1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/26(水) 09:30:57.67 ID:SbS/U5ayO
暦「……」
八九寺「なんですか『ツインおっぱい』って、死んでください」
暦「あ、いや……その……」
八九寺「地の文でもそうです。セリフにしなければ私に聞こえないとでも思ってるんですか?」
暦「……」
八九寺「ロリり木さんは変態ですね」
暦「はい……」
八九寺「つっこみすら忘れましたか。もう死んだようなものですね」
暦「…………はい」
八九寺「もういいです、もう話し掛けないで下さいね」
暦「……………………、はい……」
6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/26(水) 09:38:46.13 ID:SbS/U5ayO
暦「すいませんでした……」
八九寺「謝るなら貴方のファンに謝るべきでしょう」
暦「はい……仰る通りです……」
八九寺「いいですか阿良々木さん、私はこんな外見ですけど年上なんですよ?」
暦「はい……」
八九寺「それなのに、どこぞのラスボスと同じようにロリ扱いして、意味がわかりませんよ!!」
暦「すみません……」
八九寺「ラスボスはロリでも良いですけど、私は成人女性として扱ってもらわなきゃ困ります!!」
暦「………………っ!」
八九寺「これでも私、大人ですから」
暦「大人……」
八九寺「私は大人です!」
暦「大人、ですか……」
八九寺「はい!」
暦「なら…………」
八九寺「あ、大人なので卑猥な事をしたらしかるべき機関に通報しますので」
暦「あ……はい…………」
八九寺「はい……、では、大人な私のお願いを聞いてもらいましょう」
暦「は?」
八九寺「子供は黙って大人の言うことに頷いていて下さい!」
暦「はぁ……」
八九寺「おほん……、えー、阿良々木さんはこれから」
暦「……」
八九寺「私とデートして下さい!」
暦「……」
八九寺「あ……、あれ? なんですか、その反応は?」
暦「いや、だって……」
八九寺「ばっ、馬鹿にしないで下さい!! 私は大人ですよ!?」
暦「あー、うん、大人だな……」
八九寺「馬鹿にしてますね? 私を馬鹿にしていますね!?」
暦「いや、だってお前、デートって……」
八九寺「デートしないまま死んだんだから仕方ないでしょう!!」
暦「あ…………、うん……」
八九寺「まったく、阿良々木さんは乙女心をまったく理解していませんね」
暦「はあ……」
八九寺「良いですか阿良々木さん、乙女はいつだって少女なのです」
暦「少女……ですか……」
八九寺「恋人の戦場ヶ原さんがどうだかは知りませんが私はそうなのです!!」
暦「はあ……」
八九寺「いつ消えるとも解らない八九寺真宵の儚い願いを聞いてこそ阿良々木暦でしょう!!」
暦「はい……」
八九寺「では、デートです」
暦「はい……」
八九寺「まずはミスタードーナツに連れていって下さい」
暦「ミスタードーナツ? なんでまたそんな所に」
八九寺「デートに甘い物なのは必須です!」
暦「はあ……」
八九寺「あ、言っておきますけつ吸血鬼幼女は出さないで下さいよ、デートは二人でするものですので」
暦「ああ、まぁ、そうだな」
八九寺「お土産を買うのも禁止ですので」
暦「はあ……」
八九寺「では、いきましょう」
~ミスド~
八九寺「では、阿良々木さんのおすすめを私に買い与えてください」
暦「は? お前の食べたい物じゃなくていいのかよ」
八九寺「はい、デートですので阿良々木さんのおすすめを私は食します」
暦「ふむ……」
八九寺「卑猥なものは自重して下さいね」
暦「ミスタードーナツにそんなものはない!!」
八九寺「ほら、阿良々木さんの下らないつっこみなんていりませんから早く注文して下さいよ」
暦「僕のアイデンティティーを下らないって言うな!!」
八九寺「そね言いかただと阿良々木さんにはつっこみしか無いみたいですね」
暦「あ、しまった」
八九寺「ま、つっこみも滑ってますけどねー」
暦「本気で傷つくからやめてくれ!」
八九寺「ほら、いいから注文して下さいってば」
暦「あ、ああ……」
――――――――――――
八九寺「無難ですね……」
暦「忍のお気に入りだ」
八九寺「そうですか」
暦「さあ、遠慮なくたべろ!」
八九寺「はあ……」
