SS速報VIP:まどか「わたしのナイト様」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1351268590/2: ◆SjWXMdM6SY 2012/10/27(土) 01:24:16.03 ID:b/7X/XnQo
中沢「……それでは文化祭の演劇の配役は以上で決定です。何かある人は……」
ほむら「ちょっと待ちなさい……」
中沢「あれ、暁美さん?」
ほむら「どうして私が騎士役なのよ!?普通は男子の役じゃないの!?」
中沢「そうは言っても暁美さんが一番多い票数だから選ばれたんだけど……」
ほむら「ぐっ……」
3: ◆SjWXMdM6SY 2012/10/27(土) 01:25:02.68 ID:b/7X/XnQo
中沢「それに騎士ってだけだから男子じゃないとダメってこともないと思うよ」
ほむら「で、でも!」
女子生徒「暁美さん、その辺の男子よりずっとカッコいいから大丈夫だよ」
女子生徒「そうだよ、中沢や上条なんて目じゃないって!」
女子生徒「暁美さんならきっと騎士役、演じられるよ!」
ほむら「……素直に喜べないわ……」
ほむら「な、ならせめて姫役を代えて頂戴」
ほむら「選ばれたってだけで、まどかが真っ赤になってるわ」
まどか「わ…わた、わたし…お姫様…主役……」カァ
さやか「まどかー、大丈夫かー?」
まどか「うぅ……」
中沢「鹿目さんも圧倒的多数で選ばれたんだけど……」
ほむら「あぁ…どうしてこんなことに……」
中沢「というか暁美さん、鹿目さんのときに挙手してたよね?」
女子生徒「でもお姫様の役が鹿目さんだったから、暁美さんが騎士の役に選ばれたんだと思うよ」
ほむら「え?」
女子生徒「だって暁美さん、いつも鹿目さんを気にかけてるし」
女子生徒「そうそう。なんていうか、守ってるって感じ?」
ほむら「そ、それは……」
女子生徒「だから暁美さんと鹿目さんなら絶対上手く行くって」
ほむら「くっ……」
ほむら(何か…何か他に言い訳を……)
中沢「それでは他には何もないみたいなのでこれで終了です」
ほむら(しまった、時間切れ……!?)
中沢「脚本係の志筑さん、台本は……」
仁美「ほぼ出来上がっているので、明日にもお届けできると思いますわ」
仁美(あのお2人が主演…これは演出を少し書き直さないとなりませんわね)
中沢「それじゃ今日はこれで終わりです。みんな、放課後までありがとう」
ほむら(どうしよう……)
まどか「主役…わたし、主役…ウェヒヒヒヒ」
さやか「まどか、いい加減帰って来なさいって」
――マミの家――
さやか「……ってことになったんですよ」
マミ「それであの2人はあんなことになってるのね」
ほむら「……」ブツブツ
まどか「……」カァ
マミ「ちなみに美樹さんは何の役なの?」
さやか「……木・草その他背景です」
マミ「……何と言うか、その……」
さやか「あの手の木とかって何でわざわざ顔出すんですかね……」
ほむら「はぁ……」
さやか「お、先にほむらが戻ってきたか」
ほむら「どうして私が騎士役なんて……」
さやか「しょうがないじゃん。選ばれちゃったんだしさ」
ほむら「それはそうだけど……」
さやか「木のあたしからしてみれば、主役をやりたくないなんて贅沢だよ」
ほむら「そう…なのかしら」
マミ「でもあなたたちならお似合いよ?」
ほむら「どういうことよ」
マミ「鹿目さんを救うために何度も何度もやり直して……」
マミ「そしてこの時間で守り抜いた…そうでしょう?」
さやか「まさにまどか姫を救ったナイト様じゃん」
ほむら「そう言われても……」
まどか「……姫…わたし、主役……」カァ
さやか「うわ、姫に反応した…まどか、いい加減戻りなさいって」ペシペシ
まどか「……はっ、さやかちゃん……?」
さやか「はい、おかえり」
まどか「で、でもわたしがお姫様だなんて……」
まどか「自信…ないなぁ……」
さやか「でもせっかくの主役じゃん。頑張ってみなよ」
マミ「そうね。暁美さんもついてるし」
まどか「で、でもほむらちゃんも嫌なんだよね?誰か代わってくれる人探して……」
ほむら「……」
まどか「ほむらちゃん?」
ほむら「……まどか、覚悟を決めましょう」
まどか「えぇ!?」
ほむら「こうなった以上、もう逃げられないみたいね。なら、やってやろうじゃない」
ほむら「こんなの、ワルプルギスの夜に比べたら何てことないわ」
まどか「ほむらちゃん……」
さやか「ほら、ほむらはやる気になったみたいだよ?」
まどか「……うん。ほむらちゃんがやるのなら、わたしもがんばるよ」
ほむら「それじゃまどか、明日から頑張りましょう」
まどか「うん!」
さやか「主役の2人がやる気になってくれたことだし、あたしはそろそろ帰りますね」
マミ「あら、何か用事?」
さやか「演劇の練習しないとなんで」
マミ「え?でも美樹さんって……」
さやか「直立の練習をちょっと」
マミ(それ練習いるのかしら)
さやか「それじゃおじゃましましたー」
――翌日――
仁美「……それでは、これが今回の台本ですわ」
まどか「ありがとう、仁美ちゃん」
ほむら(……さすがに文化祭の演劇だし、直接どうこうするようなのはないわよね)
仁美「それでは私はこれで。お2人とも、頑張ってください」
まどか「うん!」
ほむら「それじゃまどか、私たちも行きましょうか」
まどか「そうだね。ほむらちゃん、本番までよろしくね」
ほむら「えぇ。こちらこそよろしく、まどか」
――ほむらの家――
ほむら「……それじゃ練習の前にざっと台本を読んで話を理解しておきましょう」
まどか「えーと……」パラパラ
まどか「……お姫様と騎士様が色んな困難を乗り越えて結ばれる話…かな」
ほむら「えぇ…そんな感じね」
まどか「仁美ちゃん、これ自分で作ったのかな…すごいなぁ」
ほむら「それでどうかしら?できそう?」
まどか「大丈夫だと思うけど……」
ほむら「どうしたの?」
まどか「話の最後に、その…き、キスをするって……」カァ
ほむら「あぁ…大丈夫よ。あくまでフリだから」
まどか「え?」
ほむら「それはそうでしょう。本当にやれ、なんて台本だったら先生がOK出さないわよ」
まどか「そ、そうだよね…何言ってるんだろう、わたし」
まどか「でも…相手がほむらちゃんでよかったよ」
ほむら「あら、どうして?」
まどか「い、いくらフリだからって、他の人とキスするのは……」
ほむら「それは…まぁ……」
まどか「だからほむらちゃんとならって…あ、でもほむらちゃんは……」
ほむら「私もまどかとなら構わないわ。だから気にしないで」
まどか「あ、うん、ありがとう……」カァ
ほむら「さて、それじゃ練習、始めましょうか」
まどか「う、うん……」
ほむら「おぉ姫よ、あなたは何と美しい……」
まどか(ほむらちゃん、何だかすごく様になってる…かっこいいなぁ)
まどか(わたしも…あんな風に演じられるかな……)
ほむら「……ふぅ。まどか、どうだったかしら」
まどか「え?あ、すごくかっこよかったよ」
ほむら「ありがとう、まどか。それじゃ、次はまどかの番よ」
まどか「よ、よーし……」
まどか「あぁ騎士様、私はあなたを……」
まどか「……あ、あああ、愛、して、ます……」カァ
ほむら「まどか、落ち着いて……」
まどか「うぅ……」
まどか(何だかほむらちゃんに愛してるって言ってる気になっちゃう……)
ほむら「まどか、もう1回やってみましょう」
ほむら「……今日はここまでにしましょう」
まどか「ごめんねほむらちゃん…全然進めなくて……」
ほむら「まだ本番まで時間はあるから大丈夫よ」
まどか「うん…もっと自然に言えるように家でも練習してみるよ……」
ほむら「それがいいわね」
まどか「それじゃほむらちゃん、また明日……」バタン
ほむら「また明日…まどか、大丈夫かしら……」
――――――
まどか「寝る前に少し練習しておこうかな」
まどか「……ふぅー…よし」
まどか「あぁ騎士様、私はあなたを愛してます」
まどか「……ひとりでやったらこんなものかなぁ……」
まどか「鏡の自分を相手に見立てて…あぁ騎士様、私はあなたを愛してます」
まどか「……言えた…かな。自分が相手だからちょっと不安だけど……」
まどか「……まぁ、明日また練習したらいいよね。本番までまだあるんだし」
まどか「ふぁ…今日はそろそろ寝ようっと……」
――翌日――
仁美「……そういうわけで、衣装は明日にも出来上がると思いますわ」
まどか「そ、そうなんだ…早いね……」
仁美「えぇ。衣装があれば練習も捗るかと思いまして」
ほむら「衣装のことはお願いするわね」
仁美「はい、お任せください。……それでは私、さやかさんを手伝ってきますわ」
まどか「さやかちゃん、何かしてるの?」
仁美「えぇ、木や草やらを作ってるそうです。……それでは、失礼しますね」
まどか「う、うん…頑張ってね」
ほむら「それじゃまどか、私たちも行きましょうか」
ほむら「……それで、自然に言えるようになったかしら?」
まどか「うーん…まだちょっと自信ないかなぁ……」
まどか「昨日の夜に鏡の自分に向かって言ったり、今朝パパとママ相手に言ってみたりはしたけど……」
ほむら「それじゃ、昨日と同じところからやってみましょうか」
まどか「うん、今日は言えるように頑張るよ」
ほむら「おぉ姫よ、あなたは何と美しい……」
まどか(やっぱり…ほむらちゃん、すごくかっこいいな……)
まどか(お姫様を守ってくれるのが騎士様って言うけど……)
まどか(それならわたしのことを守ってくれたほむらちゃんは…わたしの……)
まどか(……って、そんなわけないよ!ほむらちゃんとは友達だよ!)
