1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/10(日) 00:05:42.99 ID:G+/DZhTm0
妹「ねぇ、お姉ちゃん」
姉「ちょっと五月蝿いな、黙っててよ」
妹「だって・・・・」
姉「わかったわかった。髪、乾かしたら行くから。外で待ってなさいよ」
妹「うん」
姉「・・・・・・たく、此れぐらいで燥いじゃって」
4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/10(日) 00:09:44.10 ID:G+/DZhTm0
妹「お姉ちゃん」
姉「はいはい、今行くから」
妹「はーい」
姉「―――っと、外は結構涼しいわね」
妹「夜だもんね」
姉「月、だっけ?」
妹「そう、月。満月だよ、お姉ちゃん」
姉「満月ねー」
妹「ねぇ、お姉ちゃん。天体観測しようよ」
姉「いいけど。そんな天体観測なんて言う、大層なものをする為のガジェットなんて家にあったかしら」
妹「ふふ、自由研究に使うっていって、買ってもらったんだ」
姉「わ、ずるい。また良い物買ってもらっちゃって」
妹「いいでしょ。持ってくるから待っててね」
姉「早くしなさいね」
妹「お、お姉ちゃん」
姉「何」
妹「重くて運べないよ」
姉「で?」
妹「手伝ってよ・・・・」
姉「お願いもきちんと出来ないの?」
妹「手伝ってください」
姉「よし。―――ほら、せーので持つよ」
妹「うん、わかった」
姉「せーの」
妹「よいしょ、よいしょ」
姉「おばあちゃんみたいね」
妹「おばあちゃんの真似だもん」
姉「全く、おばあちゃんっ子ね」
妹「へへ」
姉「うわ・・・・・・改めて見ると、でかいわね、此れ」
妹「ふふ、でしょー」
姉「使いきれるの・・・・?」
妹「・・・・・・・実は使い方も知らなくて」
姉「やれやれ、全く」
妹「だから教えて、お姉ちゃん」
姉「こういう時だけ頼られてもなぁ・・・・」
妹「明日のお風呂掃除、私がするから」
姉「やだ、私掃除好きだし」
妹「私のパンツ貸すから」
姉「誰が穿くのよ」
妹「うー、じゃあどうしたら良いの」
姉「逆に聞かれてもなぁ」
妹「ねぇお姉ちゃん」
姉「わかったわかった、無償で良いよ」
妹「無償?」
姉「タダってこと」
妹「ありがと、お姉ちゃん」
姉「はいはい、お礼はいいから。ほら、先ず、この大きい筒の横にある小さい筒、あるでしょ」
妹「これ、なんていうの?」
姉「知らない。私詳しくないもん」
妹「適当だ」
姉「使えればいいの」
妹「気になるー」
姉「じゃああとでパソコンつかって調べなさい」
妹「インターネット?」
姉「そう。あ、でも勝手にやっちゃダメよ。悪いサイトに引っ掛かっちゃう」
妹「えー、じゃあどうすればいいの?」
姉「・・・・・後で一緒に調べましょうか」
妹「うん」
姉「さて、と」
妹「どうするの、お姉ちゃん」
姉「この小さい筒、というか、望遠鏡よね。これを先ず先に見るの」
妹「で、どうするの?」
姉「見たい物に、合わせるの」
妹「なんで、小さいほうでやるの?」
姉「倍率が高いからよ、大きい方は」
妹「倍率?」
姉「それくらい、もう、習ったでしょ。教科書で調べなさい」
妹「ケチ」
姉「教えないよ?」
妹「ごめんなさい」
姉「よし。素直が一番よ」
妹「お姉ちゃんは、素直じゃないくせに」
姉「私は私、よ」
妹「都合の良い様にして」
姉「私はずる賢いの」
妹「普通に賢くなったらいいのに」
姉「こっちのほうが格好いいもん」
妹「そうかなぁ」
姉「そうなの。ほら、何見たいんだっけ?」
妹「あ、うん。やっぱり月、見たい」
姉「月か。じゃあすぐ見れるよ」
妹「本当?」
姉「うん、見える見える。小さい方でもはっきり見える」
妹「見せてよ、見せてよ」
姉「まってまって、まだ調整中よ」
妹「早くー」
姉「駄々をこねると見せないよ」
妹「うぅ」
姉「よし、焦点も合ったかな」
妹「見ていいの?お姉ちゃん」
姉「うん、良いよ」
妹「ん、よいしょ」
姉「またよいしょ、使うんだ」
妹「ぅ・・・・お、姉ちゃん」
姉「何?」
妹「微妙に届かない・・・・っ」
