1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/11/02(火) 02:12:28.58 ID:l/jOQyb/0
※ 唯2年、憂1年です
~平沢家・憂の部屋~
コンコン…ガチャッ
唯「憂、今日は一緒に寝ても良い?」
憂「うん、良いよ~」
唯「えへへ、お邪魔しま~す」
2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/11/02(火) 02:14:11.72 ID:l/jOQyb/0
…
…
…
唯「うう~、今日も寒いねえ~」
憂「そうだね~」
…
唯「ねえ、憂」
憂「何?お姉ちゃん」
唯「今日もこんなに寒いのに」
唯「憂はどうしてエアコンを入れて寝ないの?」
憂「え?」
唯「私は苦手だから入れてないんだけど…」
唯「憂は違うよね?」
憂「え…え~と」
憂「電気代が勿体無いから…かな?」
唯「おお~、なるほど…」
唯「でも、こうして2人で寝てると…あったかあったかだね♪」
憂「うん、そうだね♪」
憂(…)
憂(私がエアコンを入れて寝てないのはね…)
憂(お姉ちゃんが何時来ても良い様にって思ってるからだよ…)
憂(途中で消しちゃうと、お姉ちゃんはきっと申し訳無さそうな顔をするから…)
…
…
…
唯「憂、もう寝ちゃった?」
憂「ううん、何?お姉ちゃん」
唯「ちょっとこっち側を向いて?」
憂「え?う、うん」
唯「いくよっ」
唯「えいっ!」ギュッ
憂「あっ…」
唯「この方がもっとあったかあったかだよ♪」
憂「う、うん…あったかいね…///」
…
憂(お姉ちゃん、私の気持ちも知らないで…何て無防備なの…)
…
…
…
憂「お姉ちゃん、まだ起きてる?」
唯「…」
唯「…zzz」
憂「ふふっ、寝ちゃったんだ…」
憂「…」
憂「可愛い寝顔…」
憂「…」
憂「ねえお姉ちゃん…」
憂「お姉ちゃんは…私の事、どう思ってるのかな…」
憂「私はね…お姉ちゃんの事…」
憂「…」
憂「おやすみなさい、お姉ちゃん…」
~翌日・放課後~
憂「でね、昨日の夜もすっごく寒かったんだけど」
憂「お姉ちゃんと一緒に寝てたからあったかくて♪」
純「お~、相変わらずアツアツですなぁ~」
憂「え?そ、そんなぁ…///」
梓「はぁ…何でそこで照れるのかな…」
憂「え?おかしいかな?」
純「良いんじゃないの?それだけ仲が良いって事なんだから」
梓「まあ別に良いんだけど…」
梓「普通じゃないって事はもっと自覚した方が良いと思う」
憂「う、うん…」
純「梓、そんな言い方しなくても…」
憂「…」グスッ
梓「ち、違うの!私は別に悪いって言ってるんじゃないよ?」
梓「ただ、その…周りの目もあるし…」
梓「…」
梓「ごめん、ちょっと言い過ぎた」
憂「ううん、良いの」
憂「梓ちゃんの言う通りだって分かってるから…」
純(む、ちょっと空気が悪いな…話題を逸らさないと…)
純「ねえ、憂」
憂「何?純ちゃん」
純「前から思ってたんだけど、そんなにお姉ちゃんの事が好きなんだっだら」
純「どうして軽音部に入らなかったの?」
憂「え…」
梓「それが入部の動機っていうのはどうかと思うけど…」
梓「でも、それは私も思った。憂ならみんな大歓迎だよ?」
憂「えっと…私は特に楽器とかやってないから…」
梓「それであの腕前でしょ?時々練習してるだけなのに唯先輩より上手じゃない」
梓「悔しいけど、ちゃんと練習すれば私なんかより断然上手くなれると思う」
憂「あの、えっと…ギターを買うお金無いんだ…えへへ」
梓「だったら…唯先輩の時みたいに、一緒にバイトしてみるとか?」
純「お、それは良い考えだね~。私も協力するよん」
憂「え、えと…また今度考えておくって事で…」
憂「あ、私もう帰らないと!晩御飯の支度しないといけないから!」
憂「じゃあ、また明日ね~」
梓「あ、うん、また明日」
純「ばいば~い」
…
純「梓、私何かまずい事聞いちゃったかな…」
梓「そんな事は無いって思うけど…」
梓(憂が軽音部に入らない理由…何だろう?)
~帰り道・公園~
憂(軽音部、ほんとは今すぐにでも入りたいんだけどな…)
憂(お姉ちゃんとずっと一緒に居たい…)
憂(…)
憂(でも、やっぱり…駄目だよね)
和「あら、憂じゃない」
憂「あ、和ちゃ…さん」
和「どっちでも良いわよ」
和「珍しいわね、公園のベンチに1人で座ってるなんて」
和「どうしたの?何か悩み事?」
憂「えっと…何でもないよ…」
和「…」
和「唯の事でしょ?」
憂「えっ!?」ビクッ
憂「ど、どうして分かったの!?」
和「憂が悩みそうな事って考えて、最初に思い付いたのが唯の事だから」
和「カマかけてみたんだけど」フフフ
憂「あはは…」
和「で?」
憂「えっと…うん、本当に何でも無いの」
和「…」
和「隣、座るわね」
…
和「ねえ憂、ちょっと私の話に付き合って貰ってもいいかしら?」
憂「え?う、うん…」
和「まあ勝手に喋ってるだけから、適当に聞き流してくれても良いわよ」
和「この公園…」
和「小さい頃はこの公園で唯と…3人で良く遊んだわよね」
和「小学生になって…中学に入ってからも私達はずっと一緒だった」
和「憂は1つ下の学年だったから学校ではあまり一緒じゃなかったけど」
和「放課後は大抵一緒に居たっていう感じがする」
和「でも今は…」
憂「…軽音部」
和「そうね、最近の唯は軽音部がまず第一って感じになったわ」
和「高校生になってからも一緒の学校で過して来たけど…」
和「昔と違って唯と何かするって事はあまり無かったから」
和「正直ちょっと寂しいなって気がするの」
和「…」
和「憂も…そうなんでしょ?」
憂「…」
憂「そうだね…私も…寂しい…」
和「…」
和「憂は…今の唯と昔の唯、どっちが好き?」
憂「えっ」
憂「あ、あの…どっちも好き…///」
和「あ…あはは…」
和「じゃあ、聞き方を変えるわね」
和「今の唯と昔の唯、どっちが楽しそうに見える?」
憂「それは…今のお姉ちゃん…」
憂「軽音部の事を話す時のお姉ちゃんって、ほんとに楽しそうだから…」
和「そうよね、私もそう思う」
和「…」
和「憂…私はね」
和「こんな事は恥ずかしくって本人には言えないんだけど」
和「唯の事は本当に大事に思ってるの」
和「何時も笑顔で…笑っていて欲しいって思う」
和「だから構ってもらえない寂しさはあるんだけど…」
和「唯には何時までも軽音部の事を大切にして欲しいって」
和「そういう気持ちの方が強いの」
和「ちょっと、かっこ付け過ぎかもしれないわね…」アハハ
憂「ううん、そんな事無い」
憂「そんな風に考えられるなんて…和ちゃんは本当にかっこいいよ…」
憂「でも私は…和ちゃんみたいには割り切れないな…」
和「そっか…」
和「どうしてなのか…聞いても良い?」
憂「どうしてって…お姉ちゃんが好きだから…」
憂「もっと私を見て欲しいっていう気持ちが勝っちゃうから…」
和「好きっていうのは姉として?」
憂「ううん、違う!お姉ちゃんとして見れない位に好き!」
和「随分とはっきり言うのね」
憂「だって和ちゃんには分かってると思うから…」
和「まあそうなんだけど…」
和「でも、あなた達は女の子同士よ?それに姉妹でもある」
和「そんな事が許されないって事位、憂なら分かってるはずでしょ?」
憂「分かってる…分かってるけど、でも!」
和「勘違いしないでね、憂」
和「そんな事全部分かった上で、それでも好きって言ってるのよね?」
和「それを確認したかっただけ。別に悪い事だって言いたいんじゃない」
和「ううん、むしろ羨ましいって思ってる位よ?」
憂「え?」
和「実はね、私にもそういう気持ち…少しはあったの」
和「唯の事、好きかもしれないって…///」ポリポリ
和「でも私には…好きだって言い切れる程の勇気が無いわ」
和「立場で言えば、憂の方がずっと勇気が要るはずよね」
和「それなのに、そんなにはっきり言い切れるなんて…憂の事が羨ましいなって」
憂「和ちゃん…」
憂「私だって…和ちゃんには言えるけど、お姉ちゃんには…」
和「どうして言えないの?」
憂「自信が…無いから…」
和「自信が無いって…」
和(憂にそんな事を言われたら、自信のある人なんて居なくなっちゃうわよ…)
憂「それに…やっぱり普通じゃないから」
憂「私が変に思われる事は全然平気。でも、お姉ちゃんを巻き込みたくない」
憂「もし私がこの気持ちを伝えたら…」
憂「お姉ちゃんは優しいから…きっと私を傷付けない様にって」
憂「嘘でも私の気持ちに答えてくれると思う」
憂「それが…怖いんだ…」
和「…憂の気持ちは良く分かったわ」
和「今すぐ告白しなさいとかそういう事は言わない」
和「でもね」
和「そんなに寂しく思っているなら…唯の事が好きなんだったら」
和「憂はどうして軽音部に入らないの?」
憂「え…」
和「私には楽器の演奏なんて出来ないし…それに生徒会に入ってるから」
和「影から軽音部の事、唯の事を支える事が出来る」
和「そういう所に楽しみを見付けているわ」
和「でも憂は…澪から聞いたんだけど、ギターが結構上手いそうじゃない」
和「それに部活だって入ってないんだから時間はあるはずよね」
和「どうして軽音部に入って、一緒に居る時間を増やしたいって思わないの?」
憂「えっと、それは家事が忙しいから…」
和「ちょっと危なっかしい所もあるけど、唯だって一通りの家事は出来るわよ」
和「でも何かと理由を付けて憂がやらせないって唯からは聞いてるわ」
和「唯が軽音部に集中出来る様にっていう心遣いなのは分かるけど」
和「私にはわざと自由な時間が出来ない様にしているとしか思えない…」
和「本当は?」
憂「…」
憂「…たよ」
憂「…入りたかったよ」
憂「私、軽音部に入りたかった!ずっとずっとお姉ちゃんと一緒に居たかったよ!」
憂「でも…駄目なんだよ…」
憂「1日…ううん、1週間位なら楽しく出来ると思う」
憂「軽音部の人達とは時々一緒になるけど、何時も凄く楽しいから」
憂「でも部活で毎日ずっと一緒に居たら…」
憂「ずっと一緒に居るのに…私とお姉ちゃんとは部員同士でしかない」
憂「軽音部の部員の1人としてお姉ちゃんと過さなきゃいけない」
憂「そんな状態に私は耐えられないよ…」
憂「…」
憂「ごめんなさい、和ちゃん」