ほむら「……か…まどか……」
まどか「え……」
ほむら「まどか?何だかぼーっとしてるみたいだけど大丈夫かしら?」
まどか「あ…うん、何でもないよ」
ほむら「そう……?それじゃ、次はまどかの番よ」
まどか「あぁ騎士様、私はあなたを……」
まどか「あ…あああ、愛…愛して……」カァ
ほむら「……まだちょっと駄目みたいね」
まどか「うぅ……」
まどか(さっきあんなこと考えたせいか、余計にほむらちゃんのこと、意識しちゃう……)
ほむら「もう1回やってみましょう。まどか、頑張って」
――――――
ほむら「……やっぱり、まだ自然に、とはいかないわね」
まどか「ごめんねほむらちゃん……」
ほむら「何も謝らなくても……」
まどか「でも……」
ほむら「……少し休憩にしましょう。何か持ってくるわね」
まどか「あ、うん……」
まどか(やっぱり…どうしてもほむらちゃんを意識しちゃう……)
まどか(そりゃ、ほむらちゃんはかっこいいし、わたしのこと、守ってくれたけど……)
まどか(あくまで友達としてであって…このお話のお姫様と騎士様みたいなわけ……)
ほむら「ごめんなさい、今何もなくて…まどか?」
まどか「ひゃあっ!?」
ほむら「ま、まどか!?」
まどか「あ…ほむらちゃん……」
ほむら「ど、どうしたの?」
まどか「な、何でもないよ。ちょっと考え事してただけだよ」
ほむら「……焦っても仕方ないわ。少しずつ言えるようになればいいわ」
まどか「うん……」
――――――
ほむら「……さて、今日はここまでにしましょう」
まどか「うぅ…今日もあんまり進めなかったよ……」
ほむら「愛してる、とかそういうところ意外は普通に言えてるんだから、ちゃんと進めてるから大丈夫よ」
ほむら「そこを普通に言えるようになるには…練習するしかないわね」
まどか「うん…頑張るよ」
ほむら「明日には衣装も来るみたいだし、進められるだけ進めた方がよさそうね」
まどか「うん…それじゃ、今日は帰るね」
ほむら「まどか、また明日ね」
まどか「うん、また明日」
――翌日――
さやか「さーて、お昼お昼っと」
マミ「あら、今日暁美さんは?」
まどか「ほむらちゃんは衣装受け取りに行ってるんです」
マミ「そうなの?それじゃ、今日は3人でのお昼になりそうね」
杏子「3人じゃねえ、4人だ」ヒョコ
さやか「うわっ!?きょ、杏子!?あんた何でここに!?」
杏子「昼飯貰いに来た」
マミ「堂々と侵入するのはやめなさい……」
杏子「えー、何だよー」
マミ「それで2人とも、準備は進んでるかしら?」
さやか「あたしは準備らしい準備と言っても、木ですからね……」
杏子「何だ、さやかは木の役なのか?落ち着きのないさやかに務まるのかよ」
さやか「何をー!?このさやかちゃんの素晴らしい木っぷりを……」ギャーギャー
マミ「ふふ…鹿目さん、練習は進んでる?」
まどか「あ…それが……」
マミ「……なるほど、気持ちを伝える台詞がうまく言えないのね……」
まどか「他の人だったら言えたのかもしれません。……でも、相手がほむらちゃんだから……」
まどか「何だかほむらちゃんに言ってるような気がして、余計に意識しちゃって……」
マミ「……そうだ、私たちに言ってみたらどうかしら」
まどか「え?」
マミ「自分がよく知ってる暁美さんが相手だから緊張してしまうのなら、きっと私たち相手でもそうなるんじゃないかしら」
マミ「だから私たちに言えたなら、きっと暁美さんにも言えるようになると思うわ」
まどか「そう…ですね。それじゃマミさん、お願いできますか?」
マミ「えぇ、もちろんよ。……ほら、2人とも鹿目さんの練習、見てあげましょう」
さやか「はーい」
杏子「へいへい」
まどか「それじゃまずさやかちゃんに…あぁ騎士様、私はあなたを愛してます」
さやか「ん?まどか、ちゃんと言えてるじゃん」
まどか「あ、あれ?じゃあ次にマミさんに…あぁ騎士様、私はあなたを愛してます」
マミ「ちゃんと言えてるわね」
まどか「最後に杏子ちゃんに…あぁ騎士様、私はあなたを愛してます」
杏子「あぁ、ちゃんと言えてるな」
まどか「おかしいなぁ…昨日までは全然だったのに」
さやか「何にせよ、言えるようになったんならいいじゃない」
まどか「うーん…まぁ……」
キーンコーンカーンコーン
マミ「あら、予鈴ね…結局暁美さん、来れなかったわね」
さやか「さーて、残りの授業も頑張るかー。杏子、あんたは早く帰りなさいよ」
杏子「へーへー、わかってるよ。じゃ、またな」
まどか(昨日まで全然言えなかったのに、どうして急に言えるようになったんだろう……)
まどか(でも…言えるようになったのなら、それでいいのかな)
まどか(今日からはバリバリ練習できそうだよ)
――――――
ほむら「それじゃ、練習を始めるけど……」
ほむら「まどか、言えるようになったかしら?」
まどか「うん、お昼にさやかちゃんたちと練習したんだ」
ほむら「さやかたちと?」
まどか「うん。相手がほむらちゃんだから、その…好きだって伝える台詞がどうしても恥ずかしくて……」
まどか「でも、さやかちゃんにもマミさんにも杏子ちゃんにも言えたから、もう大丈夫だよ」
ほむら「それならもう大丈夫そうね。それと、衣装受け取ってきたけど…着て練習する?」
まどか「そう…だね。その方がいいかも」
ほむら「それじゃ…これ、お姫様の衣装ね。私は向こうの部屋で着替えてくるわね」
まどか「……着てみたのはいいけど……」
まどか「うぅ…似合ってるのかな、これ……」
ガチャ
まどか「あ、ほむらちゃん、これ似合って……」
まどか「あ…ほ、ほむ……」
ほむら「似合ってるのかしら、これ…まどかは大丈夫そうね。よく似合ってるわ」
まどか「あ、うん、ありがと……」カァ
まどか(ほ、ほむらちゃん…すごく似合ってるよ……)
ほむら「まどか?」
まどか「ひゃ、ひゃいっ!?」
ほむら「まどか?どうかした?」
まどか「う、ううん、ほむらちゃん、すごく似合ってて、それで……」
ほむら「そうかしら……?ありがとう、まどか」
ほむら「それじゃ、練習始めましょうか」
まどか「う、うん」
ほむら「おぉ姫よ、あなたは何と美しい……」
まどか(そんなはず…そんなはずないのに……)
まどか(どうしてもほむらちゃんに言われてる気に……)
ほむら「私が一生、あなたを守ってみせましょう」
ほむら『私が一生、まどかを守ってみせるわ』
まどか(……っ!)
まどか(そんなはず…そんなはず、ない!)ブンブン
ほむら「……ふぅ。次はまどかの番よ」
まどか「……」
まどか(ど、どうしよう……)
まどか(普段のほむらちゃんになら不自然ながらにも言えてたけど……)
まどか(今のほむらちゃんには…言えそうにないよ……)
ほむら「まどか?」
まどか「な、何でもない、何でもないよ!」
ほむら「そう?それじゃ、頑張って」
まどか「う、うん」
まどか「あぁ騎士様、私は…あな、あなた、を……」
まどか「あ、あああ、あ……」カァ
ほむら「言えるようになったんじゃなかったの?」
まどか「う、うん…そのはずなんだけど……」
ほむら「……今日はここで切り上げましょう」
まどか「え?」
ほむら「今日のまどか、何だか様子がおかしいみたいだから……」
まどか「そ、そんなことないと思うけど」
ほむら「そう?まぁとにかく、今日はこれでおしまいにしましょう」
まどか「う、うん…わたし、着替えて来るね……」バタン
ほむら「まどか……?」
――――――
まどか「はぁ……」
まどか(どうして言えないんだろう…さやかちゃんやマミさん、杏子ちゃんには言えたのに……)
まどか(ほむらちゃんが相手だと、どうしても言えなくなっちゃう……)
まどか(そもそも、どうしてほむらちゃんが相手だと、あんなにも意識しちゃうんだろう)
まどか(あの衣装のさやかちゃんたちを思い浮かべても何ともないけど)
まどか(ほむらちゃんだと……)
まどか(だ、ダメ…また真っ赤になっちゃう……)カァ
まどか「うぅ…今日はもう寝よう……」
――――――
ほむら「まどか……」
ほむら「まどか…あなたは本当に可愛いわ……」
ほむら「まどかのことは…私が、一生守ってみせる」
ほむら「まどか…私は、あなたのことが……」
ほむら「大好きよ」
――――――
まどか「……はっ!」
まどか「……ゆ、夢…かぁ……」
まどか(い、いくらなんでもあんな夢見るなんて……)
まどか(ほ、ほむらちゃんがわたしを好きだなんて…あるわけないよ!)
まどか(今日、ほむらちゃんと普通に接する自信、ないよ……)カァ
まどか(……でも、嬉しいなぁ……)
コンコン
知久「まどか?起きてるかい?」
まどか「お、起きてるよ!」
まどか「おはよう、さやかちゃん」
さやか「おはよ、まどか」
まどか「あれ、仁美ちゃんは?」
さやか「演劇の用事で先に行ったよ」
まどか「そっか。それじゃ、わたしたちも行こっか」
さやか「ん、そだね」
さやか「……お、あれ、ほむらじゃない?」
まどか「え!?」
さやか「おーい、ほむらー」
まどか(どどど、どうしよう!?)
ほむら「あら、まどかにさやか。おはよう」
まどか「おおお、おはよう、ほむらちゃん」
まどか(ほむらちゃんを意識しすぎて…普通に話せないよ……!)
