1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 16:01:45.76 ID:jb8wHIym0
『お姉ちゃん、朝だよー、起きて―』
唯「う~ん、あと5分~…」
『お姉ちゃん、お姉ちゃん』
唯「う~ん…はっ、朝だ」
唯「あれ?憂はどこ?」
唯「憂~、憂~」
『お姉ちゃん、私お姉ちゃんのところにいるよ』
唯「憂?どこ?」
2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 16:03:39.32 ID:jb8wHIym0
憂『私、お姉ちゃんの体の中にいるみたいなの…』
唯「体の…まさか憂を食べちゃった!?」
憂『そういうことじゃなくて…お姉ちゃんの体に魂だけ入ってるっていうのかな…』
唯「憂は幽霊?」
憂『違うよ!…多分…
取り憑いてるっていうより体を共有してるって感じかな?
お姉ちゃんの見てるものが見えて、聞こえるものが聞こえて…』
唯「きゃ!恥ずかしい!」
憂『も~、お姉ちゃんもっと緊張感持ってよ~』
唯「まぁよくわかんないけど、憂~ご飯~」
憂『あ、朝からこんなだからご飯は作れなかったんだ、ごめんね』
唯「仕方ない、私が作るか!」フンス
憂『お姉ちゃん頼もしー!』
唯「わからなかったら憂に直接聞けるしね!」
憂『あはは…』
唯「とりあえず憂みたいに髪結んだら料理できる気がする!」
憂『それはないと思うけど…』
唯「よし!」
ムスビ~
憂「あれ?お姉ちゃん?」
『憂~、体が動かない!』
憂「入れ替わっちゃった!?」
唯『憂、どういうこと?』
憂「髪を結んだら私達の立場が入れ替わるのかも…」
唯『…憂お姉ちゃん?』
憂「そうじゃないよ~」
憂「私達は体を共有してるんだけど、お姉ちゃんが基本で、髪を結んだ時だけ私になるんだと思う」
唯『なるほど、わからない!』
憂「これで…」
ホドキ~
憂『こうなるってことだよ』
唯「あ、動く!体が動くよ、憂!」ブンブン
憂『お姉ちゃんはしゃぎ過ぎ~』
唯「だってあの状態気持ち悪いんだもん」
憂『そうだね~』
憂『あ、じゃあお姉ちゃん、髪結んで』
唯「えー、やだよー」
憂『ご飯作ってあげられないよ?』
唯「わかりました、結びます!」
ムスビ~
憂「じゃあお姉ちゃんちょっと待っててね」
唯『任せたぞ妹!』
憂「なにそれ~?あはは」
憂「よし!完成!」
唯『憂~、おいしそうだけど私の分はいらないんじゃない?』
憂「あ、そうか…体は一つだもんね」
唯『じゃあいっしょに食べよ!』
憂「うん、いただきま~す」パク
唯『ああ…食べてないのに食べてる変な感じ…』
憂「お姉ちゃん、替わる?」
唯『すまないねえ憂~』
ホドキ~
唯「ごちそうさまでした!」
憂『お粗末さまでした~』
唯「朝食らしい味だったよ、憂!」
憂『ありがとうお姉ちゃん、でも味は私もわかるんだよ~』
唯「そうか、さっきの私とおんなじだもんね」
憂『今日は日曜日だからいいけど…学校とかどうしよう…』
唯「はっ!そうか、体が一つ足りない…」
憂『…私は元に戻るまで休んでいいから、お姉ちゃんが体使っていいよ』
唯「え…いいの?」
憂『お姉ちゃんは受験生でしょ?勉強しなきゃ!私は後で純ちゃんと梓ちゃんに教えてもらうし』
唯「かたじけない…」
憂(それに…私はお姉ちゃんと一緒なだけで嬉しいし♪)
お昼!
ギータニーモークビッターケー♪
唯「あ、メール…りっちゃんからだ」
律[今日昼空いてる?昼飯食いに行こうぜ~!あ、澪に断られたからじゃないぞ、決して!]
唯「うん、私はヒマだよ~、っと…」
スーキスーキダーイースーキー♪
憂『あ、私の携帯も取って、お姉ちゃん』
唯「うんわかった~、何々…」
純[憂、ヒマだったらご飯食べに行こうよ~]
唯「…」
憂『…』
唯「…ということでこうなりました!」
律「どういうことだ、説明しろ」
純「律先輩と唯先輩…憂は?」
唯「あ~私が憂で憂がお姉ちゃんで~…」
律純「???」
憂『お姉ちゃん、私が説明するから替わって!』
唯「憂…任せた!」
ムスビ~
憂「こんにちは、律先輩、純」
律「?…憂のマネ?」
純「…それとも憂が唯先輩のマネ?」
憂「かくかくしかじかとこんな話だったんです」
律「…うーむ、にわかには信じられない話だが…」
純「でも憂がそんな冗談言うとは思えないし…」
律「唯にこんな冗談考えるアタマがあるとも…」
唯『りっちゃんヒドい!』
憂「お姉ちゃんが怒ってます…」
律「あはは~、ごめんごめん…でも普通には信じられないよな」
?「いえ、彼女の言ってることは正しいわ!」
律「…さわちゃん!?あんた本当に神出鬼没だな!」
さわ子「たまたま通りかかったら珍しい組み合わせがいるんだもの」
純「…さわ子先生!正しいって何か根拠が?」
さわ子「ふふふ…実はね、私は衝撃の事態を目撃しちゃったのよ…」
憂「ゴクリ…」
さわ子「それはね…」
律「それは…!?」
さわ子「髪を結んだ瞬間唯ちゃんの胸のサイズが変わったのよ!」
律「ズコー」
さわ子「それがなかったら店内にまで入ってないと思うわ」
純「よ、良かったね憂、証人がいて…」
憂「う、うん…」
唯『そういえばさっきから胸に違和感が…』
憂「もう、お姉ちゃんったら…」
律「本人同士は話せるんだなー、周りから見たらアレだけど」
憂「あ…あぅ…」
純「まぁまぁ、私達は気にしてないから…」
さわ子「じゃあ私は忙しいから!」
憂「先生さようなら~」
律「何しに来たんださわちゃんよ…」
純「まぁ目的は果たしたって感じですけどね…」
唯『憂~、そろそろ私も動きたい~』
憂「あ、ごめんねお姉ちゃん」
ホドキ~
唯「じゃん!」
律「う~む…そんなに違うかな…」ジー
純「…」ジー
唯「ああ、そんなに見ないで!」
律「でもウチじゃなくて良かったわ~」
唯「なんで?」
律「ほら~、平沢家は姉妹だけどウチは姉弟だろ…」
唯「それが?」
律「ほら~、トイレとかお風呂とか…姉弟でもさすがになぁ…」
唯「はっ!そういえばトイレとか憂に見られちゃうのか!」
憂(お姉ちゃんのお風呂…お姉ちゃんのトイレ…お姉ちゃんの…)
律「遅!…まぁどうにもなんないから諦めたほうがいいんじゃないか?」
唯「まぁ別にいっか~」
純「…話はちょっと戻るんですけど」
唯「うわ!いたんだ純ちゃん!」
純「存在が薄れてきたからそろそろ話さないとなぁ、と思って…」
律「ほら唯、純ちゃん傷つけんなよ、空気キャラに『いたんだ』は禁句だぞ~」
唯「はーい…」
憂『律さんも十分ひどいこと言ってるような…』
純「…おほん、それで…律先輩、だったらトイレやお風呂の時は弟さんと替わればいいんですよ」
律「ああ、そうか!自由に替われるんだもんな、よっしゃー、問題無事解決!」
唯「りっちゃんは実際なってるわけじゃないんだから解決になってないよ!」
律「そうだぞ、純ちゃん!関係ない方向に話を持っていくなよ~!」
純「あ…すみません…」
憂『純ちゃん…』
夕方!
唯「結局収穫ナシだったね~」ゴロゴロ
憂『事情を分かってもらえただけでも収穫だったんじゃない?』
唯「そんなもんかな~?」
憂『あ、お夕飯用意しないと!』
唯「憂~…あ、そうか」
憂『お姉ちゃん髪結んで』
ムスビ~
憂「じゃあ作るから待っててね!」
唯『わーい!』
唯「いただきまーす!」モグモグ
憂『どう?おいしい?』
唯「憂だって同じ味あじわってるでしょ~」
憂『あはは、そうだったね』
唯「ごちそうさま~、食べて眠いから憂バトンタッチ!」
ムスビ~
憂「…」
憂「あ、片付けしないと~」
夜!
