今回からサブストに番号をふりました。
色んな意味で好きな人向けのSS。
2: ◆6RLd267PvQ 21/02/24(水)22:03:40 ID:kBH
「あの、すみません、少しお尋ねしても?」
桐生「え?」
身なりの綺麗な少女「その、この辺りに駄菓子屋さんはありませんか?」
桐生「駄菓子屋だって? 今時珍しい事を聞くんだな」
サブストーリー003『駄菓子屋アッドルチェンド』
少女「珍しい……すると、この辺りにはないのでしょうか」
桐生「ないこともない、と思うが……いや、馴染みの婆さんがやってた店はもう閉めちまったか……? 神室町で駄菓子と言ったらそこくらいだが」
少女「あるのですね?…よろしければ、場所をお教え頂いても……」
桐生「いや、この辺りは物騒だからな、特にアンタみたいなのが独り歩きすると……」
チンピラ「おうおう、姉ちゃん、金持ってそうだなぁ」ニヤニヤ
チンピラB「俺達遊ぶ金足りなくてよぉ、くれよ」
桐生「……こういう事になる」
少女「まぁ……!」
桐生「悪いが、その子とは俺が先約だ…それに、みすみすテメェらみたいなバカに渡す金も持ち合わせがねえ」
チンピラ「あ? オッサン何、この姉ちゃんのオトウサンか何かですかぁ」
チンピラB「もういいや、纏めて財布奪っちまおうぜ」
桐生「すまない、道案内はコイツらを片付けた後にしよう……下がっていてくれ」
少女「ですが……」
桐生「大丈夫だ、すぐに済む」
チンピラ「舐めた口きいてんじゃねぇぞオッサン!!」グオッ……
カウンターをキメる桐生「っしゃあああああ!!」
チンピラ「グボオオオ!!!」ドサッ……
桐生「運が悪かったな……ついさっき爺さんトコで思い出して来たんだよ、この技を」
チンピラB「ちっくしょ……ならせめて女は人質だっ!!」バッ
桐生「なっ、しまった!」
少女「……はぁ」スッ
桐生(何だ…ケースから、剣?)
少女「Etes-vous Prets?」
チンピラB「アァ?」
少女「では、覚悟なさって下さい♪」ニコッ
チンピラB「なっ……」
シュバッ!!!
腰が抜けたチンピラB「はわわわわ」ショワアアア……
少女「あら、お召し物が……よろしければ、こちら、クリーニング代ですわ」ハイッ
桐生(よく見りゃアレは作り物の剣か…だが、凄い迫力の突きだったな)
桐生(俺にもあんな動きができるだろうか……)フム
少女「あの、お待たせしましたっ」
~~~~
桐生「そうか、星花は大学生なのか…学校はこの辺なのか?」スタスタ
星花「いえ、今日はたまたま、フェンシングの大会がありまして、見学に行っていましたの」
桐生「見学だって? 出場はしないのか」
星花「…嗜む程度の実力しかありませんもの、お目汚しですわ」
桐生「そうは思えないんだがな……っと、この辺だったはずだが」
星花「……空き地になってますわ」
桐生「ううむ……」
「あれ、桐生さん?」
桐生「お前は…情報屋の」
田村「はい、雑誌記者の田村です、ご無沙汰してます。…そちらは?」
星花「涼宮星花と申します、始めまして」ペコ
田村「あ、や。これはご丁寧に……涼宮? ……涼宮って、あの涼宮…?」
桐生「ん?」
田村「ああ、いえ、失礼、きっと人違いですね。こんな所であの涼宮家のご令嬢が護衛も付けずに歩いているなんてそんなまさか」
桐生(護衛? 令嬢だって?)