暦「どうした八九寺、お前が希望したミスタードーナツだぞ~」
八九寺「いえ、ドーナツ自体には問題は無いのですが」
暦「? なんだ、他に何か不満か」
八九寺「いえ、ただ……他の女性のお気に入りメニューというのがですね……」
暦「?」
八九寺「はあ……、もういいです……」
暦「ところで八九寺」
八九寺「はい?」
暦「どうして突然デートなんだ?」
八九寺「はあ、そんな事を聞いてしまいますか」
暦「? ダメだったか?」
八九寺「阿良々木さんは乙女心がまるっきり解っていませんね」
暦「?」
八九寺「いいですか阿良々木さん、私は幽霊です」
暦「ああ」
八九寺「幽霊ゆえにいつ成仏してもおかしきありません」
暦「はあ……」
八九寺「ですのでデートなんです」
暦「?」
八九寺「ダメダメですね阿良々木さん」
暦「いや、成仏するとしても突然、デートするってのは解らんぞ」
八九寺「なんなんですか阿良々木さん!! 最近流行りの鈍感系のつもりですか!?」
暦「いや、流行りかはしらないけれど……」
八九寺「バカかんですか!? こんな可愛い子が成仏しちゃうかもしれないんですよ!?」
暦「そりゃあ成仏されたら寂しいけどよ」
八九寺「だったら男としてデートのひとつやふたつ、してあげて当然でしょう!」
暦「あ、ああ……、そう、なのか?」
八九寺「そうですよ!!」
暦「…………、そうか、じゃあしかたないな」
八九寺「仕方ないです!!」
暦「で……、こうなると……」
八九寺「はい! デートといえばこれです!」
暦「いや、僕としては嬉しいんだよ? 嬉しいんだけど……」
八九寺「何か問題がありますか?」
暦「ああ……、うん……、肘に柔らかいものが当たっていてな」
八九寺「はあ」
暦「非常にドーナツを食べづらい状況なのですよ八九寺さん」
八九寺「? まあ、気にする事はありませんよ、私くらい発育の良い小学生なら当然の柔らかさです」
暦「いやいや、八九寺さんや、僕は柔らかさについて言っている訳ではなくてだな」
八九寺「はい?」
暦「なんというか、肘でお前を感じながらだと、せっかくのドーナツを味わえないのだけれど……」
八九寺「いいじゃないですか、気持ちいいにこした事はないですよ!」
暦「そ、そうだな!! よーし、八九寺を感じちゃうぞー!」
八九寺「あ、いえ……、そういうノリは必要ないです……」
暦「なんだよ八九寺ー、感じて良いって言ったのはお前だろー」
八九寺「やめてください! いかにデートといえど限度がありますよ!?」
暦「いいじゃないかよ八九寺ー! 今まで我慢してたんだからよー」
八九寺「いやいや阿良々木さん、阿良々木さんが良くても周りからは一人で悶えてる変態ですよ?」
暦「周囲の視線なんて関係ないね!」
八九寺「無駄に男らしいです!!」
暦「ふぅ……」
八九寺「はぁはぁ……」
暦「はしゃぎすぎたな……」
八九寺「ですね……」
暦「ミスタードーナツに出禁になる所だった」
八九寺「店員さん的には既に要注意人物ですよ」
暦「うわっ!!」
八九寺「ひゃあっ!! どうしましたか!?」
暦「いや、何だか足首を思いっきり引っ張られた気がした」
八九寺「なんですか突然、老化現象ですか?」
暦「あぁ……いや、平気だ……」
八九寺「? まあ良いですけど。所で阿良々木さん」
暦「なんだ?」
八九寺「私は少し疲れましたよ」
暦「そうか」
八九寺「いやいや『そうか』ではありませんよ阿良々木さん」
暦「? じゃあ何だっていうんだよ」
八九寺「これは振りですよ? 女の子が疲れたって言ってるんですよ?」
暦「? はあ」
八九寺「鈍いですねー、そんなんだからいつまでたっても童貞なんですよ阿良々木さんは!」
暦「はあ? 何だよそれ」
八九寺「まったく……、良いですか阿良々木さん、私は『疲れた』と言っているんです」
暦「うん」
八九寺「女子が疲れたと言ったら男子は休憩できる所を探すでしょう!?」
暦「ああ、そう言うことか、じゃあ、あそこのベンチにでも座るか?」
八九寺「ちっがぁぁぁう!!」
暦「へ?」
八九寺「ホテルですよホテル!」
暦「ほ、ホテル……?」
八九寺「まったく、良いですか阿良々木さん、女の子が疲れたといったら男子はさりげなくホテルに誘うんですよ!」
暦「そうなのか?」
八九寺「そうなんです! そして男女は昼間っから規制されるような事をするんです!」
