1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/21(火) 20:20:36.59 ID:2mKqiJFo0
1、
暇を持て余した僕は、ついでの事のように、と言っちゃ悪いけど
――――忘れていた千石との遊ぶ約束を思い出して、千石と色々話して。
ツイスターゲームを終えた後の話になる――――――――
「ん、ああ、言ってなかったっけ」
というより、前は居ないって言ったんだっけ。
「うん、撫子初耳だよ」
そういった、千石の声は、クローゼットの話題を僕が持ち出した時と同じ声をしていた。
いや、正直怖い
というかめっちゃ怖い
何かしたか?僕。
「ううん、暦お兄ちゃんは、何もしてないよ」
「悪いのは、ふふ」
続けて話した千石の顔は、どう見ても、いつもの千石のそれと同じではなかった。
――――――――何か起きそう
そう、いつも危機に遭う、僕の直感が、言っていた。
でも千石が?
何かする?
いや、ないない。だって千石だぜ?というよりお兄ちゃんが妹疑ってしまってはいけない。
8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/21(火) 20:27:23.47 ID:2mKqiJFo0
「どうかした? 暦お兄ちゃん」
僕の心配そうな顔を察知したのか、千石が、心配そうに覗き込んできた。
「ああ、いや、何でもない。ちょっと考え事をしてただけだ」
「彼女さんのこと?」
いやいや、そうじゃないけど。
「ふぅん」
と、千石は、ちょっと何かを溜めたような雰囲気で答えた。
何を溜めたんだ。
「不満?」
「いや、なんでお前が聞いてくるんだ」
暦お兄ちゃんは、撫子のこと、何でも知ってるから
そういって、千石は僕の耳元へ口を近づけ
「彼女が居るんなら、もう、手加減は要らないね」
――――――――その声が、聞こえたときには、僕の意識はもう、無かった。
2、
速報。
緊急速報。
なんで僕はこんな事になっているんだ。
というより、なんだこの状況。
ヤバくね?
「暦お兄ちゃぁん」
いつもとは違う色っぽい声の千石が僕の下から聞こえた。
下って。
慕って。
その上僕らは裸だった。
裸って。
憚って。
「さ、続き、しよ?」
そう言った、千石の声に、僕はまた。
――――――――意識を闇に葬られた。
身体が怠い。
更に、なんだろう、この熱さは。
下半身が、生暖かいし。
ん、下半身?
「ん、あっ、んん、暦お兄ちゃんっ、激しいよっ」
今さっきと同じ体制、同じ位置、同じ格好で
ただ一つ、今さっきと違ったのは
「な、んで、僕は千石とヤッてる、んだ・・・・・・・」
仕事のように、動かしていた腰を止める。
何をしているんだ、僕は。
というより
何をしていたんだ、僕は。
「何って、セックス、だよ?暦お兄ちゃん、可笑しいの」
ふふふ、と小悪魔のように、千石は笑う。
「千石、一つ聞きたいことがある」
まだ、呆然、合体したまま僕は千石に聞く
「何で僕はこんな事をしている。あとここは何処だ」
「ふふ、暦お兄ちゃん。質問が二つだよ? あと、こんな事、なんて酷いなぁ」
千石の部屋でも、僕の部屋でも
あの廃墟でも
僕の見たことのある、どの部屋とも
全く違う部屋に、僕らは居た。
ピンク。一面がピンクだ。
「一つ目の答え。暦お兄ちゃん、聞きたい?」
僕と、千石の接合部を指でくりくりと弄りながら、心底楽しそうに、千石は言った。
「ああ、聞きたい」
僕がそう言うと、僕の下で、横になっていた身体の上半身を少し起こし
そして
「暦お兄ちゃんが、撫子とセックスしたい、っていうから」
そんな事を、あの、小悪魔のような笑顔で、言った。
小悪魔。
もう悪魔なんじゃないだろうか。
恐怖すら感じる笑顔なんて。
