1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/20(金) 01:53:38.42 ID:uxhsrqhB0
律「うるせえ!」
澪「お前こそうるさい!」
ゴツン
律「いたっ」
律「何故殴る」
澪「私の苦悩も知らないで!お前は!」
3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/20(金) 01:54:38.63 ID:uxhsrqhB0
律「梓のこと好きなんだろ、澪」
澪「うん」
律「梓、可愛いもんな」
澪「頑張り屋だし、しっかり者だし、素直だし」
律「澪にはお似合いだと思うよ」
澪「えへへ、ありがとう」
律「なのに、どうしてフっちゃったの?」
澪「聞きたい?」
律「気にはなるよ」
澪「でも教えない」
律「……梓、泣いてたぞ」
澪「知ってる」
律「私は澪がよく分からなくなったよ」
澪「私だって自分のことなんか分からないよ」
澪「分かるもんか!」
律「何怒ってるんだ」
律「梓は好きだけど付き合うのは嫌なの?」
澪「いやじゃないよ。付き合いたいよ」
律「だよなあ」
澪「デートしたい。梓と公園デートしたいな」
澪「え、梓お弁当作って来てくれたの?」
澪「当然ですよ!楽しみにしてた澪先輩とのデートですから!」
澪「かわいいなぁ梓は。ちゅーしてあげよう」
澪「だ、駄目ですよ澪先輩!こんなとこでっ」
澪「ふふっ。梓可愛い、大好きだよ」
澪「や、やだ!やめてぇ!澪先輩やめてええええ!」
律「本当にやめろ!」
澪「梓が好きで好きでどうにかなってしまいそうだ」
律「頭の天辺からXXXの奥まで余さずどうにかなってるよ」
澪「そんなわけで助けて律」
律「やだよ。お前が梓をフったりしなきゃ良かったんだろ」
澪「このままじゃ私も梓も死んじゃう」 メソメソ
律「死なない死なない」
澪「梓はまだ私のこと好きでいるのだろうか」
律「さーな。その内唯にでも取られちゃうかもよ」
澪「そんなの駄目だ!梓は私の物だ!」
律「じゃあ謝って告白してこい」
澪「恥ずかしい……」
律「じゃあどうするの?」
澪「梓がもう一度告白してくれるのを待つ」
律「いや、無いだろ」
澪「そうかな」
律「一度フられた相手にもう一度告白すると思うか?」
澪「うーん…無いよな」
律「やっと澪が少しまともになってきた」
澪「ごめんな律。殴ったりして」
律「うん。慣れてるよ」
律「とにかくお前は一度梓と話すべきだ」
澪「なんて」
律「この間は素直になれなくてごめん、本当は梓と付き合いたいって」
澪「私はいつも素直だ」
律「はいはい」
澪「でも話さなきゃ進展しないよな」
律「そうだよそうだよ」
澪「じゃ、明日梓と会って話すよ」
律「うん」
澪「だから…律も付き添いで来てくれ」
律「いやいやいや」
澪「駄目なのか?」
律「ダメに決まってるだろ。2人だけで話すべきだ」
澪「でも、緊張するよ」
律「そうかもしれないけどさ」
澪「ねえ律」
律「2人で話せ。梓だってそうしてほしいはずだ」
澪「分かった、分かったよ。でも、こっそり付いてきてくれ」
律「こっそりって」
澪「遠くで見守っててよ……そうすれば安心するからさ」
律「……いいけどさ」
澪「ありがとう」
翌日
澪「律、桜高行こう」
律「ああ、そろそろ部活始める頃だな」
澪「梓にハッキリ私の想いを伝えるんだ!」
律「気合入ってるな。応援してるよ」
澪「うん、ありがとう」
桜高
梓「今日も練習頑張ろうね」
菫「はーい」
ガチャ
律「久しぶりー!」
澪「こ、こんにちは」
憂「律さん!澪さん!」
梓「……!」
澪「あっ」
純「こんにちは澪先輩」
澪「ああ、こんにちは」
律「私には挨拶しないの?」
憂「1年の子、入ったんですよ」
菫「宜しくお願いします」
律「斎藤菫さんだっけ?唯から聞いてるよ」
澪「おかげで廃部にならずに済んだよ、ありがとう」
菫「あ、いえ、こちらこそ。軽音部のOGにお会いできて嬉しいです!」
梓「で、今日は何かご用ですか?」
澪「……」
律「ほら、澪」
澪「あ、梓にちょっと、話が……」
梓「……なんですか?」
澪「えっと…」
律「話しにくいことなら場所変えたら?」
澪「う、うん。梓、ちょっと来てくれる?」
梓「いいですけど」
澪「図書室、行こっか」
梓「はい」
憂「澪さんと梓ちゃん、何かあったんですか?」
律「いや、ちょっとな」
純「これは恋愛沙汰の匂いがプンプンするぞ」
憂「純ちゃん……」
律「まあ、あんまり詮索しないでやってくれ、私も図書室行ってくる」
憂「行っちゃったね」
純「うん」
菫「しかも梓先輩が……」
憂「終わるまで待ってようか」
菫「はい」
図書室前
律(澪、しっかりやれよ)
『梓……』
『…なんですか?』
『この前の…ことだけど』
『いいんです。もう』
『そっか。それならいいんだ』
律(よくないだろっ!)
『じゃなくて、私が駄目なの!』
『意味が分かりませんよ。澪先輩がフったのに』
『だからさ、確かにあの時は断っちゃったけど』
『……』
『やっぱりその……』
『……』
『……』
『……』
律(会話が途切れた)
律(仕方ない、助けてやるか)
ピポパポ
ヴーン ヴーン
澪「あっメール」
梓「……」
澪「携帯開いていいかな?」
梓「どうぞ」
──
まずは謝れ!
謝って本当の気持ちを伝えろ!
──
澪(律……)
澪「あ、梓」
梓「はい」
澪「あのさ、ごめん!」
梓「どうして謝るんですか?」
澪「いや、だってまずは謝れって」
梓「は?」
律(バカヤロウ!)
澪「あ、じゃなかった。その、フっちゃってごめん」
梓「そんな風に言われたら…余計惨めじゃないですか」
澪「いや、そんなこと無いぞ!梓は惨めじゃない!かっこいい!」
律(致命的にフォローが下手糞だコイツ)
澪「あのときはフっちゃったけど…その、私は梓を……」
梓「先輩……。先輩は私の事、好きじゃないんですよね」
澪「いや、何を言ってるんだ!私は梓が大好きだぞ!」
律(良く言った!)
梓「それは2年間一緒に軽音部やってきた仲間として、ですよね」
澪「うん、まあね」
律(本当に馬鹿野郎!)
梓「私は、そうじゃなくて……澪先輩と本気で付き合いたいなって」
梓「そう思ってたんです」
澪「思ってた?過去形?」
梓「はい。終わった恋をいつまでも引きずるのも馬鹿馬鹿しいですし」
律(おいおいマズいぞ澪!早く本音をぶちまけろ!)
澪「よく吹っ切れたな!流石だぞ梓!」
律(お前は何やってんだよ!?)
梓「……そんな言い方って無いですよ」
澪「え?ごめん」
梓「澪先輩はそんなこと言うために私に会いに来たんですか?」
澪「いや…そうじゃなくて……だから、その!」
律(イライラしてきた。またメールしてやるか)
ピポパポ
澪「あ、またメール……」
───
変なことばっかり言ってないで早く告白しろ!
───
澪(律……分かったよ)
澪「あ、梓ァ!!」
梓「はいっ!?」
律(行け!澪!)
