3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/31(月) 20:08:51.23 ID:5ZHGLUC10
初美「文化祭、行きたかったですよー。あ、醤油とってくださいー」
霞「そうねぇ、でも私達は学業より神事優先だし。はいお醤油」
初美「どうもですー。最後の文化祭だったのにがっかりですよー」
巴「今年はたまたま日が被ってしまって残念ですね」
小蒔「はい……、残念です」
春「明日の振り替え休日、清澄で学園祭やってる……」
初霞巴姫「!?」
春「清澄の部長から招待メールもらった」
小蒔「それは」
霞「春ちゃんだけ? それとも私達も?」
春「みんなでどうぞって」
5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/31(月) 20:11:20.23 ID:5ZHGLUC10
初美「はるるいつのまに敵さんとそんなに仲良くなったですかー? お姉さんは寂しいですよー」
春「敵じゃない、味の分かる先輩。……プッ、お姉さん()」
初美「あ?」
春「ん?」
巴「あ、明日なんて急な話だけど、みんな行く?」
小蒔「行きたいです!」
初美「もちろんですよー」
春「当然」
霞「じゃあ私も」
初美「ところで清澄ってどこにあるんですかねー?」
小蒔「どこでしょう?」
春「長野」
初美「はー、長野ですかー」
小蒔「……どこでしょうか」
巴「長野って日本の真ん中ぐらいなんじゃ……」
霞「あら、もしかして移動するだけで1日かかっちゃうのかしら?」
春「飛行機なら半日で行ける。清澄の学園祭は昼からが本番だから大丈夫だって」
小蒔「飛行機ですか! インターハイ以来ですね、飛びましょう!」
初美「うー、姫様うれしそうなのですよー」
春「プッ、飛行機こわい?」
初美「あ?」
春「ん?」
霞「ふふっ、それじゃあ明日に備えてちゃっちゃとお夕飯片付けて荷造りしましょうか」
巴「そうですね、朝も早いですしみんなも早めに寝てくださいね」
姫春初「はい!」「……はい」「はいー……」
春「離陸」
初美「ううううー、揺れないでください。揺らさないでくださいー」
春「この感覚……」
初美「うー。奴が、圧力が! プレッシャーが来るですー!」
小蒔「Zzz……」
初美「ひぅんっ」
春「ふぅ……」
霞「あら、小蒔ちゃんったらもう寝ちゃったなんて。昨夜眠れなかったのかしらね」
巴「ええ、わくわくして眠れない姫様が容易に想像できます」
霞「さて初美ちゃん、今回は何か遊ぶ物持ってきてくれたのかしら?」
初美「あ、遊びで乗ってるんじゃないんですよー!」
霞「ふふふっ、それは残念ね。あら? 巴ちゃんそれは何の本?」
巴「えぇと、長野の神話とかそれっぽいのを色々と。時間なかったから適当に掴んできたやつなんですけど」
春「予習とか……」ポリ
霞「ふぅん、天之御中主神・天照大神・天手力男命・別天神・天神族etcねぇ……」
巴「天がつくものばかりですね」
春「長野……天江衣ちゃん」
巴「……天江衣は偶然『天』がついていただけと考えるのが自然でしょうが――」
霞「ふんふむ――」
初美「着きましたー!」
小蒔「お土産屋さんに見たことのない物がたくさんあります!」ソワソワ
巴「帰りに買っていきましょうね、姫様」
霞「着いたはいいけど春ちゃん、清澄高校まではどうやって行くの?」
春「ワハハカー」
霞「WAHAHA?」
ゆみ「失礼、永水女子の方々ですか?」
初美小蒔「「?」」
巴「は、はい……?」
霞「確かに永水女子の者ですが、あなたは?」
ゆみ「え、ああ、清澄の部長から案内を頼まれている鶴賀の加治木と言えば分かって頂けるでしょうか?」
春「聞いてる。鶴賀麻雀部」
蒲原「ワハハ、ユミちんはたまに順序すっ飛ばしてくことがあるからなぁ」
巴「あなたも敦賀の方なんですか?」
蒲原「おう。本日の運転手を務めさせてもらう蒲原だ、よろしくな」
小蒔「え、車の免許持ってるんですか? 私達とあまり変わらないはずなのにすごいです!」
蒲原「ワハハ、もっと褒めてくれていいんだぞ~」
初美「ワハハさんかっこいいですー。私もそろそろブイブイ言わせるですよー」
小蒔「わっはっはー」
ゆみ「……ふむ、時間も待ってはくれないので話は移動しながらにしよ、しましょうか?」
霞「そうですね。あの、喋りにくいなら普段通りの口調でどうぞ? お互い3年でしょうし」
ゆみ「助かる。石戸さんも楽にしてくれて構わない」
霞「あら? 私の名前ご存じで?」
ゆみ「? ああ、インターハイでかなり見させてもらったよ。正直あんな展開になるとは予想できなかったが」
霞「あらあら私もよ? ところでさっきから気になってたんだけど、……言ってもいいのかしら」
春「憑かれてる」
巴「やっぱり。憑かれてますよね?」
ゆみ「つかれ……?」
蒲原「ワハハ、お~いモモー呼ばれてるぞー」
ゆみ「あっはっは、これはれっきとした人間だよ。足もついてる」
モモ「ちょっ、先輩『これ』って物扱いっすか!? ひどいっすよー」
小蒔「なっ、何もないところから人が!?」
初美「オカルトこわいですよ~」
モモ「あれ? でもそれって私は先輩のものってことっすか!? 分かったっす!」
巴「どういう原理なんでしょうか……」
霞「この世には考えても仕方のないことがたくさんあるわよ?」
モモ「という訳で、ご紹介に与りましたモモっす。加治木先輩のモモっす!」
ゆみ「お、おい……あまり人前でくっつかないでくれないか……」
モモ「先輩のものだから仕方ないっす~」
霞「あらあら、攻めるわね~」
初美「ちなみにはるるは私のものですよー。嬉しいですかー?」
春「プッ、嬉しいでちゅよー」
初美「あ?」
春「ん?」