暦「いや、規制されるならやっちゃダメだろ、特にお前は」
八九寺「解ってない、解ってないですよ阿良々木さん」
暦「……」
八九寺「いいですか? デートですよ? そりゃあ昼間っから規制まっしぐらでしょう!?」
暦「でしょうって言われても……」
八九寺「これだから阿良々木さんは……」
暦「なんだよ」
八九寺「もういいですよ、私は萎えてしまいました」
暦「いや、女の子は萎えるもの付いてないだろ」
八九寺「とにかく! 私は鶏には興味ありませんので萎え萎えです!」
暦「鶏!? せめてチキンと言ってくれ!」
八九寺「どっちも同じでしょう」
暦「まあ、そうだけどさ」
八九寺「もういいです。ほら、どこか別の所にいきますよ」
暦「ああ……」
八九寺「あからさまに落ち込まないで下さいよ」
暦「よ、よし! じゃあどこ行きたい!? 次はどこだ!?」
八九寺「そうですねー、じゃあ天国に行きたいです!」
暦「……」
八九寺「あれ? どうしました阿良々木さん」
暦「いや……、そんなことは無いと思うけど八九寺」
八九寺「はい?」
暦「お前、僕に嫌がらせしてないか?」
八九寺「はあ……、嫌がらせですか」
暦「いや、勘違いならいいんだけどよ」
八九寺「まあ、そうですね、してます」
暦「やっぱりか!!」
八九寺「まあ、普段の阿良々木さんの行動を考えれば嫌がらせされて当然ですよね」
暦「僕はそんなに酷い事はしてないつもりだけど」
八九寺「自覚がないのはいただけませんねー」
暦「嫌なら言ってくれれば良かったのにー」
八九寺「なんですかその軽いノリは、私、何度も嫌だって言いましたよね!?」
暦「いやよいやよも」
八九寺「好きのうちなんかじゃないんだからね!」
暦「ツンデレだと!?」
八九寺「まあ、そうですね、嫌だって言いながらも案外楽しんでました」
暦「デレデレだ!」
八九寺「ところで阿良々木さん、デートはいよいよクライマックスですよ」
暦「え、そうなの?」
八九寺「はい、マックスさんはいつだって暗いお方ですので」
暦「マックスさんって誰だ!?」
八九寺「それじゃあ、行きましょうか」
暦「行くってどこにだよ」
八九寺「そんなの、決まってるじゃないですか」
暦「ここは……」
八九寺「はい、阿良々木さんと初めて会った公園です」
暦「どうしてここに?」
八九寺「デートの〆は思い出の場所と決まっているからですよ」
暦「決まってるのか」
八九寺「はい、紀元前からの決まり事です」
暦「それはすごいな、でもこの公園って初めて会ったってだけでそんなに思い出すエピソードは無いぞ?」
八九寺「ま、阿良々木さんとはいつも道の途中で会っていましたからね」
暦「八九寺と出会えたってのは、確かに思い出だけどな」
八九寺「悲劇はここから始まったんですねー」
暦「まあ、お前との会話は喜劇だったけどな」
八九寺「そういえば、阿良々木さん、ここで私の胸、触りましたよね」
暦「ああ、あったなそんなこと」
八九寺「年上の胸を触るなんて、これだから最近の若者は……」
暦「永遠の若者が言うな」
八九寺「阿良々木さんを最近の若者なんて言ったら若者に失礼ですかね」
暦「僕ってそんなに罪深いのか……」
八九寺「罪深いじゃないですか、女子をたぶらかしてばっかりですし」
暦「見境なしに手を出してるみたいに言うな!」
八九寺「これは失礼、阿良々木さんは見た目が幼い女子にだけでしたね」
暦「僕はロリコンですとでも言ってほしいのか」
八九寺「違うんですか?」
暦「ふ……、甘いな八九寺、僕は可愛い女の子ならみんな好きだ!」
八九寺「やっぱり見境ないじゃないですか」
暦「見境はなくとも特別な人には相応の態度で接するぞ」
八九寺「…………、私も、特別でしょうか」
暦「? 当然だろう」
八九寺「そうですか」
暦「なんだよ八九寺、何か引っかかる言い様だな」
八九寺「いえ、何でもありませんよ、少しデレただけです。ここから先はツンしかありません」
暦「ツンデレか」
八九寺「デレデレツンツンです」
暦「なにそれ!? 可愛い!!」
八九寺「ま、私ですから当然ですね」
八九寺「さて、そろそろ帰りますか」
暦「もうデートは良いのか?」
八九寺「はい、もう十分楽しみました」
暦「いつも通りだったけど」
八九寺「いつも通りが楽しいお年頃なんですよ」
暦「そっか」
八九寺「はい!」
暦「よし、じゃあ帰るか」
八九寺「はい、またいつか」