唯「憂おやすみ~」
憂『おやすみお姉ちゃん』
唯「グー…」
憂(今日は変な日だったなー)
憂(まぁお姉ちゃんとずっと一緒だったし)
憂(…お姉ちゃんの体でお風呂入ったし…)
憂(でもお姉ちゃんのあったかさを感じられないのは残念だな~…)
憂(私も寝よっか…)
憂『おやすみ、お姉ちゃん』
翌日!
唯「寝たら治るかと思ってたけどそんなことはなかったぜ」
憂『早くしないと学校遅刻しちゃうよ~』
ムスビ~
憂「え?どうしたのお姉ちゃん?」
唯『学校着くまで憂お願い~』
憂「もー、仕方ないなぁ」
唯『ありがとうね憂~』
憂(お姉ちゃんの笑顔が容易に想像できる…)
唯「…というわけでして」
和「ごめん、どういうわけなの?」
律「なんでも唯と憂ちゃんが同じ体に入ってて、髪を結んだら憂になるんだってさ」
唯「…ということです!」フンス
律「お前が締めるな」
澪「なんとなく事情はわかったけどいまいちピンとこないな…」
紬「私も」
唯「じゃあ見て見て~」
ムスビ~
憂「こんにちは~」
和「確かに憂っぽい…」
部室!
唯「…というわけなんだよ、あずにゃん!」
梓「なるほど、そんなことが…って何も言ってないのになるわけないじゃないですか」
澪「唯と憂ちゃんが同じ体で、髪を結んでないと唯、結ぶと憂になるんだって」
梓「つまり憂が今日休んだのは唯先輩のせいってことですね」
憂『梓ちゃん、お姉ちゃんは悪くないよ!』
唯「妹が私は悪くないと申しております」
律「私達には憂ちゃんの声が聞こえないから信憑性がないなぁ」
梓「実際に見てみないと信用できません」
唯「じゃあ」
ムスビ~
憂「こんな感じでどう?梓ちゃん」
梓「確かに憂っぽい」
梓「じゃあ質問に答えて」
憂「うん」
梓「憂が間違えて言った私のあだなは?」
憂「あずさ2号!」
梓「私がお姉ちゃんにしたい人は?」
憂「澪さん!」
澪「梓…私をそんな風に思ってたんだ…」テレテレ
梓「どうやらホンモノみたいですね」
律「だろ~」
唯『正直今までは胸のサイズでしか判断されてなかったけどね』
紬「お茶の準備ができましたよ~」
律「おう、いつも悪いな」
紬「いえいえ」
唯『憂~、私に替わって~』
憂「もう、しょうがないなぁお姉ちゃんは」
ホドキ~
唯「平沢唯、お茶のために帰還致しました!」フンス
澪「唯…憂ちゃんにも食べさせてやれよ」
憂『私たち感覚共有してるんで心配ないですよ~』
唯「私たち感覚共有してるから心配ないよ!」
澪「そうなのか、じゃあいい…のかな?」
唯「ウマー!」モグモグ
憂『こんなにいいもの毎日食べさせて貰ってるのかぁ、ムギさんにちゃんとお礼言わないと』
唯「ムギちゃん、いつもありがとうって憂が言ってるよ」
紬「あらあら、私はいいのよ、趣味みたいなものだし♪」
律「趣味て…」
憂『…ところで練習とかしないの?』
唯「練習は食べ終わってから~」
梓「…!」
梓「練習しましょう、練習!」
澪「そうだな、さっさと食べて練習するぞ」
唯律「ちぇー」
ジャジャジャ~♪
憂『あ、お姉ちゃんそこ違うよ』
唯「え~、難しいな~…」
憂『そうそうそんな感じ』
唯「むー」
梓「唯先輩が自らのミスを克服している…」
澪「違う、あれは…憂ちゃんが教えてるんだ…!」
律「憂ちゃんもギター弾けるしなー」
紬「じゃあもう梓ちゃんが教えてあげなくてもいいかな♪」ニヤニヤ
梓「な"…!私は憂より上手いですし!」ムスー
紬「うふふ、じゃあ練習に混ざってあげたら?」
梓「言われなくてもです!」
唯「はー、今日はだいぶ上手くなった気がするよー」
憂『お姉ちゃん頑張ったもんね!』
梓「それでもまだまだですけどね!」
憂『ガーン…』
唯「私まだまだ上手くなるよ」
梓「唯先輩にしてはやる気十分ですね」
唯「いざとなったら憂に交代するから!」
梓「…そんなことだろうと思ってました」
夕方!!
憂『お姉ちゃん、お夕飯作るからそろそろ替わって~』
唯「あ、そうか…テレビ見ながらご飯ができるのを待つことはできないのね」ゴロゴロ
憂『お姉ちゃん…テレビはつけっぱなしでもいいよ、音だけでも聞きたいでしょ?』
唯「いやー、別に特に見たいわけでもないからいいよ」
ムスビ~
憂「じゃあテレビ消すよ」ピッ
憂「ご飯できるまでちょっと…って冷蔵庫ほとんど何も入ってない!」
唯『え!どうして?』
憂「本当は今日お買いものする予定だったんだけど…」
憂「お姉ちゃん、おつかい…って頼めないのかぁ」
唯『何なら私に替わって行ってこようよ!』
憂「いいの?大丈夫?」
唯『私は大丈夫だよ、憂と一緒だし!』
憂「もう、お姉ちゃんったら///」
憂『右のやつのほうがちょっと大きいかな?』
唯「野菜の大きさなんてどうでもいいよ~」
唯「あ、このお菓子食べたい…」
憂『だめだよお姉ちゃん、これからお夕飯なんだから…』
唯「ならばアイスを…」
憂『しょうがないな~、アイス一個だけだよ』
唯「やたー!」
憂『どうぞ召し上がれ~♪』
唯「うわーい、今日もおいしそうだね!」
唯「でも感覚が一緒だから自分で作ったみたいな気になっちゃうよ」
憂『そうだね、私もお姉ちゃんがギター弾いてたら私が弾いてるような気分になったもん』
唯「自分で作ったメシはウマい!」モグモグ
憂『作ったのは私だよ~』
唯「えへへ、言ってみたかっただけだよ!」モグモゴ
憂『食べながら喋るのはお行儀悪いよ~』
夜!!
唯「憂おやすみ~」
憂『おやすみお姉ちゃん』
唯「グー…」
憂(今日もずっとこのままだったなー…)
憂(お姉ちゃんと一緒にお買いものしたし…)
憂(でも…今日はお料理作ってるときとみんなに説明する時以外動けなかったなぁ…)
憂(まぁ…お姉ちゃんが喜んでるなら…)
憂『おやすみ…』
憂『お姉ちゃん、朝ごはん食べる時間なくなっちゃうよ~』
唯「…むーん、あれ?全然早いじゃん…」ボケー
憂『私に替わって!』
唯「ふあーい…」
ムスビ~
憂「もうこんな時間…早くご飯用意しないと…」
唯『できたら替わってね~』
唯「いってきまーす!」
憂『いってきまーす!』
唯「そうだ憂、今日の1時間目替わってくれない?」
憂『何で?』
唯「実は小テストが…」
憂『替え玉受験するの…?』
憂(よし、なんとかできた!)
唯『さすが憂!私にできない事を平然とやってのける!』
憂(お姉ちゃんちょっとうるさいよ~)
唯『じゃあ引き続き授業も頼む!』
憂「え?それじゃあお姉ちゃんの勉強にならないよ?」ボソボソ
唯『後で教えて~』
憂(もう…)
お昼!!
律「おい唯」
唯「な、なぁに?」
律「お前今日のテストと授業憂ちゃんにやらせてただろ」
唯「そ、そんなことないよ~?」
律「髪ほどくの見えちゃったんだよなー」
唯「ごめんなさい…」
律「いいな~、私にも憂ちゃんくれよ~」
唯「憂は絶対に渡さないよ!」
憂『お姉ちゃん…』
唯「このままだとすっごい便利だもんね!」
憂『…』
澪「憂ちゃんの扱いひどくないか?」
憂『私は…』
唯「あはは、冗談冗談~」
部室!!