小蒔「わっ、私は」
霞「はいはい。それじゃあ本当に時間がなくなっちゃうから行きましょうか」
ゆみ「ああ、そうしよう」
蒲原「この人数、腕が鳴るな~。ワハハ」
「す、すげー胸だぞおい」
「今日、巫女喫茶なんてやってたっけ?」
「つか、あんな可愛い子達うちにいたか?」
「hrmrとは何だったのか」
「あの少女……、見えるはずなのに見えないorz」
「なんなんだこの光規制! 光源どこだよ!?」
「「ちょっと男子! なに見てんのよ! 通報するわよ!!」」
「って、あれ鶴賀の加治木先輩じゃない!? キャー! 生で見ちゃった!!」
「きゃー! 校庭歩いてる先輩マジかっこいいっす! 大好きっす!!」
「ワハハちゃんもいる! かわいー!! ちょーウケルwwwwwww」
小蒔「す、すごく見られてます……。しかも、男の方がこんなに……」
霞「小蒔ちゃん、私の手離さないようにね。目、つぶっててもいいのよ?」
小蒔「は、はい……><」ギュッ
巴「後ろはお任せください、姫様」
初美「だったら先頭は私ですかー。ぐいぐい切り込んでいきますよー」
春「鬼門きた」ポリ
ゆみ「永水の皆さん、部屋に行くまでの辛抱だ。あまり気にしないでくれ」
初美「むしろ望むところですよー」
春「光の加護で無敵」
蒲原「ワハハ。ゆみちんもだいぶ人気出てきたなー」
ゆみ「慣れるものではないが……。なに、卒業したらすぐに忘れ去られるだろう」
初美「そう、いわば私は日々スポットライトを浴び続ける大女優なのですよー」
春「プッ、ただの自主規制」
初美「あ?」
春「ん?」
霞「小蒔ちゃん、着いたわよ」
小蒔「ん……、寝ちゃってました。ですが、ここからは全力を」
巴「麻雀してるんじゃないんですよ、姫様?」
小蒔「そ、そうでした///」
蒲原「さて、生徒会長は学園祭で忙しいと思うけど、いるかな?」コンコン
ゆみ「学生議会長だぞ、蒲原」
蒲原「はいはい、ゆみちんは細かいなぁ」
優希「誰だじぇ? おおぅ、圧倒的な巫女スぢからを感じる」
小蒔「お久しぶりです片岡さん! この度は呼んでいただきありがとうございました」
優希「うむ苦しゅうないぞ。ささ皆の衆、中へずずぃーっと」
和「だから! 私と咲さんでロミジュリがベターだって言ってるじゃないですか!?」
咲「の、和ちゃん落ち着いて……」
和「私は落ち着いてます! 咲さんもロミジュリがいいですよね!?」
咲「え? う、う~ん」
優希「修羅場だじぇ」
ゆみ「久、いったい何を揉めてるんだ?」
久「これから説明するわ。皆さんいらっしゃっい、待ちかねたわよ?」
春「会いたかった」ポリ
久「ええ、私もよ」ポリ
初美「」
霞「ふふふっ、今日はお世話になります」
久「こちらこそってわけで、さっそく皆さんの力を借りたいのだけれど……」
巴「何かあったんですか?」
久「ええ、演劇の出し物をする人達が昨日泊まりこみしてた時に変な物食べたみたいで」
ゆみ「なるほど、それでロミジュリ」
久「そうなのよ。中止ってわけにはいかないから、私達で何かできないかって話してたんだけどね」
小蒔「つまり私達で演劇をするってことですか!?」
久「頼んでもいいかしら?」
霞「もちろん。小蒔ちゃん楽しそうだし」
小蒔「はいっ、お芝居なんて初めてです!」
久「良かった。それで咲、この状況で何か良い演目はある?」
咲「そうですね……、用意されてるセットとか衣装、このメンバーで考えると」
和「ロミジュリです!!」
モモ「ロミジュリっす!」
咲「茨姫なんかいいと思います」
和「咲さあああああああん!」orz
モモ「どうせ私の声なんか聞こえないっすよね……」
優希「スパッと答えられるあたりさすが元・文学少女だじぇ」
久「どういうお話なの?」
巴「あの、ちょっと待ってください。演劇を披露するまでにあと何時間もないんですよね?」
久「あら、そういえばそうだったわね」
咲「たぶん大丈夫だと思いますよ。茨姫は眠れる森の美女を簡単にしたようなやつですから」
和「眠れる……?」
モモ「森の美女……?」
和「し、仕方ありませんね。咲さんがそんなに私とキ、キ、キ……したいなら///」
モモ「せ、先輩の王子姿……ハァッハァッ」
蒲原「なるほどな~、眠れる森の美女なら誰でも知ってるから台詞もノリでなんとかなりそうだ」
ゆみ「そうだな。そして姫役にはこれ以上ないぐらい似合いなのもいる、決まりか」
モモ「呼んだっすか? 王子先輩」
和「メインヒロインなんて柄じゃありませんが。ふっ、たまにはいいでしょう」
久「それじゃあ小蒔さん、お姫様役お願いできる?」
和モモ「「えっ」」
小蒔「わ、私ですか!? ですがその、お二人はいいのでしょうか……」
久「ええ、気にしないで。いつもの病気だから」
小蒔「ご病気ですか……、お二人には申し訳ありませんがお姫様役、全力で演じさせて頂きます!」
霞「ふふふっ小蒔ちゃん小蒔ちゃん、お姫様役ってほとんど寝てるだけよ?」
小蒔「えっ」
巴「姫様……」
久「咲、簡単な台本作って人数分コピーしてきてくれる? 大至急」
咲「はい、台詞とかも適当でいいんですか?」
和「私も手伝います」キリッ
優希「監督業なら私の出番だな。感動の超大作に震えるがいいじぇ」キリッ
久「ええ、任せるわ。それで王子役だけど、やっぱりゆみかしら?」
ゆみ「む、ああ分かった」
モモ「先輩ー、ダメっすよー。それだけはダメっすよー……」
ゆみ「ただの芝居だ、モモ。気にするな」
モモ「うー……」
久「さて、舞台裏まで来たけど結局あらすじとかト書き読めただけか、どうなることやら……」キンチョー
春「食べる?」ポリ
初美「私も欲しいですー」
春「大人向けの味だけど」
初美「あ?」
春「ん?」
久「ふふっ、ありがと。あなたたちって本当仲いいのね、羨ましいわ」ポリ