「ね、暦お兄ちゃん。撫子、まだ足りない」
僕が恐怖を感じているというのに。
千石は、僕に、そんな事を
「セックス、しよ?」
「駄目だ」
僕は、そう言う。
そう言わなければならない。
「僕には、言っただろう。彼女が居る」
「変なの、暦お兄ちゃん。暦お兄ちゃんがヤろう?って誘ったのに、ダメだなんて」
ふふふ、と
また千石は笑う。
「千石。こんな事を言う僕は、無責任で、無自覚で、大馬鹿野郎だとは思うけど」
でも
「僕にはそう、千石に言った記憶がないんだ。仮にそう言って、事を成してしまったとしても」
「僕は、千石の誘いを断らなければならない」
矛盾している。言ってて思う。
でも、言わなきゃいけないんだ。
「やっぱり、暦お兄ちゃんは、暦お兄ちゃんだね」
「悪い」
精一杯の、謝罪文は。
たった2文字になってしまった。
「・・・・・・・・・・・・・・・・うーん」
逡巡、千石は唸った後
「でも、ダーメ」
とか、前にも聞いたことがあるような、そんなフレーズを残し
「一杯、一杯、中に出してもらうんだからね」
千石がそう言った途端。
僕の身体は、一切の自由が効かなくなった。
「んー、意識はもう無くせないのかなぁ、残念」
「でもいっか。きちんと、暦お兄ちゃんに見ててもらおうっと」
千石は
そんな、意味のわからないことを言う。
「ほら、暦お兄ちゃん、腰、動かして」
その言葉に釣られたかのように
僕の腰は動く。
「んっ、あんっ、暦お兄ちゃん、激しっ」
千石が喘ぐ
「気持ちいいよ・・・・暦お兄ちゃんっ」
気持ちいい。
僕も、気持ちいい。
でも
「んっ・・・・・ん、今さっきよりも、激しく無くなったなぁ」
千石が僕の目を見つめる
「理性なんて、捨てちゃえばいいんだよ?」
箍が、外れそうになる。
その、甘い声に
「気持ちよくなろうよ? ね? 暦お兄ちゃ」
――――――――ん
その時。僕は。戦場ヶ原も。神原の事も。
八九寺のことも
妹達のことも
忍のことも。
全てを忘れて、一心不乱に腰を振った。
「そっ、うっ、だよ、暦お兄ちゃんっ」
快楽に顔を歪め
声を歪めた千石は言う
「気持ちよければっ、いいんだよっ、っん」
温かい。
生暖かい。
「こっちも触ってよ、暦お兄ちゃん」
僕の右手を
千石の右手が
千石の未発達な乳房へと誘導する。
「ほらっ、んん、柔らかい?」
柔、らかい
「ふふっ、あっ、ん、じゃあ、揉んでよ」
そう言われた僕は。
どうしようもなく。
千石の胸を、これまた一心不乱に弄んだ。
「吸ってっ、よっ、乳首、も」
千石は言う
僕は従う
「ひゃっ、う、んっっ、ちょっと痛いかもっ」
――――――――でもそれもいいかも
千石は。
そんな風に千石は言うので。
「んんっ、暦お兄ちゃん、なんか可愛いっ」
可愛い
だなんて
「んんんっ、ひゃうっ」
僕は快楽に顔を歪める千石が可愛くて
また、忙しなく、腰を振る
「んっ、あっ、そ、こはっ」
そこを突くと、千石は一層顔を歪めた。
それを見て、僕は、そこを攻める
「っっっっっっ、暦お兄ちゃん、やめ、っ」
――――――――逝きそう
千石が言う。
「だから、暦お兄ちゃんも逝ってよ」
その言葉の所為で
いや、その言葉のせいじゃないのかも知れないけど
でも
僕も、下腹部が熱くなる
射精の合図だと、わかる
「っ、――――――――――――――――――――――――――――――――!!」
声なき声を上げた千石は、腰を痙攣させ。
その動きに対応するように。
僕も刻み良く
出してしまっていた。
3、
「ふふふ、暦お兄ちゃん。ナカダシ、しちゃったね?」
ベッドの上で、脱力したように寝そべる千石は
「もう、喋れるんじゃない?」
そう言った。
そして
「ああ、喋れる」
それに呼応して、僕は喋った。
「ふふ、吸血鬼と人間の子供だよ?」
千石は茶化して言う。
茶化して言える内容では全くないのに。