憂「私ね、小さい頃に和ちゃんと3人で居た時は凄く楽しかったはずなんだ…」
憂「でも…その時の事を思い出すとちょっと嫌な気分になる」
憂「和ちゃんが居なければ…お姉ちゃんはもっと私の方を見てくれたって」
憂「和ちゃんの事も大好きなのに…そんな風に思ってしまう自分が凄く嫌になるの…」
憂「…」
憂「軽音部に入ったら…もっと自分の事が嫌になると思う」
憂「みんな良い人達なのに…私はみんなの事をどんどん恨んでいく様になるんだ…」
憂「演奏だって、きっと出来ないよ…」
憂「梓ちゃんは何時も嬉しそうに言ってるもの」
憂「放課後ティータイムの演奏が凄いのは技術なんかじゃない」
憂「みんなの一体感があってこそなんだと思うって」
憂「それを私は壊してしまう」
憂「お姉ちゃんが大好きな、大好きな軽音部を壊してしまう…」
憂「そんなお姉ちゃんが悲しむ様な事…私には出来ないよ…」
和(なるほどね…憂らしい考え方だ)
憂「…」
憂「ごめんね…私、和ちゃんにも酷い事言っちゃった…」
和「ううん、気にしないで」
和「憂の気持ちは良く分かるの、これは本当よ?」
憂「…私もう帰るね」
憂「買い物して…家に帰って…晩御飯の支度をしないと…」
憂「今の私に出来る事、お姉ちゃんが喜んでくれる事ってそれ位しか無いから…」
和「あ、うん…またね」
…
和「さて…どうしたものかしら」
和「私から何を言っても無駄だと思うし…」
和「それに普段は頼りにならないんだけど、今回に限っては一番頼りになる人…」
和「ちゃんと居るからね」
~平沢家・玄関~
唯「ただいま~」
憂「お姉ちゃん…おかえりなさい」
唯「今日も練習頑張ったからお腹ぺこぺこだよ~」
憂「そうなんだ…」
憂「ねえお姉ちゃん、軽音部の練習って楽しい?」
唯「うん!楽しいよ~」
憂「…」
憂「じゃあ、すぐに晩御飯の支度するね…」
唯「お願い!私着替えて来るから~」ドドドドド
…
憂「…」
憂「これで良いんだ…」
憂「一緒の部活に入れなくても…私に出来る事は幾らでもあるんだから…」
~リビング~
唯「それでね、今日もムギちゃんのケーキが美味しくってね…」
憂「さっきから食べてる話ばっかりだね、ちゃんと練習してるの?」
唯「うっ…し、してるよ…うん」パクッ
唯「今日練習した曲はね…」モグモグ…
唯「!」
憂「どうしたの?お姉ちゃん」
唯「…」
唯「あの…憂?」
憂「何?お姉ちゃん」
唯「えっと…このきんぴらなんだけど…」
唯「凄く美味しいから私が全部食べて良いかな~なんて…」エヘヘ
憂「え?うん、良いけど…」
憂「お姉ちゃん、そんなに好きだったっけ?」
唯「たった今好きになりました!」
憂「?」
憂「じゃあ、明日もまた作ってあげるね」
唯「えっと…うん、そうだね!明日も作ってくれると嬉しいよ!」ニコッ
…
唯「ごちそうさま、今日も美味しかったよ~、憂」
憂「えへ~、ありがと」
憂「じゃあ私は食器洗うから、お姉ちゃんはゆっくりしててね」
唯「あのね、憂…たまには私も手伝った方が良いんじゃないかって思うんだけど…」
憂「ううん、良いの」
憂「お姉ちゃんは毎日部活してるから疲れてるでしょ」
憂「家事は私が全部やるから大丈夫だよ」
唯「でも…」
憂「お姉ちゃんはお風呂入ってきたら?」
憂「上がったらアイス食べても良いから」
唯「うん…」
憂「さて、さっさとお皿を洗って…」
憂「…」
憂「これで良いんだ…私に出来る事でお姉ちゃんに喜んで貰えたんだから…」
…
憂「あ、フライパンにきんぴらがちょっとだけ残ってた」
憂「ふふっ、そんなに美味しかったのかな…」パクッ…モグモグ
憂「!」
憂「何これ!?」
憂「不味い…酢と塩の味しかしない…」
憂「甘みが足りないって思ったから、最後にみりんと砂糖を足したはずなのに…」
憂「味見もしてなかったなんて…どうかしてるよ…」
憂「…」
憂「こんなに不味いものを…美味しいって言って全部食べてくれたんだ…」
憂「お姉ちゃん…優しすぎるよ…」グスッ
憂「私に出来る事って…一体何なの…」
~翌日朝・通学途中~
唯「あ、和ちゃんおはよ~」
和「おはよう、唯」
和「今日は憂と一緒じゃないのね?」
唯「うん、私が降りてきたらもう居なかったんだ…」
和(昨日の事、まだ引きずってるのかしら…それとも他に何か?)
唯「昨日からね、ちょっと元気が無いんだ…」
唯「一緒に寝よ?って言っても断られちゃったし…」
和「とうとう愛想が尽きたんじゃないの?」
唯「え!そうなの!?」ガーン
和「嘘よ嘘、そんな事ある訳ないじゃない」フフフ
唯「よ、良かったよ~」
唯「憂に見捨てられたら…私はもう生きていけません!」
和「それはそれでどうなのって思うわね…」
唯「え?何が?」
和「…ねえ、唯」
唯「何?和ちゃん」
和「唯が一番好きな人って誰?」
唯「憂!」
和「即答ね…」
唯「あ、もちろん和ちゃんの事も好きだよ~」
和「ありがとね、私も唯の事は好きよ」
唯「えへ~、ありがと」
唯「軽音部のみんなも、さわちゃん先生も、純ちゃんもクラスのみんなも…」
唯「うん、私の知ってる人はみんな大好きな人ばっかりだ」
唯「…何でだろうね?」
和(それはもちろん唯がみんなに愛されてるからでしょ…)
和「でも、その中でも憂が一番なの?」
唯「うん!」
唯「憂はやっぱり…特別だよ」
和「そう…」
和「じゃあ…もしもね、憂が唯の事を好きだって言ったらどうする?」
唯「嬉しいよ~」エヘヘ
和「うん、まあそう言うだろうとは思ったけど」
和「私が聞いたのはそういう意味じゃないの」
唯「へ?」
和「う~ん、何て説明したら良いのか…」
和(憂には悪いけど、唯の事は信じてるから…)
和(言っても良いわよね?)
和「実はね、昨日の帰りの事なんだけど…」
…
…
…
唯「そうなんだ…憂がそんな風に思ってたなんて…」
唯「私、軽音部の事に夢中になり過ぎて…お姉ちゃん失格だね…」ショボーン
和「まあ、唯には気付かれまいって思ってただろうから仕方ないと思う」
和「でも、知っちゃった以上は…分かるわよね?」
唯「うん!私に任せて!」
唯「少しはお姉ちゃんらしい所、見せてあげないとね!」フンス
和「頑張ってね、これは唯にしか出来ない事なんだから…」
~放課後・部室~
唯「ねえみんな、ちょっとお願いがあるんだけど聞いてくれるかな?」
律「どうした?唯」
唯「明日の日曜日なんだけど、みんな夕方位に予定とかある?」
律「夕方か…まあそれなら空いてると思うが…」
律(大丈夫だよな?)チラッ
澪「私も大丈夫だと思うぞ」
澪(ああ)コクッ
紬「私も大丈夫よ」
紬(こ、これは…)キョロキョロ
梓「特に予定は無いですね」
梓(今視線が激しく交錯した様な?)
唯「良かった!」
唯「じゃあね…」
~平沢家・玄関~
唯「ただいま~」
憂「お姉ちゃん…おかえりなさい…」
唯「今日も練習頑張ったからお腹ぺこぺこだよ~」
憂「そうなんだ…でも、ごめんねお姉ちゃん」
憂「今日は晩御飯作る気ないんだ…」
憂「私の不味い料理なんて食べたくないでしょ…」
唯「え?そんな事無いよ!憂の料理は何時も美味しいよ?」
唯「作って欲しいんだけどな…」
憂「材料…買ってないんだ…」
唯「じゃあ今から一緒に買いに行こ?」
唯「あ、それとも外食する?お姉ちゃん、おごってあげるよ?」
憂「…」
憂「私は食欲無いから良いよ…部屋に行ってるね…」トボトボトボ…
唯「憂…」
~憂の部屋~
憂(私、何してるんだろう…)
憂(お姉ちゃんの事大好きなのに…何もしてあげられなくなっちゃった…)
憂(…)
コンコン…ガチャッ
唯「憂、今日は一緒に…」
憂「ごめんね、お姉ちゃん」
憂「今日は私、1人で寝たいんだ…」
…
…
…
憂「…」
憂「お姉ちゃん、ずっとそこに居たら体冷えちゃうよ…」
唯「憂と一緒だとあったかいんだけどな~」ブルブルブル…
…
…
…
…
…
…
憂「お姉ちゃん…風邪引くよ…」
唯「憂のお布団、あったそうだな~、入りたいな~」
憂「…」
憂「…もう、今日だけだからね?」
唯「やった~」
唯「えへへ、お邪魔しま~す」
…
憂(そう言えば…今日もエアコン入れてなかったっけ…)
唯「うう~、今日も寒いね~」
憂「そうだね…」
唯「ねえ、憂」
憂「何?お姉ちゃん」
唯「ちょっとこっち側を向いて?」
憂「え?う、うん」
唯「ごめんねっ」
唯「えいっ!」ギュッ
憂「あっ…」
憂「つ、冷たいよ~お姉ちゃん」
唯「憂が、いじわるするからだよ~」
唯「罰として、私があったまるまでこのままだからね~」ムフフ
憂「もう…」
憂(冷たい…)
憂(けど…あったかいよ…お姉ちゃん)
唯「ねえ、憂」
憂「何?お姉ちゃん」
唯「どうして今日はご飯、作ってくれなかったの?」
憂「だって…私のご飯は美味しくないから…」
唯「昨日の事、気にしてるの?」
憂「…」
唯「昨日のご飯もね、とっても美味しかったよ」
憂「え、でも…嘘でしょ…」
唯「ううん、嘘なんて言わないよ?」
唯「ちょっとだけ失敗しちゃったかもしれないけど…」
唯「でもね、憂が私の為に作ってくれたんだ~って思いながら食べたらね」
唯「何でも美味しく食べられるんだから!ほんとだよ?」
憂「もう、お姉ちゃんたら…」
憂「でも…うん、ありがと」
唯「えへへ~」
唯「明日からはご飯…作ってくれるよね?」
憂「…そうだね、明日からまた頑張るよ」
唯「良かった!もうそれだけで明日が楽しみになっちゃうな~」
唯「早く明日が来ないかな~って思っちゃうねっ」
憂「ふふっ、お姉ちゃんたら…」
唯「…」
唯「でもその前にね…平沢憂さんや」
憂「何?その呼び方…」
唯「まあまあ話を聞きなされ」
唯「真鍋和さんから聞いた話によりますと…」
唯「何と、憂さんには好きな人が居るそうじゃありませんか」
憂「えっ!」
唯「憂さんはそれを相手に伝えたいのに伝えられないとの事」
唯「どうしてなのか…平沢唯さんには不思議でなりませぬ」
憂「…」
唯「ねえ、憂…どうしてそれを言えないの?」
憂「え?そ、それは…自分に自信が無いから…」
唯「憂は成績優秀で運動も得意、家事は何でも出来るし…凄いと思うけどな~」
憂「別に…大した事じゃないから…」
唯「それに何より可愛い…うん、もう世界一可愛いって言っても良い位だよ?」
憂「そんな…私なんて全然だから…」
唯「ふむ…」