ほむら「まどか?どうかしたの?」
まどか「え!?えーと、その…わ、わたし、先に行くね!」ダッ
ほむら「え?ちょっと、まどか?……どうしたのかしら」
さやか(まどかの奴、まさか…ね)
――放課後 ほむらの家――
ほむら「……まどか、今日はなんだか1日様子がおかしかったけど……」
まどか「ご、ごめんねほむらちゃん、何でもないよ、何でも……」
ほむら「そう……?それじゃ練習だけど、そろそろ全体での練習になるだろうから、今日は最後まで通してみましょう」
まどか「さ、最後までって、その…キキキ、キスまで!?」
ほむら「そうね。前にも言ったけど、あくまでフリだから安心して」
まどか(ほ、本当にどうしよう!?)
まどか(ほむらちゃんを意識しすぎてる今のわたしには、それさえ危ういよ……!)
ほむら「それじゃ、始めましょうか」
ほむら「……姫、もう私とあなたの間に、障害はありません」
まどか「き、騎士様、私、どこまでもついて行きます……」
ほむら「では、愛の口付けを」
まどか「は、はは、はい……」
ほむら「……ここでキスするみたいね」
まどか(き、キス…ほむらちゃんと、キス……!?)カァ
まどか(……だ、だからフリだってば!何考えてるのわたしは!?)
ほむら「……?まどか、あなた……」
スッ
まどか(え……?ほ、ほむらちゃんの手が、ほっぺに……?)
まどか(ほ、ほむらちゃんが、近づいてきて……!)
まどか(ほ、ほほほ、ほむらちゃん!近い、近いよ!)
まどか(ふ、フリならもういいでしょ!?これ以上はわたし……!)
コツン
まどか「……え?」
ほむら「……まどか、大丈夫?何だか熱っぽいわよ?」
まどか(ほ、ほむらちゃんのおでこが、わたしのおでこに……)
ほむら「まどか、熱っぽいのなら無理しないで言って頂戴。倒れてしまっては元も子もないわ」
まどか「あ、ありがとう、ほむらちゃん」
まどか(ほむらちゃんのせいとは…言えないよね……)
ほむら「ほら、今日は早く帰って休みなさい」
まどか「うん…ごめんね、ほむらちゃん……」
まどか「はぁ……」
まどか(ほんとに…どうしちゃったんだろう、わたし……)
まどか(演技だって、わかってるはずなのに…ほむらちゃんのことを考えると、すごくドキドキする……)
まどか(こんなにもほむらちゃんのこと、意識しちゃうなんて……)
まどか(もう自分じゃどうしたらいいかわからないし……)
まどか(マミさんに相談してみようかな……)
――マミの家――
まどか「突然すいません、マミさん」
マミ「いいのよ。気にしないで」
杏子「そうそう、遠慮すんなって」
マミ「佐倉さんの言うことじゃないわよ、それ……」
さやか「それで、どうしたのさ?ほむらと練習してたんじゃないの?」
まどか「うん…ちょっと、相談があるの……」
マミ「相談?」
まどか「はい…実は……」
マミ「……なるほどね」
さやか「ほうほう……」
杏子「へぇ……」
まどか「わたし…どうしちゃったんですかね……」
さやか「んー…まぁ答えてもいいけど、本来自分で気づいた方がいいと思うんだよねー、これ」
マミ「そうね。……ただ、鹿目さんは練習に影響が出てるわけだし、教えた方がいいかもしれないわね」
まどか「そ、それで、わたしは……」
さやか「……まどかはさ、ほむらのこと、好きになっちゃったんだよ」
まどか「え……?」
マミ「それも友達としてではなく、特別な人として、ね」
まどか「わ、わたし…ほむらちゃんのこと……?」
杏子「そこまでほむらを意識してるんなら、間違いないと思うけどねぇ」
まどか「で、でも、わたしもほむらちゃんも女の子なんだよ?そんなこと……」
さやか「好きになっちゃったら、そんなこと関係ないんじゃないかな」
まどか「そう…なのかな……」
さやか「今朝のテンパり具合見て、まさかとは思ったけど本当だったとはねぇ」
まどか「そっか…わたし、ほむらちゃんのことが、好き…なんだ」
マミ「それで、鹿目さんはどうするの?」
まどか「……わたし、付き合うっていうのがどんなのかよくわからないけど…ほむらちゃんに、想いを伝えてみます」
まどか「この想いは嘘じゃないって、そう思うし…何より……」
まどか「夢でだったけど、ほむらちゃんに好きって言われて…すごく、嬉しかったから……」
マミ「そう…頑張ってね。応援してるわ」
まどか「それで、わたしのこの気持ちが何なのかわかったのはいいんですけど……」
まどか「明日からの練習、余計に大変なことになるような気が……」
マミ「そう言われると……」
杏子「好きなほむら相手に演技とはいえ、好きだ何だと言い合うわけだしな」
さやか「うーん…そうだ、こうしたらどうかな」
まどか「さやかちゃん?」
さやか「えっとね…ごにょごにょ……」
――数日後――
ほむら「……姫、これからはずっと一緒です……」
まどか「はい…私、幸せです……」
ほむら「私も、幸せです……」
さやか「……はいカーット!2人とも、完璧だよ!」
ほむら「ふぅ…そうかしら?」
さやか「最初はあんな嫌そうにしてたのにねぇ」
ほむら「うるさいわね。選ばれた以上、全力でやりたいだけよ」
さやか「なにしろ相手はかわいいかわいいまどかだしね」
ほむら「な、何言ってるのよ…まぁ、まどかが可愛いってのは本当だけど」
まどか「ほ、ほむらちゃん……」カァ
ほむら「でも、まどかの上達ぶりには驚いたわ」
まどか「そ、そうかな?」
ほむら「最初はあんなに恥ずかしがってたのに、今じゃ堂々と言えるようになって…凄いわ」
まどか「相手がほむらちゃんだったから…言えるようになったんだよ」
ほむら「そう…なの?そう言われると嬉しいわね」
まどか(さやかちゃんから教えてもらった方法…うまく行ってよかった……)
まどか(演劇での好きだの何だのは、全て告白までの練習だと思えって…最初はどうなるかと思ったけど)
まどか(これなら、明日の本番もうまく行きそうだよ)
さやか「さて、最後の全体練習もうまく行ったし、あとは明日を成功させるだけだね」
まどか「うん…ほむらちゃん、頑張ろうね」
ほむら「えぇ、必ず成功させてみせるわ」
さやか「それじゃ2人とも、今日はこれでおしまいね」
まどか「え?さやかちゃんは?」
さやか「あー…ちょっとまだ木の役がうまく行かなくてね。居残りだよ」
ほむら(わけがわからないわ……)
まどか「そ、そうなんだ…それじゃさやかちゃん、先に帰るね……」
さやか「2人とも、明日は頼むよー」
――――――
まどか「……こうしてほむらちゃんと帰るの、久しぶりだね」
ほむら「そうね…私の家で練習してた時以来かしらね」
ほむら「でも、まどかの上達には本当に驚かされたわ。日に日に上手くなっていくんですもの」
まどか「あなたへの愛があれば、恐れるものなど何もありません……」
ほむら「え!?……あ、あぁ、演劇の台詞ね…全く、驚いたわ」
まどか「うぇひひ、ごめんね?」
まどか「でも今のわたしなら、フリじゃないキスも出来そうだよ」
ほむら「も、もう…冗談言わないの」
まどか(演劇の台詞と展開を使っちゃったけど…冗談なんかじゃないよ、ほむらちゃん)
まどか(わたし…ほむらちゃんが、大好きなんだよ……)
まどか(ほむらちゃんが好きだってわかった日から…色んなほむらちゃんを見て、ほむらちゃんのこと、もっと好きになったんだよ)
まどか(明日は演劇の本番。そして…わたしの告白の本番)
まどか(絶対に成功させてみせる。演劇も、告白も)
まどか「ほむらちゃん…明日、演劇が終わったら…ほむらちゃんに伝えたいことがあるんだ」
ほむら「私に?」
まどか「うん…それで、演劇が終わったら屋上に来てほしいんだ」
ほむら「屋上ね、わかったわ」
まどか「うん。……それじゃほむらちゃん、明日は頑張ろうね」
ほむら「えぇ、頑張りましょう」
――文化祭当日――
ザワザワ
マミ「えっと、佐倉さんは……」
杏子「マミ、こっちだ」
マミ「場所取りありがとう。はい、これ」
杏子「お?何だ、ポップコーンか。ありがとな」
マミ「ふふ…それにしても、佐倉さんも演劇、気になってたの?」
杏子「そりゃ…な。あの相談の元になった演劇ってどんなのだろう、ってな」
『それではこれより、演劇を開演します』
マミ「始まるみたいね。……みんな、頑張って」
ほむら「おぉ姫よ、あなたは何と美しい……」
まどか「あぁ騎士様、私はあなたを愛してます……」
ほむら「私が一生、あなたを守ってみせましょう」
まどか「騎士様……」
杏子「はー…すげぇな2人とも……」
マミ「練習の成果ね。……それで」
さやか「……」プルプル
マミ「何で美樹さんは震えてるのかしら」
杏子「……じっとしてられないんじゃないか?」
ほむら「……姫、もう私とあなたの間に、障害はありません」
まどか「騎士様…私、どこまでもついて行きます……」
ほむら「では、愛の口付けを」
まどか「はい……」
杏子「どういうことだオイ…あいつら、キスしてるじゃねぇか……」
マミ「フリよ、フリ。本当にやれなんて台本、普通OK出ないわよ」
杏子「な、なんだそういうことか……」
ほむら「……姫、これからはずっと一緒です……」
まどか「はい…私、幸せです……」
ほむら「私も、幸せです……」
『Fin』
杏子「……はー、いや、面白かったな。2人の演技はすげぇし」
マミ「えぇ…演技もだけど、このお話作った人も凄いわ。感動したわ……」
杏子「さて、そんじゃあいつらを労いに行くか」
マミ「ふふ、そうね」
さやか「あ、マミさん!杏子!」
杏子「おっす」
マミ「美樹さん、お疲れさま。演劇、面白かったわ」
さやか「ありがとうございます!それで、どうでした?あたしの木っぷりは」
マミ「えっ!?え、えーと、よかったと思うわ……」
杏子「あ、あぁ、木っぽかったな……」
さやか「練習、大変だったんですよ?」
マミ(練習ってどういうことなの……?)