「千石、これは、どういう事だ」
明らかに人間の所業じゃない。
ましてや吸血鬼もどきの僕を。
自由の効かない状態に出来るなんて。
おまじないのレベルなんかじゃ、ない
「メデューサ」
千石は、一言、告げた
「暦お兄ちゃん」
怠そうに、気怠そうに起き上がり
「撫子のこと、好き?」
と、唐突に聞くのだった。
「嫌いじゃない。でも千石」
――――――――お前じゃないんだ
――――――――僕の愛してる人は
――――――――お前じゃないんだ
そう、千石に告げた。
「分かってた。そういうと思ったよ、暦お兄ちゃん」
「だから」
――――――――だから撫子も
――――――――こんな風に
こんな風に、したのだと。
彼女は、悲しそうに、楽しそうに、そう、言った。
「いいから、質問に先ず答えてくれ、千石」
お前のその力は、何なんだ。
メデューサとは、一体なんなんだ。
「うーんと」
何から言えばいいかなぁ、と
千石は漏らす。
「蛇のおまじないの時、その時に見たんだよね」
「メデューサの事」
――――――――千石が言うには
何処かの神話のメデューサとやらの、その力を
人を石化するという力を。
違うように使い
人を操る
そういう魔術の本が有ったらしい。
あの本屋は何を売っているんだ。
「あの時、暦お兄ちゃん、女の子と一緒にいたでしょ」
「羽川か」
そう、と
「その羽川さんが、暦お兄ちゃんの彼女さんに見えたんだ」
「だから、魔術の本で見たことを、覚えた」
「呼び出し方も」
「そして」
「使い方も」
「どれもこれも」
――――――――暦お兄ちゃんの為なんだよ
と、千石はいつの間にか、僕の首へと手を回し
そして
口づけをした
「んっ、っ、っ、っ――――――――――――――――」
戦場ヶ原とした時よりも
長く
「――――――――っぷはぁ。もう、暦お兄ちゃんは、離さないんだから」
エロかった。
「さ、誓いのキスも済んだし」
千石は、腕を僕の首からゆっくりと下ろし
「2回目、やっちゃおうか」
その両手は、僕を迎えるかのごとく
ハの字に開き
「ほら、早く、入れてよ」
そして。僕は、千石に迎えられた。
その日から、僕は
千石とずっと一緒になった。
~fin~
元スレ
「どうかした? 暦お兄ちゃん」
僕の心配そうな顔を察知したのか、千石が、心配そうに覗き込んできた。
「ああ、いや、何でもない。ちょっと考え事をしてただけだ」
「彼女さんのこと?」
いやいや、そうじゃないけど。
「ふぅん」
と、千石は、ちょっと何かを溜めたような雰囲気で答えた。
何を溜めたんだ。
「不満?」
「いや、なんでお前が聞いてくるんだ」
暦お兄ちゃんは、撫子のこと、何でも知ってるから
そういって、千石は僕の耳元へ口を近づけ
「彼女が居るんなら、もう、手加減は要らないね」
――――――――その声が、聞こえたときには、僕の意識はもう、無かった。
14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/21(火) 20:31:03.94 ID:2mKqiJFo0
2、
速報。
緊急速報。
なんで僕はこんな事になっているんだ。
というより、なんだこの状況。
ヤバくね?
「暦お兄ちゃぁん」
いつもとは違う色っぽい声の千石が僕の下から聞こえた。
下って。
慕って。
その上僕らは裸だった。
裸って。
憚って。
「さ、続き、しよ?」
そう言った、千石の声に、僕はまた。
――――――――意識を闇に葬られた。
18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/21(火) 20:37:55.25 ID:2mKqiJFo0
身体が怠い。
更に、なんだろう、この熱さは。
下半身が、生暖かいし。
ん、下半身?
