SS速報VIP:マミ&QB「風邪ひいた……」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1307535668/1: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) 2011/06/08(水) 21:21:09.49 ID:X3/0OW3V0
マミ「♪~~」 シャワーー
QB「マミはシャワーを浴びているのか」
ガチャッ
QB「あ、出てきた。 でもマミ、君は風邪気味だと言っていたのに」
マミ「ふう、いい気持…… はっくちゅ」
マミ「やっぱりだめだわ。早く着替えなくちゃ」パジャマパジャマ
QB「やれやれ」
マミ「うーん、ふらふらする… 今夜は魔女退治は無理ね」
QB「はっきゅしゅ」
マミ「?」
2: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) 2011/06/08(水) 21:23:03.74 ID:X3/0OW3V0
QB「あれ……」グラ~
QB「」パタン
マミ「キュゥべえ? やだ、ちょっと」
マミ「どうしたの!?大丈夫!?」
QB「なんだか体がおかしい……。僕も感染したかも」ケホ
マミ「た、大変! えーと、お医者さん…いや獣医?」
QB「それには及ばないっていうか地球外生物だし」
QB「そもそもマミの魔力で治せないのかい? 僕も、マミ自身も」
マミ「それが、ちょっと魔力も減退してて、無理なのよ」
QB「グリーフシードのストックを使えばいいじゃないか」
マミ「あまり余裕がないの。少々の風邪くらいで、無駄にはできないわ」
QB「げほげほ」フラフラ
マミ「こほんこほん」フラフラ
マミ「もう、今日は早くベッドに入って寝ちゃいましょう」
QB「それがいいね。僕もおそらく、体内で抗体ができればすぐ治る程度の症状だ」
マミ「良かった。 お薬は……いらないかしら」
QB「むしろ地球人の薬は、悪影響が出ると思う」
マミ「じゃあ私だけ飲んでおくわ。 あ、飲み物だけでも、いる?」
QB「僕は別にいいよ」
マミ「ごくごく」
マミ「さて、お布団に入ってと。キュゥべえもいらっしゃい」
QB「うん…… う?」
QB「うぐっ!」
マミ「え?」
QB「うわっ……うあああああああああああああ!!!!」
マミ「キュゥべえ!」
QB「ああああッあああああ わああああ!!」バタバタ
マミ「キュゥべえ!? しっかりして!どうしたの!?」
QB「はぁ、はぁ、はぁッ」
マミ「病状が悪化しちゃったの!?」
マミ「だ、誰か他の魔法少女を呼んで回復を……」
マミ(……電話番号わかる人がいない……)
マミ「やっぱりグリーフシードを使うしか」
QB「ち、違うんだ、マミ……僕は今、遮断されただけだ」
マミ「遮断?」
QB「僕らの種族は全体意識で活動している」
QB「でも僕という端末が今回、未知のウイルスに感染した」
QB「稀ではあるけど、もし精神がダメージを受けると思われた場合」
QB「全体へ影響するリスク回避のため、端末は全体意識から一時遮断されるんだ」
QB「そして……この端末は、初めて遮断を経験したんだ」
マミ「えーっと、つまり」
QB「ううっ……個体にひとつしか精神がない……これは」
マミ「つまり、私たち地球人と同じじゃない?」
QB「こんな……怖い……」
マミ「怖い?」
QB「うう……怖いよ……」ハアハア
QB(初めて感じる、これが恐怖感……)
QB(周りに何もなくて、誰もいなくて真っ暗で、寄るべない気分だ……)
QB(地球人は皆、こんなにも不安定な状態で)
QB(これが普通で、ずっと生きているっていうのか!)ハアハア
QB「怖い、怖いよぅ……」ハアハア
マミ「キュゥべえ、おいで」
QB「……?」フラフラ
マミ(抱きっ)
QB「……あ」
マミ「大丈夫よ」
マミ「大丈夫。私がいるからね。一人じゃないわ」
QB「マミ……」
QB「今、僕の中で実におかしな精神的現象が起こっている」
マミ「なあに、それ?」
QB「さっきまで震えと、恐ろしさに支配されて、本当におかしくなりそうだった」
QB「それがマミに抱かれて、君の言葉を聞いたら」
QB「半分くらい、楽になった」
QB「震えも、止まった……」
マミ「ふふっ、そういうものなのよ」
QB「わけがわからないよ……これは一体、何だっていうんだ」
マミ「んー」
マミ「それが感情、じゃない?」
QB「感情だって? ばかな。でも、これは」マミマミ
QB「……マミの胸が柔らかくて、心地いい」マミマミ
QB「これが感j
マミ「ちょっと!////」スパーン
QB「イタイ」
マミ「あ、ごめんなさい、思わず」
マミ「とにかく寝ましょう。風邪は体を休めるのが一番よ」
QB「うん」
~ 布団の中 ~
QB「マミ……」
マミ「ん?」
QB「僕は君に対する評価を改めなくちゃならない」
マミ「なんの評価?」
QB「君は、こんな恐ろしい『孤独』という精神状態と戦いながら」
QB「そのうえ、強い魔女や使い魔たちと戦ってきた」
QB「今の僕ならわかる。君は自分を弱いなんて言っていたが」
QB「君は強いよ。とても」
マミ「私は……強くなんかないわ」
マミ「一人で泣いてばかりだった。キュゥべえも見ていたはずよ」
マミ「恥ずかしいから、他人には見せないだけ……」
QB「それでも、凄いことだと思う」
QB(こんな脆弱な生物が……単体で孤独や死の恐怖に耐え続けるんだ)
QB(絶望しやすいわけだよ……)
QB「ごめんよ、マミ」
マミ「えっ、どうして謝るのキュゥべえ」
QB「ごめんよ……」フルフル
QB(今の自分に置き換えて考えてみれば、彼女はこんな状態で)
QB(戦いに巻き込まれて、これから先、長く精神が持つはずがない)
QB(僕は……なんて運命を売っているんだ)
マミ「くすっ」
マミ「キュゥべえ、私はあなたに感謝しているのよ?」
QB「えっ」
マミ「あなたがいなければ、とっくに私はあの事故で死んでいたもの」
マミ「あなたが命をくれたんだもの。謝られる筋合いなんてないわ」
QB「でも……」
QB(……すべてを話してしまいたい)
QB(いや、魔法少女が魔女化すること、それだけは言えない)
QB(今の僕がマミと同じような精神状態だとして)
QB(仮に僕が今、そんな未来を知れば……絶望しかないだろう)
QB(いや……そもそも絶望させるのが目的じゃないか)
QB(何なんだ、僕は。なぜ家畜の心情に、自分を重ね合わせているんだ)
QB(僕はいったい、何がしたいんだ)
