1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/07(月) 20:50:47.59 ID:GdrITlX00
怜「現実は世界を調伏する。河豚の腹にぞ咲きてんげる」ブツブツ
竜華「どしたん?なんや独り言ゆうて」
怜「あ、竜華、ちゃうがな、見てみいこれ」
竜華「うわっ、このケーキ屋さん超行きたかってん!!!これどないしたん!!?」
怜「いや、わしもよう知らへんのやけど、そこで配ってたんや」ユビサシ
竜華「校門かいな!!!もー、それはよゆうてくれへんと」タッタッタッ…
怜「……」カチャ
ネライサダメ
怜「……ごめんな」パアン
5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/07(月) 21:00:33.98 ID:GdrITlX00
怜「……世界が薄墨に染まっている。景色に薄墨の靄がかかっている。なにもかも鴛鴦の嘴」ブツブツ
セーラ「おい、怜!!!!!!!」
怜「あ、セーラ。なんや?」
セーラ「い、今、そこで、りゅっ、竜華が……あっ…竜華……」コンラン
怜「(……無理ないわな)」
怜「ほて?」
セーラ「し、死んでた……死んでたんや」
~中庭~
リューカノシタイ
セーラ「りゅーかぁ……りゅーかぁ……」ポロポロ
セーラ「へへ、私…夢でも見とるんちゃうやろか……」
怜「……せや。きっと……悪い夢や」ニコ
怜「だから殺さないとあかん……」ブツ
セーラ「え?」
怜「殺さないとあかん殺さないとあかんのや殺さないと」
怜「殺さないと。うん。殺さないと。うん」
怜「なんや、燃えとるわ」
セーラ「え……?」ガタガタ
怜「セーラ、なんやそれ?」ユビサシ
セーラ「え……」サワ
怜「前髪、ほつれとるで」
怜「私は獅子舞を踊った。世界が朱く染まっていた。調伏」ブツブツ
セーラ「」ヘタッ
怜「セーラ、ちょお待ってての」スラリ
セーラ「ねえ、怜…?なに、それ……なんで包丁出しとん?なにその包丁?」
怜「すぐな。済むから」
トン
セーラ「あっ……え?」ミオロシ
怜「……ごめんな」スッ
ビシャアアアッ
セーラ「……あ……」フラッ
ドサッ
怜「……白い蜘蛛が細い糸を伝わって穴へ帰り蛙の入道」ブツブツ
~白い教室~
泉「先輩?」
怜「……?」
泉「何してはるんですか」
怜「ここ……は…どこや」ボウッ
泉「先輩?何言うてはりますのん?」コンワク
怜「……泉」
泉「もう、部活の時間ですわ」
怜「……せやったか」
泉「まったく……さ、行かへんと」クス
怜「せやな…」
二人「……」テクテク
怜「……数珠の切れ目の長刀に差し込む朝ぼらけ」
泉「なんですか、それ?」
怜「?うちなんか言うとったか?」
泉「言うとりましたわ。えらい落ち着いた調子で言うてはりました」
怜「絶え絶え。宇治の川霧の向こうのにゅうめん」
泉「ほらぁ」
怜「?」
泉「(この人、自分の言うたことに気付いておれへんのやないやろか)」
泉「……いえ、なんでもありませんわ」
怜「そか」
二人「……」テクテク
怜「……ときにこの廊下、いつまで続くんね?」
怜「あ、シャレちゃうで」ププ
泉「それ、寒いですわ」
泉「でもほんまですね……いつまでつづくんやろ」クビカシゲ
怜「うち顔上げてへんか?」トウトツ
泉「?上げてはりますやん」
怜「……おかしいな」
怜「なら向こうが見えるはずなんやけど……」
怜「もういくらなんでもはしっこ見えるはずやねんか?」
泉「あ……」
泉「そですね……見えへん……」
怜「……どうなっとるんやろな?」クビカシゲ
怜「あ」
泉「なんです?」
怜「あれ、見いや」
カシャン カシャン
泉「光の、輪っか……?」
怜「せや。光の輪や」
怜「……鯉口の熊は丸い航路に捨て置く」ブツ