杏子(さやかが何を言ってるのかわからねぇ……)
マミ「そういえば、鹿目さんと暁美さんは?」
さやか「あの2人は…第2幕のために、屋上に……」
マミ「そう…うまく行くといいわね……」
さやか「はい……」
――――――
ほむら「……まどか?」ガチャ
まどか「あ、ほむらちゃん」
ほむら「ごめんなさい、遅くなってしまって……」
まどか「ううん、大丈夫だよ。……話すことの前に、ほむらちゃん、演劇お疲れさま」
ほむら「えぇ。まどかもお疲れさま。今までで最高の出来だったと思うわ」
まどか「そうかな…そうだったら嬉しいなぁ」
ほむら「まどかのお姫様、とても可愛かったわ」
まどか「ほむらちゃんだって、すごくかっこよかったよ」
まどか「それで…伝えたいことなんだけど……」
ほむら「えぇ、何かしら?」
まどか(何だろう…これから告白するはずなのに……)
まどか(……すごく、落ち着いていられる)
まどか(今まで、想いを伝える台詞は…失敗続きだったけど……)
まどか(こればっかりは…絶対、失敗できない。でも……)
まどか(……大丈夫。言える……!)
まどか「ほむらちゃん……」
まどか「わたしは…ほむらちゃんのことが、大好きです」
まどか(言った…言っちゃった……)
ほむら「え…まどか……?」
まどか「友達としてじゃなく、特別な人として…ほむらちゃんが、大好き」
ほむら「え…ええぇ!?え!?」
ほむら「ま、まどか…その、本当…なの?」
まどか「うん。演技でも、冗談でもない」
まどか「わたしの、心からの想いだよ」
ほむら「そ、そうなの……」
ほむら「ま、まどかはどうして私を……?」
まどか「うん…ほむらちゃん、騎士役だったでしょ?2人で練習してるときにね……」
まどか「お姫様を守るのが騎士様なら…わたしを守ってくれたほむらちゃんは、わたしの…騎士様だなって……」
まどか「そんなこと考えて…それからほむらちゃんのこと、意識するようになったの」
まどか「ちょっと前に1日様子が変だって言った日があったでしょ?実はあの日、夢でね……」
まどか「ほむらちゃんに好きだって、そう言われたの」
ほむら「わ、私に……?」
まどか「うん…今思えば、あの夢を見る前からほむらちゃんのこと、好きになってたんだと思う……」
まどか「それからも、色んなほむらちゃんを見る度…ほむらちゃんのこと、どんどん好きになっちゃったんだ」
まどか「……女の子同士なんておかしいのかもしれないけど…これが、わたしが伝えたかった…こと」
ほむら「……」
ほむら「……私は、今まで誰かに好きだって、そんな風に想ってもらえることなんてなかった。だけど……」
ほむら「まどかに好きだって言ってもらえて…私のこと、そんな風に想ってくれて…すごく嬉しい。何より……」
ほむら「お姫様のまどか、演劇の練習をしてるまどか、普段のまどか…どんなまどかも、とても可愛かった」
ほむら「可愛いまどかをもっと見ていたい。まどかともっと一緒にいたい。だから……」
ほむら「私もまどかのことが…好き」
まどか「……っ」
まどか「……ほん、と?」
ほむら「えぇ…本当よ」
まどか「そっか…よかっ…た……」ポロポロ
まどか「ほむらちゃん…ありがとう、ほむらちゃん……!」
ほむら「まどか、泣かないで」
まどか「だって…だって、ほむらちゃんに……」ポロポロ
まどか「好きって言ってもらえるなんて…思ってなかった、から……」
まどか「夢じゃなくて、現実で…言ってもらえるなんて……」
まどか「嬉しいのに…嬉しいはずなのに……!」
まどか「涙が、止まらないよ……」
ほむら「まどか……」ギュウ
――――――
ほむら「もう落ち着いたかしら?」
まどか「……うん。ありがとう、ほむらちゃん」
ほむら「それで、私たちは恋人同士になったのよね?」
まどか「う、うん。そうだね」
ほむら「それなら、フリで済ませちゃったことをやりたいと思うんだけど……」
まどか「え、あ、そ、そうだね……」カァ
まどか(うまく行ったならこうなるだろうってわかってたけど…それでもやっぱり……)
まどか「で、でもほむらちゃん…本当にわたしなんかで…いいの?」
ほむら「まどかだから、よ。まどか以外となんてお断りよ」
まどか「ほむらちゃん……」
ほむら「まどか、目を閉じて……」
まどか「うん……」
ほむら「まどか…ありがとう。私を好きって言ってくれて……」
ほむら「大好きよ、まどか……」
まどか「んっ……」
ほむら「ん…んっ……」
まどか(あぁ…わたし、ほむらちゃんとキス…してるんだ……)
まどか(ちょっと恥ずかしいけど、でも…それ以上に、幸せだよ……)
ほむら「……ぷはっ」
まどか「ぷぁっ……」
まどか「うぇひひ…しちゃった、ほむらちゃんと……」
ほむら「私はこれが初めてだし、まどかもそうだと思うけど…どうだった?」
まどか「うん…すごく柔らかかったよ……」
ほむら「そ、そう……」カァ
まどか「ほむらちゃん」ギュウ
ほむら「ふふ、何?」
まどか「ほむらちゃんと無事に恋人になれたんだし、デートに行こうよ」
ほむら「え、デート?」
まどか「今日は文化祭だよ?色々見て回ろうよ」
ほむら「そうね…そうしましょうか」
まどか「ほむらちゃん、早く行こうよ!」
ほむら「えぇ。それじゃ行きましょう、私のまどか姫……」
まどか「うん。よろしくね、わたしのナイト様……」
Fin
これで完結です
最後まで読んでいただき、ありがとうございました
元スレ
中沢「それに騎士ってだけだから男子じゃないとダメってこともないと思うよ」
ほむら「で、でも!」
女子生徒「暁美さん、その辺の男子よりずっとカッコいいから大丈夫だよ」
女子生徒「そうだよ、中沢や上条なんて目じゃないって!」
女子生徒「暁美さんならきっと騎士役、演じられるよ!」
ほむら「……素直に喜べないわ……」
4: ◆SjWXMdM6SY 2012/10/27(土) 01:25:51.91 ID:b/7X/XnQo
ほむら「な、ならせめて姫役を代えて頂戴」
ほむら「選ばれたってだけで、まどかが真っ赤になってるわ」
まどか「わ…わた、わたし…お姫様…主役……」カァ
さやか「まどかー、大丈夫かー?」
まどか「うぅ……」
中沢「鹿目さんも圧倒的多数で選ばれたんだけど……」
ほむら「あぁ…どうしてこんなことに……」
中沢「というか暁美さん、鹿目さんのときに挙手してたよね?」
5: ◆SjWXMdM6SY 2012/10/27(土) 01:26:29.00 ID:b/7X/XnQo
女子生徒「でもお姫様の役が鹿目さんだったから、暁美さんが騎士の役に選ばれたんだと思うよ」
ほむら「え?」
女子生徒「だって暁美さん、いつも鹿目さんを気にかけてるし」
女子生徒「そうそう。なんていうか、守ってるって感じ?」
ほむら「そ、それは……」
女子生徒「だから暁美さんと鹿目さんなら絶対上手く行くって」
ほむら「くっ……」
ほむら(何か…何か他に言い訳を……)
6: ◆SjWXMdM6SY 2012/10/27(土) 01:27:29.49 ID:b/7X/XnQo
中沢「それでは他には何もないみたいなのでこれで終了です」
ほむら(しまった、時間切れ……!?)
