SS速報VIP:先輩「自殺なんて愚かなことはやめるんだ!」後輩「!?」
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1: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/27(土) 22:20:13.82 ID:fnCF6fOB0

先輩「空を見てみろ!いい日和じゃないか!こんな日はついつい走り幅跳びをしたくなる気持ちも解る!けれどそれはなにも屋上ですべきことかな?」

後輩「ええと、どちらさま?」

先輩「私は先輩だ!」

後輩「うん、それは襟のライン色を見れば解りま・・・いやもういいです」

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2: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/27(土) 22:20:59.89 ID:fnCF6fOB0

後輩「ところで先輩、どうして僕が自殺だなんて物騒なことをしようとしているだなんて思ったんですか?」

先輩「一目瞭然じゃないか!」

後輩「先輩、僕は屋上でうとうとしていただけですよ。スパイクを履いていなければ、間違ってもクラウチングスタートをとってません」

先輩「しかし、君はさっき溜息を吐いていたように思うが?」

後輩「ええ、そりゃまあ。先輩の仰る通りこんなにも良い日和ですから、心地よくて溜息の一つも吐きますよ」

先輩「なっ!……そうだったのか。てっきり私は、君が両親から虐待を受けていて夜も眠れないから授業をサボって屋上で眠りこけそうになり、夢にまどろみながら現実に嫌気が差して屋上で走り幅跳びを行おうとしているとばかり……掛け声は勿論、アイキャンフライ!」



3: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/27(土) 22:21:54.01 ID:fnCF6fOB0

後輩「想像力豊かで結構な話ですが、どちらかといえば両親と仲はいいですよ。未だに一緒にお風呂へ入ったりしますし」

先輩「それはそれで問題があると思うのだが……」

後輩「一部訂正します。家のお風呂ではなくて、銭湯に一緒に行くという意味です」

先輩「女湯に入っていいのは小学低学年までだぞ。捕まるぞ?」

後輩「父親とだよ!ああ、失礼しました。ところで先輩。僕は次の授業が体育なのが面倒なのでサボっていますが、先輩はどうしてここに?」




4: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/27(土) 22:22:49.09 ID:fnCF6fOB0

先輩「うむ、屋上で走り幅跳びしようと思ってな!」

後輩「自殺志願者はあんたかよ!ああ、失礼しました」

先輩「うむ、切れ味のあるツッコミだ。限定的に構わないよ。冗談はさておき」

後輩「解りました。ツッコミの時は容赦なくいけません。そして冗談にしては質が悪いです。印象が悪くなりますよ?」

先輩「君に対しての印象を良くする必要が解らないのだが……まあいい。私は授業に出ることの方が少ないのだよ。教師からも授業に出席するよりも外で遊んでいてくれと言われるのでな」

後輩「それ、完全に虐められてますよね」




5: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/27(土) 22:23:21.19 ID:fnCF6fOB0

先輩「そうなのか?解らないな、私には。授業を受ける意味がないからそう言われているのだとばかり思っていたぞ」

後輩「高校は義務教育ではないとはいえ、問題はあると思いますよ。もしかして先輩はスポーツ推薦の方ですか?」

先輩「ああ。陸上競技でな。メイン競技は」

後輩「走り幅跳びですよね。そこは言わなくても解ります」

先輩「違う、長距離走だ」

後輩「赤っ恥だよ!今までの伏線じゃねえのかよ!」



6: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/27(土) 22:24:43.40 ID:fnCF6fOB0

先輩「走り幅跳びはどちらかというと苦手だ」

後輩「白筋、赤筋ってやつですか?」

先輩「君、いきなり女子に向かって下ネタは感心しないな」

後輩「どうツッコメばいいのやら皆目見当もつきません。どの辺りを下ネタと判断したのですか?」

先輩「え、金玉の種類ではないのか?」

後輩「そこに種類なんざねえよ!仮にもあんたスポーツ推薦で入ってきたスポーツマンだろ!なんで知らないんですか?」

先輩「スポーツは体を動かして成立するのだ。頭は動かさなくていいだろう?」

後輩「長距離走ともなればそうでもない気がしますが・・・この際、先輩のスポーツマン資質については置いておきましょう。ところで先輩」



7: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/27(土) 22:25:10.85 ID:fnCF6fOB0

先輩「うむ、どうした」

後輩「一度話したように、僕は良い日和なので眠ります。おやすみなさい」

先輩「ああ、おやすみ」ゴロン

後輩「・・・」

先輩「……」

後輩「・・・どうしてこの広い屋上でわざわざ隣に寝転がったんですか?」

先輩「……」

後輩「先輩?」

先輩「ぐぅZzz……」

後輩「寝るの早!」

後輩「全く、訳の解らない人ですね」



9: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/27(土) 22:50:11.30 ID:fnCF6fOB0

後輩「先輩、起きてください。スポーツ推薦の方が部活を休むのは不味いと思いますよ。先輩」

先輩「ぐぅ……ぐぅ……」

後輩「・・・なんだろうこの寝顔」

後輩「嗜虐心をこそぐられるというか」

後輩「今ほど身近にマジックペンがないことを喜ぶべきというか」

後輩「でも、どちらかというとティディベアをぎゅうっとするかのように胸いっぱい抱きしめたいというか」

後輩「」ソー




10: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/27(土) 22:50:49.01 ID:fnCF6fOB0

後輩「いけないいけない。寝ている女子に触ったりしたら妙な噂が立ってしまいそうだ」

シーン

後輩「誰もいないけどさ」

後輩「まあ、がっちりと腕を掴まれているんだけどさ」

後輩「子供みたいな人だ」

後輩「これで高二は不味いよな・・・僕が気にすることじゃないか」

後輩「先輩」ユサユサ

先輩「ん……んっんん……」

後輩「艶かしい声出してないで起きてください」スパーン



11: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/27(土) 22:51:14.60 ID:fnCF6fOB0

先輩「はう!んん、すっかり寝入ってしまっていたようだ」

後輩「寝る気満々で転がっていたじゃないですか。先輩が腕を掴んで離さないものだから六時限目の数学、出席できなかったじゃないですか」

先輩「すまないな!いい心地だったものでな!」

後輩「ところで先輩、もう六時限目終わりましたけど、いいんですか?」

先輩「ん?」

後輩「陸上部なんでしょう?」

先輩「しまったあああああ!遅刻してはクラスメイトに申し訳が立たん!」

後輩「どうしてクラスメイトがここで関係してくるんですか」



12: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/27(土) 22:51:41.44 ID:fnCF6fOB0

先輩「私は授業免除の対価に部活動を死ぬ気でやると誓っているからな!遅刻したりしたらそれを飲んでくれたクラスメイトに顔向けできないのだよ」

後輩「そんなものですかね」

先輩「渡る世間は鬼ばかりというやつだ!」

後輩「全然違います。寧ろ逆です」

先輩「そうか!よし、行くぞ後輩!」

後輩「え、僕も?なぜ?」

先輩「その様子を見るに暇なんだろう?一緒に汗を流そうじゃないか!」

後輩「ちょ、ちょっと、先輩。僕は体育が面倒だからサボっていたレベルの運動嫌いで」

先輩「行くぞ!」バビューン

後輩「うわあああ」バビューン




14: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/28(日) 00:03:41.95 ID:/9AD7dRq0

顧問「珍しく遅かったな。ん?なんだ、その男子は」

先輩「すまない!この子は私の専属マネージャーだっ!以前顧問も言っていたではないか、お前には専属のマネージャーがいた方がいいなと!」

後輩「こんちゃす(聞いてねえしやる気でねえし。不遜な態度取ってれば入部できないだろう、体育会系だし)」

顧問「あれは冗d・・・」

先輩「」キラキラキラキラ

顧問「いいだろう」

後輩「(意思弱えええええ!もっと頑張ろうよ顧問!推薦生徒の横暴を許しちゃダメだろ!)」



15: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/28(日) 00:06:33.66 ID:/9AD7dRq0

先輩「よし、それでは早速走りこみだ。行くぞ!」

後輩「行くぞと言われましても僕が先輩と肩を並べて走ることはできませんよ」

先輩「大丈夫だ。君には自転車がある!」

後輩「ああ、よく見る光景ですね。そういうのって普通逆な気もしますけど」

先輩「いいではないか、今時の男子高校生は装飾系だと聞いているぞ」

後輩「なにその煌めく高校男子。草食系なことに異論はありませんが・・・はあ、行きますか。それで僕はなにをしたらいいですかね」

先輩「とりあえず準備体操代わりに走りこむぞ。外周十週からだ。君には駆け声を頼むよ」

後輩「一周でへとへとの僕とは大違いですね。解りました、駆け声でもなんでもしましょう」







16: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/28(日) 00:12:17.94 ID:/9AD7dRq0

