1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/28(火) 22:10:31.27 ID:pzqOYcjHO
みくる「えんたくかいぎ……?」
古泉「しかし円卓なんかありませんよ?」
長門「実物はない。だが我々の心の中にある」
みくる「へぇ。でもえんたくってなんですか~?」
古泉「アーサー王……ですか?」
長門「とにかく会議を始める。議題は涼宮ハルヒと彼の今後について……」
みくる「涼宮さんとキョン君の今後?」
古泉「と言うと?」
長門「二人をくっつけたい」
2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/28(火) 22:14:49.23 ID:pzqOYcjHO
みくる「ふ、ふぇ~」
古泉「長門さんらしからぬ台詞ですね。これまたどうして?」
長門「涼宮ハルヒは彼に好意を抱いている」
古泉「それは見てればわかりますが……」
長門「だから二人をくっつけたい」
古泉「は?」
長門「片思いの友達がいたらその子の恋を助けてあげるのが健全なる女子高生の姿……」
古泉「しかし……」
みくる「そ、そうですよね。涼宮さんはキョン君にぞっこんだし、お友達として何もしないわけにはいきませんよね!」
古泉「え?」
長門「そういうことで今週末、二人をくっつけるための作戦を決行する」
みくる「作戦?」
長門「そう」
古泉「でも日曜日は不思議散策の予定ではなかったですか?」
長門「それを利用する。私たち三人は急用が入ったと前日に断りを入れておく」
みくる「涼宮さんとキョン君を二人きりにするんですね?」
長門「そういうこと」
みくる「でも二人きりになったからって関係がよくなるとは思えないんですけど……」
長門「もちろんそれだけではない。二人を尾行する……」
みくる「尾行ですか!?」
長門「そう。そして二人の仲をとりもつ……」
古泉「なるほど……」
みくる「具体的にどんなことをするんですかぁ?」
長門「情報操作は得意……」
みくる「そっか~。長門さんならなんでも出来ちゃいますもんね」
古泉「し、しかし僕たちが余計なことをするのはあまりよくない気が――」
みくる「なんか楽しそうですね。私ワクワクしてきちゃいました♪」
長門「私たちは恋のキューピッドになる……」
古泉「…………」
日曜日
長門「…………」
みくる「昨日はドキドキしてなかなか寝れませんでしたよ~」
古泉「今日は長い一日になりそうです」
長門「彼らがくるまで待機する……」
古泉「でも三人で尾行したらさすがに見つかりませんか?」
みくる「それなら心配ありません。こんなものを持ってきみました♪」
古泉「これは?」
みくる「これは"石ころブレスレット"という未来の道具です。これを付けるとと周りの人間から気付かれなくなるんです」
長門「さすが朝比奈みくる……」
みくる「ちなみに付けてる人同士には見えるように都合よくできています♪」
古泉「しかし未来の道具なんてこの時代に持ってきてもよかったんですか?」
みくる「ばれなきゃいいんですよ♪」ニコッ
古泉「…………」
長門「涼宮ハルヒが来た……」
古泉「心なしかソワソワしてるように見えますね」
みくる「だって好きな人とふたりきり、半ばデートみたいなものですから当たり前ですよぉ」
長門「気合いが入っている……」
古泉「気合い?」
長門「よく見て……」
古泉「…………何か変わったところありますか?」
みくる「もぅ古泉君疎いですよ。ほら、涼宮さん微妙ですけど化粧してるじゃないですかぁ」
古泉「そうですか?」
長門「見事なナチュラルメイク」
みくる「いつもは化粧なんかしてないのに」
長門「意識している証拠……」
古泉「はあ」
みくる「それにいつもより大きいハンドバック持ってますね」
古泉「言われてみれば」
長門「あれはおそらく手作り弁当……」
みくる「ですね」
古泉「涼宮さんも割と本気ですね」
みくる「あ!キョン君来ました!」
長門「これより作戦を決行する……」
みくる「よ~し♪」
古泉(テンション高いですよ……)
長門「とりあえず様子見……」
みくる「まずはいつも通り街を散策ですね」
古泉「ちょっといいですか?」
長・み「?」
古泉「僕たちの姿は彼らには見えないんですよね?だったら物陰に隠れたりなどせず、堂々と近づけばいいのではないですか?」
長門「…………」
みくる「古泉君何もわかってないです」
古泉「え?」
長門「これはあくまで尾行。緊張感を持つことが大事……」
みくる「それに真後ろにいたらふたりを邪魔してるみたいじゃないですか」
古泉「はぁ……」
長門「でも確かに二人の会話が聞き取りにくい……」
みくる「それなら……"糸なし糸電話"、これならどうですかぁ?」
古泉「これはなんですか?」
みくる「その名の通り糸のない糸電話です。片方を涼宮さん達の近くに飛ばせば、もう片方から話し声を聞くことができる未来の道具です♪」
長門「グッジョブ……」
古泉(禁則事項とはなんだったんでしょうか……)
みくる「では早速……。こちらの声も聞こえちゃうのでこれからはヒソヒソ声でいきましょう」
長門「了解した」
古泉「わかりました」
みくる「えい」
ガッ……ガガ……
ハルヒ『キョン!あんたちゃんと探してんの?』
キョン『ああ、ちゃんと探してるさ』
長門「よく聞こえる」
みくる「感度は良好ですね」
ハルヒ『でも、あんたと二人で不思議散策するのも久しぶりね……』
キョン『そうだな』
ハルヒ『確かあの時は有希たちが本当は宇宙人だとか馬鹿なこと言ってたわね』
キョン『あ、ああ……そうだったか?』
長門「それは知らなかった……」
みくる「キョン君ダメじゃないですか~」
古泉「…………」
ハルヒ『いい、キョン。不思議ってのはね、そんな身近にあるもんじゃないのよ』
キョン『わかったわかった』
ハルヒ『本当にわかってんの?』
キョン『ああ。肝に銘じとくさ』
ハルヒ『そう……ならいいけど』
みくる「涼宮さんぎこちないですね」
長門「かなり緊張してると思われる……」
みくる「見てるこっちまでソワソワしてきちゃいますね」
古泉「はあ~」
みくる「ちょっと古泉君!あくびなんかして緊張感が足りませんよ!」
古泉「え?」
長門「古泉一樹。あなたには恋のキューピッドとしての自覚が足りない」
古泉「恋のキューピッド……ですか?」
みくる「私たちには涼宮さんの恋を実らせてあげるという使命があるんですよ?わかってます?」
古泉「あ、はい……すいません。以後気をつけます」
…………
…………
…………
ハルヒ『ねぇ、ちょっと疲れたかも……ベンチで休憩しない?』
キョン『そうだな』
みくる「『ちょっと疲れた"かも"』なんて普段なら絶対言いませんよね」
長門「初々しい……」
古泉「僕もイロイロと疲れましたよ……」
キョン『そろそろ昼飯の時間だな。どこ食べにいく?』
ハルヒ『あ、あのさ……キョン……』
キョン『ん?』
ハルヒ『その……お昼ご飯なんだけどさ……お弁当……作ってきたんだけど……』
みくる「予想通りですね」
長門「うむ…………」
キョン『そうなのか?なんでまた……』
ハルヒ『有希たちが来ないって言うから……二人ぶんならすぐ作れるかなぁって思って……』
キョン『そうか。じゃあせっかくだし遠慮なくいただくよ』
ハルヒ『本当!?わ、わざわざ作ってきてやったんだから感謝しなさいよ……!!』
キョン『はいはい、ありがとな』
ハルヒ『べ、別にあんたのために作ったんじゃないわよ!ファーストフードは健康に悪いのよ……だからこれは私のため!!』
長門「言ってることが矛盾している……」
みくる「ふふ、涼宮さん焦ってますね♪なんか私もお腹空いてきちゃいましたぁ……」
長門「私たちもお昼にするべき。今日はマックが食べたい気分……」ジーッ
古泉「ん?」
みくる「あ~私も久しぶりにハンバーガーが食べたいな~」ジーッ
古泉「え?」
長門「ここから西に1.5km進んだところにマクドナルドがある……」
古泉「け、結構遠いですね……」
みくる「とても女の子が行ける距離じゃないですね……」
古泉「…………」
長門「お腹すいた……」
みくる「腹ぺこです……」
古泉「わかりました、僕が行ってきます……」
ハルヒ『どう?』
キョン『あぁ、めちゃくちゃ美味しいよ。やっぱりお前料理上手いな』
ハルヒ『そ、そう……。わ、私の手作り弁当が食べられるなんて有り難く思いなさいよ……!』ニヘラニヘラ