姉「仕方ないな。好き嫌いするから身長伸びないんだよ」
妹「関係ない」
姉「大有りよ」
妹「うー」
姉「みたいの?見たくないの?」
妹「見たい・・・・」
姉「じゃあ野菜好き嫌いしないって約束」
妹「何で、こんな時にズルイよ」
姉「言ったでしょ、ずる賢いの、お姉ちゃんは」
妹「うぅ、でも」
姉「で?」
妹「食べ、ます」
姉「宜しい。じゃあ私が抱っこしてあげる」
妹「抱っこって」
姉「嫌? なら良いけど」
妹「嫌じゃないよ。でも、ほら、子供っぽくない?」
姉「何言ってるの、全然子供だから」
妹「もう」
姉「あれ、琴線に触れちゃった? ごめんごめん」
妹「ごめんは一回」
姉「ごめん」
妹「ん、うん。じゃあ、抱っこ」
姉「よい、しょ」
妹「お姉ちゃんも使ってるじゃん」
姉「私もおばあちゃん大好きだし」
妹「っと・・・・・・・・・・・わぁ、綺麗」
姉「そう? なら良かった」
妹「凄い。凸凹してる」
姉「習ったでしょ? クレーターよ」
妹「月・・・・・すごいね」
姉「いっぱい隕石が落ちた後、だっけな」
妹「お姉ちゃん、意外と物知りだね」
姉「いや、別にそうじゃないけど」
妹「照れてる?」
姉「照れてないよ、もう」
妹「ああ、もう。下ろしちゃった」
姉「ちょっと疲れたの」
妹「ねぇ、お姉ちゃん」
姉「何?」
妹「台、持ってくればよかったよね」
姉「あれ、気付いちゃったか」
妹「もう、ずる賢いんだから」
姉「ありがとー」
妹「褒めてないよ」
姉「ははは」
妹「台、持ってくるから」
姉「はいはい、じゃあお姉ちゃん。ちょっと面白いことしてるから」
妹「うん? 変なことはしないでね?」
姉「はーい、善処するよ」
妹「持ってきたよ・・・・って、なにやってるの?」
姉「面白いこと」
妹「えー・・・・・・怖いんだけど。壊さないでよ?」
姉「大丈夫大丈夫」
妹「むー」
姉「ほら、出来た」
妹「見る」
姉「どうぞ」
妹「っと、台もちょうどいい高さ」
姉「そんな台、家にあったんだ」
妹「これも買ってもらいました」
姉「お父さんめ・・・・」
妹「へへー」
姉「いいもん、私も何か買ってもらうし」
妹「えー、ずるい」
姉「どっちがよ」
妹「だって」
姉「ほら、良いから、見なさいよ」
妹「む、うん。――――――――――――――――わぁ、でっかい」
姉「ふふぅ」
妹「まさか、これ? 面白いことって」
姉「その通り」
妹「面白くないよ」
姉「えっ、ちょっと」
妹「でも、感動しちゃった」
姉「・・・・・・そ」
妹「すごいよ、なんかもう、月の土までみえちゃいそう」
姉「それは行き過ぎ?」
妹「でもそれくらい」
姉「ま、喜んで貰えたならいいか」
妹「すごいね・・・・・月」
姉「そうね」
妹「宇宙って、神秘的」
姉「そうねー」
妹「宇宙、行ってみたいなぁ」
姉「私は日本でいいや」
妹「えー、夢がない」
姉「だって、日本でさえ知らないところがあるのに、なんか、ほら、こう」
妹「・・・・お姉ちゃんって、意外と小心者?」
姉「う、うるさい」
妹「ほら、図星」
姉「もう」
妹「ほら、やっぱり怒る」
姉「ああ、もう」
妹「どうどう」
姉「ほら、月、みないの?」
妹「見るけど、これ、動かしていいの?」
姉「どうぞ」
妹「――――――――わ、逆に動いちゃった」
姉「あれ? それも習ってない?」
妹「習ってないよ」
姉「顕微鏡と一緒だよ?」
妹「そうなんだ」
姉「そ、だから、こう、行きたい方と逆に」
妹「おー」
姉「どう?」
妹「そんなに凄いことじゃなかった」
姉「でも知らなかったじゃん」
妹「でも今知ったもん」
姉「教えてあげたんだし」
妹「わぁ。でっかいクレーター」
姉「へぇ」
妹「ほら、お姉ちゃんも一緒に観ようよ」
姉「えぇ、いいよ」
妹「ほら」
姉「仕方ないなぁ」
妹「ほら、こうやって」
姉「知ってるし」
妹「教えたくなるものだし」
姉「わかったし」
妹「じゃあ聞くんだし」
姉「――――――――っ、もう、なによその何々だし、って」
妹「お姉ちゃんの真似だし」
姉「うるさいし」
妹「いいから早く見るんだし」
姉「ちょっと、くっつかないでよ、暑い」
妹「いいでしょ、別に」