後輩「ふぁい」先輩「おー!」後輩「ふぁい」先輩「おー!」

後輩「先輩。やってみて思いましたが、掛け声を二人で行うというのは恥ずかしいです」

先輩「そうだな。私もこの在り来たりな掛け声に飽きてきたところだ」

後輩「会話しましょうよ・・・そう言うなら先輩、なにか提案はあるんですか?」

先輩「うむ、これでどうだ?」ゴニョゴニョ





17: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/28(日) 00:21:14.57 ID:/9AD7dRq0

後輩「あんなこっといいな」 先輩「でっきたっらいいっな!」

後輩「あんなゆっめ」    先輩「こんなゆっめ!」

後輩先輩「いっぱいあっるけっど~」

後輩「難易度上がったわ!恥ずかしいから恥曝しにクラスチェンジしてどうすんだよ!」

先輩「しかし気分は上々だ。私のマイフェイバリットソングだからな」

後輩「意味が重複してますとか細かいことはツッコミませんが、歌を掛け声にするというのは、酔っ払ったおっちゃんが演歌を歌いながら自転車漕いでいるのと変わりないので違う路線でお願いします」

先輩「それじゃあこんなのはどうだろうか」ゴニョゴニョ





18: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/28(日) 00:24:58.70 ID:/9AD7dRq0

後輩「火のよーじん」     先輩「はいっはい!」

後輩「まっち一本火事のもと~」先輩「あらさっさ!」

後輩「・・・なんか違う気がする」

先輩「しかし妙案ではないか?これなら恥ずかしさも軽減されるだろう。人々に危険を促すこともできて一石二鳥、いや三鳥だ」

後輩「妙は妙でも微妙な気がしないでもないです。そもそも僕は声を張るという行為を恥らってるので、あまり恥ずかしさも軽減されませんよ」




19: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/28(日) 00:26:48.00 ID:/9AD7dRq0

先輩「ううむ、注文の多い後輩だな」

後輩「なに、取って食いはしませんがね」

先輩「なにを言っているのだ?」

後輩「そうですよね。先輩は読書から掛け離れていますよね」

先輩「ああ、駆け離れているな」

後輩「先輩に似合う言葉だと思います」

先輩「それはそうと、掛け声が苦手ならこんなのはどうだ?」ゴソリ




20: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/28(日) 00:28:08.89 ID:/9AD7dRq0

後輩「先輩」

先輩「なんだい後輩」

後輩「これは絵面が不味いです」

先輩「しかし恥は軽減されただろう?」

後輩「恥は軽減されていません。寧ろ悪化しています。けれど黒い覆面を被っていることによって、恥じようがそれが僕と解らないという点においては悪い案ではありません。しかしこのままでは手に縄です」

先輩「君はそういうプレイが好みなのか……」

後輩「そっちの知識は案外豊富だな!そうではなくて、警察に捕まってしまいますよ。先輩は走る。僕は自転車で追走する。完全に犯罪者です」

先輩「あはは、捕まえてごらんなさーい!」ダダッ

後輩「全力疾走!?」シャカシャカシャカシャカ



21: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/28(日) 00:30:15.11 ID:/9AD7dRq0

警察「で、君はなにをしていたって?」

後輩「だから先輩を追いかけていて」

警察「その覆面をしてか。ふむ、ストーカーかね」

後輩「いやそうではなくて」

先輩「なにをやっているのだ、後輩。周回遅れだぞ」

後輩「言わんこっちゃない!」



22: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/28(日) 00:33:23.09 ID:/9AD7dRq0

後輩「産まれて初めて職務質問なんてされた」ズーン

先輩「はっはっは。気にするな、人生は長いぞ。職務質問されることもあれば、痴漢で捕まることだってあるさ」

後輩「出来る限り後者は排除する方針で生きていきますよ」

先輩「よし、次は一定の速度で私が走るから、同タイムで走れているかを測ってくれ。一周ごとにな」

後輩「はいはい解りました」

先輩「返事はにゃあだ!」

後輩「需要がないんで遠慮します」

一周~二週~三週~四週~五週~~~~~~~~十三週~

後輩「・・・化け物か。長距離選手ってみんなこんなものなのかな」





23: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/28(日) 00:43:06.83 ID:/9AD7dRq0

先輩「ふう、今日もいい汗をかいたなあ!」

後輩「自転車なのに先輩よりも疲れるとは情けない限りだけど・・・疲れました」

先輩「しかし君のお陰でいい練習になったよ!これからもよろしくな!」

後輩「先輩、正直な話、放課後は塾に行かなければならないので部活動はできないんです」

先輩「なっ!」

後輩「今日は塾がない日なので良かったんですが、すみません」

先輩「そう、か……すまないな、君の都合も考えずに」

後輩「・・・先輩もしおらしくなったりするんですね」ボソッ



24: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/28(日) 00:49:01.21 ID:/9AD7dRq0

先輩「ん?なにか言ったか?」

後輩「いいえなにも・・・ですので、毎日は無理ですが週に三回ほどでしたら引き受けますよ」

先輩「ほ、本当か!?」キラキラキラ ズズイ ツン

後輩「詰め寄りすぎです先輩。鼻の先が当たっています」

先輩「すまないすまない。では、次はいつだ?」

後輩「木曜日ですね。月曜と木曜と金曜は顔を出せます」

先輩「解った、木曜日だな!それではまた!」ピュー

後輩「・・・嵐のような人だな」



25: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/28(日) 00:49:34.58 ID:/9AD7dRq0

顧問「おい、君」ズズイ

後輩「いきなり背後を取らないでください不気味ですなんでしょうか」

顧問「君、結構毒舌だな。いやな、忠告だけしておこうと思ってな」

後輩「どうぞ」

顧問「あいつは変だ」

後輩「そうですね」

顧問「しかし紛れもない天才だ」

後輩「やっぱりそういうレベルでしたか」

顧問「将来はオリンピックに出られるだろう」

後輩「ふむふむ」

顧問「手をつけたりしたら先生怒っちゃうゾ☆」

後輩「筋肉マンと同格のマッスルポーズを取りながら星を飛ばさないで下さい。それに、解っていますよ。そもそも先輩に手を出したら・・・先輩の方が年上のはずなのに幼女趣味で非難されそうな気がしてなりません」




26: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/28(日) 00:50:24.82 ID:/9AD7dRq0

顧問「そうだな。それとな」

後輩「まだありますか、なんでしょう」

顧問「唾つけたらお父さん怒っちゃうゾ☆」

後輩「oh パパンでしたか。意外な展開にどきどきです」

顧問「君、ぶれないな」

後輩「それだけが取り得ですから」

顧問「専属マネについてはもう仕方ないから、よろしくな。解らないことがあったら、うちの女子マネに聞くといいだろう」

後輩「解りました。ご丁寧にどうも」

後輩「折角だから女子マネさんに挨拶しておこうか・・・」





27: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/28(日) 00:55:52.20 ID:/9AD7dRq0

後輩「初めまして、先輩の専属マネージャーになりました後輩です。未熟者ですがどうぞよろしくお願いします」

マネ「せん、ぞく、マネえええええええええ!?」

後輩「はい」

マネ「・・・私というものがありながら、どうしてなのよ先輩ちゃん」オヨヨ

後輩「マネさん?」

マネ「後輩ぃぃぃぃい!」

後輩「はい」

マネ「徹底的にマネージャー行為を教授してあげるから、先輩ちゃんに施すのよおおおおお!」

後輩「解りました。では、次は木曜日に来ますのでそれまでにノートかなにかに纏めておいて貰えるとありがたいです」

マネ「やってやらあああああああああ!」

後輩「では、失礼します」

後輩「・・・凄いな体育会系って。女子マネまで体育会系だと思わなかったよ」




29: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/28(日) 01:03:36.76 ID:/9AD7dRq0

木曜日

先輩「こっうはっいくううううん!部活動の時間だぞ!」

後輩「・・・まさか教室まで迎えに来るとは思ってませんでしたよ」

生徒A「おい、あの人って陸上部の・・・」
生徒B「あいつって影薄い系のやつだろ?どうやって知り合ったんだよ・・・」
ザワザワ ザワザワ

後輩「目立つのはあまり好きではないのでさっさと行きましょうか」

先輩「うむ、私と一緒に凱旋門をくぐろう!」

後輩「すいません意味が全く解りません」




30: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/28(日) 01:09:17.69 ID:/9AD7dRq0

後輩「先輩。では今日も前と同じ練習でいいですか?」

先輩「そのつもりだぞ!しかし、今日はきちんとストレッチをしなければな。前回はストレッチを忘れてしまったものだから、先生に怒られてしまった」

後輩「解りました。頑張ってください」

先輩「……なにをぼうっとしているのだ?ストレッチだぞ?」

後輩「解っていますよ。待っていますからやってください」

先輩「君こそなにを言っているのだ。ストレッチは二人一組じゃないか」

後輩「(・・・そういえば運動部って二人一組でやってたりするな)」

先輩「さあ、まずは開脚をするから背中を押してくれ」

後輩「では失礼します」





31: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/28(日) 01:12:14.25 ID:/9AD7dRq0