みくる「見てくださいあの涼宮さんの顔。もう嬉しさが隠しきれてませんよ♪」
長門「私たちの出る幕はないかもしれない……」
古泉「か、買ってきました!ハァハァ……」
みくる「お疲れ様、ありがとう古泉君♪」
古泉「いえいえ、どうってことないですよ」
長門「おかしい……」
みくる「どうしました長門さん?」
長門「ホットアップルパイがない。私はホットアップルパイも欲しいと言ったはず……」
古泉「まさか、確かに注文したはず――――」
長門「ないものはない。私はホットアップルパイが食べたい。食べないと死んでしまう……」
古泉「わ、わかりました……もう一度行ってきます……」スタスタ
みくる「あれ?これホットアップルパイじゃないですか?」
長門「………………」
ハルヒ『…………』モグモグ
キョン『…………』モグモグ
みくる「静かですね……」
長門「…………そろそろ仕掛ける」モグモグ
みくる「仕掛けるって何をするんですか?」
長門「お弁当と言えばすることは決まっている」モグモグ
みくる「う~ん…………あ、わかりました!『あ~ん』ですね『あ~ん』♪」
長門「そう……」モグモグ
みくる「でもどうやって涼宮さんにさせるんですかぁ?もうお弁当食べ終わっちゃいそうですけど……」
長門「まかせて……」モグモグ
カラン
キョン『しまった、箸落としちまった』
ハルヒ『何やってるのよ馬鹿キョン』
キョン『なんか箸が勝手に動いた気が……』
長門「これで涼宮ハルヒの箸を使わざるを得なくなった」モグモグ
みくる「なるほど~」
ハルヒ『このドジ!』
キョン『大丈夫だ。ちゃんと拭けば問題ないさ』
みくる「あれ?なんかダメっぽい……」
長門「ぐぬぬ……」モグモグ
キョン『あれ?箸が消えた……?』
ハルヒ『はぁ?』
キョン『おかしいな~』
みくる「長門さんさすが!」
長門「これくらい造作もない」モグモグ
みくる「ところでさっきから食べ続けてますけどそのダブルチーズバーガー古泉君のじゃ……」
長門「腹が減っては戦はできないという……」モグモグ
ハルヒ『もう、残りは手で食べなさいよね!』
キョン『ああ、スマン……』
ハルヒ『ちょっと馬鹿!何ほんとに手で食べようとしてんのよ!』
キョン『え?だって箸ないし残すわけには……』
ハルヒ『もう、馬鹿……!こっち向いて……』
キョン『え?』
ハルヒ『ほら!口開けなさいよ!』
キョン『…………』
ハルヒ『な、なによ!食べさせてあげるって言ってんのよ!!』
キョン『お、おう……』
ハルヒ『目もつぶって!!』
キョン『目もかよ…………』
ハルヒ『…………///』ニヤニヤ
キョン『ウグッ……乱暴にすんなよ……』
ハルヒ『はぁ?食べさせてやっただけで感謝しなさいよ馬鹿キョン!!』ニヤニヤ
長門「我ながらいい仕事をした……」
みくる「涼宮さん可愛い♪」
古泉「ハァハァ……長門さん、やっぱりホットアップルパイは買ってますよ……だってレシートに――――」
長門「よく探したらあった……申し訳ない」
古泉「そ、そうですか……」
古泉「まああったならよかったんです。じゃあ僕もお昼にしましょうかね……あれ?」
長・み「…………」
古泉「僕のダブルチーズバーガーはどこにいきました?」
長門「そんなものは…………ない」
古泉「えっ?」
ハルヒ『…………』
キョン『…………』
みくる「せっかくいい雰囲気だったのにまた静かになっちゃいましたね」
長門「この期を逃すわけにはいかない……」
古泉「…………」ぐぅ~
みくる「今度は何をするんですか?」
長門「私に考えがある……ゴニョゴニョ」
み・古「…………」
キョン「快晴だな」
ハルヒ「そうね……。デ……不思議散策には絶好の天気だわ」
キョン「…………」
ハルヒ「…………」
不良「へいへい兄ちゃん姉ちゃん!昼間っから熱々だねぇ~(裏声)」
キョン「なんだ?」
ハルヒ「な、何?」ギュウ
不良「ヒュ~ヒュ~、そんなにくっついちゃって!(裏声)」
キョン「…………」
ハルヒ「うぅ…………」
不良「なぁ彼女、そんな男なんかより俺と付き合わないか?楽しいぞ~(裏声)」
ハルヒ「はぁ?」
みくる「古泉君頑張ってますね」
長門「ちょっと臭いけど及第点ってところ」
不良(古泉)(なんで僕がこんな役を……)
長門「これで二人の仲はもっと狭まるはず……」
ハルヒ『ちょっとキョン、もう行きましょ』ギュウ
キョン『お、おう……』
みくる「ほら長門さん見てください!涼宮さんったらキョン君に抱き着いちゃって♪」
長門「計画通り」
不良(古泉)『ちょっと待ってよ彼女!(裏声)』
ハルヒ『しつこいわよ!!』バンッ
不良(古泉)『ハウッ…………!?』
キョン『うわぁ……(玉蹴りかよ……)』
ハルヒ『早く行きましょう』スタスタ
キョン『おう……』(この声どっかで聞いたことある気が……)
不良(古泉)『ぅぅぅ…………』
みくる「うまくいきましたね」
長門「うむ…………」
不良(古泉)『………………』
ハルヒ『…………』
キョン『なぁハルヒ……』
ハルヒ『何よ』
キョン『そろそろ俺の右腕から離れたらどうだ……?』
ハルヒ『え?あ、そうね……うん。なんだったのかしらさっきの男』
キョン『さあな』
ハルヒ『…………』(キョンいい匂いだったなぁ)
みくる「あぁ~もうキョン君の馬鹿!」
長門「しかし流れは悪くない……」
古泉「僕はもう帰りたいです…………」
みくる「日が暮れてきましたね……」
長門「いつもならもう解散している時間」
みくる「あ、またベンチに座りましたよ。ここは公園ですね」
長門「もうしばらく様子を見る」
古泉「…………」
キョン『ふぅ、今日は歩いたなー』
ハルヒ『結局何も見つからなかったわね』
キョン『そんな簡単に見つかるもんじゃないんだろ?』
ハルヒ『そりゃそうよ……』
キョン『…………』
ハルヒ『で、でも今日は楽しかったわ。普段来ないところまできたし、それに……あ、あんたと……』
キョン『何?』
ハルヒ『な、何でもないわ……』
キョン『?』(なんなんだ)
ハルヒ『…………』
キョン『…………』
みくる「またいい雰囲気ですね」
長門「そろそろ助っ人を呼ぶ」
みくる「助っ人?」
長門「……コクリ。出て来て」
みくる「あ、あなたたちは……」
喜緑「やっと私たちの出番ね」
朝倉「待ちくたびれちゃったわ」
みくる「喜緑さんと朝倉さんが助っ人?」
長門「彼女たちには重要な仕事をしてもらう」
みくる「重要な仕事……?」
長門「そう。今こそチャンス……」
みくる「ふぇ?」
古泉「朝倉さんのその格好はなんですか?男もののスーツにその小洒落た帽子は……?」
朝倉「これは男装のつもりなんだけど。ほら、髪を後ろに束ねてサングラスしたら男の人に見えるでしょ?」
古泉「確かに……」
みくる「喜緑さんもおめかししてますね。いつにもまして可愛いです♪」
喜緑「ふふ、ありがとう」
古泉「いったいこれから何を始めるのですか?」
長門「見てればわかる。じゃあ二人とも任せた……」
喜・朝「了解♪」
ハルヒ『…………』
キョン『…………?』(正面のベンチに人が……)
みくる「え?喜緑さんと朝倉さんがキョン君たちの向かいのベンチに座りましたよ?」
古泉「なるほど、あの二方が普段と違う格好をしていたのは、涼宮さんたちに見られても誰だかばれないようにするためだったんですね」
みくる「でも、ならなんで朝倉さんは男装を?」
長門「…………」
キョン『…………』(前のカップルやたらとベタベタしてるなぁ……)
ハルヒ『…………』ジーッ
喜緑(ふふ、見てる見てる♪)
朝倉(長門さんの作戦通りね)
みくる「わかりましたぁ~。イチャイチャしてるカップルを見せることでキョン君と涼宮さんの気持ちを高ぶらせる作戦ですね!」
長門「そう……。あとは時間の問題」
古泉(こんなことのためにわざわざ……)
ハルヒ『…………』ジーッ
キョン『…………』
ハルヒ(すごいイチャイチャしてる……)
キョン(なんなんだあの馬鹿ップルは……)
喜緑(朝倉さん……もっと奥まで舌を入れて……)
朝倉(喜緑さんって意外とキスが上手いのね♪)
『クチュ…クチャ…ングッ…』
みくる「はわわ……」
『ンンッ…アァ…ンアッ…』
長門「…………」
『クチュ…レロッ…ンッ…』
古泉「おやおや……」
キョン『…………』(あいつら熱すぎだろ……。逆に見てても気持ち悪いだけだわ)
ハルヒ『キ、キキキキキョン……!!!』
キョン『うわっ!?なんだよ急に……』
ハルヒ『も、もう行くわよ!帰りまひょう……!///』
キョン『お、おう』(帰りまひょう?)