星花「はい。きっと人違いでしょう♪」ニッコリ
田村「ですよね、そりゃそうだ、あはは……で、桐生さん、一体こんな町外れで何を」
桐生「あ、ああ……それなんだがな」
~田村と別れた後、児童公園~
桐生「どうやらこの辺の町並みもすっかり変わっちまったらしいな……」
星花「残念ですわ……きっと町へ行けばすぐに見つかると思っていましたの」
桐生「むしろ町ん中じゃあ、あんまり見ないかも知れないな…」
星花「そうなのですね…まだまだ世間知らずで…私」
桐生「なぁ、まだ時間、大丈夫なのか?」
星花「え? えぇ、それは別に、大丈夫ですけれど」
桐生「なら、ちょっと歩くが……付き合ってくれないか」
星花「ええ。けれど…どちらまで?」
桐生「あんまり、アンタみたいのは似つかわしくない場所かもしれねぇがな」
~西公園・公衆便所・男子トイレ~
桐生「……ここだな」
星花「……中はこんな風になっていましたのね…」キョロキョロ
桐生「……あまり見渡す様なモンじゃない…さぁ、このドアだ」ガチャ
~神室町ヒルズ~
星花「あの入り口から、こんな場所に出るなんて……」
桐生「今は他に入り口はあるのかもしれないが……俺はあの入り口が馴染みなんでな…」
ゲイリー「キリューサン」
桐生「おう、久しぶりだな、ゲイリー」
ゲイリー「ボスがオマチデス。ドーゾー」ズイッ
桐生「……行こう」
星花「何か、とても貴重な体験をしている様な…」
桐生「なら、この先はもっと驚く事になるな」スタスタ
~ヒルズ地下・賽の河原~
遊女「旦那様ー、寄ってらしてー」
老婆「遊んで行かないかい、いい娘が……」
星花「遊郭……? こんな所が実際にあったなんて……」
星花「はっ、ま、まさか私を…手篭めに…?」カァァァ
桐生「いや、そうじゃない、安心しろ…ここの一番奥に用があるんだ」
~賽の河原・最奥の部屋~
桐生「…よう…来たぜ」スタスタ
サイの花屋「おう。…久しぶりじゃねえか、それと……珍しい客人だな」
星花「この方は……?」
桐生「サイの花屋……ここの元締めの情報屋で、元は警察官だった人間だ」
花屋「客人の前でペラペラ喋ってくれるじゃねえか、桐生」
桐生「まぁな……ただ、ここに来た理由、アンタはとっくにわかってるんだろ」
花屋「俺の事をある程度喋っても、この嬢ちゃんなら問題ないと踏んで……か」
星花「ええと、何の話を……」
桐生「星花、アンタ、涼宮家のご令嬢……なんだよな」
星花「え、ええっ? どうしてそれを……はっ」
桐生「…やはりな。…とは言え、その涼宮家ってのが一体どんな所なのか、俺は知らないんだがな」
星花「かまをかけた……と言う事ですわね……見事にやられましたわ」クスッ
花屋「別に駄菓子屋探しにわざわざ来たわけじゃねえって事だな」ハハハ
桐生「ああ。駄菓子屋探しはついでだ。どうせここでならどっちも分かると思っての事だ」
花屋「涼宮星花、19歳大学生、ウィーンに留学しヴァイオリンを専攻、後に涼宮家の跡を継ぐべく帰国、だが涼宮の両親は裏社会とも繋がりがあるデカイ家の跡取りを清純な星花にして欲しくなかった」
花屋「そういう理由で箱入りとして育てられたが、護衛の目を盗んでは両親に認められる為に芸事……どういうわけだか主に武芸を身に着け、その腕前はそこらの極道崩れや半グレじゃ相手にならないときてる……因みにパンツの色は」
桐生「パンツの色は」ゴクリ
星花「ちょっとは自重して下さいっ!」
花屋「とまぁ、長々と語っちまったが、要するにただの箱入りの強えお嬢様って事だ、ここではな」
星花「ここでは…?」
桐生「ああ、ここじゃ表に出られないような裏の大物がゴロゴロいるからな……俺の師匠の爺さんも、時々腕を磨きに来るくらいだ」
星花「なるほど……」
花屋「で、知りたい事はそれか?」
桐生「いや、駄菓子屋の場所も教えてくれ…急ぎでな」