モモ「うー、先輩の王子姿ステキっすー。一生忘れないっすー」ウルウル
ゆみ「あ、ああ。結構恥ずかしいんだがこの白タイツ……」
霞「小蒔ちゃんのドレスも新鮮ですごく可愛いわよ」
小蒔「ひ、ひらひらしてて落ち着かないです……」
巴「あかん……、姫様かわいすぎるやろ……なんやこの天使」ハァ
それではこれより永水鶴賀清澄合同麻雀部による、眠れる森の美女を開演いたします。ブー
まこ『むかぁしむかし、あるところに魔法の国がありました。
そこには神通力のある6人の巫女が住み、森羅万象の幸福を約束する平和な国でした。
仲良しの王と王妃が治めており、子供ができないこと以外は順風満帆でした』
咲「うぅ、このまま跡継ぎができなかったらどうしよう王妃……」
和「咲さ、いえア、アナタ/// 私はもうしばらく2人っきりの性活でも構いませんよ?」ハァハァ
咲「で、でもわた、わし達の代で終わらせるわけにはいかんじゃろ?」
和「大丈夫ですアナタ/// IPS細胞というのがあれば私たちでも子供ができるそうですよ!」
咲「あ、あい……? 細胞?」
和「そうです! 私たちの愛は細胞の壁を超えるんです!!」ガバッ
咲「へっ、ちょ、和ちゃん!?」
久「さて、舞台裏まで来たけど結局あらすじとかト書き読めただけか、どうなることやら……」キンチョー
春「食べる?」ポリ
初美「私も欲しいですー」
春「大人向けの味だけど」
初美「あ?」
春「ん?」
久「ふふっ、ありがと。あなたたちって本当仲いいのね、羨ましいわ」ポリ
モモ「うー、先輩の王子姿ステキっすー。一生忘れないっすー」ウルウル
ゆみ「あ、ああ。結構恥ずかしいんだがこの白タイツ……」
霞「小蒔ちゃんのドレスも新鮮ですごく可愛いわよ」
小蒔「ひ、ひらひらしてて落ち着かないです……」
巴「あかん……、姫様かわいすぎるやろ……なんやこの天使」ハァ
まこ『2人は夜から朝まで、朝から晩までそれはもうがんばりましたがやはり女の子同士。
一向にできない跡継ぎ問題をハイテクを司る巫女に相談しました。
誰じゃあこの台本書いたん……』
巴「IPS細胞ですか? 検索してみますね」
和「アナタ、子供の名前は何にしましょうか?」
咲「……王妃の好きなのでいいよ」
巴「できました! はいどうぞ」
まこ『そうして月日は流れ、2人は念願の子を授かることになりました』
初美「おとーさまー、おかーさまー。ばぶーですよー」
咲「おお、この光。この子は生まれながらにして神のご加護を受けておるのかー」
和「もう、ハッちゃんったらすぐに着崩しちゃって。でも私と咲さんの子だと思うと可愛い///」
まこ『神の加護を得た愛らしい姫の噂はすぐに広まり、お城では宴が開かれる事になりました』
和「巫女様方、この度は私たちの愛の結晶を祝いに来ていただき誠にありがとうございます」
巴「まあ、こんなに可愛らしい娘さんに。おめでとうございます」
春「プッ、お似合いの役」
初美「あ?」
春「ん?」
優希「ハッちゃんタコス食うか? うめぇぞ」
蒲原「めでたいのはいいことだぞ~、ワハハ」
モモ「影薄の私まで呼んでくれるなんて、いい人たちっすー」
咲「うむ、皆ありがとう。そうだ、今日を記念日にしよう」
まこ「そうして皆が席に着いたときアルコールの匂いとともにもう1人の巫女が現れたのです」
久「ちょっと~、私も混ぜてくれなーい?」ヒック
咲「あやつは『悪酔いの久』!? 誰じゃ! この宴に呼んだのは!?」
久「え~、そんなこと言わないでよ王様ー。あの夜のこと忘れたの~?」ヒック
和「咲さん!?」
咲「え、し知らな」
久「春も久しぶりー、今夜い~い?」
春「///」
初美「こ、こらぁー! なに赤くなってんですかはるるー!?」
久「へー、あなたが噂のお姫様? ホントに可愛いわねぇ」ヒック
初美「う、嬉しくなんかないですー。離してくださいー」
久「そんな可愛いお姫様には、悪待ちしてもアタリ牌が来ない呪いをかけてあげよーぅ」
巴「な、なんてむごい……」
久「良い子は悪待ちなんてしちゃダメよん♪」ヒック
まこ『そうしてくだを巻き、お姫様に恐ろしい呪いをかけた巫女は帰っていきました。
幸い、この場にいるのは久には及ばないものの神通力をもった巫女達。
悪酔いの久にかけられた呪いの運命を変えるべく祈りはじめました。
部長、それでいいんか……』
モモ「どっ、どうするっすかー?」
蒲原「ワハハ、とりあえず悪待ちができないようにすればいいかな~」
優希「分かったじぇ! 我のタコスぢからは部長をも上回る!!」
巴「よ、よく分かりませんがお願いします!」
優希「お姫様は雀卓につくと100年の眠りにつく運命になるじぇ!」ピカー
春「ちなみに王子の口付けで目覚める」
和「そ、そんなオカルトありえません……」
まこ『しばらくして、姫が眠りにつく事を恐れた王妃は国中から雀卓をなくし、
麻雀はネットでするものという風潮ができあがったのでした。
そうして姫は健やかに美しく育ち、麻雀を覚え始めた15歳の時のこと……』
小蒔「ふんふふーん♪ 外でお散歩するのも素敵ですね、麻雀も外でできればいいのに」
久「なるほど、これが地獄単騎。こっちが嵌張待ちか……」
小蒔「? あの! その机はなんでしょうか? 麻雀みたいですが」
久「あら、可愛いお嬢さん。これはね全自動麻雀卓よ、この国にはないみたいだけど」
小蒔「すごい、外で麻雀ができるんですね!? 外国だけに!」
久「そうよ、やってみる? ちなみに悪待ちをするとアタリ牌をツモりやすいわよ?」
小蒔「はい! 失礼します……あれ? なんだか急に眠く、ばたり」
久「あれ?(私の呪いと違う……)」
まこ『ついに巫女の呪いで倒れてしまった姫! そんな姫を救うべく茨に揉まれる王子!