先輩「うんしょ、うんしょ」

後輩「(ちょ、先輩の背中柔らかい・・・女の子ってこういうものなのか?初めて触った・・・)」

先輩「えいしょ、えいしょ」

後輩「というか先輩柔らかいですね。胸まで地面いっちゃってますよ」

先輩「アスリートはどんな競技でもストレッチから始まるからな。私だって、そりゃ柔らかいさ。さあ次は君の番だ」

後輩「え、僕はいいですよ」

先輩「交互にやってこそだろう?さあ!」

後輩「はあ・・・」



33: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/28(日) 01:16:53.60 ID:/9AD7dRq0

後輩「ぐぐ・・・」

先輩「なんだ、君かっちこちじゃないか。まだ手もついていないぞ」

後輩「僕は、根っからの、文科系、ですから・・・」

先輩「もう少し頑張ってみよう、な」グググ

後輩「せ、先輩、乗っかっるのはまずいです」

後輩「(先輩思ったより胸が、胸がある!当たっている!)」

先輩「頑張れ、もう一息だぞ」グググ

後輩「(全神経が背中に集中している!先輩の胸が三枚の布越しに押しつぶされている!)」

顧問「心地よさそうだな、後輩君」マッスルポォォォォォズ

後輩「いいえ、必死です」アセアセ





36: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/28(日) 01:29:03.98 ID:/9AD7dRq0

先輩「次は背中越しに腕を組んで背骨を鳴らしておこう!」

後輩「また密着度の高いストレッチを選択しましたね。警戒目線が怪光線になりそうで恐いですが、まあいいでしょう」

先輩「よし、背中を合わせて、いくぞ!」

後輩「ぼ、僕からですか!?」

先輩「うんしょ、うんしょ!」

後輩「せん、ぱい、おん、なの、この、わり、に、ぱわ、ふる、です、ね」

先輩「これでも、運動部、なのでな!」

後輩「(凄い安定感だ)・・・あ」




37: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/28(日) 01:30:11.49 ID:/9AD7dRq0

マネ「マネージャーがあああああああ!選手にストレッチしてもらうたあああああ!何事だあああああああああああ!」

後輩「すい、ませ、ん」

先輩「何を言っている!後輩くんにはストレッチを付き合ってもらっているのだ!」

マネ「あぁん、そうよね、先輩ちゃん、ごめんね。でも、万が一先輩ちゃんが怪我したらいけないから、男の子を背負うのはやめようね」

先輩「これぐらい平気だ!」

マネ「やめ、よう、ね」ニコォ

先輩「」ゾォ

後輩「マネさんの言い分も尤もですし、これ以上の反論は危険域に達しそうなのでやめましょう、先輩」

先輩「仕方ないのだ。では次は私を頼む!」

後輩「はい。よいしょっと」

マネ「」ジィィィィィィィイイイィィィイイイイ

後輩「(どうしろっての)」



38: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/28(日) 01:35:14.76 ID:/9AD7dRq0

先輩「ふう、マネは怒らせると恐いのだな。知らなかった」

後輩「僕は初っ端から恐い想いしかしてませんけどね。まあ、先輩には優しいでしょう」

先輩「そうなのか?マネは後輩くんを嫌っているのか?」

後輩「解りませんが・・・面白くはないでしょうね。マネさんは先輩が好きなようなので」

先輩「ははん、ようは私がモテモテなのだな。可愛いマネめ」

後輩「あんたの方が可愛いよ」ボソッ

先輩「ん?」

後輩「なんでもありません。さあ、先輩。外周十週からですね」

先輩「そうだな!今日はアンパンマソで行こう!」

後輩「月曜日の話をもう一度させないで下さい」



39: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/28(日) 01:44:07.04 ID:/9AD7dRq0

後輩「先輩って楽しそうに走りますよね」

先輩「そうだな。私にとって走るとは砂漠のオアシスのようなものだからな」

後輩「それだけ欲しかったもの、ですか?ん、なんか違うな」

先輩「いや蜃気楼だな」

後輩「ろくでもない意味しかないよ!」

先輩「冗談だ。そうだな、私にとって走ることがなにかなど、考えたこともなかったな」

後輩「それだけ走るのが当たり前になっているということですかね」

先輩「うむ、その通りではあるのだが、なぜだろう。どこかそれは寂しい気がするぞ」

後輩「そうですか?」

先輩「世の中には走れない人もたくさんいるのだ。けれど私は走ることができる。走ることを当たり前に思う、というのはいけないことのような気がしてきた。うん、そうだ。私は走ることに、喜びを感じているし、感謝をしているぞ!」

後輩「なんだか先輩って凄いですね」

先輩「そうでもないぞ」エヘヘ

後輩「そういうことを考えられる人は沢山いるでしょうけど、本気で感じられる人は少ないでしょうから」

先輩「そんなことはないと思うぞ!みんないい人だ!」

後輩「それは認めますけどね」



40: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/28(日) 01:47:38.37 ID:/9AD7dRq0

先輩「ふう、一休みしよう」

後輩「走りながら会話して息が途切れない先輩を尊敬しますよ」

先輩「一定の息遣いで話せば問題はないよ」

後輩「そんなものですか?あ、先輩これ、スポーツドリンクです。どうぞ」

先輩「気を遣わせてすまないな!ありがたくいただくぞ!」

後輩「(マネさんのマネージャーノート、朝に渡されて読んでおいたけどこれでいいんだよな)」

先輩「ぷっひゃぁ!うまい!そうだ後輩くん、聞きたいことがあるのだが」

後輩「どうかしましたか、先輩」

先輩「今月末に大会があるのだよ」

後輩「というと、二週間後ですか。近い話ですね」

先輩「ああ、急な話で悪い。それでな、応援とか、こないか?」



41: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/28(日) 01:52:49.52 ID:/9AD7dRq0

後輩「はあ、特に用事はないので応援に行けますよ」

先輩「そうか!うん、うんうん。後輩くんが見に来るなら、いつも以上に頑張らなければな!」

後輩「先輩、今でも充分に頑張っているように思うので、これ以上練習し過ぎないでくださいね(マネノートにはそう書いてあったんだよな。気をつけないと先輩は練習のしすぎで体を壊す、って)」

先輩「ふむ、そうだな。以前も疲労で悔しくも一位になれなかったことがあった。流石だな、後輩くん!すっかりマネージャーではないか!」

後輩「マネさんが色々教えてくれたんですよ」

先輩「うむ、ではどちらも流石だ!よし、先輩くん。今日はタイムアタックをするぞ!五週単位で二回だ!」

後輩「了解です。ふぁい」

先輩「おー!」



42: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/28(日) 01:55:58.42 ID:/9AD7dRq0

先輩「ではまた明日だ!後輩くん!」

後輩「はい、お疲れ様でした。また明日」

先輩「また明日!」ブンブン ブンブン

後輩「・・・なんだか奇妙な感じだな。妹ができたような気がするけど、向こうの方が偉いという。変なの。それにしても疲れた。顔洗っていこう」

コソコソ コソコソ

後輩「ん?」




43: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/28(日) 01:59:48.51 ID:/9AD7dRq0

部員A「先輩の奴さ、ほんと、何様だよね」

部員B「一人だけ専属マネ付けてもらって、しかも男?まじビッチじゃね?」

部員C「なんかすっごいガキ臭いし、あれ狙ってんだとしたら、イタイよね」

後輩「(ふむ・・・体育会系でもこういうのあるんだな)」

部員A「あーあ、ムカつくな、ほんと。事故ればいいのに」

部員B「そしたらAがうちのトップじゃん!独走じゃん!」

後輩「(まあ、言ってる分には問題ないか。今に始まったことじゃないだろうし)」

部員C「どうする?まじやっちゃう?靴に画鋲とか仕込んじゃう?」

後輩「・・・」




44: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/28(日) 02:04:33.73 ID:/9AD7dRq0

部員A「そこまでやると流石にまずいっしょ!でもウケる!」

部員B「いいじゃんいいじゃん!一回痛い目見た方がいいって!」

部員C「それじゃあさ、スパイクズタズタに切り裂いてさー」

後輩「はい、もう結構ですよ」

部員ABC「!?」

後輩「どうも初めまして。注目度そこそこ上昇中らしい専属マネです」

部員A「先輩ちゃんのマネさんがどうしたのかな?かな?」

後輩「今更鉈女ばりに可愛い子ぶっても遅いですよ。これは警告です。先輩に嫌がらせとか、絶対にしないでくださいね」

部員B「な、なんのことよ!大体、もしそんなんなっても、あたし達とは限らないじゃん!他のやつかも――」

後輩「『それじゃあさ、スパイクズタズタに切り裂いてさー』」

部員C「」ビクゥッ



45: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/28(日) 02:11:25.66 ID:/9AD7dRq0

後輩「便利な世の中ですね。携帯一つで証拠作れるんですから」

部員A「し、しない。そんなことしないから、先生には・・・」

後輩「言いませんよ。言うわけないじゃないですか。だって、今後貴方達は先輩に尽くすわけですから」

部員B「な、なんでそんなこと!」

後輩「『いいじゃんいいじゃん!一回痛い目見た方がいいって!』」

部員B「」ビクゥ

後輩「実際、本当に尽くせとはいいません。奴隷のようになれと言ったところで、先輩はなにも命じませんよ。遊びと称して鬼のような鬼ごっこが開かれる可能性はありますけどね」