花屋「お嬢さんの紹介料って事で1つ目はマケといたんだがな…2つ目の情報となると、タダでやる訳にもいかねえんだよな」フーッ……
桐生「わかってる…ただ、【いつもの】条件の他にも…知りたい事がある」
花屋「何だ」ギシッ
桐生「星花、さっきのアンタの剣捌きだ」
星花「私の…ですか?」
桐生「ああ、できればここで見せてくれないか…実戦で試したい」
星花「ですが、桐生様は剣はお持ちではないのですよね?」
桐生「ああ、たまに持っている時もあるが…今は持ち合わせがねえな」
桐生「だが、大丈夫だ……あと少しで何か見えそうなんだ…頼む」
星花「では……少しだけ離れていて貰えますか?」スッ
花屋「周りのモン、傷つけねえ様に頼むぜ、嬢ちゃん」
星花「はい。……では、いざ!」バッ……
桐生「………!!」ピキィン
桐生「……【天啓】が……来た…!!」
~色々と省略して闘技場・3戦目~
司会「さぁ、武器の持ち込みナシという制限下、極限の状態でどこまでも勝ち上がるのがこの男!堂島の龍!!桐生~!一馬ァ!!」
キィリリリュウ カァズマァー!
桐生「………フッ」
観客席の星花「一体、何を試そうと…」
花屋「さてな…だが、何にせよ見物だな」
司会「対するは!闘技場と言えばのこの男!かつては無敗の地下闘技場チャンピオン!その経歴に泥を塗った好敵手に雪辱を果たす事はできるのかァ!ゲイリィィ!バスタァァ・ホォームズ!!」
ゲイリリィ バスタァー ホォームズ!!
ゲイリー「ヤハリ、コウナリマスネ、キリューサン」ニヤァ
桐生「ああ、そうだな」
ゲイリー「即死と尊厳死、オコノミハ?」
桐生「相変わらず、日本語わかってねえな」フッ
司会「かつての闘技場チャンプ同士の決戦!今、ゴングです!」
レディ! ファーイッ!
桐生「だが……悪いが一撃でキメさせて貰う!」
△極!!
桐生「ッハァ!」シュビュッ!
ゲイリー「ムッ!」スカッ
星花「外した……いえ、あの動きは…」
花屋「ふ……」
桐生「オオオッ!! ラァ!!!」ビュゴオオオッ!!!
ゲイリー「オワッツ!!!」ヒュウウウ!!! ドサッ!!
観客「な、何だ、何が……?」
ザワザワザワ……
星花「気迫だけで、剣を持った様に『見せかけた』……」
花屋「だが、アレは当たったら死んでいたな」
花屋「剣を使わずに剣圧を放つとは、いよいよ化け物じみてきたな、ふふ」
天啓・星拳絶華の極みを習得した……
桐生「……立てるか」スッ
ゲイリー「完敗デスネ、キリューサン」スッ
ガシッ
司会「な、何が起こったと言うのか……ですが、勝者は桐生一馬に決まりましたぁっ!」
ワアアア…
・星拳絶華の極み
星花のフルーレ捌きから得た天啓技。
拳のフェイントから勢いで『剣圧』を放ち敵を穿つ大技。
~再び神室町・中道通り入り口~
ドンドンドン♪ ドンキー♪
桐生「何で気付かなかったんだろうなぁ」ミアゲ
星花「わあ……」キラキラキラ
桐生「ふ、好きなだけ買っていくといい、ここなら大抵のモノは揃うからなぁ」
星花「桐生様、桐生様、見てください、吹き戻しもあります!」
桐生「吹き戻し? …ああ、そういう名前だったか、そのオモチャ」
星花「まさかこんなお店があっただなんて……夢のようです♪」
桐生「確かにそうかもしれないが……この為の情報料と考えると途端に骨折り損な気がしてきたな」
桐生「まぁ、新しい技も試せた事だし、これはこれでいいのかもしれないが……」
星花「事務所に帰ったらほたるさんや悠貴さんにも自慢してさしあげないと♪」
桐生「……え?」
・「吹き戻しのオモチャ」を貰った。
おわれ。
もはや完全に趣味で書いてるアレ。
星花に色々盛りすぎでごめんなさい。(楽しい)
お目汚し、失礼をば。
元スレ
「あの、すみません、少しお尋ねしても?」
桐生「え?」
身なりの綺麗な少女「その、この辺りに駄菓子屋さんはありませんか?」
桐生「駄菓子屋だって? 今時珍しい事を聞くんだな」