マミ「ありがとう、キュゥべえ」
QB「やめてよ……感謝なんて……」
マミ「チュッ」
QB「え……!?」
マミ「好きよ、キュゥべえ」
QB「やめておくれよ……マミ」
マミ「いけなかったかしら?」
マミ「私、あなたに嫌われてる?」
QB「違うよ……」
QB「好きなんて言われたら……」
QB「今の僕は、なぜ君に好かれたかの理由を探すために」
QB「これまでの君との記憶を全て、頭で再生して検討し直してしまう」
QB「普段の状態の僕なら、そこにただ論理的な理由を見つけるだろう」
QB「だけど」
QB「今は……これまでのマミとの生活が、全部」
QB「現象の記録としてではない、まったく違うものに感じられるんだ……」
QB「マミのことで……頭が、
一杯になる……」
マミ「ありがとうね」ギュ
マミ「ずっと一人ぼっちで、誰かに想われるなんて、思いもしなかった」
QB「こんなの……おかしいよ」
マミ「おかしい? これは『素敵』なことよ、キュゥべえ」
QB「『素敵』?……これが、そうなのかい」
マミ「もう。こんな可愛い女の子にキスされるなんて、素敵に決まってるでしょ」クスクス
QB「自分で言うんだ……それに、僕には性別もないんだけどな」
マミ「ねえキュゥべえ。私、こう思うの」
マミ「私たちは一人ひとりが別の生物。誰も、心の中までひとつにはなれない」
QB「地球の生物の精神システムは、そのようだね」
マミ「私たちそれぞれが、世界と言ってもいいわ」
QB「それぞれの主観的世界しか存在しない、ということだね」
QB「でもそれは寂しくて、永遠に辛いことだよ。耐えがたいよ」
マミ「だから触れ合って、支えあうの。 お互い、寂しくないように」
QB「……僕の震えを止めたように?」
マミ「ええ。そして、私の震えも止まるの」
マミ「最初に魔女と戦う前の、私の震えを止めてくれたのは、あなたの存在なのよ」
QB「僕の……」
マミ「いつも、あなたが隣にいてくれるから」
マミ「私は震えず、運命を恨まずに戦い続けられる」
マミ「キュゥべえ。 あなたは優しい……」
QB(それは単に魔女狩りをサポートし、効率を上げるためだよ)
QB(優しいわけ、ないじゃないか……)
QB「マミ……」
マミ「ん、眠く……なってきちゃった」
QB「マミ、あの」
マミ「キュゥ……べえ」スリスリ
マミ「あったかいよ……」
マミ スー… スー…
QB「……寝ちゃったんだね、マミ」
QB「僕がこれから言うことを、君が聞くことはない」
QB「そして僕自身も、覚えてはいても、その意味はわからなくなるだろう」
QB「なぜなら僕のこの疾患は、もうすぐ体内で抗体が作られて治る」
QB「そうすれば仲間の全体意識との精神リンクが復活し、遮断状態を脱する」
QB「今の僕の記憶は、記録としては消えはしないけど」
QB「でもこの感情は……明日には……」
QB「言えるうちに、言葉にしておくよ」
マミ スースー…
QB「……マミ」
QB「ごめんよ、マミ。ごめんよ」
QB「ありがとう、マミ。僕を必要としてくれて」
QB「ありがとう……」
QB「マミ」
QB「……好きだよ……」
マミ「おはよう、キュゥべえ」
QB「やあマミ、風邪は治ったようだね」
マミ「ええ、すっかり。キュゥべえはどう?」
QB「見てのとおりさ」ピョンピョン
マミ「完治したみたいね。 じゃ、また今夜から魔女退治に行かないとね」
QB「ああ、頼むよマミ!」
魔女「キシャアアアアア!!!」
マミ「ねえキュゥべえ、昨日のこと、覚えてる?」
ドンッドンッ
QB「覚えているよ?」
マミ「次にあなたが風邪をひいたときは、約束してほしいの」
QB「ひくことがあればだけどね。何だい」
バシュッ! ドドドドドッ
魔女「ガアアアアアアア!!!」
マミ「次はあなたからキスしてよね」
QB「口唇による接触? そんなことならお安い御用さ」
マミ「むー、なんだか心がこもってないわよ?」
QB「そ、そんなことないよ!」
マミ「ティロ・フィナーレ!!!」
ドオオオオオオン!
魔女「……」グシャッ
QB ピョン「僕はマミのことが好きだもの」
マミ「ふふ、私もよ」ナデナデ
マミ「 私の、キュゥべえ 」
QB(昨日の記憶を、研究という意味で何度か脳内で再生し直してみた)
QB(結果、地球では『好き』と言われたら『好き』と言い返すだけで)
QB(その個体と友好的な関係を築き易いという、至極単純な答えに至った)
QB(僕というこの端末が発したイレギュラーな一連の言動は、当然ながら)
QB(現在のエネルギー収集業務においては、特に解析の必要もないだろう)
QB(だがノルマを達成する為には、表面上、円滑な関係が必要と思われる)
QB(次にまた抗体を持たないウイルス性疾患に罹患した場合は……)
QB(一応、僕からキスをする約束は、記憶に留めておこう)
~ 公園のベンチ ~
ほむら「インキュベーター」
QB「やあ、暁美ほむら」フラフラ
ほむら「? ……なんだか様子が変ね」
QB「ちょっと風邪をひいているんだ」
ほむら「あなたたちにも、そんなことがあるのね」
ほむら「どうでもいいことだけど」ファサ
QB「僕を殺すなら、いいチャンスだよ?」
ほむら「あなたなど、鹿目まどかに契約さえ迫らなければ」
ほむら「生きようが死のうが、私には関係ないわ」
ほむら「……で、何の用?」
QB「巴マミが、死んだよね」
ほむら「ええ、1週間になるわね。魔女にソウルジェムを砕かれて」
ほむら「絶望する暇もなく、彼女は魔女にならなかった」
ほむら「あなたたちにとっても残念な結果ね。 それが何か?」
QB「僕はマミと約束していたんだ」
ほむら「契約ではなく、約束?」
QB「うん。 果たせなかったけどね」
QB「うう……う……っ」
ほむら「……どうしたっていうの、インキュベーター」
ほむら「今のあなたはまるで」
QB「約束したのに!!」
QB「どうしてだよ……!」
QB「どうして……僕を置いて行っちゃうんだよ」
QB「マミ……」
ほむら「インキュベーターが、さも感情を持っているかのように振舞って」
ほむら「それを私に見せて、何の効果を期待しているのかしら」
QB「ちがう……違うんだ……」
QB「僕はただもう一度、マミを抱きしめて」
QB「キスをしてあげたかったんだ」
QB「僕を好きだと言った……あの子に」
ほむら「……」
QB「僕は……マミを助けられなかった」
ほむら「あなたはあの時、巴マミを助ける行動などしなかったでしょ」
QB「そうだよ。そうだった」
ほむら「いよいよ、わけがわからないわ」