後輩「先輩はああいう人ですから、好かれるにしろ嫌われるにしろ影響は大きいかと思います。ですので、貴方達が言う通り、先輩は他の部員さんにも嫌われているかもしれません」

後輩「その時は先輩を擁護してあげてください」

後輩「もしも先輩が虐められたり、嫌がらせをされたりしたら・・・誰が犯人でも証拠はこのボイスレコーダーになります。意味が解りますよね?」

部員A「どうしてよ・・・あんたどうせっ、あの女に惚れてるだけでしょ!」

後輩「先輩に対して恋愛感情はありませんよ。楽しいから一緒にいるだけです。どうして、に答えるとするなら、そうですね」

後輩「真剣に努力している人の邪魔をするなんて、貴方達、最低です」

後輩「真っ当な話だと思うんですけどね。それは、お疲れ様でした」



46: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/28(日) 02:12:53.67 ID:/9AD7dRq0

後輩「柄にもないことしちゃったな」

後輩「脅迫、だよな。あれじゃあ」

後輩「はあ」

後輩「でもなあ」

後輩「先輩がスパイクズタズタにされて泣いてる姿とか」

後輩「想像もしたくない、よなあ」



47: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/28(日) 02:18:14.42 ID:/9AD7dRq0

金曜日

先輩「」シュッシュッシュッシュ

後輩「・・・先輩、教室に向かってなにをしているんですか」

先輩「目立ちたくないと昨日言っていただろう?だからこうしてジェスチャーで部活に行こうと誘っているのだよ!」

生徒A「なんだ今の暗号は・・・」
生徒B「熟年夫婦だけが解る"今夜はどうだい?"の合図じゃねえのか!?」

後輩「努力は認めるんですが先輩、いかんせん誤解がレベルアップしました」

先輩「ふむ、じゃあ次は」

後輩「次は僕が行きますからいいです!」

先輩「な、なんと!教室まで迎えに来てくれるのか!?なんだか恥ずかしいな」エヘヘ

後輩「いや、先輩?僕はそういうつもりじゃ・・・」

先輩「待ってる!待ってるぞ!」

後輩「大変なことになった・・・」



48: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/28(日) 02:23:42.02 ID:/9AD7dRq0

ストレッチ終、練習終、帰り間際

後輩「今日もお疲れ様です、先輩。はい、タオル」

先輩「うむ、ありがとう!なんだこれ、ふっわふわだぞぉ」フワフワァ

後輩「マネさん渾身の作らしいですからね」

先輩「作!?ふわふわって作るものだったのか!?」

後輩「僕は洗濯の知識が豊富じゃないので解りません」

先輩「そうか……時に後輩くん」

後輩「はいなんでしょう」

先輩「日曜日に連れて行って欲しいところがあるのだが構わないか?」

後輩「連れて行って?いいですけれど、部活は?」

先輩「日曜日は昼までなのだよ」

後輩「はあ、解りました」

先輩「では昼過ぎの一時に校門前でな!」

後輩「待ち合わせ場所が学校というのもおかしな感じですが、解りました」

先輩「またな!」ブンブンブン

後輩「・・・連れて行ってほしいところ?」



49: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/28(日) 02:35:50.12 ID:/9AD7dRq0

日曜日

後輩「一時半か。先輩、部活が長引いてるのかな」

ダッダッダッダダダダダダ キキィーッ

先輩「すまない!待たせたぞ!」ゼハァゼハァ

後輩「先輩が息切れを起こすほど走ってきてくれたというその気持ちだけで充分ですよ」

先輩「いや、しかしだな、約束の時間は約束だからな!すまない!」

後輩「本当に気にしていませんよ。それに、折角の可愛らしい私服なんですから、あまり肩を揺らしているのも考えものですよ」

先輩「う、うむ!可愛いか!そうか!はっはっは!よし行こう!では行こう!」

後輩「ところでどこに?」

先輩「映画館だ!」

後輩「なんだって!?」

先輩「おおう、久しぶりのタメ対応だな。どうした、嫌だったか、映画館」

後輩「いえ・・・てっきりスポーツ用品店に行くとばかり」

先輩「そのようなところは父親と行くさ。君、スパイクの性能とか解らないだろう?」

後輩「先輩、意外にシビアな考えもできるんですね。いえ、驚いただけです。行きましょう、映画館」

後輩「(これってデートなのか?)」

先輩「ふんふんふーん」

後輩「(いや、子守りか)」



50: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/28(日) 02:42:55.00 ID:/9AD7dRq0

先輩「この映画が見たかったのだ!」

後輩「・・・ばりっばりのホラー映画じゃないですか」

先輩「そうだ!しかしな、マネは恐いから嫌だというし、この歳になって父親と映画館というのもな。そこで君だ!」

後輩「一人で行くという選択肢はなかったんですか」

先輩「一人で映画館など入れるわけがないだろう!」

後輩「それもそうですね」

先輩「見ろ!R-15指定だ!」

後輩「それもそうだった」

先輩「君に解るか?受付のお姉さんに『お嬢ちゃん、お姉ちゃんの生徒手帳に写真張ったらダメでしょ?』って言われたあの辛さ!」

後輩「来たことあるんですね」

先輩「ホラーはな!しかし、君の趣味も聞かずにすまなかった。もしかしてホラーは苦手だったか?」

後輩「いえ、好物です。ゾンビが主食です」

先輩「はっはっは!悪食だな!脳から行く派かね!」

ヒソヒソ ヒソヒソ

後輩「ボリューム落とさないとカニバリズムで再逮捕です」



51: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/28(日) 02:48:26.30 ID:/9AD7dRq0

スクリーン「グゴヴァアアアア」ダダン ダダダダン

先輩「うっ、うぅっ」

スクリーン「ギャアアアアス!ギャアアアアス!」ダダダダン ダラダラダッダアン

先輩「うわぁ……」

後輩「(先輩、ほんとにホラー好きなんだろうか。いや、確かに恐いもの見たさでホラー好きという人はいるが・・・)」

スクリーン「ドンダラギャクンガバクボーン!ベアアアアアス!」ダッダ!ダッダ!ダーダダダッダ!

先輩「ひゃぅ……ぅう」ギュウ

後輩「(泣いてるし・・・腕掴んで離さないし・・・)」

先輩「うぅ……」

後輩「(先輩に目がいっちゃってゾンビが直視できないな・・・)」

スクリーン「ドグラバビョーン!バビョーン!ブッフフルフウウゥゥウウ!」ドカーン!




52: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/28(日) 02:55:34.52 ID:/9AD7dRq0

先輩「ふう、恐白かったな!」

後輩「また古いネタをご存知ですね、先輩」

先輩「しかしこの恐さがいいな!生を実感できて!」

後輩「先輩のイメージが急速に再変換されていますけどよろしいですか?」

先輩「イメージなんて具象に過ぎんよ!あっはっは!」

後輩「先輩、言ってみたかっただけですよね?」

先輩「あっはっは!」

後輩「二度は聞きませんよ」



53: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/28(日) 02:57:13.40 ID:/9AD7dRq0

後輩「さて先輩、行きたいところというのはこれで終わりですか?」

先輩「そんなわけがない!次はあそこに行きたいぞ!」

後輩「ああ、みゃくどなるどですか。ラッキーセットでいいんですよね?」

先輩「子供扱いするな!私はいつだってビックマックな女だ!」ドヤァ

後輩「ぶっ」

先輩「おお、後輩くんが笑うとは珍しいな。ビックマックな女だ!」ドヤァ

後輩「二回目はそうでもないです」

先輩「どやぁ」ショボン

後輩「はいはい」




54: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/28(日) 03:01:24.07 ID:/9AD7dRq0

先輩「わぁー」キラキラキラ

後輩「(解りやすい人だなあ。ラッキーセットの景品から目が離せてないじゃないか・・・やれやれ)」

受付「ご注文はいかがなさいますか?」

後輩「ビックマックセット一つ、コーラで。あとラッキーセット一つ、これもコーラで」

先輩「なぬ!君はラッキーセットなのか?」

後輩「はい。そんなにお腹空いてないので、ちょうどいい量なんですよね。あ、景品とかあるんでしたっけ。先輩、なにか欲しいのあります?」

先輩「じゃ、じゃあ四番!」

後輩「四番下さい」

先輩「……よしっ」グッ

受付「妹さん可愛らしいですね」

後輩「・・・いえ、母です」

受付「!?」アボーン




56: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/28(日) 03:11:39.49 ID:/9AD7dRq0

先輩「湖のほとりを散歩してみたかったのだ!」

後輩「なぜだかとてもお洒落な気がしますね」

先輩「さあ、夕日に向かって走ろう!」

後輩「散歩しましょう」

先輩「むう、なぜだか最初に比べると後輩くんは落ち着いたのだ。ツッコミに切れ味がない気がするぞ?」

後輩「あれは驚きのあまりでしたから。先輩の言動に少し慣れたんですよ」

先輩「ふむ、突飛な行動をすればいいのだな」

後輩「いやいや無理にしなくても」

先輩「きゃー!変質者よー!」

後輩「洒落になんねえよ!」



57: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/28(日) 03:17:04.14 ID:/9AD7dRq0

後輩「先輩、僕を犯罪者にするのはもうやめてくださいね」グリグリ

先輩「うー痛いーこの状況も充分問題があると思うぞー」

後輩「大丈夫です。傍目には妹を叱っている兄にしか見えません」

先輩「今ほど自分の幼さを呪ったことはないのぞ。ふう、痛かった」

後輩「めっ、ですよ」

先輩「それは少し傷つくのだ。あ、後輩くん。あれに乗ろう!」

後輩「アヒルさんボートですか」

先輩「便器丸ではないのか?」

後輩「夢が壊れますよ。誰に聞いたんですか」

先輩「父親だが」

後輩「あの糞ジジイ可愛い女の子になに教えてやがる!」

先輩「そこはキレ所なのか?」

後輩「定番という奴です、気にしないで下さい」



58: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/28(日) 03:18:53.53 ID:/9AD7dRq0


先輩「うおっこれは楽しいなあ!」ジャカジャカジャカジャカ!!