スタスタ
みくる「ああっ、涼宮さんたちいっちゃいましたよ!」
長門「朝倉涼子と喜緑江美里のフレンチキスが熱すぎて逆効果になったらしい……」
古泉「これは予想外でしたね」(良いものが見れました。ここまで苦労したかいがあった……)
長門「とにかく二人の後を追う……」
みくる「は、はい……!」
喜緑『ほら……これはどう?』
朝倉『やだっ……!そんなとこ触らないで……』
ハルヒ『………………///』スタスタ
キョン『…………』(歩くの速いな……)
みくる「このままだと帰っちゃいますね」
長門「ぐぬぬ……」
古泉「僕はもうここまでで充分だと思いますが」
みくる「あともう一息だったのに……」ショボン
長門「私はまだ諦めない……。プライドにかけて二人をくっつけて見せる」
古泉「でももう夜ですよ?どうにもならないんじゃないですか?」
長門「夜…………こうなった荒療治でいくしかない……」
みくる「荒療治?」
長門「無理矢理お泊りする展開にもっていく……」
みくる「お、お泊りですか!?」
古泉「それはそれは……」
みくる「でもどうやって……」
長門「まかせて」
ハルヒ「……………」スタスタ
キョン「……………ん?」
ハルヒ「なしたの?」
キョン「今向こうに火の玉みたいなのが見えたような……」
ハルヒ「火の玉?」
キョン「確かに向こうに……おい、見ろ!!」
ハルヒ「え?えっ?」
キョン「あそこだあそこ!火の玉が浮いてるぞ!!」
ハルヒ「ほ、本当だわ……!キョン老いかけるわよ!」
キョン「おう」(まさか本当に何か見つけるとはな。影で古泉たちが絡んでるのか?)
ハルヒ「ハァハァ……あの火の玉逃げてくわ……!火の玉のくせに生意気ね!!」
キョン「ま、待てハルヒ……速いって……ハァハァ」
ハルヒ「絶対逃がさないわよ……!」
キョン「ハァハァ……」
………………
…………
……
ハルヒ「ハァハァ……見失っちゃった……」
キョン「ハァハァ……おまえ……速いから……ハァハァ……」
ハルヒ「ここどこかしら?火の玉追いかけるのに夢中で道に迷ったかも……」
キョン「やれやれ、こんな景色見たことないぞ。相当走ったし未開の地まで来ちまったらしいな」
ハルヒ「もう…………」
長門「とりあえず誘導までは成功した……」
みくる「な、長門さん……速すぎですよ……ハァハァ」
古泉「懐中電灯を持った長門さんが高速移動することで火の玉が動いてるように見えたんですね」
古泉(しかし何故懐中電灯なんか持って……)
みくる「このあたりは私も来たことないですぅ……」
古泉「かなり街の外れに来ましたね。このあたりにあるのは…………」
長門「作戦を次の段階へ移行する……。§◇£♀※●%¥$▽■*&」
ポツッ……ポツポツ……
ザアアアアアアアアッ……
みくる「うわぁ~急に雨が降ってきました~」
古泉「これは長門さんが?」
長門「そう。天候を操るなんて朝飯前……」
古泉「しかし以前に天候を変えるのは未来に影響があるかもしれないと言ってませんでしたか?」
長門「忘れた」
古泉「そうですか……」
ザアアアアアアアアッ……
みくる「大雨ですよ~濡れちゃいますぅ~」
古泉「安心してください。僕は折り畳み傘を持ってます」
みくる「本当に?古泉君」
古泉「はい。ちょっと狭いですがこれで三人――――」ガシッ
長門「感謝する…………」
古泉「え?」
みくる「ありがとう、古泉君♪」
古泉「あの……」
長門「この傘は二人で調度いい。三人は定員オーバー……」
古泉「しかしこれでは僕が濡れて……」
みくる「ありがとう、古泉君♪」
古泉「は、はい……どう致しまして……」
ザアアアアアアアアッ……
キョン「急に降ってきやがった……!」
ハルヒ「昼間はあんなに晴れてたのに……」
キョン「とにかく雨宿りできる場所を探そう……って、周りになんもねぇぞ!!」
ハルヒ「あっ、見てキョン!あそこに建物が見えるわ!」
キョン「本当だ、とりあえずあそこで雨をしのごう。これはひどい雨だ……」
ザアアアアアアアアッ……
キョン「こ、ここは……」
ハルヒ「うっ…………///」
長門「街の外れまで誘導し、雨を降らせることで近くの建物に入らざるを得なくする……」
みくる「さすが長門さん!」
古泉「…………」ブルブル
長門「このまま今夜は台風を発生させる……。これで二人は夜をともに過ごすしかない……」
みくる「私たちの勝ちですね♪」
古泉「ハークション……!!」ブルブル
長門「…………しまった」
みくる「どうしたの長門さん?」
長門「大事なことを忘れていた……」
みくる「大事なこと?」
長門「涼宮ハルヒはここまで想定していない可能性が高い……」
古泉「つまりどういうことですか……」ブルブル
みくる「ああ、そっかぁ~」
古泉「何がそっかぁなんですか、朝比奈さん……?」ブルブル
長門「不覚……」
みくる「そうだ!私いいものを持ってます」
長門「?」
みくる「これは"スケスケ眼鏡"という未来の(ry」
長門「なるほど」
古泉「朝比奈さんのポーチは四次元ポーチなんですか?」ブルブル
みくる「じゃあ見て見ますね……」ジーッ
長・古「…………」
みくる「うーん……え?ふぇ~……黒……これはぁ……///」
長門「どうだった……?」
みくる「あれは十中八九勝負下着ですね……。黒のランジェリーで、あんなエロティックなの私でも持ってませんよ~」
長門「涼宮ハルヒ、抜かりなし……」
古泉「朝比奈さん、できれば僕にも見せてもらえませんか……?」ブルブル
ザアアアアアアアアッ
キョン「…………」
ハルヒ「…………」
キョン(とりあえず中に入ったが、なんでよりによってラブホなんだよ……)
ハルヒ「…………」
キョン(すぐに雨止めばいいが止みそうにないな……)
ハルヒ「…………」
キョン(さすがに気まずい……こいつもこういう時は女の子らしくなりやがるからな)
ハルヒ「…………ねぇキョン」
キョン「なんだ?」
ハルヒ「濡れてない……?」
キョン「いや、まあ若干は……」
ハルヒ「雨……止みそうにないわね……」
キョン「だな」
ハルヒ「…………」
キョン(無人タイプなのか……それくらいの知識はあるさ。でも人はいるはずだ、傘借りれねぇかな……)
キョン「どっかに人はいるはずだ。傘借りれないか聞いてくるからお前はここで待ってろ」
ハルヒ「待ってキョン……」グッ
キョン「ん?どした」
ハルヒ「あんた結構濡れてるじゃない。そのままだと風邪ひくわよ……」
キョン「これくらい対したことねーよ」
ハルヒ「それに!!……それに私もかなり濡れたし……このままじゃ風邪ひいちゃうかも……」
キョン「はぁ?」(お前に限って風邪をひくことはないと思うが……)
ハルヒ「も、もし私が熱出して学校休んだらSOS団に迷惑がかかるわ。団長だもの」
キョン「…………」(むしろ休んで何もしてくれないほうが古泉たちもありがたいと思うがね)
ハルヒ「だから……!!」
キョン「だから?」
ハルヒ「だから……その……」
キョン「?」
ハルヒ「へ、部屋……入りましょうよ……」
キョン「…………は?」
ハルヒ「…………」
キョン「あ……まあ確かに雨は止みそうにないし時間も遅いし濡れてはいるが……」
ハルヒ「…………」
キョン「さすがにニ部屋とれるほど俺の財布に余裕は――――」
ハルヒ「馬鹿キョン!一部屋に決まってるでしょ!!」
キョン「え?」
ハルヒ「…………」
キョン「ハルヒ、お前それマジに言ってるのか?」
ハルヒ「…………うん」
キョン「…………」
ハルヒ「ねぇ、いきましょう……?」ギュッ
キョン「え、あ、うん……そうだな……」
ハルヒ「いいい言っとくけど変な気起こすんじゃないわよ!!私に手出したらぶっ殺すわよ!!」
キョン「わかったわかった」
ハルヒ「早く部屋選んで……!人が来たら勘違いされるでしょ!!」
キョン「へいへい」
ハルヒ(やった……!今日はキョンとお泊りだ……♪)
ハルヒ『へ、部屋……入りましょうよ……』
キョン『…………は?』
みくる「やった~♪長門さんやりましたね♪」
長門「これは朝比奈みくるの協力があってこそ……。ありがとう」
みくる「いえいえ、長門さんが一番頑張ったじゃないですか♪長門さんこそお疲れ様です」
ザアアアアアアアアッ
古泉「………………」(これでやっと帰れる……)
みくる「でもホテルに入ったわいいけどちゃんと上手くいくかなぁ~?」
長門「このあとのことは二人に任せるべき。部屋で何があろうとここまで来て一夜を過ごしたという過程が大切……」
みくる「そうですね」
古泉(せめてこれで涼宮さんの精神が安定するようならば、僕の努力も意味があったということでしょう)