姉「良くない、あんまり」
妹「ぶー」
姉「豚になるよ」
妹「にゃー」
姉「猫ならいいんだ」
妹「ほら、どう?」
姉「・・・・・・・・・・わぁ、本当。でっかいね」
妹「でしょ?でしょ?」
姉「燥がないの。落ちるわよ」
妹「うん、わかった」
姉「・・・・・・・・でも、本当に、きれいだね」
妹「うん、綺麗」
姉「今日は、誘ってくれて有難う」
妹「・・・・・・・・お姉ちゃんらしくないし」
姉「そう? 素直に感謝するタイプよ、私」
妹「そうだったっけ」
姉「そうなの」
妹「そうならいいけど」
姉「――――――――――――――――――――――――さて」
妹「片付け?」
姉「もう夜遅くなっちゃったからね。明日がおやすみ、って言っても、夜更かしはダメよ」
妹「いいじゃん、夜更かし」
姉「ダメ。身長伸びないよ」
妹「いいもん」
姉「良いんだ?」
妹「・・・・・・・・うぅ」
姉「ほら、早く、この望遠鏡、持って行きましょう」
妹「はーい」
姉「ふぅ、重かった」
妹「重かったね」
姉「高そう」
妹「高かったね」
姉「・・・・・・・・・ちゃんと自由研究、しなさいよ?」
妹「頑張る」
姉「その頑張るが本当だといいけど」
妹「その時は、お姉ちゃんも、手伝ってね?」
姉「うーん」
妹「お願い」
姉「暇だったらね」
妹「期待してる」
姉「期待されとく」
妹「ふふふ」
姉「ははは」
姉「さて、ほら、布団はいって」
妹「暑いー」
姉「我慢我慢」
妹「裸でいい?」
姉「パンツは履いておきなさい」
妹「わかったー」
姉「むぅ、私も汗だく」
妹「この部屋にもクーラー欲しいね」
姉「欲しいね」
妹「今度、お父さんにお願いしようよ」
姉「そうね・・・・・・そうしましょう」
妹「色仕掛け」
姉「どこでそんな言葉覚えるのよ」
妹「本とか」
姉「本は読むんだ」
妹「読むよ。漫画とか」
姉「漫画は本じゃない」
妹「むー」
姉「ほら、電気消すよ」
妹「はーい」
姉「――――――――――――――――っと」
妹「・・・・・・ねぇ、お姉ちゃん」
姉「何?」
妹「また、みようね、月」
姉「うん。良いよ」
妹「ありがと、お姉ちゃん。おやすみ」
姉「――――――――おやすみ」
~fin~
いつも通りの、思いつきで、短い小話になりました。
ここまでお付き合いいただき、感謝致します。
皆様も、くれぐれも体調を崩されないようお気をつけを。
元スレ
妹「お姉ちゃん」
姉「はいはい、今行くから」
妹「はーい」
姉「―――っと、外は結構涼しいわね」
妹「夜だもんね」
姉「月、だっけ?」
妹「そう、月。満月だよ、お姉ちゃん」
姉「満月ねー」
妹「ねぇ、お姉ちゃん。天体観測しようよ」
姉「いいけど。そんな天体観測なんて言う、大層なものをする為のガジェットなんて家にあったかしら」
妹「ふふ、自由研究に使うっていって、買ってもらったんだ」
姉「わ、ずるい。また良い物買ってもらっちゃって」
妹「いいでしょ。持ってくるから待っててね」
姉「早くしなさいね」
5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/10(日) 00:12:49.02 ID:G+/DZhTm0
妹「お、お姉ちゃん」
姉「何」
妹「重くて運べないよ」
姉「で?」
妹「手伝ってよ・・・・」
姉「お願いもきちんと出来ないの?」
妹「手伝ってください」
姉「よし。―――ほら、せーので持つよ」
妹「うん、わかった」
姉「せーの」
妹「よいしょ、よいしょ」
姉「おばあちゃんみたいね」
妹「おばあちゃんの真似だもん」
姉「全く、おばあちゃんっ子ね」
妹「へへ」
7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/10(日) 00:16:21.71 ID:G+/DZhTm0
姉「うわ・・・・・・改めて見ると、でかいわね、此れ」
妹「ふふ、でしょー」
姉「使いきれるの・・・・?」
妹「・・・・・・・実は使い方も知らなくて」
姉「やれやれ、全く」
妹「だから教えて、お姉ちゃん」
姉「こういう時だけ頼られてもなぁ・・・・」