「ん、あっ、んん、暦お兄ちゃんっ、激しいよっ」
今さっきと同じ体制、同じ位置、同じ格好で
ただ一つ、今さっきと違ったのは
「な、んで、僕は千石とヤッてる、んだ・・・・・・・」
仕事のように、動かしていた腰を止める。
何をしているんだ、僕は。
というより
何をしていたんだ、僕は。
「何って、セックス、だよ?暦お兄ちゃん、可笑しいの」
ふふふ、と小悪魔のように、千石は笑う。
「千石、一つ聞きたいことがある」
まだ、呆然、合体したまま僕は千石に聞く
「何で僕はこんな事をしている。あとここは何処だ」
「ふふ、暦お兄ちゃん。質問が二つだよ? あと、こんな事、なんて酷いなぁ」
22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/21(火) 20:44:50.51 ID:2mKqiJFo0
千石の部屋でも、僕の部屋でも
あの廃墟でも
僕の見たことのある、どの部屋とも
全く違う部屋に、僕らは居た。
ピンク。一面がピンクだ。
「一つ目の答え。暦お兄ちゃん、聞きたい?」
僕と、千石の接合部を指でくりくりと弄りながら、心底楽しそうに、千石は言った。
「ああ、聞きたい」
僕がそう言うと、僕の下で、横になっていた身体の上半身を少し起こし
そして
「暦お兄ちゃんが、撫子とセックスしたい、っていうから」
そんな事を、あの、小悪魔のような笑顔で、言った。
小悪魔。
もう悪魔なんじゃないだろうか。
恐怖すら感じる笑顔なんて。
「ね、暦お兄ちゃん。撫子、まだ足りない」
僕が恐怖を感じているというのに。
千石は、僕に、そんな事を
「セックス、しよ?」
25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/21(火) 20:50:20.33 ID:2mKqiJFo0
「駄目だ」
僕は、そう言う。
そう言わなければならない。
「僕には、言っただろう。彼女が居る」
「変なの、暦お兄ちゃん。暦お兄ちゃんがヤろう?って誘ったのに、ダメだなんて」
ふふふ、と
また千石は笑う。
「千石。こんな事を言う僕は、無責任で、無自覚で、大馬鹿野郎だとは思うけど」
でも
「僕にはそう、千石に言った記憶がないんだ。仮にそう言って、事を成してしまったとしても」
「僕は、千石の誘いを断らなければならない」
矛盾している。言ってて思う。
でも、言わなきゃいけないんだ。
「やっぱり、暦お兄ちゃんは、暦お兄ちゃんだね」
「悪い」
精一杯の、謝罪文は。
たった2文字になってしまった。
31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/21(火) 20:55:07.12 ID:2mKqiJFo0
「・・・・・・・・・・・・・・・・うーん」
逡巡、千石は唸った後
「でも、ダーメ」
とか、前にも聞いたことがあるような、そんなフレーズを残し
「一杯、一杯、中に出してもらうんだからね」
千石がそう言った途端。
僕の身体は、一切の自由が効かなくなった。
「んー、意識はもう無くせないのかなぁ、残念」
「でもいっか。きちんと、暦お兄ちゃんに見ててもらおうっと」
千石は
そんな、意味のわからないことを言う。
「ほら、暦お兄ちゃん、腰、動かして」
その言葉に釣られたかのように
僕の腰は動く。
34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/21(火) 21:01:17.73 ID:2mKqiJFo0
「んっ、あんっ、暦お兄ちゃん、激しっ」
千石が喘ぐ
「気持ちいいよ・・・・暦お兄ちゃんっ」
気持ちいい。
僕も、気持ちいい。
でも
「んっ・・・・・ん、今さっきよりも、激しく無くなったなぁ」
千石が僕の目を見つめる
「理性なんて、捨てちゃえばいいんだよ?」
箍が、外れそうになる。
その、甘い声に
「気持ちよくなろうよ? ね? 暦お兄ちゃ」
――――――――ん
その時。僕は。戦場ヶ原も。神原の事も。
八九寺のことも
妹達のことも
忍のことも。
全てを忘れて、一心不乱に腰を振った。
37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/21(火) 21:05:41.59 ID:2mKqiJFo0
「そっ、うっ、だよ、暦お兄ちゃんっ」
快楽に顔を歪め
声を歪めた千石は言う
「気持ちよければっ、いいんだよっ、っん」
温かい。
生暖かい。
「こっちも触ってよ、暦お兄ちゃん」
僕の右手を
千石の右手が
千石の未発達な乳房へと誘導する。
「ほらっ、んん、柔らかい?」
柔、らかい
「ふふっ、あっ、ん、じゃあ、揉んでよ」
そう言われた僕は。
どうしようもなく。
千石の胸を、これまた一心不乱に弄んだ。
39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/21(火) 21:11:03.19 ID:2mKqiJFo0