梓「今日もみっちり練習ですよ、唯先輩」
唯「えー、やだー…あ、憂に任せた!」
憂『え?』
ムスビ~
憂「お姉ちゃん?…えーっと…じゃあ今日は私がやろうかな?」
梓「憂は唯先輩に甘過ぎだよ」
ジャジャ~ン♪
澪「さすが憂ちゃん、上手かったよ」
律「ちょっと合いすぎて気持ち悪いけどな~」
紬「でも最初から憂ちゃんだと思ってたらあんまり違和感なかったわね♪」
梓「今度から練習の時は憂でいい?」
唯『ひどいよあずにゃん』
憂「お姉ちゃんがひどいよって~」
梓「自業自得です」
唯『うぐー…』
夕方!!!
唯「ごろごろ~」
憂『ほらお姉ちゃん、私お夕飯作るから…』
唯「は~い」
ムスビ~
憂「じゃあちょっと待っててね」
唯『できたら髪ほどいてよ~』
憂「わかってるよ~」
夜!!!
憂(お姉ちゃんが私に冷たいような気がする…)
憂(お姉ちゃんの顔を見てないから?)
憂(私の時間がないから?)
唯「どうしたの憂?」
憂『何でもないよ、おやすみお姉ちゃん』
唯「?…おやすみ~」
憂『朝だよー!起きてー!』
唯「あと5分~…」
憂『もう遅刻しちゃうよ~…』
唯「うーん…」
憂『起きてよー…』
唯「…はっ!もうこんな時間」ガバッ
憂『早く髪結んで~』
唯「わかったよ」
いつも通り朝ご飯とお弁当を作る
本当はいつも私が起きている時間ならばこう焦る必要もない
ただ、いつも二人分だったものが一人分で済むのが救いだろうか
唯『ご飯まだ?』
憂「…」
そういえば最近、私はほとんどご飯を作っている記憶しかない
本当にこれでいいのだろうか、私の人生
唯『憂?』
憂「お姉ちゃん、ごめんね…私、もう我慢できないよ…」
唯『…どういうこと?』
憂「もうね、私はお姉ちゃんの便利な道具なのは耐えられないの」
憂「だから…私はもう髪をほどかない」
唯『ご、ごめん…今まで苦労かけちゃって…近すぎて気が付かなかった…』
憂「いまさら謝ってももう遅いよ」
唯『…ごめん』
お弁当もできた、今日は久々の学校だ
忘れ物もないみたい、じゃあ行こうか!
憂「いってきまーす!」
唯『憂、本当にごめん…』
雲ひとつない快晴は私の気分を表しているようだった
梓「唯先…憂?」
憂「私だよ?」
梓「とうとう唯先輩は学校をサボり始めたのか…」
憂「お姉ちゃんは…そう、サボるって言ってきかないの」
唯『ごめんね…ごめんね…』
純「おお!憂久しぶりぃ!」
憂「日曜日に会ったでしょ~♪」
純「いやー、学校だと2日3日いないだけで久しぶりって感じしない?」
梓「それわかるかも」
憂「そうかな~?」
純「それにしても憂、今日機嫌いいね」
憂「そう?いつも通りだと思うけど」
梓「久々に学校行けたから嬉しいんだよね?」
憂「それもあるかな~?」
もう私はお姉ちゃんの道具じゃない
平沢憂、一人の人間だ
唯『憂~…返事してよ~…』
私は何も聞こえない
正常な人間だから
唯『憂~…』
憂「うるさい!」
純「…ど、どうしたの…?憂…」
憂「…」
憂「あ、ごめんね~、お姉ちゃんがどうしてもこういう演技してほしいって言うから♪」ニコニコ
純「そ、そうなんだ…」
純「今日の憂おかしいよ」
梓「確かに…機嫌いいかと思ったら突然暗い顔になったり…」
純「叫んだのも本当は唯先輩になんか言われて…」
梓「ありうる…」
純「軽音部では何かなかった?」
梓「唯先輩がお菓子食べてて…憂が食べたのは見てないなぁ」
純「他には?」
梓「練習めんどくさいからって理由で憂が代わりにやらされてた」
純「唯先輩の態度に憂が怒ったのかな?」
梓「だとしたら唯先輩の自業自得だし、お灸になればいいんじゃない」
純「どちらにせよ姉妹のことだったら私達は何もできないね」
梓「どうしても私達が必要そうだったら助けよう」
純「うん」
放課後、私は軽音部員ではないけど、お姉ちゃんが学校をサボってしまったんだから
代わりに私が行ってあげないとね
唯『憂…』
憂「こんにちは、みなさん」
律「おー憂ちゃん、唯は?」
憂「今日一日学校サボるって…」
澪「何も部活まで休まなくてもいいのに」
紬「じゃあ今日の練習は…」
憂「大丈夫です、私が代わりにやりますから」
紬「そう、じゃあお願いね♪」
唯『…』
ジャジャーン♪
梓「いい感じですね」
律「やっぱ憂ちゃんが上手いからな~」
紬「そうよね~」
澪「ほらほら、唯に聞こえてるんだから」
憂「大丈夫ですよ、お姉ちゃんは寝てますから」
律「そっかー、じゃあ唯のこと愚痴り放題だな!」
梓「唯先輩はもっと真面目に…」グチグチ
律「いや、今の冗談だったんだけど、梓」
梓「へ?あ、あはは…私も冗談ですよ~」
唯『あずにゃん…』
部活動も終わって帰宅
私は私のためにご飯を作る
憂「いただきまーす」モグモグ
唯『おいしいよ、憂』
何も聞こえはしない
唯『ごめんね…ごめんね…』
憂「ごちそうさまでした」
唯『憂…』
私は食器を片づけた
お風呂に入るのは一苦労だ
髪をほどかないと髪を洗うことができない
髪をほどいてしまうと、またいつ自由になれるかわかったものではない
そこで私は考えた
髪をほどく前に別のところで髪を結び、結んでいないところを洗う
これを繰り返せば髪を結んだまま髪を洗うことができる
憂「上手くいくか心配だな~」ニコニコ
唯『憂、もう許して…』
憂「ふー、いいお湯だったぁ」
唯『本当にごめんなさい、私家事もするから…』
憂「大丈夫だよお姉ちゃん、もうお姉ちゃんは体を動かす必要なんてないんだから」
憂「それより…もう喋らないで」
唯『…』
夜、久々に静かな夜だ
一人で寝ることができるというのも幸せなんだなぁ
憂「おやすみ…」
ついつい誰かにおやすみと言ってしまった
まったく私はバカだなあ
誰もいないのに
おはようございます、平沢憂です
今日は久々に梓ちゃんと純ちゃんと登校です
梓「おはよー憂」
純「おはよー」
梓「私は憂に言ったんだよ?」
純「なにー!私にも言ってよ~!」
梓「軽音部に入ってくれたら考える」
純「何よそれ~!」
憂「あはは、二人とも元気でいいね♪」
梓「あのさー憂…」
梓「そろそろ許してあげたら?」
憂「何のこと?」
梓「唯先輩」
憂「…許すって?」ニコ
梓「…いや、何でもない」
純「まだダメか…」
放課後、私はいつものように軽音部に向かう
今日もみんなと練習したいな
憂「みなさんこんにちは」
律「おう憂ちゃん、唯は?」
憂「お姉ちゃんは今日も休むって言ってました」
澪「休み過ぎだろ」
紬「まぁまぁ、お茶にしましょう♪」
憂「はい♪」
梓「…」
梓「…ちょっと澪先輩いいですか?」
澪「え?何で私?」
憂「どうしたの、梓ちゃん?」
梓「いや、え、演奏のことでちょっと…」
憂「そっか、じゃあいってらっしゃい」
憂「ムギさん、このケーキおいしいです、いつもありがとうございます」
紬「いいのよ、貰いものを余らせてしまうのも悪いから」
澪「何だよ急に呼び出して」
梓「みなさん気付かないんですか?憂のこと…」
澪「憂ちゃんに何かあったのか?」
梓「多分憂は唯先輩に嫌気がさして、唯先輩にならないようにしてます」
澪「そんな…あの憂ちゃんが唯にイライラするとは思えない…」
梓「でも実際に突然うるさいって叫んだり、唯先輩の話をするとはぐらかされるんです」
澪「そうか…じゃあ律とムギにも私から言っておくよ」
梓「ありがとうございます」
一人きりの家
お父さんとお母さんは二人で旅行に行っているので私達の事情は知らない
自分で自分のお夕飯を作る
我ながらおいしい
お風呂はちょっと大変だ
今日も一人で眠りに着く
翌日、いつも通り早起きをして、いつも通り学校へ向かう
梓ちゃんと純ちゃんはなんだかちょっと暗い顔をしている
何故だろう
放課後は音楽室に行き、お茶をして、練習
先輩方もテンション低いな
澪「憂ちゃん、唯は…」
憂「いつも心配かけてすみません、でも大丈夫ですから」
律「…憂ちゃん、もういいだろ?」
憂「何のことです?」
律「唯のこと…本当のことを教えてくれ」
憂「だからお姉ちゃんはお休みしたいって…」
紬「唯ちゃんと…喧嘩したんでしょ?」
憂「…」
憂「そこまで分かってるなら言います」
憂「お姉ちゃんが悪いんです、私を道具のように扱って…」
憂「もう耐えられなかったんです…」
梓「おおかたの予想通り…」
憂「私だって我慢できないときもあるんです…」
律「唯は謝ってたのか?」
憂「…はい」
律「じゃあそろそろ仲直りしろ、な?」
憂「…まだ許せません…」
律「…まだ、か」
一人きりの家
寂しい…
憂「お姉ちゃん…」
つい口に出してしまった
憂「別に寂しかったわけじゃないよ」
返事はない
憂「お姉ちゃん?今は喋ってもいいんだよ?」
寂しくなっただけですぐに怒りが冷めてしまった自分が悲しい
憂「…お姉ちゃん?怒ってるの?」
憂「お姉ちゃん!なんか喋ってよ!」
自分で言っておいてなんて勝手な妹なんだろう
これじゃあお姉ちゃんのこと言えないじゃないか
憂「お姉ちゃん…そうだ!」
私は髪をほどく
これでお姉ちゃんが強制的に出てくるはず
憂「お姉ちゃん…ってあれ?」
替わらない!?お姉ちゃんは消えてしまったのか!?
