過去作
【モバマス】ほたると菜々のふたりぐらし
【モバマス】ほたると菜々のふたりぐらし後編
白菊ほたるのコミュ2に日野茜が乱入してきた話
【モバマス】ほたるのひかりが眩しくて
【モバマス】安部菜々「ほたるちゃんの」日野茜「初仕事です!!」
【モバマス】悪魔とほたる
【モバマス】白菊ほたる「私は、黒猫が苦手です」
【モバマス】ありがちな終末
【モバマス】安部菜々と24人の千川ちひろ
白菊ほたる「黄昏に迷い道」
【モバマス】面接官「ところで白菊さん。貴女、凄くエロいですね」白菊ほたる「え」
岡崎泰葉「ヴォカリーズ」
【モバマス】あの子の知らない物語
【モバマス】ほたると菜々のふたりぐらし
【モバマス】ほたると菜々のふたりぐらし後編
白菊ほたるのコミュ2に日野茜が乱入してきた話
【モバマス】ほたるのひかりが眩しくて
【モバマス】安部菜々「ほたるちゃんの」日野茜「初仕事です!!」
【モバマス】悪魔とほたる
【モバマス】白菊ほたる「私は、黒猫が苦手です」
【モバマス】ありがちな終末
【モバマス】安部菜々と24人の千川ちひろ
白菊ほたる「黄昏に迷い道」
【モバマス】面接官「ところで白菊さん。貴女、凄くエロいですね」白菊ほたる「え」
岡崎泰葉「ヴォカリーズ」
【モバマス】あの子の知らない物語
白菊ほたると不思議体験その2
【モバマス】響子「混ぜる」ほたる「混ざる」
P「大変だほたる! 事務所が、事務所がなくなってしまった!!」
白菊ほたる「エイプリルフールにしても悪趣味ですよプロデューサーさん。そんな趣味の悪い冗談言ってると泣きますよいいんですか」
P「いや、冗談でもエイプリルフールでもないんだなこれが」
ほたる「じゃあ本当に倒産……? また私の不幸の撃墜マークが増えてしまう!?」
P「撃墜マークなんかつけてたのか」
ほたる「いえそれは言葉の弾みですが、でも倒産……うわあん、今度こそ大丈夫だと思ったのに」
P「それが倒産でもなくてだな。ほらみろ」
事務所だった場所(ドドーン)
ほたる「物理的に無くなっています!?」
2: ◆cgcCmk1QIM 21/04/02(金)10:52:08 ID:rShT
P「な!? 無くなってるよな!? 俺の目の錯覚じゃないよな!?」
ほたる「目の錯覚だと思いたいけど本当にありませんね。昨日までは確かにここに建ってたのに」
P「一体なにがどうなっているんだ……」
ほたる「あっ、見てくださいプロデューサーさん! 事務所の敷地からなんだかすごい大きい足跡が出て行ってますよ」
P「本当だ……行こう!! なにか手がかりがあるかもしれない」
ほたる「はい(だだだだ)」
P「うわあ毎日レッスンしてるアイドル候補の脚力についていけなーい!!」
ほたる「プロデューサーさん早く早く」
P「ま、待ってくれえ(ゼヒューゼヒュー)」
???(ズズーン、ズズーン)
ほたる「なんだか前の方からすごい足音がしますね」
P「すごい嫌な予感がする……ああっ、あれは!!」
事務所ロボ(ズズーン、ズズーン)
ほたる&P「「事務所が歩いてるー!?」」
池袋晶葉「おお助手、それにほたる。遅かったな」
P「晶葉、これは一体」
晶葉「うむ。助手。私はいつも君に感謝しているんだ。良き理解者であり私に新しい世界を見せてくれた」
ほたる「私も、プロデューサーさんにはいつも感謝しています」
P「よせよせ。俺はただ、自分に出来る事をしているだけさ」
晶葉「とはいえ感謝しているのは事実。私は常々何か恩返しができないかと考えていたんだが、先日助手の呟きを耳にしてな」
P「俺の?」
晶葉「事務所の日当たりが悪い。この建物が南向きだったらなあ」
P「あー、言った言った」
ほたる「たしかに洗濯物の乾きが悪いんですよねえ」
晶葉「うむ。そこで私は考えた。事務所を自分で動けるようにロボ改造し、日照に合わせて窓の向きを変えられればこの問題は解決するのではないか、とな」
P「なるほど……晶葉。そんなことを考えていてくれたのか……」
晶葉「まあ改造してスイッチ入れてみたら暴走したんだけどな」
P「やっぱりそういう話かー!!」
晶葉「そういう話なんだすまない。ウサミン型電子頭脳作る時にうっかりしちゃったようで、事務所あらため事務所ロボはあっちにふらふらこっちにふらふら。中に乗り込めたら止められるかも知れないがあの図体だ、進行速度が早くて追いつけなくてなあ」
ほたる「ふたりともそんな話をしてる場合じゃないですよ! 事務所の行く手にほかの建物が!!」
P「ああっ、あれは原宿でこのごろブイブイ言わせてるネコミミプロダクション!!」
事務所ロボ(ズズーン、ズズーン、ガオーン)
前川みく「ななな何!? 何にゃあ!?」
ほたる「あのネコミミの人滅茶苦茶慌ててます」
P「そりゃ慌てるよなあ」
ほたる「ですよねえ」
事務所ロボ(ロボパーンチ!!)
(ズガアアアアアアン!!)