中沢「脚本係の志筑さん、台本は……」
仁美「ほぼ出来上がっているので、明日にもお届けできると思いますわ」
仁美(あのお2人が主演…これは演出を少し書き直さないとなりませんわね)
中沢「それじゃ今日はこれで終わりです。みんな、放課後までありがとう」
ほむら(どうしよう……)
まどか「主役…わたし、主役…ウェヒヒヒヒ」
さやか「まどか、いい加減帰って来なさいって」
7: ◆SjWXMdM6SY 2012/10/27(土) 01:28:21.93 ID:b/7X/XnQo
――マミの家――
さやか「……ってことになったんですよ」
マミ「それであの2人はあんなことになってるのね」
ほむら「……」ブツブツ
まどか「……」カァ
マミ「ちなみに美樹さんは何の役なの?」
さやか「……木・草その他背景です」
マミ「……何と言うか、その……」
さやか「あの手の木とかって何でわざわざ顔出すんですかね……」
8: ◆SjWXMdM6SY 2012/10/27(土) 01:28:59.66 ID:b/7X/XnQo
ほむら「はぁ……」
さやか「お、先にほむらが戻ってきたか」
ほむら「どうして私が騎士役なんて……」
さやか「しょうがないじゃん。選ばれちゃったんだしさ」
ほむら「それはそうだけど……」
さやか「木のあたしからしてみれば、主役をやりたくないなんて贅沢だよ」
ほむら「そう…なのかしら」
9: ◆SjWXMdM6SY 2012/10/27(土) 01:29:46.09 ID:b/7X/XnQo
マミ「でもあなたたちならお似合いよ?」
ほむら「どういうことよ」
マミ「鹿目さんを救うために何度も何度もやり直して……」
マミ「そしてこの時間で守り抜いた…そうでしょう?」
さやか「まさにまどか姫を救ったナイト様じゃん」
ほむら「そう言われても……」
まどか「……姫…わたし、主役……」カァ
さやか「うわ、姫に反応した…まどか、いい加減戻りなさいって」ペシペシ
まどか「……はっ、さやかちゃん……?」
さやか「はい、おかえり」
10: ◆SjWXMdM6SY 2012/10/27(土) 01:30:17.63 ID:b/7X/XnQo
まどか「で、でもわたしがお姫様だなんて……」
まどか「自信…ないなぁ……」
さやか「でもせっかくの主役じゃん。頑張ってみなよ」
マミ「そうね。暁美さんもついてるし」
まどか「で、でもほむらちゃんも嫌なんだよね?誰か代わってくれる人探して……」
ほむら「……」
まどか「ほむらちゃん?」
11: ◆SjWXMdM6SY 2012/10/27(土) 01:31:02.47 ID:b/7X/XnQo
ほむら「……まどか、覚悟を決めましょう」
まどか「えぇ!?」
ほむら「こうなった以上、もう逃げられないみたいね。なら、やってやろうじゃない」
ほむら「こんなの、ワルプルギスの夜に比べたら何てことないわ」
まどか「ほむらちゃん……」
さやか「ほら、ほむらはやる気になったみたいだよ?」
まどか「……うん。ほむらちゃんがやるのなら、わたしもがんばるよ」
ほむら「それじゃまどか、明日から頑張りましょう」
まどか「うん!」
12: ◆SjWXMdM6SY 2012/10/27(土) 01:31:37.35 ID:b/7X/XnQo
さやか「主役の2人がやる気になってくれたことだし、あたしはそろそろ帰りますね」
マミ「あら、何か用事?」
さやか「演劇の練習しないとなんで」
マミ「え?でも美樹さんって……」
さやか「直立の練習をちょっと」
マミ(それ練習いるのかしら)
さやか「それじゃおじゃましましたー」
13: ◆SjWXMdM6SY 2012/10/27(土) 01:32:14.06 ID:b/7X/XnQo
――翌日――
仁美「……それでは、これが今回の台本ですわ」
まどか「ありがとう、仁美ちゃん」
ほむら(……さすがに文化祭の演劇だし、直接どうこうするようなのはないわよね)
仁美「それでは私はこれで。お2人とも、頑張ってください」
まどか「うん!」
ほむら「それじゃまどか、私たちも行きましょうか」
まどか「そうだね。ほむらちゃん、本番までよろしくね」
ほむら「えぇ。こちらこそよろしく、まどか」
14: ◆SjWXMdM6SY 2012/10/27(土) 01:33:04.76 ID:b/7X/XnQo
――ほむらの家――
ほむら「……それじゃ練習の前にざっと台本を読んで話を理解しておきましょう」
まどか「えーと……」パラパラ
まどか「……お姫様と騎士様が色んな困難を乗り越えて結ばれる話…かな」
ほむら「えぇ…そんな感じね」
まどか「仁美ちゃん、これ自分で作ったのかな…すごいなぁ」
ほむら「それでどうかしら?できそう?」
まどか「大丈夫だと思うけど……」
15: ◆SjWXMdM6SY 2012/10/27(土) 01:33:57.71 ID:b/7X/XnQo
ほむら「どうしたの?」
まどか「話の最後に、その…き、キスをするって……」カァ
ほむら「あぁ…大丈夫よ。あくまでフリだから」
まどか「え?」
ほむら「それはそうでしょう。本当にやれ、なんて台本だったら先生がOK出さないわよ」
まどか「そ、そうだよね…何言ってるんだろう、わたし」
まどか「でも…相手がほむらちゃんでよかったよ」
ほむら「あら、どうして?」
16: ◆SjWXMdM6SY 2012/10/27(土) 01:34:27.60 ID:b/7X/XnQo
まどか「い、いくらフリだからって、他の人とキスするのは……」
ほむら「それは…まぁ……」
まどか「だからほむらちゃんとならって…あ、でもほむらちゃんは……」
ほむら「私もまどかとなら構わないわ。だから気にしないで」
まどか「あ、うん、ありがとう……」カァ
ほむら「さて、それじゃ練習、始めましょうか」
まどか「う、うん……」
17: ◆SjWXMdM6SY 2012/10/27(土) 01:35:23.13 ID:b/7X/XnQo
ほむら「おぉ姫よ、あなたは何と美しい……」
まどか(ほむらちゃん、何だかすごく様になってる…かっこいいなぁ)
まどか(わたしも…あんな風に演じられるかな……)
ほむら「……ふぅ。まどか、どうだったかしら」
まどか「え?あ、すごくかっこよかったよ」
ほむら「ありがとう、まどか。それじゃ、次はまどかの番よ」
まどか「よ、よーし……」
18: ◆SjWXMdM6SY 2012/10/27(土) 01:35:59.29 ID:b/7X/XnQo
まどか「あぁ騎士様、私はあなたを……」
まどか「……あ、あああ、愛、して、ます……」カァ
ほむら「まどか、落ち着いて……」
まどか「うぅ……」
まどか(何だかほむらちゃんに愛してるって言ってる気になっちゃう……)
ほむら「まどか、もう1回やってみましょう」
19: ◆SjWXMdM6SY 2012/10/27(土) 01:36:48.55 ID:b/7X/XnQo
ほむら「……今日はここまでにしましょう」
まどか「ごめんねほむらちゃん…全然進めなくて……」
ほむら「まだ本番まで時間はあるから大丈夫よ」
まどか「うん…もっと自然に言えるように家でも練習してみるよ……」
ほむら「それがいいわね」
まどか「それじゃほむらちゃん、また明日……」バタン
ほむら「また明日…まどか、大丈夫かしら……」
20: ◆SjWXMdM6SY 2012/10/27(土) 01:37:27.03 ID:b/7X/XnQo
――――――
まどか「寝る前に少し練習しておこうかな」
まどか「……ふぅー…よし」
まどか「あぁ騎士様、私はあなたを愛してます」
まどか「……ひとりでやったらこんなものかなぁ……」
まどか「鏡の自分を相手に見立てて…あぁ騎士様、私はあなたを愛してます」
まどか「……言えた…かな。自分が相手だからちょっと不安だけど……」
まどか「……まぁ、明日また練習したらいいよね。本番までまだあるんだし」
まどか「ふぁ…今日はそろそろ寝ようっと……」
21: ◆SjWXMdM6SY 2012/10/27(土) 01:38:16.53 ID:b/7X/XnQo
――翌日――
仁美「……そういうわけで、衣装は明日にも出来上がると思いますわ」
まどか「そ、そうなんだ…早いね……」
仁美「えぇ。衣装があれば練習も捗るかと思いまして」
ほむら「衣装のことはお願いするわね」
仁美「はい、お任せください。……それでは私、さやかさんを手伝ってきますわ」
まどか「さやかちゃん、何かしてるの?」
仁美「えぇ、木や草やらを作ってるそうです。……それでは、失礼しますね」
まどか「う、うん…頑張ってね」
ほむら「それじゃまどか、私たちも行きましょうか」
22: ◆SjWXMdM6SY 2012/10/27(土) 01:39:04.51 ID:b/7X/XnQo
ほむら「……それで、自然に言えるようになったかしら?」
まどか「うーん…まだちょっと自信ないかなぁ……」
まどか「昨日の夜に鏡の自分に向かって言ったり、今朝パパとママ相手に言ってみたりはしたけど……」
ほむら「それじゃ、昨日と同じところからやってみましょうか」
まどか「うん、今日は言えるように頑張るよ」
23: ◆SjWXMdM6SY 2012/10/27(土) 01:39:57.61 ID:b/7X/XnQo
ほむら「おぉ姫よ、あなたは何と美しい……」
まどか(やっぱり…ほむらちゃん、すごくかっこいいな……)
まどか(お姫様を守ってくれるのが騎士様って言うけど……)
まどか(それならわたしのことを守ってくれたほむらちゃんは…わたしの……)
まどか(……って、そんなわけないよ!ほむらちゃんとは友達だよ!)
