も何もあったものじゃないですよ……」
せつ菜「……どうしますか…?」
愛「……」
愛「どうってねえ……」
愛「…どうしようもなくない?」
せつ菜「諦めが早いですよ……」
せつ菜「…幸い今日は1年生と3年生は休みですし……」
せつ菜「今のうちになんとか……」
10: 名無しで叶える物語 2021/01/11(月) 14:12:08.09 ID:WqVDpfMb.net
歩夢「せつ菜ちゃん」
せつ菜「……!」ビクッ
歩夢「愛ちゃんも」
愛「…」ピク
歩夢「ちゃんと聞こえてるからね、会話」
せつ菜「あ…あはは、ほんとですか……えへへ」アセアセ
愛「……」
愛「………ねえ」
愛「歩夢さあ…」
愛「なんでゆうゆと喧嘩してんの?」
せつ菜(おお…単刀直入ですね……)
11: 名無しで叶える物語 2021/01/11(月) 14:14:33.47 ID:WqVDpfMb.net
歩夢「……」
歩夢「…喧嘩?してないよ」
愛「いやしてんじゃん」
愛「さっきから2人全然喋ってないし」
歩夢「…別に話してないだけだよ」
歩夢「…え…なに?」
歩夢「私が侑ちゃんといっつも話してないとおかしい?」
愛「いや…おかしいってわけではないけどさ……」
歩夢「だから別に喧嘩なんてしてないよ」
愛「…そっかー……」
12: 名無しで叶える物語 2021/01/11(月) 14:17:12.25 ID:WqVDpfMb.net
せつ菜「…」
せつ菜「…でも歩夢さん……」
せつ菜「やっぱり…おふたりが一切話してないとなると……」
せつ菜「ちょっと……心配です」
せつ菜「……」
せつ菜「…よければ……」
せつ菜「何があったか…話してくれませんか…?」
歩夢「……」
侑「……」
侑「…………歩夢が悪いんだよ」ボソッ
14: 名無しで叶える物語 2021/01/11(月) 14:19:48.52 ID:WqVDpfMb.net
歩夢「…」
歩夢「……」
歩夢「……はあ?」
歩夢「…いやいや、それはおかしいよ」
歩夢「今回は完全に侑ちゃんが悪いじゃん」
歩夢「勝手に機嫌損ねてさ」
侑「……」
歩夢「ねえ!!」バン!
せつ菜「…!」ビクッ
15: 名無しで叶える物語 2021/01/11(月) 14:22:39.87 ID:WqVDpfMb.net
侑「……急に机叩くのやめなよ」ボソッ
侑「…せつ菜ちゃんびっくりしてるじゃん」ボソボソ
歩夢「は?侑ちゃんのせいでしょ!」
侑「いや今のは私関係ないじゃん」
歩夢「ある!侑ちゃんが人の話無視するから!」
侑「………」
侑「……」
侑「………歩夢と私が」
侑「いっつも話してないとだめなんてこと…ないんでしょ」
歩夢「なっ……」
17: 名無しで叶える物語 2021/01/11(月) 14:25:24.67 ID:WqVDpfMb.net
侑「…」
侑「さっき歩夢が言ってたことじゃん」
歩夢「いやそうだけど…!」
侑「じゃあ別に歩夢のこと無視したっていいんじゃないの」
歩夢「そ…そんなの屁理屈だよ!」
侑「事実だし」
歩夢「っ……」
侑「…歩夢は私と話すよりも、他の子と話す方が楽しいくせに」ボソボソ
歩夢「なに?」
歩夢「聞こえない!」
歩夢「もっとはっきりしゃべってよ!」
24: 名無しで叶える物語 2021/01/11(月) 14:28:43.39 ID:WqVDpfMb.net
侑「……」
歩夢「………侑ちゃんって昔っからそうだよね!」
歩夢「自分が不利になるとボソボソしゃべってごまかして!!」
歩夢「……」
歩夢「前…学校で侑ちゃん勝手に機嫌悪くなって」
歩夢「教室から抜け出して…迷惑かけたことあったよね!!」
歩夢「みんなで探してようやく見つけても」
歩夢「侑ちゃん、何言ってるか全然聞こえないし!!」