次号、急展開!!「やだ……、茨なのにぷよぷよする……!」お楽しみに!
は? この台本ここまで……?』
和「そんなオカルト、ありえません……」
咲「じゃが王妃よ、こうなってしまったのが現実じゃ。王子が現れなければ100年の眠りに」
和「何か私たちにできることは……」
咲「姫が目覚めるまでその身を守ること、ぐらいじゃろう」
霞「なるほど、私が呼ばれたのはそういうことでしたか」
咲「おお茨の化身よ、聞いておったのなら話は早い。後のことは頼む」
霞「ええ、それでは」ギュッ
小蒔「ぅん、霞ちゃん、息が……すやすや」
和「あの、何してるんです?」
霞「? 姫様の身を私の茨で包み込んで守ってます」
和「城ごと茨で覆うんですよね?」
霞「そうね、守るのは得意よ?」
小蒔「んぅ、くすぐったい……すやすや」
和「……」
霞「……」ギュウ
小蒔「す、すやすや……」
咲「あ、あの」
和「咲さん! 私も咲さんを守ります!!」ガバッ
咲「何から!?」
まこ『暗転!? そ、そうして城の周りは茨で覆われ誰も近づけなくなりました……』
巴『茨の城として有名になったのも束の間、次第に忘れ去られていきました』
優希『さらに年月がたった頃、そこには颯爽と現れるタコス国の王子の姿が!?』
ゆみ「……これが茨の城。タ、タコス占い(?)では私の運命の相手がいるらしいが」
モモ「せんぱーい! 王子先輩! 私がその運命の相手っすよ!」
ゆみ「え……、君は?」
モモ「姫っす! ここの城の姫っす!!」
ゆみ「いや、確か影を司る巫女だったはずだが」
モモ「知っててくれたっすか!? 私の役、覚えててくれたっすか、ちょー感激っすー」
優希「モモちゃんばっかずるいじぇ。片岡タコス優希、出るっ!!」
ゆみ「君は、タコス巫女か……」
優希「そうだじぇ! 私がいれば100人力、城に巣食う魔王も土下座する勢いね!」
モモ「そうっす! 早く魔王を倒して私と先輩は末永く幸せに暮らしましたっす!」
霞「あの、魔王はこのお話には出てこないのだけど……」
モモ「出たっすね! 魔王の手下の茨の魔物!!」
優希「隠しても無駄だじぇ! 城から嶺の上の百合臭がぷんぷんするじぇ!!」
咲「2人とも、ちゃんとやってくれない?」ゴッ
優希「ひぃん」
和「そうですね、ここは麻雀部らしく麻雀で話をつけましょう」
モモ「こ、この2人に勝てる気がしないっす」
優希「勝負の前から負けてちゃダメだじぇ! 東風戦1発勝負で受けて立つ!」
和「ええ、そんなに時間はかけられませんからね。それでどうぞ」
優希「今宵、東南の風が吹く――」
モモ「おお、孔明様が見えるっす! これなら勝てるかもしれないっす……」
咲「ツモ、嶺上開花」
優希「あふん」
和「それでは後お願いします」
久『えー、2人の逆賊巫女を引っ捕らえた王と王妃は国と姫の事を王子に託し去っていきましたとさ』
まこ『わしゃぁもうついていけん……』
ゆみ「もう時間も少ない。そこを退いてもらうぞ茨の化身!」
霞「あーれー。……分家として小蒔ちゃんの唇を奪われるわけにはいけないのだけど」
巴『王子の気迫一閃! 茨は恐れおののき、王子の進む道が切り開かれてゆきます!』
優希『ついに姫のもとへと辿りついた王子! いくんか? ぶちゅーっといくんか!?』
ゆみ「おお、なんと美しい姫だ! く、口付けで目覚めると聞いたが……」
小蒔「すやすや(ぶ、ぶちゅーってするんでしょうか? どどどどうしましょう)」
ゆみ「では失礼……ん?」
小蒔「んぅー!?(ほ、ほんとにされちゃいました!? って、霞ちゃん!?)」
霞「んむ……、ちぅ…ちゅ……。……はぁ」
小蒔「ふぁ。か、霞ちゃ、んむっ――」
霞「んん、はむっ。ちゅ……ふぁ、ちゅうぅ……ぴちゃ」
久『ちょ、ちょっとどうするのよこれ! 大丈夫!?』
蒲原『ん~、なんと茨の化身は茨の国の王子様だったのです。ワハハ』
巴『こっ、こうして王子様のキスで目覚めたお姫様は、茨の王子様と幸せに暮らしましたとさ』
和『めでたし、めでたし。と……本当なら私と咲さんがあそこに』チッ
これでお終い、めでたしめでたし
元スレ
初美「はるるいつのまに敵さんとそんなに仲良くなったですかー? お姉さんは寂しいですよー」
春「敵じゃない、味の分かる先輩。……プッ、お姉さん()」
初美「あ?」
春「ん?」
巴「あ、明日なんて急な話だけど、みんな行く?」
小蒔「行きたいです!」
初美「もちろんですよー」
春「当然」
霞「じゃあ私も」
6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/31(月) 20:12:50.87 ID:5ZHGLUC10
初美「ところで清澄ってどこにあるんですかねー?」
小蒔「どこでしょう?」
春「長野」
初美「はー、長野ですかー」
小蒔「……どこでしょうか」
巴「長野って日本の真ん中ぐらいなんじゃ……」
霞「あら、もしかして移動するだけで1日かかっちゃうのかしら?」
春「飛行機なら半日で行ける。清澄の学園祭は昼からが本番だから大丈夫だって」
9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/31(月) 20:17:11.30 ID:5ZHGLUC10
小蒔「飛行機ですか! インターハイ以来ですね、飛びましょう!」
初美「うー、姫様うれしそうなのですよー」
春「プッ、飛行機こわい?」
初美「あ?」
春「ん?」
霞「ふふっ、それじゃあ明日に備えてちゃっちゃとお夕飯片付けて荷造りしましょうか」
巴「そうですね、朝も早いですしみんなも早めに寝てくださいね」
姫春初「はい!」「……はい」「はいー……」
10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/31(月) 20:19:04.89 ID:5ZHGLUC10
春「離陸」
初美「ううううー、揺れないでください。揺らさないでくださいー」
春「この感覚……」
初美「うー。奴が、圧力が! プレッシャーが来るですー!」
小蒔「Zzz……」
初美「ひぅんっ」
春「ふぅ……」
霞「あら、小蒔ちゃんったらもう寝ちゃったなんて。昨夜眠れなかったのかしらね」
巴「ええ、わくわくして眠れない姫様が容易に想像できます」
11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/31(月) 20:20:39.05 ID:5ZHGLUC10