QB「だろうね。わかってもらえるとは思わない」
QB「でも」
QB「鹿目まどかへの異様な執着を愛だと考えれば、君なら何かわかると思った」
ほむら「……」
QB「教えてよ、暁美ほむら。 僕は……マミを愛していたの?」
ほむら「さあ」
ほむら「あなた本人がわからない気持ちなんて、他人にわかるはずもないわ」
ほむら「ただ、自分の意志で、誰かとの約束を守りたかったのなら」
ほむら「それは『素敵』なことだと信じるべきね」
ほむら(信じなければ……やっていられない)
QB「……ありがとう」
ほむら「調子狂うわね」
QB フラフラ
ほむら「どこへ行くの。どこかの魔法少女に、体を回復して貰うつもり?」
QB「回復なんか要らない」フラフラ
QB「マミの部屋へ行く。 あの部屋に……居たいんだ」
QB「明日に、なるまで……」
ほむら「……インキュベーター?」
QB( そう。 明日になれば、僕はインキュベーター )
QB( だから )
QB( 今日だけは……
マミの「キュゥべえ」で、いたいんだ )
― 終わり ―
あれで終わりでも良かったんですが、イチャイチャもいいなと
思ったので続き投下
その日、キュゥべえは巴マミの部屋で過ごした。
QB「ここは1週間前と、何も変わってない」
QB「変わったのは、この部屋の主がいないことだけだ」
QB「ベッドと部屋に、微かに……マミの香りが残ってる」
マミの温かな体温の記憶が、冷えた体に蘇る。
屈託の無い笑顔が、脳裏をよぎる。
寂しげな瞳が、目蓋に浮かぶ。
そして魔女にソウルジェムを破壊され、動かぬ抜け殻となった
―――マミの最期が。
QB「……マミ……」
QB「あうっ……うううっ」
QB「どうして、死んじゃったんだよ」
QB「会いたいよ、マミ……」
QB(頭がぐらぐら、する)
QB(風邪のせいか)
QB(それとも、泣いたからかな……)
---------------------------------
QB(スー スー……)
シャワーーーーーッ
QB(ん……)
QB(シャワーの水音が聞こえる……)
シャワーーーッ
??「♪~~」
QB(あれは誰だ…? ここは、どこだ)
??「♪サーーティーーローヤーーリィ~~♪」シャワーーーッ
QB ムクリ
QB「誰だ…って、僕は何言ってるんだ」
QB「マミに決まってるじゃないか。 だってここはマミの部屋だもの」
QB「ねえ、マミー。学校休んで、本当に良かったのかい?」
マミ「ええ、だってキュゥべえが風邪なんですもの」シャワーーーッ
マミ「看病するのは私の役目よ、気にしないでベッドで待っててね」シャワーーーッ
マミ(なんかマミーって伸ばされると、森永の白い液体っぽいわ)
QB「あぁそうだった、僕が風邪をひいたから……」
QB(しかし考えてみると)
QB(いつもの僕には感情ないから、マミと風呂に入ったりしても)
QB(何の感慨も湧かなかったわけだけど)
QB(……)
QB(いま、風呂には髪を下ろした全裸のマミが……そして)
QB(僕に感情がある時イコール風邪で、マミと一緒に風呂れないという)
シャワーーーーーッ
QB(フヌオオオオオオオオオオオオオオーーーー!!!) ゴロゴロゴロ
QB(僕のバカチーーーーーーン!!) ゴロゴロゴロ
マミ「何やってるのかしら」シャワーーーッ
QB「マミー」シッポパタパタ
マミ「はーい、待ってね」シャワーーーッ
QB「マミー、マミー」
マミ「ふふっ、学校休んで正解だったわ。だって風邪ひきの時のキュゥべえって」
マミ「甘えん坊さんで、すっごく可愛いんだもの////」シャワーーーッ
QB「マミーー」
マミ「はいはい」
マミ(テレビでよく見る、しゃべる猫みたいww)
QB「マミー! 焦げてる!なんか焦げてるって!!」
マミ「え……? ああああっ!!」ガチャッ
マミ「やっちゃった!ケーキをオーブンに入れてたんだわ!!」バタバタ
マミ「あー……せっかくキュゥべえのために焼いてたのに……」
QB(濡れた髪を下ろした裸マミ、「ラマミ」が目の前に!)
QB(種族を超えてなお魅力的に映る、そのつややかな体のライン…)
QB「ごっつあんですッ!!」ビッシイィィ
マミ「まだ食べてないでしょケーキ?」
マミ(着替えた)
QB(ひどく黒いケーキが出来上がった……)
マミ「ちょ、ちょっと焦がしちゃったけど、大丈夫…かな?」
QB(ちょっと…?)
QB「いや大丈夫、いただくよ!」
マミ「む、無理して食べなくてもいいのよ?」
QB「マミが焼いてくれたんだもの、美味しいに決まってパク苦ッ」
マミ「苦いわよね……やっぱり」ショボーーン
QB「え、いやいやほんと!美味しいってばパクパク」
QB(苦いけど……うん、甘い)
マミ「キュゥべえ、今日は一日、一緒に居ましょうね」ダキッ
QB「抗体ができるまであまり動けないしね」
QB「でも感情モードでマミの看病が受けられるなんて、ラッキーだよ」
マミ「……実は私、看病っていうより」
マミ「ただキュゥべえと一緒に過ごしたいだけかも」
QB「大抵、いつも一緒なんだけどね」
マミ「いつものキュゥべえも好きだけど、風邪の時は特別だから……」
マミ「私の、キュゥべえだから」スリスリ
QB「……うん///」
QB(これが人間のいう、幸せなのかな)
QB(マミの暖かさのせいか、自分の熱のせいか、頭がボーっとする)
QB(この国には、夢見る、という言葉がある)
QB(それは望み得ぬものを望む、という意味でもある)
QB(そうか……これは夢なのか)
QB(僕が望んだ、とても幸せな、夢)
QB(現実の僕は今も、誰も居ないマミの部屋で)
QB(独りで泣き疲れて、眠っているんだ……)
QB(―――あれ?)
QB(―――僕、そんなことしたっけ?)
QB(いま僕は、何考えてたんだ?)
QB(わけがわからないよ)
QB(自分に言うとは思わなかったこのセリフ)
マミ「キュゥべえ? どうしたの、眠くなった?」
QB ハッ!「いや、何でもないよ、まだ眠くない」
QB「ちょっとボーッとしてただけ」
マミ「ね、キュゥべえ。 約束、覚えてる?」
QB「もちろん覚えてるよ。君との約束を、忘れたりするもんか」
マミ「ん……」ジーーッ
QB(はう、マミが顔を赤らめて)
QB(目を閉じて待ってる!)
マミ ジーーッ
QB(えーとえーと)
QB(な、なんか)
マミ「…どうしたの?嫌?」
QB(あああぁそんな目しないでえええ)
QB「違、その、いざとなると」
QB「き、緊張して」
QB(よしッ!僕も男だ!いや性別ないけど!)
