SS速報VIP:ほむら「円環をお断り」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1354870726/



1: ◆2DegdJBwqI 2012/12/07(金) 17:58:46.23 ID:NLK9u1Wa0

SS速報VIPで作った物を投稿するのは初めてなので何かおかしな所があったら言って下さい

※途中名無しのオリキャラというかモブが出てきますからそういうのが苦手な方は注意してください

後基本まどほむで、途中までほむまど途中からほむQ気味なのでそういうのが嫌な人も注意してください。

タイトルで丸分かりな気もしますがバッドエンドです。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1354870726




2: ◆2DegdJBwqI 2012/12/07(金) 17:59:59.19 ID:NLK9u1Wa0

私の名前は鹿目まどか。

少し複雑な事情があって世界の一法則、いわゆるちょっとした神様みたいなことやっています。

「ほむら、そっち行ったぞ!」

「まかせて。一匹残らず駆逐するわ。」

今ほむらと口にした変な格好をして剣を手にしている少女は美樹さやか、私のかけがえのない親友。

そしてほむらと呼ばれたこれまた変な格好で弓を構えている少女が暁美ほむら、私の最高の友達。

この二人はなんと本物の魔法少女なのです。



3: ◆2DegdJBwqI 2012/12/07(金) 18:01:43.21 ID:NLK9u1Wa0

  「やれやれ、よくやるぜ。ありゃアタシらの出番はなさそうだな。」
  
  「もう、暁美さんはせっかちなんだから。」

この二人も魔法少女。

黄色いクルクルした髪が特徴的な子が巴マミ、おっぱいがおっきいです。

赤いポニーテールの子が佐倉杏子、マミさんのお弟子さんだった頃もありました。

私にとっては4人とも特別に大事な人達です。



4: ◆2DegdJBwqI 2012/12/07(金) 18:03:25.74 ID:NLK9u1Wa0

私のお仕事は数多の時間と世界をかけて魔法少女を救うこと。

どの世界のどの時間にも私は存在します。

それは不滅の理。

そんな私にとって幸せな皆を眺めている『今』はまさに至福の一時。

しかし全ての物事には終わりがあります。

これはこの世の理。



5: ◆2DegdJBwqI 2012/12/07(金) 18:04:29.69 ID:NLK9u1Wa0

~☆

 4人中3人が死んでしまってから数年経ちましたが、ほむらちゃんは一人で闘い続けています。

まだどの世界のほむらちゃんも円環に導かれていません。

私は過去と未来の全て、あり得るかもしれない未来とあり得たかもしれない未来を見ることができます。

しかしそれは人間で言う予測を全世界の時間全てを第三者的視点で観測できる私が行うにすぎません。

私とて現在において未来に存在する事は出来ないのです。

しかしその予測を覆すのはそれこそとびっきりの奇跡が必要です。



6: ◆2DegdJBwqI 2012/12/07(金) 18:05:36.17 ID:NLK9u1Wa0

私も万能ではないのでほむらちゃんがいつ此方に来るかはっきりしたことは言えませんが、

それでもまた会えた時ほむらちゃんは笑ってくれると信じています。

ただこの時間のほむらちゃんは他の時間軸と少し様子が違っていて、

ひたすら何かにとりつかれたようにずっとQBと魔獣を狩り続けています。

私のあげたリボンの汚れにもまるで無頓着です。

無理しすぎるのは体に良くないのでやめて欲しいな。

  「QB次の魔獣はどこ?」

  「ここから北に3キロほどだね。」

  「行きましょう。」



7: ◆2DegdJBwqI 2012/12/07(金) 18:07:34.53 ID:NLK9u1Wa0

~☆

 それからさらに長い年月が経過しました。

ほむらちゃんは魔法少女であるせいか体が全然成長していません。

そんな状態でまともな生活を営んでいけるはずもなく、

最近は適当に外で毛布を巻いて眠っているようです。

必要な金銭は魔法の力で困っている人を助けその謝礼として得ています。

本当に困った時にはQBが普通の人には見えない特性を生かしてお店から物を掠め盗ってきます。

QBはともかくほむらちゃんがその事に何も感じていないみたいで少し残念です。



8: ◆2DegdJBwqI 2012/12/07(金) 18:42:57.25 ID:NLK9u1Wa0

  「おめでとうほむら。君は僕の知る限りここ100年で最も長生きした魔法少女だ。」

  「あなた逹が私を私として観測した時間は私のループした時間の何分の一なのかしらね…?」

悲しげに微笑むほむらちゃんに私はなにも出来ない。

私は本当に無力な存在です。



9: ◆2DegdJBwqI 2012/12/07(金) 18:43:49.24 ID:NLK9u1Wa0

  「またその夢の話かい?…そういえば最近君はまどかと口にしなくなったね。何か心境の変化でもあったのかな?」

  「まどかと言うだけでまどかが戻ってくるならいくらでも言うわ。結局言葉にした所で無意味だもの。」

ちゃんと聞こえてるよ。

そう伝えたくてもそれが不可能なのは私が一番よく知っています。

私の奇跡は余すことなく全ての魔女を消し去る為に使いきってしまったのです。



10: ◆2DegdJBwqI 2012/12/07(金) 18:48:08.19 ID:NLK9u1Wa0

  「そんなことよりQB。私が手解きしてる子のその後はどうなの?」

近頃ほむらちゃんは新米の魔法少女逹の先生のようなことをしています。

教え子の家に泊まる事もしばしばで、

ほむらちゃんとお泊まり出来るなんて柄にもなくその子達に少し嫉妬してしまいます。

今ではどの世界のさやかちゃんやマミさん、杏子ちゃんを導き終えてしまったので、

私の格別の楽しみは色々な時間軸のほむらちゃんの毎日を眺める事くらいしかありません。



11: ◆2DegdJBwqI 2012/12/07(金) 18:54:08.53 ID:NLK9u1Wa0

  「君のおかげで皆着実に力をつけてきているよ。君に教わってない子達と比べると極端に魔法少女としての寿命が違う。君には本当にいくら感謝してもしきれないよ。」

  「じゃあ私の教えた子からとびっきり優秀なのをまず3人連れてきて。私だけじゃ完全に人手が足りないから先生役を作る。これから1月くらい一緒に魔獣狩りをさせてみるわ。」

  「君の毎日のアレについてこれる子…?無茶だよそんなの。無理に決まってるじゃないか。」

  「さすがに手加減するわよ。」
  
  「…くれぐれも壊さないでくれよ?」
  
  「…あなたは私を何だと思ってるのよ。」

QBは何度もほむらちゃんの方を振り返りながらどこかに消えて行きました。



12: ◆2DegdJBwqI 2012/12/07(金) 19:02:29.74 ID:NLK9u1Wa0

~☆

  「きゃー!ほむら様ー!」
  
  「素敵ー!」

今のはほむらちゃんの教え子達があげた黄色い声の一部です。

ほむらちゃんは長い長い年月たくさんの魔法少女達を指導してきました。

その結果ほむらちゃんは魔法少女達のアイドルのような存在になりました。

…もしかしたらそう形容するにはちょっと崇拝の色が濃すぎるかもしれません。

まあほむらちゃんは綺麗だしカッコよくて可愛いからね、仕方ないね。



13: ◆2DegdJBwqI 2012/12/07(金) 19:05:29.23 ID:NLK9u1Wa0

  「不合格。残念だったわね。次はもっと精進してくるように。一度攻撃したらとりあえず足を止めてしまう癖はやめなさい。」

  「は、はいありがとうございました!」

これはほむらちゃんが先生としてやっていけるだろうと認めた人たちに課される試験です。

ハンデを貰ってほむらちゃんと模擬戦を行うわけです。

今の子に対してのハンデは弓矢と左手を使わず右目を眼帯で塞ぐという縛りでした。

ここまでしてもトップクラスの魔法少女しかほむらちゃんとは勝負にならないのだから、

今のほむらちゃんの強さがどれだけケタ外れてるのかがわかるでしょう。



14: ◆2DegdJBwqI 2012/12/07(金) 19:11:27.56 ID:NLK9u1Wa0

経験もそうですが私との絆ともいうべき弓矢、そして魔力の翼からどんどん力を引き出せるようになっています。

本来アレは一人の人間の手には余る代物なのですがやっぱりほむらちゃんは凄い。

話が逸れましたがこの試験に合格してもそれだけで終わりというわけではありません。

先生としてもトリプルAやらCクラスやら色々位があり、昇格するには試験を合格することが必要です。

今の様なハンデを位によって無くしていき後は手加減の度合いを変えていくみたいです。

どうやら手加減なしのほむらちゃんに勝てた魔法少女にトップの座を譲る気でいる様ですが今の所は現れていません。




15: ◆2DegdJBwqI 2012/12/07(金) 19:16:04.13 ID:NLK9u1Wa0

つまりほむらちゃんは自らをトップとした実力主義的な魔法少女の集団を組織したわけです。

ほむらちゃんのおかげで魔法少女はより安全に魔獣狩りができるようになりました。

出現した魔獣が自分の手に余るようならそこに応援をよこして貰えばいいからです。

グリーフシードがどうしようもないほど不足すれば借りることだってできます。

もちろん借りた分を返すまでは組織の監視下に置かれますが。

そういうさまざまの情報把握にはQBは本当に便利です。



16: ◆2DegdJBwqI 2012/12/07(金) 19:17:28.19 ID:NLK9u1Wa0

戦いの技術を学ぶこともできます。

たくさんの新米魔法少女にこうやって試験の様子を見せているのは、

なにか戦い方について学べるところがあればということみたいです。

みんなほむらちゃんの方ばっか見てるけどいいのかな?

多分参考にならないと思うんだけど。

  「QB次の候補者はどこ?」

  「あの子だよ。ほら君の顔がプリントされた服を着てる子。」

割と何人もいるんだよなぁ…。

でもほむらちゃんには伝わったようです。




18: ◆2DegdJBwqI 2012/12/07(金) 19:19:29.97 ID:NLK9u1Wa0

  「さあ、早くこっちに。」

  「よ、よ、よろしくお願いします。あ、あの私ずっと前から暁美さんのファンでこうやって話してみたくてあの…。」

  「ごめんなさい。後にしてもらえるかしら?夜の予定を開けておくからそこで」

  「あ、暁美さんと夜!?」

周りの喧騒が凄いです。

神様じゃなかったら耳がつぶれてたかもってくらいうるさいです。

  「さあ、始めるわよ。」

最初は不安定だったけどこのほむらちゃんはまだまだ大丈夫そうです。

ああ、ずっとこんな日が続けばいいのに…。



19: ◆2DegdJBwqI 2012/12/07(金) 19:24:26.57 ID:NLK9u1Wa0

~☆

 時間は私を置き去りにしてどんどん過ぎてゆきます。

ただ概念として存在する私にとって時間の経過というものは何も意味していません。

しかし現実の時間を生きているほむらちゃん達にとってはそれはありとあらゆる意味を持ちます。

ほむらちゃんは最近魔法少女の教育もそこそこにまた魔獣退治に精を出しています。

教え子である魔法少女達の前に意図的に顔を出すのもかなり久しぶりです。

そんな中一人の子に用事があるとほむらちゃんは呼びだされて今ここにいます。





20: ◆2DegdJBwqI 2012/12/07(金) 19:28:53.07 ID:NLK9u1Wa0

  「それで用事って何かしら?」

ほむらちゃんの前に二人魔法少女が立っています。

最近この二人とほむらちゃんの居る姿が目立ちます。

魔獣を倒すため色々な場所を旅してまわっているほむらちゃんとそんなにばったり遭遇するのもおかしな話です。

もしかして普段わざとほむらちゃんについてきてたりするのかな?

だったらもっと仲良くなってほむらちゃんの支えになってくれると嬉しいな。

ほむらちゃんは本当はすごくさびしがり屋さんな子だから。




21: ◆2DegdJBwqI 2012/12/07(金) 19:38:27.34 ID:NLK9u1Wa0

  「こ、これを、あの受け取って、ください!」

プレゼントらしき包みをおどおどおっかなびっくりほむらちゃんに手渡しします。

おそらくもう一人の子はほむらちゃんをここに呼んでくれと彼女に頼まれたのでしょう。

この子がほむらちゃんをわざわざ呼び出すなんてどうも腑に落ちないと思っていたからすっきりしました。

それにしても彼女が先生になって数少ないトリプルAに昇格してからもう長いこと経つのに、

ほむらちゃんの前だと驚くほど内気なのは相変わらずなんだなぁ…。

時間が経っても変わらない物はあるのだとしみじみとした気持ちになります。




22: ◆2DegdJBwqI 2012/12/07(金) 19:45:07.29 ID:NLK9u1Wa0

  「これは…。リボン?」

…それはリボンでした。

白のリボン。

ほむらちゃんによく似合いそうなデザインです。

  「ま、前まではあの、リボンをつけていらっしゃったのに最近はつけていないみたいなので、あの、凄くよく似合ってたと思ったから、だから私が勝手にその…。」

  「ちょっとー。幾らあんたの憧れのほむら様が前だからってもうちょっと落ち着きなよー。」

  「憧れだなんて、私そんなおこがましい…。」



23: ◆2DegdJBwqI 2012/12/07(金) 19:53:02.97 ID:NLK9u1Wa0

話の間彼女はほむらちゃんと決して目を合わせようとせず、

それどころか視線を何か探しているかのようにきょろきょろとあらぬ方向に向けています。

びっくりするくらいほむらちゃんに対して弱気にでる子だなぁ…。

わたしやほむらちゃんがまだ人間で魔法少女ではなかった頃でも、

ここまでおどおどした態度をとった事はありませんでした。

挙動不審と評した方が正確かもしれません。




24: ◆2DegdJBwqI 2012/12/07(金) 19:53:46.70 ID:NLK9u1Wa0

  「ありがとう。貰っておくわ。」

  「あ、頭につけては頂けないのですか?」

凄い苦しそうで切ない表情…。

それを見て鈍感な私でも思わずぴんと来てしまいました。

まさかこの子はほむらちゃんの事を…。



25: ◆2DegdJBwqI 2012/12/07(金) 19:56:58.54 ID:NLK9u1Wa0

  「ええ。もうあのリボンはボロボロだしこれ以上汚さないためにつけるわけにはいかない。それでも私の頭に結ぶのはあのリボンだけだから。」

  「そうですか…。」

シュンとしたその子の表情を見て確信する。

やっぱりこの子はほむらちゃんの事が好きなんだ。

そういう感情をほむらちゃんに誰かが抱くのはなにもおかしくないはずなのになぜか胸がチクッとします。

彼女のしょげきった様子を見てほむらちゃんは少し微笑みながらその子の頭を撫でます。

優しい表情。



26: ◆2DegdJBwqI 2012/12/07(金) 19:57:37.24 ID:NLK9u1Wa0

本当にどうしたのかな?

胸が苦しいよ。

身体的な異常なはずはない。

私にそんなものはない。

となるとやはり精神的な…。



27: ◆2DegdJBwqI 2012/12/07(金) 20:02:17.03 ID:NLK9u1Wa0

  「でもどこにもつけないとは言ってないわ。こんな素晴らしい気持ちのこもった物をあなたからもらって嬉しくないはずがない。これから毎日左腕に結ばせてもらうわね。」
  
  「…!あ、ありがとうございます!」

  「おっ!手を握るとかやるじゃん。ほむらさんの手を握った奴とかアタシ他に全然知らないぞ。」

さっき冷やかしをした子がまた軽口をたたく。

中々良い表情をしています。

いたずらの成功したさやかちゃんくらいの顔です。

そう、私はこういった子達の笑顔を守るために戦ってるんだ。

こんな訳のわからない胸の苦しさに悩まされてる場合じゃないぞ。

そう自分に言い聞かせなるべく無駄な思考を停止させます。



28: ◆2DegdJBwqI 2012/12/07(金) 20:03:44.77 ID:NLK9u1Wa0

  「ごめんなさい!私なんかが!暁美さんの手を!」

慌ててバッと手を離す彼女。

その歯がゆさは私に契約前のほむらちゃんを思い起こさせました。

全然雰囲気も容姿も違うのになんで思い出したんだろう。

この子がこんな感じになるのはほむらちゃんの前だけ。

本当は凄い活発な子なのに。



29: ◆2DegdJBwqI 2012/12/07(金) 20:06:31.65 ID:NLK9u1Wa0

  「いえ別に。ただ暁美さんは他人行儀すぎるわ。」

  「え?」

  「私達が出会って何年も経ったでしょ?魔法少女は基本的に第二次性徴が終わるまでしか身体的に成長しない。だから私達はもう同い年みたいなものよ。だったらこう呼んで欲しいわ。ほむらって。」

  「え、ええ!?」

  「ほむらー。」

  「そうそうこの子が今言った感じで良いから。」

  「そ、そんな私、恥ずかしい…。」

  「ああ、こりゃもうちょっとかかりそうだわ。それはそうとほむらさー。」

この子はほんと適応力高いね。

さやかちゃんっぽい雰囲気の子。



30: ◆2DegdJBwqI 2012/12/07(金) 20:13:06.97 ID:NLK9u1Wa0

  「なにかしら?」

  「ほむらって名前凄い似合って無いよね。なんかこうカッコよさが違う感じ。もちろん名前を馬鹿にしてるわけじゃないよ。」

でもさやかちゃんよりはだいぶしっかりしてそう。

やっぱりさやかちゃんとは全然違うかも。

なんというか情熱的だったり乙女だったりする所がさやかちゃんにしては足りないし。

あえて言うなら杏子ちゃんとさやかちゃんを足して割った感じかな。



31: ◆2DegdJBwqI 2012/12/07(金) 20:24:52.44 ID:NLK9u1Wa0

  「というと?」

  「いや、ほむらって言うとなんかこう燃えあがれー!って感じするじゃん?ゴワーって!でも現実のほむらはクールっつうか尖ってると言うかなんかこう凍りつけー!って感じだからさ。シャキーンみたいな?」

  「じゃあどんな名前がよかったのかしら?