次の日の放課後
ハルヒ「………………」イライラ
み・長「………………」
古泉「ゴホッ、ゴホッ……」
ハルヒ「みくるちゃん、お茶おかわり!!」
みくる「は、はい……!!」
みくる「どうぞ……」
ハルヒ「ズズズズズッ」イライラ
長門「…………」
みくる「どうしたんでしょうか涼宮さん……すごく機嫌悪そう……」ヒソヒソ
長門「昨夜何かあったのかもしれない……」ヒソヒソ
キョン「うーす」
古泉「こんにちは」
キョン「どうした古泉?マスクなんかして風邪か?」
古泉「はい、喉・鼻をやられました。咳が止まらないし微熱もあるんです……ゴホッゴホッ」
昨夜
キョン「じゃあ俺はソファーで寝るからお前は――――」
ハルヒ「な、何言ってんのよ……!!こんなにベット広いんだから一緒に寝ればいいでしょう!」
キョン「そうか……」
ハルヒ「ただし!あんたのスペースは三分の一だからね!それ以上こっち来たら蹴り落とすから!!」
キョン「わかった、気をつけるよ」
ハルヒ「わ、私の寝込み襲おうなんて考えてんじゃないわよ……!!私の体に触れたら3秒であの世行きだからね!!」
キョン「了解しました団長様、おやすみ」
ハルヒ「おやすみ………………」ドキドキ
キョン「………………」
ハルヒ(今日は楽しかったなぁ……キョンとふたりきりで歩いて回ったり、お弁当食べたり……)
ハルヒ(私のお弁当美味しいって言ってくれたし……)ニヤニヤ
ハルヒ(それに今晩はキョンと一緒……キョンと同じベット、同じ布団……)ニヤニヤ
ハルヒ(キョンがすぐ側に寝てる……手伸ばしたら届く距離に寝てる……///)ニヤニヤ
ハルヒ「ねぇ……キョ――――」
「アッ……ああん……」
ハルヒ「?」
「イイッ……いいわ……アハン……」
ハルヒ(隣の部屋?ちょっと、声丸聞こえじゃない……どんだけ壁薄いのよ!)
「スゴイ……キモチイィ……――さんキモチイィょぉ……」
「フフッ、――さんってこういうのが好きなんだぁ♪」
ハルヒ(声デカすぎ!!せっかくキョンと二人きりなのに……てかこれ両方女の声じゃないの?)
「アアッ……ダメ……イッちゃうから……」
「――さんって、いつも――さんにもこんな風にされてたの?――さんって読書以外にも趣味あったんだぁ♪」
ハルヒ「…………」イライラ
ハルヒ(気にしない気にしない……私は私でこの時を楽しまなきゃ……)
ハルヒ「ねぇキョン……」
キョン「…………」
ハルヒ「キョン……?」
キョン「だ、ダメですよ朝比奈さぁ~ん……そんなとこ……ダメですってばぁ~……」ムニャムニャ
ハルヒ「寝てる……?」
キョン「朝比奈さぁん……そんなの食べれませんよぉ~……特盛すぎますってぇ~……」ムニャムニャ
ハルヒ「キョン…………」イライラ
キョン「き、きもちぃです……朝比奈の最高っす……」ムニャムニャ
ハルヒ「…………」イライラ
キョン「えへへぇ~……」ニヤニヤ
ハルヒ「もういい…………」
ハルヒ「…………キョンの馬鹿」
オワリ
元スレ
みくる「ふ、ふぇ~」
古泉「長門さんらしからぬ台詞ですね。これまたどうして?」
長門「涼宮ハルヒは彼に好意を抱いている」
古泉「それは見てればわかりますが……」
長門「だから二人をくっつけたい」
古泉「は?」
長門「片思いの友達がいたらその子の恋を助けてあげるのが健全なる女子高生の姿……」
4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/28(火) 22:19:59.80 ID:pzqOYcjHO
古泉「しかし……」
みくる「そ、そうですよね。涼宮さんはキョン君にぞっこんだし、お友達として何もしないわけにはいきませんよね!」
古泉「え?」
長門「そういうことで今週末、二人をくっつけるための作戦を決行する」
みくる「作戦?」
長門「そう」
古泉「でも日曜日は不思議散策の予定ではなかったですか?」
長門「それを利用する。私たち三人は急用が入ったと前日に断りを入れておく」
みくる「涼宮さんとキョン君を二人きりにするんですね?」
長門「そういうこと」
7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/28(火) 22:26:08.38 ID:pzqOYcjHO
みくる「でも二人きりになったからって関係がよくなるとは思えないんですけど……」
長門「もちろんそれだけではない。二人を尾行する……」
みくる「尾行ですか!?」
長門「そう。そして二人の仲をとりもつ……」
古泉「なるほど……」
みくる「具体的にどんなことをするんですかぁ?」
長門「情報操作は得意……」
みくる「そっか~。長門さんならなんでも出来ちゃいますもんね」
古泉「し、しかし僕たちが余計なことをするのはあまりよくない気が――」
みくる「なんか楽しそうですね。私ワクワクしてきちゃいました♪」
長門「私たちは恋のキューピッドになる……」
古泉「…………」
10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/28(火) 22:31:35.84 ID:pzqOYcjHO
日曜日
長門「…………」
みくる「昨日はドキドキしてなかなか寝れませんでしたよ~」
古泉「今日は長い一日になりそうです」
長門「彼らがくるまで待機する……」
古泉「でも三人で尾行したらさすがに見つかりませんか?」
みくる「それなら心配ありません。こんなものを持ってきみました♪」
古泉「これは?」
みくる「これは"石ころブレスレット"という未来の道具です。これを付けるとと周りの人間から気付かれなくなるんです」
長門「さすが朝比奈みくる……」
みくる「ちなみに付けてる人同士には見えるように都合よくできています♪」
古泉「しかし未来の道具なんてこの時代に持ってきてもよかったんですか?」
みくる「ばれなきゃいいんですよ♪」ニコッ
古泉「…………」
13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/28(火) 22:37:33.73 ID:pzqOYcjHO
長門「涼宮ハルヒが来た……」
古泉「心なしかソワソワしてるように見えますね」
みくる「だって好きな人とふたりきり、半ばデートみたいなものですから当たり前ですよぉ」
長門「気合いが入っている……」
古泉「気合い?」
長門「よく見て……」
古泉「…………何か変わったところありますか?」
みくる「もぅ古泉君疎いですよ。ほら、涼宮さん微妙ですけど化粧してるじゃないですかぁ」
古泉「そうですか?」
長門「見事なナチュラルメイク」
15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/28(火) 22:43:03.20 ID:pzqOYcjHO
みくる「いつもは化粧なんかしてないのに」
長門「意識している証拠……」
古泉「はあ」
みくる「それにいつもより大きいハンドバック持ってますね」
古泉「言われてみれば」
長門「あれはおそらく手作り弁当……」
みくる「ですね」
古泉「涼宮さんも割と本気ですね」
みくる「あ!キョン君来ました!」
長門「これより作戦を決行する……」
みくる「よ~し♪」
古泉(テンション高いですよ……)
16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/28(火) 22:46:31.04 ID:pzqOYcjHO
長門「とりあえず様子見……」
みくる「まずはいつも通り街を散策ですね」
古泉「ちょっといいですか?」
長・み「?」
古泉「僕たちの姿は彼らには見えないんですよね?だったら物陰に隠れたりなどせず、堂々と近づけばいいのではないですか?」
長門「…………」
みくる「古泉君何もわかってないです」
古泉「え?」
長門「これはあくまで尾行。緊張感を持つことが大事……」
みくる「それに真後ろにいたらふたりを邪魔してるみたいじゃないですか」
古泉「はぁ……」
17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/28(火) 22:48:57.32 ID:pzqOYcjHO
長門「でも確かに二人の会話が聞き取りにくい……」
みくる「それなら……"糸なし糸電話"、これならどうですかぁ?」
古泉「これはなんですか?」
みくる「その名の通り糸のない糸電話です。片方を涼宮さん達の近くに飛ばせば、もう片方から話し声を聞くことができる未来の道具です♪」