澪「梓、私は!梓がっ!」
澪「梓が……す、す、す、」
梓「酢?」
澪「す、すっごく嫌い!」
梓「」
澪「です!」
梓「……」 ジワッ
梓「酷い……」
律「澪ォォォォォォォオオオオ!!」 ダッ
澪「うわぁっ」
梓「律先輩?なんで!?」
律「馬鹿澪!もう一度梓泣かしてどうすんだ!」
澪「そ、そんなこと言ったって……難しいんだからしょうがないだろ!」
律「何が難しいだ!お前ふざけてるのか?」
澪「私は真剣だ!」
律「嘘つけ!」
澪「律こそメール変なメールよこして!」
律「お前があまりにダメダメだから助け舟を出してやったんだろ」
梓「2人して……」
澪律「えっ?」
梓「2人で私をからかってたんですね……」
澪「えっ」
律「おい、それは違うぞ梓!」
梓「最低です」
梓「もう部活戻ります、さよなら」
タッタッタッタッタッタッ
律「あっ……あっ……」
澪「さすが梓。足音まで可愛い」
律「そんなこと言ってる場合じゃないだろ」
澪「うん」
律「はぁ」
澪「ごめん律」
律「許さん」
澪「律がくれたチャンスも無駄にして……しかもその律に当たったりして」
律「ホント何やってるの」
澪「分かんない」
律「もうちょっとだったのに」
澪「梓……」
律「本当に梓が好きなのかよ」
澪「そりゃそうだ。大好きだよ」
律「分からん」
澪「じゃあ教えてやるけど」
律「何を」
澪「梓とラブラブHAPPY ENDを望む私と」
澪「梓に嫌われるBAD ENDを望む私がいるんだ」
律「お前頭打ったの?」
澪「そんな言い方ないだろ?律には分からないか?こういう気持ち」
律「分からないね」
澪「恋をすれば分かるよ……フフッ」
律「もう助けてやんない」
澪「ごめん!嘘だよー助けてよ律ー!」
律「だから許さないってば」
澪「そんなこと言うなよー」
律「梓に告白したら許してやる」
澪「かっこいいこと言ったつもりか」
律「怒るぞ」
澪「てへぺろ」
澪「律の前に梓に許してもらわないとな……」
律「ちゃんと謝れよ」
澪「無理だよ」
律「無理無理言うなよ」
澪「私は律と違って良い子だから謝り慣れてないんだ」
律「梓に嫌われてしまえ」
澪「それを望む私もいるんだ」
律「ばーか」
純「ばーか」
憂「ばーか」
澪律「居たの?」
憂「梓ちゃん、泣きながら部室戻って来たから……」
純「律先輩が泣かしたんだ!」
澪「最低!」
律「泣かしたのはお前だ!」
澪「そして最低なのも私だ!」
律「ご最もだよ!」
憂「何があったんですか」
澪「知らないでばーかって言ったの?」
純「ごめんなさい」
律「澪が梓を2度もフったんだ」
澪「しかも2回目は告白されてないのにフったんだ!」
律「威張るな」
澪「威張ってない!」
純「澪先輩って梓のこと嫌いなんですか?」
澪「大好きだよ」
憂「うそ……」
律「うん、こればっかりは本当なんだよ」
澪「これが嘘だったら私の行動の全てが辻褄合うのにね」 ヘラヘラ
律「全くだよ!へらへらしやがって」
澪「もう一度梓に会いたい」
澪「会って気持ちを伝えたい!」
律「『嫌い』って?」
澪「そんなわけないだろ馬鹿!」
憂(情緒不安定だなぁ)
純「でも梓帰っちゃいましたよ。部室戻るなり」
憂「菫ちゃんが追いかけて行きましたけど」
純「多分追いかけるふりして帰りました」
律「駄目じゃん」
憂「梓ちゃん、相当ショックなはずですよ」
澪「本当に悪いことしたと思ってるよ」
澪「でもこれで良かったと思ってる私もいる」
律「ほんっと訳分かんないよ澪」
純「どんな形であれ、澪先輩が幸せならそれでいいですけどね」
澪「幸せになりたきゃ麻薬でもやってればいいんだ!」
律「お前こそジャンキーだ」
澪「軽々しく幸せが欲しいなんて言う奴は嫌いなんだよ」
純「ごっごめんなさい?」
律「今の澪には何一つ偉そうなこと言う資格無いからな。そもそも脈絡が無いよこの話」
澪「ああ、梓可愛い」
律「よく可愛い子にあんな酷いこと言えたもんだ」
澪「反省してるってば」
憂「あの、失礼なこと言うようですけど」
澪「何?」
憂「澪さんは梓ちゃんと付き合わない方がいいんじゃないかなって思うんです」
澪「あはははははははははははははは」
澪「もう一度言ってみろ」
憂「梓ちゃんに嫌われたがってる澪さんがいるなら」
憂「もし梓ちゃんと付き合えても、またその内ギクシャクしちゃうんじゃないかなって」
澪「それは、一理あるかも」
憂「梓ちゃんが傷つくようなら付き合わない方がいいかなって…ごめんなさい」
澪「一理あるって言ってるだろ!」
純「難しい話だなぁ」
澪「ごめんね」
律「でも澪、梓を諦められるのか?」
澪「嫌だ。諦められないよ」
律「だよね」
澪「梓が好きだ!死ぬほど好きだ!」
澪「死んでやる!」
律「じゃあみんな、そろそろ帰ろうか」
憂「はい。ありがとうございました」
律「いやいや、何もしてないけどさ」
澪「むしろ練習潰させちゃってごめんね」
憂(たまに普通の澪さんに戻る……)
純(やっぱ軽音部って面白いなぁ)
澪の部屋
律「行かなきゃ良かったな」
澪「そう?私は梓に会えて嬉しかったけど」
律「ポジティヴすぎて引く」
澪「私最近変かな」
律「変ってレベルじゃないよ」
澪「片想いって辛いな」
律「早く両想いになってもらいたいよ。私が疲れる」
澪「あ、でも梓は私の事好きなんだから既に両想いだよ」
律「さあ、今日から大嫌いになったかもな」
澪「いやだよー……」 グスン
律「怒ったり笑ったり泣いたり忙しいな」
澪「その点お前は暇人だな」
律「ぶん殴ってやる」
澪「そう言いつつ決して私を殴らないのが律の良いところだよ」
律「そんな感じでとっとと梓を口説いて来い」
澪「梓の前だと緊張するんだってば」
律「情けない澪」
澪「情けなくないもん!」
律「めんどくさい澪」
澪「それは認める」
澪「私はこれからどうすればいいんだろう」
律「今からメールで梓に謝れば?」
澪「うん。でも……」
律「怖いの?」
澪「もし無視されたら……」
律「そんな奴じゃないだろ梓は」
澪「状況が状況だし」
律「信じろよ、好きな子だろ」
澪「好きだから信じるっていうのは、何か違うだろ」
律「違わないよ。梓はお前を無視したりしない」
澪「それは信じてるんじゃないよ。ただ都合の良い未来を妄想してるだけだ」
律「めんどくさ」
澪「ごめん」
律「ホントに」
澪「でもメールするよ」
律(結局実行するところが余計めんどくさいんだよな)
澪「なんて送ろうかな……」
律「今日はごめんなさい。また今度ちゃんと話がしたいです」
澪「今度っていつだ!」
律「知るか!お前らで決めろ!」
澪「うふふ…『お前ら』か」
律「そこにカップルという意味合いは全く無いからな」
澪「持ち上げてから落とすなっ」
澪「送ったよ」
律「よくできました」
澪「からかうな」
唯「澪ちゃんやっほー」
澪「あっ」
律「唯」
唯「おー、りっちゃんも居る」
澪「どうしたの?」
唯「憂にね、澪ちゃんを励ましてあげてって言われたんだけど」
律「本当いい子だなぁ憂ちゃん」
澪「うん」
唯「澪ちゃん何かあったの?」
律「色々あるんだよ」
澪「まあいいじゃないかその話は。唯、今夜は遊ぼっか」
唯「いいねー!」
律「おっ?じゃあムギ呼んでくる!」
澪「うん!」
唯「澪ちゃん落ち込んでるのかと思ったら結構元気そうだね」
澪「唯が来てくれて元気になったのかな」
唯「そういう波動が出てるからね、私は」
唯「波動って何?」
澪「自分が言ったんじゃん」
紬「お邪魔しまーす」
律「ムギ連れてきたぜ!」
澪「みんな晩ご飯食べた?」
唯「まだだよー」
紬「私もまだ」
澪「じゃ、何か作るよ」
ヴーン ヴーン
律「澪、メール」
澪「……梓からだ」
律「ほら、やっぱり来たじゃん!早く読めよ」
澪「やだ……」
律「何で?」
澪「怖い」
紬「澪ちゃんどうしたの?」
唯「さあ?」
澪「やだよ、もし会いたくないって内容だったら……」
律「届いちゃったもんはしょうがないだろ」
澪「やだー」
律「澪!」
紬「じゃ、私読んでもいい?」
澪「えっ」
紬「澪ちゃんが読みたくないなら、私がメール読んであげる」
澪「……うん」
紬「じゃ、携帯借りるよ」 ニコッ
紬「『ごめんなさい。もう口も利きたくありません』」
唯「」
律「」
澪「」
紬「うそです」
律「嘘かい!」
唯「本当は何て書いてあるのー?」
紬「はい」
───
ごめんなさい。
もう顔も見たくありません。
───
律「ほぼ一緒じゃん!どっちかって言うとこっちのが酷い!!」
律「澪……」
澪「……」
澪「まあ五分五分ってとこだな」
律「えっ」
澪「梓と付き合いたがってる私は大ショックだけど」
澪「梓に嫌われたがってる私は大勝利だ!」
律「そろそろ考えを固めろ」
唯「澪ちゃんが怖い……」