チュッ
QB「好きだよ、マミ」
マミ「………」ポロッ
QB「え、どうしたのマミ!」
マミ「あは、どうしてかしら…」ポロポロ
マミ「嬉しい、はずなのに、どうして」ポロポロ
QB「おかしいよ、泣くなんて」
QB「……!」ポロポロ
マミ「グスッ、あなたも泣いてるわ、キュゥべえ」
QB「……なぜだろう」ポロポロ
QB「約束を守れたことが、マミがここに居ることが、こんなに嬉しいのに」
QB「遠い、いつかどこかで、ひどく悲しいことがあったような」
マミ「私も、そんな気がする……」
QB「でもきっと、これは」
マミ「……うん、嬉し涙、よね」
---------------------------------------
偶然か、必然か。
「僕の望んだ幸せな夢」は、覚めることはなかった。
これは後になって、暁美ほむらに聞いた話だ。
QB「世界の因果律が改変された?」
ほむら「そう。ある魔法少女の力によって、過去と未来に本来存在したすべての魔女は消え」
ほむら「魔女に殺されたはずの巴マミも、死ななかったことになった」
QB「途方もない話だね。それにもし本当に因果律が変わったとしても」
QB「その渦中に居る僕らには、それを知覚するすべもない」
QB「証拠も無いし、君の妄想と区別が…」
ほむら「インキュベーター、あなた、巴マミと約束があるでしょう」
QB「……! なぜそれを? マミが話したのかい?」
ほむら「いいえ。私は改変前の世界の、あなた本人に聞いたのよ」
ほむら「あなたたちの約束は、どうやら因果律が変わっても残っていたようね」
QB「成程、君がそれを知っているのが、ひとつの証拠ってわけか」
ほむら「あの時の私は、インキュベーターとはほとんど敵対関係にあったし」
ほむら「公園ではあなたにちょっと冷たく当たってしまったわね」
QB「公園って、何のこと?」
ほむら(ああ、巴マミが死ななかったから)
ほむら(改変後の世界では、インキュベーターとの公園での会話は無かったのだった)
杏子「よー、お二人さん。なんかまた、小難しい話してんなー」
杏子「つーか、たまに仲いいよな? アンタらって」
QB「別に仲は」
ほむら「良かないわ」
杏子「わりと息合ってんじゃん。あれか、ほむらの喋りって」
杏子「ちょっと宇宙人っぽいからかw」
ほむら「う……宇宙 人……」
ほむら「そんなことないもん……」ホムーーン
QB「あ、凹んだ」
杏子「んで何? またエントロピーをショウガとか何とかの話?」
QB「少なくとも食べ物の話ではない」
ほむら「約束は大事だって話よ」
ほむら(だよね、まどか……)
---------------------------------------
~ ベッドの中 ~
マミ「あのね、キュゥべえ」
QB「なに?」
マミ「また約束をしてもいいかしら」
QB「いいよ」
マミ「我ながら勝手で、面倒くさい子だって思うけど」
マミ「……えっと、あの、ね////」モジモジ
QB「?」
マミ「これからもずっと、私を愛してくれる?」
QB「うん。ずっとさ、マミ」
マミ「ふふっ。感情がある時は、優しい嘘もついたりするのね、キュゥべえ」
QB「う、嘘じゃないよ?」
マミ「いつものあなたなら『厳密には、その約束は無理だね』って言うわ」
QB「……ううっ、言いそう」
QB「普段の僕は、恋愛感情を持ち合わせないし」
QB「いざという時、君を守れないかもしれない。 そう思うと」
QB「愛してるなんて言葉も、空々しいんじゃないかって」
マミ「ううん、私は満足よ。 約束できる人がいる、それでいいの」
マミ「それだけで私、もっと強くなれると思う」
QB「……マミ」
マミ「この世界の理は、悲しいことや辛いことだらけだけど」
マミ「きっともっとたくさんの、誰かと誰かの約束で繋がっている」
マミ「それって『素敵』なことだと思わない?」
QB「そうだね。 約束は、素敵だ」
QB「僕もそれに関して、素敵なアイデアが浮かんだ」
マミ「?」
QB「ま、それはあとで。 あらためて言わせてもらうよ、マミ」
マミ&QB「ずっと、愛してる」
~「キュゥべえ」から「インキュベーター全体意識」への発信 ~
QB(ここ最近の記憶を、研究という意味で何度か脳内で再生し直してみた)
QB(結果、地球では相互に『愛してる』という『約束』だけで)
QB(個体同士が非常に友好的な関係を築く、という単純な答えに至った)
QB(だが単純ながら、巴マミという個体の「強くなれる」という申告により)
QB(この『約束』が彼らの精神・肉体面の強化に繋がり)
QB(我々のエネルギー収集効率の向上に寄与するのでは、という仮説が得られた)
QB(キュゥべえという端末は仮説実証の為、巴マミの研究担当となる)
QB(なおウイルス性疾患時以外にも、僕の自己判断で)
QB(全体意識のリンクを遮断することがあるが)
QB(研究の為なんで、あしからず。きゅっぷぃ。)
~ 終わり ~
元スレ
QB「あれ……」グラ~
QB「」パタン
マミ「キュゥべえ? やだ、ちょっと」
マミ「どうしたの!?大丈夫!?」
QB「なんだか体がおかしい……。僕も感染したかも」ケホ
マミ「た、大変! えーと、お医者さん…いや獣医?」
QB「それには及ばないっていうか地球外生物だし」
3: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) 2011/06/08(水) 21:24:05.74 ID:X3/0OW3V0
QB「そもそもマミの魔力で治せないのかい? 僕も、マミ自身も」
マミ「それが、ちょっと魔力も減退してて、無理なのよ」
QB「グリーフシードのストックを使えばいいじゃないか」
マミ「あまり余裕がないの。少々の風邪くらいで、無駄にはできないわ」
QB「げほげほ」フラフラ
マミ「こほんこほん」フラフラ
4: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) 2011/06/08(水) 21:24:47.43 ID:X3/0OW3V0
マミ「もう、今日は早くベッドに入って寝ちゃいましょう」
QB「それがいいね。僕もおそらく、体内で抗体ができればすぐ治る程度の症状だ」
マミ「良かった。 お薬は……いらないかしら」
QB「むしろ地球人の薬は、悪影響が出ると思う」
マミ「じゃあ私だけ飲んでおくわ。 あ、飲み物だけでも、いる?」
QB「僕は別にいいよ」
マミ「ごくごく」
マミ「さて、お布団に入ってと。キュゥべえもいらっしゃい」
QB「うん…… う?」
5: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) 2011/06/08(水) 21:25:28.81 ID:X3/0OW3V0
QB「うぐっ!」
マミ「え?」
QB「うわっ……うあああああああああああああ!!!!」
マミ「キュゥべえ!」
QB「ああああッあああああ わああああ!!」バタバタ
6: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) 2011/06/08(水) 21:26:02.39 ID:X3/0OW3V0
マミ「キュゥべえ!? しっかりして!どうしたの!?」
QB「はぁ、はぁ、はぁッ」
マミ「病状が悪化しちゃったの!?」
マミ「だ、誰か他の魔法少女を呼んで回復を……」
マミ(……電話番号わかる人がいない……)
マミ「やっぱりグリーフシードを使うしか」
QB「ち、違うんだ、マミ……僕は今、遮断されただけだ」
マミ「遮断?」
7: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) 2011/06/08(水) 21:26:39.11 ID:X3/0OW3V0
QB「僕らの種族は全体意識で活動している」
QB「でも僕という端末が今回、未知のウイルスに感染した」
QB「稀ではあるけど、もし精神がダメージを受けると思われた場合」
QB「全体へ影響するリスク回避のため、端末は全体意識から一時遮断されるんだ」
QB「そして……この端末は、初めて遮断を経験したんだ」
8: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) 2011/06/08(水) 21:27:07.63 ID:X3/0OW3V0
マミ「えーっと、つまり」