憂「お姉ちゃん!?どこ!?」
部屋を探してもいるわけなんてない
テレビを見て転がってるわけでもない
わかってはいるが理解したくはない
私はお姉ちゃんを探し続けた
憂「いない…お姉ちゃん…どこ…?」
お姉ちゃんがいないと何もできない…
お姉ちゃんがいないと謝れない…
お姉ちゃんの声が聞きたい…
お姉ちゃんの笑顔を見れればそれだけで良かった…
いなくなってから気付いたってもう遅い…のかな…
憂「お姉ちゃん…」
唯『う…い…』
憂「お姉ちゃん!」
唯『お姉ちゃん…?』
憂「私だよ!お姉ちゃん!ごめんね!」
唯『…』
お姉ちゃんが弱っている…
私が替わってあげなかったせいだ…
梓「…で、私達に相談してきたんだ」
混乱していた私は誰かに頼りたくてとりあえず梓ちゃんと純ちゃんに電話をした
梓ちゃん達は夜なのにすぐに来てくれた
純「でも私じゃ何もできないなぁ」
憂「ごめんね、呼んじゃって…」
梓「唯先輩、生きてますか?」
唯『梓…ちゃん…?』
憂「反応があった!」
純「このまま唯先輩に呼びかけてけば唯先輩が戻るかも!」
梓ちゃんが軽音部のみなさんを呼んでさらにお姉ちゃんに声をかけることにした
澪「唯、消えないでくれ!」
律「お前がいないとからかう相手が減っちまうだろ、唯」
紬「お茶会に来るの待ってるのよ、唯ちゃん!」
唯『みんな…?』
憂「お姉ちゃん、軽音部のみんなが来てくれたよ!」
唯『先…輩…』
憂「お姉ちゃんから見たら先輩じゃないよ」
紬「唯ちゃんの意識が憂ちゃんの意識と混ざってきてるのかも…」
憂「お姉ちゃんは私じゃないよ!」
唯『私は…ゆい…』
憂「そう、私は憂、お姉ちゃんは唯」
唯『私は…おねえちゃん…』
梓「どうなの?憂」
憂「なんとか大丈夫みたい」
律「はぁ~、良かったな」
憂「でも髪を結んでないけどお姉ちゃんにはならない…」
澪「きっと唯の意識が完全に戻ったらなるようになるさ」
憂「お姉ちゃん、大丈夫?」
唯『なんとか…』
憂「お姉ちゃん、ごめんね」
唯『私こそごめん…』
唯『私、動けるようになったら絶対ご飯作るから…』
憂「じゃあ私がお料理教えてあげるね♪」
唯「うん!」
あれから数日
お姉ちゃんの意識は無事回復した
まだ体は戻ってないけれど、私達は大丈夫
唯「じゃあ憂、ご飯作ってあげるね」
憂『お姉ちゃんもだいぶお料理上手くなったよね~』
唯「おいしいものが好きだから素質はあったんだよ!」
憂『あはは~、何それ~』
ムスビ~
憂「自分で作ったメシはウマい!」モグモグ
唯『作ったのは私だよ~』
憂「えへへ、言ってみたかっただけだよ」
私達は交代交代で体を分けています
憂「ムギさん、今日のお菓子はなんですか?」
紬「今日はモンブランよ♪」
梓「最近憂だらしないよ」
憂「そうかな~?」
律「唯も最近しっかりしてきたしなー」
唯『えへへ~、そんなことないよ~』
澪「なんだか二人とも足して2で割ったみたいだよね」
憂唯「だって私達…」
一心同体だから
おわり
読んでくださってありがとうございます
誤字とか多くてすみません
あと補足という名のいいわけ
憂の性格が壊れてるのように見えるのは憂が喧嘩慣れしてないせいと無視するのがつらいのを隠すため
あと、喧嘩してたら無視とかしちゃうと思うんですけど、唯は外部との会話ができないから普通の無視より痛かっただけ
唯も性格悪いんじゃなくて危機感がないから普段と同じように甘えちゃっただけって感じです
おつ!!
元スレ
憂『私、お姉ちゃんの体の中にいるみたいなの…』
唯「体の…まさか憂を食べちゃった!?」
憂『そういうことじゃなくて…お姉ちゃんの体に魂だけ入ってるっていうのかな…』
唯「憂は幽霊?」
憂『違うよ!…多分…
取り憑いてるっていうより体を共有してるって感じかな?