  「うーん…。例えば氷華とか?猛吹雪の中でただ一本咲き続ける孤高の黒い華とかイメージに合いそう。」

  「氷菓…氷菓子が真っ先に思い浮かぶ名前ね。」

  「そっか…やっぱ名前って難しいね。」



32: ◆2DegdJBwqI 2012/12/07(金) 20:30:13.12 ID:NLK9u1Wa0

ほむらちゃんはほむらちゃんだよ。

名前無茶苦茶似合ってるよ。

ほむらちゃんは一見冷めているようで心の中には熱く燃え上がる炎を秘めているんだよ。

  「ほ、ほむらさん…。」

彼女の小さな小さな声は私の他誰に聞きとられる事なくどこかに消えて行きました。



33: ◆2DegdJBwqI 2012/12/07(金) 20:33:01.65 ID:NLK9u1Wa0

~☆

 さらに長い時が流れたくさんの世界を見渡してもほむらちゃんが居る世界の方が珍しくなってきました。 

  「…彼女アタシをかばって死んだんだ。トリプルAの評価をうけていた彼女があんなあっさり死んでしまった…。」

  「人は死ぬ時にはあっさり死ぬものよ。」

  「解ってるよほむらそんな事…!アタシだって伊達に長生きしちゃいない。ただ大した魔法も使えないアタシがここまで長い事やってこれたのは彼女のおかげなんだ。確かにほむらとだって長い付き合いだけど…。」

  「あなたは私に何を言いたいの?」



34: ◆2DegdJBwqI 2012/12/07(金) 20:38:57.98 ID:NLK9u1Wa0

こんな悲しい事があってもほむらちゃんは全然表情を変えようとしない。

何だかほむらちゃんの苦しみを私が背負っているみたいに苦しくなってくる。

  「…ほむらに彼女のために泣いて欲しいんだ。身勝手なのはわかってる。アンタにずっと好きな奴が居るってことも。でもこんなに長く思い続けたアイツにこのまま何もないだなんてそんな…。」

  「無理ね。誰かの為に流す私の涙はもう枯れてしまった。それに彼女はもう円環の理に導かれた。死んだ人に対して何をしたところで無意味よ。」



35: ◆2DegdJBwqI 2012/12/07(金) 20:41:27.45 ID:NLK9u1Wa0

  「…じゃあなほむら。変なこと言って悪かった。多分もう会うこともないだろ。アタシのソウルジェムはあいつが死んでからどんなに浄化してもすぐに濁るばかりだ。もう少しやれるだけ頑張ってはみるけどさ。足手まといにはなりたくない。」

  「私はもう少し彼女の亡骸のそばにいるわ。ここに置いておいたら目立ってしまうから後で移さなくてはならないし。」

  「そうか…。ほむら、いままでありがとな。楽しかったよ。」

  「…私もあなた達と一緒にいたりするのは楽しかったわ。数少ない友達だと思ってる。」

  「へへ、そうかい。それは光栄だね。あのほむら様の友達になれてたなんて。…じゃあまた、円環の理で。」

  「円環の理で。」



36: ◆2DegdJBwqI 2012/12/07(金) 20:42:32.48 ID:NLK9u1Wa0

さやかちゃん似の子が一度も振り返ることなく去って行きました。

  「さあ、あなたのリボンを今返すわ。あなたの気持ちには気づいていたけど甘えてしまってごめんなさいね。私にはまどかが居るの。もっと早くごめんなさいと言って解放してあげるべきだったわ。疲れた私にはあなたからの好意が心地よかったのね、多分。」
 
ほむらちゃんは彼女の頭に左手につけていたリボンを結びつけました。

後ろから声がする。



37: ◆2DegdJBwqI 2012/12/07(金) 20:43:42.76 ID:NLK9u1Wa0

  【さあ、行きましょう女神さま。私が居るべき場所はここではないのでしょう?】

そう言って彼女はどこかすっきりした顔でこちらを見ている。

今まで誰かを導くのにここまで躊躇したことはなかった。

今ここで彼女を導いてしまえばこのほむらちゃんはまた一人になってしまう。

…でもそれは私にはどうしようもないことで…。



38: ◆2DegdJBwqI 2012/12/07(金) 20:46:56.21 ID:NLK9u1Wa0

  【大丈夫ですよ、ほむらさんは強いですから信じてあげてください。あの…名前、違ってたら申し訳ないんですけどまどかさん、あなたの思いはきっと届いてますから。】

彼女は晴れやかで何も心配していないような安らかな表情を浮かべています。

彼女がそんな顔を出来るのはほむらちゃんの事を、彼女の強さを信じているからだ。

ほむらちゃんを見ている時間、

知っている事、

全て私の方が上のはずなのにいったいどこで差がついたのだろう。

そんなことばかり考えながら私は初めて導く子の事をろくに意識せず彼女を円環へと導いたのでした。



39: ◆2DegdJBwqI 2012/12/07(金) 20:50:37.35 ID:NLK9u1Wa0

~☆

 地球滅亡の日がやってきました。

ようやく最後のほむらちゃんを救ってあげられる。

特にこのほむらちゃんは私にとって特別でした。

私が概念になる願いをした時間のほむらちゃんだからです。

地球が滅亡すると言うのに不謹慎ながら私はどこか幸せな気持ちでした。

どうせどの世界でも地球はここで終わる。



40: ◆2DegdJBwqI 2012/12/07(金) 20:56:13.26 ID:NLK9u1Wa0

宇宙に飛び立った人達も生き物の住める星を見つけられることはなく皆死んでいくでしょう。

今ここにいる人たちはどの世界にいてもどうせ今死んでしまう。

地球の寿命に逆らうことは人間にはとてもできることじゃない。

私にとって今ただ一つ現実味を帯びていたのはこのほむらちゃんの事だけでした。

私が救うべき最後のほむらちゃん。

私の最高の友達。

私の大好きな…。



41: ◆2DegdJBwqI 2012/12/07(金) 21:06:49.90 ID:NLK9u1Wa0

  「今までお疲れ様ほむら。君の役目はもうお終いだ。」

  「私はまだ戦えるわ。」

  「それはそうだろうけど今更君はいったい何と戦うと言うんだい?」

  「宇宙には他に知的生命体、あなた達が、目をつけている感情を持った種族が居るのではないかしら?ならば当然そこに魔獣は出現するのでしょう?」

  「なるほど、確かに君の戦闘能力をここで無為に失うのは惜しい。わかった母星と相談してみるよ。」

そんな…もう良いんだよほむらちゃん…。

どうしてそんな自分をわざわざ苦しめるようなことを…。



42: ◆2DegdJBwqI 2012/12/07(金) 21:15:25.53 ID:NLK9u1Wa0

  「しかしどうして君はまだ生きようとするんだい?君は生への執着が人一倍低い魔法少女だと思っていたのだけれど。」
  
  「まどかがあなたと契約してその結果この世界から居なくなってしまったのを見た時に誓ったの。私はまどかとの彼女を絶対に救ってみせるという約束を守りきることができなかった。だから誓ったの。」

  「絶対に私は彼女がみんなのためにしてくれた事を忘れない。そのために私は証明し続ける。彼女のしたことが正しかったって。」

  「私という存在が善をおこない続けることで彼女の存在が少しでも誰かに肯定されるように。もし今の私が肯定される事があったならそれはまどかの行いが肯定されることと同義だから。」

  「例え彼女の存在に誰一人気付かなくても。その行為に何の意味もなかったとしても。だから私は少しでも多くの魔獣を倒し誰かを救い続けるわ。たとえそこにどんな苦しみが待っていたとしても。」

ほむらちゃん…私なんかのためにもう良いよ…もう良いんだよ…。  



43: ◆2DegdJBwqI 2012/12/07(金) 21:25:43.02 ID:NLK9u1Wa0

ああ…しくじった…手直ししながら投稿してるからいつかやるなーって思ってたけどこれはアウトですわ

例えの字それじゃ駄目だし、その後もたとえが連続してて気持ち悪いし…

申し訳ないですけど>>42の修正したのを投稿しますね

他の危うい助詞とか言葉の使い方には目をつぶってください

残念ながら基本的に文章力ないんで



44: ◆2DegdJBwqI 2012/12/07(金) 21:30:43.58 ID:NLK9u1Wa0

 「しかしどうして君はまだ生きようとするんだい?君は生への執着が人一倍低い魔法少女だと思っていたのだけれど。」
  
  「まどかがあなたと契約してその結果この世界から居なくなってしまったのを見た時に誓ったの。私はまどかとの彼女を絶対に救ってみせるという約束を守りきることができなかった。だから誓ったの。」

  「絶対に私は彼女がみんなのためにしてくれた事を忘れない。そのために私は証明し続ける。彼女のしたことが正しかったって。」

  「私という存在が善をおこない続けることで彼女の存在が少しでも誰かに肯定されるように。もし今のまどかの為に生きる私が、彼女に力を与えられた私が肯定される事があったなら、それはあの時のまどかの行いが肯定されることと同義だから。」

  「たとえ彼女の存在に誰一人気付かなくても。その行為に何の意味もなかったとしても。だから私は少しでも多くの魔獣を倒し誰かを救い続けるわ。そこにどんな苦しみが待っていたとしても。」

ほむらちゃん…私なんかのためにもう止めてよ…もう良いんだよ…。



45: ◆2DegdJBwqI 2012/12/07(金) 21:32:27.28 ID:NLK9u1Wa0

  「なるほどね。君はもうとっくにおかしくなっていたわけだ。気付かなかったよ。まあ害はなさそうだし別にかまわないよ。母星から許可が出た。遠い銀河の先が目的地だ。」

こうしてほむらちゃんの長い長い旅が始まりました。



57: ◆2DegdJBwqI 2012/12/08(土) 09:59:15.62 ID:WywHBwYD0

~☆

 何度も何度も星が生まれては滅びるほどの時間が流れました。

ほむらちゃんはいまだに戦い続けています。

一応他の宇宙の人達?も導くことはできますが彼らが何を言っているかがわからない。

見た目もなんだか怖い人たちが多い。

どうやら今までは地球人以外もオートで導いていたようなのでそれに任せます。

QBの願い事はこうい所もきちんと対応してくれるから律儀です。

魔法少女が魔女になるなんて重要な事実を皆に隠して契約していたのは今だに許すことができないけど。



58: ◆2DegdJBwqI 2012/12/08(土) 10:03:56.22 ID:WywHBwYD0

ほむらちゃんはそんな人達の中で今も生きています。

彼女がどんな苦労をしてきたのか詳しくはわかりません。

私は彼女が地球を飛び出した日から日課の彼女を毎日チェックすることをやめました。

怖かったのです。

私のしてしまったことが…。

私はいままで何があっても彼女を救えると思っていました。

そしてまた笑って私を抱きしめて名前を呼んでくれると。

でも彼女の選択は私なんかが救いになる簡単なものなのだろうか?

もう誰にも救うことのできない長い旅へと彼女は足を踏み入れたのでないか?

本当に手遅れになってから気づきました。



59: ◆2DegdJBwqI 2012/12/08(土) 10:09:13.52 ID:WywHBwYD0

私は彼女の事を特別な一人の人間として愛していると。

私は色々な時間でさやかちゃんに恋心を抱いていました。

マミさんにだって恋したこともあります。

ほむらちゃんに恋をしていた私の数は彼女ら二人に対しての物と比べると無い様なものでした

だからそんな全てが統合された「私」のほむらちゃんへの気持ちが恋であるはずがないと思っていました。

可愛くて綺麗で美しくて儚いほむらちゃん。

私のためにすべてを投げ出してくれたほむらちゃん。

私の最高の友達。



60: ◆2DegdJBwqI 2012/12/08(土) 10:11:00.23 ID:WywHBwYD0

他の私の気持ちなんて知らない。

「私」はほむらちゃんが好き。

全てのほむらちゃんを私は愛しています。

彼女の全てが好き。

弱いところも強いところもみんな。

そんなほむらちゃんをもし一人でも私が救えなかったとしたら…

私のためにしてきてくれたことを全て知っているだけに私はきっと絶望してしまうでしょう。

あの時の自分の願いを否定してしまう。



61: ◆2DegdJBwqI 2012/12/08(土) 10:15:09.49 ID:WywHBwYD0

ほむらちゃんが地球を離れた後私は円環に閉じこもりました。

どうせこの気持ちに気づいていたとしても私に今を生きる彼女の為にできる事は何もなかった。

それでも私は後悔し続けています。

どうしてこの気持ちに気づかず今まで居たのだろう。

結局どのほむらちゃんにもこの気持ちを伝えられていない。

ああ、私って本当に嫌な子だ。

この期に及んで自分の事を考えているなんて。



63: ◆2DegdJBwqI 2012/12/08(土) 10:20:45.74 ID:WywHBwYD0

私にとって時間の概念は何も意味しません。

彼女をどれほど待つことになっても辛くはない。

本当に恐ろしいのは私がまた彼女に会えた時にいったい何をしてあげられるかがまるで見当もつかない事です。

ただじっと待ち続けます。

人である彼女が過ごしている時間の苦しみを想像しながら。

自分から背を向けた事を後悔しながら。

そして彼女とまた血肉の通った対話ができることを楽しみにしながら。

私の審判の日、彼女が導かれるその日を。



64: ◆2DegdJBwqI 2012/12/08(土) 10:24:08.40 ID:WywHBwYD0

~☆

 とうとうその日がやってきました。

ほむらちゃんとQBが二人で向かい合って座っています。

  「現在僕達が観測する限り宇宙上のどこにも感情を持った生物は観測されない。母星はいまだあきらめず宇宙を捜索しているけど多分無理だろうね。」

  「何もないところから一つの生物として確立されたものが発生するのはまさに奇跡だ。そこから思考力を持ちなおかつ感情エネルギーを用いる種族が今から宇宙滅亡までに生まれる可能性なんてほぼないようなものだろう。もっともこれは僕自身の意見だけど。」



65: ◆2DegdJBwqI 2012/12/08(土) 10:25:28.90 ID:WywHBwYD0

  「あなたにもかんじょうがめばえたんじゃないかな。どれほどじかんがたったのかわかんないけど。あなたがこたいとしてのいけんをのべるなんてむかしはなかったよ。」

たどたどしい言葉遣い。

どこか幼さを感じさせるしゃべり方です。



66: ◆2DegdJBwqI 2012/12/08(土) 10:29:31.69 ID:WywHBwYD0

  「なら君も変わったさ。昔は君はもっとうまく地球の言語、特に日本語を使っていた。まあ君の記憶にはないだろうけどね。」

  「なんどもきおくをりせっとした。ひとのきおくできるようりょうをこえていたから。しかたない。」

  「まあ厳密に言うと君はもう人ではないのだけれどそれは大した問題ではないね。やれやれ苦労したよ。最初リセットした時は本当に全て忘れてしまったからね。」

  「覚えていたのは戦い方だけ。記憶だけのはずが言語も『まどか』も食事や睡眠、排泄の必要性すら全て忘れるているんだからね。あの後突然君が排泄し出した時はほんとに弱った。あの場面じゃなければまだよかったのだけれど。あれであわや世界一つ滅びかけたんだからね君は罪な女だよ全く。」



67: ◆2DegdJBwqI 2012/12/08(土) 10:30:36.74 ID:WywHBwYD0

  「おぼえてない。」

  「そりゃそうさ、こんな無意味な話それこそインキュベーターでもなければ記憶してないよ。残念だなぁ、せっかくユーモアが理解できてきたようだと言うのに軽口すらまともに叩ける相手が居ないなんて。今の君は地球以外の言語なら本当に流暢にしゃべれるというのにね。」

  「あなたとのじょうほうでんたつしゅだんがこれしかないからおぼえただけ。きゅべがふりょうひんだからだ。」



68: ◆2DegdJBwqI 2012/12/08(土) 10:33:14.16 ID:WywHBwYD0

 「そうそうそんな感じだよほむら。やっぱり君は毒舌な方が似合うね。僕は地球のために設計されたからね。どうも他の星の言語は口に合わないらしい。君しか話相手が居ないのはどうにもさびしい話だけど。」

  「…まあそんな君とももうお別れだろう。君のソウルジェムは限界だよ。今感情のある種族が見つかったとして手遅れだ。倒すべき相手である魔獣が居れば君もまだ生きて行けただろうけどね。」