QB「ううっ……個体にひとつしか精神がない……これは」
マミ「つまり、私たち地球人と同じじゃない?」
QB「こんな……怖い……」
マミ「怖い?」
QB「うう……怖いよ……」ハアハア
10: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) 2011/06/08(水) 21:27:46.27 ID:X3/0OW3V0
QB(初めて感じる、これが恐怖感……)
QB(周りに何もなくて、誰もいなくて真っ暗で、寄るべない気分だ……)
QB(地球人は皆、こんなにも不安定な状態で)
QB(これが普通で、ずっと生きているっていうのか!)ハアハア
QB「怖い、怖いよぅ……」ハアハア
11: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) 2011/06/08(水) 21:29:06.16 ID:X3/0OW3V0
マミ「キュゥべえ、おいで」
QB「……?」フラフラ
マミ(抱きっ)
QB「……あ」
マミ「大丈夫よ」
マミ「大丈夫。私がいるからね。一人じゃないわ」
QB「マミ……」
12: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) 2011/06/08(水) 21:29:48.99 ID:X3/0OW3V0
QB「今、僕の中で実におかしな精神的現象が起こっている」
マミ「なあに、それ?」
QB「さっきまで震えと、恐ろしさに支配されて、本当におかしくなりそうだった」
QB「それがマミに抱かれて、君の言葉を聞いたら」
QB「半分くらい、楽になった」
QB「震えも、止まった……」
13: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) 2011/06/08(水) 21:30:56.38 ID:X3/0OW3V0
マミ「ふふっ、そういうものなのよ」
QB「わけがわからないよ……これは一体、何だっていうんだ」
マミ「んー」
マミ「それが感情、じゃない?」
QB「感情だって? ばかな。でも、これは」マミマミ
QB「……マミの胸が柔らかくて、心地いい」マミマミ
QB「これが感j
マミ「ちょっと!////」スパーン
14: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) 2011/06/08(水) 21:31:25.84 ID:X3/0OW3V0
QB「イタイ」
マミ「あ、ごめんなさい、思わず」
マミ「とにかく寝ましょう。風邪は体を休めるのが一番よ」
QB「うん」
15: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) 2011/06/08(水) 21:32:13.48 ID:X3/0OW3V0
~ 布団の中 ~
QB「マミ……」
マミ「ん?」
QB「僕は君に対する評価を改めなくちゃならない」
マミ「なんの評価?」
QB「君は、こんな恐ろしい『孤独』という精神状態と戦いながら」
QB「そのうえ、強い魔女や使い魔たちと戦ってきた」
QB「今の僕ならわかる。君は自分を弱いなんて言っていたが」
QB「君は強いよ。とても」
17: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) 2011/06/08(水) 21:33:33.46 ID:X3/0OW3V0
マミ「私は……強くなんかないわ」
マミ「一人で泣いてばかりだった。キュゥべえも見ていたはずよ」
マミ「恥ずかしいから、他人には見せないだけ……」
QB「それでも、凄いことだと思う」
QB(こんな脆弱な生物が……単体で孤独や死の恐怖に耐え続けるんだ)
QB(絶望しやすいわけだよ……)
18: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) 2011/06/08(水) 21:34:26.93 ID:X3/0OW3V0
QB「ごめんよ、マミ」
マミ「えっ、どうして謝るのキュゥべえ」
QB「ごめんよ……」フルフル
QB(今の自分に置き換えて考えてみれば、彼女はこんな状態で)
QB(戦いに巻き込まれて、これから先、長く精神が持つはずがない)
QB(僕は……なんて運命を売っているんだ)
マミ「くすっ」
マミ「キュゥべえ、私はあなたに感謝しているのよ?」
QB「えっ」
19: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) 2011/06/08(水) 21:35:07.21 ID:X3/0OW3V0
マミ「あなたがいなければ、とっくに私はあの事故で死んでいたもの」
マミ「あなたが命をくれたんだもの。謝られる筋合いなんてないわ」
QB「でも……」
QB(……すべてを話してしまいたい)
QB(いや、魔法少女が魔女化すること、それだけは言えない)
QB(今の僕がマミと同じような精神状態だとして)
QB(仮に僕が今、そんな未来を知れば……絶望しかないだろう)
20: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) 2011/06/08(水) 21:36:26.81 ID:X3/0OW3V0
QB(いや……そもそも絶望させるのが目的じゃないか)
QB(何なんだ、僕は。なぜ家畜の心情に、自分を重ね合わせているんだ)
QB(僕はいったい、何がしたいんだ)
マミ「ありがとう、キュゥべえ」
QB「やめてよ……感謝なんて……」
21: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) 2011/06/08(水) 21:36:59.63 ID:X3/0OW3V0
マミ「チュッ」
QB「え……!?」
マミ「好きよ、キュゥべえ」
QB「やめておくれよ……マミ」
マミ「いけなかったかしら?」
マミ「私、あなたに嫌われてる?」
QB「違うよ……」
22: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) 2011/06/08(水) 21:37:47.71 ID:X3/0OW3V0
QB「好きなんて言われたら……」
QB「今の僕は、なぜ君に好かれたかの理由を探すために」
QB「これまでの君との記憶を全て、頭で再生して検討し直してしまう」
QB「普段の状態の僕なら、そこにただ論理的な理由を見つけるだろう」
QB「だけど」
23: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) 2011/06/08(水) 21:40:06.51 ID:X3/0OW3V0
QB「今は……これまでのマミとの生活が、全部」
QB「現象の記録としてではない、まったく違うものに感じられるんだ……」
QB「マミのことで……頭が、
一杯になる……」
25: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) 2011/06/08(水) 21:42:17.09 ID:X3/0OW3V0
マミ「ありがとうね」ギュ
マミ「ずっと一人ぼっちで、誰かに想われるなんて、思いもしなかった」
QB「こんなの……おかしいよ」
マミ「おかしい? これは『素敵』なことよ、キュゥべえ」
QB「『素敵』?……これが、そうなのかい」
マミ「もう。こんな可愛い女の子にキスされるなんて、素敵に決まってるでしょ」クスクス
QB「自分で言うんだ……それに、僕には性別もないんだけどな」
26: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) 2011/06/08(水) 21:43:16.75 ID:X3/0OW3V0
マミ「ねえキュゥべえ。私、こう思うの」
マミ「私たちは一人ひとりが別の生物。誰も、心の中までひとつにはなれない」
QB「地球の生物の精神システムは、そのようだね」
マミ「私たちそれぞれが、世界と言ってもいいわ」
QB「それぞれの主観的世界しか存在しない、ということだね」
QB「でもそれは寂しくて、永遠に辛いことだよ。耐えがたいよ」