お姉ちゃんの見てるものが見えて、聞こえるものが聞こえて…』
唯「きゃ!恥ずかしい!」
憂『も~、お姉ちゃんもっと緊張感持ってよ~』
4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 16:07:38.05 ID:jb8wHIym0
唯「まぁよくわかんないけど、憂~ご飯~」
憂『あ、朝からこんなだからご飯は作れなかったんだ、ごめんね』
唯「仕方ない、私が作るか!」フンス
憂『お姉ちゃん頼もしー!』
唯「わからなかったら憂に直接聞けるしね!」
憂『あはは…』
7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 16:12:12.27 ID:jb8wHIym0
唯「とりあえず憂みたいに髪結んだら料理できる気がする!」
憂『それはないと思うけど…』
唯「よし!」
ムスビ~
憂「あれ?お姉ちゃん?」
『憂~、体が動かない!』
憂「入れ替わっちゃった!?」
唯『憂、どういうこと?』
憂「髪を結んだら私達の立場が入れ替わるのかも…」
唯『…憂お姉ちゃん?』
憂「そうじゃないよ~」
8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 16:16:29.86 ID:jb8wHIym0
憂「私達は体を共有してるんだけど、お姉ちゃんが基本で、髪を結んだ時だけ私になるんだと思う」
唯『なるほど、わからない!』
憂「これで…」
ホドキ~
憂『こうなるってことだよ』
唯「あ、動く!体が動くよ、憂!」ブンブン
憂『お姉ちゃんはしゃぎ過ぎ~』
唯「だってあの状態気持ち悪いんだもん」
憂『そうだね~』
9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 16:22:11.70 ID:jb8wHIym0
憂『あ、じゃあお姉ちゃん、髪結んで』
唯「えー、やだよー」
憂『ご飯作ってあげられないよ?』
唯「わかりました、結びます!」
ムスビ~
憂「じゃあお姉ちゃんちょっと待っててね」
唯『任せたぞ妹!』
憂「なにそれ~?あはは」
10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 16:28:37.04 ID:jb8wHIym0
憂「よし!完成!」
唯『憂~、おいしそうだけど私の分はいらないんじゃない?』
憂「あ、そうか…体は一つだもんね」
唯『じゃあいっしょに食べよ!』
憂「うん、いただきま~す」パク
唯『ああ…食べてないのに食べてる変な感じ…』
憂「お姉ちゃん、替わる?」
唯『すまないねえ憂~』
ホドキ~
12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 16:33:00.85 ID:jb8wHIym0
唯「ごちそうさまでした!」
憂『お粗末さまでした~』
唯「朝食らしい味だったよ、憂!」
憂『ありがとうお姉ちゃん、でも味は私もわかるんだよ~』
唯「そうか、さっきの私とおんなじだもんね」
憂『今日は日曜日だからいいけど…学校とかどうしよう…』
唯「はっ!そうか、体が一つ足りない…」
憂『…私は元に戻るまで休んでいいから、お姉ちゃんが体使っていいよ』
唯「え…いいの?」
憂『お姉ちゃんは受験生でしょ?勉強しなきゃ!私は後で純ちゃんと梓ちゃんに教えてもらうし』
唯「かたじけない…」
憂(それに…私はお姉ちゃんと一緒なだけで嬉しいし♪)
13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 16:40:40.91 ID:jb8wHIym0
お昼!
ギータニーモークビッターケー♪
唯「あ、メール…りっちゃんからだ」
律[今日昼空いてる?昼飯食いに行こうぜ~!あ、澪に断られたからじゃないぞ、決して!]
唯「うん、私はヒマだよ~、っと…」
スーキスーキダーイースーキー♪
憂『あ、私の携帯も取って、お姉ちゃん』
唯「うんわかった~、何々…」
純[憂、ヒマだったらご飯食べに行こうよ~]
唯「…」
憂『…』
15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 16:45:19.21 ID:jb8wHIym0
唯「…ということでこうなりました!」
律「どういうことだ、説明しろ」
純「律先輩と唯先輩…憂は?」
唯「あ~私が憂で憂がお姉ちゃんで~…」
律純「???」
憂『お姉ちゃん、私が説明するから替わって!』
唯「憂…任せた!」
ムスビ~
憂「こんにちは、律先輩、純」
律「?…憂のマネ?」
純「…それとも憂が唯先輩のマネ?」
17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 16:49:18.28 ID:jb8wHIym0
憂「かくかくしかじかとこんな話だったんです」
律「…うーむ、にわかには信じられない話だが…」
純「でも憂がそんな冗談言うとは思えないし…」
律「唯にこんな冗談考えるアタマがあるとも…」
唯『りっちゃんヒドい!』
憂「お姉ちゃんが怒ってます…」
律「あはは~、ごめんごめん…でも普通には信じられないよな」
?「いえ、彼女の言ってることは正しいわ!」
18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 16:53:08.83 ID:jb8wHIym0
律「…さわちゃん!?あんた本当に神出鬼没だな!」
さわ子「たまたま通りかかったら珍しい組み合わせがいるんだもの」
純「…さわ子先生!正しいって何か根拠が?」
さわ子「ふふふ…実はね、私は衝撃の事態を目撃しちゃったのよ…」
憂「ゴクリ…」
さわ子「それはね…」
律「それは…!?」
20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 16:58:15.84 ID:jb8wHIym0
さわ子「髪を結んだ瞬間唯ちゃんの胸のサイズが変わったのよ!」
律「ズコー」
さわ子「それがなかったら店内にまで入ってないと思うわ」
純「よ、良かったね憂、証人がいて…」
憂「う、うん…」
唯『そういえばさっきから胸に違和感が…』
憂「もう、お姉ちゃんったら…」
律「本人同士は話せるんだなー、周りから見たらアレだけど」
憂「あ…あぅ…」
純「まぁまぁ、私達は気にしてないから…」
21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 17:04:31.93 ID:jb8wHIym0
さわ子「じゃあ私は忙しいから!」
憂「先生さようなら~」
律「何しに来たんださわちゃんよ…」
純「まぁ目的は果たしたって感じですけどね…」
唯『憂~、そろそろ私も動きたい~』
憂「あ、ごめんねお姉ちゃん」
ホドキ~
唯「じゃん!」
律「う~む…そんなに違うかな…」ジー
純「…」ジー
唯「ああ、そんなに見ないで!」
23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 17:09:06.62 ID:jb8wHIym0
律「でもウチじゃなくて良かったわ~」
唯「なんで?」
律「ほら~、平沢家は姉妹だけどウチは姉弟だろ…」
唯「それが?」
律「ほら~、トイレとかお風呂とか…姉弟でもさすがになぁ…」
唯「はっ!そういえばトイレとか憂に見られちゃうのか!」
憂(お姉ちゃんのお風呂…お姉ちゃんのトイレ…お姉ちゃんの…)
律「遅!…まぁどうにもなんないから諦めたほうがいいんじゃないか?」
唯「まぁ別にいっか~」
26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 17:15:39.47 ID:jb8wHIym0
純「…話はちょっと戻るんですけど」
唯「うわ!いたんだ純ちゃん!」
純「存在が薄れてきたからそろそろ話さないとなぁ、と思って…」
律「ほら唯、純ちゃん傷つけんなよ、空気キャラに『いたんだ』は禁句だぞ~」
唯「はーい…」
憂『律さんも十分ひどいこと言ってるような…』
純「…おほん、それで…律先輩、だったらトイレやお風呂の時は弟さんと替わればいいんですよ」
律「ああ、そうか!自由に替われるんだもんな、よっしゃー、問題無事解決!」
唯「りっちゃんは実際なってるわけじゃないんだから解決になってないよ!」
律「そうだぞ、純ちゃん!関係ない方向に話を持っていくなよ~!」
純「あ…すみません…」
憂『純ちゃん…』
27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 17:20:18.66 ID:jb8wHIym0
夕方!
唯「結局収穫ナシだったね~」ゴロゴロ
憂『事情を分かってもらえただけでも収穫だったんじゃない?』
唯「そんなもんかな~?」
憂『あ、お夕飯用意しないと!』
唯「憂~…あ、そうか」
憂『お姉ちゃん髪結んで』
ムスビ~
憂「じゃあ作るから待っててね!」
唯『わーい!』
29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 17:25:58.58 ID:jb8wHIym0
唯「いただきまーす!」モグモグ
憂『どう?おいしい?』
唯「憂だって同じ味あじわってるでしょ~」
憂『あはは、そうだったね』
唯「ごちそうさま~、食べて眠いから憂バトンタッチ!」
ムスビ~
憂「…」
憂「あ、片付けしないと~」
32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 17:29:35.06 ID:jb8wHIym0
夜!
唯「憂おやすみ~」
憂『おやすみお姉ちゃん』
唯「グー…」
憂(今日は変な日だったなー)
憂(まぁお姉ちゃんとずっと一緒だったし)
憂(…お姉ちゃんの体でお風呂入ったし…)
憂(でもお姉ちゃんのあったかさを感じられないのは残念だな~…)
憂(私も寝よっか…)
憂『おやすみ、お姉ちゃん』
33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 17:39:30.30 ID:jb8wHIym0
翌日!
唯「寝たら治るかと思ってたけどそんなことはなかったぜ」
憂『早くしないと学校遅刻しちゃうよ~』
ムスビ~
憂「え?どうしたのお姉ちゃん?」
唯『学校着くまで憂お願い~』
憂「もー、仕方ないなぁ」
唯『ありがとうね憂~』
憂(お姉ちゃんの笑顔が容易に想像できる…)
34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 17:43:03.70 ID:jb8wHIym0
唯「…というわけでして」
和「ごめん、どういうわけなの?」
律「なんでも唯と憂ちゃんが同じ体に入ってて、髪を結んだら憂になるんだってさ」
唯「…ということです!」フンス
律「お前が締めるな」
澪「なんとなく事情はわかったけどいまいちピンとこないな…」
紬「私も」
唯「じゃあ見て見て~」
ムスビ~
憂「こんにちは~」
和「確かに憂っぽい…」
36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 17:49:12.00 ID:jb8wHIym0
部室!