紬「澪ちゃんと梓ちゃん、何かあったの?」
律「うーん、まあ」
澪「話すよ。別に秘密にすることじゃないよ」
唯「あずにゃんが澪ちゃんに告白して?」
紬「澪ちゃんが断って?」
唯「今日桜高に出向いて?」
紬「追い打ちをかけた?」
澪「そういうことだ」
律「……呆れるよな」
唯「ううん、そんなことないよ。私は澪ちゃん応援するよ」
紬「梓ちゃんだって本当は澪ちゃんと仲直りしたいはずよ」
澪「ありがとう」
澪「呆れてるのはお前だけだ馬鹿律!」
律「私が悪いみたいに言うな!」
律「澪の奴、梓のことになるとちょっとばかし感情がおかしくなるんだ」
澪「だれがキレる10代だ」
唯「恋は盲目って言うもんね」
澪「誰がスティーヴィー・ワンダーだ」
紬「青春してるわね澪ちゃん!」
澪「ははっ青春なんてそんなもんじゃ……」
澪「もんじゃ食べに行かない?」
律「お前自分で何か作ろうとしてたじゃん」
澪「そうだっけ?」
澪「とにかく梓に嫌われちゃったよ……」
紬「大丈夫よ澪ちゃん」
紬「さっきも言ったけど、きっと梓ちゃん寂しがってるわ」
澪「そうかなぁ?」
唯「あずにゃんが本当に澪ちゃんを嫌ったりするわけないよ」
律「そうだぞ澪。簡単に諦めるなよ」
澪「そうだな!梓は私にゾッコンだ!デキアイだ!そうに違いない!」
唯「立ち直り早いね」
律「いや、あれはああやって自分に言い聞かせてるんだよ。ほっといてやろう」
紬「自己暗示……」
律「澪、晩ご飯なら私が作ってやるよ」
澪「いいのか?」
律「おう。何食べたい?」
澪「梓」
律「ばーか」
唯「澪ちゃん、もう一度メールしてみなよ」
澪「えっ?でもなんて……」
紬「さっきは何て送ったの?」
澪「『さっきはごめんなさい。また今度話がしたいです』」
紬「じゃあ、『どうしても話したいことがあるから』とか」
唯「『今日のことは本当に悪いと思ってるよ。素直になれなかったんだ』とかね」
澪「うん!分かった」ポチポチ
澪「あっ」
唯「どうしたの?」
澪「『うん!分かった』って送っちゃった」
唯紬「」
律「適当に作ったよーん」
律「って澪?」
澪「あばばばばばばば」
律「どうしたのこの子」
紬「また自爆しちゃったみたい」
律「駄目だこりゃ」
唯「と、とりあえずご飯食べようよ。いただきまーす」
紬「りっちゃんのご飯美味しいものね!ほら、澪ちゃんも食べよ?」
澪「え~このたび。公営ギャンブルを、どぅのように廃止するか、という問題につきまして」
律「駄目だ、魂が抜けてる」
澪「先頭は予想通りホタルノヒカリ!期待のコウタローは大きく遅れて第10位というところであります!」
澪「各馬一団となって、ミオゴロー、アズサナカノ、ウンタンツムギジュンチャンユイタイナカ、ういうい」
唯「おいしいねりっちゃん!」
律「あはは、まあこのくらい余裕だぜ」
紬「澪ちゃん、食べないの?」
澪「あ……梓……」
紬「私梓ちゃんじゃないわよ」
澪「梓に食べさせてほしい」
紬「えっ」
澪「あーん」
紬「……」
澪「あーん」
紬「…はい」
ぱくっ
澪「美味しい!梓の料理は世界一だ!」
律「作ったのは私だ」
澪「いやいや、梓ならいいお嫁さんになれるよ」
澪「え?澪先輩のお嫁さんになりたいだって?」
唯「重症だね」
紬「恋の病ってレベルじゃないわよ」
律「医者に見せられないからタチが悪いよ」
澪「え?梓、お医者さんごっこがしたいの?」
澪「仕方ないな、しっかり診察してくれよ」
律「もうやだこの幼馴染」
唯「澪ちゃん!帰ってきて!現実に帰ってきて!」 ユサユサ
澪「はっ」
紬「お帰り」
澪「私は何を……」
律「ムギにあーんしてもらって私の料理を褒めて唯に揺さぶられてた」
澪「変な奴だなぁ」
律「本当にね」
律「なあ澪」
澪「なんだよ」
律「もうさ、私たちで梓に伝えてやろうか」
律「お前の気持ち」
澪「そんなこと……」
律「みんなで言えば信じてくれるよ」
紬「私や唯ちゃん、憂ちゃんも一緒に」
澪「そういうことじゃないよ」
唯「どういうこと?」
澪「もしそれで上手くいって梓と付き合えても、そんなの駄目だよ」
紬「駄目なの?」
澪「うん。価値が無いよ」
律「やっぱお前」
澪「めんどくさいよな」
澪「でもこればっかりは譲れないんだ」
唯「澪ちゃん」
澪「私自身が伝えないと駄目だから」
唯「そういうの、分かるよ」
紬「うん!やっぱり自分で伝えたいよね」
律「ま、澪だもんな」
澪「え?」
律「澪ってどうしようもなくロマンチストだもんな」
澪「そうかな?」
律「じゃなきゃあんな詩書けないって」
澪「馬鹿にしてるのかー?」
律「そんなことないよ」
唯「澪ちゃん頑張って」
紬「澪ちゃんの歌詞に出てくるような素敵な恋が成就するといいね」
澪「うん、ありがとう」
律(なんだかんだ、ちょっとずつ成長してるんだよな。澪も)
澪「そんな、ありがとうだなんて!澪先輩のためならこれくらい……」
澪「なんて健気なんだ梓!大好きだよ!」
澪「澪先輩…私も!」
澪「ちゅっ!」
唯「だいなし!」
律「澪、梓から返信は?」
澪「来てない……」
唯「寝ちゃったのかな」
紬「私梓ちゃんにメールしてみる」
澪「えっ?」
紬「ううん大丈夫。何でもないやりとりよ。起きてるかどうか確かめるだけ」
澪「ああ、そっか。頼むよ」
紬「軽音部のことでも話そうかな」 ポチポチ
紬「送信♪」
紬「あ、返信来ちゃった」
澪「あずさあああああああああどうしてええええええええ」
澪「わたしじゃなくムギを選んだああああああばばばば」
唯「澪ちゃんはもう寝た方がいいよ」
律「近所迷惑だしな」
翌日
律「おはよう澪」
澪「おはよ」
律「よく眠れたか?」
澪「うん、梓の夢を見たよ」
律「おー、どんな夢?」
澪「梓が私に向かって画鋲をバラ撒いてた……」
律「……」
澪「ま、まさか正夢!?」
律「それは絶対に無いからな」
律「澪、夕方になったら公園に行け」
澪「何でだよ」
律「梓を呼び出しておいた」
澪「はぁ!?」
律「梓と会って話せ。告白しろ」
澪「ば、馬鹿!そんな勝手に…心の準備がまだ全然」
律「知ってるよ。どうせいつまでも準備なんて整わないんだ、澪は」
澪「……」
律「腹くくるしかないでしょ」
澪「うん。ありがとう」
律「どーいたしまして」
澪「はぁ」
唯「あっ」
と言う間に夕方
澪「律…付いてきて」
律「言うと思った」
澪「だ、駄目か?」
律「いいよ。その代わり、今回は助けないぞ」
澪「分かってる」
律「リラックスしろよ」
澪「大丈夫、大丈夫」
律「まずはしっかり謝ること」
澪「うん。そうだよな」
澪「その後告白すればいいかな」
律「出来るのか?」
澪「自信無い……」
律「ま、他愛の無い話をしなよ」
澪「他愛の」
律「音楽の話とかさ、なんでもいいじゃん」
澪「…うん」
律「会話が弾むようになったら、後はグッと行けよ」
澪「うん」
律「出来そう?」
澪「多分。あのさ」
律「ん?」
澪「色々、ありがとな」
律「お礼を言う回数が増えたな、澪」
澪「そうかな?」
律「まだ終わったわけじゃないんだから」
澪「そうだよな」
律「今は梓のことだけ考えてろって」
澪「あ、ああ。ありがと」
律「また言った」
澪「うっ」
律「そろそろ梓来るぜ」
澪「あ、ああ」
律「私その辺に隠れてるから」
澪「うん」
律「しっかりやれよ!」
澪「う、うん」
─────
───
紬「あ、返信来ちゃった」
澪「あずさあああああああああ」
唯「澪ちゃんはもう寝た方がいいよ」
律「近所迷惑だしな」
澪「ぐすん…おやすみ」
唯「ねえムギちゃん」
紬「うん?」
唯「さっきあずにゃんにどんなメールしたの?」
紬「あのね……」
紬「澪ちゃん辛そうだから助けてあげてって」
紬「ちょっと変なこと言うかもしれないけど、澪ちゃんの心を察してあげてって」
唯「そしたらあずにゃん、何だって?」
紬「澪ちゃんに会いたいって」
唯「おー!こりゃ間違い無くミャクアリだよ!」
律「そうなんだよ。澪一人で勝手に落ち込んだりハイになったり馬鹿になったりしてるだけなんだ」
唯「ねえねえ!じゃあ明日澪ちゃんとあずにゃんが会う約束取りつけちゃおうよ」
紬「勝手にそんなことしていいのかな?澪ちゃん寝ちゃってるよ」
澪「すー……あず…さ……」
律「寝言言ってる」
唯「澪ちゃんだって今すぐあずにゃんに会いたいはずだよ!」
紬「そうよね。夢の中でも梓ちゃんのこと考えてるくらいだもんね」
律「じゃ、会わせちゃうか」
唯「うん!」
澪「うーん…梓ぁ、画鋲はやめろ~」
澪「刺さるよ~……すやすや」
──
────
梓「澪、先輩」
澪「うわあっあ、梓!」
梓「そんなに驚かないでくださいよ」
澪「ああ、ごめんっ」
梓「そこのベンチ、座りましょっか」
澪「う、うん」
律(澪…リラックスだぞリラックス!)
