1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/26(水) 20:13:53.75 ID:IaSOtT6Z0
すっかり日も暮れ、人もまばらになった路地に、一軒の屋台があります。
誰も彼もが家路を急ぐ中、屋台に一人の少女がやってきました。
玄「ふぅ~今日もたくさん、稼ぎますのだ。」
怜「お!中華そばの屋台か?」
玄「いらっしゃい。」
2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/26(水) 20:18:36.35 ID:IaSOtT6Z0
怜「大将!チャーシュー麺一つ。」
玄「チャーシュー麺ですか、ちょっと待ってて下さいね。」
怜「いや~最近めっきり涼しくなったわぁ。
こういう時は、ラーメンみたいな暖かいもんが恋しくなるねん。」
玄「へぇ~、左様で。」
怜「ところで主人?景気の方はどうなん?」
玄「最近はめっきりで、アベ◯ミクスだなんだ言っても庶民には関係ないですもんね。」
怜「そやな、なんもかんも政治が悪いって言うからな。
そやけど、商売なんて浮き沈みがあんねん。」
怜「今が駄目やからって諦めたらあかんよ。なんたって商いやからな。」
玄「はぁ、商いですか。」
怜「そや!ところで主人!
表の看板はなんなん?的に矢が刺さってるから当たり屋やろか?」
玄「あれですか?本当は的じゃなくておもちなんですが。
中華そばなのにおもちも変ですので矢を描き足したんですよ。」
怜「そうなん……ずいぶん好い加減やね……。
まぁええわ、屋号なんて旨けりゃ関係あらへん。」
玄「お待ちどうさま。」
怜「おっ!速いなぁ。
やっぱりファーストフードはパッ!パッ!と出来へんとな。」
怜「器もすばらやねぇ。
いやね、器で食べる訳やあらへんけど、こうも立派やと自然と美味しそうに見えてくるわ。」
玄「花田煌先生作の器ですからね、頑丈で長持ちなんですよ。」
怜「割り箸も綺麗やね。
近頃は割ってあるもんを出す店が多からなぁ。」
怜「こう、口でくわえて……もんっ!」ぱちん!
怜「いや~綺麗に割れたわ。気分ええなぁ~。」
玄「気分がいいと、心なしか美味しく感じられますからね。」
怜「いや、気分だけやないよ。
ほら、匂いもええし、このスープなんか透き通ってるわ。」
怜「最近は魚介系豚骨なんて流行ってるけど、こうにぼしの効いた昔ながらの中華そばを出す店がめっきり減ったからな。」
怜「ずずー、ンマイ!」
玄「そこまで喜んでもらえると料理人冥利に尽きます。」
怜「なんていうんかなぁ。この醤油とにぼしの絶妙のハーモニーっていうんか、味の調和っていうん?
例えるなら、白水哩と鶴田姫子、小鍛冶健夜に対する福与恒子、小林立原作に対する大和田秀樹の……」
玄「それ以上はいけない。」
怜「麺もまた細くてええなぁ。」
怜「最近はうどんやないかってくらい太い麺が流行っとるからなぁ。
麺はやっぱり喉越しのええ細麺が一番や。」
怜「ずずー、う・ン・マ・イ!」
怜「チャーシューも厚く切ってあって嬉しいなぁ。」
怜「ぱく!もぐもぐ!ごちそうさま!」
玄「喜んでもらえて何よりです。」
怜「おあいそで。」
玄「はい、チャーシュー麺一杯で800円になります。」
怜「全部、百円玉になるから数えますね。見とって下さい。」
怜「えっと百円玉が……
ひぃふぅみぃよんいっ…何時で?」
玄「え!6時かなぁ……。」
怜「ななやぁ…と、はいお勘定。」
玄「はいはい確かに頂きました。」
怜「旨かったで、またくるわ。ほなな。」
玄「はい、お待ちしております。」
玄「はぁ、よくしゃべるお客さんだなぁ……。」
玄「まぁちゃんと勘定はもらったし……。」
玄「ひぃふぅみぃよん……あれ?」
その様子を影から覗いていた少女が一人……
その名も白糸台のシャープ・シューター弘世菫!
菫「なんだあいつ?
べらべらとどうでも良いことばかりしゃべって、麺が伸びるだろ。」
菫「細かくなるからっていちいち数えちゃって、たしか800円……ん?」
菫「あいつ……うまく勘定をごまかしたな。」
菫「ちょうど私も財布の中身がピンチなんだ、悪いが狙い撃ちさせてもらうぞ。」
菫「おう!やってるか?」
「はい、ただいま……。」
菫「いや~、最近めっきり涼しく……」
宥「うぅ……さむいよぉ……。」ぶるぶる
菫「………。」
宥「さむい……。」
菫「………。」
菫「そ、そうそう寒いなぁ、こんな日は温かいラーメンでも……。」
宥「はい、ラーメンですね……少々お待ちを。」
菫「ところで主人!景気はどうだい?なに、多少悪くったって、諦めちゃ……」
宥「うぅ……うわ~ん!!」びえーん!
菫「うぉ!」
宥「玄ちゃんばっかりに迷惑かけちゃいけないと思って、私も商売を始めたのはいいけど。
屋台を引いてから一月、全然お客さんがこなくて……。」うわーん
菫「うわわ!主人!色々な液体がスープに入ってるぞ!」
宥「すみません……。」ずずず
菫「た、多少悪いからって諦めちゃ駄目だぞ……。」
宥「商いだけに?」
菫「………。」
菫「おお!そうだ!
表の看板は的に矢が……刺さってないね。」
宥「えぇ、本当は的に矢が刺さって当たり屋にしたかったんだけど……。」
宥「お客さん、お名前は?」
菫「弘世菫だが?」
宥「じゃあ、的に矢が外れてるから『スミレ屋』にしましょう。」るんるん♪
菫「……なんかむかつくなぁ。」
宥「出来ましたよ。」
菫「ほう、さすがだな。
やっぱりファーストフードはこう、パッ!パッ!と出来ないと。」
宥「えぇ、数日前から作り置きしてましたからね。」
菫「作り置き!?まぁいいや熱は通してあるんだ大丈夫だろ。」
菫「器もりっ……ところどころ欠けてるね、大丈夫かい?」
宥「知り合いの赤土晴絵先生に作ってもらったんですけどね、どうもすぐに欠けたり壊れたりで……。」
菫「はは……器で食おうてんじゃないんだ、ちょっとくらい欠けてても……。」
菫「割り箸も……汚いなぁ。」
菫「最近は割ってあるとこも多いけど。」
菫「こう、口でくわえて……とぉ!」すっ……
菫「はは、割ってあるのか、助かるなぁ……。」
宥「ちょっとの気遣いで気分が良くなりますからね。
今流行のおもてなしですよ。」
菫「さて、匂いだが、うん旨そうだ、スープも透き通ってる。
いやね、最近は味の濃い豚骨スープばかりだから、こういう昔ながらの中華そばがね……。」
宥「それ、豚骨スープですけど……。
もったいないんで水で割ってあるんですよ。」
菫「は、はは……そうか。
いや、スープじゃないんだ肝心なのは。」
菫「やっぱりラーメンの決めては麺だからね。」
菫「最近はうどんじゃないかってくらい太い麺を出す店があるけど、やっぱり細麺に……。」
菫「うぉ!なんだこれ!おもち!?」
宥「えぇ、最近、粉落としなんて流行ってるでしょ。」
宥「だから小麦粉をそのままスープに落としてみたんですよ。」
菫「い、いや、そういう意味じゃ……。」
菫「えぇい!ままよ!」パクッ!