唯「…というわけなんだよ、あずにゃん!」
梓「なるほど、そんなことが…って何も言ってないのになるわけないじゃないですか」
澪「唯と憂ちゃんが同じ体で、髪を結んでないと唯、結ぶと憂になるんだって」
梓「つまり憂が今日休んだのは唯先輩のせいってことですね」
憂『梓ちゃん、お姉ちゃんは悪くないよ!』
唯「妹が私は悪くないと申しております」
律「私達には憂ちゃんの声が聞こえないから信憑性がないなぁ」
梓「実際に見てみないと信用できません」
唯「じゃあ」
ムスビ~
憂「こんな感じでどう?梓ちゃん」
梓「確かに憂っぽい」
38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 17:55:50.90 ID:jb8wHIym0
梓「じゃあ質問に答えて」
憂「うん」
梓「憂が間違えて言った私のあだなは?」
憂「あずさ2号!」
梓「私がお姉ちゃんにしたい人は?」
憂「澪さん!」
澪「梓…私をそんな風に思ってたんだ…」テレテレ
梓「どうやらホンモノみたいですね」
律「だろ~」
唯『正直今までは胸のサイズでしか判断されてなかったけどね』
39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 18:01:45.17 ID:jb8wHIym0
紬「お茶の準備ができましたよ~」
律「おう、いつも悪いな」
紬「いえいえ」
唯『憂~、私に替わって~』
憂「もう、しょうがないなぁお姉ちゃんは」
ホドキ~
唯「平沢唯、お茶のために帰還致しました!」フンス
澪「唯…憂ちゃんにも食べさせてやれよ」
憂『私たち感覚共有してるんで心配ないですよ~』
唯「私たち感覚共有してるから心配ないよ!」
澪「そうなのか、じゃあいい…のかな?」
40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 18:05:27.16 ID:jb8wHIym0
唯「ウマー!」モグモグ
憂『こんなにいいもの毎日食べさせて貰ってるのかぁ、ムギさんにちゃんとお礼言わないと』
唯「ムギちゃん、いつもありがとうって憂が言ってるよ」
紬「あらあら、私はいいのよ、趣味みたいなものだし♪」
律「趣味て…」
憂『…ところで練習とかしないの?』
唯「練習は食べ終わってから~」
梓「…!」
梓「練習しましょう、練習!」
澪「そうだな、さっさと食べて練習するぞ」
唯律「ちぇー」
41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 18:10:22.01 ID:jb8wHIym0
ジャジャジャ~♪
憂『あ、お姉ちゃんそこ違うよ』
唯「え~、難しいな~…」
憂『そうそうそんな感じ』
唯「むー」
梓「唯先輩が自らのミスを克服している…」
澪「違う、あれは…憂ちゃんが教えてるんだ…!」
律「憂ちゃんもギター弾けるしなー」
紬「じゃあもう梓ちゃんが教えてあげなくてもいいかな♪」ニヤニヤ
梓「な"…!私は憂より上手いですし!」ムスー
紬「うふふ、じゃあ練習に混ざってあげたら?」
梓「言われなくてもです!」
43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 18:17:56.73 ID:jb8wHIym0
唯「はー、今日はだいぶ上手くなった気がするよー」
憂『お姉ちゃん頑張ったもんね!』
梓「それでもまだまだですけどね!」
憂『ガーン…』
唯「私まだまだ上手くなるよ」
梓「唯先輩にしてはやる気十分ですね」
唯「いざとなったら憂に交代するから!」
梓「…そんなことだろうと思ってました」
45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 18:25:51.85 ID:jb8wHIym0
夕方!!
憂『お姉ちゃん、お夕飯作るからそろそろ替わって~』
唯「あ、そうか…テレビ見ながらご飯ができるのを待つことはできないのね」ゴロゴロ
憂『お姉ちゃん…テレビはつけっぱなしでもいいよ、音だけでも聞きたいでしょ?』
唯「いやー、別に特に見たいわけでもないからいいよ」
ムスビ~
憂「じゃあテレビ消すよ」ピッ
46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 18:30:29.20 ID:jb8wHIym0
憂「ご飯できるまでちょっと…って冷蔵庫ほとんど何も入ってない!」
唯『え!どうして?』
憂「本当は今日お買いものする予定だったんだけど…」
憂「お姉ちゃん、おつかい…って頼めないのかぁ」
唯『何なら私に替わって行ってこようよ!』
憂「いいの?大丈夫?」
唯『私は大丈夫だよ、憂と一緒だし!』
憂「もう、お姉ちゃんったら///」
48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 18:44:17.39 ID:jb8wHIym0
憂『右のやつのほうがちょっと大きいかな?』
唯「野菜の大きさなんてどうでもいいよ~」
唯「あ、このお菓子食べたい…」
憂『だめだよお姉ちゃん、これからお夕飯なんだから…』
唯「ならばアイスを…」
憂『しょうがないな~、アイス一個だけだよ』
唯「やたー!」
50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 18:50:55.69 ID:jb8wHIym0
憂『どうぞ召し上がれ~♪』
唯「うわーい、今日もおいしそうだね!」
唯「でも感覚が一緒だから自分で作ったみたいな気になっちゃうよ」
憂『そうだね、私もお姉ちゃんがギター弾いてたら私が弾いてるような気分になったもん』
唯「自分で作ったメシはウマい!」モグモグ
憂『作ったのは私だよ~』
唯「えへへ、言ってみたかっただけだよ!」モグモゴ
憂『食べながら喋るのはお行儀悪いよ~』
51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 18:56:13.81 ID:jb8wHIym0
夜!!
唯「憂おやすみ~」
憂『おやすみお姉ちゃん』
唯「グー…」
憂(今日もずっとこのままだったなー…)
憂(お姉ちゃんと一緒にお買いものしたし…)
憂(でも…今日はお料理作ってるときとみんなに説明する時以外動けなかったなぁ…)
憂(まぁ…お姉ちゃんが喜んでるなら…)
憂『おやすみ…』
54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 19:01:01.83 ID:jb8wHIym0
憂『お姉ちゃん、朝ごはん食べる時間なくなっちゃうよ~』
唯「…むーん、あれ?全然早いじゃん…」ボケー
憂『私に替わって!』
唯「ふあーい…」
ムスビ~
憂「もうこんな時間…早くご飯用意しないと…」
唯『できたら替わってね~』
57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 19:05:19.33 ID:jb8wHIym0
唯「いってきまーす!」
憂『いってきまーす!』
唯「そうだ憂、今日の1時間目替わってくれない?」
憂『何で?』
唯「実は小テストが…」
憂『替え玉受験するの…?』
59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 19:10:59.26 ID:jb8wHIym0
憂(よし、なんとかできた!)
唯『さすが憂!私にできない事を平然とやってのける!』
憂(お姉ちゃんちょっとうるさいよ~)
唯『じゃあ引き続き授業も頼む!』
憂「え?それじゃあお姉ちゃんの勉強にならないよ?」ボソボソ
唯『後で教えて~』
憂(もう…)
60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 19:15:23.18 ID:jb8wHIym0
お昼!!
律「おい唯」
唯「な、なぁに?」
律「お前今日のテストと授業憂ちゃんにやらせてただろ」
唯「そ、そんなことないよ~?」
律「髪ほどくの見えちゃったんだよなー」
唯「ごめんなさい…」
律「いいな~、私にも憂ちゃんくれよ~」
唯「憂は絶対に渡さないよ!」
憂『お姉ちゃん…』
唯「このままだとすっごい便利だもんね!」
憂『…』
澪「憂ちゃんの扱いひどくないか?」
憂『私は…』
唯「あはは、冗談冗談~」
64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 19:21:00.60 ID:jb8wHIym0
部室!!