歩夢「ちゃんと言ってくれなきゃわかんないよ!!!」
侑「……それって小学生のときの話でしょ」
侑「………よくそんな昔のこと覚えてるよね」
29: 名無しで叶える物語 2021/01/11(月) 14:31:57.05 ID:WqVDpfMb.net
歩夢「っ…それは……だって………」
歩夢「……」
歩夢「………侑ちゃんのばか!!」
歩夢「私帰る!!」ガタッ
愛「ちょちょちょ!!待って待って!」グイッ
愛「愛さんたち完璧に置いてかれてるから!!」
愛「てかやっぱ喧嘩してんじゃん!」
歩夢「してない!!」
愛「してるでしょ!!」
愛「なんでそこそんな否定すんの!?」
歩夢「っ……」
侑「………」
32: 名無しで叶える物語 2021/01/11(月) 14:36:17.45 ID:WqVDpfMb.net
愛「…」
愛「まあ…とりあえずさ、落ち着こうよ……」
歩夢「……」
侑「……」
愛「ほら…歩夢そこ座って……」
歩夢「……」ポスン
侑「…」
愛「……」トスン
愛「…まずゆうゆからさ」
愛「……何でこんなことになってるか話してよ」
33: 名無しで叶える物語 2021/01/11(月) 14:39:31.54 ID:WqVDpfMb.net
侑「………」
侑「……言いたくない」
歩夢「ほらまたそうやって…」
せつ菜「歩夢さん」
歩夢「…」
侑「……」
愛「ゆうゆ…」
侑「…言わない」
愛「……」チラッ
歩夢「……」
歩夢「…私が…話すよ……」
34: 名無しで叶える物語 2021/01/11(月) 14:42:55.88 ID:WqVDpfMb.net
―――――――――――――――――――――
音楽科に転科してから、侑ちゃん忙しくて…
朝は学校に早く行って勉強したり…
同好会休むことも増えたし…
夜は遅くまで居残りして……
最近…侑ちゃんと一緒にいる時間少なかったんだ
でも昨日は…勉強がひと段落したみたいで…
久しぶりに…ほんとに久しぶりに侑ちゃんと帰ったの
歩夢「最近…大変そうだね、侑ちゃん」
侑「そうなんだよねー…」
侑「……」
侑「やっぱこの年齢からずぶの素人が音楽始めるって」
侑「…だいぶキツくって」
36: 名無しで叶える物語 2021/01/11(月) 14:47:06.78 ID:WqVDpfMb.net
侑「………」チラッ
侑「…」
侑「……でも…私には歩夢がい
あっ!!あのっ!!!
侑「て……」
歩夢「……?」
うっ…上原歩夢ちゃん……ですよね…?
歩夢「あ…うん、そうだけど…」
わ…私っ!ファンなんです!!歩夢ちゃんの!!
歩夢「えっ、ほんと!」
はいっ!スクフェス でステージ見てから……
歩夢「えへへ…照れちゃうな」テレテレ
侑「…」
37: 名無しで叶える物語 2021/01/11(月) 14:50:57.31 ID:WqVDpfMb.net
あのっ…しゃ…写真!写真…一緒に撮ってもらえますか…?
歩夢「あ…うん」チラッ
侑「……撮ってあげなよ、私シャッター切るから」
歩夢「…うんっ!」
わーっ!ありがとうございます!じゃあ…
歩夢「……ちょっと遠いんじゃない?」
へっ…?
歩夢「ほらっ、もっと寄ってっ!」グイッ
侑「…!」
えっ/// ちかっ……えっ…えへへ///
侑「……」
侑「…はい、チーズ」パシャー
40: 名無しで叶える物語 2021/01/11(月) 14:54:15.86 ID:WqVDpfMb.net
あっ…ありがとうございました///家宝にします…///
歩夢「家宝って…」フフッ
歩夢「これからも応援…よろしくね!」ニコッ
はいっ!/もちろんです!//でっでは…///タッタッタッタッ…
ハーッヤバイ...ナマアユムチャンムッチャカワイイ.......