27: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) 2011/06/08(水) 21:44:12.49 ID:X3/0OW3V0
マミ「だから触れ合って、支えあうの。 お互い、寂しくないように」
QB「……僕の震えを止めたように?」
マミ「ええ。そして、私の震えも止まるの」
マミ「最初に魔女と戦う前の、私の震えを止めてくれたのは、あなたの存在なのよ」
QB「僕の……」
マミ「いつも、あなたが隣にいてくれるから」
マミ「私は震えず、運命を恨まずに戦い続けられる」
マミ「キュゥべえ。 あなたは優しい……」
28: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) 2011/06/08(水) 21:44:49.77 ID:X3/0OW3V0
QB(それは単に魔女狩りをサポートし、効率を上げるためだよ)
QB(優しいわけ、ないじゃないか……)
QB「マミ……」
マミ「ん、眠く……なってきちゃった」
QB「マミ、あの」
マミ「キュゥ……べえ」スリスリ
マミ「あったかいよ……」
マミ スー… スー…
29: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) 2011/06/08(水) 21:45:55.22 ID:X3/0OW3V0
QB「……寝ちゃったんだね、マミ」
QB「僕がこれから言うことを、君が聞くことはない」
QB「そして僕自身も、覚えてはいても、その意味はわからなくなるだろう」
QB「なぜなら僕のこの疾患は、もうすぐ体内で抗体が作られて治る」
QB「そうすれば仲間の全体意識との精神リンクが復活し、遮断状態を脱する」
QB「今の僕の記憶は、記録としては消えはしないけど」
QB「でもこの感情は……明日には……」
QB「言えるうちに、言葉にしておくよ」
30: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) 2011/06/08(水) 21:46:42.17 ID:X3/0OW3V0
マミ スースー…
QB「……マミ」
QB「ごめんよ、マミ。ごめんよ」
QB「ありがとう、マミ。僕を必要としてくれて」
QB「ありがとう……」
QB「マミ」
QB「……好きだよ……」
31: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) 2011/06/08(水) 21:47:14.40 ID:X3/0OW3V0
マミ「おはよう、キュゥべえ」
QB「やあマミ、風邪は治ったようだね」
マミ「ええ、すっかり。キュゥべえはどう?」
QB「見てのとおりさ」ピョンピョン
マミ「完治したみたいね。 じゃ、また今夜から魔女退治に行かないとね」
QB「ああ、頼むよマミ!」
49: 1 2011/06/09(木) 05:09:02.65 ID:AayZXRe10
魔女「キシャアアアアア!!!」
マミ「ねえキュゥべえ、昨日のこと、覚えてる?」
ドンッドンッ
QB「覚えているよ?」
マミ「次にあなたが風邪をひいたときは、約束してほしいの」
QB「ひくことがあればだけどね。何だい」
バシュッ! ドドドドドッ
魔女「ガアアアアアアア!!!」
32: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) 2011/06/08(水) 21:57:02.60 ID:X3/0OW3V0
マミ「次はあなたからキスしてよね」
QB「口唇による接触? そんなことならお安い御用さ」
マミ「むー、なんだか心がこもってないわよ?」
QB「そ、そんなことないよ!」
マミ「ティロ・フィナーレ!!!」
ドオオオオオオン!
魔女「……」グシャッ
QB ピョン「僕はマミのことが好きだもの」
マミ「ふふ、私もよ」ナデナデ
マミ「 私の、キュゥべえ 」
33: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) 2011/06/08(水) 21:57:39.65 ID:X3/0OW3V0
QB(昨日の記憶を、研究という意味で何度か脳内で再生し直してみた)
QB(結果、地球では『好き』と言われたら『好き』と言い返すだけで)
QB(その個体と友好的な関係を築き易いという、至極単純な答えに至った)
QB(僕というこの端末が発したイレギュラーな一連の言動は、当然ながら)
QB(現在のエネルギー収集業務においては、特に解析の必要もないだろう)
34: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) 2011/06/08(水) 21:58:59.20 ID:X3/0OW3V0
QB(だがノルマを達成する為には、表面上、円滑な関係が必要と思われる)
QB(次にまた抗体を持たないウイルス性疾患に罹患した場合は……)
QB(一応、僕からキスをする約束は、記憶に留めておこう)
35: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) 2011/06/08(水) 21:59:35.17 ID:X3/0OW3V0
~ 公園のベンチ ~
ほむら「インキュベーター」
QB「やあ、暁美ほむら」フラフラ
ほむら「? ……なんだか様子が変ね」
QB「ちょっと風邪をひいているんだ」
ほむら「あなたたちにも、そんなことがあるのね」
ほむら「どうでもいいことだけど」ファサ
QB「僕を殺すなら、いいチャンスだよ?」
ほむら「あなたなど、鹿目まどかに契約さえ迫らなければ」
ほむら「生きようが死のうが、私には関係ないわ」
36: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) 2011/06/08(水) 22:00:03.25 ID:X3/0OW3V0
ほむら「……で、何の用?」
QB「巴マミが、死んだよね」
37: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) 2011/06/08(水) 22:00:44.67 ID:X3/0OW3V0
ほむら「ええ、1週間になるわね。魔女にソウルジェムを砕かれて」
ほむら「絶望する暇もなく、彼女は魔女にならなかった」
ほむら「あなたたちにとっても残念な結果ね。 それが何か?」
QB「僕はマミと約束していたんだ」
ほむら「契約ではなく、約束?」
QB「うん。 果たせなかったけどね」
QB「うう……う……っ」
ほむら「……どうしたっていうの、インキュベーター」
ほむら「今のあなたはまるで」
38: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) 2011/06/08(水) 22:01:13.26 ID:X3/0OW3V0
QB「約束したのに!!」
QB「どうしてだよ……!」
QB「どうして……僕を置いて行っちゃうんだよ」
QB「マミ……」
ほむら「インキュベーターが、さも感情を持っているかのように振舞って」
ほむら「それを私に見せて、何の効果を期待しているのかしら」
39: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) 2011/06/08(水) 22:01:51.66 ID:X3/0OW3V0
QB「ちがう……違うんだ……」
QB「僕はただもう一度、マミを抱きしめて」
QB「キスをしてあげたかったんだ」
QB「僕を好きだと言った……あの子に」
ほむら「……」
40: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) 2011/06/08(水) 22:02:42.95 ID:X3/0OW3V0
QB「僕は……マミを助けられなかった」
ほむら「あなたはあの時、巴マミを助ける行動などしなかったでしょ」
QB「そうだよ。そうだった」
ほむら「いよいよ、わけがわからないわ」
QB「だろうね。わかってもらえるとは思わない」
41: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) 2011/06/08(水) 22:03:30.23 ID:X3/0OW3V0