サブストーリー003『駄菓子屋アッドルチェンド』
少女「珍しい……すると、この辺りにはないのでしょうか」
3: ◆6RLd267PvQ 21/02/24(水)22:03:51 ID:kBH
桐生「ないこともない、と思うが……いや、馴染みの婆さんがやってた店はもう閉めちまったか……? 神室町で駄菓子と言ったらそこくらいだが」
少女「あるのですね?…よろしければ、場所をお教え頂いても……」
桐生「いや、この辺りは物騒だからな、特にアンタみたいなのが独り歩きすると……」
4: ◆6RLd267PvQ 21/02/24(水)22:04:04 ID:kBH
チンピラ「おうおう、姉ちゃん、金持ってそうだなぁ」ニヤニヤ
チンピラB「俺達遊ぶ金足りなくてよぉ、くれよ」
桐生「……こういう事になる」
少女「まぁ……!」
桐生「悪いが、その子とは俺が先約だ…それに、みすみすテメェらみたいなバカに渡す金も持ち合わせがねえ」
5: ◆6RLd267PvQ 21/02/24(水)22:04:48 ID:kBH
チンピラ「あ? オッサン何、この姉ちゃんのオトウサンか何かですかぁ」
チンピラB「もういいや、纏めて財布奪っちまおうぜ」
桐生「すまない、道案内はコイツらを片付けた後にしよう……下がっていてくれ」
少女「ですが……」
桐生「大丈夫だ、すぐに済む」
6: ◆6RLd267PvQ 21/02/24(水)22:05:05 ID:kBH
チンピラ「舐めた口きいてんじゃねぇぞオッサン!!」グオッ……
カウンターをキメる桐生「っしゃあああああ!!」
チンピラ「グボオオオ!!!」ドサッ……
桐生「運が悪かったな……ついさっき爺さんトコで思い出して来たんだよ、この技を」
7: ◆6RLd267PvQ 21/02/24(水)22:05:19 ID:kBH
チンピラB「ちっくしょ……ならせめて女は人質だっ!!」バッ
桐生「なっ、しまった!」
少女「……はぁ」スッ
桐生(何だ…ケースから、剣?)
少女「Etes-vous Prets?」
チンピラB「アァ?」
少女「では、覚悟なさって下さい♪」ニコッ
チンピラB「なっ……」
シュバッ!!!
8: ◆6RLd267PvQ 21/02/24(水)22:05:33 ID:kBH
腰が抜けたチンピラB「はわわわわ」ショワアアア……
少女「あら、お召し物が……よろしければ、こちら、クリーニング代ですわ」ハイッ
桐生(よく見りゃアレは作り物の剣か…だが、凄い迫力の突きだったな)
桐生(俺にもあんな動きができるだろうか……)フム
少女「あの、お待たせしましたっ」
9: ◆6RLd267PvQ 21/02/24(水)22:05:45 ID:kBH
~~~~
桐生「そうか、星花は大学生なのか…学校はこの辺なのか?」スタスタ
星花「いえ、今日はたまたま、フェンシングの大会がありまして、見学に行っていましたの」
桐生「見学だって? 出場はしないのか」
星花「…嗜む程度の実力しかありませんもの、お目汚しですわ」
10: ◆6RLd267PvQ 21/02/24(水)22:05:57 ID:kBH
桐生「そうは思えないんだがな……っと、この辺だったはずだが」
星花「……空き地になってますわ」
桐生「ううむ……」
「あれ、桐生さん?」
桐生「お前は…情報屋の」
田村「はい、雑誌記者の田村です、ご無沙汰してます。…そちらは?」
星花「涼宮星花と申します、始めまして」ペコ
11: ◆6RLd267PvQ 21/02/24(水)22:06:09 ID:kBH
田村「あ、や。これはご丁寧に……涼宮? ……涼宮って、あの涼宮…?」
桐生「ん?」
田村「ああ、いえ、失礼、きっと人違いですね。こんな所であの涼宮家のご令嬢が護衛も付けずに歩いているなんてそんなまさか」
桐生(護衛? 令嬢だって?)