歩夢「ふふっ」バイバイ
侑「…」
侑「……」
侑「……歩夢って…」
侑「……普段からこうやって…声…かけられてたりすんの…?」
46: 名無しで叶える物語 2021/01/11(月) 14:58:27.12 ID:WqVDpfMb.net
歩夢「…?うん」
歩夢「…特に…スクフェス終わってからは…かなり」
歩夢「……あ、そっか」
歩夢「今まで侑ちゃんがいるときに声かけられたことって」
歩夢「ほとんどなかったもんね」
歩夢「最近一緒に帰ってなかったし……」
侑「…そう……そうだね…」
歩夢「でもさ、こういうのって」
歩夢「すごい……勇気貰えるよね」
侑「……うん」
歩夢「こんな私でも好きになってくれる人がいるんだ…って」
歩夢「……応援してくれる人のために頑張らなきゃって…」
侑「……うん…そうだね…」
48: 名無しで叶える物語 2021/01/11(月) 15:01:28.40 ID:WqVDpfMb.net
歩夢「あ、ほかのみんなも結構声かけられてるらしいよ?」
歩夢「『かすみん、昨日校門で声かけられちゃいました!!』」コエマネ
歩夢「って、かすみちゃん喜んでた」
歩夢「愛ちゃんはおうちのお店宣伝してて笑っちゃったよ」フフッ
侑「…」
歩夢「あ、りなちゃんなんてね、ファンの子がボード自作してきて」
歩夢「一緒にボードつけて撮ったんだって」
歩夢「この前写真見せてもらったけど」
歩夢「なんかこう…りなちゃん!って感じで」
歩夢「かわいかったなあ…」
侑「…へえ……」
50: 名無しで叶える物語 2021/01/11(月) 15:05:32.24 ID:WqVDpfMb.net
歩夢「果林さんとかも凄いけど…」
歩夢「でもやっぱりせつ菜ちゃんがダントツだね」
歩夢「いっつも声かけられてるもん」
歩夢「せつ菜ちゃんって基本衣装でしか活動してないから」
歩夢「制服着てるのが珍しいのもあるのかな」
歩夢「ギャップ萌えってやつだね」エヘヘッ
…思えばずっと…侑ちゃんの様子が変だった…
すごい静かだし…私の話に相槌打つだけで……
54: 名無しで叶える物語 2021/01/11(月) 15:08:33.59 ID:WqVDpfMb.net
…思えばこの辺りから…侑ちゃんの様子が変だった…
すごい静かだし…私の話に相槌打つだけで……
でも私は……
みんなと楽しくやってるよって…
スクールアイドル頑張ってるよって伝えたくて……
歩夢「私…今すっごく楽しい!」
歩夢「同好会のみんながいて…ファンのみんながいて…」
だから…侑ちゃんは私の心配しなくていいよって…
私は侑ちゃんに頼りっきりの存在じゃなくなったよって…
歩夢「私、今まで侑ちゃんに支えられっぱだったけど…」
歩夢「これからは……!」
……これからは私が侑ちゃんを支えてくって…
一緒に助け合って行こうって……
そう…言おうと思ったのに……
57: 名無しで叶える物語 2021/01/11(月) 15:11:56.67 ID:WqVDpfMb.net
侑「…………もう歩夢に私は必要ないんだね」
歩夢「………え…?」
侑「……私がいなくても楽しそうだし…」
侑「ファンに声もかけられるようになってさ…」
歩夢「いや…でも私は……」
侑「…さっき凄い嬉しそうにみんなの話して…」
侑「………」
侑「……同好会のみんなと仲良くなれてよかったじゃん」
侑「……………歩夢のくせに……」ボソッ
歩夢「…………………ねえ、それってどういう意味」
62: 名無しで叶える物語 2021/01/11(月) 15:16:08.03 ID:WqVDpfMb.net
侑「…」
侑「別に」
歩夢「……」
歩夢「…私が……友達作るの下手ってこと?」
侑「……」
