1: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2011/06/16(木) 21:58:56.82 ID:jy5wm/Wbo
博士「しかし、どんな顔をして行けばいいものか…。」
義肢少女「大丈夫です。きちんとお願いすれば、きっと応えてくれますから。」
博士「僕のような人間でもかい?」
義肢少女「もちろんです。」
博士「…そうだね、悩んでいても仕方ない。ここは君の言うことを信じよう。」
義肢少女「はい。お気を付けて。」
博士「うん。 それじゃあガリガ○君もう一本もらってくるよ!」
義肢少女「先ほどお渡ししたよっちゃ○イカの分もお願いしますね。」
2: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2011/06/16(木) 22:06:54.73 ID:jy5wm/Wbo
あらすじ
義肢少女「もっと普通の手足はないんですか」
http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1306/13063/1306310026.html
義肢少女「もっと普通の生活はできないんですか」
http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1306/13065/1306583666.html
博士と義肢の女の子がグダってるお話です。
今回もサクっと終わりそうな予感。
義肢少女「見慣れない自転車がありますね。」
博士「健康のために運動をしようと思ってね。前から欲しかったロードバイクを買ったんだ。格好いいでしょ。」
義肢少女「そうですね。それに、すごく早く走れそうです。」
博士「舗装された道でならかなりの速さで走れるらしいよ。」
義肢少女「らしい、って。まだ乗ってないんですか?」
博士「いやあ、だってこんなピカピカで綺麗だと、磨いたり眺めたりしているだけで満足しちゃって。」
義肢少女「運動はどうしたんですか。」
義肢少女「机の上に飲みかけのコップを溜め込みすぎですよ。」
博士「飲み終える前に忘れて新しいのを持って来ちゃうからねえ。ついつい。 けど飲めなさそうなのはちゃんと捨ててるよ。」
義肢少女「けどこのマグカップなんて、ずいぶん前から同じ位置にあるような…」
義肢少女「……な、何ですかこの、中に浮かんでる緑色の球は。」
博士「え? ああ、カビだよ。大きくなるにつれて何だかかわいく見えてきちゃってね。そのままながm
義肢少女「やめてください!」
博士「秋といえば、」
義肢少女「っ…読書です。」
博士「無理しちゃって。成長期なんだから、増えて当然なんだよ。」
義肢少女「増えてません!数値だって前回と同じですから、」
博士「いや、足回りを軽量の物に変えたからね。本来なら700g…」
義肢少女「やっぱり秋はスポーツですね!」
TV『ブソウレンキン! ハラワタヲ ブチマケロ!』
博士「バルキ○ースカートは!」
義肢少女「要りません。」
博士「あったら便利そうなのになあ。」
義肢少女「フィギュアは華やかでいいですね。」
博士「そうだね。最近のはとても完成度が高くて、見ていてほれぼれするよ。」
義肢少女「はい。やはり女子がよく取り上げられますけど、男子もまた違った魅力があって好きです。」
博士「少しマイナーな感はあるけど、その魅力から支持している人もなかなかいるみたいだからね。」
義肢少女「いつか生で見てみたいなあ。」
博士「そこの机の上に置いてあるじゃない。」
義肢少女「えっ」
博士「えっ」
博士「まあ、落ち着きたまえ…。」ジリジリ
義肢少女「わたしはいつだって平成ですよ。」ジリ…
博士「君が平成世代だというのは知っている。落ちつくんだ。」
義肢少女「おとなしくこれを着てくれれば昭和でも平成でも何でも構いません。あとついでに写真を撮らせて頂ければ。」
博士「ぜったいいやだ。断固断る。 というかそんなフリフリ服、一体どこで、」
義肢少女「義手のお姉さん提供です。後日写真をお渡しする条件でお借りしました。」
博士「なん…だと…」
義肢少女「とても楽しみにされていますよ。ぎゅーってしたい、とも話していました。」
博士「ちょっと…ちょっと心の整理をさせてください…。」
義肢少女「なんか最近、わたしの事を『†デウスマキナ†』と呼んでくる男子がいるのですが…。」
博士「男子特有の病を患っているんだ。いつか治るから、そっとしといてあげなさい…。」
義肢少女(電話)『クラスの女の子と一緒にカラオケに行く事になったのですが、よければ一緒にどうですか。』
博士「え?何でまた。」
義肢少女『博士を実際に見てみたい、という子がたくさんいまして。女の子と遊べるのなら喜んで来てくれるかなあ、と思ったのですが。』
博士「普段どんな目で僕を見てるのさ…。悪いが、君らだけで楽しんでおいで。」
義肢少女『そうですか、残念です。 じゃあみんなには代わりに写真で紹介しますね。確かセーラー服を着せた時の写真が…』ガサガサ
博士「アーヤッパリカラオケイキタイナア。ゼヒ、サンカサセテクダサイ。」
博士「はい。もしもし。」
博士「…はい?な、何ですって?」
博士「夫婦でイタリア旅行って…相変わらず仲がよろしいですね。 じゃなくって、」
博士「年頃の娘さんを男の家に預けよう、という考えは親としてどうかと思いますよ。」
博士「いやまだ僕と彼女はそういった関係では… あっいえ、まだっていうのはそういう意味じゃなくてですね。」
博士「…はい。そういうのは僕は無理ですから。あなただってよくご存じでしょう。」
博士「そこまで言うのなら、信じますけど…。どうなっても知りませんよ。」
義肢少女「お邪魔します。」
博士「いらっしゃい。」
義肢少女「…。」
博士「…。」
義肢少女「…その、一ヶ月間、お世話になります。よろしくお願いします。」
博士「…うん。こちらこそ、よろしく。」
義肢少女「…。」ソワソワ
博士「…。」ソワソワ
義肢少女「おはようございます。」
博士「…」
義肢少女「…やっぱり朝には起きれないか。」
義肢少女「メモを置いとこ。」
義肢少女「…。」カリカリ
義肢少女「それじゃあ、行ってきます。」
博士「…ねむ。」ポリポリ
博士「『学校に行ってきます。お昼ご飯は冷蔵庫に入れてますので、暖めて食べて下さい。』」
博士「あー…そこまでしてくれなくてもいいのに。律儀だなあ。」
博士「まあせっかくだし、ご厚意に甘えて遅めのお昼を」
博士「…(洗った食器が、二人分。)」
博士「朝食も、作ってくれてたのか。」
博士「おはよう。」
義肢少女「!お、おはようございます。」
義肢少女「今日は何か用事でもあるんですか?」
博士「いやだなー僕だって早起きぐらいするさ。悪いんだけど、朝ご飯お願いできる?」
義肢少女「はい。今ちょうど作っているのですぐできますよ。」
博士「ありがとう。さーて久しぶりに○島アナでも見ようかな。えっとフ○テレビは~」
義肢少女「(どれだけ昔から早起きしてないんだろう…。)」
博士「お米は何にでも合うよね。ねこまんまとかよく食べたよ。」
義肢少女「相性が本当に良いから色んな組み合わせを試しますよね。」
博士「あーやったやった。シンプルなのだと、醤油だけかけても普通に美味しいんだよねー。」
義肢少女「そうですよね。あとそれにマーガリンとかを足すともっt
博士「いやその組み合わせは無いよ。」
義肢少女「えっ」
義肢少女「お邪魔します。」
博士「そうじゃないだろう?」
義肢少女「…た、ただいま 帰りました。」
博士「うん。おかえりなさい。」
博士「ただいまー。」
義肢少女「おかえりなさい。もうすぐ晩ご飯できますよ。」
博士「ありがとう。お風呂は?」
義肢少女「沸いてますよ。」
博士「お、さすがだね。つまりご飯お風呂ときて、すると君の準備もバッチr
義肢少女「博士は沸かしてばかりいないでちょっとは冷してはどうですか。」
義肢少女「…。」カチャカチャ
博士「…。」ソワソワ
義肢少女「っんしょ。」パン パン
博士「た、大変だろう何か手伝うよ。」
義肢少女「いいですよ。好きでやってますから。洗い物も、二人分ならそんなに量もありませんし。」
博士「いや、まあ干すぐらいは、」
義肢少女「じゃあ、わたしの下着も干せますか。」
博士「…オネガイシマス。」
義肢少女「はい。」
義肢少女「短所が長所にもなる、という話はよくあるのですが、」
博士「うん。」
義肢少女「わたしの義肢が長所になるために、博士は今もこうして手を加え続けているのですか?」
博士「…うーん。僕は、短所が長所に、っていう考え方はあんまり好きじゃないんだ。」
義肢少女「そうなんですか。マイナスがプラスになるのだから、良い考え方だと思うのですが。」
博士「何でもプラスに、前向きに置き換えれば良い影響が出る訳じゃない。それなりに負荷もかかるしね。」
義肢少女「…それは少し分かる気がします。」
博士「それに短所はマイナス、というよりも、単にベクトルの方向が違うだけだ。これはわりと必要な物だと思うんだ。」
義肢少女「急に数学っぽくなりますね…。らしく言えば、何かを表現するのに、長所のベクトルだけでなく、短所のベクトルも必要といった具合ですか。」
博士「あ、もう成分表示とかも習ってるんだね。 うん。そんな感じかな。」
義肢少女「短所は足を引っ張るようなイメージがあるんですけど、そう考えたら違って見れそうです。」
博士「前に進むばかりが近道って訳じゃないからね。君の身体も、義肢についても、長所にしないと、と思い詰める必要は無いよ。」
