2: 名無しで叶える物語 2021/07/30(金) 08:31:02.48 ID:XXDXT5fb.net

歩夢「侑ちゃん、今日も軽トラの運転お疲れ様」 ニコッ

侑「今日は結局どれくらい売れたのかな・・・・・・」


歩夢「多分、今日の仕込みの半分も売れなかったよ」

侑「そっか・・・・・・ またこんなに売れ残っちゃったね・・・・・・」


歩夢「どうやったらもっと売れるようになるのかな」

侑「それがわかれば苦労しないよ・・・・・・」

歩夢「だね・・・」


侑「えーっと・・・・・・」


 ガサゴソッ


侑「あ、これ美味しそう」


 ポキッ


侑「はい、歩夢半分食べる?」 スッ

歩夢「うん、ありがとう」 パッ


歩夢「あつっ! あっ! あっ!」 アタフタ

侑「あはは! 歩夢はいつも焼きたての熱さに慌ててるよね」 ニコニコ

歩夢「もうっ! 笑わないでよ!」 ムスッ

侑「ごめんごめん!」 ニコニコ


侑「今日も食事は焼き芋だけだけどいいかな?」

歩夢「しょうがないよ・・・ 私達にはこれしかないし・・・・・・」


侑「はふっ・・・ はふっ・・・・・・ んむっ・・・」 モグモグ・・・

侑「うん、今日のも甘くて美味しい」


歩夢「あむっ・・・ むぐっ・・・」 モグモグ・・・

歩夢「そうだね、こんなに美味しいのにね・・・・・・」


侑「いつものように、余ったお芋は孤児院に寄付して来ようか」

歩夢「そうだね」

侑「喜んでくれるかな?」

歩夢「もちろんだよ」 ニコッ


 キュルルッ

 ブイーーーン・・・・・・


────
──



3: 名無しで叶える物語 2021/07/30(金) 08:31:34.92 ID:XXDXT5fb.net

~孤児院~


侑「こんばんは」

歩夢「焼き芋余ったので子供達に食べさせてあげて下さい」


 「いつもありがとうございます」 ペコッ


 「あ! いつもの美味しいお芋だ~!」

 「わーい! 嬉しいな~!」


侑「たくさんあるから仲良く分けて食べるんだよ」 ニコッ

歩夢「ケンカはダメだからね?」


 「はーい!」






侑「では、また余ったら寄付に来ますね」

 「いつもすみません、何もお礼出来なくて申し訳ないです」 ペコッ

歩夢「いえいえ、子供達の笑顔で元気になれますから!」


侑「じゃ、行こうか?」

歩夢「うん」


 キュルルッ

 ブイーーーン・・・・・・


────
──



4: 名無しで叶える物語 2021/07/30(金) 08:32:10.95 ID:XXDXT5fb.net

~移動中~


 ブウーーーーーーン・・・


侑「さて、今日は帰ろうか」

歩夢「うん」


歩夢「あ! あそこ走ってる石焼き芋屋さん、彼方さんと遥ちゃんじゃない?」

侑「ほんとだ」



 「────いしやぁーきいもぉ~ やきいもぉ~ このえかなたちゃんとはるかちゃんのおいもだよぉ~・・・・・・」


 ────ワイワイガヤガヤ・・・


侑「相変わらず凄いお客さんだね・・・・・・」

歩夢「毎日仕込んだ分が全部売り切れるらしいよね」


侑「すごいなぁ・・・・・・ 私達の焼き芋もあれくらい売れたらいいのに」

歩夢「そんなに違うのかな? 私達のお芋も美味しいと思うんだけど・・・・・・」


侑「そうなんだろうね」

歩夢「どうしたら美味しいお芋が焼けるのか聞いてみる?」


侑「それはだめだよ、彼方さん達も努力して売れるようになったんだろうし・・・・・・」

歩夢「たしかに虫が良すぎるよね・・・・・・」


侑「でも、売ってもらって食べてみるのは勉強としてアリかもね」

歩夢「ひとつ売って貰う?」

侑「いまお金いくらある?」

歩夢「一本くらいなら買えると思うけど・・・・・・」


侑「なけなしのお金だけど、今後の勉強と思って買ってみよう」

歩夢「うん」


────
──



8: 名無しで叶える物語 2021/07/30(金) 08:44:40.63 ID:6q4jbC3C.net

侑「ごめんください」


彼方「あ、侑ちゃ~ん! それに歩夢ちゃんもだ~!」

遥「お2人共こんばんは!」 ニコッ


侑「相変わらず凄い売れ行きですね」

彼方「ありがたいことにねぇ~、なんとか完売までは売れてるね」


歩夢「まだ残ってますか?」

遥「はい! ありますよ」


侑「一本だけ売ってくれないかな?」

彼方「遥ちゃん、紙袋に入れてあげて?」


 ガサゴソッ


遥「はい! このえの焼き芋です!」

侑「おいくら?」


彼方「いいよぉ~、2人からお金は貰えないって」

歩夢「そういうわけには・・・・・・」


彼方「いいからいいから~」


侑「じゃ、ありがたく頂きますね」

彼方「うん!」


遥「お互い頑張りましょうね」 ニコッ


侑「うん、ありがとう!」 ニコッ


────
──



12: 名無しで叶える物語 2021/07/30(金) 09:02:08.59 ID:6q4jbC3C.net

侑「冷めないうちにそこの公園のベンチで食べようか」

歩夢「うん」


 ポキッ


侑「はい、歩夢」 スッ

歩夢「ありがとう」


歩夢「頂きます」 パクッ

歩夢「はふっ、はふっ・・・」 モグモグモグモグ


歩夢「!?」

歩夢「お、美味しい!」


侑「んぐんぐ・・・」 モグモグモグモグ

侑「ほ、ホントだ! なんでこんなに違うんだろ!」


歩夢「甘みも香ばしさも私達のお芋より数段上だね」


侑「これなら売れるわけだよ・・・・・・」

歩夢「それに、私達と同じ地域で売ってるわけだから、お客さんも彼方さん達の方に行っちゃうよね・・・・・・」

侑「だよね・・・・・・」


 「────石焼き芋です! おいも~! 石焼き芋~!」


侑「ん?」



15: 名無しで叶える物語 2021/07/30(金) 09:42:48.82 ID:6q4jbC3C.net

歩夢「あの赤い軽トラは・・・・・・」


 ブオオオオオオン・・・・・・

 フォンッ・・・


 「────やーきいもー! ゆうきせつなの焼き芋でございます!」


侑「相変わらず飛ばすね~」


 ──キキーーッ

 ──ブオオオオオオン


歩夢「あ、引き返してきた・・・・・・」


 ブオオオオオオオオオオ

 キイイッ


せつ菜「何か見た事がある軽トラとお2人が見えたと思ったらやっぱり侑さんと歩夢さんでしたか!」

侑「せつ菜ちゃん、元気そうだね!」


せつ菜「はい! 今日も元気に焼き芋を売っていますよ!」 ペカー



17: 名無しで叶える物語 2021/07/30(金) 09:54:31.82 ID:6q4jbC3C.net

歩夢「相変わらずだね」


侑「どう? 今日の売り上げは?」


せつ菜「はい! 今日もひとつも売れませんでした!」 ペカー

せつ菜「これで半年間売り上げゼロです!」 ペカー


侑「そんなに飛ばして走ってるからお客さんが呼び止めてくれないんじゃない?」


せつ菜「私は美味しいお芋をいち早くお届けするのがポリシーですからね!」 ペカー

侑「あはは・・・・・・」


歩夢「でも、せつ菜ちゃんの明るさは見習うべきだよ」

せつ菜「歩夢さんも明るく元気にお芋を売りましょう!」 ペカー


せつ菜「では! 私は行きますね!」 ペカー


 キュルルッ

 ブゥゥゥン・・・・・・


 ガコッ

 キュオアアア

 ブオオオオオオン・・・・・・


侑「凄い勢いで走って行ったよ」


 ────ブォォォ・・・

 ────キイイッ


 ガッシャーーーーーーーン


歩夢「え? 電柱ぶつかってない?」

侑「あちゃー・・・・・・ 大丈夫かな?」


歩夢「行ってみよ?」

侑「うん!」


────
──



21: 名無しで叶える物語 2021/07/30(金) 10:04:43.74 ID:6q4jbC3C.net

 
 タッタッタッ・・・・・・


歩夢「はぁっ、はぁっ・・・・・・」

歩夢「せつ菜ちゃーん! 大丈夫??」


侑「はぁっ・・・ はぁっ・・・ 凄い音がしたから走って追いかけてきたよ・・・・・・」 ハァッ ハァッ


せつ菜「私としたことがまた事故を起こしてしまいました・・・・・・」

せつ菜「ああっ・・・ また修理代が・・・・・・ ううっ・・・」 シクシク


せつ菜「売り上げ無いから軽トラの修理代が払えなくて500万くらいツケがあるんです・・・・・・」 シクシク

せつ菜「今回の事故でまた修理代がかさみますね・・・・・・」 シクシク


侑「頑張って売って払おうよ」

せつ菜「そうですね・・・・・・」 ドヨーン


歩夢「じゃあ、私達おうちに帰るね?」

侑「またね、せつ菜ちゃん」


────
──



27: 名無しで叶える物語 2021/07/30(金) 11:03:37.33 ID:6q4jbC3C.net

 
 ギィ・・・

 バタンッ


侑「ただいま~」

歩夢「侑ちゃんお疲れ様」 ニコッ

侑「歩夢もね」


侑「さて、明日もお芋の仕入れで朝が早いから夜更かししないで寝るよ?」

歩夢「うん、そうだね」


侑「はやくたくさん儲けて、この四畳半の部屋から広い部屋に引っ越したいね」

歩夢「私はこの生活も嫌いじゃないけどな、侑ちゃんといつも一緒に居られるし」

侑「でも、布団ひとつしか無いんだよ? あはは」

歩夢「ひとつでも寝られるもん」


侑「とりあえず私は先に寝るね」


 モゾモゾ・・・


歩夢「うん」


────
──


侑「すぅ・・・ すぅ・・・」 Zzz・・・・・・


歩夢「侑ちゃん?」

侑「・・・ んんっ」 パチッ

侑「ど、どうしたの・・・・・・?」


歩夢「眠れなくて・・・・・・」


侑「また? もう~ 仕方ないなぁ・・・・・・」


 モゾモゾ・・・


歩夢「ああっ・・・ あんっ・・・・・・」


侑「・・・・・・」 ペロペロ・・・


歩夢「んっ・・・・・・ あっ・・・・・・」


────
──



35: 名無しで叶える物語 2021/07/30(金) 13:11:46.31 ID:6q4jbC3C.net

~翌朝・芋市場~


侑「おはようございます! ゆうぽむ芋店ですが」


エマ「あ、侑ちゃんいらっしゃ~い」

侑「エマさん、お芋売って貰えますか?」

エマ「ちょっと待っててね~」


エマ「ゆうぽむ芋店さんのお芋おねが~い」


果林「────わかったわ」


 ウィィィィーーン

 キキッ

 ウィーン・・・ ドンッ


果林「今日のあなたたちの分はパレット一枚分ね」

歩夢「ありがとうございます、果林さん」


エマ「本当はもっとたくさん売ってあげたいんだけど、どうしても大手がいい芋を買い占めてしまうから残りものしか無いんだ・・・ ごめんね」

侑「売って貰えるだけでもありがたいよ」


歩夢「でも、こんな大きな芋市場でも買い占めで売り切れちゃうんだね」

エマ「うん、そうなんだ~・・・ あ、あそこにいる人も大手の社長さんだよ?」


 「────これで花丸ちゃんとお芋たくさん食べられりゅね!」 ニコニコ

 「────よかったでちゅわね~」


 「そこのあなた! 早くお芋をわたくしのトラックに積んで下さる? これから静岡まで帰らないといけませんの!」


果林「い、今すぐ積むわね・・・ ごめんなさい」


 ウィィィィーーン・・・・・・


侑「じゃあ、エマさんありがとう」

エマ「2人共頑張ってね!」 ニコッ





歩夢「やっぱ良質なお芋を買い占められたあとだから、残り物しかないんだね」

侑「それでも質は悪くはないと思うけど、大手や他のお店はウチよりいいお芋を使ってるんだろうね」


歩夢「そういえば、彼方さん達はどうしてるんだろう。私達と同じく個人でやってるお芋屋さんなのにかなり売れてるけど」

侑「そういえば、芋市場で一度も会ったことないよね」

歩夢「今度聞いてみようか」

侑「そうだね」


────
──



36: 名無しで叶える物語 2021/07/30(金) 13:23:45.69 ID:6q4jbC3C.net

 
 ブゥゥゥン・・・・・・

 キキッ


侑「さて、買った芋を部屋に運ぼうか」


歩夢「じゃあ運ぶね・・・・・・ よいしょっ」 グイッ


侑「歩夢、重いから気をつけてね?」

歩夢「うん、いつものことだから分かってる・・・ よいしょ・・・ よいしょ・・・」


歩夢「きゃっ!」 グラッ


侑「あ! 危ない!」

歩夢「きゃあ!」 バタッ


 ドサッ

 ゴロゴロゴロ・・・


侑「歩夢大丈夫? 怪我は無い?」

歩夢「あぁ・・・、痛たたた・・・・・・」


歩夢「私は大丈夫、早くお芋拾わないと!」 アタフタ

侑「幸いにして、落としたお芋も売るには問題ないみたい」

歩夢「あ~、良かったぁ」 ホッ


侑「いつも言ってるけど、1人じゃ危ないから2人で運ぼう?」

歩夢「うん、ごめんね侑ちゃん」



38: 名無しで叶える物語 2021/07/30(金) 15:17:59.64 ID:6q4jbC3C.net





侑「ふぅ~、今日仕入れた分はこれで全部かな?」

歩夢「うん、そうだね」


侑「少し休んだら今日売る分のお芋を洗おうか」


歩夢「侑ちゃんお腹空かない?」


 グゥーー・・・


侑「そういえば朝から芋市場に行ってたから腹ぺこだね・・・ あはは」

歩夢「昨日の売れ残りを冷蔵庫に入れておいたの」

侑「さすがだね、歩夢」 ニコッ


歩夢「はい、侑ちゃんの分」 スッ

侑「ありがとう」 ニコッ


侑「うわ! こんな太いの残しておいたの?」

歩夢「うん、侑ちゃんお腹空くだろうと思って」


侑「歩夢はその細いので足りる?」

歩夢「私は大丈夫だよ」 ニコッ

侑「足りなかったら言ってね? 分けるから」


────
──


侑「ふぅ~、お腹いっぱいだ・・・・・・」 ゲフッ

歩夢「それなら良かった」


侑「たまにはお芋以外のものを歩夢に食べさせてあげたいなぁ・・・・・・」

歩夢「そうだね、そんな時が来たら嬉しいよね」

侑「頑張って実現しないとね」 ニコッ


侑「さて、お芋洗うよ?」

歩夢「うん」


────
──



41: 名無しで叶える物語 2021/07/30(金) 15:32:01.11 ID:6q4jbC3C.net

 
~天王寺モータース~

 
せつ菜「こんにちは~! 焼き芋大好き優木せつ菜です!」 ペカー


璃奈「せつ菜さん、事故起こした軽トラは昨日のうちに運んでおいたよ」

せつ菜「さすが璃奈さんです! ありがとうございます!」 ペカー


せつ菜「それで、軽トラはいつ直りますか?」


璃奈「直すのは簡単だけど、今までの累積修理代の500万円をいい加減払って貰わないと作業できないよ」


せつ菜「そ、そうですか・・・・・・」 シュン

せつ菜「でも・・・ どうやってお芋を売れば・・・・・・」


璃奈「ウチの工場の裏にリヤカーが転がってるからそれ使っていいよ」

せつ菜「ほ、ホントですか!」


璃奈「かなりボロいから、好きな塗料で塗って使ってもいいから」


せつ菜「ありがとうございます!」 ペカー


璃奈「それで稼いで、少しずつでいいから返してね」

せつ菜「わっかりました! お任せください!」 ペカー


せつ菜「さてと、そのリヤカーをまずは私の大好きな色に染め上げないといけませんね! イメージは大事ですから!」 ペカー

璃奈「頑張って、応援する」


せつ菜「それと璃奈さん、軽トラに積んである釜を移し替えるの手伝ってください」

璃奈「分かった」


────
──



43: 名無しで叶える物語 2021/07/30(金) 16:07:08.55 ID:6q4jbC3C.net

侑「さて、今日の仕込みも終わったし売り出しに行こうか」

歩夢「うん、そうだね侑ちゃん」


侑「歩夢、軽トラに乗って?」

歩夢「うん」


 バンッ


 キョカカッ

 ブウウウーーーーーン・・・







 ピーーーーーーーー・・・・・・


侑「石焼~きいも~・・・ 石焼~きいも~」

侑「焼きたてのお芋はいかがでしょうか~」


 ピーーーーーーーー・・・・・・


歩夢「今日はたくさん売れるといいね!」

侑「そうだね」 ニコッ


────
──



46: 名無しで叶える物語 2021/07/30(金) 20:40:38.29 ID:XXDXT5fb.net

侑「今日もなかなかお客さん見つからないね」

歩夢「そうだね」

侑「少し人が集まりそうなところにでも移動してみようか」

歩夢「その方がいいかもね」


 ──ガラガラガラガラ・・・・・・