歩夢「…なんなの……?」
歩夢「私がみんなと仲良くしたらおかしい…?」
侑「……そんなこと言ってないじゃん」
歩夢「私のくせにって言ったよね?」
侑「………言ってないし」
歩夢「言ったよ!」
69: 名無しで叶える物語 2021/01/11(月) 15:19:57.85 ID:WqVDpfMb.net
侑「………今まで私にべったりだったのに」ボソボソ
侑「……なんで…急に……」ボソボソ
歩夢「何!何て言ったの!!」
歩夢「聞こえる声で話してよ!」
侑「………」
侑「……知らない」
歩夢「はあ?」
侑「歩夢なんて…もう知らない」
侑「………っ!」タッ
歩夢「ちょっ、侑ちゃん!!」
歩夢「……」
歩夢「…なんなの……もう…」
―――――――――――――――――――――
75: 名無しで叶える物語 2021/01/11(月) 15:22:59.42 ID:WqVDpfMb.net
侑「………」
歩夢「………」
愛「………」
せつ菜「……えっ、それってつまり」
せつ菜「侑さんが歩夢さんにしっ
愛「せっつー待った」
せつ菜「…はい」
愛「……」
愛「…歩夢さ…なんでゆうゆが怒ってるか…」
愛「うすうすわかってるでしょ」
歩夢「………」
77: 名無しで叶える物語 2021/01/11(月) 15:28:36.61 ID:WqVDpfMb.net
愛「ゆうゆもさ」
愛「……ちゃんと言わなきゃ伝わんないよ」
侑「………」
歩夢「……」
愛「……」
愛「……せっつーさ、生徒会の仕事あるって言ってなかった?」チラッ
せつ菜「へ?なんのことで……あー、いや、はい」
せつ菜「あります、生徒会の仕事」
せつ菜「…1人だと大変な量なので…誰か手伝ってくれると嬉しいですね…」チラッ
84: 名無しで叶える物語 2021/01/11(月) 15:35:46.04 ID:WqVDpfMb.net
愛「…愛さん手伝うよ」
せつ菜「すみません…ありがとうございます」
愛「……じゃあ…愛さんとせっつーちょっと行ってくるから…」ガタッ
愛「…量多いんだっけ?」チラッ
せつ菜「………はい、とても」
愛「……なら結構時間かかるか」
愛「…しばらく留守番お願いね、2人とも」
愛「…いこっか、せっつー」ガチャ
せつ菜「はい…」テクテク
バタン…
90: 名無しで叶える物語 2021/01/11(月) 15:42:31.39 ID:WqVDpfMb.net
歩夢「………」
侑「………」
歩夢「…………」
侑「………」
歩夢「………ごめんね」
侑「……なんで…歩夢が謝るの」
歩夢「…………侑ちゃんの気持ち…わかってなかったから」
侑「………」
歩夢「…久しぶりに侑ちゃんと一緒で…嬉しくて……」
歩夢「………私の話ばっかしちゃって…」
歩夢「……それに…」
歩夢「自分で言うと…はずかしいんだけど……」
93: 名無しで叶える物語 2021/01/11(月) 15:47:41.81 ID:WqVDpfMb.net
歩夢「侑ちゃん……嫉妬…してたんだよね…」
歩夢「…同好会のみんなとか…ファンのみんなとかに……」
侑「………」
侑「………うん」
侑「………私はさ」
侑「……………歩夢が私を好きだってこと…よくわかってる」
歩夢「……うん」
侑「………いつでも私を必要としてくれてるって…」
歩夢「……」
侑「………だから…なんだろ…」
侑「………」
侑「…………歩夢が私から離れてくって思うと…」
侑「……やっぱり…すっごいもやもやする…」
97: 名無しで叶える物語 2021/01/11(月) 15:53:24.45 ID:WqVDpfMb.net
侑「………おかしいことだってのはわかってる…」
侑「………」
侑「…あのとき……転科決めたときに…私……」