後輩「早い!早いです先輩!」ビュオーン

先輩「うおりゃあああああああ!」ジャカジャカジャカジャカ!!

後輩「うひゃああああああああ!」ビュオーン





59: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/28(日) 03:24:25.24 ID:/9AD7dRq0

後輩「カップルがゆったりと愛を囁くような乗り物が一転絶叫アトラクションになるとは」ゼエゼエ

先輩「す、すまなかったな。いやあ楽しかった!」

後輩「貴重な体験をさせてもらったという点では同意しますよ」

先輩「しかし、あれだな。おもらししたことは内緒の方がいいよな?」

後輩「本当にしたみたいなんでやめてくれ!?この否定さえも隠蔽工作のように取られてアウトだから!」

先輩「あっはっは!そうそうその調子だ」

後輩「先輩、一つ良いことを教えてあげましょう」

先輩「ん、どうした」

後輩「そこで面白くても笑わずに、ぐっと堪えてボケを上塗りすれば会話が広がります」

先輩「な、なんだってー!」

後輩「次回に乞うご期待しますよ、先輩」

先輩「う、うむ!頑張るぞ!」

先輩「しかし後輩くん、私達はなにを目指しているのだ?」

後輩「・・・さあ?」



60: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/28(日) 03:30:02.19 ID:/9AD7dRq0


後輩「今日は楽しかったですか、先輩」

先輩「ああ、後輩くんのお陰で存分に楽しめたよ!ありがとう!」

後輩「面と向かって感謝されると照れますね。僕の方こそ楽しかったです。ありがとうございます」

先輩「いやはやはや」エヘヘ ポリポリ

後輩「月曜日の練習も頑張りましょうね。目指すは大会優勝ですよ」

先輩「もちろんだ!一馬身差離してゴールだぞ!」

後輩「いつから馬になったんですか」

先輩「女はみんな種馬だと言うじゃないか!」

後輩「それかなり最悪な意味なのでもう使用しないように」

先輩「じゃあ雌豚か?」

後輩「悪化してどうすんだよ!そうそう、その調子ですよ」

先輩「あはは!確かにこれは楽しいなあ!思い返すと笑ってしまいそうだ!」

後輩「では先輩、気をつけて帰ってくださいね」

先輩「ああ!後輩くんもな!」



61: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/28(日) 03:32:57.39 ID:/9AD7dRq0

後輩「ではまた」

先輩「あ、そうだ!忘れていたぞ!」

後輩「どうしました?」

先輩「よいしょっと」グイッ

先輩「褒美だ。受け取れ」チュッ

後輩「・・・先輩、ほっぺでしたからセーフですが、唇には間違ってしないように。唇は好きな人としてくださいね」

先輩「あっはっは!言われなくてもわかっているぞ!ではな!」タッタッタ

後輩「・・・頬が熱いな」



68: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/28(日) 22:03:04.53 ID:/9AD7dRq0

月曜日

キーンコーンカーンコーン

後輩「ふう、ようやく終わった」

後輩「それにしても最近はいい天気が続いてるなあ」

後輩「さて、先輩を迎えに行くか」

後輩「しかし、失敗したよな。上級生の校舎に、どうやら有名らしい女子である先輩を迎えに行くとか、どんだけ難易度高いんだ」



69: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/28(日) 22:03:34.87 ID:/9AD7dRq0

後輩「先輩はどんな様子だろう。クラスに上手く馴染めてるのかな。特別扱いされてるようだから下手をすれば……」ヒョイ

先輩「ふんふふんふんふん」ソワソワ ソワソワ

後輩「お預け食らった犬みたいだ」

先輩a「先輩ちゃん、凄くソワソワしてどうしたのかな?」

先輩b「恋人でも待っているみたいね。先輩ちゃんに彼氏はまだ早いと思うけれど」

先輩「こ、恋人!違うのだ!後輩くんを待っているんだぞ!」

先輩a「後輩くんって、確か最近先輩ちゃんと一緒に行動してるっていうあの?」

先輩b「ふうん、この教室が地獄と化す日が来たようね」

先輩「後輩くんに無礼したら怒るぞ!」

後輩「んむ、先輩愛されてるみたいだな。しかし地獄に飛び込みたくないな……」




70: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/28(日) 22:04:17.65 ID:/9AD7dRq0

先輩a「で、もうちゅうとかしちゃった?」

先輩b「ちゅう?先輩ちゃんにちゅうは刺激が強いわよ」

先輩「ちゅ、ちゅうなどしとらん」ニマァ

先輩a「してるねこれ」

先輩b「ふふ。男くん、敵を迎え撃つ準備をなさい。さあ、ありったけの刃物を此処に!」

先輩a「珍しく女さんに火がついたようだ。可哀想に、見知らぬ後輩くん」

後輩「(入れねえ!そしてなんだかんだで用意してんじゃねえよ!当たり前のように危険物常備すんな!)

後輩「(行くに行けない……)」

先輩「後輩くん、遅いな……」ショボン

後輩「」ビクゥッ ガサゴソ ゴゴゴ...グイッ



71: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/28(日) 22:05:35.05 ID:/9AD7dRq0

後輩「……」タッタッタッ

後輩「さあ部活の時間ですよ先輩!」

先輩「おお、その声は後輩くん!しかし誰だ?」

後輩「後輩くんではありません、覆面男です」

先輩b「変態覆面男に尖端構え!」

先輩a「あらほらさっさー」

後輩「とととにかく行きましょう、先輩。後輩くんが待っています」

先輩「後輩くんが待っているなら火の中水の中酒池肉林の中だな!」

後輩「後輩くんそんなとこにいねえよ!」




72: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/28(日) 22:06:16.77 ID:/9AD7dRq0

先輩「そしてグラウンドに駆け足で到着したわけだが、後輩くんはどこだろう?」

後輩「僕の全力は駆け足ですか。それは仕方ないとして、はい、僕が後輩です」ヌギッ

先輩「おお!これぞいりゅーじょんだな!」キラキラキラ

後輩「先輩……お菓子あげると唆されても知らない人に付いていかないでくださいね?」

先輩「子供扱いするな!そんなことはお母さんに重々教わっている!」

後輩「先輩のお母さんがその点を心配していることはよく解りました。さて先輩、今日のメニューは?」

先輩「うむ。大会も二週間後なのでな。本番を想定した距離を走るぞ!」

後輩「いつもそれ以上走ってるじゃないですか。ペース配分とかですか?」

先輩「そうだな!そのためにもまずはストレッチからだ!」

後輩「またあれをやるのか……」

先輩「さあ、後輩くん、ぐぐいと押してくれ」

後輩「はい」

顧問「」マッスルポォォォォズ

後輩「いや早いって」



74: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/28(日) 23:08:18.14 ID:/9AD7dRq0

そんなこんなで大会前日

後輩「先輩、今日は軽く流すだけですよ?」

先輩「もちろんだ。明日は大会だからな。しかし一日に一度は走らないと私は体調を悪くしてしまうから、走らなければな!」

後輩「マグロですね」

先輩「こっち見るな!」

後輩「・・・はい?」

先輩「あれ?いなかったか、魚の体をした人」

後輩「それはただの魚です。人の顔をした魚ですね。明らかに僕たちの世代が知りそうもない話をよく知っていますね。彼はもっとふてぶてしかったと思いますよ」



75: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/28(日) 23:08:50.24 ID:/9AD7dRq0