澪「あの……」
梓「はい」
澪「昨日はごめん!ごめんなさい!」
梓「あっ」
澪「梓に酷いこと言って」
梓「いえ。私も急に帰っちゃったりして……ごめんなさい」
澪「梓と仲直りしたくて…」
梓「はい。私も澪先輩と仲直りしたいです」
澪「あ…梓……」
梓「もう、仲直りですね」
澪「う、うん。仲直りできたね」
律(澪!よく謝れたな)
梓「元通りの仲の良い澪先輩と私です」
澪「そうだね」
澪(そうだ、他愛の無い話……音楽の話題がいいかな!)
澪「あのさ、梓」
梓「はい」
澪「ガセネタっていうバンド知ってる?」
律(女子大生と女子高生が聴くバンドじゃない!)
梓「はい!好きです!」
澪「ホントに?」
律(知ってるのかよ!しかも好きなのかよ!)
律(ま、会話になるならなんでもいっか……)
梓「あはははっ」
澪「おかしいよな!」
梓「ですよね、父ちゃんのポーって何なんでしょうか?」
澪「映画観れば分かるのかな?」
梓「さー、どうでしょう」
澪「ははは……。あ、梓?」
梓「なんですか?」
澪「あのさ、梓」
澪「この前、告白してくれただろ?」
梓「……」
梓「はい」
澪「凄く嬉しかったよ」
梓「……」
澪「私も、梓のこと、すっ好きだから」
澪「好きって、色々あるけど」
澪「私も、前からずっと。ずっと梓と…その……」
律(頑張れ澪!)
澪「梓と付き合いたいって思ってた」
澪「だから今度は私から言わせてくれ……」
澪「梓、好きだ」
澪「私と、私と付き合って!」
梓「……」
澪「……」
梓「澪先輩」 ギュッ
澪「あっ」
梓「もう、だったらどうして私が告白したとき断ったんですか?」
澪「なんだろ……あのときは」
梓「好きじゃなかったんですか?」
澪「えぇ?いや、そんなことないよ」
澪「よく分からないけど、梓をフりたかったんだ」
澪「もっとハッキリ言えば、梓にフられたかった」
梓「はぁ」
澪「意味分からないよな」
梓「いえ。分かりますよ」
澪「えっ」
梓「分かります」
梓「破滅願望みたいな、そういうものですよね」
澪「私もよく説明できないんだけど」
梓「きっと、そうだと思いますよ」
澪「梓……」
梓「私も、あるんです」
梓「このまま良い結果が出せるのに、良い未来が待ってるのに」
梓「あえて、それを避けると言うか、切り捨てちゃうんですよね。何一つ得しないっていうのに」
澪「あ、ああ」
梓「すごく分かりますよ。そういう変な気持ち」
澪「そっか、梓もそういうことあるのか。私が特別おかしいのかと思ってた」
梓「澪先輩」
梓「返事がまだでしたね」
澪「う、うん」
梓「澪先輩とは、付き合えません」
澪「……えっ」
梓「澪先輩のこと大好きです」
梓「でも……いえ、だからこそ、澪先輩とは付き合いません」
澪「あ、あずさ?」
梓「私のこと恨んでください!」
澪「意味が分からないよっ」
梓「分からないはずないでしょ。先輩と同じなんですから」
澪「梓……」
梓「さよなら。大好きな澪先輩」
タッタッタッタッタッタ
澪「」
ぽか~ん
律「み、みお~?」
澪「……」
律「あ、全部、見てた。聞いてたよ」
澪「律……」
律「その、なんて言えば分からないけどさ」
律「世の中色々…」
澪「ふふふっ」
律「澪?」
澪「梓も私と同じだったのか」
律「みおさーん?」
澪「そうだったのか梓!」
澪「それならそうともっと早く言ってくれればいいのに~」
律「おい澪ってば」
澪「さっそく梓を追いかけるぞ律!」
律「はぁ?」
澪「梓は私のことが好きだ!」
澪「私だって梓が好きだ!」
澪「それにしてもさっき走り去るときの足音も可愛かったな!」
澪「うふふふっ梓っ♪愛いやつ愛いやつ!」
ダダダダダダダダッ
律「あぁ……これからも疲れる日が続きそうだ」
律「あ、画鋲落ちてる」
おわり
元スレ
律「梓のこと好きなんだろ、澪」
澪「うん」
律「梓、可愛いもんな」
澪「頑張り屋だし、しっかり者だし、素直だし」
律「澪にはお似合いだと思うよ」
澪「えへへ、ありがとう」
律「なのに、どうしてフっちゃったの?」
5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/20(金) 01:55:32.28 ID:uxhsrqhB0
澪「聞きたい?」
律「気にはなるよ」
澪「でも教えない」
律「……梓、泣いてたぞ」
澪「知ってる」
律「私は澪がよく分からなくなったよ」
澪「私だって自分のことなんか分からないよ」
澪「分かるもんか!」
律「何怒ってるんだ」
6: 忍法帖【Lv=1,xxxP】 2011/05/20(金) 02:00:15.33 ID:uxhsrqhB0
律「梓は好きだけど付き合うのは嫌なの?」
澪「いやじゃないよ。付き合いたいよ」
律「だよなあ」
澪「デートしたい。梓と公園デートしたいな」
澪「え、梓お弁当作って来てくれたの?」
澪「当然ですよ!楽しみにしてた澪先輩とのデートですから!」
澪「かわいいなぁ梓は。ちゅーしてあげよう」
澪「だ、駄目ですよ澪先輩!こんなとこでっ」
澪「ふふっ。梓可愛い、大好きだよ」
澪「や、やだ!やめてぇ!澪先輩やめてええええ!」
律「本当にやめろ!」
7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/20(金) 02:02:17.69 ID:uxhsrqhB0
澪「梓が好きで好きでどうにかなってしまいそうだ」
律「頭の天辺からXXXの奥まで余さずどうにかなってるよ」
澪「そんなわけで助けて律」
律「やだよ。お前が梓をフったりしなきゃ良かったんだろ」
澪「このままじゃ私も梓も死んじゃう」 メソメソ
律「死なない死なない」
澪「梓はまだ私のこと好きでいるのだろうか」
律「さーな。その内唯にでも取られちゃうかもよ」
澪「そんなの駄目だ!梓は私の物だ!」
8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/20(金) 02:04:19.74 ID:uxhsrqhB0
律「じゃあ謝って告白してこい」
澪「恥ずかしい……」
律「じゃあどうするの?」
澪「梓がもう一度告白してくれるのを待つ」
律「いや、無いだろ」
澪「そうかな」
律「一度フられた相手にもう一度告白すると思うか?」
澪「うーん…無いよな」
律「やっと澪が少しまともになってきた」
澪「ごめんな律。殴ったりして」
律「うん。慣れてるよ」
11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/20(金) 02:06:21.42 ID:uxhsrqhB0