みく「みくの所属事務所ー!?」
P「うわあ凄まじい威力」
ほたる「一撃であの大きなビルが粉々です」
P「というかなんで日当たり変えるための改造で手が付いてるんだ」
晶葉「何を言うか。ロボだぞ? 手と足と顔があるのは当然だろう」
P「顔?」
事務所ロボ(キャハッ☆)
ほたる「あっ、ウサちゃんロボと同じかわいい顔がついてます」
P「この場合可愛いさがむしろ怖いよなあ」
事務所ロボ(ツギイッテミヨー、キャハッ☆)
(ズズーン、ズズーン)
ほたる「また移動をはじめましたよ!!」
晶葉「追いかけるぞ!」
前川みく「一体なにが起こったのにゃあ……(ポカーン)」
P「すまん! とりあえず名刺渡しておくから後で連絡を!! この件でもしネコミミプロが事務所畳むことになったらこっちで引き受けるから!!」
ほたる「こんなときもスカウトを忘れないプロデューサーさん、さすがです」
晶葉「あれはもう本能みたいなものなんだろうなあ」
ほたる「でもどうしましょう、足早いですよ!」
P「大丈夫、ロボだって無限には動けない。そのうちエネルギーが切れて止まるさ」
晶葉「いや、動力源は屋上に設置した太陽光発電パネル。高性能超伝導蓄電装置と合わせて航続距離はほぼ無限だぞエヘン」
P「その心配りを暴走防止に使ってほしかったぞ?」
晶葉「すまん。悪いとは思ってるがそれは無理なんだ」
P「なんでさ」
晶葉「私の作るロボには知能がある。むろんセーフティは万全に施すが、ちょっとやる気になってうっかり出来がよすぎると心が発生し、自分の意志と心が命ずるままに行動を開始してしまうのだ」
P「うっかりってむしろそっちか!」
ほたる「そういえばウサちゃんロボさんたちも、いつもすごく楽しそうですよね」
P「うっかり心を作っちゃうとかドクターマンかよ」
ほたる「でも、そうすると走って追いかけるのはさすがに無理がありますよ」
P「待ってろ。ちょっと車を調達してくる」
みく(ポカーン)
みく(ポカーン)
みく「ハッ!? ま、待って、みくも行くー!!」
【アイドル渋谷に向けて車で進行中】
事務所ロボ(ズズーン、ズズーン)
ほたる「あ、あの、前川さん」
みく「みくでいいにゃ」
ほたる「ではあの、みくさん。どうして私たちと一緒に?」
みく「いや、名刺貰ったし責任とるとは言ってたけどやっぱり逃げられるかもしれないし、見張ってないと」
ほたる「プロデューサーさんは他の事はとにかくとしてアイドルに対しては真摯ですからその心配はないですよ」
晶葉「そうそう。アイドルの事に関してだけは絶対に嘘を言わない」
P「なんだい君たち恩人とか言ってたくせに評価が辛くないかい」
ほたる「それはそれ、これはこれです」
P「ちくしょう」
みく「それにしてもあれ、どうやって止めるのにゃあ」
ほたる「中に乗り込めばなんとかって晶葉さんが仰ってましたけど」
みく「晶葉さん?」
晶葉「はっはっはっ私が作りましたごめん」
みく「あんたのせいかー!? でもすごいきちんと頭下げてるから許す……で、乗り込めば止められるの?」
晶葉「乗り込めればな。ただし、タイミングはかなり難しい。あの図体だから迂闊に足下に入ると踏みつぶされるし、足を登って本体に入り込もうとしている間にもし動き出したら放り出されておしまい」
P「うわあ」
晶葉「全高が20メートルあるとして歩行中は上下に数メートルの上下運動を繰り返すから、中に入ったとしても作業は困難を極めるだろう」
みく「なんか『無理』としか聞こえないにゃあ」
P「確かに。しかし、だとしたらどうやって止める? 最悪の場合自衛隊にでも連絡して」
???「それには及ばないわ!」
P「な、なんだこの世界レベルの声は!!」
ほたる「ああっ、Pさん見てください!」
P「事務所ロボの進路に誰か立ちふさがっているだと!?」
みく「そこの人ー!! あぶないー!! 待避するにゃあああ!!」
???「ヘーイ!!(カッ!!)」
晶葉「なんか踊り出したぞ!?」
???「ヘーイ!!(カッ!!)」
ほたる「なんて凄いダンス……!」
???「ヘーイ!!(カッ!!)」
晶葉「人間がやってるとは信じられない正確無比のステップ!!」
???「ヘーイ!!(カッ!!)」
みく「情熱に支えられたような高いジャンプ!!」
???「ヘーイ!!(カッ!!)」
P「まさに世界レベルと言うに相応しいパフォーマンスだ……」
???「ふふふ、貴方にも解るようね、世界レベルの輝きと言うものが。そう、私が……」
(バッ)
(キュッ)
(ダンサブル!)
[chapter:ヘレン「ヘレンよ!!(ババァーン!!!)」]
ほたる「ヘレン……!」
みく「ぜんぜん知らない人だけど、つい『そうかヘレンか、なら納得だね!』って気持ちにさせられてしまうにゃあ……」
P「これが世界レベルと言うものか」
晶葉「一体何者なんだヘレン……!!」
ヘレン「私が何者なのか。それは大した問題ではない……それより貴方たちが見るべきものは別にあるはず!(ビシイッ)」
ほたる「あっ、見てくださいプロデューサーさん! 事務所ロボが止まっています!!」
P「ほんとだ、なぜ!?」
ヘレン「フッ、簡単すぎる事。ロボはまずほかの芸能プロダクションを目指した。なぜか。それは彼自身もまた元芸能プロダクションだから!!」
P「そうだったのか! ……のか? それ本当にそうか?」
ヘレン「そうよ!ロボとは言え、もとは芸能プロダクション。アイドルを求めるのが彼の本能……ならばこそ、本気のパフォーマンスを無視できるはずがない!」
ほたる「すごい、どうしてそんな事をご存じなんですか!?」
ヘレン「フッ、貴女にはまだ難しいかしらね。それが」
(バッ)
(ダンッ)
(ソウルフル!)