侑「ん?」


せつ菜「────石焼き芋です! ゆうきせつなの石焼き芋でございます!」

せつ菜「────みなさん! 美味しい石焼き芋ですよ!」


歩夢「この声、せつ菜ちゃん?」

侑「でも、あの赤い軽トラは昨日の事故で壊れてたはず・・・・・・」


歩夢「あ! 侑ちゃんアレ!」


 ──ガラガラガラガラ・・・・・・


侑「り、リヤカーだ!?」

歩夢「真っ赤に塗ってあるね」


侑「軽トラ壊れたからその代わりに引いてるんだ・・・・・・」



47: 名無しで叶える物語 2021/07/30(金) 20:50:39.01 ID:XXDXT5fb.net

歩夢「懐かしいね、私達も芋ヶ咲学園に通っていた時はリヤカーで石焼き芋販売の実習してたの思い出すなぁ」

侑「そういえば、せつ菜ちゃんは芋学の中でも成績優秀だったよね」

歩夢「軽トラ壊れたから原点回帰という感じなのかな」

侑「そうだろうね」

歩夢「せつ菜ちゃん、がんばって」


 ガラガラガラガラ・・・・・・


せつ菜「美味しい石焼き芋いかがですか?」

せつ菜「私の大好きが込められた最高の石焼き芋です!」

せつ菜「是非お買い求め下さい!」


 「お? リヤカー販売なんて今時珍しいな、売ってくれないか?」

せつ菜「は、はい! ありがとうございます!」


 「私も売って貰おうかね・・・・・・」

せつ菜「はい! 少々お待ち下さい!」


 「僕も!」「私も!」

 「我輩も!」 「拙者も!」


 ワイワイガヤガヤ・・・・・・


侑「え!? お客さんがあんなに!?」

歩夢「す、すごい・・・・・・」


せつ菜「みなさん! お並び下さい! 順番にご用意致しますので!」


せつ菜「・・・はい! お待たせしました!」 スッ

 「ありがとうね、お代だよ?」 スッ

せつ菜「丁度頂きます!」 ペカー

せつ菜「またお願い致します!」 ペカー



51: 名無しで叶える物語 2021/07/30(金) 21:01:09.04 ID:XXDXT5fb.net

侑「す、凄い・・・・・・」

歩夢「半年売り上げゼロって言ってたけど、軽トラの運転の仕方が悪かっただけで、せつ菜ちゃんは本当はこんなにも売れるんだ・・・・・・」


侑「私達も負けてられないね」

歩夢「そうだね」


侑「よし! 今日はショッピングセンターの方に行ってみよう!」

歩夢「うん!」


────
──


~ショッピングセンター~


侑「さて、どこに軽トラ停めようか」

歩夢「人通りの多いところがいいよね」


侑「ん? あ、あれは?」

歩夢「あ! すでに別の石焼き芋屋さんが来てるよ」


──ワイワイガヤガヤ・・・・・・


侑「凄い人だかりだ・・・・・・ もしかして、彼方さん??」

歩夢「いや、彼方さんはいつも同じところで売ってるはずだから違うんじゃ・・・・・・」


侑「あ、あの黄色い軽トラって・・・・・・」


かすみ「────可愛いかすみんのとーっても可愛い石焼き芋はいかがですかぁ~!?」

かすみ「────みなさーん! 集まって下さいね~! 売り切れちゃいますよぉ~!」


歩夢「か、かすみちゃん!?」



52: 名無しで叶える物語 2021/07/30(金) 21:11:28.88 ID:XXDXT5fb.net

侑「うわっ、このショッピングセンターはかすみちゃんの縄張りなのか・・・・・・」

歩夢「これじゃここで芋売りはできないね・・・・・・」


侑「困ったなぁ・・・・・・ どうしようか」

歩夢「別のところに行く?」

侑「それしかないよね・・・・・・」


かすみ「────おーい! 侑せんぱいと歩夢せんぱーい!」


侑「あ、かすみちゃんが私達に気付いたみたいだ」

歩夢「行ってみる?」

侑「挨拶だけしていこうか」

歩夢「うん」


────
──


侑「かすみちゃん久しぶり!」

歩夢「凄い売れ行きなんじゃない?」


かすみ「ふっふっふ・・・ かすみんは毎日完売ですからね」

侑「凄いなぁ~、彼方さんと遥ちゃんみたいだね」


かすみ「そういえば、彼方さんも相当売るという噂ですけど、かすみんには及ばないでしょうね」 ニチャア

歩夢「そんなに売れるんだ、かすみちゃん」

かすみ「かすみんは芋から厳選してますから」


侑「厳選っていうけど、芋市場だと大手に買い尽くされて売れ残りしか買えないでしょ?」

かすみ「それが甘いです! かすみんは市場から芋を仕入れてませんから!」 ドヤァ


歩夢「独自の仕入れルートがあるの?」

かすみ「そうです、安くて質がいいんですよぉ」



54: 名無しで叶える物語 2021/07/30(金) 21:20:29.55 ID:XXDXT5fb.net

侑「恥を忍んで聞くけど、参考までにどこから買ってるか教えてくれないかな・・・・・・」


かすみ「企業秘密ですけど侑せんぱいには特別に教えちゃいます!」

かすみ「鎌倉にあるしず子の芋農場から仕入れているんです!」


歩夢「そうなんだ! しずくちゃん、芋作ってるんだ」


かすみ「しず子は国際芋学科の知識を駆使して世界中の品種をかき集めて新品種を作っているんです」

かすみ「かすみんはそれを売って貰っているんですよ」


侑「へぇ~! 凄いなぁ! 私達にも売って貰えないかな」

かすみ「大量生産出来ないみたいなので、売って貰えるかどうかはしず子に聞いてみて下さい」


歩夢「今度聞いてみようか? 侑ちゃん」

侑「そうだね」

かすみ「頑張ってくださいね」


侑「ありがとう! かすみちゃん!」

かすみ「どういたしまして!」 ニコッ


────
──


歩夢「やはり、みんな色々と工夫してるんだね」

侑「おそらく彼方さんも独自の仕入れルートがあらのかも」


歩夢「はぁ、私達のお芋が売れないわけだよ・・・・・・」


侑「気を落とさないで? これから頑張ろうね」 ニコッ

歩夢「うん!」



55: 名無しで叶える物語 2021/07/30(金) 21:49:22.88 ID:XXDXT5fb.net

────
──


 ブゥーーーン・・・・・・


侑「今日は完全に芋売りのタイミング失ったね」

歩夢「売れ残りどうしようか・・・・・・」

侑「私達が食べる分だけ残して寄付しよっか」

歩夢「そうだね」


 「────おーーーい!」


侑「んっ! 誰が私達を呼んでる!」


 キイッ


愛「ゆうゆと歩夢久しぶり~!」

歩夢「愛ちゃん! こんなところでどうしたの?」

愛「ちょっとね! ランニングの途中だよ」 ニコッ


侑「もんじゃ屋さんは今日はおやすみ?」

愛「うん、定休日!」


愛「2人はお芋売れてる?」

侑「あはは・・・ それがさっぱりなんだぁ・・・・・・」


愛「そうなんだ~、じゃあ愛さんが買うよ!」

侑「ほんと!? ありがとうございます!」 ニコッ


歩夢「一本でいいのかな?」

愛「いや、全部!」


侑「え? 全部??」


愛「だから悪いんだけど、それをりなりーのところまで届けてくれないかな?」

侑「それはお安い御用だけど」


歩夢「璃奈ちゃんが全部食べるの?」

愛「仕事の合間に何か研究してるんだって」

愛「それでお芋がたくさん必要みたい」


侑「そうなんだ、じゃあ璃奈ちゃんの工場に届けておくよ」

愛「よろしくね!」



57: 名無しで叶える物語 2021/07/30(金) 22:59:57.20 ID:XXDXT5fb.net

────
──


~天王寺モータース~


 ブゥーーーン・・・・・・

 キキッ

 プスンッ


侑「璃奈ちゃん、お久しぶり~!」

璃奈「あ、侑さん」


歩夢「愛ちゃんから頼まれてお芋持ってきたよ?」

璃奈「愛さんから連絡貰ってる。ありがとう」


侑「ほんと助かったよ、滅多に完売出来なくて余らせているのに全部買い占めて貰えるなんて」 アハハ


璃奈「ちょっとお芋の研究でたくさん必要だったからこちらこそ助かるよ」

歩夢「すでに焼いてあるお芋だけどいいの?」

璃奈「それは構わない」


侑「よいしょっ・・・・・・」 ドサッ

侑「ふぅっ・・・ とりあえず全部段ボールに入れておいたんだけど、ここに置かせてもらうね」

璃奈「うん、そこでいいよ」


歩夢「あ、せつ菜ちゃんの軽トラだ」

侑「壊れたままだね」

璃奈「せつ菜さん、修理代のツケが500万くらいあるから、それを返してもらうまでは預かっておくことにしたんだ」

歩夢「だ、だからリヤカー引いてたんだね」


璃奈「そのリヤカーも私があげたやつだよ」

侑「そうなんだ」


璃奈「ねぇ、2人の軽トラ見せてみて?」

侑「ん? 何か璃奈ちゃん的にまずいことでもある?」

歩夢「故障があるなら直してもらわないと」



58: 名無しで叶える物語 2021/07/30(金) 23:15:19.24 ID:XXDXT5fb.net

璃奈「2人とも、この釜ではホントに良い焼き加減にはならないよ?」


侑「そうなの?」

璃奈「それに、この石もちょっと・・・・・・」


歩夢「石は厳選したものを使ってるつもりなんだけどなぁ」


璃奈「たしかに悪くは無いけど、一流にはなれないね」

侑「そうなんだ」


璃奈「お芋届けて貰ったお礼に私に軽トラ預けてみない? 出来る範囲で釜に手を加えてあげるよ?」


侑「ほんと!?」

歩夢「侑ちゃん、お願いしようよ!」


璃奈「多分2~3日かかると思う」

侑「分かった、お願いするね」


璃奈「終わったら連絡するから」

侑「じゃ、よろしくね」


────
──



60: 名無しで叶える物語 2021/07/30(金) 23:45:01.10 ID:XXDXT5fb.net

侑「まさか突然だけど璃奈ちゃんに軽トラ預けることになったからそれまで仕事できないね」

歩夢「うん、私達はリヤカーもないしね」


侑「そうだ、愛ちゃんに買って買い占めて貰ったお金もあるし、かすみちゃんが言ってたしずくちゃんの芋農場まで行ってみる?」

歩夢「それいいかもね」

侑「じゃあ早速明日行ってみようか」


────
──


~翌朝~


歩夢「何で行くの? 電車?」

侑「お金もったいないからヒッチハイクで行こう」

歩夢「ええ!? 大丈夫なの??」


侑「いいからいいから」





侑「このスケッチブックに"鎌倉"と書いて・・・ っと」

歩夢「ほんとに車止まってくれるのかなぁ・・・・・・」


侑「歩夢も親指立てて手を上げて?」 👍

歩夢「うん・・・・・・」 👍


 キキーーッ


侑「あ、止まってくれたね」



62: 名無しで叶える物語 2021/07/30(金) 23:52:55.33 ID:XXDXT5fb.net

渡辺「君達どうしたの? 鎌倉までなら少し寄り道する程度だから乗せていこうか?」


侑「ありがとうございます!」

歩夢「うわぁ、嬉しいなぁ!」 ニコッ


渡辺「さぁ、私のトラックに乗って?」

侑「ではお言葉に甘えさせて頂きますね」


 ガチャ


歩夢「トラックの座席って高いですね・・・ よいしょ・・・」

侑「歩夢登れる?」

歩夢「うん、大丈夫」


侑「私も・・・・・・ よいしょっと」


 バタンッ


渡辺「ところで鎌倉のどこまで行きたいの?」

侑「友人がやってる芋農場に行きたいんですがわかりますかね?」

歩夢「桜坂しずくという子なんですけど・・・・・・」


渡辺「あー、鎌倉の芋農場といえば何となくわかるかも!」

侑「じゃあお願いします!」

渡辺「任せて任せて!」 ニコッ


渡辺「しゅっぱーつ!」


 ブオオオオオオオオオ

 プシュー


────
──



64: 名無しで叶える物語 2021/07/31(土) 00:00:22.47 ID:+Js+SPWo.net

 
 ブオオオオオオオオオ・・・・・・


渡辺「君たち、芋農場に行くということは石焼き芋屋でもしてるのかな?」

侑「はい、そうです」


渡辺「私も昔憧れて石焼き芋屋目指した時があったんだけどね」

歩夢「お姉さんもそうだったんですね』

渡辺「でも、私が通っていた芋の星女学院という学校が廃校になっちゃってさ・・・・・・ 志し半ばで諦めちゃったんだ・・・・・・」

侑「そうだったんですか・・・・・・」


渡辺「君達は東京なんでしょ? どこの学校だったの?」

歩夢「芋ヶ咲学園です」


渡辺「芋学!? 石焼き芋の名門じゃん! 凄いなぁ!」

侑「いや、私達全然売れなくて、恥ずかしくて芋学の名前出せませんよ・・・・・・」


渡辺「でも、石焼き芋屋を目指す若者が数千人も集まる学校を出て、超激戦区でやってるんだから凄いと思うよ?」

侑「どうでしょうかね・・・・・・」

歩夢「そういって貰えると嬉しいですけど・・・・・・」



66: 名無しで叶える物語 2021/07/31(土) 00:10:52.42 ID:+Js+SPWo.net

────
──


~鎌倉~


渡辺「さて、鎌倉まで来たけど、君達が行きたい農場はどこかなぁ」

侑「すみませんね、お仕事途中でしょうに」


渡辺「いいってことよ! お姉さんに任せなさい!」


歩夢「あ、あそこに看板出ていますよ?」

侑「あ、ホントだ!」


渡辺「じゃあそこで下ろすね」

侑「ありがとうございます」


────
──


渡辺「じゃ、また何かご縁があれば!」


 ブオオオオオオオオオ


侑「ありがとうございました~」 フリフリ

歩夢「ありがとうございました」 フリフリ





侑「さて、しずくちゃんはいるかな? 事務所はどこだろう」

歩夢「あ、あそこに建物があるね」


侑「行ってみよう」



71: 名無しで叶える物語 2021/07/31(土) 06:31:39.20 ID:+Js+SPWo.net

────
──


~しずくの芋農場~


 コンコンッ


侑「こんにちは~」


しずく「──はーい、どうぞ」


 ガチャ


侑「お邪魔しまーす」

歩夢「お邪魔します」


しずく「おや? 侑さんに歩夢さん??」

侑「突然アポ無しで来てごめんね? しずくちゃん」

しずく「いえいえ! 久しぶりにお会いできて嬉しいです!」 ニコッ

歩夢「しずくちゃんも元気そうだね!」 ニコッ

しずく「はい! お二方も」


しずく「そちらの石焼き芋の売れ行きはいかがですか?」

侑「あはは・・・ 実は情け無いくらい売れなくてね~」

歩夢「かすみちゃんが凄く売れ行き良くて、聞いてみたらしずくちゃんが栽培してるお芋を使ってるって聞いたから訪ねてみたの」


しずく「そうだったんですか」

侑「なんか美味しい品種を開発したという話じゃない?」

しずく「まぁ、そうですね。 量産はまだできませんけど、結構美味しいものが出来たと思っています」


歩夢「私達にもそのお芋を売って貰うことできない?」

しずく「売って差し上げたいのはやまやまなのですが、かすみさんにお売りする分と自分の分で精一杯なのが現状なんです」

侑「そうなんだ」


しずく「申し訳ありません」


しずく「あ! もうこんな時間! 私、お芋の販売に行かないと行けませんので失礼しますね!」

侑「邪魔して悪かったね」


しずく「農場だけでは生活できないので、お芋売りもしなくちゃいけないんですよ・・・・・・」

歩夢「でも、美味しい品種だし、かなり売れそうだよね」

しずく「いやいや、私なんて程々しか売れませんから・・・ あはは」


しずく「じゃあ行きますね」 ニコッ

侑「気を付けて」


 キュルルッ

 ブイーーンッ


歩夢「頑張ってね~」

しずく「ありがとうございます」


 ブイーーンッ・・・



72: 名無しで叶える物語 2021/07/31(土) 06:43:29.09 ID:+Js+SPWo.net

 
 ピーーーーーーーーーー・・・


しずく「いし やぁき ぃもぉ~・・・ いし やぁき ぃもぉ~」

しずく「おいもでぇす・・・ おいしぃおいもですよぉ~・・・」


 ピーーーーーーーーーー・・・・・・


しずく「そこのお方ぁ~? おいしぃ おいもはいかがですかぁ~?」


 「も、もらっちゃおっかなぁ・・・・・・ でへへ・・・」


しずく「ありがとぅございますっ!」


 キィッ


侑「うわっ、もうお客さん捕まえてる・・・・・・」

歩夢「常連さんなのかな」


侑「せっかくだから、しずくちゃんの販売を見学させて貰おうか」


侑「あ、あそこに自転車がある! しずくちゃんの農場で使ってるやつかな・・・ 借りて追いかけよう」

歩夢「うん、そうだね」


────
──