ほむら「……か…まどか……」
まどか「え……」
ほむら「まどか?何だかぼーっとしてるみたいだけど大丈夫かしら?」
まどか「あ…うん、何でもないよ」
ほむら「そう……?それじゃ、次はまどかの番よ」
24: ◆SjWXMdM6SY 2012/10/27(土) 01:40:34.64 ID:b/7X/XnQo
まどか「あぁ騎士様、私はあなたを……」
まどか「あ…あああ、愛…愛して……」カァ
ほむら「……まだちょっと駄目みたいね」
まどか「うぅ……」
まどか(さっきあんなこと考えたせいか、余計にほむらちゃんのこと、意識しちゃう……)
ほむら「もう1回やってみましょう。まどか、頑張って」
25: ◆SjWXMdM6SY 2012/10/27(土) 01:41:08.85 ID:b/7X/XnQo
――――――
ほむら「……やっぱり、まだ自然に、とはいかないわね」
まどか「ごめんねほむらちゃん……」
ほむら「何も謝らなくても……」
まどか「でも……」
ほむら「……少し休憩にしましょう。何か持ってくるわね」
まどか「あ、うん……」
26: ◆SjWXMdM6SY 2012/10/27(土) 01:42:15.54 ID:b/7X/XnQo
まどか(やっぱり…どうしてもほむらちゃんを意識しちゃう……)
まどか(そりゃ、ほむらちゃんはかっこいいし、わたしのこと、守ってくれたけど……)
まどか(あくまで友達としてであって…このお話のお姫様と騎士様みたいなわけ……)
ほむら「ごめんなさい、今何もなくて…まどか?」
まどか「ひゃあっ!?」
ほむら「ま、まどか!?」
まどか「あ…ほむらちゃん……」
ほむら「ど、どうしたの?」
まどか「な、何でもないよ。ちょっと考え事してただけだよ」
ほむら「……焦っても仕方ないわ。少しずつ言えるようになればいいわ」
まどか「うん……」
27: ◆SjWXMdM6SY 2012/10/27(土) 01:42:57.98 ID:b/7X/XnQo
――――――
ほむら「……さて、今日はここまでにしましょう」
まどか「うぅ…今日もあんまり進めなかったよ……」
ほむら「愛してる、とかそういうところ意外は普通に言えてるんだから、ちゃんと進めてるから大丈夫よ」
ほむら「そこを普通に言えるようになるには…練習するしかないわね」
まどか「うん…頑張るよ」
ほむら「明日には衣装も来るみたいだし、進められるだけ進めた方がよさそうね」
まどか「うん…それじゃ、今日は帰るね」
ほむら「まどか、また明日ね」
まどか「うん、また明日」
39: ◆SjWXMdM6SY 2012/10/27(土) 23:08:16.01 ID:b/7X/XnQo
――翌日――
さやか「さーて、お昼お昼っと」
マミ「あら、今日暁美さんは?」
まどか「ほむらちゃんは衣装受け取りに行ってるんです」
マミ「そうなの?それじゃ、今日は3人でのお昼になりそうね」
杏子「3人じゃねえ、4人だ」ヒョコ
さやか「うわっ!?きょ、杏子!?あんた何でここに!?」
杏子「昼飯貰いに来た」
マミ「堂々と侵入するのはやめなさい……」
杏子「えー、何だよー」
40: ◆SjWXMdM6SY 2012/10/27(土) 23:09:02.10 ID:b/7X/XnQo
マミ「それで2人とも、準備は進んでるかしら?」
さやか「あたしは準備らしい準備と言っても、木ですからね……」
杏子「何だ、さやかは木の役なのか?落ち着きのないさやかに務まるのかよ」
さやか「何をー!?このさやかちゃんの素晴らしい木っぷりを……」ギャーギャー
マミ「ふふ…鹿目さん、練習は進んでる?」
まどか「あ…それが……」
41: ◆SjWXMdM6SY 2012/10/27(土) 23:09:56.38 ID:b/7X/XnQo
マミ「……なるほど、気持ちを伝える台詞がうまく言えないのね……」
まどか「他の人だったら言えたのかもしれません。……でも、相手がほむらちゃんだから……」
まどか「何だかほむらちゃんに言ってるような気がして、余計に意識しちゃって……」
マミ「……そうだ、私たちに言ってみたらどうかしら」
まどか「え?」
マミ「自分がよく知ってる暁美さんが相手だから緊張してしまうのなら、きっと私たち相手でもそうなるんじゃないかしら」
マミ「だから私たちに言えたなら、きっと暁美さんにも言えるようになると思うわ」
まどか「そう…ですね。それじゃマミさん、お願いできますか?」
マミ「えぇ、もちろんよ。……ほら、2人とも鹿目さんの練習、見てあげましょう」
さやか「はーい」
杏子「へいへい」
42: ◆SjWXMdM6SY 2012/10/27(土) 23:10:34.70 ID:b/7X/XnQo
まどか「それじゃまずさやかちゃんに…あぁ騎士様、私はあなたを愛してます」
さやか「ん?まどか、ちゃんと言えてるじゃん」
まどか「あ、あれ?じゃあ次にマミさんに…あぁ騎士様、私はあなたを愛してます」
マミ「ちゃんと言えてるわね」
まどか「最後に杏子ちゃんに…あぁ騎士様、私はあなたを愛してます」
杏子「あぁ、ちゃんと言えてるな」
まどか「おかしいなぁ…昨日までは全然だったのに」
さやか「何にせよ、言えるようになったんならいいじゃない」
まどか「うーん…まぁ……」
43: ◆SjWXMdM6SY 2012/10/27(土) 23:11:16.18 ID:b/7X/XnQo
キーンコーンカーンコーン
マミ「あら、予鈴ね…結局暁美さん、来れなかったわね」
さやか「さーて、残りの授業も頑張るかー。杏子、あんたは早く帰りなさいよ」
杏子「へーへー、わかってるよ。じゃ、またな」
まどか(昨日まで全然言えなかったのに、どうして急に言えるようになったんだろう……)
まどか(でも…言えるようになったのなら、それでいいのかな)
まどか(今日からはバリバリ練習できそうだよ)
44: ◆SjWXMdM6SY 2012/10/27(土) 23:12:08.05 ID:b/7X/XnQo
――――――
ほむら「それじゃ、練習を始めるけど……」
ほむら「まどか、言えるようになったかしら?」
まどか「うん、お昼にさやかちゃんたちと練習したんだ」
ほむら「さやかたちと?」
まどか「うん。相手がほむらちゃんだから、その…好きだって伝える台詞がどうしても恥ずかしくて……」
まどか「でも、さやかちゃんにもマミさんにも杏子ちゃんにも言えたから、もう大丈夫だよ」
ほむら「それならもう大丈夫そうね。それと、衣装受け取ってきたけど…着て練習する?」
まどか「そう…だね。その方がいいかも」
ほむら「それじゃ…これ、お姫様の衣装ね。私は向こうの部屋で着替えてくるわね」
45: ◆SjWXMdM6SY 2012/10/27(土) 23:12:43.59 ID:b/7X/XnQo
まどか「……着てみたのはいいけど……」
まどか「うぅ…似合ってるのかな、これ……」
ガチャ
まどか「あ、ほむらちゃん、これ似合って……」
まどか「あ…ほ、ほむ……」
ほむら「似合ってるのかしら、これ…まどかは大丈夫そうね。よく似合ってるわ」
まどか「あ、うん、ありがと……」カァ
46: ◆SjWXMdM6SY 2012/10/27(土) 23:13:23.82 ID:b/7X/XnQo
まどか(ほ、ほむらちゃん…すごく似合ってるよ……)
ほむら「まどか?」
まどか「ひゃ、ひゃいっ!?」
ほむら「まどか?どうかした?」
まどか「う、ううん、ほむらちゃん、すごく似合ってて、それで……」
ほむら「そうかしら……?ありがとう、まどか」
ほむら「それじゃ、練習始めましょうか」
まどか「う、うん」
47: ◆SjWXMdM6SY 2012/10/27(土) 23:14:03.89 ID:b/7X/XnQo
ほむら「おぉ姫よ、あなたは何と美しい……」
まどか(そんなはず…そんなはずないのに……)
まどか(どうしてもほむらちゃんに言われてる気に……)
ほむら「私が一生、あなたを守ってみせましょう」
ほむら『私が一生、まどかを守ってみせるわ』
まどか(……っ!)
まどか(そんなはず…そんなはず、ない!)ブンブン
ほむら「……ふぅ。次はまどかの番よ」
48: ◆SjWXMdM6SY 2012/10/27(土) 23:14:33.42 ID:b/7X/XnQo
まどか「……」
まどか(ど、どうしよう……)
まどか(普段のほむらちゃんになら不自然ながらにも言えてたけど……)
まどか(今のほむらちゃんには…言えそうにないよ……)
ほむら「まどか?」
まどか「な、何でもない、何でもないよ!」
ほむら「そう?それじゃ、頑張って」
まどか「う、うん」
49: ◆SjWXMdM6SY 2012/10/27(土) 23:15:15.92 ID:b/7X/XnQo
まどか「あぁ騎士様、私は…あな、あなた、を……」
まどか「あ、あああ、あ……」カァ
ほむら「言えるようになったんじゃなかったの?」
まどか「う、うん…そのはずなんだけど……」
ほむら「……今日はここで切り上げましょう」
まどか「え?」
ほむら「今日のまどか、何だか様子がおかしいみたいだから……」
まどか「そ、そんなことないと思うけど」
ほむら「そう?まぁとにかく、今日はこれでおしまいにしましょう」
まどか「う、うん…わたし、着替えて来るね……」バタン
ほむら「まどか……?」
50: ◆SjWXMdM6SY 2012/10/27(土) 23:15:57.97 ID:b/7X/XnQo
――――――
まどか「はぁ……」
まどか(どうして言えないんだろう…さやかちゃんやマミさん、杏子ちゃんには言えたのに……)
まどか(ほむらちゃんが相手だと、どうしても言えなくなっちゃう……)
まどか(そもそも、どうしてほむらちゃんが相手だと、あんなにも意識しちゃうんだろう)
まどか(あの衣装のさやかちゃんたちを思い浮かべても何ともないけど)
まどか(ほむらちゃんだと……)
まどか(だ、ダメ…また真っ赤になっちゃう……)カァ
まどか「うぅ…今日はもう寝よう……」
51: ◆SjWXMdM6SY 2012/10/27(土) 23:16:55.73 ID:b/7X/XnQo
――――――
ほむら「まどか……」
ほむら「まどか…あなたは本当に可愛いわ……」
ほむら「まどかのことは…私が、一生守ってみせる」
ほむら「まどか…私は、あなたのことが……」
ほむら「大好きよ」
――――――
52: ◆SjWXMdM6SY 2012/10/27(土) 23:17:35.03 ID:b/7X/XnQo
まどか「……はっ!」
まどか「……ゆ、夢…かぁ……」
まどか(い、いくらなんでもあんな夢見るなんて……)
まどか(ほ、ほむらちゃんがわたしを好きだなんて…あるわけないよ!)
まどか(今日、ほむらちゃんと普通に接する自信、ないよ……)カァ
まどか(……でも、嬉しいなぁ……)
コンコン
知久「まどか?起きてるかい?」
まどか「お、起きてるよ!」
53: ◆SjWXMdM6SY 2012/10/27(土) 23:18:06.81 ID:b/7X/XnQo
まどか「おはよう、さやかちゃん」
さやか「おはよ、まどか」
まどか「あれ、仁美ちゃんは?」
さやか「演劇の用事で先に行ったよ」
まどか「そっか。それじゃ、わたしたちも行こっか」
さやか「ん、そだね」
54: ◆SjWXMdM6SY 2012/10/27(土) 23:18:52.74 ID:b/7X/XnQo
さやか「……お、あれ、ほむらじゃない?」
まどか「え!?」
さやか「おーい、ほむらー」
まどか(どどど、どうしよう!?)