菫「………。」ねっちゃねっちゃ…
菫「………。」ねっちゃねっちゃ…
菫「………。」ごっくん…
宥「美味しかった?」
菫「……あぁ、でも、もういいかな……。」
菫「チャーシューも……はは、これハムだ……。」
宥「えぇ、お歳暮にもらったやつを奮発して切ってみました。」
菫「……おあいそで……。」
宥「はい、特性あったかラーメン一杯、800円です。」
菫(くそっ、まずいラーメン食わせやがって、800円だ?高すぎるぞ!)
菫(ふふ、まぁこれから勘定をちょろまかしてやるんだ、ざまあみろ。)
菫「ちょっと細かくなるんだ、いいかな?」
宥「えぇ、かまいませんよ。」
菫「数えるから見ててくれ、ひぃふぅみぃよんいっ……何時で?」
宥「えぇ……何時だろう?おやつが食べたいから3時かなぁ。」
菫「よんいっむぅななやぁ……あれ?」
宥「うわぁ、こんなにたくさんあったか~い。」
皿屋敷
ここは大阪の姫松、千里山から来た舟久保浩子をまじえ、なにやら談笑してます。
と、そこへ遠征のため長らく留守にしていた愛宕洋榎が帰ってきました。
フナQ「そんでな怜がな、そこの店主から上手く勘定をちょろまかしたんよ。」
由子「そいつ馬鹿なのよーwwwwww」
漫「はぁ、そんな上手くいきますかねぇ。」
バタン!
洋榎「ただいま!姫松のエース、愛宕洋榎が帰ったで!」
絹恵「あ!お姉ちゃんお帰り。」
漫「主将、お帰りなさい。」
由子「お帰りなのよー。」
フナQ「お!洋榎、久しぶりやな。」
洋榎「なんや、浩子も来とったんかいな。」
フナQ「そりゃもう、今日あんたが帰ってくる聞いてな。」
洋榎「へぇ~嬉しいこと言ってくれるやないの。」
フナQ「で、お土産は?」
洋榎「そんなことやろお思たわ。ほれ、土産や。
これは長野で採れたワカメ、こっちは岩手産のキーウィ、そしてこれは九州で買った眼鏡で……。」
由子「なんか意味深なのよー。」
フナQ「土産もええけど、何か面白い土産話とかないんか?」
洋榎「土産話?そや!思い出したで、本当腹立つわ!あんな馬鹿にせんでもええのに!」むかか
絹恵「お姉ちゃん、どうしたん?」
洋榎「あれは、うちが奈良に寄ったときの話やけどな……。」
ここは阿知賀の新子神社
穏乃「それでさ、その時、宥さんがね……。」
憧「へぇ、宥ねぇやるじゃない。」
灼「さすが、宥さん……。」
洋榎「邪魔するで。」
穏乃「お!憧、お客さんだよ!」
憧「あら?まだ若いのに神社に参拝なんて珍しいわね。」
洋榎「まぁな、旅の験担ぎやな。」
穏乃「お客さん、どこから来たんですか?」
洋榎「うちか?うちは大阪の姫松からきたんやで。」
灼「姫松?あぁ、なら『皿屋敷』のことも知ってるとおも……。」
洋榎「皿屋敷?なんやそれ?」
憧「うそ?あんた姫松に住んでるのに『皿屋敷』も知らないの?」
穏乃「普通、あそこに住むのなら『皿屋敷』くらい知ってるはずだよ。」
洋榎(なんや、知らへんのが恥ずかしゅうなってきたわ。)
憧「あんた本当に姫松に住んでんの?」
灼「姫松の人なのに知らないなんて……ぷっ。」
洋榎「むかか。」
こいつらの態度がほんま腹立ってしゃあなかったけど。
知らへんのはほんまやし、なんも言い返せへんと帰ってきた訳や。
フナQ「なんや洋榎、『皿屋敷』も知らへんのか。
ほんなら馬鹿にされても仕方あらへんわ。」
洋榎「そんなに言うんやったら、浩子!『皿屋敷』について知ってるんかいな!」
フナQ「知らん。」
漫「なんや知りませんのかいな。」ずこっ
洋榎「なんや偉そうに言ってからに、他に知ってる奴はおらんのか?」
由子「知らないのよー。」
絹恵「私は知らんけど、お母ちゃんなら知ってるかもしれへん。」
洋榎「おかんか?あかんにきくのはなぁ……。」
漫「嫌そうですね。」
洋榎「いやな、奈良で馬鹿にされて、そのうえおかんにまで馬鹿にされるかと思うと……。」
由子「もう、馬鹿なこと気にしてないで聞きに行くのよー。」
こうして洋榎は母の愛宕雅枝のところへ、聞きに行きました。
雅枝「なんや洋榎、『皿屋敷』も知らへんのか。馬鹿やなぁ……。」
洋榎「……やから、おかんに聞くのは嫌やったんや……。」
雅枝「どうせ、旅先で『皿屋敷』のこと聞かれて、なんも答えられんで恥かいたんやろ。」
絹恵「お母ちゃん『皿屋敷』について知ってるん?」
雅枝「なんや絹まで知らんのか、まぁええわ。」
雅枝「『皿屋敷』って言うのはな、あそこの車屋敷のことや。」
漫「車屋敷のことを『皿屋敷』って言うんですか?」
雅枝「そや、そこは元々はとある旗本のお屋敷でな。
そこに大層器量のええ『末原恭子』という下女が奉公してたんや。」
雅枝「その末原恭子はな、善野一美っていう女性に操を立ててたんやけどな。
それを面白う思わんかったのが、家老の赤坂郁乃っちゅう奴や……。」
赤阪「なぁ、末原ちゃん……スケベしようや……。」
末原「嫌です!」
赤阪「そんなこと言ったかて、なぁ?ええやろ?」
末原「もう!好い加減にして下さい!
私には善野さんという心に決めた女性がいるんですからね!」
赤阪「なんや!奉公人の分際でこの赤阪郁乃の好意を袖にするんか!
もう、こうなってくると可愛さ余って憎さなんとやら……。
赤阪はなんとかしてこの、末原恭子を苦しめたろう思て、家に伝わる十枚一組の皿を末原恭子に渡して言いました。
赤阪「この皿はな、赤阪家に伝わる大層高価な皿や。
この皿をな、末原ちゃんに渡すさかいに一枚でも欠けずに持っとくんやで。」
末原「はい……。」
赤阪「ほんまやで!一枚でも欠けたらあかんで!ふりやないからな!」
末原「かしこまりました……。」
その晩、赤阪は末原恭子の寝室に忍び込んで、こともあろうに十枚あるお皿のうち一枚を抜き取りました。
ほんで次の朝、赤阪は自室に末原恭子を呼び出して、皿を確かめさせました。
末原「八枚、九枚……あれ?一枚足らへん……。」カタカタ
赤阪「なんや、白々しいなぁ。
ほんまは末原ちゃん、そのお皿を一枚売ってもたんちゃうん?」
末原「いえ、そんなことは絶対ありえません……。」カタカタ
赤阪「そんなら、もう一枚のお皿はどこにあるん?