ヘレン「世界レベルと言うものだからよ!!」
P「だがこれは助かった。ロボが止まっている間に乗り込んで……あーっ!!」
みく「また歩きだしたにゃあ!!」
晶葉「世界レベルパワーで止まったんじゃなかったのか!?」
ヘレン「フッ、いかに世界レベルとはいえこのヘレンはつい半日前に日本に降り立ったばかり。一人のヘレンとしてはともかく、日本のアイドルとしてはまだ彼を止め切るだけの力が無かったと、素直に認めなくてはならないようね」
ほたる「あ、日本に来たばかりなんですか」
ヘレン「そうよ。オーディション受けようと思ってた事務所が歩いてどこか行くからけっこうびっくりしたわ」
P「しかし、では、どうすればいいんだ」
ヘレン「フッ、簡単よ。ヘレン1人でどうにか出来なければ、アイドルの力を集めればいい。ロボの魂をアイドルが震わせるか、アイドル事務所がロボに踏みつぶされるか。そう、これは」
(ジャンプ)
(ターン!)
(ワンダフル!)
ヘレン「ライブによる戦い、ライブバトルと呼ぶに相応しいわ!!」
ほたる「ライブバトル……!」
みく「なんか絶対ライブバトルってこういうんじゃないよねって気がするけど、確かにある意味アイドルとしての生死がかかってるにゃあ」
晶葉「どんな世界でも生きることは戦いだからなあ」
P「よし、じゃあやることははっきりしたな。あの向きからするとロボの次の進路は秋葉原だろう。向こうにあるアイドル事務所に先回りして事態を説明して向こうのアイドルと一緒にライブバトルしてあわよくばスカウトしてうちの事務所の補強を」
ほたる「漏れてます。プロデューサーさん、欲望がダダ漏れてます」
P「おっといかん。だがとにかく行動開始だ。先周りするぞー!」
【アイドル、秋葉原に自動車で移動】
ほたる「突然すみません、秋葉原お花プロダクションの相葉夕美さんですね? すみません、私たちと一緒にライブバトルしてください!!」
相葉夕美「えっ、ライブバトルって何?」
◇
夕美「見守ってほしいの いつの日か輝く時信じて♪」
事務所ロボ(ズズーン、ズズーン)
P「あっ凄い方向転換した!!」
ほたる「さすが相葉さん、止まらないまでもプロダクションを避けて進んで行きましたよ!!」
P「しかし、止まる、壊すに続いて今度は避けるか。どういう反応なんだろうな」
ヘレン「フッ、それは簡単よ。彼は相葉夕美と貴方たちのパフォーマンスを目の当たりにして……」
(ホップ!)
(ステップ!)
(マーベラス!)
ヘレン「こんなアイドルの居るプロダクションは潰すに惜しいと思ったのよ!!」
みく「あの、長くなるからそのタメ作るの遠慮してもらっていいですか?」
ヘレン「解ったわ!」
晶葉(いいんだ……)
P(いいんだ……)
ヘレン「とにかくこのヘレンのパフォーマンスに動きを止めたことからも解るように、彼のパフォーマンスに対する審美眼は世界レベル。アイドルパフォーマンスを見て潰すに惜しいと感じれば、避けて次の目標に向かうのでしょうね」
P「だがそれは重要な情報だな。他のプロダクションに連絡を回しておこう。えーとここから一番近いプロダクションはー(ポチポチ)」
みく「そういえば、あのロボにはどうして他の事務所の位置が解るのにゃあ。なんかこう本能的なかんじ?」
晶葉「ロボの電子頭脳にそこのプロデューサーがしたためた『全国有力プロダクションリスト』と『いつかスカウトしたいアイドル所属先一覧』が入力されているからだな」
みく「なんでそんなことしたの……」
晶葉「すまん。いつも助手に世話になっているから、データ整理の役に立てばと思ったんだ」
みく「いい子すぎて怒りづらいにゃあ……」
ほたる「晶葉ちゃんは本当にいい子ですからね」
P「それはそれとして早く行こう。次の目的地はたいして遠くないぞ」
夕美「あ、待って、私も行く!」
ほたる「えっ」
夕美「そこのヘレンさんはダンスでロボを停止させたって言うじゃない。私はそこまで出来なかった……これはつまりアイドルとして負けてるってことだもん。再挑戦の機会がほしい! ね、いいでしょプロデューサー」
相葉P「そういうことなら仕方ない。他のプロダクションにも危害が及ぶことだからな……すみませんが白菊Pさん、しばらくうちの相葉をお願い出来ますか(握手)」
P「任せておいてください。そっちのプロダクションのこと忘れるぐらい厚遇しますよ(握手)」
相葉P「ハハハこやつめ(ギリギリ)」
P「ハハハこやつめ(ギリギリ)」
ほたる「プロデューサーさん、遊んでないで早く行きましょう。あと、問題を共有するためにPさんのリストを私たちにも見せてくだい」
P「お、すまんすまん、えーと……」
みく「しかしこの緊急事態だって言うのにあの子ぜんぜんあわてないね。なんかすごいにゃあ」
晶葉「ほたるは緊急事態慣れしているからな。こんなことより晩のおかずが肉なし青椒肉絲だった時の方がショック受けてるぞ」
みく「えっこわっ、普段どんなトラブルに巻き込まれてるのにゃあ……」
◇
モブP「というわけでロボ避けにライブパフォーマンスが有効らしい」
モブアイドルA「要するにプロダクションの前で歌えばいいのね、わかったわかった」
モブアイドルB「いい宣伝になるしチャチャッとやってきますね」
事務所ロボ(スーパーメガトンパーンチ!!)
(ズガアアアアアン!!)