  「べつにかまわない。しぬならしぬでそれでいい。」



69: ◆2DegdJBwqI 2012/12/08(土) 10:38:27.93 ID:WywHBwYD0

  「…君はなぜこれまで生きようとしてきたのかわかるかい?」

  「わからない。しんだらなにもできない。だからとりあえずいきておいた。」

  「…結局君はそんなことまで忘れてしまったんだね。さよならほむら。…少女を魔法少女にする任を解かれ、ずっと君の為に生きてきたボクは個体としての自我を持ち始めた。」

  「それがはたして救われたと言えるのかどうかわからないが、少なくともボクが君との毎日を結構楽しんでいたことは確かだ。今までありがとうほむら。」



70: ◆2DegdJBwqI 2012/12/08(土) 10:39:37.50 ID:WywHBwYD0

  「きゅべもしぬの?じゅみょうなんてなさそうだけど。」

  「僕はあくまで君が望んだ為に生かされてきた個体だからね。君が逝けば僕は欠陥品として処理されるだろう。」

  「ならまたあとであえるかもね。しごのせかいがあればだけど。あなたとのまいにちわるくなかったわ、きゅべ。」

  「君の言っていたことがもし本当ならそれはないだろうね。」

  「?」



71: ◆2DegdJBwqI 2012/12/08(土) 10:41:12.29 ID:WywHBwYD0

  「忠告だ、暁美ほむら。まどか。この言葉を忘れないように。もしかしたら君の救いになるかもしれない。」

  「まどか…?」

そしてその時が来ました。



72: ◆2DegdJBwqI 2012/12/08(土) 10:43:15.56 ID:WywHBwYD0

______

 後ろからほむらちゃんに声をかける。

いつも通りの調子に聞こえるように気をつけます。 

  「ほむらちゃんおはよう。」

今日はほむらちゃんの卒業の日。

悔いのないようにしなくちゃ。



73: ◆2DegdJBwqI 2012/12/08(土) 10:45:22.32 ID:WywHBwYD0

  「さやかにマミ、杏子は今日は来るのかしら?」

  「うーん、今日もみんなお休みかな。みんな忙しいみたい。」

  「そう、みんなと会えた日って今まで…。」

  「ほむらちゃん。細かい事は余り気にしちゃダメだよ。」

  「ええ、わかったわ。」

  「それじゃいこっか。…あ、あのねほむらちゃん!」

  「なあにまどか?」



74: ◆2DegdJBwqI 2012/12/08(土) 10:46:10.63 ID:WywHBwYD0

  「手、繋いでもいいかな?」

  「別にかまわないわ。まどかがそうしたいなら。」

  「じゃあそうするね。…ティヒヒ、ほむらちゃんの手すべすべだよう。」

  「そう、それはよかった。」

  「じゃあ今度こそ行こうか。」

  「ええ。」




                        円環の理へ。




75: ◆2DegdJBwqI 2012/12/08(土) 10:48:13.43 ID:WywHBwYD0

______

 ほむらちゃんは全く私の事を覚えていませんでした。

最後のほむらちゃんとの別れがこんなのなんてあんまりだ。

そう思った私は少しずるをしました。

現世と円環の狭間。

私がずっと閉じこっていた空間にほむらちゃんを連れて行きました。

魔法少女を初めて円環に導くことを一時保留したのです。



76: ◆2DegdJBwqI 2012/12/08(土) 10:50:12.92 ID:WywHBwYD0

それは私自身の願いを否定するものだったので私の力は少し弱まってしまいましたが私は後悔していません。

だってそれをしなかったらもっと後悔したに違いないからです。

そしてそこで私とほむらちゃんは二人で長い時間を、空いてしまった時間を埋めるように過ごしました。

少しでも私を思い出してもらえるように。

少しでもほむらちゃんを感じられるように。

でもそれも今日で終わり。

私の力が弱まった。

そもそも人間がこの場所にとどまるのは無理がある。

色々原因はありますがこれ以上ほむらちゃんがこの空間に耐えられないのです。



77: ◆2DegdJBwqI 2012/12/08(土) 10:51:29.71 ID:WywHBwYD0

いよいよほむらちゃんを円環に導かなくてはならない。

だから私は決めました。

初めてほむらちゃんにきちんとした愛の告白をするって。

せめて最後だけは後悔したくないのです。

お願いだよほむらちゃん…最後に一度…一度でいいから私を救って。

そしたら私また頑張っていけるから…。

虫の良い話だけれど私にはあなたしかいないの。

せめて後もう一回だけ…。



78: ◆2DegdJBwqI 2012/12/08(土) 10:52:40.07 ID:WywHBwYD0

______

  「ほむらちゃん、私あなたの事が好きです。誰よりもあなたの事が好きです。愛しています。」

  「私もまどかの事は好きよ。」

  「それは…誰よりも? 」

  「きゅべ…。」

  「え?」



79: ◆2DegdJBwqI 2012/12/08(土) 10:53:40.98 ID:WywHBwYD0

  「ああ、まどかは知らないだろうけど私の一番大切な友達なの。楽しい時もどんなつらい時も一緒にいてくれたんだけどね。…又もう一度でいいから会いたいわ。今度はもっと自分に正直に気持ちを伝えられると思うのだけれど。」

そう私に無邪気に話しかけるほむらちゃんは凄く良い表情をしていました。

その顔は契約する前のほむらちゃんが私に向けてくれていた顔にそっくりで…。

  「大丈夫。この先に行けばきっと会えるよ。私を信じて。」

  「本当!嬉しいわ!まどかありがとう!」



81: ◆2DegdJBwqI 2012/12/08(土) 10:55:05.72 ID:WywHBwYD0

本当は円環には何もない。

苦しみも楽しさも意識というものすらない。

しかし私は嘘をつく事しかできません。

今私笑えてるかな…?

ほむらちゃんには誰か最愛の人を思いながら円環に向かって欲しい。

…たとえそれが私でなかったとしても。

  「さよならほむらちゃん。」

  「ええ、まどかまた会いましょう。」

ほむらちゃんは円環へと消えてゆきました。



82: ◆2DegdJBwqI 2012/12/08(土) 10:58:11.30 ID:WywHBwYD0

~☆

 最後まで何も上手く伝えられなかったなぁ…私ってほんと馬鹿だなぁ…。

心が絶望に押し潰されそうになってゆくのを感じます。 

今でも私のしたことは間違っていないって胸を張って言いきれる。

だってあのままだったら数えきれないくらいたくさんの子が魔女になってた。

ほむらちゃんだって例外じゃないかもしれない。

でももしそれをしなかったら?

少なくとも最後に導いたほむらちゃんにとってのQBのように最高の友達でいられた。

例えほむらちゃんが私を救えなかったとしてもずっと一緒に居られた。



83: ◆2DegdJBwqI 2012/12/08(土) 11:00:08.36 ID:WywHBwYD0

駄目だ駄目だこんなこと考えちゃ。

だってほむらちゃんの事を何度も忘れちゃうんだよ。

そんなの絶対いやだ。

…もうほむらちゃんを卒業しなくちゃ。

例え結果が思い通りじゃなかったとしても私はすべきことはやったんだなにも後悔する必要なんてない。



84: ◆2DegdJBwqI 2012/12/08(土) 11:01:19.35 ID:WywHBwYD0

…じゃあこれから何をしていこう?

円環に宇宙の人達を導くのに私は別にいらない。

むしろ出向いたら悪魔が来たって騒がれるかもしれない。

言葉を勉強する?

何のために?

どうせほとんど触れあうこともないのに。

…いやそもそも今この宇宙に感情のある生命体はいないんだった。



85: ◆2DegdJBwqI 2012/12/08(土) 11:03:05.89 ID:WywHBwYD0

もう私の支えだったほむらちゃんはいない。

過去には戻れない。

今と未来には痕跡すら残っていない。

いったい私は何をしたらいいの?

苦しみも何もない中ずっと一人で居ることが私のできることなの?

会いたいよほむらちゃん…。

私はひたすらほむらちゃんに問いかけ続けました。



86: ◆2DegdJBwqI 2012/12/08(土) 11:05:38.19 ID:WywHBwYD0

  「ほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃん…。」

ついに私の心が裂けた瞬間。

私が最後に見ていた物は全ての時間軸の宇宙が私の痛みと呼応して同様に裂けてゆく姿でした。



87: ◆2DegdJBwqI 2012/12/08(土) 11:07:29.53 ID:WywHBwYD0

これで本文の投稿終了です

ありがとうございました

いつHTML化とか頼みに行けばいいんですかね?



108: ◆2DegdJBwqI 2012/12/08(土) 15:03:47.68 ID:WywHBwYD0

   オマケ1

QB「着いたよ、ほむら、ここが目的地さ」

ほむら「……この短時間で着くなんて相変わらずあなた達の科学技術は底知れないわね」

???「やあ暁美ほむら」

ほむら「!?私の名前を知っているなんてあなたいったい何者!

ちょっとQB!なんでこの星の住人らしき奴が日本語話してるのよ!」

QB「お、落ち着いてよほむら。これは姿は違うけど僕と同じインキュベーターさ。

この星に派遣されている型のね」



109: ◆2DegdJBwqI 2012/12/08(土) 15:08:12.05 ID:WywHBwYD0

インキュベーター「厳密に言えばそれは違うよQB。

ボクはあくまでこの星での暁美ほむらの生活を補助する為に調整された個体だ。

地球の言語の一つであった日本語も話せたり、

人間が暮らせるように環境を整える能力を有して居る代わりに、

誰かと契約して願いの代わりに相手の魂をソウルジェム化する能力は有していない」



110: ◆2DegdJBwqI 2012/12/08(土) 15:11:07.30 ID:WywHBwYD0

QB「情報を無意味に混濁させて悪かったね。

ほむら、これから何かして欲しい事があったらこのインキュベーターに言うと良い。

きっと大抵の事は叶えてくれるだろう」

ほむら「……QB、ぞれじゃあなたは」





111: ◆2DegdJBwqI 2012/12/08(土) 15:21:14.66 ID:WywHBwYD0

インキュベーター「そんなわけでこれから君の世話をする事になった後任のインキュベーターだよ。

はじめまして暁美ほむら」

「他の星に出向くことにかけてはまるで初心者である君の為に、

ボク達は最も人類と似た特徴を有した種族の住む星を選んだつもりだ」

「しかしやはり言語や食事、習慣といった物の壁は大きい。

その問題を解決するために僕は今ここに居る」

「この姿はこの星の知的生命体が最も好意を寄せやすいと思われる形にできているし、

この星の食材やその他の物で君の口に合う料理を作ることだってできる。

最も君は魔法少女なのだから別に食事をしなくても、

必要なら魔力で体調を整えればいいのだけどね。

ただ君達には娯楽というものが必要なのだろう?」

「となるとボクの最も重要な役割はこの星の住民との君との意思疎通の仲介だ。

ボクはこの星のあらゆる言語を使用できる個体として規格されているから、

その点は安心してくれていい」

「大体ボクから君にまず伝えなくてはならない事はこれくらいかな?

何か質問はあるかい?今の内にどんどん言ってくれ」



112: ◆2DegdJBwqI 2012/12/08(土) 15:24:15.35 ID:WywHBwYD0

ほむら「……だったらこのインキュベーター、いえ、QBはどうなるのかしら?」

インキュベーター「もう地球という星は無くなってしまったからね。

これも当選処分の対象になるよ」

ほむら「……あなたはそれでいいの?QB?」

QB「?質問の意図がよくわからないよほむら。

君だって要らなくなったごみはごみ箱に捨てていたじゃないか。

それと一緒だよ」



113: ◆2DegdJBwqI 2012/12/08(土) 15:48:35.55 ID:WywHBwYD0

ほむら「……そう、ならこのQBは私が貰ってもかまわないかしら?」

インキュベーター「感情を持つ者はやはりよくわからないことを要求するね。

それはいわゆる「もったいない」っていう精神が働いているのかな?

その考えは素晴らしいと思うけど要らなくなった物はやはり捨てるべきじゃないかな」

ほむら「私が必要だと言っているのだからそれで十分でしょ?」

インキュベーター「それもそうだね。母星に確認してみよう」

「うん、大丈夫みたいだ。許可が下りたよ」



115: ◆2DegdJBwqI 2012/12/08(土) 15:59:39.87 ID:WywHBwYD0

ほむら「ならこのQBはもう私の物よね。

あなた達に常に話を聞かれてると思うと気持ち悪いから、

あなた達とのなんらかのネットワークを切ってくれるかしら?」

インキュベーター「その点については大丈夫だよ暁美ほむら。

この個体の処分は決まっていたからね。

既にボク達のネットワークからは外している。

彼はもう個体識別コード『QB』という一存在にすぎないのさ。

現に先ほどQBはボクの事をただのこの星のインキュベーターと間違えて居ただろう?

もしボク達ときちんと最低限の記憶の共有が行われて居ればそんな事は起こり得ない」



116: ◆2DegdJBwqI 2012/12/08(土) 16:09:04.43 ID:WywHBwYD0

ほむら「……他に聞きたい事は別にないわ。

悪いのだけど安心したら何か食べたくなってきたからどこかからか調達してきてくれないかしら?」

インキュベーター「お安い御用だよ」タッタッタッ

QB「……それでボクと二人きりでいったい何を話したいんだい?」

ほむら「あら?あれが席をはずしてもらうためのものだと気付いていたのね。

あなたなら『直接どこかに行って欲しいとどうして言わないんだい?訳がわからないよ』

とか言いそうな物だけれど」

QB「正直どうしてそんなまどろっこしい事をするのかはボクには理解できないよ。

ただ君との付き合いは随分と長いからね。

君がそう言う事を意図して居るくらいの事はわかる

自分で言うのもなんだけどボクは結構学習能力には自信があるんだ。

腐ってもインキュベーターだからね。」



117: ◆2DegdJBwqI 2012/12/08(土) 16:12:22.45 ID:WywHBwYD0

ほむら「あなたと二人っきりになったのはあなたにお願いしたい事があるからなの。

私とのこれから毎日の会話の内容を私の許可なしに他のインキュベーター、

またはそれ以外の第三者に教えないで欲しいの」

QB「それはまたずいぶんと訳のわからないお願いだね。

どうしてだか説明してくれるかな?」



118: ◆2DegdJBwqI 2012/12/08(土) 16:19:06.85 ID:WywHBwYD0

ほむら「……正直に言うと私は今凄く寂しいの。

結局地球からは大した物を何も持って来れなかった。

まどかのリボンさえ持って来れて居たらこんな思いをしなくて済んだとは思うのだけれど、

それももうずいぶん前に朽ち果ててしまったし」

QB「なるほど、君がボクを欲しがったのはそういった品物の代わりにしようという事なんだね。

確かにボクは君とずいぶん長い間一緒に居たし、

君の言うまどかが契約によってこの世界から居なくなったということなら、

ボクと一緒に居る事は記憶を刺激するいいファクターとなるかもしれない。

下手な品物よりは『思い出の品』として最適だね」



119: ◆2DegdJBwqI 2012/12/08(土) 16:26:05.09 ID:WywHBwYD0

ほむら「だから私はあなたに自分の気持ちを忘れないよう、

感情を失くしてしまわぬようあなたに自分の心境を赤裸々に話したい。

でもそれが他の誰かに知られるのは嫌なの」

QB「そう言うことなら別に構わないよ。

言葉が通じないのだからどうせボクはこの星で誰かの願いを叶える事は出来ない。

このまま処分されることなく生きていくならば、

ボクの任務は君とずっと一緒に居て君を支えるという事となるだろう。

ならば君のメンタルケアも僕の任務に含まれるはずだからね。

むしろ後任が居る以上ボクの出来る事はメンタルケアばかりになりそうではあるけど」



121: ◆2DegdJBwqI 2012/12/08(土) 16:33:29.62 ID:WywHBwYD0

ほむら「わかって貰えたのなら契約は成立ね」

QB「これは契約なのかい?」

ほむら「ええ、そうよ」

QB「なら契約は成立したといえるね。相互の同意を得たのだから」

ほむら「ええ、二人でエントロピーを凌駕していけるよう頑張っていきましょう」

QB「なんだいそれは?」

ほむら「ふふっジョークって奴よ」

QB「君のメンタルケアという事はそう言う事も学んでいかなくてはならないのかい?

ボクにはずいぶんと骨が折れる事だろうね」



122: ◆2DegdJBwqI 2012/12/08(土) 16:43:42.40 ID:WywHBwYD0

ほむら「あなたの骨って簡単にぽきっと折れちゃいそうよね」

QB「その発言はボクの体格という物を考慮していないね。

ボクはこの形態におけるほぼ極限ともいうべき完ぺきな頑丈さと敏捷さを備えているんだよ。

さすがに君の弓で撃たれたりしたら大変だけどそれを言うなら君の体だって軟じゃないか」

ほむら「QBったらずいぶん必死になっちゃって」

QB「?つまりどういう話だい?

ボクは君の意見が状況にそぐわない物だという事を指摘しただけじゃないか。

必死って言うのはその事に対して一生懸命に取り組んだ時に使う言葉だろう?