いくのん怒らへんから言ってみ?」
末原「いいえ、知りません……。」カタカタ
赤阪「なんや、末原ちゃんしらを切るんかいな、そやったらこのいくのんにも考えがあるで!」
そう言うと赤阪は末原恭子を無理矢理白状させるために、様々な拷問にかけることにしました。
赤阪「ほらほら、末原ちゃんさっさと白状しいや……。」
末原「ギニヤー!!そんな熱々のおでん食べられませんよ!!」ジュ~
赤阪「ほら、末原ちゃん……やってへん言うなら、ここへ来いや……。」
末原「嫌や!絶対そこ落とし穴やん!」
赤阪「えい☆」
末原「うぎゃー!!」落とし穴に落ちる
赤阪(イヒヒ……末原ちゃんは手に入らんかったけど、こうやって末原ちゃんをいじめて楽しめるんや。
儲けもん、儲けもん♪)
どんな拷問にかけても末原恭子は首を縦には振らんかった。
業を煮やした赤阪は末原恭子を縛り上げ井戸に吊るすと……
赤阪「こんだけやってもまだ白状せんのやな!!」
末原「だから私はお皿を盗ってなんていません……。」ぐったり…
赤阪「この期に及んでまだしらを切るんか!
ならこの『いくのん刀+99』で……赤阪流一等切り!!」ズサッ!
末原「ギニヤー!!」ぶしゅー!!
赤阪「返し切りで、吊上げてる縄をチョン。」ブチ!
こうして末原恭子は井戸の底へ落ちて、そのまま息絶えてしまいました……
赤阪「ふん、このいくのんの熱烈歓迎らぶわーるどを拒否した報いや……せいせいしたで。」
そういうと、赤阪は寝間に戻り冷や酒をあおって寝てしましました。
それから草木も眠る丑三つ時……世間がしーんと静まり返ったころ、赤阪はなんや胸の苦しみを感じて起き上がりました。
赤阪「なんや寝苦しいなぁ……胸も苦しいし……。」
何やら変な空気を感じ、ふと枕元を見てみるとなんと!そこには死んだはずの末原恭子が立ってました!
赤阪「ひぃえぇぇぇ!!」ガクガクブルブル
末原「恨めしや……お皿が…一枚…お皿が…二枚……」ひゅ~どろどろ~
赤阪「ひぃえぇぇ……末原ちゃん、堪忍な!」どひゅ~ん
そういうと赤阪は一目散に逃げて行った。
しかし、どこへ行ってもこの末原恭子の亡霊がついて回ってくる。
とうとう赤阪は幽霊に取り憑かれた恐怖から狂い死にしてしまいました……。
雅枝「お屋敷は寂れてもうたんやけどな、未だにその井戸には末原恭子が住み着いていて、お皿を数えてるんやて。」
洋榎「へぇ~それにしても、その赤阪っちゅう奴は最低の奴やな。
そんな奴の下で麻雀なんて絶対打ちたくないな。」
由子「まったくなのよ。」
絹恵「もうだいぶ昔の話やろ?ほな幽霊なんて……。」
雅枝「それがな……今でも真夜中にその屋敷の井戸に行くとな……
一枚…二枚…と皿を数える声がどこからともなく聞こえてくるらしいんや……。」
フナQ「ごくり……。」
雅枝「五枚…六枚…とそこまで聞くと気が狂い、九枚目を数え終わるのを聞いたものは
狂い死にするそうや……。」
漫「ひぃぇぇ!」ガクブル
雅枝「まぁ、その屋敷に近づかんかったらええだけの話や。
私はこれから用があるから失礼するわ、ほなな。」
バタン!
洋榎「ふ~ん、なかなか面白そうな話やないかい。」
絹恵「お姉ちゃんまさか……。」
洋榎「なぁ?これからみんなでその『皿屋敷』に幽霊を見に行かへん?」
漫「嫌や!絶対に行かへん!」
洋榎「なんでえや?めちゃくちゃオモロそうやん?」
漫「主将こそなんで行きたいんですか!皿を数え終わる声を聞いたら死んでしまうんですよ!」
洋榎「そやから、五枚、六枚と数えたら、すっ!と抜け出したらええねん。」
漫「そんな上手く行きませんよ!」
漫「それに相手は幽霊ですよ!意地の悪い数え方したらどないするんですか?」
洋榎「なんや?意地の悪い数え方って?」
漫「こう、三…枚……四…枚……五…枚……六枚七枚八枚九!!」
洋榎「んなアホな数え方するかいな、ええから行くで!主将命令や!」
こうして姫松メンバー+フナQで皿屋敷まで幽霊を見に行くことになりました。
洋榎「ここが皿屋敷か……不気味やなぁ……。」
由子「のよー……。」
漫「うぅ……冷えますねぇ。」ガクブル
漫「外でこんなに寒いのに、中はもっと寒そうや……
これじゃ幽霊に逢う前に凍え死んでしまうから、先帰りますね。」ブルブル
洋榎「おう!帰ったらええ!やけどな、今帰ったら後でデコに油性で『戦犯』って字書くで!」
漫「デコに字書かれるのは嫌ですけど……命には替えられんし、帰らせてもらいます。」
洋榎「ちょ、ちょっと待て!今帰るんやったら、気をつけるんやで!」
漫「な、なんでです?」
洋榎「なにも本当に井戸に現れるとは限らん。
幽霊もこんな騒がしい連中の前より、寂しくとぼとぼ帰る奴の前に現れるのが道理ってもんや。」
洋榎「まぁ、それでも帰りたいんなら引き止めんけどな。」ニヤリ
漫「ひぃぇぇ、わかりました、ついてきますよ。」ガクブル
由子「もう、漫才やってないでさっさと行くのよ!」
そんなやり取りを繰り返してるうちに一行はとうとう屋敷の井戸の前までたどり着きました。
なにやらおどろおどろしい空気になってくると、井戸の中から末原恭子の幽霊が現れたではありませんか!。
末原「恨めしや……お皿が…一枚…お皿が…二枚……」ひゅ~どろどろ~
由子「のよー!!」
洋榎「本当に出よったで!!」
絹恵「お、お姉ちゃん!!」ダキツキ
漫「ひぃぃぃぃぃぃぃ!!!」ガクブルガクブル
末原「お皿が…三枚…お皿が…四枚……」
フナQ「ひぃえぇぇ、ほんまに幽霊なんているんやねぇ。」
末原「お皿が…五枚…お皿が…六枚……」
洋榎「今や!みんな逃げるで!」
漫「主将~うち怖くて動けませんわ~」ガクブル
洋榎「なんやて?」
末原「お皿が…七枚…お皿が……」
由子「もう駄目なのよー。」ガクブル
フナQ「ウチに任せといて!」
フナQ「末原さん、今何時で?」
末原「え?……二時かな……。」
末原「お皿が…三枚…お皿が…四…あれ?」
洋榎「今や!みんな逃げろ!」どひゅ~ん
こうして一行は命からがら屋敷から逃げ出しました。
洋榎「はぁはぁ……みんな無事か?」
由子「のよー……。」ぐったり
絹恵「た、助かった……。」ぐったり…
漫「ぽ~……。」
フナQ「なんや、漫の様子がおかしいなぁ……。」
洋榎「どうしたんや?怖すぎておかしゅうなったか?」
漫「いえね、始めは凄く怖かったんやけど、よくよく見てみると末原さんって綺麗やなぁ~って。」
フナQ「はぁ……。」
漫「決めましたわ!うち明日もここへ来ますわ!」
洋榎「来ますわってお前、相手は幽霊やで!今度は取り殺されるかも分からん。」
漫「そんなことあらへん!末原さんは赤阪っちゅう奴に殺された可哀想な幽霊や!