先輩「こっち見てんじゃねえよ!こうか?」

後輩「ちょっと明朗活発過ぎです。もっと陰気だったはずですよ」

先輩「陰気?んむ……コッチ見てんじゃネエヨ!?」

後輩「発音がイングリッシュになっただけでそれは陰気じゃありません。先輩に陰気は難しいですよね」

先輩「むう、どうすればいいのだ?」

後輩「こっち見てんじゃねえよ」ボソッ

先輩「うわぁ」

後輩「ドン引きですね。予想していましたけど手のひら返しましたね」

先輩「後輩くんの陰気はガチだったのだ」

後輩「どちらかといえば根は暗めですからね。自室で飼っている熱帯魚を眺めていると、気づけば一時間ほど経過してたりします」




76: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/28(日) 23:09:23.36 ID:/9AD7dRq0

先輩「な、悩みがあるなら聞くぞ!先輩の胸に飛び込んでこい!」

後輩「意外にあるというだけで、ない胸張られても飛び込めません。さあ、走りましょう」

先輩「後輩くん、いま物凄く失礼なことを言わなかったか?」

後輩「言ってませんよ。鳩より胸あるじゃないですか、先輩」

先輩「せめて同年代と比べてくれ!」

後輩「そんな無謀なことをしなくても先輩は充分可愛らしいですよ」

先輩「なんだか腑に落ちないぞ……」

後輩「さあ、夕日に向かってれっつらごー」シャカシャカ

先輩「誤魔化すあまりキャラ崩壊してないか!?待つのだ後輩くん!」タッタッタッ




77: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/28(日) 23:09:49.60 ID:/9AD7dRq0

後輩「今日はこの位にしておきましょう。明日に備えて体調を整えてください」

先輩「うむ、満足とはいかないがこれで夜布団を濡らすことはないぞ!」

後輩「先輩にとって走れないということが悲しいことであるというのは解りますが、それではただのおねしょです。濡らすのは枕だけにしておきましょう」

先輩「おねしょではない!それ以外の汁だぞ!」

後輩「はいすとっぷ。先輩の下ネタは自虐さえ考慮しないのでそこで留めましょう」

先輩「ふむ、下ネタとは難しいな!」

後輩「できれば先輩はそっち方面の知識が疎い方がありがたかったですよ」




78: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/28(日) 23:10:51.13 ID:/9AD7dRq0

先輩「はっはっは!そうだ後輩くん」

後輩「はいなんでしょう」

先輩「大会が終わったら、聞いてほしい話があるのだ!構わないか?」

後輩「話?僕でよければなんでも聞きますよ。今でも構いませんし」

先輩「今はまだそのタイミングではないのだ!よし、そうと決まれば尚更優勝しなくてはな!」

後輩「先輩が負けるところなんて想像できませんが、優勝目指して頑張りましょうね」

先輩「ああ!頑張るぞ!」





79: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/28(日) 23:11:29.61 ID:/9AD7dRq0

大会当日

顧問「ちっ、来たのか」

後輩「仮にも教師が生徒に舌打ちしないでください」

マネ「後輩ぃぃぃ!腹から声出せよおおおおお!」

後輩「マネさんはマネージャーであるより応援団の方が向いてる気がします」

マネ「私は先輩ちゃんファンクラブ創設者だあああああ!」

後輩「またありがちな。まあ色々と納得です」




80: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/28(日) 23:12:30.64 ID:/9AD7dRq0

先輩「後輩くん!来てくれたのだな!」

後輩「ええ、約束しましたから」

先輩「そうか、そうか!うむ、元気百倍だな!」

後輩「間違いなく先輩は愛も勇気も友達ですよ。先輩、頑張ってください。でもあまり気負いしすぎないように。ペース配分はいつも通りで充分ですからね」

先輩「うむ!では行ってくるぞ!」ルンルン

マネ「いいアドバイスね、後輩。あの子は飛ばしがちなところがあるから」

後輩「マネノートのお陰です。ところで普通に話せたのですね」

マネ「当たり前でしょう?私が授業中もああだったら、先生方がみんなURYYYYYY!!って言い出してしまうわ」

後輩「答えを間違えたら噛まれそうですね」

マネ「そんじゃあ応援すっぞぉぉぉおおお!URYYYYYY!!」

後輩「いやマネさんは時を止める程度の人でいてくださいよ」

後輩「あ、始まった」



81: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/28(日) 23:13:00.08 ID:/9AD7dRq0

結局、先輩は一馬身どころか十馬身以上の差をつけて優勝した。終盤の初期までは他校の生徒がなんとか食らいついていたが、スタミナが切れたのかずるずると下がっていった。
駅伝すら良く知らない僕は顧問パパの言葉だけで先輩は天才だと聞いていたわけだけど、こうして大会に出場してみれば一目瞭然だった。
圧倒的に性能が違っていて、天才は凡人をその他にカテゴライズしてしまう。
ゴールラインに到達したその後も、筋肉を硬直させないために先輩は走る。


後輩「だからどうというわけでもないな。先輩は凄い。ただそれだけだ」

後輩「先輩に渡すスポーツドリンクと、タオルと、よし。先っ・・・」

駆け寄ろうとしてみれば、先輩の周りにいつの間にか人集りができていて、小さな先輩は渦に巻かれて姿も見えなかった。
学校の生徒達に、ファンらしき人達に、記者っぽい人達。部員も顧問もマネもそこにいて、一人出遅れた僕は渦の外で立ち止まる。

後輩「・・・駆け離れていく。本当、先輩にお似合いの言葉ですね」

後輩「だからどうだってわけじゃないけど」



82: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/28(日) 23:13:39.22 ID:/9AD7dRq0

十分後

先輩「後輩くん!やっと顔を見れたぞ!全く、あの台風のような勢いにはいつも呑まれてしまう」

後輩「先輩、お疲れ様です。優勝おめでとうございます」

先輩「はっはっは!そうだろうそうだろう!褒めてくれていいぞ!私は頑張ったからな!」

後輩「ええ、いくらでも褒めますよ。頑張りましたね、先輩」

先輩「それで、だ。優勝もできたことだしな、後輩くんに話があるのだ!」

後輩「そういえばそんなことも言ってましたね。なんですか?話って」

先輩「あ、あのな、後輩くん……」




83: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/28(日) 23:14:17.68 ID:/9AD7dRq0

先輩「……」

後輩「先輩が黙り込むなんて、天変地異の前触れですかね」

先輩「茶化すでない!緊張してるんだよ、後輩くん。こんな緊張味わったことないぞ」

後輩「・・・・・・大会よりですか」

先輩「そ、そうかもしれんな」

後輩「・・・先輩がなにを話すつもりか知りませんが、流石天才少女と言われるだけはありますね。大会程度なら緊張すらしませんか」




84: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/28(日) 23:14:45.81 ID:/9AD7dRq0

先輩「そ、そういう意味ではないぞ!それとこれとは別物のようでな」

後輩「いいえ、それは同じことですよ。先輩がどう思おうが、その感情は先輩が負かした人達を蔑ろにしているんです」

先輩「そんなつもりではなかった、のだ。怒らないで、くれ、後輩くん……」ウルウル

後輩「天真爛漫、純真無垢、容姿も相まってそう振る舞えばどれだけのことも許されるでしょうね。僕に言わせてみれば無邪気は邪悪ですよ。綺麗なことが素晴らしいなんて、それこそ二次元で語ってください」

先輩「あう……あう……うぅ」ウルウル

後輩「僕は先輩みたいな人が嫌いです」

先輩「っ!!」ボロボロ

後輩「・・・」タッタッタッ



85: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/28(日) 23:15:23.67 ID:/9AD7dRq0

後輩「なに言ってんだよ僕は」

後輩「先輩はなにも悪いことなんてしてないじゃないか」

後輩「なに苛立ってんだよ」

後輩「こんなのただの八つ当たりだ」

後輩「・・・最低だ」




86: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/28(日) 23:16:09.12 ID:/9AD7dRq0

月曜日

生徒A「あれ、今日は先輩迎えにこねーのかよ」

後輩「もう来ないと思うよ。お騒がせしたね」

生徒A「……でも、なんか違う先輩が迎えに来てんぞ。般若みてえな面した先輩」

後輩「・・・マネさん」

マネ「ちょっと、いい、かな?」ピクピク

生徒A「うお、こめかみに青筋が浮くの初めて見たぜ……なんだよ、モテモテだなおい」

後輩「皮肉にも聞こえないよ」



87: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/28(日) 23:16:42.86 ID:/9AD7dRq0

校舎裏

後輩「これはまたマネさん、定番のちょっと校舎裏来いやコースで先の展開が見え見えです」

マネ「軽口叩く元気はあるのね。私の呪いゲージが噴火寸前よ」

後輩「今の僕なら絶賛攻撃受付中ですよ。焼こうが煮ろうがスパイクでブスブスにしようが、自傷したことにしますからご安心を」

マネ「とことんムカつく奴ねあんたはあああああ!」

後輩「(挑発してるんだからそうなってもらわなくちゃ困る)」

マネ「歯ぁ食いしばれえぇぇえええ!」

ドカッ バキッ ボコッ

後輩「別に死にはしませんが、マネさん殴りなれてますね」

マネ「まだまだあぁぁぁあああ!」

ドドドドドドドドド バキィ



88: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/28(日) 23:17:10.71 ID:/9AD7dRq0