博士「例えば君がサイズが足りずに未だにスポーツブラを愛用し続けている事も短s…あ、いや…その衝動は思い直した方が…あはは…」
義肢少女「間食を摂りすぎです。」
博士「頭脳労働をしてるんだ。甘い物が欠かせないんだよ。」
義肢少女「三食きっちり食べてるのに、さらに甘い物まで食べてたら太りますよ。」
博士「んー。体質なのか、昔からどんな生活をしても体格は変わらないんだよね。」
博士「太ろうと試みたら逆に痩せた事もあったs…な、なんでそんなこわい目で睨んでくるの…。」
義肢少女「…」ウトウト
義肢少女「…んん」カクン
義肢少女「…」
義肢少女「…っぅんえっへへへ…」
博士「幸せそうだなあ。」●REC
義肢少女「またこういう本を開きっぱなしで…。」ハア
義肢少女「まあ、もう慣れたからいいけど。本棚に戻して、」
義肢少女「?棚の奥が仕切りで隠されてる。 何かがぎっしり入って…」
義肢少女「」
博士「おーいごはんできたyっぁぁあぁしょ、それは、誤解です!」
博士「たたまには小さい胸もアリかなあなんてちょっとした好奇心から漁ってたらなんか数が揃っちゃってて!いやけどやましい意味じゃなく、」
博士「そう、研究!あくまで研究でね。」
義肢少女「…。」
博士「(あ、あれ?いつもの制裁が入らない。)」
義肢少女「博士的には、アリ、ですか?」
博士「……はい。アリ、だと思います。」
義肢少女「なら、良いです。」///♪
博士「(消えたい。)」
博士「(それからの事、含みのある生優しい目で見られてつらいです。親に目撃された男子はこんな気分なのだろうね…)」
義肢少女「何で笑ってるフリをするんですか。」
博士「そう見える?」
義肢少女「気付いたのは最近ですけど。正直、たまに怖く感じます。」
博士「そこまで見透かしてくる君が僕も怖いよ。」
義肢少女「そうやって笑って。何を隠してるんですか。」
博士「隠してるつもりはないのだけれど。分からないのなら気付かないフリをしていた方がいいよ。」
義肢少女「いやに排他的ですね。」
博士「踏み込まれたらそうもなるよ。」
義肢少女「同じプラモデルばかり買い込んで、どうするんですかコレ。」
博士「何を言ってるんだ。どれも全然別物だよ。」
義肢少女「けどこれ、どれもジ○?ですよね」
博士「違うんだよ。これは○ム、こっちはジ○ライトアーマー、それにジ○コマンド宇宙用、ヌーベル○ムⅢ、ジ○E型、○ム改。」
義肢少女「…。あ、このジ○はなんだか違いますね。それだけ分かります。」
博士「それはイデ○ンだよ。全然別物だ。」
義肢少女「(もう何がなんだか。)」
義肢少女「リミッター、ですか。」
博士「そ、そう。日常生活を送る分にはかえって邪魔になるから、普段はパワーを抑えて運用するようになっているんだよ…。」
義肢少女「つまり、そのリミッターは緊急時に外れるようになっているんですね…。」
博士「うん…反射行動であったり、本能的な行動に際しては解放されるよう…に…」
義肢少女「は、博士!しっかりしてください!ゴキブリ退治のとばっちりが原因だなんて色々と洒落になりません!」
義肢少女「このガラクタの山はどうにかならないんですか。」
博士「ガラクタだなんてとんでもない。どれも使えるものばかりだよ。」
義肢少女「そんな事を言っているから片付けができないんですよ。使うものと使わないものに分別していきましょう。」
博士「だからどれも使うんだって。」
義肢少女「じゃあこの柄の無いへらは何に使うんですか。」
博士「…缶のフタをこじ開けるのにたまに使ってます。」
義肢少女「ここにある缶開けは飾りですか。」
博士「たまーにその缶開けだとうまく開かない事があるんだよ。そういう時に便利なんだ。」
義肢少女「それじゃらちがあきません。別に無くても困りませんよね。」
博士「無くとも困らないけどひょっと役に立つようなものをいっぱい持った生き方って、パズルみたいですごく楽しいと思うんだ。」
義肢少女「ドラ○もんですか。」
博士「ああ、昔あこがれたなあ。○ぶ代さんのしゃがれた声が大好きでね。世代交代になった時はなかなか馴染めなくて、」
義肢少女「片付けしましょうよ。」
博士「うー冷えるーおフロ~。」ガチャ
義肢少女(裸)「あ」
博士「」
博士「gっっごめん不注意で!できればグーパンぐらいで勘弁してくださいお願いします!」
義肢少女「いいですから、早く出て下さい。」
博士「え?あ、はい。すぐ出ていきます。」
義肢少女「おフロあきましたよ。」
博士「…その、本当にすまない。」
義肢少女「気にしすぎですよ。ちょっと見ちゃったぐらいで。」
博士「いやしかし、不慮の事とはいえ見事なまでに見えて」
義肢少女「このくらいの事なら博士が思ってるほど気にかけませんよ。たぶんわたしに限らず、大抵の女の子も。」
博士「そういうものなのかなあ。」
義肢少女「そこまで気にするのは免疫のない男子くらいです。 何だかんだ言って、博士も案外…」
義肢少女「ちょ、ちょっと博士!そんな薄着でどこに行く気ですか!ホントに気にしなくていいですから!」
博士「この、巨大な洗濯ばさみみたいなのは何だい?」
義肢少女「洗濯ばさみって…コンコルドですよ。髪留めです。」
博士「へえ…じゃあこのU字型磁石みたいな針金は、」
義肢少女「Uピンです。これは普段はあまり使いませんけど。」
博士「色々あるんだねえ。 ところで、そろそろ仕事の方に戻りたいんだけれど。」
義肢少女「もうちょっと待って下さい!あとちょっとで綺麗なおだんごが…!」
義肢少女「お願いがあるのですが。」
博士「何だい?」
義肢少女「前に話されてた、生身そっくりの手足に関してなのですが。明日だけあれに取り替える事はできますか。」
博士「ああ、それなら羽とかと同様、自力で換装できるようになってるよ。自由に使うといい。」
義肢少女「そうだったんですか。色々と、ありがとうございます。」
博士「構わないよ。 あっあと実は一緒に四脚も追加してるんだけどね。なんと壁歩きができるんだよ!」
義肢少女「(この人の色々と手回しが早すぎて周回オーバーしてる感はわざとなのかな。)」
博士「四脚は万一足が一つ欠けても歩行できるし、安定性もあって理想的な体型だと思うんだ。機能性もありながらシルエットも美しいし」イキイキ
義肢少女「あふ…顔洗お…」ガチャ
博士(半裸)「あ」
義肢少女「…。」
博士「い、いや昨晩入りそびれたからね、朝風呂しようと思ったんだ。すぐ出るから悪いんだけど外に、」
義肢少女「…。」キュ ジャー
博士「あの、ちょっと外に出て…」
義肢少女「お気になさらず。」パシャパシャ
博士「いや、気にs…うん、まあいっか。(顔洗ってて見れなさそうだし)」
義肢少女「…。」パシャ パシャ
博士「…。」ヌギヌギ
義肢少女「…。」パシャシャシャシャ
博士「待て今の音はおかしい。」
義肢少女「気のせいですよでは失礼しまs
博士「その携帯のメモリーをちょっと見せて貰おうか。」
博士「現在地がここだから、…どっちが北だ?」
通行人「こんな所で、どうかしましたか?」
博士「いえ、慣れない場所なのでお店の場所がよく分からず、迷っていまして。お恥ずかしながら。」
通行人「?そうでしたか。場所を教えてくれたら案内しますよ。」
博士「本当ですか。見ず知らずなのに、ご丁寧にありがとうございます。ここのお店なんですけれど。」
通行人「…ああ、このお店ならこの通りをまっすぐ行けば右側にありますよ。こちらです。」
博士「ありがとうございます。助かりました。」
通行人「いえいえ。けど、失礼ながらここはレディースのお店ですよ。」
博士「知人へのプレゼントを買おうと思いまして。ここのアクセサリーがかわいいと前に話していたものですから。」
通行人「…。そうでしたか。喜んでもらえるといいですね。」
博士「はは、いい物を選ぶ自信は無いんですけどね。見立ててくれたら嬉しいなあ、なんてここまで甘える訳にはいかないか。」
通行人「ええ。頑張って自分で選んでください。」
博士「はい。ありがとうございました。」
博士「こたつはいいねえ。文化の極みだよ。」
義肢少女「そうですね。家にも普通のこたつはあるんですけど、この掘りこたつは最高です。」
義肢少女「ただ、こうして二台置いてる必要は無いですけどね。」
博士「いやしかしね、掘りこたつだと寝転がれないじゃない。こっちのは潜り込みたい時に必須なんだよ。」
義肢少女「素晴らしく無駄な贅沢ですね。」
博士「そう言いながらも一番活用してるのは君じゃないか。連結して同時に使ってるのを見たときはカルチャーショックを受けたよ。」
義肢少女「そんな大げさな。ちょっと試してみたかっただけですよ…。」
博士「ここに文化極まれり。この子こそこたつマイスターだ、と僕はその日から尊敬の念を抱き続けているよ。」
博士「気を抜いたときに出すおっさんのような声も見gああ゛あ゛ぢ熱い!電熱線に押しつけないで焦げる焦げちゃう!」
博士「時々思うんだけれど。」
義肢少女「何をですか。」
博士「時たま見せる君のぶっ飛んだ嗜好は、一体どこから来たものなのかなあ、と。」
義肢少女「なに言ってるんですか。わたしなんかまだまだ普通ですよ。」
博士「そうかなあ。」
義肢少女「学校の友人なんて『黒板×チョークの妄想で授業中も興奮が止まらない』と、嬉しそうに」
博士「その子の言葉は聞き流しなさい。」
義肢少女「あ、○曜ロードショー観ませんか。」
博士「いいよ。今日は何の映画だっけ。」
義肢少女「リ○グです。懐かしいですね。」