うちが一緒にいてやらんと駄目なんや!」
洋榎「そんな、駄目男に貢ぐOLみたいなこと言いなさんな……。」
漫「いや!主将にこの恋心はわかりませんよ!うちは末原さんに殺されるなら本望や!」
洋榎「はぁ……、まぁ今日みたいに数え終わる前に逃げてきたら大丈夫か……。」
フナQ「そやな……。」
こうして上重漫はこの皿屋敷に、末原恭子に逢うために通いつづけました。
その様子を見ていた地元の人たちも、漫につられて一人また一人と、皿屋敷に足を運ぶようになりました。
『皿屋敷に美少女の幽霊が出る!』この噂は瞬く間に全国に広がり、とうとう連日人が押し寄せるようになりました。
わーわー!!ガヤガヤ!!
洋榎「おう、やっとるな。」
由子「ダフ屋までいるのよー。」
セーラ「えぇ~チケット~チケットは要らんかい?」
蒲原「わはは、チケットを買ってヤフオクで転売するぞ。」
加治木「蒲原、狙った獲物を逃がすな。」
絹恵「ウチらも久しぶりに見て見いへん?」
洋榎「せやな、漫がどうなったかも見たいしな。」
洋榎たちはもう一度、皿屋敷へと入って行きました。
そこはもうかつてのおどろおどろしい皿屋敷とは違い、周りは派手に飾り付け、座席を取る人までいる大にぎわいになってました。
そうなると、各地の妖怪や幽霊仲間などが前座を始める、司会みたいなことをする人が現れるでもうてんやわんやです。
松実露子「宥ちゃ~ん!玄ちゃ~ん!元気にしてる~!」
玄「おか~さ~ん!」びえ~ん
宥「よかったね、玄ちゃん。」うるっ
天江夫妻「ころたんイェ~イ!!」ふりふり
衣「父上~母上~」ふりふり
霞「あらあら、おとなしくしなきゃだめよ。」
京太郎「さき~!のどか~!たすけてくれ~!」
モモ「私は幽霊じゃないっすよ……。」
赤阪「レディースエンジェントルメンえ~んどおとっつあんおかっつあん!!」
赤阪「なんや、末原ちゃんが現世でえらい人気やって聞いたさかい
いくのん地獄から舞い戻ってきたで。」
赤阪「まぁ地獄から現世に戻るまでに地獄の鬼や閻魔大王相手に針一本で立ち向かったり
途中で富士山破壊してきたりしたんやけど、それはまた別の機会に話すわ。」
赤阪「みんな~!!末原ちゃんの皿数えが見たいか!!」
わー!!!
赤阪「ほな、最初のコーナーや!『末原恭子改造計画』始まるで!!
わー!!!
そういうと舞台の中央に設置された井戸の中から、なんとも楽しげな音楽と共に、目一杯おめかしをした末原恭子が現れました。
赤阪「これがみんなのアイドル末原ちゃんやで~!!」バ~ン!!
末原「なんで、うちがこんなことせなあかんのや……。」しくしく…
わー!!!
漫「きょんきょん~!!今日も可愛いで~!」
絹恵「こんなところに居たんか……。」
洋榎「アホらし、はよ皿数ええな……。」
赤阪「それでは本日のメ~ンイベント!!末原ちゃんによる『皿数えショー』はじまるで~!!」
わー!!!!わー!!!!
そういうと、一斉に歓喜が巻き起こりました。
みんなが待ちに待った『皿数えショー』です、会場のボルテージはもう最高潮です。
末原「お皿が…一枚…お皿が…二枚…」
洋榎「お!やっと始まったか。」
末原「お皿が…三枚…お皿が…四枚…」
絹恵「ごくり……」
末原「お皿が…五枚…お皿が…六枚…」
洋榎「アホらし……引き上げるで。」
ところが会場の人だかりの中、思うように前へ進めません。
絹恵「すみません、ちょっと通して下さい……。」
洋榎「絹!こりゃまずいで……九枚数え終わるまでに出てかんとウチら死んでまう!」
末原「お皿が…七枚…お皿が…八枚…」
由子「もう駄目なのよー。万事休すなのよー。」
洋榎「絹!死ぬ時は一緒やで!」
絹恵「おねーちゃん!!」びえ~ん
末原「お皿が…九枚…お皿が…十枚お皿が…十一枚…お皿が…十二枚…」
洋榎「へ?」きょとん
末原「お皿が…十三枚…十四枚…十五枚…十六枚…十七枚…十八枚…」
洋榎「ちょ、ちょっと待て!なんで十八枚も数えてるんや!おかしいやろ!」
末原「いやな……明日お休みしたいやろ?」
洋榎「はぁ……。」
末原「やからな、明日の分も今日数えとこ思てな。」てへっ
洋榎「んな、アホな。」ずこっ
カン!
さすがに疲れたのできょんきょん(柳家喬太郎)の落語聞いて寝ます
おやすみー
元スレ
怜「大将!チャーシュー麺一つ。」
玄「チャーシュー麺ですか、ちょっと待ってて下さいね。」
怜「いや~最近めっきり涼しくなったわぁ。
こういう時は、ラーメンみたいな暖かいもんが恋しくなるねん。」
玄「へぇ~、左様で。」
怜「ところで主人?景気の方はどうなん?」
玄「最近はめっきりで、アベ◯ミクスだなんだ言っても庶民には関係ないですもんね。」
4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/26(水) 20:24:39.88 ID:IaSOtT6Z0
怜「そやな、なんもかんも政治が悪いって言うからな。
そやけど、商売なんて浮き沈みがあんねん。」
怜「今が駄目やからって諦めたらあかんよ。なんたって商いやからな。」
玄「はぁ、商いですか。」
怜「そや!ところで主人!
表の看板はなんなん?的に矢が刺さってるから当たり屋やろか?」
玄「あれですか?本当は的じゃなくておもちなんですが。
中華そばなのにおもちも変ですので矢を描き足したんですよ。」
怜「そうなん……ずいぶん好い加減やね……。
まぁええわ、屋号なんて旨けりゃ関係あらへん。」
5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/26(水) 20:28:48.29 ID:IaSOtT6Z0
玄「お待ちどうさま。」
怜「おっ!速いなぁ。
やっぱりファーストフードはパッ!パッ!と出来へんとな。」
怜「器もすばらやねぇ。
いやね、器で食べる訳やあらへんけど、こうも立派やと自然と美味しそうに見えてくるわ。」
玄「花田煌先生作の器ですからね、頑丈で長持ちなんですよ。」
怜「割り箸も綺麗やね。
近頃は割ってあるもんを出す店が多からなぁ。」
怜「こう、口でくわえて……もんっ!」ぱちん!