侑「………別々の道でも……離れていても一緒だって…」
侑「……だから…私は私の道を進もうって…」
侑「…………そう…思ったはずなのにな…」
歩夢「……」
歩夢「……………」スタッ
歩夢「………」テクテク
ギュッ
侑「……歩夢?」
102: 名無しで叶える物語 2021/01/11(月) 15:58:45.49 ID:WqVDpfMb.net
歩夢「……嬉しい…」
侑「………え…?」
歩夢「侑ちゃんが……私を必要としてくれてたこと…」
歩夢「……」
歩夢「………昨日言えなかったこと…言うね」
歩夢「……これからは…私が…」
歩夢「…私が侑ちゃんを支えていくよ」
歩夢「………だから」
歩夢「…だから侑ちゃんは…今までと一緒で…私を支えててほしい」
侑「……歩夢」
歩夢「……私はスクールアイドル、侑ちゃんは音楽」
歩夢「……………この先…進む道は違うと思う」
歩夢「…でもさ」
歩夢「……道が違ったって…離れてたってできることはあると思う」
歩夢「……私と侑ちゃんの関係は…そんな簡単に途切れたりしない」
106: 名無しで叶える物語 2021/01/11(月) 16:04:05.46 ID:WqVDpfMb.net
歩夢「………」
歩夢「それにね……侑ちゃん」
歩夢「………」
歩夢「同好会のみんなも…ファンのみんなも大切だけど……」
歩夢「……でも」
歩夢「私は……私は侑ちゃんのことが1番大切だから」
歩夢「だから……その…」
歩夢「……嫉妬なんかしなくても…いいんだよ」
歩夢「私の1番は…いつだって侑ちゃんだから…」
侑「……………うん」
歩夢「………」
歩夢「……これからもよろしくね、侑ちゃん」ニコッ
侑「………うんっ!」
112: 名無しで叶える物語 2021/01/11(月) 16:09:33.03 ID:WqVDpfMb.net
廊下
愛「とりあえず収まりそうでよかったよー…」テクテク
せつ菜「ですね…一時はどうなることかと……」テクテク
せつ菜「……でも…ちょっとびっくりしましたね」
愛「なにが?」
せつ菜「…侑さんです」
せつ菜「あんなあからさまに嫉妬して…」
せつ菜「子供みたいに拗ねるなんて……」
せつ菜「…イメージになかったので……」
愛「あー、確かにね……」
せつ菜「歩夢さんから侑さんは言わずもがなですが…」
せつ菜「侑さんも…やっぱり歩夢さんのことは特別なんだなって……」
愛「………」
116: 名無しで叶える物語 2021/01/11(月) 16:14:57.76 ID:WqVDpfMb.net
せつ菜「………うらやましいです」
愛「………」
愛「…え…せっつー……ゆうゆのこと好きなの?」
せつ菜「はい?」
愛「いや…今の言い方だと…歩夢に妬いてるみたいな感じに…」
せつ菜「ああっ!違いますよ!」
せつ菜「いや侑さんのことは好きですけど!そう言う意味ではなくて!」
せつ菜「……おふたりの関係性が…うらやましいなって…」
160: 名無しで叶える物語 2021/01/11(月) 22:08:42.81 ID:WqVDpfMb.net
愛「………」
せつ菜「小さい頃から一緒にいて…支え合って…」
せつ菜「……お互いがお互いを…大好きで………」
せつ菜「…それってすごく素敵じゃないですか?」
愛「………」
愛「…そうだね」
せつ菜「………」
せつ菜「……私には…そんな人、いませんから…」
せつ菜「………」
愛「……」
162: 名無しで叶える物語 2021/01/11(月) 22:11:09.32 ID:WqVDpfMb.net
愛「………だったら作ればいいんだよ」
せつ菜「…へ?」
愛「…」
愛「……それとも」
愛「………愛さんじゃさ…そういう関係になれないかな」