泉「(またなんか喋っとる……でも、なんやろ……なんか言葉の雰囲気かわったみたいや)」
怜「光の輪に包まれて死ぬるかな」
泉「なに言うとんのですか?」
泉「はよ、行きましょ」
怜「なあ泉」
怜「正直疲れん?わしは疲れた」
怜「なにが楽しくて行く当てもない廊下を歩き続けなあかんのや?」
泉「……」
怜「もうええ、わかっとる。ここは夢なんやろ?というか、意識」
泉「意識ですか。それは違います」
怜「ほな、なんやね」
泉「ここは依sきfhghf」
怜「あら」
泉「泉です」
怜「バグったのかと思うたで。ひやひやしたわ」
泉「私がいなくなると帰り道わかりませんものね。先輩」
怜「なめんなや、ほんくらいわかるで」
泉「ということではなくて、ここは泉」
怜「泉も意識も関係あるかれ」
泉「関係はあります!」プンスコ
怜「ええ、説明せんでええわ。またバグるやろ。ちゅうか、そろそろここから出してくれへん?」
カシャン カシャン
怜「光の輪や」
怜「もしかして、あれが出口ちゅうことか?」
怜「出口なんてどうでもええねんけどな……」ハア
怜「綿に包まれた具足の黒。種痘」ブツ
泉「……」
怜「よっ」シュトウ
ガシャン
泉「あ、折れてもうた」
怜「ええてええて。ほないこか」
クグリ
怜「お?」
カシャン
カシャン
カシャン カシャン カシャン
カシャン カシャン
怜「……えらいぎょうさんおるで」
泉「壊したからやないですか」
怜「まあ、ええわ」マタ クグリ
怜「竜田川の紅。江湖の水怪は因業」ブツブツ
怜「ここは現世やろか」
泉「たぶん」
怜「ほか」
泉「私も殺しますか?」
怜「殺すてなんや」キョウガク
泉「あなた、ずっと殺してきてますやん」
怜「誰をや」
泉「すべてを」
怜「……つうっ」ズキッ
怜「すべてって……ちいともわからへんわ。もうちいと要領得て喋ってください」ズキズキ
泉「だってそうとしか答えようがないですもの」
怜「おま、また言葉がごっちゃになっとるで。ええけど」ズキズキ
怜「(……なんやねこれ。めっちゃいとうなってきたわ)」ズキズキ
怜「世界が朱く染まっている。奥の景色が燃えていた。座敷には湯呑みが置いてあって、客を待っとったなあ」
泉「……」
怜「しゃーから、殺さんと」ズキズキ
怜「えらい儒子の言葉でくにゃくにゃした世界に撞木を持たす」ブツブツ
怜「殺さんと」ズキズキズキ
怜「かく因業の調伏によってのみ世界は救済を得ることができる」ブツ
怜「……ごめんな」
泉「それ前も言うてはりましたわ」
怜「」ズキズキズキズキズキズキズキズキズキズキズキズキズキ
怜「」カチャ
怜「……ごめんな。ごめんな。ごめんな。ごめんな。ごめんな。ごめんな。ごめんな。ごめんな。ごめんな。」
怜「……」カチ
パアン
怜「(……浩子も殺さんと)」
怜「(ここまで罪障を重ねたうちは、いったいどうなるんやろか?)」
怜「(地獄に落ちるか?痛みによって罪を贖う。数限りない罪障を)」
怜「(すると、多かれ少なかれ罪を犯すようにできているので人間はみな地獄へ行くんかもしれへん)」
怜「(生まれながらにして全能なる赤子を除いて必ずみなが)」
怜「(……ほやかてそれはまあそうやとして、あれや)」
怜「うちは罪障を重ねてきた、調伏」
怜「つまり何か善いことを為さねばならない、因業」
怜「調伏、因業、調伏、因業」ブツブツ
怜「ちょうぶ」トスッ
怜「……あ?」
浩子「……」ガタガタ
ホウチョウ ニギリシメ
怜「おほほほん」
怜「……有無。電話口に囚われる網の中の鮒」ブツブツ
浩子「…あなたは殺されたんや」
怜「せや、せや」ハハ
怜「老猿に文入れて猪」
カチャ スウッ
怜「仕方なしに生きる者、罪業によって生きる者」
怜「燃ゆる世界」
パアン
カン!
支援ありがとうございました!