暦「ああ、またな」
八九寺「ではでは阿良々木さん、お気を付けて」
暦「お前もな」
八九寺「はい、車には気を付けようと思います」
暦「……じゃあな!」
八九寺「では!」
おわる
元スレ
暦「すいませんでした……」
八九寺「謝るなら貴方のファンに謝るべきでしょう」
暦「はい……仰る通りです……」
八九寺「いいですか阿良々木さん、私はこんな外見ですけど年上なんですよ?」
暦「はい……」
八九寺「それなのに、どこぞのラスボスと同じようにロリ扱いして、意味がわかりませんよ!!」
暦「すみません……」
八九寺「ラスボスはロリでも良いですけど、私は成人女性として扱ってもらわなきゃ困ります!!」
暦「………………っ!」
八九寺「これでも私、大人ですから」
暦「大人……」
9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/26(水) 09:43:59.00 ID:SbS/U5ayO
八九寺「私は大人です!」
暦「大人、ですか……」
八九寺「はい!」
暦「なら…………」
八九寺「あ、大人なので卑猥な事をしたらしかるべき機関に通報しますので」
暦「あ……はい…………」
八九寺「はい……、では、大人な私のお願いを聞いてもらいましょう」
暦「は?」
八九寺「子供は黙って大人の言うことに頷いていて下さい!」
暦「はぁ……」
八九寺「おほん……、えー、阿良々木さんはこれから」
暦「……」
八九寺「私とデートして下さい!」
13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/26(水) 09:52:48.78 ID:SbS/U5ayO
暦「……」
八九寺「あ……、あれ? なんですか、その反応は?」
暦「いや、だって……」
八九寺「ばっ、馬鹿にしないで下さい!! 私は大人ですよ!?」
暦「あー、うん、大人だな……」
八九寺「馬鹿にしてますね? 私を馬鹿にしていますね!?」
暦「いや、だってお前、デートって……」
八九寺「デートしないまま死んだんだから仕方ないでしょう!!」
暦「あ…………、うん……」
16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/26(水) 09:59:20.17 ID:SbS/U5ayO
八九寺「まったく、阿良々木さんは乙女心をまったく理解していませんね」
暦「はあ……」
八九寺「良いですか阿良々木さん、乙女はいつだって少女なのです」
暦「少女……ですか……」
八九寺「恋人の戦場ヶ原さんがどうだかは知りませんが私はそうなのです!!」
暦「はあ……」
八九寺「いつ消えるとも解らない八九寺真宵の儚い願いを聞いてこそ阿良々木暦でしょう!!」
暦「はい……」
八九寺「では、デートです」
暦「はい……」
19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/26(水) 10:13:51.29 ID:SbS/U5ayO
八九寺「まずはミスタードーナツに連れていって下さい」
暦「ミスタードーナツ? なんでまたそんな所に」
八九寺「デートに甘い物なのは必須です!」
暦「はあ……」
八九寺「あ、言っておきますけつ吸血鬼幼女は出さないで下さいよ、デートは二人でするものですので」
暦「ああ、まぁ、そうだな」
八九寺「お土産を買うのも禁止ですので」
暦「はあ……」
八九寺「では、いきましょう」
22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/26(水) 10:28:38.35 ID:SbS/U5ayO
~ミスド~
八九寺「では、阿良々木さんのおすすめを私に買い与えてください」
暦「は? お前の食べたい物じゃなくていいのかよ」
八九寺「はい、デートですので阿良々木さんのおすすめを私は食します」
暦「ふむ……」
八九寺「卑猥なものは自重して下さいね」
暦「ミスタードーナツにそんなものはない!!」
24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/26(水) 10:36:15.10 ID:SbS/U5ayO
八九寺「ほら、阿良々木さんの下らないつっこみなんていりませんから早く注文して下さいよ」