唯「憂は私の事、可愛いって良く言ってくれるけど、ほんとにそう思う?」
憂「もちろんだよ!」
唯「憂は私にそっくりだよね?」
憂「え?うん」
憂「髪型を真似したら見分けが付かないって良く言われるかな…えへへ」
憂「…」
憂「…あっ」
憂「お姉ちゃん、ずるいよ…」
唯「えへへ~」
唯「そんな憂に好きだって言ってもらったら…お姉ちゃん凄く嬉しいんだけどな~」
憂「でも私達は…お姉ちゃんは良いの?」
唯「私はね…憂の事が大好きなんだ」
唯「って、私の方から先に言っちゃったね~」テヘヘ
憂「うん…凄く嬉しいよ、お姉ちゃん」
憂「私も…お姉ちゃんの事、大好きだから」
唯「うん…私も凄く嬉しいよ、憂」
…
唯「憂、私はね…」
唯「私達が女の子同士だからとか姉妹だからとか…」
唯「そんなのどうでも良いやって思うんだ」
唯「結婚だって出来ないし、恋人同士だって認めて貰う事も出来ないかもしれない」
唯「周りの人達からは変な目で見られる事もあると思う」
唯「でもね…そんな事全然気にしないよ?」
唯「私はね…ただ憂と一緒に居る事が出来ればそれで十分」
唯「世界で一番好きな人と一緒に…ずっと一緒に居たい」
唯「それだけなんだ」
唯「私は単純だからそんな風にしか考えてなかったんだけど…」
唯「言葉に出して…ちゃんと好きって言ってあげられなかったから」
唯「憂には色々と悩ませちゃったみたいで…ごめんね」
唯「ずっと憂の気持ちに気付いてあげられなかった…本当に駄目なお姉ちゃんだよ」
唯「憂はこんな駄目なお姉ちゃんでも、ずっと一緒に居てくれるのかな?」
憂「…」
憂「私ね、今凄く怒ってるんだよ…お姉ちゃん」
唯「え?ど、どうして!?何か変な事言っちゃったかな…ご、ごめんね?」アセアセ
憂「私もね、世界で一番好きな人とずっと一緒に居たいって思う」
憂「その人の事をそんなに悪く言わないで欲しい…」
唯「へ?」
憂「だからね、私の大好きな大好きなお姉ちゃんの事…」
憂「そんなに悪く言わないでって言ってるの」
唯「憂…」
唯「じゃあ、憂も私の大好きな人の事、悪く言うのは禁止だからね」
唯「1回失敗した位で料理が下手なんて言われたら、お姉ちゃん凄く悲しいよ?」
憂「お姉ちゃん…うん、分かったよ」
唯「じゃあこのお話はもうおしまい!」
唯「…」
唯「おしまい…なんだけど…」
唯「ねえ、憂」
憂「何?お姉ちゃん」
唯「え~とね…そ、そろそろ寝よっか?」
憂「え?う、うん…」
唯「おやすみっ!」
憂「あ、うん…おやすみなさい」
…
…
…
唯「ねえ憂、目を閉じないと眠れないよ?」
憂「え?でも、私はまだ眠たくないから…」
唯「…」
憂「…」
唯「あの…ほんとに眠たくない?」
憂「うん」
唯「眠たくなって、目を閉じてくれないと…こ、困るんだけど…」モジモジ
憂「…」
憂「あ…」
憂「私、急に眠くなってきちゃった…」
憂「先に寝るね、おやすみなさい…///」
唯「うん、じゃあ私も寝るから…おやすみっ///」
憂「…」
憂「…」
憂「…」
憂(まだかな…///)
憂「…」チラッ
唯「…」
唯「…zzz」
憂「…」
憂「…え?ほんとに寝ちゃったの?」
憂「…」
憂「もう…お姉ちゃんは本当にずるい」
憂「そんなに可愛い寝顔を見せられたら…」
憂「明日になっても何も言えないじゃない…」
唯「憂、それって自分を褒めてるのと同じだよ?」
憂「えっ!お姉ちゃん起きてたの!?」
唯「…」
唯「すみません、一瞬だけ寝てしまいました…」
唯「あはは…は…」
憂「…」
唯「あの…流石に怒っていらっしゃる?」アセアセ
憂「…」
唯「あれ?もしかして…今度は憂が寝ちゃった?」
憂「…」
憂「そうだよ…私は怒ってるの、怒って寝ちゃったの!」
唯「憂…」
唯「じゃあ今度こそ…」
唯「憂、大好きだよ…」
憂(私もだよ…お姉ちゃん)
チュッ
唯「…」
憂「…」
唯「うわ~、何か恥ずかしいね?///」
憂「そ、そうだね…///」
唯「…」
唯「あれ?憂はもう寝たんじゃないの?」ムフフ
憂「こ、これは寝言なの!」
唯「…」
唯「ごめんね、憂…何だかカッコ悪くなっちゃって…」
憂「どうして謝るの?私、今凄く嬉しいのに…」
憂「こんなに嬉しい気持ちのまま眠れるなんて…生まれて初めてだよ?」
唯「そうだね…うん、私も初めてだよ!」
憂「ふふっ、じゃあ今度こそ…おやすみなさい、お姉ちゃん」
唯「うん…おやすみ、憂」
~翌朝~
憂「お姉ちゃん…そろそろ起きて?」
唯「大丈夫だよ、憂…今日は日曜日なんだから…」ムニャムニャ
憂「駄目だよ?休みの日だからってだらけてちゃ」
唯「う~ん…じゃあ、あと5分だけ…」
憂「駄目」
唯「あと3分…」
憂「駄目だって…」
唯「あと1分…」
憂「もう、駄目だって言ってるでしょ?」
唯「じゃあね…ちゅ~してくれたら起きる…」
憂「…」
唯(あれ?反応が無い…)
憂「…うん、良いよ///」
唯「…え?」
チュッ
憂「はい、してあげたんだから起きてね?」
ガバッ
唯「…」
憂「おはよう、お姉ちゃん///」
唯「おはよう、憂///」
憂「今日だけだからね?こんなに恥ずかしい起こし方…」
唯「え~、明日からもして欲しいなぁ…」
憂「もう…しょうがないな…」
憂「じゃあ、どうしてもっていう時だけだよ?」
唯「やった!」
唯(毎日お願いしよっと…///)
憂(毎日お願いして欲しいな…///)
憂「でも、ほんとにちょっと寝すぎだよ?」
唯「あ、もうお昼に近いね…お腹減った…」
唯「けど、今日は憂のご飯が食べられるから嬉しいよ~」
憂「ごめんなさい、お姉ちゃん」
憂「材料、ほんとに無いんだ…」
唯「そっか…じゃあお昼は外で食べて、買い物してから帰ろっか?」
憂「うん、そうしよっ」
唯「初デートですな」ムフフ
憂「もう、お姉ちゃんたら…///」
~街中~
憂「お昼、何処で食べる?」
唯「あ、私良いお店知ってるんだ~」
憂「ここ?」
憂「PastaCafeGrano…パスタのお店だね」
憂「でもちょっと高そうだよ?」
唯「大丈夫、ムギちゃんの所の系列店だから安くして貰えるんだ」
憂「でも…何だか、悪いよ」
唯「私もそう思うんだけど、ムギちゃんが是非って言ってたから」
唯「1回は行っておかないと逆に悪いかなって」
憂「うん…そういう事なら」
唯「じゃあ、入ろ~」
ギィー…カランカラン…
店員「いらっしゃいませ」
~パスタのお店~
唯「憂のトマトソースのパスタも美味しそうだね?」
憂「一口食べる?」
唯「うん、食べる!」
憂「じゃあね…えへっ、ちょっと恥ずかしいけど…」
憂「はいお姉ちゃん、あ~んってして?」
唯「あ~ん」パクッ…モグモグ
憂「美味しい?」
唯「うん、美味しい!」
唯「でもね~、憂のご飯の方がもっと美味しいよ~」
憂「えへ~、ありがと」
唯「…」ジー
憂「?」
唯「…」ジー
憂「あ…」
憂「お姉ちゃんのクリームソースのパスタも美味しそうだね」
唯「一口食べる?」
憂「うん!」
唯「じゃあ、憂もあ~んってして?」
憂「あ~ん」パクッ…モグモグ
唯「美味しい?」
憂「うん、美味しい!」
憂「お姉ちゃんが食べさせてくれたから凄く美味しいよっ」
唯「えへ~、ありがと」
憂「じゃあ今度は私が…」
…
…
…
律「…」
澪「…」
澪「なあ、律…」
律「何だよ、澪…」
澪「どうして声をかけない?」
律「澪には出来るのか?あれは馬に蹴られてなんてレベルじゃないぞ…」
澪「…」
澪「すまん…私にも無理だな」
律「だよな…」
澪「なあ、律…」
律「何だよ、澪…」
澪「私達も…周りからはああいう風に見えてるのかな?」
律「いや、どうだろうな…普通に友達って感じじゃないのか?」
澪「…」
澪「律、私達もあれをやってみたいぞ」
律「何!?」
律「いや、確かにあたし達はそういう事をしても良い関係だとは思う」
律「しかしだな、あれはちょっと難易度が高過ぎないか?」
澪「律は唯達に負けるのが悔しくないのか!」
律「そういう問題かよ…」
澪「…」ジー
律「分かったよ…」
律「じゃあ澪、口を開けろ」
澪「いや待て、先に律が食べろよ」
律「澪が先に食べろって」
澪「…」
律「…」
律「…じゃあこうしよう、2人同時にってのはどうだ?」
澪「分かった、それでいこう」
律澪「せ~の」
律澪「あ~ん」
律澪「」パクッ
律澪「…」モグモグ
律澪「…///」
律澪「余計に恥ずかしいだろ!」
~お店のバックヤード~
紬「りっちゃんと澪ちゃんのあんな所が見れるなんて…」
紬「唯ちゃんと憂ちゃんも、何時も以上に仲良しさんね~」ウットリ
紬「ウチの系列店を紹介しておいて大正解!」
紬「連絡してくれたスタッフさんに感謝ね♪」
…
梓「…で、どうして私は此処に居るんでしょうか」
紬「ごめんなさい、私1人では二組同時に録画出来ないから…」
梓「それだけの為に呼び出される私って一体…」
紬「梓ちゃんは唯ちゃんと憂ちゃんの方をお願いね?」
梓「分かりましたよ…何で私がこんな事を…」ブツブツ
紬「でも…梓ちゃんも何だか興味津々って感じだけど?」ウフフ
梓「…!」
梓「だ、だって、2人は先輩と友達なんですから!」
梓「ちゃんと見守る義務があるじゃないですか!」
紬「梓ちゃん、そんなに大声出したら…」ムギュ
…
唯「何か今、あずにゃんの声が聞こえなかった?」
憂「梓ちゃん?ううん、聞こえなかったけど…」
…
紬「ふぅ~、危なかったわね」
梓「…///」
紬「あ、ごめんなさいっ!」
梓「あの…そろそろ離して頂けると…///」
紬「…」
紬「駄目よ、暫くはこのままね♪」ウフフ
~買い物・ショッピングモール~
唯「今日は鍋にしない?」
憂「うん、良いかも」
憂「でも新しい鍋には挑戦しないからね?」
唯「う…(読まれてる!)」
…
唯「ねえ、憂」
唯「しめじとまいたけ…どっちが良いかな?」
憂「私はしめじの方が好きだけど…お姉ちゃんが好きな方で良いと思うよ?」
唯「なるほど…じゃあちょっと買ってくるね!」
憂「え?一緒に買えば良いのに…」
…
唯「買って来た!」
憂「しめじ…Tシャツ…」
唯「憂、何見てるの?」
憂「この指輪…綺麗だなって」
唯「どれどれ…あ、ほんとだね!」
憂「この前からちょっと気になってたんだ…」
唯(幾ら位するのかな…)
唯(3万円か…お小遣いを前借り出来れば買えない事は無いかな?)