マネ「はあ……はあ……これで少しは気も晴れたでしょ」

後輩「・・・そういう問題じゃないんですよ」

マネ「あの子がなにかしたの?」

後輩「・・・」

マネ「違うよね。君がなにか言ったかしたかよね。大会であんたと話してからあの子は元気が失くなったんだから!」

マネ「あの子が学校休んだのも初めてよ。学校が好きで堪らない、って子なのに。どう考えてもあんたが悪いと断定して乗り込んでみたら、罪悪感で一杯ですって面構えでさ。これで気が晴れたんなら、さっさとあの子に謝ってきなさい!」

後輩「・・・」




89: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/28(日) 23:17:51.60 ID:/9AD7dRq0

マネ「なにを迷ってるのよ。あんた悪いと思ってんでしょ?だったら謝ればいいじゃない。なんでもいいからあの子を元気にしてこい!」

後輩「・・・でも、どんな顔して会えばいいのか」

マネ「どんな顔でも後輩ならいいのよ。そんなことも解ってないの?あの子が誰にでも懐くとか、そんな馬鹿らしいこと考えてないわよね?」

マネ「あの子は見た目も子供で、考え方も幼くて、振る舞いも幼稚だったりするけど、それでも十六歳なのよ。悩みもあるし、苦しみもするし、努力もする、普通の女の子なのよ!ここまでいってなにも解らないとかほざいたら本気でスパイク減り込ませるぞ!?」

後輩「・・・やっぱり解りません」

マネ「ちょっとスパイク用意してくるわ」

後輩「解りませんけど、謝って来ます。どんな顔していったらいいのかも解りませんし、なに言ったらいいのかも解りませんけど。少なくとも……先輩は悪くないですから」

マネ「そう。それじゃ、行きなさい。それで上手くいかなくても、スパイクで往復ビンタくらいに留めておいてあげるわ」

後輩「肝に命じておきますよ」




94: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/29(月) 00:01:55.30 ID:f/EH1gC90

後輩「先輩の家はここか。普通の一軒家だな。豪邸っていうイメージは、あの顧問からして湧かないけど」

ピンポーン ガチャ

母「後輩くんかな?」

後輩「は、はい。初めまして、後輩です。先輩に話したいことがありまして・・・その、先輩は?」

母「部屋で塞ぎ込んでるわ。朝からずっと。そう、君が後輩くんなのね……ふうん」ジロジロ

後輩「どうかしました?」

母「なんでもないわ。どうぞあがってくださいな。あの子の部屋は二階だから」

後輩「(なんだかあっけらかんとしたお母さんだな。僕のこと知ってるなら怒られるの覚悟してたんだけど)」




95: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/29(月) 00:02:22.25 ID:f/EH1gC90

後輩「先輩、どうも、後輩です」コンコン

シーン

後輩「あの、先輩。このままでもいいんで聞いてほしいことがあるんです。その・・・」

ガチャ

先輩「……」

後輩「(目が真っ赤だ)・・・入っていいですか?」

先輩「……」コクン




96: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/29(月) 00:02:52.00 ID:f/EH1gC90

後輩「(気まずい)」

先輩「……」

後輩「(謝らなくちゃいけないのに、なぜだか恐くて口が開かない)」

先輩「……なにをしにきた」

後輩「あの、えと、話したいことがありまして……」

先輩「……じゃあ話せばいいだろう。さっきからだんまりではないか」

後輩「は、い」

後輩「先輩、大会の時、先輩を傷つけるようなことを言ってしまってすいませんでした!」

先輩「……君は私が嫌いなのだろう?それでいいじゃないか。嫌いなのに謝ってなんの意味があるんだ?」

後輩「傷つけてしまってすみません。嫌いと言ったのも、勢いからでた言葉で、僕は先輩を嫌ってません」

後輩「というより、僕は先輩が好きです」

先輩「……」



97: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/29(月) 00:03:47.60 ID:f/EH1gC90

後輩「好きなんです。それがよく解りませんでした。本当に今回のことはなにからなにまで僕が悪いです。先輩の気の済むようにしてください。僕は先輩に許されたいです」

先輩「どうして嫌いなどと……言ったんだっ……」ポロポロ

後輩「……ずっと子犬みたいだと思っていたのに、高嶺の花だと知って、手の届かない存在だと知りました。遠くにいると解ると、苛立ちました。僕はまだ先輩が好きだと気付いていませんでしたが、もう好きだったんでしょうね。すみません」

先輩「馬鹿か君は!」ポロポロ

先輩「手を伸ばせば届くじゃないか!遠いと漏らすなら傍にいようじゃないか!」ポロポロ

後輩「物理的な話じゃないですよ、先輩」

先輩「いいや、物理的な話だ!どれだけ言われようと君に言う!君は馬鹿だ!」

後輩「馬鹿なことは認めます。すいません」

先輩「」ギュウ

後輩「せん、ぱい・・・」



98: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/29(月) 00:04:59.25 ID:f/EH1gC90

先輩「これでも君は遠いのか!私は目の前にいないのか!
   ならば君が話しているのはどこのどいつだ!私は、ここにいる!」グスッ グスッ

先輩「手を伸ばせば届いただろう?私は遠くなんかないだろう?
   勝手に私を宇宙人にするな!私は君の・・・腕の中にいるじゃないか!」

後輩「・・・すいません」

先輩「私は君と同じ作りで同じ風に産まれてきたのだ……
   天才だとか、神童だとかもてはやされることもあるけど、同じ人間だ……解ってくれよ!」



99: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/29(月) 00:05:40.77 ID:f/EH1gC90

後輩「・・・先輩」

先輩「なん、だ……」グスッ グスッ

後輩「今からとても大切なことを言います」

先輩「全身全霊を以て聞こうじゃないか」

後輩「先輩が好きです」

先輩「私だって君が好きだ」

後輩「だから・・・交際を前提に友達になってください」

先輩「……へ?」



100: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/29(月) 00:06:10.42 ID:f/EH1gC90

後輩「ですので、交際を前提に友達になってください」

先輩「なんだ、その摩訶不思議な言葉は。結婚を前提に交際してくださいの方が幾ばくかハッピーだぞ?」

後輩「結婚だなんて高校生が軽々しく口にしていいものではないと思いまして。少なくとも僕は自分の発言にそこまで責任を持てません」

先輩「気づいてはいたが、後輩くんはドライアイだな」

後輩「乾いてるのは目じゃありませんよ」

先輩「ドライ愛」

後輩「御見逸れしました」




101: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/29(月) 00:06:53.02 ID:f/EH1gC90

先輩「一つ疑問なのだが、私と後輩くんは今まで友達じゃなかったのか?」

後輩「え、今までは先輩と後輩。兄と妹。飼い主と子犬だったじゃないですか」

先輩「同意を求められても人間ですらない点は頷けんぞ」

後輩「でも先輩に首輪は似合いますよ、きっと」

先輩「私にザッヘルさんの血は流れてないのだ」ショボン

後輩「改めて先輩、本当にすみませんでした。何度謝っても謝り切れないので、いっそのこと罰を与えて貰った方が僕の気が楽なんですが」

先輩「後輩くんにこそザッヘルさんの血が流れていそうだな。しかし、罰なあ。私はそういうのが苦手なのだ。こうして誠心誠意謝ってくれていることだし、怒りも飛んでしまったぞ」



102: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/29(月) 00:07:33.13 ID:f/EH1gC90

後輩「でも先輩・・・では先輩、なにか望みはないですか?僕に叶えられる範囲なら、肉体労働から資金都合までやり遂げます」

先輩「そうだなあ……では、愛でろ!私が溶けてしまうぐらいに愛で尽くせ!だって、恋人にならないということは、今後はそういう行為も御法度なのだろう?」

後輩「それでは褒美ですが、その通りです。交際するまでは手も繋ぎません」

先輩「そもそも交際すればいいじゃないか」

後輩「・・・先輩の横に並んで胸を張れる自分になりたいです」

先輩「……そうか。もう距離は離れてないのだな?」

後輩「はい。まだ少しだけ遠く感じますが、埋めてみせます」

先輩「よし!ならば愛でろ!」

後輩「では遠慮なく」







104: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/29(月) 00:10:29.97 ID:f/EH1gC90

これは流石に反省した。

……いいオチが全く思いつかんかった。
正直すまんかったと思っています。

この後のイチャラブシーンも実はあるのだけど
そこまで入れたらもう収拾尽きませんでした。
どう頑張っても終わらないんです。
これだから文才のないやつあーいけねえんだー


という訳で。
ストーリー的にはここで纏めておきます。

今から始まる数レスは惰性です。





105: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/29(月) 00:11:56.83 ID:f/EH1gC90

後輩「先輩、苦しくないですか?」ギュウ

先輩「ああ、心地いいぞ」

後輩「可愛いなあ、先輩。先輩の目も口も耳も体も、全部食べちゃいたいです」ナデナデ

先輩「いい筋肉をしているとは思うぞ」エヘヘ

後輩「では味見を」レロ

先輩「っ――いきなり眼球を舐めるでない!驚くだろう」

後輩「驚いた先輩も可愛いですよ」ナデナデ




106: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/29(月) 00:13:15.05 ID:f/EH1gC90