12: ◆6RLd267PvQ 21/02/24(水)22:06:20 ID:kBH
星花「はい。きっと人違いでしょう♪」ニッコリ
田村「ですよね、そりゃそうだ、あはは……で、桐生さん、一体こんな町外れで何を」
桐生「あ、ああ……それなんだがな」
13: ◆6RLd267PvQ 21/02/24(水)22:06:32 ID:kBH
~田村と別れた後、児童公園~
桐生「どうやらこの辺の町並みもすっかり変わっちまったらしいな……」
星花「残念ですわ……きっと町へ行けばすぐに見つかると思っていましたの」
桐生「むしろ町ん中じゃあ、あんまり見ないかも知れないな…」
星花「そうなのですね…まだまだ世間知らずで…私」
14: ◆6RLd267PvQ 21/02/24(水)22:06:43 ID:kBH
桐生「なぁ、まだ時間、大丈夫なのか?」
星花「え? えぇ、それは別に、大丈夫ですけれど」
桐生「なら、ちょっと歩くが……付き合ってくれないか」
星花「ええ。けれど…どちらまで?」
桐生「あんまり、アンタみたいのは似つかわしくない場所かもしれねぇがな」
15: ◆6RLd267PvQ 21/02/24(水)22:06:54 ID:kBH
~西公園・公衆便所・男子トイレ~
桐生「……ここだな」
星花「……中はこんな風になっていましたのね…」キョロキョロ
桐生「……あまり見渡す様なモンじゃない…さぁ、このドアだ」ガチャ
16: ◆6RLd267PvQ 21/02/24(水)22:07:06 ID:kBH
~神室町ヒルズ~
星花「あの入り口から、こんな場所に出るなんて……」
桐生「今は他に入り口はあるのかもしれないが……俺はあの入り口が馴染みなんでな…」
ゲイリー「キリューサン」
桐生「おう、久しぶりだな、ゲイリー」
17: ◆6RLd267PvQ 21/02/24(水)22:07:17 ID:kBH
ゲイリー「ボスがオマチデス。ドーゾー」ズイッ
桐生「……行こう」
星花「何か、とても貴重な体験をしている様な…」
桐生「なら、この先はもっと驚く事になるな」スタスタ
18: ◆6RLd267PvQ 21/02/24(水)22:07:29 ID:kBH
~ヒルズ地下・賽の河原~
遊女「旦那様ー、寄ってらしてー」
老婆「遊んで行かないかい、いい娘が……」
星花「遊郭……? こんな所が実際にあったなんて……」
星花「はっ、ま、まさか私を…手篭めに…?」カァァァ
桐生「いや、そうじゃない、安心しろ…ここの一番奥に用があるんだ」
19: ◆6RLd267PvQ 21/02/24(水)22:07:41 ID:kBH
~賽の河原・最奥の部屋~
桐生「…よう…来たぜ」スタスタ
サイの花屋「おう。…久しぶりじゃねえか、それと……珍しい客人だな」
星花「この方は……?」
桐生「サイの花屋……ここの元締めの情報屋で、元は警察官だった人間だ」
花屋「客人の前でペラペラ喋ってくれるじゃねえか、桐生」
20: ◆6RLd267PvQ 21/02/24(水)22:07:52 ID:kBH
桐生「まぁな……ただ、ここに来た理由、アンタはとっくにわかってるんだろ」
花屋「俺の事をある程度喋っても、この嬢ちゃんなら問題ないと踏んで……か」
星花「ええと、何の話を……」
桐生「星花、アンタ、涼宮家のご令嬢……なんだよな」
