1: 名無しで叶える物語 2021/01/24(日) 14:51:11.07 ID:0Re3q46C.net

副会長(はんぺん、白くてふわふわで小さくてかわいいなぁ)フリフリ

はんぺん「ヌァォン」ジャレツキ

副会長(……あ、そろそろ会長が来る頃でしょうか)フリフリ

はんぺん「……」ペシペシ

副会長「はんぺん、遊ぶのはいったんおしまいで──」クルッ


菜々「……」ニコニコ

副会長「あっ」



2: 名無しで叶える物語 2021/01/24(日) 14:52:40.74 ID:0Re3q46C.net

副会長「……か、会長……」

菜々「ふふっ、楽しそうですね」クスッ

副会長「ち、違うんです、これは」ネコジャラシカクシ

副会長「え、えっと、これはですね」

菜々「大丈夫ですよ、隠さなくても──」

はんぺん「ンナァーォ」(菜々の顔面に飛びつく音)

菜々「んむぐぅ!?」ドサッ

副会長「会長!?」



3: 名無しで叶える物語 2021/01/24(日) 14:54:41.12 ID:0Re3q46C.net

菜々「……」

副会長「だ、大丈夫ですか?」

菜々「にまいめらのれふぇいみめふ」

はんぺん「ミャォン」ヨジヨジ

副会長「ああ、会長の顔面をよじ登って……!」

菜々「……ぷはっ」

副会長「か、会長、手を」クイッ

菜々「よいしょ……ありがとうございます」

副会長「ちなみにさっきはなんと言って」

菜々「『2回目なので平気です』と」

副会長「あの倒れ方は何回目だろうと危険では……?」



5: 名無しで叶える物語 2021/01/24(日) 14:56:57.40 ID:0Re3q46C.net

副会長「首からいっていたように見えましたが、本当に大丈夫ですか?」

菜々「ええ、平気です」

菜々「虹ヶ咲の生徒会長たるもの、これくらいのことではなんともありません」

副会長「そんなことはないと思いますが……」

副会長「いえ、とにかく怪我がなければなによりです」ホッ

菜々「ご心配ありがとうございます」ニコ

菜々「……さて。気を取り直して業務に移りましょうか」トコトコ

菜々「3年は進路相談会に参加、1年は科ごとの校外行事で、今日はお休みと聞いています」

副会長「ちょうど生徒会の活動日と重なってしまいましたね」

菜々「生徒会とはいえ一介の学生。ブッキングの場合は学年行事が優先ですから」

菜々「今日は私たちふたりで頑張りましょう」ニコ

副会長「は、はいっ」



7: 名無しで叶える物語 2021/01/24(日) 14:59:08.04 ID:0Re3q46C.net

はんぺん「ンミャォ」ピョイン

副会長「あっ、はんぺんが」

はんぺん「……」ゴロゴロスリスリ

副会長「何事もなかったかのように会長の膝の上へ……」

菜々「ふふっ、今日はここが活動場所ですか?」ナデナデ

はんぺん「ミャー」マルマリ

菜々「では、はんぺんも持ち場についたところで」

菜々「私は明日の会議資料をまとめますので、副会長は生徒からの相談の振り分けをお願いします」

副会長「分かりました。途中でご確認いただければ」

菜々「ええ。いつも通りで」


菜々「……」カタカタ

副会長「……」カタカタ

はんぺん「……」スヤスヤ



9: 名無しで叶える物語 2021/01/24(日) 15:01:12.21 ID:0Re3q46C.net

〜間〜

副会長「……この書類は各顧問へ確認をお願いして、こっちは……」

菜々「……」

菜々「あの……」

菜々「ちょっと……」

副会長「会長?」

菜々「……はんぺん?」

菜々「そこで寝られると、あの、困ってしまうのですが」

キーボードの上で丸まるはんぺん「ンミャァ」

副会長(猫あるあるだ……)



10: 名無しで叶える物語 2021/01/24(日) 15:03:39.70 ID:0Re3q46C.net

菜々「……」スッ

はんぺん「……」ペシッ

菜々「……」ソローリ

はんぺん「……」ペチッ

菜々「……」

菜々「これだと文章が打てませんね……」

副会長(キーボードの上にいる以上、いくらそっと手を伸ばしても文字は打てないんじゃ……)