博士「そうだねえ。じゃあ僕はもう寝ようかな。」ガタ
義肢少女「何言ってるんですか。せっかくだから一緒に観ましょうよ。」ガタ
博士「いや、ちょっともう眠くて倒れそうなんだ。」
義肢少女「ついさっき元気に夜更かし宣言してましたよね。 まさか、こんなレトロなホラーが怖いだとか」
博士「怖いよ怖いに決まってるじゃない。リン○はまさに幼少期のトラウマだよ!ホント勘弁して!」
義肢少女「幼少期ならともかく、今観たらそこまで怖い内容じゃないですって。大丈夫ですから。」
博士「…。」ジリジリ
義肢少女「…。」ジリ…
博士「ぃいぃぃやぁぁぁだぁぁぁ!」グググ
義肢少女「だいじょーぶですからー!」ググググ
博士「…。」
ガタッ
博士「」
ガサ…ガタガタガタガタ
博士「」
義肢少女「博士、まだ起きてますか。」ガラ
博士「丁度いあ寝ようとしてた所だよよよかったら一緒の部屋で寝ないかい。」
義肢少女「何言ってるんですか全く。 本当に仕方のない人ですねーお布団持ってきますね。」
博士「そうかよかった!いやどちらでも大丈夫なんだけどね。大丈夫だからちょっと手洗いに行ってくるよ。」
義肢少女「わかりました。」
ファンネル<ガタガタ…ガタ…
義肢少女「(予想以上にちょろかった。)」ニヤ
義肢少女「ゲームですか。珍しいですね。」
博士「整理してたら懐かしいのが出てきてね。バーチャ○ンとかバー○ャレーシングとか。」ゲッレディ
義肢少女「セガ○ターンですか。聞いたことはありますけど、本当に存在したんですね…。」
博士「キワモノみたいな扱いをしないでくれよ。一番思い入れのあるゲーム機なんだから。」
義肢少女「はあ。 あ、このロボットは女の子なんですね。」
博士「ああ、フェイ・○ェンって言うんだけどね。当時はすごい衝撃を受けたよ。今思えば○ェイが初恋の相手だったのかも知れないなあ。」
義肢少女「(もしかして、これが全ての発端…?)」
博士「バスガス爆発。」
義肢少女「バスばふっ…」
博士「…。」
義肢少女「…。」
博士「手術中。」
義肢少女「しゅ じゅ つ中。」
博士「高架橋橋脚。」
義肢少女「こうきゃきょ、こうきゃこうk、こう、こ、こうかきょうこ、…」
博士「(かわいい。)」
博士「お酒を飲んだね。」
義肢少女「の、のんれません。」
博士「またベタベタな。 何でまた赤ワインなんか。」
義肢少女「…びように、いいときいて。」
博士「ああ、確かに少量なら体に良いとは聞くけれど。君は未成年だろうに。」
義肢少女「ごめ、なさい…」
義肢少女「っく、っうぇ…」ポロポロ
博士「ああいやごめん怒ってる訳じゃなくてね。けどそういうのは大人になってからでも遅くは、」
義肢少女「こどもじゃないれす!おとなぶらないでくあさい!」
博士「っぷ。かみかみでムキになって、こどもだなあ。ははは」
博士「はははぅぐぶぁっ! ちょ、組み伏せて何を…いやうん君は大人だ。分かった!分かったから止めて!」
博士「メリークリスマス。そして誕生日おめでとう!」
義肢少女「ありがとうございます。けどこんな盛大にしなくとも…。」
博士「クリスマス兼君の誕生日兼一ヶ月同居最終日パーティーなんだから、このくらいはしないと。」
義肢少女「色々兼ねすぎてますよね。本当にすごいタイミングです。」
博士「まあ祝い事があるのはいい事さ。 はいこれ、プレゼント。」
義肢少女「わ…!ありがとうございます。開けていいですか。」
博士「もちろん。」
義肢少女「…四葉のネックレス、ですね。かわいい…」
博士「君の名前と、縁起も重なって良いかなあ、なんて思ったんだけど。どうかな。」
義肢少女「はい。すごく気に入りました。ずっと大事にします。」
博士「君からのクリスマスプレゼントは…目覚まし時計か…。」
義肢少女「アラームの鳴る時計が一つも無いから起きられないんですよ。色々な機能がついてますから、しっかり活用してくださいね。」
博士「あー…。ん、これアラーム音を録音して使えるんだ。ちょっと君の声でお願いしても良いかな。」
義肢少女「照れくさいですけど、いいですよ。何て録音しましょうか。」
博士「そうだね…。『もう!早く起きないとイタズラしちゃうぞ☆えっイタズラが何かって、そんなの…恥ずかしくていえn
博士「ああごめんなさいだから冗談だって!そんな呪いを込めたような棒読み声で吹き込まないで逆に怖いよ!」
義肢少女「一ヶ月間、お世話になりました。」
博士「こちらこそ。楽しかったよ。」
義肢少女「そう思ってもらえたら嬉しいです。 せっかく規則正しい生活ができるようになったんですから、続けていってくださいね。」
博士「あはは…努力はするよ。」
義肢少女「あと料理もやればできるんですから、一人の時でもなるべく自炊するようにしてください。」
博士「一人だとどうしても面倒になるんだよねえ。食べたくなったらするよ。」
義肢少女「…。」
博士「…。」
義肢少女「…お邪魔しました。」
義肢少女「行ってきます。」
博士「うん。行ってらっしゃい。」
博士「…。」
博士「…静かだなあ。」
博士「夕飯は…冷えるしボルシチでも作るかな。」
少女「すみません。どなたかいらっしゃいますか。」
博士「はいはい。どうかしましたか。」
少女「こちらに義肢の研究をされている方がいると伺ったのですが。」
博士「ええ。僕がそうですけれど。 立ち入ったお話なら中で聞きますよ。」
少女「ありがとうございます。お邪魔します。」
博士「…つまり、義肢の製作を僕に依頼したいと。」
少女「はい。色々な事ができる、特殊な種類のものを作られている、と噂で聞きまして。是非ともお願いしたいのですが。」
博士「…申し訳ありません。僕は研究者で、メーカーではないので。そういった発注は基本的にお受けしていないんです。」
少女「ですが、私と同い年ぐらいの女の子に義肢を提供していると。」
博士「あの子は特別な事情がありまして。僕が半ば押しつけるような形で提供しているのですよ。」
少女「その女の子は、特別な人なんですか。」
博士「…どうでしょうね。特別な人だと思いたいけれど、そう見ることができませんから。」
博士「ただの、知り合いです。」
少女「ところで、先日お店で買われていたプレゼント。もうその子に渡しましたか。」
博士「え?ええ、先日その子の誕生日だったのでその時に。何でそれを?」
少女「まだ気付きませんか?」
博士「…ああ、もしかして。あの時道案内してくれた子が君なのかな。」
少女「そうです。」
博士「そうだったのか!そうとは気付かず。その節は本当にありがとうございました。」
少女「…。」
博士「…?」
少女「…ネックレス。似合ってますか。」
博士「……ああ、よく、似合ってるよ。」
義肢少女「見分けが、つかないんですか。」
博士「うん。君に限らず、僕はほぼ全ての人を外見や声で判別することができない。覚えられない、と言った方が正確かな。」
博士「これまで生きてきて、認識ができたのは君の叔父さんと、先輩の二人だけだ。」
義肢少女「じゃあ、ご両親も昔から。」
博士「物心つく前から分からなかった。外に出れば、周りの大人に溶け込んで見分けがつかない。」
義肢少女「その事は他の人たちは、」
博士「知っているよ。叔父さんには精神的に滅入っていた時に生き方を教えていただいた。」
義肢少女「何でわたしには…って言ったら、隠していたつもりは無い、って言うんでしょうね。」
博士「…。」
義肢少女「わたしは、ただの知り合いですか。」
博士「気分を害してしまったのなら、すまない。けどこの通り、見分けもつけられない人間なんだ。分かるだろう。」
義肢少女「分かりませんよ。特別だって言ってくれたのに、何でそんな。」
博士「他と見分けが付かないのに、特別も何もないだろう。」
博士「義肢が違えば、プレゼントが無ければ、こうして気付く事もできない。どうする事もできないよ。」
義肢少女「…本当にどうする事も、できないんですか。」
博士「できない。荒療治にと、色々な事に挑戦してみた。けれどだめだった。これは一生つk
義肢少女「そんな難しい話じゃなくて。 もっと簡単な事があるじゃないですか。」
博士「…え?」
義肢少女「自分がどう、じゃなくって。相手に、もっと普通にお願いすればいいんですよ。」
博士「お願い…?」
義肢少女「博士はご両親が見分けがつかないと話していましたけど、じゃあどうやって今まで会話をしてきたんですか。」
博士「それは、向こうから『父さんだよ』といった具合に毎回自己紹介をしてくれたり、わざと同じ、目立つ服装をし続けてくれたり。」
義肢少女「何でそうしてくれるようになったか、ご存じですか。」
博士「いや。僕のハンデに気付いて、自主的にそうしてくれてたのかと思っているけど。」
義肢少女「お母様から聞きました。博士が小さい頃、ご両親にお願いをしたのがきっかけだそうです。」
義肢少女「『どこにいるの。どこにいるか教えて。』 と。博士のそれに気付いたのもその時だったそうです。」
博士「迷子みたいな台詞だなあ。覚えてないや。」
義肢少女「さっきも迷子だったじゃないですか。素直になってください。」
義肢少女「どこにいるの、教えて。それだけのお願いで、見分けがつかなくても問題無いじゃないですか。」
博士「いや、そういう理屈じゃないんだ。見分けがつかないっていうのはつまり、」
義肢少女「そういう理屈なんですよ。じゃあ何ですか、博士は気持ちとしてもわたしを只の知り合いにしか見れませんか。」
博士「それは違う…。」
義肢少女「わたしは博士の事が好きですよ。いつだって傍にいたいです。お願いさえしてくれれば。」