憂「ペアリングに出来たら…良いよね…」
唯(となると6万円…それはちょっと厳しいかも…)
唯「あれ?何か向こうで貼り紙してるね…」
唯「本日に限り11月27日と2月22日生まれの方は90%OFF…」
唯「…え!?」
憂「凄い偶然だね…」
唯(でも、私達が来てから急に貼り出したよね?)
唯(このお店も確かこの前…)
唯「憂、この指輪欲しい?」
憂「うん、欲しい!今日なら買えるもんね!」
唯「私も欲しいな…よしっ、買っちゃおう!」
唯「あの…すみません」
店員「はい、ただいま」
唯「この指輪なんですけど…」
店員「お買い上げでしょうか?」
唯「いえ、予約って出来ますか?2つ取り置きしておいて欲しいんですけど…」
店員「は?あの…今日お買い上げにならないと…」
唯「今日はお金が足りないので買えないんです」
唯「1ヶ月以上先になっちゃうと思いますけど…お願いします」ペコッ
店員「はい、それは構いませんが…」
憂「お姉ちゃん、今日買えば私でも立て替え出来るよ?」
唯「ううん、この指輪はちゃんとした値段で買いたいんだ」
唯「1つは憂にプレゼントするんだからね」
憂「え!?」
唯「またお小遣いを前借りしてって思ったけど、それも違う気がする」
唯「バイトしてお金を貯めて…それで憂にプレゼントしたい」
唯「憂は今すぐ欲しいと思うんだけど…私のわがまま聞いてくれる?」
憂「お姉ちゃん…うん、待ってるよ!」
憂「でもね、お姉ちゃんの分は私にプレゼントさせて?」
憂「私もバイトしてお金貯めるから!」
唯「憂…うん、待ってるね!」
唯「じゃあ、取り置きお願いします」
店員「…はい、承りました」
唯「あ、あと…」
店員「何でしょう?」
唯「ムギちゃんにありがとうって伝えておいて下さい」
店員「…」
店員「畏まりました、必ず伝えておきます」
~帰り道~
唯(そろそろ…約束の時間だね…)
唯「ねえ憂、家に帰る前にちょっと寄りたい所があるんだけど…良いかな?」
憂「え?…うん」
…
憂「学校?」
唯「付いて来て」
…
憂「音楽準備室…軽音部の部室だね」
唯「中に入ってちょっと休憩しよ?」
憂「う、うん…」
~部室~
唯「ねえ、憂」
憂「何?お姉ちゃん」
唯「憂はもう気が付いてるよね…どうして此処に来たのか」
憂「うん…」
唯「4月に憂は純ちゃんと一緒に見学に来てくれたよね」
唯「その時には軽音部に入ってくれるのかな?って思ったんだけど…」
憂「あの時の私はお姉ちゃんの気持ちも知らなかったから…」
憂「続けていく自信が無かったんだ…」
唯「私もね、憂と一緒に出来たら良いな~って思ってたんだけど」
唯「強引には誘えなかったんだ…」
唯「きっかけはちょっと情けないんだけど、私は自分から軽音部に入りたいって思った」
唯「今はね、この部に自分の意思で入って本当に良かった…って思ってる」
唯「だから憂にもね、自分でやりたい事を見付けて欲しかった」
唯「それが軽音部だったら嬉しいなって…」
唯「何時かきっと、自分から入りたいって言ってくれるんじゃないと思ってた…」
唯「でもその内、私は自分の事だけ…軽音部の事だけしか考えられない様になって…」
唯「憂の本当の気持ちも…」
憂「お姉ちゃん、約束なんだからそれ以上は言っちゃ駄目だよ?」
憂「今はもうお姉ちゃんの気持ちが分かったから…」
憂「そうだね、今なら軽音部の部室にお姉ちゃんと…みんなと一緒に居ても…」
憂「お姉ちゃんがどんなに他の人と仲良くしてても、一緒に笑っていけると思う」
唯「だったら!」
憂「でもね…演奏は自信が無いな…」
憂「私はやっぱり、お姉ちゃんの事しか見る事が出来ないよ…」
憂「そんなんじゃ、良い演奏にはならないんだよね…」
唯「憂…」
唯「私はね、憂が傍に居てくれたら…」
唯「もっと良い演奏が出来る、もっと良い歌が歌える」
唯「そう思うんだ」
唯「バンドはみんなで演奏するものだから、みんなに聞かせてあげたいものだから」
唯「憂だけを見ている事なんて出来ない、憂だけに聞かせてあげる事なんて出来ない」
唯「でもね、憂が傍に居てくれれば…」
唯「私の演奏を憂が聞いてくれる、私の歌を憂が聞いてくれる」
唯「私の1番好きな人が傍で聞いていてくれる…」
唯「こんなに嬉しい事って無いと思う」
唯「どっちがなんて考えない」
唯「放課後ティータイムの事が大好き」
唯「みんなで演奏するのって凄く楽しい」
唯「憂の事は世界で1番好き」
唯「憂と一緒に演奏すれば、歌えればきっと凄く楽しい」
唯「楽しい事と楽しい事が一緒になるんだよ?」
唯「もう私には想像も付かない位に楽しいんだろうな~って」
唯「考えただけでもわくわくしちゃうよ?」
憂「…」
憂「軽音部のみんなと演奏出来たら…楽しいんだろうね」
憂「お姉ちゃんと一緒に演奏出来たら…楽しくないはずがないよね」
憂「楽しい事と楽しい事が一緒になったら…」
憂「そうだね…凄く楽しそうだね」
唯「でしょ!だから憂も軽音部に入って欲しいな~」
憂「…」
憂「でも、私はね…」
憂「お姉ちゃんみたいに…最初からそんな風に考える事は出来ないよ…」
唯「憂…」
憂「だから最初は…お姉ちゃんの為に頑張りたいな」
憂「お姉ちゃんが楽しい、嬉しいって言ってくれるなら…」
憂「私はそれだけでも此処で一緒に居たいって思える」
憂「お姉ちゃんの考え方は凄く素敵」
憂「今はまだ無理かもしれないけど…でも」
憂「何時かは楽しい事と楽しい事が一緒になる様に…」
憂「お姉ちゃんと同じ考え方が出来る様に…なりたいって思う」
憂「だから私も軽音部に…軽音部に入りたい!」
唯「憂…ありがとう…」グスッ
唯「その一言が聞けてほんとに嬉しいよ…」ニコッ
憂「うん、私も凄く嬉しいな…明日からは部活でもお姉ちゃんと一緒なんだね」ニコッ
唯「ううん違うよ、憂は今日から軽音部の仲間だから!」
憂「え?」
唯「みんな~、入って来て~!」
ガチャッ
律「ふぅ~、ようやく出番か…」
憂「み、みなさん…隣の部屋に居たんですか!?」
律「悪いな憂ちゃん、話は全部聞かせて貰ったよ」
律「あたしも唯と一緒だ、楽しければそれで良いんじゃないかってね」
澪「私も…難しく考える事は無いと思う」
澪「バンドだけじゃない、何でも最初から上手く行くなんて事は無いんだ」
澪「駄目な所を見付けたらそれを直していけば良い」
紬「失敗を恐れていたら…何も出来ないと思うわ」
紬「もし憂ちゃんが唯ちゃんに気を取られて良い演奏が出来ないんだったら…」
紬「そう、たまには唯ちゃんにお姉さんらしく叱って貰えばいいのよ」ウフフ
梓「憂…この前は本当にごめんなさい」
梓「憂が唯先輩の事どれだけ好きなのか…私には全然分かってなかったよ」
梓「普通じゃないとか周りの目がとか…そんなの本当に失礼だよね」
憂「梓ちゃん…ううん、良いの」
梓「私も…私も憂と一緒に演奏したい」
憂「うん、私も梓ちゃんと一緒に演奏してみたい…よろしくね、梓先輩」
梓「そっか、私の方が先輩なんだ…よしっ、明日からはビシビシいくからね!」
唯「あずにゃん、こわ~い」
梓「唯先輩もです!」
唯「え?わ、私も?」アセアセ
律「あはは…まあ、正式な活動は明日からにするとしてだな…」
律「とりあえず、憂ちゃんには言っておきたい事がある」
憂「え?何でしょう?」
唯「憂」
律「憂ちゃん」
澪「憂ちゃん」
紬「憂ちゃん」
梓「憂」
唯「せ~のっ」
唯律澪紬梓「軽音部へようこそ!」
おしまい
元スレ
…
…
…
唯「うう~、今日も寒いねえ~」
憂「そうだね~」
…
唯「ねえ、憂」
憂「何?お姉ちゃん」
唯「今日もこんなに寒いのに」
唯「憂はどうしてエアコンを入れて寝ないの?」
憂「え?」
唯「私は苦手だから入れてないんだけど…」
唯「憂は違うよね?」
3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/11/02(火) 02:15:56.62 ID:l/jOQyb/0
憂「え…え~と」
憂「電気代が勿体無いから…かな?」
唯「おお~、なるほど…」
唯「でも、こうして2人で寝てると…あったかあったかだね♪」
憂「うん、そうだね♪」
憂(…)
憂(私がエアコンを入れて寝てないのはね…)
憂(お姉ちゃんが何時来ても良い様にって思ってるからだよ…)
憂(途中で消しちゃうと、お姉ちゃんはきっと申し訳無さそうな顔をするから…)
4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/11/02(火) 02:17:04.51 ID:l/jOQyb/0
…
…
…
唯「憂、もう寝ちゃった?」
憂「ううん、何?お姉ちゃん」
唯「ちょっとこっち側を向いて?」
憂「え?う、うん」
唯「いくよっ」
唯「えいっ!」ギュッ
憂「あっ…」
唯「この方がもっとあったかあったかだよ♪」
憂「う、うん…あったかいね…///」
…
憂(お姉ちゃん、私の気持ちも知らないで…何て無防備なの…)
5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/11/02(火) 02:18:20.90 ID:l/jOQyb/0
…
…
…
憂「お姉ちゃん、まだ起きてる?」
唯「…」
唯「…zzz」
憂「ふふっ、寝ちゃったんだ…」
憂「…」
憂「可愛い寝顔…」
憂「…」
憂「ねえお姉ちゃん…」
憂「お姉ちゃんは…私の事、どう思ってるのかな…」
憂「私はね…お姉ちゃんの事…」
憂「…」
憂「おやすみなさい、お姉ちゃん…」
7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/11/02(火) 02:20:02.03 ID:l/jOQyb/0
~翌日・放課後~
憂「でね、昨日の夜もすっごく寒かったんだけど」
憂「お姉ちゃんと一緒に寝てたからあったかくて♪」
純「お~、相変わらずアツアツですなぁ~」
憂「え?そ、そんなぁ…///」
梓「はぁ…何でそこで照れるのかな…」
憂「え?おかしいかな?」
純「良いんじゃないの?それだけ仲が良いって事なんだから」
梓「まあ別に良いんだけど…」
梓「普通じゃないって事はもっと自覚した方が良いと思う」
憂「う、うん…」
純「梓、そんな言い方しなくても…」
憂「…」グスッ
梓「ち、違うの!私は別に悪いって言ってるんじゃないよ?」
梓「ただ、その…周りの目もあるし…」
8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/11/02(火) 02:21:30.87 ID:l/jOQyb/0
梓「…」
梓「ごめん、ちょっと言い過ぎた」
憂「ううん、良いの」
憂「梓ちゃんの言う通りだって分かってるから…」
純(む、ちょっと空気が悪いな…話題を逸らさないと…)
純「ねえ、憂」
憂「何?純ちゃん」
純「前から思ってたんだけど、そんなにお姉ちゃんの事が好きなんだっだら」
純「どうして軽音部に入らなかったの?」
憂「え…」
梓「それが入部の動機っていうのはどうかと思うけど…」
梓「でも、それは私も思った。憂ならみんな大歓迎だよ?」
9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/11/02(火) 02:23:13.46 ID:l/jOQyb/0
憂「えっと…私は特に楽器とかやってないから…」
梓「それであの腕前でしょ?時々練習してるだけなのに唯先輩より上手じゃない」
梓「悔しいけど、ちゃんと練習すれば私なんかより断然上手くなれると思う」
憂「あの、えっと…ギターを買うお金無いんだ…えへへ」
梓「だったら…唯先輩の時みたいに、一緒にバイトしてみるとか?」
純「お、それは良い考えだね~。私も協力するよん」
憂「え、えと…また今度考えておくって事で…」
憂「あ、私もう帰らないと!晩御飯の支度しないといけないから!」
憂「じゃあ、また明日ね~」
梓「あ、うん、また明日」
純「ばいば~い」
…
純「梓、私何かまずい事聞いちゃったかな…」
梓「そんな事は無いって思うけど…」
梓(憂が軽音部に入らない理由…何だろう?)