ほむら「あら、まどかにさやか。おはよう」
まどか「おおお、おはよう、ほむらちゃん」
まどか(ほむらちゃんを意識しすぎて…普通に話せないよ……!)
ほむら「まどか?どうかしたの?」
まどか「え!?えーと、その…わ、わたし、先に行くね!」ダッ
ほむら「え?ちょっと、まどか?……どうしたのかしら」
さやか(まどかの奴、まさか…ね)
55: ◆SjWXMdM6SY 2012/10/27(土) 23:19:36.76 ID:b/7X/XnQo
――放課後 ほむらの家――
ほむら「……まどか、今日はなんだか1日様子がおかしかったけど……」
まどか「ご、ごめんねほむらちゃん、何でもないよ、何でも……」
ほむら「そう……?それじゃ練習だけど、そろそろ全体での練習になるだろうから、今日は最後まで通してみましょう」
まどか「さ、最後までって、その…キキキ、キスまで!?」
ほむら「そうね。前にも言ったけど、あくまでフリだから安心して」
まどか(ほ、本当にどうしよう!?)
まどか(ほむらちゃんを意識しすぎてる今のわたしには、それさえ危ういよ……!)
ほむら「それじゃ、始めましょうか」
56: ◆SjWXMdM6SY 2012/10/27(土) 23:20:17.97 ID:b/7X/XnQo
ほむら「……姫、もう私とあなたの間に、障害はありません」
まどか「き、騎士様、私、どこまでもついて行きます……」
ほむら「では、愛の口付けを」
まどか「は、はは、はい……」
ほむら「……ここでキスするみたいね」
まどか(き、キス…ほむらちゃんと、キス……!?)カァ
まどか(……だ、だからフリだってば!何考えてるのわたしは!?)
ほむら「……?まどか、あなた……」
57: ◆SjWXMdM6SY 2012/10/27(土) 23:20:57.06 ID:b/7X/XnQo
スッ
まどか(え……?ほ、ほむらちゃんの手が、ほっぺに……?)
まどか(ほ、ほむらちゃんが、近づいてきて……!)
まどか(ほ、ほほほ、ほむらちゃん!近い、近いよ!)
まどか(ふ、フリならもういいでしょ!?これ以上はわたし……!)
コツン
まどか「……え?」
ほむら「……まどか、大丈夫?何だか熱っぽいわよ?」
まどか(ほ、ほむらちゃんのおでこが、わたしのおでこに……)
58: ◆SjWXMdM6SY 2012/10/27(土) 23:21:46.81 ID:b/7X/XnQo
ほむら「まどか、熱っぽいのなら無理しないで言って頂戴。倒れてしまっては元も子もないわ」
まどか「あ、ありがとう、ほむらちゃん」
まどか(ほむらちゃんのせいとは…言えないよね……)
ほむら「ほら、今日は早く帰って休みなさい」
まどか「うん…ごめんね、ほむらちゃん……」
59: ◆SjWXMdM6SY 2012/10/27(土) 23:22:29.89 ID:b/7X/XnQo
まどか「はぁ……」
まどか(ほんとに…どうしちゃったんだろう、わたし……)
まどか(演技だって、わかってるはずなのに…ほむらちゃんのことを考えると、すごくドキドキする……)
まどか(こんなにもほむらちゃんのこと、意識しちゃうなんて……)
まどか(もう自分じゃどうしたらいいかわからないし……)
まどか(マミさんに相談してみようかな……)
60: ◆SjWXMdM6SY 2012/10/27(土) 23:23:18.44 ID:b/7X/XnQo
――マミの家――
まどか「突然すいません、マミさん」
マミ「いいのよ。気にしないで」
杏子「そうそう、遠慮すんなって」
マミ「佐倉さんの言うことじゃないわよ、それ……」
さやか「それで、どうしたのさ?ほむらと練習してたんじゃないの?」
まどか「うん…ちょっと、相談があるの……」
マミ「相談?」
まどか「はい…実は……」
61: ◆SjWXMdM6SY 2012/10/27(土) 23:23:59.49 ID:b/7X/XnQo
マミ「……なるほどね」
さやか「ほうほう……」
杏子「へぇ……」
まどか「わたし…どうしちゃったんですかね……」
さやか「んー…まぁ答えてもいいけど、本来自分で気づいた方がいいと思うんだよねー、これ」
マミ「そうね。……ただ、鹿目さんは練習に影響が出てるわけだし、教えた方がいいかもしれないわね」
まどか「そ、それで、わたしは……」
62: ◆SjWXMdM6SY 2012/10/27(土) 23:24:43.92 ID:b/7X/XnQo
さやか「……まどかはさ、ほむらのこと、好きになっちゃったんだよ」
まどか「え……?」
マミ「それも友達としてではなく、特別な人として、ね」
まどか「わ、わたし…ほむらちゃんのこと……?」
杏子「そこまでほむらを意識してるんなら、間違いないと思うけどねぇ」
まどか「で、でも、わたしもほむらちゃんも女の子なんだよ?そんなこと……」
さやか「好きになっちゃったら、そんなこと関係ないんじゃないかな」
まどか「そう…なのかな……」
63: ◆SjWXMdM6SY 2012/10/27(土) 23:27:21.73 ID:b/7X/XnQo
さやか「今朝のテンパり具合見て、まさかとは思ったけど本当だったとはねぇ」
まどか「そっか…わたし、ほむらちゃんのことが、好き…なんだ」
マミ「それで、鹿目さんはどうするの?」
まどか「……わたし、付き合うっていうのがどんなのかよくわからないけど…ほむらちゃんに、想いを伝えてみます」
まどか「この想いは嘘じゃないって、そう思うし…何より……」
まどか「夢でだったけど、ほむらちゃんに好きって言われて…すごく、嬉しかったから……」
マミ「そう…頑張ってね。応援してるわ」
64: ◆SjWXMdM6SY 2012/10/27(土) 23:28:06.84 ID:b/7X/XnQo
まどか「それで、わたしのこの気持ちが何なのかわかったのはいいんですけど……」
まどか「明日からの練習、余計に大変なことになるような気が……」
マミ「そう言われると……」
杏子「好きなほむら相手に演技とはいえ、好きだ何だと言い合うわけだしな」
さやか「うーん…そうだ、こうしたらどうかな」
まどか「さやかちゃん?」
さやか「えっとね…ごにょごにょ……」
73: ◆SjWXMdM6SY 2012/10/28(日) 20:47:17.65 ID:0c6dXwwxo
――数日後――
ほむら「……姫、これからはずっと一緒です……」
まどか「はい…私、幸せです……」
ほむら「私も、幸せです……」
さやか「……はいカーット!2人とも、完璧だよ!」
ほむら「ふぅ…そうかしら?」
さやか「最初はあんな嫌そうにしてたのにねぇ」
ほむら「うるさいわね。選ばれた以上、全力でやりたいだけよ」
さやか「なにしろ相手はかわいいかわいいまどかだしね」
ほむら「な、何言ってるのよ…まぁ、まどかが可愛いってのは本当だけど」
まどか「ほ、ほむらちゃん……」カァ
74: ◆SjWXMdM6SY 2012/10/28(日) 20:47:51.44 ID:0c6dXwwxo
ほむら「でも、まどかの上達ぶりには驚いたわ」
まどか「そ、そうかな?」
ほむら「最初はあんなに恥ずかしがってたのに、今じゃ堂々と言えるようになって…凄いわ」
まどか「相手がほむらちゃんだったから…言えるようになったんだよ」
ほむら「そう…なの?そう言われると嬉しいわね」
まどか(さやかちゃんから教えてもらった方法…うまく行ってよかった……)
まどか(演劇での好きだの何だのは、全て告白までの練習だと思えって…最初はどうなるかと思ったけど)
まどか(これなら、明日の本番もうまく行きそうだよ)
75: ◆SjWXMdM6SY 2012/10/28(日) 20:48:33.95 ID:0c6dXwwxo
さやか「さて、最後の全体練習もうまく行ったし、あとは明日を成功させるだけだね」
まどか「うん…ほむらちゃん、頑張ろうね」
ほむら「えぇ、必ず成功させてみせるわ」
さやか「それじゃ2人とも、今日はこれでおしまいね」
まどか「え?さやかちゃんは?」
さやか「あー…ちょっとまだ木の役がうまく行かなくてね。居残りだよ」
ほむら(わけがわからないわ……)
まどか「そ、そうなんだ…それじゃさやかちゃん、先に帰るね……」
さやか「2人とも、明日は頼むよー」
76: ◆SjWXMdM6SY 2012/10/28(日) 20:49:10.55 ID:0c6dXwwxo
――――――
まどか「……こうしてほむらちゃんと帰るの、久しぶりだね」
ほむら「そうね…私の家で練習してた時以来かしらね」
ほむら「でも、まどかの上達には本当に驚かされたわ。日に日に上手くなっていくんですもの」
まどか「あなたへの愛があれば、恐れるものなど何もありません……」
ほむら「え!?……あ、あぁ、演劇の台詞ね…全く、驚いたわ」
まどか「うぇひひ、ごめんね?」
まどか「でも今のわたしなら、フリじゃないキスも出来そうだよ」
ほむら「も、もう…冗談言わないの」
77: ◆SjWXMdM6SY 2012/10/28(日) 20:49:53.64 ID:0c6dXwwxo
まどか(演劇の台詞と展開を使っちゃったけど…冗談なんかじゃないよ、ほむらちゃん)
まどか(わたし…ほむらちゃんが、大好きなんだよ……)
まどか(ほむらちゃんが好きだってわかった日から…色んなほむらちゃんを見て、ほむらちゃんのこと、もっと好きになったんだよ)
まどか(明日は演劇の本番。そして…わたしの告白の本番)
まどか(絶対に成功させてみせる。演劇も、告白も)
まどか「ほむらちゃん…明日、演劇が終わったら…ほむらちゃんに伝えたいことがあるんだ」
ほむら「私に?」
まどか「うん…それで、演劇が終わったら屋上に来てほしいんだ」
ほむら「屋上ね、わかったわ」
まどか「うん。……それじゃほむらちゃん、明日は頑張ろうね」
ほむら「えぇ、頑張りましょう」
78: ◆SjWXMdM6SY 2012/10/28(日) 20:50:33.33 ID:0c6dXwwxo
――文化祭当日――
ザワザワ
マミ「えっと、佐倉さんは……」
杏子「マミ、こっちだ」
マミ「場所取りありがとう。はい、これ」
杏子「お?何だ、ポップコーンか。ありがとな」
マミ「ふふ…それにしても、佐倉さんも演劇、気になってたの?」
杏子「そりゃ…な。あの相談の元になった演劇ってどんなのだろう、ってな」
『それではこれより、演劇を開演します』
マミ「始まるみたいね。……みんな、頑張って」
79: ◆SjWXMdM6SY 2012/10/28(日) 20:51:03.06 ID:0c6dXwwxo
ほむら「おぉ姫よ、あなたは何と美しい……」
まどか「あぁ騎士様、私はあなたを愛してます……」
ほむら「私が一生、あなたを守ってみせましょう」
まどか「騎士様……」
杏子「はー…すげぇな2人とも……」
マミ「練習の成果ね。……それで」
さやか「……」プルプル
マミ「何で美樹さんは震えてるのかしら」
杏子「……じっとしてられないんじゃないか?」
80: ◆SjWXMdM6SY 2012/10/28(日) 20:51:45.53 ID:0c6dXwwxo
ほむら「……姫、もう私とあなたの間に、障害はありません」
まどか「騎士様…私、どこまでもついて行きます……」
ほむら「では、愛の口付けを」
まどか「はい……」
杏子「どういうことだオイ…あいつら、キスしてるじゃねぇか……」
マミ「フリよ、フリ。本当にやれなんて台本、普通OK出ないわよ」
杏子「な、なんだそういうことか……」
81: ◆SjWXMdM6SY 2012/10/28(日) 20:52:21.37 ID:0c6dXwwxo
ほむら「……姫、これからはずっと一緒です……」
まどか「はい…私、幸せです……」
ほむら「私も、幸せです……」
『Fin』
杏子「……はー、いや、面白かったな。2人の演技はすげぇし」
マミ「えぇ…演技もだけど、このお話作った人も凄いわ。感動したわ……」
杏子「さて、そんじゃあいつらを労いに行くか」
マミ「ふふ、そうね」
82: ◆SjWXMdM6SY 2012/10/28(日) 20:52:57.56 ID:0c6dXwwxo
さやか「あ、マミさん!杏子!」
杏子「おっす」
マミ「美樹さん、お疲れさま。演劇、面白かったわ」
さやか「ありがとうございます!それで、どうでした?あたしの木っぷりは」
マミ「えっ!?え、えーと、よかったと思うわ……」
杏子「あ、あぁ、木っぽかったな……」
さやか「練習、大変だったんですよ?」
マミ(練習ってどういうことなの……?)