だったらおかしいじゃないか。道理に合わない」





123: ◆2DegdJBwqI 2012/12/08(土) 16:49:39.10 ID:WywHBwYD0

ほむら「……冗談って事よ」

QB「ああ……なるほどね」

QB(うーん、これは優秀な学習能力を持ったボクでも中々の難題かもしれないぞ。)

オマケ1完



141: ◆2DegdJBwqI 2012/12/09(日) 10:54:04.63 ID:E1ebGhcz0

  オマケ2

ほむら「QB、次の魔獣はどこ?」

QB「ここから南東に2キロといったところかな」

ほむら「そう、じゃあ行きましょう」

QB「今日はそろそろ日没が近い。程々にするんだよ。

張り切り過ぎてこの国の警察機関に捕まってしまっては元も子もないからね」

ほむら「言われなくてもわかってるわよそんな事」



142: ◆2DegdJBwqI 2012/12/09(日) 11:08:07.37 ID:E1ebGhcz0

______

ほむらも最近はこの星での生活にだいぶ適応してきた。

元々長い年月を生きてきて色々な言語や言葉の変化に接していたおかげもあるだろが、

後任との言語レッスンのおかげで今ではこの国の言葉なら現地人並みに話せるようになっている。

こういうちょっとした事からボク達が地球を出て結構歳月が経ったのだなあと実感させられる。

記憶としては全ての情報はボクの脳内にデータとして圧縮され保存されているが、

それ改めて実感するとは一体どういう事なのだろう。

もしかしたらこういう思考のノイズの様なものがほむらを理解する上で重要なのかもしれない。

今後の重要な課題だ。

……いや、ほむらは外を出歩く時は基本的に黒い全身を覆うローブを着ているので、

この星の生活に適応しているというのはやはり間違いかもしれない。



143: ◆2DegdJBwqI 2012/12/09(日) 11:11:57.60 ID:E1ebGhcz0

~☆

ほむら「QB!今何か悲鳴のようなものが聞こえなかった?」ダッダッダッ

QB「ああ、確かに悲鳴が聞こえたね。行ってみるかい?」キュッキュッキュッ

ほむら「もちろんよ。困っている人は救えるだけ救う。

それが私の矜持だもの」ダッダッダッ

QB「わかった。音の出所はこっちだ。ついてきて」キュッ



146: ◆2DegdJBwqI 2012/12/09(日) 11:39:36.78 ID:E1ebGhcz0

~☆

???「~~~」

ほむら「あの黒い布みたいなもので全身を覆ってる巨体達は何なのかしら?どうも怪しいわね」

QB「少なくとも君にとやかく言われる筋合いはないと思うよ。

まあ、君と同じくらい碌な素性じゃなさそうだけど」

ほむら「でも女性が一人囲まれて助けを求めているのだから少なくとも事情は尋ねてみるべきよね」

QB「うーん、君は余り首を突っ込まない方が良さそうな案件の様だけれど」

ほむら「どうして?ここまで来て見過ごすほどの理由が何かあるって言うの?」

QB「ボクの目が正しければ囲まれているのがこの国の最高統治者、

ボク達の言葉で言うと女王だからだよ」



147: ◆2DegdJBwqI 2012/12/09(日) 11:45:36.90 ID:E1ebGhcz0

______

インキュベーターがほむらの為にわざわざ選んだのだから当然ともいえるが、

この星に一つの文明を築いている知的生命体は人類とかなりの面で酷似している。

身体的な面ではもちろん肌の色や体内の構造など様々な明確な違いを有してはいるが、

例えば全身を追う黒いローブなどを着せて人類と隣同士で並べてみれば、

どっちがどっちかなんて同種族の別個体であっても簡単に区別をつける事は出来ないだろう。





148: ◆2DegdJBwqI 2012/12/09(日) 11:50:10.57 ID:E1ebGhcz0

言語、文化、自然環境の苛烈さなど、

地球人とは精神的文化的な面でも多くの違いを有しているが、

社会制度は地球でもかつて見られたヨーロッパの専制君主制の様な物が執られている。

だがしかしそこには決定的な違いがある。

女王の有する絶対の権力の差である。



149: ◆2DegdJBwqI 2012/12/09(日) 11:59:16.50 ID:E1ebGhcz0

それは文化、思想といった精神的な圧力あるいは、

警察権力などの暴力的な圧力から生まれる物ではない。

それは生理的、遺伝的にこの星の知的生命体皆に組み込まれた

生物としての在り方なのである。

この星で「女王」となる素質を持った者は、

生まれつき特殊なエネルギー波の様なものを飛ばす能力を持ち生まれてくる。

残念ながらこの特殊な「波」についての原理とその性質については、

偉大なインキュベーター達の科学力を持ってしてもいまだ完璧に解明するには至っていない。

まあそのネットワークから外れたボクとしてはもう関係のない話なのだが。





150: ◆2DegdJBwqI 2012/12/09(日) 12:03:27.80 ID:E1ebGhcz0

こんな今さらの事を考えている場合ではない。

とにかく脱線した内容を元に戻そう。

さて、この「波」を受け取ると周りの人々は、

彼女の命令に従わなくてはという強い欲求が内から湧き上がってくる。

そして彼女の命令に従いそれを果たせた時、

至福の喜びを自分のうちから感ずる事が出来るのだ。



152: ◆2DegdJBwqI 2012/12/09(日) 12:12:12.85 ID:E1ebGhcz0

こうして国民の規律をその内面から規正してくのがこの生物のやり方だが、

画期的であるのはその「波」自体が女王自身の人格形成と行動にも強い影響を与える事だ。

例えば彼女が誰か教育係に

「国の民の幸せを考えて生きていかねばならないのですよ。

それが王の務めなのですから」

と言われたとすると彼女は

(なるほど、私は国の民の幸せを考えなくてはならないのだな)

と自らを内省し「波」によって自らを規制していく。

この星では女王が生まれて物心がつき始めるまでが一番不安定な時期となるらしい。

基本的に「波」は種族保存の本能に従って働く様だが、

それでも幼少期の教育によっては例外もあるらしいからだ。



153: ◆2DegdJBwqI 2012/12/09(日) 12:21:41.14 ID:E1ebGhcz0

こういった奇妙な統治関係が生まれたのは、

この星が生物が長い事生存し続けるには余りに環境が悪すぎるというという点が、

おそらく深く関わっているのだろう。

もっともただの一「QB」となってしまったボクの推量など、

大して意味を持たないかもしれないけど。



154: ◆2DegdJBwqI 2012/12/09(日) 12:26:46.19 ID:E1ebGhcz0

人間よりはだいぶ丈夫な肉体を持つ彼らではあったが、

この世界に蔓延る他の強烈な生物の繁栄を押しのけて生き延びる事は、

個々の力ではどう足掻いても叶うはずもなかった。

そこで知能を身につけたのかどうかはわからないが、

少なくとも強固な集団の形成の為集団としての機能執行を、

集団の中で一番優れた個体に譲渡したのであろう。



155: ◆2DegdJBwqI 2012/12/09(日) 12:31:55.03 ID:E1ebGhcz0

彼らはインキュベーターがかねて早い段階で目をつけていた感情を持った種族であったが、

ほむらがこの星に送られて来るほんの数百年前まで、

彼らの産み出す感情エネルギーはエントロピーを大して凌駕する物ではなかった。

原因としては彼らの優れた統治機構故の欠点とこの厳しい自然環境にある。



156: ◆2DegdJBwqI 2012/12/09(日) 12:37:35.22 ID:E1ebGhcz0

まず単純に彼らが大人になるにはかなりの量のエネルギーが必要だった。

彼らは毎日この環境で生きていく為のエネルギー摂取の為にかなりの量の食物を消費したし、

温度や湿度その他様々な毎日の周囲の環境の調整の為にもエネルギーを使った。

さらに彼らは人類より優れた繁殖能力を持っていたがそれより多く毎日死んでいった。

これでは人類に対して魔法少女になってくれとお願いした時の様な利益は見込めない



157: ◆2DegdJBwqI 2012/12/09(日) 12:44:46.46 ID:E1ebGhcz0

それと統治機構としての欠点である。

「女王」と呼ばれるべき者達の「波」も決して万能ではなくそこには有効範囲がある。

そしてこの種族は女王の「波」が届かぬ範囲に行くと、

強い不安やストレスを感じてしまい基本的に生きていけない。

この星の文明は原則的に「女王」を中心にしてしか発展していけないのだ。



158: ◆2DegdJBwqI 2012/12/09(日) 12:50:49.03 ID:E1ebGhcz0

そこで彼らは何人かの「女王」を擁立しそれぞれに違った場所の国を治めさせた。

しかしそうすると今度はある意味当然とも言うべき問題が生じる。

どの「女王」が一番偉いかである。

この種族にとって絶対に正しい真理とは「女王」の命令である。

その国の発達段階でそれは必然的に崇められ神格化されていく運命にある。

そしてある時国同士が何らかの原因で争った時、

そこには相手の人格をも否定する恐ろしい骨肉の争いが起こる。

地球で謂う所の宗教戦争である。



159: ◆2DegdJBwqI 2012/12/09(日) 12:54:50.27 ID:E1ebGhcz0

そんな事を頻繁におこす物だから、

この星の文明は長い時間の割に大した発達を遂げて来なかった。

しかし最近女王種の遺伝子改良に成功し、

今では星全体を一人の「女王」が統治できるようになっている。

彼らにとっては遺伝子を科学的にいじる事は、

生きるためならなんら抵抗のあるものではなかったのだ。



160: ◆2DegdJBwqI 2012/12/09(日) 12:58:59.15 ID:E1ebGhcz0

そんなわけでここ数百年急速に発達を遂げたこの星に、

晴れてインキュベーターは進出を果たしほむらもその恩恵にあずかった訳だ。

さて、問題をボク達の面に戻すとしよう。

つまりだ、もしここで下手に女王に悪印象を与えるような接触をしてしまえば、

間違いなくほむらの首がとぶ。全国民全種族がほむらを殺しに来る。

宇宙にほむらを退避させる時間を稼げるかはわからないが、

何もこんな所でばくちを打つ必要はない。



161: ◆2DegdJBwqI 2012/12/09(日) 13:01:05.22 ID:E1ebGhcz0

……ないのだがおそらくほむらは「女王」を助けようとするだろう。

やれやれ実に困ったことだ。

やはりほむらに付き合わされると割に合わない事ばかりだね。

もっともそれに従う僕ももう合理的な存在とは呼べないかもしれない。



162: ◆2DegdJBwqI 2012/12/09(日) 13:18:18.06 ID:GSLob6uSO

一番面倒な星についてのQBの独白を書き終わったので一区切り

続き今日書くかまだ未定です

オマケ実際書いてみたら似非SFチックな冒険物だった

面白いのかこれって書いてて不安になります

初台本形式SSにしては難易度高すぎるよ

これ以上設定を詰めるとぼろが怖いので止めときます

これからは普通に台本でほとんど進むと思います。



174: ◆2DegdJBwqI 2012/12/10(月) 02:27:01.75 ID:Mp7/X1Rv0

______

ほむら「たとえ女王であろうがなかろうが困ってる人が居たら私は助けるわ」

QB「まあ君ならそう言うと思ってたよ」

ほむら「あなた達!一人の女性を取り囲んでいったいどういうつもりなの!」

???1「~~~!」

???2「~~~!」

QB「彼らはいったいなんて言っているんだい?

およそ美しくない言葉であろうという事はボクでも想像がつくけど」

ほむら「……わからないわ」

QB「わからない?そんな連中に一国の王女が取り囲まれているというんだね。

おやおやいよいよきな臭いにおいがしてきたじゃないか」





175: ◆2DegdJBwqI 2012/12/10(月) 02:33:47.36 ID:Mp7/X1Rv0

女王「!?~~~!」

QB「女王はなんて言ってるんだい?」

ほむら「なにをしているのあなた達!?ここから早く逃げなさい!だそうよ」

QB「自分から悲鳴をあげて人の注意を惹きつけておいてずいぶんと薄情な話だね」

???1~6「~~~!」ガー

QB「どうやら威嚇されている様だね」

ほむら「相手はこちらを消す気満々みたいだけど……うっ」ゲボッ

QB「!?どうしたんだいほむら!」



176: ◆2DegdJBwqI 2012/12/10(月) 02:41:16.00 ID:Mp7/X1Rv0

ほむら「突然ひどい頭痛と吐き気が……少し意識が朦朧としてるわ……」

QB「このまま未知の相手と闘うのは不安だね、ここはいったん引くかい?」

ほむら「そしたらあの女王様らしき人がとばっちりを受けるじゃない。

それに相手はそれを許してくれなさそうよ」

???1~6「キュアアアアアアア!」ダッダッダッダッダ

QB「相手が弱みを見せたと思ったら迷わず相手を集団で潰す。

まったくもって下衆の極みだね」

ほむら「こんな奴らには当然手加減なんてしなくて良さそうね!」バサアッ

QB「……いつも思うんだけどその黒い翼どうやってローブから出てるんだい?」

ほむら「知らないわよ魔法の原理なんて」



177: ◆2DegdJBwqI 2012/12/10(月) 02:47:32.19 ID:Mp7/X1Rv0

~☆

女王「~~~」

QB【ほむら、悪いんだけど内容を通訳してくれるかな?】テレパシー

ほむら【そうね、あなたが近くに居て何か話をする時には、

こうやってテレパシーで会話の内容を送る事にしましょう。

今は『危ない所を助けて頂いて有難う御座いました』と言っていたわ】

QB【そうだね、そうして貰えると凄く助かるよ】



178: ◆2DegdJBwqI 2012/12/10(月) 02:53:41.81 ID:Mp7/X1Rv0

女王『貴女の腕前を見込んでぜひお願いしたい事があります。

このまま王宮へ一度来てくださいますか?』

QB【どうやら行くまで事情は何も説明してくれる気は無さそうだね。

これ程悪条件でも君はまだ行くというのかい?】

ほむら『ええ、もちろん構いませんよ。ただ私もこれからちょっとした用事があるのですが……』

ほむら【当然よ。ただ発生した魔獣の対処をどうするかが問題ね】



179: ◆2DegdJBwqI 2012/12/10(月) 03:10:07.49 ID:Mp7/X1Rv0

QB【なら簡単さ。王女も魔獣退治に連れて行けばいい。】

王女『そうですか、それは困りましたね……』

ほむら【私がまるで何もない所で一人無様に闘ってるように見られたらどうするのよ!】

ほむら『はい、でもこれから状況に適した解決策を考えますので少しお待ちください』

QB【その心配はないよ。彼女はさっき君に対して、

あなた達ここから速く逃げなさいと言ったのだろう?

ならばそれはボクが見えていないならおかしな話だ。

そしてボクが見えるのだったら必然的に魔獣も見えるはずだよ。】



180: ◆2DegdJBwqI 2012/12/10(月) 03:15:23.03 ID:Mp7/X1Rv0

ほむら【なるほどね、他に特に浮かばないしその案で行きましょう】

ほむら『女王様、大変申し訳ないのですが、

このまま私のちょっとした用事に付き合って頂くことは可能でしょうか?』

女王『ええ、もちろん。あなたが王宮に足を運んで下さるのであれば』

ほむら【こんな時にインキュベーターはどこに居るのよ全く。

あいつが居ないと下手に動くわけにいかないじゃない】

QB【後任ならおそらくボク達のいつもの寝床に居るんじゃないかな?

ここからではテレパシーは届きそうにないね】





181: ◆2DegdJBwqI 2012/12/10(月) 03:20:22.61 ID:Mp7/X1Rv0

ほむら【なら今すぐ呼んできて頂戴。王宮前で待ち合わせしましょう】

ほむら『それでは参りましょうか。

多少は私の腕前を披露させていただく機会になると思います』

女王『あら?用事というのは荒事の類なのかしら?

楽しみですわ、私結構好きなんですそういうの』



182: ◆2DegdJBwqI 2012/12/10(月) 03:23:37.56 ID:Mp7/X1Rv0

QB【気をつけるんだよほむら。こいつは得体が知れない】シュタッ

女王『あら?肩に載ってた獣さんが地面に降りてしまいましたわ』

ほむら『大丈夫です。どうかお気になさらず』

ほむら【言われなくても警戒するわよ。相手は一国の王女なのよ】

QB【いくら用心してもしすぎる相手ではなさそうってことさ】タッタッタッ



183: ◆2DegdJBwqI 2012/12/10(月) 03:31:52.87 ID:Mp7/X1Rv0

~☆

QB【インキュベーター!インキュベーター!

緊急事態だ!すぐ動く用意をしてくれ!】

インキュベーター【いったいどうしたんだいQB?