10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/11/02(火) 02:24:34.12 ID:l/jOQyb/0
~帰り道・公園~
憂(軽音部、ほんとは今すぐにでも入りたいんだけどな…)
憂(お姉ちゃんとずっと一緒に居たい…)
憂(…)
憂(でも、やっぱり…駄目だよね)
和「あら、憂じゃない」
憂「あ、和ちゃ…さん」
和「どっちでも良いわよ」
和「珍しいわね、公園のベンチに1人で座ってるなんて」
和「どうしたの?何か悩み事?」
憂「えっと…何でもないよ…」
和「…」
11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/11/02(火) 02:26:02.22 ID:l/jOQyb/0
和「唯の事でしょ?」
憂「えっ!?」ビクッ
憂「ど、どうして分かったの!?」
和「憂が悩みそうな事って考えて、最初に思い付いたのが唯の事だから」
和「カマかけてみたんだけど」フフフ
憂「あはは…」
和「で?」
憂「えっと…うん、本当に何でも無いの」
和「…」
和「隣、座るわね」
…
和「ねえ憂、ちょっと私の話に付き合って貰ってもいいかしら?」
憂「え?う、うん…」
和「まあ勝手に喋ってるだけから、適当に聞き流してくれても良いわよ」
13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/11/02(火) 02:27:50.79 ID:l/jOQyb/0
和「この公園…」
和「小さい頃はこの公園で唯と…3人で良く遊んだわよね」
和「小学生になって…中学に入ってからも私達はずっと一緒だった」
和「憂は1つ下の学年だったから学校ではあまり一緒じゃなかったけど」
和「放課後は大抵一緒に居たっていう感じがする」
和「でも今は…」
憂「…軽音部」
和「そうね、最近の唯は軽音部がまず第一って感じになったわ」
和「高校生になってからも一緒の学校で過して来たけど…」
和「昔と違って唯と何かするって事はあまり無かったから」
和「正直ちょっと寂しいなって気がするの」
和「…」
和「憂も…そうなんでしょ?」
憂「…」
憂「そうだね…私も…寂しい…」
14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/11/02(火) 02:29:41.02 ID:l/jOQyb/0
和「…」
和「憂は…今の唯と昔の唯、どっちが好き?」
憂「えっ」
憂「あ、あの…どっちも好き…///」
和「あ…あはは…」
和「じゃあ、聞き方を変えるわね」
和「今の唯と昔の唯、どっちが楽しそうに見える?」
憂「それは…今のお姉ちゃん…」
憂「軽音部の事を話す時のお姉ちゃんって、ほんとに楽しそうだから…」
和「そうよね、私もそう思う」
和「…」
和「憂…私はね」
和「こんな事は恥ずかしくって本人には言えないんだけど」
和「唯の事は本当に大事に思ってるの」
15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/11/02(火) 02:31:11.43 ID:l/jOQyb/0
和「何時も笑顔で…笑っていて欲しいって思う」
和「だから構ってもらえない寂しさはあるんだけど…」
和「唯には何時までも軽音部の事を大切にして欲しいって」
和「そういう気持ちの方が強いの」
和「ちょっと、かっこ付け過ぎかもしれないわね…」アハハ
憂「ううん、そんな事無い」
憂「そんな風に考えられるなんて…和ちゃんは本当にかっこいいよ…」
憂「でも私は…和ちゃんみたいには割り切れないな…」
和「そっか…」
和「どうしてなのか…聞いても良い?」
憂「どうしてって…お姉ちゃんが好きだから…」
憂「もっと私を見て欲しいっていう気持ちが勝っちゃうから…」
和「好きっていうのは姉として?」
憂「ううん、違う!お姉ちゃんとして見れない位に好き!」
16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/11/02(火) 02:32:45.19 ID:l/jOQyb/0
和「随分とはっきり言うのね」
憂「だって和ちゃんには分かってると思うから…」
和「まあそうなんだけど…」
和「でも、あなた達は女の子同士よ?それに姉妹でもある」
和「そんな事が許されないって事位、憂なら分かってるはずでしょ?」
憂「分かってる…分かってるけど、でも!」
和「勘違いしないでね、憂」
和「そんな事全部分かった上で、それでも好きって言ってるのよね?」
和「それを確認したかっただけ。別に悪い事だって言いたいんじゃない」
和「ううん、むしろ羨ましいって思ってる位よ?」
憂「え?」
和「実はね、私にもそういう気持ち…少しはあったの」
和「唯の事、好きかもしれないって…///」ポリポリ
17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/11/02(火) 02:34:49.79 ID:l/jOQyb/0
和「でも私には…好きだって言い切れる程の勇気が無いわ」
和「立場で言えば、憂の方がずっと勇気が要るはずよね」
和「それなのに、そんなにはっきり言い切れるなんて…憂の事が羨ましいなって」
憂「和ちゃん…」
憂「私だって…和ちゃんには言えるけど、お姉ちゃんには…」
和「どうして言えないの?」
憂「自信が…無いから…」
和「自信が無いって…」
和(憂にそんな事を言われたら、自信のある人なんて居なくなっちゃうわよ…)
憂「それに…やっぱり普通じゃないから」
憂「私が変に思われる事は全然平気。でも、お姉ちゃんを巻き込みたくない」
憂「もし私がこの気持ちを伝えたら…」
憂「お姉ちゃんは優しいから…きっと私を傷付けない様にって」
憂「嘘でも私の気持ちに答えてくれると思う」
憂「それが…怖いんだ…」
19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/11/02(火) 02:37:25.06 ID:l/jOQyb/0
和「…憂の気持ちは良く分かったわ」
和「今すぐ告白しなさいとかそういう事は言わない」
和「でもね」
和「そんなに寂しく思っているなら…唯の事が好きなんだったら」
和「憂はどうして軽音部に入らないの?」
憂「え…」
和「私には楽器の演奏なんて出来ないし…それに生徒会に入ってるから」
和「影から軽音部の事、唯の事を支える事が出来る」
和「そういう所に楽しみを見付けているわ」
和「でも憂は…澪から聞いたんだけど、ギターが結構上手いそうじゃない」
和「それに部活だって入ってないんだから時間はあるはずよね」
和「どうして軽音部に入って、一緒に居る時間を増やしたいって思わないの?」
憂「えっと、それは家事が忙しいから…」
和「ちょっと危なっかしい所もあるけど、唯だって一通りの家事は出来るわよ」
和「でも何かと理由を付けて憂がやらせないって唯からは聞いてるわ」
20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/11/02(火) 02:40:20.40 ID:l/jOQyb/0
和「唯が軽音部に集中出来る様にっていう心遣いなのは分かるけど」
和「私にはわざと自由な時間が出来ない様にしているとしか思えない…」
和「本当は?」
憂「…」
憂「…たよ」
憂「…入りたかったよ」
憂「私、軽音部に入りたかった!ずっとずっとお姉ちゃんと一緒に居たかったよ!」
憂「でも…駄目なんだよ…」
憂「1日…ううん、1週間位なら楽しく出来ると思う」
憂「軽音部の人達とは時々一緒になるけど、何時も凄く楽しいから」
憂「でも部活で毎日ずっと一緒に居たら…」
憂「ずっと一緒に居るのに…私とお姉ちゃんとは部員同士でしかない」
憂「軽音部の部員の1人としてお姉ちゃんと過さなきゃいけない」
憂「そんな状態に私は耐えられないよ…」
憂「…」
21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/11/02(火) 02:42:03.68 ID:l/jOQyb/0
憂「ごめんなさい、和ちゃん」
憂「私ね、小さい頃に和ちゃんと3人で居た時は凄く楽しかったはずなんだ…」
憂「でも…その時の事を思い出すとちょっと嫌な気分になる」
憂「和ちゃんが居なければ…お姉ちゃんはもっと私の方を見てくれたって」
憂「和ちゃんの事も大好きなのに…そんな風に思ってしまう自分が凄く嫌になるの…」
憂「…」
憂「軽音部に入ったら…もっと自分の事が嫌になると思う」
憂「みんな良い人達なのに…私はみんなの事をどんどん恨んでいく様になるんだ…」
憂「演奏だって、きっと出来ないよ…」
憂「梓ちゃんは何時も嬉しそうに言ってるもの」
憂「放課後ティータイムの演奏が凄いのは技術なんかじゃない」
憂「みんなの一体感があってこそなんだと思うって」
憂「それを私は壊してしまう」
憂「お姉ちゃんが大好きな、大好きな軽音部を壊してしまう…」
憂「そんなお姉ちゃんが悲しむ様な事…私には出来ないよ…」
22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/11/02(火) 02:43:45.81 ID:l/jOQyb/0
和(なるほどね…憂らしい考え方だ)
憂「…」
憂「ごめんね…私、和ちゃんにも酷い事言っちゃった…」
和「ううん、気にしないで」
和「憂の気持ちは良く分かるの、これは本当よ?」
憂「…私もう帰るね」
憂「買い物して…家に帰って…晩御飯の支度をしないと…」
憂「今の私に出来る事、お姉ちゃんが喜んでくれる事ってそれ位しか無いから…」
和「あ、うん…またね」
…
和「さて…どうしたものかしら」
和「私から何を言っても無駄だと思うし…」
和「それに普段は頼りにならないんだけど、今回に限っては一番頼りになる人…」
和「ちゃんと居るからね」
23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/11/02(火) 02:45:13.09 ID:l/jOQyb/0
~平沢家・玄関~
唯「ただいま~」
憂「お姉ちゃん…おかえりなさい」
唯「今日も練習頑張ったからお腹ぺこぺこだよ~」
憂「そうなんだ…」
憂「ねえお姉ちゃん、軽音部の練習って楽しい?」
唯「うん!楽しいよ~」
憂「…」
憂「じゃあ、すぐに晩御飯の支度するね…」
唯「お願い!私着替えて来るから~」ドドドドド
…
憂「…」
憂「これで良いんだ…」
憂「一緒の部活に入れなくても…私に出来る事は幾らでもあるんだから…」
24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/11/02(火) 02:46:58.98 ID:l/jOQyb/0
~リビング~
唯「それでね、今日もムギちゃんのケーキが美味しくってね…」
憂「さっきから食べてる話ばっかりだね、ちゃんと練習してるの?」
唯「うっ…し、してるよ…うん」パクッ
唯「今日練習した曲はね…」モグモグ…
唯「!」
憂「どうしたの?お姉ちゃん」
唯「…」
唯「あの…憂?」
憂「何?お姉ちゃん」
唯「えっと…このきんぴらなんだけど…」
唯「凄く美味しいから私が全部食べて良いかな~なんて…」エヘヘ
憂「え?うん、良いけど…」
憂「お姉ちゃん、そんなに好きだったっけ?」
唯「たった今好きになりました!」
26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/11/02(火) 02:48:28.22 ID:l/jOQyb/0
憂「?」
憂「じゃあ、明日もまた作ってあげるね」
唯「えっと…うん、そうだね!明日も作ってくれると嬉しいよ!」ニコッ
…
唯「ごちそうさま、今日も美味しかったよ~、憂」
憂「えへ~、ありがと」
憂「じゃあ私は食器洗うから、お姉ちゃんはゆっくりしててね」
唯「あのね、憂…たまには私も手伝った方が良いんじゃないかって思うんだけど…」
憂「ううん、良いの」