菜々「……」ウーン

副会長「……」

副会長「あの、会長」

菜々「どうされましたか?」

副会長「なにか箱はありませんか? 小包ぐらいの大きさで」

菜々「少々お待ちを。たしか昨日書類をまとめていた箱が……」ガサゴソ

菜々「はい、どうぞ」



11: 名無しで叶える物語 2021/01/24(日) 15:05:05.42 ID:0Re3q46C.net

副会長「ありがとうございます。ではこれを」

副会長「会長のパソコンの横に置かせていただきます」スッ

菜々「なにかに使うのではないんですか?」

副会長「使います。成功するかは分かりませんが……ほら」

はんぺん「……」トコトコ

菜々「あっ」

はんぺん「……」スポンッ

菜々「箱に……」

副会長「良かった。入ってくれる子でしたね」

菜々「猫の習性を利用した、ということでしょうか」

副会長「ええ」



12: 名無しで叶える物語 2021/01/24(日) 15:07:02.66 ID:0Re3q46C.net

副会長「狭い場所を好む、体感温度が人と違う、茂みに隠れているような気持ちになる」

副会長「説は色々とありますが、ともかく箱を置くとそこに入ってくれると聞いたことがあるので」

菜々「詳しいんですね」

副会長「やっ、役員のメンバーのことなので、以前調べたことがあったんです」

菜々「ふふっ、ありがとうございます。助かりました」

菜々「私も副会長を見習って、勉強しないといけませんね」ニコッ



13: 名無しで叶える物語 2021/01/24(日) 15:09:02.37 ID:0Re3q46C.net

箱に入ったはんぺん「……」マンマル

菜々「はんぺんというより、大きなおまんじゅうみたいです」

菜々「……」ナデナデ

副会長「会長もなんだか猫の扱いに慣れていませんか?」

菜々「そうでしょうか」

副会長「なので、てっきり飼い猫がいるのかと」

菜々「いえ、私の家はペット禁止なので」

菜々「慣れているとすれば、はんぺんが人懐っこい子だからでしょうね」

菜々「追いかけ回した人間にも心を許してくれるのは、天王寺さんや宮下さんが愛をもって接していたからでしょう」

副会長「あのときの会長の大捕物、未だに話題にあがりますよ」ニコッ

菜々「あれは……お恥ずかしいところを」

副会長「なんだか新鮮でした。ジャージと網で敷地を疾走する姿というのは」



14: 名無しで叶える物語 2021/01/24(日) 15:11:25.72 ID:0Re3q46C.net

菜々「そろそろ記憶から消していただいて」

副会長「そういう訳にもいきません。我が校の誇る生徒会長の雄姿ですから」

菜々「ふ、副会長っ」

副会長「善処はしますが、期待はなさらず」

菜々「全くもう……」

副会長「……」

菜々「……」

菜々「……ふふっ」

副会長「!」

菜々「そろそろ口ではなく、手を動かしましょうか」クスッ

副会長「はい、そうしましょう」



15: 名無しで叶える物語 2021/01/24(日) 15:13:57.23 ID:0Re3q46C.net

〜間〜

菜々(さて……こちらは一段落)

菜々(あとは副会長が振り分けてくれた書類のチェックですね)