義肢少女「博士はどうなんですか。」
博士「…大事な人なんだ。傍にいて欲しいに決まっている。」
義肢少女「…」
博士「…」
博士「……お願いを一つ、言わせて貰っていいかな。」
義肢少女「一つと言わず、何度でも。」
博士「ありがとう。 …いつも、特別な人だと見分けられるよう、いつも僕の傍に、いてください。」
義肢少女「はい。確かに、承りました。」
博士「…あり、がとう。」
博士「…はい。はい、そうです。この度正式にお付き合いをさせていただく事になりまして…」
博士「えっ軽くないですか。いや、反発されるよりはずっと良いんですけれど。はい。」
博士「僕のような人間が一緒にいてもいいものか…」
博士「…そうですね、すみません。彼女が選んだ僕なのですから。誇りに思います。」
博士「え?いやそんな。まだそこまでは…ええ、そういうのはもう少し成長してからかなあって思ったりしてて、あっけどAはもう」テレテレ
叔父『モ ゲ ロ♪』プチ
博士「」ツー ツー
博士「…。」
義肢少女「…。」
博士「…その、ごめん。」
義肢少女「…何で謝るんですか。」
博士「いや…この歳になって恥ずかしながら、初めてだったものだから。色々と不手際もあったし。」
義肢少女「いいですよ、そんな事ぐらい。 嬉しかったから、いいんです。」
博士「うん。…まあその、良いものだね。こういうのも。」
義肢少女「そうですね。とても幸せです。」
博士「じゃあ携帯の裏側に貼っておこうかな。プリクラ!」
義肢少女「私も貼りますから、おそろいですね。」
義肢少女「あの人が○○技研の方で、向こうの右から三番目にいる人が××さんです。」
博士「分かった。ありがとう。あの二人には先に挨拶をしたいから、連れて行ってくれるかな。」
義肢少女「了解しました。まず私から声をかけますから、そこから続けていってください。」
博士「うん。よろしく頼むよ。」
博士「っんー…人が多い所はやっぱり疲れるなあ。」
義肢少女「まだつらいですか。」
博士「いや、昔からの事だから、それほど苦ではないんだけどね。それに今は隣に敏腕マネージャーがいるし。」
義肢少女「まだ真似事みたいな事しかできませんけど。お役に立てているなら嬉しいです。」
博士「いやもう大助かりだよ。おかげで色んな事ができるようになった。僕も君に何かできればいいんだけれど。」
義肢少女「いえ。私もいつも傍でいられるので、それだけで良いんです。」
博士「無欲だねえ。」
義肢少女「そんなこと。欲張りですよ、わたしは。」
義肢少女「先日、お父さんとお母さん、それと妹に近況の報告をしてきました。」
博士「お墓に、行ってきたんだね。」
義肢少女「事故に遭ってから、ずっと引け目を感じて行けなかったけど。 行けて、もやが取れたような気持ちになりました。」
博士「そっか。 なら、良かったね。」
義肢少女「はい。みんなの分もしっかり生きていきます。」
博士「うん。じゃあその為にもしっかり食べないとね。今日の夕飯は何ですかー。」
義肢少女「何にしましょうかねー。」
博士「おでんが食べたい気分だなあ。じゃがいもなんか入れたりしてね。」
義肢少女「(じゃがいも…?)おでんいいですね。じゃあトマトも用意しないと。」
博士「えっなにそれこわい」
義肢少女「えっ」
おわり
元スレ
あらすじ
義肢少女「もっと普通の手足はないんですか」
http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1306/13063/1306310026.html
義肢少女「もっと普通の生活はできないんですか」
http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1306/13065/1306583666.html
博士と義肢の女の子がグダってるお話です。
今回もサクっと終わりそうな予感。
3: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2011/06/16(木) 22:12:02.71 ID:jy5wm/Wbo
義肢少女「見慣れない自転車がありますね。」
博士「健康のために運動をしようと思ってね。前から欲しかったロードバイクを買ったんだ。格好いいでしょ。」
義肢少女「そうですね。それに、すごく早く走れそうです。」
博士「舗装された道でならかなりの速さで走れるらしいよ。」
義肢少女「らしい、って。まだ乗ってないんですか?」
博士「いやあ、だってこんなピカピカで綺麗だと、磨いたり眺めたりしているだけで満足しちゃって。」
義肢少女「運動はどうしたんですか。」
4: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2011/06/16(木) 22:20:16.85 ID:jy5wm/Wbo
義肢少女「机の上に飲みかけのコップを溜め込みすぎですよ。」
博士「飲み終える前に忘れて新しいのを持って来ちゃうからねえ。ついつい。 けど飲めなさそうなのはちゃんと捨ててるよ。」
義肢少女「けどこのマグカップなんて、ずいぶん前から同じ位置にあるような…」
義肢少女「……な、何ですかこの、中に浮かんでる緑色の球は。」
博士「え? ああ、カビだよ。大きくなるにつれて何だかかわいく見えてきちゃってね。そのままながm
義肢少女「やめてください!」
6: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2011/06/16(木) 22:30:32.87 ID:jy5wm/Wbo
博士「秋といえば、」
義肢少女「っ…読書です。」
博士「無理しちゃって。成長期なんだから、増えて当然なんだよ。」
義肢少女「増えてません!数値だって前回と同じですから、」
博士「いや、足回りを軽量の物に変えたからね。本来なら700g…」
義肢少女「やっぱり秋はスポーツですね!」
7: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2011/06/16(木) 22:40:35.22 ID:jy5wm/Wbo
TV『ブソウレンキン! ハラワタヲ ブチマケロ!』
博士「バルキ○ースカートは!」
義肢少女「要りません。」
博士「あったら便利そうなのになあ。」
8: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2011/06/16(木) 22:50:54.68 ID:jy5wm/Wbo
義肢少女「フィギュアは華やかでいいですね。」
博士「そうだね。最近のはとても完成度が高くて、見ていてほれぼれするよ。」
義肢少女「はい。やはり女子がよく取り上げられますけど、男子もまた違った魅力があって好きです。」
博士「少しマイナーな感はあるけど、その魅力から支持している人もなかなかいるみたいだからね。」
義肢少女「いつか生で見てみたいなあ。」
博士「そこの机の上に置いてあるじゃない。」
義肢少女「えっ」
博士「えっ」
10: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2011/06/16(木) 23:00:43.77 ID:jy5wm/Wbo
博士「まあ、落ち着きたまえ…。」ジリジリ
義肢少女「わたしはいつだって平成ですよ。」ジリ…
博士「君が平成世代だというのは知っている。落ちつくんだ。」
義肢少女「おとなしくこれを着てくれれば昭和でも平成でも何でも構いません。あとついでに写真を撮らせて頂ければ。」
博士「ぜったいいやだ。断固断る。 というかそんなフリフリ服、一体どこで、」
義肢少女「義手のお姉さん提供です。後日写真をお渡しする条件でお借りしました。」
博士「なん…だと…」
義肢少女「とても楽しみにされていますよ。ぎゅーってしたい、とも話していました。」
博士「ちょっと…ちょっと心の整理をさせてください…。」
12: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2011/06/16(木) 23:12:18.37 ID:jy5wm/Wbo
義肢少女「なんか最近、わたしの事を『†デウスマキナ†』と呼んでくる男子がいるのですが…。」
博士「男子特有の病を患っているんだ。いつか治るから、そっとしといてあげなさい…。」
14: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2011/06/16(木) 23:21:20.52 ID:jy5wm/Wbo
義肢少女(電話)『クラスの女の子と一緒にカラオケに行く事になったのですが、よければ一緒にどうですか。』
博士「え?何でまた。」
義肢少女『博士を実際に見てみたい、という子がたくさんいまして。女の子と遊べるのなら喜んで来てくれるかなあ、と思ったのですが。』
博士「普段どんな目で僕を見てるのさ…。悪いが、君らだけで楽しんでおいで。」
義肢少女『そうですか、残念です。 じゃあみんなには代わりに写真で紹介しますね。確かセーラー服を着せた時の写真が…』ガサガサ
博士「アーヤッパリカラオケイキタイナア。ゼヒ、サンカサセテクダサイ。」
15: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2011/06/16(木) 23:32:07.88 ID:jy5wm/Wbo