霞「さて初美ちゃん、今回は何か遊ぶ物持ってきてくれたのかしら?」
初美「あ、遊びで乗ってるんじゃないんですよー!」
霞「ふふふっ、それは残念ね。あら? 巴ちゃんそれは何の本?」
巴「えぇと、長野の神話とかそれっぽいのを色々と。時間なかったから適当に掴んできたやつなんですけど」
春「予習とか……」ポリ
霞「ふぅん、天之御中主神・天照大神・天手力男命・別天神・天神族etcねぇ……」
巴「天がつくものばかりですね」
春「長野……天江衣ちゃん」
巴「……天江衣は偶然『天』がついていただけと考えるのが自然でしょうが――」
霞「ふんふむ――」
13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/31(月) 20:23:34.14 ID:5ZHGLUC10
初美「着きましたー!」
小蒔「お土産屋さんに見たことのない物がたくさんあります!」ソワソワ
巴「帰りに買っていきましょうね、姫様」
霞「着いたはいいけど春ちゃん、清澄高校まではどうやって行くの?」
春「ワハハカー」
霞「WAHAHA?」
ゆみ「失礼、永水女子の方々ですか?」
初美小蒔「「?」」
巴「は、はい……?」
霞「確かに永水女子の者ですが、あなたは?」
ゆみ「え、ああ、清澄の部長から案内を頼まれている鶴賀の加治木と言えば分かって頂けるでしょうか?」
春「聞いてる。鶴賀麻雀部」
蒲原「ワハハ、ユミちんはたまに順序すっ飛ばしてくことがあるからなぁ」
16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/31(月) 20:25:35.26 ID:5ZHGLUC10
巴「あなたも敦賀の方なんですか?」
蒲原「おう。本日の運転手を務めさせてもらう蒲原だ、よろしくな」
小蒔「え、車の免許持ってるんですか? 私達とあまり変わらないはずなのにすごいです!」
蒲原「ワハハ、もっと褒めてくれていいんだぞ~」
初美「ワハハさんかっこいいですー。私もそろそろブイブイ言わせるですよー」
小蒔「わっはっはー」
17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/31(月) 20:28:09.30 ID:5ZHGLUC10
ゆみ「……ふむ、時間も待ってはくれないので話は移動しながらにしよ、しましょうか?」
霞「そうですね。あの、喋りにくいなら普段通りの口調でどうぞ? お互い3年でしょうし」
ゆみ「助かる。石戸さんも楽にしてくれて構わない」
霞「あら? 私の名前ご存じで?」
ゆみ「? ああ、インターハイでかなり見させてもらったよ。正直あんな展開になるとは予想できなかったが」
霞「あらあら私もよ? ところでさっきから気になってたんだけど、……言ってもいいのかしら」
春「憑かれてる」
巴「やっぱり。憑かれてますよね?」
20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/31(月) 20:29:46.00 ID:5ZHGLUC10
ゆみ「つかれ……?」
蒲原「ワハハ、お~いモモー呼ばれてるぞー」
ゆみ「あっはっは、これはれっきとした人間だよ。足もついてる」
モモ「ちょっ、先輩『これ』って物扱いっすか!? ひどいっすよー」
小蒔「なっ、何もないところから人が!?」
初美「オカルトこわいですよ~」
モモ「あれ? でもそれって私は先輩のものってことっすか!? 分かったっす!」
巴「どういう原理なんでしょうか……」
霞「この世には考えても仕方のないことがたくさんあるわよ?」
21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/31(月) 20:31:44.13 ID:5ZHGLUC10
モモ「という訳で、ご紹介に与りましたモモっす。加治木先輩のモモっす!」
ゆみ「お、おい……あまり人前でくっつかないでくれないか……」
モモ「先輩のものだから仕方ないっす~」
霞「あらあら、攻めるわね~」
初美「ちなみにはるるは私のものですよー。嬉しいですかー?」
春「プッ、嬉しいでちゅよー」
初美「あ?」
春「ん?」
小蒔「わっ、私は」
霞「はいはい。それじゃあ本当に時間がなくなっちゃうから行きましょうか」
ゆみ「ああ、そうしよう」
蒲原「この人数、腕が鳴るな~。ワハハ」
22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/31(月) 20:33:51.01 ID:5ZHGLUC10
「す、すげー胸だぞおい」
「今日、巫女喫茶なんてやってたっけ?」
「つか、あんな可愛い子達うちにいたか?」
「hrmrとは何だったのか」
「あの少女……、見えるはずなのに見えないorz」
「なんなんだこの光規制! 光源どこだよ!?」
「「ちょっと男子! なに見てんのよ! 通報するわよ!!」」
「って、あれ鶴賀の加治木先輩じゃない!? キャー! 生で見ちゃった!!」
「きゃー! 校庭歩いてる先輩マジかっこいいっす! 大好きっす!!」
「ワハハちゃんもいる! かわいー!! ちょーウケルwwwwwww」
24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/31(月) 20:35:32.68 ID:5ZHGLUC10
小蒔「す、すごく見られてます……。しかも、男の方がこんなに……」
霞「小蒔ちゃん、私の手離さないようにね。目、つぶっててもいいのよ?」
小蒔「は、はい……><」ギュッ
巴「後ろはお任せください、姫様」
初美「だったら先頭は私ですかー。ぐいぐい切り込んでいきますよー」
春「鬼門きた」ポリ
ゆみ「永水の皆さん、部屋に行くまでの辛抱だ。あまり気にしないでくれ」
初美「むしろ望むところですよー」
春「光の加護で無敵」
蒲原「ワハハ。ゆみちんもだいぶ人気出てきたなー」
ゆみ「慣れるものではないが……。なに、卒業したらすぐに忘れ去られるだろう」
初美「そう、いわば私は日々スポットライトを浴び続ける大女優なのですよー」
春「プッ、ただの自主規制」
初美「あ?」
春「ん?」
25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/31(月) 20:38:07.28 ID:5ZHGLUC10
霞「小蒔ちゃん、着いたわよ」
小蒔「ん……、寝ちゃってました。ですが、ここからは全力を」