妹「明日のお風呂掃除、私がするから」
姉「やだ、私掃除好きだし」
妹「私のパンツ貸すから」
姉「誰が穿くのよ」
妹「うー、じゃあどうしたら良いの」
姉「逆に聞かれてもなぁ」
妹「ねぇお姉ちゃん」
姉「わかったわかった、無償で良いよ」
8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/10(日) 00:19:54.06 ID:G+/DZhTm0
妹「無償?」
姉「タダってこと」
妹「ありがと、お姉ちゃん」
姉「はいはい、お礼はいいから。ほら、先ず、この大きい筒の横にある小さい筒、あるでしょ」
妹「これ、なんていうの?」
姉「知らない。私詳しくないもん」
妹「適当だ」
姉「使えればいいの」
妹「気になるー」
姉「じゃああとでパソコンつかって調べなさい」
妹「インターネット?」
姉「そう。あ、でも勝手にやっちゃダメよ。悪いサイトに引っ掛かっちゃう」
妹「えー、じゃあどうすればいいの?」
姉「・・・・・後で一緒に調べましょうか」
妹「うん」
9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/10(日) 00:23:27.07 ID:G+/DZhTm0
姉「さて、と」
妹「どうするの、お姉ちゃん」
姉「この小さい筒、というか、望遠鏡よね。これを先ず先に見るの」
妹「で、どうするの?」
姉「見たい物に、合わせるの」
妹「なんで、小さいほうでやるの?」
姉「倍率が高いからよ、大きい方は」
妹「倍率?」
姉「それくらい、もう、習ったでしょ。教科書で調べなさい」
妹「ケチ」
姉「教えないよ?」
妹「ごめんなさい」
姉「よし。素直が一番よ」
妹「お姉ちゃんは、素直じゃないくせに」
姉「私は私、よ」
11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/10(日) 00:26:39.95 ID:G+/DZhTm0
妹「都合の良い様にして」
姉「私はずる賢いの」
妹「普通に賢くなったらいいのに」
姉「こっちのほうが格好いいもん」
妹「そうかなぁ」
姉「そうなの。ほら、何見たいんだっけ?」
妹「あ、うん。やっぱり月、見たい」
姉「月か。じゃあすぐ見れるよ」
妹「本当?」
姉「うん、見える見える。小さい方でもはっきり見える」
妹「見せてよ、見せてよ」
姉「まってまって、まだ調整中よ」
妹「早くー」
姉「駄々をこねると見せないよ」
妹「うぅ」
12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/10(日) 00:29:46.10 ID:G+/DZhTm0
姉「よし、焦点も合ったかな」
妹「見ていいの?お姉ちゃん」
姉「うん、良いよ」
妹「ん、よいしょ」
姉「またよいしょ、使うんだ」
妹「ぅ・・・・お、姉ちゃん」
姉「何?」
妹「微妙に届かない・・・・っ」
姉「仕方ないな。好き嫌いするから身長伸びないんだよ」
妹「関係ない」
姉「大有りよ」
妹「うー」
姉「みたいの?見たくないの?」
妹「見たい・・・・」
姉「じゃあ野菜好き嫌いしないって約束」
13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/10(日) 00:32:35.42 ID:G+/DZhTm0
妹「何で、こんな時にズルイよ」
姉「言ったでしょ、ずる賢いの、お姉ちゃんは」
妹「うぅ、でも」
姉「で?」
妹「食べ、ます」
姉「宜しい。じゃあ私が抱っこしてあげる」
妹「抱っこって」
姉「嫌? なら良いけど」
妹「嫌じゃないよ。でも、ほら、子供っぽくない?」
姉「何言ってるの、全然子供だから」
妹「もう」
姉「あれ、琴線に触れちゃった? ごめんごめん」
妹「ごめんは一回」
姉「ごめん」
妹「ん、うん。じゃあ、抱っこ」
14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/10(日) 00:35:27.97 ID:G+/DZhTm0
姉「よい、しょ」