梓「今日もみっちり練習ですよ、唯先輩」
唯「えー、やだー…あ、憂に任せた!」
憂『え?』
ムスビ~
憂「お姉ちゃん?…えーっと…じゃあ今日は私がやろうかな?」
梓「憂は唯先輩に甘過ぎだよ」
65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 19:27:40.59 ID:jb8wHIym0
ジャジャ~ン♪
澪「さすが憂ちゃん、上手かったよ」
律「ちょっと合いすぎて気持ち悪いけどな~」
紬「でも最初から憂ちゃんだと思ってたらあんまり違和感なかったわね♪」
梓「今度から練習の時は憂でいい?」
唯『ひどいよあずにゃん』
憂「お姉ちゃんがひどいよって~」
梓「自業自得です」
唯『うぐー…』
66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 19:33:15.18 ID:jb8wHIym0
夕方!!!
唯「ごろごろ~」
憂『ほらお姉ちゃん、私お夕飯作るから…』
唯「は~い」
ムスビ~
憂「じゃあちょっと待っててね」
唯『できたら髪ほどいてよ~』
憂「わかってるよ~」
68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 19:40:04.31 ID:jb8wHIym0
夜!!!
憂(お姉ちゃんが私に冷たいような気がする…)
憂(お姉ちゃんの顔を見てないから?)
憂(私の時間がないから?)
唯「どうしたの憂?」
憂『何でもないよ、おやすみお姉ちゃん』
唯「?…おやすみ~」
70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 19:46:48.90 ID:jb8wHIym0
憂『朝だよー!起きてー!』
唯「あと5分~…」
憂『もう遅刻しちゃうよ~…』
唯「うーん…」
憂『起きてよー…』
唯「…はっ!もうこんな時間」ガバッ
憂『早く髪結んで~』
唯「わかったよ」
71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 19:54:30.58 ID:jb8wHIym0
いつも通り朝ご飯とお弁当を作る
本当はいつも私が起きている時間ならばこう焦る必要もない
ただ、いつも二人分だったものが一人分で済むのが救いだろうか
唯『ご飯まだ?』
憂「…」
そういえば最近、私はほとんどご飯を作っている記憶しかない
本当にこれでいいのだろうか、私の人生
唯『憂?』
憂「お姉ちゃん、ごめんね…私、もう我慢できないよ…」
74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 20:01:05.30 ID:jb8wHIym0
唯『…どういうこと?』
憂「もうね、私はお姉ちゃんの便利な道具なのは耐えられないの」
憂「だから…私はもう髪をほどかない」
唯『ご、ごめん…今まで苦労かけちゃって…近すぎて気が付かなかった…』
憂「いまさら謝ってももう遅いよ」
唯『…ごめん』
76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 20:05:22.78 ID:jb8wHIym0
お弁当もできた、今日は久々の学校だ
忘れ物もないみたい、じゃあ行こうか!
憂「いってきまーす!」
唯『憂、本当にごめん…』
雲ひとつない快晴は私の気分を表しているようだった
梓「唯先…憂?」
憂「私だよ?」
梓「とうとう唯先輩は学校をサボり始めたのか…」
憂「お姉ちゃんは…そう、サボるって言ってきかないの」
唯『ごめんね…ごめんね…』
78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 20:12:51.91 ID:jb8wHIym0
純「おお!憂久しぶりぃ!」
憂「日曜日に会ったでしょ~♪」
純「いやー、学校だと2日3日いないだけで久しぶりって感じしない?」
梓「それわかるかも」
憂「そうかな~?」
純「それにしても憂、今日機嫌いいね」
憂「そう?いつも通りだと思うけど」
梓「久々に学校行けたから嬉しいんだよね?」
憂「それもあるかな~?」
79: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 20:17:09.91 ID:jb8wHIym0
もう私はお姉ちゃんの道具じゃない
平沢憂、一人の人間だ
唯『憂~…返事してよ~…』
私は何も聞こえない
正常な人間だから
唯『憂~…』
憂「うるさい!」
純「…ど、どうしたの…?憂…」
憂「…」
憂「あ、ごめんね~、お姉ちゃんがどうしてもこういう演技してほしいって言うから♪」ニコニコ
純「そ、そうなんだ…」
81: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 20:25:36.84 ID:jb8wHIym0
純「今日の憂おかしいよ」
梓「確かに…機嫌いいかと思ったら突然暗い顔になったり…」
純「叫んだのも本当は唯先輩になんか言われて…」
梓「ありうる…」
純「軽音部では何かなかった?」
梓「唯先輩がお菓子食べてて…憂が食べたのは見てないなぁ」
純「他には?」
梓「練習めんどくさいからって理由で憂が代わりにやらされてた」
83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 20:28:30.41 ID:jb8wHIym0
純「唯先輩の態度に憂が怒ったのかな?」
梓「だとしたら唯先輩の自業自得だし、お灸になればいいんじゃない」
純「どちらにせよ姉妹のことだったら私達は何もできないね」
梓「どうしても私達が必要そうだったら助けよう」
純「うん」
84: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 20:34:31.03 ID:jb8wHIym0
放課後、私は軽音部員ではないけど、お姉ちゃんが学校をサボってしまったんだから
代わりに私が行ってあげないとね
唯『憂…』
憂「こんにちは、みなさん」
律「おー憂ちゃん、唯は?」
憂「今日一日学校サボるって…」
澪「何も部活まで休まなくてもいいのに」
紬「じゃあ今日の練習は…」
憂「大丈夫です、私が代わりにやりますから」
紬「そう、じゃあお願いね♪」
唯『…』
85: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 20:41:15.66 ID:jb8wHIym0
ジャジャーン♪
梓「いい感じですね」
律「やっぱ憂ちゃんが上手いからな~」
紬「そうよね~」
澪「ほらほら、唯に聞こえてるんだから」
憂「大丈夫ですよ、お姉ちゃんは寝てますから」
律「そっかー、じゃあ唯のこと愚痴り放題だな!」
梓「唯先輩はもっと真面目に…」グチグチ
律「いや、今の冗談だったんだけど、梓」
梓「へ?あ、あはは…私も冗談ですよ~」
唯『あずにゃん…』
88: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 20:47:05.53 ID:jb8wHIym0
部活動も終わって帰宅
私は私のためにご飯を作る
憂「いただきまーす」モグモグ
唯『おいしいよ、憂』
何も聞こえはしない
唯『ごめんね…ごめんね…』
憂「ごちそうさまでした」
唯『憂…』
私は食器を片づけた
90: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 20:51:56.94 ID:jb8wHIym0
お風呂に入るのは一苦労だ
髪をほどかないと髪を洗うことができない
髪をほどいてしまうと、またいつ自由になれるかわかったものではない
そこで私は考えた
髪をほどく前に別のところで髪を結び、結んでいないところを洗う
これを繰り返せば髪を結んだまま髪を洗うことができる
憂「上手くいくか心配だな~」ニコニコ
唯『憂、もう許して…』
92: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 20:55:49.26 ID:jb8wHIym0
憂「ふー、いいお湯だったぁ」
唯『本当にごめんなさい、私家事もするから…』
憂「大丈夫だよお姉ちゃん、もうお姉ちゃんは体を動かす必要なんてないんだから」
憂「それより…もう喋らないで」
唯『…』
96: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 21:01:01.71 ID:jb8wHIym0
夜、久々に静かな夜だ
一人で寝ることができるというのも幸せなんだなぁ
憂「おやすみ…」
ついつい誰かにおやすみと言ってしまった
まったく私はバカだなあ
誰もいないのに
99: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 21:05:36.82 ID:jb8wHIym0
おはようございます、平沢憂です
今日は久々に梓ちゃんと純ちゃんと登校です
梓「おはよー憂」
純「おはよー」
梓「私は憂に言ったんだよ?」
純「なにー!私にも言ってよ~!」
梓「軽音部に入ってくれたら考える」
純「何よそれ~!」
憂「あはは、二人とも元気でいいね♪」
102: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 21:11:07.79 ID:jb8wHIym0
梓「あのさー憂…」
梓「そろそろ許してあげたら?」
憂「何のこと?」
梓「唯先輩」
憂「…許すって?」ニコ
梓「…いや、何でもない」
純「まだダメか…」
105: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 21:15:30.89 ID:jb8wHIym0