7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/26(水) 20:34:40.96 ID:IaSOtT6Z0
怜「いや~綺麗に割れたわ。気分ええなぁ~。」
玄「気分がいいと、心なしか美味しく感じられますからね。」
怜「いや、気分だけやないよ。
ほら、匂いもええし、このスープなんか透き通ってるわ。」
怜「最近は魚介系豚骨なんて流行ってるけど、こうにぼしの効いた昔ながらの中華そばを出す店がめっきり減ったからな。」
怜「ずずー、ンマイ!」
11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/26(水) 20:40:12.42 ID:IaSOtT6Z0
玄「そこまで喜んでもらえると料理人冥利に尽きます。」
怜「なんていうんかなぁ。この醤油とにぼしの絶妙のハーモニーっていうんか、味の調和っていうん?
例えるなら、白水哩と鶴田姫子、小鍛冶健夜に対する福与恒子、小林立原作に対する大和田秀樹の……」
玄「それ以上はいけない。」
怜「麺もまた細くてええなぁ。」
怜「最近はうどんやないかってくらい太い麺が流行っとるからなぁ。
麺はやっぱり喉越しのええ細麺が一番や。」
12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/26(水) 20:45:35.91 ID:IaSOtT6Z0
怜「ずずー、う・ン・マ・イ!」
怜「チャーシューも厚く切ってあって嬉しいなぁ。」
怜「ぱく!もぐもぐ!ごちそうさま!」
玄「喜んでもらえて何よりです。」
怜「おあいそで。」
玄「はい、チャーシュー麺一杯で800円になります。」
怜「全部、百円玉になるから数えますね。見とって下さい。」
14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/26(水) 20:48:17.19 ID:IaSOtT6Z0
怜「えっと百円玉が……
ひぃふぅみぃよんいっ…何時で?」
玄「え!6時かなぁ……。」
怜「ななやぁ…と、はいお勘定。」
玄「はいはい確かに頂きました。」
怜「旨かったで、またくるわ。ほなな。」
玄「はい、お待ちしております。」
16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/26(水) 20:51:47.78 ID:IaSOtT6Z0
玄「はぁ、よくしゃべるお客さんだなぁ……。」
玄「まぁちゃんと勘定はもらったし……。」
玄「ひぃふぅみぃよん……あれ?」
その様子を影から覗いていた少女が一人……
その名も白糸台のシャープ・シューター弘世菫!
菫「なんだあいつ?
べらべらとどうでも良いことばかりしゃべって、麺が伸びるだろ。」
19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/26(水) 20:55:34.85 ID:IaSOtT6Z0
菫「細かくなるからっていちいち数えちゃって、たしか800円……ん?」
菫「あいつ……うまく勘定をごまかしたな。」
菫「ちょうど私も財布の中身がピンチなんだ、悪いが狙い撃ちさせてもらうぞ。」
菫「おう!やってるか?」
「はい、ただいま……。」
21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/26(水) 20:58:15.14 ID:IaSOtT6Z0
菫「いや~、最近めっきり涼しく……」
宥「うぅ……さむいよぉ……。」ぶるぶる
菫「………。」
宥「さむい……。」
菫「………。」
菫「そ、そうそう寒いなぁ、こんな日は温かいラーメンでも……。」
宥「はい、ラーメンですね……少々お待ちを。」
24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/26(水) 21:01:59.16 ID:IaSOtT6Z0
菫「ところで主人!景気はどうだい?なに、多少悪くったって、諦めちゃ……」
宥「うぅ……うわ~ん!!」びえーん!
菫「うぉ!」
宥「玄ちゃんばっかりに迷惑かけちゃいけないと思って、私も商売を始めたのはいいけど。
屋台を引いてから一月、全然お客さんがこなくて……。」うわーん
菫「うわわ!主人!色々な液体がスープに入ってるぞ!」
宥「すみません……。」ずずず
25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/26(水) 21:04:00.49 ID:IaSOtT6Z0
菫「た、多少悪いからって諦めちゃ駄目だぞ……。」
宥「商いだけに?」
菫「………。」
菫「おお!そうだ!
表の看板は的に矢が……刺さってないね。」
27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/26(水) 21:07:01.81 ID:IaSOtT6Z0
宥「えぇ、本当は的に矢が刺さって当たり屋にしたかったんだけど……。」
宥「お客さん、お名前は?」
菫「弘世菫だが?」
宥「じゃあ、的に矢が外れてるから『スミレ屋』にしましょう。」るんるん♪
菫「……なんかむかつくなぁ。」
29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/26(水) 21:12:33.43 ID:IaSOtT6Z0
宥「出来ましたよ。」
菫「ほう、さすがだな。
やっぱりファーストフードはこう、パッ!パッ!と出来ないと。」
宥「えぇ、数日前から作り置きしてましたからね。」
菫「作り置き!?まぁいいや熱は通してあるんだ大丈夫だろ。」
菫「器もりっ……ところどころ欠けてるね、大丈夫かい?」
宥「知り合いの赤土晴絵先生に作ってもらったんですけどね、どうもすぐに欠けたり壊れたりで……。」
菫「はは……器で食おうてんじゃないんだ、ちょっとくらい欠けてても……。」
菫「割り箸も……汚いなぁ。」
菫「最近は割ってあるとこも多いけど。」
菫「こう、口でくわえて……とぉ!」すっ……
33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/26(水) 21:16:34.75 ID:IaSOtT6Z0
菫「はは、割ってあるのか、助かるなぁ……。」
宥「ちょっとの気遣いで気分が良くなりますからね。
今流行のおもてなしですよ。」
菫「さて、匂いだが、うん旨そうだ、スープも透き通ってる。
いやね、最近は味の濃い豚骨スープばかりだから、こういう昔ながらの中華そばがね……。」
宥「それ、豚骨スープですけど……。
もったいないんで水で割ってあるんですよ。」
菫「は、はは……そうか。
いや、スープじゃないんだ肝心なのは。」
37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/26(水) 21:20:21.60 ID:IaSOtT6Z0
菫「やっぱりラーメンの決めては麺だからね。」
菫「最近はうどんじゃないかってくらい太い麺を出す店があるけど、やっぱり細麺に……。」
菫「うぉ!なんだこれ!おもち!?」
宥「えぇ、最近、粉落としなんて流行ってるでしょ。」
宥「だから小麦粉をそのままスープに落としてみたんですよ。」
菫「い、いや、そういう意味じゃ……。」
39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/26(水) 21:23:01.24 ID:IaSOtT6Z0
菫「えぇい!ままよ!」パクッ!
菫「………。」ねっちゃねっちゃ…
菫「………。」ねっちゃねっちゃ…
菫「………。」ごっくん…
宥「美味しかった?」
菫「……あぁ、でも、もういいかな……。」
41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/26(水) 21:25:57.26 ID:IaSOtT6Z0
菫「チャーシューも……はは、これハムだ……。」
宥「えぇ、お歳暮にもらったやつを奮発して切ってみました。」
菫「……おあいそで……。」
宥「はい、特性あったかラーメン一杯、800円です。」
菫(くそっ、まずいラーメン食わせやがって、800円だ?高すぎるぞ!)