巴「麻雀してるんじゃないんですよ、姫様?」
小蒔「そ、そうでした///」
蒲原「さて、生徒会長は学園祭で忙しいと思うけど、いるかな?」コンコン
ゆみ「学生議会長だぞ、蒲原」
蒲原「はいはい、ゆみちんは細かいなぁ」
優希「誰だじぇ? おおぅ、圧倒的な巫女スぢからを感じる」
小蒔「お久しぶりです片岡さん! この度は呼んでいただきありがとうございました」
優希「うむ苦しゅうないぞ。ささ皆の衆、中へずずぃーっと」
26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/31(月) 20:40:59.65 ID:5ZHGLUC10
和「だから! 私と咲さんでロミジュリがベターだって言ってるじゃないですか!?」
咲「の、和ちゃん落ち着いて……」
和「私は落ち着いてます! 咲さんもロミジュリがいいですよね!?」
咲「え? う、う~ん」
優希「修羅場だじぇ」
ゆみ「久、いったい何を揉めてるんだ?」
久「これから説明するわ。皆さんいらっしゃっい、待ちかねたわよ?」
春「会いたかった」ポリ
久「ええ、私もよ」ポリ
初美「」
27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/31(月) 20:43:14.53 ID:5ZHGLUC10
霞「ふふふっ、今日はお世話になります」
久「こちらこそってわけで、さっそく皆さんの力を借りたいのだけれど……」
巴「何かあったんですか?」
久「ええ、演劇の出し物をする人達が昨日泊まりこみしてた時に変な物食べたみたいで」
ゆみ「なるほど、それでロミジュリ」
久「そうなのよ。中止ってわけにはいかないから、私達で何かできないかって話してたんだけどね」
小蒔「つまり私達で演劇をするってことですか!?」
久「頼んでもいいかしら?」
霞「もちろん。小蒔ちゃん楽しそうだし」
小蒔「はいっ、お芝居なんて初めてです!」
28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/31(月) 20:46:16.00 ID:5ZHGLUC10
久「良かった。それで咲、この状況で何か良い演目はある?」
咲「そうですね……、用意されてるセットとか衣装、このメンバーで考えると」
和「ロミジュリです!!」
モモ「ロミジュリっす!」
咲「茨姫なんかいいと思います」
和「咲さあああああああん!」orz
モモ「どうせ私の声なんか聞こえないっすよね……」
優希「スパッと答えられるあたりさすが元・文学少女だじぇ」
29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/31(月) 20:49:05.48 ID:5ZHGLUC10
久「どういうお話なの?」
巴「あの、ちょっと待ってください。演劇を披露するまでにあと何時間もないんですよね?」
久「あら、そういえばそうだったわね」
咲「たぶん大丈夫だと思いますよ。茨姫は眠れる森の美女を簡単にしたようなやつですから」
和「眠れる……?」
モモ「森の美女……?」
和「し、仕方ありませんね。咲さんがそんなに私とキ、キ、キ……したいなら///」
モモ「せ、先輩の王子姿……ハァッハァッ」
30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/31(月) 20:51:55.50 ID:5ZHGLUC10
蒲原「なるほどな~、眠れる森の美女なら誰でも知ってるから台詞もノリでなんとかなりそうだ」
ゆみ「そうだな。そして姫役にはこれ以上ないぐらい似合いなのもいる、決まりか」
モモ「呼んだっすか? 王子先輩」
和「メインヒロインなんて柄じゃありませんが。ふっ、たまにはいいでしょう」
久「それじゃあ小蒔さん、お姫様役お願いできる?」
和モモ「「えっ」」
小蒔「わ、私ですか!? ですがその、お二人はいいのでしょうか……」
久「ええ、気にしないで。いつもの病気だから」
小蒔「ご病気ですか……、お二人には申し訳ありませんがお姫様役、全力で演じさせて頂きます!」
霞「ふふふっ小蒔ちゃん小蒔ちゃん、お姫様役ってほとんど寝てるだけよ?」
小蒔「えっ」
巴「姫様……」
32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/31(月) 20:54:12.83 ID:5ZHGLUC10
久「咲、簡単な台本作って人数分コピーしてきてくれる? 大至急」
咲「はい、台詞とかも適当でいいんですか?」
和「私も手伝います」キリッ
優希「監督業なら私の出番だな。感動の超大作に震えるがいいじぇ」キリッ
久「ええ、任せるわ。それで王子役だけど、やっぱりゆみかしら?」
ゆみ「む、ああ分かった」
モモ「先輩ー、ダメっすよー。それだけはダメっすよー……」
ゆみ「ただの芝居だ、モモ。気にするな」
モモ「うー……」
34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/31(月) 20:58:32.34 ID:5ZHGLUC10
久「さて、舞台裏まで来たけど結局あらすじとかト書き読めただけか、どうなることやら……」キンチョー
春「食べる?」ポリ
初美「私も欲しいですー」
春「大人向けの味だけど」
初美「あ?」
春「ん?」
久「ふふっ、ありがと。あなたたちって本当仲いいのね、羨ましいわ」ポリ
モモ「うー、先輩の王子姿ステキっすー。一生忘れないっすー」ウルウル
ゆみ「あ、ああ。結構恥ずかしいんだがこの白タイツ……」
霞「小蒔ちゃんのドレスも新鮮ですごく可愛いわよ」
小蒔「ひ、ひらひらしてて落ち着かないです……」
巴「あかん……、姫様かわいすぎるやろ……なんやこの天使」ハァ
36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/31(月) 21:01:04.69 ID:5ZHGLUC10
それではこれより永水鶴賀清澄合同麻雀部による、眠れる森の美女を開演いたします。ブー
まこ『むかぁしむかし、あるところに魔法の国がありました。
そこには神通力のある6人の巫女が住み、森羅万象の幸福を約束する平和な国でした。
仲良しの王と王妃が治めており、子供ができないこと以外は順風満帆でした』
咲「うぅ、このまま跡継ぎができなかったらどうしよう王妃……」