「吸ってっ、よっ、乳首、も」
千石は言う
僕は従う
「ひゃっ、う、んっっ、ちょっと痛いかもっ」
――――――――でもそれもいいかも
千石は。
そんな風に千石は言うので。
「んんっ、暦お兄ちゃん、なんか可愛いっ」
可愛い
だなんて
「んんんっ、ひゃうっ」
僕は快楽に顔を歪める千石が可愛くて
また、忙しなく、腰を振る
「んっ、あっ、そ、こはっ」
そこを突くと、千石は一層顔を歪めた。
それを見て、僕は、そこを攻める
「っっっっっっ、暦お兄ちゃん、やめ、っ」
41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/21(火) 21:14:14.27 ID:2mKqiJFo0
――――――――逝きそう
千石が言う。
「だから、暦お兄ちゃんも逝ってよ」
その言葉の所為で
いや、その言葉のせいじゃないのかも知れないけど
でも
僕も、下腹部が熱くなる
射精の合図だと、わかる
「っ、――――――――――――――――――――――――――――――――!!」
声なき声を上げた千石は、腰を痙攣させ。
その動きに対応するように。
僕も刻み良く
出してしまっていた。
44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/21(火) 21:20:52.02 ID:2mKqiJFo0
3、
「ふふふ、暦お兄ちゃん。ナカダシ、しちゃったね?」
ベッドの上で、脱力したように寝そべる千石は
「もう、喋れるんじゃない?」
そう言った。
そして
「ああ、喋れる」
それに呼応して、僕は喋った。
「ふふ、吸血鬼と人間の子供だよ?」
千石は茶化して言う。
茶化して言える内容では全くないのに。
「千石、これは、どういう事だ」
明らかに人間の所業じゃない。
ましてや吸血鬼もどきの僕を。
自由の効かない状態に出来るなんて。
おまじないのレベルなんかじゃ、ない
「メデューサ」
千石は、一言、告げた
50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/21(火) 21:31:14.83 ID:2mKqiJFo0
「暦お兄ちゃん」
怠そうに、気怠そうに起き上がり
「撫子のこと、好き?」
と、唐突に聞くのだった。
「嫌いじゃない。でも千石」
――――――――お前じゃないんだ
――――――――僕の愛してる人は
――――――――お前じゃないんだ
そう、千石に告げた。
「分かってた。そういうと思ったよ、暦お兄ちゃん」
「だから」
――――――――だから撫子も
――――――――こんな風に
こんな風に、したのだと。
彼女は、悲しそうに、楽しそうに、そう、言った。
51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/21(火) 21:35:49.99 ID:2mKqiJFo0
「いいから、質問に先ず答えてくれ、千石」
お前のその力は、何なんだ。
メデューサとは、一体なんなんだ。
「うーんと」
何から言えばいいかなぁ、と
千石は漏らす。
「蛇のおまじないの時、その時に見たんだよね」
「メデューサの事」
――――――――千石が言うには
何処かの神話のメデューサとやらの、その力を
人を石化するという力を。
違うように使い
人を操る
そういう魔術の本が有ったらしい。
あの本屋は何を売っているんだ。
「あの時、暦お兄ちゃん、女の子と一緒にいたでしょ」
「羽川か」
そう、と
52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/21(火) 21:39:39.48 ID:2mKqiJFo0
「その羽川さんが、暦お兄ちゃんの彼女さんに見えたんだ」
「だから、魔術の本で見たことを、覚えた」
「呼び出し方も」
「そして」
「使い方も」
「どれもこれも」
――――――――暦お兄ちゃんの為なんだよ
と、千石はいつの間にか、僕の首へと手を回し
そして
口づけをした
「んっ、っ、っ、っ――――――――――――――――」
戦場ヶ原とした時よりも
長く
「――――――――っぷはぁ。もう、暦お兄ちゃんは、離さないんだから」
エロかった。
55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/21(火) 21:43:26.93 ID:2mKqiJFo0
「さ、誓いのキスも済んだし」
千石は、腕を僕の首からゆっくりと下ろし
「2回目、やっちゃおうか」
その両手は、僕を迎えるかのごとく
ハの字に開き
「ほら、早く、入れてよ」
そして。僕は、千石に迎えられた。
その日から、僕は
千石とずっと一緒になった。
~fin~
撫子「暦お兄ちゃん、彼女、いるんだ」