80: 名無しで叶える物語 2021/07/31(土) 20:27:06.54 ID:+Js+SPWo.net

 
 キコキコキコ・・・・・・


歩夢「自転車乗るの久しぶりだね、侑ちゃん」

侑「そうだね」


侑「それにしても、しずくちゃんはどこに向かってるのだろう?」


 ピーーーーーーーーーー・・・・・・


しずく「いしやぁ~き いもぉ~・・・ いしやぁ~き いもぉ~」

しずく「自家栽培のおいもでぇ~す」


 ワラワラワラワラ・・・・・・


侑「あっ! なんかおじさん達が集まってきた!」

歩夢「ホントだね! みんなお客さんなのかな」


しずく「おじさま達、今日もありがとうございま~す♪」


 ワラワラワラワラ・・・・・・


侑「凄いなぁ・・・・・・ この調子じゃすぐ売り切れるんじゃ・・・・・・」

歩夢「あ、あの人!」

侑「ん?」


渡辺「わ、私にもお芋貰えるかなぁ?」

しずく「はい! ありがとうございます♪」


侑「あれ? ヒッチハイクで乗せて貰ったトラックの人! どうしたんですか?」

渡辺「ああ! さっきの君達! また会ったね」


歩夢「どうしたんですか? お芋買いに来たんですか?」

渡辺「うん、君達を下ろしたあとにコンビニで休憩していたら胸にグッとくる声が聞こえてきたと思ったらいつの間にかここにいたんだよね」

侑「ええ!?」


しずく「はい、お芋です♪」

渡辺「あ、ありがとう・・・・・・」


渡辺「き、君・・・ なかなか可愛い声してるんじゃない?」 ニタァ

しずく「えっ!? そんなことありませんよ! それにそれはセクハラです♪」

渡辺「あはは、そんなぁ~」 ニヤニヤ


しずく「バツとして、次はお芋1キロ買いに来てくださいね?」 ニコッ

渡辺「しょうがないなぁ~! えへへ・・・」


しずく「待ってますからね?」 ニコッ

渡辺「う、うん!」


侑「・・・・・・」 ポカーン

歩夢「・・・・・・」 ポカーン


渡辺「どうした? 君達?」

渡辺「じゃ、私はお芋を食べながら帰るとするよ!」 ニコッ

渡辺「またね~」 ニコニコ



81: 名無しで叶える物語 2021/07/31(土) 20:34:39.58 ID:+Js+SPWo.net

────
──


侑「まったく参考にならなかったね」

歩夢「これはしずくちゃんの天性のいやらしい声が為せる技だから私達には無理だよ」

侑「しかも自家栽培の質の良い品種を使ってるんだから売れるわけだよ」

歩夢「そうだね」


侑「鎌倉でもこんなに人が集まるんだから、石焼き芋激戦区のお台場で売ったら彼方さんやかすみちゃんより売れるんじゃないかな」

歩夢「私もそんな気がするよ」


侑「とりあえず自転車返しに戻ろうか」

歩夢「そうだね」


 キコキコキコ・・・・・・


────
──



84: 名無しで叶える物語 2021/07/31(土) 22:12:32.34 ID:+Js+SPWo.net

 
 キコキコキコ・・・・・・


侑「しずくちゃんの農場に戻ってきたね」

歩夢「そうだね」


侑「来る時はトラック乗せ貰えたからよかったけど、帰りはどうしよう?」

歩夢「またヒッチハイクする?」


侑「ん?」


渡辺「・・・・・・」 ウロウロ・・・


侑「お姉さん! トラックで帰ったんじゃないんですか?」


渡辺「!?」

渡辺「あ、ああ・・・ なんだ、君達か」


歩夢「どうかしたんですか?」

渡辺「さっきのお芋屋さんの近くに君達がいたから、もしかして君達を下ろした農場からあのお芋屋さんが来てるんじゃないかと思ってね」

侑「そんなに気に入ったんですか?」


渡辺「ああ、うん・・・ あのいやらしい声はやみつきに・・・ ん゛ん゛・・・ 失礼・・・ 美味しいお芋だったからもっと食べたいと思ってね」

侑「でしたらしずくちゃんの軽トラを追いかけてまた買えばいいんじゃないですか?」


渡辺「うん・・・・・・ たしかにそうだね・・・・・・」

歩夢「いやらしい声がやみつきとか言ってませんでしたか?」


渡辺「ま、まぁ・・・ それもそうなんだけど・・・・・・」

渡辺「き、君達からは童貞臭を感じるから敢えて言わなかったんだけどね・・・・・・」

渡辺「ま、君達ももっと大人になれば分かるんじゃないかなぁ~・・・・・・」 アハハ



86: 名無しで叶える物語 2021/08/01(日) 07:16:13.72 ID:vE4SS8LC.net

 
 ──ブゥーーーン・・・

 キキッ


侑「あ、しずくちゃんもう帰ってきた」


渡辺「!?」

しずく「あ、侑さんと歩夢さん。こちらにいらしたのですね」

侑「うん」

歩夢「もう帰って来たけどどうしたの?」


しずく「ん? あ! さっきお芋を買って下さったお客様!」

渡辺「ふふっ」


しずく「先程はありがとうございました!」 ニコッ

渡辺「ま、私もお芋好きだからね」 キリッ


渡辺「も、もし・・・ 売れ残ったなら買い占めてあげないこともないけど・・・」 チラッ


しずく「すみません、もう売り切れてしまいまして」

渡辺「え!?」


しずく「また買いにいらしてくださいね」 ニコッ

渡辺「しょ、しょうがないなぁ・・・ 静岡からわざわざ買いに来ちゃうし」


しずく「え!? そんな遠方から!?」

しずく「嬉しいです、素敵なお客様ですね!」 ニコッ


渡辺(す、素敵・・・・・・) ドキドキ


侑「しずくちゃん、私達これであと帰るね」

しずく「あ、わざわざお越し頂いたのにご要望に添えずすみませんでした」 ペコッ


しずく「そういえば、お帰りは何で帰られるのですか?」

侑「じつは、来る時はこのお姉さんのトラックにヒッチハイクで乗せて貰ったんだけど、帰りの手段はないから電車ででも帰ろうかと思って」


渡辺「コホンッ・・・ また私が乗せてあげないこともないけど・・・・・・」 チラッ

しずく「まぁ、優しくて素敵な方ですのね!」


渡辺「ふふんっ・・・」 ドヤァ

渡辺「まぁ、君達、私のトラックに乗りたまえ」

歩夢「ありがとうございます!」


侑「ありがたいですけどお仕事の途中なんじゃないですか?」

渡辺「まぁ、気にしない気にしない」


歩夢「じゃ、しずくちゃんまたね」

しずく「はい! またお越し下さい」 ニコッ



87: 名無しで叶える物語 2021/08/01(日) 07:28:52.84 ID:vE4SS8LC.net

────
──


 ブオオオオオオオオオ・・・・・・


渡辺「ところで君達は農場に何しに来たの? あの子のいやらしい声を聞きに来たとか?」

侑「いえ、しずくちゃんが作ってるお芋を売って貰おうと思ったんですけど買えなくて・・・・・・」

歩夢「大量生産が出来ないから他に回す分まで都合出来ないみたいで・・・・・・」

渡辺「そっか、君達もお芋屋だから品質のいいお芋が欲しいわけだね」

侑「まぁ、そういうことです」


渡辺「良いお芋を大量に余らせてるところがあるんだけど、そこで譲ってくれないかなぁ・・・・・・」

侑「え? そんなところがあるんですか?」

渡辺「私の地元なんだけどね」


渡辺「頼んでみる?」

歩夢「ほんとですか!?」


渡辺「ま、君達のおかげでいやらしい声の可愛い子と知り合えたからそのお礼だよ」

侑「ありがとうございます!」


渡辺「じゃあ、行ってみようか」

侑・歩夢「はい!」


 ブオオオオオオオオオ・・・・・・


────
──



94: 名無しで叶える物語 2021/08/01(日) 20:45:04.41 ID:vE4SS8LC.net

 
 ブオオオオオオオオオ・・・・・・

 プシュー・・・


渡辺「着いたよ」


侑「ここはどこですか?」

渡辺「私の地元、沼津の内浦だよ」

歩夢「そうなんですか」


侑「で、あのデカい倉庫は何ですか?」

渡辺「あの倉庫にお芋が余っているはずなんだけどね」


渡辺「!?」

渡辺「あ、ルビィちゃん!」


ルビィ「あ、曜ちゃん! どうしたの?」

渡辺「ちょっと用があってさ」

ルビィ「うゆ? どんな用事??」

渡辺「その倉庫に余ってるお芋って分けて貰えないのかな?」


ルビィ「これはルビィのだからダメ!」

渡辺「こんなの1人で食べ切れないじゃん」

ルビィ「そ、そうだけど・・・・・・」


ダイヤ「ルビィ? どうしましたの?」

渡辺「あ、ダイヤさん!」


ダイヤ「あら曜さんどうかしましたか?」


侑(あの人って芋市場で買い占めてた人だよね・・・) ヒソヒソ

歩夢(うん、そうだと思う・・・) ヒソヒソ


渡辺「その倉庫に余ってるお芋を分けて欲しいんだ」

ダイヤ「あなたが?」

渡辺「いや、この子達なんだけど・・・・・・」


ダイヤ「どちら様かしら?」

侑「お台場で石焼き芋販売している者です」


ダイヤ「お台場で?」



95: 名無しで叶える物語 2021/08/01(日) 21:04:06.27 ID:vE4SS8LC.net

ルビィ「しゅ、しゅごい・・・・・・」

ダイヤ「石焼き芋売りですか・・・・・・ かつてはわたくし達も芋の星で切磋琢磨しながら石焼き芋売りを目指しましたが、志し半ばで廃校になり夢を諦めました・・・」

渡辺「そうだね・・・・・・」

ルビィ「ううっ・・・ うっ・・・ グズッ・・・」 シクシク


ダイヤ「しかも、石焼き芋販売のメッカであるお台場で石焼き芋売りをされているとは・・・・・・」

渡辺「この子達は、かの有名な名門校である芋ヶ咲学園出身なんだって」

ダイヤ「な、なんですって!?」

ダイヤ「あの・・・・・・ 数千人もの石焼き芋販売志望者が集まるという芋学を、卒業されているとは・・・・・・」


侑「たしかに芋学出身ですが、全然売れないんですけどね・・・・・・ あはは」


ルビィ「わ、私を弟子にしてください!」

歩夢「え!?」


ダイヤ「ルビィ・・・、あなた・・・ まだ石焼き芋売りの夢を諦めてなかったのですわね」 ウルッ

ルビィ「お姉ちゃんだって、未練があるから芋を買い集めているんでしょ!?」


ルビィ「お姉ちゃん! ルビィね、この人達の弟子になって、一流の芋売りになって帰ってくるから!」

ルビィ「そうしたら、花丸ちゃんもお芋を食べてくれるかもしれないよ!」


ダイヤ「そうですわね・・・・・・」 シクシク・・・


侑「え? え?」

ダイヤ「というわけで、ルビィをよろしくお願いしますわ」 ペコッ

ダイヤ「その代わり、芋市場で私が購入する芋を大量に安定供給致しましょう」


歩夢「ええ~!?」


渡辺「い、いい話だなぁ! ううっ・・・」 グズッ


ダイヤ「曜さん、あなたはそのトラックでお芋をルビィとお師匠様方に届ける仕事をして下さらないかしら? 運賃は弾みますわよ?」

渡辺「おお! それなら頑張っちゃおっかな!」 ニコッ


ダイヤ「では、ルビィ。頑張って石焼き芋売りになって帰って来るのですわよ?」

ルビィ「はいっ!」



96: 名無しで叶える物語 2021/08/01(日) 21:13:43.53 ID:vE4SS8LC.net

────
──


渡辺「というわけで、倉庫のお芋を私のトラックに積んだら君達2人とルビィちゃんを乗せてお台場まで送って行くよ」


侑「ありがとうございます」

歩夢「でも、私達は教えられるほどの石焼き芋売りスキルはありませんよ?」


渡辺「大丈夫大丈夫!」

渡辺「君達も良いお芋をタダで分けて貰えるわけだし、まずは良かったじゃん」 ニコッ


侑「たしかにそうですけど・・・・・・」

ルビィ「師匠!ルビィ、出かける用意できました!」


歩夢「・・・とは言っても、何処に住まわせたらいいの?」

侑「とりあえず、私達の部屋に一緒に住んで貰うしかないよね」

歩夢「そうだね・・・・・・」


渡辺「じゃあ、荷積み終わったら呼ぶから、その辺を散歩して来るといいよ」


侑「分かりました」


────
──



100: 名無しで叶える物語 2021/08/02(月) 10:37:16.96 ID:IBAsDmf5.net

渡辺「お、2人とも帰って来たね」

渡辺「内浦の散歩はどうだった?」

侑「はい、お台場と違って凄く海が綺麗でしたね」

歩夢「凄く心地良かったです!」


渡辺「それなら良かった」 ニコッ


渡辺「用意は出来てるからトラックに乗ってくれる?」

侑「はい、ありがとうございます」

歩夢「よろしくお願いします」


侑「ていうか、トラックにそんなに人乗れるの? さっきの子も一緒なのに」

渡辺「ああ、ダイヤさんのトラックと2台で運ぶから君達はこっちでいいよ」


侑「ええ!? 大型トラック二台分のお芋を置く場所ないよ!?」

渡辺「あはは! まぁなんとかなるんじゃない?」

歩夢「どうしよう・・・・・・」


ダイヤ「では行きますわよ?」

渡辺「うん、了解」


 ブオオオオオオオオオ・・・・・・

 プシュー・・・


歩夢「どうなっちゃうんだろ・・・・・・」

侑「まぁ、お芋貰えるのはありがたいことだから何とかしないとね」

歩夢「うん」


────
──



101: 名無しで叶える物語 2021/08/02(月) 11:23:50.08 ID:IBAsDmf5.net

~侑と歩夢の家~


渡辺「ここでいいのかな?」

侑「はい」


歩夢「でも、お芋はどこに置いたらいいのか・・・・・・」

侑「私達の部屋は四畳半しかないもんで・・・・・・」


ダイヤ「困りましたわね」

渡辺「誰か倉庫貸してくれる人とかいない?」

侑「うーん、思いつかないです・・・・・・」


侑「あ、そうだ! 璃奈ちゃんから軽トラの釜の改造が終わったって連絡来てたんだけど、取りに行くついでに璃奈ちゃんのところで預かって貰えないか相談してみよう」


渡辺「じゃあその人のところに行こうか、案内してくれる?」

侑「はい」


 ブオオオオオオオオオ・・・・・・


────
──


~天王寺モータース~


侑「璃奈ちゃーん、ありがとう」

璃奈「思ったより早く改造できたよ、これで今までよりも速くてふっくらと焼けるはずだよ」

歩夢「そうなんだ! ありがとう!」

璃奈「石ももっと良いやつにかえておいたから」


侑「ところで相談なんだけど・・・・・・」

璃奈「どうかしたの?」


侑「お芋を大量に仕入れたんだけど、置くところがないもんで璃奈ちゃんの整備工場の倉庫で預かって貰えないかな?」

璃奈「倉庫なら使ってないから置いてもいいよ」

歩夢「ほんと!? ありがとう!」


ダイヤ「無事解決ですわね」

ルビィ「よろしくお願いしましゅ!」


侑「お礼と言ったらなんだけど、お芋たくさんあるから好きな時に食べてもいいから」

璃奈「それはありがとう、研究材料にも使わせてもらうよ」


ダイヤ「お芋は定期的にこちらの曜さんが運びますからよろしくお願い致しますわね」

璃奈「うん」


渡辺「じゃあ倉庫にお芋下ろすよ?」

侑「お願いします」



103: 名無しで叶える物語 2021/08/02(月) 11:33:48.82 ID:IBAsDmf5.net

~璃奈の倉庫~


璃奈「じゃあ、この辺りに下ろして貰っていいから」

渡辺「了解」


侑「私も手伝うよ」





璃奈「随分と良い芋だね、市場で売ってる芋の中でも高級な品種なんじゃない?」

ダイヤ「わたくしが買い占めてますのよ?」


璃奈「この芋なら、私の研究も捗るかもしれない・・・・・・ 凄くありがたい」


────
──


渡辺「よし! これで完了」


ダイヤ「では、ルビィをよろしくお願いしますわね」

侑「はい、分かりました」


ルビィ「お姉ちゃん! ルビィがんばる!」

ダイヤ「しっかり頑張りなさいね? 寂しくなるわ」 シクシク


渡辺「じゃあ、私達は帰るから」

歩夢「ありがとうございました」 ペコッ


 ブオオオオオオオオオ・・・・・・



璃奈「その人は?」

侑「色々あって私達の弟子になることになったんだよね」

璃奈「そうなんだ、頑張ってね」

ルビィ「ひゃい! 頑張ります!」


侑「じゃあルビィちゃん、家に帰るよ」

歩夢「でも、軽トラに3人乗れないよ?」


璃奈「せつ菜さんの軽トラ乗って行っていいよ」

璃奈「せつ菜さんがお金払い終えるまでは自由に使っていいから」


歩夢「えー! でもこの赤いの恥ずかしくて乗れないよ~」

侑「仕方ないよ歩夢、じゃあ私がこの赤いの乗ってくから歩夢とルビィちゃんはウチの軽トラに乗って行って?」

歩夢「うん、分かった」


侑「じゃあね、璃奈ちゃん」

歩夢「色々とありがとう」

ルビィ「ありがとうございます!」


 キュルルッ

 ブイーーーーン


 