暦「僕のアイデンティティーを下らないって言うな!!」
八九寺「そね言いかただと阿良々木さんにはつっこみしか無いみたいですね」
暦「あ、しまった」
八九寺「ま、つっこみも滑ってますけどねー」
暦「本気で傷つくからやめてくれ!」
八九寺「ほら、いいから注文して下さいってば」
暦「あ、ああ……」
27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/26(水) 10:53:12.06 ID:SbS/U5ayO
――――――――――――
八九寺「無難ですね……」
暦「忍のお気に入りだ」
八九寺「そうですか」
暦「さあ、遠慮なくたべろ!」
八九寺「はあ……」
暦「どうした八九寺、お前が希望したミスタードーナツだぞ~」
八九寺「いえ、ドーナツ自体には問題は無いのですが」
暦「? なんだ、他に何か不満か」
八九寺「いえ、ただ……他の女性のお気に入りメニューというのがですね……」
暦「?」
八九寺「はあ……、もういいです……」
29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/26(水) 11:04:25.22 ID:SbS/U5ayO
暦「ところで八九寺」
八九寺「はい?」
暦「どうして突然デートなんだ?」
八九寺「はあ、そんな事を聞いてしまいますか」
暦「? ダメだったか?」
八九寺「阿良々木さんは乙女心がまるっきり解っていませんね」
暦「?」
八九寺「いいですか阿良々木さん、私は幽霊です」
暦「ああ」
八九寺「幽霊ゆえにいつ成仏してもおかしきありません」
暦「はあ……」
八九寺「ですのでデートなんです」
暦「?」
八九寺「ダメダメですね阿良々木さん」
30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/26(水) 11:09:39.13 ID:SbS/U5ayO
暦「いや、成仏するとしても突然、デートするってのは解らんぞ」
八九寺「なんなんですか阿良々木さん!! 最近流行りの鈍感系のつもりですか!?」
暦「いや、流行りかはしらないけれど……」
八九寺「バカかんですか!? こんな可愛い子が成仏しちゃうかもしれないんですよ!?」
暦「そりゃあ成仏されたら寂しいけどよ」
八九寺「だったら男としてデートのひとつやふたつ、してあげて当然でしょう!」
暦「あ、ああ……、そう、なのか?」
八九寺「そうですよ!!」
暦「…………、そうか、じゃあしかたないな」
八九寺「仕方ないです!!」
41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/26(水) 12:53:53.22 ID:SbS/U5ayO
暦「で……、こうなると……」
八九寺「はい! デートといえばこれです!」
暦「いや、僕としては嬉しいんだよ? 嬉しいんだけど……」
八九寺「何か問題がありますか?」
暦「ああ……、うん……、肘に柔らかいものが当たっていてな」
八九寺「はあ」
暦「非常にドーナツを食べづらい状況なのですよ八九寺さん」
八九寺「? まあ、気にする事はありませんよ、私くらい発育の良い小学生なら当然の柔らかさです」
暦「いやいや、八九寺さんや、僕は柔らかさについて言っている訳ではなくてだな」
八九寺「はい?」
暦「なんというか、肘でお前を感じながらだと、せっかくのドーナツを味わえないのだけれど……」
八九寺「いいじゃないですか、気持ちいいにこした事はないですよ!」
暦「そ、そうだな!! よーし、八九寺を感じちゃうぞー!」
八九寺「あ、いえ……、そういうノリは必要ないです……」
42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/26(水) 12:58:14.86 ID:SbS/U5ayO
暦「なんだよ八九寺ー、感じて良いって言ったのはお前だろー」
八九寺「やめてください! いかにデートといえど限度がありますよ!?」
暦「いいじゃないかよ八九寺ー! 今まで我慢してたんだからよー」
八九寺「いやいや阿良々木さん、阿良々木さんが良くても周りからは一人で悶えてる変態ですよ?」
暦「周囲の視線なんて関係ないね!」