菫(ふふ、まぁこれから勘定をちょろまかしてやるんだ、ざまあみろ。)
42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/26(水) 21:29:05.35 ID:IaSOtT6Z0
菫「ちょっと細かくなるんだ、いいかな?」
宥「えぇ、かまいませんよ。」
菫「数えるから見ててくれ、ひぃふぅみぃよんいっ……何時で?」
宥「えぇ……何時だろう?おやつが食べたいから3時かなぁ。」
菫「よんいっむぅななやぁ……あれ?」
宥「うわぁ、こんなにたくさんあったか~い。」
46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/26(水) 21:40:34.73 ID:IaSOtT6Z0
皿屋敷
ここは大阪の姫松、千里山から来た舟久保浩子をまじえ、なにやら談笑してます。
と、そこへ遠征のため長らく留守にしていた愛宕洋榎が帰ってきました。
フナQ「そんでな怜がな、そこの店主から上手く勘定をちょろまかしたんよ。」
由子「そいつ馬鹿なのよーwwwwww」
漫「はぁ、そんな上手くいきますかねぇ。」
バタン!
洋榎「ただいま!姫松のエース、愛宕洋榎が帰ったで!」
48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/26(水) 21:44:32.17 ID:IaSOtT6Z0
絹恵「あ!お姉ちゃんお帰り。」
漫「主将、お帰りなさい。」
由子「お帰りなのよー。」
フナQ「お!洋榎、久しぶりやな。」
洋榎「なんや、浩子も来とったんかいな。」
フナQ「そりゃもう、今日あんたが帰ってくる聞いてな。」
洋榎「へぇ~嬉しいこと言ってくれるやないの。」
50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/26(水) 21:48:35.61 ID:IaSOtT6Z0
フナQ「で、お土産は?」
洋榎「そんなことやろお思たわ。ほれ、土産や。
これは長野で採れたワカメ、こっちは岩手産のキーウィ、そしてこれは九州で買った眼鏡で……。」
由子「なんか意味深なのよー。」
フナQ「土産もええけど、何か面白い土産話とかないんか?」
洋榎「土産話?そや!思い出したで、本当腹立つわ!あんな馬鹿にせんでもええのに!」むかか
絹恵「お姉ちゃん、どうしたん?」
洋榎「あれは、うちが奈良に寄ったときの話やけどな……。」
51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/26(水) 21:52:54.67 ID:IaSOtT6Z0
ここは阿知賀の新子神社
穏乃「それでさ、その時、宥さんがね……。」
憧「へぇ、宥ねぇやるじゃない。」
灼「さすが、宥さん……。」
洋榎「邪魔するで。」
穏乃「お!憧、お客さんだよ!」
憧「あら?まだ若いのに神社に参拝なんて珍しいわね。」
洋榎「まぁな、旅の験担ぎやな。」
54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/26(水) 21:56:37.40 ID:IaSOtT6Z0
穏乃「お客さん、どこから来たんですか?」
洋榎「うちか?うちは大阪の姫松からきたんやで。」
灼「姫松?あぁ、なら『皿屋敷』のことも知ってるとおも……。」
洋榎「皿屋敷?なんやそれ?」
憧「うそ?あんた姫松に住んでるのに『皿屋敷』も知らないの?」
穏乃「普通、あそこに住むのなら『皿屋敷』くらい知ってるはずだよ。」
洋榎(なんや、知らへんのが恥ずかしゅうなってきたわ。)
55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/26(水) 21:59:12.22 ID:IaSOtT6Z0
憧「あんた本当に姫松に住んでんの?」
灼「姫松の人なのに知らないなんて……ぷっ。」
洋榎「むかか。」
こいつらの態度がほんま腹立ってしゃあなかったけど。
知らへんのはほんまやし、なんも言い返せへんと帰ってきた訳や。
56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/26(水) 22:05:23.44 ID:IaSOtT6Z0
フナQ「なんや洋榎、『皿屋敷』も知らへんのか。
ほんなら馬鹿にされても仕方あらへんわ。」
洋榎「そんなに言うんやったら、浩子!『皿屋敷』について知ってるんかいな!」
フナQ「知らん。」
漫「なんや知りませんのかいな。」ずこっ
洋榎「なんや偉そうに言ってからに、他に知ってる奴はおらんのか?」
由子「知らないのよー。」
絹恵「私は知らんけど、お母ちゃんなら知ってるかもしれへん。」
58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/26(水) 22:08:54.67 ID:IaSOtT6Z0
洋榎「おかんか?あかんにきくのはなぁ……。」
漫「嫌そうですね。」
洋榎「いやな、奈良で馬鹿にされて、そのうえおかんにまで馬鹿にされるかと思うと……。」
由子「もう、馬鹿なこと気にしてないで聞きに行くのよー。」
こうして洋榎は母の愛宕雅枝のところへ、聞きに行きました。
雅枝「なんや洋榎、『皿屋敷』も知らへんのか。馬鹿やなぁ……。」
61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/26(水) 22:14:52.88 ID:IaSOtT6Z0
洋榎「……やから、おかんに聞くのは嫌やったんや……。」
雅枝「どうせ、旅先で『皿屋敷』のこと聞かれて、なんも答えられんで恥かいたんやろ。」
絹恵「お母ちゃん『皿屋敷』について知ってるん?」
雅枝「なんや絹まで知らんのか、まぁええわ。」
雅枝「『皿屋敷』って言うのはな、あそこの車屋敷のことや。」
漫「車屋敷のことを『皿屋敷』って言うんですか?」
雅枝「そや、そこは元々はとある旗本のお屋敷でな。
そこに大層器量のええ『末原恭子』という下女が奉公してたんや。」
雅枝「その末原恭子はな、善野一美っていう女性に操を立ててたんやけどな。
それを面白う思わんかったのが、家老の赤坂郁乃っちゅう奴や……。」
67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/26(水) 22:25:06.99 ID:IaSOtT6Z0
赤阪「なぁ、末原ちゃん……スケベしようや……。」
末原「嫌です!」
赤阪「そんなこと言ったかて、なぁ?ええやろ?」
末原「もう!好い加減にして下さい!
私には善野さんという心に決めた女性がいるんですからね!」
赤阪「なんや!奉公人の分際でこの赤阪郁乃の好意を袖にするんか!
もう、こうなってくると可愛さ余って憎さなんとやら……。
赤阪はなんとかしてこの、末原恭子を苦しめたろう思て、家に伝わる十枚一組の皿を末原恭子に渡して言いました。
69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/26(水) 22:29:59.50 ID:IaSOtT6Z0
赤阪「この皿はな、赤阪家に伝わる大層高価な皿や。
この皿をな、末原ちゃんに渡すさかいに一枚でも欠けずに持っとくんやで。」
末原「はい……。」
赤阪「ほんまやで!一枚でも欠けたらあかんで!ふりやないからな!」
末原「かしこまりました……。」
その晩、赤阪は末原恭子の寝室に忍び込んで、こともあろうに十枚あるお皿のうち一枚を抜き取りました。
ほんで次の朝、赤阪は自室に末原恭子を呼び出して、皿を確かめさせました。
71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/26(水) 22:35:34.47 ID:IaSOtT6Z0
末原「八枚、九枚……あれ?一枚足らへん……。」カタカタ
赤阪「なんや、白々しいなぁ。
ほんまは末原ちゃん、そのお皿を一枚売ってもたんちゃうん?」
末原「いえ、そんなことは絶対ありえません……。」カタカタ
赤阪「そんなら、もう一枚のお皿はどこにあるん?