星花「え、ええっ? どうしてそれを……はっ」
21: ◆6RLd267PvQ 21/02/24(水)22:08:02 ID:kBH
桐生「…やはりな。…とは言え、その涼宮家ってのが一体どんな所なのか、俺は知らないんだがな」
星花「かまをかけた……と言う事ですわね……見事にやられましたわ」クスッ
花屋「別に駄菓子屋探しにわざわざ来たわけじゃねえって事だな」ハハハ
22: ◆6RLd267PvQ 21/02/24(水)22:08:15 ID:kBH
桐生「ああ。駄菓子屋探しはついでだ。どうせここでならどっちも分かると思っての事だ」
花屋「涼宮星花、19歳大学生、ウィーンに留学しヴァイオリンを専攻、後に涼宮家の跡を継ぐべく帰国、だが涼宮の両親は裏社会とも繋がりがあるデカイ家の跡取りを清純な星花にして欲しくなかった」
23: ◆6RLd267PvQ 21/02/24(水)22:08:28 ID:kBH
花屋「そういう理由で箱入りとして育てられたが、護衛の目を盗んでは両親に認められる為に芸事……どういうわけだか主に武芸を身に着け、その腕前はそこらの極道崩れや半グレじゃ相手にならないときてる……因みにパンツの色は」
桐生「パンツの色は」ゴクリ
星花「ちょっとは自重して下さいっ!」
24: ◆6RLd267PvQ 21/02/24(水)22:08:39 ID:kBH
花屋「とまぁ、長々と語っちまったが、要するにただの箱入りの強えお嬢様って事だ、ここではな」
星花「ここでは…?」
桐生「ああ、ここじゃ表に出られないような裏の大物がゴロゴロいるからな……俺の師匠の爺さんも、時々腕を磨きに来るくらいだ」
星花「なるほど……」
25: ◆6RLd267PvQ 21/02/24(水)22:08:50 ID:kBH
花屋「で、知りたい事はそれか?」
桐生「いや、駄菓子屋の場所も教えてくれ…急ぎでな」
花屋「お嬢さんの紹介料って事で1つ目はマケといたんだがな…2つ目の情報となると、タダでやる訳にもいかねえんだよな」フーッ……
桐生「わかってる…ただ、【いつもの】条件の他にも…知りたい事がある」
26: ◆6RLd267PvQ 21/02/24(水)22:09:01 ID:kBH
花屋「何だ」ギシッ
桐生「星花、さっきのアンタの剣捌きだ」
星花「私の…ですか?」
桐生「ああ、できればここで見せてくれないか…実戦で試したい」
星花「ですが、桐生様は剣はお持ちではないのですよね?」
桐生「ああ、たまに持っている時もあるが…今は持ち合わせがねえな」
27: ◆6RLd267PvQ 21/02/24(水)22:09:12 ID:kBH
桐生「だが、大丈夫だ……あと少しで何か見えそうなんだ…頼む」
星花「では……少しだけ離れていて貰えますか?」スッ
花屋「周りのモン、傷つけねえ様に頼むぜ、嬢ちゃん」
星花「はい。……では、いざ!」バッ……
桐生「………!!」ピキィン
桐生「……【天啓】が……来た…!!」
28: ◆6RLd267PvQ 21/02/24(水)22:09:33 ID:kBH
~色々と省略して闘技場・3戦目~
司会「さぁ、武器の持ち込みナシという制限下、極限の状態でどこまでも勝ち上がるのがこの男!堂島の龍!!桐生~!一馬ァ!!」
キィリリリュウ カァズマァー!