放課後、私はいつものように軽音部に向かう
今日もみんなと練習したいな
憂「みなさんこんにちは」
律「おう憂ちゃん、唯は?」
憂「お姉ちゃんは今日も休むって言ってました」
澪「休み過ぎだろ」
紬「まぁまぁ、お茶にしましょう♪」
憂「はい♪」
梓「…」
108: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 21:19:24.70 ID:jb8wHIym0
梓「…ちょっと澪先輩いいですか?」
澪「え?何で私?」
憂「どうしたの、梓ちゃん?」
梓「いや、え、演奏のことでちょっと…」
憂「そっか、じゃあいってらっしゃい」
憂「ムギさん、このケーキおいしいです、いつもありがとうございます」
紬「いいのよ、貰いものを余らせてしまうのも悪いから」
109: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 21:24:56.38 ID:jb8wHIym0
澪「何だよ急に呼び出して」
梓「みなさん気付かないんですか?憂のこと…」
澪「憂ちゃんに何かあったのか?」
梓「多分憂は唯先輩に嫌気がさして、唯先輩にならないようにしてます」
澪「そんな…あの憂ちゃんが唯にイライラするとは思えない…」
梓「でも実際に突然うるさいって叫んだり、唯先輩の話をするとはぐらかされるんです」
澪「そうか…じゃあ律とムギにも私から言っておくよ」
梓「ありがとうございます」
111: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 21:29:55.71 ID:jb8wHIym0
一人きりの家
お父さんとお母さんは二人で旅行に行っているので私達の事情は知らない
自分で自分のお夕飯を作る
我ながらおいしい
お風呂はちょっと大変だ
今日も一人で眠りに着く
113: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 21:34:58.34 ID:jb8wHIym0
翌日、いつも通り早起きをして、いつも通り学校へ向かう
梓ちゃんと純ちゃんはなんだかちょっと暗い顔をしている
何故だろう
放課後は音楽室に行き、お茶をして、練習
先輩方もテンション低いな
澪「憂ちゃん、唯は…」
憂「いつも心配かけてすみません、でも大丈夫ですから」
116: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 21:40:15.54 ID:jb8wHIym0
律「…憂ちゃん、もういいだろ?」
憂「何のことです?」
律「唯のこと…本当のことを教えてくれ」
憂「だからお姉ちゃんはお休みしたいって…」
紬「唯ちゃんと…喧嘩したんでしょ?」
憂「…」
119: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 21:43:44.34 ID:jb8wHIym0
憂「そこまで分かってるなら言います」
憂「お姉ちゃんが悪いんです、私を道具のように扱って…」
憂「もう耐えられなかったんです…」
梓「おおかたの予想通り…」
憂「私だって我慢できないときもあるんです…」
律「唯は謝ってたのか?」
憂「…はい」
律「じゃあそろそろ仲直りしろ、な?」
憂「…まだ許せません…」
律「…まだ、か」
120: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 21:48:09.82 ID:jb8wHIym0
一人きりの家
寂しい…
憂「お姉ちゃん…」
つい口に出してしまった
憂「別に寂しかったわけじゃないよ」
返事はない
123: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 21:52:59.35 ID:jb8wHIym0
憂「お姉ちゃん?今は喋ってもいいんだよ?」
寂しくなっただけですぐに怒りが冷めてしまった自分が悲しい
憂「…お姉ちゃん?怒ってるの?」
憂「お姉ちゃん!なんか喋ってよ!」
自分で言っておいてなんて勝手な妹なんだろう
これじゃあお姉ちゃんのこと言えないじゃないか
憂「お姉ちゃん…そうだ!」
私は髪をほどく
これでお姉ちゃんが強制的に出てくるはず
憂「お姉ちゃん…ってあれ?」
125: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 21:57:16.12 ID:jb8wHIym0
替わらない!?お姉ちゃんは消えてしまったのか!?
憂「お姉ちゃん!?どこ!?」
部屋を探してもいるわけなんてない
テレビを見て転がってるわけでもない
わかってはいるが理解したくはない
私はお姉ちゃんを探し続けた
126: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 22:02:06.46 ID:jb8wHIym0
憂「いない…お姉ちゃん…どこ…?」
お姉ちゃんがいないと何もできない…
お姉ちゃんがいないと謝れない…
お姉ちゃんの声が聞きたい…
お姉ちゃんの笑顔を見れればそれだけで良かった…
いなくなってから気付いたってもう遅い…のかな…
憂「お姉ちゃん…」
131: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 22:07:16.49 ID:jb8wHIym0
唯『う…い…』
憂「お姉ちゃん!」
唯『お姉ちゃん…?』
憂「私だよ!お姉ちゃん!ごめんね!」
唯『…』
お姉ちゃんが弱っている…
私が替わってあげなかったせいだ…
134: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 22:11:38.68 ID:jb8wHIym0
梓「…で、私達に相談してきたんだ」
混乱していた私は誰かに頼りたくてとりあえず梓ちゃんと純ちゃんに電話をした
梓ちゃん達は夜なのにすぐに来てくれた
純「でも私じゃ何もできないなぁ」
憂「ごめんね、呼んじゃって…」
梓「唯先輩、生きてますか?」
唯『梓…ちゃん…?』
憂「反応があった!」
純「このまま唯先輩に呼びかけてけば唯先輩が戻るかも!」
135: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 22:15:50.75 ID:jb8wHIym0
梓ちゃんが軽音部のみなさんを呼んでさらにお姉ちゃんに声をかけることにした
澪「唯、消えないでくれ!」
律「お前がいないとからかう相手が減っちまうだろ、唯」
紬「お茶会に来るの待ってるのよ、唯ちゃん!」
唯『みんな…?』
憂「お姉ちゃん、軽音部のみんなが来てくれたよ!」
唯『先…輩…』
憂「お姉ちゃんから見たら先輩じゃないよ」
紬「唯ちゃんの意識が憂ちゃんの意識と混ざってきてるのかも…」
142: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 22:25:18.46 ID:jb8wHIym0
憂「お姉ちゃんは私じゃないよ!」
唯『私は…ゆい…』
憂「そう、私は憂、お姉ちゃんは唯」
唯『私は…おねえちゃん…』
梓「どうなの?憂」
憂「なんとか大丈夫みたい」
律「はぁ~、良かったな」
憂「でも髪を結んでないけどお姉ちゃんにはならない…」
澪「きっと唯の意識が完全に戻ったらなるようになるさ」
143: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 22:30:13.66 ID:jb8wHIym0
憂「お姉ちゃん、大丈夫?」
唯『なんとか…』
憂「お姉ちゃん、ごめんね」
唯『私こそごめん…』
唯『私、動けるようになったら絶対ご飯作るから…』
憂「じゃあ私がお料理教えてあげるね♪」
唯「うん!」
145: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 22:35:26.17 ID:jb8wHIym0
あれから数日
お姉ちゃんの意識は無事回復した
まだ体は戻ってないけれど、私達は大丈夫
唯「じゃあ憂、ご飯作ってあげるね」
憂『お姉ちゃんもだいぶお料理上手くなったよね~』
唯「おいしいものが好きだから素質はあったんだよ!」
憂『あはは~、何それ~』
ムスビ~
憂「自分で作ったメシはウマい!」モグモグ
唯『作ったのは私だよ~』
憂「えへへ、言ってみたかっただけだよ」
私達は交代交代で体を分けています
146: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 22:38:13.05 ID:jb8wHIym0
憂「ムギさん、今日のお菓子はなんですか?」
紬「今日はモンブランよ♪」
梓「最近憂だらしないよ」
憂「そうかな~?」
律「唯も最近しっかりしてきたしなー」
唯『えへへ~、そんなことないよ~』
澪「なんだか二人とも足して2で割ったみたいだよね」
憂唯「だって私達…」
一心同体だから
おわり
154: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 22:43:22.94 ID:jb8wHIym0
読んでくださってありがとうございます
誤字とか多くてすみません
あと補足という名のいいわけ
憂の性格が壊れてるのように見えるのは憂が喧嘩慣れしてないせいと無視するのがつらいのを隠すため
あと、喧嘩してたら無視とかしちゃうと思うんですけど、唯は外部との会話ができないから普通の無視より痛かっただけ
唯も性格悪いんじゃなくて危機感がないから普段と同じように甘えちゃっただけって感じです
155: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 22:53:23.74 ID:b5Wtqxg50
おつ!!
憂「二心同体!?」