憂「お姉ちゃんは毎日部活してるから疲れてるでしょ」
憂「家事は私が全部やるから大丈夫だよ」
唯「でも…」
憂「お姉ちゃんはお風呂入ってきたら?」
憂「上がったらアイス食べても良いから」
唯「うん…」
28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/11/02(火) 02:51:59.22 ID:l/jOQyb/0
憂「さて、さっさとお皿を洗って…」
憂「…」
憂「これで良いんだ…私に出来る事でお姉ちゃんに喜んで貰えたんだから…」
…
憂「あ、フライパンにきんぴらがちょっとだけ残ってた」
憂「ふふっ、そんなに美味しかったのかな…」パクッ…モグモグ
憂「!」
憂「何これ!?」
憂「不味い…酢と塩の味しかしない…」
憂「甘みが足りないって思ったから、最後にみりんと砂糖を足したはずなのに…」
憂「味見もしてなかったなんて…どうかしてるよ…」
憂「…」
憂「こんなに不味いものを…美味しいって言って全部食べてくれたんだ…」
憂「お姉ちゃん…優しすぎるよ…」グスッ
憂「私に出来る事って…一体何なの…」
29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/11/02(火) 02:54:28.33 ID:l/jOQyb/0
~翌日朝・通学途中~
唯「あ、和ちゃんおはよ~」
和「おはよう、唯」
和「今日は憂と一緒じゃないのね?」
唯「うん、私が降りてきたらもう居なかったんだ…」
和(昨日の事、まだ引きずってるのかしら…それとも他に何か?)
唯「昨日からね、ちょっと元気が無いんだ…」
唯「一緒に寝よ?って言っても断られちゃったし…」
和「とうとう愛想が尽きたんじゃないの?」
唯「え!そうなの!?」ガーン
和「嘘よ嘘、そんな事ある訳ないじゃない」フフフ
唯「よ、良かったよ~」
唯「憂に見捨てられたら…私はもう生きていけません!」
和「それはそれでどうなのって思うわね…」
唯「え?何が?」
30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/11/02(火) 02:56:17.23 ID:l/jOQyb/0
和「…ねえ、唯」
唯「何?和ちゃん」
和「唯が一番好きな人って誰?」
唯「憂!」
和「即答ね…」
唯「あ、もちろん和ちゃんの事も好きだよ~」
和「ありがとね、私も唯の事は好きよ」
唯「えへ~、ありがと」
唯「軽音部のみんなも、さわちゃん先生も、純ちゃんもクラスのみんなも…」
唯「うん、私の知ってる人はみんな大好きな人ばっかりだ」
唯「…何でだろうね?」
和(それはもちろん唯がみんなに愛されてるからでしょ…)
31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/11/02(火) 02:57:49.16 ID:l/jOQyb/0
和「でも、その中でも憂が一番なの?」
唯「うん!」
唯「憂はやっぱり…特別だよ」
和「そう…」
和「じゃあ…もしもね、憂が唯の事を好きだって言ったらどうする?」
唯「嬉しいよ~」エヘヘ
和「うん、まあそう言うだろうとは思ったけど」
和「私が聞いたのはそういう意味じゃないの」
唯「へ?」
和「う~ん、何て説明したら良いのか…」
和(憂には悪いけど、唯の事は信じてるから…)
和(言っても良いわよね?)
和「実はね、昨日の帰りの事なんだけど…」
32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/11/02(火) 02:59:29.23 ID:l/jOQyb/0
…
…
…
唯「そうなんだ…憂がそんな風に思ってたなんて…」
唯「私、軽音部の事に夢中になり過ぎて…お姉ちゃん失格だね…」ショボーン
和「まあ、唯には気付かれまいって思ってただろうから仕方ないと思う」
和「でも、知っちゃった以上は…分かるわよね?」
唯「うん!私に任せて!」
唯「少しはお姉ちゃんらしい所、見せてあげないとね!」フンス
和「頑張ってね、これは唯にしか出来ない事なんだから…」
34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/11/02(火) 03:01:09.23 ID:l/jOQyb/0
~放課後・部室~
唯「ねえみんな、ちょっとお願いがあるんだけど聞いてくれるかな?」
律「どうした?唯」
唯「明日の日曜日なんだけど、みんな夕方位に予定とかある?」
律「夕方か…まあそれなら空いてると思うが…」
律(大丈夫だよな?)チラッ
澪「私も大丈夫だと思うぞ」
澪(ああ)コクッ
紬「私も大丈夫よ」
紬(こ、これは…)キョロキョロ
梓「特に予定は無いですね」
梓(今視線が激しく交錯した様な?)
唯「良かった!」
唯「じゃあね…」
36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/11/02(火) 03:03:28.26 ID:l/jOQyb/0
~平沢家・玄関~
唯「ただいま~」
憂「お姉ちゃん…おかえりなさい…」
唯「今日も練習頑張ったからお腹ぺこぺこだよ~」
憂「そうなんだ…でも、ごめんねお姉ちゃん」
憂「今日は晩御飯作る気ないんだ…」
憂「私の不味い料理なんて食べたくないでしょ…」
唯「え?そんな事無いよ!憂の料理は何時も美味しいよ?」
唯「作って欲しいんだけどな…」
憂「材料…買ってないんだ…」
唯「じゃあ今から一緒に買いに行こ?」
唯「あ、それとも外食する?お姉ちゃん、おごってあげるよ?」
憂「…」
憂「私は食欲無いから良いよ…部屋に行ってるね…」トボトボトボ…
唯「憂…」
37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/11/02(火) 03:05:30.25 ID:l/jOQyb/0
~憂の部屋~
憂(私、何してるんだろう…)
憂(お姉ちゃんの事大好きなのに…何もしてあげられなくなっちゃった…)
憂(…)
コンコン…ガチャッ
唯「憂、今日は一緒に…」
憂「ごめんね、お姉ちゃん」
憂「今日は私、1人で寝たいんだ…」
…
…
…
憂「…」
憂「お姉ちゃん、ずっとそこに居たら体冷えちゃうよ…」
唯「憂と一緒だとあったかいんだけどな~」ブルブルブル…
38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/11/02(火) 03:06:45.25 ID:l/jOQyb/0
…
…
…
…
…
…
憂「お姉ちゃん…風邪引くよ…」
唯「憂のお布団、あったそうだな~、入りたいな~」
憂「…」
憂「…もう、今日だけだからね?」
唯「やった~」
唯「えへへ、お邪魔しま~す」
…
憂(そう言えば…今日もエアコン入れてなかったっけ…)
39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/11/02(火) 03:08:50.67 ID:l/jOQyb/0
唯「うう~、今日も寒いね~」
憂「そうだね…」
唯「ねえ、憂」
憂「何?お姉ちゃん」
唯「ちょっとこっち側を向いて?」
憂「え?う、うん」
唯「ごめんねっ」
唯「えいっ!」ギュッ
憂「あっ…」
憂「つ、冷たいよ~お姉ちゃん」
唯「憂が、いじわるするからだよ~」
唯「罰として、私があったまるまでこのままだからね~」ムフフ
憂「もう…」
憂(冷たい…)
憂(けど…あったかいよ…お姉ちゃん)
40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/11/02(火) 03:11:23.72 ID:l/jOQyb/0
唯「ねえ、憂」
憂「何?お姉ちゃん」
唯「どうして今日はご飯、作ってくれなかったの?」
憂「だって…私のご飯は美味しくないから…」
唯「昨日の事、気にしてるの?」
憂「…」
唯「昨日のご飯もね、とっても美味しかったよ」
憂「え、でも…嘘でしょ…」
唯「ううん、嘘なんて言わないよ?」
唯「ちょっとだけ失敗しちゃったかもしれないけど…」
唯「でもね、憂が私の為に作ってくれたんだ~って思いながら食べたらね」
唯「何でも美味しく食べられるんだから!ほんとだよ?」
憂「もう、お姉ちゃんたら…」
憂「でも…うん、ありがと」
唯「えへへ~」
42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/11/02(火) 03:14:25.52 ID:l/jOQyb/0
唯「明日からはご飯…作ってくれるよね?」
憂「…そうだね、明日からまた頑張るよ」
唯「良かった!もうそれだけで明日が楽しみになっちゃうな~」
唯「早く明日が来ないかな~って思っちゃうねっ」
憂「ふふっ、お姉ちゃんたら…」
唯「…」
唯「でもその前にね…平沢憂さんや」
憂「何?その呼び方…」
唯「まあまあ話を聞きなされ」
唯「真鍋和さんから聞いた話によりますと…」
唯「何と、憂さんには好きな人が居るそうじゃありませんか」
憂「えっ!」
唯「憂さんはそれを相手に伝えたいのに伝えられないとの事」
唯「どうしてなのか…平沢唯さんには不思議でなりませぬ」
憂「…」
43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/11/02(火) 03:16:42.45 ID:l/jOQyb/0
唯「ねえ、憂…どうしてそれを言えないの?」
憂「え?そ、それは…自分に自信が無いから…」
唯「憂は成績優秀で運動も得意、家事は何でも出来るし…凄いと思うけどな~」
憂「別に…大した事じゃないから…」
唯「それに何より可愛い…うん、もう世界一可愛いって言っても良い位だよ?」
憂「そんな…私なんて全然だから…」
唯「ふむ…」
唯「憂は私の事、可愛いって良く言ってくれるけど、ほんとにそう思う?」
憂「もちろんだよ!」
唯「憂は私にそっくりだよね?」
憂「え?うん」
憂「髪型を真似したら見分けが付かないって良く言われるかな…えへへ」
憂「…」
憂「…あっ」
憂「お姉ちゃん、ずるいよ…」
45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/11/02(火) 03:19:13.59 ID:l/jOQyb/0
唯「えへへ~」
唯「そんな憂に好きだって言ってもらったら…お姉ちゃん凄く嬉しいんだけどな~」
憂「でも私達は…お姉ちゃんは良いの?」
唯「私はね…憂の事が大好きなんだ」
唯「って、私の方から先に言っちゃったね~」テヘヘ
憂「うん…凄く嬉しいよ、お姉ちゃん」
憂「私も…お姉ちゃんの事、大好きだから」
唯「うん…私も凄く嬉しいよ、憂」
…
唯「憂、私はね…」
唯「私達が女の子同士だからとか姉妹だからとか…」
唯「そんなのどうでも良いやって思うんだ」
唯「結婚だって出来ないし、恋人同士だって認めて貰う事も出来ないかもしれない」
唯「周りの人達からは変な目で見られる事もあると思う」
唯「でもね…そんな事全然気にしないよ?」
48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/11/02(火) 03:21:59.73 ID:l/jOQyb/0
唯「私はね…ただ憂と一緒に居る事が出来ればそれで十分」
唯「世界で一番好きな人と一緒に…ずっと一緒に居たい」
唯「それだけなんだ」
唯「私は単純だからそんな風にしか考えてなかったんだけど…」
唯「言葉に出して…ちゃんと好きって言ってあげられなかったから」
唯「憂には色々と悩ませちゃったみたいで…ごめんね」
唯「ずっと憂の気持ちに気付いてあげられなかった…本当に駄目なお姉ちゃんだよ」
唯「憂はこんな駄目なお姉ちゃんでも、ずっと一緒に居てくれるのかな?」
憂「…」
憂「私ね、今凄く怒ってるんだよ…お姉ちゃん」
唯「え?ど、どうして!?何か変な事言っちゃったかな…ご、ごめんね?」アセアセ
憂「私もね、世界で一番好きな人とずっと一緒に居たいって思う」
憂「その人の事をそんなに悪く言わないで欲しい…」