長門「グッジョブ……」
古泉(禁則事項とはなんだったんでしょうか……)
みくる「では早速……。こちらの声も聞こえちゃうのでこれからはヒソヒソ声でいきましょう」
長門「了解した」
古泉「わかりました」
みくる「えい」
ガッ……ガガ……
18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/28(火) 22:50:15.40 ID:pzqOYcjHO
ハルヒ『キョン!あんたちゃんと探してんの?』
キョン『ああ、ちゃんと探してるさ』
長門「よく聞こえる」
みくる「感度は良好ですね」
ハルヒ『でも、あんたと二人で不思議散策するのも久しぶりね……』
キョン『そうだな』
ハルヒ『確かあの時は有希たちが本当は宇宙人だとか馬鹿なこと言ってたわね』
キョン『あ、ああ……そうだったか?』
長門「それは知らなかった……」
みくる「キョン君ダメじゃないですか~」
古泉「…………」
19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/28(火) 22:52:13.32 ID:pzqOYcjHO
ハルヒ『いい、キョン。不思議ってのはね、そんな身近にあるもんじゃないのよ』
キョン『わかったわかった』
ハルヒ『本当にわかってんの?』
キョン『ああ。肝に銘じとくさ』
ハルヒ『そう……ならいいけど』
みくる「涼宮さんぎこちないですね」
長門「かなり緊張してると思われる……」
みくる「見てるこっちまでソワソワしてきちゃいますね」
古泉「はあ~」
みくる「ちょっと古泉君!あくびなんかして緊張感が足りませんよ!」
古泉「え?」
21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/28(火) 22:55:34.22 ID:pzqOYcjHO
長門「古泉一樹。あなたには恋のキューピッドとしての自覚が足りない」
古泉「恋のキューピッド……ですか?」
みくる「私たちには涼宮さんの恋を実らせてあげるという使命があるんですよ?わかってます?」
古泉「あ、はい……すいません。以後気をつけます」
…………
…………
…………
ハルヒ『ねぇ、ちょっと疲れたかも……ベンチで休憩しない?』
キョン『そうだな』
みくる「『ちょっと疲れた"かも"』なんて普段なら絶対言いませんよね」
長門「初々しい……」
古泉「僕もイロイロと疲れましたよ……」
22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/28(火) 22:57:49.68 ID:pzqOYcjHO
キョン『そろそろ昼飯の時間だな。どこ食べにいく?』
ハルヒ『あ、あのさ……キョン……』
キョン『ん?』
ハルヒ『その……お昼ご飯なんだけどさ……お弁当……作ってきたんだけど……』
みくる「予想通りですね」
長門「うむ…………」
キョン『そうなのか?なんでまた……』
ハルヒ『有希たちが来ないって言うから……二人ぶんならすぐ作れるかなぁって思って……』
キョン『そうか。じゃあせっかくだし遠慮なくいただくよ』
ハルヒ『本当!?わ、わざわざ作ってきてやったんだから感謝しなさいよ……!!』
キョン『はいはい、ありがとな』
24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/28(火) 22:59:26.85 ID:pzqOYcjHO
ハルヒ『べ、別にあんたのために作ったんじゃないわよ!ファーストフードは健康に悪いのよ……だからこれは私のため!!』
長門「言ってることが矛盾している……」
みくる「ふふ、涼宮さん焦ってますね♪なんか私もお腹空いてきちゃいましたぁ……」
長門「私たちもお昼にするべき。今日はマックが食べたい気分……」ジーッ
古泉「ん?」
みくる「あ~私も久しぶりにハンバーガーが食べたいな~」ジーッ
古泉「え?」
長門「ここから西に1.5km進んだところにマクドナルドがある……」
古泉「け、結構遠いですね……」
みくる「とても女の子が行ける距離じゃないですね……」
古泉「…………」
長門「お腹すいた……」
みくる「腹ぺこです……」
古泉「わかりました、僕が行ってきます……」
27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/28(火) 23:02:40.22 ID:pzqOYcjHO
ハルヒ『どう?』
キョン『あぁ、めちゃくちゃ美味しいよ。やっぱりお前料理上手いな』
ハルヒ『そ、そう……。わ、私の手作り弁当が食べられるなんて有り難く思いなさいよ……!』ニヘラニヘラ
みくる「見てくださいあの涼宮さんの顔。もう嬉しさが隠しきれてませんよ♪」
長門「私たちの出る幕はないかもしれない……」
古泉「か、買ってきました!ハァハァ……」
みくる「お疲れ様、ありがとう古泉君♪」
古泉「いえいえ、どうってことないですよ」
長門「おかしい……」
みくる「どうしました長門さん?」
29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/28(火) 23:05:04.53 ID:pzqOYcjHO
長門「ホットアップルパイがない。私はホットアップルパイも欲しいと言ったはず……」
古泉「まさか、確かに注文したはず――――」
長門「ないものはない。私はホットアップルパイが食べたい。食べないと死んでしまう……」
古泉「わ、わかりました……もう一度行ってきます……」スタスタ
みくる「あれ?これホットアップルパイじゃないですか?」
長門「………………」
31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/28(火) 23:09:02.50 ID:pzqOYcjHO
ハルヒ『…………』モグモグ
キョン『…………』モグモグ
みくる「静かですね……」
長門「…………そろそろ仕掛ける」モグモグ
みくる「仕掛けるって何をするんですか?」
長門「お弁当と言えばすることは決まっている」モグモグ
みくる「う~ん…………あ、わかりました!『あ~ん』ですね『あ~ん』♪」
長門「そう……」モグモグ
みくる「でもどうやって涼宮さんにさせるんですかぁ?もうお弁当食べ終わっちゃいそうですけど……」
長門「まかせて……」モグモグ
41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/28(火) 23:53:04.02 ID:pzqOYcjHO
カラン
キョン『しまった、箸落としちまった』
ハルヒ『何やってるのよ馬鹿キョン』
キョン『なんか箸が勝手に動いた気が……』
長門「これで涼宮ハルヒの箸を使わざるを得なくなった」モグモグ
みくる「なるほど~」
ハルヒ『このドジ!』
キョン『大丈夫だ。ちゃんと拭けば問題ないさ』
みくる「あれ?なんかダメっぽい……」
長門「ぐぬぬ……」モグモグ
43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/28(火) 23:54:07.38 ID:pzqOYcjHO
キョン『あれ?箸が消えた……?』
ハルヒ『はぁ?』
キョン『おかしいな~』
みくる「長門さんさすが!」
長門「これくらい造作もない」モグモグ
みくる「ところでさっきから食べ続けてますけどそのダブルチーズバーガー古泉君のじゃ……」
長門「腹が減っては戦はできないという……」モグモグ
44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/28(火) 23:55:29.35 ID:pzqOYcjHO
ハルヒ『もう、残りは手で食べなさいよね!』
キョン『ああ、スマン……』
ハルヒ『ちょっと馬鹿!何ほんとに手で食べようとしてんのよ!』
キョン『え?だって箸ないし残すわけには……』
ハルヒ『もう、馬鹿……!こっち向いて……』
キョン『え?』
ハルヒ『ほら!口開けなさいよ!』
キョン『…………』
46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/28(火) 23:57:03.78 ID:pzqOYcjHO
ハルヒ『な、なによ!食べさせてあげるって言ってんのよ!!』
キョン『お、おう……』
ハルヒ『目もつぶって!!』
キョン『目もかよ…………』