そんなに慌てて。なにやら穏やかじゃなさそうだね】

QB【さっきほむらが暴漢らしき連中に襲われているこの星の女王を助けたんだ。

そして今は王女様に呼ばれて王宮に向かってる。

情報通の君にもすぐ一緒に向かって欲しい】



184: ◆2DegdJBwqI 2012/12/10(月) 03:35:33.07 ID:Mp7/X1Rv0

インキュベーター「……君達はボクがちょっと目を離している間に、

なんて面倒な事に首を突っ込んでくれたんだ。

やれやれ、もう手遅れの様だからこれ以上とやかくいうつもりはないけど」

QB「思った通りそういう面倒な話だったんだね。

それでボク達はいったい何に首を突っ込んでしまったのかな?」



185: ◆2DegdJBwqI 2012/12/10(月) 03:39:31.02 ID:Mp7/X1Rv0

インキュベーター「そう思ったのなら止めてくれよ……。

いいかいQB、君達が首を突っ込んだのは戦争だ。

それもただの戦争じゃない。

この星に突如到来した宇宙人とのちょっとした小競り合い。

いわゆる宇宙戦争って奴だよ」



202: ◆2DegdJBwqI 2012/12/11(火) 06:12:23.86 ID:P+v7BsiP0

~☆

侍女『それでは今しばらく女王様の謁見の準備が整うまでこの部屋で御歓談ください』ガチャリ

QB「……大丈夫かいほむら?」

ほむら「……これが大丈夫そうに見えるならあなたの目がおかしいんじゃない?」グテーン

インキュベーター「どうもQBと別れて行動する前より症状は悪化している様だね。

その間何か変わった事はあったかい?」

ほむら「…特にないわよ。来る途中は至極普通に女王様と会話してただけ。

魔獣も特に手強い奴ではなかったし」

インキュベーター「普通に……か」





203: ◆2DegdJBwqI 2012/12/11(火) 06:17:13.97 ID:P+v7BsiP0

~☆

ほむら【それで私がちょっかいを出してしまった相手は具体的にどういう奴なの?】

インキュベーター【またどうして突然テレパシーなんか使い始めたんだい?】

QB【この部屋はあくまで相手が用意した部屋だからね。

どのような手段を用いて会話を盗聴されているかわかったものじゃない

ボク達は王宮に来てようやく合流できたのだからなおさらさ】



204: ◆2DegdJBwqI 2012/12/11(火) 06:21:02.76 ID:P+v7BsiP0

インキュベーター【盗聴もしくは覗かれているのだとしたらむしろ不自然すぎやしないかな?

傍から見ると3人が黙って顔を突き合わせているだけなのだから】

ほむら【相手だってこちらに何の事情の説明もしていない。

なにもこちらから手札をさらす必要はないわ】

インキュベーター【なるほどそれもそうだね】



205: ◆2DegdJBwqI 2012/12/11(火) 06:26:41.74 ID:P+v7BsiP0

ほむら【話を戻すけど相手はいったいどういう奴なの?】

インキュベーター【中々精力的に活動している宇宙人だよ。

巨大な宇宙船に乗って星から星を渡り歩く一定の住処を持たないタイプのやつさ】

ほむら【この星に来た目的は?】

インキュベーター【子作り】

ほむら【……また面倒そうな話になりそうね】

インキュベーター【君が勝手に首を突っ込んだんじゃないか】

ほむら【まあいいわ、詳しく説明して頂戴】



206: ◆2DegdJBwqI 2012/12/11(火) 06:32:33.95 ID:P+v7BsiP0

インキュベーター【彼らは病的といえるまで、

自分達の種族を身体的に発展させる事に拘っている。

それ自体には何も問題はないし一つの生物としてはむしろ推奨されるべきものだ。

ただ困った事にある時からその熱意は遺伝子そのものに向き始めた。】

ほむら【それで他の星に雌漁りに来てる訳?】



207: ◆2DegdJBwqI 2012/12/11(火) 06:43:24.55 ID:P+v7BsiP0

インキュベーター【ざっくり言ってしまうとそういう事になるね。

もっと細かく言えば彼らはその星の一番優秀な「女性」を一人宇宙船に連れていく。

そして子供を特殊な機械を用いて孕ませ出産させた後は、

その女性をコールドスリープさせ保存しておく。

これが彼らのここ数百年の活動さ】



208: ◆2DegdJBwqI 2012/12/11(火) 06:48:09.89 ID:P+v7BsiP0

ほむら【ろくでもない宇宙人の様ね。

それだと相手方に何の利益もないじゃない】

インキュベーター【いや、これがそうでもない。

彼らはあくまでこの星の種族のような特殊な「物」が欲しいだけだ。

だから決まって彼らは自分より文明が数段劣る星にしか現れない。

彼らの要求を受け入れる事でその星は画期的な技術革新を遂げる事ができ、

少なくとも数百年の繁栄が約束されるんだよ】



209: ◆2DegdJBwqI 2012/12/11(火) 06:53:02.82 ID:P+v7BsiP0

ほむら【……そしてこの星の場合話はどちらにしてもそううまくいかない訳ね】

インキュベーター【その通りだ。現在この星の「女王」は一人。

もし異星人に連れ去られる様な事があればこの星の文明は滅びるだろう】

ほむら【……面倒な話ね。どうしてそんな重要な事を言ってくれなかったの?】

インキュベーター【聞かれなかったからね。ボク達としてはこの星一つより

魔法少女システムの完成形として君一人の方が価値が高い。

知らないでいてくれれば他の星に避難させることも難しくないだろうからね】



210: ◆2DegdJBwqI 2012/12/11(火) 07:01:09.54 ID:P+v7BsiP0

ほむら【……あなた達のそういう所はやっぱり変わらないのね。

私達がそいつらを倒せる確率はどれくらいあるの?】

QB【今も言ったように君は魔法少女システムのほぼ完成形だ。

まともに面と向かって戦えるなら、

十万から百万位の敵が来てもどうにか最終的に勝つことは可能かもしれない。

およそ不可能に近い賭けだとは思うけど。

だが相手は軍事用の巨大な戦艦で宇宙を旅をしている。

まさか君も戦艦をその弓や黒い翼で沈められると思ってはいないだろう?】



211: ◆2DegdJBwqI 2012/12/11(火) 07:06:09.56 ID:P+v7BsiP0

ほむら【つまりどんなに頑張っても、

この星の住民がほとんど死滅するくらいまでの成果しかあげられないし、

相手には戦艦があるからそれすらも不可能という事ね】

インキュベーター【まあそういう事になるね】

ほむら【はあ…あなた達が介入してくる訳にはいかないの?】

QB【それは無理だね。いわゆる宇宙連合でも取り決められている通り、

ボク達は基本的に文明に過度に干渉する事は許されていない。】



212: ◆2DegdJBwqI 2012/12/11(火) 07:13:42.81 ID:P+v7BsiP0

インキュベーター【君はすでにボク達の輪からはずれているじゃないか】

QB【言葉のあやだよ】

ほむら【そんな細かい言葉尻はどうでもいいわ。

でもあなた達は私達を魔法少女にしたりしてるけどこれは過干渉ではないの?】

QB【だからこそだよ。

これでもインキュベーターが魂をソウルジェムに変えてエネルギーを採取する方法は、

宇宙世論上でも手酷く非難されているんだ。人道的じゃないって】



213: ◆2DegdJBwqI 2012/12/11(火) 07:18:02.99 ID:P+v7BsiP0

インキュベーター【最近はそういった向かい風もだいぶ弱まってきているじゃないか】

QB【それはあくまで宇宙エントロピー増加問題解決について、

まともな成果をおさめられているのが君達しかいないからに過ぎないだろう。

以前と比べて連合に参加している感情を持つ種族の反発はむしろ強くなっているはずだよ】



214: ◆2DegdJBwqI 2012/12/11(火) 07:33:20.74 ID:P+v7BsiP0

インキュベーター【だが全体で見れば、

感情を持った連合参加種族の大半は大っぴらに反対している訳ではないし

賛成派が過半数を超えている事はれっきとした事実だ】

QB【それはあくまでエントロピー問題の宇宙における重要度を示している似しか過ぎない。

ほむらにとって重要な情報は、

感情を持っている種族が「魔法少女」に対してどのような反応をしているかなのに、

その一側面しか伝えないのは情報としては君達に都合良く傾きすぎてるよ】



215: ◆2DegdJBwqI 2012/12/11(火) 07:37:13.97 ID:P+v7BsiP0

インキュベーター【……QB、君はだいぶ変わったね。ボク達とはもはや別物といっていい】

QB【魔法少女契約の任を解かれ、

それ以来ずっとほむらを中心にした価値観で物事を思考してきたからね。

変わって当然さ】

ほむら【……なんというかあなた達も存外人間社会みたいな社会問題を抱えているのね】



216: ◆2DegdJBwqI 2012/12/11(火) 07:41:03.81 ID:P+v7BsiP0

インキュベーター【その通りだよほむら。

最近宇宙の風潮としては「実がなる前に木を切ってはならない」という物がある。

どんな劣った文明も保護する動きがあちこちで広まっている。

宇宙は君が思っている以上に停滞しているのさ。

誰もが新たな可能性を求めている。

新しい何かを探している。

魔法少女における君の様にね】



217: ◆2DegdJBwqI 2012/12/11(火) 07:43:59.44 ID:P+v7BsiP0

ほむら【ならどうしてあいつらは女を色々な星から連れていけるの?】

インキュベーター【建前としてはまず一人にしか実害を出していない事かな。

ただそれ以上に彼らが今自由に闊歩できているのは、

そういった珍しい種族の遺伝子を欲しがっているのは彼らだけではないという事だよ】

ほむら【……陰で売りさばいている訳ね】





218: ◆2DegdJBwqI 2012/12/11(火) 07:47:23.81 ID:P+v7BsiP0

インキュベーター【確固とした取引の証拠はないけどね】

ほむら【私がやっつける事は出来ない。

あなた達もたいして役に立たない。

となると「女王」が何か有力な抵抗手段を持っている事を祈るしかないわね】

QB【……先のわからぬ話はひとまずここまでとしておこうか】



227: ◆2DegdJBwqI 2012/12/12(水) 13:06:12.89 ID:J4DdqQ//0

~☆

女王『さて御三方、今までお待たせしていた身としては大変申し訳ないのですが、

堅苦しい話は抜きにして率直に本題に入らせて頂きます。

私にお力をお貸しして頂けますか?』

ほむら『せめて事情だけでも説明して頂かなければ私達にはどうとも言えません』



228: ◆2DegdJBwqI 2012/12/12(水) 13:09:32.31 ID:J4DdqQ//0

女王『そうですね……私が知っている事だけでもまずはお話ししておきましょう。

彼らが私達の前に姿を現したのは今から二日前の事です』

ほむら【……どうも有効な解決策は期待できそうにないわね】

QB【そんな事はほぼ聞く前からわかり切っていた事だけどね】



229: ◆2DegdJBwqI 2012/12/12(水) 13:14:46.70 ID:J4DdqQ//0

女王『最初彼らは空から箱のような形をした「舟」の様なものに乗ってやってきました。

王宮の前に着陸した彼らはたくさんの野次馬が見守る中舟から出てきて、

何やら大きな声で話しだしましたが、

それを聞いていた者の中に言葉の意味のわかる者は誰も居ませんでした。

彼らは数時間ほど話し続けその日はそのまま帰ってゆきました』



230: ◆2DegdJBwqI 2012/12/12(水) 13:20:43.76 ID:J4DdqQ//0

女王『先日も彼らはやってきて今度は絵でもって、

我らとコミュニケーションを図ろうとしたようでした。

後で私も見せて貰いましたがその内容は私がどうも彼らの王らしき者の、

そ、そのアレをナニしている物だったり、

とにかくそういう夜伽の様が事細かに書きこまれていました///』ポッ



231: ◆2DegdJBwqI 2012/12/12(水) 13:23:51.13 ID:J4DdqQ//0

インキュベーター【そこの内容は別に詳しく聞いてないのだけれど、

誰かに話したかったのだろうか?】

ほむら【ちょくせつ「ピー」をさす単語を使いたくなかったのだと思うわ。

そちらの方が恥ずかしいと思うのだけれど】

QB【君はもうちょっと恥じらいを持った方が良いんじゃないかな?】



232: ◆2DegdJBwqI 2012/12/12(水) 13:27:20.80 ID:J4DdqQ//0

女王『そしてその内容に激昂した若者が彼らに殴りかかると、

その場ですぐ消し炭にされてしまったのです』

ほむら【一人の者にしか直接害を与えないんじゃなかったの?】

インキュベーター【……おそらく正当防衛という形で処理しているのだろうね】



233: ◆2DegdJBwqI 2012/12/12(水) 13:32:42.40 ID:J4DdqQ//0

女王『唖然とする群衆を尻目にその日も彼らはそのまま帰って行きました。

そして今日、それまでは王宮の中で様子を窺っていた私も外に出て、

彼らの襲来を待ち構えていると、

……あの恐ろしい巨大な舟らしき物が空からやって来たのです』ガタガタ





234: ◆2DegdJBwqI 2012/12/12(水) 13:37:04.33 ID:J4DdqQ//0

インキュベーター【彼らの全人口を載せている船だからね。

質量は必然的に大きくならざるおえない】

ほむら【私達はどうして気付かなかったのかしら?】

QB【ボク達は基本的に夜の内に行動して、

日中は街の外の人が寄りつかない場所で眠っているじゃないか】



235: ◆2DegdJBwqI 2012/12/12(水) 13:42:36.44 ID:J4DdqQ//0

ほむら【……あなたに睡眠って居るの?】

QB【インキュベーターのネットワークを使って居た頃は必要なかったけど、

今は記憶の整理などの面から必要だね。

つまり彼はずっと今まで起きていたという訳さ】

インキュベーター【うん、確かにボクは今までずっと起きているよ】

ほむら【……あなた達について知らない事ってまだまだありそうね】ハァ





236: ◆2DegdJBwqI 2012/12/12(水) 13:50:23.09 ID:J4DdqQ//0

~☆

ほむら『……そろそろ落ち着かれましたか?』

女王『ええ、大丈夫、ごめんなさい。みっともない所を見せましたわ』アワアワ

ほむら『いえ、お気になさらず』

QB【中々彼女にも可愛い所があるじゃないか】

インキュベーター【君は今のを見て「可愛い」と感じるのかい?

それって君にはもう感情が芽生えているということじゃないか】



237: ◆2DegdJBwqI 2012/12/12(水) 13:54:54.75 ID:J4DdqQ//0

QB【あれ?こういう時は可愛いと感じると相場が決まっているはずなのだけれど。

そうだよね?ほむら】

ほむら【そうだけど、自分が感じている物が何か自分で明確にわからないのなら、

それはまだ感情として不完全だと思うわ】

ほむら『さて、女王様。もう続きを話して頂く事は可能でしょうか?』



238: ◆2DegdJBwqI 2012/12/12(水) 14:05:27.45 ID:J4DdqQ//0

女王『……彼らは昨日と違う絵を何枚か見せ二つの内容を提示してきました。

一つ目は私が彼らに連れられ宇宙船に乗りこむ内容でした。

すると私の星はみるみる発展して行くのです。

二つ目の内容はは私が彼らを拒絶して船に乗らない場合でした。

すると私の星は跡形もなく爆破されてしまうのです』



239: ◆2DegdJBwqI 2012/12/12(水) 14:09:16.01 ID:J4DdqQ//0

ほむら【奴らは断った相手にはそこまでするの?】

インキュベーター【少し話をオーバーに書いたのだろう】

QB【漫画的表現って奴だね】

ほむら【……マンガっていったいなんだったかしら?】



240: ◆2DegdJBwqI 2012/12/12(水) 14:13:34.97 ID:J4DdqQ//0

女王『私は戦いが好きです。自分が生きている事を実感できるから。

相手の物を公然と自分の物にできるから。

しかしそれは勝ち戦でなくてはなりません。

蹂躙する事はあってもされてはならないのです。

あなたが居てくれれば私達も何か彼らへの抵抗の糸口がつかめるかもしれない。

ぜひ私にお力をお貸しして頂けませんか?』



241: ◆2DegdJBwqI 2012/12/12(水) 14:16:29.42 ID:J4DdqQ//0

ほむら『承知致しました。今しばらく私の力をあなたにお貸ししましょう』

インキュベーター【ああ、やっぱり受けてしまうんだね……】

QB【こういう時は予め早めに諦めておいた方が良い。

なんだかんだ言って結局最後は首を突っ込む事になるのだから】



242: ◆2DegdJBwqI 2012/12/12(水) 14:21:17.14 ID:J4DdqQ//0

女王『そうですか!それは良かった!

それでは部屋を用意させますから、

そこで彼らが現れるまで待機していて下さい』

ほむら『はい、有難くそうさせて頂きます』






243: ◆2DegdJBwqI 2012/12/12(水) 14:24:41.20 ID:J4DdqQ//0

QB【ボクは侍女などにはおそらく見えないだろうけど大丈夫なのかな?