QB「でも」
QB「鹿目まどかへの異様な執着を愛だと考えれば、君なら何かわかると思った」
ほむら「……」
QB「教えてよ、暁美ほむら。 僕は……マミを愛していたの?」
42: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) 2011/06/08(水) 22:04:06.22 ID:X3/0OW3V0
ほむら「さあ」
ほむら「あなた本人がわからない気持ちなんて、他人にわかるはずもないわ」
ほむら「ただ、自分の意志で、誰かとの約束を守りたかったのなら」
ほむら「それは『素敵』なことだと信じるべきね」
ほむら(信じなければ……やっていられない)
QB「……ありがとう」
ほむら「調子狂うわね」
43: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) 2011/06/08(水) 22:05:33.02 ID:X3/0OW3V0
QB フラフラ
ほむら「どこへ行くの。どこかの魔法少女に、体を回復して貰うつもり?」
QB「回復なんか要らない」フラフラ
QB「マミの部屋へ行く。 あの部屋に……居たいんだ」
QB「明日に、なるまで……」
ほむら「……インキュベーター?」
44: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) 2011/06/08(水) 22:06:00.39 ID:X3/0OW3V0
QB( そう。 明日になれば、僕はインキュベーター )
QB( だから )
QB( 今日だけは……
マミの「キュゥべえ」で、いたいんだ )
― 終わり ―
56: 1 2011/06/13(月) 18:48:50.59 ID:7DJDFOPp0
あれで終わりでも良かったんですが、イチャイチャもいいなと
思ったので続き投下
57: 1 2011/06/13(月) 18:49:54.52 ID:7DJDFOPp0
その日、キュゥべえは巴マミの部屋で過ごした。
QB「ここは1週間前と、何も変わってない」
QB「変わったのは、この部屋の主がいないことだけだ」
QB「ベッドと部屋に、微かに……マミの香りが残ってる」
マミの温かな体温の記憶が、冷えた体に蘇る。
屈託の無い笑顔が、脳裏をよぎる。
寂しげな瞳が、目蓋に浮かぶ。
そして魔女にソウルジェムを破壊され、動かぬ抜け殻となった
―――マミの最期が。
58: 1 2011/06/13(月) 18:50:46.79 ID:7DJDFOPp0
QB「……マミ……」
QB「あうっ……うううっ」
QB「どうして、死んじゃったんだよ」
QB「会いたいよ、マミ……」
QB(頭がぐらぐら、する)
QB(風邪のせいか)
QB(それとも、泣いたからかな……)
59: 1 2011/06/13(月) 18:52:00.95 ID:7DJDFOPp0
---------------------------------
QB(スー スー……)
シャワーーーーーッ
QB(ん……)
QB(シャワーの水音が聞こえる……)
シャワーーーッ
??「♪~~」
QB(あれは誰だ…? ここは、どこだ)
??「♪サーーティーーローヤーーリィ~~♪」シャワーーーッ
QB ムクリ
QB「誰だ…って、僕は何言ってるんだ」
QB「マミに決まってるじゃないか。 だってここはマミの部屋だもの」
60: 1 2011/06/13(月) 18:52:35.92 ID:7DJDFOPp0
QB「ねえ、マミー。学校休んで、本当に良かったのかい?」
マミ「ええ、だってキュゥべえが風邪なんですもの」シャワーーーッ
マミ「看病するのは私の役目よ、気にしないでベッドで待っててね」シャワーーーッ
マミ(なんかマミーって伸ばされると、森永の白い液体っぽいわ)
QB「あぁそうだった、僕が風邪をひいたから……」
61: 1 2011/06/13(月) 18:53:13.08 ID:7DJDFOPp0
QB(しかし考えてみると)
QB(いつもの僕には感情ないから、マミと風呂に入ったりしても)
QB(何の感慨も湧かなかったわけだけど)
QB(……)
QB(いま、風呂には髪を下ろした全裸のマミが……そして)
QB(僕に感情がある時イコール風邪で、マミと一緒に風呂れないという)
シャワーーーーーッ
QB(フヌオオオオオオオオオオオオオオーーーー!!!) ゴロゴロゴロ
QB(僕のバカチーーーーーーン!!) ゴロゴロゴロ
マミ「何やってるのかしら」シャワーーーッ
62: 1 2011/06/13(月) 18:53:59.00 ID:7DJDFOPp0
QB「マミー」シッポパタパタ
マミ「はーい、待ってね」シャワーーーッ
QB「マミー、マミー」
マミ「ふふっ、学校休んで正解だったわ。だって風邪ひきの時のキュゥべえって」
マミ「甘えん坊さんで、すっごく可愛いんだもの////」シャワーーーッ
QB「マミーー」
マミ「はいはい」
マミ(テレビでよく見る、しゃべる猫みたいww)
63: 1 2011/06/13(月) 18:54:43.49 ID:7DJDFOPp0
QB「マミー! 焦げてる!なんか焦げてるって!!」
マミ「え……? ああああっ!!」ガチャッ
マミ「やっちゃった!ケーキをオーブンに入れてたんだわ!!」バタバタ
マミ「あー……せっかくキュゥべえのために焼いてたのに……」
QB(濡れた髪を下ろした裸マミ、「ラマミ」が目の前に!)
QB(種族を超えてなお魅力的に映る、そのつややかな体のライン…)
QB「ごっつあんですッ!!」ビッシイィィ
マミ「まだ食べてないでしょケーキ?」
64: 1 2011/06/13(月) 18:55:33.86 ID:7DJDFOPp0
マミ(着替えた)
QB(ひどく黒いケーキが出来上がった……)
マミ「ちょ、ちょっと焦がしちゃったけど、大丈夫…かな?」
QB(ちょっと…?)
QB「いや大丈夫、いただくよ!」
マミ「む、無理して食べなくてもいいのよ?」
QB「マミが焼いてくれたんだもの、美味しいに決まってパク苦ッ」
マミ「苦いわよね……やっぱり」ショボーーン
QB「え、いやいやほんと!美味しいってばパクパク」
QB(苦いけど……うん、甘い)
65: 1 2011/06/13(月) 18:56:13.79 ID:7DJDFOPp0
マミ「キュゥべえ、今日は一日、一緒に居ましょうね」ダキッ
QB「抗体ができるまであまり動けないしね」
QB「でも感情モードでマミの看病が受けられるなんて、ラッキーだよ」
マミ「……実は私、看病っていうより」
マミ「ただキュゥべえと一緒に過ごしたいだけかも」
QB「大抵、いつも一緒なんだけどね」
マミ「いつものキュゥべえも好きだけど、風邪の時は特別だから……」
マミ「私の、キュゥべえだから」スリスリ
QB「……うん///」
66: 1 2011/06/13(月) 18:56:44.16 ID:7DJDFOPp0
QB(これが人間のいう、幸せなのかな)
QB(マミの暖かさのせいか、自分の熱のせいか、頭がボーっとする)
QB(この国には、夢見る、という言葉がある)
QB(それは望み得ぬものを望む、という意味でもある)
67: 1 2011/06/13(月) 18:57:13.55 ID:7DJDFOPp0
QB(そうか……これは夢なのか)
QB(僕が望んだ、とても幸せな、夢)
QB(現実の僕は今も、誰も居ないマミの部屋で)
QB(独りで泣き疲れて、眠っているんだ……)
68: 1 2011/06/13(月) 18:58:06.06 ID:7DJDFOPp0
QB(―――あれ?)
QB(―――僕、そんなことしたっけ?)
QB(いま僕は、何考えてたんだ?)
QB(わけがわからないよ)
QB(自分に言うとは思わなかったこのセリフ)
マミ「キュゥべえ? どうしたの、眠くなった?」
QB ハッ!「いや、何でもないよ、まだ眠くない」
QB「ちょっとボーッとしてただけ」
69: 1 2011/06/13(月) 18:59:19.53 ID:7DJDFOPp0
マミ「ね、キュゥべえ。 約束、覚えてる?」
QB「もちろん覚えてるよ。君との約束を、忘れたりするもんか」
マミ「ん……」ジーーッ
QB(はう、マミが顔を赤らめて)
QB(目を閉じて待ってる!)