モブアイドルA「あたしたちのプロダクションー!?」
モブアイドルB「歌い始めたら秒で破壊された!? えっなに避けていくって話じゃなかったの!?」
ヘレン「フッ、魂の入っていないパフォーマンスが、観客のソウルを動かすはずがないでしょう?」
モブP(誰だこの人)
モブアイドルA(誰この人)
モブアイドルB(誰この人)
ヘレン「ヘレンよ!!」
モブP「心をふつうに読まれた!?」
モブアイドルA「まるで世界レベルだわ!」
ヘレン「アイドルにとってライブは戦い。そのライブに手を抜いて、生き残れる道理はナッシング!!」
モブアイドルB「世界レベルの言葉が胸に刺さる……私たち、もう一度出直します!」
モブアイドルA「うん、私も!」
モブP「おいどんも!!」
【埼玉Aエリア】
輿水幸子「しかし、東京の芸能プロダクションが地方の中小事務所を潰して回ってると聞いたときはどんな悪徳プロダクションですかマンガじゃないですかと思ったものですが」
事務所ロボ(ズズーン……ズズーン……)
幸子「まさかこれほどとはこのカワイイボクも想像できませんでしたね……ライバル事務所は直接破壊。これが都会の流儀……!(ゴクリ)」
P「誤解だあ」
幸子「何が誤解なんですかこんなカワイイアイドルのボクにロボで挑もうなんてひどいこと考えますね!? 力尽くで事務所を潰して吸収合併してるってもっぱらの噂ですよ!?」
P「吸収合併違う。あくまでロボ対策のために連合くんでるだけ」
幸子「はあ、ロボ対策」
ほたる「あのロボさんを止めてなんとかしたいんですけど、実際にはなかなか難しくて。となるとあちこちでライブバトルをして、ロボさんの進路をうまくそらしていくしかないんです。そうなるとアイドルがたくさん必要だし」
夕美「アイドル大移動状態になっちゃうのも仕方ないよね。うーん、うちの花壇を見に戻りたいなあ」
みく「大移動も長くなってきたからそのへんの体制考えていかないとね。そう考えてみるとあれを一人で止めたヘレンさんって凄かったんだにゃあ」
ヘレン「フッ、当然のことよ」
晶葉「もう一度ヘレンが挑んではくれないのか?」
ヘレン「ライブパフォーマンスには時と言うものがあるわ。やみくもに続けていては飽きられ、聞き流されてしまう。このヘレンが次に彼の前に立つときは、すべての面であの時の自分を越えたダンサブルなヘレンでなくてはならない」
幸子「誰ですかこの訳知りな感じの人」
ヘレン「ヘレンよ!」
幸子「なるほどーってなんでたったそれだけで全て説明されたような気分になっちゃってるんですかボク!?」
ほたる「とにかくとういうわけで幸子さんも」
幸子「わかりました! カワイイボクにお任せを!!」
みく「えっ」
幸子「つまりあのロボをどうにかするのにこのカワイイボクのカワイさが必要ってことですよね。任せておいてください。みなさんは高見の見物をしててくれれば結構!!」
晶葉「すごい自信だ……」
幸子「埼玉のプロダクションに迫り来るロボをなんとかするボク。ああ、なんてカワイイ……」
みく「とか言ってるけどどうするのにゃあ」
P「本人がやるって言ってるんだからやってもらおう。いざとなればみんなで助けに入ればいいんだし」
◇
幸子1戦目「勝つに決まってますよ!」
幸子2戦目「ボクが負けるワケないです!」
幸子3戦目「いいかげんに勝ちますよ!」
幸子4戦目「勝負ですよ! いいですか!」
幸子5戦目「勝つに決まってます!」
幸子6戦目「負けるわけありませんよ!」
幸子7戦目「あしらってあげますよ!」
幸子8戦目「ボクが勝ちますから!」
幸子9戦目「ボクはカワイクて強いんです!」
幸子10戦目「身の程を知ってください!」
幸子11戦目「ボクの勝ちは絶対です!」
幸子12戦目「本気で行きますからね!」
◇
幸子「……っ勝ったああああああああ!!」
P「すごい、本当に1人でロボの進路を逸らしてしまったぞ」
ほたる「何度うまくいかなくても挑み続けて、ついにやりとげてしまいました」
ヘレン「フッ、彼女もまた世界レベル……」
みく「みたところまだ中学生くらいなのに。さすがのみくもこのド根性には頭が下がるにゃあ」
幸子「当然ですよ。負けっぱなしのボクはカワイクないですからね。それに最初はあのロボの圧力でなかなか実力が出せませんでしたが、場数をふんで実力を発揮すればあんなロボ」
晶葉「そうか、確かにいきなりあんなロボの前に出されて実力を発揮するのは難しいな」
みく「まあみくもパニックになって何もできなかったしね」
ほたる「似たような感じで実力を出せずに潰された事務所もあるわけですから、対策が必要ではないでしょうか」
ヘレン「そうね。日本の全アイドルがぶっつけ本番のライブ対戦でも実力を発揮できるようになるべき時が来たのよ」
P「よし、全国の事務所に連絡してライブバトルを普及させて……」
幸子「あのー、もしもし? そういう話は置いといて健闘したボクをもっと称えてくれてもいいんですよ? もしもーし?」
【鳥取県】
夢見りあむ「……というわけでロボ対策で全国普及したのがライブバトルなんだぞ?」
砂塚あきら「嘘松」
りあむ「ひどっ!? 聞かれたから答えたのに!?」
辻野あかり「りあむさんエイプリルフールだからって話作りすぎですよ。私がデビューした群馬ではそんな話聞いたことないんご」
りあむ「まあぼくの鳥取でも聞いたことないけどね? でもこれ関東では有名な話でね? ほらSNSに動画も」
あきら「いまどき動画なんてどうとでもできマスし。現代日本にこんなロボがあるはずが……」
