SS速報VIP:女「あなた、そこから飛び降りるつもり?」男「……」
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1: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/01/26(土) 19:30:47.69 ID:IJ+SPfW/o


男「…止めても無駄だぞ」

女「別に止めないわよ。見てるだけ」

男「それは人としてどうなんだ」

女「あら、自殺志願者にだけは言われたくないわね」

男「……いいからどっか行ってくれないか。気が散る」

女「まずはその高いフェンスを越えないとね」

男「うるせぇ!」

女「……」


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2: ◆XA/D3KJkxU 2013/01/26(土) 19:37:30.66 ID:lETaFwv0o


女「…まだ落ちないの?」

男「なんなんだよお前…」

女「あなたを救いにきた天使」

男「は?」

女「とでも言うと思ったかしら」

男「…何が目的だ」

女「別に。ただ怯えてる子犬ちゃんが気になって」

男「チッ……」




3: ◆XA/D3KJkxU 2013/01/26(土) 19:43:02.90 ID:oeTE5dz0o


男「…わかった。なら勝手に見てろ」ガシャン

女「ねぇ」

男「なんだよ!」

女「そこから飛んだら、貴方の身体はどうなると思う?」

男「そりゃ…ぐちゃぐちゃに???

女「ならない」

男「…は…何を根拠に…」

女「運が良ければ…いえ、悪ければだけど」





4: 文字化け???→──── ◆XA/D3KJkxU 2013/01/26(土) 19:49:04.98 ID:flo2fVQBo


女「落下防止用ネット…って知ってるかしら」

女「こういうマンションだと大抵あるのだけど」

男「えっ……」ガシャッ

女「そんなに覗いても見えないわ。そういうものだもの」

男「…なんで…そんな事知ってんだよ…」

女「……そうね」

女「経験者は語る…、って答えじゃ不満?」

男「え…………」




5: ◆XA/D3KJkxU 2013/01/26(土) 20:13:19.81 ID:i28SOyAdo


女「何よその顔。幽霊でも見たみたいに」

男「いや……だって」

女「ところで、貴方はこれから同るの?飛び降りは失敗したわけだけど」

男「っ…そりゃ首吊りでも投身でも──────

女「首吊りってね、一説では最も楽な自殺の手段と言われているの」

男「…ならもうそれでいいよ」

女「…頸動脈が絞まるとね、頭に血が集まってくるのを感じるの。顔の皮膚が血液に押し出されて裂けちゃいそうに」

女「鼓動が一つ、また一つ鳴る度にそれが強くなってくる。眼球も舌も、外に投げ出してしまいたい…そんな気分になるの」

「」

「」



7: ◆XA/D3KJkxU 2013/01/26(土) 20:24:25.26 ID:8a5Z4O5Vo


男「お前…頭おかしいんじゃねぇの」

女「そうかもしれないわね」

男「くそっ…くそ!」

女「そうそう。さっきのネットの話だけど、半分は嘘」

男「はっ!?」

女「そっち。そう、その角の辺りから力の限り飛んでみなさい。ネットの隙間を落ちていけるかもしれないわ」

男「…嘘じゃないだろうな」

女「えぇ、もちろん」ニコッ




8: ◆XA/D3KJkxU 2013/01/26(土) 20:30:57.38 ID:IJ+SPfW/o


男「そうかよ」ガシャンガシャン

女「今度は簡単にネットを越えるのね。後は手を離せばさよなら、って訳か」

男「馬鹿な話聞いたらどうでもよくなったんだよ」

女「…そう」

男「じゃあな…っく!」ガシャッ

女「……」

男「……タイミングを間違えたんだよ…」




9: ◆XA/D3KJkxU 2013/01/26(土) 20:38:54.44 ID:TR2aVjjOo


女「ねぇ」

男「っ…な、なんだよ?」

女「貴方は何故死にたいの?」

男「……」

女「ほら、遺言と思って。貴方みたいな人間の失敗作でも、それなりの理由はあるんでしょう?」

男「お前…っ!」

女「あら、なぜ怒るの?そこに立っているのがその証明でしょうに」

男「…はぁ…。わかった…聞けよ」

女「えぇ、是非」ニコッ