妹「お姉ちゃんも使ってるじゃん」
姉「私もおばあちゃん大好きだし」
妹「っと・・・・・・・・・・・わぁ、綺麗」
姉「そう? なら良かった」
妹「凄い。凸凹してる」
姉「習ったでしょ? クレーターよ」
妹「月・・・・・すごいね」
姉「いっぱい隕石が落ちた後、だっけな」
妹「お姉ちゃん、意外と物知りだね」
姉「いや、別にそうじゃないけど」
妹「照れてる?」
姉「照れてないよ、もう」
妹「ああ、もう。下ろしちゃった」
姉「ちょっと疲れたの」
15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/10(日) 00:38:10.57 ID:G+/DZhTm0
妹「ねぇ、お姉ちゃん」
姉「何?」
妹「台、持ってくればよかったよね」
姉「あれ、気付いちゃったか」
妹「もう、ずる賢いんだから」
姉「ありがとー」
妹「褒めてないよ」
姉「ははは」
妹「台、持ってくるから」
姉「はいはい、じゃあお姉ちゃん。ちょっと面白いことしてるから」
妹「うん? 変なことはしないでね?」
姉「はーい、善処するよ」
16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/10(日) 00:40:54.23 ID:G+/DZhTm0
妹「持ってきたよ・・・・って、なにやってるの?」
姉「面白いこと」
妹「えー・・・・・・怖いんだけど。壊さないでよ?」
姉「大丈夫大丈夫」
妹「むー」
姉「ほら、出来た」
妹「見る」
姉「どうぞ」
妹「っと、台もちょうどいい高さ」
姉「そんな台、家にあったんだ」
妹「これも買ってもらいました」
姉「お父さんめ・・・・」
妹「へへー」
姉「いいもん、私も何か買ってもらうし」
妹「えー、ずるい」
18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/10(日) 00:44:11.20 ID:G+/DZhTm0
姉「どっちがよ」
妹「だって」
姉「ほら、良いから、見なさいよ」
妹「む、うん。――――――――――――――――わぁ、でっかい」
姉「ふふぅ」
妹「まさか、これ? 面白いことって」
姉「その通り」
妹「面白くないよ」
姉「えっ、ちょっと」
妹「でも、感動しちゃった」
姉「・・・・・・そ」
妹「すごいよ、なんかもう、月の土までみえちゃいそう」
姉「それは行き過ぎ?」
妹「でもそれくらい」
姉「ま、喜んで貰えたならいいか」
19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/10(日) 00:46:38.63 ID:G+/DZhTm0
妹「すごいね・・・・・月」
姉「そうね」
妹「宇宙って、神秘的」
姉「そうねー」
妹「宇宙、行ってみたいなぁ」
姉「私は日本でいいや」
妹「えー、夢がない」
姉「だって、日本でさえ知らないところがあるのに、なんか、ほら、こう」
妹「・・・・お姉ちゃんって、意外と小心者?」
姉「う、うるさい」
妹「ほら、図星」
姉「もう」
妹「ほら、やっぱり怒る」
姉「ああ、もう」
妹「どうどう」
23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/10(日) 00:49:56.04 ID:G+/DZhTm0
姉「ほら、月、みないの?」
妹「見るけど、これ、動かしていいの?」
姉「どうぞ」
妹「――――――――わ、逆に動いちゃった」
姉「あれ? それも習ってない?」
妹「習ってないよ」
姉「顕微鏡と一緒だよ?」
妹「そうなんだ」
姉「そ、だから、こう、行きたい方と逆に」
妹「おー」
姉「どう?」
妹「そんなに凄いことじゃなかった」
姉「でも知らなかったじゃん」
妹「でも今知ったもん」
姉「教えてあげたんだし」
24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/10(日) 00:52:44.85 ID:G+/DZhTm0
妹「わぁ。でっかいクレーター」
姉「へぇ」