(ズズーン……ズズーン……)
あきら「? 何この音」
りあむ「まさか……」
ほたる「うう、鳥取のみなさん。久しぶりの帰郷がこんなことになってしまって本当にすみません……」
みく「よーし、今度こそ止めるにゃあ! みんな覚悟はいーい!?」
アイドル軍団「「「「「「おー!!」」」」」」」
事務所ロボ(ズズーン……ズズーン……)
あかり「んごーーーーーー!?」
(おしまい)
最後まで読んでくださりありがとうございました。
ヘレン初登場のシーンに恥ずかしいミスがあることに後で気が付きましたが後の祭り……
元スレ
P「な!? 無くなってるよな!? 俺の目の錯覚じゃないよな!?」
ほたる「目の錯覚だと思いたいけど本当にありませんね。昨日までは確かにここに建ってたのに」
P「一体なにがどうなっているんだ……」
ほたる「あっ、見てくださいプロデューサーさん! 事務所の敷地からなんだかすごい大きい足跡が出て行ってますよ」
P「本当だ……行こう!! なにか手がかりがあるかもしれない」
ほたる「はい(だだだだ)」
P「うわあ毎日レッスンしてるアイドル候補の脚力についていけなーい!!」
ほたる「プロデューサーさん早く早く」
P「ま、待ってくれえ(ゼヒューゼヒュー)」
???(ズズーン、ズズーン)
ほたる「なんだか前の方からすごい足音がしますね」
P「すごい嫌な予感がする……ああっ、あれは!!」
事務所ロボ(ズズーン、ズズーン)
ほたる&P「「事務所が歩いてるー!?」」
3: ◆cgcCmk1QIM 21/04/02(金)10:53:16 ID:rShT
池袋晶葉「おお助手、それにほたる。遅かったな」
P「晶葉、これは一体」
晶葉「うむ。助手。私はいつも君に感謝しているんだ。良き理解者であり私に新しい世界を見せてくれた」
ほたる「私も、プロデューサーさんにはいつも感謝しています」
P「よせよせ。俺はただ、自分に出来る事をしているだけさ」
晶葉「とはいえ感謝しているのは事実。私は常々何か恩返しができないかと考えていたんだが、先日助手の呟きを耳にしてな」
P「俺の?」
晶葉「事務所の日当たりが悪い。この建物が南向きだったらなあ」
P「あー、言った言った」
ほたる「たしかに洗濯物の乾きが悪いんですよねえ」
晶葉「うむ。そこで私は考えた。事務所を自分で動けるようにロボ改造し、日照に合わせて窓の向きを変えられればこの問題は解決するのではないか、とな」
P「なるほど……晶葉。そんなことを考えていてくれたのか……」
晶葉「まあ改造してスイッチ入れてみたら暴走したんだけどな」
P「やっぱりそういう話かー!!」
4: ◆cgcCmk1QIM 21/04/02(金)10:54:38 ID:rShT
晶葉「そういう話なんだすまない。ウサミン型電子頭脳作る時にうっかりしちゃったようで、事務所あらため事務所ロボはあっちにふらふらこっちにふらふら。中に乗り込めたら止められるかも知れないがあの図体だ、進行速度が早くて追いつけなくてなあ」
ほたる「ふたりともそんな話をしてる場合じゃないですよ! 事務所の行く手にほかの建物が!!」
P「ああっ、あれは原宿でこのごろブイブイ言わせてるネコミミプロダクション!!」
事務所ロボ(ズズーン、ズズーン、ガオーン)
前川みく「ななな何!? 何にゃあ!?」
ほたる「あのネコミミの人滅茶苦茶慌ててます」
P「そりゃ慌てるよなあ」
ほたる「ですよねえ」
事務所ロボ(ロボパーンチ!!)
(ズガアアアアアアン!!)
みく「みくの所属事務所ー!?」
5: ◆cgcCmk1QIM 21/04/02(金)10:55:37 ID:rShT
P「うわあ凄まじい威力」
ほたる「一撃であの大きなビルが粉々です」
P「というかなんで日当たり変えるための改造で手が付いてるんだ」
晶葉「何を言うか。ロボだぞ? 手と足と顔があるのは当然だろう」
P「顔?」
事務所ロボ(キャハッ☆)
ほたる「あっ、ウサちゃんロボと同じかわいい顔がついてます」
P「この場合可愛いさがむしろ怖いよなあ」
事務所ロボ(ツギイッテミヨー、キャハッ☆)
(ズズーン、ズズーン)
ほたる「また移動をはじめましたよ!!」
晶葉「追いかけるぞ!」
前川みく「一体なにが起こったのにゃあ……(ポカーン)」
P「すまん! とりあえず名刺渡しておくから後で連絡を!! この件でもしネコミミプロが事務所畳むことになったらこっちで引き受けるから!!」
ほたる「こんなときもスカウトを忘れないプロデューサーさん、さすがです」
晶葉「あれはもう本能みたいなものなんだろうなあ」
6: ◆cgcCmk1QIM 21/04/02(金)10:55:56 ID:rShT
ほたる「でもどうしましょう、足早いですよ!」
P「大丈夫、ロボだって無限には動けない。そのうちエネルギーが切れて止まるさ」
晶葉「いや、動力源は屋上に設置した太陽光発電パネル。高性能超伝導蓄電装置と合わせて航続距離はほぼ無限だぞエヘン」
P「その心配りを暴走防止に使ってほしかったぞ?」
晶葉「すまん。悪いとは思ってるがそれは無理なんだ」
P「なんでさ」
晶葉「私の作るロボには知能がある。むろんセーフティは万全に施すが、ちょっとやる気になってうっかり出来がよすぎると心が発生し、自分の意志と心が命ずるままに行動を開始してしまうのだ」
P「うっかりってむしろそっちか!」
ほたる「そういえばウサちゃんロボさんたちも、いつもすごく楽しそうですよね」
P「うっかり心を作っちゃうとかドクターマンかよ」