マミ ジーーッ
70: 1 2011/06/13(月) 18:59:55.68 ID:7DJDFOPp0
QB(えーとえーと)
QB(な、なんか)
マミ「…どうしたの?嫌?」
QB(あああぁそんな目しないでえええ)
QB「違、その、いざとなると」
QB「き、緊張して」
QB(よしッ!僕も男だ!いや性別ないけど!)
71: 1 2011/06/13(月) 19:00:35.95 ID:7DJDFOPp0
チュッ
QB「好きだよ、マミ」
マミ「………」ポロッ
QB「え、どうしたのマミ!」
マミ「あは、どうしてかしら…」ポロポロ
72: 1 2011/06/13(月) 19:01:13.62 ID:7DJDFOPp0
マミ「嬉しい、はずなのに、どうして」ポロポロ
QB「おかしいよ、泣くなんて」
QB「……!」ポロポロ
マミ「グスッ、あなたも泣いてるわ、キュゥべえ」
73: 1 2011/06/13(月) 19:01:41.57 ID:7DJDFOPp0
QB「……なぜだろう」ポロポロ
QB「約束を守れたことが、マミがここに居ることが、こんなに嬉しいのに」
QB「遠い、いつかどこかで、ひどく悲しいことがあったような」
マミ「私も、そんな気がする……」
QB「でもきっと、これは」
マミ「……うん、嬉し涙、よね」
74: 1 2011/06/13(月) 19:02:22.71 ID:7DJDFOPp0
---------------------------------------
偶然か、必然か。
「僕の望んだ幸せな夢」は、覚めることはなかった。
これは後になって、暁美ほむらに聞いた話だ。
QB「世界の因果律が改変された?」
ほむら「そう。ある魔法少女の力によって、過去と未来に本来存在したすべての魔女は消え」
ほむら「魔女に殺されたはずの巴マミも、死ななかったことになった」
75: 1 2011/06/13(月) 19:02:54.62 ID:7DJDFOPp0
QB「途方もない話だね。それにもし本当に因果律が変わったとしても」
QB「その渦中に居る僕らには、それを知覚するすべもない」
QB「証拠も無いし、君の妄想と区別が…」
ほむら「インキュベーター、あなた、巴マミと約束があるでしょう」
QB「……! なぜそれを? マミが話したのかい?」
76: 1 2011/06/13(月) 19:03:37.53 ID:7DJDFOPp0
ほむら「いいえ。私は改変前の世界の、あなた本人に聞いたのよ」
ほむら「あなたたちの約束は、どうやら因果律が変わっても残っていたようね」
QB「成程、君がそれを知っているのが、ひとつの証拠ってわけか」
77: 1 2011/06/13(月) 19:05:39.96 ID:7DJDFOPp0
ほむら「あの時の私は、インキュベーターとはほとんど敵対関係にあったし」
ほむら「公園ではあなたにちょっと冷たく当たってしまったわね」
QB「公園って、何のこと?」
ほむら(ああ、巴マミが死ななかったから)
ほむら(改変後の世界では、インキュベーターとの公園での会話は無かったのだった)
78: 1 2011/06/13(月) 19:06:33.66 ID:7DJDFOPp0
杏子「よー、お二人さん。なんかまた、小難しい話してんなー」
杏子「つーか、たまに仲いいよな? アンタらって」
QB「別に仲は」
ほむら「良かないわ」
杏子「わりと息合ってんじゃん。あれか、ほむらの喋りって」
杏子「ちょっと宇宙人っぽいからかw」
79: 1 2011/06/13(月) 19:07:38.87 ID:7DJDFOPp0
ほむら「う……宇宙 人……」
ほむら「そんなことないもん……」ホムーーン
QB「あ、凹んだ」
杏子「んで何? またエントロピーをショウガとか何とかの話?」
QB「少なくとも食べ物の話ではない」
ほむら「約束は大事だって話よ」
ほむら(だよね、まどか……)
---------------------------------------
80: 1 2011/06/13(月) 19:08:33.43 ID:7DJDFOPp0
~ ベッドの中 ~
マミ「あのね、キュゥべえ」
QB「なに?」
マミ「また約束をしてもいいかしら」
QB「いいよ」
マミ「我ながら勝手で、面倒くさい子だって思うけど」
マミ「……えっと、あの、ね////」モジモジ
QB「?」
81: 1 2011/06/13(月) 19:09:05.46 ID:7DJDFOPp0
マミ「これからもずっと、私を愛してくれる?」
QB「うん。ずっとさ、マミ」
マミ「ふふっ。感情がある時は、優しい嘘もついたりするのね、キュゥべえ」
QB「う、嘘じゃないよ?」
82: 1 2011/06/13(月) 19:09:35.37 ID:7DJDFOPp0
マミ「いつものあなたなら『厳密には、その約束は無理だね』って言うわ」
QB「……ううっ、言いそう」
QB「普段の僕は、恋愛感情を持ち合わせないし」
QB「いざという時、君を守れないかもしれない。 そう思うと」
QB「愛してるなんて言葉も、空々しいんじゃないかって」
83: 1 2011/06/13(月) 19:10:55.25 ID:7DJDFOPp0
マミ「ううん、私は満足よ。 約束できる人がいる、それでいいの」
マミ「それだけで私、もっと強くなれると思う」
QB「……マミ」
マミ「この世界の理は、悲しいことや辛いことだらけだけど」
マミ「きっともっとたくさんの、誰かと誰かの約束で繋がっている」
マミ「それって『素敵』なことだと思わない?」
84: 1 2011/06/13(月) 19:12:07.40 ID:7DJDFOPp0
QB「そうだね。 約束は、素敵だ」
QB「僕もそれに関して、素敵なアイデアが浮かんだ」
マミ「?」
QB「ま、それはあとで。 あらためて言わせてもらうよ、マミ」
マミ&QB「ずっと、愛してる」
85: 1 2011/06/13(月) 19:13:06.82 ID:7DJDFOPp0
~「キュゥべえ」から「インキュベーター全体意識」への発信 ~
QB(ここ最近の記憶を、研究という意味で何度か脳内で再生し直してみた)
QB(結果、地球では相互に『愛してる』という『約束』だけで)
QB(個体同士が非常に友好的な関係を築く、という単純な答えに至った)
QB(だが単純ながら、巴マミという個体の「強くなれる」という申告により)
QB(この『約束』が彼らの精神・肉体面の強化に繋がり)
QB(我々のエネルギー収集効率の向上に寄与するのでは、という仮説が得られた)
86: 1 2011/06/13(月) 19:14:21.81 ID:7DJDFOPp0
QB(キュゥべえという端末は仮説実証の為、巴マミの研究担当となる)
QB(なおウイルス性疾患時以外にも、僕の自己判断で)
QB(全体意識のリンクを遮断することがあるが)
QB(研究の為なんで、あしからず。きゅっぷぃ。)
~ 終わり ~
SS速報VIP:マミ&QB「風邪ひいた……」