元スレ
怜「……世界が薄墨に染まっている。景色に薄墨の靄がかかっている。なにもかも鴛鴦の嘴」ブツブツ
セーラ「おい、怜!!!!!!!」
怜「あ、セーラ。なんや?」
セーラ「い、今、そこで、りゅっ、竜華が……あっ…竜華……」コンラン
怜「(……無理ないわな)」
怜「ほて?」
セーラ「し、死んでた……死んでたんや」
~中庭~
リューカノシタイ
セーラ「りゅーかぁ……りゅーかぁ……」ポロポロ
セーラ「へへ、私…夢でも見とるんちゃうやろか……」
怜「……せや。きっと……悪い夢や」ニコ
11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/07(月) 21:08:28.10 ID:GdrITlX00
怜「だから殺さないとあかん……」ブツ
セーラ「え?」
怜「殺さないとあかん殺さないとあかんのや殺さないと」
怜「殺さないと。うん。殺さないと。うん」
怜「なんや、燃えとるわ」
セーラ「え……?」ガタガタ
怜「セーラ、なんやそれ?」ユビサシ
セーラ「え……」サワ
怜「前髪、ほつれとるで」
怜「私は獅子舞を踊った。世界が朱く染まっていた。調伏」ブツブツ
セーラ「」ヘタッ
13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/07(月) 21:20:42.13 ID:GdrITlX00
怜「セーラ、ちょお待ってての」スラリ
セーラ「ねえ、怜…?なに、それ……なんで包丁出しとん?なにその包丁?」
怜「すぐな。済むから」
トン
セーラ「あっ……え?」ミオロシ
怜「……ごめんな」スッ
ビシャアアアッ
セーラ「……あ……」フラッ
ドサッ
怜「……白い蜘蛛が細い糸を伝わって穴へ帰り蛙の入道」ブツブツ
16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/07(月) 21:27:15.75 ID:GdrITlX00
~白い教室~
泉「先輩?」
怜「……?」
泉「何してはるんですか」
怜「ここ……は…どこや」ボウッ
泉「先輩?何言うてはりますのん?」コンワク
怜「……泉」
泉「もう、部活の時間ですわ」
怜「……せやったか」
泉「まったく……さ、行かへんと」クス
怜「せやな…」
二人「……」テクテク
18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/07(月) 21:33:18.75 ID:GdrITlX00
怜「……数珠の切れ目の長刀に差し込む朝ぼらけ」
泉「なんですか、それ?」
怜「?うちなんか言うとったか?」
泉「言うとりましたわ。えらい落ち着いた調子で言うてはりました」
怜「絶え絶え。宇治の川霧の向こうのにゅうめん」
泉「ほらぁ」
怜「?」
泉「(この人、自分の言うたことに気付いておれへんのやないやろか)」
泉「……いえ、なんでもありませんわ」
怜「そか」
二人「……」テクテク
19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/07(月) 21:40:28.98 ID:GdrITlX00
怜「……ときにこの廊下、いつまで続くんね?」
怜「あ、シャレちゃうで」ププ
泉「それ、寒いですわ」
泉「でもほんまですね……いつまでつづくんやろ」クビカシゲ
怜「うち顔上げてへんか?」トウトツ
泉「?上げてはりますやん」
怜「……おかしいな」
怜「なら向こうが見えるはずなんやけど……」
怜「もういくらなんでもはしっこ見えるはずやねんか?」
泉「あ……」
泉「そですね……見えへん……」
怜「……どうなっとるんやろな?」クビカシゲ
22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/07(月) 21:48:19.27 ID:GdrITlX00
怜「あ」
泉「なんです?」
怜「あれ、見いや」
カシャン カシャン
泉「光の、輪っか……?」
怜「せや。光の輪や」
怜「……鯉口の熊は丸い航路に捨て置く」ブツ
泉「(またなんか喋っとる……でも、なんやろ……なんか言葉の雰囲気かわったみたいや)」
23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/07(月) 21:54:04.81 ID:GdrITlX00
怜「光の輪に包まれて死ぬるかな」
泉「なに言うとんのですか?」
泉「はよ、行きましょ」
怜「なあ泉」
怜「正直疲れん?わしは疲れた」
怜「なにが楽しくて行く当てもない廊下を歩き続けなあかんのや?」
泉「……」
怜「もうええ、わかっとる。ここは夢なんやろ?というか、意識」
泉「意識ですか。それは違います」
怜「ほな、なんやね」
泉「ここは依sきfhghf」
怜「あら」