ほたる「でも、そうすると走って追いかけるのはさすがに無理がありますよ」
P「待ってろ。ちょっと車を調達してくる」
7: ◆cgcCmk1QIM 21/04/02(金)10:56:06 ID:rShT
みく(ポカーン)
みく(ポカーン)
みく「ハッ!? ま、待って、みくも行くー!!」
8: ◆cgcCmk1QIM 21/04/02(金)10:57:55 ID:rShT
【アイドル渋谷に向けて車で進行中】
事務所ロボ(ズズーン、ズズーン)
ほたる「あ、あの、前川さん」
みく「みくでいいにゃ」
ほたる「ではあの、みくさん。どうして私たちと一緒に?」
みく「いや、名刺貰ったし責任とるとは言ってたけどやっぱり逃げられるかもしれないし、見張ってないと」
ほたる「プロデューサーさんは他の事はとにかくとしてアイドルに対しては真摯ですからその心配はないですよ」
晶葉「そうそう。アイドルの事に関してだけは絶対に嘘を言わない」
P「なんだい君たち恩人とか言ってたくせに評価が辛くないかい」
ほたる「それはそれ、これはこれです」
P「ちくしょう」
みく「それにしてもあれ、どうやって止めるのにゃあ」
ほたる「中に乗り込めばなんとかって晶葉さんが仰ってましたけど」
みく「晶葉さん?」
晶葉「はっはっはっ私が作りましたごめん」
みく「あんたのせいかー!? でもすごいきちんと頭下げてるから許す……で、乗り込めば止められるの?」
9: ◆cgcCmk1QIM 21/04/02(金)10:59:23 ID:rShT
晶葉「乗り込めればな。ただし、タイミングはかなり難しい。あの図体だから迂闊に足下に入ると踏みつぶされるし、足を登って本体に入り込もうとしている間にもし動き出したら放り出されておしまい」
P「うわあ」
晶葉「全高が20メートルあるとして歩行中は上下に数メートルの上下運動を繰り返すから、中に入ったとしても作業は困難を極めるだろう」
みく「なんか『無理』としか聞こえないにゃあ」
P「確かに。しかし、だとしたらどうやって止める? 最悪の場合自衛隊にでも連絡して」
???「それには及ばないわ!」
P「な、なんだこの世界レベルの声は!!」
ほたる「ああっ、Pさん見てください!」
P「事務所ロボの進路に誰か立ちふさがっているだと!?」
みく「そこの人ー!! あぶないー!! 待避するにゃあああ!!」
???「ヘーイ!!(カッ!!)」
晶葉「なんか踊り出したぞ!?」
10: ◆cgcCmk1QIM 21/04/02(金)11:01:04 ID:rShT
???「ヘーイ!!(カッ!!)」
ほたる「なんて凄いダンス……!」
???「ヘーイ!!(カッ!!)」
晶葉「人間がやってるとは信じられない正確無比のステップ!!」
???「ヘーイ!!(カッ!!)」
みく「情熱に支えられたような高いジャンプ!!」
???「ヘーイ!!(カッ!!)」
P「まさに世界レベルと言うに相応しいパフォーマンスだ……」
???「ふふふ、貴方にも解るようね、世界レベルの輝きと言うものが。そう、私が……」
(バッ)
(キュッ)
(ダンサブル!)
[chapter:ヘレン「ヘレンよ!!(ババァーン!!!)」]
11: ◆cgcCmk1QIM 21/04/02(金)11:02:22 ID:rShT
ほたる「ヘレン……!」
みく「ぜんぜん知らない人だけど、つい『そうかヘレンか、なら納得だね!』って気持ちにさせられてしまうにゃあ……」
P「これが世界レベルと言うものか」
晶葉「一体何者なんだヘレン……!!」
ヘレン「私が何者なのか。それは大した問題ではない……それより貴方たちが見るべきものは別にあるはず!(ビシイッ)」
ほたる「あっ、見てくださいプロデューサーさん! 事務所ロボが止まっています!!」
P「ほんとだ、なぜ!?」
ヘレン「フッ、簡単すぎる事。ロボはまずほかの芸能プロダクションを目指した。なぜか。それは彼自身もまた元芸能プロダクションだから!!」
P「そうだったのか! ……のか? それ本当にそうか?」
ヘレン「そうよ!ロボとは言え、もとは芸能プロダクション。アイドルを求めるのが彼の本能……ならばこそ、本気のパフォーマンスを無視できるはずがない!」
ほたる「すごい、どうしてそんな事をご存じなんですか!?」
ヘレン「フッ、貴女にはまだ難しいかしらね。それが」
(バッ)
(ダンッ)
(ソウルフル!)
ヘレン「世界レベルと言うものだからよ!!」
P「だがこれは助かった。ロボが止まっている間に乗り込んで……あーっ!!」
みく「また歩きだしたにゃあ!!」
晶葉「世界レベルパワーで止まったんじゃなかったのか!?」
12: ◆cgcCmk1QIM 21/04/02(金)11:02:36 ID:rShT
ヘレン「フッ、いかに世界レベルとはいえこのヘレンはつい半日前に日本に降り立ったばかり。一人のヘレンとしてはともかく、日本のアイドルとしてはまだ彼を止め切るだけの力が無かったと、素直に認めなくてはならないようね」
ほたる「あ、日本に来たばかりなんですか」
ヘレン「そうよ。オーディション受けようと思ってた事務所が歩いてどこか行くからけっこうびっくりしたわ」
P「しかし、では、どうすればいいんだ」
ヘレン「フッ、簡単よ。ヘレン1人でどうにか出来なければ、アイドルの力を集めればいい。ロボの魂をアイドルが震わせるか、アイドル事務所がロボに踏みつぶされるか。そう、これは」
(ジャンプ)
(ターン!)
(ワンダフル!)