和「咲さ、いえア、アナタ/// 私はもうしばらく2人っきりの性活でも構いませんよ?」ハァハァ
咲「で、でもわた、わし達の代で終わらせるわけにはいかんじゃろ?」
和「大丈夫ですアナタ/// IPS細胞というのがあれば私たちでも子供ができるそうですよ!」
咲「あ、あい……? 細胞?」
和「そうです! 私たちの愛は細胞の壁を超えるんです!!」ガバッ
咲「へっ、ちょ、和ちゃん!?」
37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/31(月) 21:05:33.88 ID:5ZHGLUC10
久「さて、舞台裏まで来たけど結局あらすじとかト書き読めただけか、どうなることやら……」キンチョー
春「食べる?」ポリ
初美「私も欲しいですー」
春「大人向けの味だけど」
初美「あ?」
春「ん?」
久「ふふっ、ありがと。あなたたちって本当仲いいのね、羨ましいわ」ポリ
モモ「うー、先輩の王子姿ステキっすー。一生忘れないっすー」ウルウル
ゆみ「あ、ああ。結構恥ずかしいんだがこの白タイツ……」
霞「小蒔ちゃんのドレスも新鮮ですごく可愛いわよ」
小蒔「ひ、ひらひらしてて落ち着かないです……」
巴「あかん……、姫様かわいすぎるやろ……なんやこの天使」ハァ
38: 38の続き。37はミス(ペッコリン 2012/12/31(月) 21:08:33.24 ID:5ZHGLUC10
まこ『2人は夜から朝まで、朝から晩までそれはもうがんばりましたがやはり女の子同士。
一向にできない跡継ぎ問題をハイテクを司る巫女に相談しました。
誰じゃあこの台本書いたん……』
巴「IPS細胞ですか? 検索してみますね」
和「アナタ、子供の名前は何にしましょうか?」
咲「……王妃の好きなのでいいよ」
巴「できました! はいどうぞ」
まこ『そうして月日は流れ、2人は念願の子を授かることになりました』
40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/31(月) 21:11:42.10 ID:5ZHGLUC10
初美「おとーさまー、おかーさまー。ばぶーですよー」
咲「おお、この光。この子は生まれながらにして神のご加護を受けておるのかー」
和「もう、ハッちゃんったらすぐに着崩しちゃって。でも私と咲さんの子だと思うと可愛い///」
まこ『神の加護を得た愛らしい姫の噂はすぐに広まり、お城では宴が開かれる事になりました』
和「巫女様方、この度は私たちの愛の結晶を祝いに来ていただき誠にありがとうございます」
巴「まあ、こんなに可愛らしい娘さんに。おめでとうございます」
春「プッ、お似合いの役」
初美「あ?」
春「ん?」
41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/31(月) 21:16:38.39 ID:5ZHGLUC10
優希「ハッちゃんタコス食うか? うめぇぞ」
蒲原「めでたいのはいいことだぞ~、ワハハ」
モモ「影薄の私まで呼んでくれるなんて、いい人たちっすー」
咲「うむ、皆ありがとう。そうだ、今日を記念日にしよう」
まこ「そうして皆が席に着いたときアルコールの匂いとともにもう1人の巫女が現れたのです」
久「ちょっと~、私も混ぜてくれなーい?」ヒック
咲「あやつは『悪酔いの久』!? 誰じゃ! この宴に呼んだのは!?」
久「え~、そんなこと言わないでよ王様ー。あの夜のこと忘れたの~?」ヒック
和「咲さん!?」
咲「え、し知らな」
42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/31(月) 21:21:01.01 ID:5ZHGLUC10
久「春も久しぶりー、今夜い~い?」
春「///」
初美「こ、こらぁー! なに赤くなってんですかはるるー!?」
久「へー、あなたが噂のお姫様? ホントに可愛いわねぇ」ヒック
初美「う、嬉しくなんかないですー。離してくださいー」
久「そんな可愛いお姫様には、悪待ちしてもアタリ牌が来ない呪いをかけてあげよーぅ」
巴「な、なんてむごい……」
久「良い子は悪待ちなんてしちゃダメよん♪」ヒック
45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/31(月) 21:25:42.30 ID:5ZHGLUC10
まこ『そうしてくだを巻き、お姫様に恐ろしい呪いをかけた巫女は帰っていきました。
幸い、この場にいるのは久には及ばないものの神通力をもった巫女達。
悪酔いの久にかけられた呪いの運命を変えるべく祈りはじめました。
部長、それでいいんか……』
モモ「どっ、どうするっすかー?」
蒲原「ワハハ、とりあえず悪待ちができないようにすればいいかな~」
優希「分かったじぇ! 我のタコスぢからは部長をも上回る!!」
巴「よ、よく分かりませんがお願いします!」
優希「お姫様は雀卓につくと100年の眠りにつく運命になるじぇ!」ピカー
春「ちなみに王子の口付けで目覚める」
和「そ、そんなオカルトありえません……」
47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/31(月) 21:30:46.26 ID:5ZHGLUC10
まこ『しばらくして、姫が眠りにつく事を恐れた王妃は国中から雀卓をなくし、
麻雀はネットでするものという風潮ができあがったのでした。
そうして姫は健やかに美しく育ち、麻雀を覚え始めた15歳の時のこと……』
小蒔「ふんふふーん♪ 外でお散歩するのも素敵ですね、麻雀も外でできればいいのに」
久「なるほど、これが地獄単騎。こっちが嵌張待ちか……」
小蒔「? あの! その机はなんでしょうか? 麻雀みたいですが」
久「あら、可愛いお嬢さん。これはね全自動麻雀卓よ、この国にはないみたいだけど」
小蒔「すごい、外で麻雀ができるんですね!? 外国だけに!」
久「そうよ、やってみる? ちなみに悪待ちをするとアタリ牌をツモりやすいわよ?」
小蒔「はい! 失礼します……あれ? なんだか急に眠く、ばたり」
久「あれ?(私の呪いと違う……)」
48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/31(月) 21:35:35.13 ID:5ZHGLUC10
まこ『ついに巫女の呪いで倒れてしまった姫! そんな姫を救うべく茨に揉まれる王子!