3人と言われて部屋の支度をしたら来たのは2人だったとか問題になりそうだけど】

ほむら【そんなの別に連れの者は後で遅れて来ますとか言っておけばいいでしょ】

女王『……それにしてもあなた達が私凄く羨ましいですわ』

ほむら『?いったいどういった所がでしょうか?』



244: ◆2DegdJBwqI 2012/12/12(水) 14:25:54.59 ID:J4DdqQ//0

女王『黙っていても目と目で互いに心を通じ合わせている様な所がですわ』ニコッ



248: ◆2DegdJBwqI 2012/12/13(木) 07:02:11.55 ID:f0agmMjY0

~☆

ほむら【女王にテレパシーの内容ばれてるんじゃない?】

インキュベーター【いや、それはありえない。

テレパシーはあくまでボクら独自の技術だからね。

いくら彼女が不思議なエネルギー波を発生させると言っても、

もし何らかの干渉があれば必ずわかるよ】

ほむら【そう……】



249: ◆2DegdJBwqI 2012/12/13(木) 07:05:55.30 ID:f0agmMjY0

QB【やあ、とりあえず一通り城内を見てきたよ】ヒョッコリ

インキュベーター【ボクにも君みたいなステルス機能が付いて居ればいいんだけど、

ボクはあくまでほむらの生活をサポートするのが生存目的だし仕方ないか】

ほむら【それで何かわかった事はある?】

QB【だいぶ手詰まりだという事が再認識できただけさ】



250: ◆2DegdJBwqI 2012/12/13(木) 07:12:06.94 ID:f0agmMjY0

ほむら【せめて何か相手の船にダメージが与えられるようなものでもないの?】

QB【無理だね。文明のレベルが全然違う。

あの船は普段強力な「バリア」で守られているから、

今この星にある兵器は全て無力と言わざるおえない】

ほむら【親玉と会談した時にそのまま殺してしまうのは?】

インキュベーター【そうしたら船の中の他の住人が報復として、

この星を火の海に変えるだろうね。

何か攻撃するなら一度に相手を一網打尽にできるような手段を考えないと意味がないよ】







251: ◆2DegdJBwqI 2012/12/13(木) 07:16:33.63 ID:f0agmMjY0

ほむら【つまり今の所実際に会ってどうにか落とし所を探るしかない訳ね】

インキュベーター QB【そういう事になるだろうね】

QB【それはそうとほむらは体調の方は大丈夫なのかい?】

ほむら【大丈夫という程ではないけどだいぶ良くなったわ。

女王に謁見した時はまたひどくなってたから立ってるのも苦しかったけど】

インキュベーター【……】 



252: ◆2DegdJBwqI 2012/12/13(木) 07:22:43.98 ID:f0agmMjY0

ほむら【そういった建設的な議論を相手と行う為にも、

相手との仲介を担う役が必要なのはさっき話し合ったけれど、

その通訳を務めるインキュベーターは何時頃到着するのかしら?】

インキュベーター【もう到着して居るけど顔合わせぐらいしておくかい?】

ほむら【当たり前よ。一応これからの段取りも確認しておきたいし】



253: ◆2DegdJBwqI 2012/12/13(木) 07:31:03.34 ID:f0agmMjY0

???【やあ、暁美ほむらとQB。はじめまして、

僕が今回通訳として派遣されてきたインキュベーターだよ】

インキュベーター【今回彼の役目はあくまで通訳だけど、

有事に巻き込まれる可能性も考慮して、

体の規格は軽量な中で最も丈夫なQBタイプを採用したよ。

ただしそれだとQBと見分けがつかなくなるから、

配色を眼の赤色と体の白色逆転させてみたよ】



254: ◆2DegdJBwqI 2012/12/13(木) 07:35:16.94 ID:f0agmMjY0

ほむら「えっ……やだなにこれ怖い」

インキュベーター【何か不満でもあるのかい?

別にこの個体にQBとさほど違う所があるという訳ではないのだけれど】

ほむら【だってこの赤いQB鮮度の落ちた魚みたいな白い目してるじゃない……】

QB【略して赤べぇだね】

赤べぇ【生まれて数時間でまさかここまで自分の存在を否定されるとは思って無かったよ】



255: ◆2DegdJBwqI 2012/12/13(木) 07:39:01.07 ID:f0agmMjY0

~☆

ほむら【……事前に話しておくべきなのは大体これくらいかしら?】

インキュベーター【ボクはもう一つ大切な事が残ってると思うね】

ほむら【何かまだあるの?】

インキュベーター【女王についてだよ】





256: ◆2DegdJBwqI 2012/12/13(木) 07:42:53.51 ID:f0agmMjY0

インキュベーター【彼女についてまだ一つ重大な謎が明らかになって居ない事は、

ここで指摘しておくべきだと思う。

どうして彼女は宇宙人が襲来しているにも関わらず街を一人で出歩いていて、

奴らに襲われている所君達と遭遇したのだろう?それまでいったい何をしていたのかな?】

ほむら【……】



257: ◆2DegdJBwqI 2012/12/13(木) 07:44:49.19 ID:f0agmMjY0

インキュベーター【もしかしたらお供の者が居て皆殺されるか何かしてしまったのかもしれない。

だが頭には留めておくべき情報だと思うよ。

後それと君の体調についてだ。】

ほむら【……おそらく女王が原因だというんでしょ?】



258: ◆2DegdJBwqI 2012/12/13(木) 07:49:04.96 ID:f0agmMjY0

インキュベーター【その通り。君が体調を崩し始めた女王に会ってから。

それも女王と居る時だけ。

それについて今の所最も自然と思われる解釈は女王が君に言う事を聞かせるために、

強めの「命令」を送っているという物だ。】

QB【今まではそういった女王の影響は対して受けずに生活してこれたけど、

目の前に出て直接意識されるとその限りではないというのが今のところの君の予測だね?】

インキュベーター【その通りだ】



259: ◆2DegdJBwqI 2012/12/13(木) 07:51:11.61 ID:f0agmMjY0

ほむら【……つまり彼女にはくれぐれも用心しろってことでしょ?】

インキュベーター【まあ用心した所でこの事件に首を突っ込む以上、

やすやすと解決できる問題ではない事は確かだけどね】



264: ◆2DegdJBwqI 2012/12/13(木) 12:54:23.74 ID:f0agmMjY0

~☆

UFO「」ゴゴゴゴゴゴゴ

UFO「」プシュー

ほむら【ついにこの時が来たわね】

インキュベーター【事情説明はボクに任せてくれ】

赤べぇ【通訳はボクに任せてくれ】

QB【……】



265: ◆2DegdJBwqI 2012/12/13(木) 12:58:30.88 ID:f0agmMjY0

UFO「」ウィーン

大王『ヤッホー!麗しの可愛子ちゃん!どうだい今日の調子は?

濡れ濡れかい?私の「ピー」は「ピー」だぞ。ビンビンだぞ』

皆「」

大王『うん?今日は言葉が通じて居ないにしても反応が薄いな。

群衆の誰一人声すら発しないではないか』



266: ◆2DegdJBwqI 2012/12/13(木) 13:13:10.63 ID:f0agmMjY0

インキュベーター【……残念ながら言葉は通じて居るよ大王】

大王【うん?貴様、その声はインキュベーターか。

当たり前のように二者間内密テレパシーとは相変わらず癪に障る。

はは、このような辺境の星で貴様とまさか相見えるとは実に不愉快だ。

いつか貴様らを科学の窮理に至った種族の座から引きずり落としてやるぞ】





267: ◆2DegdJBwqI 2012/12/13(木) 13:14:30.46 ID:f0agmMjY0

インキュベーター【そう言われてもこの星に先にやってきていたのはボク達だし、

ボク達がどれほど落ちぶれても、

ボク達が一度科学の窮理に至ったという事実は変わらないよ】

大王【そのすかした態度が気に食わんのだ。

だが今度ばかりは感謝しておいてやろう。

これで彼らとの話し合いを円滑に進める事が出来る】



268: ◆2DegdJBwqI 2012/12/13(木) 13:25:58.97 ID:f0agmMjY0

大王『あー、諸君今のはちょっとした事故だ。

まずはなぜ突然我々の言葉を君達が理解できるようになったかについて説明させて頂きたい。

なんと今回大変喜ばしい事に我々の間を仲介してくれる協力者を得る事に成功した。

我々の言う事も君達の言う事も、

これからはその協力者を通じて全て相手方に伝わると考えて貰いたい。

意思の疎通が無事叶ったという事は我々と君達との間には正式な国交が築かれたという事であり、

これからの言動は全て外交問題に直結するという事は努々お忘れなく』



269: ◆2DegdJBwqI 2012/12/13(木) 13:34:51.58 ID:f0agmMjY0

大王『さて、前置きはこれくらいにしておいて早くも本題に入らせて頂きたい。

我々が要求するのはただ一つ。

そこに居る女王を我々に譲っていただきたい。

その見返りとして我々はこの星に技術を提供し最低数百年の栄華を約束しよう。

なに、王女一人が我々に孕まされ子供を産んで、

サンプルとして保存されてくれていればいいのだから悪くない話だろう?』

群衆『』ワー!フザケンナー!クタバレー!オウジョサマヲオマエラナンカニワタスナラシンダホウガマシダー!ワー!



270: ◆2DegdJBwqI 2012/12/13(木) 13:38:33.90 ID:f0agmMjY0

ほむら【……下衆の極みね】

インキュベーター【彼らは絶対この星の事情についてわかって言っているだろうからね。

彼らにとって大事なのはあくまで宇宙世論上のメンツ。

本当はこの星の人々の暮らしを良くするなんて事には全く興味はない。

攻撃する口実があれば喜んで攻撃してくるだろう。

その方が自分達にとって無駄な資源を将来消費しなくて済むからね】



271: ◆2DegdJBwqI 2012/12/13(木) 13:44:58.65 ID:f0agmMjY0

ほむら【その点相手に対してきちんと合意をとるあなたはまだマシね

どちらにしても大事な事は言わなかったりすることがままあるけど】

インキュベーター【当然さ。あくまでボク達はこの宇宙の一因子に過ぎない。

ならボク達の要求が通る範囲で相手の利益も尊重するのが道理というものだろう】



272: ◆2DegdJBwqI 2012/12/13(木) 14:07:14.12 ID:f0agmMjY0

兵士『なめてんじゃねーぞこんちきしょー!』

ほむら【!?まずい、あの男あいつらの王に発砲しようとしているわ!】

インキュベーター【もしここで撃ってしたまったらもう戦争は避けられないだろうね。

どうせ大王が小型のバリアで体を守っているのはわかりきった話だし、

まさに骨折り損という訳だ。どうやら周りの兵隊たちも我慢の限界の様だよ】

ほむら『あなたたちやめな……』



273: ◆2DegdJBwqI 2012/12/13(木) 14:08:36.03 ID:f0agmMjY0

女王「「おやめなさい!」」キーン



274: ◆2DegdJBwqI 2012/12/13(木) 14:11:28.80 ID:f0agmMjY0

インキュベーター『凄いエネルギーだね。

まともに「波」を感じたのはこれが初めての事だけれど

このエネルギーを何かに利用できないものだろうか?』

QB『!大丈夫かいほむら!』

ほむら『……少しそこで休ませて貰うわ』ドサッ



275: ◆2DegdJBwqI 2012/12/13(木) 14:34:51.34 ID:f0agmMjY0

女王『愚か者共!恥を知りなさい!なぜあれほど見え透いた挑発にのるのですか!

こちらが手を出してしまったらそれでお終いなのですよ!』

大王『……それではこれより「話し合い」を始めよう。

そちらの要望についてお聞かせ願いたい』

QB『ほむらをどこかひとまず落ち着ける所に運ぼう』

インキュベーター『……いや、これはそんな悠長な事を言っている場合ではないかもしれない。

至急検査ができる環境を整えなくちゃ駄目だ。

ボク達の普段の寝床をその場所にしよう』



276: ◆2DegdJBwqI 2012/12/13(木) 14:38:00.42 ID:f0agmMjY0

~☆

女王『それであの……』

インキュベーター『ほむらです』

女王『ほむらさんの体調はいかがですか?』

インキュベーター『まだきちんとした検査が終わってみないと何とも言えません。

それよりも奴らとの話し合いの結果が結局どうなったかについてお聞かせ願いたい』



277: ◆2DegdJBwqI 2012/12/13(木) 14:43:41.61 ID:f0agmMjY0

女王『最終的に私を今宇宙に連れ出させない事は認めさせました。

ただ私の娘が一人でも出来たらその時点で宇宙に連れていくという事だそうです。

その為の相手は私が自由に選んでいい代わりに彼らの科学技術で妊娠から出産を明日から十日間で行うと……』

インキュベーター『結婚相手というのはそんなに早く決める事が出来るものなのですか?』

女王『もちろんそういう訳にも行きません。

だから明日にそんな事は無理だと改めて要求しに行かないと……』

インキュベーター『なるほど』



328: ◆2DegdJBwqI 2012/12/14(金) 15:36:38.13 ID:ctzGWdj20

~☆

QB「やあ、検査はもう済んだかな?」ヒョコッ

インキュベーター「ああ、先ほど終わったよ」

QB「……やはり彼女の突然の変調の原因は女王のせいかい?」

インキュベーター「いや、事態はそう単純ではなかったようだ」



279: ◆2DegdJBwqI 2012/12/13(木) 14:52:53.92 ID:f0agmMjY0

インキュベーター「QB、彼女があれほど正確に、

毎日のさまざまの事を記憶していた事を疑問に思った事はないかい?

確かにこまごまとした事は忘れていても、

彼女は大切な記憶はほぼ全て忘れたことなどなかった」

QB「言われてみれば確かにおかしいね」



280: ◆2DegdJBwqI 2012/12/13(木) 14:58:11.03 ID:f0agmMjY0

インキュベーター「彼女の大半の記憶は脳に収納されていたのではない。

ソウルジェムに記憶されていたんだよ。

そしてその機能を忠実に果たしパンク寸前だったソウルジェムが、

先ほど特に強い刺激を外部から受けついにエラーを起こした。

女王の「波」はあくまで彼女にとって刺激となったに過ぎない。

これはいつかは起きていた問題だ。

ただそれが少し早まってしまったというだけ」



281: ◆2DegdJBwqI 2012/12/13(木) 15:00:48.40 ID:f0agmMjY0

QB「……それを治療する事は可能なのかい?」

インキュベーター「正しく治療すれば命に何ら別状はない。

エラーの原因を丸ごと取り除けばいいだけだしね。

単純に記憶をすべて消去すればいい。

ただそうすれば彼女は今までどおりの人間ではいられなくなるだろうし、

その期限は今から一時間後に迫っている」



289: ◆2DegdJBwqI 2012/12/14(金) 06:07:48.61 ID:ctzGWdj20

~☆

QB「ほむら、大事な話があるんだ」ヒョコッ

ほむら「……何かしら?」

QB「単刀直入に言うと君の異常の原因はソウルジェムにあった。

それを取り除くためには君の記憶を全て一度リセットしなくてはならない」

ほむら「いつまでに?」

QB「もう残り一時間もない」

ほむら「そう……これほど長く生きたのだから

そういう事が起こるのも仕方ないかもしれないわね」



290: ◆2DegdJBwqI 2012/12/14(金) 06:11:47.44 ID:ctzGWdj20

QB「余りショックを受けていないようだけど怖くはないのかい?」

ほむら「私はもうまどかと別れる事となったあの瞬間に死んだようなものよ。

今更もう一度似たような事があっても怖くないわ。

……もし今ここでソウルジェムを砕けば私が私で居る間に彼女と会えるのかもしれない。

でもその選択をしたら私は私を許せなくなる。

もう躊躇わない。間違わない。失敗しない。

私は彼女の為に全てを捧げると決めたのだから」



291: ◆2DegdJBwqI 2012/12/14(金) 06:15:29.41 ID:ctzGWdj20

QB「なら君も記憶の消去には同意するんだね」

ほむら「当然よ。それが生きるために必要なら」

QB「これから君には自由時間が与えられる。それまで好きにすると良い」サッ

ほむら「待って」

QB「なんだい?」

ほむら「私が私で居られる最期の時まであなたと一緒に居たいのだけれど、

構わないかしら?」

QB「ああ、特に問題はない」



292: ◆2DegdJBwqI 2012/12/14(金) 06:18:19.42 ID:ctzGWdj20

~☆

QB「ああ、確かにそういう事もあったね。今となっては随分と懐かしい話だ」

ほむら「……あなたに謝らなくてはならない事がある」

QB「?」

ほむら「私達が地球を出てから交わした契約のことよ」



294: ◆2DegdJBwqI 2012/12/14(金) 06:23:21.29 ID:ctzGWdj20

ほむら「私達は相互の同意に基づいて契約したわよね?」

QB「そうだね」

ほむら「でも私はあなたに対して十分な説明をせず契約を迫っていたの。

私があなたを欲しがったのは思い出の品が欲しかったからだけじゃない」



295: ◆2DegdJBwqI 2012/12/14(金) 06:28:58.57 ID:ctzGWdj20

ほむら「私はあなたと自分を重ねていたの。

役目が終わったら何の躊躇もなく使い捨てられたあなた。

そして目的を果たせずそのまま『まどか』に置いて行かれた私。

私はあなたを形だけでも救う事で自分を慰めようとしたのよ」



296: ◆2DegdJBwqI 2012/12/14(金) 06:35:13.89 ID:ctzGWdj20

QB「それがいったいどうしたというんだい?」

ほむら「私はあなたに十分な説明をせずに契約を迫ったのよ?