ハルヒ『…………///』ニヤニヤ
キョン『ウグッ……乱暴にすんなよ……』
ハルヒ『はぁ?食べさせてやっただけで感謝しなさいよ馬鹿キョン!!』ニヤニヤ
長門「我ながらいい仕事をした……」
みくる「涼宮さん可愛い♪」
47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/28(火) 23:58:39.00 ID:pzqOYcjHO
古泉「ハァハァ……長門さん、やっぱりホットアップルパイは買ってますよ……だってレシートに――――」
長門「よく探したらあった……申し訳ない」
古泉「そ、そうですか……」
古泉「まああったならよかったんです。じゃあ僕もお昼にしましょうかね……あれ?」
長・み「…………」
古泉「僕のダブルチーズバーガーはどこにいきました?」
長門「そんなものは…………ない」
古泉「えっ?」
49: 溜めてあるし大丈夫 2011/06/29(水) 00:01:55.67 ID:pOzS4kVmO
ハルヒ『…………』
キョン『…………』
みくる「せっかくいい雰囲気だったのにまた静かになっちゃいましたね」
長門「この期を逃すわけにはいかない……」
古泉「…………」ぐぅ~
みくる「今度は何をするんですか?」
長門「私に考えがある……ゴニョゴニョ」
み・古「…………」
50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/29(水) 00:03:36.88 ID:pOzS4kVmO
キョン「快晴だな」
ハルヒ「そうね……。デ……不思議散策には絶好の天気だわ」
キョン「…………」
ハルヒ「…………」
不良「へいへい兄ちゃん姉ちゃん!昼間っから熱々だねぇ~(裏声)」
キョン「なんだ?」
ハルヒ「な、何?」ギュウ
不良「ヒュ~ヒュ~、そんなにくっついちゃって!(裏声)」
キョン「…………」
ハルヒ「うぅ…………」
不良「なぁ彼女、そんな男なんかより俺と付き合わないか?楽しいぞ~(裏声)」
ハルヒ「はぁ?」
51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/29(水) 00:05:02.99 ID:pOzS4kVmO
みくる「古泉君頑張ってますね」
長門「ちょっと臭いけど及第点ってところ」
不良(古泉)(なんで僕がこんな役を……)
長門「これで二人の仲はもっと狭まるはず……」
ハルヒ『ちょっとキョン、もう行きましょ』ギュウ
キョン『お、おう……』
みくる「ほら長門さん見てください!涼宮さんったらキョン君に抱き着いちゃって♪」
長門「計画通り」
52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/29(水) 00:06:09.57 ID:pOzS4kVmO
不良(古泉)『ちょっと待ってよ彼女!(裏声)』
ハルヒ『しつこいわよ!!』バンッ
不良(古泉)『ハウッ…………!?』
キョン『うわぁ……(玉蹴りかよ……)』
ハルヒ『早く行きましょう』スタスタ
キョン『おう……』(この声どっかで聞いたことある気が……)
不良(古泉)『ぅぅぅ…………』
みくる「うまくいきましたね」
長門「うむ…………」
不良(古泉)『………………』
53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/29(水) 00:10:09.43 ID:pOzS4kVmO
ハルヒ『…………』
キョン『なぁハルヒ……』
ハルヒ『何よ』
キョン『そろそろ俺の右腕から離れたらどうだ……?』
ハルヒ『え?あ、そうね……うん。なんだったのかしらさっきの男』
キョン『さあな』
ハルヒ『…………』(キョンいい匂いだったなぁ)
みくる「あぁ~もうキョン君の馬鹿!」
長門「しかし流れは悪くない……」
古泉「僕はもう帰りたいです…………」
54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/29(水) 00:16:55.68 ID:pOzS4kVmO
みくる「日が暮れてきましたね……」
長門「いつもならもう解散している時間」
みくる「あ、またベンチに座りましたよ。ここは公園ですね」
長門「もうしばらく様子を見る」
古泉「…………」
キョン『ふぅ、今日は歩いたなー』
ハルヒ『結局何も見つからなかったわね』
キョン『そんな簡単に見つかるもんじゃないんだろ?』
ハルヒ『そりゃそうよ……』
56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/29(水) 00:28:24.13 ID:pOzS4kVmO
キョン『…………』
ハルヒ『で、でも今日は楽しかったわ。普段来ないところまできたし、それに……あ、あんたと……』
キョン『何?』
ハルヒ『な、何でもないわ……』
キョン『?』(なんなんだ)
ハルヒ『…………』
キョン『…………』
みくる「またいい雰囲気ですね」
長門「そろそろ助っ人を呼ぶ」
みくる「助っ人?」
長門「……コクリ。出て来て」
みくる「あ、あなたたちは……」
63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/29(水) 02:10:06.12 ID:pOzS4kVmO
喜緑「やっと私たちの出番ね」
朝倉「待ちくたびれちゃったわ」
みくる「喜緑さんと朝倉さんが助っ人?」
長門「彼女たちには重要な仕事をしてもらう」
みくる「重要な仕事……?」
長門「そう。今こそチャンス……」
みくる「ふぇ?」
古泉「朝倉さんのその格好はなんですか?男もののスーツにその小洒落た帽子は……?」
朝倉「これは男装のつもりなんだけど。ほら、髪を後ろに束ねてサングラスしたら男の人に見えるでしょ?」
古泉「確かに……」
みくる「喜緑さんもおめかししてますね。いつにもまして可愛いです♪」
喜緑「ふふ、ありがとう」
64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/29(水) 02:11:37.55 ID:pOzS4kVmO
古泉「いったいこれから何を始めるのですか?」
長門「見てればわかる。じゃあ二人とも任せた……」
喜・朝「了解♪」
ハルヒ『…………』
キョン『…………?』(正面のベンチに人が……)
みくる「え?喜緑さんと朝倉さんがキョン君たちの向かいのベンチに座りましたよ?」
古泉「なるほど、あの二方が普段と違う格好をしていたのは、涼宮さんたちに見られても誰だかばれないようにするためだったんですね」
みくる「でも、ならなんで朝倉さんは男装を?」
長門「…………」
65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/29(水) 02:15:06.12 ID:pOzS4kVmO
キョン『…………』(前のカップルやたらとベタベタしてるなぁ……)
ハルヒ『…………』ジーッ
喜緑(ふふ、見てる見てる♪)
朝倉(長門さんの作戦通りね)
みくる「わかりましたぁ~。イチャイチャしてるカップルを見せることでキョン君と涼宮さんの気持ちを高ぶらせる作戦ですね!」
長門「そう……。あとは時間の問題」
古泉(こんなことのためにわざわざ……)
ハルヒ『…………』ジーッ
キョン『…………』
ハルヒ(すごいイチャイチャしてる……)
キョン(なんなんだあの馬鹿ップルは……)
70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/29(水) 03:45:06.22 ID:pOzS4kVmO
喜緑(朝倉さん……もっと奥まで舌を入れて……)
朝倉(喜緑さんって意外とキスが上手いのね♪)
『クチュ…クチャ…ングッ…』
みくる「はわわ……」
『ンンッ…アァ…ンアッ…』
長門「…………」
『クチュ…レロッ…ンッ…』
古泉「おやおや……」
71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/29(水) 03:45:41.62 ID:pOzS4kVmO
キョン『…………』(あいつら熱すぎだろ……。逆に見てても気持ち悪いだけだわ)
ハルヒ『キ、キキキキキョン……!!!』
キョン『うわっ!?なんだよ急に……』
ハルヒ『も、もう行くわよ!帰りまひょう……!///』
キョン『お、おう』(帰りまひょう?)