律「とにかくお前は一度梓と話すべきだ」
澪「なんて」
律「この間は素直になれなくてごめん、本当は梓と付き合いたいって」
澪「私はいつも素直だ」
律「はいはい」
澪「でも話さなきゃ進展しないよな」
律「そうだよそうだよ」
澪「じゃ、明日梓と会って話すよ」
律「うん」
澪「だから…律も付き添いで来てくれ」
律「いやいやいや」
15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/20(金) 02:09:34.56 ID:uxhsrqhB0
澪「駄目なのか?」
律「ダメに決まってるだろ。2人だけで話すべきだ」
澪「でも、緊張するよ」
律「そうかもしれないけどさ」
澪「ねえ律」
律「2人で話せ。梓だってそうしてほしいはずだ」
澪「分かった、分かったよ。でも、こっそり付いてきてくれ」
律「こっそりって」
澪「遠くで見守っててよ……そうすれば安心するからさ」
律「……いいけどさ」
澪「ありがとう」
16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/20(金) 02:11:54.12 ID:uxhsrqhB0
翌日
澪「律、桜高行こう」
律「ああ、そろそろ部活始める頃だな」
澪「梓にハッキリ私の想いを伝えるんだ!」
律「気合入ってるな。応援してるよ」
澪「うん、ありがとう」
桜高
梓「今日も練習頑張ろうね」
菫「はーい」
ガチャ
律「久しぶりー!」
澪「こ、こんにちは」
憂「律さん!澪さん!」
梓「……!」
澪「あっ」
19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/20(金) 02:13:36.80 ID:uxhsrqhB0
純「こんにちは澪先輩」
澪「ああ、こんにちは」
律「私には挨拶しないの?」
憂「1年の子、入ったんですよ」
菫「宜しくお願いします」
律「斎藤菫さんだっけ?唯から聞いてるよ」
澪「おかげで廃部にならずに済んだよ、ありがとう」
菫「あ、いえ、こちらこそ。軽音部のOGにお会いできて嬉しいです!」
梓「で、今日は何かご用ですか?」
澪「……」
律「ほら、澪」
20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/20(金) 02:15:05.12 ID:uxhsrqhB0
澪「あ、梓にちょっと、話が……」
梓「……なんですか?」
澪「えっと…」
律「話しにくいことなら場所変えたら?」
澪「う、うん。梓、ちょっと来てくれる?」
梓「いいですけど」
澪「図書室、行こっか」
梓「はい」
憂「澪さんと梓ちゃん、何かあったんですか?」
律「いや、ちょっとな」
純「これは恋愛沙汰の匂いがプンプンするぞ」
憂「純ちゃん……」
律「まあ、あんまり詮索しないでやってくれ、私も図書室行ってくる」
21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/20(金) 02:16:42.75 ID:uxhsrqhB0
憂「行っちゃったね」
純「うん」
菫「しかも梓先輩が……」
憂「終わるまで待ってようか」
菫「はい」
図書室前
律(澪、しっかりやれよ)
『梓……』
『…なんですか?』
『この前の…ことだけど』
『いいんです。もう』
『そっか。それならいいんだ』
律(よくないだろっ!)
22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/20(金) 02:18:08.50 ID:uxhsrqhB0
『じゃなくて、私が駄目なの!』
『意味が分かりませんよ。澪先輩がフったのに』
『だからさ、確かにあの時は断っちゃったけど』
『……』
『やっぱりその……』
『……』
『……』
『……』
律(会話が途切れた)
律(仕方ない、助けてやるか)
ピポパポ
23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/20(金) 02:19:49.98 ID:uxhsrqhB0
ヴーン ヴーン
澪「あっメール」
梓「……」
澪「携帯開いていいかな?」
梓「どうぞ」
──
まずは謝れ!
謝って本当の気持ちを伝えろ!
──
澪(律……)
澪「あ、梓」
梓「はい」
澪「あのさ、ごめん!」
梓「どうして謝るんですか?」
澪「いや、だってまずは謝れって」
梓「は?」
律(バカヤロウ!)
25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/20(金) 02:21:29.57 ID:uxhsrqhB0
澪「あ、じゃなかった。その、フっちゃってごめん」
梓「そんな風に言われたら…余計惨めじゃないですか」
澪「いや、そんなこと無いぞ!梓は惨めじゃない!かっこいい!」
律(致命的にフォローが下手糞だコイツ)
澪「あのときはフっちゃったけど…その、私は梓を……」
梓「先輩……。先輩は私の事、好きじゃないんですよね」
澪「いや、何を言ってるんだ!私は梓が大好きだぞ!」
律(良く言った!)
梓「それは2年間一緒に軽音部やってきた仲間として、ですよね」
澪「うん、まあね」
律(本当に馬鹿野郎!)
26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/20(金) 02:23:19.42 ID:uxhsrqhB0
梓「私は、そうじゃなくて……澪先輩と本気で付き合いたいなって」
梓「そう思ってたんです」
澪「思ってた?過去形?」
梓「はい。終わった恋をいつまでも引きずるのも馬鹿馬鹿しいですし」
律(おいおいマズいぞ澪!早く本音をぶちまけろ!)
澪「よく吹っ切れたな!流石だぞ梓!」
律(お前は何やってんだよ!?)
梓「……そんな言い方って無いですよ」
澪「え?ごめん」
梓「澪先輩はそんなこと言うために私に会いに来たんですか?」
澪「いや…そうじゃなくて……だから、その!」
律(イライラしてきた。またメールしてやるか)
ピポパポ
27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/20(金) 02:24:39.45 ID:uxhsrqhB0
澪「あ、またメール……」
───
変なことばっかり言ってないで早く告白しろ!
───
澪(律……分かったよ)
澪「あ、梓ァ!!」
梓「はいっ!?」
律(行け!澪!)