菜々「それじゃあはんぺんを箱から……おや」

ハコカラッポ

副会長「か、会長」

副会長「そちらに行こうとしたのですが、その……」

菜々「ああ、なるほど」クスッ

副会長の膝で眠るはんぺん「……」スヤピ

菜々「大丈夫ですよ。私がそちらへ移動します」ニコ



16: 名無しで叶える物語 2021/01/24(日) 15:16:39.61 ID:0Re3q46C.net

副会長「そういえばですね、あの……」

菜々「なんでしょうか?」

副会長「……先ほど入ってこられたときに見た光景については、他の会員には伏せていただけると」

菜々「分かりました。ですが特に隠すようなことでもないのでは?」

副会長「曲がりなりにも副会長の人間が、業務中に子猫と戯れているというのは……」

菜々「それは……」

菜々「いえ、違いますね。副会長のしていたことは立派な生徒会の活動です」

副会長「え?」

菜々「生徒会員と一般生徒の交流が健全な学園運営に必要なように」

菜々「生徒会役員同士の交流もまた、必要なことですから」ニコ

副会長「会長……!」



19: 名無しで叶える物語 2021/01/24(日) 15:19:32.91 ID:0Re3q46C.net

菜々「ですので、副会長の活動内容は後日生徒会全員で共有しましょう」

副会長「会長!?」

菜々「ふふっ、冗談です」

副会長「心臓に悪いです……」



21: 名無しで叶える物語 2021/01/24(日) 15:22:31.11 ID:0Re3q46C.net

菜々「必要なこと、といえば」

菜々「生徒のみなさんからは多々ありますが、生徒会内からの要望は耳にしていない気がしますね」

菜々「この際です。何かあれば、ぜひ」

副会長「要望、ですか……」ウーン

副会長「……あ、ひとつあります」

菜々「なんでしょう」

副会長「机がちょっと……低いかなと」

菜々「机……」



23: 名無しで叶える物語 2021/01/24(日) 15:24:45.40 ID:0Re3q46C.net

菜々「……」ジッ

ローテーブル&ソファー

菜々「……」

菜々「確かに……」

菜々「この高さ、あまりにも事務仕事に向いてませんね。すぐ備品購入を申請します」

副会長「ありがとうございます」

菜々「というより、今までよく我慢してましたね? 気づかず申し訳ありません」

副会長「いえ、言わなかったのは私たちですし、強いていうならということなので」

菜々「肩と腰、辛かったでしょう」


副会長「生徒会たるもの、これも修練かと思っていて」

菜々「そんなことはないと思いますよ」



24: 名無しで叶える物語 2021/01/24(日) 15:27:05.28 ID:0Re3q46C.net

菜々「この高さの机と椅子でパソコン使うのって、体中の筋肉をバキバキにしろと言っているようなものですよね……」

菜々「資料作成も大変でしょう」

副会長「いえ、私は書き仕事も少ないのでそこまでは」

副会長「ただ……」

菜々「ただ?」

副会長「議事録をとっているときの書記は、確かに少し……」

菜々「あぁ……」

副会長「ときおり『腰と肩と首と目が辛い』と」

菜々「全部じゃないですか」

菜々「デスクワークで痛みやすい場所が全部やられてるじゃないですか」

菜々「一刻も早くなんとかしないと……」



26: 名無しで叶える物語 2021/01/24(日) 15:29:46.90 ID:0Re3q46C.net

菜々「副会長も本当に大丈夫なんですか?」

菜々「私も今まで気づかなかったのでアレですが」

菜々「こうしてソファに座って机上の資料を見ているだけでも、背中全面にダメージを感じます」

菜々「およそデスクワークをするには……最悪ではないかと」

副会長「確かに疲れることもありますが、私は平気です」

副会長「休憩中にせつ菜ちゃんの動画を見ると、かわいさで視力も上がって痛みも忘れるので」

菜々「副会長?」

副会長「生徒会の眼鏡率が100%でなくなる日も遠くないかもしれませんね」

菜々「副会長?」



27: 名無しで叶える物語 2021/01/24(日) 15:32:19.16 ID:0Re3q46C.net

菜々「それにいま『痛みも忘れる』って」

菜々「結局体は痛めてますよね」

菜々「すぐにでも長机と椅子を持ってきたいのですが」

副会長「いえ、今のはですね、違うんです」

副会長「口が勝手に……」

菜々「そうだとしても不調は見過ごせません」

副会長「元気です。健康です。すごく」

菜々「信じますよ?」

副会長「信じてください」



29: 名無しで叶える物語 2021/01/24(日) 15:34:24.18 ID:0Re3q46C.net

菜々「……分かりました。では、他に要望はありませんか?」

副会長「え?」

菜々「今のは生徒会全員に共通する要望だったはずです。副会長個人として、何かあればと」

副会長「私の、ですか」

菜々「ええ」

副会長「……」



30: 名無しで叶える物語 2021/01/24(日) 15:37:42.62 ID:0Re3q46C.net

副会長「……」グッ

副会長「あ、あの、ひとついいでしょうかっ!」

菜々「ど、どうしましたか?」

副会長「先ほどの話……」

副会長「『生徒会員同士の交流、ということでしたが」

副会長「わ、私たちも、どうでしょう」オズオズ

菜々「副会長……」

副会長「……っ」

菜々「ええ、そうですね。おっしゃる通りです」ニコッ

菜々「どこかお目当てがあるのでしょうか?」

菜々「私に可能な範囲でしたら、ぜひお付き合いさせてください」

副会長「会長……っ!」ジーン



31: 名無しで叶える物語 2021/01/24(日) 15:39:51.61 ID:0Re3q46C.net

副会長「では今度こそせつ菜ちゃんのライブへ」

菜々「ごめんなさい。それは無理です」

副会長「会長!?」

おわり



33: 名無しで叶える物語 2021/01/24(日) 15:42:08.54 ID:0Re3q46C.net

おまけ・後日談

〜スクールアイドルフェスティバル当日〜

運営本部テント

はんぺん「ニャー」トコトコ

副会長「姿を見ないと思ったら、ここにいたんですね」ナデナデ

副会長「いつもより学園内の人の出入りが多いので心配していました」

はんぺん「ナァー」ピョンッ

副会長「おっ、と……次が最後のステージです。ここで一緒に見ましょうね」ダキッ

副会長「ほら、天王寺さんと宮下さんもいますよ」ナデナデ

はんぺん「ンヌァォン」ゴロゴロ

副会長「それに、せつ菜ちゃんも」



34: 名無しで叶える物語 2021/01/24(日) 15:44:42.60 ID:0Re3q46C.net

副会長「……」

副会長(会長は別働隊で動いているとのことでしたが……)

副会長(最後のステージは、どこかで見てくれているでしょうか)

副会長(みんなで作り上げたこのお祭りを、楽しんでくれているでしょうか)

はんぺん「ニャァ」ペロッ

副会長「わっ……ふふ、そうですね」

副会長「考えごとはあと。今は──」


副会長「推しの輝く姿を、全力で楽しむとしましょう!」


おまけ おわり


元スレ
副会長「……(猫じゃらしフリフリ)」はんぺん「ミャー」菜々「お疲れ様です」ガチャ