八九寺「無駄に男らしいです!!」
44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/26(水) 13:09:55.99 ID:SbS/U5ayO
暦「ふぅ……」
八九寺「はぁはぁ……」
暦「はしゃぎすぎたな……」
八九寺「ですね……」
暦「ミスタードーナツに出禁になる所だった」
八九寺「店員さん的には既に要注意人物ですよ」
暦「うわっ!!」
八九寺「ひゃあっ!! どうしましたか!?」
暦「いや、何だか足首を思いっきり引っ張られた気がした」
八九寺「なんですか突然、老化現象ですか?」
暦「あぁ……いや、平気だ……」
八九寺「? まあ良いですけど。所で阿良々木さん」
暦「なんだ?」
八九寺「私は少し疲れましたよ」
暦「そうか」
46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/26(水) 13:16:22.26 ID:SbS/U5ayO
八九寺「いやいや『そうか』ではありませんよ阿良々木さん」
暦「? じゃあ何だっていうんだよ」
八九寺「これは振りですよ? 女の子が疲れたって言ってるんですよ?」
暦「? はあ」
八九寺「鈍いですねー、そんなんだからいつまでたっても童貞なんですよ阿良々木さんは!」
暦「はあ? 何だよそれ」
八九寺「まったく……、良いですか阿良々木さん、私は『疲れた』と言っているんです」
暦「うん」
八九寺「女子が疲れたと言ったら男子は休憩できる所を探すでしょう!?」
暦「ああ、そう言うことか、じゃあ、あそこのベンチにでも座るか?」
八九寺「ちっがぁぁぁう!!」
48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/26(水) 13:21:14.75 ID:SbS/U5ayO
暦「へ?」
八九寺「ホテルですよホテル!」
暦「ほ、ホテル……?」
八九寺「まったく、良いですか阿良々木さん、女の子が疲れたといったら男子はさりげなくホテルに誘うんですよ!」
暦「そうなのか?」
八九寺「そうなんです! そして男女は昼間っから規制されるような事をするんです!」
暦「いや、規制されるならやっちゃダメだろ、特にお前は」
八九寺「解ってない、解ってないですよ阿良々木さん」
暦「……」
八九寺「いいですか? デートですよ? そりゃあ昼間っから規制まっしぐらでしょう!?」
暦「でしょうって言われても……」
八九寺「これだから阿良々木さんは……」
50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/26(水) 13:25:51.32 ID:SbS/U5ayO
暦「なんだよ」
八九寺「もういいですよ、私は萎えてしまいました」
暦「いや、女の子は萎えるもの付いてないだろ」
八九寺「とにかく! 私は鶏には興味ありませんので萎え萎えです!」
暦「鶏!? せめてチキンと言ってくれ!」
八九寺「どっちも同じでしょう」
暦「まあ、そうだけどさ」
八九寺「もういいです。ほら、どこか別の所にいきますよ」
暦「ああ……」
八九寺「あからさまに落ち込まないで下さいよ」
53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/26(水) 13:42:23.13 ID:SbS/U5ayO
暦「よ、よし! じゃあどこ行きたい!? 次はどこだ!?」
八九寺「そうですねー、じゃあ天国に行きたいです!」
暦「……」
八九寺「あれ? どうしました阿良々木さん」
暦「いや……、そんなことは無いと思うけど八九寺」
八九寺「はい?」
暦「お前、僕に嫌がらせしてないか?」
八九寺「はあ……、嫌がらせですか」
暦「いや、勘違いならいいんだけどよ」
八九寺「まあ、そうですね、してます」
暦「やっぱりか!!」
八九寺「まあ、普段の阿良々木さんの行動を考えれば嫌がらせされて当然ですよね」
暦「僕はそんなに酷い事はしてないつもりだけど」
八九寺「自覚がないのはいただけませんねー」
59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/26(水) 14:27:15.66 ID:SbS/U5ayO
暦「嫌なら言ってくれれば良かったのにー」