107: 名無しで叶える物語 2021/08/02(月) 14:26:06.98 ID:IBAsDmf5.net

~侑と歩夢の部屋~


 ギィッ

 バタンッ


侑「ここが私達の家だよ、ルビィちゃん」

歩夢「狭いけど我慢してね?」

ルビィ「はい!」


侑「それにしても、少し整頓しないと3人で暮らせないね」

歩夢「普段使わないものは璃奈ちゃんの倉庫に移動させようか」

侑「そうだね」


侑「じゃあ私、荷物運んで来るから2人は夜ご飯の用意しててくれる?」

歩夢「うん、いってらっしゃい」


 バタンッ


歩夢「じゃあルビィちゃん、ご飯の用意しよ?」

ルビィ「はぁい!」

歩夢「といっても、お芋しか食べるものないんだけどね」 ハハハ・・・


ルビィ「どうしたらいいですか? 歩夢師匠」

歩夢「侑ちゃんはせつ菜ちゃんの軽トラ乗って行ったみたいだから、ウチの軽トラの釜で焼こう」

ルビィ「はい!」

歩夢「使い方覚えてね?」

ルビィ「わかりました!」


────
──



108: 名無しで叶える物語 2021/08/02(月) 14:34:33.03 ID:IBAsDmf5.net

侑「ただいま~」


歩夢「おかえり侑ちゃん」

侑「せつ菜ちゃんの軽トラさ、璃奈ちゃんが改造してるんだと思うけど、凄く速いんだよ! びっくりしちゃった!」

歩夢「へぇ~、凄いね」

侑「うちのも速く走れるようにしてもらおうか」

歩夢「別に速くなくてもいいんじゃない?」

侑「そうかなぁ・・・ 速い方が便利だと思うけど」


侑「って、お芋もう焼けたの?」

歩夢「うん、璃奈ちゃんが改造してくれた釜だとあっという間に食べごろまで焼き上がるみたい!」


侑「すごいね! とりあえず食べようか」


歩夢「いただきます」

ルビィ「い、いただきましゅ!」

侑「いただきます!」


ルビィ「はむっ・・・」 モグモグ・・・


ルビィ「!?」

ルビィ「ほくほくふわふわで美味しいでしゅ!」


歩夢「むぐっ・・・ むぐっ・・・」 モグモグ

歩夢「本当だ!」


侑「ルビィちゃんのお姉さんから譲って貰った高級品種だからというのもあると思うけど、璃奈ちゃんの釜の効果も大きいんだろうね」

歩夢「これならたくさん売れるんじゃない?」


侑「あしたから頑張らないと!」 ニコッ

歩夢「そうだね!」 ニコッ

ルビィ「る、ルビィもがんばる!」



109: 名無しで叶える物語 2021/08/02(月) 14:45:10.94 ID:IBAsDmf5.net

────
──


侑「さてさて、今日は疲れたから早く寝ようか・・・・・・」

歩夢「そうだね・・・・・・」


侑「ルビィちゃん、この部屋で3人で寝るしかないから我慢してね?」

ルビィ「はい! 大丈夫です!」


侑「ふぁぁ・・・っ、じゃあ、おやすみ~・・・」


 モゾモゾ


歩夢「私と侑ちゃんはもともとひとつの布団で寝てたからいいけど、ルビィちゃん用にもう一つ布団敷いたからそれ使っていいよ?」

ルビィ「あ、ありがとうございます!」


歩夢「じゃ、私も寝るね・・・・・・ おやすみ~」


 モゾモゾ・・・


ルビィ「おやしゅみなさい!」


────
──


侑「すぅ・・・ すぅ・・・」 Zzz・・・


歩夢(ねぇ、侑ちゃん・・・・・・) ヒソヒソ・・・


侑「!?」 パチッ

侑「んん? 疲れてるのにするの??」 ムニャムニャ

歩夢(いいでしょ?) ヒソヒソ


侑「ルビィちゃんいるから、今後はセックスできないよ?」

歩夢「そうだけどさ・・・・・・」


侑「それはルビィちゃんがいない時ね?」

歩夢「うん・・・ 分かった・・・・・・」


ルビィ「ぐぅ・・・ ぐぅ・・・」 Zzz・・・・・・


────
──


 



111: 名無しで叶える物語 2021/08/02(月) 16:16:30.93 ID:IBAsDmf5.net

~翌日~


侑「さて、今日から良質なお芋と改良された釜でたくさん売っていこうね」

歩夢「うん!」

ルビィ「はい!」


侑「今日は商店街の人通りの多いところに停めて売ってみよう」

歩夢「たくさん売れるといいね」


 キュルルッ

 ブイーーーーン


────
──


~商店街~


 ブウウン・・・


侑「この辺でいいかな・・・」


侑「石焼き芋いかがですかー?」

歩夢「とっても美味しいお芋はいかがですか~?」





侑「うーん、なかなかお客さんが集まらないね・・・・・・」

歩夢「一度食べて貰えれば良さが分かって貰えると思うんだけどなぁ」


侑「とっても美味しいお芋はいかがですか~?」

歩夢「一度食べてみてくださーい! 美味しいですよ~!」


侑「うーん、難しいなぁ・・・・・・」


ルビィ「ル、ルビィも何か手伝いましゅか?」

侑「ルビィちゃんはとりあえず見学しててくれる?」

ルビィ「はい!」


────
──



112: 名無しで叶える物語 2021/08/02(月) 16:25:55.54 ID:IBAsDmf5.net

侑「そこそこ売れたけど、さすがに完売とまでは行かなかったね」

歩夢「そうだね。でも、今日買ってくれた人はまた買ってくれるだろうし、口コミでお客さんが増えることを祈ろうよ」

侑「そうだね」


侑「じゃあ、片付けて帰ろうか」

歩夢「うん」

ルビィ「はい!」


────
──


~侑と歩夢とルビィの部屋~


 ギィッ

 バタンッ


侑「2人ともお疲れ~」 フウッ

歩夢「お疲れ!」 ニコッ


ルビィ「あの・・・ 師匠・・・ お姉ちゃんがみんなで食べるようにって内浦で取れたお魚を送ってくれました」 スッ

侑「ほんとに!? どれどれ?」


 パカッ


侑「おお! 美味しそうなお魚だね!」 ニコッ

歩夢「お魚なんてかなり久しぶりに食べるよ」

ルビィ「えへへ・・・ 喜んでもらえてよかった」 ニコニコ


侑「いつもお芋ばかりだから凄く助かるよ、ありがとうルビィちゃん」

ルビィ「いえいえ」


────
──



114: 名無しで叶える物語 2021/08/02(月) 16:42:29.65 ID:IBAsDmf5.net

侑「ごちそうさま~! 美味しかったよルビィちゃん!」 ニコッ

歩夢「久しぶりにお魚食べられて良かったなぁ」

ルビィ「よろこんでもらえて嬉しいです! またお姉ちゃんに送ってもらうね」 ニコッ


侑「お姉さんに何かお返ししないとなぁ~」

歩夢「何か考えておかないとね」

侑「そうだね」


────
──


~翌日~


侑「さて、軽トラが2台あることだし、手分けして売りに行こうか」

歩夢「そうだね、せっかく借りてるわけだし」


侑「じゃあ、私はせつ菜ちゃんの軽トラで売りに出るから歩夢とルビィちゃんは昨日と同じところで販売してくれる?」

歩夢「うん、分かった!」

ルビィ「はい!」


侑「じゃあ早速準備しよう」


────
──



115: 名無しで叶える物語 2021/08/02(月) 16:48:25.73 ID:IBAsDmf5.net

 
 ピーーーーーーーーーー・・・・・・


侑「石焼~き芋~・・・ 石焼~き芋~・・・・・・」

侑「甘くて美味しいお芋はいかがでしょうか~・・・・・・」


侑(う~ん、お客さんが全然寄ってこないなぁ・・・・・・)

侑(せつ菜ちゃんの軽トラダサいから誰も近づかないのかなぁ・・・・・・)


────
──


歩夢「石焼き芋いかがですか~!」

ルビィ「美味しい石焼き芋いかがですかぁ~」 ニコニコ


客「あら、美味しいそうね」

ルビィ「はい! とっても美味しいのでぜひ!」 ニコッ

客「売ってるお嬢さんも可愛らしいし、買っちゃおうかしら」

ルビィ「ありがとうございます!」


 ガサゴソ・・・


ルビィ「どうぞ!」 スッ


客「ありがとね、また買いに来るわね」 ニコッ

ルビィ「またお願いします!」


歩夢「ルビィちゃんやったね!」 ニコッ

ルビィ「よかったぁ、買って貰えた!」 ニコニコ

歩夢「ふふふっ! 頑張ろうね! ニコッ


────
──



116: 名無しで叶える物語 2021/08/02(月) 17:02:12.80 ID:IBAsDmf5.net

~侑と歩夢とルビィの部屋~


 ギィッ

 バタンッ


侑「ただいま~」

歩夢「あ、おかえりなさい! 侑ちゃん」

ルビィ「侑師匠おかえりなさい!」


侑「2人とも早いね」

歩夢「うん、仕込んだ分全部売り切れたから」

侑「ほんと!? 凄いじゃん!」

侑「私の方はさっぱりだったよ~ あはは・・・」


歩夢「ルビィちゃんも頑張ったんだもんね?」 ニコッ

ルビィ「はい! 頑張りました!」 ニコッ

侑「そっかー、ルビィちゃんも凄いなぁ~」


侑「明日は、交替しようか・・・ 歩夢とルビィちゃんがせつ菜ちゃんの軽トラで売りに回って、私がウチの軽トラで商店街に停めて販売するよ」

歩夢「反響良かったから商店街だとまた完売できるかもね」

侑「そうだといいね」 ニコッ


────
──


ルビィ「すやすや・・・・・・」 Zzz・・・・・・

歩夢「すぅ・・・ すぅ・・・」 Zzz・・・


侑「・・・・・・」 モゾモゾ・・・


歩夢「んっ・・・?」

歩夢「ゆ、侑ちゃん??」


侑「歩夢? しよ?」

歩夢「え? ルビィちゃんいるから当分お預けじゃなかったの?」

侑「ルビィちゃん寝てるし、私・・・ 我慢出来なくてさ」 エヘヘ


侑「じゃあ、するよ?」 モゾモゾ


歩夢「あっ・・・ ああんっ!」 ビクッ


侑(声立てないようにね?) ヒソヒソ・・・

歩夢(う、うん・・・・・・) ヒソヒソ・・・


歩夢「・・・・・・ っく・・・・・・ あっ・・・・・・」


ルビィ「!?」 パチッ

ルビィ「んん??」


歩夢「・・・・・・ あふっ・・・ んんっ・・・・・・」 ビクッ


ルビィ(何してるんだろ・・・・・・) ボーッ

ルビィ(ま、いいや・・・・・・)


ルビィ「すやすや・・・・・・」 Zzz・・・・・・・・・



119: 名無しで叶える物語 2021/08/02(月) 18:56:04.04 ID:IBAsDmf5.net

────
──


~翌日~


侑「それじゃ今日は歩夢とルビィちゃんがせつ菜ちゃんの軽トラで売りに行ってね。私は商店街に行くから」

歩夢「うん、分かったよ」

ルビィ「ルビィがんばりましゅ」


 キュルルッ

 ブイーーーーン・・・・・・


────
──


 ブイーーーーン・・・

 キキッ


侑(よし、こないだと同じ場所でいいかな・・・・・・)

侑(歩夢とルビィちゃんで昨日は売れたみたいだから今日も売れるといいけど・・・・・・)


客「あら、今日は違う子が芋売りしてるのね」

侑「あ、いらっしゃいませ! そうなんです」


客「美味しかったからまた買いに来たの」

侑「ありがとうございます!」

侑「今ご用意しますね」


 ガサゴソ


侑「はい、どうぞ」 スッ


客「昨日の子にもよろしく伝えておいてね」

侑「はい! わかりました!」 ニコッ


侑(凄いなぁ、やっぱり良い品種のお芋と璃奈ちゃんが改良した釜の効果は大きいなぁ・・・・・・)