桐生「………フッ」
観客席の星花「一体、何を試そうと…」
花屋「さてな…だが、何にせよ見物だな」
29: ◆6RLd267PvQ 21/02/24(水)22:09:46 ID:kBH
司会「対するは!闘技場と言えばのこの男!かつては無敗の地下闘技場チャンピオン!その経歴に泥を塗った好敵手に雪辱を果たす事はできるのかァ!ゲイリィィ!バスタァァ・ホォームズ!!」
ゲイリリィ バスタァー ホォームズ!!
30: ◆6RLd267PvQ 21/02/24(水)22:09:56 ID:kBH
ゲイリー「ヤハリ、コウナリマスネ、キリューサン」ニヤァ
桐生「ああ、そうだな」
ゲイリー「即死と尊厳死、オコノミハ?」
桐生「相変わらず、日本語わかってねえな」フッ
31: ◆6RLd267PvQ 21/02/24(水)22:10:08 ID:kBH
司会「かつての闘技場チャンプ同士の決戦!今、ゴングです!」
レディ! ファーイッ!
桐生「だが……悪いが一撃でキメさせて貰う!」
△極!!
桐生「ッハァ!」シュビュッ!
ゲイリー「ムッ!」スカッ
星花「外した……いえ、あの動きは…」
花屋「ふ……」
32: ◆6RLd267PvQ 21/02/24(水)22:10:21 ID:kBH
桐生「オオオッ!! ラァ!!!」ビュゴオオオッ!!!
ゲイリー「オワッツ!!!」ヒュウウウ!!! ドサッ!!
観客「な、何だ、何が……?」
ザワザワザワ……
星花「気迫だけで、剣を持った様に『見せかけた』……」
花屋「だが、アレは当たったら死んでいたな」
33: ◆6RLd267PvQ 21/02/24(水)22:10:36 ID:kBH
花屋「剣を使わずに剣圧を放つとは、いよいよ化け物じみてきたな、ふふ」
天啓・星拳絶華の極みを習得した……
桐生「……立てるか」スッ
ゲイリー「完敗デスネ、キリューサン」スッ
ガシッ
司会「な、何が起こったと言うのか……ですが、勝者は桐生一馬に決まりましたぁっ!」
ワアアア…
34: ◆6RLd267PvQ 21/02/24(水)22:10:48 ID:kBH
・星拳絶華の極み
星花のフルーレ捌きから得た天啓技。
拳のフェイントから勢いで『剣圧』を放ち敵を穿つ大技。
35: ◆6RLd267PvQ 21/02/24(水)22:11:00 ID:kBH
~再び神室町・中道通り入り口~
ドンドンドン♪ ドンキー♪
桐生「何で気付かなかったんだろうなぁ」ミアゲ
星花「わあ……」キラキラキラ
桐生「ふ、好きなだけ買っていくといい、ここなら大抵のモノは揃うからなぁ」
星花「桐生様、桐生様、見てください、吹き戻しもあります!」
36: ◆6RLd267PvQ 21/02/24(水)22:11:10 ID:kBH
桐生「吹き戻し? …ああ、そういう名前だったか、そのオモチャ」
星花「まさかこんなお店があっただなんて……夢のようです♪」
桐生「確かにそうかもしれないが……この為の情報料と考えると途端に骨折り損な気がしてきたな」
37: ◆6RLd267PvQ 21/02/24(水)22:11:19 ID:kBH
桐生「まぁ、新しい技も試せた事だし、これはこれでいいのかもしれないが……」
星花「事務所に帰ったらほたるさんや悠貴さんにも自慢してさしあげないと♪」
桐生「……え?」
・「吹き戻しのオモチャ」を貰った。
おわれ。
38: ◆6RLd267PvQ 21/02/24(水)22:12:15 ID:kBH
もはや完全に趣味で書いてるアレ。
星花に色々盛りすぎでごめんなさい。(楽しい)
お目汚し、失礼をば。
サブストーリー003「駄菓子屋アッドルチェンド」(龍が如く×デレマス)