10: ◆XA/D3KJkxU 2013/01/26(土) 20:48:02.48 ID:lyrjtpW2o


男「最愛の人に裏切られたんだ」

女「…へぇ……それで?」

男「今思えば散々貢がされただけなんだなって…無駄な借金まで作っちまってな」

女「ふんふん…で?」

男「え……いや、終わりだけど」

女「……」

男「……」

女「……ぷ」




11: ◆XA/D3KJkxU 2013/01/26(土) 20:55:07.52 ID:oeTE5dz0o


男「…お前、今笑っただろ…」

女「っく…ふふ、ごめんなさい。想像以上にくだらない話だったから」

男「お前に……」ボソッ

女「?」

男「お前に何がわかるんだよ!?」

男「顔は下の下!たいした取り柄もない、周りからはゴミ扱い!!口でカバーしようとすりゃ臭いだのキモイだの──────

女「貴方の事なんて知らないし、微塵もわからない」

男「っ…!」




12: ◆XA/D3KJkxU 2013/01/26(土) 21:01:19.99 ID:TR2aVjjOo


女「質問を質問で返すようだけど、貴方は私の何がわかるの?周りの人達の何がわかるの?」

男「ぐ……そ、んなの…」

女「でしょう?他人を理解しようともせずに自分を理解してもらおうだなんて…とんだ甘えん坊ね」クスッ

男「っ…それは、お前にも同じ事が言えるんじゃないのか」

女「私は理解して欲しくもないし、理解する気もない」

女「これで満足かしら」

男「…う………もう訳がわからん…」

女「…奇遇ね。私もよ」ニコッ




13: ◆XA/D3KJkxU 2013/01/26(土) 21:09:01.41 ID:V4NrzQqyo


男「……はぁ」ガシャ

女「そうだ」

男「今度はなんだよ…」

女「くだらない話を聞かせてもらったお返しに、面白い小話をしてあげる」

男「いらん」

女「あら、ずいぶん冷たいのね」

男「それで結構」

女「なら別に聞かなくてもいいわ。これから独り言始めるから。貴方はいつ飛んでもいいのよ?」

男「……」




14: ◆XA/D3KJkxU 2013/01/26(土) 21:26:19.55 ID:gVDDECSSo


女「ある所にね、小学生の女の子が幸せに暮らしていたの」

女「庭付きの一戸建てに父と母とで、それはもう周囲が羨む程に仲良のいい家庭」

男「……」

女「そんな中、突然それは起きた。不慮の事故だった。不幸な事に、両親はその子を残して他界したわ」

男「お前……」

女「?まだいたんだ」

男「……」

女「…行き場を失い、彼女はやがて叔母夫婦に引き取られる事になった。幸運な事に、数ヶ月後には再び、微笑ましい家庭ができあがっていた」

女「表向きは、だけれど」




15: ◆XA/D3KJkxU 2013/01/26(土) 21:34:48.57 ID:gVDDECSSo


女「叔父にはね、少し変わった性癖があったの」

女「ペドフィリア──────小児性愛とでも言うのかしら」

男「っ…お前まさか、その…叔父に…?」

女「…貴方が何を言っているかわからないわ」

男「だって…!!」

女「言ったでしょう?これは『ある女の子』の話だって。優しく可憐で、慈愛に溢れる…『ある女の子』」ニコッ




20: ◆XA/D3KJkxU 2013/01/27(日) 20:52:15.82 ID:XaizJibuo


女「祖父母の家に移って間もない、皆が寝静まった夜に叔父は動いた」

女「泣き疲れて眠る彼女の服を剥ぎ取り、幼い身体を嬲り始めた」

女「もちろん、違和感を感じた彼女は飛び起きたわ。抵抗もしたし、声もあげようとした」

女「でもね、叔父はそんな彼女に暴力を加えた。元々体格が違いすぎるもの。すぐに取り押さえられた」

男「………」

女「…何よその顔。面白い話よ?笑いなさい」

男「……無理言うな」

女「…そ。なら続けるわ」




21: ◆XA/D3KJkxU 2013/01/27(日) 21:24:47.02 ID:2dzqYqoOo


女「行為が始まってどれくらい経ったかしら。下腹部に違和感を感じたの」

女「反射的に逃げようとした。何か大切なものが壊れてしまう、そんな気がした」

女「それが彼女の最後の抵抗」

女「叔父の歪んだ欲望は、彼女の小さい身体を貫いた。何度も…何度も何度も何度も何度も」

男「…うっ……」