博士「はい。もしもし。」
博士「…はい?な、何ですって?」
博士「夫婦でイタリア旅行って…相変わらず仲がよろしいですね。 じゃなくって、」
博士「年頃の娘さんを男の家に預けよう、という考えは親としてどうかと思いますよ。」
博士「いやまだ僕と彼女はそういった関係では… あっいえ、まだっていうのはそういう意味じゃなくてですね。」
博士「…はい。そういうのは僕は無理ですから。あなただってよくご存じでしょう。」
博士「そこまで言うのなら、信じますけど…。どうなっても知りませんよ。」
16: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2011/06/16(木) 23:41:07.60 ID:jy5wm/Wbo
義肢少女「お邪魔します。」
博士「いらっしゃい。」
義肢少女「…。」
博士「…。」
義肢少女「…その、一ヶ月間、お世話になります。よろしくお願いします。」
博士「…うん。こちらこそ、よろしく。」
義肢少女「…。」ソワソワ
博士「…。」ソワソワ
17: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2011/06/16(木) 23:51:19.48 ID:jy5wm/Wbo
義肢少女「おはようございます。」
博士「…」
義肢少女「…やっぱり朝には起きれないか。」
義肢少女「メモを置いとこ。」
義肢少女「…。」カリカリ
義肢少女「それじゃあ、行ってきます。」
18: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2011/06/16(木) 23:56:41.20 ID:jy5wm/Wbo
博士「…ねむ。」ポリポリ
博士「『学校に行ってきます。お昼ご飯は冷蔵庫に入れてますので、暖めて食べて下さい。』」
博士「あー…そこまでしてくれなくてもいいのに。律儀だなあ。」
博士「まあせっかくだし、ご厚意に甘えて遅めのお昼を」
博士「…(洗った食器が、二人分。)」
博士「朝食も、作ってくれてたのか。」
19: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2011/06/17(金) 00:00:40.24 ID:pW2emIwko
博士「おはよう。」
義肢少女「!お、おはようございます。」
義肢少女「今日は何か用事でもあるんですか?」
博士「いやだなー僕だって早起きぐらいするさ。悪いんだけど、朝ご飯お願いできる?」
義肢少女「はい。今ちょうど作っているのですぐできますよ。」
博士「ありがとう。さーて久しぶりに○島アナでも見ようかな。えっとフ○テレビは~」
義肢少女「(どれだけ昔から早起きしてないんだろう…。)」
20: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2011/06/17(金) 00:11:12.00 ID:pW2emIwko
博士「お米は何にでも合うよね。ねこまんまとかよく食べたよ。」
義肢少女「相性が本当に良いから色んな組み合わせを試しますよね。」
博士「あーやったやった。シンプルなのだと、醤油だけかけても普通に美味しいんだよねー。」
義肢少女「そうですよね。あとそれにマーガリンとかを足すともっt
博士「いやその組み合わせは無いよ。」
義肢少女「えっ」
21: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2011/06/17(金) 00:21:40.11 ID:pW2emIwko
義肢少女「お邪魔します。」
博士「そうじゃないだろう?」
義肢少女「…た、ただいま 帰りました。」
博士「うん。おかえりなさい。」
22: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2011/06/17(金) 00:31:20.64 ID:pW2emIwko
博士「ただいまー。」
義肢少女「おかえりなさい。もうすぐ晩ご飯できますよ。」
博士「ありがとう。お風呂は?」
義肢少女「沸いてますよ。」
博士「お、さすがだね。つまりご飯お風呂ときて、すると君の準備もバッチr
義肢少女「博士は沸かしてばかりいないでちょっとは冷してはどうですか。」
23: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2011/06/17(金) 00:40:37.09 ID:pW2emIwko
義肢少女「…。」カチャカチャ
博士「…。」ソワソワ
義肢少女「っんしょ。」パン パン
博士「た、大変だろう何か手伝うよ。」
義肢少女「いいですよ。好きでやってますから。洗い物も、二人分ならそんなに量もありませんし。」
博士「いや、まあ干すぐらいは、」
義肢少女「じゃあ、わたしの下着も干せますか。」
博士「…オネガイシマス。」
義肢少女「はい。」
24: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2011/06/17(金) 00:50:33.58 ID:pW2emIwko
義肢少女「短所が長所にもなる、という話はよくあるのですが、」
博士「うん。」
義肢少女「わたしの義肢が長所になるために、博士は今もこうして手を加え続けているのですか?」
博士「…うーん。僕は、短所が長所に、っていう考え方はあんまり好きじゃないんだ。」
義肢少女「そうなんですか。マイナスがプラスになるのだから、良い考え方だと思うのですが。」
博士「何でもプラスに、前向きに置き換えれば良い影響が出る訳じゃない。それなりに負荷もかかるしね。」
義肢少女「…それは少し分かる気がします。」
25: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2011/06/17(金) 00:55:44.78 ID:pW2emIwko
博士「それに短所はマイナス、というよりも、単にベクトルの方向が違うだけだ。これはわりと必要な物だと思うんだ。」
義肢少女「急に数学っぽくなりますね…。らしく言えば、何かを表現するのに、長所のベクトルだけでなく、短所のベクトルも必要といった具合ですか。」
博士「あ、もう成分表示とかも習ってるんだね。 うん。そんな感じかな。」
義肢少女「短所は足を引っ張るようなイメージがあるんですけど、そう考えたら違って見れそうです。」
博士「前に進むばかりが近道って訳じゃないからね。君の身体も、義肢についても、長所にしないと、と思い詰める必要は無いよ。」
博士「例えば君がサイズが足りずに未だにスポーツブラを愛用し続けている事も短s…あ、いや…その衝動は思い直した方が…あはは…」
29: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2011/06/17(金) 20:30:13.89 ID:pW2emIwko
義肢少女「間食を摂りすぎです。」
博士「頭脳労働をしてるんだ。甘い物が欠かせないんだよ。」
義肢少女「三食きっちり食べてるのに、さらに甘い物まで食べてたら太りますよ。」
博士「んー。体質なのか、昔からどんな生活をしても体格は変わらないんだよね。」
博士「太ろうと試みたら逆に痩せた事もあったs…な、なんでそんなこわい目で睨んでくるの…。」
30: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2011/06/17(金) 20:40:11.44 ID:pW2emIwko
義肢少女「…」ウトウト
義肢少女「…んん」カクン
義肢少女「…」
義肢少女「…っぅんえっへへへ…」
博士「幸せそうだなあ。」●REC
31: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2011/06/17(金) 20:51:20.78 ID:pW2emIwko
義肢少女「またこういう本を開きっぱなしで…。」ハア
義肢少女「まあ、もう慣れたからいいけど。本棚に戻して、」
義肢少女「?棚の奥が仕切りで隠されてる。 何かがぎっしり入って…」
義肢少女「」
博士「おーいごはんできたyっぁぁあぁしょ、それは、誤解です!」
博士「たたまには小さい胸もアリかなあなんてちょっとした好奇心から漁ってたらなんか数が揃っちゃってて!いやけどやましい意味じゃなく、」
博士「そう、研究!あくまで研究でね。」
義肢少女「…。」
博士「(あ、あれ?いつもの制裁が入らない。)」
義肢少女「博士的には、アリ、ですか?」
博士「……はい。アリ、だと思います。」
義肢少女「なら、良いです。」///♪
博士「(消えたい。)」
32: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2011/06/17(金) 20:56:23.78 ID:pW2emIwko
博士「(それからの事、含みのある生優しい目で見られてつらいです。親に目撃された男子はこんな気分なのだろうね…)」
33: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2011/06/17(金) 21:06:05.65 ID:pW2emIwko
義肢少女「何で笑ってるフリをするんですか。」
博士「そう見える?」