────
──



120: 名無しで叶える物語 2021/08/02(月) 19:04:44.10 ID:IBAsDmf5.net

 
 ピーーーーーーーーーー・・・・・・


ルビィ『いしやぁ~きいもぉ~ いしやぁ~きいもぉ~』

ルビィ『お、おいしいおいも・・・・・・ いかがでしゅか~・・・』

ルビィ『お・・・ おいも~ いしやきいもぉ~・・・・・・』


歩夢「ルビィちゃん、もう少し気楽に声を出せばハッキリと聞こえると思うよ?」

ルビィ「ごめんなさい・・・ ちょっと緊張してて・・・・・・」


客「おーい! 売ってくれ~」

歩夢「あ! お客さんだ」


 キキーッ


歩夢「ありがとうございます!」

客「何だか芋売りにしては貧弱な声だから逆に気になってしまったよ」

歩夢「まだ新人なもんで、修行中なんです」

ルビィ「も、申し訳ありません」 ペコッ


客「君の声だったのか、頑張ってくれよな!」 ニコッ

ルビィ「ひゃい! がんばります!」


 「おーい、こっちにも売ってくれ!」

歩夢「はーい!」


歩夢「お客さんが一杯集まってきたよ!?」

ルビィ「はわわ!」

歩夢「順番に並んで貰おうか」

ルビィ「は、はい!」


────
──



121: 名無しで叶える物語 2021/08/02(月) 19:14:19.42 ID:IBAsDmf5.net

歩夢「うわぁ~ 売り切れちゃった!」

ルビィ「あっという間に完売しましたね」

歩夢「もっとたくさん仕込んでくれば良かったね」


ルビィ「でも、こんなに売れるなんて・・・ ルビィたのしい!」 ニコッ

歩夢「うん、その心構えが大切だよ? ルビィちゃん」 ニコッ

ルビィ「はい! 歩夢師匠!」


歩夢「片付けでお家帰ろっか」

ルビィ「はい!」


────
──


~侑と歩夢とルビィの部屋~


 ギィッ

 バタンッ


侑「ただいま~・・・ ってあれ? もう帰ってきたの?」

歩夢「今日も完売だったよ」

ルビィ「売り切れました!」


侑「ええ~! ほんとに!? 凄いなぁ~!」

歩夢「そっちはどうだった?」

侑「こっちも完売だったよ。ほとんどが昨日のリピーターさんみたいだったね」

歩夢「そうなんだ~」


侑「両方で結構な売り上げになったんじゃない?」

歩夢「そうだね、ゆうぽむ芋店始めて以来最高の売上金額だよ」


侑「じゃあ今日は3人でパァッと外食でもしようか?」

歩夢「だめだめ! ちゃんとお金は貯めなきゃ」

侑「そ、そうだよね・・・・・・」


ルビィ「ルビィはお芋でも美味しく食べるよ?」

歩夢「ルビィちゃんがそう言ってるから今日もお芋ね」


侑「あーあ、せっかく美味いもの食べたかったのになぁ~」

歩夢「それはまた今度ね」


────
──



128: 名無しで叶える物語 2021/08/03(火) 19:39:00.06 ID:EX3i7ZNM.net

~約1か月後~


 ブゥウウウン・・・

 プスンッ


 ガチャッ


侑「ふぅ~、お疲れ~! 今日も完売だったね!」 ニコッ

歩夢「ルビィちゃんのおかげだよ~」

ルビィ「いえいえ、師匠のおかげでしゅ」 ニコニコ


侑「ルビィちゃんの固定客もかなり増えたし、ゆうぽむ芋店は安泰だよ」

歩夢「そうだね~、ダイヤさんには良質なお芋を無償で提供して貰えるし、以前の売れなかった頃が嘘のようだよ」



 ガラガラガラガラ・・・・・・


せつ菜「どうも~! お久しぶりです!」 ニコッ

侑「あ、せつ菜ちゃん! 久しぶりだね!」

せつ菜「璃奈さんに私の軽トラが侑さんのところにあるとお聞きしたので来てみました!」


歩夢「そういえば、修理のツケは大丈夫なの?」

せつ菜「先程、無事に完済して来ました!」 ペカー

侑「ええ!? 500万も!?」

せつ菜「はい!」


歩夢「どうやってこの短期間で稼いだの?」

せつ菜「リヤカーで関東一円を行商して歩いていたらあっという間に500万稼げました!」 ペカー

侑「凄いなぁ~、やっぱ芋学の生徒会長でなおかつ首席卒業だもんなぁ」

歩夢「さすがだね!」


せつ菜「では、私の軽トラを預かって頂いてありがとうございました!」 ペカー

侑「こちらこそ2台あると便利で助かったよ」

せつ菜「では、私は久しぶりに軽トラでお芋売りに行ってきますね!」 ペカー

侑「気をつけて!」


 キュルルッ

 ブイインッ


 ブゥウウウン・・・・・・・・・


歩夢「相変わらず飛ばすね~」


 ────ブオオオオオンッ

 ────キイイイッ


 ガッシャーーーーーーン・・・


侑「ええ!?」

ルビィ「け、軽トラが大破してりゅ・・・・・・」



129: 名無しで叶える物語 2021/08/03(火) 19:45:18.88 ID:EX3i7ZNM.net

────
──


侑「せつ菜ちゃーん! 大丈夫??」

せつ菜「私の軽トラがまた壊れてしまいました・・・・・・」 シクシク


歩夢「怪我はない?」

せつ菜「はい・・・・・・」 シクシク


侑「・・・・・・ あ、もしもし璃奈ちゃん? せつ菜ちゃんが事故起こしちゃって・・・・・・」

侑「うん、助けてあげて?」


侑「璃奈ちゃん来てくれるって」

せつ菜「ありがとうございます、侑さん」 ペコッ


歩夢「これもう、新しい軽トラ買わないとダメなんじゃない?」

せつ菜「はぁ、またリヤカーで軽トラの購入資金集めに回りますか・・・・・・」 ショボーン


侑「頑張ってね・・・ あはは」


────
──



130: 名無しで叶える物語 2021/08/03(火) 19:59:26.94 ID:EX3i7ZNM.net

 
 ブオオオオオオオオオ・・・・・・

 ガラガラ・・・


歩夢「あ、璃奈ちゃんのキャリアカーが来たよ」


 バタンッ


璃奈「せつ菜さん、大丈夫?」

せつ菜「はい・・・ 軽トラはこの通りです・・・・・・」 シュン

璃奈「これはもう廃車だね」

せつ菜「やはりそうですよね・・・・・・」


せつ菜「またリヤカー引いて稼ぎに行ってきます・・・・・・」 ショボン


璃奈「今までと同じ仕様がいいなら、新車代とカスタム費用合わせて800万円でいいから」

せつ菜「800万ですね、頑張ります・・・・・・」


せつ菜「では皆さん、ご機嫌よう・・・・・・」 トボトボ・・・


侑「行ってらっしゃーい」





歩夢「リヤカー引いて今度はどこまで行くんだろうね」

侑「結構遠いところまで行きそうだね・・・・・・」


────
──



133: 名無しで叶える物語 2021/08/03(火) 20:15:58.91 ID:EX3i7ZNM.net

~侑と歩夢とルビィの部屋~


侑「さて、せつ菜ちゃんの軽トラも返したからまた一台に戻っちゃったね」

侑「軽トラは2人しか乗れないから1人余っちゃうんだよなぁ・・・・・・」


歩夢「私達もリヤカー使おうか」

侑「うーん、それもいいかもね」


 コンコンッ


侑「はーい!」

歩夢「だれだろう?」


 ギィッ


ダイヤ「みなさん、ご無沙汰しておりますわ」

ルビィ「お、お姉ちゃん!」


ダイヤ「ルビィは頑張っておりますか? お師匠様方」

侑「あはは・・・ もうね、ルビィちゃんのおかげでお芋がうれてるようなものですよ」

歩夢「ルビィちゃんの固定客もかなりいるんですよ?」


ダイヤ「まぁ! そうですのね! ルビィ、頑張ってますわね~!」 ニコニコ

ルビィ「うん! 最近楽しいんだぁ」

ダイヤ「頑張ってるご褒美に何かプレゼントしようかしらね」


ルビィ「それなら軽トラが欲しい!」

ダイヤ「まぁ、そんなので良ければすぐ用意しますわよ?」

ルビィ「師匠も軽トラが一台しかなくて困ってるから役に立ちたいんだ!」


侑「ええ!?」


ダイヤ「じゃあ、すぐ用意しますわね!」

ルビィ「お姉ちゃんお願いね!」


 バタンッ


侑「す、凄いなぁ・・・・・・」

ルビィ「えへへ!」



137: 名無しで叶える物語 2021/08/03(火) 20:25:19.31 ID:EX3i7ZNM.net

 
 コンコンッ

 ギィッ


渡辺「どうも~、お久しぶり!」

侑「あれ? 渡辺さん!?」


渡辺「ダイヤさん来なかった?」

歩夢「ついさっき来ましたよ?」


渡辺「そうなんだ! ダイヤさんとトラック2台でお芋運びに来たんだけど、はぐれちゃったんだよね~」

渡辺「あ! 例の倉庫にお芋補充しておいたから」


ルビィ「ありがとう、曜ちゃん!」


渡辺「じゃあ私も帰るね!」

侑「ありがとうございました!」


ダイヤ「あ! 曜さん! 途中ではぐれたと思ったらやはりここに来ましたのね」

ダイヤ「曜さん、沼津に一度帰ったら軽トラに乗り換えてまた来ますわよ?」

渡辺「ええ!?」


侑「ええ!? もう?」

ダイヤ「よく考えたら、我が家で使っていない軽トラが一台余ってますの」

ダイヤ「それをルビィに使わせてください」


ルビィ「やった! ありがとう!」 ニコッ


渡辺「もう1往復なんてハードだなぁ・・・・・・」


────
──



139: 名無しで叶える物語 2021/08/03(火) 20:39:36.16 ID:EX3i7ZNM.net

~数時間後~


 コンコンッ

 ギィッ


ダイヤ「軽トラ持ってきましたわよ」

侑「ええ!? もう?」

ダイヤ「石焼き芋用の装備はありませんので、天王寺モータースさんに預けて改造して貰いますから、出来上がったら天王寺さんから受け取ってくださいね」


ルビィ「うん! 分かった」


渡辺「じゃ、帰るね~」

侑「渡辺さんもお疲れ様でした!」

渡辺「あはは・・・ これくらい平気平気」


歩夢「おふたりとも、少し休んで行かれたらどうですか?」

侑「あ、そうだね。狭くて申し訳ないけど」


ダイヤ「お言葉はありがたいですが、明日の仕事もあるので失礼させて頂きますわ」

ルビィ「お姉ちゃん、気をつけてね!」

ダイヤ「心配はご無用ですわ、帰りは曜さんが運転しますから」

渡辺「やっぱり私が運転するんだ・・・」


ダイヤ「運賃弾みますわよ?」

渡辺「お、それなら頑張る!」


ダイヤ「ではごきげんよう」


 バタンッ


 



143: 名無しで叶える物語 2021/08/03(火) 22:48:56.07 ID:EX3i7ZNM.net

歩夢「よかったね、ルビィちゃん!」

ルビィ「うん!」

侑「ダイヤさんから貰う軽トラはルビィちゃん専用で使いなよ、私達は今まで通りペアで売り歩くから」


ルビィ「え! ルビィ・・・ まだ1人では不安だよ・・・・・・」

歩夢「あれだけお客さん増えたんだから大丈夫だよ」 ニコッ

侑「そうだよ! 頑張ろう!」

ルビィ「うん・・・ 頑張ってみりゅ・・・・・・」


歩夢「あ、でも・・・・・・ 単独で売り歩くにはルビィちゃん石焼き芋免許持ってないんじゃない?」

侑「あ! そうか・・・ 私達は芋学卒業と同時に石焼き芋免許貰えるけど、ルビィちゃんは持ってないもんね・・・・・・」

歩夢「免許持ちの人と一緒に売るなら問題ないけど、1人となると免許ないとマズいよね」

侑「それなら、やっぱ歩夢がルビィちゃんとペアで売りに行くしかないよなぁ」


歩夢「石焼き芋免許って、芋学校卒業する以外にも取得できないのかな」

侑「たしか、協会で一発試験はあるはずだけど、普通は学校行って取るのが常識だからね」


歩夢「困ったね」

ルビィ「ルビィ・・・ その試験受けてみようかな・・・・・・」


侑「え!?」


歩夢「たしかに・・・、ルビィちゃんが夢を叶えるためには免許取らないとダメなわけだし、私は賛成だよ」

侑「やるだけやってみようか!」


ルビィ「うん! がんばりゅ!」



145: 名無しで叶える物語 2021/08/03(火) 23:05:56.03 ID:EX3i7ZNM.net

────
──


~翌日~


侑「よし、まずは当たって砕けろの精神で受けに行ってみよう」

歩夢「それで試験の傾向と対策ができるもんね」

ルビィ「ルビィ、まずは受けてみるね!」


────
──


~大日本石焼き芋協会~


侑「ここが協会か・・・ 初めて来たな・・・・・・」

歩夢「緊張するね・・・・・・」


侑「よし、入ってみよう・・・・・・」


 スタ スタ スタ・・・


衛兵「貴様ら、何者だ!」


ルビィ「ひいっ!」 ビクッ


侑「お台場地区で石焼き芋販売している高咲侑です!」 ビシッ

歩夢「同じく! 上原歩夢です!」 ビシッ


衛兵「免許を見せてみろ」


侑「はいっ!」 スッ

歩夢「どうぞ」 スッ


衛兵「いいだろう、通れ」

侑「ありがとうございます」


衛兵「もう1人は何者だ!」

ルビィ「ひいいいっ!」


侑「実は、今日はこの子に免許試験受けさせる為に来ました」

衛兵「はっはっは! 学校卒業以外で免許試験を受けるには協会幹部の推薦が無いと受験出来ないのを知らんのか!」


歩夢「ええ!?」

侑「そんなの、実質無理じゃん・・・・・・」

歩夢「学校に入り直すしかないんじゃ・・・・・・」


 「どうかしましたか?」


衛兵「副会長!」

衛兵「この身の程知らずの者が免許試験を受けたいなどどほざくものですから」


侑「あれ? 副会長??」

副会長「おや? 高咲侑さん! お久しぶりですね」

侑「どうしたの? こんなところで?」

副会長「私は今、大日本石焼き芋協会の副会長をやっております」

侑「そうだったんだ! だったらさ、副会長がこの子の推薦してくれないかな!」



146: 名無しで叶える物語 2021/08/03(火) 23:12:02.91 ID:EX3i7ZNM.net

副会長「して差し上げたいところですが、推薦は簡単に出来るものではありません」


侑「そんなぁ・・・・・・」 ガクッ

副会長「まぁ、高咲さんの場合は会長のご友人ですから、その子を無理矢理推薦してあげることもできないわけではないてすが・・・・・・」

侑「そこを何とか頼むよ」


副会長「あなた、名は何と申すのですか?」

ルビィ「はい! 黒澤ルビィです!」


副会長「何!? く・・・黒澤だと・・・・・・」


副会長「まさか・・・ あなた・・・・・・ 沼津の方ですか??」

ルビィ「はい! 沼津から来ました!」

副会長「や、やはり・・・・・・」


副会長「いいでしょう、受験を認めます!」

侑「ほんと!? ありがとう!」 ニコッ


副会長「衛兵! その方を試験会場に案内しなさい!」

衛兵「はっ!」 ビシッ


歩夢「よかったね、ルビィちゃん」 ニコッ

ルビィ「うん!」 ニコニコ


────
──



148: 名無しで叶える物語 2021/08/03(火) 23:34:32.00 ID:EX3i7ZNM.net

~試験会場~


ルビィ「ルビィ緊張してきた・・・・・・」 ドキドキ

歩夢「頑張ってね」


副会長「では、まずは学科試験から行いましょう」

副会長「高咲さんと上原さんは別室で待機していてください」

侑「うん、分かったよ」


副会長「黒澤さん、学科試験は1時間です」

副会長「1時間でこの問題を解いてください」

ルビィ「わ、わかりました・・・」


副会長「では、始め!」


ルビィ「ひゃい!」


────
──


侑「ルビィちゃん、大丈夫かな・・・・・・」

歩夢「今日は受からなくても、ますは受けてみる事が大事だよ」

侑「そうだね」


 ガラガラッ


侑「ん?」

侑「あ、副会長!」

副会長「今学科試験が始まりました。1時間です」

歩夢「そうなんだ」

副会長「学科に受かれば実技試験、そして実技も受かれば最終面接があり合格となれば免許が交付されます」

侑「大変なんだね」


歩夢「一発試験で免許取る人っているの?」

副会長「いませんね」

副会長「私が協会の副会長になったからは1人もいません」

侑「そうなんだ・・・・・・」


 ガラガラッ


上等兵「失礼します」

副会長「どうかしましたか?」

上等兵「会長から連絡がありまして、副会長への伝達でございます」 スッ

副会長「ご苦労」

上等兵「はっ!」 ビシッ

上等兵「失礼します」


 ピシャッ


副会長「何でしょう・・・・・・」 ピラッ

副会長「はぁ・・・・・・ またですか・・・・・・」

侑「どうしたの?」

副会長「どうもしません・・・・・・」



151: 名無しで叶える物語 2021/08/04(水) 00:43:18.78 ID:U69BS0cq.net

────
──


副会長「1時間です! 試験終了!」 ピーーー


ルビィ「はぁっ・・・ 疲れたぁ・・・・・・」

副会長「では、解答用紙を回収致します」 スッ


副会長「採点致しますので、このままお待ち下さい」

ルビィ「ひゃい!」





副会長「す、素晴らしい・・・ 80点で合格です!」


ルビィ「!?」

ルビィ「やったあ!」

ルビィ(えんぴつ転がして選択肢選んだだけなんだけどね・・・・・・)


副会長(やはり・・・ この方は・・・・・・)

副会長(こんな問題・・・ 私ですら解けないのに・・・・・・)


副会長「次は実技試験です」

ルビィ「ひゃい!」


副会長「衛兵!」

衛兵「はっ!」 ビシッ


副会長「この方を実技試験会場までご案内なさい」

衛兵「はっ!」 ビシッ


衛兵「では、ご案内致します」

ルビィ「お願いしましゅ」


────
──



153: 名無しで叶える物語 2021/08/04(水) 00:55:53.35 ID:U69BS0cq.net

~実技試験会場~


副会長「お待たせ致しました」


 ガラガラガラガラ・・・


衛兵「これでよろしいでしょうか」

副会長「ご苦労」


ルビィ「こ、これは・・・」

副会長「現在ではほとんど使う方はいませんが、リヤカーを引いて売りに出るのは基本中の基本」

副会長「これで販売の実技をして頂きます」

ルビィ「わかりましたぁ!」


副会長「協会の入り口を出て左の方に行くと住宅街がありますので、そこで1時間以内に完売させてください」

ルビィ「で、できるかなぁ・・・・・・」

副会長「不正がないよう、私も同行致します」


ルビィ「よろしくおねがいします!」


────
──



157: 名無しで叶える物語 2021/08/04(水) 07:36:13.10 ID:U69BS0cq.net

ルビィ「ルビィ、こんな重そうなの引けるかなぁ・・・・・・」

副会長「では、開始します! 始め!」 ピーーー


ルビィ「はいっ!」


ルビィ「よいしょっ・・・」 グイッ

ルビィ「あ、動いた!」


 ガラガラガラガラ・・・


ルビィ「意外と簡単かも!」


 ガラガラガラガラ・・・・・・


副会長「協会の正門を抜けたら左に曲がってくださいね」

ルビィ「はい!」


 ガラガラガラガラ・・・・・・






ルビィ「あ、住宅街が見えてきた!」

副会長(ここは協会の職員やその家族が住む住宅街・・・ 石焼き芋に食べ慣れた職員はそう簡単にはなびきませんよ・・・・・・)


ルビィ「いし やぁ~きいもぉ~・・・ いし やぁきいもぉ~・・・」

副会長(ほぅ・・・ 早速客引しますか・・・ ですが、軽トラに装備されたスピーカーと違い、地声ならもっと大きな声を出さないと聞こえませんよ?)

副会長(そんな細々とした声では・・・・・・)


副会長(・・・・・・ん? こ、これは・・・・・・!?)


ルビィ「お芋いかがですかぁ~ 美味しいお芋いかがですかぁ~」


客「あら、なんか聞いた声がすると思ったら商店街で芋売りしてる子じゃないの」

ルビィ「あ! お客さん!」 ニコッ

客「今日はここまで来たの?」

ルビィ「はい! 色々ありまして!」 ニコッ

客「買いに行く手間が省けて良かったわ」 ニコッ


客「じゃあ、今日は10人分お願いするわね」

ルビィ「そ、そんなに! ありがとうございます!!」


 ガサゴソ・・・・・・


ルビィ「どうぞ!」 スッ

客「ありがとね」 ニコッ

ルビィ「またお願いします!」 ニコッ


副会長(さ、早速・・・・・・ しかも大口購入とは・・・・・・)


おっさん「お、やっぱり商店街で売ってるルビィちゃんの声だったか」

ルビィ「あ! おじさんもいつもありがとう!」

おっさん「いつも通り売ってくれるかな」

ルビィ「はい!」



158: 名無しで叶える物語 2021/08/04(水) 07:48:22.64 ID:U69BS0cq.net

おっさん「なんかルビィちゃんの声が聞こえたような気がしたんだよなぁ~」

ルビィ「そうなんですか」


ルビィ「はい、どうぞ」 スッ

おっさん「たまにこっちにも売りに来てくれよな!」 ニコッ

ルビィ「はい!」


副会長「んん!?」


 ・・・・・・ゾロゾロ

 ・・・・・・ワイワイカヤガヤ


副会長「な、なん・・・・・・ だと・・・・・・?」


ルビィ「あ! いつものお客さん達がたくさん!」

ルビィ「いらっしゃいませ!」 ニコッ


副会長「ば・・・ 馬鹿な・・・・・・ お芋が売り切れてゆく・・・・・・」 ワナワナ





ルビィ「ああっ・・・ なくなっちゃったよ・・・・・・」

ルビィ「す、すみません・・・ 今日は売り切れました・・・・・・」

客「あちゃー 残念だなぁ」

客「今度はもっと早く買いにくるよ」

ルビィ「申し訳ありましぇん・・・・・・」 ペコッ



副会長「時間内完売ですね・・・・・・ 実技も合格です・・・・・・」

ルビィ「はいっ!」


副会長「協会に戻りましょう」


 ガラガラガラガラ・・・


 



163: 名無しで叶える物語 2021/08/04(水) 20:02:01.93 ID:U69BS0cq.net

────
──


~協会内・控え室~


 ガラガラッ


侑「ん?」

侑「あ! ルビィちゃん!」

歩夢「ルビィちゃん、試験どうだったの!?」


ルビィ「あのね! 学科も実技も合格したよ!」 ニコッ


侑「ほんと!?」

歩夢「す、凄いね!!」


侑「これ、このまま1発合格もあり得るんじゃない?」

歩夢「だよね! 凄いなぁ~」

侑「副会長も1発合格で免許とった人は見たことないって行ってから快挙だよ!」


歩夢「あとは最終面接だっけ?」

ルビィ「うん! そうだね」


侑「面接かぁ~、どういうこと聞かれるのかなぁ・・・・・・」

歩夢「まぁ、一般的な面接と同じだと思うけどね」

侑「ルビィちゃんなら問題無くクリア出来るよ!」

ルビィ「うん! 頑張る!」 ニコッ


 ガラガラッ


副会長「失礼します」

副会長「黒澤さんの最終面接の用意が整い次第お呼びしますのでもう少々こちらでお待ち下さい」


ルビィ「はい!」


侑「ねぇ、副会長。こんなこと聞くのもどうかと思うけど、最終面接って何するの?」


副会長「それは言えません」

副会長「言ってしまったら試験になりませんからね」


侑「あはは・・・ ですよね~・・・」


副会長「では、後ほど」 ペコッ


 ピシャッ


歩夢「どうなっちゃうのかなぁ・・・・・・」

侑「普通の面接とは違う覚悟で臨んだほうが良さそうだね」

ルビィ「うん、そうだよね」


────
──



164: 名無しで叶える物語 2021/08/04(水) 21:58:53.36 ID:U69BS0cq.net

 ガラガラッ


副会長「お待たせ致しました」

副会長「最終面接を行いますのでこちらの部屋へどうぞ」


ルビィ「は、はい!」


 ピシャッ


 スタ スタ スタ・・・・・・


 ガラガラッ


副会長「ではこちらへお掛けください」

ルビィ「はいっ!」 スッ


副会長「本来であれば最終面接は会長も同席で行うのですが、会長は今出席できないので私が面接を行います」

ルビィ「よろしくお願いします!」


副会長「まずは簡単に自己紹介してください」

ルビィ「はい!」


ルビィ「黒澤ルビィです! 静岡県沼津市内浦出身です!」

ルビィ「好きな食べ物は、ポテトフライです!」


副会長(ほぅ・・・ 石焼き芋の免許を取りに来ているのに、嘘でもさつまいもと言っておけばいいものをジャガイモを使うポテトフライが好きと言うとは・・・・・・)