女「目の前が眩しいくらいフラッシュしてね、気付けば朝だった」

女「悪い夢を見てたんだ、って……思ったわ。でも焼け付くような痛みと、気持ちの悪い感触は消えてはくれなかった」

女「これが…始まり」




22: ◆XA/D3KJkxU 2013/01/27(日) 22:05:34.46 ID:L7zAHN1so


男「…始ま、り……?」

女「…元々明るい性格でクラスの人気者だった彼女も、毎晩のようにやってくる叔父に変えられてしまった」

女「口数は減って、笑う事さえ苦痛になっていったの」

男「…誰かに相談とか…できなかったのか?」

女「…そうね。心に余裕があれば、そういう選択肢もあったのかもしれないわね」

女「愛する両親を亡くし、傷も癒えないまま叔父に暴行を受けた…どうかしら?」

男「……」

女「ふふ…。そう、例えるなら人形のよう。彼女は毎日決まった動きをするだけの人形になり果てたの」





23: ◆XA/D3KJkxU 2013/01/27(日) 22:21:56.84 ID:G2Ps8CqQo


男「…友達はいたんだろ?」

女「いい質問ね。…あ、独り言って事を忘れてたわ」

男「いいから」

女「…"いた"。その通りよ。最初は皆心配して甲斐甲斐しく話しかけていたわ」

女「でもね、人形は喋らない、反応しない。…となると人が離れていくのは必然でしょう?」

男「…そうだな」

女「…やがて彼女は中学生になった。精神はそのままにね」




24: ◆XA/D3KJkxU 2013/01/27(日) 22:51:03.15 ID:FvapgaZpo


女「入学してすぐの事だった。授業中、突然吐き気がしたの。それも尋常じゃない程のね」

女「目の前が真っ暗になって…起きた時には病院でね、医者がすごく困った顔で言ったの」

男「…え…と……はっ?」

女「子種を散々注ぎ込まれたんだもの。彼女の身体には叔父との子が宿っていた」

男「っ…」

女「でもね、ここで奇跡が起こったの」

男「奇跡…?」

女「そう。彼女の中に生まれた命。自分の半身。この子だけは裏切らない、守らなきゃいけない…って」

女「人形だった彼女に心が戻ったのよ」




25: ◆XA/D3KJkxU 2013/01/27(日) 23:17:50.51 ID:c7bf8A/fo


女「しばらくして迎えに来た叔父に彼女は伝えたわ。産みたい、ってね」

女「叔父は堕ろせ、ってそればっかりでね」

男「…ちょっと待て。叔母はそれまで何をしてたんだよ」

女「…人ってね、少しの欲望で簡単に変わると思うの」

男「…は?」

女「叔父は性欲に溺れた。…そして叔母の場合は愛に飢えた」

女「叔母はね、彼女にばかり構う叔父に対して嫉妬した。矛先はもちろん彼女」

女「嫌味や嫌がらせを経て…最終的には無関心になったから特に害はなかったけれど」




28: >>27あざす ◆XA/D3KJkxU 2013/01/28(月) 18:55:33.48 ID:Pdqvc9xeo


男「…その後は?」

女「もちろんどちらも退かなかった。結局、結論は出ないまま彼女はそのまま入院する事になったの」

男「つまり…産んだのか?」

女「いいえ、産んでない…産めなかったのよ」

男「?どういう事だよ…」

女「妊娠が発覚してから数日、彼女が飲み物を買う為に階段を下っていたの」

男「………え」

女「そこでね、階段から落ちたの。事故?いいえ、突き落とされたのよ。誰かに」

女「身体中に走る痛みに耐えながら、彼女は見てしまった。叔父に似た背格好の男が走り去るのを、ね」




29: ◆XA/D3KJkxU 2013/01/28(月) 19:04:21.14 ID:2xuKWtn+o


女「そして運が悪かったのか…彼女は自分の分身を失ってしまった。同時に、二度と子供を産めない身体のオマケつきで」

男「…なんだよそれ……」

女「同情する? 彼女に」

男「同情……そうだな。可哀想、だとも思う」

女「…そう。優しいのね」

男「そんな事初めて言われたよ…はは」

女「やっと笑ってくれた」

男「えっ…」

女「貴方のその笑顔、好きよ」ニコッ

男「は…っ!? えっ……」




30: ◆XA/D3KJkxU 2013/01/28(月) 19:10:25.18 ID:2X0L2BQxo


女「あら、落ちるわよ」

男「うおっ……」ガシャ

女「……」

男「……なぁ」

女「…何かしら」