義肢少女「気付いたのは最近ですけど。正直、たまに怖く感じます。」
博士「そこまで見透かしてくる君が僕も怖いよ。」
義肢少女「そうやって笑って。何を隠してるんですか。」
博士「隠してるつもりはないのだけれど。分からないのなら気付かないフリをしていた方がいいよ。」
義肢少女「いやに排他的ですね。」
博士「踏み込まれたらそうもなるよ。」
34: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2011/06/17(金) 21:16:33.98 ID:pW2emIwko
義肢少女「同じプラモデルばかり買い込んで、どうするんですかコレ。」
博士「何を言ってるんだ。どれも全然別物だよ。」
義肢少女「けどこれ、どれもジ○?ですよね」
博士「違うんだよ。これは○ム、こっちはジ○ライトアーマー、それにジ○コマンド宇宙用、ヌーベル○ムⅢ、ジ○E型、○ム改。」
義肢少女「…。あ、このジ○はなんだか違いますね。それだけ分かります。」
博士「それはイデ○ンだよ。全然別物だ。」
義肢少女「(もう何がなんだか。)」
35: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2011/06/17(金) 21:24:27.20 ID:pW2emIwko
義肢少女「リミッター、ですか。」
博士「そ、そう。日常生活を送る分にはかえって邪魔になるから、普段はパワーを抑えて運用するようになっているんだよ…。」
義肢少女「つまり、そのリミッターは緊急時に外れるようになっているんですね…。」
博士「うん…反射行動であったり、本能的な行動に際しては解放されるよう…に…」
義肢少女「は、博士!しっかりしてください!ゴキブリ退治のとばっちりが原因だなんて色々と洒落になりません!」
36: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2011/06/17(金) 21:34:24.80 ID:pW2emIwko
義肢少女「このガラクタの山はどうにかならないんですか。」
博士「ガラクタだなんてとんでもない。どれも使えるものばかりだよ。」
義肢少女「そんな事を言っているから片付けができないんですよ。使うものと使わないものに分別していきましょう。」
博士「だからどれも使うんだって。」
義肢少女「じゃあこの柄の無いへらは何に使うんですか。」
博士「…缶のフタをこじ開けるのにたまに使ってます。」
義肢少女「ここにある缶開けは飾りですか。」
37: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2011/06/17(金) 21:39:36.39 ID:pW2emIwko
博士「たまーにその缶開けだとうまく開かない事があるんだよ。そういう時に便利なんだ。」
義肢少女「それじゃらちがあきません。別に無くても困りませんよね。」
博士「無くとも困らないけどひょっと役に立つようなものをいっぱい持った生き方って、パズルみたいですごく楽しいと思うんだ。」
義肢少女「ドラ○もんですか。」
博士「ああ、昔あこがれたなあ。○ぶ代さんのしゃがれた声が大好きでね。世代交代になった時はなかなか馴染めなくて、」
義肢少女「片付けしましょうよ。」
38: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2011/06/17(金) 21:49:38.96 ID:pW2emIwko
博士「うー冷えるーおフロ~。」ガチャ
義肢少女(裸)「あ」
博士「」
博士「gっっごめん不注意で!できればグーパンぐらいで勘弁してくださいお願いします!」
義肢少女「いいですから、早く出て下さい。」
博士「え?あ、はい。すぐ出ていきます。」
39: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2011/06/17(金) 21:53:07.60 ID:pW2emIwko
義肢少女「おフロあきましたよ。」
博士「…その、本当にすまない。」
義肢少女「気にしすぎですよ。ちょっと見ちゃったぐらいで。」
博士「いやしかし、不慮の事とはいえ見事なまでに見えて」
義肢少女「このくらいの事なら博士が思ってるほど気にかけませんよ。たぶんわたしに限らず、大抵の女の子も。」
博士「そういうものなのかなあ。」
義肢少女「そこまで気にするのは免疫のない男子くらいです。 何だかんだ言って、博士も案外…」
義肢少女「ちょ、ちょっと博士!そんな薄着でどこに行く気ですか!ホントに気にしなくていいですから!」
40: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2011/06/17(金) 22:03:28.51 ID:pW2emIwko
博士「この、巨大な洗濯ばさみみたいなのは何だい?」
義肢少女「洗濯ばさみって…コンコルドですよ。髪留めです。」
博士「へえ…じゃあこのU字型磁石みたいな針金は、」
義肢少女「Uピンです。これは普段はあまり使いませんけど。」
博士「色々あるんだねえ。 ところで、そろそろ仕事の方に戻りたいんだけれど。」
義肢少女「もうちょっと待って下さい!あとちょっとで綺麗なおだんごが…!」
41: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2011/06/17(金) 22:12:18.59 ID:pW2emIwko
義肢少女「お願いがあるのですが。」
博士「何だい?」
義肢少女「前に話されてた、生身そっくりの手足に関してなのですが。明日だけあれに取り替える事はできますか。」
博士「ああ、それなら羽とかと同様、自力で換装できるようになってるよ。自由に使うといい。」
義肢少女「そうだったんですか。色々と、ありがとうございます。」
博士「構わないよ。 あっあと実は一緒に四脚も追加してるんだけどね。なんと壁歩きができるんだよ!」
義肢少女「(この人の色々と手回しが早すぎて周回オーバーしてる感はわざとなのかな。)」
博士「四脚は万一足が一つ欠けても歩行できるし、安定性もあって理想的な体型だと思うんだ。機能性もありながらシルエットも美しいし」イキイキ
42: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2011/06/17(金) 22:23:14.98 ID:pW2emIwko
義肢少女「あふ…顔洗お…」ガチャ
博士(半裸)「あ」
義肢少女「…。」
博士「い、いや昨晩入りそびれたからね、朝風呂しようと思ったんだ。すぐ出るから悪いんだけど外に、」
義肢少女「…。」キュ ジャー
博士「あの、ちょっと外に出て…」
義肢少女「お気になさらず。」パシャパシャ
博士「いや、気にs…うん、まあいっか。(顔洗ってて見れなさそうだし)」
義肢少女「…。」パシャ パシャ
博士「…。」ヌギヌギ
義肢少女「…。」パシャシャシャシャ
博士「待て今の音はおかしい。」
義肢少女「気のせいですよでは失礼しまs
博士「その携帯のメモリーをちょっと見せて貰おうか。」
43: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2011/06/17(金) 22:34:58.17 ID:pW2emIwko
博士「現在地がここだから、…どっちが北だ?」
通行人「こんな所で、どうかしましたか?」
博士「いえ、慣れない場所なのでお店の場所がよく分からず、迷っていまして。お恥ずかしながら。」
通行人「?そうでしたか。場所を教えてくれたら案内しますよ。」
博士「本当ですか。見ず知らずなのに、ご丁寧にありがとうございます。ここのお店なんですけれど。」
通行人「…ああ、このお店ならこの通りをまっすぐ行けば右側にありますよ。こちらです。」
44: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2011/06/17(金) 22:44:36.81 ID:pW2emIwko
博士「ありがとうございます。助かりました。」
通行人「いえいえ。けど、失礼ながらここはレディースのお店ですよ。」
博士「知人へのプレゼントを買おうと思いまして。ここのアクセサリーがかわいいと前に話していたものですから。」
通行人「…。そうでしたか。喜んでもらえるといいですね。」
博士「はは、いい物を選ぶ自信は無いんですけどね。見立ててくれたら嬉しいなあ、なんてここまで甘える訳にはいかないか。」
通行人「ええ。頑張って自分で選んでください。」
博士「はい。ありがとうございました。」
45: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2011/06/17(金) 22:52:48.64 ID:pW2emIwko
博士「こたつはいいねえ。文化の極みだよ。」
義肢少女「そうですね。家にも普通のこたつはあるんですけど、この掘りこたつは最高です。」
義肢少女「ただ、こうして二台置いてる必要は無いですけどね。」
博士「いやしかしね、掘りこたつだと寝転がれないじゃない。こっちのは潜り込みたい時に必須なんだよ。」
義肢少女「素晴らしく無駄な贅沢ですね。」
博士「そう言いながらも一番活用してるのは君じゃないか。連結して同時に使ってるのを見たときはカルチャーショックを受けたよ。」