杏子(さやかが何を言ってるのかわからねぇ……)
マミ「そういえば、鹿目さんと暁美さんは?」
さやか「あの2人は…第2幕のために、屋上に……」
マミ「そう…うまく行くといいわね……」
さやか「はい……」
83: ◆SjWXMdM6SY 2012/10/28(日) 20:53:27.87 ID:0c6dXwwxo
――――――
ほむら「……まどか?」ガチャ
まどか「あ、ほむらちゃん」
ほむら「ごめんなさい、遅くなってしまって……」
まどか「ううん、大丈夫だよ。……話すことの前に、ほむらちゃん、演劇お疲れさま」
ほむら「えぇ。まどかもお疲れさま。今までで最高の出来だったと思うわ」
まどか「そうかな…そうだったら嬉しいなぁ」
ほむら「まどかのお姫様、とても可愛かったわ」
まどか「ほむらちゃんだって、すごくかっこよかったよ」
84: ◆SjWXMdM6SY 2012/10/28(日) 20:54:16.65 ID:0c6dXwwxo
まどか「それで…伝えたいことなんだけど……」
ほむら「えぇ、何かしら?」
まどか(何だろう…これから告白するはずなのに……)
まどか(……すごく、落ち着いていられる)
まどか(今まで、想いを伝える台詞は…失敗続きだったけど……)
まどか(こればっかりは…絶対、失敗できない。でも……)
まどか(……大丈夫。言える……!)
まどか「ほむらちゃん……」
まどか「わたしは…ほむらちゃんのことが、大好きです」
85: ◆SjWXMdM6SY 2012/10/28(日) 20:54:55.99 ID:0c6dXwwxo
まどか(言った…言っちゃった……)
ほむら「え…まどか……?」
まどか「友達としてじゃなく、特別な人として…ほむらちゃんが、大好き」
ほむら「え…ええぇ!?え!?」
ほむら「ま、まどか…その、本当…なの?」
まどか「うん。演技でも、冗談でもない」
まどか「わたしの、心からの想いだよ」
ほむら「そ、そうなの……」
86: ◆SjWXMdM6SY 2012/10/28(日) 20:56:03.63 ID:0c6dXwwxo
ほむら「ま、まどかはどうして私を……?」
まどか「うん…ほむらちゃん、騎士役だったでしょ?2人で練習してるときにね……」
まどか「お姫様を守るのが騎士様なら…わたしを守ってくれたほむらちゃんは、わたしの…騎士様だなって……」
まどか「そんなこと考えて…それからほむらちゃんのこと、意識するようになったの」
まどか「ちょっと前に1日様子が変だって言った日があったでしょ?実はあの日、夢でね……」
まどか「ほむらちゃんに好きだって、そう言われたの」
ほむら「わ、私に……?」
まどか「うん…今思えば、あの夢を見る前からほむらちゃんのこと、好きになってたんだと思う……」
まどか「それからも、色んなほむらちゃんを見る度…ほむらちゃんのこと、どんどん好きになっちゃったんだ」
まどか「……女の子同士なんておかしいのかもしれないけど…これが、わたしが伝えたかった…こと」
ほむら「……」
87: ◆SjWXMdM6SY 2012/10/28(日) 20:56:49.05 ID:0c6dXwwxo
ほむら「……私は、今まで誰かに好きだって、そんな風に想ってもらえることなんてなかった。だけど……」
ほむら「まどかに好きだって言ってもらえて…私のこと、そんな風に想ってくれて…すごく嬉しい。何より……」
ほむら「お姫様のまどか、演劇の練習をしてるまどか、普段のまどか…どんなまどかも、とても可愛かった」
ほむら「可愛いまどかをもっと見ていたい。まどかともっと一緒にいたい。だから……」
ほむら「私もまどかのことが…好き」
まどか「……っ」
まどか「……ほん、と?」
ほむら「えぇ…本当よ」
まどか「そっか…よかっ…た……」ポロポロ
まどか「ほむらちゃん…ありがとう、ほむらちゃん……!」
88: ◆SjWXMdM6SY 2012/10/28(日) 20:57:23.08 ID:0c6dXwwxo
ほむら「まどか、泣かないで」
まどか「だって…だって、ほむらちゃんに……」ポロポロ
まどか「好きって言ってもらえるなんて…思ってなかった、から……」
まどか「夢じゃなくて、現実で…言ってもらえるなんて……」
まどか「嬉しいのに…嬉しいはずなのに……!」
まどか「涙が、止まらないよ……」
ほむら「まどか……」ギュウ
89: ◆SjWXMdM6SY 2012/10/28(日) 20:58:00.29 ID:0c6dXwwxo
――――――
ほむら「もう落ち着いたかしら?」
まどか「……うん。ありがとう、ほむらちゃん」
ほむら「それで、私たちは恋人同士になったのよね?」
まどか「う、うん。そうだね」
ほむら「それなら、フリで済ませちゃったことをやりたいと思うんだけど……」
まどか「え、あ、そ、そうだね……」カァ
まどか(うまく行ったならこうなるだろうってわかってたけど…それでもやっぱり……)
まどか「で、でもほむらちゃん…本当にわたしなんかで…いいの?」
ほむら「まどかだから、よ。まどか以外となんてお断りよ」
まどか「ほむらちゃん……」
90: ◆SjWXMdM6SY 2012/10/28(日) 20:58:45.84 ID:0c6dXwwxo
ほむら「まどか、目を閉じて……」
まどか「うん……」
ほむら「まどか…ありがとう。私を好きって言ってくれて……」
ほむら「大好きよ、まどか……」
まどか「んっ……」
91: ◆SjWXMdM6SY 2012/10/28(日) 20:59:33.84 ID:0c6dXwwxo
ほむら「ん…んっ……」
まどか(あぁ…わたし、ほむらちゃんとキス…してるんだ……)
まどか(ちょっと恥ずかしいけど、でも…それ以上に、幸せだよ……)
ほむら「……ぷはっ」
まどか「ぷぁっ……」
まどか「うぇひひ…しちゃった、ほむらちゃんと……」
ほむら「私はこれが初めてだし、まどかもそうだと思うけど…どうだった?」
まどか「うん…すごく柔らかかったよ……」
ほむら「そ、そう……」カァ
92: ◆SjWXMdM6SY 2012/10/28(日) 21:00:28.60 ID:0c6dXwwxo
まどか「ほむらちゃん」ギュウ
ほむら「ふふ、何?」
まどか「ほむらちゃんと無事に恋人になれたんだし、デートに行こうよ」
ほむら「え、デート?」
まどか「今日は文化祭だよ?色々見て回ろうよ」
ほむら「そうね…そうしましょうか」
まどか「ほむらちゃん、早く行こうよ!」
ほむら「えぇ。それじゃ行きましょう、私のまどか姫……」
まどか「うん。よろしくね、わたしのナイト様……」
Fin
93: ◆SjWXMdM6SY 2012/10/28(日) 21:01:20.17 ID:0c6dXwwxo
これで完結です
最後まで読んでいただき、ありがとうございました
SS速報VIP:まどか「わたしのナイト様」