副会長(なかなか度胸がありますね・・・・・・)


副会長「免許を取得したい動機は?」

ルビィ「ゆ、夢だったからです!」


副会長「それであれば、芋学校に通えばよかったのではないですか?」

ルビィ「さ、最初は・・・ 内浦にあった芋の星女学院に入学したんですけど、廃校になってしまいまして・・・・・・」

副会長「なるほど、それでも夢を諦め切れずに免許を取りに来たわけですか」

ルビィ「はい!」


副会長「免許を取得してからしたいことはありますか?」

ルビィ「はい! 石焼き芋をたくさん売りたいです!」


副会長(ほう・・・ ここまでピュアな目的を持つ者とは希少だ・・・・・・ 大抵は不純な動機があるものだ・・・・・・)



166: 名無しで叶える物語 2021/08/04(水) 22:14:24.79 ID:U69BS0cq.net

副会長「最後の質問になります・・・・・・」

ルビィ「はい・・・」


副会長「・・・・・・あなたは処女ですか?」

ルビィ「ん? 処女って何でしゅか?」


副会長「!?」


副会長「いいでしょう・・・・・・」

副会長「最終判断を会長に仰ぎますので少々お待ちを・・・・・・」


副会長「・・・・・・」 Prrrr・・・


副会長「あ、会長ですか? ええ、ただいま最終面接中です」

副会長「はい、学科も実技も合格されました」

副会長「はい、最終面接も問題ないかと・・・・・・」


副会長「はい、では私が決定してもよろしいわけですね?」

副会長「はい、お忙しい中すみませんでした」


 プツッ


副会長「お・・・ お待たせしました・・・・・・」

副会長「免許を交付致しましょう」


ルビィ「やったぁ!」

ルビィ「ありがとうございます!」


副会長「免許証を作成しますので、またしばらく控え室でお待ちください」

ルビィ「はい!」


────
──



167: 名無しで叶える物語 2021/08/04(水) 22:20:00.30 ID:U69BS0cq.net

~控え室~


 ガラッ


ルビィ「師匠! やりました!」 ニコッ

侑「あ! ルビィちゃん!」

歩夢「受かったの?」


ルビィ「免許証を交付してくれるって!」

侑「やったー! これで晴れて芋売りができるね!」

歩夢「ルビィちゃんおめでとう!」


侑「免許証は今日貰えるのかな?」

ルビィ「そうみたい!」


歩夢「あ、そういえば・・・ 免許証取得の料金とか払わなくて大丈夫なのかな?」

侑「ルビィちゃん、特に何も言われてないよね?」

ルビィ「はい、何も聞いてないでしゅ・・・・・・」


歩夢「まぁ、請求されたら払えばいいしね」

侑「最近はルビィちゃんのおかげで資金も余裕あるから多分払えるよ」


────
──



168: 名無しで叶える物語 2021/08/04(水) 22:35:40.02 ID:U69BS0cq.net

 
 ガラガラッ・・・


副会長「お待たせ致しました」

副会長「これが免許証になります」 スッ


ルビィ「ありがとうございます!」


副会長「頑張ってくださいね」 ニコッ


侑「あの、副会長」

副会長「高咲さん、どうかしましたか?」

侑「免許交付の料金とかは掛からないの?」


副会長「料金は掛かりません」

副会長「ですが、規定により数日程度の初心者講習を受けて頂きます」

歩夢「へぇ~、そんなのがあるんだね」

副会長「今日から泊まり込みで講習に入って頂きますので」

侑「え? 今日から!?」

副会長「当然です、石焼き芋売りの道というものは険しいものなのです」

ルビィ「ルビィ頑張ります!」


副会長「では早速、協会内の宿直室をお貸ししますので」


侑「ルビィちゃん、終わったら迎えにくるから」

ルビィ「はい! 終わったら連絡します!」

歩夢「私達帰るから頑張ってね!」 ニコッ





副会長「ちなみに、私も一緒に宿泊して初心者講習の講師を務めたいと思います」

ルビィ「よろしくお願いします!」


────
──



171: 名無しで叶える物語 2021/08/04(水) 22:49:51.29 ID:U69BS0cq.net

副会長「今日は講習はありませんので、明日からの講習に備えてゆっくり休んでください」

ルビィ「はい!」

副会長「食事の用意が出来たら呼びますから、宿直室で休んでいてください」

ルビィ「わかりました!」


ルビィ「わーい、ごはん何かなぁ・・・・・・」

副会長「石焼き芋協会なんですから食料は石焼き芋しかありませんよ?」

ルビィ「そ、そうなんだ・・・・・・」


副会長「最高の贅沢なんですからわがままはいけませんよ?」

ルビィ「はい、すみません・・・」


副会長「あと、私の副会長特権で建設させた大浴場を使って頂いて構いませんよ?」

ルビィ「そんなのあるの!? わーい!楽しみ!」 ニコニコ


副会長「広いだけでただのお風呂ですけどね」

ルビィ「師匠の家だとドラム缶に水入れて沸かすお風呂しかないから狭いんだぁ」

副会長「そうでしたか、では私の大浴場を存分に満喫してください」 ニコッ


────
──



174: 名無しで叶える物語 2021/08/05(木) 06:40:54.53 ID:2C7xpOE2.net

~副会長の大浴場~


ルビィ「うわぁ~! 広いお風呂だねぇ~!」

副会長「ふふふっ! ゆっくりして下さいね」 ニコッ


ルビィ「なんか楽しいなぁ~」 ニコニコ

副会長「楽しいのは結構ですが、明日からの講習は厳しいですからね?」 ニコッ

ルビィ「はい! 頑張ります!」


ルビィ「・・・って、副会長さんも一緒に入るんでしゅか?」

副会長「ん? そりゃ私のお風呂ですからね」

ルビィ「たしかに広いからたくさんの人が入れるもんね」 ニコッ


────
──


ルビィ「んしょ・・・ んしょ・・・」 ゴシゴシ・・・

副会長「黒澤さん、体洗うのお手伝いしましょうか?」


ルビィ「へ? 大丈夫だよ?」

副会長「まぁまぁ、遠慮せずに」 ニコニコ

副会長「私が体を洗ってあげると出世するって評判なんですよ?」 ニコニコ

ルビィ「へ~、凄いですね」

副会長「黒澤さんも私が毎日体を洗ってあげたらいきなり出世するかもしれませんね!」 ニコッ

副会長「そうですね~、私専属の秘書とかいいかもしれませんね!」 ニコニコ

ルビィ「うわぁ~ 秘書とかかっこいいなぁ」


副会長「では、洗いますよ~!」 ニコニコ


 ガラガラッ


上等兵「副会長!!」


副会長「ちっ・・・」 イラッ

副会長「なんですかいきなり!! 入浴中ですよ!」


上等兵「ひぃっ! すみません!」 ビクッ

上等兵「会長から連絡がありまして、取り急ぎ副会長にお繋ぎするよう言われました・・・・・・」


副会長「会長が??」

副会長「仕方ないですね・・・・・・」


副会長「あ、黒澤さん、洗わないで待っててくださいね」 ニコッ

ルビィ「え?」


副会長「────あなた、お名前は?」

上等兵「────はい! 私は・・・・・・」

副会長「そうですか、ではあなたは私の入浴を妨害したということで降格処分です」

上等兵「そ、そんなぁ・・・・・・」


ルビィ「早くお湯に浸かりたいから自分で洗おうっと」


 ゴシゴシ・・・

 



175: 名無しで叶える物語 2021/08/05(木) 06:56:42.60 ID:2C7xpOE2.net

────
──


 バッシャーン


ルビィ「ふぅ~・・・」


ルビィ(うわぁ~ 広いお風呂は快適だなぁ~)

ルビィ(侑師匠も歩夢師匠も一緒に泊まってお風呂入れたたらいいのに・・・・・・)


ルビィ「・・・・・・・・・・・・」


ルビィ(お風呂熱いでしゅ・・・・・・)

ルビィ(もう出よう・・・・・・)


 ジャバッ


────
──


 ガラガラッ


副会長「黒澤さん! 大変お待たせしました!」

副会長「綺麗に隅々まで洗っていきますよ~!」 ニコニコ


副会長「あれ?」

副会長「・・・・・・」 キョロキョロ


副会長「く、黒澤さん!?」


副会長「お風呂から上がってしまいましたか・・・・・・」 ガクッ


────
──



176: 名無しで叶える物語 2021/08/05(木) 07:17:37.94 ID:2C7xpOE2.net

~宿直室~


 コンコンッ


ルビィ「はーい」


 ガチャッ


副会長「黒澤さん、先程は体を洗って差し上げられなくてすみませんでした」

ルビィ「ルビィ一人で洗えるから大丈夫だよ」


副会長「ではまた明日にでも洗いますので・・・ いや、またお風呂に入りたくなったら今日でもいいですからね?」

ルビィ「今日はもう入らなくて大丈夫です!」


副会長「そ、そうですか・・・・・・」


副会長「あ、あとこの宿直室は本来夜間勤務する職員の為の部屋なのですが、夜勤する職員用の宿舎は別に建設したのでこの部屋はご自由に使ってくださいね」

ルビィ「はい!」


副会長「では就寝する用意しましょうか・・・・・・」

ルビィ「ありがとうございましゅ」


副会長「押し入れの中に布団がありますので・・・・・・」


 スーッ


副会長「よいしょ・・・」

ルビィ「手伝いますか?」

副会長「大丈夫です・・・・・・ 2人分くらい簡単ですので・・・・・・」


ルビィ「えっ! 副会長さんもこの部屋に泊まるの?」

副会長「ん? 当然ですよ?」


ルビィ「そうなんだ・・・ まぁ、師匠の家では四畳半に3人で寝てるから、それに比べたら広いかも!」


副会長「さ、3人で寝てる!? 」 ビクッ

副会長「ま、まさか・・・・・・ 高咲さんあたりに夜中にいたずらとかされてませんよね・・・・・・」


ルビィ「そんなことは一度もないよ」

ルビィ「たまにルビィが夜中に目を覚ますと、侑師匠と歩夢師匠が裸で何かしてる時あるけど・・・・・・」


副会長「そ、そうなんですか~!」



177: 名無しで叶える物語 2021/08/05(木) 07:28:57.16 ID:2C7xpOE2.net

────
──


副会長「さて、布団も敷きましたし、明日も講習で早起きしますのでもう就寝しましょう」

ルビィ「はい!」


 スルスルッ

 パサッ


ルビィ「え? 副会長さんなんで脱いでるの?」

副会長「え? 協会では裸で就寝するのが常識ですけど(嘘)」

ルビィ「え~!」


副会長「黒澤さんはいきなり免許取ったからわかりませんよね」

副会長「そういう協会内の常識についても講習で学んでいきましょう」


副会長「あ、あと・・・ いきなり裸が恥ずかしい時は下着でも結構です」

ルビィ「はい!」


副会長「どれどれ・・・・・・ 電気消して就寝しましょう・・・・・・」


 コンコンッ


上等兵「副会長!」


副会長「なんですかぁ!」

上等兵「は、はいっ!」 ビクッ

副会長「簡潔に述べてすぐ去りなさい!」

上等兵「会長からご連絡がありまして、大至急ご対応願います・・・・・・」


副会長「か、会長が!?」


副会長「黒澤さん・・・ ちょっと仕事してきますね・・・・・・」

ルビィ「はい!」


副会長「兵士! すぐ行きますので先に行ってなさい!」

上等兵「はっ!」


副会長「ったく・・・・・・」 ブツブツ・・・


 ガチャッ

 バタンツ


ルビィ(ルビィ、下着だと寝づらいからやっぱりパジャマ着ようっと・・・・・・)


ルビィ(おやすみ~・・・・・・)

ルビィ「すぅ・・・ すぅ・・・」 Zzz・・・



180: 名無しで叶える物語 2021/08/05(木) 19:35:44.24 ID:2C7xpOE2.net

────
──


~指令室~


 ガチャッ


副会長「ったく、会長がどうしたんですか?」 イライラ

上等兵「はっ! 会長からお電話でございます」


副会長「はぁ? 電話の用件くらい会長からお聞きして私に伝達すればいいじゃないですか!」 バンッ


上等兵「ひいっ・・・」 ビクッ


副会長「どれ、会長に代わります・・・ 受話器を!」

副会長(せっかくいいところだったのに・・・・・・)


上等兵「はっ!」 スッ


副会長「会長? いかがなさいましたか?」

副会長「はい・・・ はい・・・ かしこました」

副会長「至急用意させますので」


副会長「はい・・・・・・」

副会長「え!? 私だけが頼りだなんてそんな・・・・・・」 ドキッ


副会長「わたくしにお任せください」


 プツッ


副会長「そこの兵士」

上等兵「はっ!」 ビシッ


副会長「会長は現在北陸地方にいらっしゃるようなので、大至急最寄りの支部から最高級のお芋を大型トラック1台分用意させなさい」

上等兵「はっ!」 ビシッ


副会長(はぁっ・・・ 会長・・・・・・ かれこれ1ヶ月ちかくお会いしてませんけど・・・ 早く帰ってきてくださいね・・・・・・) ドキドキ・・・



副会長(でも、何のために・・・・・・)


副会長「はっ!?」


副会長(慈悲深い会長の事だから・・・ 平民にお芋を配って回られているんだ・・・・・・)

副会長(極秘でこのような任務をなさるとは・・・ さすが会長・・・・・・)


────
──



181: 名無しで叶える物語 2021/08/05(木) 19:43:45.00 ID:2C7xpOE2.net

~宿直室~


 ガチャッ


副会長「すみません黒澤さん・・・ お待たせしました・・・・・・」


ルビィ「すぴー・・・ すぴー・・・」 Zzzz・・・


副会長(えっ!? もう寝てる!?)

副会長(寝込みを襲うのは私の趣味ではありませんしね・・・・・・)


副会長(それより・・・ 今日は会長に頼られたので満足です・・・・・・)

副会長(私ももう寝ましょう・・・・・・)


 モゾモゾ


副会長「・・・・・・」 Zzz・・・・・・


────
──



182: 名無しで叶える物語 2021/08/05(木) 20:11:16.18 ID:2C7xpOE2.net

~翌朝~


ルビィ「んんっ・・・・・・」 パチッ

ルビィ「あれ? ここ何処?」 キョロキョロ・・・


ルビィ(あ、免許取ったから講習があるんだった・・・・・・)


副会長「すやすや・・・・・・」 Zzz・・・・・・

副会長「んんっ・・・ 会長・・・ だめです・・・・・・ むにゃむにゃ・・・・・・」 Zzz・・・・・・


ルビィ(あ、副会長さんまだ寝てる・・・・・・)

ルビィ(まだ早い時間だし、ルビィ二度寝しようかなぁ・・・・・・)