義肢少女「そんな大げさな。ちょっと試してみたかっただけですよ…。」
博士「ここに文化極まれり。この子こそこたつマイスターだ、と僕はその日から尊敬の念を抱き続けているよ。」
博士「気を抜いたときに出すおっさんのような声も見gああ゛あ゛ぢ熱い!電熱線に押しつけないで焦げる焦げちゃう!」
46: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2011/06/17(金) 23:00:57.83 ID:pW2emIwko
博士「時々思うんだけれど。」
義肢少女「何をですか。」
博士「時たま見せる君のぶっ飛んだ嗜好は、一体どこから来たものなのかなあ、と。」
義肢少女「なに言ってるんですか。わたしなんかまだまだ普通ですよ。」
博士「そうかなあ。」
義肢少女「学校の友人なんて『黒板×チョークの妄想で授業中も興奮が止まらない』と、嬉しそうに」
博士「その子の言葉は聞き流しなさい。」
47: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2011/06/17(金) 23:09:21.92 ID:pW2emIwko
義肢少女「あ、○曜ロードショー観ませんか。」
博士「いいよ。今日は何の映画だっけ。」
義肢少女「リ○グです。懐かしいですね。」
博士「そうだねえ。じゃあ僕はもう寝ようかな。」ガタ
義肢少女「何言ってるんですか。せっかくだから一緒に観ましょうよ。」ガタ
博士「いや、ちょっともう眠くて倒れそうなんだ。」
義肢少女「ついさっき元気に夜更かし宣言してましたよね。 まさか、こんなレトロなホラーが怖いだとか」
博士「怖いよ怖いに決まってるじゃない。リン○はまさに幼少期のトラウマだよ!ホント勘弁して!」
義肢少女「幼少期ならともかく、今観たらそこまで怖い内容じゃないですって。大丈夫ですから。」
博士「…。」ジリジリ
義肢少女「…。」ジリ…
博士「ぃいぃぃやぁぁぁだぁぁぁ!」グググ
義肢少女「だいじょーぶですからー!」ググググ
48: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2011/06/17(金) 23:14:20.27 ID:pW2emIwko
博士「…。」
ガタッ
博士「」
ガサ…ガタガタガタガタ
博士「」
義肢少女「博士、まだ起きてますか。」ガラ
博士「丁度いあ寝ようとしてた所だよよよかったら一緒の部屋で寝ないかい。」
義肢少女「何言ってるんですか全く。 本当に仕方のない人ですねーお布団持ってきますね。」
博士「そうかよかった!いやどちらでも大丈夫なんだけどね。大丈夫だからちょっと手洗いに行ってくるよ。」
義肢少女「わかりました。」
ファンネル<ガタガタ…ガタ…
義肢少女「(予想以上にちょろかった。)」ニヤ
49: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2011/06/17(金) 23:26:53.34 ID:pW2emIwko
義肢少女「ゲームですか。珍しいですね。」
博士「整理してたら懐かしいのが出てきてね。バーチャ○ンとかバー○ャレーシングとか。」ゲッレディ
義肢少女「セガ○ターンですか。聞いたことはありますけど、本当に存在したんですね…。」
博士「キワモノみたいな扱いをしないでくれよ。一番思い入れのあるゲーム機なんだから。」
義肢少女「はあ。 あ、このロボットは女の子なんですね。」
博士「ああ、フェイ・○ェンって言うんだけどね。当時はすごい衝撃を受けたよ。今思えば○ェイが初恋の相手だったのかも知れないなあ。」
義肢少女「(もしかして、これが全ての発端…?)」
50: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2011/06/17(金) 23:37:48.61 ID:pW2emIwko
博士「バスガス爆発。」
義肢少女「バスばふっ…」
博士「…。」
義肢少女「…。」
博士「手術中。」
義肢少女「しゅ じゅ つ中。」
博士「高架橋橋脚。」
義肢少女「こうきゃきょ、こうきゃこうk、こう、こ、こうかきょうこ、…」
博士「(かわいい。)」
51: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2011/06/17(金) 23:46:53.63 ID:pW2emIwko
博士「お酒を飲んだね。」
義肢少女「の、のんれません。」
博士「またベタベタな。 何でまた赤ワインなんか。」
義肢少女「…びように、いいときいて。」
博士「ああ、確かに少量なら体に良いとは聞くけれど。君は未成年だろうに。」
義肢少女「ごめ、なさい…」
義肢少女「っく、っうぇ…」ポロポロ
博士「ああいやごめん怒ってる訳じゃなくてね。けどそういうのは大人になってからでも遅くは、」
義肢少女「こどもじゃないれす!おとなぶらないでくあさい!」
博士「っぷ。かみかみでムキになって、こどもだなあ。ははは」
博士「はははぅぐぶぁっ! ちょ、組み伏せて何を…いやうん君は大人だ。分かった!分かったから止めて!」
52: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2011/06/17(金) 23:56:23.30 ID:pW2emIwko
博士「メリークリスマス。そして誕生日おめでとう!」
義肢少女「ありがとうございます。けどこんな盛大にしなくとも…。」
博士「クリスマス兼君の誕生日兼一ヶ月同居最終日パーティーなんだから、このくらいはしないと。」
義肢少女「色々兼ねすぎてますよね。本当にすごいタイミングです。」
博士「まあ祝い事があるのはいい事さ。 はいこれ、プレゼント。」
義肢少女「わ…!ありがとうございます。開けていいですか。」
博士「もちろん。」
義肢少女「…四葉のネックレス、ですね。かわいい…」
博士「君の名前と、縁起も重なって良いかなあ、なんて思ったんだけど。どうかな。」
義肢少女「はい。すごく気に入りました。ずっと大事にします。」
53: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2011/06/18(土) 00:00:23.12 ID:fLE1mOUbo
博士「君からのクリスマスプレゼントは…目覚まし時計か…。」
義肢少女「アラームの鳴る時計が一つも無いから起きられないんですよ。色々な機能がついてますから、しっかり活用してくださいね。」
博士「あー…。ん、これアラーム音を録音して使えるんだ。ちょっと君の声でお願いしても良いかな。」
義肢少女「照れくさいですけど、いいですよ。何て録音しましょうか。」
博士「そうだね…。『もう!早く起きないとイタズラしちゃうぞ☆えっイタズラが何かって、そんなの…恥ずかしくていえn
博士「ああごめんなさいだから冗談だって!そんな呪いを込めたような棒読み声で吹き込まないで逆に怖いよ!」
54: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2011/06/18(土) 00:09:56.22 ID:fLE1mOUbo
義肢少女「一ヶ月間、お世話になりました。」
博士「こちらこそ。楽しかったよ。」
義肢少女「そう思ってもらえたら嬉しいです。 せっかく規則正しい生活ができるようになったんですから、続けていってくださいね。」
博士「あはは…努力はするよ。」
義肢少女「あと料理もやればできるんですから、一人の時でもなるべく自炊するようにしてください。」
博士「一人だとどうしても面倒になるんだよねえ。食べたくなったらするよ。」
義肢少女「…。」
博士「…。」
義肢少女「…お邪魔しました。」
義肢少女「行ってきます。」
博士「うん。行ってらっしゃい。」
55: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2011/06/18(土) 00:13:56.64 ID:fLE1mOUbo
博士「…。」
博士「…静かだなあ。」
博士「夕飯は…冷えるしボルシチでも作るかな。」
56: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2011/06/18(土) 00:21:51.56 ID:fLE1mOUbo
少女「すみません。どなたかいらっしゃいますか。」
博士「はいはい。どうかしましたか。」
少女「こちらに義肢の研究をされている方がいると伺ったのですが。」
博士「ええ。僕がそうですけれど。 立ち入ったお話なら中で聞きますよ。」
少女「ありがとうございます。お邪魔します。」
57: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2011/06/18(土) 00:26:51.38 ID:fLE1mOUbo
博士「…つまり、義肢の製作を僕に依頼したいと。」
少女「はい。色々な事ができる、特殊な種類のものを作られている、と噂で聞きまして。是非ともお願いしたいのですが。」
博士「…申し訳ありません。僕は研究者で、メーカーではないので。そういった発注は基本的にお受けしていないんです。」
少女「ですが、私と同い年ぐらいの女の子に義肢を提供していると。」