先輩「なあ後輩くん。ちゅうしてくれないか?」

後輩「喜んで」チュ

先輩「足らんよ」

後輩「」チュ チュ

先輩「もっとぉ」チュ チュ チュウ

後輩「」ドキドキ ドキドキ

先輩「えへへ……少し落ち着いたのだ」

後輩「僕は今にも爆発しそうですけどね」

先輩「それはどうしてだ?」

後輩「全く、疎いんだか聡いんだか・・・先輩が可愛すぎるからですよ」ナデナテ



107: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/29(月) 00:14:18.35 ID:f/EH1gC90

後輩「はい終了」パッ

先輩「な、もうか!もうタイムアップなのか!十二問ぐらい答えてみせるから!」

後輩「クイズ形式で間違ったら回るとかそういうアトラクションじゃありませんよ、先輩。それにさっきも言ったように僕が限界です。そういう意味ではこれは確かに罰でもありました」

先輩「ま、まだ愛でられ足りんぞ!」

後輩「これ以上愛でたら溶かす前に壊しちゃいそうで恐いです。先輩、続きはまたいつかにしましょうね」

先輩「むう……気持ちを許容されているのに行動に制限をかけられるとは煩わしくて口も尖るぞぉ」

後輩「頑張って胸を張れる自分になりますから、それまで待っていてくれますか?」

先輩「好きなのに待てないだなんて口が裂けても言えないぞ。ずるいな、後輩くんは。それで、どれくらい待てばいいのだ?」

後輩「早くても高校卒業?」

先輩「少なく見積もっても二年半だと!?飢え死にさせる気か!」

後輩「さあ、夕日に向かって走りましょう」

先輩「誤魔化すことすら放棄して誤魔化そうとするな!もっと愛でてくれよお!」


惰性も終了。
とりあえず本当にここまでで終わりです。



109: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/29(月) 00:24:23.54 ID:f/EH1gC90

思いの外長くなったのに読んでくださった方がいたようなのでありがたい限りです。
元々会話を弾ませる予定だったので、イベントに到達するまで長かったですね。
イベント後はまた淡々としている気がしないでもないです。

改めましてありがとうございました。
暇つぶしになれば幸いです。



112: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/29(月) 01:19:53.08 ID:f/EH1gC90

で、やっぱりやるらしい蛇足編。
今回は無駄に長いので、前回とは違った蛇の足でお送りします。

舞台裏編?
要は先輩の可愛さが伝わればいいんです。


先輩「初恋なのだ!」母「あらあらまあまあ」



113: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/29(月) 01:20:19.16 ID:f/EH1gC90

>>1の前日

先輩「お母さん!今日学校で、とっても素敵な子を発見したのだ!」

母「あら、よかったわねえ。どんな子なの?」

先輩「雰囲気が柔らかい人だったな。あと、哀愁が漂っていた!」

母「優しそうな人ねえ。もうお話したの?」

先輩「それがまだなのだ……声をかけようと思うとぐぅっと胸の辺りが苦しくなってな、どうしたらいいか解らなくなってしまう。お母さん、私は病気なのかな?」

母「そうねえ、恋の病かしらねえ」

先輩「恋!ということは初恋なのだ!」

母「あらあらまあまあ、嬉しそうねえ」

先輩「お母さん!どうやって声をかけよう!」

母「そうねえ、予想もしない奇妙な声の掛け方をすれば、反応は得られるかもねえ」

先輩「うむ!早速実践してみるぞ!」




114: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/29(月) 01:20:56.66 ID:f/EH1gC90

>>27の夜

先輩「お母さん!早速友達になれたぞ!それに専属マネージャーになってくれたのだ!」

母「あら、よかったわねえ」

先輩「話してみると思いの外気さくな後輩くんでな、至る所に突っ込んでくれたのだ!」

母「あらあら、字面だけ取ると鬼畜ねえ」

先輩「次はどうすればいいだろうか。もっと仲を進展させたいのだ」

母「そうねえ。抱きついちゃえば?娘ちゃんなら許されるわよ」

先輩「しかしそれは少し恥ずかしいぞ//」

母「じゃあストレッチの時なんてどうかしら?」

先輩「流石お母さんだ!妙案だな!」

母「そして仲良くなれたらデートに誘っちゃいなさいな」



115: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/29(月) 01:21:23.93 ID:f/EH1gC90

>>49の前夜

先輩「お母さあああん!あうあう、どうしよう、明日後輩くんとお出かけなのだがな、まだ予定を決められないのだ」ショボン

母「あら、本当に誘ったのね。それにしても前日までどうして言わなかったの?」

先輩「頼ってばかりじゃいけないと思ってな!考えてみたけれど、私はデートなんてしたことないからどうすればいいものか……」

母「そうねえ。ホラー映画を観に行く、なんてのはどうかしら」

先輩「ホラー!?私が恐いもの苦手だと知って言っているのだよな!?」

母「ホラー映画には不思議な魔力があるのよ。吊り橋効果っていうのをお手軽に体験できるしねえ」

先輩「割り箸効果って嫌な響きだぞ」

母「それじゃあ弁財天様の呪いねえ。吊り橋効果よ、娘ちゃん。恐いドキドキと恋のドキドキを勘違いしちゃうのよ」

先輩「おおう!流石母さん!スリ師のような采配だな!そうするぞ!」

母「それは間違ってもご近所で言わないようにねえ」



117: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/29(月) 01:21:49.86 ID:f/EH1gC90

>>61の夜

先輩「お母さん」コショコショ

母「どうしたの娘ちゃん」コショコショ

先輩「後輩くんにちゅうしちゃったぞ」コショコショ

母「やるじゃない娘ちゃん」コショコショ

先輩「でも後輩くんいい人だから、唇に間違えてしないようにと注意してくれたぞ。唇は好きな人と、とな」コショコショ

母「あらあら、お父さんには内緒ねえ」コショコショ

先輩「お母さんとの秘密だぞ」コショコショ

父「ただいまああああ!」マッスルビィィィム

先輩 母「」ビクゥ




118: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/29(月) 01:22:27.36 ID:f/EH1gC90

>>78の夜

先輩「どどどどうしようお母さん!勢い余って大会終わったら話があると、いかにもそれっぽいことをほのめかしてしまったぞ!」

母「あらあら、とうとう告白なのねえ」

先輩「後輩くん、どう思うかな。嫌がったりしないかな」

母「聞いてる限りだとそれはなさそうだけどねえ」

先輩「というか後輩くん、私を異性として見てくれているかな」

母「あらあら、うふふ」

先輩「お母さんのそれは所謂ノーコメントではないか!うああ、不安になってきたあああ!」

母「娘ちゃん。どんな結果になろうと、告白はしなくちゃならないわ。好きなら好きって伝えないと、いつか後悔しちゃうからね」

先輩「そ、そういうものなのか。伊達に年輪重ねてないのだな、うむ!頑張るぞ!」

母「娘ちゃんは本当に失礼な子ねえ」グリグリ

先輩「ああ、痛い!お母さんはまだ若いぞ!シワもないぞ!あうう」




119: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/29(月) 01:23:06.92 ID:f/EH1gC90

>>85の夜

先輩「(ずっと迷惑だったんだろうか)」

先輩「(楽しくお喋りできていたと思っていたのに)」

先輩「(やっぱり子供みたいな私じゃ好かれることなんてないのか?)」

先輩「うぅ……」

先輩「(もう朝か……)」

先輩「(学校、行きたくないな……)」




120: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/29(月) 01:23:33.16 ID:f/EH1gC90

先輩「(この三週間は楽しかったな)」

先輩「(風景の色さえもが違って見えた)」

先輩「(これは恋、だったのだろうな)」

先輩「(恋は嬉しくて、暖かくて、綺麗だけど
    辛くて、苦しくて、胸が痛いぞ……)」

先輩「(後輩くんに会いたい……会いたいっ……)」

先輩「ううぅあ……こうはい、くん……っ」

――コンコン




121: 1 ◆mSvgS5v5Fc 2012/10/29(月) 01:24:57.12 ID:f/EH1gC90

先輩「お母さん!恋って素晴らしいな!」

母「あらあら、良い風に纏まったみたいでお母さんも嬉しいわあ」

先輩「今なら地球を十週できそうだぞ!」

母「一周なら本当にしちゃいそうで恐いわねえ」ウフフ

先輩「なぜだか恋人同士にはなれなかったけど、いつか彼氏としてお母さんに紹介するからな!」

母「うふふ、その日が楽しみねえ」

父「俺も楽しみだなあ……っ!!」ゴゴゴゴゴゴ マッスルポォォォォォォォォォォズゥ

先輩「oh ダディ」




蛇足も御終い。


元スレ
SS速報VIP:先輩「自殺なんて愚かなことはやめるんだ!」後輩「!?」