いくのん怒らへんから言ってみ?」
末原「いいえ、知りません……。」カタカタ
赤阪「なんや、末原ちゃんしらを切るんかいな、そやったらこのいくのんにも考えがあるで!」
そう言うと赤阪は末原恭子を無理矢理白状させるために、様々な拷問にかけることにしました。
74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/26(水) 22:41:10.31 ID:IaSOtT6Z0
赤阪「ほらほら、末原ちゃんさっさと白状しいや……。」
末原「ギニヤー!!そんな熱々のおでん食べられませんよ!!」ジュ~
赤阪「ほら、末原ちゃん……やってへん言うなら、ここへ来いや……。」
末原「嫌や!絶対そこ落とし穴やん!」
赤阪「えい☆」
末原「うぎゃー!!」落とし穴に落ちる
赤阪(イヒヒ……末原ちゃんは手に入らんかったけど、こうやって末原ちゃんをいじめて楽しめるんや。
儲けもん、儲けもん♪)
76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/26(水) 22:47:17.76 ID:IaSOtT6Z0
どんな拷問にかけても末原恭子は首を縦には振らんかった。
業を煮やした赤阪は末原恭子を縛り上げ井戸に吊るすと……
赤阪「こんだけやってもまだ白状せんのやな!!」
末原「だから私はお皿を盗ってなんていません……。」ぐったり…
赤阪「この期に及んでまだしらを切るんか!
ならこの『いくのん刀+99』で……赤阪流一等切り!!」ズサッ!
末原「ギニヤー!!」ぶしゅー!!
赤阪「返し切りで、吊上げてる縄をチョン。」ブチ!
こうして末原恭子は井戸の底へ落ちて、そのまま息絶えてしまいました……
赤阪「ふん、このいくのんの熱烈歓迎らぶわーるどを拒否した報いや……せいせいしたで。」
77: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/26(水) 22:53:46.17 ID:IaSOtT6Z0
そういうと、赤阪は寝間に戻り冷や酒をあおって寝てしましました。
それから草木も眠る丑三つ時……世間がしーんと静まり返ったころ、赤阪はなんや胸の苦しみを感じて起き上がりました。
赤阪「なんや寝苦しいなぁ……胸も苦しいし……。」
何やら変な空気を感じ、ふと枕元を見てみるとなんと!そこには死んだはずの末原恭子が立ってました!
赤阪「ひぃえぇぇぇ!!」ガクガクブルブル
末原「恨めしや……お皿が…一枚…お皿が…二枚……」ひゅ~どろどろ~
赤阪「ひぃえぇぇ……末原ちゃん、堪忍な!」どひゅ~ん
そういうと赤阪は一目散に逃げて行った。
しかし、どこへ行ってもこの末原恭子の亡霊がついて回ってくる。
とうとう赤阪は幽霊に取り憑かれた恐怖から狂い死にしてしまいました……。
81: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/26(水) 22:58:32.07 ID:IaSOtT6Z0
雅枝「お屋敷は寂れてもうたんやけどな、未だにその井戸には末原恭子が住み着いていて、お皿を数えてるんやて。」
洋榎「へぇ~それにしても、その赤阪っちゅう奴は最低の奴やな。
そんな奴の下で麻雀なんて絶対打ちたくないな。」
由子「まったくなのよ。」
絹恵「もうだいぶ昔の話やろ?ほな幽霊なんて……。」
雅枝「それがな……今でも真夜中にその屋敷の井戸に行くとな……
一枚…二枚…と皿を数える声がどこからともなく聞こえてくるらしいんや……。」
フナQ「ごくり……。」
84: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/26(水) 23:02:53.40 ID:IaSOtT6Z0
雅枝「五枚…六枚…とそこまで聞くと気が狂い、九枚目を数え終わるのを聞いたものは
狂い死にするそうや……。」
漫「ひぃぇぇ!」ガクブル
雅枝「まぁ、その屋敷に近づかんかったらええだけの話や。
私はこれから用があるから失礼するわ、ほなな。」
バタン!
洋榎「ふ~ん、なかなか面白そうな話やないかい。」
絹恵「お姉ちゃんまさか……。」
洋榎「なぁ?これからみんなでその『皿屋敷』に幽霊を見に行かへん?」
85: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/26(水) 23:07:14.20 ID:IaSOtT6Z0
漫「嫌や!絶対に行かへん!」
洋榎「なんでえや?めちゃくちゃオモロそうやん?」
漫「主将こそなんで行きたいんですか!皿を数え終わる声を聞いたら死んでしまうんですよ!」
洋榎「そやから、五枚、六枚と数えたら、すっ!と抜け出したらええねん。」
漫「そんな上手く行きませんよ!」
漫「それに相手は幽霊ですよ!意地の悪い数え方したらどないするんですか?」
86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/26(水) 23:12:00.73 ID:IaSOtT6Z0
洋榎「なんや?意地の悪い数え方って?」
漫「こう、三…枚……四…枚……五…枚……六枚七枚八枚九!!」
洋榎「んなアホな数え方するかいな、ええから行くで!主将命令や!」
こうして姫松メンバー+フナQで皿屋敷まで幽霊を見に行くことになりました。
洋榎「ここが皿屋敷か……不気味やなぁ……。」
由子「のよー……。」
漫「うぅ……冷えますねぇ。」ガクブル
87: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/26(水) 23:17:09.97 ID:IaSOtT6Z0
漫「外でこんなに寒いのに、中はもっと寒そうや……
これじゃ幽霊に逢う前に凍え死んでしまうから、先帰りますね。」ブルブル
洋榎「おう!帰ったらええ!やけどな、今帰ったら後でデコに油性で『戦犯』って字書くで!」
漫「デコに字書かれるのは嫌ですけど……命には替えられんし、帰らせてもらいます。」
洋榎「ちょ、ちょっと待て!今帰るんやったら、気をつけるんやで!」
漫「な、なんでです?」
洋榎「なにも本当に井戸に現れるとは限らん。
幽霊もこんな騒がしい連中の前より、寂しくとぼとぼ帰る奴の前に現れるのが道理ってもんや。」
88: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/26(水) 23:19:33.61 ID:IaSOtT6Z0
洋榎「まぁ、それでも帰りたいんなら引き止めんけどな。」ニヤリ
漫「ひぃぇぇ、わかりました、ついてきますよ。」ガクブル
由子「もう、漫才やってないでさっさと行くのよ!」
そんなやり取りを繰り返してるうちに一行はとうとう屋敷の井戸の前までたどり着きました。
89: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/26(水) 23:21:31.39 ID:IaSOtT6Z0
なにやらおどろおどろしい空気になってくると、井戸の中から末原恭子の幽霊が現れたではありませんか!。
末原「恨めしや……お皿が…一枚…お皿が…二枚……」ひゅ~どろどろ~
由子「のよー!!」
洋榎「本当に出よったで!!」
絹恵「お、お姉ちゃん!!」ダキツキ
漫「ひぃぃぃぃぃぃぃ!!!」ガクブルガクブル
末原「お皿が…三枚…お皿が…四枚……」
フナQ「ひぃえぇぇ、ほんまに幽霊なんているんやねぇ。」
91: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/26(水) 23:24:48.38 ID:IaSOtT6Z0
末原「お皿が…五枚…お皿が…六枚……」
洋榎「今や!みんな逃げるで!」
漫「主将~うち怖くて動けませんわ~」ガクブル
洋榎「なんやて?」
末原「お皿が…七枚…お皿が……」
由子「もう駄目なのよー。」ガクブル
フナQ「ウチに任せといて!」
94: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/26(水) 23:27:45.14 ID:IaSOtT6Z0
フナQ「末原さん、今何時で?」
末原「え?……二時かな……。」
末原「お皿が…三枚…お皿が…四…あれ?」
洋榎「今や!みんな逃げろ!」どひゅ~ん
こうして一行は命からがら屋敷から逃げ出しました。
洋榎「はぁはぁ……みんな無事か?」
由子「のよー……。」ぐったり
97: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/26(水) 23:35:08.65 ID:IaSOtT6Z0
絹恵「た、助かった……。」ぐったり…
漫「ぽ~……。」
フナQ「なんや、漫の様子がおかしいなぁ……。」
洋榎「どうしたんや?怖すぎておかしゅうなったか?」
漫「いえね、始めは凄く怖かったんやけど、よくよく見てみると末原さんって綺麗やなぁ~って。」
フナQ「はぁ……。」
漫「決めましたわ!うち明日もここへ来ますわ!」
洋榎「来ますわってお前、相手は幽霊やで!今度は取り殺されるかも分からん。」
漫「そんなことあらへん!末原さんは赤阪っちゅう奴に殺された可哀想な幽霊や!