ヘレン「ライブによる戦い、ライブバトルと呼ぶに相応しいわ!!」
ほたる「ライブバトル……!」
みく「なんか絶対ライブバトルってこういうんじゃないよねって気がするけど、確かにある意味アイドルとしての生死がかかってるにゃあ」
晶葉「どんな世界でも生きることは戦いだからなあ」
13: ◆cgcCmk1QIM 21/04/02(金)11:03:02 ID:rShT
P「よし、じゃあやることははっきりしたな。あの向きからするとロボの次の進路は秋葉原だろう。向こうにあるアイドル事務所に先回りして事態を説明して向こうのアイドルと一緒にライブバトルしてあわよくばスカウトしてうちの事務所の補強を」
ほたる「漏れてます。プロデューサーさん、欲望がダダ漏れてます」
P「おっといかん。だがとにかく行動開始だ。先周りするぞー!」
【アイドル、秋葉原に自動車で移動】
ほたる「突然すみません、秋葉原お花プロダクションの相葉夕美さんですね? すみません、私たちと一緒にライブバトルしてください!!」
相葉夕美「えっ、ライブバトルって何?」
◇
夕美「見守ってほしいの いつの日か輝く時信じて♪」
事務所ロボ(ズズーン、ズズーン)
P「あっ凄い方向転換した!!」
ほたる「さすが相葉さん、止まらないまでもプロダクションを避けて進んで行きましたよ!!」
P「しかし、止まる、壊すに続いて今度は避けるか。どういう反応なんだろうな」
ヘレン「フッ、それは簡単よ。彼は相葉夕美と貴方たちのパフォーマンスを目の当たりにして……」
(ホップ!)
(ステップ!)
(マーベラス!)
ヘレン「こんなアイドルの居るプロダクションは潰すに惜しいと思ったのよ!!」
みく「あの、長くなるからそのタメ作るの遠慮してもらっていいですか?」
ヘレン「解ったわ!」
晶葉(いいんだ……)
P(いいんだ……)
14: ◆cgcCmk1QIM 21/04/02(金)11:03:52 ID:rShT
ヘレン「とにかくこのヘレンのパフォーマンスに動きを止めたことからも解るように、彼のパフォーマンスに対する審美眼は世界レベル。アイドルパフォーマンスを見て潰すに惜しいと感じれば、避けて次の目標に向かうのでしょうね」
P「だがそれは重要な情報だな。他のプロダクションに連絡を回しておこう。えーとここから一番近いプロダクションはー(ポチポチ)」
みく「そういえば、あのロボにはどうして他の事務所の位置が解るのにゃあ。なんかこう本能的なかんじ?」
晶葉「ロボの電子頭脳にそこのプロデューサーがしたためた『全国有力プロダクションリスト』と『いつかスカウトしたいアイドル所属先一覧』が入力されているからだな」
みく「なんでそんなことしたの……」
晶葉「すまん。いつも助手に世話になっているから、データ整理の役に立てばと思ったんだ」
みく「いい子すぎて怒りづらいにゃあ……」
ほたる「晶葉ちゃんは本当にいい子ですからね」
P「それはそれとして早く行こう。次の目的地はたいして遠くないぞ」
夕美「あ、待って、私も行く!」
ほたる「えっ」
夕美「そこのヘレンさんはダンスでロボを停止させたって言うじゃない。私はそこまで出来なかった……これはつまりアイドルとして負けてるってことだもん。再挑戦の機会がほしい! ね、いいでしょプロデューサー」
相葉P「そういうことなら仕方ない。他のプロダクションにも危害が及ぶことだからな……すみませんが白菊Pさん、しばらくうちの相葉をお願い出来ますか(握手)」
P「任せておいてください。そっちのプロダクションのこと忘れるぐらい厚遇しますよ(握手)」
相葉P「ハハハこやつめ(ギリギリ)」
P「ハハハこやつめ(ギリギリ)」
15: ◆cgcCmk1QIM 21/04/02(金)11:04:45 ID:rShT
ほたる「プロデューサーさん、遊んでないで早く行きましょう。あと、問題を共有するためにPさんのリストを私たちにも見せてくだい」
P「お、すまんすまん、えーと……」
みく「しかしこの緊急事態だって言うのにあの子ぜんぜんあわてないね。なんかすごいにゃあ」
晶葉「ほたるは緊急事態慣れしているからな。こんなことより晩のおかずが肉なし青椒肉絲だった時の方がショック受けてるぞ」
みく「えっこわっ、普段どんなトラブルに巻き込まれてるのにゃあ……」
◇
16: ◆cgcCmk1QIM 21/04/02(金)11:04:59 ID:rShT
モブP「というわけでロボ避けにライブパフォーマンスが有効らしい」
モブアイドルA「要するにプロダクションの前で歌えばいいのね、わかったわかった」
モブアイドルB「いい宣伝になるしチャチャッとやってきますね」
事務所ロボ(スーパーメガトンパーンチ!!)
(ズガアアアアアン!!)