博士「あの子は特別な事情がありまして。僕が半ば押しつけるような形で提供しているのですよ。」
少女「その女の子は、特別な人なんですか。」
博士「…どうでしょうね。特別な人だと思いたいけれど、そう見ることができませんから。」
博士「ただの、知り合いです。」
58: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2011/06/18(土) 00:31:18.33 ID:fLE1mOUbo
少女「ところで、先日お店で買われていたプレゼント。もうその子に渡しましたか。」
博士「え?ええ、先日その子の誕生日だったのでその時に。何でそれを?」
少女「まだ気付きませんか?」
博士「…ああ、もしかして。あの時道案内してくれた子が君なのかな。」
少女「そうです。」
博士「そうだったのか!そうとは気付かず。その節は本当にありがとうございました。」
少女「…。」
博士「…?」
少女「…ネックレス。似合ってますか。」
博士「……ああ、よく、似合ってるよ。」
59: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2011/06/18(土) 00:37:18.16 ID:fLE1mOUbo
義肢少女「見分けが、つかないんですか。」
博士「うん。君に限らず、僕はほぼ全ての人を外見や声で判別することができない。覚えられない、と言った方が正確かな。」
博士「これまで生きてきて、認識ができたのは君の叔父さんと、先輩の二人だけだ。」
義肢少女「じゃあ、ご両親も昔から。」
博士「物心つく前から分からなかった。外に出れば、周りの大人に溶け込んで見分けがつかない。」
義肢少女「その事は他の人たちは、」
博士「知っているよ。叔父さんには精神的に滅入っていた時に生き方を教えていただいた。」
義肢少女「何でわたしには…って言ったら、隠していたつもりは無い、って言うんでしょうね。」
博士「…。」
60: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2011/06/18(土) 00:43:02.41 ID:fLE1mOUbo
義肢少女「わたしは、ただの知り合いですか。」
博士「気分を害してしまったのなら、すまない。けどこの通り、見分けもつけられない人間なんだ。分かるだろう。」
義肢少女「分かりませんよ。特別だって言ってくれたのに、何でそんな。」
博士「他と見分けが付かないのに、特別も何もないだろう。」
博士「義肢が違えば、プレゼントが無ければ、こうして気付く事もできない。どうする事もできないよ。」
義肢少女「…本当にどうする事も、できないんですか。」
博士「できない。荒療治にと、色々な事に挑戦してみた。けれどだめだった。これは一生つk
義肢少女「そんな難しい話じゃなくて。 もっと簡単な事があるじゃないですか。」
博士「…え?」
義肢少女「自分がどう、じゃなくって。相手に、もっと普通にお願いすればいいんですよ。」
61: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2011/06/18(土) 00:48:06.08 ID:fLE1mOUbo
博士「お願い…?」
義肢少女「博士はご両親が見分けがつかないと話していましたけど、じゃあどうやって今まで会話をしてきたんですか。」
博士「それは、向こうから『父さんだよ』といった具合に毎回自己紹介をしてくれたり、わざと同じ、目立つ服装をし続けてくれたり。」
義肢少女「何でそうしてくれるようになったか、ご存じですか。」
博士「いや。僕のハンデに気付いて、自主的にそうしてくれてたのかと思っているけど。」
義肢少女「お母様から聞きました。博士が小さい頃、ご両親にお願いをしたのがきっかけだそうです。」
義肢少女「『どこにいるの。どこにいるか教えて。』 と。博士のそれに気付いたのもその時だったそうです。」
博士「迷子みたいな台詞だなあ。覚えてないや。」
義肢少女「さっきも迷子だったじゃないですか。素直になってください。」
62: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2011/06/18(土) 00:52:50.74 ID:fLE1mOUbo
義肢少女「どこにいるの、教えて。それだけのお願いで、見分けがつかなくても問題無いじゃないですか。」
博士「いや、そういう理屈じゃないんだ。見分けがつかないっていうのはつまり、」
義肢少女「そういう理屈なんですよ。じゃあ何ですか、博士は気持ちとしてもわたしを只の知り合いにしか見れませんか。」
博士「それは違う…。」
義肢少女「わたしは博士の事が好きですよ。いつだって傍にいたいです。お願いさえしてくれれば。」
義肢少女「博士はどうなんですか。」
博士「…大事な人なんだ。傍にいて欲しいに決まっている。」
義肢少女「…」
博士「…」
63: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2011/06/18(土) 00:57:13.73 ID:fLE1mOUbo
博士「……お願いを一つ、言わせて貰っていいかな。」
義肢少女「一つと言わず、何度でも。」
博士「ありがとう。 …いつも、特別な人だと見分けられるよう、いつも僕の傍に、いてください。」
義肢少女「はい。確かに、承りました。」
博士「…あり、がとう。」
64: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2011/06/18(土) 01:05:46.99 ID:fLE1mOUbo
博士「…はい。はい、そうです。この度正式にお付き合いをさせていただく事になりまして…」
博士「えっ軽くないですか。いや、反発されるよりはずっと良いんですけれど。はい。」
博士「僕のような人間が一緒にいてもいいものか…」
博士「…そうですね、すみません。彼女が選んだ僕なのですから。誇りに思います。」
博士「え?いやそんな。まだそこまでは…ええ、そういうのはもう少し成長してからかなあって思ったりしてて、あっけどAはもう」テレテレ
叔父『モ ゲ ロ♪』プチ
博士「」ツー ツー
65: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2011/06/18(土) 01:12:35.38 ID:fLE1mOUbo
博士「…。」
義肢少女「…。」
博士「…その、ごめん。」
義肢少女「…何で謝るんですか。」
博士「いや…この歳になって恥ずかしながら、初めてだったものだから。色々と不手際もあったし。」
義肢少女「いいですよ、そんな事ぐらい。 嬉しかったから、いいんです。」
博士「うん。…まあその、良いものだね。こういうのも。」
義肢少女「そうですね。とても幸せです。」
博士「じゃあ携帯の裏側に貼っておこうかな。プリクラ!」
義肢少女「私も貼りますから、おそろいですね。」
66: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2011/06/18(土) 01:19:55.33 ID:fLE1mOUbo
義肢少女「あの人が○○技研の方で、向こうの右から三番目にいる人が××さんです。」
博士「分かった。ありがとう。あの二人には先に挨拶をしたいから、連れて行ってくれるかな。」
義肢少女「了解しました。まず私から声をかけますから、そこから続けていってください。」
博士「うん。よろしく頼むよ。」
67: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2011/06/18(土) 01:24:29.89 ID:fLE1mOUbo
博士「っんー…人が多い所はやっぱり疲れるなあ。」
義肢少女「まだつらいですか。」
博士「いや、昔からの事だから、それほど苦ではないんだけどね。それに今は隣に敏腕マネージャーがいるし。」
義肢少女「まだ真似事みたいな事しかできませんけど。お役に立てているなら嬉しいです。」
博士「いやもう大助かりだよ。おかげで色んな事ができるようになった。僕も君に何かできればいいんだけれど。」
義肢少女「いえ。私もいつも傍でいられるので、それだけで良いんです。」
博士「無欲だねえ。」
義肢少女「そんなこと。欲張りですよ、わたしは。」
68: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2011/06/18(土) 01:31:36.66 ID:fLE1mOUbo
義肢少女「先日、お父さんとお母さん、それと妹に近況の報告をしてきました。」
博士「お墓に、行ってきたんだね。」
義肢少女「事故に遭ってから、ずっと引け目を感じて行けなかったけど。 行けて、もやが取れたような気持ちになりました。」
博士「そっか。 なら、良かったね。」
義肢少女「はい。みんなの分もしっかり生きていきます。」
博士「うん。じゃあその為にもしっかり食べないとね。今日の夕飯は何ですかー。」
義肢少女「何にしましょうかねー。」
博士「おでんが食べたい気分だなあ。じゃがいもなんか入れたりしてね。」
義肢少女「(じゃがいも…?)おでんいいですね。じゃあトマトも用意しないと。」
博士「えっなにそれこわい」
義肢少女「えっ」
おわり
SS速報VIP:義肢少女「もっと普通にお願いすればいいんですよ」