妹「ほら、お姉ちゃんも一緒に観ようよ」
姉「えぇ、いいよ」
妹「ほら」
姉「仕方ないなぁ」
妹「ほら、こうやって」
姉「知ってるし」
妹「教えたくなるものだし」
姉「わかったし」
妹「じゃあ聞くんだし」
姉「――――――――っ、もう、なによその何々だし、って」
妹「お姉ちゃんの真似だし」
姉「うるさいし」
妹「いいから早く見るんだし」
27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/10(日) 00:55:32.16 ID:G+/DZhTm0
姉「ちょっと、くっつかないでよ、暑い」
妹「いいでしょ、別に」
姉「良くない、あんまり」
妹「ぶー」
姉「豚になるよ」
妹「にゃー」
姉「猫ならいいんだ」
妹「ほら、どう?」
姉「・・・・・・・・・・わぁ、本当。でっかいね」
妹「でしょ?でしょ?」
姉「燥がないの。落ちるわよ」
妹「うん、わかった」
姉「・・・・・・・・でも、本当に、きれいだね」
妹「うん、綺麗」
姉「今日は、誘ってくれて有難う」
29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/10(日) 00:58:25.04 ID:G+/DZhTm0
妹「・・・・・・・・お姉ちゃんらしくないし」
姉「そう? 素直に感謝するタイプよ、私」
妹「そうだったっけ」
姉「そうなの」
妹「そうならいいけど」
姉「――――――――――――――――――――――――さて」
妹「片付け?」
姉「もう夜遅くなっちゃったからね。明日がおやすみ、って言っても、夜更かしはダメよ」
妹「いいじゃん、夜更かし」
姉「ダメ。身長伸びないよ」
妹「いいもん」
姉「良いんだ?」
妹「・・・・・・・・うぅ」
姉「ほら、早く、この望遠鏡、持って行きましょう」
妹「はーい」
30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/10(日) 01:01:35.75 ID:G+/DZhTm0
姉「ふぅ、重かった」
妹「重かったね」
姉「高そう」
妹「高かったね」
姉「・・・・・・・・・ちゃんと自由研究、しなさいよ?」
妹「頑張る」
姉「その頑張るが本当だといいけど」
妹「その時は、お姉ちゃんも、手伝ってね?」
姉「うーん」
妹「お願い」
姉「暇だったらね」
妹「期待してる」
姉「期待されとく」
妹「ふふふ」
姉「ははは」
32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/10(日) 01:04:14.74 ID:G+/DZhTm0
姉「さて、ほら、布団はいって」
妹「暑いー」
姉「我慢我慢」
妹「裸でいい?」
姉「パンツは履いておきなさい」
妹「わかったー」
姉「むぅ、私も汗だく」
妹「この部屋にもクーラー欲しいね」
姉「欲しいね」
妹「今度、お父さんにお願いしようよ」
姉「そうね・・・・・・そうしましょう」
妹「色仕掛け」
姉「どこでそんな言葉覚えるのよ」
妹「本とか」
姉「本は読むんだ」
33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/10(日) 01:06:51.26 ID:G+/DZhTm0
妹「読むよ。漫画とか」
姉「漫画は本じゃない」
妹「むー」
姉「ほら、電気消すよ」
妹「はーい」
姉「――――――――――――――――っと」
妹「・・・・・・ねぇ、お姉ちゃん」
姉「何?」
妹「また、みようね、月」
姉「うん。良いよ」
妹「ありがと、お姉ちゃん。おやすみ」
姉「――――――――おやすみ」
~fin~
35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/10(日) 01:10:12.58 ID:G+/DZhTm0
いつも通りの、思いつきで、短い小話になりました。
ここまでお付き合いいただき、感謝致します。
皆様も、くれぐれも体調を崩されないようお気をつけを。
妹「お姉ちゃん、月、綺麗だよ」姉「そう」