モブアイドルA「あたしたちのプロダクションー!?」
モブアイドルB「歌い始めたら秒で破壊された!? えっなに避けていくって話じゃなかったの!?」
ヘレン「フッ、魂の入っていないパフォーマンスが、観客のソウルを動かすはずがないでしょう?」
モブP(誰だこの人)
モブアイドルA(誰この人)
モブアイドルB(誰この人)
ヘレン「ヘレンよ!!」
モブP「心をふつうに読まれた!?」
モブアイドルA「まるで世界レベルだわ!」
ヘレン「アイドルにとってライブは戦い。そのライブに手を抜いて、生き残れる道理はナッシング!!」
モブアイドルB「世界レベルの言葉が胸に刺さる……私たち、もう一度出直します!」
モブアイドルA「うん、私も!」
モブP「おいどんも!!」
17: ◆cgcCmk1QIM 21/04/02(金)11:05:34 ID:rShT
【埼玉Aエリア】
輿水幸子「しかし、東京の芸能プロダクションが地方の中小事務所を潰して回ってると聞いたときはどんな悪徳プロダクションですかマンガじゃないですかと思ったものですが」
事務所ロボ(ズズーン……ズズーン……)
幸子「まさかこれほどとはこのカワイイボクも想像できませんでしたね……ライバル事務所は直接破壊。これが都会の流儀……!(ゴクリ)」
P「誤解だあ」
幸子「何が誤解なんですかこんなカワイイアイドルのボクにロボで挑もうなんてひどいこと考えますね!? 力尽くで事務所を潰して吸収合併してるってもっぱらの噂ですよ!?」
P「吸収合併違う。あくまでロボ対策のために連合くんでるだけ」
幸子「はあ、ロボ対策」
ほたる「あのロボさんを止めてなんとかしたいんですけど、実際にはなかなか難しくて。となるとあちこちでライブバトルをして、ロボさんの進路をうまくそらしていくしかないんです。そうなるとアイドルがたくさん必要だし」
夕美「アイドル大移動状態になっちゃうのも仕方ないよね。うーん、うちの花壇を見に戻りたいなあ」
みく「大移動も長くなってきたからそのへんの体制考えていかないとね。そう考えてみるとあれを一人で止めたヘレンさんって凄かったんだにゃあ」
ヘレン「フッ、当然のことよ」
晶葉「もう一度ヘレンが挑んではくれないのか?」
ヘレン「ライブパフォーマンスには時と言うものがあるわ。やみくもに続けていては飽きられ、聞き流されてしまう。このヘレンが次に彼の前に立つときは、すべての面であの時の自分を越えたダンサブルなヘレンでなくてはならない」
幸子「誰ですかこの訳知りな感じの人」
ヘレン「ヘレンよ!」
幸子「なるほどーってなんでたったそれだけで全て説明されたような気分になっちゃってるんですかボク!?」
18: ◆cgcCmk1QIM 21/04/02(金)11:05:46 ID:rShT
ほたる「とにかくとういうわけで幸子さんも」
幸子「わかりました! カワイイボクにお任せを!!」
みく「えっ」
幸子「つまりあのロボをどうにかするのにこのカワイイボクのカワイさが必要ってことですよね。任せておいてください。みなさんは高見の見物をしててくれれば結構!!」
晶葉「すごい自信だ……」
幸子「埼玉のプロダクションに迫り来るロボをなんとかするボク。ああ、なんてカワイイ……」
みく「とか言ってるけどどうするのにゃあ」
P「本人がやるって言ってるんだからやってもらおう。いざとなればみんなで助けに入ればいいんだし」
◇
19: ◆cgcCmk1QIM 21/04/02(金)11:07:13 ID:rShT
幸子1戦目「勝つに決まってますよ!」
幸子2戦目「ボクが負けるワケないです!」
幸子3戦目「いいかげんに勝ちますよ!」
幸子4戦目「勝負ですよ! いいですか!」
幸子5戦目「勝つに決まってます!」
幸子6戦目「負けるわけありませんよ!」
幸子7戦目「あしらってあげますよ!」
幸子8戦目「ボクが勝ちますから!」
幸子9戦目「ボクはカワイクて強いんです!」
幸子10戦目「身の程を知ってください!」
幸子11戦目「ボクの勝ちは絶対です!」
幸子12戦目「本気で行きますからね!」
◇
幸子「……っ勝ったああああああああ!!」
20: ◆cgcCmk1QIM 21/04/02(金)11:07:26 ID:rShT
P「すごい、本当に1人でロボの進路を逸らしてしまったぞ」
ほたる「何度うまくいかなくても挑み続けて、ついにやりとげてしまいました」
ヘレン「フッ、彼女もまた世界レベル……」
みく「みたところまだ中学生くらいなのに。さすがのみくもこのド根性には頭が下がるにゃあ」
幸子「当然ですよ。負けっぱなしのボクはカワイクないですからね。それに最初はあのロボの圧力でなかなか実力が出せませんでしたが、場数をふんで実力を発揮すればあんなロボ」
晶葉「そうか、確かにいきなりあんなロボの前に出されて実力を発揮するのは難しいな」
みく「まあみくもパニックになって何もできなかったしね」
ほたる「似たような感じで実力を出せずに潰された事務所もあるわけですから、対策が必要ではないでしょうか」
ヘレン「そうね。日本の全アイドルがぶっつけ本番のライブ対戦でも実力を発揮できるようになるべき時が来たのよ」
P「よし、全国の事務所に連絡してライブバトルを普及させて……」
幸子「あのー、もしもし? そういう話は置いといて健闘したボクをもっと称えてくれてもいいんですよ? もしもーし?」
21: ◆cgcCmk1QIM 21/04/02(金)11:07:38 ID:rShT
【鳥取県】
夢見りあむ「……というわけでロボ対策で全国普及したのがライブバトルなんだぞ?」
砂塚あきら「嘘松」
りあむ「ひどっ!? 聞かれたから答えたのに!?」
辻野あかり「りあむさんエイプリルフールだからって話作りすぎですよ。私がデビューした群馬ではそんな話聞いたことないんご」
りあむ「まあぼくの鳥取でも聞いたことないけどね? でもこれ関東では有名な話でね? ほらSNSに動画も」
あきら「いまどき動画なんてどうとでもできマスし。現代日本にこんなロボがあるはずが……」
(ズズーン……ズズーン……)
あきら「? 何この音」
りあむ「まさか……」
ほたる「うう、鳥取のみなさん。久しぶりの帰郷がこんなことになってしまって本当にすみません……」
みく「よーし、今度こそ止めるにゃあ! みんな覚悟はいーい!?」
アイドル軍団「「「「「「おー!!」」」」」」」
事務所ロボ(ズズーン……ズズーン……)
あかり「んごーーーーーー!?」
(おしまい)
22: ◆cgcCmk1QIM 21/04/02(金)11:13:13 ID:rShT
最後まで読んでくださりありがとうございました。
ヘレン初登場のシーンに恥ずかしいミスがあることに後で気が付きましたが後の祭り……
【モバマス】「#ところで#LIVEバトル#何」