次号、急展開!!「やだ……、茨なのにぷよぷよする……!」お楽しみに!
は? この台本ここまで……?』
和「そんなオカルト、ありえません……」
咲「じゃが王妃よ、こうなってしまったのが現実じゃ。王子が現れなければ100年の眠りに」
和「何か私たちにできることは……」
咲「姫が目覚めるまでその身を守ること、ぐらいじゃろう」
霞「なるほど、私が呼ばれたのはそういうことでしたか」
咲「おお茨の化身よ、聞いておったのなら話は早い。後のことは頼む」
50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/31(月) 21:40:38.28 ID:5ZHGLUC10
霞「ええ、それでは」ギュッ
小蒔「ぅん、霞ちゃん、息が……すやすや」
和「あの、何してるんです?」
霞「? 姫様の身を私の茨で包み込んで守ってます」
和「城ごと茨で覆うんですよね?」
霞「そうね、守るのは得意よ?」
小蒔「んぅ、くすぐったい……すやすや」
和「……」
霞「……」ギュウ
小蒔「す、すやすや……」
咲「あ、あの」
和「咲さん! 私も咲さんを守ります!!」ガバッ
咲「何から!?」
52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/31(月) 21:45:51.93 ID:5ZHGLUC10
まこ『暗転!? そ、そうして城の周りは茨で覆われ誰も近づけなくなりました……』
巴『茨の城として有名になったのも束の間、次第に忘れ去られていきました』
優希『さらに年月がたった頃、そこには颯爽と現れるタコス国の王子の姿が!?』
ゆみ「……これが茨の城。タ、タコス占い(?)では私の運命の相手がいるらしいが」
モモ「せんぱーい! 王子先輩! 私がその運命の相手っすよ!」
ゆみ「え……、君は?」
モモ「姫っす! ここの城の姫っす!!」
ゆみ「いや、確か影を司る巫女だったはずだが」
モモ「知っててくれたっすか!? 私の役、覚えててくれたっすか、ちょー感激っすー」
53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/31(月) 21:50:38.45 ID:5ZHGLUC10
優希「モモちゃんばっかずるいじぇ。片岡タコス優希、出るっ!!」
ゆみ「君は、タコス巫女か……」
優希「そうだじぇ! 私がいれば100人力、城に巣食う魔王も土下座する勢いね!」
モモ「そうっす! 早く魔王を倒して私と先輩は末永く幸せに暮らしましたっす!」
霞「あの、魔王はこのお話には出てこないのだけど……」
モモ「出たっすね! 魔王の手下の茨の魔物!!」
優希「隠しても無駄だじぇ! 城から嶺の上の百合臭がぷんぷんするじぇ!!」
55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/31(月) 21:55:44.28 ID:5ZHGLUC10
咲「2人とも、ちゃんとやってくれない?」ゴッ
優希「ひぃん」
和「そうですね、ここは麻雀部らしく麻雀で話をつけましょう」
モモ「こ、この2人に勝てる気がしないっす」
優希「勝負の前から負けてちゃダメだじぇ! 東風戦1発勝負で受けて立つ!」
和「ええ、そんなに時間はかけられませんからね。それでどうぞ」
優希「今宵、東南の風が吹く――」
モモ「おお、孔明様が見えるっす! これなら勝てるかもしれないっす……」
咲「ツモ、嶺上開花」
優希「あふん」
和「それでは後お願いします」
58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/31(月) 22:03:55.73 ID:5ZHGLUC10
久『えー、2人の逆賊巫女を引っ捕らえた王と王妃は国と姫の事を王子に託し去っていきましたとさ』
まこ『わしゃぁもうついていけん……』
ゆみ「もう時間も少ない。そこを退いてもらうぞ茨の化身!」
霞「あーれー。……分家として小蒔ちゃんの唇を奪われるわけにはいけないのだけど」
巴『王子の気迫一閃! 茨は恐れおののき、王子の進む道が切り開かれてゆきます!』
優希『ついに姫のもとへと辿りついた王子! いくんか? ぶちゅーっといくんか!?』
ゆみ「おお、なんと美しい姫だ! く、口付けで目覚めると聞いたが……」
小蒔「すやすや(ぶ、ぶちゅーってするんでしょうか? どどどどうしましょう)」
60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/31(月) 22:07:03.09 ID:5ZHGLUC10
ゆみ「では失礼……ん?」
小蒔「んぅー!?(ほ、ほんとにされちゃいました!? って、霞ちゃん!?)」
霞「んむ……、ちぅ…ちゅ……。……はぁ」
小蒔「ふぁ。か、霞ちゃ、んむっ――」
霞「んん、はむっ。ちゅ……ふぁ、ちゅうぅ……ぴちゃ」
久『ちょ、ちょっとどうするのよこれ! 大丈夫!?』
蒲原『ん~、なんと茨の化身は茨の国の王子様だったのです。ワハハ』
巴『こっ、こうして王子様のキスで目覚めたお姫様は、茨の王子様と幸せに暮らしましたとさ』
和『めでたし、めでたし。と……本当なら私と咲さんがあそこに』チッ
これでお終い、めでたしめでたし
小蒔「つまり私達で演劇をするってことですか!?」