副会長「ん・・・?」 パチッ

副会長「く、黒澤さん・・・ 起床されてましたか・・・・・・」

副会長「私の方が遅く起床してしまうとは実に情け無い・・・・・・」 ムクッ


ルビィ「講習って何するんでしゅか?」

副会長「一発試験で免許を取得した人向けの講習カリキュラムは決まっておりまして、それに基づいて行うんですけどね・・・・・・」

副会長「実は私もその過程は頭に入っていないのでマニュアルを読みながら実行したいと思います」

ルビィ「そうなんですね」


副会長「まずは朝食を取りましょう」

ルビィ「わぁい、お腹すいた~!」 ニコッ


ルビィ「あ、石焼き芋しかないんだったぁ・・・・・・」

副会長「黒澤さん、石焼き芋免許を取ったならば、一生石焼き芋以外を食さない覚悟は必要ですよ?」

ルビィ「そ、そうなんですね・・・・・・ 甘かったでしゅ・・・・・・」


副会長「今、用意させますので」

ルビィ「ありがとうございます」


────
──



184: 名無しで叶える物語 2021/08/05(木) 21:21:19.10 ID:2C7xpOE2.net

副会長「朝食ですが、我々の分を兵士に持って来させてもいいのですが、せっかくですから黒澤さんの勉強も兼ねて見学に行きましょう」

ルビィ「はいっ」


副会長「芋焼当番がさつまいもを焼いていますので、それを見てみるのも良い勉強になると思います」

ルビィ「わかりました」


────
──


~調理室~


 ガラガラッ


副会長「芋焼当番! 今朝の焼加減はどうかね」

芋焼当番「はっ! バッチリであります!」


副会長「どれ、たまには私がチェックしてみましょうか・・・・・・」

芋焼当番「あ、ありがとうございます・・・・・・」


副会長「!?」

副会長「ん? なんだこの石焼き釜は・・・・・・ 手入れを怠っているのか?」

芋焼当番「も、申し訳ありません・・・・・・」

副会長「歯を食いしばれぇ!」


 ペチッッ


芋焼当番「うっ・・・」

副会長「なんで私に叩かれたかわかるか?」

芋焼当番「手入れを怠ったからです・・・・・・」


副会長「馬鹿者!」


 ペチッ


副会長「手入れを怠った釜で焼いたお芋は最高の焼加減に仕上がらない・・・・・・」

副会長「それではお芋とお芋農家の方に申し訳無いと思わないのか!」 クワッ

芋焼当番「申し訳ありません!」 ペコッ


副会長「もし今後また怠ることがあれば、貴様は降格処分だ」

芋焼当番「気をつけます!」 ビシッ


副会長「・・・・・・」 チラッ

副会長(黒澤さんに私の威厳があるところをアピール出来たかな?) ニヤニヤ


ルビィ(大日本石焼き芋協会・・・ こ、怖いよぉ・・・・・・) ビクビク・・・


────
──



185: 名無しで叶える物語 2021/08/05(木) 21:36:55.15 ID:2C7xpOE2.net

副会長「少々焼加減に納得がいきませんが、これを食さないのもまたお芋とお芋農家の方に失礼です」

ルビィ「はい!」


副会長「どうぞ」 スッ

ルビィ「いただきまぁす」


ルビィ「はむっ・・・」 モグモグ・・・


ルビィ「!?」

ルビィ「お、美味しいでしゅ・・・」


副会長「そう言って頂けるとありがたいですね」 ニコッ

副会長「でも、もっと美味しく焼けるはずなんですよ・・・ このお芋ならば」


ルビィ「はむっ・・・ んむっ・・・」 モグモグ

ルビィ「そ、そうなんでしゅね・・・・・・」





副会長「食べ終えて少し休憩したら、お芋農家さんへ見学に行きましょう」

ルビィ「はいっ」


副会長「その前に、大浴場で汗を流してからでもいいですよ?」

ルビィ「いえ、大丈夫でしゅ」


副会長「そ、そうですか・・・ ではまた今夜・・・・・・」


────
──



189: 名無しで叶える物語 2021/08/05(木) 22:01:57.61 ID:2C7xpOE2.net

副会長「では、講習の一環でお芋農家へ見学に参ります」

副会長「見学に伺う農家は私の判断で決定致しました」

ルビィ「はいっ!」


副会長「いま、車を用意させますので少々お待ちください」

ルビィ「ありがとうございます!」


 ブウウウウウン・・・

 キイイッ


兵士「副会長、お待たせ致しました!」 ビシッ

副会長「ご苦労」


ルビィ「この軽トラは何ですか??」

副会長「これはかつて私が現役時代に使っていた軽トラです」 ドヤァ


ルビィ「か、かっこいい・・・・・・」 キラキラ・・・


副会長「えっ!? 黒澤さん・・・ この軽トラの良さが分かりますか??」 ドキッ

ルビィ「凄くかっこいいでしゅ!」 ニコッ


副会長「おお・・・ さすが黒澤さん・・・・・・ 芋族の血筋を引く家系のお方なだけのことはある・・・・・・」 ジーン


副会長「この私の軽トラの素晴らしさを褒めて下さったのは、会長と黒澤さんだけです」 ウルウル


副会長「では参りましょう、お乗り下さい」


 バタンツ


ルビィ「副会長さんが運転するんですか?」

副会長「はい、黒澤さんにいいところを見せたい・・・ ん゛んっ! ゲフンゲフン・・・ 失礼・・・・・・ 私も現役を離れて結構経ちますが、今でも現役の血が騒ぐものですからね」 ニチャア


ルビィ「しゅごい! カッコいい!」


副会長「えっ!」 ドキッ


副会長「と、とりあえず参りましょう・・・・・・」 ドキドキ


 キュルルッ

 ブウンッ


────
──



191: 名無しで叶える物語 2021/08/06(金) 00:45:28.45 ID:QlyqhqRT.net

 
 ブウウウウウン・・・・・・


ルビィ「ど、どこまで行くんでしゅか?」

副会長「少し遠いです」

副会長「途中休憩したくなったら言って下さいね」 ニコッ

ルビィ「分かりました」





 ブウウウウウン・・・


ルビィ「あ、あの・・・ 副会長さん・・・ ルビィ、おトイレいきたい・・・・・・」 ソワソワ・・・

副会長「わ、分かりました!」


副会長「えーと、トイレがあるお店にでも寄りましょうかね・・・・・・」

ルビィ「あ! 今コンビニがあったよ」


副会長「え? 見逃してしまいました! すみません・・・・・・」


副会長「・・・あっ! 何やら休憩という看板が!」

副会長「あそこだとトイレもきっとあるでしょう」


 キキーッ


ルビィ「ひゃあ!」 ビクッ

副会長「ああ、すみません! 急ブレーキ踏んでしまいました」

副会長「そのまま曲がりますよ~!」


 キュオオオッ


ルビィ「え? ここにはいりゅの?」


 ブウンッ・・・

 ノロノロ・・・・・・


副会長「えーと・・・ どの部屋がいいかなぁ・・・・・・」

ルビィ「え? 休憩と宿泊って書いてあるよ?」

ルビィ「今日はここに泊まりゅの?」


副会長「黒澤さんがそれでもよろしいならここに泊まりましょうか?」 ニコッ

ルビィ「そ、それよりトイレぇ・・・・・・」 ソワソワ


副会長「・・・あら、よく見たらこのホテル営業してないじゃないですか!」 チッ


副会長「仕方ないからコンビニ行きますか・・・・・・」

ルビィ「早くして~」 ソワソワ



193: 名無しで叶える物語 2021/08/06(金) 01:06:24.75 ID:QlyqhqRT.net

────
──


ルビィ「ふぅ~ 危なかったぁ・・・・・・」 ホッ

副会長「せっかくチャンスだったのに・・・・・・」 ブツブツ・・・


ルビィ「どうしましたか?」

副会長「いえ・・・ 休憩のところで休憩にならない休憩をしたかったものですから・・・・・・」

ルビィ「ん?」


副会長「まぁ、仕方ありませんから目的地に向かいますよ?」

ルビィ「はい!」


 ブウウウウウン・・・・・・


────
──


ルビィ「随分遠くまで来ましたね」

副会長「間もなく着きます」

ルビィ「楽しみだなぁ・・・・・・」


 キキーッ


副会長「ここです」

副会長「軽トラからおりて下さい」


 ガチャッ


しずく「こんにちは、お待ちしておりました」

副会長「ああ、わざわざ出迎えてくれるとはすみませんね」

しずく「突然見学されたいなんてご連絡頂いたので驚きましたよ」


ルビィ「こんにちは!」

しずく「こんにちは」 ニコッ


副会長「黒澤さん、こちらはここの農場の桜坂さんです」

しずく「桜坂しずくです」 ペコッ

ルビィ「黒澤ルビィです!」 ペコッ


副会長「桜坂さん、こちらの黒澤さんは一発試験で石焼き芋免許を取得したんですよ?」

しずく「え!? そんなことが可能なんですか??」

副会長「可能にしてしまったんです・・・ 黒澤さんは」

しずく「凄いですね! 素晴らしい石焼き芋屋になれそうです!」 ニコッ

ルビィ「えへへ・・・ ありがとうございましゅ」 ニコニコ



195: 名無しで叶える物語 2021/08/06(金) 07:02:56.25 ID:QlyqhqRT.net

副会長「黒澤さん、桜坂さんは私が芋ヶ咲学園に通っていた時の1学年後輩で、国際芋学科で学ばれておりました」

ルビィ「へぇ~、凄いですね~」

桜坂「いえいえ、そんな大したものではありませんよ」


副会長「そしてその時学んだ知識を活かして桜坂さん独自の品種を生産されているんです」

ルビィ「独自の品種!?」

副会長「はい、私も何度か頂いたことがありますが、とても美味しいのですよ」

ルビィ「そうなんだ!」

桜坂「でも、大量生産できないので普及させるにはまだまだ研究が必要なんですけどね・・・ あはは」


副会長「それについては、協会の方で惜しまず協力すると言ってるじゃないですか」

桜坂「いえ、何とか自らの手でなしあげたいですので」


副会長「き、聞きましたか、黒澤さん・・・」 ウルウル

副会長「素晴らしい芋精神だと思いませんか! ううっ
・・・・・・」 シクシク

黒澤「凄いでしゅ」

桜坂「あはは・・・ そんな褒めて頂くほどのものではありませんよ・・・・・・」

副会長「そんなご謙遜を・・・・・・」


副会長「そして桜坂さんは芋売りとしても一流でして、そのいやらし・・・ ん゛っ・・・ ゴホンッ・・・・・・ 失礼・・・、その美しい声で客引をするとおっさん達がぞろぞろ集まってきて瞬時に完売するんです」

桜坂「あはは・・・・・・」

黒澤「瞬時になんて・・・ す、凄い・・・・・・」


副会長「まぁ性質は違うにしても、黒澤さんと同じようなタイプですかね」

黒澤「そうなんでしゅか・・・・・・」


副会長「では、芋畑でも見学しましょう」

黒澤「はい!」


桜坂「私は販売の仕込みがあるのでご自由にご覧下さい」

副会長「ありがとうございます」 ペコッ

ルビィ「ありがとうございます」 ペコッ



196: 名無しで叶える物語 2021/08/06(金) 07:21:50.54 ID:QlyqhqRT.net

────
──


ルビィ「うわぁ~ 広いなぁ~」


副会長「これでもまだ狭いですね、桜坂さんの品種を普及させるには単純に畑の面積が広くして、従業員でも雇えば解決なのですがね」

ルビィ「美味しいお芋ならみんなに食べてもらいたいよね!」 ニコッ


副会長「なので、再三に渡って桜坂さんの農場の周辺の土地を協会で買い占めてお貸しすると言っているんですけどね・・・・・・」

副会長「なかなか応じてくれないんです・・・・・・」 シュン

ルビィ「え~、そんな凄い話なら貸して貰えばいいのに」


副会長「もちろん良質な品種の普及に関わるので土地の賃借料などは要らないと言っているんです・・・・・・」 ハァッ

ルビィ「もったいないなぁ~」


副会長「さて、そろそろ桜坂さんの作業場に戻りましょう」

ルビィ「はい」


────
──


副会長「桜坂さんありがとうございました」

ルビィ「ありがとうございました」


しずく「いえいえ、私は何もしていませんし、見学なんていつでもいらして下さい」 ニコッ

副会長「そうですね、またこちらの方まで来たら寄りますよ」 ニコッ


副会長「それと、協会に私の特権で素敵な大浴場を作ったんですよ、桜坂さんも入浴しにいらして下さいね」 ニコニコ

しずく「それはお断りしておきますね」 ニコッ


副会長「では黒澤さん、帰りましょう」

ルビィ「はい!」


 ブオオオオオオオオ・・・・・・

 プスンッ


ルビィ「ん?」

渡辺「いやぁ~ こんにちは! しずくちゃん!」 ニコニコ

しずく「あ、渡辺さん、またいらして下さったのですね」 ニコッ

渡辺「仕事のついでにね~!」


渡辺「しょうがないから、今日も石焼き芋1キロ買っちゃおっかなぁ~」


ルビィ「曜ちゃん!」

渡辺「ん?」

渡辺「ルビィちゃん? なんでここに?」



197: 名無しで叶える物語 2021/08/06(金) 07:35:28.20 ID:QlyqhqRT.net

ルビィ「協会の副会長さんと農場の見学に来たの」

渡辺「そうなんだね」


副会長「さてはあなたはエロ可愛い桜坂に付き纏う変態さんですね?」

渡辺「えっ!? そんなつもりは・・・・・・」


副会長「桜坂さん、言って下さればこういう輩の駆除も行いますから」

しずく「いえいえ、その方は大切なお客様ですから・・・・・・ あはは」


副会長「そ、そうでしたか・・・・・・」

渡辺「いきなり変態だなんて酷いよ!」 プンプン

副会長「すみません、てっきり桜坂さんの美しい(いやらしい)声に魅了されておかしくなった方かと思ったものですから・・・・・・」

渡辺「酷いよ!」


副会長「では、今度こそ帰ります」

ルビィ「ありがとうございましたっ」 ペコッ

しずく「お気をつけて」


 キュルルッ

 ブイイイイインッ・・・・・・


渡辺「全く失礼な人だねぇ~!」

しずく「あの人は大日本石焼き芋協会の副会長さんですよ?」

渡辺「え!? そうなの?」

渡辺「私思いっきり突っ掛かっちゃったけど大丈夫かな」

しずく「ちょっと変わった方ですけど、寛大な方なので大丈夫ですよ」


渡辺「それにしてもルビィちゃんもいたけどどうしたんだろ、修行中のはずなのに」

しずく「ああ、副会長さんと一緒にいた方は、石焼き芋免許を一発試験で合格されたそうです」

渡辺「そうなんだ! 凄い!」

しずく「凄いなんてもんじゃないですよ」

渡辺「へ~! 頑張ってるんだな、ルビィちゃん」

渡辺「あとでダイヤさんに教えてあげよう」


────
──



198: 名無しで叶える物語 2021/08/06(金) 08:21:50.02 ID:QlyqhqRT.net

 
 ブウウウウウン・・・


ルビィ「次はどこ行くんですか?」

副会長「うーん、少し時間が余るのでもう一軒だけ回って今日の講習は終わりにしましょう」


ルビィ「今日は一日ドライブみたいで楽しいね!」 ニコッ

副会長「黒澤さんが楽しいというならば、明日の朝までオールナイトでもいいんですよ?」 ニチャア

ルビィ「ええ~! ルビィ徹夜なんてできないよぉ」


副会長「そ、そうですか・・・・・・」

副会長「とりあえず一度東京に戻ります」

ルビィ「はい!」


────
──


 ブウウウウウン・・・・・・

 キキーッ


副会長「到着です。ここが次の見学先ですよ?」

ルビィ「え! ここって・・・・・・」


副会長「天王寺モータースさんです」


璃奈「あれ、副会長どうしたの?」

副会長「ああ、璃奈さん。丁度良かった」


璃奈「あれ? ルビィちゃんまで・・・」

副会長「黒澤さんをご存知で?」

璃奈「うん、侑さんのところのお弟子さんでしょ?」

ルビィ「はい!」

璃奈「それに、ルビィちゃん専用軽トラの改造をルビィちゃんのお姉さんから依頼されてる」

副会長「え!? まさか黒澤ダイヤさん!?」

ルビィ「ダイヤは私のお姉ちゃんだね」 ニコッ


璃奈「ルビィちゃん、軽トラもう出来てるよ」

ルビィ「ありがとうございます!」

璃奈「いつでも取りに来てね」

ルビィ「はい!」


副会長「黒澤さんの専用軽トラは私が手配しようと思ってここに来たのに先を越されていたとは・・・・・・」

副会長「でも、黒澤ダイヤさんなら仕方ないですね・・・・・・」 ガクッ


副会長「黒澤さん、天王寺モータースさんは表向きは自動車整備工場ですけれど、協会の軽トラや軍事車両の管理をお願いしているんです」

ルビィ「へぇ~! そうなんだぁ!」

璃奈「ルビィちゃん、みんなには内緒ね」

ルビィ「はい!」


副会長「ああそうだ、ついでたがら私の軽トラ置いていきますんでメンテナンスお願いしますよ」

璃奈「分かった」



210: 名無しで叶える物語 2021/08/06(金) 20:25:48.05 ID:QlyqhqRT.net

副会長「黒澤さん、では協会に帰りましょうか」

ルビィ「はいっ!」


ルビィ「そういえば何で帰るの?」

副会長「協会から兵士に迎えに来させようと思います」

副会長「私が言えばすぐに吹っ飛んできますのでお待たせしませんよ?」 ニコッ

ルビィ「しゅ、しゅごーい!」


璃奈「どうせだったら璃奈ちゃんの軽トラ乗って行くといいよ」

璃奈「せっかく完成しているんだから乗ってあげた方が軽トラが喜ぶ」


副会長「黒澤さんがよければそうしましょうか?」

ルビィ「うん! 乗りたい!」 ニコッ


璃奈「じゃあこれ、鍵だよ」 スッ

ルビィ「ありがとう」


副会長「璃奈さん、この軽トラ、改造したという割には普通ですけど何が違うんですか?」 キョロキョロ

副会長「あ、この石焼きの釜が特別性とか?」

璃奈「うん、そんなところ。それ以外は至って普通」

璃奈「それしかルビィちゃんのお姉さんから依頼受けてないから」


副会長「うーん・・・ 黒澤さん用なんだから、色をピンクにして可愛らしく装飾するとかあるじゃないですか」

璃奈「みんながそういうのを好きなわけじゃないからね」

副会長「そっかぁ・・・・・・」


ルビィ「副会長さん、私いきなり乗る自信ないから代わりに運転してくれませんか?」

副会長「ああ、構いませんよ?」


ルビィ「はい、鍵です」 スッ

副会長「じゃあ、運転席に失礼しますね」


 バタンッ


副会長「さてと・・・・・・」


 キュルルルルルルル・・・・・・


副会長「あれ?」


 キュルルルルルルル・・・・・・


副会長「んん? エンジン掛かりませんよ? 璃奈さん、これ大丈夫ですか?」

璃奈「え? そんなはずないなぁ」

璃奈「貸して?」


 キュルルルルルルル・・・・・・


璃奈「お、おかしい・・・・・・」 ウーム

副会長「璃奈さんでもこういうことがあるんですね・・・・・・」



211: 名無しで叶える物語 2021/08/06(金) 20:30:39.96 ID:QlyqhqRT.net

 
 キュルルルルルルル・・・・・・


璃奈「なぜだろう・・・・・・」


副会長「黒澤さんもセル回してみてもらえますか?」

ルビィ「はい」


 キュルルッ

 ブオオンッ


副会長「え!?」

璃奈「ええ!?」

ルビィ「あれ? 掛かったよ?」 ポカーン


璃奈「何だろ・・・ プラグがカブってただけなのかなぁ」


副会長「とりあえず帰ります」

璃奈「うん、気をつけて」


副会長「黒澤さん、どうせなんでそのまま運転して行ってください」

ルビィ「わ、わかりました!」


副会長「助手席失礼しますね」


 バタンッ


ルビィ「じゃあ、しゅっぱーつ!」


 ブウウウウウン・・・・・・


璃奈(完璧に仕上げたはずなのになぁ・・・・・・)