スタスタ
みくる「ああっ、涼宮さんたちいっちゃいましたよ!」
長門「朝倉涼子と喜緑江美里のフレンチキスが熱すぎて逆効果になったらしい……」
古泉「これは予想外でしたね」(良いものが見れました。ここまで苦労したかいがあった……)
長門「とにかく二人の後を追う……」
みくる「は、はい……!」
喜緑『ほら……これはどう?』
朝倉『やだっ……!そんなとこ触らないで……』
77: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/29(水) 04:33:56.31 ID:pOzS4kVmO
ハルヒ『………………///』スタスタ
キョン『…………』(歩くの速いな……)
みくる「このままだと帰っちゃいますね」
長門「ぐぬぬ……」
古泉「僕はもうここまでで充分だと思いますが」
みくる「あともう一息だったのに……」ショボン
長門「私はまだ諦めない……。プライドにかけて二人をくっつけて見せる」
古泉「でももう夜ですよ?どうにもならないんじゃないですか?」
長門「夜…………こうなった荒療治でいくしかない……」
みくる「荒療治?」
78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/29(水) 04:59:46.18 ID:pOzS4kVmO
長門「無理矢理お泊りする展開にもっていく……」
みくる「お、お泊りですか!?」
古泉「それはそれは……」
みくる「でもどうやって……」
長門「まかせて」
83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/29(水) 05:47:31.94 ID:pOzS4kVmO
ハルヒ「……………」スタスタ
キョン「……………ん?」
ハルヒ「なしたの?」
キョン「今向こうに火の玉みたいなのが見えたような……」
ハルヒ「火の玉?」
キョン「確かに向こうに……おい、見ろ!!」
ハルヒ「え?えっ?」
キョン「あそこだあそこ!火の玉が浮いてるぞ!!」
ハルヒ「ほ、本当だわ……!キョン老いかけるわよ!」
キョン「おう」(まさか本当に何か見つけるとはな。影で古泉たちが絡んでるのか?)
85: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/29(水) 06:28:50.05 ID:pOzS4kVmO
ハルヒ「ハァハァ……あの火の玉逃げてくわ……!火の玉のくせに生意気ね!!」
キョン「ま、待てハルヒ……速いって……ハァハァ」
ハルヒ「絶対逃がさないわよ……!」
キョン「ハァハァ……」
………………
…………
……
ハルヒ「ハァハァ……見失っちゃった……」
キョン「ハァハァ……おまえ……速いから……ハァハァ……」
ハルヒ「ここどこかしら?火の玉追いかけるのに夢中で道に迷ったかも……」
キョン「やれやれ、こんな景色見たことないぞ。相当走ったし未開の地まで来ちまったらしいな」
ハルヒ「もう…………」
87: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/29(水) 07:09:26.46 ID:pOzS4kVmO
長門「とりあえず誘導までは成功した……」
みくる「な、長門さん……速すぎですよ……ハァハァ」
古泉「懐中電灯を持った長門さんが高速移動することで火の玉が動いてるように見えたんですね」
古泉(しかし何故懐中電灯なんか持って……)
みくる「このあたりは私も来たことないですぅ……」
古泉「かなり街の外れに来ましたね。このあたりにあるのは…………」
長門「作戦を次の段階へ移行する……。§◇£♀※●%¥$▽■*&」
89: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/29(水) 07:29:27.04 ID:pOzS4kVmO
ポツッ……ポツポツ……
ザアアアアアアアアッ……
みくる「うわぁ~急に雨が降ってきました~」
古泉「これは長門さんが?」
長門「そう。天候を操るなんて朝飯前……」
古泉「しかし以前に天候を変えるのは未来に影響があるかもしれないと言ってませんでしたか?」
長門「忘れた」
古泉「そうですか……」
ザアアアアアアアアッ……
みくる「大雨ですよ~濡れちゃいますぅ~」
90: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/29(水) 07:30:37.34 ID:pOzS4kVmO
古泉「安心してください。僕は折り畳み傘を持ってます」
みくる「本当に?古泉君」
古泉「はい。ちょっと狭いですがこれで三人――――」ガシッ
長門「感謝する…………」
古泉「え?」
みくる「ありがとう、古泉君♪」
古泉「あの……」
長門「この傘は二人で調度いい。三人は定員オーバー……」
古泉「しかしこれでは僕が濡れて……」
みくる「ありがとう、古泉君♪」
古泉「は、はい……どう致しまして……」
93: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/29(水) 07:55:00.36 ID:pOzS4kVmO
ザアアアアアアアアッ……
キョン「急に降ってきやがった……!」
ハルヒ「昼間はあんなに晴れてたのに……」
キョン「とにかく雨宿りできる場所を探そう……って、周りになんもねぇぞ!!」
ハルヒ「あっ、見てキョン!あそこに建物が見えるわ!」
キョン「本当だ、とりあえずあそこで雨をしのごう。これはひどい雨だ……」
ザアアアアアアアアッ……
キョン「こ、ここは……」
ハルヒ「うっ…………///」
94: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/29(水) 07:59:12.26 ID:pOzS4kVmO
長門「街の外れまで誘導し、雨を降らせることで近くの建物に入らざるを得なくする……」
みくる「さすが長門さん!」
古泉「…………」ブルブル
長門「このまま今夜は台風を発生させる……。これで二人は夜をともに過ごすしかない……」
みくる「私たちの勝ちですね♪」
古泉「ハークション……!!」ブルブル
長門「…………しまった」
みくる「どうしたの長門さん?」
長門「大事なことを忘れていた……」
みくる「大事なこと?」
95: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/29(水) 08:02:30.56 ID:pOzS4kVmO
長門「涼宮ハルヒはここまで想定していない可能性が高い……」
古泉「つまりどういうことですか……」ブルブル
みくる「ああ、そっかぁ~」
古泉「何がそっかぁなんですか、朝比奈さん……?」ブルブル
長門「不覚……」
みくる「そうだ!私いいものを持ってます」
長門「?」
みくる「これは"スケスケ眼鏡"という未来の(ry」
長門「なるほど」
古泉「朝比奈さんのポーチは四次元ポーチなんですか?」ブルブル
96: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/29(水) 08:03:21.27 ID:pOzS4kVmO
みくる「じゃあ見て見ますね……」ジーッ
長・古「…………」
みくる「うーん……え?ふぇ~……黒……これはぁ……///」
長門「どうだった……?」
みくる「あれは十中八九勝負下着ですね……。黒のランジェリーで、あんなエロティックなの私でも持ってませんよ~」
長門「涼宮ハルヒ、抜かりなし……」
古泉「朝比奈さん、できれば僕にも見せてもらえませんか……?」ブルブル
97: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/29(水) 08:08:29.67 ID:pOzS4kVmO
ザアアアアアアアアッ
キョン「…………」
ハルヒ「…………」
キョン(とりあえず中に入ったが、なんでよりによってラブホなんだよ……)
ハルヒ「…………」
キョン(すぐに雨止めばいいが止みそうにないな……)
ハルヒ「…………」
キョン(さすがに気まずい……こいつもこういう時は女の子らしくなりやがるからな)