男「俺みたいなクズでも…『その女の子』を支え……いや、ごめん。忘れてくれ」

女「……大丈夫よ」

男「…え、と…」

女「貴方みたいなゴミでも、役に立てるわ」

男「…そっかー……」




31: ◆XA/D3KJkxU 2013/01/28(月) 19:29:32.62 ID:MjPalfUBo


男「…もう一回頑張ってみるよ、俺」

女「そう…」

女「なら、戻ってくるのかしら。こっちに」

男「…あぁ」ガシャンガシャン

女「……」ギュッ

男「っ…は!?」

女「…抱きしめて」

男「…あ、あぁ…」ギュッ

女「おかえりなさい」

男「…うん。ただい────────

ズドッ




32: ◆XA/D3KJkxU 2013/01/28(月) 19:39:45.62 ID:rmDE+TVwo


男「…ま……?あれ…、…なん…だこれ……包、丁……?」フラ…フラ

女「…ねぇ、今どんな気持ち?」ズシャ

男「あ、が……っ…ぐ」バタッ

女「貴方、これから死ぬと思うけど…どんな気持ちなのかしら」

女「すごく痛い?死ぬのが怖い?どんな気分なの?ねぇ、お願い教えて?」

男「あ゙…っ、し…しんじゃ…!」

女「…そう、その顔よ。死を覚悟した後の死に顔程つまらないものはないもの」

女「希望があるから絶望が活きるの」ニコッ





33: ◆XA/D3KJkxU 2013/01/28(月) 19:49:02.97 ID:MjPalfUBo


女「ちょっと失礼するわ」ドサッ

男「!っ…ぐぁ…ぎ、…!?」

女「ねぇ、見て。貴方に馬乗りになる私と、下で喘ぐ貴方。誰かが見たら、発情したカップルに見えるのかしら?」

男「ひっ…っ、…ぎっ!!」ジタバタ

女「……実はね、さっきの話には続きがあってね」

男「ゔっ…っ!…、は…っ」

女「知りたい?…そうよね。気になるわよね」

男「…っぐ、…ふぅ゙、ぁ゙…!」





34: ◆XA/D3KJkxU 2013/01/28(月) 20:09:58.52 ID:qhnL1eEfo


女「愛する我が子を失った彼女は思ったの。この世の仕組みは弱肉強食だって」

女「腹の子が邪魔なら殺せばいい。欲しい女がいれば犯せばいい。気に食わないなら壊せばいい」

女「ふふ…、簡単でしょう?」

男「あ……っ…ぎ…ち、が……ゔ」

女「だからね、彼女もそう生きる事にした訳」

女「そうそう、最初に言ったけど…転落防止のネット」

女「数年前までは無かったの。でもある事故が起こってから、設置された」


女『経験者は語る…、って答えじゃ不満?』


女「初老の男性がね、ふふ…、足を滑らせて落ちちゃったらしいわよ? っふふ、あはははは」




35: ◆XA/D3KJkxU 2013/01/28(月) 20:46:09.29 ID:CSzci8kvo


男「」ポタ…ポタ

女「……」

女「私ね、貴方の事好きよ」

女「不格好で…惨めで醜悪で、すごく弱い。異常なまでに人間らしい貴方が、好き」

女「…そんな貴方でも人の役に立てたの。ほら、こうして私を満たしてくれた」

女「見て、空がすごく綺麗」

女「…すごく…眩しいの…」

女「…まるで………」ボソッ

女「……」ガシャン

女「……ふふ」




36: ◆XA/D3KJkxU 2013/01/28(月) 20:47:06.35 ID:CSzci8kvo



────────────
──────────
────────
──────
────
──





37: ◆XA/D3KJkxU 2013/01/28(月) 21:03:25.07 ID:e3pyhL+2o



『先日、○○県○○市の高層マンションの屋上で男性の刺殺死体が見つかりました』


『凶器は持ち去られており、警察は容疑者の特定を急ぐとともに、被害者の人間関係に問題がなかったかを調べているとの事です』


『また、近隣住民に聞き込みを行った所、不審な若い女性を連日、頻繁に目撃していた事から』


『この女性が事件に関係していると見て捜査を進めています』


『それでは続いてのニュースを────────


END



39: ◆XA/D3KJkxU 2013/01/28(月) 21:08:32.18 ID:KaaTnF7jo

設定に無理があったかな…
今後の参考にしたいから何でも言ってくれ


読んでくれた人ありがとうございました




元スレ
SS速報VIP:女「あなた、そこから飛び降りるつもり?」男「……」