26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/07(月) 22:01:13.97 ID:GdrITlX00
泉「泉です」
怜「バグったのかと思うたで。ひやひやしたわ」
泉「私がいなくなると帰り道わかりませんものね。先輩」
怜「なめんなや、ほんくらいわかるで」
泉「ということではなくて、ここは泉」
怜「泉も意識も関係あるかれ」
泉「関係はあります!」プンスコ
怜「ええ、説明せんでええわ。またバグるやろ。ちゅうか、そろそろここから出してくれへん?」
カシャン カシャン
怜「光の輪や」
怜「もしかして、あれが出口ちゅうことか?」
怜「出口なんてどうでもええねんけどな……」ハア
27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/07(月) 22:09:47.58 ID:GdrITlX00
怜「綿に包まれた具足の黒。種痘」ブツ
泉「……」
怜「よっ」シュトウ
ガシャン
泉「あ、折れてもうた」
怜「ええてええて。ほないこか」
28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/07(月) 22:10:17.08 ID:GdrITlX00
クグリ
怜「お?」
カシャン
カシャン
カシャン カシャン カシャン
カシャン カシャン
怜「……えらいぎょうさんおるで」
泉「壊したからやないですか」
怜「まあ、ええわ」マタ クグリ
怜「竜田川の紅。江湖の水怪は因業」ブツブツ
31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/07(月) 22:23:23.97 ID:GdrITlX00
怜「ここは現世やろか」
泉「たぶん」
怜「ほか」
泉「私も殺しますか?」
怜「殺すてなんや」キョウガク
泉「あなた、ずっと殺してきてますやん」
怜「誰をや」
泉「すべてを」
怜「……つうっ」ズキッ
怜「すべてって……ちいともわからへんわ。もうちいと要領得て喋ってください」ズキズキ
泉「だってそうとしか答えようがないですもの」
怜「おま、また言葉がごっちゃになっとるで。ええけど」ズキズキ
怜「(……なんやねこれ。めっちゃいとうなってきたわ)」ズキズキ
40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/07(月) 23:08:03.42 ID:GdrITlX00
怜「世界が朱く染まっている。奥の景色が燃えていた。座敷には湯呑みが置いてあって、客を待っとったなあ」
泉「……」
怜「しゃーから、殺さんと」ズキズキ
怜「えらい儒子の言葉でくにゃくにゃした世界に撞木を持たす」ブツブツ
怜「殺さんと」ズキズキズキ
怜「かく因業の調伏によってのみ世界は救済を得ることができる」ブツ
怜「……ごめんな」
泉「それ前も言うてはりましたわ」
怜「」ズキズキズキズキズキズキズキズキズキズキズキズキズキ
怜「」カチャ
怜「……ごめんな。ごめんな。ごめんな。ごめんな。ごめんな。ごめんな。ごめんな。ごめんな。ごめんな。」
怜「……」カチ
パアン
41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/07(月) 23:17:33.75 ID:GdrITlX00
怜「(……浩子も殺さんと)」
怜「(ここまで罪障を重ねたうちは、いったいどうなるんやろか?)」
怜「(地獄に落ちるか?痛みによって罪を贖う。数限りない罪障を)」
怜「(すると、多かれ少なかれ罪を犯すようにできているので人間はみな地獄へ行くんかもしれへん)」
怜「(生まれながらにして全能なる赤子を除いて必ずみなが)」
怜「(……ほやかてそれはまあそうやとして、あれや)」
怜「うちは罪障を重ねてきた、調伏」
怜「つまり何か善いことを為さねばならない、因業」
怜「調伏、因業、調伏、因業」ブツブツ
45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/07(月) 23:34:04.52 ID:GdrITlX00
怜「ちょうぶ」トスッ
怜「……あ?」
浩子「……」ガタガタ
ホウチョウ ニギリシメ
怜「おほほほん」
怜「……有無。電話口に囚われる網の中の鮒」ブツブツ
浩子「…あなたは殺されたんや」
怜「せや、せや」ハハ
怜「老猿に文入れて猪」
カチャ スウッ
怜「仕方なしに生きる者、罪業によって生きる者」
怜「燃ゆる世界」
パアン
カン!
48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/07(月) 23:38:52.81 ID:GdrITlX00
支援ありがとうございました!
怜「燃ゆる世界」