うちが一緒にいてやらんと駄目なんや!」
洋榎「そんな、駄目男に貢ぐOLみたいなこと言いなさんな……。」
98: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/26(水) 23:39:53.73 ID:IaSOtT6Z0
漫「いや!主将にこの恋心はわかりませんよ!うちは末原さんに殺されるなら本望や!」
洋榎「はぁ……、まぁ今日みたいに数え終わる前に逃げてきたら大丈夫か……。」
フナQ「そやな……。」
こうして上重漫はこの皿屋敷に、末原恭子に逢うために通いつづけました。
その様子を見ていた地元の人たちも、漫につられて一人また一人と、皿屋敷に足を運ぶようになりました。
『皿屋敷に美少女の幽霊が出る!』この噂は瞬く間に全国に広がり、とうとう連日人が押し寄せるようになりました。
101: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/26(水) 23:44:37.82 ID:IaSOtT6Z0
わーわー!!ガヤガヤ!!
洋榎「おう、やっとるな。」
由子「ダフ屋までいるのよー。」
セーラ「えぇ~チケット~チケットは要らんかい?」
蒲原「わはは、チケットを買ってヤフオクで転売するぞ。」
加治木「蒲原、狙った獲物を逃がすな。」
絹恵「ウチらも久しぶりに見て見いへん?」
洋榎「せやな、漫がどうなったかも見たいしな。」
102: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/26(水) 23:50:23.50 ID:IaSOtT6Z0
洋榎たちはもう一度、皿屋敷へと入って行きました。
そこはもうかつてのおどろおどろしい皿屋敷とは違い、周りは派手に飾り付け、座席を取る人までいる大にぎわいになってました。
そうなると、各地の妖怪や幽霊仲間などが前座を始める、司会みたいなことをする人が現れるでもうてんやわんやです。
松実露子「宥ちゃ~ん!玄ちゃ~ん!元気にしてる~!」
玄「おか~さ~ん!」びえ~ん
宥「よかったね、玄ちゃん。」うるっ
天江夫妻「ころたんイェ~イ!!」ふりふり
衣「父上~母上~」ふりふり
霞「あらあら、おとなしくしなきゃだめよ。」
京太郎「さき~!のどか~!たすけてくれ~!」
モモ「私は幽霊じゃないっすよ……。」
103: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/26(水) 23:56:10.54 ID:IaSOtT6Z0
赤阪「レディースエンジェントルメンえ~んどおとっつあんおかっつあん!!」
赤阪「なんや、末原ちゃんが現世でえらい人気やって聞いたさかい
いくのん地獄から舞い戻ってきたで。」
赤阪「まぁ地獄から現世に戻るまでに地獄の鬼や閻魔大王相手に針一本で立ち向かったり
途中で富士山破壊してきたりしたんやけど、それはまた別の機会に話すわ。」
赤阪「みんな~!!末原ちゃんの皿数えが見たいか!!」
わー!!!
赤阪「ほな、最初のコーナーや!『末原恭子改造計画』始まるで!!
わー!!!
105: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/27(木) 00:00:10.24 ID:agAgjq/50
そういうと舞台の中央に設置された井戸の中から、なんとも楽しげな音楽と共に、目一杯おめかしをした末原恭子が現れました。
赤阪「これがみんなのアイドル末原ちゃんやで~!!」バ~ン!!
末原「なんで、うちがこんなことせなあかんのや……。」しくしく…
わー!!!
漫「きょんきょん~!!今日も可愛いで~!」
絹恵「こんなところに居たんか……。」
洋榎「アホらし、はよ皿数ええな……。」
108: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/27(木) 00:03:12.61 ID:agAgjq/50
赤阪「それでは本日のメ~ンイベント!!末原ちゃんによる『皿数えショー』はじまるで~!!」
わー!!!!わー!!!!
そういうと、一斉に歓喜が巻き起こりました。
みんなが待ちに待った『皿数えショー』です、会場のボルテージはもう最高潮です。
末原「お皿が…一枚…お皿が…二枚…」
洋榎「お!やっと始まったか。」
末原「お皿が…三枚…お皿が…四枚…」
絹恵「ごくり……」
末原「お皿が…五枚…お皿が…六枚…」
洋榎「アホらし……引き上げるで。」
ところが会場の人だかりの中、思うように前へ進めません。
絹恵「すみません、ちょっと通して下さい……。」
109: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/27(木) 00:04:49.61 ID:agAgjq/50
洋榎「絹!こりゃまずいで……九枚数え終わるまでに出てかんとウチら死んでまう!」
末原「お皿が…七枚…お皿が…八枚…」
由子「もう駄目なのよー。万事休すなのよー。」
洋榎「絹!死ぬ時は一緒やで!」
絹恵「おねーちゃん!!」びえ~ん
末原「お皿が…九枚…お皿が…十枚お皿が…十一枚…お皿が…十二枚…」
洋榎「へ?」きょとん
末原「お皿が…十三枚…十四枚…十五枚…十六枚…十七枚…十八枚…」
洋榎「ちょ、ちょっと待て!なんで十八枚も数えてるんや!おかしいやろ!」
末原「いやな……明日お休みしたいやろ?」
洋榎「はぁ……。」
末原「やからな、明日の分も今日数えとこ思てな。」てへっ
洋榎「んな、アホな。」ずこっ
カン!
115: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/27(木) 00:17:50.09 ID:agAgjq/50
さすがに疲れたのできょんきょん(柳家喬太郎)の落語聞いて寝ます
おやすみー
玄「怜そば」