普段あれだけあなた達の契約の不誠実さを責めながら」

QB「契約に相互の同意が必要なように、

非難にも相互のそれ相応の認識を必要とする。

しかし君が普段指摘するようにボクやインキュベーターはそこに不快を感じない」



297: ◆2DegdJBwqI 2012/12/14(金) 06:39:14.29 ID:ctzGWdj20

QB「たとえ経過はなんであれボクは君と契約をしたことで、

君の為に生きるという目的を得た訳だ。

つまりボクが今生きているのは君のおかげな訳でボクはそれに納得している。

だいたい己の利益の為に何かをなすのは生物として当然の在り方だ。

そこにいったいどういう種類の問題が存在するというんだい?」



298: ◆2DegdJBwqI 2012/12/14(金) 06:47:42.05 ID:ctzGWdj20

ほむら「……そうね、これも私がまどかが契約時に願ったことの尊さも十分に理解せずに、

自分の事ばかり考えてあなたと自分を重ねている後ろめたさからくる幻想に過ぎないわね」

QB「そうだよ。生物とは本来、

特定の集団に属する者でありながらその本質はエゴだ。

感情を持った生き物はそこをどうも隠蔽したがる。

内心の潔白さなどは本来重要ではない。

重要なのは自分の為に生きる中でどれだけ相手の利益を考慮するかだ。

それが結果として自分にどれだけの利益を還元するかだ」





299: ◆2DegdJBwqI 2012/12/14(金) 06:52:56.01 ID:ctzGWdj20

ほむら「そこは感情のある者とあなた達とでは永遠に分かり合えない所かもしれないわね。

……でも、最後くらいは少し汚い自分を見せてみようかしら?」

QB「まあおそらくボクは君が言う事に汚いという認識は持たないだろうね」

ほむら「ふふ、そうね。……QB、あなたにお願いがあるの」

QB「とりあえずは何でも言ってみると良い。

成就可能かの吟味は後々行っていこう」



300: ◆2DegdJBwqI 2012/12/14(金) 06:57:04.97 ID:ctzGWdj20

ほむら「私の人生は思い返してみれば空虚なものだった。

ようやく見つけたたった一人の大事な友達の平穏すらも得られぬほどに。

それでも私は自分に唯一誇りに思っている事がある。

どんなに辛い事があってもまどかの為に生きると言う選択だけは曲げなかった事。

ただそれだけが私に残った最後の道しるべ」



301: ◆2DegdJBwqI 2012/12/14(金) 07:00:31.80 ID:ctzGWdj20

ほむら「でも記憶を失ったら私はその事も忘れ、

きっと自分の為の幸せを探そうと楽をしてしまう。

記憶を失っても私は私。

だったらそれは過去の私がしてきた事をすべて否定してしまう。

私に残った唯一の物すら紛い物と呼ぶにふさわしいものになってしまう。

私はどこまでも善をなさなくてはならないの、あの子の為に」



302: ◆2DegdJBwqI 2012/12/14(金) 07:07:07.63 ID:ctzGWdj20

ほむら「QB、どうかこれ以上私から何も奪われなくて済むよう、

私が道を違わぬよう私を導いて。これは契約じゃなくて私からQBへのただのお願い」

QB「わかったよほむら。

ボクは君の為に生きる事が現在ただ一つ残された使命だ。

約束しよう。

ボクの全てに懸けて君がどんな目にあっても正しく在れるよう君を支え続けると」



303: ◆2DegdJBwqI 2012/12/14(金) 07:11:05.27 ID:ctzGWdj20

~☆

ほむら「まどか……まどか……待って、行かないで、まどか、まどか、まどか……」

QB「……大丈夫さ、苦しい事もなにもかも全てすっきり忘れてくると良い。

後の事はボクが何とかするから」



307: ◆2DegdJBwqI 2012/12/14(金) 07:24:36.97 ID:ctzGWdj20

~☆

女王『それでほむらさんの体調は……?』

インキュベーター『命に別条はありません。ただ……』

ほむら「あー。あー。」

QB「やあほむら、ボクの名前はキュウべぇ!」

ほむら「キュベー!キュベー!」キャッキャ

インキュベーター『ずっとあの調子です』

女王『……大丈夫なのですか?』





308: ◆2DegdJBwqI 2012/12/14(金) 07:28:10.10 ID:ctzGWdj20

インキュベーター『少なくとも奴らとの会議に同席する事は無理だと思いますね』

女王『そんな!困ります!』

インキュベーター『どうしてですか?』

女王『正直に申しますと私がほむらさんとお会いしたのは偶然ではありません。

この星には一つ誰もが知っている伝説がありました。

黒いローブを着た戦士の話です』



309: ◆2DegdJBwqI 2012/12/14(金) 07:33:25.08 ID:ctzGWdj20

女王『私も幼い頃から教育係の婆やから何度も聞かされておりました。

白い獣を連れていたりなどの諸説の差はありますが、

話は一様にこの国に何か危機が迫った時に颯爽と現れ、

解決し去っていくという内容のものでした。

今回この国において未曽有の事態に対処するにあたり、

私は様々な事を思いつく限りの事を学者に調べさせ、

また自分でも様々な文献を読み漁りました。

そして黒いローブを着た戦士のお話は史実にのっとったものだという結論を得たのです』



310: ◆2DegdJBwqI 2012/12/14(金) 07:37:23.24 ID:ctzGWdj20

QB【あれほど堂々と何度も国の危機を救って居ればそりゃ伝説にもなるよね】

インキュベーター【丁度やって来た時期としては、

だいたいこの星が急速に発展を遂げ始めた頃と重なるし、

英雄視されるのもごく自然な話だ】

インキュベーター『それで女王はその伝説の人を探すためにお一人で外へ?』



311: ◆2DegdJBwqI 2012/12/14(金) 07:42:14.16 ID:ctzGWdj20

女王『ええ、それに最近街で目撃される者の情報も伝説とかみ合っておりましたから。

普段だったらそれでも自分の正気を疑ったでしょうが、

あんな船を見たあとでは何が起きていてもおかしくないと思えました。

そこで失礼にあたらぬ様私が一人で直々に赴こうと、

よくそこに入っていくと目撃される場所に行こうとしていた所を、

奴らとはち合わせてしまったのです』



312: ◆2DegdJBwqI 2012/12/14(金) 07:48:34.49 ID:ctzGWdj20

インキュベーター【完全に居場所が割れてたじゃないか】

QB【今まであそこに人が近づかなかったのはボク達が居たからなんだね】

QB(こうなるとやはり目と目で通じあっているとか言うあの意味深長な言葉は……)

QB『女王様、我々三人がテレパシーで会話していた事はご存知でしたか?』

女王『ええっ!?仲が良くて息がぴったりで羨ましいと思ってたのにそんなことしてたんですか!?』ビックリ



314: ◆2DegdJBwqI 2012/12/14(金) 08:08:22.76 ID:ctzGWdj20

女王【そんな訳で我々と彼との会談に、

伝説の戦士であるほむらさんを連れていかなければ、

おそらく国民はお付きの者なしで私が一人でその場に居る事を許さないだろうという事です。

皆基本的に過保護なんです】

インキュベーター【別にこの場でテレパシーをする必要はないのですよ?】

女王【いえ、誰が盗聴しているかもわかりませんから】キラキラ

インキュベーター QB「……」



315: ◆2DegdJBwqI 2012/12/14(金) 08:14:19.26 ID:ctzGWdj20

女王【それはともかく私があなた方と契約して彼らを追い払う事は出来ないのですか?

その為にだったら私契約してもかまいませんけど】

インキュベーター【私達としてましては、

あなたが魔獣との戦いで死んでしまうとこの星は滅亡してしまいますので、

余りあなたが契約する事はお勧めできません。

あくまで長い事魔獣を倒し続ける事でエネルギーを効率よく採取できますので、

万が一があるような方法はとりたくない。

この星はまだまだ発展していくはずですから。】



329: ◆2DegdJBwqI 2012/12/14(金) 15:40:25.95 ID:ctzGWdj20

インキュベーター【それになんでも叶えられるといってもそれは可能性の話であって、

私達は基本的に宇宙の別種族同士の争いに直接干渉する事は出来ないのです】

女王【……それならほむらさんを元に戻す事は?】

インキュベーター【残念ながらそれも不可能です。

彼女は例外中の例外。たとえあなたの素質でも彼女に干渉する事は叶いません。

まるで何らかの高次元の干渉を受けたかのように彼女の因果はねじ曲がっているのです】

QB(これがほむらの言っていた「まどか」を荒唐無稽だ、

と一言で切って捨てる事の出来ない理由の一つだ。

もし本当にそんなものが居るのだとしたらほむらの救いはやはり……)



317: ◆2DegdJBwqI 2012/12/14(金) 08:21:09.11 ID:ctzGWdj20

女王【となるとやはり正攻法で相手を納得させるしかないという訳ですね?】

インキュベーター【ええ、そうなります】



331: ◆2DegdJBwqI 2012/12/15(土) 07:04:05.30 ID:kNTihWgt0

~☆

女王『……ですから今すぐ結婚の相手を見つけるなど不可能です!』

大王『何も結婚相手と無理に決めて探す必要はあるまい。

優秀な遺伝子を持った男に孕まして貰う、それで十分ではないか』

女王『なっ!?』

大王『どうせお前は出産すれば我々が連れていく。

下手に思い入れのある男を作ると後が辛いぞ?』

QB(さっきからほむらの表情がおかしい……。

これは違う部屋に一度連れて行って健康のチェックをした方が……?)

ほむら「うー」ドドドドドドド

皆「」

QB(ああ、なるほど漏れそうだったからあんな辛そうな顔してたのか)





332: ◆2DegdJBwqI 2012/12/15(土) 07:09:14.98 ID:kNTihWgt0

大王『……き、貴様あああああああああああ!

会合の席の場で排泄行為とは!

我にそんな汚らしい物を見せつけるとは!

これは重大な外交問題だぞ!

この屈辱絶対に忘れぬ!

お礼にこの星を火の海にしてくれる!』



333: ◆2DegdJBwqI 2012/12/15(土) 07:15:46.65 ID:kNTihWgt0

女王『どうかお怒りをお静めください!

彼女は今現在正気ではありません!

この失態を挽回するチャンスを今一度我々に!』

QB(この星でも謝意を表す最高の表現は土下座なのか。

やはり頭を地につけるという行為は、

二足歩行で生活する生き物としては屈辱的なのかな?)



334: ◆2DegdJBwqI 2012/12/15(土) 07:20:39.90 ID:kNTihWgt0

大王『ならば脱げ』

女王『えっ?』

大王『それ程の誠意があるというならまずは服を脱いでこの場で舞ってみせろ。

それが面白かったら今はとりあえず退いてやる』

QB(せっかくこの星を滅ぼす口実を得たというのに、

それをわざわざ一度手放すなんて訳が解らないよ)



335: ◆2DegdJBwqI 2012/12/15(土) 07:25:33.75 ID:kNTihWgt0

~☆

女王「……」ズーン

インキュベーター【女王のメンタルはもうボロボロだね】

QB【元々統治者というものは国を背負うものだけあってプライドが高い。

それがわかっていたから大王もわざわざあんな遊びをしたのだろうけど】

インキュベーター【まあ我々の状況はどうにか生き延びたと言っても、

首の皮一枚であることにはかわりがないけれど】

QB【会合を始めるよりは明らかに悪化しているのが世知辛いよね】



336: ◆2DegdJBwqI 2012/12/15(土) 07:28:52.56 ID:kNTihWgt0

インキュベーター【大王はこの星を滅ぼす口実を得たし、

話の流れはどんどん女王を彼らに譲り渡す方向で進んでいる。

ほむらはこれでは使い物にならない。

……QB、一つ合理的な提案があるんだ】

QB【なんだい?】



337: ◆2DegdJBwqI 2012/12/15(土) 07:34:43.48 ID:kNTihWgt0

インキュベーター【この星を見捨てよう。会合の時の様子を見てわかっただろう?

この状態のほむらではもうどうしようもないし、

仮にこれを解決したとしてボクらには何の利益もない。

決断を決めれば今ならまだ間に合うよ。大事なのはどちらかを考えてみるんだ】

女王「……」

ほむら「キュベー!キュベー!」キャッキャ

QB「痛い痛い!笑いながらチョップするのはやめてくれほむら!」

QB(痛みを感じて不快感を示すなんて無駄な行為をなぜ僕はしているのだろう?

痛覚なんてただの外界からの刺激を受けた上で起こる反応に過ぎないのに)



338: ◆2DegdJBwqI 2012/12/15(土) 07:42:07.70 ID:kNTihWgt0

QB「痛いっていってるじゃないか!」ベシッ

ほむら「ふぁ?……びええええええええええん!」ピャー

QB(やはりほむらの痛がっているさまとは僕とは違うな。

本当に痛いんだぞっていうのを全身で表現している)



339: ◆2DegdJBwqI 2012/12/15(土) 07:46:47.03 ID:kNTihWgt0

QB「ああ、つい手…触腕が出てしまった。ごめんよほむら」ヨシヨシ

ほむら「うー。うー」ペチッペチッ

QB「痛いよほむら」

QB(ああ、なるほどボクがやっているのはごっこ遊びなのか。

子供が他人の役割を遊びの中で演じてみせるように、

これはほむらの気持ちを理解し習得するための模倣行為なんだ)



340: ◆2DegdJBwqI 2012/12/15(土) 07:51:18.14 ID:kNTihWgt0

QB【インキュベーター、ボクはその意見には賛同しかねる】

インキュベーター【どうしてだい?】

QB【ほむらはすでに彼らに目をつけられている。

衝突は避けられない。

それにこの事態を解決する方法もなくはない。

通訳の赤べぇさえ貸して貰えればボクが大王と話をつけるよ】



341: ◆2DegdJBwqI 2012/12/15(土) 07:56:09.88 ID:kNTihWgt0

インキュベーター【解決する手段が見つかったのは大変結構なことだけど、

別にこの星が絡んでいなければボク達がほむらを彼らから保護する事は十分可能だ。

何もそんな意味のない事をする理由はないじゃないか。時間の無駄だよ。

まあほむら担当はあくまでQBだから最終的な判断は君に任せるけど】

QB【……これをするのは記憶を失う前の彼女の意思の為だ。理由ならある】



342: ◆2DegdJBwqI 2012/12/15(土) 08:01:09.73 ID:kNTihWgt0

インキュベーター【記憶を失う前という事は今の彼女とは別人格と言って差し支えない。

今の彼女の命を危険にさらしてまでどうしてそんな事をしなくちゃならないんだい?

命あっての物種っていうだろう?】

QB【さあね、ボクにもまだ分からないよ】

QB「さあほむら、ちょっとそこまで遊びにいこう」キュッキュッキュッ

ほむら「あー!てー!」ダッダッダッ




346: ◆2DegdJBwqI 2012/12/15(土) 09:48:24.88 ID:kNTihWgt0

~☆

大王『まさかインキュベーター直々にこの星を賭けた会合の締結に乗り出してくるとはな。

それほど魅力的な要素がこの星にはあるのか?』

QB『まあこっちにも色々あってね。

この会合はあくまで「この星に生活する廃棄処分予定の一個体」と君達との間の秘密裏の会合とさせて貰うよ』

大王『だがそんな事は所詮瑣末なことだ。

はたしてこの落とし前はどう付けて貰えると言うのだ?』



347: ◆2DegdJBwqI 2012/12/15(土) 09:49:27.45 ID:kNTihWgt0

QB『彼女を君にあげよう』

ほむら「あー。あー。キュベー!」ギュウ

QB「絞まってる、絞まってるよほむら」

大王『そんな汚物女貰った所で何の足しにもならん。

それが貴様の切り札だというのなら交渉は決裂だな』




348: ◆2DegdJBwqI 2012/12/15(土) 09:50:09.18 ID:kNTihWgt0

QB『それで本当にいいのかな?

君達にとってはまたとないチャンスだというのに』

大王『なに?一体どう意味だ?』

QB『君は地球という惑星を知っているかな?』

大王『ああ、なかなか最近まで文明の割には知的生命体が栄えていた星の様だな。

もっともその繁殖力のせいで自らを食いつぶすとは本当に愚かな奴らだが』



349: ◆2DegdJBwqI 2012/12/15(土) 09:51:04.75 ID:kNTihWgt0

QB『地球滅亡の原因は純粋に星としての寿命なのだけれど、

確かにそういう一面もあったね。

まあそれはともかく彼女はその地球人の現存する唯一の個体だ』

大王『ふん、我々だって今は絶滅してしまった種族のサンプルを持っている。

そんな子供騙しにはひっかからんぞ』



350: ◆2DegdJBwqI 2012/12/15(土) 09:51:48.64 ID:kNTihWgt0

QB『まだわからないのかなぁ?

それは君達が彼らをコールドスリープさせて保存しているからだろう?