唯「へ?」
50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/11/02(火) 03:24:55.87 ID:l/jOQyb/0
憂「だからね、私の大好きな大好きなお姉ちゃんの事…」
憂「そんなに悪く言わないでって言ってるの」
唯「憂…」
唯「じゃあ、憂も私の大好きな人の事、悪く言うのは禁止だからね」
唯「1回失敗した位で料理が下手なんて言われたら、お姉ちゃん凄く悲しいよ?」
憂「お姉ちゃん…うん、分かったよ」
唯「じゃあこのお話はもうおしまい!」
唯「…」
唯「おしまい…なんだけど…」
唯「ねえ、憂」
憂「何?お姉ちゃん」
唯「え~とね…そ、そろそろ寝よっか?」
憂「え?う、うん…」
唯「おやすみっ!」
憂「あ、うん…おやすみなさい」
52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/11/02(火) 03:27:41.90 ID:l/jOQyb/0
…
…
…
唯「ねえ憂、目を閉じないと眠れないよ?」
憂「え?でも、私はまだ眠たくないから…」
唯「…」
憂「…」
唯「あの…ほんとに眠たくない?」
憂「うん」
唯「眠たくなって、目を閉じてくれないと…こ、困るんだけど…」モジモジ
憂「…」
憂「あ…」
憂「私、急に眠くなってきちゃった…」
憂「先に寝るね、おやすみなさい…///」
唯「うん、じゃあ私も寝るから…おやすみっ///」
54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/11/02(火) 03:29:52.65 ID:l/jOQyb/0
憂「…」
憂「…」
憂「…」
憂(まだかな…///)
憂「…」チラッ
唯「…」
唯「…zzz」
憂「…」
憂「…え?ほんとに寝ちゃったの?」
憂「…」
憂「もう…お姉ちゃんは本当にずるい」
憂「そんなに可愛い寝顔を見せられたら…」
憂「明日になっても何も言えないじゃない…」
唯「憂、それって自分を褒めてるのと同じだよ?」
57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/11/02(火) 03:31:51.44 ID:l/jOQyb/0
憂「えっ!お姉ちゃん起きてたの!?」
唯「…」
唯「すみません、一瞬だけ寝てしまいました…」
唯「あはは…は…」
憂「…」
唯「あの…流石に怒っていらっしゃる?」アセアセ
憂「…」
唯「あれ?もしかして…今度は憂が寝ちゃった?」
憂「…」
憂「そうだよ…私は怒ってるの、怒って寝ちゃったの!」
唯「憂…」
唯「じゃあ今度こそ…」
唯「憂、大好きだよ…」
憂(私もだよ…お姉ちゃん)
チュッ
60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/11/02(火) 03:33:37.11 ID:l/jOQyb/0
唯「…」
憂「…」
唯「うわ~、何か恥ずかしいね?///」
憂「そ、そうだね…///」
唯「…」
唯「あれ?憂はもう寝たんじゃないの?」ムフフ
憂「こ、これは寝言なの!」
唯「…」
唯「ごめんね、憂…何だかカッコ悪くなっちゃって…」
憂「どうして謝るの?私、今凄く嬉しいのに…」
憂「こんなに嬉しい気持ちのまま眠れるなんて…生まれて初めてだよ?」
唯「そうだね…うん、私も初めてだよ!」
憂「ふふっ、じゃあ今度こそ…おやすみなさい、お姉ちゃん」
唯「うん…おやすみ、憂」
61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/11/02(火) 03:35:36.06 ID:l/jOQyb/0
~翌朝~
憂「お姉ちゃん…そろそろ起きて?」
唯「大丈夫だよ、憂…今日は日曜日なんだから…」ムニャムニャ
憂「駄目だよ?休みの日だからってだらけてちゃ」
唯「う~ん…じゃあ、あと5分だけ…」
憂「駄目」
唯「あと3分…」
憂「駄目だって…」
唯「あと1分…」
憂「もう、駄目だって言ってるでしょ?」
唯「じゃあね…ちゅ~してくれたら起きる…」
憂「…」
唯(あれ?反応が無い…)
憂「…うん、良いよ///」
唯「…え?」
63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/11/02(火) 03:37:16.66 ID:l/jOQyb/0
チュッ
憂「はい、してあげたんだから起きてね?」
ガバッ
唯「…」
憂「おはよう、お姉ちゃん///」
唯「おはよう、憂///」
憂「今日だけだからね?こんなに恥ずかしい起こし方…」
唯「え~、明日からもして欲しいなぁ…」
憂「もう…しょうがないな…」
憂「じゃあ、どうしてもっていう時だけだよ?」
唯「やった!」
唯(毎日お願いしよっと…///)
憂(毎日お願いして欲しいな…///)
64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/11/02(火) 03:38:44.99 ID:l/jOQyb/0
憂「でも、ほんとにちょっと寝すぎだよ?」
唯「あ、もうお昼に近いね…お腹減った…」
唯「けど、今日は憂のご飯が食べられるから嬉しいよ~」
憂「ごめんなさい、お姉ちゃん」
憂「材料、ほんとに無いんだ…」
唯「そっか…じゃあお昼は外で食べて、買い物してから帰ろっか?」
憂「うん、そうしよっ」
唯「初デートですな」ムフフ
憂「もう、お姉ちゃんたら…///」
65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/11/02(火) 03:40:17.84 ID:l/jOQyb/0
~街中~
憂「お昼、何処で食べる?」
唯「あ、私良いお店知ってるんだ~」
憂「ここ?」
憂「PastaCafeGrano…パスタのお店だね」
憂「でもちょっと高そうだよ?」
唯「大丈夫、ムギちゃんの所の系列店だから安くして貰えるんだ」
憂「でも…何だか、悪いよ」
唯「私もそう思うんだけど、ムギちゃんが是非って言ってたから」
唯「1回は行っておかないと逆に悪いかなって」
憂「うん…そういう事なら」
唯「じゃあ、入ろ~」
ギィー…カランカラン…
店員「いらっしゃいませ」
66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/11/02(火) 03:41:53.57 ID:l/jOQyb/0
~パスタのお店~
唯「憂のトマトソースのパスタも美味しそうだね?」
憂「一口食べる?」
唯「うん、食べる!」
憂「じゃあね…えへっ、ちょっと恥ずかしいけど…」
憂「はいお姉ちゃん、あ~んってして?」
唯「あ~ん」パクッ…モグモグ
憂「美味しい?」
唯「うん、美味しい!」
唯「でもね~、憂のご飯の方がもっと美味しいよ~」
憂「えへ~、ありがと」
唯「…」ジー
憂「?」
唯「…」ジー
憂「あ…」
68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/11/02(火) 03:42:59.17 ID:l/jOQyb/0
憂「お姉ちゃんのクリームソースのパスタも美味しそうだね」
唯「一口食べる?」
憂「うん!」
唯「じゃあ、憂もあ~んってして?」
憂「あ~ん」パクッ…モグモグ
唯「美味しい?」
憂「うん、美味しい!」
憂「お姉ちゃんが食べさせてくれたから凄く美味しいよっ」
唯「えへ~、ありがと」
憂「じゃあ今度は私が…」
…
…
…
69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/11/02(火) 03:44:01.94 ID:l/jOQyb/0
律「…」
澪「…」
澪「なあ、律…」
律「何だよ、澪…」
澪「どうして声をかけない?」
律「澪には出来るのか?あれは馬に蹴られてなんてレベルじゃないぞ…」
澪「…」
澪「すまん…私にも無理だな」
律「だよな…」
70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/11/02(火) 03:45:20.06 ID:l/jOQyb/0
澪「なあ、律…」
律「何だよ、澪…」
澪「私達も…周りからはああいう風に見えてるのかな?」
律「いや、どうだろうな…普通に友達って感じじゃないのか?」
澪「…」
澪「律、私達もあれをやってみたいぞ」
律「何!?」
律「いや、確かにあたし達はそういう事をしても良い関係だとは思う」
律「しかしだな、あれはちょっと難易度が高過ぎないか?」
澪「律は唯達に負けるのが悔しくないのか!」
律「そういう問題かよ…」
72: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/11/02(火) 03:46:29.23 ID:l/jOQyb/0
澪「…」ジー
律「分かったよ…」
律「じゃあ澪、口を開けろ」
澪「いや待て、先に律が食べろよ」
律「澪が先に食べろって」
澪「…」
律「…」
律「…じゃあこうしよう、2人同時にってのはどうだ?」
澪「分かった、それでいこう」
律澪「せ~の」
律澪「あ~ん」
律澪「」パクッ
律澪「…」モグモグ
律澪「…///」
律澪「余計に恥ずかしいだろ!」
77: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/11/02(火) 03:49:27.64 ID:l/jOQyb/0
~お店のバックヤード~
紬「りっちゃんと澪ちゃんのあんな所が見れるなんて…」
紬「唯ちゃんと憂ちゃんも、何時も以上に仲良しさんね~」ウットリ
紬「ウチの系列店を紹介しておいて大正解!」
紬「連絡してくれたスタッフさんに感謝ね♪」
…
梓「…で、どうして私は此処に居るんでしょうか」
紬「ごめんなさい、私1人では二組同時に録画出来ないから…」
梓「それだけの為に呼び出される私って一体…」
紬「梓ちゃんは唯ちゃんと憂ちゃんの方をお願いね?」
梓「分かりましたよ…何で私がこんな事を…」ブツブツ
紬「でも…梓ちゃんも何だか興味津々って感じだけど?」ウフフ
梓「…!」
78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/11/02(火) 03:51:58.62 ID:l/jOQyb/0
梓「だ、だって、2人は先輩と友達なんですから!」
梓「ちゃんと見守る義務があるじゃないですか!」
紬「梓ちゃん、そんなに大声出したら…」ムギュ
…
唯「何か今、あずにゃんの声が聞こえなかった?」
憂「梓ちゃん?ううん、聞こえなかったけど…」
…
紬「ふぅ~、危なかったわね」
梓「…///」
紬「あ、ごめんなさいっ!」
梓「あの…そろそろ離して頂けると…///」
紬「…」
紬「駄目よ、暫くはこのままね♪」ウフフ
79: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/11/02(火) 03:53:43.53 ID:l/jOQyb/0
~買い物・ショッピングモール~
唯「今日は鍋にしない?」
憂「うん、良いかも」
憂「でも新しい鍋には挑戦しないからね?」
唯「う…(読まれてる!)」
…
唯「ねえ、憂」
唯「しめじとまいたけ…どっちが良いかな?」
憂「私はしめじの方が好きだけど…お姉ちゃんが好きな方で良いと思うよ?」
唯「なるほど…じゃあちょっと買ってくるね!」
憂「え?一緒に買えば良いのに…」
…
唯「買って来た!」
憂「しめじ…Tシャツ…」
80: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/11/02(火) 03:57:37.16 ID:l/jOQyb/0
唯「憂、何見てるの?」
憂「この指輪…綺麗だなって」
唯「どれどれ…あ、ほんとだね!」
憂「この前からちょっと気になってたんだ…」
唯(幾ら位するのかな…)
唯(3万円か…お小遣いを前借り出来れば買えない事は無いかな?)