28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/20(金) 02:25:52.75 ID:uxhsrqhB0
澪「梓、私は!梓がっ!」
澪「梓が……す、す、す、」
梓「酢?」
澪「す、すっごく嫌い!」
梓「」
澪「です!」
梓「……」 ジワッ
梓「酷い……」
律「澪ォォォォォォォオオオオ!!」 ダッ
澪「うわぁっ」
梓「律先輩?なんで!?」
29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/20(金) 02:27:47.66 ID:uxhsrqhB0
律「馬鹿澪!もう一度梓泣かしてどうすんだ!」
澪「そ、そんなこと言ったって……難しいんだからしょうがないだろ!」
律「何が難しいだ!お前ふざけてるのか?」
澪「私は真剣だ!」
律「嘘つけ!」
澪「律こそメール変なメールよこして!」
律「お前があまりにダメダメだから助け舟を出してやったんだろ」
梓「2人して……」
澪律「えっ?」
梓「2人で私をからかってたんですね……」
澪「えっ」
律「おい、それは違うぞ梓!」
梓「最低です」
梓「もう部活戻ります、さよなら」
タッタッタッタッタッタッ
30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/20(金) 02:29:04.23 ID:uxhsrqhB0
律「あっ……あっ……」
澪「さすが梓。足音まで可愛い」
律「そんなこと言ってる場合じゃないだろ」
澪「うん」
律「はぁ」
澪「ごめん律」
律「許さん」
澪「律がくれたチャンスも無駄にして……しかもその律に当たったりして」
律「ホント何やってるの」
澪「分かんない」
律「もうちょっとだったのに」
32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/20(金) 02:30:11.39 ID:uxhsrqhB0
澪「梓……」
律「本当に梓が好きなのかよ」
澪「そりゃそうだ。大好きだよ」
律「分からん」
澪「じゃあ教えてやるけど」
律「何を」
澪「梓とラブラブHAPPY ENDを望む私と」
澪「梓に嫌われるBAD ENDを望む私がいるんだ」
律「お前頭打ったの?」
澪「そんな言い方ないだろ?律には分からないか?こういう気持ち」
律「分からないね」
澪「恋をすれば分かるよ……フフッ」
律「もう助けてやんない」
33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/20(金) 02:31:12.92 ID:uxhsrqhB0
澪「ごめん!嘘だよー助けてよ律ー!」
律「だから許さないってば」
澪「そんなこと言うなよー」
律「梓に告白したら許してやる」
澪「かっこいいこと言ったつもりか」
律「怒るぞ」
澪「てへぺろ」
34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/20(金) 02:32:16.17 ID:uxhsrqhB0
澪「律の前に梓に許してもらわないとな……」
律「ちゃんと謝れよ」
澪「無理だよ」
律「無理無理言うなよ」
澪「私は律と違って良い子だから謝り慣れてないんだ」
律「梓に嫌われてしまえ」
澪「それを望む私もいるんだ」
律「ばーか」
純「ばーか」
憂「ばーか」
澪律「居たの?」
35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/20(金) 02:33:31.42 ID:uxhsrqhB0
憂「梓ちゃん、泣きながら部室戻って来たから……」
純「律先輩が泣かしたんだ!」
澪「最低!」
律「泣かしたのはお前だ!」
澪「そして最低なのも私だ!」
律「ご最もだよ!」
憂「何があったんですか」
澪「知らないでばーかって言ったの?」
純「ごめんなさい」
36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/20(金) 02:34:37.22 ID:uxhsrqhB0
律「澪が梓を2度もフったんだ」
澪「しかも2回目は告白されてないのにフったんだ!」
律「威張るな」
澪「威張ってない!」
純「澪先輩って梓のこと嫌いなんですか?」
澪「大好きだよ」
憂「うそ……」
律「うん、こればっかりは本当なんだよ」
澪「これが嘘だったら私の行動の全てが辻褄合うのにね」 ヘラヘラ
律「全くだよ!へらへらしやがって」
37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/20(金) 02:36:08.86 ID:uxhsrqhB0
澪「もう一度梓に会いたい」
澪「会って気持ちを伝えたい!」
律「『嫌い』って?」
澪「そんなわけないだろ馬鹿!」
憂(情緒不安定だなぁ)
純「でも梓帰っちゃいましたよ。部室戻るなり」
憂「菫ちゃんが追いかけて行きましたけど」
純「多分追いかけるふりして帰りました」
律「駄目じゃん」
40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/20(金) 02:37:51.17 ID:uxhsrqhB0
憂「梓ちゃん、相当ショックなはずですよ」
澪「本当に悪いことしたと思ってるよ」
澪「でもこれで良かったと思ってる私もいる」
律「ほんっと訳分かんないよ澪」
純「どんな形であれ、澪先輩が幸せならそれでいいですけどね」
澪「幸せになりたきゃ麻薬でもやってればいいんだ!」
律「お前こそジャンキーだ」
澪「軽々しく幸せが欲しいなんて言う奴は嫌いなんだよ」
純「ごっごめんなさい?」
律「今の澪には何一つ偉そうなこと言う資格無いからな。そもそも脈絡が無いよこの話」
41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/20(金) 02:39:57.84 ID:uxhsrqhB0
澪「ああ、梓可愛い」
律「よく可愛い子にあんな酷いこと言えたもんだ」
澪「反省してるってば」
憂「あの、失礼なこと言うようですけど」
澪「何?」
憂「澪さんは梓ちゃんと付き合わない方がいいんじゃないかなって思うんです」
澪「あはははははははははははははは」
澪「もう一度言ってみろ」
憂「梓ちゃんに嫌われたがってる澪さんがいるなら」
憂「もし梓ちゃんと付き合えても、またその内ギクシャクしちゃうんじゃないかなって」
澪「それは、一理あるかも」
憂「梓ちゃんが傷つくようなら付き合わない方がいいかなって…ごめんなさい」
澪「一理あるって言ってるだろ!」
43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/20(金) 02:41:28.28 ID:uxhsrqhB0
純「難しい話だなぁ」
澪「ごめんね」
律「でも澪、梓を諦められるのか?」
澪「嫌だ。諦められないよ」
律「だよね」
澪「梓が好きだ!死ぬほど好きだ!」
澪「死んでやる!」
律「じゃあみんな、そろそろ帰ろうか」
憂「はい。ありがとうございました」
律「いやいや、何もしてないけどさ」
澪「むしろ練習潰させちゃってごめんね」
憂(たまに普通の澪さんに戻る……)
純(やっぱ軽音部って面白いなぁ)
44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/20(金) 02:42:37.34 ID:uxhsrqhB0
澪の部屋
律「行かなきゃ良かったな」
澪「そう?私は梓に会えて嬉しかったけど」
律「ポジティヴすぎて引く」
澪「私最近変かな」
律「変ってレベルじゃないよ」
澪「片想いって辛いな」
律「早く両想いになってもらいたいよ。私が疲れる」
澪「あ、でも梓は私の事好きなんだから既に両想いだよ」
律「さあ、今日から大嫌いになったかもな」
澪「いやだよー……」 グスン
46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/20(金) 02:43:38.40 ID:uxhsrqhB0
律「怒ったり笑ったり泣いたり忙しいな」
澪「その点お前は暇人だな」
律「ぶん殴ってやる」
澪「そう言いつつ決して私を殴らないのが律の良いところだよ」
律「そんな感じでとっとと梓を口説いて来い」
澪「梓の前だと緊張するんだってば」
律「情けない澪」
澪「情けなくないもん!」
律「めんどくさい澪」
澪「それは認める」
47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/20(金) 02:45:09.85 ID:uxhsrqhB0
澪「私はこれからどうすればいいんだろう」
律「今からメールで梓に謝れば?」
澪「うん。でも……」
律「怖いの?」
澪「もし無視されたら……」
律「そんな奴じゃないだろ梓は」
澪「状況が状況だし」
律「信じろよ、好きな子だろ」
澪「好きだから信じるっていうのは、何か違うだろ」
律「違わないよ。梓はお前を無視したりしない」
澪「それは信じてるんじゃないよ。ただ都合の良い未来を妄想してるだけだ」
律「めんどくさ」
48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/20(金) 02:46:23.58 ID:uxhsrqhB0
澪「ごめん」
律「ホントに」
澪「でもメールするよ」
律(結局実行するところが余計めんどくさいんだよな)
澪「なんて送ろうかな……」
律「今日はごめんなさい。また今度ちゃんと話がしたいです」
澪「今度っていつだ!」
律「知るか!お前らで決めろ!」
澪「うふふ…『お前ら』か」
律「そこにカップルという意味合いは全く無いからな」
澪「持ち上げてから落とすなっ」
49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/20(金) 02:47:26.24 ID:uxhsrqhB0
澪「送ったよ」
律「よくできました」
澪「からかうな」
唯「澪ちゃんやっほー」
澪「あっ」
律「唯」
唯「おー、りっちゃんも居る」
澪「どうしたの?」
唯「憂にね、澪ちゃんを励ましてあげてって言われたんだけど」
律「本当いい子だなぁ憂ちゃん」
澪「うん」