それに比べて彼女は意識を持ったまま一生物としては驚くべき長さを生きているんだよ。

それこそ君よりはだいぶ年上なはずさ』

大王『何…?』

QB(まあそれを言うと基本的にインキュベーター一個体の寿命はさらに長いのけれどね)




351: ◆2DegdJBwqI 2012/12/15(土) 09:52:40.93 ID:kNTihWgt0

QB『理論的には彼女の命はきちんとした環境で生活させれば永遠に続く。

彼女はこの若々しい姿をずっと今まで保ち続けてきたんだよ。

君が今までそういう行為をしてきた女性で最も長生きしていた者は何歳だったかな?』

大王『……約300歳だが』

QB『ああ、駄目だね全然駄目、そんなの彼女から見たら赤ん坊の様なものさ。

君は永遠を犯してみたいとは思わないかい?』

大王「」ゴクッ




352: ◆2DegdJBwqI 2012/12/15(土) 09:53:32.99 ID:kNTihWgt0

QB『とはいえ永遠に生きられるのはあくまでまだ理論上なんだけどね。

現にちょっとした手違いで彼女は気が狂ってしまった。

ボク達としても非常に惜しいのだけれどこの星の危機とあっては背に腹は代えられない。

今回彼女を譲る事を決意した訳だ』



353: ◆2DegdJBwqI 2012/12/15(土) 09:54:47.09 ID:kNTihWgt0

大王『ああ、わかった。了解した。あの時の事はすべて水に流そう。

だからその娘を私にくれ』ハァハァ

QB(単純だなぁ…この種族の性欲というのはやはり尋常ではない。

もっともインキュベーターという種族が嘘をつかない、

と信用されているというのはあるだろうけど。

生憎ボクはインキュベーターというネットワークを外れた一「QB」にすぎないのにね)



354: ◆2DegdJBwqI 2012/12/15(土) 09:55:13.53 ID:kNTihWgt0

QB『まだ話は終わっていないよ。

この話についてのメリットもボク達が要求している事もまだどれも言い終わっていない』

大王『…続けろ』

QB『要求というのは彼女をくれてやる代わりにこの星から手を引けという事だ』

大王『そ、それは出来ぬ!割に合わぬ!』



355: ◆2DegdJBwqI 2012/12/15(土) 09:55:48.91 ID:kNTihWgt0

QB『だからこれからこの取引が君達にとってどれほどの利益をもたらすのかを述べるんじゃないか。

君はインキュベーターが「魔法少女」というシステムを用いて、

宇宙のエネルギー問題を解決しようとしているのは知っているね?』

大王『ああ、それほど詳しくは知らんが感情から生まれるエネルギーを、

宇宙維持のエネルギーに変換しているのだろう?』



356: ◆2DegdJBwqI 2012/12/15(土) 09:57:25.77 ID:kNTihWgt0

QB『ああその通りだ。

その為にインキュベーター達が用いた技術の全てが詰まっているのがこのソウルジェムだ。

いいかい?

このソウルジェムには君達がこのままどれほど栄華を極めても得る事の叶わぬかもしれない技術、

その結晶が詰まっている。

まさか君も宇宙を救うために用いられている技術が、

決して生半可な物ではないだろう事はわかるよね?』



357: ◆2DegdJBwqI 2012/12/15(土) 09:58:21.86 ID:kNTihWgt0

大王『……それが何もせずにやすやすと手に入るという訳か』

QB『そうだ、君達とこれの技術の差は、

君達が目をつけた惑星に与える技術の差とは到底比べ物にならない。

そしてボク達は君がこの提案を受けてくれないなら残念だがこの星から撤退する。

いくら彼女が使い物にならなくなったと言っても、

この技術を理由もなく誰かに開示してやる理由もない。

つまりこれが手に入るチャンスは今一度だけなんだよ?』




358: ◆2DegdJBwqI 2012/12/15(土) 09:58:59.87 ID:kNTihWgt0

大王『わ、わかっ……いや、まだだ。

貴様の事だ。このような事をわざわざするとは何か裏があるに違いない。騙されぬぞ』

QB(一応ボクが嘘をついているかについては疑っていないようだ。

当たり前だ、彼はボクがもうすでに「インキュベーター」ではない事を知らないのだから。

このままいけばもうひと押しだろう。

よし、最終兵器を使おう)




359: ◆2DegdJBwqI 2012/12/15(土) 09:59:33.92 ID:kNTihWgt0

QB『君は完全に純真無垢なものと生殖した事はあるかい?』

大王『……突然何の話だ?』

QB『君が性行為に何を求めているかの話さ』

大王『……最高の瞬間は必ず最初にやってくる。

彼女達の体内に侵入した瞬間制圧した喜びを感じる。

もうこの女は自分の物なのだと謂う満足感がたまらない』




360: ◆2DegdJBwqI 2012/12/15(土) 10:00:32.33 ID:kNTihWgt0

QB『彼女には今は何もない。見てみなよ。あの笑みを。

後余談だけど彼女は現在まで誰にも汚されていないよ』

ほむら「キュベー」ニコッ

大王「」ムラムラ




361: ◆2DegdJBwqI 2012/12/15(土) 10:00:58.57 ID:kNTihWgt0

QB『彼女は正気を失っているがそれゆえに純粋だし、

性欲というのは理性よりも先に生物のうちに存在するものだ。

もし君が彼女の信頼を得た暁には……彼女は完全に君の物になるかもしれないね?』

大王「」ムラムラムラムラ




362: ◆2DegdJBwqI 2012/12/15(土) 10:01:45.31 ID:kNTihWgt0

QB『別に飽きたら肉体はコールドスリープさせてソウルジェムだけを研究すればいい。

まあ話だけではイメージが湧きにくいだろうからこれからデモンストレーションをしよう』ゴソゴソ

大王『い、いったい何をしているんだ!』ジー

QB(うん、この身体ではほむらの服を脱がすのには予想以上に手間取るね)



363: ◆2DegdJBwqI 2012/12/15(土) 10:02:55.00 ID:kNTihWgt0

QB【赤べぇ手伝ってくれ】

赤べぇ「……」

QB(あくまでボクにやらせようという訳か……正しい選択だね)

ほむら「うー」スッポンポン

QB『よし、それじゃあ始めるとしよう』



364: ◆2DegdJBwqI 2012/12/15(土) 10:03:24.16 ID:kNTihWgt0

~☆

大王『のった!その取引のった!もう取り消させはせぬぞ!

お前も誓うな!誓え!自分の誇りに懸けて!』

QB『ああ、ボクは君がこの世界に存在する限り暁美ほむらの権利を君に譲ることを約束しよう。

これでいいかい?あくまでこれは秘密裏の契約だよ?わかってるね?』




365: ◆2DegdJBwqI 2012/12/15(土) 10:04:06.39 ID:kNTihWgt0

大王『ああ、わかっているわかっている!誰がこんな上玉子孫に残すか!これは私の物だ!』

QB『忘れてはいけないのは彼女に下手に手を出したら殺されるという事だよ。

今渡した取扱説明書に書かれた注意をよく読んで、

最低十六年はきちんと丁寧に信頼構築に努めるんだ』

大王『わかっているわかっている!最高の快楽を得るための努力なら我は惜しまぬ!』



366: ◆2DegdJBwqI 2012/12/15(土) 10:05:01.35 ID:kNTihWgt0

QB(やはり性欲というのはきちんと制御されていなくては一種族を滅ぼすね。

これでこの話し合いをしたのはあくまで「QB」で「インキュベーター」ではないという形ができた。

後は細心の注意を払ってこいつらを殲滅するだけだ)




371: ◆2DegdJBwqI 2012/12/15(土) 11:53:48.33 ID:kNTihWgt0

~☆

QB「」キュッキュッキュッ

QB(さすがに宇宙船の中は厳重に警備されているね。

もっともこの程度の警備を潜り抜けられないようじゃ、

インキュベーターとして1000年も生きられないだろうけど)




372: ◆2DegdJBwqI 2012/12/15(土) 11:54:48.45 ID:kNTihWgt0

~☆

QB「やあ、ほむら。迎えに来たよ」

ほむら「きゅべー!」パァ!

QB(どうやらきちんと手厚く保護してくれたようだね、感心感心)

QB「しっ、喜んでくれるのは良いんだけど声が大きいよ。さあ一仕事済ませて速く帰ろう」




373: ◆2DegdJBwqI 2012/12/15(土) 11:55:14.23 ID:kNTihWgt0

~☆

大王『貴様ぁ!こんな所で何をしている!』

QB(まさかこんな所ではち合わせるとはね。迂闊だったよ)

大王『貴様謀りおったなぁ!ええい、我をどこまでも愚弄しおって!』

QB『別にボクは契約違反をしたつもりはないけどね。

君が死ねばほむらの所有権はボクに戻る』




374: ◆2DegdJBwqI 2012/12/15(土) 11:55:41.84 ID:kNTihWgt0

QB(とはいえそれもまとめてやるつもりだったから今その手段がないのが痛いけど)

大王『貴様のその貧弱な体で何ができるかー!』ゲシッ

QB『うっ』ドサッ

QB(別にたいしてダメージはないけどここで適当に痛がっておかないと普通に殺されるな)




375: ◆2DegdJBwqI 2012/12/15(土) 11:56:10.82 ID:kNTihWgt0

ほむら「」プッチーン

ほむら「キュベー!だー!」ヘンシン

QB 大王「え?」

ほむら「うー!」ビュオッ

大王「ちょ、ちょっと待っ」ドス




376: ◆2DegdJBwqI 2012/12/15(土) 11:56:37.92 ID:kNTihWgt0

QB「……ナ、ナイスプレイだよほむら結果オーライだね。

これで大王も非常艇を使って逃げる事も出来ない。もう死んでいるからね」

QB(あれほど完璧に弓を扱えるという事は戦闘の勘は鈍ってはいないのか。

朗報だね)




377: ◆2DegdJBwqI 2012/12/15(土) 11:57:04.32 ID:kNTihWgt0

~☆

QB(これがこの船の動力部だね。これ一個を突然完全に爆発させればこの船は沈むだろう。

こういうでかいエネルギーに安易に頼るからこういう目にあうんだ)

QB「さあほむら、ここに弓をさっきみたいに放つんだ。

ほら、急がないと気付かれちゃうよ」

ほむら「うー?」

QB(しまった意思を伝達する手段がないじゃないか)



378: ◆2DegdJBwqI 2012/12/15(土) 11:57:47.81 ID:kNTihWgt0

~☆

ほむら「うっ!」ビュオッ

動力部「」ドスッ

QB(はあ、こんなにここで苦労するとは思わなかった。

さあとは僕が体内に仕込んだ爆弾を壊れかけの動力に体ごと投げ入れれば全てお終い。

見事に一網打尽だ。しかし……)



379: ◆2DegdJBwqI 2012/12/15(土) 11:58:17.39 ID:kNTihWgt0

ほむら「?」

QB(参ったほむらをここから退避させる方法が何もないじゃないか)

赤べぇ【お困りの様だね。ボクに任せてくれるかな?】

QB【!ぼくはどうすればいいんだい?】

赤べぇ【一度ほむらの視界からはずれてくれ】

QB【わかった】ササッ




380: ◆2DegdJBwqI 2012/12/15(土) 11:59:02.94 ID:kNTihWgt0

ほむら「!きゅべ…?きゅべ?きゅべぇええええええ!」ピャー

QB(うわ、大泣きじゃないかばれるってまずいってやばいって)

赤べぇ?「ほむら、いったいどうしたんだい?そんなに突然泣き出して?」

ほむら「!きゅべ!きゅべ!」ゴシゴシ

QB(……あれは全身を白い塗料につけて目はくりぬいて赤い石を埋め込んでいるのか。

あんなんで本当に迎えに来ているインキュベーターの所まで行けるのかな?)




381: ◆2DegdJBwqI 2012/12/15(土) 11:59:42.50 ID:kNTihWgt0

白べぇ「さあ行こうかほむら」ゴチン

ほむら「」キャッキャ

QB(本当に大丈夫なのかな)




382: ◆2DegdJBwqI 2012/12/15(土) 12:00:18.67 ID:kNTihWgt0

~☆

QB(よし、ほむら達が無事に退避した知らせも届いたしこの船を爆破しよう。

宇宙に余計なスペースデブリが増えるのはいただけないけど仕方ないね。

このそれよりこの船本当にどうしたんだろう?

こんだけ騒ぎを起こしたのに人が全然こっちに来ないぞ。

……まあ今考えても仕方のない事か。

さっさとやってしまおう。思えばこの身体とも長い付き合いだった。

帰ったらおいしい物を食べたりして感情の研究がしたいなぁ……)



383: ◆2DegdJBwqI 2012/12/15(土) 12:00:45.08 ID:kNTihWgt0

QB「」ヒョイ

宇宙船「」ドカーン




384: ◆2DegdJBwqI 2012/12/15(土) 12:01:52.50 ID:kNTihWgt0

~☆

ほむら「キュベベベベベベベ」

QB「痛い痛い痛い何だそれは!まさかつぼ押しマッサージのつもりなのかい!?」

QB(無事に帰って来れたというのにこれだよ。

宇宙船に侵入する前にインキュベーターと一時的にまたネットワークをつなぎ直しておいて、

爆発後違う身体で復活するという荒業を使ったから、

おそらくばれたら宇宙世論上で凄くインキュベーター達は非難されるだろうが、

およそボク達の知った事ではない。

少なくとも今のところ表面上は歴史的価値のある「魔法少女」と、

処分予定個体が余計な事をしたに過ぎない)




385: ◆2DegdJBwqI 2012/12/15(土) 12:02:18.44 ID:kNTihWgt0

ほむら「キュアタアアアアアアアアアアアア!」

QB「だからそれはなんなのさあああああああああああ!」

女王『相変わらずあの二人は仲が良いですわね』

インキュベーター『まったくです。

……ところでどうしてそんなにボクと間をおとりになるのですか?』



386: ◆2DegdJBwqI 2012/12/15(土) 12:02:50.25 ID:kNTihWgt0

女王『私基本的に信用ならない人の近くには寄らない事にしていますの。

……私あなたがこの星を見捨てようとなさったこと全部聞いていましたのよ?

金輪際私はあなた方に心を許すつもりはありません。

二人のお仲間の様ですからこうして一緒に居るだけですわ』

インキュベーター『……これは手厳しい』



387: ◆2DegdJBwqI 2012/12/15(土) 12:03:40.85 ID:kNTihWgt0

______

ボクだって今日という一日が大変な物だったという事は頭では理解しているつもりだ。

なにしろ会合をごまかしでまとめ最後は自爆という荒業をしたのだから。

しかしそこに何も感慨はない。

思い起こせばボクは地球に居た頃からほむらの為になるような事ばかり考えていた気がする。

魔法少女の世話をすることは当然だが、

ボクという一個体はほむらと出会ってからほとんどの時間彼女の隣で過ごしてきた。



388: ◆2DegdJBwqI 2012/12/15(土) 12:04:07.76 ID:kNTihWgt0

彼女の視点から物を見ようと努力し続けてきた結果が、

何度も何度も反復された前後の何ら関係のない事象に、

ボクの中で一定のパターンを持たせそこに「感情」という錯覚を起こさせているのだろう。

現に僕はほむらの関与していない事象に何も感じる事が出来ない。




389: ◆2DegdJBwqI 2012/12/15(土) 12:04:44.07 ID:kNTihWgt0

だが「それ」がいったいどうしたというのだ?紛い物でもなんでも構わない。

ボクが今生きている意味はほむらという一存在の為でしかない。

ならたとえ偽物にすぎなくとも「それ」を信じ理解する事はきっとできるはずだ。

ボクはほむらが人として満足がいく生き方ができるように全てを捧げよう。

そこにボクが何も意味を見出せなくても別に問題はない。

それに何も今全てをわかる必要はないのだ。




390: ◆2DegdJBwqI 2012/12/15(土) 12:05:30.07 ID:kNTihWgt0

  「きゅべー」


  「痛たたたた、頼むから耳をそんなに強く引っ張らないでくれ」

慌てなくとも明日も明後日もきっとやってくる。

感情なんて不安定な物はこれからゆっくり学んでいけばいい。

ボク達の長い旅はまだ始まったばかりなのだから。




391: ◆2DegdJBwqI 2012/12/15(土) 12:05:58.03 ID:kNTihWgt0

オマケ2 完




392: ◆2DegdJBwqI 2012/12/15(土) 12:06:23.61 ID:kNTihWgt0

オマケ3

QB「今度は大丈夫なのだろうね?今回の大規模記憶消去は」

インキュベーター「もちろんさ。

一回目の失敗はあくまで容量をオーバーしすぎてから記憶を消す事になった為だ。

今度は普段からいらない記憶はチェックして消していたし必要な記憶はたくさん残してある。

何も問題はないよ」




393: ◆2DegdJBwqI 2012/12/15(土) 12:07:05.12 ID:kNTihWgt0

ほむら「」テクテク

インキュベーター「ほら、何も普段と違う所はないだろう」

QB「見た目は確かにそうだね。やあほむら!大丈夫かい?」

ほむら「?」

インキュベーター「ああ言い忘れてたけど日本語に関する記憶は消去させて貰った。

残念ながら生活の際に緊急使用に迫られる場面は無さそうだからね」




394: ◆2DegdJBwqI 2012/12/15(土) 12:07:33.17 ID:kNTihWgt0

QB「……」

ほむら「~~~」

インキュベーター「『QBがなんていったかわからないのだけどどういう事?』だそうだよ」

QB「そっくりそのまま通訳しておいてくれ」

QB(いくらほむらがソウルジェムのおかげで優れた記憶力を持っているからといって、

毎回これだとしたら面倒でしょうがないなあ……)

オマケ3 完




395: ◆2DegdJBwqI 2012/12/15(土) 12:11:35.86 ID:kNTihWgt0

これで本当に本文の投稿終了ですありがとうございました

今日の夜から明日にかけてHTML化頼んできます

今回ここに初めて投稿させていただいた中で

>>102

のようにSSで良く見るような後書きを自分でやると顔から火が出るほど恥ずかしい事や、

読んで頂いてる方とどう距離感をとっていいのかわからないことなど色々学ばせて頂きました

今後に生かしていきたいです


元スレ
SS速報VIP:ほむら「円環をお断り」