せつ菜「………」
せつ菜「……急に何言いだすんですか」
せつ菜「……え…愛さん私のこと好きなんですか?」
愛「ちょ、違う違う、そうじゃなくて!!」
163: 名無しで叶える物語 2021/01/11(月) 22:14:33.79 ID:WqVDpfMb.net
愛「………せっつーと…愛さん」
愛「…歩夢とゆうゆみたいな……特別な友達になれたらって」
愛「ちっさい頃から一緒ってのは無理でもさ…」
愛「………」
愛「…」
愛「……せっつーは」
愛「…私の…憧れのスクールアイドルだから……」
せつ菜「……」
せつ菜「………ふふっ」
愛「……なんで笑うの」
せつ菜「いえ……」
せつ菜「…顔、真っ赤ですよ?」チョンチョン
愛「……改まってこんなこと言うと…流石にはずい」
164: 名無しで叶える物語 2021/01/11(月) 22:18:20.53 ID:WqVDpfMb.net
愛「………はーっ」
愛「あの2人のせいだよ…愛さん変なこと言っちゃった」
せつ菜「変じゃないですよ」
せつ菜「…嬉しいです、私」
せつ菜「………」
せつ菜「…私も…愛さんのこと尊敬してますよ」
せつ菜「…特別な友達は……そう遠くないのかもしれませんね」
愛「……」
愛「…そうかもね」
167: 名無しで叶える物語 2021/01/11(月) 22:24:05.22 ID:WqVDpfMb.net
――――――部室
歩夢「この度はご迷惑、ご心配をおかけし」ドゲザ
侑「誠に申し訳ございませんでした」ドゲザ
せつ菜「そんなっ…」アセアセ
せつ菜「…私たちは別に……」
愛「…」
愛「……愛さんはゆうゆの意外な一面が見れて」
愛「ちょっと面白かったけどね」
侑「もう…愛ちゃん……からかわないでよ…」カオマッカ
愛「へへっ」
169: 名無しで叶える物語 2021/01/11(月) 22:30:16.97 ID:WqVDpfMb.net
侑「…」ドゲザ
歩夢「…」ドゲザ
愛「…顔、あげなよ」
愛「仲直りは済んだんでしょ?」
歩夢「…はい、おかげさまで……」
侑「……おかげさまで…」
愛「よし!じゃあこの話はおしまい!!」
愛「ほらほら!いつまでそうしてんの!!」ポンポン
侑「…うん」
歩夢「…」
174: 名無しで叶える物語 2021/01/11(月) 22:34:34.36 ID:WqVDpfMb.net
せつ菜「……ではこれにて一件落着ということで!!」
せつ菜「みなさんでどっか行きましょう!!」
歩夢「……え…練習は…」
愛「もう今日はそんな感じじゃないでしょ」
愛「なんかあった日は!ぱーっと騒いで!寝て!」
愛「んで明日頑張る!!」
愛「…」
愛「それが愛さん流『問題への向き合い方』!」
愛「愛だけにっ、つってね!!」
侑「……へへっ」
178: 名無しで叶える物語 2021/01/11(月) 22:44:18.34 ID:WqVDpfMb.net
せつ菜「……やっと笑ってくれましたね」
愛「やっぱりさ、ゆうゆは笑顔が似合うよ」
侑「え…えへへ」テレテレ
歩夢「ふふっ」ニコニコ
せつ菜「……さて!どこ行くか決めましょう!!」
せつ菜「より魅力的な場所を提示できた人が勝ちです!!」
愛「…何そのルール……」
せつ菜「おや、愛さんは不参加ですか?」
愛「んなわけないでしょ!!愛さんはね愛さんはね…!!」
侑「………うーん、私はー……」
歩夢「…え、じゃあ私は……」
おわり
180: 名無しで叶える物語 2021/01/11(月) 22:45:56.33 ID:WqVDpfMb.net
沢山のレスありがとうございました
2年生組には数多の可能性があると思います
お粗末様でした
侑「…」歩夢「…」愛「…え、何この空気」