八九寺「なんですかその軽いノリは、私、何度も嫌だって言いましたよね!?」
暦「いやよいやよも」
八九寺「好きのうちなんかじゃないんだからね!」
暦「ツンデレだと!?」
八九寺「まあ、そうですね、嫌だって言いながらも案外楽しんでました」
暦「デレデレだ!」
八九寺「ところで阿良々木さん、デートはいよいよクライマックスですよ」
暦「え、そうなの?」
八九寺「はい、マックスさんはいつだって暗いお方ですので」
暦「マックスさんって誰だ!?」
八九寺「それじゃあ、行きましょうか」
暦「行くってどこにだよ」
八九寺「そんなの、決まってるじゃないですか」
60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/26(水) 14:32:43.35 ID:SbS/U5ayO
暦「ここは……」
八九寺「はい、阿良々木さんと初めて会った公園です」
暦「どうしてここに?」
八九寺「デートの〆は思い出の場所と決まっているからですよ」
暦「決まってるのか」
八九寺「はい、紀元前からの決まり事です」
暦「それはすごいな、でもこの公園って初めて会ったってだけでそんなに思い出すエピソードは無いぞ?」
八九寺「ま、阿良々木さんとはいつも道の途中で会っていましたからね」
暦「八九寺と出会えたってのは、確かに思い出だけどな」
八九寺「悲劇はここから始まったんですねー」
61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/26(水) 14:38:54.92 ID:SbS/U5ayO
暦「まあ、お前との会話は喜劇だったけどな」
八九寺「そういえば、阿良々木さん、ここで私の胸、触りましたよね」
暦「ああ、あったなそんなこと」
八九寺「年上の胸を触るなんて、これだから最近の若者は……」
暦「永遠の若者が言うな」
八九寺「阿良々木さんを最近の若者なんて言ったら若者に失礼ですかね」
暦「僕ってそんなに罪深いのか……」
八九寺「罪深いじゃないですか、女子をたぶらかしてばっかりですし」
63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/26(水) 14:42:58.88 ID:SbS/U5ayO
暦「見境なしに手を出してるみたいに言うな!」
八九寺「これは失礼、阿良々木さんは見た目が幼い女子にだけでしたね」
暦「僕はロリコンですとでも言ってほしいのか」
八九寺「違うんですか?」
暦「ふ……、甘いな八九寺、僕は可愛い女の子ならみんな好きだ!」
八九寺「やっぱり見境ないじゃないですか」
64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/26(水) 14:47:00.30 ID:SbS/U5ayO
暦「見境はなくとも特別な人には相応の態度で接するぞ」
八九寺「…………、私も、特別でしょうか」
暦「? 当然だろう」
八九寺「そうですか」
暦「なんだよ八九寺、何か引っかかる言い様だな」
八九寺「いえ、何でもありませんよ、少しデレただけです。ここから先はツンしかありません」
暦「ツンデレか」
八九寺「デレデレツンツンです」
暦「なにそれ!? 可愛い!!」
八九寺「ま、私ですから当然ですね」
65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/26(水) 14:49:38.34 ID:SbS/U5ayO
八九寺「さて、そろそろ帰りますか」
暦「もうデートは良いのか?」
八九寺「はい、もう十分楽しみました」
暦「いつも通りだったけど」
八九寺「いつも通りが楽しいお年頃なんですよ」
暦「そっか」
八九寺「はい!」
暦「よし、じゃあ帰るか」
八九寺「はい、またいつか」
暦「ああ、またな」
67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/26(水) 14:51:24.67 ID:SbS/U5ayO
八九寺「ではでは阿良々木さん、お気を付けて」
暦「お前もな」
八九寺「はい、車には気を付けようと思います」
暦「……じゃあな!」
八九寺「では!」
おわる
八九寺「知れば知るほど嫌いになります」