50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/20(金) 02:51:27.77 ID:uxhsrqhB0
唯「澪ちゃん何かあったの?」
律「色々あるんだよ」
澪「まあいいじゃないかその話は。唯、今夜は遊ぼっか」
唯「いいねー!」
律「おっ?じゃあムギ呼んでくる!」
澪「うん!」
唯「澪ちゃん落ち込んでるのかと思ったら結構元気そうだね」
澪「唯が来てくれて元気になったのかな」
唯「そういう波動が出てるからね、私は」
唯「波動って何?」
澪「自分が言ったんじゃん」
51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/20(金) 02:53:29.70 ID:uxhsrqhB0
紬「お邪魔しまーす」
律「ムギ連れてきたぜ!」
澪「みんな晩ご飯食べた?」
唯「まだだよー」
紬「私もまだ」
澪「じゃ、何か作るよ」
ヴーン ヴーン
律「澪、メール」
澪「……梓からだ」
律「ほら、やっぱり来たじゃん!早く読めよ」
澪「やだ……」
律「何で?」
澪「怖い」
53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/20(金) 02:55:31.37 ID:uxhsrqhB0
紬「澪ちゃんどうしたの?」
唯「さあ?」
澪「やだよ、もし会いたくないって内容だったら……」
律「届いちゃったもんはしょうがないだろ」
澪「やだー」
律「澪!」
紬「じゃ、私読んでもいい?」
澪「えっ」
紬「澪ちゃんが読みたくないなら、私がメール読んであげる」
澪「……うん」
紬「じゃ、携帯借りるよ」 ニコッ
54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/20(金) 02:58:10.54 ID:uxhsrqhB0
紬「『ごめんなさい。もう口も利きたくありません』」
唯「」
律「」
澪「」
紬「うそです」
律「嘘かい!」
唯「本当は何て書いてあるのー?」
紬「はい」
───
ごめんなさい。
もう顔も見たくありません。
───
律「ほぼ一緒じゃん!どっちかって言うとこっちのが酷い!!」
56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/20(金) 03:00:13.23 ID:uxhsrqhB0
律「澪……」
澪「……」
澪「まあ五分五分ってとこだな」
律「えっ」
澪「梓と付き合いたがってる私は大ショックだけど」
澪「梓に嫌われたがってる私は大勝利だ!」
律「そろそろ考えを固めろ」
唯「澪ちゃんが怖い……」
紬「澪ちゃんと梓ちゃん、何かあったの?」
律「うーん、まあ」
澪「話すよ。別に秘密にすることじゃないよ」
57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/20(金) 03:02:14.46 ID:uxhsrqhB0
唯「あずにゃんが澪ちゃんに告白して?」
紬「澪ちゃんが断って?」
唯「今日桜高に出向いて?」
紬「追い打ちをかけた?」
澪「そういうことだ」
律「……呆れるよな」
唯「ううん、そんなことないよ。私は澪ちゃん応援するよ」
紬「梓ちゃんだって本当は澪ちゃんと仲直りしたいはずよ」
澪「ありがとう」
澪「呆れてるのはお前だけだ馬鹿律!」
律「私が悪いみたいに言うな!」
59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/20(金) 03:04:16.06 ID:uxhsrqhB0
律「澪の奴、梓のことになるとちょっとばかし感情がおかしくなるんだ」
澪「だれがキレる10代だ」
唯「恋は盲目って言うもんね」
澪「誰がスティーヴィー・ワンダーだ」
紬「青春してるわね澪ちゃん!」
澪「ははっ青春なんてそんなもんじゃ……」
澪「もんじゃ食べに行かない?」
律「お前自分で何か作ろうとしてたじゃん」
澪「そうだっけ?」
澪「とにかく梓に嫌われちゃったよ……」
紬「大丈夫よ澪ちゃん」
紬「さっきも言ったけど、きっと梓ちゃん寂しがってるわ」
60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/20(金) 03:06:19.12 ID:uxhsrqhB0
澪「そうかなぁ?」
唯「あずにゃんが本当に澪ちゃんを嫌ったりするわけないよ」
律「そうだぞ澪。簡単に諦めるなよ」
澪「そうだな!梓は私にゾッコンだ!デキアイだ!そうに違いない!」
唯「立ち直り早いね」
律「いや、あれはああやって自分に言い聞かせてるんだよ。ほっといてやろう」
紬「自己暗示……」
律「澪、晩ご飯なら私が作ってやるよ」
澪「いいのか?」
律「おう。何食べたい?」
澪「梓」
律「ばーか」
62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/20(金) 03:08:21.32 ID:uxhsrqhB0
唯「澪ちゃん、もう一度メールしてみなよ」
澪「えっ?でもなんて……」
紬「さっきは何て送ったの?」
澪「『さっきはごめんなさい。また今度話がしたいです』」
紬「じゃあ、『どうしても話したいことがあるから』とか」
唯「『今日のことは本当に悪いと思ってるよ。素直になれなかったんだ』とかね」
澪「うん!分かった」ポチポチ
澪「あっ」
唯「どうしたの?」
澪「『うん!分かった』って送っちゃった」
唯紬「」
64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/20(金) 03:10:44.17 ID:uxhsrqhB0
律「適当に作ったよーん」
律「って澪?」
澪「あばばばばばばば」
律「どうしたのこの子」
紬「また自爆しちゃったみたい」
律「駄目だこりゃ」
唯「と、とりあえずご飯食べようよ。いただきまーす」
紬「りっちゃんのご飯美味しいものね!ほら、澪ちゃんも食べよ?」
澪「え~このたび。公営ギャンブルを、どぅのように廃止するか、という問題につきまして」
律「駄目だ、魂が抜けてる」
澪「先頭は予想通りホタルノヒカリ!期待のコウタローは大きく遅れて第10位というところであります!」
澪「各馬一団となって、ミオゴロー、アズサナカノ、ウンタンツムギジュンチャンユイタイナカ、ういうい」
66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/20(金) 03:13:03.08 ID:uxhsrqhB0
唯「おいしいねりっちゃん!」
律「あはは、まあこのくらい余裕だぜ」
紬「澪ちゃん、食べないの?」
澪「あ……梓……」
紬「私梓ちゃんじゃないわよ」
澪「梓に食べさせてほしい」
紬「えっ」
澪「あーん」
紬「……」
澪「あーん」
紬「…はい」
ぱくっ
澪「美味しい!梓の料理は世界一だ!」
律「作ったのは私だ」
澪「いやいや、梓ならいいお嫁さんになれるよ」
澪「え?澪先輩のお嫁さんになりたいだって?」
68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/20(金) 03:15:10.49 ID:uxhsrqhB0
唯「重症だね」
紬「恋の病ってレベルじゃないわよ」
律「医者に見せられないからタチが悪いよ」
澪「え?梓、お医者さんごっこがしたいの?」
澪「仕方ないな、しっかり診察してくれよ」
律「もうやだこの幼馴染」
唯「澪ちゃん!帰ってきて!現実に帰ってきて!」 ユサユサ
澪「はっ」
紬「お帰り」
澪「私は何を……」
律「ムギにあーんしてもらって私の料理を褒めて唯に揺さぶられてた」
澪「変な奴だなぁ」
律「本当にね」
71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/20(金) 03:17:25.29 ID:uxhsrqhB0
律「なあ澪」
澪「なんだよ」
律「もうさ、私たちで梓に伝えてやろうか」
律「お前の気持ち」
澪「そんなこと……」
律「みんなで言えば信じてくれるよ」
紬「私や唯ちゃん、憂ちゃんも一緒に」
澪「そういうことじゃないよ」
唯「どういうこと?」
澪「もしそれで上手くいって梓と付き合えても、そんなの駄目だよ」
紬「駄目なの?」
澪「うん。価値が無いよ」
律「やっぱお前」
澪「めんどくさいよな」
72: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/20(金) 03:19:30.53 ID:uxhsrqhB0
澪「でもこればっかりは譲れないんだ」
唯「澪ちゃん」
澪「私自身が伝えないと駄目だから」
唯「そういうの、分かるよ」
紬「うん!やっぱり自分で伝えたいよね」
律「ま、澪だもんな」
澪「え?」
律「澪ってどうしようもなくロマンチストだもんな」
澪「そうかな?」
律「じゃなきゃあんな詩書けないって」
澪「馬鹿にしてるのかー?」
律「そんなことないよ」
73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/20(金) 03:21:48.40 ID:uxhsrqhB0
唯「澪ちゃん頑張って」
紬「澪ちゃんの歌詞に出てくるような素敵な恋が成就するといいね」
澪「うん、ありがとう」
律(なんだかんだ、ちょっとずつ成長してるんだよな。澪も)
澪「そんな、ありがとうだなんて!澪先輩のためならこれくらい……」
澪「なんて健気なんだ梓!大好きだよ!」
澪「澪先輩…私も!」
澪「ちゅっ!」
唯「だいなし!」
75: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/20(金) 03:24:04.01 ID:uxhsrqhB0
律「澪、梓から返信は?」
澪「来てない……」
唯「寝ちゃったのかな」
紬「私梓ちゃんにメールしてみる」
澪「えっ?」
紬「ううん大丈夫。何でもないやりとりよ。起きてるかどうか確かめるだけ」
澪「ああ、そっか。頼むよ」
紬「軽音部のことでも話そうかな」 ポチポチ
紬「送信♪」
紬「あ、返信来ちゃった」
澪「あずさあああああああああどうしてええええええええ」
澪「わたしじゃなくムギを選んだああああああばばばば」
唯「澪ちゃんはもう寝た方がいいよ」
律「近所迷惑だしな」
76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/20(金) 03:26:06.06 ID:uxhsrqhB0