憂「ペアリングに出来たら…良いよね…」
唯(となると6万円…それはちょっと厳しいかも…)
唯「あれ?何か向こうで貼り紙してるね…」
唯「本日に限り11月27日と2月22日生まれの方は90%OFF…」
唯「…え!?」
憂「凄い偶然だね…」
唯(でも、私達が来てから急に貼り出したよね?)
唯(このお店も確かこの前…)
81: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/11/02(火) 04:01:25.56 ID:l/jOQyb/0
唯「憂、この指輪欲しい?」
憂「うん、欲しい!今日なら買えるもんね!」
唯「私も欲しいな…よしっ、買っちゃおう!」
唯「あの…すみません」
店員「はい、ただいま」
唯「この指輪なんですけど…」
店員「お買い上げでしょうか?」
唯「いえ、予約って出来ますか?2つ取り置きしておいて欲しいんですけど…」
店員「は?あの…今日お買い上げにならないと…」
唯「今日はお金が足りないので買えないんです」
唯「1ヶ月以上先になっちゃうと思いますけど…お願いします」ペコッ
店員「はい、それは構いませんが…」
憂「お姉ちゃん、今日買えば私でも立て替え出来るよ?」
唯「ううん、この指輪はちゃんとした値段で買いたいんだ」
唯「1つは憂にプレゼントするんだからね」
83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/11/02(火) 04:03:09.99 ID:l/jOQyb/0
憂「え!?」
唯「またお小遣いを前借りしてって思ったけど、それも違う気がする」
唯「バイトしてお金を貯めて…それで憂にプレゼントしたい」
唯「憂は今すぐ欲しいと思うんだけど…私のわがまま聞いてくれる?」
憂「お姉ちゃん…うん、待ってるよ!」
憂「でもね、お姉ちゃんの分は私にプレゼントさせて?」
憂「私もバイトしてお金貯めるから!」
唯「憂…うん、待ってるね!」
唯「じゃあ、取り置きお願いします」
店員「…はい、承りました」
唯「あ、あと…」
店員「何でしょう?」
唯「ムギちゃんにありがとうって伝えておいて下さい」
店員「…」
店員「畏まりました、必ず伝えておきます」
84: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/11/02(火) 04:05:06.00 ID:l/jOQyb/0
~帰り道~
唯(そろそろ…約束の時間だね…)
唯「ねえ憂、家に帰る前にちょっと寄りたい所があるんだけど…良いかな?」
憂「え?…うん」
…
憂「学校?」
唯「付いて来て」
…
憂「音楽準備室…軽音部の部室だね」
唯「中に入ってちょっと休憩しよ?」
憂「う、うん…」
86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/11/02(火) 04:06:36.53 ID:l/jOQyb/0
~部室~
唯「ねえ、憂」
憂「何?お姉ちゃん」
唯「憂はもう気が付いてるよね…どうして此処に来たのか」
憂「うん…」
唯「4月に憂は純ちゃんと一緒に見学に来てくれたよね」
唯「その時には軽音部に入ってくれるのかな?って思ったんだけど…」
憂「あの時の私はお姉ちゃんの気持ちも知らなかったから…」
憂「続けていく自信が無かったんだ…」
唯「私もね、憂と一緒に出来たら良いな~って思ってたんだけど」
唯「強引には誘えなかったんだ…」
唯「きっかけはちょっと情けないんだけど、私は自分から軽音部に入りたいって思った」
唯「今はね、この部に自分の意思で入って本当に良かった…って思ってる」
唯「だから憂にもね、自分でやりたい事を見付けて欲しかった」
唯「それが軽音部だったら嬉しいなって…」
87: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/11/02(火) 04:08:53.35 ID:l/jOQyb/0
唯「何時かきっと、自分から入りたいって言ってくれるんじゃないと思ってた…」
唯「でもその内、私は自分の事だけ…軽音部の事だけしか考えられない様になって…」
唯「憂の本当の気持ちも…」
憂「お姉ちゃん、約束なんだからそれ以上は言っちゃ駄目だよ?」
憂「今はもうお姉ちゃんの気持ちが分かったから…」
憂「そうだね、今なら軽音部の部室にお姉ちゃんと…みんなと一緒に居ても…」
憂「お姉ちゃんがどんなに他の人と仲良くしてても、一緒に笑っていけると思う」
唯「だったら!」
憂「でもね…演奏は自信が無いな…」
憂「私はやっぱり、お姉ちゃんの事しか見る事が出来ないよ…」
憂「そんなんじゃ、良い演奏にはならないんだよね…」
唯「憂…」
88: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/11/02(火) 04:10:27.69 ID:l/jOQyb/0
唯「私はね、憂が傍に居てくれたら…」
唯「もっと良い演奏が出来る、もっと良い歌が歌える」
唯「そう思うんだ」
唯「バンドはみんなで演奏するものだから、みんなに聞かせてあげたいものだから」
唯「憂だけを見ている事なんて出来ない、憂だけに聞かせてあげる事なんて出来ない」
唯「でもね、憂が傍に居てくれれば…」
唯「私の演奏を憂が聞いてくれる、私の歌を憂が聞いてくれる」
唯「私の1番好きな人が傍で聞いていてくれる…」
唯「こんなに嬉しい事って無いと思う」
唯「どっちがなんて考えない」
唯「放課後ティータイムの事が大好き」
唯「みんなで演奏するのって凄く楽しい」
唯「憂の事は世界で1番好き」
唯「憂と一緒に演奏すれば、歌えればきっと凄く楽しい」
89: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/11/02(火) 04:12:29.69 ID:l/jOQyb/0
唯「楽しい事と楽しい事が一緒になるんだよ?」
唯「もう私には想像も付かない位に楽しいんだろうな~って」
唯「考えただけでもわくわくしちゃうよ?」
憂「…」
憂「軽音部のみんなと演奏出来たら…楽しいんだろうね」
憂「お姉ちゃんと一緒に演奏出来たら…楽しくないはずがないよね」
憂「楽しい事と楽しい事が一緒になったら…」
憂「そうだね…凄く楽しそうだね」
唯「でしょ!だから憂も軽音部に入って欲しいな~」
憂「…」
憂「でも、私はね…」
憂「お姉ちゃんみたいに…最初からそんな風に考える事は出来ないよ…」
唯「憂…」
憂「だから最初は…お姉ちゃんの為に頑張りたいな」
90: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/11/02(火) 04:13:35.95 ID:l/jOQyb/0
憂「お姉ちゃんが楽しい、嬉しいって言ってくれるなら…」
憂「私はそれだけでも此処で一緒に居たいって思える」
憂「お姉ちゃんの考え方は凄く素敵」
憂「今はまだ無理かもしれないけど…でも」
憂「何時かは楽しい事と楽しい事が一緒になる様に…」
憂「お姉ちゃんと同じ考え方が出来る様に…なりたいって思う」
憂「だから私も軽音部に…軽音部に入りたい!」
唯「憂…ありがとう…」グスッ
唯「その一言が聞けてほんとに嬉しいよ…」ニコッ
憂「うん、私も凄く嬉しいな…明日からは部活でもお姉ちゃんと一緒なんだね」ニコッ
唯「ううん違うよ、憂は今日から軽音部の仲間だから!」
憂「え?」
唯「みんな~、入って来て~!」
ガチャッ
律「ふぅ~、ようやく出番か…」
91: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/11/02(火) 04:15:05.00 ID:l/jOQyb/0
憂「み、みなさん…隣の部屋に居たんですか!?」
律「悪いな憂ちゃん、話は全部聞かせて貰ったよ」
律「あたしも唯と一緒だ、楽しければそれで良いんじゃないかってね」
澪「私も…難しく考える事は無いと思う」
澪「バンドだけじゃない、何でも最初から上手く行くなんて事は無いんだ」
澪「駄目な所を見付けたらそれを直していけば良い」
紬「失敗を恐れていたら…何も出来ないと思うわ」
紬「もし憂ちゃんが唯ちゃんに気を取られて良い演奏が出来ないんだったら…」
紬「そう、たまには唯ちゃんにお姉さんらしく叱って貰えばいいのよ」ウフフ
梓「憂…この前は本当にごめんなさい」
梓「憂が唯先輩の事どれだけ好きなのか…私には全然分かってなかったよ」
梓「普通じゃないとか周りの目がとか…そんなの本当に失礼だよね」
憂「梓ちゃん…ううん、良いの」
梓「私も…私も憂と一緒に演奏したい」
憂「うん、私も梓ちゃんと一緒に演奏してみたい…よろしくね、梓先輩」
92: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/11/02(火) 04:16:17.97 ID:l/jOQyb/0
梓「そっか、私の方が先輩なんだ…よしっ、明日からはビシビシいくからね!」
唯「あずにゃん、こわ~い」
梓「唯先輩もです!」
唯「え?わ、私も?」アセアセ
律「あはは…まあ、正式な活動は明日からにするとしてだな…」
律「とりあえず、憂ちゃんには言っておきたい事がある」
憂「え?何でしょう?」
唯「憂」
律「憂ちゃん」
澪「憂ちゃん」
紬「憂ちゃん」
梓「憂」
唯「せ~のっ」
唯律澪紬梓「軽音部へようこそ!」
おしまい
唯律澪紬梓「軽音部へようこそ!」