璃奈(うーん・・・・・・)


────
──



212: 名無しで叶える物語 2021/08/06(金) 20:39:19.87 ID:QlyqhqRT.net

 
 ブウウウウウン・・・・・・


副会長「黒澤さん、協会までの道のりはご存知ですか?」

ルビィ「わ、わからないですっ!」

副会長「では、私が言う通りに運転してくださいね」

ルビィ「はいっ!」


────
──


~大日本石焼き芋協会~


 ブウウ・・・・・・

 キィッ


副会長「無事に帰りましたね、お疲れ様でした」

ルビィ「私専用の軽トラ、楽しかった!」 ニコッ

副会長「それは良かったですね」 ニコッ


衛兵「副会長、おかえりなさいませ!」 ビシッ

副会長「ご苦労」


副会長「今日は疲れましたから食事の前に入浴しましょうか」

ルビィ「はい!」


副会長「兵士! 黒澤さんを私の大浴場までご案内なさい」

衛兵「はっ!」


────
──



218: 名無しで叶える物語 2021/08/07(土) 07:22:45.89 ID:I5dBDcSC.net

~翌日~


副会長「おはようございます、黒澤さん」

ルビィ「おはようございます!」


副会長「今日も見学に行きます」

ルビィ「はい!」


ルビィ「そういえば副会長さん、昨日はお風呂にも宿直室にも来なかったですね」

副会長「す、すみません・・・ 本当は行きたかったのですが、色々と忙しかったものですから・・・・・・」

副会長「黒澤さんが待ってらしているなら今日は必ず行きますので」 ニコニコ

ルビィ「いや、大丈夫でしゅよ」


副会長「では行きますか」

ルビィ「はい!」


副会長「・・・って、兵士に黒澤さんの軽トラを運ばせるように命令したんですが何してるんだろう」 イライラ


 タッタッタッタ・・・


兵士「副会長! ご命令の軽トラのエンジンが掛かりません!」

副会長「何をやっているのですか!」

副会長「せっかくだから黒澤さんの軽トラを黒澤さんに運転してもらって練習しようと思ったのに・・・・・・」


副会長「黒澤さん、我々も駐車場まで行きましょう」

ルビィ「はい!」


────
──


~駐車場~


兵士「セルが回るだけでエンジンが始動しないのです・・・・・・」

副会長「昨日と同じですね・・・・・・」 ウーム


ルビィ「どれ?」


 キュルルッ

 ブオオンッ


ルビィ「あら? かかった」

副会長「何やってるんですか! 掛かるじゃないですか!」プンプン

兵士「あれ? おかしいなぁ・・・・・・」


副会長「あの璃奈さんがミスするとは考えにくいですけど、見てもらった方が良さそうですね」


副会長「とりあえず講習しなきゃいけませんし、黒澤さん出掛けましょう」

ルビィ「はいっ!」


 ブゥウウウン・・・


 



219: 名無しで叶える物語 2021/08/07(土) 07:34:43.27 ID:I5dBDcSC.net

────
──


 ブウーーーーン・・・

 キキーッ


副会長「ここに駐車して貰って大丈夫です」

ルビィ「はい!」


ルビィ「ここは、芋市場でしゅね!」

副会長「よくご存知で」

ルビィ「お姉ちゃんと何度も来たことがあるから」 ニコッ

副会長「そうですね、黒澤さんのところでは市場のお芋を大量に購入頂いてますもんね」


エマ「おはよう! 副会長!」 ニコニコ

副会長「あら、エマさん!」

エマ「市場まで来るなんて珍しいね!」

副会長「こちらの黒澤さんが一発試験で石焼き芋免許を取得されたので、その講習の一環なんですよ」


エマ「え!? 一発で!? そんなのできるの?」

副会長「出来ちゃったんですよ・・・・・・」


ルビィ「黒澤ルビィです、よろしくお願いします」 ペコッ

エマ「エマだよ! よろしくね」 ニコッ

エマ「そういえば、黒澤さんのトラックでよく来てた子だよね?」

ルビィ「はい!」


副会長「黒澤さん、この人は私の芋ヶ咲の1学年上の先輩で、国際芋学科で学んだ知識を活かして芋市場で市場長をしてもらっています」

エマ「そんな立派なものじゃないよ~ あはは」


副会長「黒澤さんもご存知だと思いますけど、この芋市場は世界最大規模でして、日本はおろか他国からも芋が集まるんです」

ルビィ「へぇ~! しゅごい!」

副会長「最近はさつまいもだけじゃなくて、他の芋類も扱っていますよ?」

ルビィ「そうなんだ~」



220: 名無しで叶える物語 2021/08/07(土) 07:48:07.98 ID:I5dBDcSC.net

 
 ウイーーーーン・・・・・・


副会長「あ、果林さーん!」


果林「ん?」


 ウイーーーーーーーーン・・・


果林「副会長じゃない、どうしたの?」

副会長「おはようございます! こちらの黒澤さんの講習の一環で来ました」


副会長「黒澤さん、この方は朝香果林さんです」

ルビィ「黒澤ルビィです!」

果林「あら、可愛いのね」 ニコッ


副会長「この人は見ての通り超ナイスバディの超美人さんで見てるだけでジュワりそうになりま・・・ コホンッ・・・ じゃなくて、フォークリフトの世界的名手なんですよ」

ルビィ「へぇ~!」

果林「それは大袈裟よ~」


副会長「この巨大な市場の物流がスムーズに機能しているのはこの人のおかげです」

ルビィ「うわぁ~! しゅごいなぁ~!」


果林「じゃ、私は忙しいから行くわね」


 ウイーーーーン・・・・・・


 



221: 名無しで叶える物語 2021/08/07(土) 08:15:05.01 ID:I5dBDcSC.net

ルビィ「あ! あのトラック!」

副会長「ん?」


副会長「あ! あのお方は!!」


ルビィ「おねぇ~ちゃーん!」


ダイヤ「あら、ルビィ!?」

ルビィ「お姉ちゃん! 今日はお芋を買いに来る日?」

ダイヤ「そうですわよ? ルビィに送る分もあるから最近は頻繁に来ますわね」


副会長「これはこれは、黒澤ダイヤ社長・・・ いつもありがとうございます」 ペコッ

ダイヤ「あら、副会長さん? でしたっけ?」

副会長「はい、覚えていて頂き光栄です」


ルビィ「お姉ちゃん! ルビィ免許取れたんだよ!」 ニコニコ

ダイヤ「曜さんから聞いていますわ、頑張りましたわね~」 ニコニコ


副会長「普通は学校を出て取得する免許を一発で取得されたのですから、さすが石焼き芋の名門黒澤家のお方です」


ダイヤ「そんなの昔の話ですわ・・・・・・」

ダイヤ「今はただの商事会社ですから・・・・・・」


副会長「いえ、ご謙遜を・・・・・・ セカンドイモパクト前は黒澤一族が協会の会長を歴代世襲していたのですから・・・・・・」

ダイヤ「それも昔の話です、落ちぶれたものですわ」

副会長「そ、そんなことはありません! 今も多大な影響力をお持ちではないですか!」


ルビィ「何の話??」 ポカーン

ダイヤ「ルビィは知らなくてもいいのよ?」 ニコニコ


エマ「あはは・・・・・・」



225: 名無しで叶える物語 2021/08/07(土) 20:20:19.56 ID:I5dBDcSC.net

ダイヤ「では、わたくしは帰りますわね」

エマ「はい! お気をつけて!」 ニコッ


副会長「お疲れ様でした」 ペコッ


 ブオオオオオオオォン・・・・・・


ルビィ「お姉ちゃんいっちゃったね」

副会長「はい」


副会長「では芋市場の見学はこれくらいにして、我々は協会に帰りましょう」

ルビィ「はい!」


副会長「エマさん、お邪魔しました」

エマ「いえいえ、たまに顔出しに来てね」 ニコッ


────
──


~協会・指令室~


副会長「黒澤さん、お疲れ様でした」

ルビィ「はいっ!」


副会長「黒澤さんは学科も実技も素晴らしい成績で免許を取得されましたので、講習はこれまでです」

ルビィ「お、終わりなの!?」

副会長「はい、ですがここで終了して帰られても今日はすることないでしょうから、黒澤さんには過去の貴重な動画サンプルをご覧頂きましょう」


ルビィ「動画? 何の?」

副会長「数十年前のものです、面白くはありませんが、黒澤さんが黒澤一族の方なので特別にお見せ致します」

ルビィ「ありがとうございます」


副会長「では、別室にご用意していますので移りましょう」

ルビィ「はい」


────
──



226: 名無しで叶える物語 2021/08/07(土) 20:26:52.51 ID:I5dBDcSC.net

ルビィ「むにゃむにゃ・・・・・・」 Zzz・・・・・・


副会長「黒澤さん? 起きてください」

ルビィ「はうっ・・・ ここは・・・・・・」 キョロキョロ


副会長「動画を見てる途中に眠ってしまったようですね」

ルビィ「ひゃっ! ゴメンなさい!」 ビクッ


副会長「まぁ、見ていても退屈でしょうから、眠ってしまうのも仕方ないと思います」


ルビィ「せっかく見せてくれたのにすみませんでした・・・・・・」 シュン


副会長「では、もう夜ですのでお気をつけてお帰りください」 ニコッ

ルビィ「はい! ありがとうございました!」 ペコッ


────
──


~協会・駐車場~


ルビィ(よおし! 明日からルビィの軽トラでお芋をバンバン売りまくるぞぉ!)


ルビィ(・・・・・・って、何時間居眠りしてたのか分からないけど師匠達はもうおウチに帰って来てる時間だな)

ルビィ(さて、帰ろう!)


 キュルルッ

 ブイイイイインッ・・・


────
──



227: 名無しで叶える物語 2021/08/07(土) 20:38:54.92 ID:I5dBDcSC.net

~侑と歩夢とルビィの家~


 ブウーーーーン・・・

 キキーッ


ルビィ(着いたー!)

ルビィ(副会長さんから珍しい品種のお芋を焼いたものをお土産に貰ったから、侑師匠も歩夢師匠も喜んでくれるといいなぁ)


 ギイッ


ルビィ「師匠! ただいまぁ!」 ニコッ

ルビィ「あ・・・・・・」


歩夢「あっ・・・ ああんっ・・・・・・」 ビクンッ

侑「はぁ・・・ はぁっ・・・ 歩夢? 気持ちいい??」

歩夢「あああっ! き、気持ちいいよっ! 侑ちゃん!」 ビクッ ビクッ

侑「はぁ・・・ はああああっ・・・・・・」





ルビィ「・・・・・・ あ、ああっ・・・・・・」

ルビィ「ゴメンなしゃい!!!」


 バタンッ


侑「!?」 ビクッ

侑「あれ? 今ルビィちゃん帰ってきた??」

歩夢「え!? 嘘!?」


侑「今玄関開いたような気がするから多分・・・・・・」


 ギイッ


侑「んんっ?」 バッ

侑「・・・・・・」 キョロキョロ・・・


侑「あ! やっぱりルビィちゃん! おかえり!」 ニコッ


ルビィ「た、ただいま・・・・・・」

侑「早く入って!」 ニコッ

ルビィ「ルビィ入ってもいいの?」

侑「当然でしょ! ルビィちゃんのおウチなんだから!」

ルビィ「うん・・・」


 ギイッ


────
──



230: 名無しで叶える物語 2021/08/07(土) 20:49:35.28 ID:I5dBDcSC.net

歩夢「あ! ルビィちゃんおかえり!」 ニコッ

ルビィ「歩夢師匠、ただいま」


侑「講習はもういいの?」

ルビィ「うん! 副会長さんが終わりって言ってたから」

侑「じゃあ、明日からまたバンバン売りに出ないとね」 ニコッ

ルビィ「ルビィがんばる!」


ルビィ「あ、あの・・・ これ副会長さんから貰ったお土産」 スッ

侑「この紙袋何入ってるの?」

ルビィ「珍しい品種の石焼き芋みたいだよ」

侑「そうなんだ! じゃあありがたく頂こうか」

ルビィ「うん!」 ニコッ


────
──


侑「ルビィちゃんごちそうさま!」

歩夢「とても美味しいお芋だね」 ニコッ

ルビィ「そうだね!」


侑「そうだ、ルビィちゃんお風呂入る?」

ルビィ「うん!」

侑「用意出来てるから先入っていいよ?」

ルビィ「ありがとう!」 ニコッ


 ギイッ


侑「まさかのルビィちゃん帰宅で半端だったから最後までしよ?」

歩夢「もう~ 侑ちゃんったら~!」


────
──



232: 名無しで叶える物語 2021/08/07(土) 22:16:11.18 ID:I5dBDcSC.net

~翌日~


侑「ルビィちゃんが講習でいない間にね、いつもの商店街に売りに行ったらルビィちゃんを心待ちにしてるお客さんがたくさんいたんだよね」

ルビィ「そ、そうなんですか!」


歩夢「だから今日は商店街に2台で売りに行こうかって侑ちゃんと話してたの」

ルビィ「はい!」

侑「それだとお客さんがたくさん来てもいつもの倍近いお芋をお客さんに売れるから、買えないお客さんも最低限で済むと思うんだよね」

ルビィ「ありがとうございましゅ!」


侑「とりあえず、仕込みの準備始めようね」

ルビィ「はいっ!」


────
──


~商店街~


侑「よし、いつもの位置に軽トラ停めればお客さんも・・・・・・」


 ゾロゾロ・・・・・・


歩夢「え!? お客さんがもう集まって来てる!」

ルビィ「うわぁ・・・!」


客「ルビィちゃん! 早く売ってくれ!」


 ワイワイガヤガヤ・・・・・・


侑「す、凄いなぁ・・・・・・」


ルビィ「すみません! 皆さん並んで下さい!」


 ビシッ・・・・・・


歩夢「お客さんが綺麗に一列になった!」


ルビィ「たくさんありますので慌てないでくだしゃいね」 ニコニコ


 ゾロゾロ・・・・・・


侑「私達も早く手伝おうよ、歩夢!」

歩夢「うん!」


────
──


侑「うわぁ~、あっと言う前に完売だったね!」


客「え? 売り切れなの?」

ルビィ「ご、ゴメンなさい・・・・・・」 ペコッ

客「じゃあ明日はもっと早く買いに来ないとね」

ルビィ「お願いします・・・・・・」



233: 名無しで叶える物語 2021/08/07(土) 22:18:54.82 ID:I5dBDcSC.net

歩夢「うわぁ困ったね、軽トラ2台分では全然足りないよ~」

侑「売り切れてからもかなりの人が並んでたし、何か対策ないかなぁ・・・・・・」

歩夢「まぁ、もう一台軽トラあればいいけれど、そんな簡単に用意できるものでもないしね・・・・・・」

侑「何かいい方法あればいいけど・・・・・・」


ルビィ「誰か軽トラ貸してくれないかなぁ・・・・・・」

侑「頼めるとしたら璃奈ちゃんしかいないかな・・・・・・」

歩夢「そうだね、でも・・・ 借りるのも申し訳ないし・・・・・・」


侑「これからダメ元で頼みに行ってみる?」

歩夢「そうだね」


────
──



234: 名無しで叶える物語 2021/08/07(土) 22:49:56.50 ID:I5dBDcSC.net

~天王寺モータース~


侑「璃奈ちゃーん!」

璃奈「あ、侑さん達、どうしたの?」


歩夢「実は軽トラ2台じゃ足りなくなって来たの」

璃奈「なるほど、ルビィちゃんが戻ったわけだね」

ルビィ「はい」


璃奈「このままだとお客さんももっと増えるだろうし、追い付かなくなる一方だろうね」

侑「そうなればありがたいばっかりだけどね」

歩夢「でもお客さんを捌き切れないよ」


璃奈「それなら買えないお客さんは出てしまうけど、今の2台体制で売って行くしかないと思う」

ルビィ「でも・・・ 買えないお客さんに申し訳なくて・・・・・・」 ウルッ


璃奈「そっか・・・ 君は黒澤一族だったよね」

ルビィ「うん、それがどうかしたの?」

璃奈「協会で副会長には習わなかった?」


ルビィ「うーん・・・ わかんない!」


璃奈「もしかすると君が・・・・・・」

璃奈「いや、何でもない・・・・・・」


璃奈「そうだ、明日1日だけこの軽トラ貸してあげる」


侑「ほんと!?」

璃奈「副会長のなんだけど、メンテの為に副会長お気に入りの無駄な装飾は外してあるからパッと見は誰のか分からないから」

歩夢「ありがとう! 璃奈ちゃん!」


璃奈「積んである石焼き釜は侑さんのとルビィちゃんのと同じ物だから扱いには困らないと思う」

侑「ありがとう!」


璃奈「それと、私も同行していい?」


侑「ああ、うん! 構わないよ」

璃奈「じゃあ、明日売りに出るとき連絡してくれる?」

侑「うん、分かった! 璃奈ちゃんありがとう!」


璃奈(セカンドイモパクトの真実に近づけるかもしれない・・・・・・)


ルビィ「明日はもっとたくさん売れるね!」 ニコッ

侑「そうだね!」

歩夢「明日もがんばろうよ!」 ニコッ




────私達の芋売りはこれからだ!!!




 



237: 名無しで叶える物語 2021/08/07(土) 22:57:21.10 ID:I5dBDcSC.net

明日3話だからそれまでの暇つぶしSSは一旦打ち切り

どかちー飽きたらまた書くかもしれないし書かないかもしれない


元スレ
侑「石焼~きいも~・・・」歩夢「侑ちゃん、なかなか売れないね」