翌日
律「おはよう澪」
澪「おはよ」
律「よく眠れたか?」
澪「うん、梓の夢を見たよ」
律「おー、どんな夢?」
澪「梓が私に向かって画鋲をバラ撒いてた……」
律「……」
澪「ま、まさか正夢!?」
律「それは絶対に無いからな」
77: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/20(金) 03:28:08.66 ID:uxhsrqhB0
律「澪、夕方になったら公園に行け」
澪「何でだよ」
律「梓を呼び出しておいた」
澪「はぁ!?」
律「梓と会って話せ。告白しろ」
澪「ば、馬鹿!そんな勝手に…心の準備がまだ全然」
律「知ってるよ。どうせいつまでも準備なんて整わないんだ、澪は」
澪「……」
律「腹くくるしかないでしょ」
澪「うん。ありがとう」
律「どーいたしまして」
澪「はぁ」
78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/20(金) 03:30:10.03 ID:uxhsrqhB0
唯「あっ」
と言う間に夕方
澪「律…付いてきて」
律「言うと思った」
澪「だ、駄目か?」
律「いいよ。その代わり、今回は助けないぞ」
澪「分かってる」
律「リラックスしろよ」
澪「大丈夫、大丈夫」
律「まずはしっかり謝ること」
澪「うん。そうだよな」
80: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/20(金) 03:32:11.90 ID:uxhsrqhB0
澪「その後告白すればいいかな」
律「出来るのか?」
澪「自信無い……」
律「ま、他愛の無い話をしなよ」
澪「他愛の」
律「音楽の話とかさ、なんでもいいじゃん」
澪「…うん」
律「会話が弾むようになったら、後はグッと行けよ」
澪「うん」
律「出来そう?」
澪「多分。あのさ」
律「ん?」
澪「色々、ありがとな」
律「お礼を言う回数が増えたな、澪」
澪「そうかな?」
81: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/20(金) 03:34:14.79 ID:uxhsrqhB0
律「まだ終わったわけじゃないんだから」
澪「そうだよな」
律「今は梓のことだけ考えてろって」
澪「あ、ああ。ありがと」
律「また言った」
澪「うっ」
律「そろそろ梓来るぜ」
澪「あ、ああ」
律「私その辺に隠れてるから」
澪「うん」
律「しっかりやれよ!」
澪「う、うん」
83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/20(金) 03:36:18.36 ID:uxhsrqhB0
─────
───
紬「あ、返信来ちゃった」
澪「あずさあああああああああ」
唯「澪ちゃんはもう寝た方がいいよ」
律「近所迷惑だしな」
澪「ぐすん…おやすみ」
唯「ねえムギちゃん」
紬「うん?」
唯「さっきあずにゃんにどんなメールしたの?」
紬「あのね……」
86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/20(金) 03:39:46.09 ID:uxhsrqhB0
紬「澪ちゃん辛そうだから助けてあげてって」
紬「ちょっと変なこと言うかもしれないけど、澪ちゃんの心を察してあげてって」
唯「そしたらあずにゃん、何だって?」
紬「澪ちゃんに会いたいって」
唯「おー!こりゃ間違い無くミャクアリだよ!」
律「そうなんだよ。澪一人で勝手に落ち込んだりハイになったり馬鹿になったりしてるだけなんだ」
唯「ねえねえ!じゃあ明日澪ちゃんとあずにゃんが会う約束取りつけちゃおうよ」
紬「勝手にそんなことしていいのかな?澪ちゃん寝ちゃってるよ」
87: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/20(金) 03:41:47.50 ID:uxhsrqhB0
澪「すー……あず…さ……」
律「寝言言ってる」
唯「澪ちゃんだって今すぐあずにゃんに会いたいはずだよ!」
紬「そうよね。夢の中でも梓ちゃんのこと考えてるくらいだもんね」
律「じゃ、会わせちゃうか」
唯「うん!」
澪「うーん…梓ぁ、画鋲はやめろ~」
澪「刺さるよ~……すやすや」
──
────
88: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/20(金) 03:43:50.89 ID:uxhsrqhB0
梓「澪、先輩」
澪「うわあっあ、梓!」
梓「そんなに驚かないでくださいよ」
澪「ああ、ごめんっ」
梓「そこのベンチ、座りましょっか」
澪「う、うん」
律(澪…リラックスだぞリラックス!)
澪「あの……」
梓「はい」
澪「昨日はごめん!ごめんなさい!」
梓「あっ」
澪「梓に酷いこと言って」
梓「いえ。私も急に帰っちゃったりして……ごめんなさい」
89: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/20(金) 03:45:52.64 ID:uxhsrqhB0
澪「梓と仲直りしたくて…」
梓「はい。私も澪先輩と仲直りしたいです」
澪「あ…梓……」
梓「もう、仲直りですね」
澪「う、うん。仲直りできたね」
律(澪!よく謝れたな)
梓「元通りの仲の良い澪先輩と私です」
澪「そうだね」
澪(そうだ、他愛の無い話……音楽の話題がいいかな!)
91: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/20(金) 03:48:08.93 ID:uxhsrqhB0
澪「あのさ、梓」
梓「はい」
澪「ガセネタっていうバンド知ってる?」
律(女子大生と女子高生が聴くバンドじゃない!)
梓「はい!好きです!」
澪「ホントに?」
律(知ってるのかよ!しかも好きなのかよ!)
律(ま、会話になるならなんでもいっか……)
92: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/20(金) 03:50:13.93 ID:uxhsrqhB0
梓「あはははっ」
澪「おかしいよな!」
梓「ですよね、父ちゃんのポーって何なんでしょうか?」
澪「映画観れば分かるのかな?」
梓「さー、どうでしょう」
澪「ははは……。あ、梓?」
梓「なんですか?」
澪「あのさ、梓」
澪「この前、告白してくれただろ?」
梓「……」
梓「はい」
澪「凄く嬉しかったよ」
梓「……」
澪「私も、梓のこと、すっ好きだから」
93: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/20(金) 03:52:15.75 ID:uxhsrqhB0
澪「好きって、色々あるけど」
澪「私も、前からずっと。ずっと梓と…その……」
律(頑張れ澪!)
澪「梓と付き合いたいって思ってた」
澪「だから今度は私から言わせてくれ……」
澪「梓、好きだ」
澪「私と、私と付き合って!」
梓「……」
澪「……」
梓「澪先輩」 ギュッ
澪「あっ」
95: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/20(金) 03:54:17.27 ID:uxhsrqhB0
梓「もう、だったらどうして私が告白したとき断ったんですか?」
澪「なんだろ……あのときは」
梓「好きじゃなかったんですか?」
澪「えぇ?いや、そんなことないよ」
澪「よく分からないけど、梓をフりたかったんだ」
澪「もっとハッキリ言えば、梓にフられたかった」
梓「はぁ」
澪「意味分からないよな」
梓「いえ。分かりますよ」
澪「えっ」
梓「分かります」
97: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/20(金) 03:56:20.76 ID:uxhsrqhB0
梓「破滅願望みたいな、そういうものですよね」
澪「私もよく説明できないんだけど」
梓「きっと、そうだと思いますよ」
澪「梓……」
梓「私も、あるんです」
梓「このまま良い結果が出せるのに、良い未来が待ってるのに」
梓「あえて、それを避けると言うか、切り捨てちゃうんですよね。何一つ得しないっていうのに」
澪「あ、ああ」
梓「すごく分かりますよ。そういう変な気持ち」
澪「そっか、梓もそういうことあるのか。私が特別おかしいのかと思ってた」
梓「澪先輩」
梓「返事がまだでしたね」
99: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/20(金) 03:59:41.03 ID:uxhsrqhB0
澪「う、うん」
梓「澪先輩とは、付き合えません」
澪「……えっ」
梓「澪先輩のこと大好きです」
梓「でも……いえ、だからこそ、澪先輩とは付き合いません」
澪「あ、あずさ?」
梓「私のこと恨んでください!」
澪「意味が分からないよっ」
梓「分からないはずないでしょ。先輩と同じなんですから」
澪「梓……」
梓「さよなら。大好きな澪先輩」
タッタッタッタッタッタ
100: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/20(金) 04:01:54.03 ID:uxhsrqhB0
澪「」
ぽか~ん
律「み、みお~?」
澪「……」
律「あ、全部、見てた。聞いてたよ」
澪「律……」
律「その、なんて言えば分からないけどさ」
律「世の中色々…」
澪「ふふふっ」
律「澪?」
澪「梓も私と同じだったのか」
律「みおさーん?」
101: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/20(金) 04:03:58.14 ID:uxhsrqhB0
澪「そうだったのか梓!」
澪「それならそうともっと早く言ってくれればいいのに~」
律「おい澪ってば」
澪「さっそく梓を追いかけるぞ律!」
律「はぁ?」
澪「梓は私のことが好きだ!」
澪「私だって梓が好きだ!」
澪「それにしてもさっき走り去るときの足音も可愛かったな!」
澪「うふふふっ梓っ♪愛いやつ愛いやつ!」
ダダダダダダダダッ
律「あぁ……これからも疲れる日が続きそうだ」
律「あ、画鋲落ちてる」
おわり
澪「梓ぁ!あず、梓ああああ!」