98: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/29(水) 08:11:21.99 ID:pOzS4kVmO
ハルヒ「…………ねぇキョン」
キョン「なんだ?」
ハルヒ「濡れてない……?」
キョン「いや、まあ若干は……」
ハルヒ「雨……止みそうにないわね……」
キョン「だな」
ハルヒ「…………」
キョン(無人タイプなのか……それくらいの知識はあるさ。でも人はいるはずだ、傘借りれねぇかな……)
キョン「どっかに人はいるはずだ。傘借りれないか聞いてくるからお前はここで待ってろ」
ハルヒ「待ってキョン……」グッ
キョン「ん?どした」
99: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/29(水) 08:12:11.29 ID:pOzS4kVmO
ハルヒ「あんた結構濡れてるじゃない。そのままだと風邪ひくわよ……」
キョン「これくらい対したことねーよ」
ハルヒ「それに!!……それに私もかなり濡れたし……このままじゃ風邪ひいちゃうかも……」
キョン「はぁ?」(お前に限って風邪をひくことはないと思うが……)
ハルヒ「も、もし私が熱出して学校休んだらSOS団に迷惑がかかるわ。団長だもの」
キョン「…………」(むしろ休んで何もしてくれないほうが古泉たちもありがたいと思うがね)
ハルヒ「だから……!!」
キョン「だから?」
100: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/29(水) 08:13:07.81 ID:pOzS4kVmO
ハルヒ「だから……その……」
キョン「?」
ハルヒ「へ、部屋……入りましょうよ……」
キョン「…………は?」
ハルヒ「…………」
キョン「あ……まあ確かに雨は止みそうにないし時間も遅いし濡れてはいるが……」
ハルヒ「…………」
キョン「さすがにニ部屋とれるほど俺の財布に余裕は――――」
ハルヒ「馬鹿キョン!一部屋に決まってるでしょ!!」
キョン「え?」
ハルヒ「…………」
101: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/29(水) 08:14:24.52 ID:pOzS4kVmO
キョン「ハルヒ、お前それマジに言ってるのか?」
ハルヒ「…………うん」
キョン「…………」
ハルヒ「ねぇ、いきましょう……?」ギュッ
キョン「え、あ、うん……そうだな……」
ハルヒ「いいい言っとくけど変な気起こすんじゃないわよ!!私に手出したらぶっ殺すわよ!!」
キョン「わかったわかった」
ハルヒ「早く部屋選んで……!人が来たら勘違いされるでしょ!!」
キョン「へいへい」
ハルヒ(やった……!今日はキョンとお泊りだ……♪)
102: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/29(水) 08:20:13.58 ID:pOzS4kVmO
ハルヒ『へ、部屋……入りましょうよ……』
キョン『…………は?』
みくる「やった~♪長門さんやりましたね♪」
長門「これは朝比奈みくるの協力があってこそ……。ありがとう」
みくる「いえいえ、長門さんが一番頑張ったじゃないですか♪長門さんこそお疲れ様です」
ザアアアアアアアアッ
古泉「………………」(これでやっと帰れる……)
みくる「でもホテルに入ったわいいけどちゃんと上手くいくかなぁ~?」
長門「このあとのことは二人に任せるべき。部屋で何があろうとここまで来て一夜を過ごしたという過程が大切……」
みくる「そうですね」
古泉(せめてこれで涼宮さんの精神が安定するようならば、僕の努力も意味があったということでしょう)
104: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/29(水) 08:26:58.97 ID:pOzS4kVmO
次の日の放課後
ハルヒ「………………」イライラ
み・長「………………」
古泉「ゴホッ、ゴホッ……」
ハルヒ「みくるちゃん、お茶おかわり!!」
みくる「は、はい……!!」
みくる「どうぞ……」
ハルヒ「ズズズズズッ」イライラ
105: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/29(水) 08:28:54.49 ID:pOzS4kVmO
長門「…………」
みくる「どうしたんでしょうか涼宮さん……すごく機嫌悪そう……」ヒソヒソ
長門「昨夜何かあったのかもしれない……」ヒソヒソ
キョン「うーす」
古泉「こんにちは」
キョン「どうした古泉?マスクなんかして風邪か?」
古泉「はい、喉・鼻をやられました。咳が止まらないし微熱もあるんです……ゴホッゴホッ」
106: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/29(水) 08:36:07.51 ID:pOzS4kVmO
昨夜
キョン「じゃあ俺はソファーで寝るからお前は――――」
ハルヒ「な、何言ってんのよ……!!こんなにベット広いんだから一緒に寝ればいいでしょう!」
キョン「そうか……」
ハルヒ「ただし!あんたのスペースは三分の一だからね!それ以上こっち来たら蹴り落とすから!!」
キョン「わかった、気をつけるよ」
ハルヒ「わ、私の寝込み襲おうなんて考えてんじゃないわよ……!!私の体に触れたら3秒であの世行きだからね!!」
キョン「了解しました団長様、おやすみ」
ハルヒ「おやすみ………………」ドキドキ
107: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/29(水) 08:46:15.31 ID:pOzS4kVmO
キョン「………………」
ハルヒ(今日は楽しかったなぁ……キョンとふたりきりで歩いて回ったり、お弁当食べたり……)
ハルヒ(私のお弁当美味しいって言ってくれたし……)ニヤニヤ
ハルヒ(それに今晩はキョンと一緒……キョンと同じベット、同じ布団……)ニヤニヤ
ハルヒ(キョンがすぐ側に寝てる……手伸ばしたら届く距離に寝てる……///)ニヤニヤ
109: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/29(水) 08:49:11.06 ID:pOzS4kVmO
ハルヒ「ねぇ……キョ――――」
「アッ……ああん……」
ハルヒ「?」
「イイッ……いいわ……アハン……」
ハルヒ(隣の部屋?ちょっと、声丸聞こえじゃない……どんだけ壁薄いのよ!)
「スゴイ……キモチイィ……――さんキモチイィょぉ……」
「フフッ、――さんってこういうのが好きなんだぁ♪」
ハルヒ(声デカすぎ!!せっかくキョンと二人きりなのに……てかこれ両方女の声じゃないの?)
111: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/29(水) 08:53:39.02 ID:pOzS4kVmO
「アアッ……ダメ……イッちゃうから……」
「――さんって、いつも――さんにもこんな風にされてたの?――さんって読書以外にも趣味あったんだぁ♪」
ハルヒ「…………」イライラ
ハルヒ(気にしない気にしない……私は私でこの時を楽しまなきゃ……)
ハルヒ「ねぇキョン……」
キョン「…………」
ハルヒ「キョン……?」
112: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/29(水) 08:55:15.11 ID:pOzS4kVmO
キョン「だ、ダメですよ朝比奈さぁ~ん……そんなとこ……ダメですってばぁ~……」ムニャムニャ
ハルヒ「寝てる……?」
キョン「朝比奈さぁん……そんなの食べれませんよぉ~……特盛すぎますってぇ~……」ムニャムニャ
ハルヒ「キョン…………」イライラ
113: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/29(水) 08:56:46.00 ID:pOzS4kVmO
キョン「き、きもちぃです……朝比奈の最高っす……」ムニャムニャ
ハルヒ「…………」イライラ
キョン「えへへぇ~……」ニヤニヤ
ハルヒ「もういい…………」
ハルヒ「…………キョンの馬鹿」
オワリ
長門「これから円卓会議を始める」